説明

ケーブル余長処理具及びケーブルの余長部を処理する方法

【課題】ケーブルの余長部を設置するためのスペースを省スペースにできるケーブル余長処理具及びケーブルの余長部を処理する方法を提供する。
【解決手段】ケーブルの余長部を処理する処理位置に配置されてケーブルの余長部を処理するケーブル余長処理具であって、ケーブルの余長部を巻き取り可能な2つの巻取り部2,3と、該巻取り部2,3を開閉自在に連結する連結部4とを備え、2つの巻取り部2,3は、一方の巻取り部2にケーブルの余長部を時計回りに巻き付けるとともに、他方の巻取り部3にケーブルの余長部を反時計回りに巻き付け、且つ、巻取り部2,3を互いに向き合うように閉じることが可能に構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバケーブルや通信ケーブル、電力ケーブルなどのケーブルの余長部を処理するためのケーブル余長処理具及びケーブルの余長部を処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ビル壁面や地下ピット、配線ピット、共同溝などの構造体の構内には、ケーブルラック等で光ファイバケーブルや通信ケーブル、電力ケーブルなどのケーブルが設置されている。その設置の際に余分となったケーブルは、余長部として構内の空きスペースに設置される。このケーブルの余長部は、作業者の手作業により、例えば、環状に巻き束ねられて空きスペースに平積みされて設置されている。
【0003】
このようにケーブルの余長部を環状に巻き束ねる方法として、作業者の手作業により巻取る方法以外にも、ケーブルを巻き取るための円形の巻取りリール内にケーブルが挿通され、このケーブルを巻取りリール内で変曲点を挟んで相互に曲げ方向が異なる曲げ半径の大きさでそれぞれ曲げられて、巻取りリールから排出される線材巻取り収納装置を用いる方法などが挙げられる(特許文献1 第3実施例(第5頁第16行目〜第10頁第9行目)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平04−089770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この線材巻取り収納装置の巻取りリールは、ケーブルの最小曲げ半径の2倍のケーブルの巻取り半径を有している。この線材巻取り収納装置は、この巻取り半径でケーブルを巻き取るため、この巻取り半径以上の直径を有する大型な装置となる。よって、この線材巻取り収納装置を設置するためには、構内に大きなスペースが必要となっていた。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題に鑑み、ケーブルの余長部を設置するためのスペースを省スペースにできるケーブル余長処理具及びケーブルの余長部を処理する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るケーブル余長処理具は、ケーブルの余長部を処理する処理位置に配置されてケーブルの余長部を処理するケーブル余長処理具であって、ケーブルの余長部を巻き取り可能な2つの巻取り部と、該巻取り部を開閉自在に連結する連結部とを備え、2つの巻取り部は、一方の巻取り部にケーブルの余長部を時計回りに巻き付けるとともに、他方の巻取り部にケーブルの余長部を反時計回りに巻き付け、且つ、巻取り部を互いに向き合うように閉じることが可能に構成されてなることを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、2つの巻取り部にケーブルの余長部を巻き付けた結果、余長部は、一方の巻取り部に時計回りに巻き付ける際に所定方向にひねられ、他方の巻取り部に反時計回りに巻き付ける際に所定方向と逆方向にひねられる。このように、余長部を2つの巻取り部に8の字状に巻き付けることにより、余長部は、そのひねりが相殺されるようになり、ねじれにくくなっている。
【0009】
更に、このケーブル余長処理具は、巻取り部の巻取り半径でそれぞれの巻取り部に余長部を巻き取るとともに、この2つの巻取り部を互いに向き合うように閉じることにより、8の字状に巻き取られた余長部を略環状にすることができる。その際、一方の巻取り部に巻き取られた余長部に他方の巻取り部に巻き取られた余長部が合わさるようにして略環状になっている。環状に巻き取られた余長部は、巻取り部の巻取り半径で巻き付けられている。よって、そのケーブル余長処理具の設置スペースは、巻取り部の巻取り半径に相当するスペースとなり、省スペースにすることができる。
【0010】
また、本発明によれば、巻取り部は、連結部に連結される本体部と、該本体部に取り付けられ、ケーブルの余長部をガイドする複数のガイド部とを備え、該ガイド部は、ケーブルの余長部を掛止可能な掛止部と、該掛止部に掛止されるケーブルの余長部の幅方向の移動を規制する規制部とを備えることが好ましい。
【0011】
かかる構成によれば、ケーブルの余長部は、それぞれの巻取り部の掛止部に沿って巻き付けられる。巻き付ける余長部は、その幅方向の移動を本体部と規制部との間に規制されており、掛止部から脱落しないようになっている。よって、余長部を各巻取り部に確実に巻き付けることができる。
【0012】
また、本発明によれば、巻取り部を閉じた状態で、巻取り部を自立可能に支持する支持部を備えることが好ましい。
【0013】
かかる構成によれば、ケーブル余長処理具を設置するのに必要となる設置スペースは、支持部を用いて、ケーブル余長処理具を自立させることにより、寝かして設置する場合と比較して、省スペースにすることができる。
【0014】
また、本発明によれば、巻取り部は、連結部に連結される本体部と、該本体部に取り付けられ、ケーブルの余長部をガイドする複数のガイド部とを備え、該ガイド部は、ケーブルの余長部を掛止可能であるとともに、巻き取られたケーブルの余長部の幅方向の移動を許容し、一方の巻取り部のガイド部は、巻取り部を互いに向き合うように閉じた際に、巻き取られたケーブルの余長部を他方の巻取り部のガイド部に移動可能に構成されることが好ましい。
【0015】
かかる構成によれば、ケーブルの余長部は、それぞれの巻取り部の掛止部に沿って巻き付けられる。巻取り部の掛止部に沿ってそれぞれの巻取り部に交互に巻き付けられた余長部は、巻取り部を互いに向き合うように閉じることにより、一方の巻取り部から他方の巻取り部にその余長部の幅方向の移動を許容するようになっている。よって、巻取り部を開いた際に、余長部を一方の巻取り部に寄せることができ、余長部を一方の巻取り半径で略環状に巻き取ることができる。
【0016】
また、本発明によれば、巻取り部に巻き取ったケーブルの余長部を収納可能な収納体が巻取り部とは別体に備えることが好ましい。
【0017】
かかる構成によれば、余長部は、巻取り部で巻き取られ、巻取り部から収納体に移して収納されるようになる。よって、この収納体に巻き取られた余長部を収納することにより、巻取り部にこの余長部を収納してその巻取り部を占有する必要がなく、余長部を巻き取るために巻取り部を専用することができる。
【0018】
本発明に係るケーブルの余長部を処理する方法は、ケーブルの余長部を一方の巻取り部に時計回りに巻き付けるとともに、他方の巻取り部に反時計回りに巻き付けた後に、一方の巻取り部と他方の巻取り部とを互いに向き合うように閉じることを特徴とする。
【0019】
かかる構成によれば、2つの巻取り部にケーブルの余長部を巻き付けた結果、余長部は、一方の巻取り部に時計回りに巻き付ける際に所定方向にひねられ、他方の巻取り部に反時計回りに巻き付ける際に所定方向と逆方向にひねられる。このように、余長部を2つの巻取り部に8の字状に巻き付けることにより、余長部は、そのひねりが相殺されるようになり、ねじれにくくなっている。
【0020】
更に、このケーブル余長処理具は、巻取り部の巻取り半径でそれぞれの巻取り部に余長部を巻き取るとともに、この2つの巻取り部を互いに向き合うように閉じることにより、8の字状に巻き取られた余長部を略環状にすることができる。その際、一方の巻取り部に巻き取られた余長部に他方の巻取り部に巻き取られた余長部が合わさるようにして略環状になっている。環状に巻き取られた余長部は、巻取り部の巻取り半径で巻き付けられている。よって、そのケーブル余長処理具の設置スペースは、巻取り部の巻取り半径に相当するスペースとなり、省スペースにすることができる。
【0021】
本発明に係るケーブルの余長部を処理する方法は、ケーブルの余長部を一方の巻取り部に時計回りに巻き付けるとともに、他方の巻取り部に反時計回りに巻き付けた後に、一方の巻取り部と他方の巻取り部とを互いに向き合うようにして閉じることにより巻き取られたケーブルの余長部を収納体に収納することを特徴とする。
【0022】
かかる構成によれば、2つの巻取り部にケーブルの余長部を巻き付けた結果、余長部は、一方の巻取り部に時計回りに巻き付ける際に所定方向にひねられ、他方の巻取り部に反時計回りに巻き付ける際に所定方向と逆方向にひねられる。このように、余長部を2つの巻取り部に8の字状に巻き付けることにより、余長部は、そのひねりが相殺されるようになり、ねじれにくくなっている。
【0023】
更に、このケーブル余長処理具は、巻取り部の巻取り半径でそれぞれの巻取り部に余長部を巻き取るとともに、この2つの巻取り部を互いに向き合うように閉じることにより、8の字状に巻き取られた余長部を略環状にすることができる。その際、一方の巻取り部に巻き取られた余長部に他方の巻取り部に巻き取られた余長部が合わさるようにして略環状になっている。環状に巻き取られた余長部は、巻取り部の巻取り半径で巻き付けられている。よって、そのケーブル余長処理具の設置スペースは、巻取り部の巻取り半径に相当するスペースとなり、省スペースにすることができる。
【0024】
また、余長部は、巻取り部で巻き取られ、巻取り部から収納体に移して収納されるようになる。よって、この収納体に巻き取られた余長部を収納することにより、巻取り部にこの余長部を収納してその巻取り部を占有する必要がなく、余長部を巻き取るために巻取り部を専用することができる。
【発明の効果】
【0025】
以上の如く、本発明に係るケーブル余長処理具及びケーブルの余長部を処理する方法によれば、ケーブルの余長部を巻き取り可能な2つの巻取り部と、該巻取り部を開閉自在に連結する連結部とを備え、巻取り部を互いに向き合うように閉じることが可能に構成されることにより、ケーブルの余長部を設置するためのスペースを省スペースにできるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1実施形態に係るケーブル余長処理具の開いた状態の正面図を示す。
【図2】(a)及び(b)は、同実施形態に係るケーブル余長処理具の開いた状態の断面図を示す。
【図3】同実施形態に係るケーブル余長処理具の閉じた状態の正面図を示す。
【図4】同実施形態に係るケーブル余長処理具の閉じた状態の左側面図を示す。
【図5】(a)〜(c)は、同実施形態に係るケーブル余長処理具にケーブルの余長部を巻き付ける一工程を表す説明図を示す。
【図6】(a)〜(d)は、同実施形態に係るケーブル余長処理具にケーブルの余長部を巻き付ける一工程を表す説明図を示す。
【図7】(a)及び(b)は、同実施形態に係るケーブル余長処理具を設置した状態の全体概観図を示す。
【図8】(a)〜(c)は、その他の実施形態に係るケーブル余長処理具の支持部の要部拡大図を示す。
【図9】第2実施形態に係るケーブル余長処理具の開いた状態の正面図を示す。
【図10】同実施形態に係るケーブル余長処理具の閉じた状態の正面図を示す。
【図11】同実施形態に係るケーブル余長処理具の閉じた状態の左側面図を示す。
【図12】同実施形態に係るケーブル余長処理具の収納体の正面図を示す。
【図13】同実施形態に係るケーブル余長処理具の収納体の左側面図を示す。
【図14】(a)〜(c)は、同実施形態に係るケーブル余長処理具にケーブルの余長部を巻き付ける一工程を表す説明図を示す。
【図15】(a)〜(c)は、同実施形態に係るケーブル余長処理具にケーブルの余長部を巻き付ける一工程を表す説明図を示す。
【図16】(a)及び(b)は、同実施形態に係るケーブル余長処理具を設置した状態の全体概観図を示す。
【図17】(a)〜(c)は、その他の実施形態に係るケーブル余長処理具の支持部の要部拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係るケーブル余長処理具の第1実施形態について、図面を参酌しつつ、説明する。
【0028】
<第1実施形態>
まず、同実施形態に係るケーブル余長処理具の構成について、図1〜図4を参酌しつつ説明する。図1及び図2は、同実施形態に係るケーブル余長処理具1の開いた状態を示す図である。図1は、ケーブル余長処理具1全体の正面図である。図2(a)は、図1のA−A線断面図であり、第1巻取り部2を主に示す要部拡大図である。同図(b)は、図1のB−B線断面図であり、第2巻取り部3を主に示す要部拡大図である。図3及び図4は、同実施形態に係るケーブル余長処理具1を閉じた状態を示す図である。図3は、ケーブル余長処理具1全体を第2巻取り部3側から見た正面図である。図4は、図3に示すケーブル余長処理具1を左側から見た左側面図である。
【0029】
同実施形態では、ケーブルの余長部(以下、単に「余長部」と略す。)を処理する処理位置に配置されて余長部を処理するために用いるケーブル余長処理具1の例について説明する。ここで、処理位置とは、具体的には、余長部をケーブル余長処理具1に巻き取る場所を意味する。よって、この処理位置は、余長部を支持又は設置する場所であってもよいし、余長部を支持又は設置する場所とは異なる、余長部を処理するために適した安定した(平らな)場所等であってもよい。
【0030】
このケーブル余長処理具1は、処理位置に支持又は設置されて作業することに限定されておらず、処理位置に仮設する等配置して、余長部の巻取りを行い、その後、巻き取った余長部を支持又は設置する場所に移動させて、支持又は設置する場合に用いるものであってもよい。
【0031】
ケーブル余長処理具1は、余長部を巻き取り可能な2つの巻取り部(以下、一方の巻き取り部を第1巻取り部2と呼び、他方の巻取り部を第2巻取り部3と呼ぶ)と、該巻取り部2,3を開閉自在に連結する連結部4と、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じた状態に維持可能な閉状態維持手段5と、を備える。なお、巻取り部2,3,連結部4,閉状態維持手段5は、巻き取る余長部の荷重に耐えることができる材質で製作されておればよく、使用する用途に合わせて、例えば、金属製や樹脂製など適宜選択して製作される。
【0032】
第1巻取り部2には、余長部が時計回りに巻き付けられる。第2巻取り部3には、余長部が反時計回りに巻き付けられる。そして、巻取り部2,3は、互いに向き合うように閉じることが可能に構成される。2つの巻取り部2,3は、第1巻取り部2に余長部を時計回りに巻き付けるとともに、第2巻取り部3に余長部を反時計回りに巻き付け、8の字状に巻き付けられた状態の長さを単位巻取り長さとし、余長部は、単位巻取り長さによる巻取りを複数回行うことによりすべて巻き取られる。
【0033】
第1巻取り部2は、連結部4に連結される本体部21と、該本体部21に取り付けられ、余長部をガイドする複数のガイド部22,…と、を備える。
【0034】
本体部21は、略長方形状に形成されており、一方の辺には、連結部4が連結され、該一方の辺に対向する他方の辺には、閉状態維持手段5が備えられている。連結部4が連結される一方の辺は、略直線状に形成されている。閉状態維持手段5が備えられる他方の辺は、その両端の角が切り落とされている。
【0035】
本体部21は、その略中央部に略円形状の開口23と、作業者が巻取り部2,3を開閉操作するために、閉状態維持手段5が設けられた一辺に沿って備えられる把持部24と、該把持部24に沿って取り付けられるネームプレート25と、を備える。
【0036】
把持部24は、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを開いた状態で、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを互いに向かい合うように閉じるために作業者が把持することができる閉操作用把持部24aと、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じた状態で、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを互いに離間させて開くために作業者が把持することができる開操作用把持部24bと、を備える。なお、開操作用把持部24bは、ケーブル余長処理具1を持ち運ぶ際に作業者が把持するための持ち運び用把持部としても機能する。
【0037】
閉操作用把持部24aは、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じたときに、第1巻取り部2と第2巻取り部3とが互いに向かい合う本体部21の内面に取り付けられている。閉操作用把持部24aは、本体部21の連結部4が連結された一端部と反対側の他端部に、この連結部4が連結された一辺と略平行に配置された略長方形状の突起である。
【0038】
開操作用把持部24bは、閉操作用把持部24aと、該閉操作用把持部24aの基端部の開口21側の縁に沿って形成された略長方形状の開口である引き手部24cと、該引き手部24cより閉状態維持手段5側の部分である握り部24dと、から構成される。
【0039】
ネームプレート25は、巻き取った余長部の種類を示すためのプレートであり、その表面にケーブルの名称、管理番号等が明記されている。このネームプレート25が設けられることにより、ケーブルの管理や調査を簡単にすることができる。
【0040】
ガイド部22,…は、本体部21の開口23に沿って必要個所設けられる。ガイド部22,…は、隣接するガイド部22,…との間隔を略同一の間隔に設定される。ガイド部22は、余長部を掛止可能な掛止部26と、余長部が掛止部26から脱落しないように、掛止部26に掛止される余長部の幅方向の移動を規制する脱落防止板(規制部)27と、掛止部26に巻き取られた余長部の両端部を支持するケーブル端押さえ金物28,28と、からなる。
【0041】
なお、脱落防止板27は、必ずしもすべての掛止部26に設けなくてもよい。例えば、脱落防止板27は、他方の巻取り部2に最も近い掛止部26には設けなくてもよい。掛止部26は、余長部を第1巻取り部2に時計回りに巻き付け、第2巻取り部3に反時計回りに巻き付けるのに必要な余長部の長さが不足する場合に、第2巻取り部3に余長部を巻き付けるのを省略し、そのまま第1巻取り部2を一周させて巻き付けるようなときに余長部を沿わせる部分である。しかし、このガイド部22は、第1巻取り部2から第2巻取り部3に余長部を巻き取る際には直接接触しない位置にあるため、省略してもよい。
【0042】
掛止部26は、余長部を掛け止めることで第1巻取り部2に余長部を巻取り可能に構成される。掛止部26は、余長部を掛け止めることで、本体部21に巻き取られた状態で本体部21に保持させることができる。
【0043】
脱落防止板27は、本体部21から所定間隔離間した位置に固定すべく、掛止部26の一端部に取付けられる。よって、第1巻取り部2に巻き付ける余長部は、本体部21と脱落防止板27との間で幅方向の移動を規制可能になっている。
【0044】
ケーブル端押さえ金物28は、余長部の表面を押圧することにより把持する把持片28aと、該把持片28aの一端を固定する固定部材28bと、を備える。ケーブル端押さえ金物28は、余長部の第1巻取り部2に巻き取り始め部分及び巻き終わり部分を把持するために、掛止部26,…が設けられた本体部21の内面よりも開状態維持手段5が備えられた側の両端部に備えられる。
【0045】
第2巻取り部3も、第1巻取り部2と同様に、連結部4に連結される本体部31と、該本体部31に取り付けられ、余長部をガイドする複数のガイド部32,…とを備える。本体部31も、その中央部に略円形状の開口23と、作業者が巻取り部2,3を開閉操作するための把持部24と、を備える。
【0046】
把持部24は、第1巻取り部2と同様に、閉操作用把持部24aと、開操作用把持部24bとを備える。よって、第1巻取り部2及び第2巻取り部3の閉操作用把持部24a,24aは、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを開いた状態で、本体部21,31の外面(内面の反対側の面)を設置面に面して配置したときに、閉操作用把持部24a,24aが設置面に対して略直角に突出する。作業者は、その閉操作用把持部24a,24aを把持することにより、容易に第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じることができる。
【0047】
また、開操作用把持部24b,24bは、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じた状態で、第1巻取り部2及び第2巻取り部3のそれぞれの外面側から引き手部24c,24cに指を通し、閉操作用把持部24a,24aに指を掛け、握り部24d,24dを握り、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを離間する方向にそれぞれ引っ張ることにより、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを開くことができる。また、作業者は、ケーブル余長処理具1を閉じた状態で持ち運ぶ際は、この引き手部24c,24cに手を差し込み、握り部24d,24dを握って持ち運ぶことができる。
【0048】
ガイド部32,…も、第1巻取り部2と同様に、余長部を掛止可能な掛止部26と、該掛止部26に掛止される余長部の幅方向の移動を規制する脱落防止板(規制部)27と、を備える。第1巻取り部2のガイド部22,…と第2巻取り部3のガイド部32,…とは、連結部4を中心に略対称になるように配置されている。
【0049】
連結部4は、第1巻取り部2と第2巻取り部3とが向かい合うように閉じた際に、第1巻取り部2と第2巻取り部3とが所定間隔離間するための所定の長さを有する板状の連結板41,…と、該連結板41,…の両端部に設けられ、第1巻取り部2又は第2巻取り部3と連結板41,…とをそれぞれ連結する蝶番42,…とを備える。
【0050】
連結板41,…は、第1巻取り部2及び第2巻取り部3に巻き取る余長部の巻き取り回数に合わせてその長さが設定されている。具体的には、本体部21,31の掛止部26,…に沿わせて幅方向に巻き付ける余長部の巻取り幅に合わせて、掛止部26の長さが設定され、第1巻取り部2及び第2巻取り部3との掛止部26,…を設けた内面を向かい合わせるようにして閉じた際に、各掛止部26,…に巻き取られた余長部同士が干渉しないような長さに設定される。すなわち、連結板41,…の第1巻取り部2に連結した一端から第2巻取り部3に連結した他端までの長さは、少なくとも、本体部21,31の掛止部26,…のそれぞれの長さを足し合わせた長さ以上を有するように設定されている。
【0051】
連結板41,…は、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを、第1巻取り部2及び第2巻取り部3の掛止部26,…の配置が対称となるようにそれぞれを連結する。そして、連結部4は、第1巻取り部2と連結板41とが蝶番42の回動軸42aを中心に略直角に曲げられ、第2巻取り部3と連結板41とが蝶番42の回動軸42aを中心に略直角に曲げられる。よって、第1巻取り部2と第2巻取り部3とが所定間隔離間した状態で向き合うようになっている。このとき、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを離間する隙間にも、余長部を収納することができる。
【0052】
閉状態維持手段5は、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じた状態に維持させるために、第2巻取り部3の第1巻取り部2からの離間する方向への移動を係止する係止手段51,51と、該係止手段51を第1巻取り部2及び第2巻取り部3の本体部21,31に支持する支持部52,52,52,52と、を備える。
【0053】
係止手段51は、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じた状態で第1巻取り部2と第2巻取り部3とを連接可能な矩形状の連接部材53と、該連接部材53を係止可能な断面視がL字状の係止部55と、を備える。
【0054】
支持部52は、第1巻取り部2の本体部21の縁から略直角にガイド部21と同じ方向(内側)に突出した第1支持部52aと、第2巻取り部3の本体部31の縁から略直角にガイド部31と同じ方向(内側)に突出した第2支持部52bと、を備える。
【0055】
第2支持部52bは、連接部材53の一辺を軸中心に回動可能に取り付ける断面視が略半円弧状の軸受部54を更に備える。
【0056】
連接部材53は、軸受部54に回動自在に軸止される辺である回動軸53aと、該回動軸53aと対向する、係止部55に嵌入される辺である嵌入部53bと、回動軸53a及び嵌入部53bを連結する連結部53c,53cと、を備える。連結部53c,53cは、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じた状態で、軸受部54から係止部55までの長さを有するように設定されている。
【0057】
閉状態維持手段5は、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを向かい合うように閉じた状態で、回動軸53aを回動中心に連接部材53を第2支持部52bから第1支持部52a側に向けて回動させ、係止部55に嵌入部53bを係止させることにより、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じた状態で維持させることができる。
【0058】
連結板41,41は、巻取り部2,3の縦及び横の長さよりも長手方向の長さが短く設定されている。そして、巻取り部2,3を閉じた状態で、連結板41,41の外面を設置面に面するように向けるとともに、連結板41,41の外面を設置面に接触させて巻取り部2,3を自立させる。すなわち、巻取り部2,3は、この連結板41,41によって、縦及び横の長さよりも短い離間距離で自立させることができる。このようにして、連結板41,41は、巻取り部2,3を閉じた状態で、巻取り部2,3を自立可能に支持する支持部6を構成する。しかも、閉状態維持手段5を併用することにより、第1巻取り部2及び第2巻取り部3とが互いに向き合うように閉じた状態を維持することができ、第1巻取り部2及び第2巻取り部3とを自立させたときに、第1巻取り部2と第2巻取り部3とが開かないようになる。
【0059】
また、図4に示すように、第1巻取り部2,第2巻取り部3及び連結部4は、第1巻取り部2及び第2巻取り部3に余長部が巻き取られた状態で、第1巻取り部2及び第2巻取り部3を閉じることで、巻き取った余長部を収納可能な収納体7を構成する。なお、図4に一点鎖線で囲んだ範囲が、この収納体7の収納空間である。
【0060】
収納体7は、第1巻取り部2の本体部21と脱落防止板27との間の掛止部26に掛止されて巻き取られることで余長部を収納可能な第1収納部71と、第2巻取り部3の本体部31と脱落防止板27との間の掛止部26に掛止されて巻き取られることで余長部を収納可能な第2収納部72と、第1巻取り部2に巻き取られた余長部と第2巻取り部3に巻き取られた余長部とを掛け渡すために第1収納部71と第2収納部72との間を連絡する連絡部73と、余長部の両端部の第1収納部71及び第2収納部72に収納されなかった余長部を収納可能な第3収納部74と、を備える。
【0061】
連絡部73は、第1巻取り部2及び第2巻取り部3を互いに向かい合うように閉じた際に、第1巻取り部2及び第2巻取り部3の一方から連結部4に沿って第1巻取り部2及び第2巻取り部3の他方に掛け渡すための通路となっている。
【0062】
第3収納部74は、主に、ケーブルが支持されている支持場所から余長部を処理するための処理位置までにケーブル余長処理具1を配置するために必要となる余長部の長さが支持場所から余長部を巻き取ったケーブル余長処理具1を設置する場所までの余長部の長さよりも長い場合に使用される。
【0063】
第3収納部74は、第1巻取り部2及び第2巻取り部3を互いに向かい合うように閉じた際に、第1巻取り部2に取り付けられた掛止部26と、第2巻取り部2に取り付けられた掛止部26との間に形成される空間であり、この空間の下部の連結部73より上部の空間である。第3収納部74は、連結板41,41の長さより、第1巻取り部2及び第2巻取り部3の掛止部26,26の長さを差し引いた長さの幅を有する空間である。よって、連結板41,41の長さは、第3収納部74に収納する余長部の長さを考慮して設計されている。
【0064】
次に、同実施形態に係るケーブル余長処理具1を用いて余長部を処理する方法について、図5〜図7を参酌しつつ説明する。図5及び図6は、同実施形態に係るケーブル余長処理具1に余長部を巻き付ける一工程を表す説明図である。図7は、同実施形態に係るケーブル余長処理具1を用いて余長部を処理した後の概観図である。同図(a)は、小型(浅型)ピット81aに設置される場合の概観図である。同図(b)は、大型(深型)ピット81bに設置される場合の概観図である。ここでは、ケーブルラック82に支持するケーブル83の新設時などで、新たに余長部84をケーブル余長処理具1を用いて8の字状に巻き付け収納する場合について、図5及び図6を参酌しつつ説明する。
【0065】
最初に、ケーブル83の余長部84を設けるピット81内(構造体)にケーブル余長処理具1を配置する処理具配置工程S1を行う。処理具配置工程S1は、図5(a)に示すように、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを開いた状態にして、余長部84を処理するのに適した処置位置、例えば、平らな場所に配置される。
【0066】
処理具配置工程S1の後、ケーブル余長処理具1にケーブル83の余長部84を巻き付ける巻き付け工程S2(図5(b)〜(c)参照)を行う。巻き付け工程S2の後、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを互いに向かい合うように閉じて、閉状態維持手段5で第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じた状態に維持させる処理具閉工程S3(図6(a)及び(b)参照)を行う。
【0067】
巻き付け工程S2は、図5(b)〜(c)に示すように、一方側のケーブル83Aを第1巻取り部2の1巻分を残して、一方側のケーブル83Aと他方側のケーブル83Bとの余長部84を第1巻取り部2の上方で交差させて、第1巻取り部2に掛ける。この状態にある第1巻取り部2の右側(作業をするものが第2巻取り部3を手前に第1巻取り部2を奥に配置したとき)の余長部84を把持し、第1巻取り部2の右側から下側まで時計回りに巻き付ける。第1巻取り部2の下側まで巻き付けた後、次に、第2巻取り部3に巻き付けるべく、連結部4を跨いで第2巻取り部3の上側から下側に向けて反時計回りに巻き付ける。次に、再び第1巻取り部3に巻き付けるべく、連結部4を跨いで第1巻取り部2の下側から上側に向けて時計回りに巻き付ける。これを余長部84が第1巻取り部2の1巻分を残して巻き付けられるまで繰り返し、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを交互に巻き付け、すなわち、8の字状になるように巻き付ける。
【0068】
また、余長部84を巻き付ける際に、最後に巻き取られる余長部84の部分が単位巻取り長さより短いため、第1巻取り部2にすべて巻き取ることができないようなときであっても、その最後に巻き取られる余長部84の部分が第1巻取り部2に巻き付け可能な長さより長いときは、第1巻取り部2に2回巻き付け、その最後に巻き取られる余長部84の部分が第1巻取り部2に巻き付け可能な長さよりも短いときは、第1巻取り部2に1回巻き付ける。
【0069】
処理具閉工程S3は、図6(a)〜(d)に示すように、閉操作用把持部24aを把持して、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを互いに向かい合うように閉じる。その後、連接部材53の嵌入部53bを係止部55に嵌入させ、第1巻取り部と第2巻取り部3とを閉じた状態に維持させる。
【0070】
このようにして余長部84を収納したケーブル余長処理具1は、例えば、図7(a)に示すような小型(浅型)ピット81aでは、ケーブル83を通すケーブルラック82から壁際までケーブル83を架設し、その壁際に配置される。すなわち、余長部84の配置場所とは別の処理位置で余長部84を巻き付け、収納されたケーブル余長処理具1は、この配置場所に移動され、配置される。それまでの余長部84の配線は、巻残していた余長部84を利用してケーブルラック82まで架設される。通常は、ケーブル83は3相を一対として架設するため、相ごとにケーブル余長処理具1に余長部84を巻取り、収納し、それぞれ別々に壁際に配置される。
【0071】
また、ケーブル余長処理具1は、例えば、図7(b)に示すような大型(深型)ピット81bでは、ケーブルラック82の下部の壁際に配置される。それまでの余長部84の配線は、巻残していた余長部84を利用してケーブルラック82まで行う。通常は、ケーブル83は3相を一対として架設し、相ごとにケーブル余長処理具1に余長部84を巻取り、収納し、各巻取り部を並列に壁際に配置される。
【0072】
ケーブル余長処理具1の配置は、連結板41,41を底面にして、ケーブル余長処理具1を余長部84の設置場所に自立させる。そして、その場所に配置した際に、ピット81内で支持されているケーブル83A,83Bからケーブル余長処理具1に収納されずに余る場合、第3収納部74に挿入する。その後、余長部84の両端部をケーブル端押さえ金物28,28で把持する。このようにして、ケーブル余長処理具1にケーブル83の余長部84を巻き付けて処理する。
【0073】
なお、ケーブル余長処理具1に巻き取られた余長部84を取り外す際は、最後に第1巻取り部2及び第2巻取り部3の脱落防止板27,27間に挿入した余長部84で足りる場合は、これを用いる。これ以上の余長部84をケーブル余長処理具1から取り外す必要がある場合は、第1巻取り部2及び第2巻取り部3とを開くことで、第1巻取り部2及び第2巻取り部3に巻き取った余長部84を取り外すことができる。
【0074】
具体的には、まず、ケーブル余長処理具1を第1巻取り部2及び第2巻取り部3を開くことができる場所に配置する処理具配置工程S1を行う。この際、ケーブル余長処理具1を設置した場所から離れた処置位置で余長部84の取り外しを行う場合、第3収納部74に収納した余長部84を引き出して、余長部84を延ばして処理位置に移動させる。処理具配置工程S1の後に、ケーブル余長処理具1に巻き取られた余長部84を取り外す(解く)取り外し工程S2aを行い、必要な余長部84を取り外す。
【0075】
取り外し工程S2aは、ケーブル83Bから余長部84を辿って、最後に巻き終えたケーブル83の余長部84の部分を第1巻取り部2から取り外し、第1巻取り部2から一回り分の余長部84を取り外す。第1巻取り部2から取り外した余長部84の長さが必要なケーブル83Bの長さに満たない場合、更に、取り外した余長部84を辿って、第2巻取り部2からも1回り分の余長部84を取り外す。そして、第1巻取り部2から取り外した余長部84の長さが必要なケーブル83Bの長さを超えるまで、第1巻取り部2及び第2巻取り部3から交互に余長部84を取り外す。取り外し工程S2aの後、処理具閉工程S3を行うことによって、余長部84が取り外され、再び、余長部84を処理することができる。
【0076】
このように、2つの巻取り部2,3に余長部84を巻き付けた結果、余長部84は、第1巻取り部2に時計回りに巻き付ける際に所定方向にひねられ、第2巻取り部3に反時計回りに巻き付ける際に所定方向と逆方向にひねられる。余長部84を2つの巻取り部2,3に8の字状に巻き付けることにより、余長部84は、そのひねりが相殺されるようになり、ねじれにくくなっている。
【0077】
更に、このケーブル余長処理具1は、巻取り部2,3の巻取り半径でそれぞれの巻取り部2,3に余長部84を巻き取るとともに、この2つの巻取り部2,3を互いに向き合うように閉じることにより、8の字状に巻き取られた余長部84を略環状にすることができる。その際、第1巻取り部2に巻き取られた余長部84に第2巻取り部3に巻き取られた余長部84が合わさるようにして略環状になっている。環状に巻き取られた余長部84は、巻取り部2,3の巻取り半径で巻き付けられている。よって、そのケーブル余長処理具1の設置スペースは、巻取り部2,3の巻取り半径に相当するスペースとなり、省スペースにすることができる。
【0078】
余長部84は、それぞれの巻取り部2,3の掛止部26,…に沿って巻き付けられる。巻き付ける余長部84は、その幅方向の移動を本体部21,31と規制部27,…との間に規制されており、掛止部26,…から脱落しないようになっている。よって、余長部84を各巻取り部2,3に確実に巻き付けることができる。
【0079】
また、ケーブル余長処理具1を設置するのに必要となる設置スペースは、支持部6を用いて、ケーブル余長処理具1を自立させることにより、巻き取ったケーブル83の余長部84の巻き付け方向に沿わせて(いわゆる、寝かして)設置する場合と比較して、省スペースにすることができる。
【0080】
上記第1実施形態に係るケーブル余長処理具1は、連結部4,4を支持部6とする例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1巻取り部2及び第2巻取り部3が互いに向き合うように閉じた状態で、第1巻取り部2及び第2巻取り部3の一辺を底辺として設置面に接触させるようにして支持される支持部を構成していてもよい。
【0081】
この支持部について、具体的に、図8を参酌しつつ説明する。なお、図8は、連結部4,4とその連結部4,4周辺の巻付け部2,3とを示す要部拡大図である。同図(a)は、正面図、同図(b)は、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じたときのC−C線断面図、同図(c)は、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを開いたときのC−C線断面図である。
【0082】
図8に示す支持部6Aは、第1巻取り部2及び第2巻取り部3を閉じた際に、第1巻取り部2と第2巻取り部3との一端が設置面85に接触するように、連結部4,4を連結する第1巻取り部2及び第2巻取り部3の一端に更に連続して延長された部分である。この支持部6Aは、連結部4,4の連結板41,41が連結された部分を避けてそれ以外の部分を延長するようになっている。
【0083】
よって、第1巻取り部2及び第2巻取り部3とを閉じたときは、図8(b)に示すように、第1巻取り部2及び第2巻取り部3を延長させた部分の先端部が設置面85に接触するようになる。また、第1巻取り部2及び第2巻取り部3とを開いたときは、図8(c)に示すように、連結板41,41と第1巻取り部2又は第2巻取り部3とが干渉しないため、連結部41,41と第1巻取り部2又は第2巻取り部3をそれぞれ略180度開くことができる。
【0084】
上記第1実施形態に係るケーブル余長処理具1は、巻き取られた余長部84を第1巻取り部2及び第2巻取り部3を開いて解く例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、巻取り部に巻き取られた余長部を閉じたまま解くために、閉じる前に脱落防止板が取り外し可能な構成を備えていてもよい。具体的には、脱落防止板がボルト,ナットなどで掛止部の一端部に着脱自在に固定されていてもよいし、回動自在に固定されていてもよい。このように構成されることにより、巻取り部に余長部を巻き取るときは、掛止部に脱落防止板を取り付けておき、巻取り部を閉じる前に、脱落防止板を取り外すことができる。よって、巻取り部に巻き取られた余長部を解きたいときは、巻取り部を閉じたままでも、内側から順に一巻き分づつ余長部を解くことができる。この際、余長部は、巻取り部を交互に変えて、一巻き分づつ解く。また、巻取り部を閉じた後、掛止部を本体部の開口から脱落防止板を回動させて、余長部を取り外し可能に操作するようにしてもよい。このようにして、第1収納部及び第2収納部に収納された余長部が第3収納部にはまり込むことにより、収納体内で余長部が混ざるのを防止できる。
【0085】
次に、本発明に係るケーブル余長処理具の第2実施形態について、図面を参酌しつつ、説明する。なお、第1実施形態に係るケーブル余長処理具1と同様の構成については、同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0086】
<第2実施形態>
まず、同実施形態に係るケーブル余長処理具の構成について、図9〜図13を参酌しつつ説明する。図9は、同実施形態に係るケーブル余長処理具101の開いた状態を示す図であり、ケーブル余長処理具101全体の正面図である。図10及び図11は、同実施形態に係るケーブル余長処理具101を閉じた状態を示す図である。図10は、ケーブル余長処理具101全体を第2巻取り部103側から見た正面図である。図11は、図10に示すケーブル余長処理具101を左側から見た左側面図である。図12及び図13は、同実施形態に係るケーブル余長処理具101の収納体107を示す図である。図12は、ケーブル余長処理具101全体の正面図である。図13は、図12に示すケーブル余長処理具101を左側から見た左側面図である。
【0087】
ケーブル余長処理具101は、余長部を巻き取り可能な2つの巻取り部102,103と、該巻取り部102,103を開閉自在に連結する連結部4と、巻き取った余長部を収納可能な収納体107と、を備える。
【0088】
2つの巻取り部102,103は、連結部4の一方に連結される第1巻取り部102と、連結部4の他方に連結される第2巻取り部103とを備える。巻取り部102,103は、連結部4,4に連結される本体部21,31と、該本体部21,31に取り付けられ、余長部をガイドする複数のガイド部122,…,132,…と、を備える。本実施形態に係るガイド部122,…,132,…は、余長部を掛止可能な掛止部26を備える。ガイド部122,…,132,…は、第1実施形態に係る脱落防止板(規制部)を備えていない例を説明する。
【0089】
収納体107は、第1巻取り部2及び第2巻取り部3に巻き取られ、閉じられることにより、略環状に巻き取られた余長部を収納するための収納部171と、該収納部171が転倒するのを防止するための転倒防止手段172と、収納部171に収納された余長部の種類を示すためのネームプレート25と、を備える。
【0090】
収納部171は、環状に巻き取られた余長部の幅以上の奥行きを有し、巻き取られた余長部の外径寸法以上の幅を有する有底箱形の収納部本体171aと、該収納部本体171aに収納した余長部を保護するために、収納部本体171aの内面に貼り付けられた緩衝部材171bと、巻き取った余長部の幅方向が設置面85と略水平となるように設置面85に接触させることにより自立可能に支持する接触面171cと、を備える。
【0091】
収納部本体171aは、巻き取られた余長部を収納可能な第1収納部173aと、第1巻取り部102及び第2巻取り部103に巻き残した(巻き取らなかった)余長部を収納可能な第2収納部173bと、を備える。なお、図13に一点鎖線で囲んだ範囲が、この収納部本体171a(収納体7)の収納空間である。
【0092】
緩衝部材171bは、本実施形態では、シート状のフェルトを収納部本体171aの底面、側面の上部及び下部に貼り付けられている。なお、緩衝部材171bは、フェルトに限定されず、収納される余長部を保護することができる材質であれば、どのようなものであってもよく、例えば、ゴムのような弾性変形可能な弾性材料であってもよい。また、緩衝部材171bを貼り付ける部分についても、本実施形態に例に限定されず、余長部の側面、底面以外にも前面、背面に貼り付けてもよい。余長部を保護することができる材質で収納部本体171aを製作することにより、収納部本体171aを緩衝部材とするようにしてもよい。
【0093】
接触面171cは、収納部本体171aの底面であり、平らに形成されている。接触面171cは、収納部本体171aに余長部を収納させたとき、余長部の幅方向が設置面と略水平となるように設置面に接触する。よって、接触面171cは、収納部本体171aを自立可能に支持する支持部106を構成する。
【0094】
転倒防止手段172は、収納部171の上端部に設けられる孔であり、この孔にビス172aやねじ等を挿通させてピットの壁面81c等に打ち付けられて固定するのに利用される。
【0095】
次に、同実施形態に係るケーブル余長処理具101を用いて余長部を処理する方法について、図14〜図16を参酌しつつ説明する。図14及び図15は、同実施形態に係るケーブル余長処理具101に余長部を巻き付ける一工程を表す説明図である。図16は、同実施形態に係るケーブル余長処理具101を用いて余長部を処理した後の概観図である。同図(a)は、小型(浅型)ピット81aに設置される場合の概観図である。同図(b)は、大型(深型)ピット81bに設置される場合の概観図である。ここでは、ケーブルラック82に支持するケーブル83の新設時などで、新たに余長部84をケーブル余長処理具101を用いて8の字状に巻き付け収納する場合について、図14及び図15を参酌しつつ説明する。
【0096】
最初に、ケーブル83の余長部84を設けるピット81内(構造体)にケーブル余長処理具101を配置する処理具配置工程S101を行う(図14(a)参照)。処理具配置工程S101の後、ケーブル余長処理具101にケーブル83の余長部84を巻き付ける巻き付け工程S102(図14(b)及び(c)参照)を行う。巻き付け工程S102の後、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを互いに向かい合うように閉じて、余長部84を環状に巻き取る巻き取り工程S103(図15(a)参照)行う。なお、処理具配置工程S101及び巻き付け工程S102は、第1実施形態に係る処理具配置工程S1及び巻き付け工程S2と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【0097】
巻き取り工程S103は、図15(a)に示すように、閉操作用把持部24aを把持して、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを互いに向かい合うように閉じる。次に、開操作用把持部24bを把持して、第1巻取り部102及び第2巻取り部103とを開く。巻取り部102,103を開くと、第2巻取り部103に巻き取られていた余長部84が第1巻取り部102に移動し、余長部84が略環状に巻き取られた状態となる。この状態の余長部84を紐などの結束部材86で結束する。結束された余長部84は、余長部84を設置する場所に設置している収納体107に収納される。
【0098】
この際に、ケーブル73が支持されている支持場所から余長部84を処理するための処理位置までにケーブル余長処理具101を配置するために必要となる余長部84の長さが、支持場所から余長部84を巻き取ったケーブル余長処理具101を設置する場所までの余長部84の長さよりも長い場合は、第2収納部173bにこの余長部84を収納する。
【0099】
余長部84は、第1実施形態と同様に、図16(a),(b)に示すように、小型(浅型)ピット81aでは、ケーブル83を通すケーブルラック82から壁際までケーブル83を架設し、その壁際に配置される。すなわち、余長部84の配置場所とは別の処理位置で余長部84を巻付け、結束部材86で結束された余長部84は、この配置場所に移動され、収納体107,107,107に収納される。それまでの余長部84,84,84の配線は、巻残していた余長部84,84,84を利用してケーブルラック82まで行う。
【0100】
また、大型(深型)ピット81bでは、余長部84は、ケーブルラック82の下部の壁際に配置される。それまでの余長部84の配線は、巻残していた余長部84を利用してケーブルラック82まで行う。通常は、ケーブル83は3相を一対として架設し、相ごとにケーブル余長処理具101を用いて余長部84を巻取り、壁から一列に配置される収納体107,107,107にそれぞれ収納される。
【0101】
なお、ケーブル余長処理具1に巻き取られた余長部84を取り外す際は、最後に収納体107に収納した余長部84で足りる場合は、これを用いる。これ以上の余長部84を収納体107から取り外す必要がある場合は、結束部材86で結束した余長部84を解いて使用する。余った余長部84は、再びケーブル余長処理具101を用いて巻取り、収納体107に収納する。
【0102】
このように、2つの巻取り部102,103に余長部84を巻き付けた結果、余長部84は、第1巻取り部102に時計回りに巻き付ける際に所定方向にひねられ、第2巻取り部103に反時計回りに巻き付ける際に所定方向と逆方向にひねられる。余長部84を2つの巻取り部102,103に8の字状に巻き付けることにより、余長部84は、そのひねりが相殺されるようになり、ねじれにくくなっている。
【0103】
更に、このケーブル余長処理具101は、巻取り部102,103の巻取り半径でそれぞれの巻取り部102,103に余長部84を巻き取るとともに、この2つの巻取り部102,103を互いに向き合うように閉じることにより、8の字状に巻き取られた余長部84を略環状にすることができる。その際、第1巻取り部102に巻き取られた余長部84に第2巻取り部103に巻き取られた余長部84が合わさるようにして略環状になっている。環状に巻き取られた余長部84は、巻取り部102,103の巻取り半径で巻き付けられている。よって、そのケーブル余長処理具101の設置スペースは、巻取り部102,103の巻取り半径に相当するスペースとなり、省スペースにすることができる。
【0104】
余長部84は、それぞれの巻取り部102,103の掛止部26,…に沿って巻き付けられる。巻取り部102,103の掛止部26,…に沿ってそれぞれの巻取り部102,103に交互に巻き付けられた余長部84は、巻取り部102,103を互いに向き合うように閉じられることにより、第2巻取り部103から第1巻取り部102にその余長部84の幅方向の移動を許容するようになっている。よって、巻取り部102,103を開いた際に、余長部84を第1巻取り部102に寄せることができ、余長部84を第1巻取り部102の巻取り半径で略環状に巻き取ることができる。
【0105】
また、ケーブル余長処理具101を設置するのに必要となる設置スペースは、支持部106を用いて、ケーブル余長処理具101を自立させることにより、巻き取ったケーブル83の余長部84の巻き付け方向に沿わせて(いわゆる、寝かして)設置する場合と比較して、省スペースにすることができる。
【0106】
余長部84は、巻取り部102,103で巻き取られ、巻取り部102,103から収納体107に移して収納されるようになる。よって、この収納体107に巻き取られた余長部84を収納することにより、巻取り部102.103にこの余長部84を収納してその巻取り部102,103を占有する必要がなく、余長部84を巻き取るために巻取り部102,103を専用することができる。
【0107】
上記第2実施形態に係るケーブル余長処理具101は、掛止部26に脱落防止板27を備えない例を説明したが、これに限定されるものではない。具体的には、掛止部26に取り付けられる脱落防止板27は、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じた際に、第1巻取り部102及び第2巻取り部103のそれぞれの掛止部26,…に巻き取られた余長部84を一方の巻取り部102,103から他方の巻取り部102,103の掛止部26,…に移動させることができる構造であればよい。
【0108】
例えば、脱落防止板は、第1巻取り部102と第2巻取り部103とを閉じた際に、掛止部から取り外し可能に構成されていてもよい。このように構成される脱落防止板は、掛止部に余長部84を巻き付ける際は、余長部84の幅方向の移動を本体部との間で規制するとともに、それぞれの巻取り部102,103を閉じる際は、脱落防止板を取り外すことにより、幅方向の移動を一方の巻取り部102,103の掛止部から他方の巻取り部102,103の掛止部への移動を許容する構造とすることができる。
【0109】
また、脱落防止板は、掛止部に取り付けられる向きを回動自在にするなどして変更可能に構成されていてもよい。このように構成される脱落防止板は、掛止部に余長部84を巻き付ける際は、余長部84の幅方向の移動を本体部との間で規制するとともに、それぞれの巻取り部102,103を閉じる際は、脱落防止板の向きを本体部の外側方向から中心方向に変更することにより、余長部84の幅方向の移動を一方の巻取り部102,103の掛止部から他方の巻取り部102,103の掛止部への移動を許容する構造とすることができる。
【0110】
上記第2実施形態に係る収納部本体173の第1収納部173aは、巻き取られた余長部84の1相分を収納可能な奥行きを有する例を説明したが、これに限定されるものではない。収納部本体は、巻き取られた複数の余長部を収納可能な第1収納部を有するように、奥行きが設定されていてもよい。
【0111】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0112】
上記第1又は第2実施形態に係るケーブル余長処理具1,101は、ピット81内のケーブルラック82に通される(電力)ケーブル83の余長部84を処理する例を説明したが、これに限定されるものではない。ケーブル余長処理具は、通信ケーブルや光ファイバケーブルなどのケーブルであって、余長部が設けられるものに利用されてもよい。
【0113】
上記第1及び第2実施形態に係るケーブル余長処理具1,101は、棒状の掛止部26を備える例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、掛止部は、余長部を掛け止める掛止面が余長部を掛け止める方向に回動するように構成されていてもよい。具体的には、掛止部は、本体部に対して略直角に突出する棒状の支持軸と、該支持軸に挿通されて回動自在に装着される円筒状の回転体とを備える構成である。このように構成される掛止部は、余長部を掛止部に沿わせる際に、掛止面を滑らせながら巻き付けることができる。
【0114】
上記第1及び第2実施形態に係るケーブル余長処理具1,101は、連結部4,4や接触面175を支持部とする例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、支持部は、連結部の連結板に接続され、連結部の巻取り部同士を離間する長さ(上記実施形態では長手方向)以上の長さを有する支持部であってもよい。
【0115】
この支持部について、具体的に、図17を参酌しつつ説明する。なお、図17は、連結部4,4とその連結部4,4周辺の巻付け部2,3とを示す要部拡大図である。同図(a)は、正面図、同図(b)は、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを閉じたときの左側面図、同図(c)は、第1巻取り部2と第2巻取り部3とを開いたときの左側面図である。
【0116】
図17に示す支持部206は、長手方向の長さが連結板4,4の長手方向の長さよりも長く形成された支持板261,261と、該支持板261,261と連結板4,4とを接続する接続部262,…と、支持板261,261の長手方向の両端部に接続され、巻取り部2,3を開いたときに、各巻取り部2,3を受ける受け部材263,…とを備える。
【0117】
支持板261は、好ましくは、連結板41,41の長手方向の長さ以上の長さを有し、巻取り部2,3の縦若しくは横幅以下の長さを有する。接続部262と受け部材263は、支持板261からの高さが同じになるように設定されている。よって、巻取り部を開いた状態で、第1巻取り部2と第2巻取り部3とが略平行になるように配置されるようになっている。受け部材263は、巻取り部2,3が開いた際に巻取り部2,3の外面を保護するために弾性変形する材質、例えば、ゴムやフェイルなどが用いられている。
【0118】
よって、第1巻取り部2及び第2巻取り部3とを閉じたとき、図17(b)に示すように、支持部206は、第1実施形態の連結部41,41よりも長手方向に長く接触する。よって、支持部206は、巻取り部2,3をより安定して支持することができる。
【符号の説明】
【0119】
1…ケーブル余長処理具、2…第1巻取り部(巻取り部)、21…本体部、22…ガイド部、23…開口、24…把持部、24a…閉操作用把持部、24b…開操作用把持部、24c…引き手部、24d…握り部、25…ネームプレート、26…掛止部、27…脱落防止板(規制部)、28…ケーブル端押さえ金物、28a…把持片、28b…固定部材、3…第2巻取り部(巻取り部)、31…本体部、32…ガイド部、4…連結部、41…連結板、42…蝶番、42a…回動軸、5…閉状態維持手段、51…係止手段、52…支持部、52a…第1支持部、52b…第2支持部、53…連接部材、53a…回動軸、53b…嵌入部、53c…連結部、54…軸受部、55…係止部、6,6A…支持部、7…収納体、71…第1収納部、72…第2収納部、73…連絡部、74…第3収納部、81…ピット、81a…小型(浅型)ピット、81b…大型(深型)ピット、82…ケーブルラック、83…ケーブル、84…余長部、85…設置面、S1…処理具配置工程、S2a…取り外し工程、S2…巻き付け工程、S3…処理具閉工程、101…ケーブル余長処理具、102…第1巻取り部(巻取り部)、122…ガイド部、103…第2巻取り部、132…ガイド部、106…支持部、107…収納体、171…収納部、172…転倒防止手段、173…収納部本体、173a…第1収納部、173b…第2収納部、174…緩衝部材、175…接触面、81c…壁面、86…結束部材、S101…処理具配置工程、S102…巻き付け工程、S103…処理具閉工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルの余長部を処理する処理位置に配置されてケーブルの余長部を処理するケーブル余長処理具であって、
ケーブルの余長部を巻き取り可能な2つの巻取り部と、該巻取り部を開閉自在に連結する連結部とを備え、
2つの巻取り部は、一方の巻取り部にケーブルの余長部を時計回りに巻き付けるとともに、他方の巻取り部にケーブルの余長部を反時計回りに巻き付け、且つ、巻取り部を互いに向き合うように閉じることが可能に構成されてなることを特徴とするケーブル余長処理具。
【請求項2】
巻取り部は、連結部に連結される本体部と、該本体部に取り付けられ、ケーブルの余長部をガイドする複数のガイド部とを備え、
該ガイド部は、ケーブルの余長部を掛止可能な掛止部と、該掛止部に掛止されるケーブルの余長部の幅方向の移動を規制する規制部とを備える請求項1に記載のケーブル余長処理具。
【請求項3】
巻取り部を閉じた状態で、巻取り部を自立可能に支持する支持部を備える請求項1又は2に記載のケーブル余長処理具。
【請求項4】
巻取り部は、連結部に連結される本体部と、該本体部に取り付けられ、ケーブルの余長部をガイドする複数のガイド部とを備え、
該ガイド部は、ケーブルの余長部を掛止可能であるとともに、巻き取られたケーブルの余長部の幅方向の移動を許容し、
一方の巻取り部のガイド部は、巻取り部を互いに向き合うように閉じた際に、巻き取られたケーブルの余長部を他方の巻取り部のガイド部に移動可能に構成される請求項1に記載のケーブル余長処理具。
【請求項5】
巻取り部に巻き取ったケーブルの余長部を収納可能な収納体が巻取り部とは別体に備える請求項1〜4のいずれか1項に記載のケーブル余長処理具。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のケーブル余長処理具を用いてケーブルの余長部を処理する方法であって、
ケーブルの余長部を一方の巻取り部に時計回りに巻き付けるとともに、他方の巻取り部に反時計回りに巻き付けた後に、一方の巻取り部と他方の巻取り部とを互いに向き合うように閉じることを特徴とするケーブルの余長部を処理する方法。
【請求項7】
請求項5に記載のケーブル余長処理具を用いてケーブルの余長部を処理する方法であって、
ケーブルの余長部を一方の巻取り部に時計回りに巻き付けるとともに、他方の巻取り部に反時計回りに巻き付けた後に、一方の巻取り部と他方の巻取り部とを互いに向き合うようにして閉じることにより巻き取られたケーブルの余長部を収納体に収納することを特徴とするケーブルの余長部を処理する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−251810(P2011−251810A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127030(P2010−127030)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】