説明

クロック制御回路および半導体集積回路

【課題】回路設計を容易に行うことができる。
【解決手段】半導体集積回路10は、クロック制御回路11と、モジュール12〜14とを有している。クロック制御回路11は、半導体集積回路10の外部から入力され、他の回路(図示せず)との同期を取るためのシステムクロックsys_CLKおよびモジュール12〜14を動作させるためにそれぞれ供給されるinput信号群およびモジュール12〜14からそれぞれ出力されるoutput信号群に基づいて、モジュール12〜14をそれぞれ所定期間だけ動作させるために必要なクロックCLKを生成し、モジュール12〜14に供給する。すなわち、外部からモジュール12〜14をクロック制御するための専用信号を受け取ることなく、また、モジュール12〜14の内部でクロック制御するためだけの専用回路を設計することなくクロックCLKの制御を行っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はクロック制御回路および半導体集積回路に関し、特に、入力されるクロックに応じて所定の動作を行う複数のクロック制御対象回路にクロックを供給するクロック制御回路およびこのクロック制御回路を備える半導体集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばUSB(universal bus)等の、特定の用途向けのハードウエアマクロIP(Intellectual Property)を構成する半導体集積回路が知られている。
一般的にこのような半導体集積回路は、クロックを入力することで所定の動作を行うクロック制御対象回路と、この回路にクロックを供給するためのクロック制御回路とを備えている。このクロック制御対象回路にクロックを供給する場合には、必要最小限の期間に限ってクロックを供給することが消費電力の観点からも望ましい。このため、様々なクロック制御対象回路に対応できるようなクロック制御回路が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
図10は、従来の半導体集積回路の回路構成を示すブロック図である。
半導体集積回路90は、モジュール(クロック制御対象回路)91〜93に対し、クロックを供給するクロック制御回路94を有している。
【0004】
クロック制御回路94は、システムクロックsys_CLKと、モジュール91〜93それぞれに対応して設けられ半導体集積回路90の外部から入力されるクロック制御専用信号とに基づいて、モジュール91〜93へのクロックCLKの供給期間を判断し、その期間だけクロックCLKを供給する。
【0005】
また、モジュール91〜93は、それぞれクロックCLKが入力された状態でinput信号群が入力されると、所定の動作を行い、動作を完了すると、output信号群を出力するとともに、動作の完了を示すためのクロック制御専用output信号群をクロック制御回路94に出力する。
【特許文献1】特開2004−127058号公報
【特許文献2】特開2005−56214号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の回路構成ではクロック制御回路94がクロックCLKを生成する場合にのみ必要なクロック制御専用信号を半導体集積回路90の外部で生成したり、モジュール91〜93が、output信号群とは別個に、クロック制御専用output信号群を生成したりする必要があるため、機能が異なるモジュール毎にこのような生成動作を行わせようとすると、モジュールの設計が煩雑になる。このため、モジュール単位のクロック制御の実現が困難であるという問題があった。
【0007】
特に、各モジュールが備えるクロック制御専用output信号群を作成する回路は、output信号群を出力する回路(本来の出力回路)と同等のパイプラインを設計する必要がある。
【0008】
ここで、クロック制御専用output信号群は、種々のタイミングで入力される場合があるため、クロック制御回路94におけるパイプラインを考慮したカウンタ(クロックを何個動かして止める、を数えるカウンタ)の設計は、それらの入力タイミング差や、出力タイミングとのオーバラップ等を考慮する必要があり、クロックCLKの供給期間を決めるカウンタのビット幅が回路毎にばらつく等、かなりの煩雑な作業となる。
【0009】
さらに、モジュール91〜93の出力信号の変化直後にクロックを停止させると、モジュール91〜93からoutput信号群が完全に出力されない場合もある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、回路設計を容易に行うことができるクロック制御回路および半導体集積回路を提供することを目的とする。また、他の目的としてデータ出力を確実に行うことができるクロック制御回路および半導体集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では上記課題を解決するために、入力されるクロックに応じて所定の動作を行う複数のクロック制御対象回路に前記クロックを供給するクロック制御回路において、外部から供給されるシステムクロックと、前記クロック制御対象回路が処理する処理対象の信号と、前記クロック制御対象回路が処理した処理後の信号とで前記クロックを構成することを特徴とするクロック制御回路が提供される。
【0011】
このようなクロック制御回路によれば、クロック制御専用の信号を用いることなく各クロック制御対象回路に対してクロック制御が行われる。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、クロック制御対象回路の入力信号および出力信号と、システムクロックとでクロックを構成することにより、クロック制御専用の信号を用いることなく各クロック制御対象回路に対してクロック制御を行うことができるため、各クロック制御対象回路が独立してクロック制御を行うことができる。このため、回路構成を容易なものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施の形態の半導体集積回路を示すブロック図である。
図1に示す半導体集積回路10は、クロック制御回路11と、モジュール12〜14とを有している。
【0014】
クロック制御回路11は、半導体集積回路10の外部から入力され、他の回路(図示せず)との同期を取るためのシステムクロックsys_CLK、モジュール12〜14を動作させるためにそれぞれ供給されるinput信号群およびモジュール12〜14からそれぞれ出力されるoutput信号群に基づいて、モジュール12〜14をそれぞれ所定期間だけ動作させるために必要なクロックCLKを生成し、モジュール12〜14に供給する。すなわち、外部からモジュール12〜14を動作させるための専用信号を受け取ることなく、クロックCLKの制御を行っている。
【0015】
より詳しくは、モジュール12〜14に入力される信号は、これらのモジュール12〜14の出力信号を生成するために必要な信号であり、クロック制御回路11のクロック制御を行うためだけを目的とした信号は含まれていない。
【0016】
また、モジュール12〜14から出力される信号は、これらのモジュール12〜14の出力信号を生成するために必要な入力信号から生成される信号であり、クロック制御回路11のクロック制御を行うためだけを目的とした信号を入力してモジュール12〜14が生成した出力信号は含まれていない。
【0017】
なお、図1では、モジュール12に入力される信号を「モジュールA用input信号群」と表記し、モジュール12から出力される信号を「モジュールA用output信号群」と表記している。同様に、モジュール13に入力される信号を「モジュールB用input信号群」と表記し、モジュール13から出力される信号を「モジュールB用output信号群」と表記している。モジュール14に入力される信号を「モジュールC用input信号群」と表記し、モジュール14から出力される信号を「モジュールC用output信号群」と表記している。
【0018】
モジュール12、13、14は、それぞれクロック制御回路11から供給されるクロックCLKに応じて(クロックCLKが供給されている期間のみ)所定の動作を行う機能を有している。例えばモジュール12は、クロックCLKが供給されている期間のみ、モジュールA用input信号群の入力を受けつけ、入力された信号群を用いて処理を行い、モジュールA用output信号群を出力する。
【0019】
このモジュール12〜14としては特に限定されないが、SOC(System On Chip)のトップレベルの場合、例えば、ROMやSRAM、DRAM等のメモリや、UART、SPI、I2C、USB、Ethernet(登録商標)、ATM、JTAG等の通信I/Fや、PCI、PCI_Express、AHB、HDD I/F、各種メモリカードI/F等のバスI/Fや、暗号化回路/復号化回路や、JPEG等の静止画CODEC、MPEG等の動画CODEC、画像認識等の画像処理回路や、音声処理回路等が挙げられる。
【0020】
また、SOCのトップ下の階層にあるデバイスレベルの場合、例えば、USBの送信機能回路、受信機能回路、レジスタ制御回路等のように機能分割された回路が挙げられる。
次に、SOCのトップ下の階層にあるデバイスレベルの場合におけるモジュール12〜14の内部構成について、代表的にモジュール12の内部構成について説明する。
【0021】
図2は、モジュールの内部構成を示す回路図である。
モジュール12は、stateマシン121と、デコーダ122とフリップフロップ(FF)123とを有している。
【0022】
このモジュール12には、変化を検出するための信号state_en_1および信号state_en_2と、その時点の状態を示す7ビットの信号state_data[7:0]が入力される。これら3つの信号が、モジュールA用input信号群を構成している。
【0023】
stateマシン121は、stateデコーダ121aと、stateマシンFF121bとを有している。
stateデコーダ121aは、入力される信号に応じて次の状態を示すビットデータを生成し、stateマシンFF121bに供給する。
【0024】
stateマシンFF121bは、このビットデータを状態遷移用のクロックCLKに従ってラッチする。すなわち、ある状態から次の状態への遷移を指示する検出信号が入力されると、クロックCLKの次の変化エッジに応じて状態が変化することになる。
【0025】
また、stateマシンFF121bは、stateマシン121の状態(例えば3ビットのバイナリ信号が‘000’(以下、(3‘b000)と示す)のときはアイドル状態、(3‘b001)のときはライト状態等)を示す3ビットの信号state_reg[2:0]および信号state_reg[2:0]以外に他のモジュールの制御信号となる信号や、他のモジュールに出力する信号を構成する信号out_sel_1、信号out_sel_2を出力する。
【0026】
また、stateマシンFF121bの出力は、stateデコーダ121aにも供給される。
デコーダ122は、信号out_sel_2とデータ信号state_data[7:0]とをデコードしてFF123に出力する。
【0027】
FF123は、デコーダ122の出力信号を、クロックCLKに同期させた3ビットの信号out_data[2:0]を出力する。
次に、クロック制御回路の内部構成について説明する。
【0028】
図3は、クロック制御回路の内部構成を示す回路図である。
クロック制御回路11は、start信号生成回路(信号検出部)21と、count_en信号生成回路(処理後信号検出部)31と、クロックイネーブルカウンタ回路(動作終了判断部)41と、クロックイネーブル信号生成回路(動作開始信号生成部)51とAND回路61とを有している。各回路には、Lowアクティブのリセット信号XRSTが状況に応じて入力される。
【0029】
start信号生成回路21は、input信号群と、AND回路61が出力するクロックCLKと、クロックイネーブルカウンタ回路41が出力する最上位ビット信号count[2]とに基づいて、クロックイネーブル信号生成回路51の動作を開始させる信号startを生成する。
【0030】
count_en信号生成回路31は、output信号群と、クロックCLKと、最上位ビット信号count[2]とに基づいて、クロックイネーブルカウンタ回路41が備えるカウンタ(後述)をカウントアップさせる信号count_enと、カウンタをリセットさせる信号ch_outputとを生成する。
【0031】
クロックイネーブルカウンタ回路41は、信号count_enと、信号ch_outputと、クロックCLKと、クロックイネーブル信号生成回路51が出力する信号clk_enと、自身が生成するcount[2:0]とに基づいて、3ビットのカウンタ信号count[2:0]を生成する。また、このカウンタ信号count[2:0]の最上位ビット信号count[2]を制御信号として出力する。
【0032】
クロックイネーブル信号生成回路51は、最上位ビット信号count[2]と、クロックCLKとに基づいて、クロックCLKの出力期間を規定するクロックイネーブル信号clk_enを生成する。
【0033】
AND回路61は、システムクロックsys_CLKと、クロックイネーブル信号clk_enの両方が入力されると、クロックCLKを出力する。
なお、図3に記載されている各信号の詳細については、後に詳述する。
【0034】
次に、start信号生成回路21の内部構成について詳しく説明する。
図4は、start信号生成回路の内部構成を示す回路図である。
start信号生成回路21は、フリップフロップ(FF)211〜213と、比較回路214〜216と、OR回路217と、start信号出力回路218とを有している。
【0035】
FF211〜213は、それぞれに入力される信号state_en_1、信号state_en_2およびデータ信号state_data[7:0]をクロックCLKの立ち下がりエッジでラッチする。
【0036】
比較回路214〜216は、それぞれFF211〜213に入力される信号state_en_1、信号state_en_2、データ信号state_data[7:0]と、FF211〜213から出力される信号とを比較し、異なっている場合(input信号群の変化を検出した場合)に‘1b(バイナリ)’を出力する。例えば、クロックCLKが入力されていない場合に、信号state_en_1、信号state_en_2、データ信号state_data[7:0]のいずれかが入力されると、対応する比較回路214〜216が‘1b(バイナリ)’を出力する。
【0037】
OR回路217は、比較回路214〜216の出力のOR(論理和)をとり、信号ch_inputを出力する。ここで、これら出力のうちいずれか1つが‘1b(バイナリ)’であれば、信号ch_inputの論理は‘1b(バイナリ)’になり、いずれも‘0b(バイナリ)’であれば‘0b(バイナリ)’となる。
【0038】
start信号出力回路218は、信号ch_input、信号count[2]およびリセット信号XRSTの入力に基づいて、信号startを生成し、出力する。
ここで、信号ch_inputのセット(アサート)は、信号startのセット条件となる。
【0039】
リセット信号XRSTおよび最上位ビット信号count[2]のセットは、信号startのリセット(ネゲート)条件となる。
このように、start信号生成回路21は、信号state_en_1、信号state_en_2、データ信号state_data[7:0]のうちの少なくとも1つが変化すると、信号startをセットする。そして、リセット信号XRSTまたは最上位ビット信号count[2]がセットされると、信号startをリセットする。
【0040】
次に、count_en信号生成回路の内部構成について詳しく説明する。
図5は、count_en信号生成回路の内部構成を示す回路図である。
count_en信号生成回路31は、FF311〜313と、比較回路314〜316と、OR回路317と、count_en信号出力回路318とを有している。
【0041】
FF311〜313は、それぞれに入力される信号out_sel_1、信号state_reg[2:0]および信号out_data[2:0]をクロックCLKの立ち下がりエッジでラッチする。
【0042】
比較回路314〜316は、それぞれFF311〜313に入力される信号out_sel_1、信号state_reg[2:0]、信号out_data[2:0]と、FF311〜313から出力される信号とを比較し、異なっている場合(output信号群の変化を検出した場合)に‘1b(バイナリ)’を出力する。
【0043】
OR回路317は、比較回路314〜316の出力のOR(論理和)をとり、信号ch_outputを出力する。ここで、これら出力のうちいずれか1つが‘1b(バイナリ)’であれば、信号ch_outputの論理は‘1b(バイナリ)’になり、いずれも‘0b(バイナリ)’であれば信号ch_outputの論理は‘0b(バイナリ)’となる。
【0044】
count_en信号出力回路318は、信号ch_output、信号count[2]およびリセット信号XRSTの入力に基づいて、信号count_enを生成し、出力する。
【0045】
ここで、信号ch_outputのセットは、信号count_enのセット条件となる。
リセット信号XRSTのセットは、信号count_enのリセット条件となる。
【0046】
最上位ビット信号count[2]のセットは、信号count_enのリセット条件となる。
このように、count_en信号生成回路31は、信号out_sel_1、信号state_reg[2:0]、信号out_data[2:0]のうちの少なくとも1つが変化すると、信号ch_outputおよび信号count_enをセットする。そして、リセット信号XRSTまたは最上位ビット信号count[2]がセットされると、信号ch_outputおよび信号count_enをリセットする。
【0047】
次に、クロックイネーブルカウンタ回路41の構成について詳しく説明する。
図6は、クロックイネーブルカウンタ回路の構成を示す回路図である。
クロックイネーブルカウンタ回路41は、3つのD−FFで構成される3ビットのカウンタを構成している。
【0048】
クロックイネーブルカウンタ回路41は、count_en信号生成回路31からの信号count_enが入力された状態でクロックCLKの立ち下がりエッジが入力される度に、出力する3ビットカウンタ信号count[2:0]の値を1ずつインクリメントする。
【0049】
リセット信号XRSTのセットは、3ビットカウンタ信号count[2:0]の値を(3‘b000)にリセットする条件となる。
また、信号ch_outputがアサートした場合も、3ビットカウンタ信号count[2:0]の値を(3‘b000)にリセットする。
【0050】
また、クロックイネーブル信号clk_enのリセットは、3ビットカウンタ信号count[2:0]の値を(3‘b000)にリセットする条件となる。
次に、クロックイネーブル信号生成回路51とAND回路61の構成について詳しく説明する。
【0051】
図7は、クロックイネーブル信号生成回路およびAND回路の構成を示す回路図である。
リセット信号XRSTのセットは、クロックイネーブル信号clk_enのセット条件になる(リセット期間中にクロックがないと値が更新されないため)。
【0052】
信号startは、クロックイネーブル信号clk_enのセット条件になる。
最上位ビット信号count[2]は、クロックイネーブル信号clk_enのリセット条件になる。
【0053】
このような構成とすることにより、クロック制御回路11は、出力信号の変化を検出してから4クロックの間、次のoutput信号群の入力がない場合は、クロックイネーブルカウンタ回路41が、最上位ビット信号count[2]をセットし、クロックイネーブル信号生成回路51が、クロックイネーブル信号clk_enをリセットする。これにより、クロック制御回路11は、モジュール12へのクロックの供給を停止する。すなわち、クロックCLKの終了時期は、出力信号の無変化を4クロック連続して検出したときである。
【0054】
次に、半導体集積回路10の動作を、2つの動作例を用いて説明する。
図8は、実施の形態の半導体集積回路の動作波形を示す図である。
まず、start信号生成回路21が、信号state_en_1の変化を検出すると、信号startをセットする。これにより、クロックイネーブル信号生成回路51が信号clk_enをセットする(時刻T1)。これによって、AND回路61は、クロックCLKの出力を開始する。
【0055】
次に、count_en信号生成回路31が、モジュール12が出力する信号state_reg[2:0]の変化を検出すると、信号count_enをセットする。これにより、クロックイネーブルカウンタ回路41が、カウントアップを開始する(時刻T2)。ここで、モジュール12に入力された信号state_en_1のアサートによりスタートした、stateマシン121の状態が変化し、信号state_reg[2:0]がアイドル状態(3‘b000)から(3‘b001)に変化する。
【0056】
次に、信号state_reg[2:0]が(3‘b001)からアイドル状態(3‘b000)に戻り、count_en信号生成回路31が、信号out_sel_1の変化を検出すると、信号ch_outputをリセットする。これにより、クロックイネーブルカウンタ回路41は、3ビットカウンタ信号count[2:0]をリセットする(時刻T3)。信号count_enはセット状態のままなので(信号ch_outputは、信号count_enのリセット条件ではないので)、クロックイネーブルカウンタ回路41は、カウントを続ける(再開する)。
【0057】
その後、クロックイネーブルカウンタ回路41は、3ビットカウンタ信号count[2:0]が(3‘b100)になると、最上位ビット信号count[2]信号をセットする。これにより、クロックイネーブル信号生成回路51は、信号clk_enをリセットする。これによって、AND回路61は、クロックCLKの出力を停止する。また、count_en信号生成回路31は、信号count_enをリセットする(時刻T4)。
【0058】
図9は、実施の形態の半導体集積回路の他の動作波形を示す図である。
まず、start信号生成回路21が、信号state_en_2の変化を検出すると、信号startをセットする。これにより、クロックイネーブル信号生成回路51は、信号clk_enをセットする(時刻T1a)。これによって、AND回路61は、クロックCLKの出力を開始する。
【0059】
次に、count_en信号生成回路31が、モジュール12が出力する信号state_reg信号の変化を検出すると、信号count_enをセットする。これにより、クロックイネーブルカウンタ回路41は、カウントアップを開始する(時刻T2a)。ここで、モジュール12に入力された信号state_en_2のアサートによりスタートしたstateマシン121の状態が変化し、信号state_reg[2:0]がアイドル状態(3‘b000)から(3‘b001)に変化する。
【0060】
次に、信号state_reg[2:0]が(3‘b111)からアイドル状態(3‘b000)に戻り、count_en信号生成回路31が、信号out_sel_2の変化を検出すると、信号ch_outputをリセットする。これにより、クロックイネーブルカウンタ回路41は、3ビットカウンタ信号count[2:0]をリセットする(時刻T3a)。信号count_enはセットされているので、クロックイネーブルカウンタ回路41は、カウントを続ける(再開する)。
【0061】
その後、count_en信号生成回路31が、信号out_data[2:0]の変化を検出すると、信号ch_outputをリセットする。これにより、クロックイネーブルカウンタ回路41は、3ビットカウンタ信号count[2:0]をリセットする(時刻T4a)。
【0062】
その後、クロックイネーブルカウンタ回路41は、3ビットカウンタ信号count[2:0]が(3‘b100)になると、最上位ビット信号count[2]信号をセットする。これにより、クロックイネーブル信号生成回路51は、信号clk_enをリセットする。これによって、AND回路61は、クロックCLKの出力を停止する。また、count_en信号生成回路31は、信号count_enをリセットする(時刻T5a)。
【0063】
以上述べたように、本実施の形態の半導体集積回路10によれば、クロック制御回路11が、モジュール12〜14にそれぞれ入力されるinput信号群およびモジュール12〜14からそれぞれ出力されるoutput信号群と、システムクロックsys_CLKとでモジュール12〜14を動作させる期間を規定するクロックCLKを作成するようにしたので、クロック制御用の専用信号を必要としない。
【0064】
これにより、モジュール12〜14が独立してクロック制御を行うことができる。このため、半導体集積回路10の回路構成を容易なものとすることができる。
また、クロック制御回路11は、input信号群の最初の変化を検出したときを開始時期とし、output信号群の変化を検出した時期から4カウントした時期を終了時期とする信号clk_enを生成するようにしたので、クロックCLKの終了時期が明確になり、パイプラインを考慮する必要がなくなる。これにより、設計の煩雑さが軽減される。また、モジュール12〜14毎にクロック制御回路を設けることにより、モジュール単位でクロック制御が可能となり、半導体集積回路10の消費電力を節減することができる。
【0065】
また、クロックイネーブル信号生成回路51は、クロックイネーブルカウンタ回路41のカウント値が(3‘b100)になったとき(信号が変化しないと判断したとき)に、最上位ビット信号count[2]を出力して信号clk_enをリセットするようにしたので、データが完全に出力されないことを容易に防止することができる。なお、最上位ビット信号count[2]を出力させるカウント値は、クロックCLKを終了させたい時期に応じて任意の値に設定できることは言うまでもない。
【0066】
以上、本発明のクロック制御回路および半導体集積回路を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
【0067】
また、本発明は、前述した実施の形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
(付記1) 入力されるクロックに応じて所定の動作を行う複数のクロック制御対象回路に前記クロックを供給するクロック制御回路において、
外部から供給されるシステムクロックと、前記クロック制御対象回路が処理する処理対象の信号と、前記クロック制御対象回路が処理した処理後の信号とで前記クロックを生成することを特徴とするクロック制御回路。
【0068】
(付記2) 前記クロック制御対象回路は、前記処理対象の信号の論理の変化に応じて必ず前記処理後の信号の論理が変化する回路であることを特徴とする付記1記載のクロック制御回路。
【0069】
(付記3) 前記クロックは、前記システムクロックに同期したクロックであることを特徴とする付記1記載のクロック制御回路。
(付記4) 前記処理対象の信号の変化を検出する信号検出部と、前記信号検出部の検出に基づいて、当該クロック制御回路のクロックの生成を開始させる動作開始信号を生成する動作開始信号生成部とを有することを特徴とする付記1記載のクロック制御回路。
【0070】
(付記5) 前記処理後の信号の変化を検出する処理後信号検出部と、前記処理後信号検出部の検出に基づいて、当該クロック制御回路のクロックの生成を終了させるか否かを判断する動作終了判断部とをさらに有することを特徴とする付記1記載のクロック制御回路。
【0071】
(付記6) 前記動作終了判断部は、前記処理後信号検出部が検出した所定期間後に、前記クロックの生成を終了させることを特徴とする付記5記載のクロック制御回路。
(付記7) 前記動作終了判断部は、前記クロックに応じて有効期間をカウントし、カウント数が所定回数に達すると、前記クロックの生成を終了するカウント回路を有することを特徴とする付記5記載のクロック制御回路。
【0072】
(付記8) 前記クロック制御対象回路が処理した処理後の信号は、前記クロック制御対象回路がクロック制御だけを目的とした回路からの出力信号を含まない信号であることを特徴とする付記1記載のクロック制御回路。
【0073】
(付記9) 入力されるクロックに応じて所定の動作を行う複数のクロック制御対象回路と、
外部から供給されるシステムクロックと、前記クロック制御対象回路が処理する処理対象の信号と、前記クロック制御対象回路が処理した処理後の信号とで前記クロックを生成するクロック制御回路と、
を有することを特徴とする半導体集積回路。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】実施の形態の半導体集積回路を示すブロック図である。
【図2】モジュールの内部構成を示す回路図である。
【図3】クロック制御回路の内部構成を示す回路図である。
【図4】start信号生成回路の内部構成を示す回路図である。
【図5】count_en信号生成回路の内部構成を示す回路図である。
【図6】クロックイネーブルカウンタ回路の構成を示す回路図である。
【図7】クロックイネーブル信号生成回路およびAND回路の構成を示す回路図である。
【図8】実施の形態の半導体集積回路の動作波形を示す図である。
【図9】実施の形態の半導体集積回路の他の動作波形を示す図である。
【図10】従来の半導体集積回路の回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0075】
10 半導体集積回路
11 クロック制御回路
12、13、14 モジュール
21 start信号生成回路
31 count_en信号生成回路
41 クロックイネーブルカウンタ回路
51 クロックイネーブル信号生成回路
61 AND回路
121 stateマシン
121a stateデコーダ
121b stateマシンFF
122 デコーダ
123、211〜213、311〜313 FF
214〜216、314〜316 比較回路
217、317 OR回路
218 start信号出力回路
318 count_en信号出力回路
CLK クロック
sys_CLK システムクロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されるクロックに応じて所定の動作を行う複数のクロック制御対象回路に前記クロックを供給するクロック制御回路において、
外部から供給されるシステムクロックと、前記クロック制御対象回路が処理する処理対象の信号と、前記クロック制御対象回路が処理した処理後の信号とで前記クロックを生成することを特徴とするクロック制御回路。
【請求項2】
前記処理対象の信号の変化を検出する信号検出部と、前記信号検出部の検出に基づいて、当該クロック制御回路のクロックの生成を開始させる動作開始信号を生成する動作開始信号生成部とを有することを特徴とする請求項1記載のクロック制御回路。
【請求項3】
前記処理後の信号の変化を検出する処理後信号検出部と、前記処理後信号検出部の検出に基づいて、当該クロック制御回路のクロックの生成を終了させるか否かを判断する動作終了判断部とをさらに有することを特徴とする請求項1記載のクロック制御回路。
【請求項4】
前記動作終了判断部は、前記処理後信号検出部が検出した所定期間後に、前記クロックの生成を終了させることを特徴とする請求項3記載のクロック制御回路。
【請求項5】
入力されるクロックに応じて所定の動作を行う複数のクロック制御対象回路と、
外部から供給されるシステムクロックと、前記クロック制御対象回路が処理する処理対象の信号と、前記クロック制御対象回路が処理した処理後の信号とで前記クロックを生成するクロック制御回路と、
を有することを特徴とする半導体集積回路。
【請求項6】
前記クロック制御対象回路が処理した処理後の信号は、前記クロック制御対象回路がクロック制御だけを目的とした回路からの出力信号を含まない信号であることを特徴とする請求項1記載のクロック制御回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−53746(P2009−53746A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−217185(P2007−217185)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】