説明

ケーブル収納装置

【課題】収納部の形状の自由度の高いケーブル収納装置を提供する。
【課題を解決するための手段】ケーブル収納装置は第1アップリンク用ケーブル51aを備える。第1アップリンク用ケーブル51aを、付勢力に抗して引き出し可能な状態で、付勢力により張架して収納するアップリンク用ケーブル収納部11を備える。アップリンク用ケーブル収納部11は、第1アップリンク用ケーブル51aが張架される第1、第2アップリンク用ローラ111a、112aと、張架のために第1、第2アップリンク用ローラ111a、112aを保持する第1、第2アップリンク用バネ111S、112Sを有する。第1、第2アップリンク用ローラ111a、112aは、第1アップリンク用ケーブル51aの引き出し状態に応じて移動し、第1、第2アップリンク用バネ111S、112Sは、第1、第2アップリンク用ローラ111a、112aの移動に対応して伸び縮みする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル収納装置に関し、特にケーブルを張架して収納するケーブル収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LANケーブルなどのケーブルを収納する装置が提案されている。
【0003】
特許文献1は、LANケーブルを収納できるLAN接続装置を開示する。
【特許文献1】特開2002−217931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の装置は、巻き取りによりLANケーブルを筐体に収納するため、LANケーブルを収納する部分は、巻き取りによる円形を考慮するため、形状に自由度が無かった(略正多角形など)。
【0005】
したがって本発明の目的は、収納部の形状の自由度の高いケーブル収納装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るケーブル収納装置は、ケーブルと、ケーブルを、付勢力に抗して引き出し可能な状態で、付勢力により張架して収納する付勢部材とを備える。
【0007】
好ましくは、付勢部材は、ケーブルが張架されるローラと、張架のためにローラを保持する保持部材を有する。
【0008】
さらに好ましくは、ローラは、ケーブルの引き出し状態に応じて移動し、保持部材は、ローラの移動に対応して伸び縮みする。
【0009】
さらに好ましくは、付勢部材は、ケーブルの引き出し状態に応じて移動するローラを複数有し、複数のローラを保持する複数の保持部材を有する。
【0010】
さらに好ましくは、複数の保持部材はバネであり、複数のバネは、異なるバネ定数を有し、複数のバネのバネ定数は、配列順に大きくなるように設定される。
【0011】
また、好ましくは、ケーブルは、ローラを介して折り重ねられた状態で、付勢部材に収納される。
【0012】
本発明に係るLAN接続装置は、ハブと、ハブに接続されるLANケーブルを、付勢力に抗して引き出し可能な状態で付勢力により張架して収納する付勢部材を備える。
【0013】
本発明に係るケーブル収納装置は、第1、第2ケーブルと、第1ケーブルの一端が固定され、他端が第1付勢力に抗して引き出し可能な状態で、第1ケーブルを第1付勢力により張架して収納する第1付勢部材と、第2ケーブルの一端が固定され、他端が第2付勢力に抗して引き出し可能な状態で、第2ケーブルを第2付勢力により張架して収納する第2付勢部材と、第1ケーブルの一端と、第2ケーブルの一端とを、接続する接続部とを備える。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明によれば、収納部の形状の自由度の高いケーブル収納装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本実施形態について、図を用いて説明する。本実施形態におけるLAN接続装置1は、アップリンク部10、ハブ20、及びダウンリンク部30とを備える(図1参照)。なお、方向を説明するために、LAN接続装置1において第1〜第4ダウンリンク用LAN端子33b〜33bが並べられる水平方向を第1方向x、第1方向xと直交し第1ダウンリンク用ローラ312b等が移動する鉛直方向を第2方向y、第1方向x及び第2方向yと直交する水平方向を第3方向zとして説明する。
【0016】
アップリンク部10は、LANケーブルを介して、ルータ(不図示)などの通信回線の上り方向の通信機器と接続される。アップリンク部10は、アップリンク用ケーブル収納部11、アップリンク用ケーブルロック部12、アップリンク用オス端子13、アップリンク用メス端子14、第1アップリンク用LANケーブル51a、及び第2アップリンク用LANケーブル51aを有する。
【0017】
アップリンク用ケーブル収納部11は、第1アップリンク用LANケーブル51aを、付勢力に抗して引き出し可能な状態で、付勢力により張架して収納する付勢部材で、第1〜第5アップリンク用ローラ111a〜115a、第1、第2アップリンク用バネ111S、112Sを有する。
【0018】
アップリンク用ケーブルロック部12は、第1、第2アップリンク用ローラ111a、112a、及び第1、第2アップリンク用バネ111S、112Sによる第2方向yの上方向への付勢力に対応して第1アップリンク用LANケーブル51aの収納動作、及び使用者がアップリンク用オス端子13、第1アップリンク用LANケーブル51aの少なくとも一方を引っ張り出すことによる第1アップリンク用LANケーブル51aの引き出し動作を止めるロック機構(不図示)と、ロック機構によるロック状態を解除する解除機構(不図示)を有する。ロック機構は、第1アップリンク用LANケーブル51aを挟み込む機構などである。
【0019】
アップリンク用オス端子13は、ルータなどの通信回線の上り方向の通信機器のメス端子と接続される。このとき、第1アップリンク用LANケーブル51aは、LAN接続装置1と通信機器との距離と略同一分だけアップリンク用ケーブル収納部11から引き出しされる。
【0020】
アップリンク用メス端子14は、別体のLANケーブル(不図示)の一方のオス端子が接続され、このLANケーブルの他方のオス端子が、ルータなどの通信回線の上り方向の通信機器のメス端子と接続される。アップリンク用メス端子14は、第1アップリンク用LANケーブル51aが、通信機器と接続するのに十分な長さを有しない場合などに使用される。本実施形態では、ダウンリンク部30は、アップリンク用メス端子14に相当する端子を有しない形態であるが、有しても良い。
【0021】
第1アップリンク用LANケーブル51aは、LAN接続装置1から引き出し及びLAN接続装置1に収納可能なLANケーブルで、第1アップリンク用ローラ111aなどによる収納を効果的に行うため、薄い平型形状を有するのが望ましい。第1アップリンク用LANケーブル51aは、収納及び引き出し時に第1アップリンク用ローラ111aなどが摺動自在に回転及び第2方向yの移動が出来る程度の固さを有する。
【0022】
第1アップリンク用LANケーブル51aは、第1〜第5アップリンク用ローラ111a〜115aに張架され、第1〜第5アップリンク用ローラ111a〜115aを介して折り重ねられた状態で、第1、第2アップリンク用ローラ111a、112aの上側と接し、第3〜第5アップリンク用ローラ113a〜115aの下側と接する。
【0023】
第2アップリンク用LANケーブル51aは、アップリンク用メス端子14とハブ20との間に固定接続されるLANケーブルである。
【0024】
第1、第2アップリンク用ローラ111a、112aは、第1アップリンク用LANケーブル51aの収納及び引き出しに対応して、第2方向yに摺動自在に移動可能で且つ、回転可能なローラである。アップリンク用ケーブル収納部11は、第1、第2アップリンク用ローラ111a、112aの第2方向yへの移動に使用するガイドレール(不図示)を有する。
【0025】
第3〜第5アップリンク用ローラ113a〜115aは、第1アップリンク用LANケーブル51a1の収納及び引き出しに対応して回転可能なローラである。但し、第1、第2アップリンク用ローラ111a、112aのように第2方向yの移動はしない。
【0026】
第1アップリンク用ローラ111aは、第2方向yから見て、第3アップリンク用ローラ113aと第4アップリンク用ローラ114aとの間に配置される。第2アップリンク用ローラ112aは、第2方向yから見て、第4アップリンク用ローラ114aと第5アップリンク用ローラ115aとの間に配置される。
【0027】
本実施形態では、第1アップリンク用ローラ111aは、第2方向yから見て、第3アップリンク用ローラ113aと第4アップリンク用ローラ114aとのほぼ中間に配置され、第2アップリンク用ローラ1112aは、第2方向yから見て、第4アップリンク用ローラ114aと第5アップリンク用ローラ115aとのほぼ中間に配置されるが、これには限られない。
【0028】
例えば、図14のように、第1アップリンク用ローラ111aを、第3アップリンク用ローラ113a寄りに配置し、第2アップリンク用ローラ112aを、第4アップリンク用ローラ114a寄りに配置してもよい。
【0029】
また、第1アップリンク用LANケーブル51aの第3アップリンク用ローラ113aから第1アップリンク用ローラ111aへ延びる部分は、第2方向yに平行でなくてもよい。図14のように、第2方向yに平行でない形態にすれば、ローラの第3方向zの感覚を狭めることが可能になり、アップリンク用ケーブル収納部11を小型化することが可能になる。
【0030】
第3〜第5アップリンク用ローラ113a〜115aは、第3アップリンク用ローラ113aが外側(アップリンク用ケーブルロック部12側)で第5アップリンク用ローラ115aが内側(ハブ20側)になるように、第3方向zに並べて配置される。第1〜第5アップリンク用ローラ111a〜115aは、アップリンク用ケーブル収納部11に収納できるケーブル長さを長くするために、小さい径に設定されるのが望ましい。
【0031】
第1アップリンク用バネ111Sは、一端が第1アップリンク用ローラ111aの回転しない部分(軸心など)に取り付けられ、他端がLAN接続装置1の上部に取り付けられたバネで、使用者による第1アップリンク用LANケーブル51aの引き出し状態に応じて伸び縮みし、張架のために第1アップリンク用ローラ111a(及び第1アップリンク用ケーブル51a)を保持する。
【0032】
第2アップリンク用バネ112Sは、一端が第2アップリンク用ローラ112aの回転しない部分(軸心など)に取り付けられ、他端がLAN接続装置1の上部に取り付けられたバネで、使用者による第1アップリンク用LANケーブル51aの引き出し状態に応じて伸び縮みし、張架のために第2アップリンク用ローラ112a(及び第1アップリンク用ケーブル51a)を保持する。
【0033】
第1アップリンク用バネ111Sの第1アップリンク用バネ定数ku1は、第2アップリンク用バネ112Sの第2アップリンク用バネ定数ku2よりも小さく設定される。
【0034】
アップリンク用ケーブル収納部11は、第2方向yに移動可能なローラを2つ(第1、第2アップリンク用ローラ111a、112a)、及びバネを2組(第1、第2アップリンク用バネ111S、112S)を有するが、これらの数は2に限られず、1又は3以上であってもよい。複数組のバネを有する場合には、複数組のバネは、異なるバネ定数を有し、複数組みのバネのバネ定数は、配列順に大きくなるように設定される。
【0035】
図4の状態において、第1アップリンク用LANケーブル51aを介して第1、第2アップリンク用ローラ111a、112aにかかる下向きの力は略同一であるが、第1アップリンク用バネ111Sの伸びは、第2アップリンク用バネ112Sの伸びよりも大きい。
【0036】
第1、第2アップリンク用ローラ111a、112aにかかる下向きの力は、略同一であるとして説明したが、第1〜第5アップリンク用ローラ111a〜115aのトルク、摩擦力の影響により、第1アップリンク用ローラ111aにかかる下向きの力の方が、第2アップリンク用ローラ112aにかかる下向きの力よりも大きい。
【0037】
但し、第1、第2アップリンク用バネ定数ku1、ku2は、同じでもよいし、第1アップリンク用バネ定数ku1が、第2アップリンク用バネ定数ku2よりも大きく設定されてもよい。
【0038】
第1アップリンク用LANケーブル51aが、LAN接続装置1に収納された状態(図3参照)では、第1アップリンク用LANケーブル51aは、自重を除いて第1、第2アップリンク用ローラ111a、112aに殆ど力を加えない。そのため、第1、第2アップリンク用バネ111S、112Sは、伸び量の少ない状態(付勢力の小さい状態)で、アップリンク用ケーブル収納部11の上部で第1、第2アップリンク用ローラ111a、112aを保持する。第1、第2アップリンク用ローラ111a、112aによって、第1アップリンク用LANケーブル51aは、アップリンク用ケーブル収納部11内に収納される。
【0039】
第1アップリンク用LANケーブル51aがLAN接続装置1から引き出された状態(図4参照)では、第1アップリンク用LANケーブル51aは、自重に加えて第1、第2アップリンク用ローラ111a、112aに第2方向yで且つ下向きの力を加える。そのため、第1、第2アップリンク用バネ111S、112Sは伸び、第1、第2アップリンク用ローラ111a、112aは、アップリンク用ケーブル収納部11の下方に移動せしめられる。第1アップリンク用LANケーブル51aを引き出す力と第1、第2アップリンク用バネ111S、112Sの付勢力とが釣り合った所で第1、第2アップリンク用ローラ111a、112aは保持される。
【0040】
本実施形態では、ケーブル収納時に、ケーブル(第1アップリンク用LANケーブル51a1)を保持するローラ(第1、第2アップリンク用ローラ111a、112a)が、アップリンク用ケーブル収納部11の上部に位置し、ケーブル引き出し時に、ローラが、アップリンク用ケーブル収納部11の下部に移動するため、ケーブルを引き出す時にケーブルやローラの自重分だけ引き出す力を軽減することが可能になる(図8、9参照)。
【0041】
別の実施形態として、ケーブル収納時に、ケーブルを保持するローラが、アップリンク用ケーブル収納部11の下部に位置し、ケーブル引き出し時に、ローラが、アップリンク用ケーブル収納部11の上部に移動する形態である場合には、ケーブルを引き出す時にケーブルやローラの自重分だけ引き出す力を増加させる必要があるが、収納時のバネ付勢力を軽減することが可能になる(図10、11参照)。
【0042】
また、別の実施形態として、アップリンク用ケーブル収納部11の上部のローラ(第1、第2アップリンク用ローラ111a、112a)、と下部のローラ(第3〜第5アップリンク用ローラ113a〜115a)の両方が、第2方向yに移動可能で、且つバネにより保持される形態が考えられる(図12、13参照)。この場合、ローラの自重分だけ引き出す力を増加させるローラ(下部のローラ)、軽減するローラ(上部のローラ)が存在するため、ケーブルを引き出す力は、ローラの自重による影響を殆ど受けない。この場合は、第4、第5アップリンク用ローラ114a、115aにも、第4、第5アップリンク用バネ114S、115Sが取り付けられ、これらは、第2方向yに移動可能になる。第3アップリンク用ローラ113a、及び新たに加えられた第6アップリンク用ローラ116aは、第2方向yの移動はしない。
【0043】
第1アップリンク用LANケーブル51aがLAN接続装置1から引き出された状態で、アップリンク用ケーブルロック部12のロック機構をロック状態にすると、使用者による引き出す力を解除しても引き出された状態が保持される。
【0044】
ロック状態にせずに引き出す力を解除すると、又は解除機構によりロック状態を解除すると、第1、第2アップリンク用バネ111S、112Sの付勢力により、第1、第2アップリンク用ローラ111a、112aが第2方向yで且つ上方向に移動せしめられ、第1アップリンク用LANケーブル51aは、アップリンク用ケーブル収納部11内に収納される(図3の状態)。
【0045】
ハブ20は、LANケーブルを分岐、中継するために使用される機器であり、アップリンク部10、及びダウンリンク部30と接続される。
【0046】
ダウンリンク部30は、LANケーブルを介して、パソコンなどの通信回線の下り方向の通信機器と接続される。ダウンリンク部30は、第1〜第4ダウンリンク用ケーブル収納部31b〜31b、第1〜第4ダウンリンク用ケーブルロック部32b〜32b、第1〜第4ダウンリンク用オス端子33b〜33b、第1〜第4ダウンリンク用LANケーブル51b〜51bを有する(図5参照)。
【0047】
第1〜第4ダウンリンク用ケーブル収納部31b〜31bは、第1方向xに並べて配置される。
【0048】
第1ダウンリンク用ケーブル収納部31bは、第1ダウンリンク用LANケーブル51bを、付勢力に抗して引き出し可能な状態で、付勢力により張架して収納する付勢部材で、第1〜第5ダウンリンク用ローラ311b〜315b、第1、第2ダウンリンク用バネ311S、312Sを有する。
【0049】
第2ダウンリンク用ケーブル収納部31bは、第2ダウンリンク用LANケーブル51bを、付勢力に抗して引き出し可能な状態で、付勢力により張架して収納する付勢部材で、第6〜第10ダウンリンク用ローラ311b〜315b、第3、第4ダウンリンク用バネ311S、312Sを有する。
【0050】
第3ダウンリンク用ケーブル収納部31bは、第3ダウンリンク用LANケーブル51bを、付勢力に抗して引き出し可能な状態で、付勢力により張架して収納する付勢部材で、第11〜第15ダウンリンク用ローラ311b〜315b、第5、第6ダウンリンク用バネ311S、312Sを有する。
【0051】
第4ダウンリンク用ケーブル収納部31bは、第4ダウンリンク用LANケーブル51bを、付勢力に抗して引き出し可能な状態で、付勢力により張架して収納する付勢部材で、第16〜第20ダウンリンク用ローラ311b〜315b、第5、第6ダウンリンク用バネ311S、312Sを有する。
【0052】
第1ダウンリンク用ケーブルロック部32bは、第1、第2ダウンリンク用ローラ311b、312b、及び第1、第2ダウンリンク用バネ311S、312Sによる第2方向yの上方向への付勢力に対応した第1ダウンリンク用LANケーブル51bの収納動作、及び使用者が第1ダウンリンク用オス端子33b、第1ダウンリンク用LANケーブル51bの少なくとも一方を引っ張り出すことによる第1ダウンリンク用LANケーブル51bの引き出し動作を止めるロック機構(不図示)と、ロック機構によるロック状態を解除する解除機構(不図示)を有する。ロック機構は、第1ダウンリンク用LANケーブル51bを挟み込む機構などである。
【0053】
第2ダウンリンク用ケーブルロック部32bは、第6、第7ダウンリンク用ローラ311b、312b、及び第3、第4ダウンリンク用バネ311S、312Sによる第2方向yの上方向への付勢力に対応した第2ダウンリンク用LANケーブル51bの収納動作、及び使用者が第2ダウンリンク用オス端子33b、第2ダウンリンク用LANケーブル51bの少なくとも一方を引っ張り出すことによる第2ダウンリンク用LANケーブル51bの引き出し動作を止めるロック機構(不図示)と、ロック機構によるロック状態を解除する解除機構(不図示)を有する。ロック機構は、第2ダウンリンク用LANケーブル51bを挟み込む機構などである。
【0054】
第3ダウンリンク用ケーブルロック部32bは、第11、第12ダウンリンク用ローラ311b、312b、及び第5、第6ダウンリンク用バネ311S、312Sによる第2方向yの上方向への付勢力に対応した第3ダウンリンク用LANケーブル51bの収納動作、及び使用者が第3ダウンリンク用オス端子33b、第3ダウンリンク用LANケーブル51bの少なくとも一方を引っ張り出すことによる第3ダウンリンク用LANケーブル51bの引き出し動作を止めるロック機構(不図示)と、ロック機構によるロック状態を解除する解除機構(不図示)を有する。ロック機構は、第3ダウンリンク用LANケーブル51bを挟み込む機構などである。
【0055】
第4ダウンリンク用ケーブルロック部32bは、第16、第17ダウンリンク用ローラ311b、312b、及び第7、第8ダウンリンク用バネ311S、312Sによる第2方向yの上方向への付勢力に対応した第4ダウンリンク用LANケーブル51bの収納動作、及び使用者が第4ダウンリンク用オス端子33b、第4ダウンリンク用LANケーブル51bの少なくとも一方を引っ張り出すことによる第4ダウンリンク用LANケーブル51bの引き出し動作を止めるロック機構(不図示)と、ロック機構によるロック状態を解除する解除機構(不図示)を有する。ロック機構は、第4ダウンリンク用LANケーブル51bを挟み込む機構などである。
【0056】
第1〜第4ダウンリンク用オス端子33b〜33bは、パソコンなどの通信回線の下り方向の通信機器のメス端子と接続される。このとき、第1〜第4ダウンリンク用LANケーブル51a〜51bは、LAN接続装置1と各通信機器との距離と略同一分だけ第1ダウンリンク用ケーブル収納部31b〜31bから引き出しされる。
【0057】
第1ダウンリンク用LANケーブル51bは、LAN接続装置1から引き出し及びLAN接続装置1に収納可能なLANケーブルで、第1ダウンリンク用ローラ311bなどによる収納を効果的に行うため、薄い平型形状を有するのが望ましい。第1ダウンリンク用LANケーブル51bは、収納及び引き出し時に第1ダウンリンク用ローラ311bなどが摺動自在に回転及び第2方向yの移動が出来る程度の固さを有する。
【0058】
第2ダウンリンク用LANケーブル51bは、LAN接続装置1から引き出し及びLAN接続装置1に収納可能なLANケーブルで、第6ダウンリンク用ローラ311bなどによる収納を効果的に行うため、薄い平型形状を有するのが望ましい。第2ダウンリンク用LANケーブル51bは、収納及び引き出し時に第6ダウンリンク用ローラ311bなどが摺動自在に回転及び第2方向yの移動が出来る程度の固さを有する。
【0059】
第3ダウンリンク用LANケーブル51bは、LAN接続装置1から引き出し及びLAN接続装置1に収納可能なLANケーブルで、第11ダウンリンク用ローラ311bなどによる収納を効果的に行うため、薄い平型形状を有するのが望ましい。第3ダウンリンク用LANケーブル51bは、収納及び引き出し時に第11ダウンリンク用ローラ311bなどが摺動自在に回転及び第2方向yの移動が出来る程度の固さを有する。
【0060】
第4ダウンリンク用LANケーブル51bは、LAN接続装置1から引き出し及びLAN接続装置1に収納可能なLANケーブルで、第16ダウンリンク用ローラ311bなどによる収納を効果的に行うため、薄い平型形状を有するのが望ましい。第4ダウンリンク用LANケーブル51bは、収納及び引き出し時に第16ダウンリンク用ローラ311bなどが摺動自在に回転及び第2方向yの移動が出来る程度の固さを有する。
【0061】
第1ダウンリンク用LANケーブル51bは、第1〜第5ダウンリンク用ローラ311b〜315bに張架され、第1〜第5ダウンリンク用ローラ311b〜315bを介して折り重ねられた状態で、第1、第2ダウンリンク用ローラ311b、312bの上側と接し、第3〜第5ダウンリンク用ローラ313b〜315bの下側と接する。
【0062】
第2ダウンリンク用LANケーブル51bは、第6〜第10ダウンリンク用ローラ311b〜315bに張架され、第6〜第10ダウンリンク用ローラ311b〜315bを介して折り重ねられた状態で、第6、第7ダウンリンク用ローラ311b、312bの上側と接し、第8〜第10ダウンリンク用ローラ313b〜315bの下側と接する。
【0063】
第3ダウンリンク用LANケーブル51bは、第11〜第15ダウンリンク用ローラ311b〜315bに張架され、第11〜第15ダウンリンク用ローラ311b〜315bを介して折り重ねられた状態で、第11、第12ダウンリンク用ローラ311b、312bの上側と接し、第13〜第15ダウンリンク用ローラ313b〜315bの下側と接する。
【0064】
第4ダウンリンク用LANケーブル51bは、第16〜第20ダウンリンク用ローラ311b〜315bに張架され、第16〜第20ダウンリンク用ローラ311b〜315bを介して折り重ねられた状態で、第16、第17ダウンリンク用ローラ311b、312bの上側と接し、第18〜第20ダウンリンク用ローラ313b〜315bの下側と接する。
【0065】
第1、第2ダウンリンク用ローラ311b、312bは、第1ダウンリンク用LANケーブル51bの収納及び引き出しに対応して、第2方向yに摺動自在に移動可能で且つ、回転可能なローラである。第1ダウンリンク用ケーブル収納部31bは、第1、第2ダウンリンク用ローラ311b、312bの第2方向yへの移動に使用するガイドレール(不図示)を有する。
【0066】
第6、第7ダウンリンク用ローラ311b、312bは、第2ダウンリンク用LANケーブル51bの収納及び引き出しに対応して、第2方向yに摺動自在に移動可能で且つ、回転可能なローラである。第2ダウンリンク用ケーブル収納部31bは、第6、第7ダウンリンク用ローラ311b、312bの第2方向yへの移動に使用するガイドレール(不図示)を有する。
【0067】
第11、第12ダウンリンク用ローラ311b、312bは、第3ダウンリンク用LANケーブル51bの収納及び引き出しに対応して、第2方向yに摺動自在に移動可能で且つ、回転可能なローラである。第3ダウンリンク用ケーブル収納部31bは、第11、第12ダウンリンク用ローラ311b、312bの第2方向yへの移動に使用するガイドレール(不図示)を有する。
【0068】
第16、第17ダウンリンク用ローラ311b、312bは、第4ダウンリンク用LANケーブル51bの収納及び引き出しに対応して、第2方向yに摺動自在に移動可能で且つ、回転可能なローラである。第4ダウンリンク用ケーブル収納部31bは、第16、第17ダウンリンク用ローラ311b、312bの第2方向yへの移動に使用するガイドレール(不図示)を有する。
【0069】
第3〜第5ダウンリンク用ローラ313b〜315bは、第1ダウンリンク用LANケーブル51bの収納及び引き出しに対応して回転可能なローラである。但し、第1、第2ダウンリンク用ローラ311b、312bのように第2方向yの移動はしない。
【0070】
第8〜第10ダウンリンク用ローラ313b〜315bは、第2ダウンリンク用LANケーブル51bの収納及び引き出しに対応して回転可能なローラである。但し、第6、第7ダウンリンク用ローラ311b、312bのように第2方向yの移動はしない。
【0071】
第13〜第15ダウンリンク用ローラ313b〜315bは、第3ダウンリンク用LANケーブル51bの収納及び引き出しに対応して回転可能なローラである。但し、第11、第12ダウンリンク用ローラ311b、312bのように第2方向yの移動はしない。
【0072】
第18〜第20ダウンリンク用ローラ313b〜315bは、第4ダウンリンク用LANケーブル51bの収納及び引き出しに対応して回転可能なローラである。但し、第16、第17ダウンリンク用ローラ311b、312bのように第2方向yの移動はしない。
【0073】
第1ダウンリンク用ローラ311bは、第2方向yから見て、第3ダウンリンク用ローラ313bと第4ダウンリンク用ローラ314bとの間に配置される。第2ダウンリンク用ローラ312bは、第2方向yから見て、第4ダウンリンク用ローラ314bと第5ダウンリンク用ローラ315bとの間に配置される。
【0074】
第6ダウンリンク用ローラ311bは、第2方向yから見て、第8ダウンリンク用ローラ313bと第9ダウンリンク用ローラ314bとの間に配置される。第7ダウンリンク用ローラ312bは、第2方向yから見て、第9ダウンリンク用ローラ314bと第10ダウンリンク用ローラ315bとの間に配置される。
【0075】
第11ダウンリンク用ローラ311bは、第2方向yから見て、第13ダウンリンク用ローラ313bと第14ダウンリンク用ローラ314bとの間に配置される。第12ダウンリンク用ローラ312bは、第2方向yから見て、第14ダウンリンク用ローラ314bと第15ダウンリンク用ローラ315bとの間に配置される。
【0076】
第16ダウンリンク用ローラ311bは、第2方向yから見て、第18ダウンリンク用ローラ313bと第19ダウンリンク用ローラ314bとの間に配置される。第17ダウンリンク用ローラ312bは、第2方向yから見て、第19ダウンリンク用ローラ314bと第20ダウンリンク用ローラ315bとの間に配置される。
【0077】
第3〜第5ダウンリンク用ローラ313b〜315bは、第3ダウンリンク用ローラ313bが外側(第1ダウンリンク用ケーブルロック部32b側)で第5ダウンリンク用ローラ315bが内側(ハブ20側)になるように、第3方向zに並べて配置される。第1〜第5ダウンリンク用ローラ311b〜315bは、第1ダウンリンク用ケーブル収納部31bに収納できるケーブル長さを長くするために、小さい径に設定されるのが望ましい。
【0078】
第8〜第10ダウンリンク用ローラ313b〜315bは、第8ダウンリンク用ローラ313bが外側(第2ダウンリンク用ケーブルロック部32b側)で第10ダウンリンク用ローラ315bが内側(ハブ20側)になるように、第3方向zに並べて配置される。第6〜第10ダウンリンク用ローラ311b〜315bは、第2ダウンリンク用ケーブル収納部31bに収納できるケーブル長さを長くするために、小さい径に設定されるのが望ましい。
【0079】
第13〜第15ダウンリンク用ローラ313b〜315bは、第13ダウンリンク用ローラ313bが外側(第3ダウンリンク用ケーブルロック部32b側)で第15ダウンリンク用ローラ315bが内側(ハブ20側)になるように、第3方向zに並べて配置される。第11〜第15ダウンリンク用ローラ311b〜315bは、第3ダウンリンク用ケーブル収納部31bに収納できるケーブル長さを長くするために、小さい径に設定されるのが望ましい。
【0080】
第18〜第20ダウンリンク用ローラ313b〜315bは、第18ダウンリンク用ローラ313bが外側(第4ダウンリンク用ケーブルロック部32b側)で第20ダウンリンク用ローラ315bが内側(ハブ20側)になるように、第3方向zに並べて配置される。第16〜第20ダウンリンク用ローラ311b〜315bは、第4ダウンリンク用ケーブル収納部31bに収納できるケーブル長さを長くするために、小さい径に設定されるのが望ましい。
【0081】
第1ダウンリンク用バネ311Sは、一端が第1ダウンリンク用ローラ311bの回転しない部分(軸心など)に取り付けられ、他端がLAN接続装置1の上部に取り付けられたバネで、使用者による第1ダウンリンク用LANケーブル51bの引き出し状態に応じて伸び縮みし、第1ダウンリンク用ローラ311b(及び第1ダウンリンク用ケーブル51b)を保持する。
【0082】
第2ダウンリンク用バネ312Sは、一端が第2ダウンリンク用ローラ312bの回転しない部分(軸心など)に取り付けられ、他端がLAN接続装置1の上部に取り付けられたバネで、使用者による第1ダウンリンク用LANケーブル51bの引き出し状態に応じて伸び縮みし、張架のために第2ダウンリンク用ローラ312b(及び第1ダウンリンク用ケーブル51b)を保持する。
【0083】
第3ダウンリンク用バネ311Sは、一端が第6ダウンリンク用ローラ311bの回転しない部分(軸心など)に取り付けられ、他端がLAN接続装置1の上部に取り付けられたバネで、使用者による第2ダウンリンク用LANケーブル51bの引き出し状態に応じて伸び縮みし、張架のために第6ダウンリンク用ローラ311b(及び第2ダウンリンク用ケーブル51b)を保持する。
【0084】
第4ダウンリンク用バネ312Sは、一端が第7ダウンリンク用ローラ312bの回転しない部分(軸心など)に取り付けられ、他端がLAN接続装置1の上部に取り付けられたバネで、使用者による第2ダウンリンク用LANケーブル51bの引き出し状態に応じて伸び縮みし、張架のために第7ダウンリンク用ローラ312b(及び第2ダウンリンク用ケーブル51b)を保持する。
【0085】
第5ダウンリンク用バネ311Sは、一端が第11ダウンリンク用ローラ311bの回転しない部分(軸心など)に取り付けられ、他端がLAN接続装置1の上部に取り付けられたバネで、使用者による第3ダウンリンク用LANケーブル51bの引き出し状態に応じて伸び縮みし、張架のために第11ダウンリンク用ローラ311b(及び第3ダウンリンク用ケーブル51b)を保持する。
【0086】
第6ダウンリンク用バネ312Sは、一端が第12ダウンリンク用ローラ312bの回転しない部分(軸心など)に取り付けられ、他端がLAN接続装置1の上部に取り付けられたバネで、使用者による第3ダウンリンク用LANケーブル51bの引き出し状態に応じて伸び縮みし、張架のために第12ダウンリンク用ローラ312b(及び第3ダウンリンク用ケーブル51b)を保持する。
【0087】
第7ダウンリンク用バネ311Sは、一端が第16ダウンリンク用ローラ311bの回転しない部分(軸心など)に取り付けられ、他端がLAN接続装置1の上部に取り付けられたバネで、使用者による第4ダウンリンク用LANケーブル51bの引き出し状態に応じて伸び縮みし、張架のために第16ダウンリンク用ローラ311b(及び第4ダウンリンク用ケーブル51b)を保持する。
【0088】
第8ダウンリンク用バネ312Sは、一端が第17ダウンリンク用ローラ312bの回転しない部分(軸心など)に取り付けられ、他端がLAN接続装置1の上部に取り付けられたバネで、使用者による第4ダウンリンク用LANケーブル51bの引き出し状態に応じて伸び縮みし、張架のために第17ダウンリンク用ローラ312b(及び第4ダウンリンク用ケーブル51b)を保持する。
【0089】
第1ダウンリンク用バネ311Sの第1ダウンリンク用バネ定数kd1は、第2ダウンリンク用バネ312Sの第2ダウンリンク用バネ定数kd2よりも小さく設定される。
【0090】
第3ダウンリンク用バネ311Sの第3ダウンリンク用バネ定数kd3は、第4ダウンリンク用バネ312Sの第4ダウンリンク用バネ定数kd4よりも小さく設定される。
【0091】
第5ダウンリンク用バネ311Sの第5ダウンリンク用バネ定数kd5は、第6ダウンリンク用バネ312Sの第6ダウンリンク用バネ定数kd6よりも小さく設定される。
【0092】
第7ダウンリンク用バネ311Sの第7ダウンリンク用バネ定数kd7は、第8ダウンリンク用バネ312Sの第4ダウンリンク用バネ定数kd8よりも小さく設定される。
【0093】
第1〜第4ダウンリンク用ケーブル収納部31b〜31bは、第2方向yに移動可能なローラを2つずつ(第1、第2ダウンリンク用ローラ311b、312bなど)、及びバネを2組(第1、第2ダウンリンク用バネ311S、312Sなど)を有するが、これらの数は2に限られず、1又は3以上であってもよい。複数組のバネを有する場合には、複数組のバネは、異なるバネ定数を有し、複数組みのバネのバネ定数は、配列順に大きくなるように設定される。
【0094】
図7の状態において、第2ダウンリンク用LANケーブル51bを介して第6、第7ダウンリンク用ローラ311b、312bにかかる下向きの力は略同一であるが、第6ダウンリンク用バネ311Sの伸びは、第7ダウンリンク用バネ312Sの伸びよりも大きい。
【0095】
第6、第7アップリンク用ローラ311b、312bにかかる下向きの力は、略同一であるとして説明したが、第6〜第10アップリンク用ローラ311b〜315bのトルク、摩擦力の影響により、第6アップリンク用ローラ311bにかかる下向きの力の方が、第7アップリンク用ローラ312bにかかる下向きの力よりも大きい。
【0096】
但し、第1、第2ダウンリンク用バネ定数kd1、kd2は、同じでもよいし、第1ダウンリンク用バネ定数kd1が、第2ダウンリンク用バネ定数kd2よりも大きく設定されてもよい。第3、第4ダウンリンク用バネ定数kd3、kd4の関係、第5、第6ダウンリンク用バネ定数kd5、kd6の関係、及び第7、第8ダウンリンク用バネ定数kd7、kd8の関係も同様である。
【0097】
第1〜第4ダウンリンク用LANケーブル51b〜51bが、LAN接続装置1の第1〜第4ダウンリンク用ケーブル収納部31b〜31bに収納される形態、及び第1〜第4ダウンリンク用ケーブル収納部31b〜31bから引き出しされる形態は、第1アップリンク用LANケーブル51aが、LAN接続装置1のアップリンク用ケーブル収納部11に収納される形態、及びアップリンク用ケーブル収納部11から引き出しされる形態と同じである。
【0098】
第4ダウンリンク用LANケーブル51bが、LAN接続装置1に収納された状態(図6参照)では、第4ダウンリンク用LANケーブル51bは、自重を除いて第16、第17ダウンリンク用ローラ311b、312bに殆ど力を加えない。そのため、第16、第17ダウンリンク用バネ311S、312Sは、伸び量の少ない状態で、第16、第17ダウンリンク用ローラ311b、312bを付勢して、第4ダウンリンク用ケーブル収納部31bの上部で第16、第17ダウンリンク用ローラ311b、312bを保持する。第16、第17ダウンリンク用ローラ311b、312bによって、第4ダウンリンク用LANケーブル51bは、第4ダウンリンク用ケーブル収納部31b内に収納される。
【0099】
第4ダウンリンク用LANケーブル51bがLAN接続装置1から引き出された状態(図7参照)では、第4ダウンリンク用LANケーブル51bは、自重に加えて第16、第17ダウンリンク用ローラ311b、312bに第2方向yで且つ下向きの力を加える。そのため、第16、第17ダウンリンク用バネ311S、312Sは伸び、第16、第17ダウンリンク用ローラ311b、312bは、第4ダウンリンク用ケーブル収納部31bの下方に移動せしめられる。第4ダウンリンク用LANケーブル51bを引き出す力と第16、第17ダウンリンク用バネ311S、312Sの付勢力とが釣り合った所で第16、第17ダウンリンク用ローラ311b、312bは保持される。
【0100】
第4ダウンリンク用LANケーブル51bがLAN接続装置1から引き出された状態で、第4ダウンリンク用ケーブルロック部32bのロック機構をロック状態にすると、使用者による引き出す力を解除しても引き出された状態が保持される。
【0101】
ロック状態にせずに引き出す力を解除すると、又は解除機構によりロック状態を解除すると、第16、第17ダウンリンク用バネ311S、312Sの付勢力により、第16、第17ダウンリンク用ローラ311b、312bが第2方向yで且つ上方向に移動せしめられ、第4ダウンリンク用LANケーブル51bは、第4ダウンリンク用ケーブル収納部31b内に収納される(図6の状態)。
【0102】
本実施形態では、LAN接続装置1は、通信機器と接続するためのLANケーブルが内蔵されているため、別体のLANケーブルを用意する必要がない。また、LAN接続装置1から引き出すケーブルの長さはロック機構などによって調整できるため、通信機器との間の配線を簡素化することが出来る。
【0103】
ケーブルの収納は、ローラや付勢部材を用いて、ケーブルを折り重ねる形態であるため、ローラ間の第2方向yの長さやローラの数を調節することによりケーブル収納部を適当な形状にすることが可能になる(収納部の形状の自由度が高い)。
【0104】
本実施形態では、バネとローラによる付勢部材の形態を説明したが、バネとローラとてこによる付勢部材の形態であってもよい。例えば、アップリンク用ケーブル収納部11が、第1アップリンク用ローラ111aと第1アップリンク用バネ111Sとの間に、第1アップリンク用てこ111Lを、第2アップリンク用ローラ112aと第2アップリンク用バネ112Sとの間に、第2アップリンク用てこ112Lを有する形態が上げられる(図15、16参照)。この場合、第1、第2アップリンク用バネ111S、112Sは圧縮バネである。この形態の場合には、てこの原理を利用することにより、バネの伸び縮み量を少なくすることが可能になる。
【0105】
本実施形態では、アップリンク用のLANケーブルとダウンリンク用のLANケーブルを別々に設ける形態を説明したが、別々に設けない形態であってもよい。この場合は、ハブ20内でアップリンク用かダウンリンク用かが判別される。
【0106】
バネによるローラの保持は、本実施形態のような引っ張りによるものに限られず、圧縮によるものであってもよい。
【0107】
ケーブルを掛け渡すローラは、本実施形態のような回転可能なものに限られず、回転せずにケーブルを滑らかに移動可能な状態にするものであってもよい。
【0108】
ローラの保持は、本実施形態のようなバネによるものに限られず、形状記憶材料のような他の伸縮部材、又はローラを保持しながら移動させるモータなどの電動部材であってもよい。
【0109】
また、ハブ機能を省略してLANケーブルの収納装置としてもよい。アップリンク用ケーブル収納部11と、第1ダウンリンク用ケーブル収納部31bを、ハブ20を介さずに接続させた形態(第1アップリンク用LANケーブル51aと第1ダウンリンク用LANケーブル51bとの接続部分60は固定される)が挙げられる(図17参照)。この場合、アップリンク部分のケーブル引き出し量と、ダウンリンク部分のケーブル引き出し量は独立して調整できるため、ケーブルを収納する部分(アップリンク用ケーブル収納部11、及び第1ダウンリンク用ケーブル収納部31b)を動かすことなく、ケーブルの引き出し量を調整できる。
【0110】
本実施形態におけるケーブル収納装置は、LANケーブルの収納に限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本実施形態におけるLAN接続装置のブロック図である。
【図2】LAN接続装置内部の構成で、アップリンク部、及びハブを示す斜視図である。
【図3】LAN接続装置内部の構成で、アップリンク用ケーブル収納部の詳細を示す斜視図である。
【図4】図3の状態から、アップリンク用ケーブルを引き出しした状態を示す斜視図である。
【図5】LAN接続装置内部の構成で、ハブ、及びダウンリンク部を示す斜視図である。
【図6】LAN接続装置内部の構成で、第1〜第4ダウンリンク用ケーブル収納部の詳細を示す斜視図である。
【図7】図6の状態から、第2、第4ダウンリンク用ケーブルを引き出しした状態を示す斜視図である。
【図8】図3の状態で、アップリンク用ケーブル収納部の第1アップリンク用LANケーブルがある部分を、第1方向から見た図である。
【図9】図4の状態で、アップリンク用ケーブル収納部の第1アップリンク用LANケーブルがある部分を、第1方向から見た図である。
【図10】ケーブル収納時に、ケーブルを保持するローラが、アップリンク用ケーブル収納部の下部に位置し、ケーブル引き出し時に、ローラが、アップリンク用ケーブル収納部の上部に移動する形態における、アップリンク用ケーブル収納部の第1アップリンク用LANケーブルがある部分を、第1方向から見た図である。
【図11】図10の状態から、アップリンク用ケーブルを引き出しした状態を示す図である。
【図12】アップリンク用ケーブル収納部の上部のローラと下部のローラの両方が、第2方向yに移動可能で、且つバネにより保持される形態における、アップリンク用ケーブル収納部の第1アップリンク用LANケーブルがある部分を、第1方向から見た図である。
【図13】図12の状態から、アップリンク用ケーブルを引き出しした状態を示す図である。
【図14】第1〜第5アップリンク用ローラの位置関係を変えた形態であり、アップリンク用ケーブル収納部の第1アップリンク用LANケーブルがある部分を、第1方向から見た図である。
【図15】てこを使った形態であり、アップリンク用ケーブル収納部の第1アップリンク用LANケーブルがある部分を、第1方向から見た図である。
【図16】図15の状態から、アップリンク用ケーブルを引き出しした状態を示す図である。
【図17】アップリンク用ケーブル収納部と、第1ダウンリンク用ケーブル収納部とを直接接続させたLAN接続装置を、第1方向から見た図である。
【符号の説明】
【0112】
1 LAN接続装置
10 アップリンク部
11 アップリンク用ケーブル収納部
12 アップリンク用ケーブルロック部
13 アップリンク用オス端子
14 アップリンク用メス端子
111a〜115a 第1〜第5アップリンク用ローラ
116a 第6アップリンク用ローラ
111L、112L 第1、第2アップリンク用てこ
111S、112S 第1、第2アップリンク用バネ
114S、115S 第4、第5アップリンク用バネ
20 ハブ
30 ダウンリンク部
31b〜31b 第1〜第4ダウンリンク用ケーブル収納部
32b〜32b 第1〜第4ダウンリンク用ケーブルロック部
33b〜33b 第1〜第4ダウンリンク用オス端子
311b〜315b 第1〜第5ダウンリンク用ローラ
311b〜315b 第6〜第10ダウンリンク用ローラ
311b〜315b 第11〜第15ダウンリンク用ローラ
311b〜315b 第16〜第20ダウンリンク用ローラ
311S、312S 第1、第2ダウンリンク用バネ
311S、312S 第3、第4ダウンリンク用バネ
311S、312S 第5、第6ダウンリンク用バネ
311S、312S 第7、第8ダウンリンク用バネ
51a、51a 第1、第2アップリンク用LANケーブル
51b〜51b 第1〜第4ダウンリンク用LANケーブル
60 接続部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルと、
前記ケーブルを、付勢力に抗して引き出し可能な状態で、前記付勢力により張架して収納する付勢部材とを備えることを特徴とするケーブル収納装置。
【請求項2】
前記付勢部材は、前記ケーブルが張架されるローラと、前記張架のために前記ローラを保持する保持部材を有することを特徴とする請求項1に記載のケーブル収納装置。
【請求項3】
前記ローラは、前記ケーブルの引き出し状態に応じて移動し、
前記保持部材は、前記ローラの移動に対応して伸び縮みすることを特徴とする請求項2に記載のケーブル収納装置。
【請求項4】
前記付勢部材は、前記ケーブルの引き出し状態に応じて移動するローラを複数有し、前記複数のローラを保持する複数の保持部材を有することを特徴とする請求項3に記載のケーブル収納装置。
【請求項5】
前記複数の保持部材は、バネであり、前記複数のバネは、異なるバネ定数を有し、前記複数のバネのバネ定数は、配列順に大きくなるように設定されることを特徴とする請求項4に記載のケーブル収納装置。
【請求項6】
前記ケーブルは、前記ローラを介して折り重ねられた状態で、前記付勢部材に収納されることを特徴とする請求項2に記載のケーブル収納装置。
【請求項7】
ハブと、
前記ハブに接続されるLANケーブルを、付勢力に抗して引き出し可能な状態で前記付勢力により張架して収納する付勢部材を備えたことを特徴とするLAN接続装置。
【請求項8】
第1、第2ケーブルと、
前記第1ケーブルの一端が固定され、他端が第1付勢力に抗して引き出し可能な状態で、前記第1ケーブルを前記第1付勢力により張架して収納する第1付勢部材と、
前記第2ケーブルの一端が固定され、他端が第2付勢力に抗して引き出し可能な状態で、前記第2ケーブルを前記第2付勢力により張架して収納する第2付勢部材と、
前記第1ケーブルの一端と、前記第2ケーブルの一端とを、接続する接続部とを備えることを特徴とするケーブル収納装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−308277(P2007−308277A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−140455(P2006−140455)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(502181595)株式会社 ゼネテック (19)
【Fターム(参考)】