説明

クーポン発行プリンタ、プリンタによるクーポン発行方法及びプログラム

【課題】 顧客の購買した商品名称から判定した趣味(趣向)にあったクーポンを発行する機能を、既存のPOSシステムに追加する際に、システム全体の制御プログラムを変更するといった大幅な改修、多大な費用及び時間を要しないクーポン発行プリンタを実現する。
【解決手段】 POS端末からレシート印刷データを受信するレシート印刷データ受信部と、前記レシート印刷データから商品名を抽出する商品名抽出部と、予め格納されている商品名→趣向対応データベースに基づいて、抽出した前記商品名を検索して顧客の趣向を判定する趣向判定部と、予め格納されている趣向→クーポン対応データベースに基づいて、判定した前記顧客の趣向に合ったクーポンを予め格納されているクーポンデータベースの中から決定するクーポン決定部と、決定されたクーポンを印刷する印刷部と、前記レシート印刷データ受信部、前記商品名抽出部、前記趣向判定部、クーポン決定部及び前記印刷部を制御する制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発行元の販売店などに提示することにより特定の品物やサービスの提供を受けられるクーポンを発行するクーポン発行プリンタ、プリンタによるクーポン発行方法及びプログラムに関する。特に、顧客の購買した商品名称から判定した趣味(趣向)にあったクーポンを発行する機能を既存のPOSシステムに追加する際に、システムの制御プログラムを変更するといった大幅な改修、多大な費用及び時間を要しないクーポン発行プリンタ、プリンタによるクーポン発行方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの販売店においては、商品の販売実績を適確に把握するためにPOSシステムが導入されている。かかるPOSシステムにおいては、例えば、バーコードスキャナによりバーコードに含まれる商品の識別情報が読み込まれた後、その商品代金の精算が完了すると、商品代金の合計金額、預かり金額や釣銭額を記録したレシートが発行される。
【0003】
このようなPOSシステムにおいて、発行元の販売店などに提示することにより特定の品物やサービスの提供を受けられるクーポンを発行可能に構成されたものが提案されている(特許文献1参照)。
この特許文献1においては、POSシステム上に、会員識別情報を管理する会員ファイル等を用意し、POSターミナルを集中管理するファイルプロセッサで会員ファイル内の会員識別情報に基づいて顧客に必要な種類のクーポンを発行する。
【0004】
しかし、上述したような特許文献1に記載されたPOSシステムにおいては、予め会員ファイルを用意して、ファイルプロセッサで会員ファイル内の会員識別情報に基づいてクーポンの発行制御を行うため、POSシステムの導入当初から当該システムを導入しなければクーポンを発行することができないという問題がある。
【0005】
仮に、クーポンの発行機能を有しない既存のPOSシステムに対して当該システムを利用してクーポンを発行しようとする場合には、会員ファイル等を用意すると共にPOSシステム(ファイルプロセッサ)の制御プログラムを変更するといった大幅な改修が必要となり、多大な費用及び時間を要する。
【0006】
そして、上記問題を解決する手段として、クーポン発行機能を有しないPOSシステムを構築している販売店などにおいては、販売促進効果を目的として、現在のPOSシステムにクーポン発行機能を追加する際に、クーポン発行機能を有しない既存のPOSシステムを大幅に改修又は変更することなく、当該POSシステムにクーポン発券機能を追加することができるクーポン発行システムとして以下のシステムが提案されている。(特許文献2参照)
【0007】
上記特許文献2には、以下のクーポン発行(発券)システムが記載されている。
この特許文献2に記載のクーポン発券システムをこの明細書の以下の記載では従来例として記載する。
以下、従来例の一実施の形態に係るクーポン発券システムの詳細を図面の記載に基づいて説明する。本実施の形態に係るクーポン発券システムは、クーポン発券機能を有しないPOSシステムに、クーポン発券機能を追加するシステムであり、特に、スーパーマーケットなどの販売店に既に構築されているクーポン発券機能を有しないPOSシステムに、クーポン発券機能を追加する際に好適なシステムである。
【0008】
図8は、従来例の一実施の形態に係るクーポン発券システムが適用されるPOS(Point of Sales)システムのネットワークの構成図である。
【0009】
本実施の形態に係るクーポン発券システムが適用されるPOSシステムは、商品の識別情報としての商品コード(PLU(Price Look Up)コード)を含むバーコードを読み取るスキャナを備える複数台のPOS端末としてのPOSターミナル1a〜1cと、これらのPOSターミナル1a〜1cを集中管理する管理装置としてのストアコントローラ(以下、「コントローラ」という)2とが、LAN3を介して接続されて構成されている。
【0010】
各POSターミナル1a〜1cは、商品コードを読み取った商品の精算が完了した際に当該取引に関するレシート4を発行するプリンタ5を備えている。プリンタ5は、レシート用紙に印字を行なうことでレシート4を発行する。所定の場合にレシート4には、クーポン券(以下、「クーポン」という)が含まれる。プリンタ5は、このようなクーポンを発券する際にも用いられる。
【0011】
また、各POSターミナル1a〜1cは、予め会員登録した顧客に対して配布される会員カードを読み取るためのカードリーダ(不図示)を備えている。会員カードは、当該カードを所有する顧客を識別するための顧客識別情報等が記録されるものであり、例えば、磁気カード又はICカードを利用して作成されている。
【0012】
さらに、各POSターミナル1a〜1cは、上述のクーポンに含まれるバーコードをスキャナで読み取ると、購入商品に値引き対象の商品が含まれる場合にクーポンに表示される金額を商品代金の合計金額から値引く機能を有する。このため、顧客は、先に発券されたクーポンを提示することで、商品値引きなどの特典を受けることが可能となる。
【0013】
コントローラ2は、LAN3を介して各POSターミナル1a〜1cを接続する一方、公衆回線又は専用回線を介してホストコンピュータ(以下、「ホスト」という)を接続している。コントローラ2は、商品コードと、商品名及び価格とを対応させたPLU(Price look up)ファイルを備えている。商品コードを含む問合せメッセージをPOSターミナル1から受け取ると、PLUファイルから当該商品コードに対応する商品名及び価格を検索し、問合せメッセージを送ってきたPOSターミナル1a〜1cに商品名や価格を応答する。
【0014】
このように構成されるPOSシステムのネットワーク上に、クーポン発券制御装置としてのクーポンサーバ6が接続されてクーポン発券システムが構成される。クーポンサーバ6は、後述するように、POSターミナル1a〜1cからコントローラ2に送信される問合せメッセージの内容を解析し、その解析結果に応じてPOSターミナル1a〜1cにクーポンを発券させる機能を有する。
【0015】
図9に示すクーポンサーバ6は、上述のように、POSターミナル1からコントローラ2に送信される問合せメッセージの内容を解析し、その解析結果に応じてPOSターミナル1にクーポンを発券させる。POSターミナル1に対してクーポンを発券させる際、クーポンサーバ6は、POSターミナル1にクーポンの発券を指示する発券指示メッセージを送信する。以下においては、クーポンサーバ6を含むPOSシステムの間で交換されるメッセージ(上述の問合せメッセージや指示メッセージなど)を総称して「POSメッセージ」と呼ぶ。
【0016】
ここで、POSターミナル1からコントローラ2に送信されるPOSメッセージ(問合せメッセージを含む)の内容について説明する。POSターミナル1からコントローラ2に送信されるPOSメッセージには、「取引開始」、「商品コード(PLUコード)」、「小計金額」、「合計金額」、「テンダーキータイプ」、「顧客ID」及び「取引終了」をそれぞれ内容に含むPOSメッセージが存在する。各メッセージは、POSシステムで行われた取引毎に付与される取引番号により識別される。なお、上述の問合せメッセージは、「商品コード」を内容に含むメッセージで構成される。クーポンサーバ6は、このようなPOSメッセージの内容を解析することで、クーポンの発券の有無を決定するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2002-216247号公報
【特許文献2】特開2007-18042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上述の如く、特許文献2に記載の従来のシステムは、クーポン発行機能を有しない既存のPOSシステムを大幅に改修又は変更することなく、当該POSシステムにクーポン発券機能を追加するものである。そして、クーポンサーバ6で、POSターミナル1からコントローラ2に送信される問合せメッセージの内容を解析し、その解析結果に応じてPOSターミナル1にクーポンを発券させる構成を採用しているため、POSターミナルのみではなくクーポンサーバを含めた改修又は変更が必要となり、ユーザの改修に伴う負担が大きいという問題があった。
また、発行されるクーポンとして、特定の商品(PLUコード)に限定したクーポン発行に加え、近年は特定の顧客の利用を促進して客単価を向上させるための効果的なクーポンをオンデマンドで発行することが望まれている。また、費用をかけずに効率的にクーポンを発行することも望まれている。そこで、例えば顧客の購買した商品から判定した趣味(趣向)にあったクーポンを発行する機能を、既存のPOSシステムに追加することが考えられる。しかし、この構成では、趣味(趣向)に該当するすべての商品のPLUコードを事前に定義する必要がある。例えば、飲料商品の趣向を特定する場合に、同一商品であっても、複数の容量で商品が提供されており、更にビン・缶・紙・ペットボトルなどの様々な容器で商品が提供されているなど、提供の形態が多様である。このため、事前に形態ごとに異なったPLUコードを定義する必要があり、この構成のシステムを容易に実現できないという問題があった。
【0019】
本発明の課題(目的)は、発行元の販売店などに提示することにより特定の品物やサービスの提供を受けられるクーポンを発行するクーポン発行プリンタ、プリンタによるクーポン発行方法及びプログラムに関し、特に、顧客の購買した商品名称から趣味(趣向)を判定し、顧客に適したクーポンを効率的に発行する手段を提供することにある。また、趣味(趣向)にあったクーポンを発行する機能を既存のPOSシステムに追加する際に、システム全体の制御プログラムを変更するといった大幅な改修、多大な費用及び時間を要しないクーポン発行プリンタ、プリンタによるクーポン発行方法及びそのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するために、本発明のクーポン発行プリンタは、POS端末からレシート印刷データを受信するレシート印刷データ受信部と、前記レシート印刷データから商品名を抽出する商品名抽出部と、予め格納されている商品名→趣向対応データベースに基づいて、抽出した前記商品名を検索して顧客の趣向を判定する趣向判定部と、予め格納されている趣向→クーポン対応データベースに基づいて、判定した前記顧客の趣向に合ったクーポンを予め格納されているクーポンデータベースの中から決定するクーポン決定部と、
決定されたクーポンを印刷する印刷部と、前記レシート印刷データ受信部、前記商品名抽出部、前記趣向判定部、クーポン決定部及び前記印刷部を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0021】
また、前記印刷部は、前記決定されたクーポンをレシートの印刷の後に続けて印刷することを特徴とする。
また、前記商品名→趣向対応データベース、前記趣向→クーポン対応データベース及び前記クーポンデータベースは、随時追加・変更が可能であることを特徴とする。
【0022】
また、本発明のクーポン発行方法は、POS端末からレシート印刷データを受信するレシート印刷データ受信ステップと、受信した前記レシート印刷データから商品名を抽出する商品名抽出ステップと、予め格納されている商品名→趣向対応データベースに基づいて、抽出した前記商品名を検索して趣向を判定する趣向判定ステップと、予め格納されている趣向→クーポン対応データベースに基づいて、判定した前記趣向に合ったクーポンを予め格納されているクーポンデータベースの中から決定するクーポン決定ステップと、決定されたクーポンを印刷する印刷ステップとを含むことを特徴とする。
【0023】
また、前記商品名抽出ステップは、レシート印刷データに含まれる商品名を予め格納されている関連語辞書、同義語辞書等の辞書によって、予め定めた趣向に適した用語に置き換える処理が含まれることを特徴とする。
また、クーポン発行方法の各ステップをプリンタに搭載されたコンピュータに実行させることを特徴とするクーポン発行プログラム。
【発明の効果】
【0024】
本発明の構成により、レシート印刷データに含まれる商品名称から、顧客の趣味(趣向)を得ることができる。また、顧客に適したクーポンを効率的に発行することができる。また、商品のPLUコードでなく、商品名に対応付けるため、趣向対応データベースの構築がわかりやすく容易である。
また、クーポン発行機能を既存のPOSシステムに追加する際に、システム全体の制御プログラムを変更するといった大幅な改修、多大な費用及び時間を要しないクーポン発行プリンタ、プリンタによるクーポン発行方法及びそのプログラムを実現できる。
また、本発明のクーポン発行プリンタ、プリンタによるクーポン発行方法は、プリンタに、クーポン発行方法の手順を実行するプログラム及びデータベースをインストールするだけで簡単に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のクーポン発行プリンタの構成を示すブロック図である。
【図2】本願発明の顧客の趣向に応じたクーポンを発行するクーポン発行方法の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明の商品名→趣向対応データベースの1例を示す図である。
【図4】本発明の趣向→クーポン対応データベースの1例を示す図である。
【図5】本発明のクーポンデータベース(発行条件)の1例を示す図である。
【図6】本発明の顧客が購入した実際のレシート印刷データで印刷されたレシートの1例である。
【図7】本発明のクーポン発行プリンタで印刷した「「家庭菜園」応援キャンペーン」のクーポンの例を示す図である。
【図8】従来のクーポン発券システムの全体構成を示す図である。
【図9】従来のクーポン発券システムのクーポンサーバの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明のクーポン発行プリンタの構成を示す図である。
図1において11は、本発明のクーポン発行プリンタ(従来のレシート発行機能の他に、顧客の趣向に応じたクーポンを発行する機能を附加するもの)であって、図8の従来のプリンタ5a,5b,5cに対応する。
12は本発明のクーポン発行プリンタにレシート発行データを送信する送信部を備えたPOS端末、12aはレシート印刷データ送信部であって、図8のPOSターミナルに対応する。
【0027】
本発明のクーポン発行プリンタは、従来のレシート印刷の機能に加えて、以下の構成を備えている。
11aは、レシート印刷データをPOS端末12のレシート印刷データ送信部から受信するレシート印刷データ受信部である。
11bは、レシート印刷データ受信部で受信したレシート印刷データから「商品名」を抽出する商品名文字抽出部である。
【0028】
11cは、商品名文字抽出部で抽出した商品名に関する文字列を、後述の商品名→趣向(趣味)データベースの商品名欄から検索する文字列検索部である。
11dは、文字列検索部の検索結果及び商品名→趣向(趣味)対応データベースに基づいて、顧客の趣向(趣味)を判定する趣向分野判定部である。
【0029】
11eは、趣向分野判定部の判定結果及び後述の趣向→クーポン対応データベースに基づいて、顧客の趣向(趣味)に適したクーポンを決定するクーポン種類決定部である。
11fは、クーポン種類決定部で決定されたクーポンの印刷イメージを生成する印刷イメージ生成部である。なお、印刷イメージはクーポン単独でもよいが、レシートとクーポンが一緒に連結されたものでも良い。
【0030】
11gは、印刷イメージ生成部で生成されたクーポンの印刷イメージを印刷する印刷部である。なお、印刷部はクーポンを単独で印刷してもよいが、レシートとクーポンを一緒に連結した形で印刷しても良い。)
【0031】
11hは、記憶部であって、RAM,ROMで構成される。この記憶部には、従来のレシート印刷のための処理プログラムの他に、本願発明に特有のデータベースとして、「商品名→趣向対応データベース」,「趣向→クーポン対応データベース」及び「クーポンデータベース(発行条件)」がデータの追加・変更可能に格納されている。
なお、図には示されてはいないが、記憶部には、レシート印刷データに含まれる商品名の検索に際して使用する関連語辞書、同義語辞書等の辞書も格納されている。
【0032】
11iは、上記「レシート印刷データ受信部」(11a),「商品名文字検索部」(11b),「文字列検索部」(11c),「趣向分野判定部」(11d),「クーポン種類決定部」(11e),「印刷イメージ生成部」(11f),「印刷部」(11g)及び「記憶部」(11h)を制御する制御部(CPU)である。
【0033】
次に、本願発明の顧客の趣向に応じたクーポンを発行するクーポン発行方法の処理手順を図2のフローチャートを用いて説明する。
・クーポン発行プリンタ11がPOS端末12からレシートの印刷データを受信する。(ステップS1)
このステップS1は従来のレシートのみを印刷するものと同じである。
・ステップS1で受信したレシート印刷データを解析して、商品名に関する文字列を商品名文字抽出部(11b)によって抽出する。(ステップS2)
・抽出した商品名を商品名→趣向(趣味)対応データベース(11h1)で照合して、文字列検索部(11c)、趣向分野判定部(11d)によって商品名に対応する趣向(趣味)を特定する。(ステップS3)
・特定された趣向(趣味)に適したクーポンを、クーポン種類決定部(11e)によって趣向→クーポン対応データベース(11h2)で照合して、顧客の趣向(趣味)に適したクーポンを選択する。(ステップS4)
・選択されたクーポンの発行条件(発行可能日時及び地域等)をクーポンデータベース(発行条件)(11h3)を参照して確認する。(ステップS5)
・選択されたクーポンが複数存在する場合には、選択された複数のクーポンを全て印刷するか、優先順位の高いクーポンを印刷するか、等の判断をする。(ステップS6)
・クーポンの印刷後にクーポンの発行ログを記録する。(ステップS7)
クーポンの発行ログは、個別のクーポン毎に発行による効果の評価や、クーポンの依頼先への費用の請求時等に必要となる。
【0034】
次に、本発明の記憶部11hに格納された本発明特有の、商品名→趣向対応データベース、前記趣向→クーポン対応データベース及び前記クーポンデータベースの例を図3,図4及び図5を用いて説明する。
【0035】
図3は、商品名→趣向対応データベースの1例を示す図である。
図3の商品名→趣向対応データベースでは、商品名と趣向(趣味)が対応した表形式で作成されている。例えば、商品名として「種」「苗」・・・「シャベル(スコップ)」・・・「じょうろ」に対応する趣向(趣味)として「園芸」「家庭菜園」が登録されている。
また、商品名として、「タイヤ」「ホイール」「エンジンオイル」・・・に対応する趣向(趣味)として「車」「ドライブ」・・・が登録されている。
【0036】
図3の商品名→趣向対応データベースは1例であって、商品名から趣向(趣味)が導き出せるものであればどのような形式でも良い。
同じ商品名を複数の趣向(趣味)に対応づけることも可能である。
また、商品名である「種」「苗」「シャベル(スコップ)」「じょうろ」「タイヤ」「ホイール」「エンジンオイル」という用語はこの用語に限定されるものではなく、記録部11hに格納されている図示しない「関連語辞書」及び「同義語辞書」「類似後辞書」等の辞書等によってより使い易い用語にすることが可能である。
【0037】
図4は、趣向→クーポン対応データベースの1例を示す図である。
図4の趣向→クーポン対応データベースでは、趣向(趣味)と現在登録されているクーポンが対応した表形式で作成されている。例えば、趣向(趣味)に対して「家庭菜園」応援キャンペーンのクーポンが登録されている。
また、趣向(趣味)の「車」に対して、新車「○○」試乗会クーポンが登録されている。
【0038】
図5は、クーポンデータベース(発行条件)の1例を示す図である。
図5のクーポンデータベース(発行条件)は、趣向(趣味)に適合するクーポンとして選択されたクーポンの発行条件が登録されている。
クーポンの発行条件としては、当該クーポンの発行可能期間及び発行可能地域等がある。
なお、クーポンの発行条件としては、レシートの商品名以外の顧客のカード等の登録データ(年齢、性別、過去のクーポンの発行履歴等)が得られれば、そのデータをも加味したクーポンの発行が可能になる。
【0039】
図3,4,5の商品名→趣向対応データベース、前記趣向→クーポン対応データベース及び前記クーポンデータベース(発行条件)の登録データの内容は、随時追加・変更が可能である、
【0040】
次に、顧客が購入した実際のレシート印刷データ(図6)に基づいて、顧客の趣向(趣味)に応じたクーポン(図7)を発行する具体的なクーポン発行方法の処理手順を説明する。
【0041】
図6は、顧客が購入した実際のレシート印刷データで印刷されたレシートの1例である。
図6のレシートには、「ホームセンター ABC」「キュウリ苗 80」「青首ダイコン種 248」「アルカリ電池単2 398」「合計 ¥626」「課税対象 ¥596」「消費税 ¥30」「現金 1000」「お釣 ¥374」「会員No123123」「ポイント 9P」「レジ:01」「担当:松本美並」「2010.7.1 13:32」の印刷がなされている。
【0042】
上記レシートに印刷される文字データは全てPOS端末から送信され、プリンタで図6のレシートを印刷する点では従来のPOSシステムと同様である。
・本発明のクーポン発行プリンタでは、図6のレシート印刷データを受信する。(ステップS1)
【0043】
ステップS1で受信したレシート印刷データを解析して、商品名に関する文字列を商品名文字抽出部(11b)によって抽出する。(ステップS2)
レシート印刷データを解析して商品名に関する文字列を抽出する商品名文字抽出部の機能としては種々の方法が可能であるが、商品名が印刷されるエリアを特定して商品名の候補を得ることが1例として挙げられる。図6の場合、「キュウリ苗」「青首ダイコン種」「アルカリ電池単2」が印刷されるエリアの1行毎の文字列を商品名として抽出する。
【0044】
商品名としては、「キュウリ苗」「青首ダイコン種」をそれぞれ抽出しても良いが、商品名が複合名詞の場合には、「キュウリ」と「苗」,「青首」と「ダイコン」及び「種」の如く、名詞としての最小単位に分解して商品名として抽出する方が、商品名→趣向(趣味)対応データベースを検索する上で検索処理負担が軽くなる。
以下では、図6のレシート印刷データから「キュウリ」「苗」「青首」「ダイコン」が商品名として抽出されたものとして説明を続ける。
【0045】
抽出した商品名「キュウリ」「苗」「青首」「ダイコン」を、図3の商品名→趣向(趣味)対応データベースにアクセスして、当該データベースの商品名欄を検索すると「種」及び「苗」がヒットし、趣向(趣味)として「園芸」が特定される。(ステップS3)
【0046】
次に、特定された趣向(趣味)「園芸」を図4の趣向→クーポン対応データベースにアクセスして当該データベースの趣向欄を検索すると、登録されているクーポンとして「「家庭菜園」応援キャンペーン」が得られる。(ステップS4)
「「家庭菜園」応援キャンペーン」のクーポンの例を図7に示す。
このクーポンは、レシートに連続して印刷しても、レシートとは別に独立して印刷しても良い。
【0047】
次に、「「家庭菜園」応援キャンペーン」のクーポンの発行条件を確認するために、図5のクーポンデータベース(発行条件)にアクセスして、当該データベースのクーポンの種類欄を検索する。「「家庭菜園」応援キャンペーン」のクーポンの発行条件は、発行可能期間として「○月○日〜×月×日」で発行可能地域は「○○店周辺」であるので、この条件に合致するか否かを確認する。(ステップS5)
なお、クーポンの発行条件としては、顧客の個人データ(性別、年齢等)がカード等で特定できる場合には、そのデータを考慮することも可能である。
【0048】
この場合には、発行候補となるクーポンは「「家庭菜園」応援キャンペーン」のみであってので更なる絞り込みは行わず、当該クーポンを発行すると共に、発行クーポンのログを記録する。(ステップS7)
ステップS2〜ステップS5における処理で、複数の候補クーポンが存在する場合には、
多数のクーポンを同一のレシート(顧客)に対して発行するのは効率的ではないので、予め定められた優先順位に基づいて発行クーポンを選択する。(ステップS6)
【符号の説明】
【0049】
11:クーポン発行プリンタ
11a:レシート印刷データ受信部
11b:商品名文字抽出部
11c:文字列検索部
11d:趣向分野判定部
11e:クーポン種類決定部
11f:印刷イメージ生成部(レシート,クーポン)
11g:印刷部(レシート,クーポン)
11i:制御部(CPU)
11h:記憶部(RAM,ROM)
11h1:商品名→趣向対応データベース
11h2:趣向→クーポン対応データベース
11h3:クーポンデータベース(発行条件)
12:POS端末
12a:レシート印刷データ送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
POS端末からレシート印刷データを受信するレシート印刷データ受信部と、
前記レシート印刷データから商品名を抽出する商品名抽出部と、
予め格納されている商品名→趣向対応データベースに基づいて、抽出した前記商品名を検索して顧客の趣向を判定する趣向判定部と、
予め格納されている趣向→クーポン対応データベースに基づいて、判定した前記顧客の趣向に合ったクーポンを予め格納されているクーポンデータベースの中から決定するクーポン決定部と、
決定されたクーポンを印刷する印刷部と、
前記レシート印刷データ受信部、前記商品名抽出部、前記趣向判定部、クーポン決定部及び前記印刷部を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とするクーポン発行プリンタ。
【請求項2】
前記印刷部は、前記決定されたクーポンをレシートの印刷の後に続けて印刷する、
ことを特徴とする請求項1に記載のクーポン発行プリンタ。
【請求項3】
前記商品名→趣向対応データベース、前記趣向→クーポン対応データベース及び前記クーポンデータベースは、随時追加・変更が可能である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のクーポン発行プリンタ。
【請求項4】
POS端末からレシート印刷データを受信するレシート印刷データ受信ステップと、
受信した前記レシート印刷データから商品名を抽出する商品名抽出ステップと、
予め格納されている商品名→趣向対応データベースに基づいて、抽出した前記商品名を検索して趣向を判定する趣向判定ステップと、
予め格納されている趣向→クーポン対応データベースに基づいて、判定した前記趣向に合ったクーポンを予め格納されているクーポンの中から決定するクーポン決定ステップと、
決定されたクーポンを印刷する印刷ステップと、
を含むことを特徴とするクーポン発行方法。
【請求項5】
前記商品名抽出ステップは、レシート印刷データに含まれる商品名を予め格納されている関連語辞書、同義語辞書等の辞書によって、予め定めた趣向に適した用語に置き換える処理が含まれることを特徴とする請求項4に記載のクーポン発行方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のクーポン発行方法の各ステップをプリンタに搭載されたコンピュータに実行させることを特徴とするクーポン発行プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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