説明

グラフ表示装置およびプログラム

【課題】グラフ式の係数を予め設定された条件に応じて変化させたグラフを表示させる際に、適切な表示範囲を自動設定してグラフ表示するグラフ表示装置を提供する。
【解決手段】タッチパネル表示部17に表示させた教科書画面PTの陽関数式「Y=(1/2)x」と係数aを含む陰関数式「x+(y−a)=9」とを、電卓エミュレータ画面PEのグラフ式入力エリアETへドラッグ・ドロップして表示させると共に、「共有点」や「接点」あるいは具体的な数値範囲などの前記係数aの範囲を設定するための係数設定情報を前記教科書画面PTからグラフ画像エリアEGへドラッグ・ドロップする。すると、前記係数設定情報に従い設定された係数値範囲に応じて係数aを変化させた場合に、前記陽関数のグラフY1に対して陰関数の動的グラフY2が関係する全てのグラフ描画範囲が含まれるXY座標範囲が計算され、前記グラフ画像エリアEGに順次表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意の関数式に対応するグラフを表示させるためのグラフ表示装置およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、グラフ関数電卓を教育現場で使用し、例えば任意の関数式に対応するグラフを表示させると共に、当該グラフの極大値や極小値などの特徴点を識別表示させたり、前記関数式に含まれる係数を変化させながらグラフを動的に表示させたりして関数を学習することが行われている。
【0003】
従来のグラフ表示制御装置において、表示するグラフの特徴部分(極大値や極小値)を含む最適な範囲に表示座標レンジを自動設定するものが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−250498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、高校の数学問題には、係数を含むグラフ式において、そのグラフ上にある特徴が表れる係数の値の範囲を出題するものがある。
【0006】
この場合、グラフ関数電卓にて当該出題のグラフ式を入力すると共に適当な係数値および表示座標レンジを設定してグラフ化表示させ、この後、係数値および表示座標レンジの設定し直しとグラフ化表示とを順次繰り返しながら、出題の特徴が表れる係数値の範囲を見極める必要があり、非常に煩雑な操作が要求される。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、グラフ式の係数を予め設定された条件に応じて変化させたグラフを表示させる際に、適切な表示範囲を自動設定してグラフ表示することが可能になるグラフ表示装置およびその制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るグラフ表示装置は、係数を含む関数式を入力する式入力手段と、この式入力手段により入力された関数式に含まれる係数の値を設定するための情報を取得する係数設定情報取得手段と、この係数設定情報取得手段により取得された情報に応じて前記関数式に含まれる係数の値の範囲を設定する係数範囲設定手段と、この係数範囲設定手段により設定された係数値の範囲で前記関数式に含まれる係数の値を変化させ当該関数式に対応するグラフを表示画面に表示させる際に、前記係数値の変化に応じて移動する全てのグラフが前記表示画面に表示される座標の範囲を設定する座標範囲設定手段と、この座標範囲設定手段により設定された座標の範囲を前記表示画面に設定し、前記係数値の変化に応じて移動する各グラフを順次表示画面に表示させるグラフ表示手段と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
本発明に係るプログラムは、表示画面を備えた電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、前記コンピュータを、ユーザ操作に応じて係数を含む関数式を入力する式入力手段、この式入力手段により入力された関数式に含まれる係数の値を設定するための情報をユーザ操作に応じて取得する係数設定情報取得手段、この係数設定情報取得手段により取得された情報に応じて前記関数式に含まれる係数の値の範囲を設定する係数範囲設定手段、この係数範囲設定手段により設定された係数値の範囲で前記関数式に含まれる係数の値を変化させ当該関数式に対応するグラフを前記表示画面に表示させる際に、前記係数値の変化に応じて移動する全てのグラフが前記表示画面に表示される座標の範囲を設定する座標範囲設定手段、この座標範囲設定手段により設定された座標の範囲を前記表示画面に設定し、前記係数値の変化に応じて移動する各グラフを順次表示画面に表示させるグラフ表示手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、グラフ式の係数を予め設定された条件に応じて変化させたグラフを表示させる際に、適切な表示範囲を自動設定してグラフ表示することが可能になるグラフ表示装置およびその制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のグラフ表示装置の実施形態に係るグラフ関数電卓のエミュレータを備えたタブレットPC10の電子回路の構成を示すブロック図。
【図2】前記タブレットPC10のグラフ表示処理プログラム12aに従ったグラフ表示処理を示すフローチャート。
【図3】前記タブレットPC10のグラフ表示処理に伴う動的グラフ・係数決定処理を示すフローチャート。
【図4】前記タブレットPC10のグラフ表示処理に従ったタッチパネル式カラー表示部17でのユーザ操作に応じた表示動作(その1)を示す図。
【図5】前記タブレットPC10のグラフ表示処理に従ったタッチパネル式カラー表示部17でのユーザ操作に応じた表示動作(その2)を示す図。
【図6】前記タブレットPC10のグラフ表示処理に従ったタッチパネル式カラー表示部17でのユーザ操作に応じた表示動作(その3)を示す図。
【図7】前記タブレットPC10のグラフ表示処理に従ったタッチパネル式カラー表示部17でのユーザ操作に応じた表示動作(その4)を示す図。
【図8】前記タブレットPC10のグラフ表示処理に従ったタッチパネル式カラー表示部17でのユーザ操作に応じた表示動作(その5)を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明のグラフ表示装置の実施形態に係るグラフ関数電卓のエミュレータを備えたタブレットPC10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0014】
このタブレットPC10は、コンピュータであるCPU11を備えている。
【0015】
CPU11は、メモリ12に記憶されたPC制御プログラム、メモリカードなどの外部記録媒体13から記録媒体読み取り部14を介してメモリ12に読み込まれたPC制御プログラム、インターネットなどの通信ネットワーク上のサーバ装置から外部PC20を経由して、あるいは直接に通信部15を介してメモリ12に読み込まれたPC制御プログラムに従い回路各部の動作を制御する。
【0016】
前記PC制御プログラムとしては、本タブレットPC10の全体の動作を司るOSプログラムの他、Webブラウザ処理、文書作成処理、表計算処理、画像編集処理等の各種アプリケーションプログラム、およびグラフ関数電卓のエミュレーション機能を含んだグラフ表示処理プログラム12aが記憶される。
【0017】
これらのPC制御プログラムは、キー入力部16からのキー入力信号、タッチパネル式カラー表示部17からのタッチ位置検出信号、通信部15により受信される外部機器からの通信信号に応じて起動される。
【0018】
前記メモリ12には、本実施形態のグラフ表示機能の実行に要するグラフ式データメモリ12b、V-Window設定値メモリ12c、教科書データメモリ12d、画面表示データメモリ12eの他、ワークエリア12fが確保される。
【0019】
グラフ式データメモリ12bには、グラフ化すべき関数式のデータが記憶される。
【0020】
V-Window設定値メモリ12cには、グラフ表示範囲となるXY座標の最小最大値(Xmin,Xmax/Ymin,Ymax)および各座標のスケール値が記憶される。
【0021】
教科書データメモリ12dには、外部から読み込まれた学習教材のデータが記憶される。
【0022】
画面表示データメモリ12eには、各種の制御処理に伴いタッチパネル式カラー表示部17に表示させるべき画面データが記憶される。
【0023】
ワークエリア12fには、各種の制御処理に伴いCPU11に入出力される作業用のデータが必要に応じて一時的に記憶される。
【0024】
このように構成されたタブレットPC10は、プロセッサ(CPU)11が前記PC制御プログラムに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べる機能を実現する。
【0025】
次に、前記構成によるタブレットPC10の動作について説明する。
【0026】
図2は、前記タブレットPC10のグラフ表示処理プログラム12aに従ったグラフ表示処理を示すフローチャートである。
【0027】
図3は、前記タブレットPC10のグラフ表示処理に伴う動的グラフ・係数決定処理を示すフローチャートである。
【0028】
図4は、前記タブレットPC10のグラフ表示処理に従ったタッチパネル式カラー表示部17でのユーザ操作に応じた表示動作(その1)を示す図である。
【0029】
図5は、前記タブレットPC10のグラフ表示処理に従ったタッチパネル式カラー表示部17でのユーザ操作に応じた表示動作(その2)を示す図である。
【0030】
図6は、前記タブレットPC10のグラフ表示処理に従ったタッチパネル式カラー表示部17でのユーザ操作に応じた表示動作(その3)を示す図である。
【0031】
図7は、前記タブレットPC10のグラフ表示処理に従ったタッチパネル式カラー表示部17でのユーザ操作に応じた表示動作(その4)を示す図である。
【0032】
図8は、前記タブレットPC10のグラフ表示処理に従ったタッチパネル式カラー表示部17でのユーザ操作に応じた表示動作(その5)を示す図である。
【0033】
本実施形態の動作説明では、例えば、インターネット上のサーバ装置により電子ファイルとして提供されている学習教材データを教科書データメモリ12dに読み込んで利用する。
【0034】
図示しないメニュー画面をタッチ操作することで、グラフ表示処理プログラム12aが起動されると、教科書データメモリ12dに記憶されている教科書データの一覧画面がタッチパネル式カラー表示部17に表示される。
【0035】
前記教科書データの一覧画面において、所望の教科書のページが指定されると(ステップS1)、指定された教科書のページに対応する教科書画面PTがカラー表示部17に全画面表示される(ステップS2)。
【0036】
そして、教科書画面PTに表示された関数の出題を、グラフ関数電卓を利用して解析するために、ユーザ操作に応じて当該グラフ関数電卓のエミュレータの起動が指示されると(ステップS3)、図4(A)に示すように、前記教科書画面PTがカラー表示部17の画面左側に移動されて表示されると共に、電卓エミュレータが起動され、同カラー表示部17の画面右側に電卓機能のメニューを初期表示した電卓エミュレータ画面PEが表示される(ステップS4)。
【0037】
この電卓エミュレータ画面PEの機能メニューにおいて、任意のグラフ式に対応したグラフを描画表示させるためのグラフモードが選択されて実行されると、同電卓エミュレータ画面PEは、上側のグラフ式入力エリアETと下側のグラフ画像エリアEGとに分割されて表示される(ステップS5)。
【0038】
なお、図4(A)に示す教科書画面PTにおいて、[例題][指針][回答][練習]等の各ブロックからなる内容のうち、[指針][回答]のブロックは初期状態において閉じられ、指針見るボタンGB、回答見るボタンABに置き換えられて表示される。
【0039】
ここで、教科書画面PTに表示されている[例題]「放物線y=(1/2)xと円x+(y−a)=9の共有点が4個あるとき、aのとる値の範囲を求めよ。」について、前記グラフ関数電卓のエミュレータを利用して解析すべく、同例題中の第1の関数式「y=(1/2)x」の範囲H1が指定され、電卓エミュレータ画面PEのグラフ式入力エリアETへ矢印D1で示すようにドラッグされドロップされると(ステップS6,S7(Yes))、当該グラフ式入力エリアETの指定行にドロップされた関数式が入力表示され、グラフ式データメモリ12に「Y1:Y=(1/2)x」として記憶設定される(ステップS8)。
【0040】
すると、このグラフ式Y1「Y=(1/2)x」が陰関数の式か否(陽関数の式)かが判断され(ステップS9)、この場合に陽関数の式であると判断されると(ステップS9(No))、図4(B)に示すように、当該陽関数のグラフ式Y1に対応した放物線のグラフY1が、V-Window設定値メモリ12cに初期設定されたXY座標範囲(例えば、X=−7〜7,Y=−4〜4)に従いグラフ画像エリアEGに描画されて表示される(ステップS10)。
【0041】
続いて、前記教科書画面PTに表示されている[例題]中の第2の関数式「x+(y−a)=9」の範囲H2が指定され、電卓エミュレータ画面PEのグラフ式入力エリアETへ矢印D2で示すようにドラッグされドロップされると(ステップS6,S7(Yes))、前記同様にグラフ式入力エリアETの指定行にドロップされた関数式が入力表示され、グラフ式データメモリ12に「Y2:x+(y−a)=9」として記憶設定される(ステップS8)。
【0042】
すると、このグラフ式Y2「x+(y−a)=9」は陰関数の式であると判断され(ステップS9(Yes))、当該陰関数のグラフ式Y2「x+(y−a)=9」は、グラフ描画用の1または複数の陽関数のグラフ式(この場合は「y=a+√(−2x+9)」と「y=a−√(−2x+9)」)に変形され、同グラフ式Y2に対応付けられて内部保持される(ステップS11)。
【0043】
そして、図4(B)に示すように、前記式変形された2つの陽関数のグラフ式「y=a+√(−2x+9)」「y=a−√(−2x+9)」に対応した上半円と下半円からなる円のグラフY2が、前記放物線のグラフY1が描画されたグラフ画像エリアEGに重ねて描画表示される(ステップS10)。
【0044】
なお、前記陰関数のグラフ式から陽関数のグラフ式への変形処理は、前記グラフ表示処理プログラム12a内に式変形の定型パターンを持つことで実現される。
【0045】
次に、図5(C)に示すように、前記教科書画面PTに表示されている[例題]中の係数aを設定するためのキーワード(係数設定情報)である「共有点」の文字範囲H3が指定され、電卓エミュレータ画面PEのグラフ画像エリアEGへ矢印D3で示すようにドラッグされドロップされると(ステップS6(Yes)→S12(Yes))、前記グラフ式データメモリ12bに記憶されグラフ式入力エリアETに表示設定されたグラフ式Y1「Y=(1/2)x」とグラフ式Y2「x+(y−a)=9」の何れかに係数が含まれるか否か判断される(ステップS13)。
【0046】
ここで、陰関数のグラフ式Y2「x+(y−a)=9」に係数aが含まれると判断されると(ステップS13(Yes))、図3における動的グラフ・係数決定処理へ移行される(ステップSA)。
【0047】
この動的グラフ・係数決定処理では、先ず、前記係数設定情報として判断されたキーワードについて、前記係数aが含まれると判断されたグラフ式Y2「x+(y−a)=9」の当該係数aとなる具体的な係数値(係数値の範囲)であるか否か判断される(ステップA1)。
【0048】
ここで、具体的な係数値(範囲)であると判断された場合は(ステップA1(Yes))、該当するグラフ式Y2が動的グラフ(グラフ画像エリアEG上で動かす対象のグラフ)として登録され、同係数値(範囲)がその動きの条件として設定される(ステップA2)。
【0049】
一方、前記係数設定情報として判断されたキーワード「共有点」について、前記グラフ式Y2「x+(y−a)=9」の係数aとなる具体的な係数値(範囲)ではないと判断された場合は(ステップA1(No))、当該キーワードが「共有点」「重なり」「解あり」あるいはその類語に含まれるか否か判断される(ステップA3)。
【0050】
ここで、前記係数設定情報として判断されたキーワードが「共有点」「重なり」「解あり」あるいはその類語に含まれると判断された場合は(ステップA3(Yes))、前記グラフ式データメモリ12bに記憶されグラフ式入力エリアETに表示設定されたグラフ式が複数あるか否か判断される(ステップA4)。
【0051】
そして、前記グラフ式データメモリ12bに記憶されグラフ式入力エリアETに表示設定されたグラフ式Y1「Y=(1/2)x」とY2「x+(y−a)=9」について複数あると判断されると(ステップA4(Yes))、前記係数aを含むグラフ式Y2「x+(y−a)=9」の当該係数値を順次変化させて各グラフY1とY2の描画点が重なる(接触含む)範囲の係数値[−3≦a≦5]が計算(又は内部描画されるグラフ画像から決定)される(ステップA5)。
【0052】
すると、前記図3における動的グラフ・係数決定処理(ステップSA)を抜け、前記係数aを変化させた動的グラフY2が、閉じた陰関数のグラフ(円や楕円等)であるか否か判断される(ステップS14)。
【0053】
ここで、前記係数aを変化させた動的グラフY2について、そのグラフ式「x+(y−a)=9」に基づき閉じた陰関数のグラフ(円や楕円等)であると判断されると(ステップS14(Yes))、当該動的グラフY2の係数aを前記ステップA5にて計算(決定)された範囲[−3≦a≦5]の係数値で変化させた何れの場合も同グラフY2の全体がグラフ画像エリアEGに表示されるXY座標範囲であって、且つ他のグラフY1もその特徴点(この場合は「共有点」)が表示されるXY座標範囲(X=−20〜20,Y=−10〜10)が計算(又は内部描画されるグラフ画像から決定)される(ステップS15)。
【0054】
そして、前記ステップS15にて計算(決定)された新たなXY座標範囲(X=−20〜20,Y=−10〜10)が、前記V-Window設定値メモリ12cに設定された元のXY座標範囲(X=−7〜7,Y=−4〜4)を超えるか否か判断され(ステップS17)、超えると判断された場合は(ステップS17(Yes))、図5(C)に示すように、当該新たなXY座標範囲(X=−20〜20,Y=−10〜10)が前記V-Window設定値メモリ12cに再設定され、これに従い、グラフ画像エリアEGのグラフY1,Y2が再描画される(ステップS18)。
【0055】
すると、前記動的グラフY2のグラフ式「x+(y−a)=9」[変形式「y=a+√(−2x+9)」「y=a−√(−2x+9)」]の係数aを前記ステップA5にて計算(決定)された範囲[−3≦a≦5]の係数値で順次変化させ、図5(D)[a=5]〜図7(G)[a=−3]に示すように、当該動的グラフY2が順番に他のグラフY1と共に描画表示される。この際、前記動的グラフY2のグラフ式「x+(y−a)=9」および変化する係数値[a=5]〜[a=−3]も併せてグラフ画像エリアEGに表示される(ステップS19)。
【0056】
なお、前記グラフ画像エリアEGに表示される動的グラフY2の変化対象となる係数aは、赤色で識別表示される。
【0057】
これにより、陽関数のグラフY1「Y=(1/2)x」に対して、陰関数のグラフY2「x+(y−a)=9」の係数aが[a=5]であるときに2個の共有点、係数aが[3<a<5]であるときに4個の共有点、係数aが[a=3]であるときに3個の共有点、係数aが[3>a>−3]であるときに2個の共有点、係数aが[a=−3]であるときに1個の共有点があることが容易に理解できる。
【0058】
一方、図4(B)で示したように、電卓エミュレータ画面PEのグラフ式入力エリアETにドラッグされドロップされたグラフ式Y1「Y=(1/2)x」とY2「x+(y−a)=9」に対応して、グラフ画像エリアEGにグラフY1とY2が表示された後(ステップS1〜S10)、教科書画面PT内の指針見るボタンGBがタッチされると、図8(H)に示すように、同[例題]における[指針]の内容PTGが表示される(ステップS6(No))。
【0059】
ここで、前記教科書画面PTに表示された[例題]の[指針]PTGにおいて、係数aを設定するための係数設定情報である[−3<a<3]の文字範囲H4が指定され、電卓エミュレータ画面PEのグラフ画像エリアEGへ矢印D4で示すようにドラッグされドロップされると(ステップS6(Yes)→S12(Yes))、前記同様にグラフ式入力エリアETに表示設定された陰関数のグラフ式Y2「x+(y−a)=9」に係数aが含まれると判断され(ステップS13(Yes))、図3における動的グラフ・係数決定処理へ移行される(ステップSA)。
【0060】
すると、該当するグラフ式Y2が動的グラフとして登録され、その係数設定情報[−3<a<3]が動きの範囲として設定される(ステップA1(Yes)→A2)。
【0061】
ここで、前記同様に動的グラフY2について陰関数のグラフ(円や楕円等)であると判断されると(ステップS14(Yes))、当該動的グラフY2の係数aを前記ステップA2にて設定された範囲[−3<a<3]の係数値で変化させた何れの場合も同グラフY2の全体がグラフ画像エリアEGに表示されるXY座標範囲であって、且つ他のグラフY1もその特徴点(この場合は「共有点」)が表示されるXY座標範囲が計算(又は内部描画されるグラフ画像から決定)される(ステップS15)。
【0062】
この場合、前記図5(D)[a=5]〜図7(G)[a=−3]で示したように、前記陽関数「Y=(1/2)x」のグラフY1と前記陰関数「x+(y−a)=9」の動的グラフY2とが重なる(接触含む)係数値aの全範囲[−3≦a≦5]に応じて計算(決定)されたグラフ画像エリアEGの元のXY座標範囲(X=−20〜20,Y=−10〜10)に比較して、今回の係数値範囲[−3<a<3]に応じて計算されたXY座標範囲は超えないと判断されるので(ステップS17(No))、V-Window設定値メモリ12cに既に設定されている現在のXY座標範囲に対する再設定処理(ステップS18)は実行されない。
【0063】
すると、前記動的グラフY2のグラフ式「x+(y−a)=9」[変形式「y=a+√(−2x+9)」「y=a−√(−2x+9)」]の係数aを前記[指針]PTGからドラッグ・ドロップした範囲[−3<a<3]の係数値で順次変化させ、当該動的グラフY2が順番に他のグラフY1と共に表示される。この際、前記動的グラフY2のグラフ式「x+(y−a)=9」および変化する係数値[a=−3]〜[a=3]も併せてグラフ画像エリアEGに表示される(ステップS19)。
【0064】
なお、図8(H)では、動的グラフY2のグラフ式「x+(y−a)=9」の係数値aが[a=3]〜[a=−3]で順次変化されてそのグラフY2が表示される過程において、[a=−2]の時点での表示状態を示している。
【0065】
これにより、陽関数のグラフY1「Y=(1/2)x」に対して、陰関数のグラフY2「x+(y−a)=9」の係数aが[−3<a<3]であるときに2個の共有点があることを容易に理解できる。
【0066】
この後さらに、教科書画面PT内の回答見るボタンABがタッチされると、図8(I)に示すように、同[例題]における[回答]の内容PTAが表示される(ステップS6(No))。
【0067】
ここで、前記教科書画面PTに表示された[例題]の[回答]PTAにおいて、係数aを設定するための係数設定情報である[3<a<5]の文字範囲H5が指定され、電卓エミュレータ画面PEのグラフ画像エリアEGへ矢印D5で示すようにドラッグされドロップされると(ステップS6(Yes)→S12(Yes))、前記同様にグラフ式入力エリアETに表示設定された陰関数のグラフ式Y2「x+(y−a)=9」に係数aが含まれると判断され(ステップS13(Yes))、図3における動的グラフ・係数決定処理へ移行される(ステップSA)。
【0068】
すると、該当するグラフ式Y2が動的グラフとして登録され、その係数設定情報[3<a<5]が動きの範囲として設定される(ステップA1(Yes)→A2)。
【0069】
ここで、前記同様に動的グラフY2について陰関数のグラフ(円や楕円等)であると判断されると(ステップS14(Yes))、当該動的グラフY2の係数aを前記ステップA2にて設定された範囲[3<a<5]の係数値で変化させた何れの場合も同グラフY2の全体がグラフ画像エリアEGに表示されるXY座標範囲であって、且つ他のグラフY1もその特徴点(この場合は「共有点」)が表示されるXY座標範囲が計算(又は内部描画されるグラフ画像から決定)される(ステップS15)。
【0070】
この場合も、前記図5(D)[a=5]〜図7(G)[a=−3]で示したように、前記陽関数「Y=(1/2)x」のグラフY1と前記陰関数「x+(y−a)=9」の動的グラフY2とが重なる(接触含む)係数値aの全範囲[−3≦a≦5]に応じて計算(決定)されたグラフ画像エリアEGの元のXY座標範囲(X=−20〜20,Y=−10〜10)に比較して、今回の係数値範囲[3<a<5]に応じて計算されたXY座標範囲は超えないと判断されるので(ステップS17(No))、V-Window設定値メモリ12cに既に設定されている現在のXY座標範囲に対する再設定処理(ステップS18)は実行されない。
【0071】
すると、前記動的グラフY2のグラフ式「x+(y−a)=9」[変形式「y=a+√(−2x+9)」「y=a−√(−2x+9)」]の係数aが前記[回答]PTAからドラッグ・ドロップした範囲[3<a<5]の係数値で順次変化され、当該動的グラフY2が順番に他のグラフY1と共に表示される。この際、前記動的グラフY2のグラフ式「x+(y−a)=9」および変化する係数値[a=3]〜[a=5]も併せてグラフ画像エリアEGに表示される(ステップS19)。
【0072】
なお、図8(I)では、動的グラフY2のグラフ式「x+(y−a)=9」の係数値aが[a=3]〜[a=5]で順次変化されてそのグラフY2が表示される過程において、[a=5]の時点での表示状態を示している。
【0073】
この後、例えば前記同様に電卓エミュレータ画面PEのグラフ式入力エリアETに陽関数のグラフ式「Y=(1/2)x」と係数aを含む陰関数のグラフ式「x+(y−a)=9」が入力されて表示され、グラフ画像エリアEGに各対応するグラフY1とY2とが表示された状態で(ステップS1〜S10)、教科書画面PTからドラッグ・ドロップされた係数設定情報が(ステップS12,S13,SA)、具体的な係数値ではなく(ステップA1(No))、また、「共有点」「重なり」「解あり」等の類語である各グラフY1,Y2間で関わりある広い範囲の係数値が予想されるキーワードでもなく(ステップA3(No))、「接する」「解1つ」等の類語である各グラフY1,Y2間で関わりある限定的範囲の係数値が予想されるキーワードである場合は(ステップA6(Yes))、前記係数aを含むグラフ式Y2「x+(y−a)=9」の当該係数値を順次変化させて各グラフY1とY2の描画点が接する範囲の係数値[a=−3]が計算(又は内部描画されるグラフ画像から決定)される(ステップA7,A8)。
【0074】
ここで、前記同様に動的グラフY2について陰関数のグラフ(円や楕円等)であると判断されると(ステップS14(Yes))、当該動的グラフY2の係数aを前記ステップA8にて設定された係数値[a=−3]にした場合の同グラフY2の全体がグラフ画像エリアEGに表示されるXY座標範囲であって、且つ他のグラフY1もその特徴点(この場合は「接点」)が表示されるXY座標範囲が計算(又は内部描画されるグラフ画像から決定)される(ステップS15)。
【0075】
この場合も、前記図5(D)[a=5]〜図7(G)[a=−3]で示したように、前記陽関数「Y=(1/2)x」のグラフY1と前記陰関数「x+(y−a)=9」の動的グラフY2とが重なる(接触含む)係数値aの全範囲[−3≦a≦5]に応じて計算(決定)されたグラフ画像エリアEGの元のXY座標範囲(X=−20〜20,Y=−10〜10)に比較して、今回の係数値[a=3]に応じて計算されたXY座標範囲は超えないと判断されるので(ステップS17(No))、V-Window設定値メモリ12cに既に設定されている現在のXY座標範囲に対する再設定処理(ステップS18)は実行されない。
【0076】
すると、前記動的グラフY2のグラフ式「x+(y−a)=9」[変形式「y=a+√(−2x+9)」「y=a−√(−2x+9)」]の係数aが前記教科書画面PTからドラッグ・ドロップした係数設定情報のキーワード「接する/解1つ」に応じた係数値[a=−3]に設定され、例えば図7(G)のグラフ画像エリアEGに示すように、同グラフY2が他のグラフY1と共に表示される。この際、前記動的グラフY2のグラフ式「x+(y−a)=9」および係数値[a=−3]も併せてグラフ画像エリアEGに表示される(ステップS19)。
【0077】
これにより、陽関数のグラフY1「Y=(1/2)x」に対して、陰関数のグラフY2「x+(y−a)=9」の係数aが[a=−3]であるときに唯一の接点があることを容易に理解できる。
【0078】
さらにこの後、例えば前記同様に電卓エミュレータ画面PEのグラフ式入力エリアETに陽関数のグラフ式「Y=(1/2)x」と係数aを含む陰関数のグラフ式「x+(y−a)=9」が入力されて表示され、グラフ画像エリアEGに各対応するグラフY1とY2とが表示された状態で(ステップS1〜S10)、教科書画面PTからドラッグ・ドロップされた係数設定情報が(ステップS12,S13,SA)、具体的な係数値ではなく(ステップA1(No))、「離れた」「接触しない」「解なし」等の類語である各グラフY1,Y2が関わらない範囲の係数値となるキーワードである場合は(ステップA9(Yes))、前記係数aを含むグラフ式Y2「x+(y−a)=9」の当該係数値を順次変化させて各グラフY1とY2の描画点が離れる範囲の係数値[a<−3][5<a]が計算(又は内部描画されるグラフ画像から決定)される(ステップA10,A11)。
【0079】
ここで、前記同様に動的グラフY2について陰関数のグラフ(円や楕円等)であると判断されると(ステップS14(Yes))、当該動的グラフY2の係数aを前記ステップA11にて設定された範囲[a<−3][5<a]の係数値で変化させた何れの場合も同グラフY2の全体がグラフ画像エリアEGに表示されるXY座標範囲であって、且つ他のグラフY1もその特徴点(この場合は「最近接点」)が表示されるXY座標範囲が計算(又は内部描画されるグラフ画像から決定)される(ステップS15)。
【0080】
なお、ここでの係数aの範囲は、下方向が[a<−3]で“−3”より小さい無限小、上方向が[5<a]で“5”より大きい無限大となるが、無限方向に加わる係数値は予め所定値(例えば“±3”)に規定されるので、グラフY1に対し動的グラフY2が離れる当該係数aの範囲は、例えば[−6<a<−3][5<a<8]に設定される。
【0081】
この場合は、前記図5(D)[a=5]〜図7(G)[a=−3]で示したように、前記陽関数「Y=(1/2)x」のグラフY1と前記陰関数「x+(y−a)=9」の動的グラフY2とが重なる(接触含む)係数値aの全範囲[−3≦a≦5]に応じて計算(決定)されたグラフ画像エリアEGの元のXY座標範囲(X=−20〜20,Y=−10〜10)に比較して、今回の係数値範囲[−6<a<−3][5<a<8]に応じて計算されたXY座標範囲は超えると判断されるので(ステップS17(Yes))、V-Window設定値メモリ12cに設定されている現在のXY座標範囲は前記ステップS15にて新たに計算されたXY座標範囲(例えば、X=−20〜20,Y=−15〜15)に再設定される(ステップS18)。
【0082】
すると、前記動的グラフY2のグラフ式「x+(y−a)=9」[変形式「y=a+√(−2x+9)」「y=a−√(−2x+9)」]の係数aを前記教科書画面PTからドラッグ・ドロップした係数設定情報のキーワード「離れた/接触しない/解なし」に応じた範囲[−6<a<−3]→[5<a<8]の係数値で順次変化させ、当該動的グラフY2が順番に他のグラフY1と共に表示される。この際も、前記動的グラフY2のグラフ式「x+(y−a)=9」および変化する係数値[a=−6〜−3][a=5〜8]が順次併せてグラフ画像エリアEGに表示される(ステップS19)。
【0083】
これにより、陽関数のグラフY1「Y=(1/2)x」に対して、陰関数のグラフY2「x+(y−a)=9」の係数aが[a<−3][5<a]であるときは常に接点なしであることを容易に理解できる。
【0084】
一方、前記教科書画面PTからドラッグ・ドロップされた係数設定情報に応じて係数値の範囲が計算(決定)(ステップSA)された動的グラフYnが、陰関数のグラフ(円や楕円等)ではなく陽関数のグラフ(三次曲線等)であると判断されると(ステップS14(No))、当該動的グラフYnの係数を前記ステップSAにて計算された係数値の範囲で変化させた何れの場合も同グラフYnの特徴点(極大/極小点等)がグラフ画像エリアEGに表示されるXY座標範囲であって、且つ他のグラフYmもその特徴点(「共有点」又は「接点」又は「最近接点」)が表示されるXY座標範囲が計算(又は内部描画されるグラフ画像から決定)される(ステップS16)。
【0085】
すると前記同様に、今回計算(決定)されたグラフ画像エリアEGのXY座標範囲が元のXY座標範囲を超えたか否かに応じて(ステップS17)、その再設定処理(ステップS18)が実行又は省略され、前記動的グラフYnのグラフ式(例えば三次関数式)の係数を前記教科書画面PTからドラッグ・ドロップされた係数設定情報に応じた係数値の範囲で順次変化させ、当該動的グラフYnが順番に他のグラフYmと共に表示される(ステップS19)。
【0086】
これにより、他のグラフYmに対する、動的グラフYnの前記係数設定情報に応じた係数の変化とその種々の特徴点の関係とを容易に理解できる。
【0087】
したがって、前記構成のタブレットPC10によるグラフ表示機能によれば、タッチパネル式カラー表示部17に表示させた教科書画面PTに記述されている陽関数式「Y=(1/2)x」と係数aを含む陰関数式「x+(y−a)=9」とを、関数電卓エミュレータ画面PEのグラフ式入力エリアETへドラッグ・ドロップして表示させると共に、「共有点」や「接点」あるいは具体的な係数値範囲[−3<a<5]などの前記係数aの範囲を設定するための情報[係数設定情報]を前記教科書画面PTからグラフ画像エリアEGへドラッグ・ドロップする。すると、前記[係数設定情報]に従い設定された係数値の範囲に応じて係数aを変化させた場合に、前記陽関数のグラフY1に対して陰関数の動的グラフY2が関係する全てのグラフ描画範囲が含まれるXY座標範囲が計算又は内部描画されるグラフ画像から決定され、前記グラフ画像エリアEGに順次表示される。
【0088】
このため、グラフ式の係数を予め設定された条件に応じて変化させたグラフを表示させる際に、適切な表示範囲を自動設定してグラフ表示することができる。
【0089】
なお、前記実施形態のグラフ表示処理(ステップS17,S18)では、新たに設定されたグラフ表示範囲(XY座標範囲)が元のグラフ表示範囲を超えない場合に、グラフ画像エリアEGに対する当該グラフ表示範囲(XY座標範囲)の再設定処理を省略する構成としたが、新たなグラフ表示範囲が元のグラフ表示範囲と異なる場合は、その都度、再設定処理する構成としてもよい。
【0090】
また、前記実施形態では、主に、陽関数のグラフ式Y1「Y=(1/2)x」と陰関数のグラフ式Y2「x+(y−a)=9」とをグラフ化表示の対象とした場合について説明したが、当然ながらグラフ式はこれに限らず、ある条件によってグラフ式の係数を変化させた動的グラフを順次表示する際に、当該動的グラフの全体を表示させるためのグラフ表示範囲(XY座標範囲)を自動設定することができる。
【0091】
前記各実施形態において記載したタブレットPC10による各処理の手法、すなわち、図2のフローチャートに示すグラフ表示処理、図3のフローチャートに示す前記グラフ表示処理に伴う動的グラフ・係数決定処理での各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリ・カード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記録媒体(13)に格納して配布することができる。そして、タッチパネル式表示部(17)を備えたコンピュータは、この外部記録媒体(13)に記憶されたプログラムを記録媒体読み取り部(14)によって読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記各実施形態において説明したグラフ表示機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0092】
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク上を伝送させることができ、この通信ネットワークに接続された表示部を有するコンピュータ端末の通信部(15)によって前記のプログラムデータを取り込み、前述したグラフ表示機能を実現することもできる。
【0093】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【0094】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0095】
[1]
係数を含む関数式を入力する式入力手段と、
この式入力手段により入力された関数式に含まれる係数の値を設定するための情報を取得する係数設定情報取得手段と、
この係数設定情報取得手段により取得された情報に応じて前記関数式に含まれる係数の値の範囲を設定する係数範囲設定手段と、
この係数範囲設定手段により設定された係数値の範囲で前記関数式に含まれる係数の値を変化させ当該関数式に対応するグラフを表示画面に表示させる際に、前記係数値の変化に応じて移動する全てのグラフが前記表示画面に表示される座標の範囲を設定する座標範囲設定手段と、
この座標範囲設定手段により設定された座標の範囲を前記表示画面に設定し、前記係数値の変化に応じて移動する各グラフを順次表示画面に表示させるグラフ表示手段と、
を備えたことを特徴とするグラフ表示装置。
【0096】
[2]
前記係数を含む関数式は、閉じた曲線のグラフに対応した陰関数の関数式であって、
前記座標範囲設定手段は、前記係数範囲設定手段により設定された係数値の範囲で前記陰関数の関数式に含まれる係数の値を変化させ当該関数式に対応するグラフを表示画面に表示させる際に、前記係数値の変化に応じて移動する全てのグラフの全体が前記表示画面に表示される座標の範囲を設定する、
ことを特徴とする[1]に記載のグラフ表示装置。
【0097】
[3]
前記係数を含む関数式は、閉じた曲線以外のグラフに対応した陽関数の関数式であって、
前記座標範囲設定手段は、前記係数範囲設定手段により設定された係数値の範囲で前記陽関数の関数式に含まれる係数の値を変化させ当該関数式に対応するグラフを表示画面に表示させる際に、前記係数値の変化に応じて移動する全てのグラフの特徴点が前記表示画面に表示される座標の範囲を設定する、
ことを特徴とする[1]に記載のグラフ表示装置。
【0098】
[4]
前記式入力手段は、係数を含む関数式と含まない関数式とを入力し、
前記係数設定情報取得手段は、前記式入力手段により入力された係数を含む関数式に対応するグラフと係数を含まない関数式に対応するグラフとの関係を示すキーワードを取得し、
前記係数範囲設定手段は、前記係数設定情報取得手段により取得されたキーワードに応じた前記係数を含む関数式のグラフと係数を含まない関数式のグラフとの関係が表れる同係数を含む関数式の係数値の範囲を設定し、
前記座標範囲設定手段は、前記係数範囲設定手段により設定された係数値の範囲で前記係数を含む関数式の係数値を変化させ同関数式に対応するグラフと共に前記係数を含まない関数式に対応するグラフを表示画面に表示させる際に、前記係数値の変化に応じて移動する全てのグラフと共に前記係数を含まない関数式に対応する他のグラフが前記キーワードに応じたグラフ間の関係を持って前記表示画面に表示される座標の範囲を設定し、
前記グラフ表示手段は、前記座標範囲設定手段により設定された座標の範囲を前記表示画面に設定し、前記係数値の変化に応じて移動する各グラフを順次表示画面に表示させると共に前記係数を含まない関数式に対応する他のグラフを同表示画面に表示させる、
ことを特徴とする[1]に記載のグラフ表示装置。
【0099】
[5]
教材テキストを前記表示画面に表示させる教材表示手段を備え、
前記式入力手段は、前記教材表示手段により表示された教材テキスト内の関数式をユーザ操作に応じてコピー・ペーストして入力し、
前記係数設定情報取得手段は、前記式入力手段により入力された関数式に含まれる係数の値を設定するための情報を、前記教材表示手段により表示された教材テキスト内からユーザ操作に応じてコピー・ペーストして取得する、
ことを特徴とする[1]ないし[4]の何れかに記載のグラフ表示装置。
【0100】
[6]
表示画面を備えた電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
ユーザ操作に応じて係数を含む関数式を入力する式入力手段、
この式入力手段により入力された関数式に含まれる係数の値を設定するための情報をユーザ操作に応じて取得する係数設定情報取得手段、
この係数設定情報取得手段により取得された情報に応じて前記関数式に含まれる係数の値の範囲を設定する係数範囲設定手段、
この係数範囲設定手段により設定された係数値の範囲で前記関数式に含まれる係数の値を変化させ当該関数式に対応するグラフを前記表示画面に表示させる際に、前記係数値の変化に応じて移動する全てのグラフが前記表示画面に表示される座標の範囲を設定する座標範囲設定手段、
この座標範囲設定手段により設定された座標の範囲を前記表示画面に設定し、前記係数値の変化に応じて移動する各グラフを順次表示画面に表示させるグラフ表示手段、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0101】
10 …タブレットPC
11 …CPU
12 …メモリ
12a…グラフ表示処理プログラム
12b…グラフ式データメモリ
12c…V-Window設定値メモリ
12d…教科書データメモリ
12e…画面表示データメモリ
12f…ワークエリア
13 …外部記録媒体
14 …記録媒体読み取り部
15 …通信部
16 …キー入力部
17 …タッチパネル式カラー表示部
20 …外部PC/関数電卓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
係数を含む関数式を入力する式入力手段と、
この式入力手段により入力された関数式に含まれる係数の値を設定するための情報を取得する係数設定情報取得手段と、
この係数設定情報取得手段により取得された情報に応じて前記関数式に含まれる係数の値の範囲を設定する係数範囲設定手段と、
この係数範囲設定手段により設定された係数値の範囲で前記関数式に含まれる係数の値を変化させ当該関数式に対応するグラフを表示画面に表示させる際に、前記係数値の変化に応じて移動する全てのグラフが前記表示画面に表示される座標の範囲を設定する座標範囲設定手段と、
この座標範囲設定手段により設定された座標の範囲を前記表示画面に設定し、前記係数値の変化に応じて移動する各グラフを順次表示画面に表示させるグラフ表示手段と、
を備えたことを特徴とするグラフ表示装置。
【請求項2】
前記係数を含む関数式は、閉じた曲線のグラフに対応した陰関数の関数式であって、
前記座標範囲設定手段は、前記係数範囲設定手段により設定された係数値の範囲で前記陰関数の関数式に含まれる係数の値を変化させ当該関数式に対応するグラフを表示画面に表示させる際に、前記係数値の変化に応じて移動する全てのグラフの全体が前記表示画面に表示される座標の範囲を設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のグラフ表示装置。
【請求項3】
前記係数を含む関数式は、閉じた曲線以外のグラフに対応した陽関数の関数式であって、
前記座標範囲設定手段は、前記係数範囲設定手段により設定された係数値の範囲で前記陽関数の関数式に含まれる係数の値を変化させ当該関数式に対応するグラフを表示画面に表示させる際に、前記係数値の変化に応じて移動する全てのグラフの特徴点が前記表示画面に表示される座標の範囲を設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のグラフ表示装置。
【請求項4】
前記式入力手段は、係数を含む関数式と含まない関数式とを入力し、
前記係数設定情報取得手段は、前記式入力手段により入力された係数を含む関数式に対応するグラフと係数を含まない関数式に対応するグラフとの関係を示すキーワードを取得し、
前記係数範囲設定手段は、前記係数設定情報取得手段により取得されたキーワードに応じた前記係数を含む関数式のグラフと係数を含まない関数式のグラフとの関係が表れる同係数を含む関数式の係数値の範囲を設定し、
前記座標範囲設定手段は、前記係数範囲設定手段により設定された係数値の範囲で前記係数を含む関数式の係数値を変化させ同関数式に対応するグラフと共に前記係数を含まない関数式に対応するグラフを表示画面に表示させる際に、前記係数値の変化に応じて移動する全てのグラフと共に前記係数を含まない関数式に対応する他のグラフが前記キーワードに応じたグラフ間の関係を持って前記表示画面に表示される座標の範囲を設定し、
前記グラフ表示手段は、前記座標範囲設定手段により設定された座標の範囲を前記表示画面に設定し、前記係数値の変化に応じて移動する各グラフを順次表示画面に表示させると共に前記係数を含まない関数式に対応する他のグラフを同表示画面に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のグラフ表示装置。
【請求項5】
教材テキストを前記表示画面に表示させる教材表示手段を備え、
前記式入力手段は、前記教材表示手段により表示された教材テキスト内の関数式をユーザ操作に応じてコピー・ペーストして入力し、
前記係数設定情報取得手段は、前記式入力手段により入力された関数式に含まれる係数の値を設定するための情報を、前記教材表示手段により表示された教材テキスト内からユーザ操作に応じてコピー・ペーストして取得する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のグラフ表示装置。
【請求項6】
表示画面を備えた電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
ユーザ操作に応じて係数を含む関数式を入力する式入力手段、
この式入力手段により入力された関数式に含まれる係数の値を設定するための情報をユーザ操作に応じて取得する係数設定情報取得手段、
この係数設定情報取得手段により取得された情報に応じて前記関数式に含まれる係数の値の範囲を設定する係数範囲設定手段、
この係数範囲設定手段により設定された係数値の範囲で前記関数式に含まれる係数の値を変化させ当該関数式に対応するグラフを前記表示画面に表示させる際に、前記係数値の変化に応じて移動する全てのグラフが前記表示画面に表示される座標の範囲を設定する座標範囲設定手段、
この座標範囲設定手段により設定された座標の範囲を前記表示画面に設定し、前記係数値の変化に応じて移動する各グラフを順次表示画面に表示させるグラフ表示手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−45147(P2013−45147A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180481(P2011−180481)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】