説明

クリップ付きマスク

【課題】簡単に顔に取り付けることができ、手元作業が容易で、マスク装着の際の姿形も美しく、メガネも吐く息でくもり難く、呼吸も容易にできるマスクを提供する。
【解決手段】マスク1を鼻と口元を覆うように洋梨型に立体的に形成し、その裏面中央部分に鼻孔と対応した固定用クリップを取り付る。マスク1の口元対応部分3および鼻対応部分4を使用者の口元および鼻に対応させてあてがい、クリップの前端のつまみ6をつまんでクリップ後端を広げ、この状態で鼻孔にクリップを差し込んで左右から鼻骨をはさむようにマスクを止めるので、簡単に取り付けでき、マスク使用時の姿形を良好にできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体的なマスクであって、マスク裏面に取り付けたU字型あるいは逆Ω型のクリップを鼻孔に差し入れ、鼻骨を左右からはさみつけて止めることでこれまでのマスクのように耳紐を用いることなしに、口および鼻を包むように取り付けできるマスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のマスクは、図5に示すように耳紐10を左右に備えた矩形あるいは立体型のマスク11が主体であり、このようなマスクを用いた場合、顔12の下半分程度を覆って下方を見ることに支障が生じ、手元での作業が困難になることがあった。またマスクをつけた姿形は美しさに欠けるものでもあった。
【0003】
さらにマスク11の主体であるガーゼ布が鼻と口を覆ため、例えば風邪を引いてマスクをした使用者にとっては息苦しかったり、鼻上部に息が漏れてメガネをした使用者にとってはその漏れ出た息でメガネがくもり、不快に感じることが多々あった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−254418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題点を解消して、これまでのマスクに取り付け得られていた耳紐をなくし、口元と鼻を覆う立体的なマスク形状とし、その取り付けはマスク裏面につけたクリップを鼻孔に差し入れ、鼻骨を左右からはさんで止めることで簡単に顔へ取り付けできるようにしたマスクを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するために、鼻と口だけを覆う様に紙等で、例えば洋梨型に立体的に型紙を形成し、この型紙に沿って洋梨型にガーゼを裁断し、顔の左右の頬にかかる部分を少なくして、マスクをした場合でも下方の視野が狭くなることを緩和して手元での作業を容易に出来るようにしたものである。さらに本発明の特徴は、これまでのマスクの耳紐を使用することなく、マスク裏面の鼻孔に対応した部分に鼻孔に入り込んで鼻骨を左右からはさむU字型または逆Ω型のクリップを取りつけ、このクリップで洋梨型のマスクを口元および鼻を囲うように取り付けたものである。なお、本発明でのマスクの材質はその使用目的にもよるが、例えば和紙、不織布、軟質な発泡体、フエルトなど任意に用いることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明のマスクは、口元および鼻を主体に顔を覆う部分を少なく押さえ、下方への視野の阻害を少なくして手元作業を容易とし、さらにマスク装着の際の姿形も美しく、メガネも吐く息でくもり難く、マスクと鼻との間に空間が確保できるため呼吸も容易にできるといった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のマスクの使用状態を示す正面図
【図2】同マスクの形状を示す側面図
【図3】同マスクを斜め裏側から見た斜視図
【図4】同マスクの裏面図
【図5】従来のマスクの使用状態を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のマスクは、洋梨型に立体裁断し顔にかかる部分を口元および鼻を取り囲むように少なくし、かつその取り付けはマスク裏面の鼻孔と対応した部分に取り付けたU字型あるいは逆Ω型のクリップを鼻孔に差し入れ、鼻骨を左右からはさむことで行うことを特徴とするものである。
【0010】
以下、その具体的な構成を説明する。図1中、1は型紙を利用して洋梨型に立体裁断して作ったマスクであり、これはガーゼを少なくとも2枚重ね、一部にプレス処理等で立体的な膨らみを持たせて半割の洋梨形状としたものである。
【0011】
このマスクを図に示すように使用者の顔2に取り付けるには、マスクを半割の洋梨形状に成型した時に形成した口元3および鼻4対応部分を、使用者の口元および鼻に対応させてあてがう。そしてマスク裏面のほぼ中央部で鼻孔と対応する部分に取り付けた固定用クリップ5を鼻孔に差し込む。固定用クリップ5は図2、図3でも一部見えるように柔軟性のある樹脂でほぼU字型をした洗濯用クリップに近いものとし、クリップの前部先端に短いつまみ6を一体に形成してこれをつまんでクリップ後端を開く。そしてこの状態でクリップ後端7を鼻孔に差し入れ、適度の深さのところでつまみをはなすと、クリップ後端は自身が持っている狭くなろうとする弾力で鼻骨を左右からはさんで止まり、マスクは鼻および口元を覆った状態で顔2に固定される。
【0012】
マスク裏面のほぼ中央部で、鼻孔と対応する部分に固定用クリップ5を取り付けるには例えば両面テープを用い、クリップの前部先端に設けた短いつまみ6をマスク表面側に一部突き抜けて飛び出すようにしっかり固定すればよい。もちろんクリップの大きさは、使用者が大人か子供かに応じてその大きさを大小加減すればよく、クリップの後端7の先には鼻骨を左右からはさむ際の当たりを和らげるため、軟質樹脂から形成された小さなパッドを設けるとよい。
【0013】
さらにマスクをした際の鼻および口での息をしやすくするよう、鼻孔と口に対応した部分のマスクのガーゼを他の部分よりも厚み的に薄くして、代わりに抗菌ガーゼを張り付けるとよい。こうすれば会話時のマスクを通しての声も聴き取りやすく、話につれての唾液や菌の放出も抑制することができる。
【0014】
さらにマスクの裏面側周囲に柔らかい紙や、ガーゼからなる長さ1cm程度のギャザー8をよせて貼り付けると、顔2への密着度合が高まり、マスク周囲からの菌や花粉等の侵入を防ぐことができ、花粉症対策にも有効である。加えてマスク内面に、立体的でマスクと同形のガーゼを2〜3枚重ねて軽く貼りつければ、汚れた時1枚ずつ剥がし取ることで当てガーゼを簡単に取り換えられ、清潔に保つことができる。
【0015】
またマスク使用時の姿形を考えると、マスクと顔が一体化するように、マスクを人の肌色に着色すると違和感を生じなくて好ましく、さらにマスク素材として、女性用には化粧を施すことが可能な素材を用い、男性用には髭をつけたり、描いたりすることができる素材を、子供用には動物や、ヒーローの形を口元に型取ることができる素材を用いれば楽しいものにできる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
このように本発明のマスクは医療現場での手元作業、製造現場での手元作業、または集合施設での感染予防に有効であるだけでなく、口紅のカラーテスターなどの用途にも用いることができる。
【符号の説明】
【0017】
1 マスク
2 使用者の顔
3 口元対応部分
4 鼻対応部分
5 固定用クリップ
6 つまみ
7 クリップ後端
8 ギャザー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼻と口元を覆う洋梨型に立体裁断したマスクと、このマスクの裏面で鼻孔対応部分に取り付けた軟質プラスチック製でU字型あるいは逆Ω型のクリップとからなり、このクリップを鼻孔に差し込んで鼻骨を左右からはさみつけてとめるクリップ付きマスク。
【請求項2】
マスクの裏面側周囲に柔らかい紙またはガーゼからなるギャザーを貼り付けた請求項1記載のクリップ付きマスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−34921(P2012−34921A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179118(P2010−179118)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【出願人】(309021663)
【Fターム(参考)】