説明

グラウンドアンカーテンドン

【課題】
ダムや防波堤、防潮堤などのコンクリート構造物の補強や嵩上げ等に用いられる防食性に優れたグラウンドアンカーテンドンであって、高い設計荷重(大容量)を有し、さらに、施工現場への運搬・施工現場での組立・アンカー設置孔への挿入、等がいずれも容易に行うことができるグラウンドアンカーテンドンを提供する。
【解決手段】
コンクリート構造物50に用いるグラウンドアンカーテンドン22であって、複数本の緊張材55を束ねて構成するテンドン51を、アンカー設置孔53の中で複数組み合わせて使用することを特徴とする。
アンカー体長部と自由長部との境界に保護体を設けてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダムや防波堤、防潮堤などのコンクリート構造物の補強や嵩上げ等に用いられるグラウンドアンカーテンドンに関し、特に、高い設計荷重への対応(大容量化)が可能であり、さらに、施工現場への運搬、施工現場での組立、アンカー設置孔への挿入などがいずれも容易に行えるうえ、しかも防食性に優れたグラウンドアンカーテンドンに関する。
【背景技術】
【0002】
グラウンドアンカー工法は、例えば、図1に示すように、造成した構造物(図1ではダム堤体)80を地盤82に定着させるために、構造物から地盤に向けて緊張材(PC鋼より線など)23を埋設固定するとともに緊張材を定着部Hにより構造物自体に定着させ、該構造物に地盤方向へのプレストレス(引っ張り力)を与えることにより、外圧(土圧、水圧など)に対向して構造物を安定させるものである。
【0003】
このようなグラウンドアンカー工法に用いられるグラウンドアンカーテンドン2(以下、単に「テンドン」とも言う)は、引っ張り力を伝達する緊張材23とその周辺部品(該緊張材を埋設固定する部品等)とで構成されている。
【0004】
図2(図1のグラウンドアンカーテンドンの拡大図)に示すように、緊張材23は、シース724により下方の領域(アンカー体長部:CR)ではグラウト28と一体化しているが、上方の領域(自由長部:NR)ではグラウト28と一体化していない。この緊張材23を所定の荷重まで緊張させることで、構造物にプレストレスを与えることができる。
また、緊張材23は、通常、錆の発生を抑えるために合成樹脂等の防食層で被覆されており、アンカー体長部CRと自由長部NRとの境界部Bでは、シース724を固定し、かつ該シース内への進水を防ぐために、止水チューブ29等により止水加工がなされている。
【0005】
このようなグラウンドアンカーテンドンを用いて、図1のようなダムや防波堤などを補強したり嵩上げする際には、緊張材23にはより大きなプレストレスが要求される。このため、グラウンドアンカーテンドンには大容量のものが必要とされる。
例えば、山の斜面(法面)の地すべり防止(土留め)においては、最大でも設計荷重が約1900kN容量のグラウンドアンカーテンドンが使用されているのに対し、ダム堤体では、約15660kN容量のものが必要になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような高い設計荷重へ対応するために、例えば、直径15mm程度の緊張材を100本結束させたものを、1つのアンカー設置孔に1本のグラウンドアンカーテンドンとして供給すると、
1)100本×掘孔数の緊張材を運ぶ必要があるため輸送に手間取る、
2)輸送時などに緊張材同士が摩擦し合うことで、防食層が損傷し、品質的欠陥が生じやすい、
3)100本結束させる分(太くなる分)、削孔や挿入に特別な機械が必要になる、等の問題が発生する。
【0007】
また、コンクリート構造物の中でも、図1に示すように、ダム堤体80に使用されるテンドン2の長さは、ダムの堤頂部84からダムの基礎部85に至るため、少なくとも30mを超え、100mまで及ぶものもある。
このため、テンドン2の施工時には、シースに覆われている自由長部NRと覆われていないアンカー体長部CRとの境界部Bにおいて、テンドンの自重のために折損したり、止水チューブ29のねじれ現象などが生じ止水性が損なわれることがあった。この境界部における折損やねじれ現象は外からは見えないので、施工中に気付かないことが多い。
【0008】
さらに、前述のように、従来の緊張材23では、自由長部NRはシース724に覆われているのに対し、アンカー体長部CRは覆われていないため、アンカー設置孔83への挿入時に、このアンカー体長部における合成樹脂(防食層)が剥げる問題があった。
加えて、ダムや防波堤、防潮堤などのコンクリート構造物では、該構造物の隙間からの水漏れによる緊張材の腐食が進行しやすく、耐久性確保が重要であるため、従来のテンドン(例えば、地すべり防止等などに使用されるテンドン)に比較して、より高い防食性が要求される。
【0009】
本発明は、以上のような諸状を考慮してなされたもので、ダムや防波堤、防潮堤などのコンクリート構造物の補強や嵩上げ等に用いられる防食性に優れたグラウンドアンカーテンドンであって、高い設計荷重(大容量)を有するにも拘わらず、施工現場への運搬・施工現場での組立・アンカー設置孔への挿入、等がいずれも容易に行うことができるグラウンドアンカーテンドンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のグラウンドアンカーテンドンは、以下を要旨とする。
(1)「コンクリート構造物に用いるグラウンドアンカーテンドンであって、
複数本の緊張材を束ねて構成するテンドンを、アンカー設置孔の中で複数組み合わせて使用することを特徴とするグラウンドアンカーテンドン。」
(2)「前記アンカー設置孔の底部側領域に一体固定されるアンカー体長部と、当該アンカー体長部に連続し地表面側がアンカー頭部の定着部に固定される自由長部とを有し、前記アンカー体長部と前記自由長部との境界に保護体を設けることを特徴とする(1)に記載のグラウンドアンカーテンドン。」
(3)「前記緊張材はエポキシ樹脂で被覆され、
前記アンカー体長部において、前記テンドンの外周部が合成樹脂製シースで被覆され、当該エポキシ樹脂で被覆された前記緊張材と前記合成樹脂製シースとの間に防食材が充填されることを特徴とする(1)または(2)に記載のグラウンドアンカーテンドン。」
(4)「前記自由長部において、前記エポキシ樹脂で被覆された前記緊張材の外周部がさらに合成樹脂製シースで被覆され、当該エポキシ樹脂で被覆された前記緊張材と前期合成樹脂製シースとの間に防食材が充填されることを特徴とする(1)〜(3)の何れかに記載のグラウンドアンカーテンドン。」
【発明の効果】
【0011】
本発明のグラウンドアンカーテンドンは、防食性に優れているうえ、高い設計荷重に対応できる。また、大容量であるにも拘わらず、施工現場への運搬、施工現場での組立、アンカー設置孔への挿入、等がいずれも容易に行うことができ、削孔や挿入に現行の機械を用いることができる。
従って、ダムや防波堤、防潮堤などのコンクリート構造物の補強や嵩上げ等に好適に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のグラウンドアンカーテンドンの第1実施形態を、図3および図4(図3の要部拡大図)により説明する。
【0013】
図3において、グラウンドアンカーテンドン22は、ダムや防波堤、防潮堤などのコンクリート構造物50の補強や嵩上げ等に使用される。図3では、コンクリート構造物50や地盤52に対して垂直に形成されているが、斜めに形成して使用することもできる。
本発明のグラウンドアンカーテンドン22は、既存のコンクリート構造物50から地盤52に向けて削孔機等で設けられたアンカー設置孔53に挿入され、グラウト58を注入して硬化させることにより形成される。
【0014】
図3,4において、グラウンドアンカーテンドン22は、複数のテンドン51からなるテンドン本体部Tと、地表面側に位置する定着部Hとを備えている。
各テンドン51は、スペーサー54などで束ねられた複数の緊張材55で構成されている。結束される緊張材55の本数は、特に限定されないが、多すぎると、前述のとおり、互いに摩擦し合い防食層が損傷しやすいうえ、輸送や施工上の問題が多いため、本発明では、1〜9本程度が好ましく、より好ましくは7本である。
【0015】
緊張材55の材料としては、PC鋼より線やPC鋼棒、FRP(繊維強化プラスチック)棒等が使用でき、直径12.7〜15.2mm程度のものが好適に用いられる。
また、発錆を防ぐために、エポキシ樹脂、ポリエチレンなどの合成樹脂で被覆されたものが好ましく、中でも、エポキシ樹脂がより好ましい。
このような合成樹脂による被覆の表面に、固形粒子を埋設することによって、緊張材55とグラウト28との一体化を強固にしてもよい。
【0016】
本発明では、テンドン51を(1つのアンカー設置孔53の中において)複数組み合わせて使用することが重要である。
組み合わせられるテンドン51の本数は、特に限定されないが、少なすぎると、大容量化するために各テンドンを構成する緊張材55の数を増やす必要が生じ、また、多すぎると、削孔径を巨大化する必要があるため、本発明では、3〜20本が好ましく、より好ましくは3〜10本である。
【0017】
各テンドン51は、現場で組立てても、あらかじめ工場で組立てたものを運搬してきてもよいが、挿入時の容易性を考慮し、アンカー設置孔53に挿入する前に結合具1により互いを固定し、1つのグラウンドアンカーテンドン22として供給される。
固定するにあたり、テンドン51同士は密着していても、互いに離れた状態でもよいが、テンドン同士間にもグラウト28が注入された方がより確実に固定されるうえ、グラウト注入後に緊張材55にプレストレスをかける時にも都合がいいため、離れている方が好ましい。
【0018】
このように、テンドン51を複数組み合わせたものを、1つのグラウンドアンカーテンドン22とする(例えば、後述する施工例のように、緊張材7本からなるテンドンを3本組み合わせて1つのグラウンドアンカーテンドンとする)ことで、1つのアンカー設置孔に(グラウンドアンカー)テンドンを1本のみ設置していた従来方法(テンドン1本は、多数の緊張材からなる。図1,2参照)に比べると、
1)1つのテンドンに用いられる緊張材の本数はそれほど増えないため、輸送が容易で、
2)緊張材同士の摩擦も少ないので、防食層の損傷が抑えられ、
3)削孔や挿入に現行の機械を用いることができ、
4)掘孔数も増えないため、
高い設計荷重への対応(大容量化)が可能で、品質の高いグラウンドアンカーテンドンを供給することができる。
【0019】
図3,4に示すように、本実施形態のグラウンドアンカーテンドン22は、アンカー設置孔の底部側領域に一体固定されるアンカー体長部CRと、アンカー体長部CRに連続し地表面側がアンカー定着部に固定される自由長部NRとを有し、アンカー体長部CRと自由長部NRとの境界に保護体Pが設けられる。
保護体Pは、アンカー体長部CRと自由長部NRとの境界であれば、図3,4に示すように、各テンドン51の外周部を覆ってもよく、図5に示すようにグラウンドアンカーテンドン33の総てのテンドン61の外周部を覆ってもよい。なお、図5では、孔を符号63で、スペーサを符号64で、PC鋼より線を符号65で示してある。
このような保護体Pを設けることで、テンドンが30mを超す長さであっても、アンカー体長部CRと自由長部NRとの境界における直線性が保持され、折損はもとより止水チューブのねじれ現象が防止され、確実な止水性を得ることができる。
【0020】
保護体Pのサイズとしては、長さが1m未満、厚みが10mm未満であると、十分に直線性を保持できず、折損やねじれ現象が生じる虞がある。長さや厚みの上限は、特に限定されないが、実用上は、テンドン全体(アンカー体長部CR+自由長部NR)の長さの1/30〜1/20程度の長さと10〜20mm程度の厚みがあれば十分である。
保護体Pの材質としては、後述する(アンカー体長部CRや自由長部NRの防食層である)合成樹脂製シース524,525を傷つけないものであれば、特に限定されず、ポリエチレン、アクリルなどの合成樹脂や、鋼、ステンレスなどの弾性を有する金属などが好適に用いられ、中でも、コストや頑丈性の面からポリエチレンが特に好ましい。
【0021】
図6は、保護体Pの横断面図である。
保護体Pの形状としては、図6(A)に示すように円筒体でもよい。
あるいは、図5のように総てのテンドン61の外周部を覆った場合には、図6(B)に示すようにテンドン61が固定した状態(図6(B)ではテンドンを3本組合わせた例を示す)に沿った形状でもよい。
【0022】
図7は、図4における1本のテンドンの断面図である。
本発明のグラウンドアンカーテンドン22では、図4,図7に示すように、アンカー体長部CRにおいて、テンドン51の外周部が合成樹脂製シース525で被覆され、エポキシ樹脂で被覆された緊張材55と合成樹脂製シース525との間に防食材526が充填されていてもよい。
すなわち、アンカー体長部CRにおいては、
第一の防食層として、緊張材55をエポキシ樹脂で被覆し、
第二の防食層として、テンドン51の外周部を合成樹脂製シース525で被覆し、
第三の防食層として、緊張材55と合成樹脂製シース525との間に防食材526を充填することになり、三層構造の防食構造をとるため、優れた防食性を得ることができる。また、自由長部のようにシースで覆われていなかった従来のアンカー体長部と違って、アンカー設置孔への挿入時に、アンカー体長部におけるエポキシ樹脂(第一の防食層)が剥げることが無い。
【0023】
合成樹脂製シース525の材料としては、例えば、ポリエチレン、アクリルなどの合成樹脂が挙げられ、中でも、ポリエチレンが好ましい。
また、グラウト58との付着性を考慮し、図4,7に示すように、側面を蛇腹状とすることが好ましく、長さはアンカー体長部CRの長さと同一で、厚みは5〜20mm程度であればよい。
【0024】
防食材526としては、セメントミルクやエポキシ樹脂などの合成樹脂を好適に用いることができる。
【0025】
また、本発明のグラウンドアンカーテンドン22では、図4,図7に示すように、自由長部NRにおいて、緊張材55の外周部がさらに合成樹脂製シース524で被覆され、エポキシ樹脂で被覆された緊張材55と合成樹脂製シース524との間に防食材527が充填されていてもよい。
すなわち、自由長部NRにおいても、
第一の防食層として、緊張材55をエポキシ樹脂で被覆し、
第二の防食層として、緊張材55の外周部を合成樹脂製シース524で被覆し、
第三の防食層として、緊張材55と合成樹脂製シース524との間に防食材527が充填されることになり、三層構造の防食構造をとるため、優れた防食性を得ることができる。
【0026】
合成樹脂製シース524の材料としては、例えば、ポリエチレン、アクリルなどの合成樹脂が挙げられ、中でも、ポリエチレンが好ましい。
【0027】
防食材527としては、緊張材55にプレストレスをかけるためには粘性のあるものが好ましく、例えば、ワックス、グリースなどが挙げられ、中でも、防食性が高いワックスがより好ましい。
【0028】
本発明のグラウンドアンカーテンドンの第1実施形態(図3,4,7)に対応する第1施工例を説明する。
本施工例では、現場組み立ての場合である。
【0029】
≪テンドン51の形成≫
断面の直径が15.2mmのPC鋼より線7本からなる緊張材55を、43mの長さに(7本)切断した。緊張材55は、静電粉体塗装によりエポキシ樹脂で被覆され、さらに、ポリエチレン製のシース524で被覆されたものを使用した。
各(7本の)緊張材55において、長さ7mのアンカー体長部CRと、長さ36mの自由長部NRとを有するように体長部CRにおけるシース524を切断加工し、シース524の先端部分にポリエチレン製熱収縮チューブ529により止水処理を施し、スペーサ−54等にて7本を1つのテンドン51として結束させた。
【0030】
テンドン51のアンカー体長部CRに、蛇腹状のポリエチレン製のシース525を装着しこのシース525と緊張材55との間に防食材としてセメントミルク526を充填した。
【0031】
テンドン51のアンカー体長部CRと自由長部NRとの境界部Bに、長さが1m、厚さが10mmであるポリエチレン製の保護体Pを嵌着した。
【0032】
≪グラウンドアンカーテンドン22の形成≫
以上のようなテンドン51を3本作製し、結合具1により互いを一定の間隔を空けて固定し、組合わせることで、グラウンドアンカーテンドン22を得た。
【0033】
≪アンカー設置孔53の形成およびグラウンドアンカーテンドン22の挿入≫
コンクリート構造物であるダム堤体50と地盤52に、ロータリパカションで直径250mm、深さ40mのグラウンドアンカーテンドン用のアンカー設置孔53を形成した。
このアンカー設置孔53に、グラウンドアンカーテンドン22を挿入し、自由長部NRにおける緊張材55とシース524との間に防食材としてワックス527を充填した。なお、ワックスを予めするようにしてもよい。又、アンカー設置孔53の中心にグラウンドアンカーテンドンを配置するためにセントラライザを使用してもよい。
【0034】
≪アンカー設置孔53への定着≫
アンカー設置孔53の先端側にグラウト58を注入した。
このグラウト58が各テンドン51と一体化した後に、各テンドン51の7本の緊張材55をそれぞれ所定の荷重まで緊張し、コンクリート構造物50の堤体に緊張力を与えた。
【0035】
本発明のグラウンドアンカーテンドンの第1実施形態(図3,4,7)に対応する第2施工例を説明する。
本施工例では、断面の直径が15.2mmのPC鋼より線7本からなる緊張材55を、100mの長さに(7本)切断する以外は、第1施工例と同様にしてアンカー構造体を設置した。
【0036】
本発明は、ビル等の一般建築物をはじめ、ダムや防波堤、防潮堤、橋梁、LNGタンク用のハイダイクなどのコンクリート構造物の補強や嵩上げ等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】従来のグラウンドアンカーテンドンをダム構造物に適用する場合の説明図である。
【図2】従来のグラウンドアンカーテンドンの拡大図である。
【図3】本発明の第1実施形態のグラウンドアンカーテンドンをダム構造物に適用した例を示す図である。
【図4】本発明のグラウンドアンカーテンドンの第1の実施形態の説明図である。
【図5】本発明のグラウンドアンカーテンドンの第2の実施形態の説明図である。
【図6】本発明のグラウンドアンカーテンドンにおける保護体の実施形態を示す横断面図である。
【図7】本発明のグラウンドアンカーテンドンにおける防食層を説明する図であり、1つのテンドンの縦断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 結合具
2,22,33 グラウンドアンカーテンドン
23,55,65 緊張材
24,54,64 スペーサー
28,58 グラウト
29,529 止水チューブ
50,80 コンクリート構造物(ダム堤体)
51,61 テンドン
52,82 地盤
53,63,83 アンカー設置孔
524,724 (自由長部における)シース
525 (アンカー体長部における)シース
526,527 防食材
84 堤頂部
85 基礎部
B 境界部
CR アンカー体長部
H 定着部
NR 自由長部
P 保護体
T テンドン本体部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート構造物に用いるグラウンドアンカーテンドンであって、
複数本の緊張材を束ねて構成するテンドンを、アンカー設置孔の中で複数組み合わせて使用することを特徴とするグラウンドアンカーテンドン。
【請求項2】
前記アンカー設置孔の底部側領域に一体固定されるアンカー体長部と、当該アンカー体長部に連続し地表面側がアンカー頭部の定着部に固定される自由長部とを有し、
前記アンカー体長部と前記自由長部との境界に保護体を設けることを特徴とする請求項1に記載のグラウンドアンカーテンドン。
【請求項3】
前記緊張材はエポキシ樹脂で被覆され、
前記アンカー体長部において、前記テンドンの外周部が合成樹脂製シースで被覆され、当該エポキシ樹脂で被覆された前記緊張材と前記合成樹脂製シースとの間に防食材が充填されることを特徴とする請求項1または2に記載のグラウンドアンカーテンドン。
【請求項4】
前記自由長部において、前記エポキシ樹脂で被覆された前記緊張材の外周部がさらに合成樹脂製シースで被覆され、当該エポキシ樹脂で被覆された前記緊張材と前記合成樹脂製シースとの間に防食材が充填されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のグラウンドアンカーテンドン。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−217981(P2007−217981A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−40692(P2006−40692)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(302061613)住友電工スチールワイヤー株式会社 (163)
【Fターム(参考)】