説明

クレーン制御装置、及びクレーン装置

【課題】エンジン発電機におけるアイドリング時間を長くすることができ、クレーン装置における燃費の改善を図ることができる、クレーン制御装置及びクレーン装置を提供する。
【解決手段】運転モードを、蓄電池52から負荷30及び40に電力を供給する運転モードA、負荷30から回生される回生電力により蓄電池52を充電する運転モードB、発電機21及び蓄電池52から負荷30及び40に電力を供給する運転モードC、発電機21から蓄電池52を充電する運転モードDを切り替える。そして、運転モードCでは、蓄電池52から所定の電流値の放電電流と、発電機21の発電電流を負荷30及び40に対して供給する。運転モードCでは、負荷に対して所定の電流値以上の負荷電流が必要とされる場合に、蓄電装置からの放電電流と、発電機の発電電流を前記負荷に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ等の荷物の積み降ろし、積み込み等の運搬時に用いられるクレーン装置のクレーン制御装置、及びクレーン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
港湾等においては、クレーン装置によって船舶或いはトレーラへのコンテナの積み込み及び船舶或いはトレーラからのコンテナの積み降ろし等の運搬作業が行われている。この種のクレーン装置としては、車輪によって路面上を自走するレーンが知られている。このクレーンは、上部に昇降装置を有する門型に構成された架台の両下端部に車輪が設けられて、この車輪によって走行可能とされたもので、車輪を駆動させるための走行モータ、コンテナを吊り上げるための巻き取りモータ、吊り上げたコンテナを水平方向へ移動させる横行モータを有している。そして、このクレーンには、エンジン発電機が搭載されており、このエンジン発電機によって発電した電力を各モータへ供給している。
【0003】
ところで、エンジン発電機によって発電した電力により各モータを駆動する場合、クレーン作業の中で、実際に吊り作業を行っていない荷役待機中の場合であっても、エンジンの運転を継続しなければならない。すなわち、荷役待機中の場合であっても、照明装置、空調設備等の補機を駆動したり、巻上クラッチ、巻上ブレーキ等の補機の油圧ポンプ等を駆動したりするための電力を供給するエンジン発電機の運転を継続することが必要とされ、エンジン発電機は、エンジンを所謂アイドリング状態にして発電し続けなければならない。
【0004】
この荷役待機中の場合では、効率(燃料消費率)の悪い低負荷領域でエンジンを運転することになり、エネルギーロスが大きくて燃費が悪いというだけでなく、排気ガス、騒音等が生じていた。そこで、省エネルギー化、環境保全対策を図るために蓄電池装置を備えるクレーンの開発が進められている。
【0005】
なお、関連するクレーン装置及びクレーン制御方法がある(特許文献1を参照)。この特許文献1クレーン装置は、蓄電装置の蓄電電力を補機設備で利用することを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−247591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
また、特許文献1のクレーン装置は、エンジン発電装置又はインバータから共通母線に出力された余剰電力を蓄電装置に蓄電して、直流電力の不足時に当該蓄電電力を共通母線へ出力し、インバータにより、共通母線上の直流電力を交流電力に変換して当該クレーン装置の補機設備へ供給している。しかしながら、この特許文献1のクレーン装置は、低負荷時に発電機の回転数を抑えることで燃費を改善する発明であり、より燃費の改善に効果があるアイドリング時間の長期化を実現する発明ではない。また、そのような構成とはなっていない。
【0008】
本発明は、斯かる実情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、原動機により駆動される発電機(エンジン発電機)に接続された蓄電装置を有効に活用して、原動機のアイドリング時間を長くすることができ、クレーン装置における燃費の改善を図ることができる、クレーン制御装置及びクレーン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明のクレーン制御装置は、原動機により駆動される発電機と、荷役作業を行う装置となる複数の負荷と、前記発電機に接続され前記負荷に電力を供給する蓄電池を有する蓄電装置と、前記発電機と前記蓄電装置と前記複数の負荷とを制御する制御部と、から構成され、前記制御部は、前記発電機からの電力を遮断して前記蓄電装置から前記負荷に電力を供給する蓄電池給電モードである運転モードA、前記負荷から回生される回生電力により前記蓄電池を充電する負荷回生モードである運転モードB、前記発電機及び前記蓄電装置から前記負荷に電力を供給する並列給電モードである運転モードC、前記発電機から前記蓄電池を充電する運転モードDのいずれかの制御モードに切り替える機能を有し、前記運転モードCでは、 前記負荷に対して所定の電流値以上の負荷電流が必要とされる場合に、前記蓄電装置からの放電電流と、前記発電機の発電電流を前記負荷に供給することを特徴とする。
【0010】
また、本発明のクレーン制御装置は、前記制御部は、前記負荷を駆動する巻速度指令値に応じて、前記放電電流を制御することを特徴とする。
【0011】
また、本発明のクレーン制御装置は、前記制御部は、前記運転モードAと運転モードBの切り替えを、前記巻速度指令値に応じて行うことを特徴とする。
【0012】
また、本発明のクレーン制御装置は、前記制御部は、前記運転モードAと運転モードCの切り替えを、前記巻速度指令値に応じて行うことを特徴とする。
【0013】
また、本発明のクレーン制御装置は、前記制御部は、前記運転モードAと運転モードDの切り替えを、前記蓄電池の充電状態に応じて行うことを特徴とする。
【0014】
また、本発明のクレーン制御装置は、前記制御部は、前記蓄電池の温度に応じて前記放電電流を調整することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のクレーン制御装置は、前記蓄電装置から出力される所定の放電電流は、前記負荷に供給される電圧に応じた電圧電流特性により定められることを特徴とする。
【0016】
また、本発明のクレーン制御装置は、原動機により駆動される発電機と、荷役作業を行う装置となる複数の負荷と、前記発電機に接続され前記負荷に電力を供給する蓄電池を有する蓄電装置と、前記発電機と前記蓄電装置と前記複数の負荷とを制御する制御部と、から構成され、前記制御部は、前記発電機からの電力を遮断して前記蓄電装置から前記負荷に電力を供給する蓄電池給電モードである運転モードA、前記負荷から回生される回生電力により前記蓄電池を充電する負荷回生モードである運転モードB、前記発電機及び前記蓄電装置から前記負荷に電力を供給する並列給電モードである運転モードC、前記発電機から前記蓄電池を充電する運転モードDのいずれかの制御モードに切り替える機能を有し、前記負荷を駆動する巻速度指令値と前記蓄電池の充電状態とに応じて、前記運転モードCと前記運転モードDとを切り替えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明のクレーン制御装置は、前記運転モードDは、補機のみを負荷とすることを特徴とする。
【0018】
また、本発明のクレーン制御装置は、前記補機のみを負荷とする条件は、前記蓄電池に回生を行わない負荷或いは回生を行わないモータの運転を含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明のクレーン装置は、上記に示したいずれかのクレーン制御装置と、前記負荷として駆動され、前記制御部から出力される運転指令に応じて駆動されるモータと、前記制御部により駆動制御される補機と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明のクレーン制御装置によれば、運転モードを、蓄電池から負荷に電力を供給する運転モードA、負荷から回生される回生電力により蓄電池を充電する運転モードB、発電機及び蓄電装置から負荷に電力を供給す運転モードC、発電機から蓄電装置を充電する運転モードDのそれぞれの運転モードに切り替える。そして、運転モードCでは、蓄電池から負荷に所定の電流値の放電電流を供給し、残りの必要な負荷電流を発電機から負荷に供給する。すなわち、負荷からの回生電力により蓄電池を充電するとともに、負荷に電力を供給する場合は、蓄電池から負荷に放電電流を流すようにする。
このように運転モードの切替を取り入れることによって、荷役作業中であってもアイドリング時間を設定し、そのアイドリング時間を長くして、燃費の改善を図る。
これにより、原動機により駆動される発電機(エンジン発電機)に接続された蓄電装置を有効に活用して、原動機のアイドリング時間を長くすることができ、クレーン装置における燃費の改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わるクレーン制御装置の構成を示す図である。
【図2】運転モードの種類について説明するための図である。
【図3】電流及び電圧の定義について説明するための図である。
【図4】蓄電池温度と最大放電電流との関係を示す図である。
【図5】直流母線電圧と蓄電池放電電流の電圧電流特性を示す図である。
【図6】運転モードの状態遷移図である。
【図7】運転モードの切り替えの例を示すタイミングチャートである。
【図8】既設のエンジン発電機を備えるクレーン制御装置の例を示す図である。
【図9】図8に示すクレーン制御装置の改造例を示す図である。
【図10】図8に示すクレーン制御装置の他の改造例を示す図である。
【図11】本発明に係わるクレーン装置の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
最初に、本発明のクレーン制御装置が用いられるクレーン装置の例について説明しておく。
図11は、本発明に係わるクレーン装置の一例を示す概略構成図であり、トランスファクレーン(エンジン発電機付きクレーン)1の全体構成を示す斜視図である。このトランスファクレーン1は、タイヤ式クレーン装置(RTG;Rubber tired gantry crane )と呼ばれ、軌道のないコンテナヤード等を走行して荷役作業を行うため、動力用電源及び制御用電源等を供給する1台のエンジン発電機21を備えている。
このトランスファクレーン1は、図11に示すように、クレーン走行機体2のガーダ3に沿って水平方向に移動するトロリー4を有し、コンテナCを把持するスプレッダと呼ばれる吊具5がトロリー4から垂れ下がる複数本の吊ロープ6によって吊り下げられている。吊具5は、トロリー4上に搭載された巻上装置7による吊ロープ6の巻き上げ、繰り出し動作によって昇降可能とされている。また、吊具5は、トロリー4の横行移動に追従してクレーン走行機体2のガーダ3に沿って平行移動可能とされている。
【0023】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係わるクレーン制御装置の構成図であり、トランスファクレーン1の駆動を制御するクレーン制御装置100Aのシステム構成を示している。このクレーン制御装置100Aは、エンジン発電機21と、コントローラ11と、蓄電装置50(DC/DCコンバータ51と蓄電池52等)と、エンジン発電機21及び蓄電池52の両方から電力の供給を受ける負荷30及び40とを有して構成される。ここで、負荷30は、インバータ31、32、33、34、35及びモータM1、M2、M3、M4を含んで形成される、回生を行う負荷である。また、負荷40は、補機用インバータ41及び補機42を含んで形成される、回生を行わない負荷である。
【0024】
エンジン発電機21は、エンジン(E)22と、このエンジン22により回転駆動される発電機(G)23とで構成される。このエンジン発電機21で発電された電力は、トランスファクレーン1の各種の駆動源となる負荷装置、補機などに給電して使用される。
発電機23は交流発電機(例えば、3相交流発電機)であり、発電機23の出力側にはコンバータ24が接続されている。このコンバータ24は、発電機23から出力される交流電力を直流電力に変換し、変換された直流電力を直流母線DCLに供給する。なお、このコンバータ24は、複数のインバータ31、32、33、34、35、41等の負荷装置全体に対して直流電力を供給する共通コンバータとなる。また、直流母線DCLの電圧は電圧検出部26により検出され、この直流母線DCLの電圧検出値の信号が信号Vdcとしてコントローラ11に出力される。
【0025】
直流母線DCLには、インバータ31、32、33、34、35、及び、41が接続される。
インバータ31は、横行用のモータM1を駆動するインバータである。このインバータ31は、直流母線DCLに供給される直流電力を、コントローラ11内の負荷装置制御部13から出力される速度指令信号に応じた周波数と、電圧による、相順の交流電力(3相交流電圧)に変換して横行用のモータM1を駆動する。インバータ32、33は、走行用のモータM2、M3を駆動するインバータである。このインバータ32、33は、直流母線DCLに供給される直流電力を、コントローラ11内の負荷装置制御部13から出力される速度指令信号に応じた周波数と、電圧による、相順の交流電力(3相交流電圧)に変換して走行用のモータM2、M3を駆動する。
【0026】
インバータ34、35は、巻き用のモータM4を駆動する並列構成のインバータであり、直流母線DCLの直流電力を、コントローラ11内の負荷装置制御部13から出力される速度指令信号(巻速度指令V)に応じた周波数と、電圧による、相順の交流電力(3相交流電圧)に変換して巻き用のモータM4を駆動する。なお、インバータ31、32、33、34、35及びモータM1、M2、M3、M4を含んで形成される負荷40は、運転状態に応じて、力行モード又は回生モードで動作する負荷である。
補機用インバータ41は、補機(照明装置や、油圧ポンプ等)42用の電源を生成するインバータであり、直流母線DCLの直流電力を、商用周波数の交流電力(3相交流電圧)に変換する。なお、インバータ41及び補機42を含んで形成される負荷40は、力行モードでのみ動作する負荷である。
【0027】
また、回生抵抗R25は、IGBTのトランジスタTrを介して直流母線DCLに接続される電力消費用の抵抗器である。この回生抵抗R25は、直流母線DCLの電圧が過電圧になることを防ぐために設けられている。この直流母線DCLの電圧が所定の電圧値以上に上昇した場合に、トランジスタTrが導通し、回生抵抗R25に電流を流して電力を消費させ、直流母線DCLの電圧を低下させる。
【0028】
また、直流母線DCLには、蓄電装置50が接続される。この蓄電装置50は、DC/DCコンバータ51と蓄電池52とを有し、蓄電池52はDC/DCコンバータ51を介して直流母線DCLに接続されている。クレーン装置においてコンテナの巻き上げ動作を行っていない場合や、補機のみを運転するなどの軽負荷時においては、エンジン発電機21内のエンジン22をアイドリング状態にし、蓄電池52のみから負荷30及び40に電力を供給する。また、巻き上げ作業を行う重負荷時においては、エンジン発電機21を運転して負荷30及び40に電流を供給するとともに、蓄電池52から電流を供給する。これにより、エンジン22のアイドリング時間を長くできるようにし、燃費の削減を図るとともに、エンジン排気ガス等による環境への影響を少なくするようにしている。
【0029】
この蓄電池52は、DC/DCコンバータ51を介して直流母線DCLに接続されている。このDC/DCコンバータ51は、コントローラ11内の運転モード制御部14により制御される両方向性(蓄電池52に対して直流母線DCLからの充放電流を流すとともに、蓄電池52からの放電電流を直流母線DCLに流す意味での両方向性)のコンバータである。
このDC/DCコンバータ51は、コントローラ11内のDC/DCコンバータ制御部16から入力する電流指令信号Irefに応じて、直流母線DCLから蓄電池52に流す充電電流を定電流制御する。また、DC/DCコンバータ51は、電流指令信号Irefに応じて、蓄電池52から直流母線DCLに流す放電電流を定電流制御する。
【0030】
また、蓄電池52の充電状態SOC(state of charge;充電率)を検出するためのSOC検出部53が設けられている。このSOC検出部53では、例えば、蓄電池52の電池電圧(開路電圧)を基に充電状態SOCを検出する。蓄電池52の回路電圧は、蓄電池52への充放電電流が流れない状態、例えば、蓄電池52への充電と放電が切り替わる際などに検出することができる。また、例えば、蓄電池52への充電電流と充電時間と、蓄電池52からの放電電流と放電時間とを監視しておき、この監視データを基に、充電状態SOCを検出することもできる。
このSOC検出部53により検出された充電状態SOCは、信号SOCとしてコントローラ11内の運転モード制御部14に出力される。また、SOC検出部53では、蓄電池52の電池電圧を検出し、コントローラ11内のDC/DCコンバータ制御部16に信号SOCとして出力する。
【0031】
また、蓄電池52に付設して温度センサ54が設けられている。この温度センサ54は、例えば、蓄電池52の容器表面等に添付されたサーミスタであり、この温度センサ54の温度は、信号Tとしてコントローラ11に出力される。
【0032】
また、コントローラ11は、クレーン装置内のエンジン発電機21や、インバータ31、32、33、34、35及びモータM1、M2、M3、M4で形成される負荷30(回生を行う負荷)や、補機用インバータ41及び補機42で形成される負荷40(回生を行わない負荷)の駆動を制御するコントローラである。なお、図1に示す例では、コントローラ11の構成として、図面の見易さのために、本発明に直接関係する運転モードの切り替え制御に関係する部分のみを示している。
【0033】
コントローラ11内には、クレーン操作部12と、負荷装置制御部13と、運転モード制御部14と、この運転モード制御部14により制御されるエンジン制御部15と、同じく運転モード制御部14により制御されるDC/DCコンバータ制御部16とが含まれる。
コントローラ11内のクレーン操作部12は、クレーン運転者が、荷役作業の態様(巻き上げ、横行、走行、巻き下げ等)に応じてクレーン装置を運転操作するための操作部である。このクレーン操作部12は、クレーン運転者が行うレバー操作や、スイッチ操作に応じた操作信号を生成して負荷装置制御部13に出力する。負荷装置制御部13は、クレーン操作部12から操作信号を入力し、この操作信号に基づいて、インバータ31、32、33、34、35及びモータM1、M2、M3、M4の駆動を制御する。
例えば、モータM1、M2、M3、M4の起動/停止信号、及び回転(回転速度と回転方向)を制御する。また、負荷装置制御部13は、補機用インバータ41及び補機42の駆動を制御する。そして、この負荷装置制御部13は、巻き用のモータM4に対する巻速度指令Vの信号を運転モード制御部14に出力する。
【0034】
運転モード制御部14は、負荷装置制御部13から出力される巻速度指令V(巻き用モ−タM4の速度指令)の信号と、蓄電池52の充電状態SOCを検出するSOC検出部53から出力される信号SOCとを入力し、後述する運転モードを判定し、エンジン制御部15を通してエンジン22を制御し、DC/DCコンバータ制御部16を通してDC/DCコンバータ51を制御する。
この運転モード制御部14では、エンジン22をアイドリングストップ(エンジン停止)状態、アイドリング状態、及び所要回転数の運転状態の各運転状態になるように制御する。なお、アイドリングとは、補機にのみ電力を供給する軽負荷の場合や、無負荷に近い状態等において、エンジンの回転を維持するために低回転(または所定の回転数)で回転させている状態のことを意味している。また、運転モード制御部14は、DC/DCコンバータ制御部16を通して、DC/DCコンバータ51を制御し、蓄電池52の充電動作及び放電動作を制御する。
【0035】
エンジン制御部15は、運転モード制御部14から出力される指令信号に従い、エンジン22を、アイドリングストップ(エンジン停止)状態、アイドリング状態、及び所要回転数での運転状態の各状態になるように制御する。なお、このエンジン制御部15では、エンジン発電機21から直流母線DCLに電流を供給する場合に、直流母線DCLの電圧を電圧検出部26により検出し、直流母線DCLの電圧が所定の値になるようにエンジン22の出力を制御する。
【0036】
また、DC/DCコンバータ制御部16は、運転モード制御部14から入力した運転モードの指令信号に従い、DC/DCコンバータ51の動作を制御する。このDC/DCコンバータ51では、直流母線DCLから蓄電池52に充電電流を流し蓄電池52を充電する場合に、後述する定電流定電圧充電(CC−CV充電)が行われるように、DC/DCコンバータ51を制御する。また、蓄電池52から直流母線DCLに放電電流を流す場合は、その放電電流の大きさを、蓄電池52の温度、及び直流母線DCLの電圧に応じて制御する。
【0037】
この制御のために、DC/DCコンバータ制御部16には、電圧検出部26から、直流母線DCLの電圧検出値の信号Vdcが入力され、温度センサ54から蓄電池52の温度検出値の信号Tが入力される。また、DC/DCコンバータ制御部16は、DC/DCコンバータ51の指令信号Irefに応じて制御されているかどうかを監視する。例えば、DC/DCコンバータ51から、蓄電池52の充放電電流の信号Idを入力し、DC/DCコンバータ51の動作が正常に行われているか否かを検出する。
【0038】
図2は、運転状態のモードについて説明するための図である。図に示すように、クレーン制御装置100Aにおいて行われる運転モードには、負荷30(巻き用のモータM4)の運転状態(巻速度指令V)と、蓄電池52の充電状態SOCとに応じて、4つの運転モードがある。なお、以下の運転モードに説明においては、図3に示すように、コンバータ24の出力電流を電流Igとし、負荷30及び40を形成するインバータINV、補機用インバータに流れる電流を電流ILとし、蓄電池52から流れる放電電流(または蓄電池52に流れる充電電流)を電流Idよし、直流母線DCLの電圧をVdcとして示している。
【0039】
図2に示すように、運転モードAは、エンジン発電機21からの電力の供給を遮断して、蓄電池52のみを使用して、負荷30(インバータ31、32、33、34、35及びモータM1、M2、M3、M4)及び負荷40(補機用インバータ41及び補機42)に電力を供給する蓄電池給電モードである。
【0040】
運転モードBは、負荷30から回生される回生電力により蓄電池52を充電するとともに、負荷40に電力を供給する負荷回生モードである。この蓄電池52へ充電を行う際には、充電の初期状態においてはCC充電(定電流充電)が行われ、満充電に近づくにつれてCV充電(定電圧充電)が行われる。
【0041】
運転モードCは、エンジン発電機21と蓄電池52の両方から負荷30及び負荷40に電力を供給する並列給電モードである。この運転モードCにおいては、蓄電池温度に応じて蓄電池52の放電電流Idの最大値Idmaxを決めておき、常に蓄電池52からは最大電流Idmaxを出力するようにする。そして、不足分をエンジン発電機21からの電流Igで補う。詳細については後述する。
【0042】
運転モードDは、エンジン発電機21のみから電力を供給する運転モードである。この運転モードDにおいては、エンジン発電機21から負荷40に電力を供給するとともに、蓄電池52に充電電流を供給する。なお、DC/DCコンバータ51を用いた蓄電池52への充電は前述のように定電流定電圧充電(CC−CV充電)が行われる。定電流モード(CCモード)では、充電電圧が設定電圧に達していない場合は、DC/DCコンバータ51は、最大電流(設定電流値)を出力する(定電流制御)。また、定電圧モード(CVモード)では、設定電圧に達していれば、電圧を設定電圧に保持し出力電流を次第に減少させるように制御する(定電圧制御)。
【0043】
また、DC/DCコンバータ51では、前述したように蓄電池52から出力できる放電電流Idの最大値Idmaxを、蓄電池の温度に応じて変化させている。図4は、運転モードC(蓄電池52から最大電流Idmaxを流すモード)における蓄電池52の放電電流Idについて説明するための図である。
【0044】
図4に示すように、負荷30及び40に流れる負荷電流IL大きくなるにつれて、蓄電池52の放電電流Idが上昇するが、蓄電池温度Tが温度T3の場合は、最大電流が電流Idmax1に制限される。また、蓄電池温度Tが温度T2の場合は、最大電流が電流Idmax2に制限される(Idmax2>Idmax1)。蓄電池温度Tが温度T1の場合は、最大電流が電流Idmax3に制限される(Idmax3>Idmax2)。
このように、蓄電池温度Tによって、DC/DCコンバータ51の電流制御機能により、放電電流Idの最大値Idmaxを変化させる。この場合、蓄電池温度が低いときは、放電電流の電流Idmaxが小さくなるため、エンジン発電機21側からの出力電流Igが増加することになる。
【0045】
なお、例えば、蓄電池温度Tが温度T3の場合において、放電電流IdがIdmax1より小さい領域においては、蓄電池52のみから負荷30及び負荷40に電力が供給される運転モードA(蓄電池給電モード)の状態である。また、放電電流IdがIdmax1に制限されている状態は、運転モードC(並列給電モード)の状態である。すなわち、蓄電池温度が温度T3の場合は、放電電流Idmax1が運転モードAと運転モードCとの切り替わり点になる。同様にして、蓄電池温度が温度T2の場合は、放電電流Idmax2が運転モードAと運転モードCとの切り替わり点になり、蓄電池温度が温度T1の場合は、放電電流Idmax3が運転モードAと運転モードCとの切り替わり点になる。
【0046】
なお、図5は、運転モードCにおける、直流母線DCLの電圧Vdcと放電電流Idと電圧電流特性の例を示す図である。図5(A)に示す例では、直流母線DCLの電圧Vdcが電圧V1以下の領域においては、蓄電池52から定電流制御された電流を流す。
図に示す例では、蓄電池温度が温度T3の場合は、放電電流Idは、電流Idmax3に制限される。また、蓄電池温度が温度T2の場合は、放電電流Idは、電流Idmax2に制限される。蓄電池温度が温度T3の場合は、放電電流Idは、電流Idmax3に制限される。そして、直流母線DCLの電圧Vdcが電圧V1以上の領域においては、放電電流Idは、電圧Vdcの上昇に従い、次第に減少する(垂下特性を示す)ように制御する。この例では、蓄電池温度に無関係に、放電電流Idの垂下開始点(直流母線DCLの電圧値V1)を一定にしたものである。このように、直流母線DCLが所定の電圧になるまでは、蓄電池52の電流放電能力に応じた放電電流を直流母線DCLに供給するようにして、蓄電池52の能力を最大限に活用する。
【0047】
また、図5(B)は、放電電流Idの垂下開始点(直流母線DCLの電圧値)を、蓄電池温度に応じて変化させた例である。図に示す例では、蓄電池温度が温度T1の場合は電圧V1を垂下開始点とし、蓄電池温度が温度T2の場合は電圧V2を垂下開始点とし、蓄電池温度が温度T3の場合は電圧V3を垂下開始点としている。すなわち、蓄電池温度が高くなる程(放電電流の最大値が大きい程)、垂下開始点の電圧が低くなるように設定する。これにより、蓄電池52から流すことのできる電流能力に応じて、定電流放電が維持できる直流母線DCLの電圧を変化させることができる。
【0048】
また、図6は、運転モードの遷移状態を示す図であり、運転モードの切り替え条件を示している。前述したように、運転モードには、運転モードA、B、C、Dの4つの運転モードがあり、それぞれの運転モードの遷移条件として、巻速度指令Vと比較されるVidleと、Vchargeと、蓄電池52の充電状態SOCと比較されるSOCcharge及びSOCdischargeとが用いられる。
【0049】
ここで、図7に示すように、Vidleは、アイドリング判定巻速度Vidleであり、正(+)側の信号である。また、Vchargeは、回生判定巻速度Vchargeであり、負(−)側の信号である。そして、巻速度指令Vが、V>Vidleの場合は、巻き上げ状態(巻きモータM4が力行動作状態)であることを意味している。Vchargeは、回生判定巻速度であり、巻速度指令Vが、V<Vchargeの場合は、巻き下げ状態(巻きモータM4が回生動作状態)であることを意味している。
また、SOCchargeは、蓄電池充電必要SOCであり、充電状態SOCが、SOC<SOCchargeの場合は、蓄電池52への充電が必要であることを意味している。
SOCdischargeは、蓄電池放電可能SOCある。そして、充電状態SOCが、SOC>SOCdischargeの場合は、蓄電池52からの放電が行われるモードに移行することを意味している。
【0050】
なお、図6に示す遷移図において、実線の矢付線で示す切り替えステップ(遷移ルート)Sab、Sba、Sac、Sca、Sad、Sdaは、クレーン装置の通常の運転状態において頻繁に生じる切り替えステップを示し、破線の矢付線で示す切り替えステップ(遷移ルート)Sbc、Scb、Scd、Sdc、Sbd、Sdbは、クレーン装置の通常の運転状態において発生頻繁の少ない切り替えステップを示している。
【0051】
以下、図6に示す遷移図において、実線の矢付線で示す切り替えステップ(遷移ルート)Sab、Sba、Sac、Sca、Sad、Sdaについて、図7に示す運転モード切り替えのタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、図7に示すタイミングチャートにおいて示される信号(または状態)は、上から順番に、巻速度指令V、充電状態SOC、蓄電池動作モード(充電又は放電状態)、エンジン発電機動作モード(出力ON(所要の回転数で運転)又はアイドリング状態)、そして運転モードA、B、C、Dである。
【0052】
まず、図6に示す遷移図において、運転モードAの状態にあるとする。この運転モードAは、エンジンがアイドリング状態にあり、蓄電池52のみから負荷に電力を供給している蓄電池給電モードである。例えば、図7のタイミングチャートにおいて、時刻t1からt2において、運転モードAにあるとする。
【0053】
この運転モードAにおいて、巻速度指令Vが回生判定巻速度Vchargeよりも小さくなると(V<Vcharge)、運転モードAから運転モードBに移行する(矢付線で示すステップSabを参照)。例えば、図7に示すタイミングチャートにおいて、時刻t2(または時刻t6)において、巻速度指令VがVchargeよりも小さくなると(巻き下げ状態になると)、運転モードAから運転モードBに切り替わる。
【0054】
運転モードBは、巻きモータM4から返される回生電力により蓄電池52を充電する負荷回生モードであり、この運転モードBでは、エンジン発電機21はアイドリングの状態である。
この運転モードBの状態において、巻速度指令Vが回生判定巻速度Vchargeよりも大きくなり(V>Vcharge)、かつ充電状態SOCが蓄電池充電必要SOCchargeよりも大きい状態においては、運転モードBから運転モードAに移行する(矢付線で示すステップSbaを参照)。例えば、図7に示すタイミングチャートにおいて、時刻t3(または時刻t7)において、巻速度指令VがVchargeよりも大きくなると(巻き下げ終了状態になると)、運転モードBから運転モードAに切り替わる。
【0055】
また、蓄電池給電モードである運転モードAの状態において、巻速度指令Vがアイドリング判定巻速度Vidleよりも大きくなると(V>Vidle)、運転モードAから運転モードCに移行する(矢付線で示すステップSacを参照)。例えば、図7に示すタイミングチャートにおいて、時刻t4(または時刻t8)において、巻速度指令VがVidleよりも大きくなると(巻き上げ状態になると)、運転モードAから運転モードCに切り替わる。
【0056】
運転モードCは、エンジン発電機21及び蓄電池52の両方から負荷30及び40に電力を供給する状態である。この運転モードCの状態において、巻速度指令Vがアイドリング判定巻速度Vidleより小さくなり(巻き上げ終了状態になり)、かつ、充電状態SOCが蓄電池充電必要SOCchargeよりも大きい状態においては、運転モードCから運転モードAに移行する(矢付線で示すステップScaを参照)。例えば、図7に示すタイミングチャートにおいて、時刻t5(またたは時刻t9)において、巻速度指令VがVidleよりも小さくなると(巻き上げ終了状態になると)、運転モードCから運転モードAに切り替わる。
【0057】
また、運転モードAの状態において、充電状態SOCが、蓄電池充電必要SOCchargeよりも小さくなると(SOC<SOCcharge)、運転モードAから運転モードDに移行する(矢付線で示すステップSadを参照)。例えば、図7に示すタイミングチャートにおいて、時刻t10において、充電状態SOCが蓄電池充電必要SOCchargeよりも小さくなると、運転モードAから運転モードDに切り替わる。
【0058】
運転モードDは、エンジン発電機21から蓄電池52に充電を行う状態であり、負荷としては補機のみが駆動され軽負荷の状態である。この運転モードDの状態において、充電状態SOCが蓄電池放電可能SOCdischargeよりも大きく(SOC>SOCcharge)、充電完了状態になると、運転モードDから運転モードAに移行する(矢付線で示すステップSdaを参照)。例えば、図7に示すタイミングチャートにおいて、時刻t11において、充電状態SOCが蓄電池放電可能SOCdischargeよりも小さくなると(充電完了状態になると)、運転モードDから運転モードAに切り替わる。
【0059】
次に、破線の矢付線で示す切り替えステップ(遷移ルート)Sbc、Scb、Scd、Sdc、Sbd、Sdbについて説明する。
最初に蓄電池を充電する負荷回生モードである運転モードBにあるとする。この状態において、巻速度指令Vがアイドリング判定巻速度Vidleよりも大きくなると(V>Vidle)、すなわち、巻き下げ状態から、急に巻き上げ状態になると、運転モードBから並列給電モードである運転モードCに移行する(矢付線で示すステップSbcを参照)。
【0060】
また、並列給電モードである運転モードCの状態において、巻速度指令Vが回生判定巻速度Vchargeよりも小さくなると(V<Vcharge)、すなわち、巻き上げ状態から、急に巻き下げ状態になると、運転モードCから運転モードBに移行する(矢付線で示すステップScbを参照)。また、運転モードCの状態において、充電状態SOCが蓄電池充電必要SOCchargeよりも小さくなり(SOC<SOCcharge)、かつ、巻速度指令Vがアイドリング判定巻速度Vidleよりも小さい状態(軽負荷の状態)においては、運転モードCから、運転モードD(発電機23から蓄電池52を充電する運転モード)に移行する(矢付線で示すステップScdを参照)。
【0061】
また、運転モードDの状態において、巻速度指令Vがアイドリング判定巻速度Vidleよりも大きくなると(充電中から急に巻き上げになると)、運転モードDから運転モードCに移行する(矢付線で示すステップSdcを参照)。
また、運転モードDの状態において、巻速度指令Vが回生判定巻速度Vchargeよりも小さくなると(V<Vcharge)、すなわち、蓄電池52の充電中から急に巻き下げ動作を行うと、運転モードDから運転モードBに移行する(矢付線で示すステップSdbを参照)。
また、運転モードBにおいて、巻速度指令Vが回生判定巻速度Vchargeよりも大きい状態(巻き下げ終了状態)において、充電状態SOCが蓄電池充電必要SOCchargeよりも小さい状態(充電状態SOC<SOCcharge)になると、運転モードBから運転モードDに移行する(矢付線で示すステップSbdを参照)。
【0062】
以上、説明したように、本発明のクレーン制御装置100Aにおいては、蓄電池52により負荷30及び40に電力を供給することが可能な場合には、できるだけ蓄電池52から負荷30及び40に放電電流を流すように運転モードを切り替える。例えば、蓄電池給電モードである運転モードAにおいては、蓄電池52から負荷30及び40に電力を供給する。また、並列給電モードである運転モードCにおいては、蓄電池52から負荷30及び40に放電電流を流すとともに、残りの必要な負荷電流を発電機23から負荷30及び40に供給する。
これにより、エンジン発電機21に接続された蓄電装置50(蓄電池52)を有効に活用して、エンジン22のアイドリング時間を長くすることができ、クレーン装置における燃費の改善を図ることができる。
【0063】
[第2の実施形態]
次に、蓄電装置を有していない既設のエンジン発電機式のクレーン装置を、本発明のクレーン装置(ハイブリッドクレーン装置)に改造する例について説明する。
まず、図8に改造前のクレーン制御装置100Bの構成例を示す。このクレーン制御装置100Bを改造して、図9又は図10に示す本発明の蓄電池を備えるクレーン制御装置とする。
改造前のクレーン制御装置100Bにおいて、エンジン発電機21は、エンジン22と、このエンジン22により回転駆動される発電機23とで構成される。発電機23は交流発電機(例えば、3相交流発電機)であり、発電機23から出力される交流電力は交流母線ACLに出力される。
【0064】
この交流母線ACLには、負荷としてインバータ61、・・・、65が接続される。インバータ61は、横行用のモータM1を駆動するインバータであり、主回路として、コンバータ部(CON)61aとインバータ部(INV)61bと、放電抵抗用トランジスタTrを有している。コンバータ部61aはダイオードブリッジ回路で構成され、交流母線ACLから入力される3相交流電力を直流電力に変換し、この直流電力を直流主回路PLに供給する。インバータ61bはIGBTの3相ブリッジ回路等で構成されるPWMインバータであり、直流主回路PLの直流電力を入力とし、コントローラ(図示せず)から入力される指令信号を基に、所望の周波数、電圧及び相順の交流電力を生成して、横行用のモータM1を駆動する。
【0065】
また、直流主回路PLには、回生電力消費用の放電抵抗Rが、放電抵抗用トランジスタTrを介して接続されている。この放電抵抗Rは、直流主回路PLの電圧が過電圧になることを防ぐために設けられている。この直流主回路PLの電圧が所定の電圧値以上に上昇した場合に、放電抵抗用トランジスタTrが導通し、放電抵抗Rに電流を流して電力を消費させ、直流主回路PLの電圧を低下させる。
【0066】
インバータ62、63は、走行用のモータM2、M3を駆動するインバータであり、主回路構成は、インバータ61と同様であり、インバータ62、63は、それぞれコンバータ部62a、63aとインバータ部62b、63bとを有している。また、インバータ64、65は、巻き用のモータM4を駆動する並列構成のインバータであり、主回路構成は、インバータ61と同様であり、それぞれコンバータ部64a、65aとインバータ部64b、65bとを有している。
【0067】
図9は、図8に示す既設のクレーン装置を本発明のクレーン装置に改造した例を示す図である。図9に示す例では、図8に示すクレーン装置に対して、新たに補機用のインバータ71と、蓄電装置50(DC/DCコンバータ51と蓄電池52等)とを追加する。また、図8においては、交流母線ACLが各インバータ61、・・・、65のそれぞれの入力側に接続されているが、図9に示す例では、交流母線ACLを補機用インバータ71の入力側にのみ接続する。
【0068】
また、図9に示す例では、各インバータ61、・・・、65のそれぞれの直流主回路(例えば、インバータ61におけるコンバータ部61aとインバータ部61bとの接続線)を、補機用インバータ71のコンバータ部71aの出力側に共通接続し、直流母線DCLを形成する。すなわち、補機用インバータ71のコンバータ部71aを各インバータ61、・・・、65の共通コンバータとして使用する。従って、補機用インバータ71のコンバータ部71aの定格出力電流は、各インバータ61、・・・、65に必要とされる負荷電流と、補機72に必要とされる負荷電流の合計値に相当する電流値以上に設定される。
【0069】
また、補機用インバータ71の放電抵抗Rの容量についても、図8に示す各インバータ61、・・・、65に付設される各放電抵抗Rの合計した容量に見合った容量の放電抵抗が使用される。なお、図9に示す例では、補機用インバータ71と補機72との間にはACリアクトルLacが挿入されている。
また、図9に示すクレーン制御装置100Bは、図1に示すクレーン制御装置100A内のコントローラ11を備えており、運転モードについても、クレーン制御装置100Aと同様に制御されるものであり、重複する説明は省略する。この場合、図1に示す回生を行う負荷30は、図9に示す負荷60が相当し、図1に示す回生を行わない負荷40は、図9に示す負荷70が相当することになる。
【0070】
このように、図8に示す既設のクレーン制御装置100Bを改造する場合に、既存の負荷装置(回生を行う負荷60の部分)をそのまま流用し、新たに補機用インバータ71と、蓄電装置50(DC/DCコンバータ51及び蓄電池52等)とを追加するだけで、エンジン発電式のクレーン装置を、蓄電装置50を備えるハイブリッド式のクレーン制御装置に容易に改造することができる。
また、追加する補機用インバータ71に定格容量を大きくすることにより、発電機23の交流出力を補機用インバータ71のコンバータ部71aで直流出力に変換するので、各インバータ61、・・・、65のコンバータ部を並列接続して使用する場合に比べ、入力部分で電圧のアンバランスや容量不足が発生しないようにできる(各々のインバータ61、62、・・・、65のコンバータ部は使用しない)。この場合、補機用インバータの容量を大きくすることで、補機の突入電流に対しても十分な容量を確保できる。このように図9に示す構成にすることにより、クレーン装置をエンジン式からハイブリッド式に改造する工事が容易となる。
【0071】
また、図10は、図9に示すクレーン制御装置の変形例である。図10に示すクレーン制御装置100Dでは、エンジン発電機21の発電機23の出力側を、補機用インバータ71の入力側に接続するとともに、既設のインバータ64、65の入力側にも接続する例である。なお、発電機23の出力側と交流母線ACLとの間には力率改善のためにACリアクトルLが挿入されている。他の構成は図9に示す例と同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0072】
図10に示すクレーン制御装置100Dの構成にすることにより、補機用インバータ71のコンバータ部71aと、巻き用のインバータ64及び65のコンバータ部とを並列に運転することが可能になり、図9に比べて、補機用インバータ71の定格容量を低減することが可能になる。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明したが、ここで、本発明と実施形態との対応関係を補足して説明しておく。
第1の実施形態において、本発明におけるクレーン装置はトランスファクレーン1が相当する。また、本発明におけるクレーン制御装置は、クレーン制御装置100Aが相当する。また、本発明における原動機は、エンジン発電機21内のエンジン22が相当し、本発明における発電機は、発電機23が相当する。また、本発明における蓄電装置は、DC/DCコンバータ51と蓄電池52とを含む蓄電装置50が相当する。また、本発明における蓄電池は蓄電池52が相当する。また、本発明における複数の負荷は、横行用のインバータ31及びモータM1と、走行用のインバータ32、33及びモータM2、M3と、巻き用のインバータ34、35及びモータM4と、補機用のインバータ41及び補機42等の荷役作業を行うための負荷装置が相当する。なお、ここで、横行用のインバータ31及びモータM1と、走行用のインバータ32、33及びモータM2、M3と、巻き用のインバータ34、35及びモータM4は、回生を行う負荷30に相当し、補機用のインバータ41及び補機42は、回生を行わない負荷40に相当する。
【0074】
また、本発明における制御部は、コントローラ11(主には運転モード制御部14とエンジン制御部15と、DC/DCコンバータ制御部16)が相当する。また、本発明における巻速度指令値は巻速度指令Vが相当する。本発明における蓄電池の充電状態は蓄電池52の充電状態SOCが相当する。また、本発明における蓄電池の温度センサは、温度センサ54が相当する。また、本発明における負荷の供給する電圧は直流母線DCLの電圧Vdcが相当する。
【0075】
また、本発明における運転モードの切り替えを行う際に、判定基準として使用される巻速度指令Vに対しては、アイドリング判定巻速度Vidleと回生判定巻速度Vchargeとが使用され、充電状態SOCに対しては、蓄電池充電必要SOCchargeと蓄電池放電可能SOCdischargeとが使用される。
なお、巻速度指令Vが、V>Vidleの場合は、巻き上げ状態(巻きモータM4が力行動作状態)であることを示し、巻速度指令Vが、V<Vchargeの場合は、巻き下げ状態(巻きモータM4が回生動作状態)であることを示している。また、充電状態SOCが、SOC<SOCchargeの場合は、蓄電池52への充電が必要であることを示し、充電状態SOCが、SOC>SOCdischargeの場合は、蓄電池52からの放電が行われるモードに移行することを示している。
【0076】
そして、本発明の実施形態において、クレーン制御装置100Aは、エンジン22により駆動される発電機23と、荷役作業を行う装置となる複数の負荷30及び40と、発電機23に接続され負荷30及び40に電力を供給する蓄電池52を有する蓄電装置50と、発電機23と蓄電装置50と複数の負荷30及び40とを制御するコントローラ11と、から構成される。
また、コントローラ11は、発電機23からの電力を遮断して蓄電装置50から負荷30及び40に電力を供給する蓄電池給電モードである運転モードA、負荷30から回生される回生電力により蓄電池52を充電する負荷回生モードである運転モードB、発電機23及び蓄電装置50から負荷30及び40に電力を供給する並列給電モードである運転モードC、発電機23から蓄電池52を充電する運転モードDのいずれかの制御モードに切り替える機能を有し、運転モードCでは、負荷30及び40に対して所定値以上の負荷電流が必要な場合に、蓄電装置50から負荷30及び40に所定の電流値の放電電流を供給するとともに、残りの必要な負荷電流をエンジン発電機21の発電電流により負荷30及び40に供給する。
これにより、エンジン発電機21に接続された蓄電装置50(蓄電池52)を有効に活用して、エンジン22のアイドリング時間を長くすることができ、クレーン装置における燃費の改善を図ることができる。
【0077】
また、上記実施形態において、コントローラ11は、負荷30を駆動する巻速度指令Vに応じて、蓄電池52から出力される放電電流を制御する。
例えば、搬送物(コンテナ)の巻き上げを行う場合に、巻速度指令Vがアイドリング判定巻速度Vidleよりも大きくなった場合(V>Vidle)には、負荷30に必要とされる負荷電流が増大するので、これに応じて蓄電池52の放電電流を制御する。
これにより、エンジン発電機21に接続された蓄電装置50(蓄電池52)を有効に活用して、エンジン22のアイドリング時間を長くすることができ、クレーン装置における燃費の改善を図ることができる。
【0078】
また、上記実施形態において、コントローラ11は、蓄電池給電モードである運転モードAと、蓄電装置50(蓄電池52)を充電する負荷回生モードである運転モードBとの切り替えを、巻速度指令Vに応じて行う。
例えば、蓄電池給電モードである運転モードAにおいて、搬送物(コンテナ)の巻き下げが開始され、巻速度指令Vが回生判定巻速度Vchargeよりも小さくなった場合(V<Vcharge)に、蓄電池を充電する負荷回生モードである運転モードBに移行する。そして、巻速度指令Vが回生判定巻速度Vchargeよりも大きくなった場合(V>Vcharge)に、運転モードAに移行する。なお、運転モードA及び運転モードBにおいて、エンジン22はアイドリング状態である。
これにより、運転モードAと運転モードBとの切り替えを巻速度指令Vに応じて行うことができる。このため、エンジン発電機原動機(エンジン)発電機に接続された蓄電装置50(蓄電池52)を有効に活用して、エンジン22のアイドリング時間を長くすることができ、クレーン装置における燃費の改善を図ることができる。
【0079】
また、上記実施形態において、コントローラ11は、蓄電池給電モードである運転モードAと、並列給電モードである運転モードCとの切り替えを、巻速度指令Vに応じて行う。
例えば、蓄電池給電モードである運転モードAにおいて、搬送物(コンテナ)の巻き上げが開始され、巻速度指令Vがアイドリング判定巻速度Vidleよりも大きくなった場合(V>Vidle)に、並列給電モードである運転モードCに移行する。そして、運転モードCにおいて、巻速度指令Vがアイドリング判定巻速度Vidleよりも小さくなった場合(V<Vidle)に、運転モードAに移行する。
これにより、運転モードAと運転モードCとの切り替えを、巻速度指令Vに応じて適切に行うことができる。このため、エンジン発電機原動機(エンジン)発電機に接続された蓄電装置50(蓄電池52)を有効に活用して、エンジン22のアイドリング時間を長くすることができ、クレーン装置における燃費の改善を図ることができる。
【0080】
また、上記実施形態において、コントローラ11は、運転モードAと運転モードDの切り替えを、蓄電装置50(蓄電池52)の充電状態SOCに応じて行う。
例えば、運転モードAの状態において、蓄電池52の充電状態SOCが蓄電池充電必要SOCchargeよりも小さくなった場合(SOC<SOCdischarge)に、発電機23から蓄電池52を充電する運転モードDに切り替える。また、運転モードDにおいて、蓄電池52の充電状態SOCが蓄電池放電可能SOCdischargeよりも大きくなった場合(SOC>SOCdischarge)に、運転モードAに切り替える。
これにより、運転モードAと運転モードDとの切り替えを、蓄電池52の充電状態SOCに応じて適切に行うことができる。
【0081】
また、上記実施形態において、蓄電池52は、温度センサ54を備え、コントローラ11は、蓄電池52の温度に応じて放電電流を調整する。
これにより、蓄電池52の温度により変化する放電能力に応じて、蓄電池52から負荷40及び40に流す放電電流を調整することができる。
【0082】
また、上記実施形態において、蓄電装置50(蓄電池52)から出力される所定の放電電流は、負荷に供給される電圧に応じた電圧電流特性により定められる。
この場合、蓄電池52から直流母線DCLに流される放電電流は、直流母線DCLの電圧に応じて制御される。例えば、直流母線DCLの電圧が所定の電圧値以下の場合は、一定値の放電電流(但し、蓄電池52の温度により変化)を直流母線DCLに流し、所定の電圧値以上の場合は、直流母線DCLの電圧の上昇に応じて放電電流の値を小さくする。
これにより、蓄電装置50からの充電電流により直流母線DCLが過電圧になることを防ぐことができる。
【0083】
また、本発明の実施形態において、クレーン制御装置100Aは、エンジン22により駆動される発電機23と、荷役作業を行う装置となる複数の負荷30及び40と、発電機23に接続され負荷30及び40に電力を供給する蓄電池52を有する蓄電装置50と、発電機23と蓄電装置50と複数の負荷30及び40とを制御するコントローラ11と、から構成される。
また、コントローラ11は、発電機23からの電力を遮断して蓄電装置50から負荷30及び40に電力を供給する蓄電池給電モードである運転モードA、負荷30から回生される回生電力により52蓄電池を充電する負荷回生モードである運転モードB、発電機23及び蓄電装置50から負荷30及び40に電力を供給する並列給電モードである運転モードC、発電機23から蓄電池52を充電する運転モードDのいずれかの制御モードに切り替える機能を有し、巻速度指令Vと蓄電池52の充電状態SOCとに応じて、運転モードCと運転モードDとを切り替える。
【0084】
例えば、運転モードCの状態において、充電状態SOCが蓄電池充電必要SOCchargeより小さくなり(SOC<SOCdischarge)、蓄電池52の充電が必要になった場合は、巻速度指令Vがアイドリング判定巻速度Vidleよりも小さくなったことを検出して(V<Vidle)、運転モードCから運転モードDに切り替える。また、運転モードDの状態において、巻速度指令Vがアイドリング判定巻速度Vidle大きくなったことを検出して(V>Vidle)、運転モードDから運転モードCに切り替える。
これにより、運転モードAと運転モードDとを、巻速度指令Vと蓄電池52の充電状態SOCとに応じて、適切に切り替えることができる
【0085】
また、上記実施形態において、運転モードDは、補機のみを負荷40とする。
発電機23から蓄電池52を充電する運転モードDおいては、回生を行う負荷30は駆動せず、補機のみの負荷40を駆動する。
これにより、巻き用のモータM4等の負荷30を停止させた状態において、発電機23から蓄電池52への充電を行うことができる。
【0086】
また、上記実施形態において、補機のみを負荷40とする条件は、蓄電池52に回生を行わない負荷或いは回生を行わないモータの運転を含む。
例えば、補機としては、照明装置や、空調設備、電磁クラッチ等の回生を行わない負荷や、油圧ポンプモータ等の回生を行わないモータ負荷が含まれる。
これにより、回生を行う負荷30と、回生を行わない負荷40とを区別して、各運転モードA、B、C、Dにおいて、それぞれの駆動を制御できる。
【0087】
また、本発明のトランスファクレーン1は、クレーン制御装置100Aを備え、負荷30として駆動され、コントローラ11から出力される運転指令に応じて駆動制御されるモータM1、M2、M3、M4と、コントローラ11により駆動制御される補機42と、を備える。
このように、トランスファクレーン1においては、本発明のクレーン制御装置100Aを使用するようにしたので、これにより、エンジン発電機21に接続された蓄電装置50(蓄電池52)を有効に活用して、エンジン22のアイドリング時間を長くすることができ、トランスファクレーン1における燃費の改善を図ることができる。
【0088】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明のクレーン制御装置及びクレーン装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0089】
1 クレーン装置
100A、100C、100B、100D クレーン制御装置
11 コントローラ
12 クレーン操作部
13 負荷装置制御部
14 運転モード制御部
15 エンジン制御部
16 コンバータ制御部
21 エンジン発電機
22 エンジン
23 発電機
24 コンバータ
26 電圧検出部
30 回生を行う負荷
31、32、33、34、35 インバータ
40 回生を行わない負荷
41 補機用インバータ
42 補機
50 蓄電装置
51 DC/DCコンバータ
52 蓄電池
53 SOC検出部
54 温度センサ
60 回生を行う負荷
61、62、63、64、65 インバータ
70 回生を行わない負荷
71 補機用インバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機により駆動される発電機と、
荷役作業を行う装置となる複数の負荷と、
前記発電機に接続され前記負荷に電力を供給する蓄電池を有する蓄電装置と、
前記発電機と前記蓄電装置と前記複数の負荷とを制御する制御部と、
から構成され、
前記制御部は、
前記発電機からの電力を遮断して前記蓄電装置から前記負荷に電力を供給する蓄電池給電モードである運転モードA、
前記負荷から回生される回生電力により前記蓄電池を充電する負荷回生モードである運転モードB、
前記発電機及び前記蓄電装置から前記負荷に電力を供給する並列給電モードである運転モードC、
前記発電機から前記蓄電池を充電する運転モードDのいずれかの制御モードに切り替える機能を有し、
前記運転モードCでは、
前記負荷に対して所定の電流値以上の負荷電流が必要とされる場合に、前記蓄電装置からの放電電流と、前記発電機の発電電流を前記負荷に供給する
ことを特徴とするクレーン制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記負荷を駆動する巻速度指令値に応じて、前記放電電流を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のクレーン制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記運転モードAと運転モードBの切り替えを、前記巻速度指令値に応じて行う
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のクレーン制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記運転モードAと運転モードCの切り替えを、前記巻速度指令値に応じて行う
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のクレーン制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記運転モードAと運転モードDの切り替えを、前記蓄電池の充電状態に応じて行う
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のクレーン制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記蓄電池の温度に応じて前記放電電流を調整する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のクレーン制御装置。
【請求項7】
前記蓄電装置から出力される所定の放電電流は、
前記負荷に供給される電圧に応じた電圧電流特性により定められる
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のクレーン制御装置。
【請求項8】
原動機により駆動される発電機と、
荷役作業を行う装置となる複数の負荷と、
前記発電機に接続され前記負荷に電力を供給する蓄電池を有する蓄電装置と、
前記発電機と前記蓄電装置と前記複数の負荷とを制御する制御部と、
から構成され、
前記制御部は、
前記発電機からの電力を遮断して前記蓄電装置から前記負荷に電力を供給する蓄電池給電モードである運転モードA、
前記負荷から回生される回生電力により前記蓄電池を充電する負荷回生モードである運転モードB、
前記発電機及び前記蓄電装置から前記負荷に電力を供給する並列給電モードである運転モードC、
前記発電機から前記蓄電池を充電する運転モードDのいずれかの制御モードに切り替える機能を有し、
前記負荷を駆動する巻速度指令値と前記蓄電池の充電状態とに応じて、前記運転モードCと前記運転モードDとを切り替える
ことを特徴とするクレーン制御装置。
【請求項9】
前記運転モードDは、補機のみを負荷とする
ことを特徴とする請求項8に記載のクレーン制御装置。
【請求項10】
前記補機のみを負荷とする条件は、前記蓄電池に回生を行わない負荷或いは回生を行わないモータの運転を含む
ことを特徴とする請求項9に記載のクレーン制御装置。
【請求項11】
前記請求項1から請求項10のいずれかに示したクレーン制御装置と、
前記負荷として駆動され、前記制御部から出力される運転指令に応じて駆動されるモータと、
前記制御部により駆動制御される補機と、
を備えることを特徴とするクレーン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−111278(P2011−111278A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268837(P2009−268837)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】