クレーン更新装置とこれを用いたクレーンの更新方法
【課題】老朽化した天井クレーンの新規な天井クレーンへの更新を、短期間で行うことができるクレーン更新装置とこれを用いたクレーンの更新方法を提供する。
【解決手段】天井クレーンが走行するランウェイガーダー20の延長線上に、第1の架構1を設置するとともに、この第1の架構1と平行に同様の第2の架構2を設置し、新設または既設の天井クレーンを第1の架構1と第2の架構2間で移動させる移動用架構3を設けたクレーン更新装置。また、第1または第2の架構1、2上で新設天井クレーン12の組み立てを行う工程と、ランウェイガーダー上にある既設天井クレーン11を移動用架構3により空き状態である第1または第2の架構1、2まで移動する工程と、組み立てた新設天井クレーン12を移動用架構3によりランウェイガーダー20まで移動する工程を含むクレーンの更新方法。
【解決手段】天井クレーンが走行するランウェイガーダー20の延長線上に、第1の架構1を設置するとともに、この第1の架構1と平行に同様の第2の架構2を設置し、新設または既設の天井クレーンを第1の架構1と第2の架構2間で移動させる移動用架構3を設けたクレーン更新装置。また、第1または第2の架構1、2上で新設天井クレーン12の組み立てを行う工程と、ランウェイガーダー上にある既設天井クレーン11を移動用架構3により空き状態である第1または第2の架構1、2まで移動する工程と、組み立てた新設天井クレーン12を移動用架構3によりランウェイガーダー20まで移動する工程を含むクレーンの更新方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、老朽化した天井クレーンの新規な天井クレーンへの更新を、短期間で行うことができるクレーン更新装置と、これを用いたクレーンの更新方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、製鉄工場においては、鋳造鍋運搬用のフック等が取り付けられているレードルクレーンや、原料を運ぶための運搬クレーンや、原料を挿入するためのチャージングクレーン等、種々の天井クレーンが多く使用されている。これらの天井クレーンは、高熱作業所において大重量のものを牽引する等の厳しい環境下で使用されている場合が多く、老朽化が進行して新規の天井クレーンに更新するニーズが頻繁に生じている。
【0003】
このようなクレーンの更新方法としては、既設の天井クレーンを複数のブロックに解体し、このブロックを揚重機で地上に吊り降ろして細かく解体するとともに、地上では新規の天井クレーンを複数のブロックに組み立て、これを揚重機で走行レール上にセット後、最終クレーンに組み立てる方法が一般的であった。この方法の場合は、既設クレーンの停止から新規クレーンの稼動開始までに約2〜3ケ月の工事期間を要し、この間は製造の中止を強いられることになった。
【0004】
一方、最近では生産効率の更なる向上が求められており、天井クレーンの更新期間についても短縮化が要求されるようになってきた。そこで、特許文献1に示されるように、レードルクレーンを一体構造とし、地上で組み立てた構造物を揚重機で走行レール上に据え付けることで工期を短縮化する技術が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の発明においては、一体的に組み立てたレードルクレーンの重量が大きく、これを吊り上げる揚重機の能力や揚重機の据付場所等の関係から、既設の揚重機では対応することができないという問題点があった。また、新たな揚重機を設置することはスペース的な点から、敷地に余裕の少ない現状の製鉄工場では適用が難しいという問題点もあった。
【特許文献1】特開2008−100836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記のような問題点を解決して、老朽化した天井クレーンを新規な天井クレーンに更新するのを効率よく、かつ短期間で行うことができるクレーン更新装置とこれを用いたクレーンの更新方法を提供することを目的として完成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本発明は、天井クレーンが走行するランウェイガーダーの延長線上に、新設天井クレーンの組み立てを行い、または既設天井クレーンを待避させる第1の架構を設置するとともに、この第1の架構と平行に同様の第2の架構を設置し、前記新設または既設の天井クレーンを前記第1の架構と第2の架構間で移動させる移動用架構を設けたことを特徴とするクレーン更新装置である。
また、このクレーン更新装置を用いて、第1または第2の架構上で新設天井クレーンの組み立てを行う工程と、ランウェイガーダー上にある既設天井クレーンを移動用架構により空き状態である第1または第2の架構まで移動する工程と、組み立てた新設天井クレーンを移動用架構によりランウェイガーダーまで移動する工程を含むことを特徴とするクレーンの更新方法である。
【0007】
前記ランウェイガーダーと組立作業用架構間には空間部が設けられ、この空間部内を移動用架構が移動するよう構成されているものとすることができ、これを請求項2に係る発明とする。
【0008】
また、前記移動用架構は、昇降装置により高さ調整自在に設置されているものとすることができ、これを請求項3に係る発明とする。
【0009】
また、前記移動用架構の前後両端部には下方に向け先細としたテーパ面が形成され、この移動用架構が連結されるランウェイガーダー、第1および第2の架構の連結端部には前記テーパ面に係合する逆テーパ面が形成されているものとすることができ、これを請求項4に係る発明とする。
【0010】
更に、クレーン更新装置の更新方法において、第1または第2の架構上で新設天井クレーンの組み立てと、組み立てた天井クレーンの試運転を行うものとすることができ、これを請求項6に係る発明とする。
【0011】
また、前記移動用架構を、移動時には隣接する他の架構よりも上面が高くなるように上昇させ、一方、連結時には隣接する他の架構と上面がほぼ面一となるように下降させるよう昇降動の制御を行うものとすることができ、これを請求項7に係る発明とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、第1の架構とこれと平行な第2の架構を設け、新設または既設の天井クレーンを前記第1の架構と第2の架構間で移動させる移動用架構を設けたので、この移動用架構を利用して既設の天井クレーンを前記第1または第2の架構へ移動させるとともに、新設の天井クレーンをランウェイガーダー上へ移動させることができ、効率よくクレーンの更新を行うことができる。
【0013】
また、請求項2に係る発明では、ランウェイガーダーと第1の架構間には空間部が設けられ、この空間部内を移動用架構が移動するよう構成されているので、必要最小限のスペースで移動用架構の設置をすることができる。
【0014】
また、請求項3に係る発明では、移動用架構は、昇降装置により高さ調整自在とされているので、移動用架構を移動時にはランウェイガーダー、第1の架構、第2の架構に接触しないよう上昇させたり、連結時には継ぎ目に段差を生じさせないよう下降させたりすることが可能になる。
【0015】
また、請求項4に係る発明では、移動用架構のテーパ面と、移動用架構が連結されるランウェイガーダー、第1および第2の架構の連逆テーパ面とが密着するので、連結部に隙間が生じるのを防止し、またフラットな面とすることでクレーンの移動を円滑に行えるようにすることができる。
【0016】
また、請求項5に係る発明では、上記のようなクレーン更新装置を用い、ランウェイガーダー上での既設天井クレーンの解体と、第1または第2の架構上での新設天井クレーンの組み立てを同時に進行でき、また、第1または第2の架構を待避場所として使用することで、効率よく短期間でクレーンの更新が可能となる。
【0017】
また、請求項6に係る発明では、第1または第2の架構上で組み立てた天井クレーンの試運転まで済ますことができ、その後の立ち上げ時の点検作業等をより迅速に行えることとなる。
【0018】
また、請求項7に係る発明では、移動用架構の高さを所定のパターンに昇降動制御するので、移動用架構の移動は円滑に行うことができ、また連結時には隙間の発生を防止することができて、効率的なクレーンの更新が行えることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図面は、製鉄工場における天井クレーンの更新装置を示すものであり、図1は平面図、図2は正面図である。図において、20は天井クレーンが走行するランウェイガーダーであり、図1は、ランウェイガーダー20上にあるNo.1の既設天井クレーン11を、No.1の新設天井クレーン12に更新する場合を示している。
【0020】
前記ランウェイガーダー20の延長線上には、新設天井クレーンの組み立てを行い、または既設天井クレーンを待避させる第1の架構1が設置されているとともに、この第1の架構1と平行に、新設天井クレーンの組み立てを行い、または既設天井クレーンを待避させる、前記第1の架構1と同様の第2の架構2が設置されている。
更に、前記新設または既設の天井クレーンを前記第1の架構1と第2の架構2との間で移動させ、あるいは新設または既設の天井クレーンをランウェイガーダー20との間で移動させるための移動用架構3が設けられている。
【0021】
なお、30(一点鎖線)は工場の建屋を示しており、この場合は建屋の壁をくり抜いて隣接地に設けた第2の架構2、および移動用架構3を連結したものとなっているが、これらを同一の建屋内に設けてもよいことは勿論である。
【0022】
前記ランウェイガーダー20と第1の架構1との間には空間部が設けられ、この空間部内を移動用架構3が移動するよう構成されている。この移動用架構3は、新設または既設の天井クレーンを移動させるものであり、1台の天井クレーンが載るだけの最小限の幅があればよく、これに対応して空間部も最小限のスペースで設ければよい。
【0023】
また、図2に示されるように、前記移動用架構3は、例えば前後左右自在に移動可能なドーリー等の移動用キャリア4上に、油圧式昇降機等の昇降装置5を介してセットされており、高さ調整を自在に行えるよう構成されている。従って、移動用架構3の高さはランウェイガーダー20や、第1の架構1、第2の架構2の高さと基本的には同じであるが、ズレ等が生じても、第1の架構1と第2の架構2、およびランウェイガーダー20との間で移動用架構3の高さがほぼ面一の高さとなるように微調整可能であり、段差が生じることがなくクレーンの円滑な移動を確保することができる。
ここでいうほぼ面一の高さとは、完全に同一の高さを含むことは勿論のこと、移動用架構3と第1の架構1、第2の架構2、ランウェイガーダー20との間でクレーンの走行が支障なく行える程度の差がある場合の高さも含む概念である。
【0024】
更に、図7に示されるように、前期移動用架構3の前後両端部には下方に向け先細としたテーパ面3aが形成され、この移動用架構3が連結されるランウェイガーダー20、第1および第2の架構1、2の連結端部にも前記テーパ面3aに係合する逆テーパ面3b、3b・・・が形成された構造となっている。
これは、垂直断面の構造とした場合、移動用架構3の円滑な移動を確保するためにはランウェイガーダー等との間にクリアランスを設けておく必要があり、それによって生じる隙間にクレーンの車輪が落ち込み走行を妨げる一因となり、一方、クリアランスを極力小さくすると接触して移動用架構3の円滑な移動を妨げる一因となる。
そこで、本発明では、移動用架構側に先細テーパ面3aを形成するとともに、この移動用架構3が連結されるランウェイガーダー20、第1および第2の架構1、2の連結端部にも前記テーパ面3aに係合する逆テーパ面3b、3b・・・を形成した構造とすることにより、第1の架構1と第2の架構2間を移動する際には、移動用架構3を上昇させ十分な隙間を確保した状態で楽に移動し、一方、連結時には移動用架構3を下降させて、テーパ面3aと逆テーパ面3bとを係合させ、かつ、ほぼフラットな連続面を形成してクレーンの乗り換え移動を容易に行える構造とした。
即ち、移動用架構3を昇降装置5により下降すると、移動用架構3の先細テーパ面3aが連結端部の逆テーパ面3bに案内されて円滑に所定位置に設置でき作業時間を大幅に短縮することができる。また、移動用架構3が左右(水平)方向に多少のズレがあっても、前記テーパ面の案内機能により、自動的にそのズレがなくなるように修正されることとなる。
【0025】
次に、本発明の更新装置により新設・既設のクレーンの入れ替えを行う手順について説明する。
図1は、一例として、ランウェイガーダー20上にあったNo.1の既設天井クレーン11を、第1の架構上において組み立てたNo.1の新設天井クレーン12と入れ替えて更新する場合を示している。
【0026】
本発明のクレーンの更新方法では、第1または第2の架構上で新設天井クレーンの組み立てを行う工程と、ランウェイガーダー上にある既設天井クレーンを移動用架構3により空き状態である第1または第2の架構まで移動する工程と、組み立てた新設天井クレーンを移動用架構によりランウェイガーダーまで移動する工程を含むものである。
【0027】
以下、図3〜図6の斜視図を参照しつつ説明する。
図3は、既設天井クレーン11が走行するランウェイガーダー20の延長線上に、第1の架構1を設置し、また、この第1の架構1と平行に第2の架構2を設置し、更に、前記第1の架構1と第2の架構2間で移動可能な移動用架構3を設けた状態を示している。
なお、以下に説明するものでは、前記第1の架構1が新設天井クレーン12の組み立てを行うためのものであり、一方、第2の架構2が既設天井クレーン11を待避させるためのものとしているが、逆に、第1の架構が既設天井クレーンの待避用であり、第2の架構が新設クレーンの組み立て用であってもよいことは勿論である。
また、各クレーンが1台でもよく、また2台以上であってもよいことも勿論であり、2台の場合については後述する。
【0028】
先ず、図4に示されるように、第1の架構1上において、No.1の新設天井クレーン12の組み立てを行い、これと並行して、No.1の既設天井クレーン11をランウェイガーダー20上から撤去する。
この既設天井クレーンの撤去作業は、既設天井クレーン11をランウェイガーダー20から移動用架構3へ移した後、移動用架構3を第1の架構1から第2の架構2へ移動し、次いで、移動用架構3から第2の架構2へ移動して行う(破線を参照)。このようにして、No.1の既設天井クレーン11を第2の架構2上で待避させる。
【0029】
なお、前記の撤去作業において、天井クレーンを移動用架構3へ移す場合、あるいは移動用架構3からランウェイガーダー20や他の架構へ移す場合、移動用架構3は下降されて、テーパ面3aと逆テーパ面3bとを密着させるので、連結部に隙間が生じるのを防止し、かつフラットな連続面を形成することができ、クレーンの乗り換え移動を容易に行うことができる。また、第1の架構1と第2の架構2間を移動する場合は、移動用架構3は上昇されて十分な隙間を確保した状態となっているので、他部材と接触することもなく安全に移動することができる(図7を参照)。
【0030】
次に、図5に示されるように、第1の架構1上で組み立てたNo.1の新設天井クレーン12を、移動用架構3を用いてランウェイガーダー20上へ移動する。この作業は、No.1の新設天井クレーン12を、移動用架構3を連結通路として第1の架構1からランウェイガーダー20へ順次移動させるだけであり、簡単かつ円滑に行うことができる。
【0031】
次に、図6に示されるように、No.1の既設天井クレーン11を解体し、解体部品の一部であるクラブ6等を他の揚重機により工場の保管場所等へ移動する。なお、図示のものでは、他の揚重機の移動範囲が第1の架構1上にあるため、既設天井クレーンは移動用架構3により待避していた第2の架構2から第1の架構1へ、順次移動(破線を参照)させられ、第1の架構上で解体が行われる。
このようにして、既設天井クレーン11の解体を終えるとクレーンの更新作業が終了する。
【0032】
なお、前記第1の架構1上で新設天井クレーン12の組み立てを行うのに加えて、組み立てた天井クレーン12の試運転を行うこともできる。これにより、更新作業後における、新設天井クレーンの各種項目のテストや立ち上げ作業を円滑に進めることができ作業期間の短縮化を図ることができる。
【0033】
また、以上の説明においては、第1の架構1上で新設天井クレーン12の組み立てを行い、第2の架構2に既設天井クレーン11を待避させる場合について説明したが、逆に第2の架構2上で新設天井クレーン12の組み立てを行い、第1の架構1に既設天井クレーン11を待避させるようにしてもよいことは勿論である。また、更新するクレーンの数が何台であってもよいことも勿論である。
【0034】
なお、従来の方法による場合は、既設クレーンの停止から新規クレーンの稼動開始までに、約4ケ月(解体1ケ月+据付3ケ月)のライン休止期間を要していたのに対し、上記で説明した本発明の更新方法の場合は、4日のライン休止で更新を完了することができ、大幅な工期の短縮が図れることが確認できた。
【0035】
次に、ランウェイガーダー20上にあるNo.1とNo.2の2台の既設天井クレーン11a、11bを、第1の架構上において組み立てたNo.1とNo.2の2台の新設天井クレーン12a、12bと入れ替え更新する場合について、簡単に説明する。
図8において、矢印の先に書いた英文字が大文字の場合は既設クレーンを撤去する場合、また、英文字が小文字の場合は新設クレーンを搬入する場合を示し、アルファベット順に従って移動するものである。
【0036】
先ず、図9に示されるように、第1の架構1上において、No.1とNo.2の2台の新設天井クレーン12a、12bの組み立てを行い、これと並行して、No.1とNo.2の2台の既設天井クレーン11a、11bをランウェイガーダー20上から撤去する。
この既設天井クレーンの撤去作業は、既設天井クレーン11aをランウェイガーダー20から移動用架構3へ移した後、移動用架構3を第1の架構1から第2の架構2へ移動し、次いで、移動用架構3から第2の架構2へ移動して行う。更に、移動用架構3は再び第1の架構1側へ戻り、同様に、既設天井クレーン11bをランウェイガーダー20から移動用架構3へ移した後、移動用架構3を第1の架構1から第2の架構2へ移動し、次いで、移動用架構3から第2の架構2へ移動して行う。このようにして、No.1とNo.2の2台の既設天井クレーン11a、11bを第2の架構2上で待避させる。
【0037】
次に、図10に示されるように、第1の架構1上で組み立てたNo.1とNo.2の2台の新設天井クレーン12a、12bを、移動用架構3を用いてランウェイガーダー20上へ移動する。この作業は、No.1とNo.2の2台の新設天井クレーン12a、12bを、移動用架構3を連結通路として第1の架構1からランウェイガーダー20へ順次移動させるだけであり、簡単かつ円滑に行うことができる。
【0038】
次に、図11に示されるように、No.1とNo.2の2台の既設天井クレーン11a、11bを解体し、解体部品の一部であるクラブ6等を他の揚重機により工場の保管場所等へ移動する。なお、図示のものでは、他の揚重機の移動範囲が第1の架構1上にあるため、既設天井クレーンは移動用架構3により待避していた第2の架構2から第1の架構1へ、順次移動させられ、第1の架構上で解体が行われる。
このようにして、2台の既設天井クレーン11a、11bの解体を終えるとクレーンの更新作業が終了する。
【0039】
また、以上の説明においては、第1の架構1上で新設天井クレーン12a、12bの組み立てを行い、第2の架構2に既設天井クレーン11a、11bを待避させる場合について説明したが、逆に第2の架構2上で新設天井クレーン12a、12bの組み立てを行い、第1の架構1に既設天井クレーン11a、11bを待避させるようにしてもよいことは勿論である。
なお、更新するクレーンの数が3台以上であっても、上記と同様の手順により更新作業を行うことができることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す正面図である。
【図3】更新工程を示す斜視図である。
【図4】更新工程を示す斜視図である。
【図5】更新工程を示す斜視図である。
【図6】更新工程を示す斜視図である。
【図7】移動用架構を示す正面図である。
【図8】その他の更新工程を示す平面図である。
【図9】その他の更新工程を示す説明図である。
【図10】その他の更新工程を示す説明図である。
【図11】その他の更新工程を示す説明図である。
【符号の説明】
【0041】
1 第1の架構
2 第2の架構
3 移動用架構
3a テーパ面
3b 逆テーパ面
4 移動用キャリア
5 昇降装置
6 クラブ
11 既設天井クレーン
12 新設天井クレーン
11a No.1の既設天井クレーン
11b No.2の既設天井クレーン
12a No.1の新設天井クレーン
12b No.2の新設天井クレーン
【技術分野】
【0001】
本発明は、老朽化した天井クレーンの新規な天井クレーンへの更新を、短期間で行うことができるクレーン更新装置と、これを用いたクレーンの更新方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、製鉄工場においては、鋳造鍋運搬用のフック等が取り付けられているレードルクレーンや、原料を運ぶための運搬クレーンや、原料を挿入するためのチャージングクレーン等、種々の天井クレーンが多く使用されている。これらの天井クレーンは、高熱作業所において大重量のものを牽引する等の厳しい環境下で使用されている場合が多く、老朽化が進行して新規の天井クレーンに更新するニーズが頻繁に生じている。
【0003】
このようなクレーンの更新方法としては、既設の天井クレーンを複数のブロックに解体し、このブロックを揚重機で地上に吊り降ろして細かく解体するとともに、地上では新規の天井クレーンを複数のブロックに組み立て、これを揚重機で走行レール上にセット後、最終クレーンに組み立てる方法が一般的であった。この方法の場合は、既設クレーンの停止から新規クレーンの稼動開始までに約2〜3ケ月の工事期間を要し、この間は製造の中止を強いられることになった。
【0004】
一方、最近では生産効率の更なる向上が求められており、天井クレーンの更新期間についても短縮化が要求されるようになってきた。そこで、特許文献1に示されるように、レードルクレーンを一体構造とし、地上で組み立てた構造物を揚重機で走行レール上に据え付けることで工期を短縮化する技術が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の発明においては、一体的に組み立てたレードルクレーンの重量が大きく、これを吊り上げる揚重機の能力や揚重機の据付場所等の関係から、既設の揚重機では対応することができないという問題点があった。また、新たな揚重機を設置することはスペース的な点から、敷地に余裕の少ない現状の製鉄工場では適用が難しいという問題点もあった。
【特許文献1】特開2008−100836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記のような問題点を解決して、老朽化した天井クレーンを新規な天井クレーンに更新するのを効率よく、かつ短期間で行うことができるクレーン更新装置とこれを用いたクレーンの更新方法を提供することを目的として完成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本発明は、天井クレーンが走行するランウェイガーダーの延長線上に、新設天井クレーンの組み立てを行い、または既設天井クレーンを待避させる第1の架構を設置するとともに、この第1の架構と平行に同様の第2の架構を設置し、前記新設または既設の天井クレーンを前記第1の架構と第2の架構間で移動させる移動用架構を設けたことを特徴とするクレーン更新装置である。
また、このクレーン更新装置を用いて、第1または第2の架構上で新設天井クレーンの組み立てを行う工程と、ランウェイガーダー上にある既設天井クレーンを移動用架構により空き状態である第1または第2の架構まで移動する工程と、組み立てた新設天井クレーンを移動用架構によりランウェイガーダーまで移動する工程を含むことを特徴とするクレーンの更新方法である。
【0007】
前記ランウェイガーダーと組立作業用架構間には空間部が設けられ、この空間部内を移動用架構が移動するよう構成されているものとすることができ、これを請求項2に係る発明とする。
【0008】
また、前記移動用架構は、昇降装置により高さ調整自在に設置されているものとすることができ、これを請求項3に係る発明とする。
【0009】
また、前記移動用架構の前後両端部には下方に向け先細としたテーパ面が形成され、この移動用架構が連結されるランウェイガーダー、第1および第2の架構の連結端部には前記テーパ面に係合する逆テーパ面が形成されているものとすることができ、これを請求項4に係る発明とする。
【0010】
更に、クレーン更新装置の更新方法において、第1または第2の架構上で新設天井クレーンの組み立てと、組み立てた天井クレーンの試運転を行うものとすることができ、これを請求項6に係る発明とする。
【0011】
また、前記移動用架構を、移動時には隣接する他の架構よりも上面が高くなるように上昇させ、一方、連結時には隣接する他の架構と上面がほぼ面一となるように下降させるよう昇降動の制御を行うものとすることができ、これを請求項7に係る発明とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、第1の架構とこれと平行な第2の架構を設け、新設または既設の天井クレーンを前記第1の架構と第2の架構間で移動させる移動用架構を設けたので、この移動用架構を利用して既設の天井クレーンを前記第1または第2の架構へ移動させるとともに、新設の天井クレーンをランウェイガーダー上へ移動させることができ、効率よくクレーンの更新を行うことができる。
【0013】
また、請求項2に係る発明では、ランウェイガーダーと第1の架構間には空間部が設けられ、この空間部内を移動用架構が移動するよう構成されているので、必要最小限のスペースで移動用架構の設置をすることができる。
【0014】
また、請求項3に係る発明では、移動用架構は、昇降装置により高さ調整自在とされているので、移動用架構を移動時にはランウェイガーダー、第1の架構、第2の架構に接触しないよう上昇させたり、連結時には継ぎ目に段差を生じさせないよう下降させたりすることが可能になる。
【0015】
また、請求項4に係る発明では、移動用架構のテーパ面と、移動用架構が連結されるランウェイガーダー、第1および第2の架構の連逆テーパ面とが密着するので、連結部に隙間が生じるのを防止し、またフラットな面とすることでクレーンの移動を円滑に行えるようにすることができる。
【0016】
また、請求項5に係る発明では、上記のようなクレーン更新装置を用い、ランウェイガーダー上での既設天井クレーンの解体と、第1または第2の架構上での新設天井クレーンの組み立てを同時に進行でき、また、第1または第2の架構を待避場所として使用することで、効率よく短期間でクレーンの更新が可能となる。
【0017】
また、請求項6に係る発明では、第1または第2の架構上で組み立てた天井クレーンの試運転まで済ますことができ、その後の立ち上げ時の点検作業等をより迅速に行えることとなる。
【0018】
また、請求項7に係る発明では、移動用架構の高さを所定のパターンに昇降動制御するので、移動用架構の移動は円滑に行うことができ、また連結時には隙間の発生を防止することができて、効率的なクレーンの更新が行えることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図面は、製鉄工場における天井クレーンの更新装置を示すものであり、図1は平面図、図2は正面図である。図において、20は天井クレーンが走行するランウェイガーダーであり、図1は、ランウェイガーダー20上にあるNo.1の既設天井クレーン11を、No.1の新設天井クレーン12に更新する場合を示している。
【0020】
前記ランウェイガーダー20の延長線上には、新設天井クレーンの組み立てを行い、または既設天井クレーンを待避させる第1の架構1が設置されているとともに、この第1の架構1と平行に、新設天井クレーンの組み立てを行い、または既設天井クレーンを待避させる、前記第1の架構1と同様の第2の架構2が設置されている。
更に、前記新設または既設の天井クレーンを前記第1の架構1と第2の架構2との間で移動させ、あるいは新設または既設の天井クレーンをランウェイガーダー20との間で移動させるための移動用架構3が設けられている。
【0021】
なお、30(一点鎖線)は工場の建屋を示しており、この場合は建屋の壁をくり抜いて隣接地に設けた第2の架構2、および移動用架構3を連結したものとなっているが、これらを同一の建屋内に設けてもよいことは勿論である。
【0022】
前記ランウェイガーダー20と第1の架構1との間には空間部が設けられ、この空間部内を移動用架構3が移動するよう構成されている。この移動用架構3は、新設または既設の天井クレーンを移動させるものであり、1台の天井クレーンが載るだけの最小限の幅があればよく、これに対応して空間部も最小限のスペースで設ければよい。
【0023】
また、図2に示されるように、前記移動用架構3は、例えば前後左右自在に移動可能なドーリー等の移動用キャリア4上に、油圧式昇降機等の昇降装置5を介してセットされており、高さ調整を自在に行えるよう構成されている。従って、移動用架構3の高さはランウェイガーダー20や、第1の架構1、第2の架構2の高さと基本的には同じであるが、ズレ等が生じても、第1の架構1と第2の架構2、およびランウェイガーダー20との間で移動用架構3の高さがほぼ面一の高さとなるように微調整可能であり、段差が生じることがなくクレーンの円滑な移動を確保することができる。
ここでいうほぼ面一の高さとは、完全に同一の高さを含むことは勿論のこと、移動用架構3と第1の架構1、第2の架構2、ランウェイガーダー20との間でクレーンの走行が支障なく行える程度の差がある場合の高さも含む概念である。
【0024】
更に、図7に示されるように、前期移動用架構3の前後両端部には下方に向け先細としたテーパ面3aが形成され、この移動用架構3が連結されるランウェイガーダー20、第1および第2の架構1、2の連結端部にも前記テーパ面3aに係合する逆テーパ面3b、3b・・・が形成された構造となっている。
これは、垂直断面の構造とした場合、移動用架構3の円滑な移動を確保するためにはランウェイガーダー等との間にクリアランスを設けておく必要があり、それによって生じる隙間にクレーンの車輪が落ち込み走行を妨げる一因となり、一方、クリアランスを極力小さくすると接触して移動用架構3の円滑な移動を妨げる一因となる。
そこで、本発明では、移動用架構側に先細テーパ面3aを形成するとともに、この移動用架構3が連結されるランウェイガーダー20、第1および第2の架構1、2の連結端部にも前記テーパ面3aに係合する逆テーパ面3b、3b・・・を形成した構造とすることにより、第1の架構1と第2の架構2間を移動する際には、移動用架構3を上昇させ十分な隙間を確保した状態で楽に移動し、一方、連結時には移動用架構3を下降させて、テーパ面3aと逆テーパ面3bとを係合させ、かつ、ほぼフラットな連続面を形成してクレーンの乗り換え移動を容易に行える構造とした。
即ち、移動用架構3を昇降装置5により下降すると、移動用架構3の先細テーパ面3aが連結端部の逆テーパ面3bに案内されて円滑に所定位置に設置でき作業時間を大幅に短縮することができる。また、移動用架構3が左右(水平)方向に多少のズレがあっても、前記テーパ面の案内機能により、自動的にそのズレがなくなるように修正されることとなる。
【0025】
次に、本発明の更新装置により新設・既設のクレーンの入れ替えを行う手順について説明する。
図1は、一例として、ランウェイガーダー20上にあったNo.1の既設天井クレーン11を、第1の架構上において組み立てたNo.1の新設天井クレーン12と入れ替えて更新する場合を示している。
【0026】
本発明のクレーンの更新方法では、第1または第2の架構上で新設天井クレーンの組み立てを行う工程と、ランウェイガーダー上にある既設天井クレーンを移動用架構3により空き状態である第1または第2の架構まで移動する工程と、組み立てた新設天井クレーンを移動用架構によりランウェイガーダーまで移動する工程を含むものである。
【0027】
以下、図3〜図6の斜視図を参照しつつ説明する。
図3は、既設天井クレーン11が走行するランウェイガーダー20の延長線上に、第1の架構1を設置し、また、この第1の架構1と平行に第2の架構2を設置し、更に、前記第1の架構1と第2の架構2間で移動可能な移動用架構3を設けた状態を示している。
なお、以下に説明するものでは、前記第1の架構1が新設天井クレーン12の組み立てを行うためのものであり、一方、第2の架構2が既設天井クレーン11を待避させるためのものとしているが、逆に、第1の架構が既設天井クレーンの待避用であり、第2の架構が新設クレーンの組み立て用であってもよいことは勿論である。
また、各クレーンが1台でもよく、また2台以上であってもよいことも勿論であり、2台の場合については後述する。
【0028】
先ず、図4に示されるように、第1の架構1上において、No.1の新設天井クレーン12の組み立てを行い、これと並行して、No.1の既設天井クレーン11をランウェイガーダー20上から撤去する。
この既設天井クレーンの撤去作業は、既設天井クレーン11をランウェイガーダー20から移動用架構3へ移した後、移動用架構3を第1の架構1から第2の架構2へ移動し、次いで、移動用架構3から第2の架構2へ移動して行う(破線を参照)。このようにして、No.1の既設天井クレーン11を第2の架構2上で待避させる。
【0029】
なお、前記の撤去作業において、天井クレーンを移動用架構3へ移す場合、あるいは移動用架構3からランウェイガーダー20や他の架構へ移す場合、移動用架構3は下降されて、テーパ面3aと逆テーパ面3bとを密着させるので、連結部に隙間が生じるのを防止し、かつフラットな連続面を形成することができ、クレーンの乗り換え移動を容易に行うことができる。また、第1の架構1と第2の架構2間を移動する場合は、移動用架構3は上昇されて十分な隙間を確保した状態となっているので、他部材と接触することもなく安全に移動することができる(図7を参照)。
【0030】
次に、図5に示されるように、第1の架構1上で組み立てたNo.1の新設天井クレーン12を、移動用架構3を用いてランウェイガーダー20上へ移動する。この作業は、No.1の新設天井クレーン12を、移動用架構3を連結通路として第1の架構1からランウェイガーダー20へ順次移動させるだけであり、簡単かつ円滑に行うことができる。
【0031】
次に、図6に示されるように、No.1の既設天井クレーン11を解体し、解体部品の一部であるクラブ6等を他の揚重機により工場の保管場所等へ移動する。なお、図示のものでは、他の揚重機の移動範囲が第1の架構1上にあるため、既設天井クレーンは移動用架構3により待避していた第2の架構2から第1の架構1へ、順次移動(破線を参照)させられ、第1の架構上で解体が行われる。
このようにして、既設天井クレーン11の解体を終えるとクレーンの更新作業が終了する。
【0032】
なお、前記第1の架構1上で新設天井クレーン12の組み立てを行うのに加えて、組み立てた天井クレーン12の試運転を行うこともできる。これにより、更新作業後における、新設天井クレーンの各種項目のテストや立ち上げ作業を円滑に進めることができ作業期間の短縮化を図ることができる。
【0033】
また、以上の説明においては、第1の架構1上で新設天井クレーン12の組み立てを行い、第2の架構2に既設天井クレーン11を待避させる場合について説明したが、逆に第2の架構2上で新設天井クレーン12の組み立てを行い、第1の架構1に既設天井クレーン11を待避させるようにしてもよいことは勿論である。また、更新するクレーンの数が何台であってもよいことも勿論である。
【0034】
なお、従来の方法による場合は、既設クレーンの停止から新規クレーンの稼動開始までに、約4ケ月(解体1ケ月+据付3ケ月)のライン休止期間を要していたのに対し、上記で説明した本発明の更新方法の場合は、4日のライン休止で更新を完了することができ、大幅な工期の短縮が図れることが確認できた。
【0035】
次に、ランウェイガーダー20上にあるNo.1とNo.2の2台の既設天井クレーン11a、11bを、第1の架構上において組み立てたNo.1とNo.2の2台の新設天井クレーン12a、12bと入れ替え更新する場合について、簡単に説明する。
図8において、矢印の先に書いた英文字が大文字の場合は既設クレーンを撤去する場合、また、英文字が小文字の場合は新設クレーンを搬入する場合を示し、アルファベット順に従って移動するものである。
【0036】
先ず、図9に示されるように、第1の架構1上において、No.1とNo.2の2台の新設天井クレーン12a、12bの組み立てを行い、これと並行して、No.1とNo.2の2台の既設天井クレーン11a、11bをランウェイガーダー20上から撤去する。
この既設天井クレーンの撤去作業は、既設天井クレーン11aをランウェイガーダー20から移動用架構3へ移した後、移動用架構3を第1の架構1から第2の架構2へ移動し、次いで、移動用架構3から第2の架構2へ移動して行う。更に、移動用架構3は再び第1の架構1側へ戻り、同様に、既設天井クレーン11bをランウェイガーダー20から移動用架構3へ移した後、移動用架構3を第1の架構1から第2の架構2へ移動し、次いで、移動用架構3から第2の架構2へ移動して行う。このようにして、No.1とNo.2の2台の既設天井クレーン11a、11bを第2の架構2上で待避させる。
【0037】
次に、図10に示されるように、第1の架構1上で組み立てたNo.1とNo.2の2台の新設天井クレーン12a、12bを、移動用架構3を用いてランウェイガーダー20上へ移動する。この作業は、No.1とNo.2の2台の新設天井クレーン12a、12bを、移動用架構3を連結通路として第1の架構1からランウェイガーダー20へ順次移動させるだけであり、簡単かつ円滑に行うことができる。
【0038】
次に、図11に示されるように、No.1とNo.2の2台の既設天井クレーン11a、11bを解体し、解体部品の一部であるクラブ6等を他の揚重機により工場の保管場所等へ移動する。なお、図示のものでは、他の揚重機の移動範囲が第1の架構1上にあるため、既設天井クレーンは移動用架構3により待避していた第2の架構2から第1の架構1へ、順次移動させられ、第1の架構上で解体が行われる。
このようにして、2台の既設天井クレーン11a、11bの解体を終えるとクレーンの更新作業が終了する。
【0039】
また、以上の説明においては、第1の架構1上で新設天井クレーン12a、12bの組み立てを行い、第2の架構2に既設天井クレーン11a、11bを待避させる場合について説明したが、逆に第2の架構2上で新設天井クレーン12a、12bの組み立てを行い、第1の架構1に既設天井クレーン11a、11bを待避させるようにしてもよいことは勿論である。
なお、更新するクレーンの数が3台以上であっても、上記と同様の手順により更新作業を行うことができることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す正面図である。
【図3】更新工程を示す斜視図である。
【図4】更新工程を示す斜視図である。
【図5】更新工程を示す斜視図である。
【図6】更新工程を示す斜視図である。
【図7】移動用架構を示す正面図である。
【図8】その他の更新工程を示す平面図である。
【図9】その他の更新工程を示す説明図である。
【図10】その他の更新工程を示す説明図である。
【図11】その他の更新工程を示す説明図である。
【符号の説明】
【0041】
1 第1の架構
2 第2の架構
3 移動用架構
3a テーパ面
3b 逆テーパ面
4 移動用キャリア
5 昇降装置
6 クラブ
11 既設天井クレーン
12 新設天井クレーン
11a No.1の既設天井クレーン
11b No.2の既設天井クレーン
12a No.1の新設天井クレーン
12b No.2の新設天井クレーン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井クレーンが走行するランウェイガーダーの延長線上に、新設天井クレーンの組み立てを行い、または既設天井クレーンを待避させる第1の架構を設置するとともに、この第1の架構と平行に同様の第2の架構を設置し、前記新設または既設の天井クレーンを前記第1の架構と第2の架構間で移動させる移動用架構を設けたことを特徴とするクレーン更新装置。
【請求項2】
ランウェイガーダーと第1の架構間には空間部が設けられ、この空間部内を移動用架構が移動するよう構成されている請求項1に記載のクレーン更新装置。
【請求項3】
移動用架構は、昇降装置により高さ調整自在とされている請求項1または2に記載のクレーン更新装置。
【請求項4】
移動用架構の前後両端部には下方に向け先細としたテーパ面が形成され、この移動用架構が連結されるランウェイガーダー、第1および第2の架構の連結端部には前記テーパ面に係合する逆テーパ面が形成されている請求項3に記載のクレーン更新装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかのクレーン更新装置を用いたクレーンの更新方法であって、第1または第2の架構上で新設天井クレーンの組み立てを行う工程と、ランウェイガーダー上にある既設天井クレーンを移動用架構により空き状態である第1または第2の架構まで移動する工程と、組み立てた新設天井クレーンを移動用架構によりランウェイガーダーまで移動する工程を含むことを特徴とするクレーンの更新方法。
【請求項6】
第1または第2の架構上で新設天井クレーンの組み立てと、組み立てた天井クレーンの試運転を行う請求項5に記載のクレーンの更新方法。
【請求項7】
移動用架構を、移動時には隣接する他の架構よりも上面が高くなるように上昇させ、一方、連結時には隣接する他の架構と上面がほぼ面一となるように下降させるよう昇降動の制御を行う請求項5または6に記載のクレーンの更新方法。
【請求項1】
天井クレーンが走行するランウェイガーダーの延長線上に、新設天井クレーンの組み立てを行い、または既設天井クレーンを待避させる第1の架構を設置するとともに、この第1の架構と平行に同様の第2の架構を設置し、前記新設または既設の天井クレーンを前記第1の架構と第2の架構間で移動させる移動用架構を設けたことを特徴とするクレーン更新装置。
【請求項2】
ランウェイガーダーと第1の架構間には空間部が設けられ、この空間部内を移動用架構が移動するよう構成されている請求項1に記載のクレーン更新装置。
【請求項3】
移動用架構は、昇降装置により高さ調整自在とされている請求項1または2に記載のクレーン更新装置。
【請求項4】
移動用架構の前後両端部には下方に向け先細としたテーパ面が形成され、この移動用架構が連結されるランウェイガーダー、第1および第2の架構の連結端部には前記テーパ面に係合する逆テーパ面が形成されている請求項3に記載のクレーン更新装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかのクレーン更新装置を用いたクレーンの更新方法であって、第1または第2の架構上で新設天井クレーンの組み立てを行う工程と、ランウェイガーダー上にある既設天井クレーンを移動用架構により空き状態である第1または第2の架構まで移動する工程と、組み立てた新設天井クレーンを移動用架構によりランウェイガーダーまで移動する工程を含むことを特徴とするクレーンの更新方法。
【請求項6】
第1または第2の架構上で新設天井クレーンの組み立てと、組み立てた天井クレーンの試運転を行う請求項5に記載のクレーンの更新方法。
【請求項7】
移動用架構を、移動時には隣接する他の架構よりも上面が高くなるように上昇させ、一方、連結時には隣接する他の架構と上面がほぼ面一となるように下降させるよう昇降動の制御を行う請求項5または6に記載のクレーンの更新方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−149961(P2010−149961A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327822(P2008−327822)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000203977)太平工業株式会社 (41)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000203977)太平工業株式会社 (41)
【Fターム(参考)】
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