説明

グラウンドアンカーの急速載荷試験装置

【課題】小型化と軽量化を図り試験作業効率を向上させると共に、簡素な構造としてコストやメンテナンス性に優れた急速載荷試験装置を提供する。
【解決手段】反力受装置5は、弾性体4、及び押圧部材3が取付けられたアンカー支持部材2を収納する枠部51と、枠部の下端に形成され、弾性体を支持すると共に、アンカー支持部材を遊挿可能な貫通孔52Bが形成された台座板52Aを有する台座部52と、を備え、枠部には、弾性体を圧縮した状態で押圧部材に対向する位置に鋼球8,8,…を投入する投入孔51Aが形成され、この鋼球8,8,…が押圧部材を係止することによって、圧縮状態が維持される仮止め状態となり、鋼球8,8,…が外れることにより、仮止め状態が解除される構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、急速載荷試験装置に関し、詳しくはグラウンドアンカーにおける急速載荷試験に適応した載荷試験装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地山や各種の土木工事に伴う法面、あるいはトンネル等の坑内では、地盤、岩盤の安定化を図る目的でグラウンドアンカーが広く使用されている。グラウンドアンカーは、あらかじめ削孔機等の便宜手段により地盤や岩盤に穿設された孔内に挿入され、その空隙部分にセメントミルク、合成樹脂等の定着用充填材(グラウト)を注入して固化させることにより、周辺地盤との一体化を図るものである。グラウンドアンカーの施工においては、定着用充填材が孔内に隙間なく密実状態に充填された場合に所要の定着力が発現することを前提として設計されていることから、施工管理上でのその確認手段としては、充填作業が完了した後、定着用充填材が所定の強度に達した時点で、多数本のアンカーの一部に対して品質保証試験を行うことにより、アンカーの定着力を評価している。
【0003】
従来、アンカーにおける定着力の確認試験は、露出したアンカーの頭部あるいはその延長部材を中心部分に挿通可能な構造のジャッキ(センターホール型油圧ジャッキ)と、そのジャッキを定位置に据えるためのジャッキ支持台(ラムチェアー)とを使用し、これにロードセル等の荷重測定器を組み合わせ、アンカーに外部から所定の荷重(引張力)を負荷する静的載荷試験方法が採用されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
他方、杭の載荷試験方法としては、杭頭に対し、反力装置によって杭の圧縮方向に荷重を持続的に与える静的載荷試験と共に、大きな衝撃を瞬間的に与える動的載荷試験(衝撃載荷試験、急速載荷試験)が採用されている。後者の動的載荷試験のうち急速載荷試験は、静的載荷試験に比べて試験の迅速性や経済性に優れており、代表的なものとしてスタナミック試験(STATNAMIC TEST)が知られている。ここでスタナミック試験とは、杭頭に設置されたピストン内で燃焼剤を爆発的に燃焼させ、発生するガス圧で反力マスを打ち上げ、これによる反力を載荷荷重とする急速載荷試験である。この急速載荷試験の利点としては、静的載荷試験に比べて1本の杭に必要な試験時間が短く、反力杭や反力梁等の設備が不要で、かつ載荷時間が衝撃載荷試験よりも約10倍と長いため静的載荷に近い挙動を得ることができ、杭の静的支持力を非破壊で容易に推定できることが挙げられる。
【0005】
本発明者らは、グラウンドアンカーの定着力の確認試験に適応させた急速載荷試験方法について知見し、また、この急速載荷試験を行う装置についても提案を行った(先行出願1参照)。
【特許文献1】特願2003−86208号
【非特許文献1】土質工学会編「グラウンドアンカー設計・施工基準」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
先行出願に係る発明の急速載荷試験装置では、吐出量の多い大型の油圧ユニットを急速載荷のための動力源としていたので、装置自体が大掛かりなため持ち運び等が困難であり、試験効率の点で課題を抱えていた。また、試験装置自体も複雑な機構であるので、コストやメンテナンスの面で不利に働いていた。
【0007】
そこで、本発明の主たる課題は、小型化と軽量化を図り試験作業効率を向上させると共に、簡素な構造としてコストやメンテナンス性に優れた急速載荷試験装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決した本発明は、次のとおりである。
<請求項1記載の発明>
請求項1記載の発明は、グラウンドアンカーのアンカー頭部を取付け可能なアンカー支持部材と、該アンカー支持部材を上方に押し上げる弾性体と、を備えたグラウンドアンカーの急速載荷試験装置であって、前記弾性体を圧縮した後に、該圧縮状態を維持する仮止め手段と、該仮止め手段により仮止めされた状態を解除する解放手段と、を備えた、ことを特徴とするグラウンドアンカーの急速載荷試験装置である。
【0009】
(作用効果)
急速載荷試験装置の構成のうち、仮止め手段と解放手段を設けていることにより、予め弾性体を圧縮し、その状態を仮止め手段により維持して試験場所に持ち運ぶようにすれば、法面等の足場の状態が悪いような試験場所に大型の油圧ユニット等の圧縮手段等を設置する必要がなく、試験作業効率が向上する。また、急速載荷試験は、圧縮された弾性体の弾性エネルギーをグラウンドアンカーに与えることで行われるものであるため、試験作業が容易である。
【0010】
<請求項2記載の発明>
請求項2記載の発明は、グラウンドアンカーのアンカー頭部を内部に挿入可能な中空のアンカー支持部材と、該アンカー支持部材に取付けられた押圧部材と、該押圧部材を上方に押し上げる弾性体と、前記弾性体の弾性力に対して反力受けとなる反力受装置と、を備えたグラウンドアンカーの急速載荷試験装置であって、
前記反力受装置は、前記弾性体、及び前記押圧部材が取付けられた前記アンカー支持部材を収納する枠部と、該枠部の下端に形成され、前記弾性体を支持すると共に、前記アンカー支持部材を遊挿可能な貫通孔が形成された台座板を有する台座部と、を備え、
前記枠部には、前記弾性体を圧縮した状態で前記押圧部材に対向する位置に鋼球を投入する投入孔が形成され、前記投入孔に前記鋼球が投入され、この鋼球が前記押圧部材を係止することによって、圧縮状態が維持される仮止め状態となり、前記鋼球が外れることにより、仮止め状態が解除される構成とされた、ことを特徴とするグラウンドアンカーの急速載荷試験装置である。
【0011】
(作用効果)
弾性体の圧縮状態維持の仮止めを、鋼球が押圧部材を係止することによってなされる構成であることにより、簡素な構造を実現でき、コストやメンテナンス性に優れる。
【0012】
<請求項3記載の発明>
請求項3記載の発明は、前記枠部の内周に隣接する前記押圧部材の側面には、前記鋼球の一部分を遊嵌する縮外径部が形成され、この縮外径部に鋼球の一部分が遊嵌されることにより、仮止め状態となる構成とされた、請求項2記載のグラウンドアンカーの急速載荷試験装置である。
【0013】
(作用効果)
請求項2記載の発明と同様の効果が得られる。
【0014】
<請求項4記載の発明>
請求項4記載の発明は、前記枠部の外周には、環状のストッパー部材が上下に移動可能に取付けられ、前記縮外径部には、前記枠部の内周に向かって下方に傾斜する下方傾斜面が形成され、前記下方傾斜面によって前記枠部の外周方向へ押し上げられる鋼球を、前記ストッパー部材の内周面が覆うことによって、仮止め状態となる構成とされ、前記ストッパー部材の内周の上部には、拡内径部が形成され、前記ストッパー部材を押し下げることにより、前記鋼球が前記拡内径部に収納され、仮止め状態が解除される構成とされた、請求項3記載のグラウンドアンカーの急速載荷試験装置である。
【0015】
(作用効果)
仮止め状態及びその解除を環状のストッパー部材の上下移動によって行う構成としたことにより、簡素な構造を実現でき、コストやメンテナンス性に優れる。また、仮止め状態の解除の際に、鋼球がストッパー部材の拡内径部に収納される構成とすることによって、鋼球が外部に飛び出すことがなく、試験作業の際の安全が図られる。
【0016】
<請求項5記載の発明>
請求項5記載の発明は、前記弾性体は、積層された皿バネである請求項1乃至4のいずれか1項記載のグラウンドアンカーの急速載荷試験装置である。
【0017】
(作用効果)
弾性体を積層された皿バネとすることにより、コイルバネでは得られない大きな(荷重)負荷容量を有することができ、負荷荷重を枚数等により調整可能であり、また変位量も自由に設定できるため、様々なグラウンドアンカーに対して適応することができる。また、大きな負荷容量に比して急速載荷試験装置の小型化と軽量化を図ることができ、試験場所への持ち運び等にも便利であり、結果として試験作業効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、小型化と軽量化を図り試験作業効率を向上させると共に、簡素な構造としてコストやメンテナンス性に優れる等の利点がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
<急速載荷試験装置本体の全体概要>
図1乃至図5、並びに図13及び図14に基づき、グラウンドアンカーの急速載荷試験装置本体の概要を説明する。なお、図1は本発明に係るグラウンドアンカーの急速載荷試験装置本体の正面図であり、図2は弾性体が圧縮され仮止めされている状態の、グラウンドアンカーの急速載荷試験装置本体の正面図であり、図3はグラウンドアンカーの急速載荷試験装置本体の正面図及び正面断面図であり、図4は解放部材及びストッパー部材が押し下げられている状態のグラウンドアンカーの急速載荷試験装置本体の正面図及び正面断面図であり、図5は押圧部材とアンカー支持部材とが弾性体により押し出され(付勢され)て上方に飛び出した状態のグラウンドアンカーの急速載荷試験装置本体の正面図及び正面断面図であり、図13は急速載荷試験装置本体を他の試験装置と共にセッティング状態を説明するための説明図であり、図14は解放部材により弾性力を解放した状態を説明するための説明図である。
【0020】
グラウンドアンカーの急速載荷試験装置本体1は、図13及び図14に示されるグラウンドアンカーの急速載荷試験に用いられるものであり、この急速載荷試験については後述することとし、まず、急速載荷試験装置本体1の構成について説明する。
【0021】
図1及び図3、並びに図13及び図14に示すように、アンカー頭部AH(図1乃至図5には図示せず)を内部に挿入可能とし、アンカー頭部AHを取付け可能とした中空のアンカー支持部材2と、該アンカー支持部材2に取付けられた押圧部材3と、該押圧部材3を上方に付勢する弾性体4と、前記弾性体4の弾性力に対して反力受けとなる反力受装置5と、この反力受装置5に取付けられる解放部材6と、該解放部材6によって解除(解放)されるストッパー部材7と、を備えている。また、反力受装置5は、前記弾性体4、及び押圧部材3が取付けられたアンカー支持部材2を収納する枠部51と、該枠部51の下端に形成され、前記弾性体4を支持すると共に、前記アンカー支持部材2を遊挿可能な貫通孔52Bが形成された台座板52Aを有する台座部52と、を備えている。
【0022】
概要としては、図1に示すように、アンカー支持部材2が反力受装置5から突出した状態から、アンカー支持部材2(又は頭部フランジ部材21)を図3に示すように押し下げて、弾性体4を圧縮した状態で鋼球8,8,…を投入孔51A,51A,…に投入して、その略半球部分を押圧部材3の縮外径部3Aに遊嵌し、図2に示すようにストッパー部材7を押し上げて、鋼球8,8,…をストッパー部材7の内周面7Aで覆うようにして仮止め状態としておく。その状態で、後述するように、急速載荷試験のセッティングを行った後に、バーハンドル6B,6Bを解放部材6の法線方向に回転させながら螺合させていき、枠部51の下方に押し下げることにより、ストッパー部材7を押し下げる。拡内径部7Bが投入孔51A,51A,…の高さ位置と重なる位置まで押し下げられると、鋼球8,8,…は枠部51の外周へ飛び出し、ストッパー部材7の拡内径部7B内に収まるようになる。このことによって、押圧部材3の側面の縮外径部3Aの係止状態(仮止め状態)が解除され、圧縮された弾性体4の弾性力により押圧部材3を介してアンカー支持部材2が上方に押し上げられ、図14に示すように、アンカー支持部材2に取付けられたアンカー頭部AHに急速載荷が加えられるようになるものである。
【0023】
なお、グラウンドアンカーAとしては、鋼棒状のものでも、鋼線状のものでもよく、多様な材質、性状等のものでも本装置で急速載荷試験を行うことができる。
【0024】
ここで、急速載荷試験装置本体1の構成について説明する前に、この急速載荷試験装置本体1に圧縮力を与える部材である架台部材11について、図6、図11及び図12に基づいて説明する。なお、図6は架台部材の平面図、正面図及び側面図であり、図11は急速載荷試験装置本体を架台部材に載置した状態を説明する正面図であり、図12は急速載荷試験装置本体を圧縮する状態を説明する正面図である。
架台部材11は、油圧ジャッキ12を取付けて、急速載荷試験装置本体1の弾性体4を圧縮するためのものである。天板11Aと、この天板11Aの両端部に形成された側壁11B,11Bと、これら側壁11B,11Bの両下端に形成された底板11Cと、を備えている。天板11Aの略中央には、油圧ジャッキ12を取付け可能な取付口11aが形成されており、油圧ジャッキ12はそのラム12Bを下方にして取付口11aに挿入し、油圧ジャッキ12の側面に螺刻された雄ネジ部(図示せず)を取付口11aに螺刻された雌ネジ部(図示せず)と螺合させ、油圧ジャッキ12と架台部材11とを固定するものである。また、底板11Cは、その上面に、急速載荷試験装置本体1を載せるとともに、後述する油圧ジャッキ12が与える荷重の反力受けとなるものである。急速載荷試験装置本体1の弾性体4の圧縮作業の前段階として、搬送ホース(図示せず)を油圧ジャッキ12の取入口12Aに連結する必要がある。そして、油圧ユニット(図示せず)により油圧をかけラム12Bを伸長させることによって、アンカー支持部材2及び/または頭部フランジ部材21を押圧し、アンカー支持部材2の外周に取付けられた押圧部材3を押し下げ、それによって弾性体4を圧縮すればよい。
【0025】
<急速載荷試験装置本体の構成>
図7乃至図10に基づき、本発明に係るグラウンドアンカーの急速載荷試験装置本体の各構成について詳述する。図7は反力受装置の平面図、正面図、正面断面図及び底面図であり、図8は押圧部材の平面図及び正面図であり、図9は解放部材の平面図及び正面断面図であり、図10はストッパー部材の平面図及び正面断面図である。
【0026】
急速載荷試験装置本体1に係る反力受装置5は、前述したように、弾性体4、及び押圧部材3が取付けられたアンカー支持部材2を収納する枠部51と、該枠部51の下端に形成され、弾性体4を支持すると共に、前記アンカー支持部材2を遊挿可能な貫通孔52Bが形成された台座板52Aを有する台座部52と、を備えている。
【0027】
枠部51は筒状であり、この枠部51には圧縮された弾性体4の圧縮状態を維持するために、仮止めするための鋼球8,8,…を投入する投入孔51A,51A,…が形成されている。これら投入孔51A,51A,…の枠部51に形成される高さ位置としては、急速載荷試験としての変位量を決定するものであるので、適切な変位量が得られるように位置決めすればよく、具体的には、弾性体4を所望の変位量が得られる適切な程度に圧縮した状態で、押圧部材3の側面の縮外径部3Aの位置に対向するように高さ位置を決めればよい。また、枠部51の横断面での配置関係としては、アンカーの軸対称性を保持する観点から、投入孔51Aが3箇所以上形成され、かつ均等な間隔になるようにすればよく、本実施の形態では隣接する投入孔51A,51Aの中心角が90度になるように4箇所形成されている。また、枠部51は、その内部に弾性体4を収納すると共に、外周に解放部材6と、この解放部材6によって解放されるストッパー部材7を取付けることができるようになっている。具体的には、図1乃至図3に示すように、枠部51の頭部に雄ネジ部が螺刻されており、この雄ネジ部に螺着するように雌ネジ部が設けられた解放部材6が取付けられる。そして、この解放部材6の下方にはストッパー部材7が取付けられ、枠部51の外周面を摺動するようになっており、弾性体4が圧縮された状態では、投入孔51A,51A,…に投入された鋼球8,8,…をストッパー部材7の内周面7Aで覆うようになっている。後述するが、投入孔51A,51A,…に投入された鋼球8,8,…は、圧縮された弾性体4の弾性力(反発力)により押圧部材3が上方へ押し上げられる力が働き、そのため、押圧部材3の側面の縮外径部3Aに形成された下方傾斜面3aによって枠部51の外周へ飛び出す方向に外力を受ける。そして、鋼球8,8,…に作用するこの力によって、これら鋼球8,8,…を介し枠部51とストッパー部材7とが一体化する。この状態では、鋼球8,8,…が押圧部材3の側面の縮外径部3Aに係止されており、弾性体4が圧縮された状態で仮止めされている。なお、枠部51は必ずしも筒状であることに限定されず、上述したような仮止め手段や解放手段を取付けることが可能な形状であれば良い。
【0028】
弾性体4は、圧縮バネとして、コイルバネや皿バネ等が考えられるが、本実施の形態では、皿バネを用いている。皿バネは、コイルバネでは得られない大きな(荷重)負荷容量を有することができ、負荷荷重を枚数等により調整可能であり、また積み重ね方や材質の変更によって変位量も自由に設定できるため、急速載荷試験には好適である。本実施の形態では100〜500kNまで負荷荷重を変化させることができ、また載荷時間も0.01秒程度であるので、様々なグラウンドアンカーに対して適応することができる。
【0029】
台座部52は、弾性体4を支持すると共に、アンカー支持部材2を遊挿可能な貫通孔52Bが形成された台座板52Aと、この台座板52Aの下端に形成された立ち上がり壁52Cと、この立ち上がり壁52Cの下端に形成され、中央に開口部52dを有する底板52Dと、を備えている。台座板52Aは、前述のように、弾性体4を下方から支持しており、また、その中央部にはアンカー支持部材2を遊挿可能な貫通孔52Bが形成されており、急速載荷試験の際のアンカー支持部材2の上下動を可能としている。立ち上がり壁52Cは円筒状に台座板52Aの下端に形成されている。この立ち上がり壁52Cは、後述するように、アンカー支持部材2が急速載荷試験の際に反力受装置5から飛び出さないように、アンカー支持部材2に取付けられた底部フランジ部材22の上下動が可能となるように、高さを確保するために設けられるものである。底板52Dは、中央部にアンカー体部ATが固定されたアンカーテンドンAを下方から挿入できるように開口部52dが形成されている。
【0030】
アンカー支持部材2は、前述したように、中空であり、その内部にアンカー頭部AHを挿入可能とし、アンカー頭部AHを取付け可能としている。アンカーテンドン自体は、アンカー体部ATにより地盤中に固定され下方に引張力が働いているので、アンカー支持部材2へのアンカー頭部AHの固定は、アンカーヘッド等の定着部材15をアンカー頭部AHに取付け、アンカー支持部材2の頭部側先端に係止するだけでよい。アンカー支持部材2の頭部と底部には頭部フランジ部材21及び底部フランジ部材22が取付けられている。これら頭部フランジ部材21及び底部フランジ部材22は、それぞれアンカー支持部材2の外周面に螺着されると共に、フランジを貫通する止めネジ(図示せず)によりアンカー支持部材2と一体化されている。頭部フランジ部材21は、油圧ジャッキ12のラム12Bが当たりやすくなるように実質的に当接面積を拡大するためのものであり、必ずしも必要とされない。底部フランジ部材22は、前述したように、アンカー支持部材2が急速載荷試験の際に反力受装置5から飛び出さないように、飛び出し規制のためにアンカー支持部材2に取付けられるものである。また、底部フランジ部材22の上部にはスポンジ、軟質樹脂、ゴム等の衝撃緩衝材23が取付けられており、急速載荷試験の際、アンカー支持部材2が上方に上昇したとき、台座板52Aの下面に衝突し、反力受装置5への衝撃を緩和するようになっている。
【0031】
押圧部材3は、中央にアンカー支持部材2の外周に螺刻された雄ネジ部と螺合させるための雌ネジ部が形成された円形プレート状であり、アンカー支持部材2に螺着させると共に、押圧部材側面を貫通する止めネジ(図示せず)によりアンカー支持部材2と一体化されている。ここで、押圧部材3は、アンカー支持部材2に取付けられ下面に当接する弾性体4を押圧し弾性体4を圧縮させると共に、弾性体4の弾性力を受けて、アンカー支持部材2を上方に押し上げるためのものである。また、押圧部材3の側面には、縮外径部3Aが形成されており、図3に示すように、弾性体4が圧縮された状態で、反力受装置5の枠部51の投入孔51A,51A,…から投入された鋼球8,8,…のうち、この縮外径部3Aにおいて略半球部分が遊嵌されるようになっている。前述したように、鋼球8,8,…は、圧縮された弾性体4の弾性力(反発力)により押圧部材3が上方へ押し上げられる力が働き、そのため、押圧部材3の側面の縮外径部3Aに形成された下方傾斜面3aによって枠部51の外周へ飛び出す方向に外力を受ける。ここで、ストッパー部材7の内周面7Aと当接し、ストッパー部材7が反力受となっている状態では、鋼球8,8,…が押圧部材3の側面の縮外径部3Aに係止されることにより、弾性体4が圧縮された状態で仮止めされている。後述するが、ストッパー部材7が押し下げられ、拡内径部7Bが投入孔51A,51A,…の高さ位置と重なるようになると、鋼球8,8,…は枠部51の外周へ飛び出し、ストッパー部材7の拡内径部7B内に収まるようになる。このことによって、押圧部材3の側面の縮外径部3Aの係止状態(仮止め状態)が解除され、圧縮された弾性体4の弾性力(反発力)により押圧部材3を介してアンカー支持部材2が上方に押し上げられ、アンカー支持部材2の頭部側先端に取付けられたアンカー頭部AHに急速載荷が与えられるものである。
【0032】
反力受装置5の枠部51には、解放部材6と、該解放部材6によって解放されるストッパー部材7と、が取付けられている。
解放部材6は環状であり、その内周面には枠部51の頭部に螺刻された雄ネジ部に螺合する雌ネジ部が形成されている。また、外周面には、バーハンドル6Bの先端に形成された雄ネジ部6bに螺合する雌ネジ部が形成された雌ネジ突起部6A,6Aが取付けられている。この解放部材6は、解放部材6にバーハンドル6B,6Bを取付けた状態で、反力受装置5の枠部51の頭部に取付け、バーハンドル6B,6Bを解放部材6の法線方向に回転させながら螺合させていくことにより、枠部51の下方に下がっていく構成となっている。そして、この解放部材6の下降により、ストッパー部材7が押し下げられ、最終的に、押圧部材3の側面の縮外径部3Aの係止状態(仮止め状態)が解除されるようになっている。なお、バーハンドル6B,6Bを取付けるのは、弾性体4が圧縮された状態ではストッパー部材7が鋼球8,8,…に作用する外力の反力受となっているので、このストッパー部材7に相当の力が掛かっており、枠部51とストッパー部材7とが強固に一体化しているため、その状態でストッパー部材7を押し下げるには相当の力を要するからである。
【0033】
ストッパー部材7は環状であり、その内周は鋼球8,8,…に当接し、この鋼球8,8,…に作用する外力の反力受けとなる内周面7Aと、枠部51の外周へ飛び出した鋼球8,8,…を収める拡内径部7Bと、を備えており、枠部51の外周面を上下に摺動するように構成されている。ここで、図16及び17に基づき、仮止め状態について説明すると、まず、反力受装置5にストッパー部材7を挿嵌し、台座板52A近傍まで押し下げておく。それと共に、解放部材6を枠部51の頭部に螺合させる。この状態で、次に、架台部材11の底板11C上に載置し、油圧ユニット12により油圧をかけラム12Bを伸長させて押圧部材3を押し下げ、弾性体4を圧縮する。そして、ラム12Bを伸長させている状態で、鋼球8,8,…を投入孔51A,51A,…に投入して、その略半球部分を押圧部材3の縮外径部3Aに遊嵌し、ストッパー部材7を押し上げて、鋼球8,8,…をストッパー部材7の中部から下部にかけて形成された内周面7Aで覆う状態にする。次に、注圧を解除し、鋼球8,8,…に押圧部材3の側面の縮外径部3Aに形成された下方傾斜面3aによって枠部51の外周へ飛び出す方向に外力を与え、これら鋼球8,8,…を介し枠部51とストッパー部材7とを一体化させればよい。その後、架台部材11から急速載荷試験装置本体1を取り出し、この急速載荷試験装置本体1を用い所望の場所において急速載荷試験を行うことができる。この急速載荷試験の際には、前述したように、ストッパー部材7の上部に当接する解放部材6の押し下げによって、ストッパー部材7が押し下げられ、拡内径部7Bが投入孔51A,51A,…の高さ位置と重なるようになると、鋼球8,8,…は枠部51の外周へ飛び出し、ストッパー部材7の拡内径部7B内に収まるようになる。このことによって、押圧部材3の側面の縮外径部3Aの係止状態(仮止め状態)が解除され、圧縮された弾性体4の弾性力(反発力)により押圧部材3を介してアンカー支持部材2が上方に押し上げられ、アンカー支持部材2の頭部側先端に取付けられたアンカー頭部AHに急速載荷が与えられる。ここで、拡内径部7Bの断面形状において、図4に示すように、下面部7bをストッパー部材7の外周に向って上方に傾斜するように形成すれば、縮外径部3Aに形成された下方傾斜面3aによって、枠部51の外周の斜め上方向へ飛び出そうとする鋼球8,8,…をうまく収納できるので好適である。
【0034】
なお、ストッパー部材7の内周には、上部に拡内径部7Bが形成され、中部から下部にかけて内周面7Aが形成されているが、その境がストッパー部材7を枠部51に取付けられた状態では目視できなくなってしまう。この点を解決するため、予め解放部材6の上端が枠部51の上端に丁度重なる(上面が一致する)状態で、この解放部材6の下端にストッパー部材7の上端が当接すれば、鋼球8,8,…をストッパー部材7の内周面7Aが確実に覆う状態であるようにストッパー部材7の高さ(拡内径部7Bと内周面7Aとの縦方向長さ関係)を予め設定しておけばよい。そのように予め部材の高さを調整しておけば、油圧ジャッキ12の注圧を解除した途端、アンカー支持部材2が押し上げられてしまうという不都合を防止できる。
【0035】
本実施の形態では、解放部材6とストッパー部材7とを別部材としたが、一体として成形してもよい。また、解放部材6をなくして、ストッパー部材7に解放機能を付加してもよい。この場合、図示はしないが、ストッパー部材7の内周面7Aに雌ネジを設けると共に、その外周面には、バーハンドル6Bの先端に形成された雄ネジ部6bに螺合する雌ネジ部が形成された雌ネジ突起部6A,6Aを取付ければよい。
【0036】
<測定手段、及び急速載荷試験装置本体を用いた急速載荷試験方法>
図13及び図14に基づき、急速載荷試験装置本体を用いた急速載荷試験方法を説明する。
まず、測定手段について説明すると、測定手段は、非接触型変位計18、加速度計17、荷重計としてロードセル14と、信号ケーブル(図示せず)と、各計測器からの信号を測定値として変換し、この測定値を集積するコンピューター(図示せず)と、を備えている。非接触型変位計18、ロードセル14、加速度計17により検出された信号は動歪測定器(図示せず)を介し、コンピューターに送信される。これらの信号は、コンピューターにより、変位量、加速度、荷重、圧力の測定値として変換され、当該コンピューターに測定結果として集積される構成となっている。なお、時間の計測については、コンピューターにより行われ、また、計測された加速度に計測された時間を乗ずることで速度が算出される。
【0037】
各計測器の設置箇所としては、後述するが、図13に示すように、非接触型変位計18,18については、不動梁(図示せず)の所定位置、すなわち受圧プレート13及び上部プレート16Aにレーザーが照射される位置に取付ける。また、加速度計17は定着部材15又は上部プレート16Aに設置する。ロードセル14については、下部プレート16Bと受圧プレート13との間に設置すればよい。なお、加速度については、時間と変位量とから算出できるため、必ずしも加速度計17を設置する必要がない。また、非接触型変位計18,18は、受圧プレート13及び上部プレート16Aのどちらか一方について計測すればよい。さらに、加速度計17を設置する場合には、変位量が計算できるので、非接触型変位計18,18を設置する必要はない。
【0038】
以下に、試験作業方法を説明する。
予め、架台部材11に取付けた油圧ジャッキ12により、弾性体4を圧縮しておき、解放部材6及びストッパー部材7を取付けて仮止め状態にしておく。そして、アンカー体部ATにより法面等の地盤中に固定されたアンカーテンドンAのうち、反力材19から露出したアンカー頭部AHに対して、受圧プレート13を中央部に形成された開口を介して遊びをもたせながら嵌挿し、反力材19上に設置する。そして、その上に、荷重計としてロードセル14を設置し、その上に中央に開口を有する下部プレート16Bを設置する。なお、反力材19としては、法面に形成される法枠や受圧板等を用いても良い。
【0039】
次に、アンカーテンドンAを反力受装置5の下方、すなわち底板52Dに形成された開口部52dから挿入し、アンカー支持部材2の中空内を貫通して、アンカー支持部材2の頭部先端からアンカー頭部AHを突出させる。そして、その状態で、反力装置5を下部プレート16Bの上に設置する。
【0040】
次に、中央に開口を有する上部プレート16Aをアンカー頭部AHに嵌挿して、アンカー支持部材2の頭部先端に乗せ、アンカーヘッド等の定着部材15をアンカー頭部AHに取付け、アンカー支持部材2の頭部側先端に係止して、アンカー頭部AHを定着部材15及び上部プレート16Aを介してアンカー支持部材2に固定する。そして、前述したように、加速度計17を定着部材15又は上部プレート16Aに設置し、また地盤に固定した不動梁(図示せず)に設置された非接触型変位計18を、受圧プレート13及び上部プレート16Aにレーザーが照射される位置、かつ適度な距離を保つ位置に配置する。
【0041】
そして、解放部材6に取付けられたバーハンドル6B,6Bを解放部材6の法線方向に回転させながら螺合させていくことにより、解放部材6を枠部51の下方に下げる。この解放部材6の下降により、ストッパー部材7が押し下げられ、最終的に、押圧部材3の側面の縮外径部3Aの係止状態(仮止め状態)が解除される。すなわち、前述したように、ストッパー部材7が押し下げられ、拡内径部7Bが投入孔51A,51A,…の高さ位置と重なるようになると、鋼球8,8,…は枠部51の外周へ飛び出し、ストッパー部材7の拡内径部7B内に収まるようになる。このことによって、押圧部材3の側面の縮外径部3Aの係止状態(仮止め状態)が解除され、圧縮された弾性体4の弾性エネルギーにより押圧部材3を介してアンカー支持部材2が上方に押し上げられ、アンカー支持部材2の頭部側先端に取付けられたアンカー頭部AHに急速載荷が与えられる。
【0042】
試験の際には、前述したように、非接触型変位計18、ロードセル14、加速度計17により検出された信号は動歪測定器を介し、コンピューターに送信され、コンピューターにより、変位量、加速度、荷重、圧力の測定値として変換され、当該コンピューターに測定結果として集積される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】グラウンドアンカーの急速載荷試験装置本体の正面図である。
【図2】弾性体が圧縮され仮止めされている状態の、グラウンドアンカーの急速載荷試験装置本体の正面図である。
【図3】グラウンドアンカーの急速載荷試験装置本体の正面図及び正面断面図である。
【図4】解放部材及びストッパー部材が押し下げられている状態のグラウンドアンカーの急速載荷試験装置本体の正面図及び正面断面図である。
【図5】押圧部材とアンカー支持部材とが弾性体に押し出され(付勢され)て上方に飛び出した状態のグラウンドアンカーの急速載荷試験装置本体の正面図及び正面断面図である。
【図6】架台部材の平面図、正面図及び側面図である。
【図7】反力受装置の平面図、正面図、正面断面図及び底面図である。
【図8】押圧部材の平面図及び正面図である。
【図9】解放部材の平面図及び正面断面図である。
【図10】ストッパー部材の平面図及び正面断面図である。
【図11】急速載荷試験装置本体を架台部材に載置した状態を説明する正面図である。
【図12】急速載荷試験装置本体を圧縮する状態を説明する正面図である。
【図13】急速載荷試験装置本体を他の試験装置と共にセッティング状態を説明するための説明図である。
【図14】解放部材により弾性力を解放した状態を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1…急速載荷試験装置本体、2…アンカー支持部材、3…押圧部材、3A…縮外径部、3a…傾斜面、4…弾性体、5…反力受装置、6…解放部材、6A…雌ネジ突起部、6B…バーハンドル、6b…雄ネジ部、7…ストッパー部材、7A…内周面、7B…拡内径部、7b…下面部、8…鋼球、11…架台部材、11A…天板、11B…側壁、11C…底板、11a…取付口、12…油圧ジャッキ、12A…取入口、12B…ラム、13…受圧プレート、14…ロードセル、15…定着部材、16A…上部プレート、16B…下部プレート、17…加速度計、18…非接触型変位計、19…反力材、21…頭部フランジ部材、22…底部フランジ部材、23…衝撃緩衝材、51…枠部、51A…投入孔、52…台座部、52A…台座板、52B…貫通孔、52C…立ち上がり壁、52D…底板、52d…開口部、A…アンカーテンドン、AH…アンカーヘッド、AT…アンカー体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラウンドアンカーのアンカー頭部を取付け可能なアンカー支持部材と、該アンカー支持部材を上方に押し上げる弾性体と、を備えたグラウンドアンカーの急速載荷試験装置であって、
前記弾性体を圧縮した後に、該圧縮状態を維持する仮止め手段と、該仮止め手段により仮止めされた状態を解除する解放手段と、を備えた、
ことを特徴とするグラウンドアンカーの急速載荷試験装置。
【請求項2】
グラウンドアンカーのアンカー頭部を内部に挿入可能な中空のアンカー支持部材と、該アンカー支持部材に取付けられた押圧部材と、該押圧部材を上方に押し上げる弾性体と、前記弾性体の弾性力に対して反力受けとなる反力受装置と、を備えたグラウンドアンカーの急速載荷試験装置であって、
前記反力受装置は、前記弾性体、及び前記押圧部材が取付けられた前記アンカー支持部材を収納する枠部と、該枠部の下端に形成され、前記弾性体を支持すると共に、前記アンカー支持部材を遊挿可能な貫通孔が形成された台座板を有する台座部と、を備え、
前記枠部には、前記弾性体を圧縮した状態で前記押圧部材に対向する位置に鋼球を投入する投入孔が形成され、
前記投入孔に前記鋼球が投入され、この鋼球が前記押圧部材を係止することによって、圧縮状態が維持される仮止め状態となり、
前記鋼球が外れることにより、仮止め状態が解除される構成とされた、
ことを特徴とするグラウンドアンカーの急速載荷試験装置。
【請求項3】
前記枠部の内周に隣接する前記押圧部材の側面には、前記鋼球の一部分を遊嵌する縮外径部が形成され、この縮外径部に鋼球の一部分が遊嵌されることにより、仮止め状態となる構成とされた、請求項2記載のグラウンドアンカーの急速載荷試験装置。
【請求項4】
前記枠部の外周には、環状のストッパー部材が上下に移動可能に取付けられ、
前記縮外径部には、前記枠部の内周に向かって下方に傾斜する下方傾斜面が形成され、
前記下方傾斜面によって前記枠部の外周方向へ押し上げられる鋼球を、前記ストッパー部材の内周面が覆うことによって、仮止め状態となる構成とされ、
前記ストッパー部材の内周の上部には、拡内径部が形成され、
前記ストッパー部材を押し下げることにより、前記鋼球が前記拡内径部に収納され、仮止め状態が解除される構成とされた、請求項3記載のグラウンドアンカーの急速載荷試験装置。
【請求項5】
前記弾性体は、積層された皿バネである請求項1乃至4のいずれか1項記載のグラウンドアンカーの急速載荷試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−90874(P2006−90874A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−277403(P2004−277403)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(504182255)国立大学法人横浜国立大学 (429)
【出願人】(000115463)ライト工業株式会社 (137)
【Fターム(参考)】