説明

グラフィックメニューバーを操作する方法及び装置、並びにこれらを用いる記録媒体

【課題】タッチスクリーンを有する携帯電子装置に適し、制限されたタッチ領域内で多数のグラフィック項目を操作するのに適したグラフィックメニューバー操作方法及び装置、並びにこれを適用した記録媒体を提供する。
【解決手段】最初に、正の整数であるM個のグラフィック項目が順次に配置されているグラフィックメニューバーを得る。次に、グラフィックメニューバー内の、Mよりも小さい正の整数であるN個のつながったグラフィック項目を表示するために、前記タッチスクリーンを座標軸方向に沿ってN個の表示ブロックに分割する。前記タッチスクリーンが前記表示ブロック内のタッチ信号を検出し、このタッチ信号が第1の変位量に亘って座標軸方向に向けて移動すると、前記タッチスクリーン上に表示されたグラフィックメニューバーを前記座標軸方向とは反対の方向で、前記第1の変位量とM/Nとの積に等しい第2の変位量に亘って移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
最近の生活で迅速に情報交換するために、大きなスペースを占めずに持ち運びに便利な種々の携帯電子装置が益々開発されてきている。例えば、パーソナルデジタルアシスタント(PDA:個人用のデジタル携帯端末)電話機は、従来の通信装置の種々の機能を提供するばかりではなく、ユーザが内蔵のウインドウズ操作システムを介して、文章を書いたり、電子メールを送受したり、ネットワークを閲覧したり、インスタントメッセージ用ソフトウェアを使用したりさせることができる。すなわち、携帯電子装置は電話をかけるばかりではなく、小型のパーソナルコンピュータのような種々の多様な機能を提供するのに用いることができる。無線ネットワーク技術の急速な進歩にともなって、上述した機能の適用は、もはや時間及びスペースにより制限されない。効率を重視する最近の人々にとっては、このような通信装置は必要不可欠なツールの1つとなってきている。
【背景技術】
【0002】
しかし、軽量で、薄肉で、短く且つ小型の携帯電子装置に対する費用条件を考慮すると、装置の容積が極めて制限される。スクリーン及びキーパッドの双方を装置に配置することを目的とする場合には、スクリーンの寸法を減少させる必要がある。制限されたスペース内で大きなスクリーンを構成するために、タッチスクリーンが最近開発された。キーパッドが内部に一体化されたタッチスクリーンは携帯電子装置に対する入力インタフェースとして作用し、従来のキーパッドを構成する費用を節約するとともに占有面積を減少させる。
【0003】
しかし、携帯電子装置におけるタッチスクリーンの寸法は依然として制限されている。これに反し、携帯電子装置の機能はかなり多様化している。ユーザが選択する種々の機能項目を制限されたスクリーン上に表示するために、現在の市場から得られる携帯電話の殆どは、パターン化した操作インタフェースを採用しており、これらの種々の機能が、タッチスクリーン内に配置された小型のアイコンで表示されている。
【0004】
図1は、従来のグラフィック操作インタフェースを示す線図である。この図1を参照するに、グラフィック操作インタフェース100では、タッチスクリーンが複数の表示ブロックに分割されており、これらブロックはそれぞれ、ホーム110、コンタクト(連絡先)120、メッセージ130、Eメール140、カメラ150、音楽プレーヤ160、ブラウザ170、天気180、設定190等のような種々のグラフィック項目を表示するのに用いられる。このようなモードは、ユーザが携帯電子装置の全ての機能を明瞭に見うるようにするが、ユーザが一旦あるグラフィック項目を選択して対応する操作インタフェースに入ると、ユーザは他の機能に切り換えることができず、再度選択するために元のグラフィック操作インタフェース100に戻る以外の選択肢はなく、このことは不便なことである。
【0005】
他の方法では、グラフィック項目を並列につなげて1つのグラフィックメニューバーを生成し、ユーザが異なる機能の中で選択又は切り換えを行うためにこのグラフィックメニューバーをスクリーンの下部に表示し、この下部のグラフィック項目が一旦切り換えられると、上述した操作インタフェースも対応する機能に切り換えられ、このことはユーザが種々の機能を無作為に選択するのに便利である。しかし、スクリーンのスペースが制限されており、従って、グラフィック項目の高さ及び横方向の双方の寸法が制限され、一時にグラフィック項目の一部しか表示できず、ユーザはグラフィックメニューバーを移動させて他のグラフィック項目に切り換える必要がある。しかし、あまりにも多くのグラフィック項目が存在する場合には、ユーザはグラフィックメニューバーを何回も移動させて所望のグラフィック項目に切り換える必要があり、このことは依然として不便なことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、タッチ動作に対応するグラフィックメニューバーの応答を調節することにより、制限されたタッチ領域内で多数のグラフィック項目を操作するのに適したグラフィックメニューバー操作方法を提供することにある。
【0007】
本発明の目的は更に、タッチスクリーンを通るタッチ信号の変位量を検出し、この検出された変位量に応じてグラフィックメニューバー表示モジュールによりグラフィックメニューバーを移動させることにより、グラフィック項目を迅速に選択するのに適するようにしたグラフィックメニューバー操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した又はその他の目的を達成するために、本発明は、タッチスクリーンを有する携帯電子装置に適したグラフィックメニューバー操作方法であって、以下の工程を有する方法を提供する。最初に、順次に配置したM(Mは正の整数)個のグラフィック項目を有するグラフィックメニューバーを得る。次に、グラフィックメニューバーにおけるN個のつながったグラフィック項目を表示するために、タッチスクリーンを座標軸方向に沿ってN個の表示ブロックに分割する。この場合、NをMよりも小さい正の整数とする。タッチスクリーンが表示ブロックにおいてタッチ信号を検出し、この信号が第1の変位量に亘って座標軸方向に向って移動した場合、タッチスクリーン上に表示されたグラフィックメニューバーを第2の変位量に亘って、この座標軸方向とは逆の方向に向けて移動させる。この第2の変位量は、第1の変位量とM/Nとの積に等しくする。
【0009】
本発明の一例では、本発明の方法は更に、タッチスクリーンが表示ブロックにおいてタッチ信号を検出した場合に、タッチ信号が位置するグラフィック項目を拡大表示する工程を有するようにする。
【0010】
本発明の一例では、本発明の方法は更に、タッチ信号が終了した場合に、タッチ信号が位置したグラフィック項目に対応する機能を実行する工程を有するようにする。
【0011】
本発明の一例では、前記座標軸方向が水平方向及び垂直方向の一方を有し、前記携帯電子装置が、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、PDA電話機、ナビゲーション装置、車載PC、UMPC、タブレットPC、ノートブックPCのうちの1つを有するようにする。
【0012】
本発明は更に、グラフィックメニューバーを操作する装置であって、タッチスクリーンと、グラフィックメニューバー生成モジュールと、グラフィックメニューバー表示モジュールとを有する装置を提供する。前記タッチスクリーンは、タッチ信号を検出するのに用いる。前記グラフィックメニューバー生成モジュールは、順次に配置した、正の整数であるM個のグラフィック項目を有するグラフィックメニューバーを生成するのに用いる。前記グラフィックメニューバー表示モジュールは、タッチスクリーンを、座標軸方向に沿ってN個の表示ブロックに分割し、グラフィックメニューバー内のN個のつながったグラフィック項目を表示し、タッチスクリーンにより検出されたタッチ信号に応じてグラフィックメニューバーを移動させるのに用い、前記NをMよりも小さい正の整数とする。タッチスクリーンが表示ブロックにおけるタッチ信号を検出し、このタッチ信号が第1の変位量に亘って座標軸方向に向けて移動する場合、タッチスクリーン上に表示されたグラフィックメニューバーを第2の変位量に亘って、この座標軸方向とは逆の方向に向けて移動させる。この第2の変位量は、第1の変位量とM/Nとの積に等しくする。
【0013】
本発明の例では、前記グラフィックメニューバー表示モジュールが更に、タッチ信号が位置しているグラフィック項目を拡大表示するようにする。
【0014】
本発明は更に、コンピュータプログラムを記録するのに適した記録媒体を提供する。コンピュータプログラムには、複数のプログラムコードが含まれており、これらのプログラムコードは携帯電子装置内にローディングされて、この携帯電子装置が、グラフィックメニューバーを操作する方法を実行するようにする。この方法は、以下の工程を有する。最初に、順次に配置したM(Mは正の整数)個のグラフィック項目を有するグラフィックメニューバーを得る。次に、グラフィックメニューバーにおけるN個のつながったグラフィック項目を表示するために、携帯電子装置のタッチスクリーンを座標軸方向に沿ってN個の表示ブロックに分割する。この場合、NをMよりも小さい正の整数とする。タッチスクリーンが表示ブロックにおいてタッチ信号を検出し、この信号が第1の変位量に亘って座標軸方向に沿って移動した場合、タッチスクリーン上に表示されたグラフィックメニューバーを第2の変位量に亘って前記座標軸方向とは逆の方向に移動させる。この第2の変位量は、第1の変位量とM/Nとの積に等しくする。
【0015】
本発明は、タッチスクリーンを複数の表示ブロックに分割するアーキテクチュアを採用する。タッチ領域の変位量と表示ブロックの変位量との間の対応する関係を調整することにより、ユーザは、制限されたタッチ領域内で多数のグラフィック項目を操作することができ、従って、携帯電子装置を操作させる上での便宜性が高まる。
【0016】
本発明の上述した及びその他の目的、特徴及び利点を一層理解しうるようにするために、以下に添付図面を用いて本発明の好適実施例を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、従来のグラフィック操作インタフェースを示す線図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例によるグラフィックメニューバーを示す線図である。
【図3】図3は、本発明の一実施例による、タッチスクリーン上にグラフィックメニューバーを表示する方法を示す線図である。
【図4】図4は、本発明の一実施例による、グラフィックメニューバー操作方法を示す流れ図である。
【図5】図5は、本発明の一実施例による、グラフィックメニューバー操作方法を示す線図である。
【図6】図6は、本発明の一実施例による、グラフィックメニューバー操作装置を示すブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付図面は本発明を更に理解するためのものであり、この明細書の一部となるものである。これらの図面は、本発明の実施例を示すものであり、明細書中の説明と一緒に本発明の原理を表すものである。
【0019】
添付図面に示す本発明の実施例を以下に詳細に説明する。図面及び明細書において、可能な限り、同じ又は同様な部分を示すのに同じ参照符号を用いている。
【0020】
タッチスクリーンの表示領域は制限されている為、本発明では、最初にグラフィックメニューバーの一部をスクリーン上に表示し、次にタッチスクリーン上のユーザのタッチ動作に応じてグラフィックメニューバーを移動させる。更に、本発明では、人の指によるタッチ動作と人の目の視覚感度との間の差に応じて、このタッチ動作の変位量とグラフィックメニューバーの変位量との間の比例関係を適切に調節し、ユーザが1回のタッチ動作により全てのグラフィック項目を見うるようにし、これにより、所望のグラフィック項目を迅速に閲覧して選択しうるようにする。本発明は、上述した概念に基づいて、グラフィックメニューバーを操作する方法及び装置と、これらを用いた記録媒体とを提供する。本発明の内容をより一層理解しうるようにするために、本発明を実施する一実施例を以下に説明する。
【0021】
図2は、本発明の一実施例によるグラフィックメニューバーを示す線図であり、図3は、本発明の一実施例による、タッチスクリーン上にグラフィックメニューバーを表示する線図である。最初に図2を参照するに、本例では、携帯電子装置の全ての機能を、複数のグラフィック項目を有する1つのグラフィックメニューバー200に表示し、これらは順次に、ホーム210、コンタクト220、メッセージ230、Eメール240、カメラ250、音楽プレーヤ260、ブラウザ270、天気280、設定290である。グラフィックメニューバーのこの内容は一例にすぎず、本発明の範囲を制限するものではない。当業者は、実際の要求に応じて異なる種類の又は異なる個数の表示アイコンをグラフィックメニューバー内に配置することができるものである。
【0022】
図3を参照するに、携帯電子装置が操作されると、グラフィックメニューバー200がタッチスクリーンの下部に表示される。タッチスクリーン300のスペースが制限されている為、例えば、グラフィックメニューバー200の最初の5つのみのグラフィック項目がスクリーン上に表示される。ユーザがあるグラフィック項目(例えば、ホーム210)をクリックすると、携帯電子装置は、このグラフィック項目に対応する機能を実行し、タッチスクリーン300上にこの機能に対する操作インタフェースを表示する。グラフィック項目間の切り換えを考慮するに、本発明は、グラフィックメニューバーの上述した設計のアーキテクチァに基づく対応する操作方法であって、ユーザがグラフィックメニューバーを自動的に移動させて実行すべき機能を閲覧又は選択するのを援助しうるようにする方法を提供するものであり、その一実施例を以下に詳細に説明する。
【0023】
図4は、本発明の一実施例によるグラフィックメニューバー操作方法を示す流れ図である。この図4を参照するに、本例は、タッチスクリーンを有する携帯電子装置に適しており、この携帯電子装置は、例えば、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、PDA電話、ナビゲーション装置、車載PC、UMPC、タブレットPC、ノートブックPCとすることができるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
最初に、グラフィックメニューバーを得る(ステップS410)。このグラフィックメニューバーは、順次に配置した、正の整数であるM個のグラフィック項目を有する。グラフィックメニューバーにおけるグラフィック項目の個数は、例えば、携帯電子装置に内蔵された機能の個数により、又は共通使用機能の個数により、或いはユーザにより決定される。グラフィック項目は、機能に関連するアイコンであって、携帯電子装置の各機能を閲覧するのにユーザにとって有用なアイコンにより表される。例えば、ホームは家のアイコンにより表され、コンタクトは人のアイコンにより表され、Eメールは封筒のアイコンにより表される。
【0025】
次に、携帯電子装置により、タッチスクリーンを座標軸方向に沿ってN個の表示ブロックに分割し、グラフィックメニューバーのN(NはMよりも小さい正の整数)個のつながったグラフィック項目をこれらの表示ブロック内に表示する(ステップS420)。例えば、図3のタッチスクリーンでは、5つのグラフィック項目が表示されている。座標軸方向は、タッチスクリーンの平面を基準にとり、水平方向又は垂直方向としうる。
【0026】
タッチスクリーンは、ユーザが表示ブロックで行ったタッチ動作を、表示ブロックの設定に応じて連続的に検出し、対応するタッチ信号を発生させる。タッチスクリーンが表示ブロックでタッチ信号を検出し、タッチ信号が第1の変位量に亘って座標軸方向に向けて移動することを決定すると、携帯電子装置は、タッチスクリーン上に表示されているグラフィックメニューバーを、第2の変位量に亘って前記座標軸方向とは反対の方向に向けて移動させる(ステップS430)。第2の変位量は、第1の変位量とM/Nとの積に等しい。MはNよりも大きい為、グラフィックメニューバーの移動速度は、ユーザの指がタッチスクリーン上で摺動する速度よりも速く、従って、ユーザは、1回のタッチ動作で全てのグラフィック項目を操作しうる。
【0027】
タッチスクリーンがタッチ信号を検出する度に、携帯電子装置は、タッチ信号が位置しているグラフィック項目を拡大表示するか、他の方法でこのグラフィック項目にマークを付し、これにより、ユーザが、現在タッチした又はクリックしたグラフィック項目、例えば、図3に示すホーム210について思い出すようにすることに注意すべきである。ユーザがタッチスクリーンにタッチし、直ちに離すと、このことはユーザがグラフィック項目を選択することを目的としていることを表している。この時点で、タッチスクリーンにより検出されたタッチ信号が終了し、携帯電子装置はグラフィック項目に対応する機能を実行する。一方、ユーザがタッチスクリーンにタッチして座標軸方向又はそれとは反対方向に向けてドラッグする場合、このことは、ユーザが他のグラフィック項目を閲覧するか他のグラフィック項目に切り換えることを目的としていることを表している。この時点で、携帯電子装置はグラフィックメニューバーをタッチ信号の移動方向とは反対の方向に向けて移動させる。
【0028】
例えば、図5a及び5bは、本発明の一実施例によるグラフィックメニューバー操作方法を示す線図である。最初に、図5aを参照するに、本例では、タッチスクリーン500の幅がLであり、最初の5つのグラフィック項目(全部で9つのグラフィック項目)を予め表示するために、このタッチスクリーン500が5つの表示ブロックに分割されているものと仮定する。この時点で、ユーザがホーム210にタッチし、L/9の距離に亘って右方向に摺動させると、これに対応してグラフィックメニューバーの全体が(L/9)×(9/5)=L/5(すなわち、1つのグラフィック項目の距離)に亘って左方向に移動する。この時点で、例えば、タッチスクリーン500上のホーム210のグラフィック項目が左側から消滅し、(図5(b)に示すように)音楽プレーヤ260のグラフィック項目が右側から現れる。一方、この時点で、タッチ信号の位置はコンタクト220のグラフィック項目上に位置し、従って、携帯電子装置はコンタクト220のグラフィック項目を拡大表示するとともに、このコンタクト220に対応するユーザインタフェースをグラフィックメニューバー200の上方に表示する。
【0029】
更に、本発明の他の実施例では、タッチ信号の位置がコンタクト220のグラフィック項目上に位置すると、最初にコンタクト220のアイコンがグラフィックメニューバー200の上方に表示される。例えば、このアイコンは、テキスト記述、例えば“Contact”と一緒のコンタクト220の拡大グラフィック項目とすることができる。次に、タッチ信号がコンタクト220で終了し、携帯電子装置がこのコンタクト220に対応する機能を実行すると、このコンタクト220のユーザインタフェースがグラフィックメニューバー200の上方に表示される。
【0030】
同様に、ユーザがホーム210から2L/9の距離に亘って右方向に摺動を行うと、これに対応してグラフィックメニューバー200が2L/5の距離に亘って左方向に移動する。この時点で、コンタクト220のグラフィック項目が左側から消滅し、ブラウザ270のグラフィック項目が右側から現れ、以下同様である。ユーザがLの距離に亘って摺動を行うと、グラフィックメニューバー200は最後のグラフィック項目(設定290)まで移動する。要するに、変位量の規定において、グラフィックメニューバーの重みが大きくなると、ユーザは、グラフィックメニューバー200の移動速度が指によるタッチ及びドラッグ速度よりも速いということを視覚的に感じるようにする。
【0031】
更に、上述した実施例では、グラフィックメニューバー200の移動は、ホーム210のグラフィック項目をタッチして右方向に摺動を行うことにより制御したが、本発明の方法は、グラフィックメニューバー200における他のグラフィック項目をタッチして左方向又は右方向に摺動を行うのにも適しており、その操作原理は、上述した実施例の操作原理と同じである為、繰り返して説明しない。
【0032】
他の態様では、本発明は更に、上述した操作方法を実現するための物理装置を有し、その実施例を以下に詳細に説明する。図6は、本発明の実施例によるグラフィックメニューバーを操作する装置を示すブロック線図である。この図6を参照するに、本例の装置600は例えば、携帯電話、PDA、PDA電話機、ナビゲーション装置、車載PC、UMPC、タブレットPC又はノートブックPCである。この装置600は、タッチスクリーン610と、グラフィックメニューバー生成モジュール620と、グラフィックメニューバー表示モジュール630とを有しており、これらのそれぞれの機能を以下に説明する。
【0033】
タッチスクリーン610は、ユーザが行ったタッチ動作を検出して対応するタッチ信号を発生させるのに用いられる。グラフィックメニューバー生成モジュール620は、順次に配置した、正の整数であるM個のグラフィック項目を有するグラフィックメニューバーを生成するのに用いられる。このグラフィックメニューバー生成モジュール620は、ユーザが実行すべき機能を閲覧し選択するために設けられた携帯電子装置の種々の機能を表すグラフィック項目を有するパターン化したグラフィックメニューバーを生成する。
【0034】
更に、グラフィックメニューバー表示モジュール630は、タッチスクリーン610を座標軸方向に沿ってN個の表示ブロックに分割し、グラフィックメニューバーのN個のつながったグラフィック項目をこれらの表示ブロック内に表示し、タッチスクリーン610により検出されたタッチ信号に応じてグラフィックメニューバーを対応するように移動させるようにする。NはMよりも小さい正の整数とする。
【0035】
特に、タッチスクリーン610が表示ブロック内のタッチ信号を検出し、このタッチ信号が第1の変位量に亘って座標軸方向に向けて移動すると、グラフィックメニューバー表示モジュール630が第2の変位量に亘ってこの座標軸方向とは反対の方向に向けてグラフィックメニューバーを移動させる。この第2の変位量は第1の変位量とM/Nとの積に等しい。従って、本例の装置600は、ユーザがグラフィックメニューバーを迅速に移動させてグラフィック項目間で探索を行い、所望の機能を実行しうるようにする。
【0036】
タッチスクリーン610がタッチ信号を検出すると、グラフィックメニューバー表示モジュールは、タッチ信号が位置しているグラフィック項目を拡大表示し、現在タッチしたグラフィック項目をユーザに思い出させるようにする。更に、タッチスクリーン610は、タッチ信号が座標軸方向に向けて移動したか又はこれとは反対の方向に向けて移動したかを検出し、次にグラフィックメニューバー表示モジュール630が、タッチスクリーン610の検出結果に応じて、タッチ信号の移動方向とは反対の方向に向けてグラフィックメニューバーを移動させる。
【0037】
更に、本発明の装置600は、タッチ信号が位置するグラフィック項目に対応するユーザインタフェースをグラフィックメニューバーの上方に表示するための、ユーザインタフェース表示モジュール(図示せず)を有する。或いはまた、ユーザインタフェース表示モジュールは最初に、タッチ信号が位置しているグラフィック項目、例えば、テキスト記述、例えば“Contact”と一緒のコンタクト220の拡大グラフィック項目に対応するアイコンをグラフィックメニューバーの上方に表示する。次に、タッチ信号が終了すると、タッチ信号が位置していたグラフィック項目に対応するユーザインタフェースをグラフィックメニューバーの上方に表示する。他の態様では、本発明の装置600が機能実行モジュールを有し、この機能実行モジュールを、タッチ信号が終了した時点でタッチ信号が位置していたグラフィック項目に対応する機能を実行するために用いる。
【0038】
更に、本発明は、記録媒体(例えば、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及びリムーバブルハードディスク)であって、コンピュータ可読の機関認証プログラムを記録し、グラフィックメニューバーを操作する方法を実行するようにした記録媒体を提供する。ここで、記録媒体に記録された機関認証プログラムは一般に、複数のプログラムコードフラグメント(例えば、組織図の設定のためのプログラムコードフラグメント、承認シートのためのプログラムコードフラグメント、設定プログラムコードフラグメント及び配置プログラムコードフラグメント)より成り、プログラムコードフラグメントの機能は、操作方法のステップ及び操作装置の機能のブロック図に対応する。
【0039】
要するに、本発明の、グラフィックメニューバーを操作する方法及び装置や、これらを用いる記録媒体においては、ユーザがタッチスクリーン上で行ったタッチ動作を検出することにより、グラフィックメニューバーを移動させ、人の指によるタッチ動作と人の目の視覚感度との間の差に応じて、タッチ動作の変位量とグラフィックメニューバーの変位量との間の比例関係を適切に調整し、ユーザが1回のタッチ動作で全てのグラフィック項目を見うるようにして、制限されたタッチ領域内の多数のグラフィック項目を操作し、これによりグラフィック項目を迅速に閲覧及び選択するようにする。
【0040】
当業者にとって明らかなように、本発明の範囲又は精神を逸脱することなく、本発明の構造に種々の変更及び変形を行うことができる。前述したことを考慮するに、本発明は、本発明の変更及び変形例が特許請求の範囲及びその等価の範囲内に入る限り、これらの例に及ぶものである。
【符号の説明】
【0041】
100 グラフィック操作インタフェース
110、210 ホーム
120、220 コンタクト(連絡先)
130、230 メッセージ
140、240 Eメール
150、250 カメラ
160、260 音楽プレーヤ
170、270 ブラウザ
180、280 天気
190、290 設定
200 グラフィックメニューバー
300、500、610 タッチスクリーン
600 装置
620 グラフィックメニューバー生成モジュール
630 グラフィックメニューバー表示モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチスクリーンを有する携帯電子装置に適したグラフィックメニューバーを操作するグラフィックメニューバー操作方法であって、
正の整数であるM個のグラフィック項目が順次に配置されているグラフィックメニューバーを得る工程と、
グラフィックメニューバー内の、Mよりも小さい正の整数であるN個のつながったグラフィック項目を表示するために、前記タッチスクリーンを座標軸方向に沿ってN個の表示ブロックに分割する工程と、
前記タッチスクリーンが前記表示ブロック内のタッチ信号を検出し、このタッチ信号が第1の変位量に亘って座標軸方向に向けて移動すると、前記タッチスクリーン上に表示されたグラフィックメニューバーを前記座標軸方向とは反対の方向で、前記第1の変位量とM/Nとの積に等しい第2の変位量に亘って移動させる工程と
を具えるグラフィックメニューバー操作方法。
【請求項2】
請求項1に記載のグラフィックメニューバー操作方法において、タッチスクリーンが前記表示ブロック内のタッチ信号を検出した場合に、このグラフィックメニューバー操作方法が更に、
タッチ信号が位置しているグラフィック項目に対応するアイコンをグラフィックメニューバーの上方に表示する工程
を有しているグラフィックメニューバー操作方法。
【請求項3】
請求項2に記載のグラフィックメニューバー操作方法において、タッチスクリーンが前記表示ブロック内のタッチ信号を検出した場合に、このグラフィックメニューバー操作方法が更に、
タッチ信号が位置しているグラフィック項目に対応するテキスト記述をグラフィックメニューバーの上方に表示する工程
を有しているグラフィックメニューバー操作方法。
【請求項4】
請求項1に記載のグラフィックメニューバー操作方法において、このグラフィックメニューバー操作方法が更に、
タッチ信号が終了した際に、このタッチ信号が位置していたグラフィック項目に対応する機能を実行する工程
を有するグラフィックメニューバー操作方法。
【請求項5】
携帯電子装置内にローディングされて、この携帯電子装置が請求項1に記載のグラフィックメニューバー操作方法を実行するようにする、複数のプログラムコードを有するコンピュータプログラムを記録するのに適した記録媒体。
【請求項6】
タッチ信号を検出するタッチスクリーンと、
正の整数であるM個のグラフィック項目が順次に配置されているグラフィックメニューバーを生成するためのグラフィックメニューバー生成モジュールと、
前記タッチスクリーンを、座標軸方向に沿って、Mよりも小さい正の整数であるN個の表示ブロックに分割し、前記グラフィックメニューバー内の、N個のつながったグラフィック項目を表示し、前記タッチスクリーンにより検出されたタッチ信号に応じて前記グラフィックメニューバーを移動させるグラフィックメニューバー表示モジュールと
を具えるグラフィックメニューバー操作装置であって、
前記タッチスクリーンが前記表示ブロック内のタッチ信号を検出し、このタッチ信号が第1の変位量に亘って座標軸方向に向けて移動すると、前記タッチスクリーン上に表示されたグラフィックメニューバーを前記座標軸方向とは反対の方向で、前記第1の変位量とM/Nとの積に等しい第2の変位量に亘って移動させるようにしたグラフィックメニューバー操作装置。
【請求項7】
請求項6に記載のグラフィックメニューバー操作装置において、前記グラフィックメニューバー表示モジュールは更に、タッチ信号が位置しているグラフィック項目を拡大表示するようになっているグラフィックメニューバー操作装置。
【請求項8】
請求項6に記載のグラフィックメニューバー操作装置において、このグラフィックメニューバー操作装置が更に、タッチ信号が位置しているグラフィック項目に対応するユーザインタフェースをグラフィックメニューバーの上方に表示するのに用いるユーザインタフェース表示モジュールを具えているグラフィックメニューバー操作装置。
【請求項9】
請求項6に記載のグラフィックメニューバー操作装置において、このグラフィックメニューバー操作装置が更に、タッチ信号が位置しているグラフィック項目に対応するアイコン及びテキスト記述をグラフィックメニューバーの上方に表示するのに用いるユーザインタフェース表示モジュールを具えているグラフィックメニューバー操作装置。
【請求項10】
請求項6に記載のグラフィックメニューバー操作装置において、このグラフィックメニューバー操作装置が更に、タッチ信号が終了した際に、このタッチ信号が位置していたグラフィック項目に対応する機能を実行するのに用いる機能実行モジュールを具えているグラフィックメニューバー操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−266220(P2009−266220A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−92979(P2009−92979)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ウィンドウズ
【出願人】(502160992)宏達國際電子股▲ふん▼有限公司 (97)
【Fターム(参考)】