説明

クレーター防止剤を含有する陰極電着組成物

40mgKOH/g未満の酸価を有する水希釈性ポリエステル樹脂であるクレーター防止剤を含有する改良された水性陰極電着組成物。水希釈性ポリエステルは(1)ヒドロキシ環状カーボネート、(2)ポリカルボン酸無水物、(3)任意の一官能性エポキシ樹脂、(4)多官能性イソシアネート樹脂、ならびに(5)第三級アミンおよび第一級か第二級官能性かのどちらかを含有するポリアミン化合物の反応生成物である。該反応生成物は第三級アミン基を水希釈性基へ転化するために酸および水の存在下に中和される。加水分解可能なシラン基もまた、その耐クレーター性をさらに高めるために反応生成物中へ組み入れることができる。本電着組成物は、その一面に付けられるその後のコーティング層への硬化フィルムの被膜間接着性に悪影響を及ぼすことなくより少ないクレーターの平滑な外観を有するコーティングを生み出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陰極電着組成物に関し、特に、クレーターを著しく減少させ、そして組成物の電気メッキフィルムの平滑さを改良するクレーター防止剤を含有する陰極電着組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
電着法とも呼ばれる電気メッキ法による導電性基材のコーティングは周知であり、重要な工業プロセスである。自動車基材へのプライマーの電気メッキは自動車産業で広く用いられている。この方法では、自動車車体または自動車部品のような、導電性物品はフィルム形成ポリマーの水性エマルジョンのコーティング組成物の浴中に浸漬され、電気メッキ法において電極としての役割を果たす。電流は、所望のコーティングが物品上に付着されるまで、水性エマルジョンと電気接触した物品とカウンター電極との間に流される。陰極電着法では、コートされるべき物品は陰極であり、カウンター電極は陽極である。
【0003】
典型的な陰極電気メッキ法の浴に使用される樹脂組成物もまた当該技術分野で周知である。これらの樹脂は典型的には、鎖延長されたポリエポキシド樹脂でできており、次に付加物が形成されて樹脂中にアミン基を含む。アミン基は典型的には樹脂とアミン化合物との反応によって導入される。これらの樹脂は架橋剤とブレンドされ、次に酸で中和されて通常主エマルジョンと呼ばれる水エマルジョンを形成する。
【0004】
主エマルジョンは顔料ペースト、凝集溶媒(coalescent solvent)、水、および他の添加剤と組み合わせられて電着浴を形成する。電着浴は、陽極を含有する絶縁されたタンクに入れられる。コートされるべき物品は陰極であり、電気メッキ浴を含有するタンク中を通される。電着中の物品上に付着されるコーティングの厚さは浴特性、電気操作特性、浸漬時間などに応じて決まる。
【0005】
生じたコートされた物品は設定時間後に浴から取り出され、脱イオン水でリンスされる。物品上のコーティングは典型的には、物品上に架橋仕上げを生み出すために十分な温度でオーブン中で硬化させられる。
【0006】
陰極電着組成物、樹脂組成物、コーティング浴および陰極電気メッキ法は、1975年11月25日に発行されたジャラベック(Jarabek)らの米国特許第3,922,253号明細書、1983年12月6日に発行されたウィスマー(Wismer)らの米国特許第4,419,467号明細書、1979年1月30日に発行されたベランガー(Belanger)の米国特許第4,137,140号明細書、および1984年8月25日に発行されたウィスマーらの米国特許第4,468,307号明細書に開示されている。
【0007】
陰極電着組成物に関連する継続的な問題は、硬化した仕上げ中のクレーターの存在であった。多数のクレーター防止剤がクレーターをなくすためにこれまで使用されてきた。しかしながら、電着組成物中の通常のクレーター防止剤の存在は、間接ガスオーブンまたは電気オーブン中のような、NOx(窒素酸化物)が存在しないオーブン中で電着フィルムが硬化させられた場合に特に、シールジョイント用に使用される自動車PVCシーラーおよびプライマーサーフェーサーのような、それに付けられるその後のコーティング層の接着に悪影響を与えてきた。その次にそれに付けられるPVCシーラーおよびプライマーの接着に悪影響を及ぼすことなく、クレーターなしの平滑で均一な仕上げが電気メッキおよび硬化で形成されるように、添加剤または試剤が電着組成物に必要とされる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、エポキシ−アミン付加物およびブロックトポリイソシアネート架橋剤のバインダーを有する改良された水性陰極電着組成物であって、
1)ヒドロキシ環状カーボネート、
2)脂肪族ポリカルボン酸無水物、
3)含んでいてもよい一官能性エポキシ樹脂、
4)多官能性(ジ−またはより高級な)イソシアネート樹脂、ならびに
5)次の2つの群
(i)第三級アミンおよび第一級もしくは第二級アミン基を含有するポリアミン、または
(ii)第三級アミンおよび第一級もしくは第二級アミン基を含有するポリアミンと、アミノアルキルアルコキシシランとの組み合わせ
の1つから選択されたポリアミン化合物
の反応生成物である40mgKOH/g未満の酸価を有する高度に分岐した水希釈性ポリエステルをクレーター防止剤が含み、
その反応生成物が第三級アミン基を水希釈性基へ転化するために酸および水の存在下に中和される、該クレーター防止剤の使用を改良点とする組成物に関する。
【0009】
本明細書に開示されるコーティング組成物を用いる、車両車体またはその部品のような基材の改良されたコーティング方法もまた本発明の範囲内に含まれる。
【0010】
「水希釈性」または「水に希釈できる」は本明細書で用いるところでは、材料が中和後に水に溶けるまたは水に分散性であることを意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
クレーター防止剤は、それが組成物の他の成分と相溶性であるので、電着組成物へ容易に組み入れられる。クレーター防止剤は、組成物中の他の成分と反応しないので、組成物中でおよび通常の浴運転条件下に長期間電着浴中で安定した状態を保つ。クレーター防止剤は、電気メッキされたコーティングでのクレーターを著しく減少させ、そしてしばしばなくし、平滑で均一な仕上げを形成し、本添加剤は、その一面に付けられるその次のコーティング層の接着および電着浴の他の特性または電着組成物の仕上げに悪影響を及ぼさない。
【0012】
本クレーター防止添加剤は、電気メッキされた仕上げでのクレーター形成を著しく減少させるまたはなくすのに十分な量で電着組成物に使用される。一般に、クレーター防止剤は、電着組成物中のバインダー固形分の総重量を基準にして少なくとも0.5重量%のレベルで電着組成物に使用され、好ましくは、それは約0.5〜10重量%のレベルで使用される。より好ましくは、約1〜5重量%のクレーター防止剤が使用される。電着組成物のバインダーはエポキシ・アミン付加物とブロックトポリイソシアネート架橋剤とのブレンドである。
【0013】
クレーター防止剤は、先ず、酸無水物を開環させ、そして一末端に第一級カルボキシル基および他末端に環状カーボネートを有する付加物を形成するのに十分な条件下に通常の方法でヒドロキシ官能性環状カーボネートをカルボン酸無水物と反応させることによって製造される。この反応は一般に、反応が実質的に完了するまで触媒の存在下に約90〜150℃の温度で行われる。触媒の例はトリフェニルホスフィンまたはヨウ化エチルトリフェニルホスホニウムである。好ましくは所望の開環反応および1つの第一級カルボキシル基を有する付加物の形成のために、カルボン酸無水物が使用される。ヒドロキシ官能性環状カーボネートと酸無水物の代わりのカルボン酸との反応は、蒸留によって除去されなければならない水を脱離する縮合によるエステル化を必要とするであろう。これらの条件下では、これは回避されるべきである望ましくないポリエステル化を促進するであろう。
【0014】
反応の時間は反応の温度に主として依存して幾らか変わり得る。通常、反応時間は10分程度の短い時間から24時程度の長い時間に及ぶであろう。
【0015】
酸無水物対環状カーボネート上のヒドロキシの当量比は、所望の反応生成物への最大転化を得るために好ましくは少なくとも約0.8:1〜約1.2:1(酸無水物が一官能性と考えられて)であり、1:1の比が好ましい。0.8:1未満の比を用いることができるが、かかる比は望ましくないポリエステル化生成物の増加した形成をもたらす。
【0016】
使用することができる環状カーボネートの中には、1つもしくはそれ以上のヒドロキシ官能基で活性水素原子を含有するものがある。これらの環状カーボネートは当該技術分野で周知である。例には、当該技術分野で公知であるような様々な環サイズのヒドロキシ官能性環状カーボネートが挙げられるが、5員環または6員環環状カーボネートが一般に好ましい。それらのより大きい程度の商業的入手可能性のために、5員環がより好ましい。ヒドロキシル基を含有する典型的に有用な5員環環状カーボネートは、1,3−ジオキソラン−2−オン−4−プロパノール、1,3−ジオキソラン−2−オン−ブタノール、1,3−ジオキソラン−2−オン−ペンタノールなどである。ヒドロキシル基を含有する典型的に有用な6員環環状カーボネートは、1,3−ジオキソラン−2−オン−2,2−ジエチルプロパノール、1,3−ジオキソラン−2−オン−2,2−ジメチルプロパノールなどである。1,3−ジオキソラン−2−オン−プロパノールまたは通称グリセリンカーボネートのような1,3−ジオキソラン−2−オン基を有する5員環環状カーボネートが特に好ましい。
【0017】
エステルまたはカルボキシル基の形成に使用することができる酸無水物の中には、酸無水物部分中の炭素原子を除いて約2〜30個の炭素原子を含有するものがある。例には、脂環式、オレフィン系およびシクロオレフィン系酸無水物をはじめとする、脂肪族酸無水物ならびに芳香族酸無水物が挙げられる。置換脂肪族および芳香族酸無水物もまた、置換基が酸無水物の反応性または得られたポリエステルの特性に悪影響を及ぼさないという条件で脂肪族および芳香族の定義内に含まれる。置換基の例は、ハロゲン、アルキルおよびアルコキシ基であろう。芳香族酸無水物は、それらの劣った耐候性のために一般には好ましくない。
【0018】
典型的に有用な脂肪族酸無水物は無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、およびメチルヘキサヒドロフタル酸無水物である。他の有用な脂肪族酸無水物の例には、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物、テトラデセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、およびオクタデセニルコハク酸無水物が挙げられる。後者のクラスの酸無水物は、それらが酸無水物部分中の炭素原子を除いて少なくとも4個の炭素原子の、好ましくは少なくとも6〜18個の炭素原子の長鎖炭化水素を含有し、それが最終コーティング組成物での良好な安定性および適切な親水性/疎水性バランスを提供するので一般に好ましい。ドデセニルコハク酸無水物およびオクタデセニルコハク酸無水物のような酸無水物が特に好ましい。
【0019】
その次に、酸無水物環の開環によって形成されたカルボキシル基は場合により、しかし好ましくは、一官能性エポキシ樹脂、特にモノグリシジルエーテルで鎖延長されてカルボキシル基をヒドロキシル基に転化し、次に追加の酸無水物でヒドロキシル基を酸基へ元に転化する。付加物は、より良好な安定性およびより良好な親水性/疎水性バランスのための追加の炭化水素鎖を分子中へ導入するために好ましくはこのように鎖延長される。
【0020】
モノエポキシ化合物は、上述されたように第1反応の所望の完了後に加えられる。モノエポキシ−酸無水物鎖延長反応は一般に、第1反応と同じ条件下に行われる。
【0021】
鎖延長反応に使用することができるモノグリシジルエーテルの中には、約1の1,2−エポキシ等価を有するもの、すなわち、分子当たり平均基準で1個のエポキシ基を有するモノエポキシドがある。これらのエポキシ化合物は、飽和、不飽和、脂肪族、脂環式、芳香族または複素環式であることができる。それらは、置換基が付加物の反応性または得られたポリエステルの特性に悪影響を及ぼさないという条件でハロゲン、ヒドロキシ、エーテル、アルキルおよび/またはアリール基のような置換基を含有してもよい。
【0022】
好ましいモノエポキシ化合物は、エポキシ部分中の炭素原子を除いて約4〜18個の炭素原子を含有するものである。長鎖の、すなわち、C4または高級の一価アルコールのモノグリシジルエーテルが特に好ましい。好都合に使用され得るモノグリシジルエーテルの代表的な例には、アルキル、シクロアルキル、アルキルアルコキシシラン、o−クレジルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテルのようなアリールおよび混合アリール−アルキル−モノグリシジルエーテル、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルが挙げられる。2−エチルヘキシルグリシジルエーテルまたはグリシドキシプロピルトリメトキシシランと2−エチルヘキシルグリシジルエーテルとの組み合わせが特に好ましい。1個のエポキシ基を有する他の有用な長鎖エポキシ化合物は当業者には容易に思い当たるであろう。
【0023】
酸無水物の中では、前述の酸無水物の任意のものを鎖延長反応に使用することができる。
【0024】
この鎖延長反応でのカルボキシル対ヒドロキシル基の当量比は、鎖延長された付加物への最大転化を得るために好ましくは少なくとも約0.8:1〜約1.2:1であり、1:1の比が特に好ましい。酸基がヒドロキシル基に転化される反応は、20mgKOH/g未満の、好ましくは5mgKOH/g未満の酸価に達するまで実施される。ヒドロキシル基がカルボキシル基に転化されるその次の反応は、40mgKOH/gより大きい、好ましくは60mgKOH/gより大きい酸価に達するまで実施される。
【0025】
合成の次の段階で、鎖延長されたまたは、必要ならば、鎖延長されていない付加物上に形成されたカルボキシル基はその次に、活性水素基と反応する2つもしくはそれ以上のサイトを有する化学架橋またはカップリング剤と反応させられて末端環状カーボネート基を有するジ−またはより高級な付加物(すなわち、分岐ポリエステル付加物)を形成する。
【0026】
カップリング剤は、上述されたように、前の反応体の本質的にすべてが反応してしまった樹脂反応シーケンスの遅い段階で加えられる。
【0027】
化学カップリング剤のレベルは、各100グラムの樹脂について、0〜10の範囲の酸価を確保するために、水可溶化と低過剰カルボキシル値との最良のバランスを提供するために、カルボキシル基に対して第一に選択される。
【0028】
カップリング剤との反応は、上に用いられるものと同じ条件下に実施され、所望の酸レベルが得られるまで進行する。
【0029】
クレーター防止剤を形成するために使用される化学カップリング剤には、分子当たり平均基準で2個もしくはそれ以上のイソシアネート基を有する、多官能性イソシアネート樹脂が含まれる。
【0030】
好都合に使用される芳香族、脂肪族または脂環式の単量体、高分子量またはプレポリマー多官能性(すなわち、二官能性または高級)イソシアネート樹脂の任意のものを、イソシアネート化合物が一分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する限り特別な制限なく使用することができる。好ましいイソシアネート化合物は、分子当たり平均2〜6個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物であり、2〜3個のイソシアネート基が特に好ましい。
【0031】
単量体イソシアネート化合物の典型的な例は、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどである。高分子量イソシアネート化合物の典型的な例は、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート、イソホロンジイソシアネートのビウレット、イソホロンジイソシアネートのウレトジオン、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートのイソシアヌレートおよび高分子量ジフェニルメタンジイソシアネートである。
【0032】
前述の有機ポリイソシアネートおよびポリオールの任意のものから形成されるプレポリマーイソシアネート化合物もまた使用することができる。グリセロールのポリオキシプロピレンエーテル、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトールのようなポリオールを使用することができる。有用な一付加物は、テトラメチルキシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの反応生成物である。芳香族イソシアネートの使用は、より良好なエマルジョン安定性、電着外観および耐腐食性のために、脂肪族または脂環式イソシアネートの使用より好ましい。最も好ましい芳香族イソシアネート化合物は、バイエル・コーポレーション(Bayer Corporation)から商業的に入手可能なモンジュール(Mondur)(登録商標)MRのような、ジフェニルメタンジイソシアネートの単量体および高分子量体の混合物である。
【0033】
ジ−またはより高級な分岐ポリエステル付加物の末端環状カーボネート基は次に、少なくとも1つの遊離第三級アミン基を含有する、そしてまたさらに第一級アミンもしくは第二級アミン基を含有するポリアミン化合物とその後の反応で反応させられて末端第三級アミン基を含有する最終分岐ポリエステル−アミン付加物を形成する。使用される少なくとも1つの第三級アミンおよび1つの第一級アミンもしくは第二級アミンを含有する典型的なポリアミンには、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、アミノプロピルモノメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、アミノエチルエタノールアミン、N−アミノエチルピペラジン、アミノプロピルモルホリン、テトラメチルジプロピレントリアミンおよびジケチミン(1モルジエチレントリアミンと2モルメチルイソブチルケトンとの反応生成物)が含まれる。N,N−ジメチルアミノプロピルアミンが特に好ましい。典型的には上記の環状カーボネート末端基を有する付加物が形成された後に、第三級アミン機能に加えて第一級もしくは第二級アミン機能を含有するアミン、および追加の溶媒が反応液に加えられ、すべての環状カーボネート基が反応し、そして末端第三級アミン基に転化されるまで高温で反応が続行される。必要とされるポリアミンの量は、特定の最終使用用途に必要とされる所望の程度の水溶解性に依存して場合によって異なるであろう。僅かに過剰のカーボネートは許容されるが、一般に、等モル量のアミン対環状カーボネートが使用される。
【0034】
耐クレーター性をさらに高めるために、上記の反応に使用されるポリアミンの一部を、同様に末端環状カーボネート基と反応し、そしてこれらの基を末端アルコキシシラン基に転化することができるアミノ官能性アルキルアルコキシシラン化合物で置換することができる。典型的な有用なアミノアルキルアルコキシシラン化合物は、ガンマ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、およびN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランである。ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。好ましい実施形態では、ポリアミンとアミノアルキルアルコキシシランとのブレンドが使用される。好ましくは、これらのブレンドでは約5〜40モル%のポリアミンがアミノアルキルアルコキシシランで置換され、約5〜20モル%置換が特に好ましい。
【0035】
上記で製造される生成クレーター防止添加剤は、標準としてポリスチレンを用いるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によって測定されるように、約1,000〜10,000、好ましくは2000〜6000の数平均分子量を有する、低〜中間分子量のものである。
【0036】
本添加剤は、第三級アミン官能性を完全にまたは部分的に中和するための有機または無機酸(下に記載される)で水中に乳化される。クレーター防止添加剤は次に、ほとんど任意の時間に電着組成物に加えることができる。それは主エマルジョンに、浴にまたは顔料ペーストに加えることができる。顔料ペーストでは、顔料は、クレーター防止剤であることができる、顔料分散樹脂としても機能する樹脂と共に磨り潰される。
【0037】
電着組成物に使用されるほとんどの主エマルジョンは、水溶性生成物を形成するために酸で中和された、架橋剤とブレンドされたエポキシ・アミン付加物のバインダーの水性エマルジョンを含む。
【0038】
クレーター防止剤は様々な異なる陰極電着樹脂と共に潜在的に使用できるが、好ましい樹脂は先行技術の典型的なエポキシ−アミン付加物である。これらの樹脂は、参照により援用される米国特許第4,419,467号明細書に概して開示されている。
【0039】
本添加剤だけでなくエポキシ−アミン付加物を中和して水分散性陽イオン基を形成するために使用される典型的な酸は乳酸、酢酸、ギ酸、スルファミン酸などである。
【0040】
上記樹脂に好ましい架橋剤もまた先行技術で周知である。これらは、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネートなどのような上述したものの任意のものをはじめとする脂肪族、脂環式および芳香族イソシアネートである。これらのイソシアネートは、イソシアネート官能性、すなわち、架橋官能性をブロックするオキシム、アルコール、またはカプロラクタムのようなブロッキング剤とあらかじめ反応させられる。加熱するとすぐにブロッキング剤は分離し、それによって反応性イソシアネート基を提供し、架橋が起こる。イソシアネート架橋剤およびブロッキング剤は先行技術で周知であり、同様に前述の米国特許第4,419,467号明細書に開示されている。
【0041】
エポキシ・アミン付加物およびブロックトイソシアネートの陰極バインダーが電着組成物中の主要な樹脂成分であり、組成物の固形分の約30〜50重量%の量で通常存在する。電着浴を形成するために、固形分は一般に水性媒体で希釈される。
【0042】
上記のバインダー樹脂に加えて、電着組成物は通常、顔料ペーストの形で組成物中へ組み入れられる顔料を含有する。顔料ペーストは、粉砕媒体(grinding vehicle)ならびに湿潤剤、界面活性剤、および消泡剤のような任意の成分中へ顔料を磨り潰すまたは分散させることによって調製される。当該技術分野で周知である顔料粉砕媒体のいかなるものも使用することができ、または本発明のクレーター防止剤を使用することができる。磨り潰しの後、顔料の粒径はできるだけ小さいべきであり、一般に、粒径はヘッグマン(Hegman)粉砕計を用いて約6〜8である。
【0043】
本発明で使用することができる顔料には、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、粘土などが含まれる。高い表面積および油吸収性の顔料が賢明にも使用されるべきである。なぜならば、これらは、電気メッキされたコーティングの凝集および流れに望ましくない影響を及ぼし得るからである。
【0044】
顔料対バインダー重量比もまた重要であり、好ましくは0.5:1未満、より好ましくは0.4:1未満、そして通常約0.2〜0.4:1である。より高い顔料対バインダー重量比は凝集および流れに悪影響を及ぼすことが分かった。
【0045】
本発明のコーティング組成物は、湿潤剤、界面活性剤、消泡剤などのような任意の成分を含有することができる。界面活性剤および湿潤剤の例には、「アミンC(Amine C)」としてチバ−ガイギー・インダストリアル・ケミカルズ(Ciba−Geigy Industrial Chemicals)から入手可能なもののようなアルキルイミダゾリン、「サーフィノール(Surfynol)104」としてエア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ(Air Products and Chemicals)から入手可能なアセチレン系アルコールが挙げられる。これらの任意の成分は、存在する場合、組成物のバインダー固形分の約0.1〜20重量%を構成する。
【0046】
場合により、流れを促進するために可塑剤を使用することができる。有用な可塑剤の例は、ノニルフェノールまたはビスフェノールAのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド付加物のような高沸点の水非混和性物質である。可塑剤は通常、約0.1〜15重量%樹脂固形分のレベルで使用される。
【0047】
本発明の電着組成物は水性分散系である。用語「分散系」は本発明の文脈内で用いられるところでは、その中でバインダーが分散相にあり、そして水が連続相にある2相の半透明のまたは不透明の水性樹脂バインダー系であると考えられる。バインダー相の平均粒径は約0.1〜10ミクロン、好ましくは5ミクロン未満である。水性媒体中のバインダーの濃度は一般に決定的に重要ではないが、通常は水性分散系の主要部分は水である。水性分散系は通常約3〜50重量パーセント、好ましくは5〜40重量パーセント・バインダー固形分を含有する。電着浴に加えられるときに水でさらに希釈されるべきである水性バインダー・コンセントレートは、一般に10〜30重量パーセントのバインダー固形分の範囲を有する。
【0048】
次の実施例は本発明を例示する。すべての部および百分率は特に明記しない限り重量基準である。
【実施例】
【0049】
クレーター防止添加剤Iの製造
高度に分岐した水希釈性ポリエステルを、266部ドデセニルコハク酸無水物、125部グリセリンカーボネートおよび3部トリフェニルホスフィンを好適な反応容器へ装入することによって調製し、窒素ブランケット下に116℃に加熱した。反応物を132〜136の酸価が達成されるまで132℃に保持した。226部2−エチルヘキシルモノグリシジルエーテルおよび3部トリフェニルホスフィンを加え、0〜3の酸価が達成されるまで132℃に保持した。266部ドデセニルコハク酸無水物および1部トリフェニルホスフィンを加え、56〜62の酸価が達成されるまで132℃に保持した。次に108部キシレンを加え、反応温度を116℃に下げた。130部モンジュール(登録商標)MR(高分子量MDI)を反応容器へゆっくり装入した。反応混合物を、赤外スキャンによって示唆されるようにイソシアネートのすべてが反応するまで116℃に保持した。102部ジメチルアミノプロピルアミンを加え、116℃に1時間保持した。その後反応混合物を、2347部脱イオン水と163部乳酸(46%濃度)との混合物中へぽたぽた落とし、30分間混合した。生じた樹脂溶液は水中に30%の不揮発物質を有した。
【0050】
クレーター防止添加剤IIの製造
高度に分岐した水希釈性ポリエステルを、266部ドデセニルコハク酸無水物、125部グリセリンカーボネートおよび3部トリフェニルホスフィンを好適な反応容器へ装入することによって調製し、窒素ブランケット下に116℃に加熱した。反応物を132〜136の酸価が達成されるまで132℃に保持した。181部2−エチルヘキシルモノグリシジルエーテル、47部ガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよび3部トリフェニルホスフィンを加え、0〜3の酸価が達成されるまで132℃に保持した。266部ドデセニルコハク酸無水物および1部トリフェニルホスフィンを加え、56〜62の酸価が達成されるまで132℃に保持した。次に108部キシレンを加え、反応温度を116℃に下げた。130部モンジュール(登録商標)MR(高分子量MDI)を反応容器へゆっくり装入した。反応混合物を、赤外スキャンによって示唆されるようにイソシアネートのすべてが反応するまで116℃に保持した。87部ジメチルアミノプロピルアミンおよび33部アミノプロピルトリメトキシシランを加え、116℃に1時間保持した。応混合物を次に、2369部脱イオン水と143部乳酸(46%濃度)との混合物中へ落とし、30分間混合した。生じた樹脂溶液は水中に30%の不揮発物質を有した。
【0051】
架橋樹脂溶液の調製
アルコールブロックポリイソシアネート架橋樹脂溶液を、317.14部のモンジュール(登録商標)MR(高分子量MDI)、105.71部のメチルイソブチルケトンおよび0.06部のジブチルスズジラウレートを好適な反応容器へ装入することによって調製し、窒素ブランケット下に37℃に加熱した。189.20部のプロピレングリコールモノメチルエーテルと13.24部トリメチロールプロパンとの混合物を、反応混合物を93℃より下に維持しながら反応容器へゆっくり装入した。反応混合物を次に、反応混合物の赤外スキャンによって示唆されるようにイソシアネートのすべてが反応するまで110℃に保持した。3.17部のブタノールおよび64.33部のメチルイソブチルケトンを次に加えた。生じた樹脂溶液は脱イオン水中に30%の不揮発物質含有率を有した。
【0052】
鎖延長されたポリエポキシドエマルジョンの調製
次の成分を好適な反応容器へ装入した:520部のエポン828(登録商標)(188のエポキシ当量を有するビスフェノールAのジグリシジルエーテルのエポキシ樹脂)、151部ビスフェノールA、247のヒドロキシ当量を有する190部エトキシル化ビスフェノールA(シンファック(Synfac)(登録商標)8009)、44部キシレンおよび1部ジメチルベンジルアミン。生じた反応混合物を窒素ブランケット下に160℃に加熱し、室温に1時間保持した。2部ジメチルベンジルアミンを加え、混合物を、1050のエポキシ当量が得られるまで147℃に保持した。反応混合物が149℃に冷えたとき、次に797部の架橋剤樹脂溶液(上記から)を加えた。反応温度が107℃に冷えたとき、58部のジケチミン(73%の不揮発性物質含有率を有するジエチレントリアミンとメチルイソブチルケトンとの反応生成物)および48部のメチルエタノールアミンを加えた。生じた混合物の温度は上昇し、120℃に1時間保持し、次に1335部脱イオン水および61部乳酸(脱イオン水中の88%乳酸)の水性媒体に分散させた。追加の825部の脱イオン水を加えた。エマルジョンを、メチルイソブチルケトンが蒸発するまでかき混ぜ状態に保った。生じた樹脂エマルジョンは38%の不揮発性物質含有率を有した。
【0053】
第四級化剤の製造
第四級化剤を、87部ジメチルエタノールアミンを室温で反応容器中の320部2−エチルヘキサノール半キャップド・トルエンジイソシアネートに加えることによって製造した。発熱反応が起こり、反応混合物を80℃で1時間撹拌した。次に118部乳酸水溶液(75%加熱残分)、引き続き39部2−ブトキシエタノールを加えた。反応混合物を、絶えず撹拌しながら65℃で約1時間保持して第四級化剤を形成した。
【0054】
顔料粉砕媒体の調製
顔料粉砕媒体を、710部エポン(Epon)(登録商標)828(188のエポキシド当量を有するビスフェノールAのジグリシジルエーテル)および290部ビスフェノールAを窒素ブランケット下の好適な容器へ装入することによって調製し、150℃〜160℃に加熱して発熱反応を開始させた。発熱反応を150℃〜160℃で約1時間続けた。反応混合物を次に120℃に冷却し、496部の2−エチルヘキサノール半キャップド・トルエンジイソシアネートを加えた。反応混合物の温度を110℃〜120℃に1時間保持し、それに1095部の2−ブトキシエタノールの添加が続き、反応混合物を次に85℃〜90℃に冷却し、次に71部の脱イオン水を加え、その後に496部第四級化剤(上で製造した)の添加が続いた。反応混合物の温度を、約1の酸価が得られるまで85℃〜90℃に保持した。
【0055】
顔料ペーストの調製

【0056】
上の成分を、均一な混合物が形成されるまで好適な容器中で混合した。それらを次に、混合物をアイガー(Eiger)ミルへ装入し、次に7もしくはそれ以上のヘッグマン読みが得られるまで磨り潰すことによって分散させた。
【0057】
電着浴の調製

* 浴Iに使用したクレーター防止剤は、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)
D2000(ポリオキシアルキレンジアミン)およびエポン(登録商標)1001エポキシ樹脂
の反応生成物である通常のクレーター防止剤を含んだ。
** 浴IIに使用したクレーター防止剤は、上で製造された新規クレーター防止
添加剤Iを含んだ。
*** 浴IIIに使用したクレーター防止剤は、上で製造された新規クレーター防止
添加剤IIを含んだ。
【0058】
陽イオン電着浴のそれぞれを、成分を一緒に混合し、次に混合物を限外濾過することによって調製した。各浴を240〜280ボルトで電着して0.8〜1.0ミル(20.23〜25.4ミクロン)を得た。浴を次に、耐クレーター性およびPVCシーラー接着性について比較した。浴Iは対照として役立った。
【0059】
ASPPブローアウト・クレーター試験を用いて各浴を試験した。耐クレーター性をA〜Eの次の評価尺度に従って格付けした。
A−0〜10%欠陥
B−11〜20%欠陥
C−21〜40%欠陥
D−41〜80%欠陥
E−80%より多い欠陥。
【0060】
浴I(対照)についての耐クレーター性格付けはDであった。耐クレーター性に関して浴IIはCと格付けされ、浴IIIはBと格付けされた。
【0061】
各浴の耐クレーター性をまた油汚染試験によっても測定した。油汚染試験下で耐クレーター性を測定するために、20ppmのクイッカー(Quicker)油を各浴に加え、低いかき混ぜ下に24時間混合した。各浴を次に電着して0.8〜1.0ミルフィルム厚を得た。油汚染試験については、耐クレーター性を1〜5の次の評価尺度に従って格付けした。
1−10未満クレーター
2−10〜20クレーター
3−30〜50クレーター
4−50〜100クレーター
5−100より多いクレーター。
【0062】
浴Iについての油汚染試験格付けは4であり、浴IIは2、浴IIIは1であった。
【0063】
PVCシーラー接着性試験を行うために、電着したパネルを先ず、0.8〜0.9ミルフィルム厚を得るために上で調製した電着浴を使って240V〜280Vコーティング電圧で冷延鋼板基材を電着することによって製造した。未硬化電着パネルを次に、電気オーブン中182℃金属温度で10分間ベーキングした。商業的に入手可能なPVCシーラー(商品名トゴテック(Togotec)(登録商標)PB209V1でエフテック・カンパニー(Eftec company)から供給される)を電気オーブン焼き電着パネル上に付けた。PVCシーラーの厚さは1mmであり、140℃金属温度で10分間ベーキングした。接着性は、シーラーが電着基材から全く引き離され得ない場合は合格、シーラーが電着基材に全く接着できない場合は不合格と格付けした。
【0064】
浴IについてのPVCシーラー接着性格付けは不合格であり、浴IIは合格であり、そして浴IIIは合格であった。
【0065】
本発明の組成物および方法の様々な他の修正、変更、追加または置き換えは、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく当業者に明らかであろう。本発明は、本明細書に記載される例示的な実施形態によって限定されず、むしろ冒頭の特許請求の範囲によって規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ−アミン付加物およびブロックトポリイソシアネート架橋剤を含むフィルム形成バインダーがその中に分散された水性キャリアを含む、改良された陰極電着組成物であって、
(a)ヒドロキシ環状カーボネート、
(b)脂肪族ポリカルボン酸無水物、
(c)場合により、一官能性エポキシ樹脂、
(d)ジおよびより高級なポリイソシアネート樹脂よりなる群から選択された架橋剤、
(e)(i)少なくとも1つの遊離第三級アミンおよび1つの第一級もしくは第二級アミン基を有するポリアミン、ならびに
(ii)少なくとも1つの遊離第三級アミンおよび1つの第一級もしくは第二級アミン基を有するポリアミンと、アミノアルキルアルコキシシランとの組み合わせ
よりなる群から選択されたポリアミン化合物
の反応生成物である高度に分岐した水希釈性ポリエステルをクレーター防止剤が含み、
その反応生成物が第三級アミン基を水希釈性基へ転化するために酸および水の存在下に中和されている、該クレーター防止剤を組み入れたことを改良点とする組成物。
【請求項2】
前記脂肪族ポリカルボン酸無水物がC4〜C18線状、分岐または脂環式側鎖を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
成分(a)〜(e)が任意の実行可能な順番で反応させられる、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
成分(a)〜(e)が定められた順番で反応させられる、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ヒドロキシ環状カーボネート化合物(a)が先ず酸無水物化合物(b)と反応させられて酸基を含有する付加物を形成し、該酸基が前記架橋剤(d)と反応させられてそれぞれ末端環状カーボネート基を有するジ−またはより高級な付加物を形成し、該末端環状カーボネート基がその次にポリアミン化合物(e)と反応させられて、次に酸で中和されて水希釈性ポリエステルをもたらす末端アミン基を有する付加物をもたらす、請求項1に記載のクレーター防止剤の製造方法。
【請求項6】
第1反応で形成された酸基を含有する前記付加物を架橋剤と反応させる前に、該付加物が一官能性エポキシ樹脂(c)とさらに反応させられて20mgKOH/g未満の生じた酸価で該酸基をヒドロキシル基へ転化し、そしてヒドロキシル基を含有する鎖延長された付加物を形成し、かつ、該ヒドロキシル基を含有する該付加物がその次に追加の酸無水物(b)と反応させられて40mgKOH/gより大きい生じた酸価で酸基を含有するさらなる鎖延長された付加物を形成し、それが次に該架橋剤と反応させられる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
任意の実行可能な順番に次の工程:
(a)エポキシ−アミン付加物を製造する工程、
(b)ブロックトポリイソシアネート架橋剤を製造する工程、
(c)該エポキシ−アミン付加物を該ブロックトポリイソシアネート架橋剤とブレンドする工程、
(d)該エポキシ−アミン付加物を有機酸で中和してエマルジョンを形成する工程、
(e)該エマルジョンを顔料ペーストとブレンドする工程、
(f)請求項1に記載の反応生成物より本質的になる添加剤を電着組成物へ組み入れる工程
を含む陰極電着組成物の製造方法。

【公表番号】特表2008−517105(P2008−517105A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537016(P2007−537016)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/037394
【国際公開番号】WO2006/044871
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】