説明

ケーブル処理装置でケーブルを自動感知する装置および方法

本発明はケーブルやワイヤーまたは長い物体のための処理装置の装置と処理方法に関するもので、本発明によれば、ケーブルやワイヤーや長い物体のIDに基づいて処理装置は適切な処理方法変数を自動で決定する。このように決定された処理方法変数は、ケーブル処理装置が自動でケーブル、ワイヤー、長い物体を加工(処理)するのに用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は長い物体を処理する装置および方法に関し、処理装置に挿入されたケーブルやワイヤーや長い物体の信頼性のある特定をあたえる。本発明によれば、ケーブルやワイヤー処理方法変数は、ケーブル処理装置が自動でケーブルを問題無く加工(処理)するのに用いられる。
【背景技術】
【0002】
処理ナイフと内部導体との間の接触を検出するために処理工具と内部導体の間に短絡を用いる装置が多い。特許文献1にはこのような装置が記載されている。この装置は、絶縁層の剥皮工程中に剥皮用ナイフが内部導体と過剰接触して損傷することを防ぐためのものである。
【0003】
特許文献2と特許文献3に記載された装置は、一方または両方のチッパーブレードの接触によって内部導体の直径を決定する。ま た、この装置は信号入力機と出力機を有する。接触の結果によって出力信号が急激に変わる。ここでは、一方または両方のチッパーブレードが内部導体と接触するときの2つのナイフの位置がナイフ供給部材の観察により決定され、これを用いて導体の直径を直接決定する。
【0004】
特許文献4に紹介された装置も、工具と内部導体の接触を感知する。ここでは、工具と短絡させているのは内部導体ではないが、特許文献2および3のように信号の変化を測定する。
【0005】
特許文献5の装置も、工具と内部導体の接触を感知する。ここでは、モータによりコイル状に巻かれた内部導体の中に電流が誘導され、ナイフがその内部導体に触れれば誘導電流が短絡によって地面に流れ、これが評価ユニットによって感知される。
【0006】
特許文献1、2、3、4、および5に紹介された装置では、2つのチッパーブレードの1つによる内部導体や1番目の導体層がナイフへの接触だけで測定用パルスをトリガされるのに十分である。しかしながら、ケーブルがいくら対称に形成されていても、実際には2つのチッパーブレードのうちの一つのみが最初に内部導体や1番目の導体層に触れ、2番目のチッパーブレードは内部導体や1番目の導体層に対して同様に働かない場合が多い。ケーブル、特に細いケーブルはしばしば柔軟であるため、ナイフ又は2つのナイフのうちの1つあるいは複数のナイフのうちの1つよる切り込みの中心位置から若干逸脱し易い。結果として大きすぎる内部導体の直径、不正確な内部導体の直径がしばしば測定または予測される。このような場合には計算された処理方法変数は不適切である。このような悪影響はケーブル製作時の許容誤差によってさらに悪化する。このような知られたシステムでは、処理方法の品質、仕上げられたケーブルの品質が悪くなる。
【0007】
特許文献6には、内部導体と工具の接触を感知する別の装置が記載されている。内部導体または1番目の導体層は被覆除去ナイフによって電気回路が閉じられる。この設計も上述した短絡測定原理と類似する。上述した問題を避けるために、上記の装置に対してここでは両方のチッパーブレードがすべて導体に触れるときのみ測定パルスをトリガするようにする。しかしながら、このためには2つのチッパーブレード相互間の絶縁が必要となり、上記の問題を避けうるが切断部の構造を複雑にする。
【0008】
特許文献7および特許文献8では、ナイフと短いチューブがキャパシタのそれぞれの電極を形成する。内部導体は2つの電極の間に連続的に存在する。ナイフが前進すればキャパシタの容量値が変わる。このような容量値は検出電極を使って測定され、それからケーブル構造が導きだされる。しかしながら、ナイフが電極として用いられる。これは、ナイフごとに特性が異なるという問題がある。また、ナイフの摩耗は電極の性能に影響を与える。さらに、この設計ではケーブルの外径の測定についてはいかなる言及もない。特許文献8は、品質制御のための検査機能面において特許文献7を改良したものである。
【0009】
以上で説明したすべての従来の装置では、チッパーブレードと内部導体の間の接触を感知したり、ケーブルの絶縁被覆間に距離測定器によりナイフの間隔を測定したりする方法を用いる。更に、ケーブルの外径は、内部導体の直径によって決定できない。このために、既存の装置では、上述した処理装置の精密な自動化を実現することができない。さらに、内部導体の直径や1番目の導体層の直径のみを感知してその中心を用いる。このため、導体層が2層以上であるケーブルには適用することができないという問題がある。
【0010】
既存の装置のナイフは、ナイフ移動機構の慣性のために、内部導体や1番目の導体層との接触後にナイフが導体を若干掘り下げる「オーバーシューティング(overshooting)」現象が起こる。このようなオーバーシューティングの程度は切断抵抗によって異なり、その影響も異なる。切断過程を遅くすればオーバーシューティングの影響が緩和されるが、全体工程が遅くなるという問題が起こる。オーバーシューティングが起これば導体の表面が損傷し、加工ケーブルが使えなくなるという問題も起こる。オーバーシューティングは、ナイフによって絶縁被覆に切れ目を入れて剥がすときにその下の導体も剥がし出すため、ナイフ自体の摩耗も深化させるという問題がある。このために、絶縁被覆に切れ目を入れるときには、多少ゆっくりと行わなければならない。
【0011】
特許文献7および8の装置は、チッパーブレードが内部導体または1番目の導体層に接触することを用いるものではない。これらの出願の明細書の英文訳により、ナイフの位置を連続して監視する(・・・比較の結果に基づいて連続的に監視される)。監視は一セットの閾値との比較により効果づけられる(・・・マイクロコンピュータの閾値と比較して・・・)これらの閾値がどうやってマイクロコントローラに達するのかは不明確である。しかしながら、当業者は、この従来技術から得られる情報から、この装置は、閾値が公知の種類のケーブルにのみ限定されると理解する。この反面、本発明は多様なケーブルに適用し、それぞれの処理方法変数を自動で設定することができる。
【0012】
また、容量値の連続的な測定が信頼できる結果をもたらことは当業者にはより疑問である。特許文献7の段落0010に記載されているように、このような容量値のpFレンジの変化は極めて複雑な測定用増幅器によってのみ測定することができる。さらに、絶縁被覆は誘電体をなし、これは容量値の信頼性を害する。この従来技術よる所謂「ビデオ増幅器」は大変高い周波数のものである。これは装置が極めて複雑になることを意味する。
【0013】
特許文献8には特許文献7の拡張が記載されている。これら2つの文献は同じ出願人のものである。従って、特許文献7,8に記載の装置は、全体として一番近い従来技術として適当である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許第6253430号明細書
【特許文献2】欧州特許第1772701号明細書
【特許文献3】欧州特許第1901026号明細書
【特許文献4】特許第7227022号明細書
【特許文献5】特願平11−299036号公報
【特許文献6】特許第9308038号明細書
【特許文献7】特開2000−35435号公報
【特許文献8】特開2002−01514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、上述した従来の問題点を解決するために案出されたものである。特に、内部導体と中間層と外径を適切に感知して処理装置の制御に自動で影響を与えることにより、最初にユーザが知らないケーブルを適切に処理できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の装置では上記の従来技術とは基本的に異なるアプローチを採用している。ここでは、測定値(変数)をテーブルメモリに格納された変数と比較して処理するケーブルを自動あるいは半自動で識別する。最も容易には、その外径のケーブルの持つ典型的な内部導体の断面が割り当てられてテーブル値と比較する。そして、テーブル値との比較によって公知の外径と内部導体の断面から層構造を知ることができる。このように識別されたケーブルに対する処理方法変数がソフトウェアの支援を受けてテーブルメモリから自動で得られる。加工ケーブルの生産のために、同じ処理方法変数が関連ケーブルの識別後に常に用いられる。
【0017】
ケーブルIDにより、ケーブルの内径は、一般的なプラス/マイナスの誤差を持つものとして推定される。内部導体位置が若干非対称であっても、本発明では、測定のために重要ではない。本発明を適用する処理装置(エンドレスケーブルの連続処理装置)の使用においては、新たな加工ケーブルごとの処理方法変数が読み取られないことがほとんどである。次の積載過程以前に測定がまったくなされない場合でも同様である。積載過程が実行されない限り、同じ原料が処理装置に残っていると仮定される。これは、一時停止する処理装置(ケーブルが一方から挿入され、同じ側から引き出される)と連続処理装置とが異なる点である。本発明による一時停止する処理装置では、剥皮工程に先立ってケーブルが新たに識別されて処理方法変数が新たに読み取られ、または同じケーブル原料であることが別途のユーザ命令によって表示されることができる。
【0018】
本発明に基づく最も簡便な設計は、外径センサとそれぞれの外径に適合する内部断面、層構造情報、および処理方法変数が格納されたテーブルメモリとを組み合わせて用いることである。
【0019】
このような最も簡便な設計によれば、革新的な方法で処理され、上述の問題を解決することができる。しかしながら、本発明による最も簡単な設計では、外径は同じであるが内径や層構造が異なるケーブルがあるとケーブル数の増加の限界に近づく。この場合、本発明の更なる改良では、異なる測定値を取得する第2のセンサを備え、外径は同じであるが内部構造が異なるケーブルも識別することができる。本発明の更なる改良は、本発明の最も単純な設計に比べ、異なるパラメータを測定する2つのセンサに測定を分けることによって測定の精度が達成される。
【0020】
センサを2つ用いる改良設計でもケーブル数によっては限界がある。このことを解決するため、本発明の更なる改良では3番目のセンサを用いる。しかしながら、すべてのセンサが不正確に作動する場合もあり、理論的にはいろいろな制限がある場合もあるので、本発明では半自動過程も取り入れる。すなわち、測定値に基づいて最も近いケーブルとして可能性のあるケーブルの選択をディスプレイに表示する。そして、作業者が最終的にケーブルを決定し、ケーブル処理装置に対してこれを確認する。このような観点において、本発明は更に、自動学習、自動教え込み効果を示す。すなわち、ケーブル処理装置が段階的に学習をし、その結果を表示する。
【0021】
本発明の変形、または更なる改良は従属請求項に記載される。ケーブルによっては、外径を測定するセンサの他にも、特性信号を出力する電磁気リングセンサを第2センサとして用いることもできる。このようなリングセンサとしては、Turch社のセンサであるBi20R−Q14−LUが適当である。円筒型の測定範囲内のすべての磁場が均一であるため、正確な測定値を得るためにケーブルを正確に磁場の中心におく必要がない。測定値は導体材料の内部断面を示す(Turch社のセンサの場合電圧値が出力される)。Turch社によると、リングセンサの動作原理は次ぎの通りである。誘導センサは接触しなくても摩耗なく金属物体を感知する。感知する物体と作用する高周波の電磁気がこの目的のために用いられる。感知する物体はコアの役割をする。
【0022】
リングセンサのみを用い、外径測定センサは用いない場合もある。また、ケーブルやワイヤーや長い物体の特性を示す値を出力する他の1つまたは複数のセンサを備え、比較表を用いてケーブルやワイヤーや長い物体を識別することもできる。作業者の行為がまったくない絶縁被覆剥皮のための処理方法変数の全自動決定も可能であるが、最適な動作結果とならない場合もある。本発明によれば、経験ある作業員が処理方法変数を予め入力することができる。例えば、切れ目を入れた後には内部導体編み組層が損傷しないようにケーブルから工具を若干後退させなければならず、これをウェイバック(wayback)という。ウェイバックの大きさは専門家によって経験的に決定される。処理方法は大部分、加工ケーブルの生産量の影響を受ける。
【0023】
もし、準最適な動作結果で十分であるなら、本発明の処理装置は全自動調整される。この場合、処理方法変数を比較して決定することもできる。この場合、センサの測定値をテーブルに格納された値と比較して補間法や外挿法によって決定する。すなわち、本発明では、多数のケーブルの処理方法変数が格納されたデータベースを用いることもできる。適当なアルゴリズムにより、処理方法変数が補間法や外挿法によって全自動で生成されることも本発明に含まれる。
【0024】
経験によれば、大部分のケーブルは寸法が安定して生産される。本処理方法変数を事前に設定した発明の方法によれば、一定の処理品質が保障され、ケーブルの連続測定が不必要となるが、これは以前に格納された処理方法変数のローディングと初期識別以後にケーブル測定がなされるためである。
【0025】
本発明の処理装置によれば、大部分のケーブルにおいて、ケーブルをなす層が受け持った役割はない。1つまたは複数の測定値によってケーブルを識別すれば、関連データを有する完璧なケーブル変数と完璧な変数を有するケーブル処理プログラムをテーブルメモリによって確認してローディングすることができる。このために、層数が2層以上であるケーブルの識別と正しい処理が可能となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、次のような効果がある。切断剥皮装置のようなケーブル処理装置において、例えば、切れ目の深さ、絶縁被覆剥皮の長さ、切れ目を入れる速度、剥皮速度のような処理方法変数のセッティングが促進されて自動化される。その結果、ケーブルを交換するときに要される時間が最小化される。
【0027】
また、誤ったセッティング値を入力する危険が大幅に抑制され、ナイフのような処理工具の早期摩耗とケーブル材料に対する不必要な損傷や消費を防ぐことができる。さらに、適切に処理された加工ケーブルの生産量が大きく増加する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】ケーブル処理工具が1対のみ存在する簡単なケーブル処理装置を示す斜視図である。
【図2】電子式ハードウェアとソフトウェアが含まれた概略的な構造図である。
【図3】処理方法テーブルとケーブルリストである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
実施形態を説明するに先立ち、当分野で用いられる用語について整理する。以下の符号は図と請求項と同一である。なお、技術はすべてのケーブル処理会社によって使用されているような世界的な標準技術ではない。しかし、技術は、当業者に良く知られているケーブル処理装置の世界的リーディング製造者の1つのシュレニガー固有のデータメンテナンス構造に相当する。
【0030】
−原料データ
原料データは、ケーブルの原料を正確に示すものである。
−外径
−内部導体の直径
−絶縁被覆の色
−その他
データは、ケーブルの構造(平板型、同軸型、多心型など)を含む。原料は原料IDや製造番号によって識別される。ケーブルロールの情報(原料ID、製造番号、製造日)によって原料を正確に識別することができる。原料データはプログラムライブラリの「原料」14に格納される。
【0031】
−処理方法
加工ケーブル生産のために、特に送りユニットと切断ユニットに多くのセッティング値を定めなければならない。この処理方法は原則的に原料に基づく。しかし、実際にはある原料に適合する処理方法が割り当てられる。この処理方法は全体的に以下の処理方法パラメータ(リストより抽出したもの)である。
−供給されるときの左側送りユニット4の接触圧力
−供給されるときの右側送りユニット7の接触圧力
−ケーブル先端部が処理されるとき(被覆を剥がすとき)の左側送りユニット4の接触圧力
−ケーブル先端部が処理されるとき(被覆を剥がすとき)の右側送りユニット7の開放状態
−ケーブル終端が処理されるとき(被覆を剥がすとき)の右側送りユニット7の接触圧力
−ケーブル終端が処理されるとき(被覆を剥がすとき)の左側送りユニット4の開放状態
−供給されるときの左側送りユニット4の開放状態
−供給されるときの右側送りユニット7の開放状態
−切断の際のナイフ13の過剰切断
−後退時のナイフのウェイバック
−供給時のナイフの位置
−ナイフ交換時のナイフの位置
−その他
処理方法は処理方法IDによって識別される。処理方法は、プログラムライブラリ「処理方法」15に格納される。本発明に係る作動法は、処理工具13と送りユニット4,7またはピボット型ガイド5と図1に示されないその他の処理及びガイドユニットによってケーブル1において実行される。
【0032】
−動作
動作は有効な形態の加工ケーブルに対するものである。動作は全体的に以下の動作パラメータ(リストはすべては含まない)である。
−ケーブル長さ
−切れ目の位置
−剥皮の長さ
−その他
動作は加工ケーブルの説明の一部である。
【0033】
−ケーブル1、加工ケーブル21
「加工ケーブル」は加工ケーブル21として示される。ケーブル処理装置はケーブルのIDや製造番号によって加工ケーブルを識別する。通常加工ケーブルごとに固有製品番号が付される。加工ケーブルを生産するためには、関連処理方法と関連する動作が知られなければならない。「加工ケーブル」という用語は、そのケーブルがすべての処理方法段階を終えて完全に処理されたケーブルであり、通常の「ケーブル」の表現で表される原料と区分される。
【0034】
−ケーブルリスト10
これは、数百個までの多数の加工ケーブルリストである。実施形態においては、ケーブルリスト10が自立型処理部であることもできる。ある場合には、ケーブルリストが注文のように注文番号によって識別されたりもする。したがって、ある製品を生成するのに必要なすべてのケーブルはケーブルリスト10に格納されることができる。本発明によれば、他のケーブルリストを用いたり、他の装置あるいはスイッチキャビネットから他のケーブルリストを受けたりもできる。ケーブルリストは生産される加工ケーブルの1日の割当量を確認したり区分したりするのに用いられたりもする。一般的に次のような変数が加工ケーブルごとに割り当てられる。
−ケーブル名や製品番号
−処理方法の名称やID
−動作変数(ケーブルの長さ、切れ目の位置、剥皮の長さなど)
−その他
ケーブルリストにおいて、生産される加工ケーブルの番号が加工ケーブルごとに割り当てられる。
【0035】
−層またはケーブル層(ケーブル構造)
通常、ケーブルごとに多層構造を有する。標準ケーブルは絶縁層と内部導体の2層構造を有する。簡単な同軸ケーブルはケーブル被覆、スクリーン編み組(screen braid)、誘電体、および内部導体の4層構造を有する。例えば、3極ネットワークケーブルのような簡単な多芯ケーブルはケーブルシース、と絶縁被覆、内部導体からなる多数の内部ケーブルを有する。すなわち、簡単な多芯ケーブルは3層構造を有する。
【0036】
図面において、同一する部分には同一する符号番号を付与した。本発明の範囲は実施形態に限定されるものではない。したがって、複数の工具対が設置されたケーブル処理装置も本発明の範囲に含まれる。
【0037】
センサ2は非接触センサであり、センサ2によって励起信号が生成されて処理するケーブル1に誘導される。ケーブル1からの信号反応によって測定信号が生じ、このような測定信号によって金属を含んだケーブル1またはワイヤーまたは長い物体(以下、ケーブルという)の内部構造を判断することができ、その後にケーブル処理装置によってケーブルが処理される。本実施形態では、センサ2としては、送受信コイルと評価用電子素子が付いた誘導式リングセンサが好ましい。
【0038】
本実施形態によっては、市中で購入することができるリングセンサ(例;Turck社のBi20R−Q14−LU)を用いることができる。このセンサは円筒型測定区域内の磁場がどこでも均一であるため、正確な測定値を求めるためにケーブル1を正確に磁場の中心におく必要がないという点において有利である。このようなセンサにおいて、測定値は1つ又は複数の内導体の総内部断面に該当する値である。このセンサ2の動作原理は例えば、次のようなものである。誘導センサは接触しなくても摩耗なく作動範囲内のすべての金属物体を接触なく感知する。感知する物体と作用する高周波の電磁気がこの目的のために用いられる。感知する物体(ここではケーブル)はコアの役割をする。
【0039】
ケーブル1ごとに1つ又は複数の内部導体の材料と断面およびケーブルの残りの構造によって定められる特性値を有する。ケーブル処理装置にケーブルが挿入された後、センサ2がケーブルの特性値をアナログやデジタル形態で生成するが、Turck社のセンサはアナログ電圧値を出す。この値がケーブルライブラリ又はテーブルメモリ9に格納された値と比較される。図面符号10は、現場作業者がプログラムしたり予め格納されたりしているケーブルリストである。
【0040】
本実施形態(半自動シーケンス)では、この値に該当するケーブル1又は複数のケーブルが作業者のディスプレイ11に示される。もし、1つのケーブル1だけが見えれば作業者はケーブルの種類を確認することができ、ケーブル処理装置はテーブルメモリ9から原料とケーブル1の処理方法データを受ける。測定信号が1つのケーブル(原料)に割り当てられない場合(例;測定電圧=5V)には、2つ以上のケーブルがディスプレイ11に示される(例;原料R1、R4)。ディスプレイに複数のケーブルが示されれば、作業者は色、外径、ケーブル種類(螺旋状ケーブル、同軸ケーブルなど)のような外観特徴を基準とし、正しいケーブルを選択して確認することができる。ケーブル処理装置はテーブルメモリ9から完全な原料と、選択されたケーブル1に関するデータと、ケーブルの長さや剥皮の長さのような処理データ(処理方法データ)や加工ケーブルデータを受ける。
【0041】
複数の異なる加工ケーブルのグループから所定の加工ケーブルを選択するために、例えば、作業者は所望する長さのような資料に基づき、提示された複数の異なる加工ケーブルのうちから所望する加工ケーブルを選択することができる。必要であれば作業者が直接に必要なケーブルの長さを新たに入力してもよい。システムが新たな加工ケーブルデータを要請したりすることもできる。
【0042】
本実施形態の場合、ケーブルリスト10を見れば、例えば3種類の原料(R1、R3、R4)があるが、そのうち加工ケーブルA2が原料R1にのみ対応するとすれば、このケーブルには1セットの処理方法データのみが提供される。一方、原料R4は2種類の方法によって加工が可能であるため、2種類の加工ケーブルA6とA10が提供され、処理方法データV4とV41のような2対の作業データを得ることができる。作業者が選択することができるように、このような表がディスプレイ11に提示される。本発明によれば、作業者は加工ケーブルをライブラリ又はテーブルメモリから選択することができる。一方、すべてのデータを自動でのみ求めることもできるが、この方法は1つ又は複数のセンサによって原料を決定したり、加工ケーブルが何種類もない場合にのみ適用することができる。
【0043】
センサ2によって測定してケーブルを選択することは極めて制限的であるため、むしろ正しいケーブルデータや原料データの選択がより容易である。
【0044】
また、非接触センサ2以外に他のセンサ12によってケーブル1の外径を追加で測定すれば、テーブルメモリからデータを自動選択するとき、ケーブルをより適切に探すことができる。出願人による詳細な試験の結果、センサ2による内部断面とセンサ12による外径の2つの値を用いれば、多くのケーブルから所望するケーブルをより適切に確認することができるであろう。この場合にも、加工ケーブルを生産しようとすれば、依然として所望する作業データ(例;ケーブルの長さ、切れ目の位置、絶縁被覆剥皮の長さなど)は補わなければならない。
【0045】
また、実施形態においては、センサ12のみが存在することもあるが、同じように、テーブルメモリ9のデータ(ケーブルの外径や厚さ)と比較することができる。このような比較例の場合には、比較的に小集団のケーブルから選択する場合が有利である。
【0046】
また、作業者はケーブルや原料を頻繁に変えるとき、本発明の装置を用いることができる。さらに、極めて多くの数のケーブルを用いて極めて多様な加工ケーブルを生産するときにも、本発明の装置を用いることができる。例えば、加工ケーブルの材料として誤った原料が処理装置に挿入された場合にはこれがディスプレイに表示される。これにより、材料の浪費と不適切なセッティング(例えば、不十分なウェイバック)によるケーブル1の破損やナイフ13の摩耗を防ぐことができる。
【0047】
また、本発明の装置は次のような付加的な機能を持つ。ケーブル1またはワイヤーまたは長い物体が処理装置に挿入されてすぐに、非接触センサ2と外径測定用センサ12が継続して値を測定することもできる。この場合、例えば、ケーブル1の傷や不規則性を即時に感知して処理装置を自動で停止させて警報を発するのに有利である。このようなデザインは、ケーブル傷感知器としての計測ホイールのようなセンサをさらに必要とする。
【0048】
本発明の処理方法
<処理方法1>
本発明のケーブル処理装置は1つまたは複数の処理方法に関する原料を適切に感知することができるが、その前提条件は、テーブルメモリ9やケーブルリスト10のデータベースに原料のデータを確保していなければならないという点である。作業者が加工ケーブルを生産する原料を固定すれば、システムは固定されたケーブルの原料を感知する。稀ではあるが、原料を確認することができないこともあるが、このときは作業者がディスプレイから原料を選択することができる。すなわち、固定されたケーブルやケーブルロールとディスプレイを比較し、原料を正確に識別して確認する。作業者は原料を処理する処理方法をプログラムライブラリ15から選択することができるが、このような選択後に原料に適合する加工ケーブルと処理方法の選択がディスプレイされる。作業者は適切な加工ケーブルを選択し、所望する量を入力した後に加工ケーブルの生産を開始する。
【0049】
また、予め格納された値を変えるとき、作業者が新たなケーブルの長さ、剥皮の長さ、あるいは異なる値を入力することもできる。この場合、新たな加工ケーブルの名称や関連製品番号を指定することが要求されたりもする。要求されたデータと所望する量を入力した後、作業者がケーブル生産を開始する。
【0050】
<処理方法2>
ケーブルリスト10によって作業をしたり簡単な注文によって作業したりするとき、原料を自動感知する装置は、品質を保証することに用いられる。ケーブル処理装置に誤った原料が固定されることを防ぎ、原料の浪費と加工工具(ナイフ)の損傷を防ぐ。作業者は新たに固定されたケーブル1のナイフがその直前に加工されたケーブル1のナイフとは異なるものであるか、または適切なナイフであるかをディスプレイ(警報)で確認しなければならない。
【0051】
例えば、RFIDによって用いられたナイフが固定されたケーブル1に該当するかを自動で確認することができる。RFID識別機が工具のRFIDマークを確認して関連情報を提供する。
【0052】
<処理方法3>
センサの測定値と原料と処理方法の関係が「標準ケーブル」や「同軸ケーブル」のような一般的なケーブル形状別として、テーブルメモリ9のデータベースに追加で格納されることもできる。まったく分からない原料を固定した後、データベースの助けによってケーブル処理に必要な方法に関するデータが計算される。作業者と処理装置の間の対話(いわゆるウィザード)によって作業者がいくつかの質問に答えれば、正しい原料データと処理方法データを探すことができる。例えば、作業者は、標準ケーブルがあるかあるいは同軸ケーブルがあるかについて答えなければならない。
【0053】
使用例
<ケース1> 新たな原料の使用
ケーブル1が単純な標準ケーブルである場合、経験がある作業者であれば、1段階で導体の外径と内径や導体の断面をまず入力する。このようなデータ(ケーブルの種類、外径、内径、または断面)を基準とし、ケーブル処理装置8が適切な方法を計算する。2段階で原料R3によって処理されるケーブル1がケーブル処理装置8に積載される。3段階で試験ケーブルが生産される。試験ケーブルを基準とし、必要であれば処理方法変数がさらに調節される。必要であれば、他の試験ケーブルを生産して処理方法変数がさらに調節される。ケーブル1は依然として処理装置に固定されている。試験ケーブルが満足したものであれば、4段階で処理方法ID(例;V3)をすぐに入力する。このとき、処理装置は処理方法変数と処理方法IDに適合するセンサの既存の信号値を割り当てる。作業者が関連原料ID(例;R3)を入力することもできる。関連原料IDが入力されることにより、センサ測定値を基準としてシステムが以後に原料を確認することができる。必要であれば、作業者が原料に関する特徴、例えばセンサ12があれば外径と、内径や断面や色や表面構造のような特徴を入力することができる。すべてのデータはテーブルメモリ9に格納される。
【0054】
処理装置8で処理方法変数を自動計算せず、作業者が1段階ですべての処理方法変数を手動で入力することもできるが、その変数の例は下記のとおりである。
−供給データ、例;供給速度、供給加速度、ケーブルに対する運搬部の接触圧力、左右送りユニット4、7の開閉状態など。
−切断データ、例;ナイフの種類、ナイフビームに割り当てられたホルダの位置(例えば、ナイフヘッドがナイフビームに対してそれぞれの位置に複数対のナイフや工具を固定することができる。ナイフビームをy方向に動かせば、所望するナイフや工具が作業位置に来るようになる。ナイフビームをy方向に動かせば、ナイフを交換する場合、ナイフが動いている間にケーブルとぶつからない程度にナイフを開放しなければならない)、切れ目を入れる間のチッパーブレードの重畳、切れ目を入れる速度と加速度、ケーブルを供給したりナイフを交換したりする間のナイフの開放速度、切れ目を入れた後の停止時間など。
−再切断データ、例;再切断の長さ、チッパーブレードの重畳、ナイフの種類、ナイフビームにおけるホルダの位置、ブローアウト(blow−out)オプションなど(すべての値はケーブル端部を基準とする)。
−処理方法オプション、例;計測ホイールの存在(yes/no)、計測ホイールの校正、ナイフとガイドの移動方式(例;「ノーマルモード」や「ショートモード(short mode)」)など。
−オプションである回転切断部のセッティング、例;ナイフ供給速度と加速度、クランピングジョー(clamping jaw)の供給速度と加速度など。
−ケーブル構造と絶縁層のセッティング、例;絶縁層のID、割り当てられたナイフや工具、切れ目を入れる速度と加速度、回転切断部の作動(yes/no)、絶縁被覆剥皮工程の間のナイフウェイバック、層の直径など(層ごとに1セットの値が指定される)。
【0055】
2段階〜4段階は上述したとおりである。一方、1段階で、作業者が既に公知された処理方法をライブラリ15から受けてそのまま用いたり、この処理方法の各変数を変更したりすることもできる。2段階〜4段階は上述したとおりである。
【0056】
1〜4段階で、センサの信号値と原料の間に確実な関係が設定される。
【0057】
<ケース2> 新たな加工ケーブルのプログラミング:
ケース1の1〜4段階に続き、5段階で作業者がケーブルの長さを入力するが、処理装置8のディスプレイによってグラフィックの助けを受け、加工ケーブル21の生産のためにケーブル両端部の形態も入力する。必要であれば、作業者が加工ケーブル21を試験生産することもできる。結果が満足するものであれば、すぐに6段階でケーブルID(例;製品番号A7)を入力する。このとき、処理装置はケーブルIDに作業変数を割り当てる。
【0058】
処理装置8が作業変数を生成する代わりに、作業者が5段階ですべての作業変数を手動で入力することもできる。6段階は上述したとおりである。
【0059】
または、作業者が既存の加工ケーブルを呼び出した後に新たな長さを入力したり、グラフィックの助けを受けて新たなケーブルの両端部の形態を入力したりすることもできる。必要であれば、オペレータが新たな加工ケーブル21を生産することができる。その結果が満足であれば、ケーブルID(例;製品番号A3)を入力する。このとき、処理装置が作業変数をケーブルIDに割り当てる。センサの測定値と提示された加工ケーブルに基づき、システムが原料を識別することができる。
【0060】
<ケース3> 加工ケーブルの生産:
本発明のケーブル処理装置は、処理方法に関連する原料を適切に感知することができるが、前提條件としてテーブルメモリ9やケーブルリスト10のデータベースに原料データが存在しなればならない。作業者が加工ケーブルを生産する原料を固定すれば、システムは新たに固定されたケーブルの原料を感知する。稀ではあるが、原料を確認することができないこともあるが、このときは作業者がディスプレイから原料を選択することができる。作業者が固定されたケーブル1やケーブルロール16をディスプレイデータと比較し、原料を正確に識別して確認する。作業者は原料を処理する方法をプログラムライブラリ15から選択することができるが、このような選択後に原料に適合する加工ケーブルと方法を選択することができるように作業者にディスプレイされる。作業者は適切な加工ケーブルを選択し、所望する量を入力した後に加工ケーブルの生産を開始する。
【0061】
一方、作業者が原料を確認した後、原料に適合する加工ケーブルの選択が作業者に直接にディスプレイされたりもする。作業者は適切な加工ケーブルを選択した後、必要数量を入力して加工ケーブルの生産を開始する。
【0062】
<ケース4> ケーブルリストによる作業、簡単なケーブル生産注文による作業:
ケーブルリスト10によって作業をしたり、簡単な注文によって作業したりするとき、原料を自動感知する装置は、品質保証することに用いられる。ケーブル処理装置に誤った原料が固定されることを防ぎ、原料の浪費と加工工具(ナイフ)の損傷を防ぐ。作業者は、新たに固定されたケーブル1のナイフが直前に加工されたケーブル1のナイフとは異なるものであるか、または適切なナイフであるかをディスプレイで確認しなければならない。例えば、RFIDによって用いられたナイフが固定されたケーブル1に適合するかを自動で確認することができる。
【0063】
テーブルメモリ9が各種データを格納する1つのライブラリまたは単一のテーブルメモリのように設計されることができる。原料と処理方法と作業は常に厳格に区分される。原料データ14、処理方法データ15、およびケーブルリストは、いずれの場合にもケーブル処理装置に割り当てられたコンピュータ17や処理装置のネットワークの中央コンピュータ(サーバ)に直接に格納されることができる。
【0064】
以上、本実施形態のケーブル処理装置の動作を例示して説明したが、全体が金属からなるケーブルや、表面が薄膜で覆われたりコーティングされたりして一部のみが金属からなるワイヤーやケーブル等の処理や加工も可能である。もちろん、ワイヤーやケーブルは同軸ケーブル、センサケーブル、多心ケーブル、特殊スクリーンが付いたケーブル、低損失ケーブルなどの複合ケーブルも含む概念である。
【0065】
2つのセンサ2、12が配置され、コンピュータ17と制御装置が2つのセンサの測定値を連結するようにプログラムされていれば、連結された情報を用い、いずれの場合にも、ひいては類似する原料が多い場合にも、作業者がディスプレイによって該当する処理方法と原料と加工ケーブルを選択することができる。(1番目のセンサを経た)内部構造と(2番目のセンサを経た)外径の2つの情報を用いれば、これらの2つの情報に適合する処理方法と原料を1種類だけ選択し、加工ケーブルもいくつかだけ選択する可能性が事実上極めて高い。したがって、作業者が最終選択をする必要がまったくないか大幅に減少されるため、ケーブル変数選択を自動化することができる。
【0066】
3番目のセンサ3、ひいてはそれ以上のセンサがある場合もある。センサがさらに多ければ、測定値に一致する処理方法と加工ケーブルが1つだけ存在する可能性がより高くなるため、作業者が最終選択をする必要性がさらに減少する。
【0067】
さらに、センサのそれぞれの信号値に対して許容誤差範囲を定めることもできる。このような許容誤差値によってセンサの測定値をデータベースの入力値と比較することができる。許容誤差が小さいほど、センサの測定値に適合するケーブルがないという報告をする可能性が高いが、ひいては一致するケーブル値がテーブルメモリ9に格納されていても、そうである場合がある。一方、許容誤差範囲を大きく取るほど、作業者がより多くのケーブルのうちから選択をしなければならないため、この場合には作業者は不正確な選択をする危険を避けるためにより注意しなければならない。
【符号の説明】
【0068】
R 原料、V 処理方法、L ケーブルリスト、A ケーブル(加工ケーブル)、1 ケーブル(長い物体)、2 センサ又は非接触センサ、3 センサ、4 左側送りユニット、5 ピボット型ガイド、7 右側送りユニット、8 ケーブル処理装置、9 テーブルメモリ、10 ケーブルリスト、11 ディスプレイ、12 外径測定用センサ、13 ナイフ、14 プログラムライブラリ、15 プログラムライブラリ、16 ケーブルロール、17 コンピュータ、21 加工ケーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給路に沿って処理装置に導入されて処理されるケーブル、ワイヤーや長い物体(以下、長い物体(1)という)を自動感知し、これらの長い物体は、処理装置への供給路に沿って処理装置に挿入され、そこで処理され、処理状態の長い物体(1)の長手方向軸が供給路と同軸であり、処理方法変数をセッティングするためのコンピュータやメモリのような制御装置と、処理装置のための供給部を含み、作業者インターフェースと、少なくとも1つのセンサ(2,12)とを備え、各センサは処理状態で、長い物体(1)で生じた測定信号を処理装置に供給する処理装置であって、
前記制御装置(17,9)は、長い物体(1)の処理の前に、長い物体(1)それぞれに対する適切な処理方法変数セットが作業者インターフェースから入力されることができる少なくとも1つのテーブルメモリを含み、それぞれの処理方法変数が1つまたは複数のセンサ(2,12)の長い物体(1)に関する離散的な1つまたは複数の測定信号に割り当てられ、
処理装置に長い物体(1)があるとき、前記制御装置(17,9)は、1つまたは複数のセンサの実際の測定信号に基づいて長い物体(1)に適合する適切な処理方法変数を処理部及び供給部に供給することを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記センサがリングセンサを含む非接触センサ(2)であり、電気的(静電型、容量型、または誘導型)、磁気的または電磁気的な作用によって前記長い物体(1)に対する測定信号を測定値で出力し、用いられる長い物体の正確な種類と関連する処理方法変数セットが前記測定値に基づいて自動あるいは半自動で導かれることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置であって、
前記センサまたは前記長い物体(1)の外径の測定値を測定信号で出力する光学センサや触覚センサを含む第2のセンサ(12)をさらに含み、用いられる前記長い物体(1)の正確な種類と関連する処理方法変数が前記外径の測定値に基づいて自動あるいは半自動で導かれることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の装置であって、
前記長い物体(1)が2層以上の多層構造で、被覆されていないまたは被覆されたワイヤーまたは長い物体であり、
前記センサ(2)は金属導体断面を測定した値を信号で出し、制御装置はこの信号に基づいて実際の導体断面を導くことを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の装置であって、
前記複数のセンサ(2または12)の1つは、前記長い物体(1)の表面の色やコードのような情報を記録することができる電気光学的撮像システムを含み、複数の処理方法変数の1のセットに適当する前記長い物体(1)を割り当てるために前記センサが制御装置に該当する信号を送信することを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の装置であって、
前記装置は、前記テーブルメモリまたは前記制御装置または前記装置のコンピュータの中または、前記装置と協働する外部コンピュータの中または、前記装置が属するネットワークの中に格納され、処理装置および/または前記テーブルメモリは、前記長い物体(1)の特定の型に属する処理方法変数セットが格納される予め作られたライブラリを含むことを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載の装置であって、
前記長い物体はケーブルであり、
前記制御装置は前記センサ(12)で測定した導体外径および/またはセンサ(2)で測定した測定信号をテーブルメモリまたはライブラリの値と比較して該当する処理方法変数セットをローディングするようにプログラムし、またはケーブルの外径および/またはセンサ(2)の測定信号に対するデータが不足な場合には、既に知られているケーブル(1)の外径または内部の特徴に基づいて最終選択することができるように作業者のインターフェースによって適切な処理方法セットをディスプレイするようにプログラムされることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載の装置であって、
前記長い物体はケーブルであり、
ケーブルタイプによって異なる測定信号を出す2つ以上独立または異なるセンサ(2,12)を含み、前記制御装置はケーブルタイプにより異なる複数の測定信号をテーブルメモリまたはライブラリの値と比較して該当する処理方法変数セットをローディングするようにプログラムし、または協働のための正確な可能性の欠如により該処理方法変数セットが不明確である可能性がある場合には、既に知られているケーブル(1)の外径または内部の特徴に基づいて最終選択することができるように作業者のインターフェースによって適切な処理方法変数セットをディスプレイするようにプログラムされることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1〜8のうちのいずれか1項に記載の装置であって、
前記センサや他の第3のセンサがケーブルの絶縁層の厚さを測定し、動作の際に長い物体またはケーブル(1)の絶縁層の厚さを測定することを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載の装置であって、
触覚直径センサ(12)を備え、
長い物体またはケーブル(1)の外径を測定するとき、長い物体に2つのホイールまたはローラを押し付けて2つのホイールまたはローラ間の間隔をケーブルの外径としてポテンショメータ,ホールセンサ等の慣用された方法で測定し、前記センサがCCDフォークライトバリア(forklight barrier)またはレーザーマイクロメータを含むことを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載の装置であって、
処理方法変数セットが測定信号と適合するかを決めるために、センサ測定値の許容誤差範囲がディスプレイされて調整されることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項1〜11のうちのいずれか1項に記載の装置であって、
前記制御装置が前記複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサによって長い物体(1)の何らかの移送不良状態を感知し、ケーブル処理装置を停止させるモードを有するようにプログラムされたことを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項1〜12のうちのいずれか1項に記載の装置であって、
前記制御装置のプログラムまたは、前記テーブルメモリのプログラムおよび/または、ライブラリのプログラムおよび/または作業員インターフェースプログラムは、作業員が試験的な動作を実行するために処理装置の中に長い物体(1)をローディングし、供給パラメータを含む必要な処理方法変数を入力して試験的な動作をし、ディスプレイ上のメニューによって長い物体(1)に対するセンサの測定値を割り当てる
ことを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−523343(P2011−523343A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513106(P2011−513106)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【国際出願番号】PCT/IB2009/052474
【国際公開番号】WO2009/150620
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(599122503)シュロニガー ホールディング アーゲー (11)
【Fターム(参考)】