説明

クリールスタンド用ブレーキ、クリールスタンドおよび線条体巻き出し方法

【課題】単純な構成でボビンに制動を掛けることができるクリールスタンド用ブレーキ、クリールスタンドおよび線条体巻き出し方法を提供する。
【解決手段】ブレーキ機構12はフレーム12Aと一体的に設けられた中央ハブ20に、回転軸方向両側に設けられた回転ハブ22が回転可能に支持されている。フレーム12Aには制動部材18が設けられ、回転ハブ22に接触することで、フレーム12Aおよび中央ハブ20に対して回転ハブ22を制動し、フレーム12Aおよび中央ハブ20と回転ハブ22との間に接触抵抗からなるトルクを付与している。フレーム12Aの周方向の一端にはケーブル26が設けられ、先端に設けられたフック27が隣接するブレーキ機構12の被係留部30に係留されることで、保持軸16に対して回転しないように支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コードを巻回したボビンを複数収納するクリールスタンド用ブレーキ、クリールスタンドおよび線条体巻き出し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばタイヤの補強層として利用されるコード入りゴムシートは、線材を巻き付けたボビンをゴムシートに必要な打込み数に対応させて複数配置し、それぞれのボビンから巻き出した複数本のコードを平行に引き揃えてカレンダーへ送り出し、カレンダーでゴムシートと線材とを圧延によって合体させてコード入りゴムシートとしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら上記の例では、ボビンはクリールスタンドの軸に1個づつ装着していたため、多数本のコードを引き揃える場合、ボビンの数だけ軸が必要となり、クリールスタンドが巨大なものとなり、装置をコンパクトに出来ない問題があった。
【0004】
そこでクリールスタンドをコンパクトにするため、保持軸に複数のボビンを挿入し、支持させるクリールスタンドが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2002−240160号公報
【特許文献2】特開2004−149255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献2の例では、1本の保持軸は少なくとも2つ以上のボビンを挿入可能としているので、保持軸に1つのボビンのみを挿入して保持する場合に比較して保持軸の数が半分以下で済み、クリールスタンドをコンパクト化できるメリットがある。
【0007】
しかし、上記の例ではボビンからコードを巻出す際に、引き出されるコードにたるみが発生することを防ぐために、ボビンの回転に制動を掛け、トルクを与えるブレーキ機構などのトルク付与手段が必要となる。
【0008】
ボビンから巻出すコードの張力を維持するため個々のボビンにトルクを付与するには、個々のボビンにブレーキ機構を設ける必要上、上記特許文献2のようにクリールスタンドの保持軸に複数のボビンを挿入する場合、一本の保持軸に複数のブレーキ機構が必要となる。
【0009】
すなわち上記特許文献2においては固定軸の径方向外側には、第1の中空軸が同軸的に配置され、第1の中空軸の径方向外側には第2の中空軸が同軸的に配置され、それぞれの中空軸ごとにブレーキドラムが設けられる構成とされており、構造が複雑で高コスト且つ仕掛け作業の繁雑さが伴うなどの問題があった。
【0010】
本発明は上記事実を考慮し、ボビン仕掛け作業の繁雑さの改善、コスト低減、同一クリールスタンドでの多品種生産への対応を実現するために、容易に着脱でき、且つ単純な構成でボビンに制動を掛けることができるクリールスタンド用ブレーキ、クリールスタンドおよび線条体巻き出し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載のクリールスタンド用ブレーキは、外周に引出し可能にコードを巻回したボビンと、前記ボビンを回転可能に支持する軸と、前記軸に着脱可能に挿入され、前記軸に対して回転しないよう取り付けられた中央ハブ部材と、前記中央ハブ部材に対して回転可能に設けられた回転ハブ部材と、前記回転ハブ部材と前記ボビンとを連結する連結手段と、前記中央ハブ部材と前記回転ハブ部材との間に回転抵抗を生じさせる制動手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
上記構成の発明では、軸上に回転しない中央ハブ部材を設け、ボビンと連れ周りするように設けられた回転ハブ部材を制動する制動手段を中央ハブ部材に設けたことで、単純な構成でボビンに制動を掛けることができ、中央ハブ部材を着脱可能としたことで、制動を必要としない場合に取り外し可能となる。
【0013】
請求項2に記載のクリールスタンド用ブレーキは請求項1に記載の構成において、互いに交わらない複数の前記軸を備え、前記中央ハブ部材は前記軸に対して回転可能にそれぞれ支持され、隣接する一の前記軸に支持された前記中央ハブ部材と、隣接する他の前記軸に支持された前記中央ハブ部材とを連結する連結部材を備えたことを特徴とする。
【0014】
上記構成の発明では、複数設けられた軸に対してそれぞれ中央ハブ部材が回転可能に軸支され、複数の中央ハブ部材同士を連結することでそれぞれ軸に対して回転しないように支持されるので、中央ハブ部材をそれぞれ軸に対して固定する必要がなく、且つ軸にセットした後で固定することができ、ボビン交換時の工数を低減できる。
【0015】
請求項3に記載のクリールスタンド用ブレーキは請求項2に記載の構成において、前記連結手段は、前記回転ハブ部材に設けられたボスと、前記ボビンに設けられ前記ボスが軸方向から挿入されて係合する被係合部とを有することを特徴とする。
【0016】
上記構成の発明では、回転ハブ部材のボスがボビンの係合部に係合する構造とされ、単純で簡易な構造とすることができ、ボビン交換時の工数を低減できる。
【0017】
請求項4に記載のクリールスタンド用ブレーキは請求項1または請求項2に記載の構成において、前記中央ハブ部材の軸方向両側に前記回転ハブ部材が設けられ、前記制動手段はそれぞれの前記回転ハブ部材ごとに独立して制動することを特徴とする。
【0018】
上記構成の発明では、複数設けられたボビンを1個のブレーキで制動できるので簡易な構造であり、且つボビン交換時の工数を低減でき、個々のボビンに対し独立して制動が掛かるため、何れかのボビンで発生した回転変化の影響が他のボビンへ伝達されることを防止できる。
【0019】
請求項5に記載のクリールスタンド用ブレーキは請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の構成において、前記制動手段は、前記中央ハブ部材に固定され前記前記回転ハブ部材の外周面と接触し、摩擦抵抗を生じるバンドであることを特徴とする。
【0020】
上記構成の発明では、回転ハブ部材と接触するバンドで接触摩擦による制動をかけるので、単純で簡易な構造のブレーキとすることができる。
【0021】
請求項6に記載のクリールスタンド用ブレーキは請求項5に記載の構成において、前記バンドの一端が前記中央ハブ部材に弾性部材で係止されたことを特徴とする。
【0022】
上記構成の発明では、バンドの一端を弾性部材で係止することにより、回転ハブ部材の回転開始時に、バンドと回転ハブ部材との間で生じる静摩擦が動摩擦へ移行する際の制動トルクの変化を弾性部材の弾性変形で抑えることができる。
【0023】
請求項7に記載のクリールスタンド用ブレーキは請求項5または請求項6に記載の構成において、前記バンドの端部が係止される位置を前記バンドの長手方向に調整する固定位置調整手段が、前記中央ハブ部材に設けられたことを特徴とする。
【0024】
上記構成の発明では、位置調整手段によりバンドの張力を調整し、回転ハブ部材に付与される制動トルクを容易に調整できる。
【0025】
請求項8に記載のクリールスタンドは、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載のクリールスタンド用ブレーキを備えたことを特徴とする。
【0026】
上記構成の発明では、単純な構成で複数のボビンに制動を掛けることができるクリールスタンドとすることができる。
【0027】
請求項9に記載の線条体巻き出し方法は、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載のクリールスタンド用ブレーキを用いたことを特徴とする。
【0028】
上記構成の発明では、単純な構成で複数のボビンに制動を掛けることができる線条体巻き出し方法とすることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は上記構成としたので、単純な構成でボビンに制動を掛けることができるクリールスタンド用ブレーキ、クリールスタンドおよび線条体巻き出し方法とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態に係るクリールスタンドの構造と組み付け方法を示す斜視図である。
【図2】図1に示すブレーキ機構の構造を示す斜視図である。
【図3】図1に示すブレーキ機構とボビンとの結合を示す斜視図である。
【図4】図1に示すブレーキ機構の構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<実施例>
以下、本発明を実施例をもって更に詳細に説明する。図1〜図3には、本発明の実施形態に係るクリールスタンドが示されている。
【0032】
図1に示すようにクリールスタンド10は図示しないスタンド本体に、ボビン14を回転可能に保持する保持軸16を複数備えている。保持軸16は複数のボビン14の回転中心に設けられた軸穴14Aに挿通され、略鼓形状をしたボビン14を、保持軸16を中心として回転可能に保持している。
【0033】
ボビン14は、筒状の巻芯14Cの回転軸方向両端にフランジ14Bが設けられ、巻芯14Cの外周に例えばスチールコードやモノフィラメントなどのコードが巻回され、図示しないカレンダーにより引き出される構造とされている。
【0034】
一対のボビン14が図1のように保持軸16に設けられる際には、保持軸16の軸方向にボビン14が挿通され、さらにブレーキ機構12、ボビン14の順に挿通される。これにより保持軸16の軸方向にはボビン14に挟まれる位置にブレーキ機構12が設けられる。ボビン14は必ずしも複数設けられている必要はなく、1個だけの場合は保持軸16の軸方向への移動を防止するスペーサ等を使用してもよい。
【0035】
ブレーキ機構12は保持軸16に回転可能に軸支され、周方向の一端にケーブル26が設けられている。ケーブル26の先端に設けられたフック27は隣接する保持軸16に軸支されたブレーキ機構12の、被係留部30に係留され、隣接するブレーキ機構12同士を、それぞれ保持軸16に対して回転しないよう支持している。あるいは被係留部30に代えて、隣接する保持軸16や、クリールスタンド10のフレーム等にフック27を係止し、ケーブル26を固定してもよい。
【0036】
また保持軸16に対してブレーキ機構12が一体的に設けられていても、あるいは保持軸16の外形を、ブレーキ機構12が接触する部分のみD字型断面や四角断面などとして、ブレーキ機構12側に設けられたスクリューなどで固定する構造とされていても、また保持軸16に設けられた径方向の固定穴にブレーキ機構12からピンなどが挿入される構造とされていてもよい。
【0037】
図2に示されるように、ブレーキ機構12はフレーム12Aと一体的に設けられた中央ハブ20に、回転軸方向両側に設けられた回転ハブ22が回転可能に支持されている。フレーム12Aには例えば略U字型のゴムバンド等からなる制動部材18が設けられ、一端はバネ29によりフレーム12Aに繋止され、他端は固定位置調整手段18Aにより、制動部材18の長手方向(図中上下方向)に位置調整可能に、フレーム12Aに固定されている。
【0038】
制動部材18が回転ハブ22の外周面に接触することで、フレーム12Aおよび中央ハブ20に対して回転ハブ22を制動し、フレーム12Aおよび中央ハブ20と回転ハブ22との間に接触抵抗からなるトルクを付与している。あるいは回転ハブ22に制動部材18が設けられ、中央ハブ20との間に摩擦抵抗を生じる構成とされていてもよい。
【0039】
フレーム12Aの周方向の一端には前述のようにケーブル26が設けられ、ケーブル26の先端に設けられたフック27が、隣接する保持軸16に軸支されたブレーキ機構12の被係留部30に係留されることで、保持軸16に対して回転しないように支持される。フレーム12Aと中央ハブ20は一体的に設けられているので、ケーブル26が隣接するブレーキ機構12に係留されれば、中央ハブ20もまた保持軸16に対して回転しない構成とされている。
【0040】
中央ハブ20に対して回転可能に支持された回転ハブ22には、周方向の一箇所または複数箇所にボス24が設けられている。ボス24は、中央ハブ20から保持軸16の軸方向外側に突出して設けられ、同じ保持軸16に保持されるボビン14に対向する。
【0041】
図3に示されるように、保持軸16に保持されたボビン14は軸方向の片側でブレーキ機構12と対向する。
【0042】
ボビン14の、ブレーキ機構12と対向する面には、ブレーキ機構12の回転ハブ22に設けられたボス24が挿入される位置にボビン穴28が設けられており、保持軸16にボビン14とブレーキ機構12が挿通される際に、ボス24はボビン穴28に挿入される。これにより回転ハブ22とボビン14とは保持軸16まわりの回転方向に対して互いに連れ周りする構造とされる。
【0043】
回転ハブ22は中央ハブ20に対して回転自在に保持されているため、ボビン14もまた中央ハブ20およびフレーム12Aに対して回転自在とされる。またボス24を用いず、回転ハブ22とボビン14とをマグネット等で吸着させる構成や、両者の対向する面に互いに嵌合する凹凸を設ける等の構成であってもよい。
【0044】
同時に回転ハブ22は制動部材18で外周面に制動をかけられており、中央ハブ20に対する回転を制動されるため、結果としてボビン14はブレーキ機構12に対して制動部材18で制動され、トルクを付与された状態で回転可能に支持される。
【0045】
図4に示されるように、制動部材18の一端はそれぞれバネ29でフレーム12Aに係止される構成とされていてもよい。制動部材18の一端がバネ29で係止されることにより、回転ハブ22との摩擦トルクが所定の値より大きい際にはバネ29が弾性変形することで摩擦トルクを吸収する。
【0046】
図2に示されるように、ブレーキ機構12はフレーム12Aと一体的に設けられた中央ハブ20に、回転軸方向両側に設けられた回転ハブ22が回転可能に支持されている。フレーム12Aには例えば略U字型のゴムバンド等からなる制動部材18が設けられ、一端はバネ29によりフレーム12Aに繋止され、他端は固定位置調整手段18Aにより、制動部材18の長手方向(図中上下方向)に位置調整可能に、フレーム12Aに固定されている。
【0047】
<効果>
図1に示されているように、保持軸16に挿通され支持されたブレーキ機構12は、軸方向両側がボビン14と対向するように設けられ、ボビン14で挟まれた1個のブレーキ機構12が、両側のボビン14に対して回転方向に制動をかけ、トルクを付与する。
【0048】
このためボビン14ごとにブレーキを設ける必要がなく、少ない部品でクリールスタンド10を構成することができる。
【0049】
またブレーキ機構12は、隣接する保持軸16上のブレーキ機構12とケーブル26で係留される構造であり、保持軸16にブレーキ機構12をセットする際はブレーキ機構12は保持軸16に対して回転自在とされているため、ボビン14の交換時などであっても、ボビン14のみならずブレーキ機構12も保持軸16に挿入するだけでよいので、交換作業の工数を低減することができる。
【0050】
またブレーキ機構12が保持軸16に対して回転自在のままでは、両側のボビン14が同方向に等速で回転するとブレーキ機構12もまた同時に回転するので制動できなくなる状態を避けるため、ブレーキ機構12はケーブル26で隣接する保持軸16のブレーキ機構12に係留することで、簡単な構成でブレーキ機構12の回転を防ぐことができる。
【0051】
さらに、保持軸16にボビン14およびブレーキ機構12を挿入する際、ボビン14のボビン穴28と回転ハブ22のボス24とを位置合わせするだけで、ボビン14と回転ハブ22とを回転方向に固定できるので、ボビン14交換時の作業工数を低減できる。
【0052】
またフレーム12Aに設けられた制動部材18が回転ハブ22に対するブレーキとしてトルクを付与する構成であるため、ボビン14が回転ハブ22と回転方向に固定されていれば、ボビン14に対して特にブレーキをセットする必要がなく、ボビン14交換時の作業工数を低減することができる。
【0053】
さらに制動部材18の一方の端が、例えばフレーム12Aに設けられた長穴でボルト19の上下位置を調整する固定位置調整手段18Aにより、フレーム12A上で上下方向にそれぞれ位置調整可能に固定されている。これにより制動部材18の張力を調整できるので、回転ハブ22に対する制動部材18の摩擦トルクを調整することができる。
【0054】
また、制動部材18の他端はそれぞれバネ29でフレーム12Aに係止されることにより、回転ハブ22が回転開始した際に、回転ハブ22と制動部材18との間の摩擦は静摩擦から動摩擦へと移行する。静摩擦のとき摩擦トルクは大きいため、バネ29が弾性変形する(伸びる)ことで摩擦トルクを吸収し、動摩擦へ移行した際には摩擦トルクが減少しバネ29は弾性変形する(縮む)。これにより回転開始時の静摩擦による過大なトルクを抑制することができる。
【0055】
さらに、このときボビン14の個数によって制動部材18の摩擦抵抗などを変えたブレーキ機構12を複数種類用意しておけば、制動部材18のトルクを調整することにより、常に最適な制動をかけることができる。逆に制動が不要な場合は回転自在なカラー等に交換すればよい。
【0056】
<まとめ>
以上、本発明の実施例について記述したが、本発明は上記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
【0057】
例えば上記各実施形態では回転ハブ22に対して制動部材18で制動をかけ、トルクを付与する、所謂定トルク構成となっているが、これに限定されず例えばダンサーローラ等でコードの張力を検出し、一定に保つ構成とされていてもよい。
【0058】
また、本発明はクリールスタンドおよび線条体巻き出し方法以外に応用することもできる。すなわち、軸支された回転部材に対して制動をかけトルクを印加する目的であれば、多様な用途に本発明を応用することができる。
【符号の説明】
【0059】
10 クリールスタンド
12 ブレーキ機構(ブレーキ)
12A フレーム
14 ボビン
14A 軸穴
14B フランジ
14C 巻芯
16 保持軸(軸)
18 制動部材(制動手段)
18A 固定位置調整手段
19 ボルト
20 中央ハブ(中央ハブ部材)
22 回転ハブ(回転ハブ部材)
24 ボス
26 ケーブル(連結部材)
27 フック
28 ボビン穴(被係合部)
29 バネ (弾性部材)
30 被係留部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周に引出し可能にコードを巻回したボビンと、
前記ボビンを回転可能に支持する軸と、
前記軸に着脱可能に挿入され、前記軸に対して回転しないよう取り付けられた中央ハブ部材と、
前記中央ハブ部材に対して回転可能に設けられた回転ハブ部材と、
前記回転ハブ部材と前記ボビンとを連結する連結手段と、
前記中央ハブ部材と前記回転ハブ部材との間に回転抵抗を生じさせる制動手段と、
を備えたことを特徴とするクリールスタンド用ブレーキ。
【請求項2】
互いに交わらない複数の前記軸を備え、
前記中央ハブ部材は前記軸に対して回転可能にそれぞれ支持され、隣接する一の前記軸に支持された前記中央ハブ部材と、隣接する他の前記軸に支持された前記中央ハブ部材とを連結する連結部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載のクリールスタンド用ブレーキ。
【請求項3】
前記連結部材は、前記回転ハブ部材に設けられたボスと、前記ボビンに設けられ前記ボスが軸方向から挿入されて係合する被係合部とを有することを特徴とする請求項2に記載のクリールスタンド用ブレーキ。
【請求項4】
前記中央ハブ部材の軸方向両側に前記回転ハブ部材が設けられ、前記制動手段はそれぞれの前記回転ハブ部材ごとに独立して制動することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のクリールスタンド用ブレーキ。
【請求項5】
前記制動手段は、前記中央ハブ部材に固定され前記前記回転ハブ部材の外周面と接触し、摩擦抵抗を生じるバンドであることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のクリールスタンド用ブレーキ。
【請求項6】
前記バンドの一端が前記中央ハブ部材に弾性部材で係止されたことを特徴とする請求項5に記載のクリールスタンド用ブレーキ。
【請求項7】
前記バンドの端部が係止される位置を前記バンドの長手方向に調整する固定位置調整手段が、前記中央ハブ部材に設けられたことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のクリールスタンド用ブレーキ。
【請求項8】
請求項1〜請求項7の何れか1項に記載のクリールスタンド用ブレーキを備えたクリールスタンド。
【請求項9】
請求項1〜請求項7の何れか1項に記載のクリールスタンド用ブレーキを用いた線条体巻き出し方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−1140(P2011−1140A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143566(P2009−143566)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】