説明

ケーキ類用ソバ粉及びその製造方法

【課題】ソバ粉100質量%でもケーキ類を作ることができるケーキ類用ソバ粉や、前記ケーキ類用ソバ粉を用いたソバの風味に優れたケーキ類を提供すること。
【解決手段】ソバ粉の蛋白質含有量7質量%以下、かつ、平均粒径10〜50μmの範囲に調整、好ましくはソバ粉の蛋白質含有量3.5質量%以下、かつ、平均粒径30μm以下に調整したソバ粉を原料粉として用い、ソバ粉100質量%のケーキ類を作製する。ソバ粉の蛋白質含有量については、ソバの実を通常の製粉機(ロール式製粉機、石臼式製粉機等)にて製粉し、篩選別、分級等の技術を使って調整することが可能であり、またソバ粉の平均粒径については、高速粉砕機、微粉砕機等を使用して調整することが可能であり、具体的には、ピンミル、ハンマーミル、ボールミル、ジェットミル等を使用して調整することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソバ粉中の蛋白質含有量、及びソバ粉の平均粒径を調整することにより得られるソバ粉100質量%のケーキ類が作製可能なケーキ類用ソバ粉及びその製造方法や、前記ケーキ類用ソバ粉を用いたソバケーキ類及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スポンジケーキなどのケーキ類には、薄力粉と呼ばれる小麦粉を使用して製造をするのが一般的である。これは、小麦粉における薄力粉がケーキ類に関して最も加工適正に優れており、他の穀物粉末と比べ体積が大きくなる、食感が優れている、色が良い等、ケーキ類において望まれている要件を一番満たしているためである。また、ケーキ類の小麦粉に関しては、近年更に研究が重ねられ、例えば、小麦粉中粒径30μm以下の小麦粉粒子が80重量質量%以上であるスポンジケーキ用小麦粉(例えば、特許文献1参照)、膨潤抑制アセチル化澱粉を10〜300重量質量%添加した小麦粉(例えば、特許文献2参照)、小麦粉に澱粉や糖類を別途添加したもの(例えば、特許文献3及び4参照)、スポンジケーキの製法自体を変えたもの(例えば、特許文献5及び6参照)など、様々な特許出願がされている。更に、通常の小麦粉以外でケーキ類を作る際の製造方法として、米粉やデュラム小麦セモリナを使用したもの(例えば、特許文献7及び8参照)などについても、いくつかの特許出願がされている。しかしこれらの技術は、あくまで小麦粉を使用したケーキ類、若しくは米粉、デュラム小麦粉末等の粉末を使用したケーキ類の製法及び粉の製法であり、その他の穀物粉末に対応できるものではない。そのため、ソバ粉を使用したケーキ類を作るには、小麦粉をベースにして、ソバ粉を10〜30質量%程度混ぜ、一般的な小麦粉を使用したケーキ類の製法で作るというのが普通である(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
しかし、ソバ粉を10〜30質量%程度添加したケーキ類はソバの持つ風味が弱く、またソバの風味を生かすために、ソバ粉の配合量を増やすとケーキ類が膨らまないという問題が発生しており、ソバ粉の配合割合を増やす、更にはソバ粉100質量%でケーキ類を作るためのソバ粉の製法は不可能であると考えられていた。
【0004】
【特許文献1】特開平6−237682号公報
【特許文献2】特開平10−276661号公報
【特許文献3】特開平5−316932号公報
【特許文献4】特開2005−218409号公報
【特許文献5】特開2003−333991号公報
【特許文献6】特開2006−166909号公報
【特許文献7】特開2005−341845号公報
【特許文献8】特開平9−187216号公報
【非特許文献1】斉藤寛子・松本時子著「ソバ粉がスポンジケーキの性状に及ぼす影響」、山形県立米沢女子短期大学紀要第40号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、従来の問題点を解決した、ソバ粉100質量%でもケーキ類を作ることができるケーキ類用ソバ粉や、前記ケーキ類用ソバ粉を用いたソバの風味に優れたケーキ類を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記問題を解決するために、まずソバ粉中の蛋白質含有量に注目した。その結果、蛋白質含有量が高いと膨らまない、ねばりがすぐ出る等の問題が発生するという知見を得て、蛋白質含有量を調整することにより、この問題を解決できることを見出した。
【0007】
しかしながら、蛋白質含有量の調整のみでは、膨らむが釜落ちすることや、食感がざらつく、きめの粗さが目立ち、口の中で崩れてパサツクなどの更なる問題が生じていた。そこで、本発明者らは更に鋭意研究を重ねたところ、ソバ粉中の蛋白質含有量、及びソバ粉の平均粒径を調整することにより、極めて良好な製品が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、(1)ソバ粉蛋白質含有量7質量%以下、かつ、平均粒径10〜50μm以下に調整され、ソバ粉100質量%のケーキ類が作製可能なことを特徴とするケーキ類用ソバ粉や、(2)ソバ粉蛋白質含有量3.5質量%以下、かつ、平均粒径30μm以下に調整され、ソバ粉100質量%のケーキ類が作製可能なことを特徴とするケーキ類用ソバ粉に関する。
【0009】
また本発明は、(3)上記(1)又は(2)記載のケーキ類用ソバ粉を原料粉として70質量%以上用いたことを特徴とするケーキ類や、(4)上記(1)又は(2)記載のケーキ類用ソバ粉を原料粉として用いたことを特徴とするソバ粉100質量%のケーキ類に関する。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明のケーキ類用ソバ粉を原料粉として用いると、ソバ粉100質量%で通常の小麦粉などで製造されるケーキ類と遜色のない形態を保ち、通常のケーキ類とは異なるソバの風味を持ち、小麦粉等では足りない栄養素を摂取できるソバ粉100質量%でケーキ類を製造することができる。参考までに、ソバ粉(内層粉)と小麦粉(薄力粉)の栄養成分比較を表1に示す。表1からもわかるように、ソバ粉(内層粉)を食すると、小麦粉(薄力粉)では足りない栄養素を摂取することが可能であり、しかもソバ粉(内層粉)は小麦粉(薄力粉)よりも低カロリーであるという特徴を有している。したがって、本発明のケーキ類用ソバ粉で作製されたケーキ類は、小麦粉(薄力粉)を用いた通常のケーキ類と比較して、低カロリーで、かつ通常のケーキ類では摂取できない栄養素を摂取可能であるという特徴を有している。
【0011】
【表1】

【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のケーキ類用ソバ粉としては、ソバ粉の蛋白質含有量7質量%以下、かつ、平均粒径10〜50μmの範囲に調整され、ソバ粉100質量%のケーキ類が作製可能なソバ粉であれば特に制限されず、ソバ粉の蛋白質含有量及び平均粒径は、公知の方法により調整することができる。例えば、ソバ粉の蛋白質含有量については、ソバの実を通常の製粉機(ロール式製粉機、石臼式製粉機等)にて製粉し、篩選別、分級等の技術を使って調整することが可能であり、またソバ粉の平均粒径については、高速粉砕機、微粉砕機等を使用して調整することが可能であり、具体的には、ピンミル、ハンマーミル、ボールミル、ジェットミル等を使用して調整することができる。
【0013】
本発明のケーキ類用ソバ粉におけるソバ粉の蛋白質含有量が7質量%を越えると、ケーキ生地が膨らまない、ねばりがすぐ出る等の問題があり、焼成後のケーキ類のきめの状態やきめの均一さ、やわらかさ等の問題が生じ好ましくない。これらの問題は、ソバ粉の蛋白質含有量を好ましくは6質量%以下、より好ましくは5質量%以下、中でも蛋白質含有量を3.5質量%以下とすることにより漸次改善されるが、蛋白質含有の調整コストを考慮すると、ソバ粉の蛋白質含有量の下限を2質量%とすることが好ましい。
【0014】
また、本発明のケーキ類用ソバ粉におけるソバ粉の平均粒径が50μmを越えると、焼成後のケーキ類が釜落ちすることや、食感がざらつく、きめの粗さが目立ち、口の中で崩れてパサツクなど問題が生じ好ましくない。これらの問題は、ソバ粉の平均粒径を好ましくは40μm以下、中でも平均粒径を30μm以下とすることにより漸次改善されるが、平均粒径の調整コストを考慮すると、ソバ粉の平均粒径の下限を15μmとすることが好ましい。
【0015】
したがって、ソバ粉の蛋白質含有量と平均粒径の組合せとしては、ソバ粉の蛋白質含有量6質量%以下で平均粒径50μm以下、ソバ粉の蛋白質含有量5質量%以下で平均粒径50μm以下、ソバ粉の蛋白質含有量3.5質量%以下で平均粒径50μm以下の組合せや、ソバ粉の蛋白質含有量7質量%以下で平均粒径40μm以下、ソバ粉の蛋白質含有量6質量%以下で平均粒径40μm以下、ソバ粉の蛋白質含有量5質量%以下で平均粒径40μm以下、ソバ粉の蛋白質含有量3.5質量%以下で平均粒径40μm以下の組合せや、ソバ粉の蛋白質含有量7質量%以下で平均粒径30μm以下、ソバ粉の蛋白質含有量6質量%以下で平均粒径30μm以下、ソバ粉の蛋白質含有量5質量%以下で平均粒径30μm以下、ソバ粉の蛋白質含有量3.5質量%以下で平均粒径30μm以下の組合せを好適に例示することができるが、中でもソバ粉の蛋白質含有量3.5質量%以下で平均粒径30μm以下の組合せを特に好適に例示することができる。
【0016】
本発明で用いるソバ粉としては、通常食用として用いられるソバ粉であれば特に制限されず、例えば、普通ソバ(学名:ファゴピルム・エスクレンツム(Fagopyrum esculeentum))の他、ダッタンソバ(学名:ファゴピルム・タータリクム(Fagoryrum tataricum))や、シャクチリソバ(宿根ソバ)(学名:ファゴピルム・サイモスム(Fagopyrum cymosum))等を挙げることができる。
【0017】
本発明のケーキ類としては、上記本発明のケーキ類用ソバ粉を原料粉として70質量%以上用いたケーキ類であれば特に制限されず、中でもソバ粉100質量%のケーキ類が好ましく、ここで「ソバ粉100質量%のケーキ類」とは、原料粉としてソバ粉のみを用いたケーキ類をいい、通常、ソバ粉の他に、砂糖、卵等を原料に、種々の添加物及び適量の水を加えて撹拌混合した生地を、焼く又は蒸すという加熱処理を施して製造されるものの総称をいい、通常のケーキ類とは異なり、小麦粉を用いないケーキ類をさす。上記種々の添加物としては、バター等の油脂類、牛乳、ベーキングパウダー、食塩、増粘剤、乳化剤、香料、着色料等を最終製品に応じ適宜選択できる。
【0018】
また、本発明のケーキ類用ソバ粉に、小麦澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉等各種の澱粉またはそれらの加工澱粉や、小麦粉(薄力粉)を添加して、ソバ粉70〜100質量%、好ましくはソバ粉80〜100質量%、より好ましくはソバ粉90〜100質量%、特に好ましくはソバ粉95〜100質量%の原料粉を調整し、かかる原料粉を用いて本発明のケーキ類を製造することもできる。このソバ粉70〜100質量%の原料粉を用いたケーキ類も、ソバ粉100質量%のケーキ類には劣るもののソバの風味を有している。
【0019】
また、ケーキ類の種類としては、デコレーションケーキ、ショートケーキ、ロールケーキ、シフォンケーキ、パウンドケーキ、バウムクーヘン、フルーツケーキ、マドレーヌ、その他、ドーナッツ、ホットケーキ、ワッフル、ホットケーキ、ブッセなどを挙げることができる。また、どら焼き、今川焼き、たい焼き、カステラなど、さらに蒸しケーキ、蒸しカステラ、饅頭(特にその皮)などを挙げることができる。
【0020】
本発明のケーキ類用ソバ粉を原料粉として用いた生地は、従来の一般的なソバ粉を用いた生地では膨らみが悪く、ソバ粉の添加量を少量に抑えなければならなかったが、ソバ粉100質量%のケーキ類製造用生地とすることができ、このソバ粉100質量%のケーキ類製造用生地を用いると、通常の小麦粉などで製造されるケーキ類と遜色のないソバ粉のみのソバ粉100質量%のケーキ類を製造することができる。
【0021】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例】
【0022】
ロール製粉にて粉砕し、篩選別で取り分けを行った蛋白含有量3.50質量%の内層ソバ粉について、そのソバ粉を更に高速粉砕機((株)日本精機製作所)にて平均粒径が約30μmになるまで粉砕し、一般的なソバ粉(平均粒径90〜100μm)よりも平均粒径の細かい微粉ソバ粉を得た。粉砕前の一般的な平均粒径のソバ粉と、高速粉砕によって得られた微粉ソバ粉について、一般的なスポンジケーキの製法を用いてスポンジケーキを作製した。まずソバ粉100質量%に対して全卵167質量%、砂糖133質量%の量で、ほぐした全卵に砂糖を加えて30〜35℃で湯煎にかけた。それをハンドミキサー((株)マツバラ製)でホイップし(ミキシング時間:高速5分・中速8〜10分 比重が0.27±0.02になるまで)、そこへ篩を通したソバ粉を加えて粉合わせを行った。粉合わせは、小麦粉の場合には比重が0.44±0.02になるまでおこなうが、本実施例では木ベラで60回程度の攪拌でソバ粉が均等に混ざり合うまでとした。ここに60〜70℃に温めた牛乳をソバ粉に対して33質量%加え、木ベラで20回攪拌し、混ぜ合わせて(小麦粉の場合には比重が0.47±0.02になるまで)生地を調製した。
【0023】
この生地を直径15cmの型に320g流し入れ、180℃に温めたオーブンで30分間焼成し、スポンジケーキとした。作業性はそれぞれのソバ粉で大きな違いは無く、卵の気泡が消えにくく、軽くふわっとしており、弾力のある生地であった。出来上がったスポンジケーキに関しては、一般的な平均粒径のソバ粉で作ったスポンジケーキはオーブンの中での膨らみは良かったが、オーブンから出した後に中落ちする傾向にあり、きめの粗さが目立ち、口の中で崩れてパサツキがあるのに対し、微粉ソバ粉で作ったスポンジケーキはよく膨らんで、きめが細かく、口どけがよく、比較的しっとりとしているものであった。表2に、粉合わせ後比重、最終比重、スポンジケーキ比容積を示す。
【0024】
【表2】

【0025】
[全層ソバ粉を用いた比較例1]
蛋白含有量が14.00質量%である全層ソバ粉について、高速粉砕機((株)日本精機製作所)にて平均粒径が約30μmになるまで粉砕し、一般的なソバ粉よりも平均粒径の細かい微粉ソバ粉を得た。同じ原料をロール製粉にて粉砕した一般的な平均粒径であるソバ粉と、高速粉砕によって得られた微粉ソバ粉について、実施例と同様の方法でスポンジケーキを作製した。作業性はそれぞれのソバ粉で大きな違いは無かったが、実施例と比べ生地に粘り・弾力があり、牛乳混合後は比重が大きくなる速度が速く、またふくらみに関しても実施例よりも劣っていた。一般的な平均粒径のソバ粉で作ったスポンジケーキはきめの粗さが目立ち、不均一で、ふくらみも悪く、口どけの悪いものであるのに対し、微粉ソバ粉で作ったスポンジケーキは、実施例の微粉ソバ粉で作ったものよりも品質が良くなく、きめは細かいがやや不均一で、比較的しっとりとしているもののざらついた食感であった。表3に、粉合わせ後比重、最終比重、スポンジケーキ比容積を示す。
【0026】
【表3】

【0027】
[外層ソバ粉を用いた比較例2]
ロール製粉にて粉砕し、篩選別で取り分けを行った蛋白含有量25.10質量%の外層ソバ粉について、そのソバ粉をさらに高速粉砕機にて平均粒径が約30μmになるまで粉砕し、一般的なソバ粉よりも平均粒径の細かい微粉ソバ粉を得た。粉砕前の一般的な平均粒径であるソバ粉と、高速粉砕によって得られた微粉ソバ粉について、実施例と同様の方法でスポンジケーキを作製した。作業性はそれぞれのソバ粉で実施例や、比較例1より粘り、弾力のある生地となり、特に微粉ソバ粉を使用したものについては強い粘りが出た。牛乳混合後に比重が大きくなるのも実施例や、比較例1より早く、生地が粘りすぎて型に入れにくいという傾向が見られた。また膨らみも悪く、火の通りも悪いという状態になった。一般的な平均粒径のソバ粉で作ったスポンジケーキはきめの粗さが目立ち、不均一で、大きな気泡が見られ、ぬめりがあってえぐみが強いものであり、微粉ソバ粉で作ったスポンジケーキについても、きめの粗さが目立ち、不均一で、気泡もつぶされており、ぬめりがあってえぐみが強いものであった。また口どけも悪く、口に入れた際にかたまりになってしまい、非常に食べづらいものであった。表4に、粉合わせ後比重、最終比重、スポンジケーキ比容積を示す。
【0028】
【表4】

【0029】
[薄力粉を用いた対照例]
スポンジケーキを作る際に使われる一般的な小麦粉(日穀製粉株式会社製「鮎」蛋白含有量8.2質量%;薄力粉)を使用して、実施例と同様の方法でスポンジケーキを作製した。このスポンジケーキの比容積は3.8cm3/gであった。この小麦粉のスポンジケーキを基準とし、実施例、比較例1,2で作製した各スポンジケーキについて、五段階評価点で点数の高い方を良・低い方を不良として、きめの状態・きめの均一さ・口ざわり・口どけ・やわらかさについて、試食を行った。結果を表5に示す。なお、基準の小麦粉のスポンジケーキの評点を3とした。
【0030】
【表5】

【0031】
焼き色に関しては、小麦粉よりもソバ粉を使用したスポンジケーキの方が強い傾向にあり、ソバ粉の性質に関わらず一般粒径のもので顕著であった。きめの状態・均一さに関しては、小麦粉よりもソバ粉を使用したスポンジケーキの方が全体的に粗く、不均一である傾向が見られたが、実施例の内層ソバ粉微粒径のソバ粉を使用したスポンジケーキでは同等であった。また、内層ソバ粉一般粒径を使用したスポンジケーキでは、きめは均一であったが一つ一つの気泡が大きくなっている傾向が見られた。口ざわり・口どけに関しては、小麦粉よりもソバ粉を使用したスポンジケーキの方がパサパサしており、口どけも良くない傾向が見られたが、微粒径のソバ粉を使用したスポンジケーキでは比較的小麦粉の評価に近く、僅かに劣るといった程度であった。やわらかさに関しては、小麦粉よりもソバ粉を使用したスポンジケーキの方が硬い傾向が見られたが、実施例の内層ソバ粉微粒径のソバ粉を使用したスポンジケーキでは同等であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソバ粉の蛋白質含有量7質量%以下、かつ、平均粒径10〜50μmの範囲に調整され、ソバ粉100質量%のケーキ類が作製可能なことを特徴とするケーキ類用ソバ粉。
【請求項2】
ソバ粉の蛋白質含有量3.5質量%以下、かつ、平均粒径30μm以下に調整され、ソバ粉100質量%のケーキ類が作製可能なことを特徴とするケーキ類用ソバ粉。
【請求項3】
請求項1又は2記載のケーキ類用ソバ粉を原料粉として70質量%以上用いたことを特徴とするケーキ類。
【請求項4】
請求項1又は2記載のケーキ類用ソバ粉を原料粉として用いたことを特徴とするソバ粉100質量%のケーキ類。

【公開番号】特開2008−99636(P2008−99636A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−286440(P2006−286440)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【出願人】(391043491)日穀製粉株式会社 (10)
【Fターム(参考)】