説明

グロメットへの電線の装着方法及びグロメット

【課題】電線の装着作業の向上を図り、また、密封性の向上を図ったグロメットへの電線の装着方法及びグロメットを提供する。
【解決手段】電線が挿通される貫通孔11と、貫通孔11を形成する内周面に設けられ、電線の外周面に密着する環状凸部12と、外壁面側に設けられ、環状凸部12が押圧されて孔径が拡がる方向に変形した際に、この変形に伴う変形量分を吸収する第1凹部13及び第2凹部14と、を備えた、形状記憶ゴムからなるグロメット10への電線の装着方法であって、装着する電線よりも大径の棒状部材(丸棒)を貫通孔11に挿通して環状凸部12を孔径が拡がる方向に押圧した状態で賦形する工程と、棒状部材を貫通孔11から取り外した後に貫通孔11に電線を挿通する工程と、電線挿通後に、賦形を解く工程と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形状記憶ゴムからなるグロメットへの電線の装着方法及びグロメットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電線が挿通される貫通孔を有するグロメットにおいては、貫通孔の内径が電線の外径よりも小さく設定されたり、貫通孔を形成する内周面に電線の外周面に密着する環状凸部が備えられたりする。そのため、貫通孔に電線を挿通する際には、抵抗力が発生する。従って、挿通される電線の数が多いグロメットの場合には、電線を挿通する作業が非常に煩わしい。
【0003】
そこで、グロメットを形状記憶ゴムにより構成し、電線を挿入する前に電線の外周面に密着する環状凸部を孔径の拡がる方向に変形させた状態で賦形しておき、電線を挿通後に賦形を解く方法が考えられている。
【0004】
しかしながら、賦形する際には、孔径を拡げるように環状凸部を無理やり変形させるため、ゴムの逃げ場が無くなった状態(いわゆる過充填状態)となり易い。そのため、賦形のためのピンを貫通孔に挿入する作業が大変になったり、グロメット自体が歪んでしまい、かえって電線の挿通作業が煩わしくなってしまったりすることがある。また、グロメット自体が歪むと、電線とグロメットとの間の密封性や、グロメットとグロメットが装着される相手部材(ハウジングなど)との間の密封性を低下させる原因にもなってしまう。
【0005】
このように、電線装着作業の作業性や密封性の面で未だ改良の余地がある。その他、関連する技術として、特許文献1〜11に開示されたものがある。
【特許文献1】特開平7−39046号公報
【特許文献2】特開平7−307532号公報
【特許文献3】特開2004−357455号公報
【特許文献4】特開2004−320829号公報
【特許文献5】特開2004−328936号公報
【特許文献6】特開2002−305825号公報
【特許文献7】特開2002−305823号公報
【特許文献8】特開2004−158316号公報
【特許文献9】特開2004−158356号公報
【特許文献10】特開2004−158380号公報
【特許文献11】特開2004−146181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、電線の装着作業の向上を図り、また、密封性の向上を図ったグロメットへの電線の装着方法及びグロメットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0008】
すなわち、本発明のグロメットへの電線の装着方法は、
電線が挿通される貫通孔と、
該貫通孔を形成する内周面に設けられ、電線の外周面に密着する環状凸部と、
外壁面側に設けられ、前記環状凸部が押圧されて孔径が拡がる方向に変形した際に、この変形に伴う変形量分を吸収する凹部と、
を備えた、形状記憶ゴムからなるグロメットへの電線の装着方法であって、
装着する電線よりも大径の棒状部材を前記貫通孔に挿通して前記環状凸部を孔径が拡がる方向に押圧した状態で賦形する工程と、
前記棒状部材を前記貫通孔から取り外した後に該貫通孔に電線を挿通する工程と、
電線挿通後に、前記賦形を解く工程と、
を有することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、貫通孔に棒状部材や電線が挿通されることで、環状凸部が孔径を拡げる方向に変形した状態であっても、当該変形に伴う変形量分は、グロメットの外壁面側に設けられた凹部によって吸収される。そのため、これらの挿通によってグロメット自体が歪んでしまうことを抑制できる。従って、棒状部材の挿通作業や電線の挿通作業をスムーズに行うことができる。また、密封性の低下を抑制することもできる。
【0010】
前記貫通孔は複数備えられており、前記電線を挿通する工程では複数の電線を同時に挿通するとよい。
【0011】
これにより、工程数を削減できる。なお、上記の通り、グロメット自体の歪みを抑制することにより、容易に複数の電線を同時に挿入することができる。
【0012】
また、本発明のグロメットは、
形状記憶ゴムからなるグロメットであって、
電線が挿通される貫通孔と、
該貫通孔を形成する内周面に設けられ、電線の外周面に密着する環状凸部と、
を備え、
電線が前記貫通孔に挿通される前に前記環状凸部が孔径を拡げる方向に変形された状態で賦形され、電線が挿通された後に該賦形が解かれるグロメットにおいて、
外壁面側に、前記環状凸部が孔径の拡がる方向に変形した際に、この変形に伴う変形量分を吸収する凹部を備えることを特徴とする。
【0013】
グロメットをこのような構成にしたことで、上記の通り、貫通孔に電線などが挿通された際にグロメット自体が歪んでしまうことを抑制できる。
【0014】
ここで、前記凹部には、
前記貫通孔の貫通方向に対して、前記環状凸部が設けられている位置と一致する位置に設けられた第1凹部が含まれるとよい。
【0015】
この第1凹部によれば、環状凸部が押圧された場合に、環状凸部の変形に伴う変形量を直接的に吸収することができる。
【0016】
また、前記貫通孔は複数設けられており、
前記凹部には、
隣り合う貫通孔の間に向かって凹むように、かつ、貫通孔の貫通方向と平行に伸びるように設けられた第2凹部が含まれるとよい。
【0017】
この第2凹部によれば、環状凸部の変形が周囲に及ぶような場合でも、その変形量を吸収することができ、グロメット自体の変形を抑制することができる。
【0018】
グロメット本体は平たい形状で構成されており、複数の前記貫通孔が1列に並んで設け
られているとよい。
【0019】
これにより、複数の電線を平たくコンパクトにまとめることができる。また、上記の通り、グロメット自体の変形を抑制できることから、各電線の間隔を正確に位置決めできる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、電線の装着作業を向上させることができ、また、密封性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0022】
(実施例)
図1〜図10を参照して、本発明の実施例に係るグロメットへの電線の装着方法及びグロメットについて説明する。
【0023】
<グロメット>
図1〜図3を参照して、本発明の実施例に係るグロメットについて説明する。図1は本発明の実施例に係るグロメットの斜視図である。図2は本発明の実施例に係るグロメットの平面図である。図3は本発明の実施例に係るグロメットの断面図である。なお、図3は図2におけるXX断面図である。
【0024】
本実施例に係るグロメット10は、略平板形状(おおよそ平たい直方体形状)であり、複数の貫通孔11が1列に並んで設けられている。また、グロメット10の素材としては、形状記憶ゴム(ゴム材料中に、当該ゴム材料の融点温度よりも融点温度の低い熱可塑性樹脂が含まれたもの)が用いられている。また、本実施例に係るグロメット10は、公知の成形方法によって成形される。この成形については、適宜公知技術を用いれば良いので、その説明は省略する。
【0025】
上記の貫通孔11を形成する内壁面には、環状凸部12が設けられている。本実施例では、各貫通孔11に対して、それぞれ2箇所に環状凸部12を設けている。また、本実施例では、環状凸部12は、貫通孔11の長手方向の中心と貫通孔11の開口端との間の中心付近に設けている。
【0026】
そして、本実施例に係るグロメット10には、外壁面側にいずれも湾曲形状の第1凹部13と第2凹部14が設けられている。
【0027】
第1凹部13は、1列に並んだ複数の貫通孔11を束ねるように、環状に設けられている。この第1凹部13は、貫通孔11の貫通方向に対して、環状凸部12が設けられている位置と一致する位置に設けられている。すなわち、第1凹部13は、環状凸部12の真裏の位置に設けられている。なお、第1凹部13は、環状凸部12に対応するように、2箇所に設けられている。
【0028】
また、第2凹部14は、隣り合う貫通孔11の間に向かって凹むように、かつ、貫通孔11の貫通方向と平行に伸びるように、直線状に設けられている。本実施例では、貫通孔11が6箇所に設けられており、第2凹部14はグロメット10の両面にそれぞれ設けら
れているので、第2凹部14は合計10箇所に設けられている。
【0029】
<グロメットへの電線の装着方法>
次に、図4〜図9を参照して、グロメット10への電線20の装着方法について、工程順に説明する。図4は本発明の実施例に係るグロメットの賦形時の様子を示す断面図である。なお、図4は図3と同一の断面部を示している。図5は本発明の実施例に係るグロメットの賦形後の様子を示す断面図である。なお、図5も図3と同一の断面部を示している。図6は本発明の実施例に係るグロメットの賦形(拡張)前と後の各部の寸法を示す表である。図7は本発明の実施例に係るグロメットに電線を挿通した様子を示す断面図である。なお、図7も図3と同一の断面部を示している。図8は本発明の実施例に係るグロメットの賦形を解いた後の様子を示す断面図である。なお、図8も図3と同一の断面部を示している。図9は図3,5,7,8における一部(各図中丸Sで囲った部分)の拡大図である。
【0030】
<<賦形工程>>
上記のように構成されたグロメット10の各貫通孔11に、装着する電線20よりも大径の丸棒50をそれぞれ挿通する(図4参照)。なお、本実施例では装着する電線の直径が1.25mmに対して、丸棒50の直径は1.8mmである。また、丸棒50はそれぞれ独立したものを用いて、1本1本各貫通孔11に挿通させても良いが、作業性及び各貫通孔11の賦形後のピッチを正確にするために、複数の丸棒50の各一端部が、所定の間隔(貫通孔11の間隔と等しい間隔)で何らかの支持部材に固定されたものを用いるのが望ましい。
【0031】
このような丸棒50を貫通孔11に挿通させることによって、貫通孔11を形成する内周面に設けられた環状凸部12は、丸棒50により押圧され、孔径を拡げる方向に変形する。
【0032】
ここで、本実施例では、上記の通り、グロメット10の外壁面側に、第1凹部13及び第2凹部14が設けられており、これらの合計の体積は、環状凸部12の変形分の体積よりも大きくなるように設定されている。これにより、環状凸部12が丸棒50の押圧に伴って変形しても、その変形量分は、第1凹部13及び第2凹部14によって吸収されるため、グロメット10自体の変形(環状凸部12,第1凹部13及び第2凹部14を除く部分)の変形は抑制される。なお、環状凸部12の真裏に設けられた第1凹部13が、環状凸部12の変形に伴う変形量を直接的に吸収する。そして、環状凸部12の変形が、周囲に及んだ場合には、第2凹部14が、その変形量分を吸収する。このように、第1凹部13と第2凹部14によって、グロメット10自体の変形(歪み)を効果的に抑制することができる。
【0033】
そして、丸棒50を挿通させて環状凸部12を変形させた状態で、賦形を行う。すなわち、グロメット10を、グロメット10の成形温度よりも低く(更に言えば、グロメット10の主材料であるゴム材料の融点温度よりも低く)、ゴム材料に含まれる熱可塑性樹脂の融点温度よりも高い温度に加熱して、その後冷却する。これにより、熱可塑性樹脂のみが一旦融解した後に固まるため、丸棒50を貫通孔11から取り外した後も、グロメット10は、各貫通孔11にそれぞれ丸棒50が挿通された状態の形状をある程度維持する(図5参照)。すなわち、各貫通孔11が原形時よりも拡径された状態となる。なお、ゴム材料によっては、この賦形時の加熱によって、同時に、ゴム材料の二次加硫を行うこともできる。
【0034】
図6には、賦形前と賦形後(貫通孔11の孔径を拡張後)のグロメット10の各部の寸法を測定した結果が示されている。なお、図6では、10個のサンプルについて、それぞ
れの測定結果、及び平均値が示されている。寸法の測定箇所は、図2,3に示すように、環状凸部12の先端の内径(A)、貫通孔11における環状凸部12が設けられていない部分の孔径(B)、グロメット10の高さ(C)、グロメット10の縦方向の長さ(D)、グロメット10の横方向の長さ(E)、隣り合う貫通孔11の間隔(F)、両端の貫通孔11の間隔(G)である。なお、上記の通り、賦形時に使用した丸棒50の直径は1.8mmである。
【0035】
図6に示す表から分かるように、原形では、装着する電線20の直径(1.25mm)よりも小径である環状凸部12の先端の内径Aが、賦形によって拡がり、電線20の直径よりも大きくなる。また、図6に示す表から分かるように、環状凸部12の先端の内径Aの寸法変化量と比較して、その他の寸法変化量は少ない。このことから、環状凸部12以外の部分(グロメット10自体の形状に係る部分)はほとんど変形しておらず、グロメット10自体に、歪が生じていないことが分かる。
【0036】
<<電線挿通工程>>
上記のように賦形を行った後に、グロメット10の各貫通孔11に、それぞれ電線20を挿通する(図7参照)。ここで、貫通孔11の内径のうち、最も小径である環状凸部12の先端の内径(A)は、上記の通り、電線20の直径よりも大きいため、電線20を貫通孔11に対して、貫通孔11の内周面に対して干渉してしまうことなく挿通させることができる。
【0037】
これにより、所定の間隔で複数の電線20を位置決めした状態としておくことで、複数の電線20を同時に各貫通孔11に簡単に挿通させることができる。
【0038】
<<賦形解除工程>>
電線20を所望の位置まで挿通させた後に、上述した賦形を解く。すなわち、グロメット10を、再び、グロメット10の成形温度よりも低く(更に言えば、グロメット10の主材料であるゴム材料の融点温度よりも低く)、ゴム材料に含まれる熱可塑性樹脂の融点温度よりも高い温度に加熱して、その後冷却する。これにより、グロメット10は原形に戻る。従って、環状凸部12の先端の内径(A)は、電線20が挿入されていないとしたならば、電線20の直径よりも小さくなるため、環状凸部12が電線20の外周面に密着した状態となる(図8参照)。
【0039】
<<環状凸部付近の挙動>>
特に、図9を参照して、環状凸部12における各工程での挙動について更に説明する。図9(A)は図3中の丸Sで囲った部分を拡大した図であり、環状凸部12の原形の断面を示している。図から分かるように、原形の環状凸部12は内側に向かって比較的大きく膨らんでいる。図9(B)は図5中の丸Sで囲った部分を拡大した図であり、環状凸部12の賦形後の断面を示している。図から分かるように、賦形後の環状凸部12の膨らみは、小さくなっている。図9(C)は図7中の丸Sで囲った部分を拡大した図であり、挿通した電線20と賦形後の環状凸部12との間には、僅かな隙間ができ、これらが干渉しないことが分かる。図9(D)は図8中の丸Sで囲った部分を拡大した図であり、賦形を解くことで、環状凸部12が電線20に密着することが分かる。
【0040】
<本実施例の優れた点>
以上のように、本実施例によれば、グロメット10の外壁面側に第1凹部13と第2凹部14を設けたことによって、貫通孔11に丸棒50や電線20を挿通した際に、グロメット10自体の変形を抑制することができ、グロメット10自体が歪んでしまうことを抑制できる。これにより、丸棒50の挿通作業や電線20の挿通作業をスムーズに行うことができる。
【0041】
また、複数の丸棒50や複数の電線20を同時にまとめて簡単に挿通することもでき、作業効率を飛躍的に高めることができる。
【0042】
また、グロメット10自体の歪みを抑制できることから、密封性の低下を抑制することもできる。この点について、図10を参照して説明する。図10は本発明の実施例に係るグロメットがハウジングに装着されている様子を示す斜視図での一部である。図示のように、グロメット10は、ハウジング30に設けられた貫通孔31の中に装着される。そして、グロメット10の外周面と貫通孔31の内周面が密着されることで、密封性が得られる。ここで、グロメット10が歪んでいると、隙間が生じて密封性が低下してしまうが、本実施例では、上記の通りグロメット10の歪みを抑制できるので、安定した密封性を得ることができる。
【0043】
また、本実施例に係るグロメット10は略平板形状の平たい形状で構成されており、貫通孔11は1列に並んで設けられているので、複数の電線20を平たくコンパクトにまとめることができる。そして、上記の通り、グロメット10自体の変形を抑制できるので、各電線20の間隔を正確に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は本発明の実施例に係るグロメットの斜視図である。
【図2】図2は本発明の実施例に係るグロメットの平面図である。
【図3】図3は本発明の実施例に係るグロメットの断面図である。
【図4】図4は本発明の実施例に係るグロメットの賦形時の様子を示す断面図である。
【図5】図5は本発明の実施例に係るグロメットの賦形後の様子を示す断面図である。
【図6】図6は本発明の実施例に係るグロメットの賦形(拡張)前と後の各部の寸法を示す表である。
【図7】図7は本発明の実施例に係るグロメットに電線を挿通した様子を示す断面図である。
【図8】図8は本発明の実施例に係るグロメットの賦形を解いた後の様子を示す断面図である。
【図9】図9は図3,5,7,8における一部拡大図である。
【図10】図10は本発明の実施例に係るグロメットがハウジングに装着されている様子を示す斜視図の一部である。
【符号の説明】
【0045】
10 グロメット
11 貫通孔
12 環状凸部
13 第1凹部
14 第2凹部
20 電線
50 丸棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線が挿通される貫通孔と、
該貫通孔を形成する内周面に設けられ、電線の外周面に密着する環状凸部と、
外壁面側に設けられ、前記環状凸部が押圧されて孔径が拡がる方向に変形した際に、この変形に伴う変形量分を吸収する凹部と、
を備えた、形状記憶ゴムからなるグロメットへの電線の装着方法であって、
装着する電線よりも大径の棒状部材を前記貫通孔に挿通して前記環状凸部を孔径が拡がる方向に押圧した状態で賦形する工程と、
前記棒状部材を前記貫通孔から取り外した後に該貫通孔に電線を挿通する工程と、
電線挿通後に、前記賦形を解く工程と、
を有することを特徴とするグロメットへの電線の装着方法。
【請求項2】
前記貫通孔は複数備えられており、前記電線を挿通する工程では複数の電線を同時に挿通することを特徴とする請求項1に記載のグロメットへの電線の装着方法。
【請求項3】
形状記憶ゴムからなるグロメットであって、
電線が挿通される貫通孔と、
該貫通孔を形成する内周面に設けられ、電線の外周面に密着する環状凸部と、
を備え、
電線が前記貫通孔に挿通される前に前記環状凸部が孔径を拡げる方向に変形された状態で賦形され、電線が挿通された後に該賦形が解かれるグロメットにおいて、
外壁面側に、前記環状凸部が孔径の拡がる方向に変形した際に、この変形に伴う変形量分を吸収する凹部を備えることを特徴とするグロメット。
【請求項4】
前記凹部には、
前記貫通孔の貫通方向に対して、前記環状凸部が設けられている位置と一致する位置に設けられた第1凹部が含まれることを特徴とする請求項3に記載のグロメット。
【請求項5】
前記貫通孔は複数設けられており、
前記凹部には、
隣り合う貫通孔の間に向かって凹むように、かつ、貫通孔の貫通方向と平行に伸びるように設けられた第2凹部が含まれることを特徴とする請求項3または4に記載のグロメット。
【請求項6】
グロメット本体は平たい形状で構成されており、複数の前記貫通孔が1列に並んで設けられていることを特徴とする請求項3,4または5に記載のグロメット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−299665(P2007−299665A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−127429(P2006−127429)
【出願日】平成18年5月1日(2006.5.1)
【出願人】(000004385)NOK株式会社 (1,527)
【Fターム(参考)】