説明

グリコサミノグリカンの固定化方法、検出方法および検出用溶液セット

【課題】 簡易な手段によってグリコサミノグリカン(GAG)を検出する方法を提供すること。
【解決手段】 GAGの固定化は、GAG溶液に金属イオンを添加し(Step1)、金属イオン添加GAG溶液をシリカ基板などの固体媒体上に滴下移行させ(Step2)、ついで乾燥させる(Step3)過程から構成する。固体媒体上の遊離GAGは溶離液によって除去し(Step4)、残存したGAGを適宜の方法にて観察、測定する(Step5)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はグリコサミノグリカンの固定化方法、検出方法および検出用溶液セットに係り、特に、簡易な手段によって高精度かつ短時間にグリコサミノグリカン(以下、「GAG」と略記することがある)の検出、選択的検出および定量を可能とする、GAGの固定化方法、検出方法および検出用溶液セットに関する。
【背景技術】
【0002】
グリコサミノグリカンは親水性が非常に強い陰イオン性の多糖である。二糖の繰り返し構造を持ち、コンドロイチン4-硫酸(以下、「Ch4S」と略記することがある)、コンドロイチン6-硫酸(以下、「Ch6S」と略記することがある)、デルマタン硫酸(以下、「DS」と略記することがある)などが知られている。これらは生体中では、軟骨、皮膚、角膜などに存在して水分の保持や弾力性を担っており、GAGが配合された点眼薬やサプリメント等が既に市販されている。GAGを水溶液から単離・精製するためには、GAGの陰イオン性官能基と結合するような陽イオンを添加して難溶性として沈殿させる。そのために、塩化セチルピリジウム(CPC)や臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムが使用される。この他にも、陽イオン性色素のAlcian BlueやToluidine Blueがプロテオグリカンの沈殿生成に、Pb(II)塩とCu(II)塩がデルマタン硫酸(DS)とムコケラタン硫酸の沈殿生成に、さらにBa(II)塩が細胞顆粒中GAGの沈殿生成に使用されている。これらの反応は、Pb(II)塩がイズロン酸含量の高いDSに対して沈殿生成するのを除けば、非選択的な反応である。
【0003】
CPCを含浸したニトロセルロース製メンブランは、GAGの固定化とAlcian BlueやToluidine Blueによる検出に使用されている。しかし、メンブラン調製、固定化、染色の各操作が煩雑であり、また選択性もない。Alcian Blue−GAG錯体は陽電荷を帯びたポリビニリデンフルオリド製メンブランに、ろ過により捕集されるが、ここでも選択性は期待できない。
【0004】
また、脂質と結合したオリゴ糖がニトロセルロース製メンブラン上にマイクロアレイ状に固定化されたとの報告もあるが、これはタンパク質との相互作用を観察するためのものであり、GAG検出が目的ではなく、当然GAG検出もなされない。
【0005】
また、スペルミンとグルタルアルデヒドで処理したポリスチレン製マイクロプレートにヒアルロン酸(以下、「HA」と略記することがある)を共有結合的に結合させ、これにアグリカンと遊離のHAを含む溶液を添加すると、プレートに結合させたHAへのアグリカンの結合を遊離のHAが阻害するので、結合したアグリカンを定量すれば間接的に遊離のHAを定量できる(非特許文献1)。しかし、プレート上のHAとアグリカンの反応に一晩必要であり、分析に長時間を要する。
【0006】
これと同様のマイクロプレートが、ビオチンで標識したコンドロイチン4-硫酸(b-Ch4S)の固定化に用いられてもいる。b-Ch4Sのプレートへの結合は静電的なものなので、遊離のGAGによって阻害される。したがって、この阻害作用を利用してGAGの定量が可能である(非特許文献2)。ここで、阻害作用は硫酸基の結合量が多いコンドロイチンとヘパラン硫酸が最も強く、続いてCh4SとDSが同程度、HAとケラタン硫酸は同程度であるが最も弱い。しかし、Ch4SとDSとの分別はできていない。なお、Ch4SとDSの分離は電気泳動により可能であるが、これは相当長時間を要するものである。
【0007】
【非特許文献1】Grigoreas,G.H.A.,Anagnostides,S.Th.and Vynios,D.H.(2003)A solid-phase assay for the quantitative analysis of hyaluronic acid at the nanogram level. Anal.Biochem.,320,179-184.
【非特許文献2】Vynios,D.H.,Faraos,A.,Spyracopoulou,G.,Aletras,A.J. and Tsiganos,C.P.(1999) A solid-phase assay for quantitative analysis of sulfated glycosaminoglycans at the nanogram level.Application to tissue samples. J.Pharm.Biomed.Anal.,21,859-865.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のように従来、GAGについては種々の分離方法が開発されてきた。しかしながら、従来の方法はいずれも、操作に長時間を要したり、あるいは操作手順が煩雑であり、さらに検出の選択性に乏しいものであった。特に硫酸化GAG相互を選択的に検出、定量できる方法は、未だに明らかにされていない。
【0009】
また、従来のGAG固定化方法はいずれも、有機陽イオンと疎水性イオンの会合体を形成することに基づくものであり、したがって選択性に乏しい上、固定化するための固体基板も有機ポリマー製のメンブランやプレートであり、調製や操作性の点で、分離・抽出・生成・検出に必ずしも適切な基板ではなかった。GAGは、健康食品への添加やある種の疾病における存在率の変動に基づく臨床診断の指標としても有用であり、生産管理用、臨床診断用の簡便な検出方法が求められている。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点を除き、簡易な手段によってグリコサミノグリカンを固体媒体上に操作性よく固定することができ、高精度かつ短時間でのGAGの検出、選択的検出および定量を可能とする、GAGの固定化方法、検出方法および検出用溶液セットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明者は上記課題について検討した。具体的には、従来沈殿生成に使用されてはいるが固体媒体への固定化が試みられていない各種金属イオンの固体媒体への固定化について網羅的に検討し、その結果、特定の多価金属イオンをGAGの固定化に用いることに基づいて上記課題の解決が可能であることを見出した。さらに、La3+とDSのような、特定の金属イオンと特定のGAGとの相互作用が存在することを見出し、本発明に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
【0012】
(1) グリコサミノグリカン(GAG)溶液に金属イオンを添加して金属イオン添加グリコサミノグリカン溶液とし、該金属イオン添加グリコサミノグリカン溶液を固体媒体上に移行させ、ついでこれを乾燥させることによって、グリコサミノグリカンを該固体媒体上に固定化する、グリコサミノグリカン固定化方法。
(2) 前記グリコサミノグリカンは、硫酸化グリコサミノグリカンであることを特徴とする、(1)に記載のグリコサミノグリカン固定化方法。
(3) 前記金属イオンに係る元素は、Al、Sc、Ga、Y、Zr、In、La、Yb、Luの少なくともいずれか一つであることを特徴とする、(2)に記載のグリコサミノグリカン固定化方法。
(4) 前記固体媒体はシリカであることを特徴とする、(2)または(3)に記載のグリコサミノグリカン固定化方法。
(5) 前記金属イオン添加グリコサミノグリカン溶液の移行は、前記固体媒体上に該金属イオン添加グリコサミノグリカン溶液を滴下させて液滴を形成させるものであることを特徴とする、(2)ないし(4)のいずれかに記載のグリコサミノグリカン固定化方法。
(6) 前記乾燥は、前記固体媒体上に形成された前記液滴の頂点から該固体媒体に向かう溶質の拡散流を自然に生起させるために、自然乾燥とすることを特徴とする、(5)に記載のグリコサミノグリカン固定化方法。
【0013】
(7) グリコサミノグリカン溶液に金属イオンを添加して金属イオン添加グリコサミノグリカン溶液とし、該金属イオン添加グリコサミノグリカン溶液を固体媒体上に移行させ、ついでこれを乾燥させることによってグリコサミノグリカンを該固体媒体上に固定化し、該固体媒体上に固定化されずに残っている遊離のグリコサミノグリカンを溶離液によって除去して固定化されたグリコサミノグリカンのみが残った状態とすることを特徴とする、グリコサミノグリカン検出方法。
(8) 前記金属イオンに係る元素は、Al、Sc、Ga、Y、Zr、In、La、Yb、Luの少なくともいずれか一つであり、検出目的が特定グリコサミノグリカンの選択的検出であるか否かにより、また該特定グリコサミノグリカンの如何により、添加する一または複数の金属イオン種類を特定することを特徴とする、(7)に記載のグリコサミノグリカン検出方法。
(9) 前記固定化されたグリコサミノグリカンの観察または測定は、予め被検グリコサミノグリカンを蛍光色素その他適宜の方法により標識しておくか、または前記固体媒体上にて発色処理することにより行うことを特徴とする、(8)に記載のグリコサミノグリカン検出方法。
(10) 前記金属イオンにLa3+を用いることにより、各種硫酸化グリコサミノグリカン混合系の中からデルマタン硫酸を選択的に検出可能とすることを特徴とする、(8)または(9)に記載のグリコサミノグリカン検出方法。
(11) 前記金属イオンにSc3+およびLa3+を用い、溶離液による遊離グリコサミノグリカン除去処理を2段階として、後段階の溶離液にはLa3+を用いることにより、各種硫酸化グリコサミノグリカン混合系の中からコンドロイチン6-硫酸を選択的に検出可能とすることを特徴とする、(9)または(10)に記載のグリコサミノグリカン検出方法。
【0014】
(12) 前記固定化されたグリコサミノグリカンの観察または測定のために予め被検グリコサミノグリカンを蛍光色素により標識しておき、測定される蛍光の明度と被検グリコサミノグリカン濃度の関係に基づき定量も併せて可能であることを特徴とする、(8)ないし(11)のいずれかに記載のグリコサミノグリカン検出方法。
(13) 被検グリコサミノグリカン溶液に添加するための、Al、Sc、Ga、Y、Zr、In、La、Yb、Luのうち二以上の金属イオンについてそれぞれ個別に準備された金属イオン含有添加溶液と、これにより金属イオンの添加された被検グリコサミノグリカン溶液を移行させた固体媒体上に固定化されずに残った遊離のグリコサミノグリカンを除去するための溶離液とを備えてなることを特徴とする、グリコサミノグリカン検出用溶液セット。
(14) 下記〈A〉に示す各溶液と、〈B〉〜〈C〉の少なくともいずれか一つに示す溶液とを備えてなることを特徴とする、請求項13に記載のグリコサミノグリカン検出用溶液セット。
〈A〉
〈A1〉硫酸化グリコサミノグリカンの一斉検出に使用可能なZr4+イオン含有添加溶液。
〈A2〉遊離グリコサミノグリカンの除去処理が1段階で可能な場合に使用可能な、金属イオンが含有されていない溶離液。
〈B〉デルマタン硫酸の選択的検出に使用可能なLa3+イオン含有添加溶液。
〈C〉〈C1〉コンドロイチン6-硫酸の選択的検出に使用可能なSc3+イオン含有添加溶液、および、
〈C2〉コンドロイチン6-硫酸の選択的検出の際、遊離グリコサミノグリカンの除去処理の後段階で使用可能なLa3+イオン含有溶離液。
【発明の効果】
【0015】
本発明のグリコサミノグリカンの固定化方法、検出方法および検出用溶液セットは上述のように構成されるため、これによれば、簡易な手段によってグリコサミノグリカンを固体媒体上に操作性よく固定することができ、高精度かつ短時間でのGAGの検出、優れた選択的検出、および定量が可能となる。特に硫酸化GAGについては、これらを相互に選択的に検出でき、定量することができる。固定化するための固体基板も有機ポリマー製ではなくシリカを用いることができるため、固体媒体の調製や取扱いの点でも便利である。その上、検出は簡易的な蛍光観察で可能である点も便利である。GAGは、健康食品への添加やある種の疾病における存在率の変動に基づく臨床診断の指標としても有用であり、生産管理用、臨床診断用の簡便な検出方法を、本発明は提供することができる。
【0016】
従来の分離方法に対する優位性をより具体的に述べると、本発明は金属イオンを用いるため、従来のように脂質やタンパク質を介した結合よりも熱的に安定であり、経時変化も少ない方法、キットを提供することができる。また金属イオンの種類による選択性があり、選択的検出に便利である。また、有機陽イオン使用のGAG固定化では、基板調製、固定化、染色の各操作が煩雑な上、過剰の試薬を除去する必要があるが、本発明方法では、金属イオン自体は吸収・蛍光を持つものではないため、固定化に要する時間も10分程度であって、迅速な検出、定量を行うことができる。また、電気泳動法では高圧電源の準備、支持電解質やアガロースゲル等の支持体の調製が必要であるが、本発明方法では、典型的な例ではシリカ基板1枚があれば足り、しかも自然乾燥中に起こる液滴中の溶液の流れを利用するものであり、分析結果を目視観察することも可能であり、きわめて簡便である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を、図面により詳細に説明する。
図1は、本発明のグリコサミノグリカン固定化方法および検出方法の基本的構成例を示すフロー図である。図に例示するように、本発明のGAGの固定化方法は、GAG溶液に金属イオンを添加して金属イオン添加GAG溶液とする第1過程(Step1)、金属イオン添加GAG溶液を固体媒体上に移行させる第2過程(Step2)、ついでこれを乾燥させる第3過程(Step3)から、基本的に構成される。フロー図中例示の通り、Step1での金属イオン添加は溶液状態にて好適になすことができる。またStep2では、固体媒体としてシリカ基板などの無機質固体基板を好適に用い、移行は滴下により行うものとすることができる。
【0018】
かかるフローにより、まずStep1では、被検GAG溶液に金属イオンが添加されて金属イオン添加GAG溶液となる。ついでStep2で、金属イオン添加GAG溶液は固体媒体上に移行させられる。そしてStep3でこれが乾燥されて、GAGは固体媒体上に固定化される。Step3における乾燥は、滴下されて形成された液滴における溶質挙動を自然な状態で維持するため、自然乾燥とすることが望ましい。
【0019】
本発明のGAG固定化方法では、前記金属イオンに係る元素を、Al、Sc、Ga、Y、Zr、In、La、Yb、Luの少なくともいずれか一つとすることができる。つまり、固定化に用いる金属イオンとしては、特定のものが効果がある。これは実施例に後述する通り、25種の元素についてその金属イオンを網羅的に検討した結果、明らかにしたものである。中でも後述するように、選択的検出が不要で一斉検出する場合、多くのGAGを固定化したい場合には、Zr4+、Sc3+、Al3+、などを添加するのがよい。また、DSの選択的検出にはLa3+を添加するのがよい。
【0020】
固体媒体はとしてはシリカ基板を好適に用いることができる。これによれば、GAG固定化方法、さらには検出方法を簡易迅速に行うことのできるチップを構成することもできる。
【0021】
前述の通り、金属イオン添加GAG溶液の移行は、固体媒体上に金属イオン添加GAG溶液を滴下させて液滴を形成させることによって、良好な結果を得ることができる。これは、液滴における溶質の挙動に基づくものである。つまり、乾燥によって液滴では、金属イオンとGAGが高度に濃縮され、固体媒体上の官能基も関与した相互作用が生じる。水分の蒸発は液滴の頂点で優先的であると考えられ、その結果、頂点付近の濃度が局所的に上昇する。このため、液滴頂点から固体媒体に向かう溶質の拡散流が生じる。
【0022】
このとき、金属イオンの中には固体媒体表面に保持されているものもあると考えられ、この金属イオンとの相互作用が弱いGAGにおいては最終的に外縁に濃縮されて、乾燥後は溶質が外縁部に主として存在し、逆に強い相互作用を有するGAGは液滴の広い領域に亘って保持され、乾燥後は溶質は全体的に存在することになる。つまり、乾燥後の残存溶質のパターン(形状)もまた、検出GAG同定には有益なものであり、本発明のGAG検出方法はこの保持された溶質(GAG)の観察・測定をもって行うものであるため、自然乾燥が望ましいとするものである。
【0023】
図1は、本発明のグリコサミノグリカン検出方法の基本的構成例をも示すフロー図であるが、該検出方法では、上述の固定化過程(Step1〜3)に続いて、固体媒体上に固定化されずに残っている遊離のGAGを溶離液によって除去して固定化されたGAGのみが残った状態とする第4過程(Step4)が付加される。さらに、このようにして残存した検出対象GAGを適宜の方法にて観察、測定する過程(Step5)が設けられる。
【0024】
かかるフローにより、Step4では、固体媒体上に固定化されずに残っている遊離のGAGが溶離液によって除去されて固定化されたGAGのみが残った状態になる。溶離液が、Step3で乾燥された金属イオン添加GAG溶液のスポットに対して滴下されると、遊離のGAGは溶離液に溶離するので、直ちにこれをろ紙等によって吸い取ることによって、遊離GAGを固体媒体上から除去することができる。溶離液には、簡便には水を用いることができるが、これに限定されない。
【0025】
Step5ではこのようにして残存した検出対象GAGが適宜の方法にて観察、測定される。Step5における固定化されたGAGの観察または測定は、予め被検GAGを蛍光色素その他適宜の方法により標識しておくか、または前記固体媒体上にて発色処理することにより、簡易に行うことができる。また実施例に詳述する通り、本発明GAG検出方法では、検出目的が特定GAGの選択的検出であるか否かにより、また特定GAGが具体的に何であるかにより、添加する一または複数の金属イオン種類を特定して行う。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の実施例として、シリカ基板上での簡易なGAG検出法の確立を目的として行った金属イオンとGAGとの選択的相互作用の探索・検討過程を、詳細に説明する。しかしながら、本発明が以下の実施例に限定されるものではない。
<1 実験方法>
実験したGAGはCh4S、Ch6SおよびDSである。Ch4S、Ch6SおよびDSは還元的アミノ化反応により7-アミノ-4-メチルクマリンで蛍光標識し、それぞれ0.17、0.33および0.17mgml−1水溶液として用いた。金属イオンとの相互作用の探索は、各種金属イオンを含むGAG溶液1μlをシリカ基板(20X20mm)上に滴下し、これを自然乾燥(10〜15分間)させた後、5μlの溶離液をスポットして、ろ紙でこの溶離液を吸収したとき、シリカ基板上にGAGが固定されて残存するか否かを観察することにより行った。
【0027】
図2に、本発明のGAG固定化方法および検出方法の開発のために行った実験方法の手順を示す。図示するように、滴下、乾燥、溶離液吸収の各処理を経たシリカ基板を写真撮影し、最後に撮影写真を画像処理ソフト(Photoshop(登録商標))を用いて画像処理(RGB系からLab表色系への変換)を行った。蛍光の観察はハンディーUVランプ(λ=365nm)で行った。また、写真撮影の際はUVランプを黄色セロハンで覆って行った。
【0028】
GAG溶液の調製は、
1.5μlGAG溶液:緩衝溶液=8:2 (対照)
2.5μlGAG溶液:金属イオンを含む緩衝溶液=8:2 (試料) とした。用いた緩衝溶液の組成は下記の通りである。
pH7.0:0.02M CHCOONH
pH5.0:0.02M CHCOONH+0.02M CHCOOH
pH2.4:0.02M CHClCOONH+0.02M CHClCOOH
pH1.9:0.02M CHClCOOH+0.05M HCI
また、2.で試験した金属イオンおよび濃度は下記の通りである。
0.25M Ca2+溶液
5×10−3M Zn2+、Cu2+、Ni2+、Ba2+、Sr2+、Y3+、La3+、Ce3+、Pr3+、Eu3+、Ho3+、Yb3+、Lu3+、Ti4+、Zr4+、V4+、 Cr3+、Al3+、Fe3+、Ga3+、Au3+、In3+、Mo6+溶液
2×10−2 M Sc3+溶液
なお、必要に応じてNaOHを添加した。
【0029】
また、溶離液の組成は、
1.水:緩衝溶液=8:2
2.水:金属イオンを含む緩衝溶液=8:2 とした。緩衝溶液および金属イオンは、上述の通りである。
【0030】
図2−2は、実験において基板上への金属イオン添加GAG溶液の滴下位置を示す側面視の説明図である。図示するように、本実験ではすべて、左からCh4S、DS、Ch6Sの順にスポットした。後出の各観察画像もすべて、この順である。
【0031】
<2 GAGと金属イオンの相互作用>
上述方法により、各種金属イオンについて、GAGとの相互作用の如何を調べた。二価金属イオン6種、三価金属イオン13種など合わせて25種の金属イオンについて検討した。その結果、GAGが捕捉され、特定のGAGとの間における選択性が見られた金属は、Sc、Y、La、YbおよびLuであった。GAGが捕捉されたが選択性がみられなかった金属は、Al、Ga、ZrおよびInであった。また、GAGが捕捉されなかった金属は、Ca、Ti、V、Cr、Fe、Ni、Cu、Zn、Sr、Mo、Ba、Au、Ce、Pr、EuおよびHoであった。結局、二価のアルカリ土類金属イオンや遷移金属イオンではGAGは残存しなかった。
以上より、Al、Ga、ZrおよびInはGAGの一斉検出に、またSc、Y、La、YbおよびLuは個別のGAGの選択的検出に有効であることが明らかとなった。
【0032】
<3 シリカ基板の検討>
GAGの固定化、検出に適する固体媒体を明らかにするため、シリカ基板およびこれに各種処理を施したものについて、その固定化状態を試験した。使用したシリカ基板の種類は、次の通りである。
1.未処理のシリカプレート
2.ゾル−ゲル後のシリカプレート
3.金属イオン担持シリカプレート
ここで試料溶液に用いた金属イオンは、Sc3+、Y3+、La3+、Yb3+およびLu3+である。Sc3+は濃度4X10−3M、pH1.9、その他は濃度1X10−3M、pH5.0とした。なお、金属イオン濃度はGAG溶液と混合後の濃度である(以下も同様)。
【0033】
図3は、種々のシリカ基板を用いて行った実験の結果を示す観察画像図である。各画像図とも、スポット位置は左から順に、Ch4S、DS、Ch6Sである(以下の画像図でも同様である)。図示されるように、各種処理を施したシリカ基板においては、一部の金属について、未処理シリカよりも固定化がより顕著になされるなど、GAGの固定化、一斉検出および選択的検出用途として有用である可能性が示唆された。しかしながら、未処理シリカ基板であっても概ね充分な蛍光強度により固定化が観察されており、金属イオンの選択にもよるが、本発明での使用が充分に可能であることが明らかとなった。以下の各実験では、未処理シリカ基板を用いることとした。
【0034】
<4 乾燥過程の観察>
図4は、実験において液滴の乾燥過程を追跡した観察画像図である。緩衝溶液、および金属イオンを添加した2種の試料溶液について検討した。縦方向に示された時間は、スポットした時点からの経過時間である。図示されるように、自然乾燥過程は大体12分間あれば充分であることが明らかとなった。また、図には明示していないが、スポットの乾燥後の痕跡は、種類によってリング状になる場合と円盤状になるものがあり、後者の方がより相互作用が強いものと推察された。後述するDSの選択的検出も、単に観察、測定、元素定性分析されるか否かだけではなく、このような溶質残存パターンの相違を利用して行うことができる。
【0035】
<5 GAGの一斉検出方法>
一斉検出に適することを明らかにした数種の金属イオンのうち、観察される蛍光強度が特に強い一つであるZr4+を用いて、改めて試験した。試料溶液は、金属イオン濃度1X10−3M、またpH1.5とした。
図5は、Zr4+を用いてGAGの一斉検出が可能であることを示す観察画像図である。図示されるように、Ch4S、DS、Ch6Sのいずれについても、視認上は特段の差異なく観察・測定に充分な蛍光強度が得られ、Zr4+を用いたGAGの一斉検出が可能であることが改めて示された。
【0036】
図6は、Zr4+を用いた場合におけるGAG固定の特徴を示すEPMA(電子プローブマイクロアナライザー)による線分析グラフである。本分析は、特定の金属イオンを用いた固定化によりGAGが固定されたシリカ基板を試料として、基板上における該金属イオンの分布をEPMAを用いて分析することによって、観察により確認された各金属イオンのGAG固定化の特徴を、元素分析面から検証するものである。線分析は、基板上の各スポットを横断する線上にて行った。グラフの縦軸は所定測定条件による検出X線強度(cps)、横軸は距離(mm)である。グラフ中の両端矢印は、その上方に記載されたGAG種のスポット範囲を示すものである。
【0037】
その結果、図示されるように、Ch6Sではスポットの中心部−外縁部の全域に亘ってZrが検出され、一方DSとCh4Sではスポットの外縁部においてZrがより検出された。このように、GAGの種類によって金属分布には相違も観られたが、いずれにせよ各GAGが、特に選択性なく一斉にかつ充分に固定されたことが示された。
【0038】
図7は、Zr4+を用いたGAGの定量分析に用いる検量線の例を示すグラフである。Zr4+を用いた一斉検出では、蛍光標識された各試料の観察結果に基づき得られるL値(明度)は、GAG濃度に依存することが明らかとなった。したがって、図示したような検量線を用いて、L値からGAG濃度の定量分析が可能であることが明らかとなった。
【0039】
なお、検量線の回帰式は下記の通りである(xの単位はmgml−1)。分子量はそれぞれ、Ch4S(34kD)、DS(32kD)、Ch6S(64kD)であるため、傾きもほぼそれに対応している。
Ch4S
y=1.28*10x+55.5
r=0.9979
DS
y=1.53*10x+3.85
r=0.9917
Ch6S
y=6.18*10x+4.86
r=0.9982
【0040】
<6 DSの選択的検出方法>
選択的検出に適することを明らかにした数種の金属イオンのうち、特にDS検出に適すると考えられるLa3+を用いて試験した。試料溶液は、pHを、2.4、4.0、5.0、7.0と変えて、DSの選択的検出に適する条件の探索も試みた。
図8は、La3+を用いてDSの選択的検出が可能であることを示す観察画像図である。特にpH5.0では、Ch4SおよびCh6Sは観察されず、一方DSのみは観察・測定に充分な蛍光強度が得られ、La3+を用いたDSの選択的検出が可能であることが改めて示された。
【0041】
図9は、La3+を用いた場合におけるGAG固定の特徴を示すEPMAによる線分析グラフである。分析方法は<5>と同様である。その結果、図示されるように、Ch6SとCh4Sではスポットの外縁部においてごくわずかなLaの検出が認められるのみだったが、DSではスポットの中心-外縁全域に亘ってLaが相当強度にて検出された。すなわち元素分析においても、La3+を用いたDSの選択的検出が可能であることが示された。
【0042】
図10は、La3+を用いたDSの定量分析に用いる検量線の例を示すグラフである。La3+を用いたDS検出では、L値はGAG濃度に依存することが明らかとなり、図示したような検量線を用いて、L値からGAG濃度の定量分析が可能であることが明らかとなった。
【0043】
<7 Ch6Sの選択的検出方法>
選択的検出に適することを明らかにした数種の金属イオンのうち、特にCh6S検出に適すると考えられるSc3+、La3+の組合せを用いて試験した。まず、Ch6SとDSの両者を固定することのできる金属イオンSc3+と、DSのみを選択的に固定できるLa3+の両者を含む試料溶液を調製して、所定通り基板上に滴下し、金属イオンを含まない通常の溶離液である溶離液1を用いて溶離処理し、Ch6SとDSを基板上に保持した。ついで、DSのみを選択的に固定・検出できる金属イオンであるLa3+を含む溶離液2を用いた溶離処理によって、基板上に保持されているDSをLa3+に捕捉させ、La3+を溶離液2側に移行させてこれを除去することによってDSも同時に除去し、もって基板上にCh6Sのみを残すことを試みた。試料溶液、溶離液の詳細は下記の通りである。
試料溶液 4X10−3M Sc3+:1X10−3M La3+:GAG = 1:1:8(pH 1.9 )
溶離液1 pH 1.9緩衝溶液
溶離液2 pH 1.9緩衝溶液 + La3+
【0044】
図11−1は、Sc3+、La3+それぞれを単独で用いた場合のGAG固定の特徴を示す観察画像図である。(A)がSc3+、(B)がLa3+である。また、
図11−2は、Sc3+、La3+を用いてCh6Sの選択的検出が可能であることを示す観察画像図である。これらに図示されるように、本方法によってCh4SおよびDSはまったく観察されず、Ch6Sのみが観察された。
【0045】
図12は、Sc3+およびLa3+を用いて行ったCh6Sの選択的検出状況を示すEPMAによる線分析グラフである。分析方法は<5>と同様である。その結果、図示されるように、第2段階的に溶離処理されたLaは、DS位置にまったく検出されず、またCh6SとDS位置に検出されるはずのScも、Ch6S位置においてのみ検出され、DS位置には検出されなかった。したがって、上述の方法によって、Ch6Sの選択的検出が可能であることが明らかとなった。
【0046】
すなわち本実験では、単独の金属イオンのみでは選択的検出ができないGAGであっても、GAG固定特性の異なる複数の金属イオンを用い、さらにいったん基板上に固定されたGAGをこれと相互作用のある金属イオンを含む溶離液により除去する技術を組み合わせることによって、選択的検出の可能な場合があることが示された。
【0047】
したがって、DS、Ch6Sの各選択的検出の例のように、GAG固定特性の異なる複数の金属イオンの単独溶液、あるいは混合溶液と、いったん基板上に固定されたGAGを除去するための、所定のGAG固定特性(相互作用)を有する金属イオンを含む溶離液を揃えることによって、簡易にGAGの選択的検出や定量分析、あるいは一斉検出や定量分析が可能なキットを構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明のグリコサミノグリカンの固定化方法、検出方法および検出用溶液セットによれば、簡易な手段によってグリコサミノグリカンを固体媒体上に操作性よく固定することができ、高精度かつ短時間でのGAGの検出、優れた選択的検出、および定量が可能となる。GAGについては上述の通り、健康食品への添加やある種の疾病における臨床診断などにおいても有用であり、生産管理用、臨床診断用の簡便な検出キットを本発明により実現することも可能であるため、関連する複数の産業分野において利用価値が高い発明である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明のグリコサミノグリカン固定化方法および検出方法の基本的構成例を示すフロー図である。
【図2】本発明のGAG固定化方法および検出方法の開発のために行った実験方法の手順を示す説明図である。
【図2−2】実験において基板上への金属イオン添加GAG溶液の滴下位置を示す側面視の説明図である。
【図3】種々のシリカ基板を用いて行った実験の結果を示す観察画像図である。
【図4】実験において液滴の乾燥過程を追跡した観察画像図である。
【図5】Zr4+を用いてGAGの一斉検出が可能であることを示す観察画像図である。
【図6】Zr4+を用いた場合におけるGAG固定の特徴を示すEPMAによる線分析グラフである。
【図7】Zr4+を用いたGAGの定量分析に用いる検量線の例を示すグラフである。
【図8】La3+を用いてDSの選択的検出が可能であることを示す観察画像図である。
【図9】La3+を用いた場合におけるGAG固定の特徴を示すEPMAによる線分析グラフである。
【図10】La3+を用いたDSの定量分析に用いる検量線の例を示すグラフである。
【図11−1】Sc3+、La3+それぞれのGAG固定の特徴を示す観察画像図である。(A)がSc3+、(B)がLa3+である。
【図11−2】Sc3+、La3+を用いてCh6Sの選択的検出が可能であることを示す観察画像図である。
【図12】Sc3+およびLa3+を用いて行ったCh6Sの選択的検出状況を示すEPMAによる線分析グラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリコサミノグリカン溶液に金属イオンを添加して金属イオン添加グリコサミノグリカン溶液とし、該金属イオン添加グリコサミノグリカン溶液を固体媒体上に移行させ、ついでこれを乾燥させることによって、グリコサミノグリカンを該固体媒体上に固定化する、グリコサミノグリカン固定化方法。
【請求項2】
前記グリコサミノグリカンは、硫酸化グリコサミノグリカンであることを特徴とする、請求項1に記載のグリコサミノグリカン固定化方法。
【請求項3】
前記金属イオンに係る元素は、Al、Sc、Ga、Y、Zr、In、La、Yb、Luの少なくともいずれか一つであることを特徴とする、請求項2に記載のグリコサミノグリカン固定化方法。
【請求項4】
前記固体媒体はシリカであることを特徴とする、請求項2または3に記載のグリコサミノグリカン固定化方法。
【請求項5】
前記金属イオン添加グリコサミノグリカン溶液の移行は、前記固体媒体上に該金属イオン添加グリコサミノグリカン溶液を滴下させて液滴を形成させるものであることを特徴とする、請求項2ないし4のいずれかに記載のグリコサミノグリカン固定化方法。
【請求項6】
前記乾燥は、前記固体媒体上に形成された前記液滴の頂点から該固体媒体に向かう溶質の拡散流を自然に生起させるために、自然乾燥とすることを特徴とする、請求項5に記載のグリコサミノグリカン固定化方法。
【請求項7】
グリコサミノグリカン溶液に金属イオンを添加して金属イオン添加グリコサミノグリカン溶液とし、該金属イオン添加グリコサミノグリカン溶液を固体媒体上に移行させ、ついでこれを乾燥させることによってグリコサミノグリカンを該固体媒体上に固定化し、該固体媒体上に固定化されずに残っている遊離のグリコサミノグリカンを溶離液によって除去して固定化されたグリコサミノグリカンのみが残った状態とすることを特徴とする、グリコサミノグリカン検出方法。
【請求項8】
前記金属イオンに係る元素は、Al、Sc、Ga、Y、Zr、In、La、Yb、Luの少なくともいずれか一つであり、検出目的が特定グリコサミノグリカンの選択的検出であるか否かにより、また該特定グリコサミノグリカンの如何により、添加する一または複数の金属イオン種類を特定することを特徴とする、請求項7に記載のグリコサミノグリカン検出方法。
【請求項9】
前記固定化されたグリコサミノグリカンの観察または測定は、予め被検グリコサミノグリカンを蛍光色素その他適宜の方法により標識しておくか、または前記固体媒体上にて発色処理することにより行うことを特徴とする、請求項8に記載のグリコサミノグリカン検出方法。
【請求項10】
前記金属イオンにLa3+を用いることにより、各種硫酸化グリコサミノグリカン混合系の中からデルマタン硫酸を選択的に検出可能とすることを特徴とする、請求項8または9に記載のグリコサミノグリカン検出方法。
【請求項11】
前記金属イオンにSc3+およびLa3+を用い、溶離液による遊離グリコサミノグリカン除去処理を2段階として、後段階の溶離液にはLa3+を用いることにより、各種硫酸化グリコサミノグリカン混合系の中からコンドロイチン6-硫酸を選択的に検出可能とすることを特徴とする、請求項9または10に記載のグリコサミノグリカン検出方法。
【請求項12】
前記固定化されたグリコサミノグリカンの観察または測定のために予め被検グリコサミノグリカンを蛍光色素により標識しておき、測定される蛍光の明度と被検グリコサミノグリカン濃度の関係に基づき定量も併せて可能であることを特徴とする、請求項8ないし11のいずれかに記載のグリコサミノグリカン検出方法。
【請求項13】
被検グリコサミノグリカン溶液に添加するための、Al、Sc、Ga、Y、Zr、In、La、Yb、Luのうち二以上の金属イオンについてそれぞれ個別に準備された金属イオン含有添加溶液と、これにより金属イオンの添加された被検グリコサミノグリカン溶液を移行させた固体媒体上に固定化されずに残った遊離のグリコサミノグリカンを除去するための溶離液とを備えてなることを特徴とする、グリコサミノグリカン検出用溶液セット。
【請求項14】
下記〈A〉に示す各溶液と、〈B〉〜〈C〉の少なくともいずれか一つに示す溶液とを備えてなることを特徴とする、請求項13に記載のグリコサミノグリカン検出用溶液セット。
〈A〉
〈A1〉硫酸化グリコサミノグリカンの一斉検出に使用可能なZr4+イオン含有添加溶液。
〈A2〉遊離グリコサミノグリカンの除去処理が1段階で可能な場合に使用可能な、金属イオンが含有されていない溶離液。
〈B〉デルマタン硫酸の選択的検出に使用可能なLa3+イオン含有添加溶液。
〈C〉〈C1〉コンドロイチン6-硫酸の選択的検出に使用可能なSc3+イオン含有添加溶液、および、
〈C2〉コンドロイチン6-硫酸の選択的検出の際、遊離グリコサミノグリカンの除去処理の後段階で使用可能なLa3+イオン含有溶離液。


【図1】
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【図7】
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【図10】
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【図2】
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【図2−2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−248340(P2007−248340A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−74078(P2006−74078)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年2月7日 青森県国立大学法人弘前大学主催の「都市エリア産学官連携促進事業−プロテオグリカン応用研究プロジェクト−平成17年度成果報告会」において文書をもって発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年2月15日〜16日 国立大学法人弘前大学理工学部物質理工学科主催の「平成17年度修士論文最終試験(発表会)」において文書をもって発表
【出願人】(504229284)国立大学法人弘前大学 (162)
【Fターム(参考)】