グルテンフリーベーカリー製品
【課題】製造されたグルテンフリーの焼いた物品を従来のコムギ粉含有ベーカリー製品のテクスチャーによりよく似せるように機能する製品に対するニーズに応える。
【解決手段】本発明は、湿熱処理されたフラワーを含んでなるフラワー/澱粉成分を含んでなるグルテンフリーのベーカリー製品に関する。このようなベーカリー製品は、他のグルテンフリー製品よりも、従来のコムギ粉含有製品によく似ている。
【解決手段】本発明は、湿熱処理されたフラワーを含んでなるフラワー/澱粉成分を含んでなるグルテンフリーのベーカリー製品に関する。このようなベーカリー製品は、他のグルテンフリー製品よりも、従来のコムギ粉含有製品によく似ている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年6月5日に出願された米国仮特許出願第61/184,445号および2010年5月10日に出願された米国特許出願第12/776,580号についての優先権を主張する。
【0002】
本発明は、湿熱処理フラワー(flour)を含有する、グルテンフリーのベーカリー製品に関する。
【背景技術】
【0003】
フラワーは重要な主要食物成分であり、様々な食品に数多くの機能面を提供するために用いられている。しかしながら、アレルギー体質であるかまたはグルテンを消化しにくいために、ある特定のフラワーを摂取することができない人もいる。
【0004】
グルテンは、コムギ、オートムギ、オオムギ、およびライムギなどの穀物に見られるタンパク質である。焼いた製品では、グルテンは生地(dough)の粘弾性マトリックスのバックボーンを形成し、このマトリックスはベーキングにより堅いが柔軟性のある構造物となる。このマトリックスには、口の中で脆さや凝集性がないなどの望ましい特有の品質がある。
【0005】
グルテンを多く含み得るコムギ粉は、コメフラワーなどの、他のグルテンフリーのベーキング用フラワーで置換され得る。他の市販のグルテンフリーの焼いた物品では、コムギ粉がコーン澱粉などの澱粉で置換されている。しかしながら、これらのようなグルテンフリーの焼いた物品には、グルテンを含む焼いた物品特有の構造やテクスチャーがない。グルテンフリーのフラワーまたは澱粉の使用には、それらの加工特性に関して問題もある。即ち、グルテンフリーの生地を形成するためには、多くの場合、水の量を増やす必要があり、その結果、粘性が生じる。また、得られた生地は、そのグルテンを含む対応物よりも製造過程での保持時間の影響を受け易いため、柔軟性が低い。
【0006】
グルテンフリーの焼いた製品においてグアーガム、キサンタンガムおよび/または修飾澱粉をそのような製品の生地結合剤代替物として使用することは知られている。さらに、修飾澱粉は、パンなどのグルテンフリーの製品において膨張および構造化の補助剤としても用いられる。しかしながら、これらのガムおよび修飾澱粉は、グルテンを含む食物と同様であるために必要な構造、テクスチャー、および膨張を与えないことが多く、さらに、それらのグルテン含有食物と比べて、最終製品の味、テクスチャーおよび/または外観の犠牲を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
グルテンフリーのベーカリー製品の調製においてフラワーおよび/または澱粉代替物として用いられている多数の材料および材料の組合せにもかかわらず、製造されたグルテンフリーの焼いた物品を従来のコムギ粉含有ベーカリー製品のテクスチャーによりよく似せるように機能する製品に対するニーズが残る。修飾または特殊化の工程を必要とせずに従来のベーキング工程にグルテンフリーの材料を用いることができることも重要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この度、他のグルテンフリーの製品よりも従来のコムギ粉含有製品によく似ている製品を提供するために、湿熱処理されたフラワーがベーカリー製品に使用され得ることが明らかになった。
【0009】
本明細書において、用語「ベーカリー製品」とは、焼いたか、油で揚げた、蒸したか、あるいはその他の方法で調理したかにはかかわらず、ベーカリーで一般に見られる製品を意味することを意図し、限定されるものではないが、パンおよびパン製品、ケーキ、クッキー、ドーナツなどを包含する。
【0010】
本明細書において、用語「グルテンフリーの製品」とは、20ppm(w/wベース)未満のグルテンを含有する製品を意味することを意図する。
【0011】
本明細書において、用語「高アミロペクチン」とは、フラワーの澱粉または澱粉部分の重量に対して少なくとも約90%のアミロペクチンを含有することを意味することを意図する。
【0012】
本明細書において、用語「高アミロース」とは、フラワーの澱粉または澱粉部分の重量に対して、コムギまたはコメでは少なくとも約27%のアミロース、他の供給源では少なくとも約50%のアミロースを含有することを意味することを意図する。パーセントアミロース(そしてその代わりにアミロペクチン)は、電位差測定法を用いることにより決定される。
【0013】
本明細書において、生地とは、こねる、丸めるまたは成形するのに十分に堅い、フラワー/澱粉成分と他の材料の混合物を意味することを意図する。加えて、生地とは、フラワー/澱粉成分および水、場合によって脂肪および通常の生地の組成物に標準的に入っている、塩、イーストまたは化学膨張剤、卵製品、乳製品および砂糖など他の通常の材料も加えた混合物から得られる凝集性製品も意味する。
【0014】
本明細書において、脂肪とは、脂肪と油の両方を包含することを意図する。
【0015】
本明細書において、粒状とは、澱粉が天然澱粉粒のままの構造を有しているが、結晶性が低下していることによって、それらのマルタ(Maltese)クロス(偏光下)があまり明確ではないかあるいは存在しないことを意味することが意図される。
【0016】
本明細書において、クリーンラベル表示されている(clean labeled)とは、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration)により現在規定されているように、材料が修飾食品澱粉を含まないことを意味することを意図する。
【0017】
本明細書において、フラワー/澱粉成分とは、製品中の全てのフラワーおよび/または澱粉材料を意味することを意図する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、湿熱処理されたフラワーを含んでなるフラワー/澱粉成分を含んでなるグルテンフリーベーカリー製品に関する。このようなベーカリー製品は、他のグルテンフリーの製品よりも従来のコムギ粉含有製品によく似ている。
【0019】
本発明の調製に用いるフラワーおよび澱粉は天然供給源に由来するものであってよい。本明細書中で用いる天然のものは、それ自体、天然で見出されるものである。交雑育種(crossbreeding)、転流(translocation)、逆位(inversion)、形質転換(transformation)を含めた標準的な育種技術、またはその変異を含ませるための遺伝子または染色体エンジニアリングのいずれかの他の方法によって得られた植物に由来するフラワーおよび澱粉もまた適している。加えて、突然変異育種の既知の標準方法によって生産することができる、上記の一般的な組成物の誘発突然変異および変異から成長させた植物に由来するフラワーおよび澱粉もまた、ここでは適している。
【0020】
本発明のフラワーおよび澱粉の典型的な源は、穀類、塊茎、根、豆類および果実である。天然源には、コーン(トウモロコシ)、エンドウ、ジャガイモ、サツマイモ、ヒヨコマメ、バナナ、オオムギ、コムギ、コメ(玄米を含む)、サゴ、オートムギ、アマランス、タピオカ、クズウコン、カンナ、キノア、またはモロコシ、ならびにその高アミロペクチンまたは高アミロース品種が含まれる。しかしながら、グルテン含有源を用いる場合には、本発明のグルテンフリーの組成物を得るのに十分な程度までグルテンを除去しなければならない。1つの実施態様において、天然源は、コメ、タピオカ、コーン、ジャガイモ、オートムギ、アマランス、およびモロコシからなる群から選択される。
【0021】
本発明において好適なフラワーおよび澱粉は、植物性材料から、当該分野で用いられている、フラワーおよび澱粉を製造するいずれの方法によっても得ることができる。1つの実施態様において、フラワーは乾式粉砕により得られる。しかしながら、湿式粉砕技術と乾式粉砕技術の組合せを含む他の方法も用いてよい。
【0022】
1つの実施態様において、フラワーは、8〜25%水分、1〜50%タンパク質、0.1〜8%脂肪(脂質)、1〜50%繊維、20〜90%澱粉、0〜3%灰分と、場合によっては、栄養素などの他の成分(例えばビタミンおよび無機質)を含むであろう。その粒径は、当該分野で公知の方法を用いて、成分の割合に応じて変化させ得る。例えば、微粉砕および空気分級を用いてタンパク質含量を変更することができる。フラワーは、限定されるものではないが、精白フラワー、全粗挽き(wholemeal)フラワー、および全粒フラワーを包含することを意図する。
【0023】
湿熱処理されたフラワーは当該分野で公知であり、例えば、National Starch LLC(Bridgewater,New Jersey,USA)から市販されている。湿熱処理されたフラワーは、当該分野で公知のいずれの方法によっても調製することができ、そのようなフラワーがもたらされる。1つのそのような方法は以下である。
【0024】
1つの好適な方法において、出発フラワーは、特定量の水または水分含有量を有し、増大された加工耐性と溶液安定性と言う目標を達成するために所定温度に加熱される必要がある。加熱処理される澱粉の全水分または水の含有量は、乾燥フラワーの重量(乾燥固体ベース)に対して、10〜50%の範囲内であり、1つの実施態様においては、15〜30%の範囲内であろう。もう1つの好適な実施態様において、加熱工程中水分レベルは、5%(±5%)より大きく変化しないように実質的に維持される。これは、例えば、水蒸発を避けるために密封容器内でフラワーを加熱処理することにより、および/または加熱容器中の空気循環を予め調整することにより成し遂げることができる。もう1つの実施態様において、熱処理は乾燥効果を有し、加工中にフラワーの水分含有量を低減するが、上記水分範囲外ではない。
【0025】
特定の水分含有量のフラワーは、100〜180℃、1つの態様においては、100〜120℃の目標温度に加熱される。フラワーの澱粉が粒状態のままであることが重要である。タンパク質の変性を含む他の変化が起こってもよい。加熱時間は、澱粉およびタンパク質の含有量を含むフラワーの組成、粒径分布、澱粉成分のアミロース含量、および所望の増大レベル、ならびに水分量および加熱温度によって変動し得る。1つの実施態様において、目標温度での加熱時間は約1〜150分であり、もう1つの実施態様においては、約30〜120分であろう。
【0026】
湿熱処理は、そのような処理に十分な能力を提供する当該分野で公知のいずれの機器、特に粉末加工、水分添加および/または水分制御、混合、加熱および乾燥について可能なもの、を用いても行うことができる。熱処理はバッチ法としても連続法としても行うことができる。1つの実施態様において、かかる機器はバッチ式プロシェア(plougshare)ミキサーである。もう1つの実施態様において、該機器は連続式固液ミキサー、引き続いての連続加熱式コンベヤースクリューである。なおもう1つの実施態様において、連続プロセスは管状薄膜乾燥機を単独で、または滞留時間を延ばし制御するための連続スクリューと組み合わせて用いる。用いられるいずれのシステムも、100℃以上の目標温度で水分含有量を制御するために加圧することができる。
【0027】
フラワーを処理するための条件は、フラワー中の澱粉の粒状構造が破壊されないようなものでなければならない。1つの実施態様において、顆粒はなお複屈折性であり、澱粉の粒状構造を偏光下で観察するとマルタクロスを明らかに呈している。高水分・高温などの、ある条件下では、澱粉粒は部分的に膨張する可能性があるが、その結晶性が完全に破壊されることはない。従って、本明細書中で用いる用語「粒状澱粉」とは、その粒状構造(天然顆粒)をほとんど維持し、ある程度の結晶性があり、その顆粒は複屈折性であり得、偏光下でマルタクロスを明らかに呈し得る澱粉を意味する。さらに、タンパク質成分に対する湿熱処理の変性効果は、フラワーの観察される機能性に影響を与え得る。加熱処理した結果の製品は、少なくともある程度の粒状構造をなお有し、1つの実施態様においては、顕微鏡下で観察すると複屈折性であり、偏光下で観察するとマルタクロスを呈するであろう。
【0028】
湿熱処理後、フラワーは、平衡水分状態に達するように風乾させてよいし、フラッシュ(flash)乾燥機、または噴霧乾燥、凍結乾燥、またはドラム乾燥など他の乾燥手段を用いて乾燥させてもよい。1つの実施態様において、フラワーは風乾させるかまたはフラッシュ乾燥させる。また、フラワーのpHも調整することができ、一般には、6.0〜7.5の間に調整される。
【0029】
本発明の湿熱処理されたフラワーは、感覚上許容されるグルテンフリーのベーカリー製品を生み出すのに有効な量で用いられ得る。1つの実施態様において、フラワーまたはフラワー混合物(以下「フラワー」)は、グルテンフリーのベーカリー製品に対して2〜95%(w/w)の範囲内で用いられる。
【0030】
1つの特に好適な実施態様において、湿熱処理されたフラワーはグルテンフリーの穀物から得られ、もう1つの実施態様においては、コメフラワーである。
【0031】
もう1つの実施態様において、グルテンフリーのベーカリー製品は、湿熱処理されたまたは天然のタピオカフラワーおよび/または澱粉のいずれかをさらに含み、このようなフラワーおよび/または澱粉は当該分野で公知であり、例えば、National Starch LLC(Bridgewater,New Jersey,USA)から市販されている。以下、タピオカ澱粉またはタピオカフラワーをタピオカフラワーという。
【0032】
湿熱処理されたフラワーとタピオカフラワー(天然または湿熱処理済のもの)の割合は、98:2〜2:98(w/w)であり、もう1つの実施態様においては、95:5〜5:95(w/w)であり、なおもう1つの実施態様においては、90:10〜10:90(w/w)であり、さらにもう1つの実施態様においては、85:15〜15:85(w/w)である。
【0033】
フラワー/澱粉成分は、さらなる所望の感覚的品質を提供するための他のフラワーおよび/または澱粉、例えば熱抑制された澱粉およびフラワー、抑制されたジャガイモ澱粉、抑制されたコーン澱粉、抑制されたタピオカ澱粉、冷水膨潤性澱粉、および/またはオクテニルコハク酸無水物置換澱粉を含むことがある。
【0034】
本発明の熱抑制澱粉は、感覚上許容されるグルテンフリーのベーカリー製品を生み出すのに有効な量で用いられ得て、本発明の1つの態様においては、湿熱処理されたフラワーの量に対して5〜100%(w/w)の量で用いられる。熱抑制澱粉は、一般に、感覚特性を修正するために用いられ、一例においては、生地改良剤および/または粘度調整剤として用いられる。そのような粘度調整剤は、生地またはバッター(batter)の濃厚化を助けるために業界では一般的に用いられており、生地またはバッターを、クッキー、マフィン、パンケーキ、ケーキ、および他の焼いた物品などの最終製品へとさらに加工できるようにする。粘度調整剤は、食品の咀嚼性(chewiness)、ガム性(gumminess)、しっとりさ(moistness)、パリっとした食感(crispness)、および他の感覚的品質を改良するためにも用いられる。
【0035】
そのような熱抑制澱粉およびフラワーは、当該分野で公知のいずれの方法によっても製造することができる。熱抑制澱粉およびフラワー(以下「澱粉」)は、例えばWO 95/04082、WO 96/40794、米国特許第5,932,017号および同第6,261,376号、ならびに米国出願番号第12/423,213号におけるように、当該分野で公知である。1つのそのような熱抑制プロセスは以下である。
【0036】
澱粉は、必要であれば、脱水工程の前、その後および/またはその間に、引き続いての熱抑制工程の間pHを中性pH(約6〜8の、7程度のpH値の範囲、)または塩基性pH(アルカリ)に維持するのに有効なpHレベルに調整することができる。そのような調整は、当該分野で知られており、pH調整方法、用いるバッファーおよびアルカリの種類、ならびに適当なpHレベルを含む。
【0037】
澱粉は、無水または実質的に無水の状態にまで脱水される。本明細書中で用いるように、用語「実質的に無水」とは、5%未満、1つの実施態様においては、2%未満、なおもう1つの実施態様においては、1%(w/w)未満の水を意味することが意図されている。水分を除去し、実質的に無水の澱粉を得るための脱水工程は、当該分野で公知のいずれの手段によっても達成することができ、熱的方法および非熱的方法を含む。非熱的方法は、アルコール(例えば、エタノール)のような親水性溶媒の使用、凍結乾燥、または乾燥剤の使用を含む。非熱的脱水は熱抑制された多糖類の味の改良につながり得る。
【0038】
熱的脱水方法も当該分野で知られており、水分含有量を所望の量まで低下させるのに十分な時間および昇温で加熱装置を用いて達成される。1つの実施態様において、用いられる温度は125℃以下である。もう1つの実施態様において、その温度は100〜140℃の範囲であろう。脱水温度は100℃よりも低くできるが、熱的方法を用いる場合、水分除去には、少なくとも100℃の温度がより効果的であろう。脱水工程は、いずれのプロセスまたはプロセスの組合せを用いても行うことができ、一般には、水分除去のための手段(例えば、装置のヘッドスペースからガスを掃引するためのブロア、流動化ガス)を備えた装置で行われて、水分が澱粉上に蓄積および/または沈澱するのを実質的に防ぐ。脱水のための時間と温度の組合せは、用いる機器に依存し、処理される澱粉の種類、pHおよび水分含有量、ならびに実行者によって確認され選択される他の因子によっても影響され得る。
【0039】
熱抑制工程は、実質的に無水の澱粉を100℃以上の温度で、澱粉を抑制するのに十分な時間加熱することにより行われる。本発明の1つの態様において、澱粉は熱処理温度に到達する前に実質的に無水であり、本発明のもう1つの態様においては、澱粉は、熱処理の少なくとも90パーセントを通じて実質的に無水である。
【0040】
熱処理は、少なくとも100℃の温度の範囲にわたって行うことができる。1つの実施態様において、その温度は100〜200℃の範囲であり、もう1つの実施態様においては、120〜180℃の範囲であり、なおもう1つの実施態様においては、150〜170℃の範囲であろう。熱抑制の時間は、1つの実施態様において、0〜12時間であり、もう1つの実施態様においては、0.25〜6時間であり、なおもう1つの実施態様においては、0.5〜2時間である。熱抑制の時間は、温度が安定する(目標温度に達する)時間から測定されるため、そのような温度に向かいつつ熱抑制が起こるならば、熱抑制時間はゼロである。例えば、温度上昇(ramp-up)が比較的遅い装置においてこの過程を行う場合、一度澱粉が実質的に無水の状態に達すると、熱抑制は、温度が十分に高いならば始まり、装置が最終温度に達する前に完了し得る。
【0041】
脱水工程および/または熱処理工程は、常圧で、真空下でまたは加圧下で行うことができ、当該分野で公知のいずれの手段によっても達成することができる。1つの方法において、用いるガスはいくらかの水分を除去する予め乾燥される。もう1つの実施態様において、これらの工程の少なくとも1つは、増大した圧力下および/または増大した有効酸素濃度下で行われる。
【0042】
脱水工程および熱抑制工程の時間と温度の組合せは、用いる機器に依存し、処理される澱粉の種類、pHおよび水分含有量、ならびに実行者によって確認され選択される他の因子によっても影響され得る。
【0043】
本発明の1つの態様において、熱抑制澱粉は、コメ澱粉、タピオカ澱粉、コーン澱粉、およびジャガイモ澱粉からなる群から選択される。
【0044】
本発明の1つの態様において、抑制されたジャガイモ澱粉は、湿熱処理されたフラワーの10〜100%(w/w)の量で添加される。このような抑制ジャガイモ澱粉は、天然ジャガイモ澱粉から作り出される。抑制は、限定されるものではなく、化学的架橋および熱的抑制を含むいずれの方法によるものでもよい。化学的架橋は、例えばModified starches: Properties and Uses, Ed.Wurzburg,CRC Prerss,Inc.,Florida(1986)に記載されているように、当該分野で周知である。1つの実施態様において、澱粉は、当該分野で公知の方法を用いて、トリメタリン酸ナトリウム(STMP)、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)、オキシ塩化リン、エピヒドロクロロヒドリン(epihydrochlorohydrin)、およびアジピン酸−酢酸無水物(1:4)から選択される少なくとも1つの試薬を用いて架橋される。フラワー/澱粉成分がクリーンラベル表示されている本発明のもう1つの実施態様において、およびベーカリー製品がクリーンラベル表示されているさらなる実施態様において、ジャガイモ澱粉の抑制は熱抑制による。
【0045】
本発明のもう1つの態様において、抑制されたタピオカ澱粉は、湿熱処理されたフラワーの5〜100%(w/w)の量で添加される。このような抑制タピオカ澱粉は、天然タピオカ澱粉から作り出される。抑制は、限定されるものではないが、化学的架橋および熱抑制を含むいずれの方法によるものでもよい。
【0046】
本発明のもう1つの態様において、抑制澱粉は、感覚上許容されるグルテンフリーのベーカリー製品を生み出すのに用いられ得るオクテニルコハク酸無水物(OSA)置換澱粉である。本発明の1つの態様において、OSA澱粉は湿熱処理フラワーの量に対して1〜50%(w/w)の量で用いられる。このようなOSA澱粉は、ワキシートウモロコシ澱粉、デントコーン澱粉、またはタピオカ澱粉から作り出される。好適なレベルのOSA修飾は、澱粉に対して0.5〜3%(w/w)の量で、1つの実施態様においては、2〜3%(w/w)の量でOSA試薬を添加することによる。澱粉は、当該分野で公知の方法を用い、オクテニルコハク酸無水物で修飾される。OSA澱粉を製造するための例示的な方法は当該分野で公知であり、例えば米国特許出願第2005/0008761号およびWurzburg(同書)に開示されている。ドデセニルコハク酸無水物などの他のアルケニルコハク酸無水物も用いられ得る。
【0047】
本発明のもう1つの態様において、冷水膨潤性澱粉は、湿熱処理フラワーに対して、2〜100%(w/w)の量で、さらにもう1つの態様においては、5〜100%(w/w)の量で添加される。このような冷水膨潤性コーン澱粉は当該分野で公知であり、そうでなければ予備糊化澱粉として知られている。本発明の冷水膨潤性澱粉は粒状または非粒状のいずれかであり得る。
【0048】
粒状予備糊化澱粉は粒状構造を維持しているが、偏光下でのマルタクロスは見られない。これらは、澱粉粒の大部分が膨潤しているが、損なわれないままであるように予備糊化されている。予備糊化粒状澱粉を製造するための例示的な方法は、当該分野で公知であり、例えば米国特許第4,280,851号;同第4,465,702号;同第5,037,929号;および同第5,149,799号に開示されている。
【0049】
予備糊化非粒状澱粉およびフラワーはまた偏光下でマルタクロスは見られず、膨潤したために澱粉は粒状構造を失い壊れて破片となっている。これらは、澱粉粒を破壊する公知の物理的、化学的または熱的な予備糊化方法のいずれかに従って製造され得て、これらの方法には、限定されるものではないが、ドラム乾燥、押出、およびジェットクッキングが含まれる。
【0050】
澱粉を冷水膨潤性にするための1つの処理において、澱粉は、例えば米国特許第5,149,799号に開示されている、調理と噴霧乾燥を同時に行うことにより予備糊化され得る。澱粉を予備糊化する従来の手順は、当業者には公知であり、例えばChapter XXII−“Production and Use of Pregelatinized Starch”,Starch:Chemistry and Technology,Vol.III−Industrial Aspects,R.L.Whistler and E.F.Paschall, Editors, Academic Press,New York 1967にも記載されている。
【0051】
本発明の1つの態様において、フラワー/澱粉成分に任意選択の増量剤が用いられる。この増量剤は、湿熱処理されたフラワーによって製品に与えられるテクスチャーを大きく変化させないレベルにおいて添加されるいずれの澱粉またはフラワーであってもよい。本発明の1つの実施態様において、任意選択の増量剤は天然のコメフラワーである。本発明のもう1つの実施態様において、増量剤は、配合物中の湿熱処理されたフラワーの20%(w/w)以下のレベルにおいて、さらなる実施態様においては、15%(w/w)以下のレベルにおいて用いられる。本発明のなおもう1つの実施態様において、増量剤は、ベーカリー製品の10%(w/w)未満のレベルにおいて、さらになおもう1つの実施態様においては、5%(w/w)未満のレベルにおいて用いられる。
【0052】
本発明の1つの実施態様において、ベーカリー製品のフラワー/澱粉成分は、湿熱処理フラワーおよび天然タピオカフラワーから本質的になり、もう1つの実施態様においては、湿熱処理コメフラワーおよび天然タピオカフラワーから本質的になる。なおもう1つの実施態様において、ベーカリー製品のフラワー/澱粉成分は、湿熱処理コメフラワーおよび天然タピオカフラワー以外の澱粉もフラワーも含まない。
【0053】
本発明のベーカリー製品は、1%〜99%(w/w)のフラワー/澱粉成分を含有し、もう1つの実施態様においては、5%〜95%(w/w)のフラワー/澱粉成分を含有する。
【0054】
本発明のベーカリー製品は、少なくとも1つの他の慣用ベーカリー製品材料、例えば卵、牛乳、水、砂糖、脂肪(ショートニング)、チョコレート、膨脹剤、イースト、塩、乳化剤、および香味剤も含有する。このような慣用材料は当該分野で周知であり、味、テクスチャー、臭い、外観、保持性、加工性、調理性、栄養バランスなどを改変する。1つの実施態様において、本発明のベーカリー製品はクリーンラベル表示のものである。すなわち、本発明のベーカリー製品は、化学的に修飾された材料も遺伝子改変された生物を用いて生産された材料も含まない。ベーカリー製品は、フラワー/澱粉成分以外の澱粉もフラワーも含まない。
【0055】
1つの実施態様において、ベーカリー製品は、全て重量/重量ベースで、3%未満のガムを含有し、もう1つの実施態様においては、1.0%未満のガムを含有し、なおもう1つの実施態様においては、0.5%未満のガムを含有し、さらにもう1つの実施態様においては、ガムを含まない。
【0056】
本発明の1つの実施態様において、フラワー/澱粉成分は、他の任意選択の材料と組み合わせて、パン生地、ケーキ生地、クッキー生地またはビスケット生地などの生地を形成することができる。このような生地は、膨張剤によって生じる気泡を含むことができ、従来のグルテンを含む製品同様に、コムギ製品に利用可能な、例えば、混合され、発酵させられ、天秤で計られ、成形され、発酵され(proofed)および調理される(例えば、焼かれ、油で揚げられ、蒸されるなど)従来の方法を用いて加工され得る。本発明の1つの実施態様において、ベーカリー製品は焼かれた製品である。
【0057】
本発明のベーカリー製品は、20ppm未満(重量/重量ベース)のグルテンを含有している、グルテンフリーのものである。
【0058】
本発明のベーカリー製品は、他のグルテンフリーのベーカリー製品と比べて改良された感覚特性を有し、本発明の1つの態様においては、グルテンを含むベーカリー製品と実質的に同じである。特に、本発明のベーカリー製品は、改良されたテクスチャー特性および構造特性を有する。本発明の1つの実施態様において、ベーカリー製品の粒状性は、実施例セクションに記載された試験を用いて測定した場合、8.5未満であり、1つの実施態様においては、7未満である。本発明のもう1つの実施態様において、ベーカリー製品の凝集性は、実施例セクションに記載された試験を用いて測定した場合、少なくとも5であり、1つの実施態様においては、6より大きく、もう1つの実施態様においては、7より大きく、なおもう1つの実施態様においては、8.5より大きい。
【0059】
本発明のベーカリー製品としては、限定されるものではないが、パン、ロールパン、バン、ベーグル、トースト、クラッカー、ピザクラスト、ぶどうパン(brownies)、クロワッサン、ペストリー、クルトン、ウエハース、ロールケーキ、ビスケット、クッキー、ケーキ、パイクラスト、マフィン、ドーナツ、トルティヤ、ワッフル、パンケーキ、プレッツェル、板状の焼いたスナック、パウンドケーキ、およびラップ(wrap)が挙げられる。本発明のベーカリー製品は、ベーカリー製品を製造するのに有用なミックス、ならびに長期保存用、または冷蔵および冷凍ベーカリー製品も包含することを意図する。
【0060】
実施態様
以下の実施態様は、本発明をさらに示し説明するために掲げるが、いずれにせよ限定的なものと解釈すべきではない。
1. a)少なくとも1つの湿熱処理されたフラワー;および
b)少なくとも1つの他の慣用ベーカリー製品材料
を含んでなるフラワー/澱粉成分を含んでなる組成物であって、グルテンフリーのベーカリー製品である、組成物。
2. 前記湿熱処理されたフラワーが、コメ、タピオカ、コーン、ジャガイモ、オートムギ、アマランス、およびモロコシの湿熱処理されたフラワーからなる群から選択される、実施態様1の組成物。
3. 前記湿熱処理されたフラワーが湿熱処理されたコメフラワーである、実施態様1の組成物。
4. 湿熱処理されたまたは天然のタピオカフラワーをさらに含んでなる、実施態様2または3の組成物。
【0061】
5. 前記フラワー/澱粉成分が、
a)湿熱処理されたコメフラワー;および
b)湿熱処理されたまたは天然のタピオカフラワー
から本質的になる、実施態様4の組成物。
6. 前記フラワー/澱粉成分が、
a)湿熱処理されたコメフラワー;および
b)湿熱処理されたまたは天然のタピオカフラワー
からなる、実施態様4の組成物。
7. 前記湿熱処理されたまたは天然のタピオカフラワーが、湿熱処理されたタピオカフラワーである、実施態様4〜6のいずれか1つの組成物。
8. 前記湿熱処理されたまたは天然のタピオカフラワーが天然のフラワーである、実施態様4〜6のいずれか1つの組成物。
【0062】
9. 前記フラワー/澱粉成分が、熱抑制された澱粉およびフラワー、抑制されたジャガイモ澱粉、抑制されたコーン澱粉、抑制されたタピオカ澱粉、および冷水膨潤性澱粉からなる群から選択される少なくとも1つの澱粉をさらに含んでなる、実施態様1〜8のいずれか1つの組成物。
10. 前記抑制された澱粉が熱抑制されている、実施態様9の組成物。
ll. 前記抑制された澱粉がOSAを用いて抑制されている、実施態様9の組成物。
12. キサンタンガムをさらに含んでなる、実施態様1〜11のいずれか1つの組成物。
13. 凝集性が少なくとも5である、実施態様1〜12のいずれか1つの組成物。
14. 粒状性が8.5未満である、実施態様1〜13のいずれか1つの組成物。
【実施例】
【0063】
以下の実施例は、本発明をさらに示し説明するために掲げるが、いずれにせよ限定的なものと解釈すべきではない。全ての部およびパーセンテージは重量により与えられ、全ての温度は特記しない限り摂氏温度(℃)で表す。
【0064】
以下の材料を、実施例を通じて用いた。
粘度調整剤−NOVATION(登録商標)4600澱粉;National Starch LLC(Bridgewater,NJ,USA)から市販されている熱抑制澱粉
タピオカフラワー;National Starch LLC(Bridgewater,NJ,USA)から市販されているもの
湿熱処理されたコメフラワー;実施例1によって調製される、National Starch LLC(Bridgewater,NJ,USA)から市販されているもの
Hi−Maize(登録商標)260澱粉;National Starch LLC(Bridgewater,NJ,USA)から市販されている高アミロース澱粉
熱抑制タピオカ澱粉;National Starch LLC(Bridgewater,NJ,USA)から市販されているもの
【0065】
熱抑制ジャガイモ澱粉;National Starch LLC(Bridgewater,NJ,USA)から市販されているもの
熱抑制ワキシーコーン澱粉;National Starch LLC(Bridgewater,NJ,USA)から市販されているもの
Instant PURE−FLO(登録商標)F澱粉;National Starch LLC(Bridgewater,NJ,USA)から市販されている冷水膨潤性澱粉
予備糊化ワキシーコーン澱粉;National Starch LLC(Bridgewater,NJ,USA)から市販されているもの
N−CREAMER(商標)46澱粉;National Starch LLC(Bridgewater,NJ,USA)から市販されているオクテニルコハク酸無水物(OSA)置換澱粉
コムギ粉;複数の商業的供給源から市販されているもの
コメフラワー;複数の商業的供給源から市販されているもの
【0066】
以下の試験手順を、実施例を通じて用いた。
A.凝集性:
グルテンフリーの製品の凝集性は、咀嚼過程で咀嚼された製品が丸まるまたは食塊になる程度の口腔感覚として定義される。凝集性は、訓練を受けた専門家による口腔感覚分析により測定され、訓練を受けた専門家は、試験される食品を臼歯で咀嚼し、それを較正サンプルと比較して15段階で評価する。数値が高いほど凝集性が高いことを示す。較正サンプルは、スコア0のひも状のカンゾウ入り菓子、スコア2の生ニンジン、スコア4の生マッシュルーム、スコア7.5のフランクフルトソーセージ、スコア9のアメリカンチーズ、およびスコア14のフィグニュートン(Fig Newton)で構成される。
【0067】
B.粒状性:
グルテンフリーの製品の粒状性は、咀嚼過程で塊または食塊の表面の粗さの量によってもたらされる口腔感覚として定義される。粒状性は、訓練を受けた専門家による口腔感覚分析により測定され、訓練を受けた専門家は、食品を8〜10回咀嚼した後、口腔内の塊または食塊の表面を触知し、それを較正サンプルと比較して15段階で評価する。数値が高いほど粒状性が高いことを示す。較正サンプルは、スコア3のアメリカンチーズ、スコア5のグラハムクラッカー、スコア7.5のメルバ(Melba)トースト、スコア10の堅いプレッツェル棒、スコア12の生ニンジンおよびスコア15のグラノーラバーで構成される。
【0068】
C.電位差滴定法によるアミロース含量
0.5gの澱粉(1.0gの穀粉)サンプルを10mlの濃縮塩化カルシウム(約30重量%)中で95℃で30分間加熱した。このサンプルを室温に冷却し、5mlの2.5%酢酸ウラニル溶液で希釈し、よく混合し、2000rpmで5分間遠心分離した。次に、このサンプルを濾過し、清澄な溶液を得た。
1cmの偏光分析用セルを使用して偏光分析により澱粉濃度を測定した。次に、白金電極をKCl参照電極とともに使用して電位を記録しながら、サンプルのアリコート(通常5ml)を直接、標準0.01Nヨウ素溶液を用いて滴定した。変曲点に達するのに必要なヨウ素の量を直接、結合ヨウ素として測定した。アミロースの量は、1.0gのアミロースが200mgのヨードに結合すると仮定して計算した。
【0069】
D.クッキーの調製
砂糖を除いた乾燥材料を合わせる。パドルを備えたミキサーでバターと砂糖をクリーム状にする。卵とバニラエッセンスを加え、よく混ざるまで混合する。乾燥材料を2回に等量に分けて加え、加えるごとによく混合する。チョコレートチップを混ぜ入れる。スプーンでおよそ30g分を、パーチメントを敷いたクッキーシート上にのせる。それぞれを少し平たくする。190℃でおよそ12分間焼く(予熱した)。
【0070】
E.マフィンの調製
砂糖とブルーベリーを除いた乾燥材料を合わせる。砂糖とショートニングをホーバート(Hobart)ミキサーの速度2において5分間クリーム状にする。速度1において混合しながら、卵とバニラエッセンスをゆっくりと加える。速度1において2分の間に、合わせた乾燥材料を水と交互に加える。ブルーベリーを加え、手で混ぜ入れる。およそ61gに計り、マフィン型で190℃で20〜21分間焼く。
【0071】
実施例1−湿熱処理コメフラワーの調製(ワキシー、低アミロースおよび標準)
この実施例では、フラワーの湿熱処理のための方法を示す。
A. 1500gの低アミロースコメフラワー(LARF、アミロース含量12%;RM100AR−ロット番号7519)をキッチンエイド(Kitchen Aid)ミキサーで2−3番の速度で混合しながら、それに細かい霧状の水を噴霧した。噴霧中時々このフラワーの水分をCenco水分計により調べた。フラワー粉末は4つの異なる最終水分含有量15%、20%、25%、および30%に調整した。確実に水分を一様にするために、これを1時間さらに混合した。次に、約200gの湿ったフラワーをアルミニウム缶に1インチ(2.54cm)未満のヘッドスペースで密封した。密封したアルミニウム缶を、100℃の所望の温度にしておいたオーブンに入れ、湿熱処理のために120℃で置いた。30分の昇温時間を経て、缶内のサンプル温度を外部オーブン温度と平衡化させた。このサンプルを前記温度で2時間さらに保持した。湿熱処理後、缶を開け、湿熱処理された(HMT)フラワーを室温で風乾した。コーヒー粉砕機を使用して乾燥させたサンプルを微粉末に粉砕し、USメッシュ20のふるい(0.841mmのふるい目の開き)を使用してふるい分けた。続いて、熱的特性およびレオロジー特性についてサンプルを特性評価した。
【0072】
B. ワキシーコメフラワーに対して、実施例1Aを繰り返した。ただし、水分を25%に調整した後、100℃で加熱処理した。
【0073】
C. 標準コメフラワーに対して、実施例1Aを繰り返した。ただし、水分を20%に調整した後、100℃で加熱処理した
【0074】
実施例2−グルテンフリーのクッキーの調製
配合物A
次の処方からクッキーを調製した。
【0075】
【表1】
これらのクッキーの凝集性は7であり、粒状性のスコアは8であった。
【0076】
配合物B
次の処方からクッキーを調製した。
【表2】
これらのクッキーの凝集性は8であり、粒状性のスコアは7.8であった。
【0077】
配合物C−比較例−高いざらつき(Grittiness)
次の処方からクッキーを調製した。
【表3】
天然コメフラワーの量が多いため、これらのクッキーの凝集性はマススコアまたは7.7であり、粒状性のスコアは11.5であった。
【0078】
配合物D−コメフラワーを増量剤として用いた比較例
次の処方からクッキーを調製した。
【表4】
【0079】
クッキーの凝集性はマススコアまたは6.8であり、粒状性のスコアは8.7であった。
増量剤(コメフラワー)はクッキーのテクスチャーに負の効果を与えた。
【0080】
配合物E−比較例
次の処方からクッキーを調製した。
【表5】
【0081】
含まれる天然コメフラワーの量が多く、湿熱処理されたフラワーが含まれていないため、クッキーの凝集性はマススコアまたは5であり、粒状性のスコアは10であった。
【0082】
配合物F−コムギ粉(グルテンを含む)を含有する比較例
次の処方からクッキーを調製した。
【表6】
これらのクッキーの凝集性は8.5であり、粒状性のスコアは7であった。
【0083】
実施例3−マフィンの調製
配合物A
次の処方からマフィンを調製した。
【表7】
マフィンの凝集性は9であり、粒状性のスコアは8であった。
【0084】
配合物B
次の処方からマフィンを調製した。
【表8】
マフィンの凝集性は7であり、粒状性スコアは7であった。
【0085】
配合物C
次の処方からマフィンを調製した。
【表9】
マフィンの凝集性はマススコアまたは7であり、粒状性スコアは5であった。
【0086】
配合物D
次の処方からマフィンを調製した。
【表10】
マフィンの凝集性は7であり、粒状性スコアは5であった。
【0087】
配合物E
次の処方からマフィンを調製した。
【表11】
マフィンの凝集性は9であり、粒状性スコアは6.5であった。
【0088】
配合物G−比較例
次の処方からマフィンを調製した。
【表12】
マフィンの凝集性は4であり、粒状性スコアは10であった。
【0089】
配合物H−コムギ粉(グルテンを含む)を含有する比較例
次の処方からマフィンを調製した。
【表13】
これらのマフィンの凝集性は8であり、粒状性スコアは5であった。
【0090】
実施例4−他のグルテンフリーのベーカリー製品
この一連の実施例では、様々なグルテンフリーの製品の生産における本発明の有用性を示す。
【0091】
配合物A−パン
以下の試験手順を用いてパンを作製した。
イーストを含む全ての乾燥材料を合わせ、パドルを備えたホーバートミキサーでよく混ぜ合わせる。水を46〜49℃に加熱し、他の室温の液体材料と合わせる。この液体を乾燥ブレンドに加え、パドルを用いて速度1において5分間混合する。それをパン型に計り入れ、35〜37℃で45〜70分発酵させる。ラック(rack)オーブン中163℃で1時間および177℃で5分焼く。
【0092】
次の処方を用いてパンを調製した。
【表14】
【0093】
配合物B−ピザ生地
以下の試験手順を用いてピザ生地を作製した。
温水にイーストを分散させる。フラワーと塩をミキシングボウルにふるい入れ、低速で混合しながらオリーブ油とイースト/水混合物を加える。ホーバートミキサーで低速で1分、中−高速で3〜4分、または滑らかで弾力性のある生地になるまで混合する。十分に油を塗ったボウルに入れ、2倍の大きさになるまでバルク発酵させる。折り重ね、一定の大きさのボールにする。1cm厚の円形ベースに成形し、このベース上にトマトソースとチーズの層を広げる。オーブンを175℃に予熱する。ピザを175℃で30分間焼く。オーブンから取り出す。
【0094】
次の処方からピザ生地を調製した。
【表15】
【0095】
配合物C−パンケーキ
以下の試験手順を用いてパンケーキを作製した。
全ての乾燥材料が合わさるまで混ぜる。別のボウルで全ての湿潤材料が合わさるまで混ぜる。
【0096】
湿潤材料を乾燥材料に流し込み、合わさるまで混合する。グリドルに軽く油を塗る。グリドルを149℃に加熱する。バッターをグリドル表面に流し込む。約3分、パンケーキの表面に気泡が生じ始めたらひっくり返す。ひっくり返し、さらに約2分調理する。グリドルから取り出す。
【0097】
配合物C1
次の処方からパンケーキを調製した。
【表16】
【0098】
配合物C2
次の処方からパンケーキを調製した。
【表17】
【0099】
配合物D−ぶどうパン
以下の試験手順を用いてぶどうパンを作製した。
9×9インチ(23cm×23cm)の金属皿に油を塗り、粉を振る。電子レンジでまたは料理用ストーブ上でソースパンに入れてバターを溶かす。へらを用いてミキサーに移し、滑らかになるまでココアをバターと混合する。砂糖、卵、コーヒー、およびバニラエッセンスを混ぜ入れる。ボウルの側面と底をこそげ、再度滑らかになるまで混合する。乾燥材料の全てを合わせる。乾燥材料を湿潤材料に加え、完全に混ざるまで混合する。バッターを金属皿に移す。9×9インチの金属皿には約1000gのバッターを入れることができるはずである。175℃で20〜25分間、またはつま楊枝に何も付かなくなるまで焼く。ワイヤーラック上で冷まし、ひっくり返して金属皿から取り出す。
【0100】
配合物D1
次の処方からぶどうパンを調製した。
【表18】
【0101】
配合物D2
次の処方からぶどうパンを調製した。
【表19】
【0102】
配合物E−ケーキ
以下の試験手順を用いて高比率(hi-ratio)ケーキを作製した。
要素Aの乾燥材料を一緒にふるいにかける。パドルを用いて中速において5分Aを混合する。
要素Bを加え、中速においてで3分混合する。要素Cを2段階で加え、加えるごとによく混ぜ合わせる。400gのバッターを、油を塗り粉を振った8インチ(20cm)の円形ケーキ型2つに計り入れる。
177℃で18〜22分間焼く。15〜20分冷まし、ケーキ型から取り出す。
【0103】
配合物E1
次の処方から高比率ケーキを調製した。
【表20】
【0104】
配合物E2
次の処方から高比率ケーキを調製した。
【表21】
【0105】
配合物F−パイクラスト
以下の試験手順を用いてパイクラストを作製した。
フラワーと塩を混ぜ合わせる。冷やしたショートニングを加え、2つのナイフで粗挽き粉のようになるまで切り込む。冷水を少量ずつ加え、生地がまとまるまでフォークで混ぜる。
ボールを形成し、サランで包む。ボールを14〜16℃まで冷やす。4.5インチ(11cm)のタルト型の場合、上と下のクラストをおよそ120gに計る。麺棒を用いて生地を延ばして1/4インチ(0.6cm)厚の円形にするか、または生地を手で押して1/4インチ厚の円形にする。下のクラストをタルト型に敷き、余分な部分を切り取る。およそ240gのパイの詰め物を詰める。クラストを上に乗せ、余分な部分を切り取り、閉じる。218℃で30分間焼く。
【0106】
次の処方からパイクラストを調製した。
【表22】
【0107】
配合物G−スナッククラッカー
以下の試験手順を用いてスナッククラッカーを作製した。
ホーバートミキサーでパドルを用いて低速において5分間要素Aを混ぜ合わせる。砂糖、デキストロース、塩、および重炭酸ナトリウムを水に分散させ、3分間混合することにより要素Bを作る。Bを乾燥ブレンドにゆっくりと加え、3分間、または生地が形成するまで混合を続ける。手で、およそ1/2インチ(1.3cm)厚の生地シートにする。第1工程:ローラー設定 1mm、第2工程:ローラー設定 0.7mm、および第3の最終工程:ローラー設定 0.3mmの3工程で生地シートを薄くし、最終的な厚さ0.7〜0.8mmにする。クラッカーダイカッターで切り、ピースを穴の開いた焼き型に置く。デッキオーブンで、177℃で5〜10分間焼く。
【0108】
次の処方からスナッククラッカーを調製した。
【表23】
【0109】
配合物H
次の処方からクッキーを調製した。
【表24】
【0110】
配合物I
次の処方からマフィンを調製した。
【表25】
【0111】
配合物J
次の処方からマフィンを調製した。
【表26】
【0112】
配合物K
次の処方からマフィンを調製した。
【表27】
【0113】
配合物L
次の処方からロールを調製した。
【表28】
【0114】
以下の特許請求の範囲で用いるように、「含んでなる(comprise)」または「含んでなる(comprising)」は、以下のエレメントを含むことを意味することを意図するが、他のものを排除せず無制限である。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年6月5日に出願された米国仮特許出願第61/184,445号および2010年5月10日に出願された米国特許出願第12/776,580号についての優先権を主張する。
【0002】
本発明は、湿熱処理フラワー(flour)を含有する、グルテンフリーのベーカリー製品に関する。
【背景技術】
【0003】
フラワーは重要な主要食物成分であり、様々な食品に数多くの機能面を提供するために用いられている。しかしながら、アレルギー体質であるかまたはグルテンを消化しにくいために、ある特定のフラワーを摂取することができない人もいる。
【0004】
グルテンは、コムギ、オートムギ、オオムギ、およびライムギなどの穀物に見られるタンパク質である。焼いた製品では、グルテンは生地(dough)の粘弾性マトリックスのバックボーンを形成し、このマトリックスはベーキングにより堅いが柔軟性のある構造物となる。このマトリックスには、口の中で脆さや凝集性がないなどの望ましい特有の品質がある。
【0005】
グルテンを多く含み得るコムギ粉は、コメフラワーなどの、他のグルテンフリーのベーキング用フラワーで置換され得る。他の市販のグルテンフリーの焼いた物品では、コムギ粉がコーン澱粉などの澱粉で置換されている。しかしながら、これらのようなグルテンフリーの焼いた物品には、グルテンを含む焼いた物品特有の構造やテクスチャーがない。グルテンフリーのフラワーまたは澱粉の使用には、それらの加工特性に関して問題もある。即ち、グルテンフリーの生地を形成するためには、多くの場合、水の量を増やす必要があり、その結果、粘性が生じる。また、得られた生地は、そのグルテンを含む対応物よりも製造過程での保持時間の影響を受け易いため、柔軟性が低い。
【0006】
グルテンフリーの焼いた製品においてグアーガム、キサンタンガムおよび/または修飾澱粉をそのような製品の生地結合剤代替物として使用することは知られている。さらに、修飾澱粉は、パンなどのグルテンフリーの製品において膨張および構造化の補助剤としても用いられる。しかしながら、これらのガムおよび修飾澱粉は、グルテンを含む食物と同様であるために必要な構造、テクスチャー、および膨張を与えないことが多く、さらに、それらのグルテン含有食物と比べて、最終製品の味、テクスチャーおよび/または外観の犠牲を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
グルテンフリーのベーカリー製品の調製においてフラワーおよび/または澱粉代替物として用いられている多数の材料および材料の組合せにもかかわらず、製造されたグルテンフリーの焼いた物品を従来のコムギ粉含有ベーカリー製品のテクスチャーによりよく似せるように機能する製品に対するニーズが残る。修飾または特殊化の工程を必要とせずに従来のベーキング工程にグルテンフリーの材料を用いることができることも重要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この度、他のグルテンフリーの製品よりも従来のコムギ粉含有製品によく似ている製品を提供するために、湿熱処理されたフラワーがベーカリー製品に使用され得ることが明らかになった。
【0009】
本明細書において、用語「ベーカリー製品」とは、焼いたか、油で揚げた、蒸したか、あるいはその他の方法で調理したかにはかかわらず、ベーカリーで一般に見られる製品を意味することを意図し、限定されるものではないが、パンおよびパン製品、ケーキ、クッキー、ドーナツなどを包含する。
【0010】
本明細書において、用語「グルテンフリーの製品」とは、20ppm(w/wベース)未満のグルテンを含有する製品を意味することを意図する。
【0011】
本明細書において、用語「高アミロペクチン」とは、フラワーの澱粉または澱粉部分の重量に対して少なくとも約90%のアミロペクチンを含有することを意味することを意図する。
【0012】
本明細書において、用語「高アミロース」とは、フラワーの澱粉または澱粉部分の重量に対して、コムギまたはコメでは少なくとも約27%のアミロース、他の供給源では少なくとも約50%のアミロースを含有することを意味することを意図する。パーセントアミロース(そしてその代わりにアミロペクチン)は、電位差測定法を用いることにより決定される。
【0013】
本明細書において、生地とは、こねる、丸めるまたは成形するのに十分に堅い、フラワー/澱粉成分と他の材料の混合物を意味することを意図する。加えて、生地とは、フラワー/澱粉成分および水、場合によって脂肪および通常の生地の組成物に標準的に入っている、塩、イーストまたは化学膨張剤、卵製品、乳製品および砂糖など他の通常の材料も加えた混合物から得られる凝集性製品も意味する。
【0014】
本明細書において、脂肪とは、脂肪と油の両方を包含することを意図する。
【0015】
本明細書において、粒状とは、澱粉が天然澱粉粒のままの構造を有しているが、結晶性が低下していることによって、それらのマルタ(Maltese)クロス(偏光下)があまり明確ではないかあるいは存在しないことを意味することが意図される。
【0016】
本明細書において、クリーンラベル表示されている(clean labeled)とは、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration)により現在規定されているように、材料が修飾食品澱粉を含まないことを意味することを意図する。
【0017】
本明細書において、フラワー/澱粉成分とは、製品中の全てのフラワーおよび/または澱粉材料を意味することを意図する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、湿熱処理されたフラワーを含んでなるフラワー/澱粉成分を含んでなるグルテンフリーベーカリー製品に関する。このようなベーカリー製品は、他のグルテンフリーの製品よりも従来のコムギ粉含有製品によく似ている。
【0019】
本発明の調製に用いるフラワーおよび澱粉は天然供給源に由来するものであってよい。本明細書中で用いる天然のものは、それ自体、天然で見出されるものである。交雑育種(crossbreeding)、転流(translocation)、逆位(inversion)、形質転換(transformation)を含めた標準的な育種技術、またはその変異を含ませるための遺伝子または染色体エンジニアリングのいずれかの他の方法によって得られた植物に由来するフラワーおよび澱粉もまた適している。加えて、突然変異育種の既知の標準方法によって生産することができる、上記の一般的な組成物の誘発突然変異および変異から成長させた植物に由来するフラワーおよび澱粉もまた、ここでは適している。
【0020】
本発明のフラワーおよび澱粉の典型的な源は、穀類、塊茎、根、豆類および果実である。天然源には、コーン(トウモロコシ)、エンドウ、ジャガイモ、サツマイモ、ヒヨコマメ、バナナ、オオムギ、コムギ、コメ(玄米を含む)、サゴ、オートムギ、アマランス、タピオカ、クズウコン、カンナ、キノア、またはモロコシ、ならびにその高アミロペクチンまたは高アミロース品種が含まれる。しかしながら、グルテン含有源を用いる場合には、本発明のグルテンフリーの組成物を得るのに十分な程度までグルテンを除去しなければならない。1つの実施態様において、天然源は、コメ、タピオカ、コーン、ジャガイモ、オートムギ、アマランス、およびモロコシからなる群から選択される。
【0021】
本発明において好適なフラワーおよび澱粉は、植物性材料から、当該分野で用いられている、フラワーおよび澱粉を製造するいずれの方法によっても得ることができる。1つの実施態様において、フラワーは乾式粉砕により得られる。しかしながら、湿式粉砕技術と乾式粉砕技術の組合せを含む他の方法も用いてよい。
【0022】
1つの実施態様において、フラワーは、8〜25%水分、1〜50%タンパク質、0.1〜8%脂肪(脂質)、1〜50%繊維、20〜90%澱粉、0〜3%灰分と、場合によっては、栄養素などの他の成分(例えばビタミンおよび無機質)を含むであろう。その粒径は、当該分野で公知の方法を用いて、成分の割合に応じて変化させ得る。例えば、微粉砕および空気分級を用いてタンパク質含量を変更することができる。フラワーは、限定されるものではないが、精白フラワー、全粗挽き(wholemeal)フラワー、および全粒フラワーを包含することを意図する。
【0023】
湿熱処理されたフラワーは当該分野で公知であり、例えば、National Starch LLC(Bridgewater,New Jersey,USA)から市販されている。湿熱処理されたフラワーは、当該分野で公知のいずれの方法によっても調製することができ、そのようなフラワーがもたらされる。1つのそのような方法は以下である。
【0024】
1つの好適な方法において、出発フラワーは、特定量の水または水分含有量を有し、増大された加工耐性と溶液安定性と言う目標を達成するために所定温度に加熱される必要がある。加熱処理される澱粉の全水分または水の含有量は、乾燥フラワーの重量(乾燥固体ベース)に対して、10〜50%の範囲内であり、1つの実施態様においては、15〜30%の範囲内であろう。もう1つの好適な実施態様において、加熱工程中水分レベルは、5%(±5%)より大きく変化しないように実質的に維持される。これは、例えば、水蒸発を避けるために密封容器内でフラワーを加熱処理することにより、および/または加熱容器中の空気循環を予め調整することにより成し遂げることができる。もう1つの実施態様において、熱処理は乾燥効果を有し、加工中にフラワーの水分含有量を低減するが、上記水分範囲外ではない。
【0025】
特定の水分含有量のフラワーは、100〜180℃、1つの態様においては、100〜120℃の目標温度に加熱される。フラワーの澱粉が粒状態のままであることが重要である。タンパク質の変性を含む他の変化が起こってもよい。加熱時間は、澱粉およびタンパク質の含有量を含むフラワーの組成、粒径分布、澱粉成分のアミロース含量、および所望の増大レベル、ならびに水分量および加熱温度によって変動し得る。1つの実施態様において、目標温度での加熱時間は約1〜150分であり、もう1つの実施態様においては、約30〜120分であろう。
【0026】
湿熱処理は、そのような処理に十分な能力を提供する当該分野で公知のいずれの機器、特に粉末加工、水分添加および/または水分制御、混合、加熱および乾燥について可能なもの、を用いても行うことができる。熱処理はバッチ法としても連続法としても行うことができる。1つの実施態様において、かかる機器はバッチ式プロシェア(plougshare)ミキサーである。もう1つの実施態様において、該機器は連続式固液ミキサー、引き続いての連続加熱式コンベヤースクリューである。なおもう1つの実施態様において、連続プロセスは管状薄膜乾燥機を単独で、または滞留時間を延ばし制御するための連続スクリューと組み合わせて用いる。用いられるいずれのシステムも、100℃以上の目標温度で水分含有量を制御するために加圧することができる。
【0027】
フラワーを処理するための条件は、フラワー中の澱粉の粒状構造が破壊されないようなものでなければならない。1つの実施態様において、顆粒はなお複屈折性であり、澱粉の粒状構造を偏光下で観察するとマルタクロスを明らかに呈している。高水分・高温などの、ある条件下では、澱粉粒は部分的に膨張する可能性があるが、その結晶性が完全に破壊されることはない。従って、本明細書中で用いる用語「粒状澱粉」とは、その粒状構造(天然顆粒)をほとんど維持し、ある程度の結晶性があり、その顆粒は複屈折性であり得、偏光下でマルタクロスを明らかに呈し得る澱粉を意味する。さらに、タンパク質成分に対する湿熱処理の変性効果は、フラワーの観察される機能性に影響を与え得る。加熱処理した結果の製品は、少なくともある程度の粒状構造をなお有し、1つの実施態様においては、顕微鏡下で観察すると複屈折性であり、偏光下で観察するとマルタクロスを呈するであろう。
【0028】
湿熱処理後、フラワーは、平衡水分状態に達するように風乾させてよいし、フラッシュ(flash)乾燥機、または噴霧乾燥、凍結乾燥、またはドラム乾燥など他の乾燥手段を用いて乾燥させてもよい。1つの実施態様において、フラワーは風乾させるかまたはフラッシュ乾燥させる。また、フラワーのpHも調整することができ、一般には、6.0〜7.5の間に調整される。
【0029】
本発明の湿熱処理されたフラワーは、感覚上許容されるグルテンフリーのベーカリー製品を生み出すのに有効な量で用いられ得る。1つの実施態様において、フラワーまたはフラワー混合物(以下「フラワー」)は、グルテンフリーのベーカリー製品に対して2〜95%(w/w)の範囲内で用いられる。
【0030】
1つの特に好適な実施態様において、湿熱処理されたフラワーはグルテンフリーの穀物から得られ、もう1つの実施態様においては、コメフラワーである。
【0031】
もう1つの実施態様において、グルテンフリーのベーカリー製品は、湿熱処理されたまたは天然のタピオカフラワーおよび/または澱粉のいずれかをさらに含み、このようなフラワーおよび/または澱粉は当該分野で公知であり、例えば、National Starch LLC(Bridgewater,New Jersey,USA)から市販されている。以下、タピオカ澱粉またはタピオカフラワーをタピオカフラワーという。
【0032】
湿熱処理されたフラワーとタピオカフラワー(天然または湿熱処理済のもの)の割合は、98:2〜2:98(w/w)であり、もう1つの実施態様においては、95:5〜5:95(w/w)であり、なおもう1つの実施態様においては、90:10〜10:90(w/w)であり、さらにもう1つの実施態様においては、85:15〜15:85(w/w)である。
【0033】
フラワー/澱粉成分は、さらなる所望の感覚的品質を提供するための他のフラワーおよび/または澱粉、例えば熱抑制された澱粉およびフラワー、抑制されたジャガイモ澱粉、抑制されたコーン澱粉、抑制されたタピオカ澱粉、冷水膨潤性澱粉、および/またはオクテニルコハク酸無水物置換澱粉を含むことがある。
【0034】
本発明の熱抑制澱粉は、感覚上許容されるグルテンフリーのベーカリー製品を生み出すのに有効な量で用いられ得て、本発明の1つの態様においては、湿熱処理されたフラワーの量に対して5〜100%(w/w)の量で用いられる。熱抑制澱粉は、一般に、感覚特性を修正するために用いられ、一例においては、生地改良剤および/または粘度調整剤として用いられる。そのような粘度調整剤は、生地またはバッター(batter)の濃厚化を助けるために業界では一般的に用いられており、生地またはバッターを、クッキー、マフィン、パンケーキ、ケーキ、および他の焼いた物品などの最終製品へとさらに加工できるようにする。粘度調整剤は、食品の咀嚼性(chewiness)、ガム性(gumminess)、しっとりさ(moistness)、パリっとした食感(crispness)、および他の感覚的品質を改良するためにも用いられる。
【0035】
そのような熱抑制澱粉およびフラワーは、当該分野で公知のいずれの方法によっても製造することができる。熱抑制澱粉およびフラワー(以下「澱粉」)は、例えばWO 95/04082、WO 96/40794、米国特許第5,932,017号および同第6,261,376号、ならびに米国出願番号第12/423,213号におけるように、当該分野で公知である。1つのそのような熱抑制プロセスは以下である。
【0036】
澱粉は、必要であれば、脱水工程の前、その後および/またはその間に、引き続いての熱抑制工程の間pHを中性pH(約6〜8の、7程度のpH値の範囲、)または塩基性pH(アルカリ)に維持するのに有効なpHレベルに調整することができる。そのような調整は、当該分野で知られており、pH調整方法、用いるバッファーおよびアルカリの種類、ならびに適当なpHレベルを含む。
【0037】
澱粉は、無水または実質的に無水の状態にまで脱水される。本明細書中で用いるように、用語「実質的に無水」とは、5%未満、1つの実施態様においては、2%未満、なおもう1つの実施態様においては、1%(w/w)未満の水を意味することが意図されている。水分を除去し、実質的に無水の澱粉を得るための脱水工程は、当該分野で公知のいずれの手段によっても達成することができ、熱的方法および非熱的方法を含む。非熱的方法は、アルコール(例えば、エタノール)のような親水性溶媒の使用、凍結乾燥、または乾燥剤の使用を含む。非熱的脱水は熱抑制された多糖類の味の改良につながり得る。
【0038】
熱的脱水方法も当該分野で知られており、水分含有量を所望の量まで低下させるのに十分な時間および昇温で加熱装置を用いて達成される。1つの実施態様において、用いられる温度は125℃以下である。もう1つの実施態様において、その温度は100〜140℃の範囲であろう。脱水温度は100℃よりも低くできるが、熱的方法を用いる場合、水分除去には、少なくとも100℃の温度がより効果的であろう。脱水工程は、いずれのプロセスまたはプロセスの組合せを用いても行うことができ、一般には、水分除去のための手段(例えば、装置のヘッドスペースからガスを掃引するためのブロア、流動化ガス)を備えた装置で行われて、水分が澱粉上に蓄積および/または沈澱するのを実質的に防ぐ。脱水のための時間と温度の組合せは、用いる機器に依存し、処理される澱粉の種類、pHおよび水分含有量、ならびに実行者によって確認され選択される他の因子によっても影響され得る。
【0039】
熱抑制工程は、実質的に無水の澱粉を100℃以上の温度で、澱粉を抑制するのに十分な時間加熱することにより行われる。本発明の1つの態様において、澱粉は熱処理温度に到達する前に実質的に無水であり、本発明のもう1つの態様においては、澱粉は、熱処理の少なくとも90パーセントを通じて実質的に無水である。
【0040】
熱処理は、少なくとも100℃の温度の範囲にわたって行うことができる。1つの実施態様において、その温度は100〜200℃の範囲であり、もう1つの実施態様においては、120〜180℃の範囲であり、なおもう1つの実施態様においては、150〜170℃の範囲であろう。熱抑制の時間は、1つの実施態様において、0〜12時間であり、もう1つの実施態様においては、0.25〜6時間であり、なおもう1つの実施態様においては、0.5〜2時間である。熱抑制の時間は、温度が安定する(目標温度に達する)時間から測定されるため、そのような温度に向かいつつ熱抑制が起こるならば、熱抑制時間はゼロである。例えば、温度上昇(ramp-up)が比較的遅い装置においてこの過程を行う場合、一度澱粉が実質的に無水の状態に達すると、熱抑制は、温度が十分に高いならば始まり、装置が最終温度に達する前に完了し得る。
【0041】
脱水工程および/または熱処理工程は、常圧で、真空下でまたは加圧下で行うことができ、当該分野で公知のいずれの手段によっても達成することができる。1つの方法において、用いるガスはいくらかの水分を除去する予め乾燥される。もう1つの実施態様において、これらの工程の少なくとも1つは、増大した圧力下および/または増大した有効酸素濃度下で行われる。
【0042】
脱水工程および熱抑制工程の時間と温度の組合せは、用いる機器に依存し、処理される澱粉の種類、pHおよび水分含有量、ならびに実行者によって確認され選択される他の因子によっても影響され得る。
【0043】
本発明の1つの態様において、熱抑制澱粉は、コメ澱粉、タピオカ澱粉、コーン澱粉、およびジャガイモ澱粉からなる群から選択される。
【0044】
本発明の1つの態様において、抑制されたジャガイモ澱粉は、湿熱処理されたフラワーの10〜100%(w/w)の量で添加される。このような抑制ジャガイモ澱粉は、天然ジャガイモ澱粉から作り出される。抑制は、限定されるものではなく、化学的架橋および熱的抑制を含むいずれの方法によるものでもよい。化学的架橋は、例えばModified starches: Properties and Uses, Ed.Wurzburg,CRC Prerss,Inc.,Florida(1986)に記載されているように、当該分野で周知である。1つの実施態様において、澱粉は、当該分野で公知の方法を用いて、トリメタリン酸ナトリウム(STMP)、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)、オキシ塩化リン、エピヒドロクロロヒドリン(epihydrochlorohydrin)、およびアジピン酸−酢酸無水物(1:4)から選択される少なくとも1つの試薬を用いて架橋される。フラワー/澱粉成分がクリーンラベル表示されている本発明のもう1つの実施態様において、およびベーカリー製品がクリーンラベル表示されているさらなる実施態様において、ジャガイモ澱粉の抑制は熱抑制による。
【0045】
本発明のもう1つの態様において、抑制されたタピオカ澱粉は、湿熱処理されたフラワーの5〜100%(w/w)の量で添加される。このような抑制タピオカ澱粉は、天然タピオカ澱粉から作り出される。抑制は、限定されるものではないが、化学的架橋および熱抑制を含むいずれの方法によるものでもよい。
【0046】
本発明のもう1つの態様において、抑制澱粉は、感覚上許容されるグルテンフリーのベーカリー製品を生み出すのに用いられ得るオクテニルコハク酸無水物(OSA)置換澱粉である。本発明の1つの態様において、OSA澱粉は湿熱処理フラワーの量に対して1〜50%(w/w)の量で用いられる。このようなOSA澱粉は、ワキシートウモロコシ澱粉、デントコーン澱粉、またはタピオカ澱粉から作り出される。好適なレベルのOSA修飾は、澱粉に対して0.5〜3%(w/w)の量で、1つの実施態様においては、2〜3%(w/w)の量でOSA試薬を添加することによる。澱粉は、当該分野で公知の方法を用い、オクテニルコハク酸無水物で修飾される。OSA澱粉を製造するための例示的な方法は当該分野で公知であり、例えば米国特許出願第2005/0008761号およびWurzburg(同書)に開示されている。ドデセニルコハク酸無水物などの他のアルケニルコハク酸無水物も用いられ得る。
【0047】
本発明のもう1つの態様において、冷水膨潤性澱粉は、湿熱処理フラワーに対して、2〜100%(w/w)の量で、さらにもう1つの態様においては、5〜100%(w/w)の量で添加される。このような冷水膨潤性コーン澱粉は当該分野で公知であり、そうでなければ予備糊化澱粉として知られている。本発明の冷水膨潤性澱粉は粒状または非粒状のいずれかであり得る。
【0048】
粒状予備糊化澱粉は粒状構造を維持しているが、偏光下でのマルタクロスは見られない。これらは、澱粉粒の大部分が膨潤しているが、損なわれないままであるように予備糊化されている。予備糊化粒状澱粉を製造するための例示的な方法は、当該分野で公知であり、例えば米国特許第4,280,851号;同第4,465,702号;同第5,037,929号;および同第5,149,799号に開示されている。
【0049】
予備糊化非粒状澱粉およびフラワーはまた偏光下でマルタクロスは見られず、膨潤したために澱粉は粒状構造を失い壊れて破片となっている。これらは、澱粉粒を破壊する公知の物理的、化学的または熱的な予備糊化方法のいずれかに従って製造され得て、これらの方法には、限定されるものではないが、ドラム乾燥、押出、およびジェットクッキングが含まれる。
【0050】
澱粉を冷水膨潤性にするための1つの処理において、澱粉は、例えば米国特許第5,149,799号に開示されている、調理と噴霧乾燥を同時に行うことにより予備糊化され得る。澱粉を予備糊化する従来の手順は、当業者には公知であり、例えばChapter XXII−“Production and Use of Pregelatinized Starch”,Starch:Chemistry and Technology,Vol.III−Industrial Aspects,R.L.Whistler and E.F.Paschall, Editors, Academic Press,New York 1967にも記載されている。
【0051】
本発明の1つの態様において、フラワー/澱粉成分に任意選択の増量剤が用いられる。この増量剤は、湿熱処理されたフラワーによって製品に与えられるテクスチャーを大きく変化させないレベルにおいて添加されるいずれの澱粉またはフラワーであってもよい。本発明の1つの実施態様において、任意選択の増量剤は天然のコメフラワーである。本発明のもう1つの実施態様において、増量剤は、配合物中の湿熱処理されたフラワーの20%(w/w)以下のレベルにおいて、さらなる実施態様においては、15%(w/w)以下のレベルにおいて用いられる。本発明のなおもう1つの実施態様において、増量剤は、ベーカリー製品の10%(w/w)未満のレベルにおいて、さらになおもう1つの実施態様においては、5%(w/w)未満のレベルにおいて用いられる。
【0052】
本発明の1つの実施態様において、ベーカリー製品のフラワー/澱粉成分は、湿熱処理フラワーおよび天然タピオカフラワーから本質的になり、もう1つの実施態様においては、湿熱処理コメフラワーおよび天然タピオカフラワーから本質的になる。なおもう1つの実施態様において、ベーカリー製品のフラワー/澱粉成分は、湿熱処理コメフラワーおよび天然タピオカフラワー以外の澱粉もフラワーも含まない。
【0053】
本発明のベーカリー製品は、1%〜99%(w/w)のフラワー/澱粉成分を含有し、もう1つの実施態様においては、5%〜95%(w/w)のフラワー/澱粉成分を含有する。
【0054】
本発明のベーカリー製品は、少なくとも1つの他の慣用ベーカリー製品材料、例えば卵、牛乳、水、砂糖、脂肪(ショートニング)、チョコレート、膨脹剤、イースト、塩、乳化剤、および香味剤も含有する。このような慣用材料は当該分野で周知であり、味、テクスチャー、臭い、外観、保持性、加工性、調理性、栄養バランスなどを改変する。1つの実施態様において、本発明のベーカリー製品はクリーンラベル表示のものである。すなわち、本発明のベーカリー製品は、化学的に修飾された材料も遺伝子改変された生物を用いて生産された材料も含まない。ベーカリー製品は、フラワー/澱粉成分以外の澱粉もフラワーも含まない。
【0055】
1つの実施態様において、ベーカリー製品は、全て重量/重量ベースで、3%未満のガムを含有し、もう1つの実施態様においては、1.0%未満のガムを含有し、なおもう1つの実施態様においては、0.5%未満のガムを含有し、さらにもう1つの実施態様においては、ガムを含まない。
【0056】
本発明の1つの実施態様において、フラワー/澱粉成分は、他の任意選択の材料と組み合わせて、パン生地、ケーキ生地、クッキー生地またはビスケット生地などの生地を形成することができる。このような生地は、膨張剤によって生じる気泡を含むことができ、従来のグルテンを含む製品同様に、コムギ製品に利用可能な、例えば、混合され、発酵させられ、天秤で計られ、成形され、発酵され(proofed)および調理される(例えば、焼かれ、油で揚げられ、蒸されるなど)従来の方法を用いて加工され得る。本発明の1つの実施態様において、ベーカリー製品は焼かれた製品である。
【0057】
本発明のベーカリー製品は、20ppm未満(重量/重量ベース)のグルテンを含有している、グルテンフリーのものである。
【0058】
本発明のベーカリー製品は、他のグルテンフリーのベーカリー製品と比べて改良された感覚特性を有し、本発明の1つの態様においては、グルテンを含むベーカリー製品と実質的に同じである。特に、本発明のベーカリー製品は、改良されたテクスチャー特性および構造特性を有する。本発明の1つの実施態様において、ベーカリー製品の粒状性は、実施例セクションに記載された試験を用いて測定した場合、8.5未満であり、1つの実施態様においては、7未満である。本発明のもう1つの実施態様において、ベーカリー製品の凝集性は、実施例セクションに記載された試験を用いて測定した場合、少なくとも5であり、1つの実施態様においては、6より大きく、もう1つの実施態様においては、7より大きく、なおもう1つの実施態様においては、8.5より大きい。
【0059】
本発明のベーカリー製品としては、限定されるものではないが、パン、ロールパン、バン、ベーグル、トースト、クラッカー、ピザクラスト、ぶどうパン(brownies)、クロワッサン、ペストリー、クルトン、ウエハース、ロールケーキ、ビスケット、クッキー、ケーキ、パイクラスト、マフィン、ドーナツ、トルティヤ、ワッフル、パンケーキ、プレッツェル、板状の焼いたスナック、パウンドケーキ、およびラップ(wrap)が挙げられる。本発明のベーカリー製品は、ベーカリー製品を製造するのに有用なミックス、ならびに長期保存用、または冷蔵および冷凍ベーカリー製品も包含することを意図する。
【0060】
実施態様
以下の実施態様は、本発明をさらに示し説明するために掲げるが、いずれにせよ限定的なものと解釈すべきではない。
1. a)少なくとも1つの湿熱処理されたフラワー;および
b)少なくとも1つの他の慣用ベーカリー製品材料
を含んでなるフラワー/澱粉成分を含んでなる組成物であって、グルテンフリーのベーカリー製品である、組成物。
2. 前記湿熱処理されたフラワーが、コメ、タピオカ、コーン、ジャガイモ、オートムギ、アマランス、およびモロコシの湿熱処理されたフラワーからなる群から選択される、実施態様1の組成物。
3. 前記湿熱処理されたフラワーが湿熱処理されたコメフラワーである、実施態様1の組成物。
4. 湿熱処理されたまたは天然のタピオカフラワーをさらに含んでなる、実施態様2または3の組成物。
【0061】
5. 前記フラワー/澱粉成分が、
a)湿熱処理されたコメフラワー;および
b)湿熱処理されたまたは天然のタピオカフラワー
から本質的になる、実施態様4の組成物。
6. 前記フラワー/澱粉成分が、
a)湿熱処理されたコメフラワー;および
b)湿熱処理されたまたは天然のタピオカフラワー
からなる、実施態様4の組成物。
7. 前記湿熱処理されたまたは天然のタピオカフラワーが、湿熱処理されたタピオカフラワーである、実施態様4〜6のいずれか1つの組成物。
8. 前記湿熱処理されたまたは天然のタピオカフラワーが天然のフラワーである、実施態様4〜6のいずれか1つの組成物。
【0062】
9. 前記フラワー/澱粉成分が、熱抑制された澱粉およびフラワー、抑制されたジャガイモ澱粉、抑制されたコーン澱粉、抑制されたタピオカ澱粉、および冷水膨潤性澱粉からなる群から選択される少なくとも1つの澱粉をさらに含んでなる、実施態様1〜8のいずれか1つの組成物。
10. 前記抑制された澱粉が熱抑制されている、実施態様9の組成物。
ll. 前記抑制された澱粉がOSAを用いて抑制されている、実施態様9の組成物。
12. キサンタンガムをさらに含んでなる、実施態様1〜11のいずれか1つの組成物。
13. 凝集性が少なくとも5である、実施態様1〜12のいずれか1つの組成物。
14. 粒状性が8.5未満である、実施態様1〜13のいずれか1つの組成物。
【実施例】
【0063】
以下の実施例は、本発明をさらに示し説明するために掲げるが、いずれにせよ限定的なものと解釈すべきではない。全ての部およびパーセンテージは重量により与えられ、全ての温度は特記しない限り摂氏温度(℃)で表す。
【0064】
以下の材料を、実施例を通じて用いた。
粘度調整剤−NOVATION(登録商標)4600澱粉;National Starch LLC(Bridgewater,NJ,USA)から市販されている熱抑制澱粉
タピオカフラワー;National Starch LLC(Bridgewater,NJ,USA)から市販されているもの
湿熱処理されたコメフラワー;実施例1によって調製される、National Starch LLC(Bridgewater,NJ,USA)から市販されているもの
Hi−Maize(登録商標)260澱粉;National Starch LLC(Bridgewater,NJ,USA)から市販されている高アミロース澱粉
熱抑制タピオカ澱粉;National Starch LLC(Bridgewater,NJ,USA)から市販されているもの
【0065】
熱抑制ジャガイモ澱粉;National Starch LLC(Bridgewater,NJ,USA)から市販されているもの
熱抑制ワキシーコーン澱粉;National Starch LLC(Bridgewater,NJ,USA)から市販されているもの
Instant PURE−FLO(登録商標)F澱粉;National Starch LLC(Bridgewater,NJ,USA)から市販されている冷水膨潤性澱粉
予備糊化ワキシーコーン澱粉;National Starch LLC(Bridgewater,NJ,USA)から市販されているもの
N−CREAMER(商標)46澱粉;National Starch LLC(Bridgewater,NJ,USA)から市販されているオクテニルコハク酸無水物(OSA)置換澱粉
コムギ粉;複数の商業的供給源から市販されているもの
コメフラワー;複数の商業的供給源から市販されているもの
【0066】
以下の試験手順を、実施例を通じて用いた。
A.凝集性:
グルテンフリーの製品の凝集性は、咀嚼過程で咀嚼された製品が丸まるまたは食塊になる程度の口腔感覚として定義される。凝集性は、訓練を受けた専門家による口腔感覚分析により測定され、訓練を受けた専門家は、試験される食品を臼歯で咀嚼し、それを較正サンプルと比較して15段階で評価する。数値が高いほど凝集性が高いことを示す。較正サンプルは、スコア0のひも状のカンゾウ入り菓子、スコア2の生ニンジン、スコア4の生マッシュルーム、スコア7.5のフランクフルトソーセージ、スコア9のアメリカンチーズ、およびスコア14のフィグニュートン(Fig Newton)で構成される。
【0067】
B.粒状性:
グルテンフリーの製品の粒状性は、咀嚼過程で塊または食塊の表面の粗さの量によってもたらされる口腔感覚として定義される。粒状性は、訓練を受けた専門家による口腔感覚分析により測定され、訓練を受けた専門家は、食品を8〜10回咀嚼した後、口腔内の塊または食塊の表面を触知し、それを較正サンプルと比較して15段階で評価する。数値が高いほど粒状性が高いことを示す。較正サンプルは、スコア3のアメリカンチーズ、スコア5のグラハムクラッカー、スコア7.5のメルバ(Melba)トースト、スコア10の堅いプレッツェル棒、スコア12の生ニンジンおよびスコア15のグラノーラバーで構成される。
【0068】
C.電位差滴定法によるアミロース含量
0.5gの澱粉(1.0gの穀粉)サンプルを10mlの濃縮塩化カルシウム(約30重量%)中で95℃で30分間加熱した。このサンプルを室温に冷却し、5mlの2.5%酢酸ウラニル溶液で希釈し、よく混合し、2000rpmで5分間遠心分離した。次に、このサンプルを濾過し、清澄な溶液を得た。
1cmの偏光分析用セルを使用して偏光分析により澱粉濃度を測定した。次に、白金電極をKCl参照電極とともに使用して電位を記録しながら、サンプルのアリコート(通常5ml)を直接、標準0.01Nヨウ素溶液を用いて滴定した。変曲点に達するのに必要なヨウ素の量を直接、結合ヨウ素として測定した。アミロースの量は、1.0gのアミロースが200mgのヨードに結合すると仮定して計算した。
【0069】
D.クッキーの調製
砂糖を除いた乾燥材料を合わせる。パドルを備えたミキサーでバターと砂糖をクリーム状にする。卵とバニラエッセンスを加え、よく混ざるまで混合する。乾燥材料を2回に等量に分けて加え、加えるごとによく混合する。チョコレートチップを混ぜ入れる。スプーンでおよそ30g分を、パーチメントを敷いたクッキーシート上にのせる。それぞれを少し平たくする。190℃でおよそ12分間焼く(予熱した)。
【0070】
E.マフィンの調製
砂糖とブルーベリーを除いた乾燥材料を合わせる。砂糖とショートニングをホーバート(Hobart)ミキサーの速度2において5分間クリーム状にする。速度1において混合しながら、卵とバニラエッセンスをゆっくりと加える。速度1において2分の間に、合わせた乾燥材料を水と交互に加える。ブルーベリーを加え、手で混ぜ入れる。およそ61gに計り、マフィン型で190℃で20〜21分間焼く。
【0071】
実施例1−湿熱処理コメフラワーの調製(ワキシー、低アミロースおよび標準)
この実施例では、フラワーの湿熱処理のための方法を示す。
A. 1500gの低アミロースコメフラワー(LARF、アミロース含量12%;RM100AR−ロット番号7519)をキッチンエイド(Kitchen Aid)ミキサーで2−3番の速度で混合しながら、それに細かい霧状の水を噴霧した。噴霧中時々このフラワーの水分をCenco水分計により調べた。フラワー粉末は4つの異なる最終水分含有量15%、20%、25%、および30%に調整した。確実に水分を一様にするために、これを1時間さらに混合した。次に、約200gの湿ったフラワーをアルミニウム缶に1インチ(2.54cm)未満のヘッドスペースで密封した。密封したアルミニウム缶を、100℃の所望の温度にしておいたオーブンに入れ、湿熱処理のために120℃で置いた。30分の昇温時間を経て、缶内のサンプル温度を外部オーブン温度と平衡化させた。このサンプルを前記温度で2時間さらに保持した。湿熱処理後、缶を開け、湿熱処理された(HMT)フラワーを室温で風乾した。コーヒー粉砕機を使用して乾燥させたサンプルを微粉末に粉砕し、USメッシュ20のふるい(0.841mmのふるい目の開き)を使用してふるい分けた。続いて、熱的特性およびレオロジー特性についてサンプルを特性評価した。
【0072】
B. ワキシーコメフラワーに対して、実施例1Aを繰り返した。ただし、水分を25%に調整した後、100℃で加熱処理した。
【0073】
C. 標準コメフラワーに対して、実施例1Aを繰り返した。ただし、水分を20%に調整した後、100℃で加熱処理した
【0074】
実施例2−グルテンフリーのクッキーの調製
配合物A
次の処方からクッキーを調製した。
【0075】
【表1】
これらのクッキーの凝集性は7であり、粒状性のスコアは8であった。
【0076】
配合物B
次の処方からクッキーを調製した。
【表2】
これらのクッキーの凝集性は8であり、粒状性のスコアは7.8であった。
【0077】
配合物C−比較例−高いざらつき(Grittiness)
次の処方からクッキーを調製した。
【表3】
天然コメフラワーの量が多いため、これらのクッキーの凝集性はマススコアまたは7.7であり、粒状性のスコアは11.5であった。
【0078】
配合物D−コメフラワーを増量剤として用いた比較例
次の処方からクッキーを調製した。
【表4】
【0079】
クッキーの凝集性はマススコアまたは6.8であり、粒状性のスコアは8.7であった。
増量剤(コメフラワー)はクッキーのテクスチャーに負の効果を与えた。
【0080】
配合物E−比較例
次の処方からクッキーを調製した。
【表5】
【0081】
含まれる天然コメフラワーの量が多く、湿熱処理されたフラワーが含まれていないため、クッキーの凝集性はマススコアまたは5であり、粒状性のスコアは10であった。
【0082】
配合物F−コムギ粉(グルテンを含む)を含有する比較例
次の処方からクッキーを調製した。
【表6】
これらのクッキーの凝集性は8.5であり、粒状性のスコアは7であった。
【0083】
実施例3−マフィンの調製
配合物A
次の処方からマフィンを調製した。
【表7】
マフィンの凝集性は9であり、粒状性のスコアは8であった。
【0084】
配合物B
次の処方からマフィンを調製した。
【表8】
マフィンの凝集性は7であり、粒状性スコアは7であった。
【0085】
配合物C
次の処方からマフィンを調製した。
【表9】
マフィンの凝集性はマススコアまたは7であり、粒状性スコアは5であった。
【0086】
配合物D
次の処方からマフィンを調製した。
【表10】
マフィンの凝集性は7であり、粒状性スコアは5であった。
【0087】
配合物E
次の処方からマフィンを調製した。
【表11】
マフィンの凝集性は9であり、粒状性スコアは6.5であった。
【0088】
配合物G−比較例
次の処方からマフィンを調製した。
【表12】
マフィンの凝集性は4であり、粒状性スコアは10であった。
【0089】
配合物H−コムギ粉(グルテンを含む)を含有する比較例
次の処方からマフィンを調製した。
【表13】
これらのマフィンの凝集性は8であり、粒状性スコアは5であった。
【0090】
実施例4−他のグルテンフリーのベーカリー製品
この一連の実施例では、様々なグルテンフリーの製品の生産における本発明の有用性を示す。
【0091】
配合物A−パン
以下の試験手順を用いてパンを作製した。
イーストを含む全ての乾燥材料を合わせ、パドルを備えたホーバートミキサーでよく混ぜ合わせる。水を46〜49℃に加熱し、他の室温の液体材料と合わせる。この液体を乾燥ブレンドに加え、パドルを用いて速度1において5分間混合する。それをパン型に計り入れ、35〜37℃で45〜70分発酵させる。ラック(rack)オーブン中163℃で1時間および177℃で5分焼く。
【0092】
次の処方を用いてパンを調製した。
【表14】
【0093】
配合物B−ピザ生地
以下の試験手順を用いてピザ生地を作製した。
温水にイーストを分散させる。フラワーと塩をミキシングボウルにふるい入れ、低速で混合しながらオリーブ油とイースト/水混合物を加える。ホーバートミキサーで低速で1分、中−高速で3〜4分、または滑らかで弾力性のある生地になるまで混合する。十分に油を塗ったボウルに入れ、2倍の大きさになるまでバルク発酵させる。折り重ね、一定の大きさのボールにする。1cm厚の円形ベースに成形し、このベース上にトマトソースとチーズの層を広げる。オーブンを175℃に予熱する。ピザを175℃で30分間焼く。オーブンから取り出す。
【0094】
次の処方からピザ生地を調製した。
【表15】
【0095】
配合物C−パンケーキ
以下の試験手順を用いてパンケーキを作製した。
全ての乾燥材料が合わさるまで混ぜる。別のボウルで全ての湿潤材料が合わさるまで混ぜる。
【0096】
湿潤材料を乾燥材料に流し込み、合わさるまで混合する。グリドルに軽く油を塗る。グリドルを149℃に加熱する。バッターをグリドル表面に流し込む。約3分、パンケーキの表面に気泡が生じ始めたらひっくり返す。ひっくり返し、さらに約2分調理する。グリドルから取り出す。
【0097】
配合物C1
次の処方からパンケーキを調製した。
【表16】
【0098】
配合物C2
次の処方からパンケーキを調製した。
【表17】
【0099】
配合物D−ぶどうパン
以下の試験手順を用いてぶどうパンを作製した。
9×9インチ(23cm×23cm)の金属皿に油を塗り、粉を振る。電子レンジでまたは料理用ストーブ上でソースパンに入れてバターを溶かす。へらを用いてミキサーに移し、滑らかになるまでココアをバターと混合する。砂糖、卵、コーヒー、およびバニラエッセンスを混ぜ入れる。ボウルの側面と底をこそげ、再度滑らかになるまで混合する。乾燥材料の全てを合わせる。乾燥材料を湿潤材料に加え、完全に混ざるまで混合する。バッターを金属皿に移す。9×9インチの金属皿には約1000gのバッターを入れることができるはずである。175℃で20〜25分間、またはつま楊枝に何も付かなくなるまで焼く。ワイヤーラック上で冷まし、ひっくり返して金属皿から取り出す。
【0100】
配合物D1
次の処方からぶどうパンを調製した。
【表18】
【0101】
配合物D2
次の処方からぶどうパンを調製した。
【表19】
【0102】
配合物E−ケーキ
以下の試験手順を用いて高比率(hi-ratio)ケーキを作製した。
要素Aの乾燥材料を一緒にふるいにかける。パドルを用いて中速において5分Aを混合する。
要素Bを加え、中速においてで3分混合する。要素Cを2段階で加え、加えるごとによく混ぜ合わせる。400gのバッターを、油を塗り粉を振った8インチ(20cm)の円形ケーキ型2つに計り入れる。
177℃で18〜22分間焼く。15〜20分冷まし、ケーキ型から取り出す。
【0103】
配合物E1
次の処方から高比率ケーキを調製した。
【表20】
【0104】
配合物E2
次の処方から高比率ケーキを調製した。
【表21】
【0105】
配合物F−パイクラスト
以下の試験手順を用いてパイクラストを作製した。
フラワーと塩を混ぜ合わせる。冷やしたショートニングを加え、2つのナイフで粗挽き粉のようになるまで切り込む。冷水を少量ずつ加え、生地がまとまるまでフォークで混ぜる。
ボールを形成し、サランで包む。ボールを14〜16℃まで冷やす。4.5インチ(11cm)のタルト型の場合、上と下のクラストをおよそ120gに計る。麺棒を用いて生地を延ばして1/4インチ(0.6cm)厚の円形にするか、または生地を手で押して1/4インチ厚の円形にする。下のクラストをタルト型に敷き、余分な部分を切り取る。およそ240gのパイの詰め物を詰める。クラストを上に乗せ、余分な部分を切り取り、閉じる。218℃で30分間焼く。
【0106】
次の処方からパイクラストを調製した。
【表22】
【0107】
配合物G−スナッククラッカー
以下の試験手順を用いてスナッククラッカーを作製した。
ホーバートミキサーでパドルを用いて低速において5分間要素Aを混ぜ合わせる。砂糖、デキストロース、塩、および重炭酸ナトリウムを水に分散させ、3分間混合することにより要素Bを作る。Bを乾燥ブレンドにゆっくりと加え、3分間、または生地が形成するまで混合を続ける。手で、およそ1/2インチ(1.3cm)厚の生地シートにする。第1工程:ローラー設定 1mm、第2工程:ローラー設定 0.7mm、および第3の最終工程:ローラー設定 0.3mmの3工程で生地シートを薄くし、最終的な厚さ0.7〜0.8mmにする。クラッカーダイカッターで切り、ピースを穴の開いた焼き型に置く。デッキオーブンで、177℃で5〜10分間焼く。
【0108】
次の処方からスナッククラッカーを調製した。
【表23】
【0109】
配合物H
次の処方からクッキーを調製した。
【表24】
【0110】
配合物I
次の処方からマフィンを調製した。
【表25】
【0111】
配合物J
次の処方からマフィンを調製した。
【表26】
【0112】
配合物K
次の処方からマフィンを調製した。
【表27】
【0113】
配合物L
次の処方からロールを調製した。
【表28】
【0114】
以下の特許請求の範囲で用いるように、「含んでなる(comprise)」または「含んでなる(comprising)」は、以下のエレメントを含むことを意味することを意図するが、他のものを排除せず無制限である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1つの湿熱処理されたフラワー;および
b)少なくとも1つの、他の慣用ベーカリー製品材料
を含んでなるフラワー/澱粉成分を含んでなる組成物であって、
グルテンフリーのベーカリー製品である、組成物。
【請求項2】
湿熱処理された、または天然のタピオカフラワーをさらに含んでなる、請求項1の組成物。
【請求項3】
前記フラワー/澱粉成分が、熱抑制された澱粉およびフラワー、抑制されたジャガイモ澱粉、抑制されたコーン澱粉、抑制されたタピオカ澱粉、および冷水膨潤性澱粉からなる群から選択される少なくとも1つの澱粉をさらに含んでなる、請求項1の組成物。
【請求項1】
a)少なくとも1つの湿熱処理されたフラワー;および
b)少なくとも1つの、他の慣用ベーカリー製品材料
を含んでなるフラワー/澱粉成分を含んでなる組成物であって、
グルテンフリーのベーカリー製品である、組成物。
【請求項2】
湿熱処理された、または天然のタピオカフラワーをさらに含んでなる、請求項1の組成物。
【請求項3】
前記フラワー/澱粉成分が、熱抑制された澱粉およびフラワー、抑制されたジャガイモ澱粉、抑制されたコーン澱粉、抑制されたタピオカ澱粉、および冷水膨潤性澱粉からなる群から選択される少なくとも1つの澱粉をさらに含んでなる、請求項1の組成物。
【公開番号】特開2010−279355(P2010−279355A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−128465(P2010−128465)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(308036790)ブルノプ トゥヴェーデ ベスローテン フェンノートシャップ (21)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128465(P2010−128465)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(308036790)ブルノプ トゥヴェーデ ベスローテン フェンノートシャップ (21)
【Fターム(参考)】
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