説明

ケーブル巻取装置

【課題】機構の簡素化及び耐久性の向上を図った上で動作の信頼性を確保する。
【解決手段】固定された状態で配置されたベース部材25と、ケーブルの一部が連結されベース部材に対してケーブルの巻取方向及びその反対方向である引出方向へ回転可能とされた巻取リール21と、巻取リールに支持され巻取リールと一体になってベース部材に対して回転されるレバー29と、巻取リールを巻取方向へ付勢する付勢部材30と、ベース部材に対向して配置され巻取リールの回転軸と同軸上に位置する支点軸を支点としてベース部材に対して回転可能とされケーブルの巻取制御を行う制御部を有する回転部材33と、回転部材の回転軌跡上に位置された制御リブ13とを設け、制御リブに対する制御部の位置に応じてケーブルの巻取制御が行われるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術はケーブル巻取装置についての技術分野に関する。詳しくは、回転部材の回転軌跡上に位置された制御リブに対する回転部材の制御部の位置に応じてケーブルの巻取制御が行われるようにして機構の簡素化及び耐久性の向上を図った上で動作の信頼性を確保する技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
筐体の内部において巻取リールが回転自在に配置され、巻取リールに対するケーブルの巻取及び引出を行うことが可能なケーブル巻取装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載されたケーブル巻取装置にあっては、筐体の内部に巻取リールが回転自在に配置され、巻取リールに設けられたカムと筐体(ロアケース)に設けられ周方向に延び放射方向に離隔した偏心する複数のカム(リブ)とを有している。
【0004】
ロアケースにはレバーが回動自在に支持され、レバーが各カムに摺動自在に係合することにより巻取モードやストップモード等の複数の各モードが設定されるように構成されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−112857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に記載されたケーブル巻取装置にあっては、周方向に延び巻取リールの回転中心に対して偏心する複数のカムが設けられており、また、設けられているカムの数が多いため、機構の簡素化に支障を来たす構成にされている。
【0007】
また、上記のようなケーブル巻取装置にあっては、ケーブルの巻取、引出、巻取停止が繰り返し行われるため、これらの動作が行われるときの動作の信頼性を確保する必要がある。
【0008】
一方、このようなケーブル巻取装置には、各動作が行われるときにベアリングとして機能する球体(鉄球)が凹溝に案内されて移動される構成にされたものもあるが、このような球体を用いるケーブル巻取装置においては、動作の繰り返しによる球体の摩耗等によって耐久性の低下を来たすおそれがある。
【0009】
そこで、本技術ケーブル巻取装置は、上記した問題点を克服し、機構の簡素化及び耐久性の向上を図った上で動作の信頼性を確保することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1に、ケーブル巻取装置は、上記した課題を解決するために、固定された状態で配置されたベース部材と、ケーブルの一部が連結され前記ベース部材に対して前記ケーブルの巻取方向及びその反対方向である引出方向へ回転可能とされた巻取リールと、前記巻取リールに支持され前記巻取リールと一体になって前記ベース部材に対して回転されるレバーと、前記巻取リールを前記巻取方向へ付勢する付勢部材と、前記ベース部材に対向して配置され前記巻取リールの回転軸と同軸上に位置する支点軸を支点として前記ベース部材に対して回転可能とされ前記ケーブルの巻取制御を行う制御部を有する回転部材と、前記回転部材の回転軌跡上に位置された制御リブとを備え、前記制御リブに対する前記制御部の位置に応じて前記ケーブルの巻取制御が行われるようにしたものである。
【0011】
従って、ケーブル巻取装置にあっては、巻取リールの回転軸と同軸上に位置する支点軸を支点として回転部材が回転されて制御リブに対して制御部の位置が変化されることによりケーブルの巻取制御が行われる。
【0012】
第2に、上記したケーブル巻取装置においては、前記制御リブを挟んだ周方向における反対側の領域がそれぞれ第1の領域と第2の領域として形成され、前記ケーブルが引き出されて前記巻取リールが前記引出方向へ回転されたときに前記回転部材が回転されて前記制御部が前記第1の領域から前記第2の領域に移動され、前記制御部が前記第1の領域から前記第2の領域に移動された状態において前記回転部材が前記付勢部材の付勢力によって前記巻取方向へ回転されたときに前記制御部が前記第2の領域から前記第1の領域に移動されるようにすることが望ましい。
【0013】
巻取リールが引出方向へ回転されたときに制御部が第1の領域から第2の領域に移動され、回転部材が巻取方向へ回転されたときに制御部が第2の領域から第1の領域に移動されるようにすることにより、ケーブルに対する動作に応じて制御部の位置が変化される。
【0014】
第3に、上記したケーブル巻取装置においては、前記ベース部材に回転規制部が設けられ、前記レバーに被ストップ部が設けられ、前記回転部材が前記巻取方向へ回転されて前記制御部が前記第2の領域から前記第1の領域に移動されたときに前記被ストップ部が前記回転規制部に係合されて前記巻取リールの巻取方向への回転が規制されるようにすることが望ましい。
【0015】
回転部材が巻取方向へ回転されて制御部が第2の領域から第1の領域に移動されたときに被ストップ部が回転規制部に係合されて巻取リールの巻取方向への回転が規制されるようにすることにより、制御部の移動により巻取リールの回転が規制される。
【0016】
第4に、上記したケーブル巻取装置においては、前記制御部が前記第1の領域に位置されている状態において前記巻取リールが前記付勢部材の付勢力によって前記巻取方向へ回転されて前記ケーブルが巻き取られるようにすることが望ましい。
【0017】
制御部が第1の領域に位置されている状態において巻取リールが付勢部材の付勢力によって巻取方向へ回転されてケーブルが巻き取られるようにすることにより、制御部の位置に応じてケーブルの巻取が行われる。
【0018】
第5に、上記したケーブル巻取装置においては、前記回転部材に被規制部が設けられ、前記第1の領域と前記第2の領域の間に前記被規制部に係合可能とされ前記被規制部が係合されたときに前記回転部材の回転を規制する規制リブが設けられ、前記ケーブルの巻取時に前記回転部材が回転されたときに前記被規制部が前記規制リブに係合されて前記制御部が前記第1の領域に保持されるようにすることが望ましい。
【0019】
ケーブルの巻取時に回転部材が回転されたときに被規制部が規制リブに係合されて制御部が第1の領域に保持されるようにすることにより、被規制部が規制リブに接して回転部材の回転が規制される。
【0020】
第6に、上記したケーブル巻取装置においては、前記規制リブが前記回転部材の半径方向に延びる形状に形成され、前記規制リブが前記回転部材の最内周から最外周までの範囲に位置されることが望ましい。
【0021】
規制リブが回転部材の半径方向に延びる形状に形成され、規制リブが回転部材の最内周から最外周までの範囲に位置されることにより、回転部材の回転時に被規制部が規制リブに係合される。
【0022】
第7に、上記したケーブル巻取装置においては、前記制御リブと前記規制リブが前記回転軸を挟んで反対側に位置されることが望ましい。
【0023】
制御リブと規制リブが回転軸を挟んで反対側に位置されることにより、第1の領域と第2の領域の大きさが同じにされる。
【0024】
第8に、上記したケーブル巻取装置においては、前記レバーに摺動部が設けられ、前記回転部材の外周面が前記レバーの摺動部に摺動自在に係合される作用面として形成され、前記作用面に前記支点軸からの半径方向における距離が前記回転部材における最外周より小さい係合部が設けられ、前記レバーの摺動部が前記係合部に係合されて前記被ストップ部が前記回転規制部に係合されるようにすることが望ましい。
【0025】
作用面に支点軸からの半径方向における距離が回転部材における最外周より小さい係合部が設けられ、レバーの摺動部が係合部に係合されて被ストップ部が回転規制部に係合されるようにすることにより、摺動部が係合部に係合されたときにレバーの回転が規制される。
【0026】
第9に、上記したケーブル巻取装置においては、前記レバーが前記巻取リールに回動自在に支持され、前記摺動部が前記作用面に押し付けられる方向へ前記レバーを付勢する付勢バネを設けることが望ましい。
【0027】
レバーが巻取リールに回動自在に支持され、摺動部が作用面に押し付けられる方向へレバーを付勢する付勢バネを設けることにより、回転部材の回転時に摺動部が作用面に摺動される。
【0028】
第10に、上記したケーブル巻取装置においては、前記回転部材に前記制御部を有し前記制御リブに離接する方向へ弾性変形可能とされた変位部が設けられ、前記回転部材が回転されたときに前記変位部が弾性変形されることにより前記制御部が前記制御リブに摺動されて前記制御リブを挟んだ両側において移動されるようにすることが望ましい。
【0029】
回転部材が回転されたときに変位部が弾性変形されることにより制御部が制御リブに摺動されて制御リブを挟んだ両側において移動されるようにすることにより、変位部が弾性変形されて第1の領域と第2の領域の間での制御部の移動が行われる。
【0030】
第11に、上記したケーブル巻取装置においては、前記回転部材に前記制御部を有し前記制御リブに離接する方向へ弾性変形可能とされた変位部が設けられ、前記回転部材が回転されたときに前記変位部が弾性変形されることにより前記制御部が前記制御リブに摺動されて前記制御リブを挟んだ両側において移動され、前記ベース部材と前記回転部材の間に前記レバーの一部が配置され、前記制御部が前記第1の領域に位置され前記レバーが前記ベース部材と前記回転部材の変位部との間に位置されているときに、前記レバーによって前記変位部の弾性変形が規制されて前記制御部が前記第1の領域に保持されるようにすることが望ましい。
【0031】
制御部が第1の領域に位置されレバーがベース部材と回転部材の変位部との間に位置されているときに、レバーによって変位部の弾性変形が規制されて制御部が第1の領域に保持されるようにすることにより、変位部の弾性変形を規制する専用の部材が不要になる。
【0032】
第12に、上記したケーブル巻取装置においては、前記回転部材に、前記摺動部に係合され前記回転部材と前記レバーの一体での前記引出方向への回転を許容する引出側回転許容部が設けられ、前記ベース部材に前記摺動部の前記引出側回転許容部との係合を解除又は回避して前記レバーの前記回転部材に対する前記引出方向への回転を許容する引出用カム部が設けられることが望ましい。
【0033】
ベース部材に摺動部の引出側回転許容部との係合を解除又は回避してレバーの回転部材に対する引出方向への回転を許容する引出用カム部が設けられることにより、引出用カム部によって摺動部の引出側回転許容部との係合が解除又は回避される。
【0034】
第13に、上記したケーブル巻取装置においては、前記回転部材に、前記摺動部に係合され前記回転部材と前記レバーの一体での前記巻取方向への回転を許容する巻取側回転許容部が設けられ、前記ベース部材に前記摺動部の前記巻取側回転許容部との係合を解除又は回避して前記レバーの前記回転部材に対する前記巻取方向への回転を許容する巻取用カム部が設けられることが望ましい。
【0035】
ベース部材に摺動部の巻取側回転許容部との係合を解除又は回避してレバーの回転部材に対する巻取方向への回転を許容する巻取用カム部が設けられることにより、巻取用カム部によって摺動部の巻取側回転許容部との係合が解除又は回避される。
【0036】
第14に、上記したケーブル巻取装置においては、前記ケーブルの少なくとも一部を覆うカバーケースが設けられ、前記カバーケースに前記制御リブが一体に形成されることが望ましい。
【0037】
ケーブルの少なくとも一部を覆うカバーケースが設けられ、カバーケースに制御リブが一体に形成されることにより、カバーケースに一体に形成された制御リブによって制御部の位置が制御される。
【0038】
第15に、上記したケーブル巻取装置においては、前記ケーブルの少なくとも一部を覆うカバーケースが設けられ、前記カバーケースに前記規制リブが一体に形成されることが望ましい。
【0039】
ケーブルの少なくとも一部を覆うカバーケースが設けられ、カバーケースに規制リブが一体に形成されることにより、カバーケースに一体に形成された規制リブによって回転部材の回転が規制される。
【0040】
第16に、上記したケーブル巻取装置においては、前記制御リブと前記規制リブが前記カバーケースを補強する補強リブとして設けられることが望ましい。
【0041】
制御リブと規制リブがカバーケースを補強する補強リブとして設けられることにより、カバーケースが規制リブ及び制御リブによって補強される。
【0042】
第17に、上記したケーブル巻取装置においては、前記巻取リールに同軸上に位置する第1の巻取筒部と第2の巻取筒部が設けられ、前記第1の巻取筒部と前記第2の巻取筒部に前記ケーブルの異なる部分がそれぞれ巻付可能とされることが望ましい。
【0043】
巻取リールに同軸上に位置する第1の巻取筒部と第2の巻取筒部が設けられ、第1の巻取筒部と第2の巻取筒部にケーブルの異なる部分がそれぞれ巻付可能とされることにより、ケーブルの巻取径が小さくなる。
【0044】
第18に、上記したケーブル巻取装置においては、前記ケーブルの異なる部分が同時に巻取可能及び引出可能とされることが望ましい。
【0045】
ケーブルの異なる部分が同時に巻取可能及び引出可能とされることにより、ケーブルの異なる部分の巻取又は引出が同時に行われる。
【発明の効果】
【0046】
本技術ケーブル巻取装置は、固定された状態で配置されたベース部材と、ケーブルの一部が連結され前記ベース部材に対して前記ケーブルの巻取方向及びその反対方向である引出方向へ回転可能とされた巻取リールと、前記巻取リールに支持され前記巻取リールと一体になって前記ベース部材に対して回転されるレバーと、前記巻取リールを前記巻取方向へ付勢する付勢部材と、前記ベース部材に対向して配置され前記巻取リールの回転軸と同軸上に位置する支点軸を支点として前記ベース部材に対して回転可能とされ前記ケーブルの巻取制御を行う制御部を有する回転部材と、前記回転部材の回転軌跡上に位置された制御リブとを備え、前記制御リブに対する前記制御部の位置に応じて前記ケーブルの巻取制御が行われるようにしている。
【0047】
従って、ベアリングとして機能する球体を用いず制御部の位置を制御することによりケーブルの巻取制御が行われるため、機構の簡素化及び耐久性の向上を図った上で動作の信頼性を確保することができる。
【0048】
請求項2に記載した技術にあっては、前記制御リブを挟んだ周方向における反対側の領域がそれぞれ第1の領域と第2の領域として形成され、前記ケーブルが引き出されて前記巻取リールが前記引出方向へ回転されたときに前記回転部材が回転されて前記制御部が前記第1の領域から前記第2の領域に移動され、前記制御部が前記第1の領域から前記第2の領域に移動された状態において前記回転部材が前記付勢部材の付勢力によって前記巻取方向へ回転されたときに前記制御部が前記第2の領域から前記第1の領域に移動されるようにしている。
【0049】
従って、ケーブルに対する動作に応じて制御部の位置が確実に変化され、ケーブルに対する動作時における信頼性の向上を図ることができる。
【0050】
請求項3に記載した技術にあっては、前記ベース部材に回転規制部が設けられ、前記レバーに被ストップ部が設けられ、前記回転部材が前記巻取方向へ回転されて前記制御部が前記第2の領域から前記第1の領域に移動されたときに前記被ストップ部が前記回転規制部に係合されて前記巻取リールの巻取方向への回転が規制されるようにしている。
【0051】
従って、回転部材の制御部の移動により巻取リールの回転が確実に規制されるため、ケーブルの引出が終了されたときの動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0052】
請求項4に記載した技術にあっては、前記制御部が前記第1の領域に位置されている状態において前記巻取リールが前記付勢部材の付勢力によって前記巻取方向へ回転されて前記ケーブルが巻き取られるようにしている。
【0053】
従って、回転部材の制御部の位置に応じてケーブルの巻取が確実に行われ、ケーブルの巻取時における動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0054】
請求項5に記載した技術にあっては、前記回転部材に被規制部が設けられ、前記第1の領域と前記第2の領域の間に前記被規制部に係合可能とされ前記被規制部が係合されたときに前記回転部材の回転を規制する規制リブが設けられ、前記ケーブルの巻取時に前記回転部材が回転されたときに前記被規制部が前記規制リブに係合されて前記制御部が前記第1の領域に保持されるようにしている。
【0055】
従って、回転部材の制御部が第1の領域から第2の領域に移動されず第1の領域に保持されるため、ケーブルの巻取を確実に行うことができる。
【0056】
請求項6に記載した技術にあっては、前記規制リブが前記回転部材の半径方向に延びる形状に形成され、前記規制リブが前記回転部材の最内周から最外周までの範囲に位置されている。
【0057】
従って、被規制部が確実に規制リブに係合され、ケーブルの巻取動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0058】
請求項7に記載した技術にあっては、前記制御リブと前記規制リブが前記回転軸を挟んで反対側に位置されている。
【0059】
従って、各動作の設定が容易であり、ケーブルに対する動作制御を確実かつ容易に行うことができる。
【0060】
請求項8に記載した技術にあっては、前記レバーに摺動部が設けられ、前記回転部材の外周面が前記レバーの摺動部に摺動自在に係合される作用面として形成され、前記作用面に前記支点軸からの半径方向における距離が前記回転部材における最外周より小さい係合部が設けられ、前記レバーの摺動部が前記係合部に係合されて前記被ストップ部が前記回転規制部に係合されるようにしている。
【0061】
従って、レバーの被ストップ部がベース部材の回転規制部と確実に係合され、ケーブルの引出が終了したときの動作の設定を簡単かつ確実に行うことができる。
【0062】
請求項9に記載した技術にあっては、前記レバーが前記巻取リールに回動自在に支持され、前記摺動部が前記作用面に押し付けられる方向へ前記レバーを付勢する付勢バネを設けている。
【0063】
従って、レバーの摺動部が確実に作用面に摺動され、各動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0064】
請求項10に記載した技術にあっては、前記回転部材に前記制御部を有し前記制御リブに離接する方向へ弾性変形可能とされた変位部が設けられ、前記回転部材が回転されたときに前記変位部が弾性変形されることにより前記制御部が前記制御リブに摺動されて前記制御リブを挟んだ両側において移動されるようにしている。
【0065】
従って、回転部材の制御部の移動が変位部の弾性変形という簡単な動作により行われ、機構の簡素化を図った上で動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0066】
請求項11に記載した技術にあっては、前記回転部材に前記制御部を有し前記制御リブに離接する方向へ弾性変形可能とされた変位部が設けられ、前記回転部材が回転されたときに前記変位部が弾性変形されることにより前記制御部が前記制御リブに摺動されて前記制御リブを挟んだ両側において移動され、前記ベース部材と前記回転部材の間に前記レバーの一部が配置され、前記制御部が前記第1の領域に位置され前記レバーが前記ベース部材と前記回転部材の変位部との間に位置されているときに、前記レバーによって前記変位部の弾性変形が規制されて前記制御部が前記第1の領域に保持されるようにしている。
【0067】
従って、回転部材の変位部の弾性変形を規制する専用の部材を必要とせず、部品点数の削減を図った上で簡素な機構によりケーブルに対する各動作を行うことができる。
【0068】
請求項12に記載した技術にあっては、前記回転部材に、前記摺動部に係合され前記回転部材と前記レバーの一体での前記引出方向への回転を許容する引出側回転許容部が設けられ、前記ベース部材に前記摺動部の前記引出側回転許容部との係合を解除又は回避して前記レバーの前記回転部材に対する前記引出方向への回転を許容する引出用カム部が設けられている。
【0069】
従って、ケーブルの引出動作を簡素な構造により確実に行うことができる。
【0070】
請求項13に記載した技術にあっては、前記回転部材に、前記摺動部に係合され前記回転部材と前記レバーの一体での前記巻取方向への回転を許容する巻取側回転許容部が設けられ、前記ベース部材に前記摺動部の前記巻取側回転許容部との係合を解除又は回避して前記レバーの前記回転部材に対する前記巻取方向への回転を許容する巻取用カム部が設けられている。
【0071】
従って、ケーブルの巻取動作を簡素な構造により確実に行うことができる。
【0072】
請求項14に記載した技術にあっては、前記ケーブルの少なくとも一部を覆うカバーケースが設けられ、前記カバーケースに前記制御リブが一体に形成されている。
【0073】
従って、部品点数が削減され、ケーブル巻取装置の製造コストの低減を図ることができる。
【0074】
請求項15に記載した技術にあっては、前記ケーブルの少なくとも一部を覆うカバーケースが設けられ、前記カバーケースに前記規制リブが一体に形成されている。
【0075】
従って、部品点数が削減され、ケーブル巻取装置の製造コストの低減を図ることができる。
【0076】
請求項16に記載した技術にあっては、前記制御リブと前記規制リブが前記カバーケースを補強する補強リブとして設けられている。
【0077】
従って、カバーケースが規制リブ及び制御リブによっても補強され、天面部の剛性を高めることができる。
【0078】
請求項17に記載した技術にあっては、前記巻取リールに同軸上に位置する第1の巻取筒部と第2の巻取筒部が設けられ、前記第1の巻取筒部と前記第2の巻取筒部に前記ケーブルの異なる部分がそれぞれ巻付可能とされている。
【0079】
従って、ケーブルの巻取径が小さくなりケーブル巻取装置の半径方向における小型化を図ることができる。
【0080】
請求項18に記載した技術にあっては、前記ケーブルの異なる部分が同時に巻取可能及び引出可能とされている。
【0081】
従って、ケーブルの巻取及び引出を迅速に行うことができ、ケーブル巻取装置の使い勝手の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0082】
以下に、本技術ケーブル巻取装置を実施するための最良の形態を添付図面に従って説明する。
【0083】
以下に示した最良の形態は、本技術ケーブル巻取装置を、二つの電子機器の間で接続されてデーターの通信等を行うケーブルを取り扱うケーブル巻取装置に適用したものである。
【0084】
但し、本技術の適用範囲は二つの電子機器の間で接続されてデーターの通信等を行うケーブルを取り扱うケーブル巻取装置に限られることはない。本技術ケーブル巻取装置は、電力の供給を行うための電源ケーブル、画像や音声を伝送するための伝送ケーブル等の各種のケーブルを取り扱う各種のケーブル巻取装置に広く適用することができる。
【0085】
尚、以下に示すケーブル巻取装置において、ケーブルの巻取及び引出が行われるときの巻取リールの回転軸の軸方向を上下方向として方向を示すものとする。
【0086】
但し、以下に示す方向は説明の便宜上のものであり、本技術の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0087】
[ケーブル巻取装置の構成]
先ず、ケーブル巻取装置の構成について説明する(図1乃至図9参照)。
【0088】
ケーブル巻取装置1は筐体2を有し、筐体2はケース体3とケース体3に回動自在(開閉自在)に支持された蓋体4とを有している(図1及び図2参照)。
【0089】
ケース体3はカバーケース5とボトムケース6が上下で結合されて成る。
【0090】
カバーケース5は各部が一体に形成されて成り、天面部7と天面部7の外周縁の一部を除いた部分から下方へ突出された周面部8とを有している(図2及び図3参照)。
【0091】
天面部7の外周縁は、周面部8に連続する部分が外方へ凸の曲線状に形成され、周面部8に連続しない部分が直線状に形成されている。
【0092】
周面部8の周方向における一端部には支持部8aが設けられている。周面部8には周方向における他端部に引出用切欠8bが形成されている。
【0093】
天面部7の下面には下方へ突出されたリブ体9が一体に設けられている。リブ体9は円筒状に形成された中央突部10と中央突部10の外周面からそれぞれ放射方向へ突出された規制リブ11、第1の補強リブ12、制御リブ13及び第2の補強リブ14とを有している。規制リブ11、第1の補強リブ12、制御リブ13及び第2の補強リブ14は順に周方向において等間隔に離隔して位置されている。
【0094】
規制リブ11は中央突部10からの突出方向における長さが第1の補強リブ12、制御リブ13及び第2の補強リブ14の中央突部10からの突出方向における長さより長くされている。
【0095】
第1の補強リブ12には下方及び中央突部10からの突出方向に開口された通過用切欠12aが形成されている。
【0096】
規制リブ11及び制御リブ13は第1の補強リブ12及び第2の補強リブ14とともにカバーケース5の天面部7の剛性を高める補強用のリブとしても設けられている。
【0097】
従って、カバーケース5の天面部7が第1の補強リブ12及び第2の補強リブ14の他に規制リブ11及び制御リブ13によっても補強され、天面部7の剛性を高めることができる。
【0098】
また、カバーケース5に規制リブ11が一体に形成されているため、部品点数が削減され、ケーブル巻取装置1の製造コストの低減を図ることができる。
【0099】
さらに、カバーケース5に制御リブ13が一体に形成されているため、部品点数が一層削減され、ケーブル巻取装置1の一層の製造コストの低減を図ることができる。
【0100】
ボトムケース6は、図2に示すように、カバーケース5の天面部7と同じ形状に形成されたベース面部15とベース面部15の外周部における一部を除いた部分に設けられた結合突部16とベース面部15の略中央部から上方へ突出された支持軸部17とから成る。
【0101】
結合突部16は上方に小さく突出され、結合突部16の周方向における一端部には支持部16aが設けられている。
【0102】
支持軸部17の下側の略半部は外周面の断面形状が略円形状の回転支持部17aとして設けられ、支持軸部17の上側の略半部は外周面の断面形状が、例えば、略六角形状の固定支持部17bとして設けられている。
【0103】
ボトムケース6は結合突部16が周面部8の下端部に突き合わされてカバーケース5に結合される。カバーケース5とボトムケース6が結合されてケース体3が構成された状態において、ケース体3に内外を連通する引出口3aが形成される。
【0104】
蓋体4は曲面状の周壁部18と周壁部18の上下両縁から水平方向における同じ方向へ突出された側壁部19、19とから成る(図1及び図2参照)。周壁部18の一端部には引出用切欠18aが形成されている。
【0105】
蓋体4はヒンジ部材20を介してケース体3に回動自在に支持されている。ヒンジ部材20は一端部がケース体3の支持部8a、16aに回動自在に支持され他端部が蓋体4の他端部に回動自在に支持され、ケース体3と蓋体4を連結している。
【0106】
蓋体4はケース体3に対してヒンジ部材20を介して回動されることにより、ケース体3の引出口3aを開閉する。蓋体4によって引出口3aが閉塞された状態においては、ケース体3の引出用切欠8bと蓋体4の引出用切欠18aとによって筐体2に挿通口2aが形成される。
【0107】
ケーブル巻取装置1にあっては、蓋体4によって引出口3aが開放された状態において引出口3aを介して後述するケーブルの巻取及び引出が可能とされ、また、蓋体4によって引出口3aが閉塞され挿通口2aが形成された状態において挿通口2aを介してケーブルの巻取及び引出が可能とされている。
【0108】
ケース体3の内部には巻取リール21が配置され、巻取リール21はボトムケース6における支持軸部17の回転支持部17aに回転自在に支持される。従って、支持軸部17の中心軸が巻取リール21の回転軸21aとされる。
【0109】
巻取リール21は、図2及び図4に示すように、上下方向を向く略円板状のリールベース22とリールベース22の半径方向における略中央部から上方へ突出された第1の巻取筒部23とリールベース22の半径方向における略中央部から下方へ突出された第2の巻取筒部24とを有している。
【0110】
リールベース22の中心部には軸挿通孔22aが形成されている。
【0111】
第1の巻取筒部23は略円筒状に形成され、上下に延びる連通スリット23aを有している。第1の巻取筒部23の内部の空間は機構配置部23bとして形成されている。
【0112】
機構配置部23bにはそれぞれリールベース22から上方へ突出された固定用軸22b、固定用突壁22c、レバー支持軸22d及びネジ止めボス22eが設けられている。リールベース22には機構配置部23bにおける第1の巻取筒部23の直ぐ内側に第2の巻取筒部24の内部に連通する円弧状の連通孔22fが形成されている。固定用軸22bは略円柱状に形成され、固定用突壁22cは周方向に延びる略円弧状に形成され、レバー支持軸22dは略円柱状に形成されている。
【0113】
第2の巻取筒部24は略円筒状に形成され、上下に延びリールベース22に形成された連通孔22fに連通された連通スリット24aを有している。
【0114】
第2の巻取筒部24の内部には図示しない付勢部材が配置されている。付勢部材は、例えば、渦巻きバネであり、付勢部材によって巻取リール21がケーブル100の巻取方向、例えば、平面で見て時計回り方向へ付勢される。
【0115】
巻取リール21にはケーブル100が巻き付けられる(図5参照)。ケーブル100としては、例えば、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)ケーブルが用いられており、HDMIケーブルは、一般に、ヘッドホーン用のケーブル等に比し厚みが厚く重量が大きくされている。ケーブル100は、例えば、両端部にそれぞれ接続コネクター101、101が設けられている。ケーブル100は、中間部100aが固定用軸22bに巻き付けられた状態で固定用突壁22cと第1の巻取筒部23の間に圧入されて固定されている。ケーブル100は中間部100aを基準として一方の側の部分が連通スリット23aを挿通されて第1の巻取筒部23に巻付可能とされ、中間部100aを基準として他方の側の部分が連通孔22f及び連通スリット24aを挿通されて第2の巻取筒部24に巻付可能とされている。
【0116】
このようにケーブル巻取装置1にあっては、巻取リール21に同軸上に位置する第1の巻取筒部23と第2の巻取筒部24にケーブル100の異なる部分がそれぞれ巻き付けられるため、ケーブル100の巻取径が小さくなりケーブル巻取装置1の半径方向における小型化を図ることができる。
【0117】
巻取リール21の軸挿通孔22aには下方からボトムケース6の支持軸部17が挿通される。巻取リール21の軸挿通孔22aに支持軸部17が挿通された状態において、固定支持部17bにベース部材25が周方向において固定された状態で取り付けられる(図2参照)。
【0118】
ベース部材25は円板状の基部26と基部26の半径方向における略中央部から上方へ突出された筒状部27と筒状部27の下端部に外方へ張り出されて設けられた摺動カム部28とから成る(図2及び図6参照)。
【0119】
筒状部27の内側の孔は六角形状の嵌合孔27aとして形成されている。
【0120】
摺動カム部28の外周面は、円弧状の非作用部28aと、非作用部28aの一端に連続し外方へ凸の曲面状に形成された巻取用カム部28bと、巻取用カム部28bの一端に連続し巻取用カム部28bから離隔するに従って外方へ変位するように傾斜された引出用カム部28cと、引出用カム部28cの一端と非作用部28aの他端とを結ぶ回転規制部28dとから成る。
【0121】
ベース部材25は固定支持部17bに嵌合孔27aが嵌合されることにより支持軸部17に固定される。
【0122】
巻取リール21のリールベース22に設けられたレバー支持軸22dには一方向に長く形成されたレバー29が回動自在に支持される(図2参照)。レバー29には長手方向における一端部に側方へ突出された被ストップ部29aと上方へ突出された摺動部29bとが設けられ、長手方向における他端部に上下に貫通された回転支持孔29cが形成されている。
【0123】
レバー29は回転支持孔29cにレバー支持軸22dが挿入されることにより、レバー支持軸22dを支点として回動可能とされる。レバー29がレバー支持軸22dに支持された状態においては、レバー29の一部がベース部材25の上側に位置される。
【0124】
レバー29は付勢バネ30によって長手方向における一端部が支持軸部17に近付く方向へ付勢される。付勢バネ30は、例えば、捩じりコイルバネでありレバー支持軸22dに支持されている。
【0125】
巻取リール21のリールベース22に設けられたネジ止めボス22eには押さえ部材31の一端部が取付ネジ32によって取り付けられ、押さえ部材31の他端部がレバー29の上方からレバー支持軸22dに組み付けられて押さえ部材31によってレバー支持軸22dからのレバー29の脱落が防止される。
【0126】
ベース部材25の筒状部27には回転部材33が回転自在に支持される(図2参照)。従って、回転部材33の回転支点である支点軸33aは巻取リール21の回転軸21aと同軸とされる。
【0127】
回転部材33は略円環状に形成され、環状部34と環状部34に対して弾性変形可能な変位部35とを有している(図7参照)。
【0128】
環状部34は筒状部27が挿入される被支持孔34aを有し、環状部34にはそれぞれ外方(半径方向)へ突出された第1の突部36と第2の突部37が周方向に離隔して設けられている。
【0129】
第1の突部36は第2の突部37より周方向に長く形成され、周方向における一端面が巻取側回転許容部36aとして形成され、周方向における他端面が引出側回転許容部36bとして形成されている。
【0130】
第2の突部37の周方向における一端面は第1の係合面37aとして形成されている。第2の突部37の外側の端部には上方へ突出された被規制部37bが設けられている。
【0131】
環状部34には他の部分より半径方向における幅が細くされた細幅部34bが第2の突部37の近傍に設けられ、細幅部34bは回転部材33における内周側に位置されている。
【0132】
変位部35は周方向に延びる状態で細幅部34bの外側に位置され、ヒンジ部39を介して環状部34に連続されている。変位部35の先端部には外方(半径方向)へ突出された第3の突部40が設けられている。第3の突部40の周方向における一端面は第2の係合面40aとして形成されている。
【0133】
変位部35の先端部には上方へ突出された制御部35aが設けられ、制御部35aは周方向において二つの傾斜面を有する山型に形成されている。
【0134】
回転部材33の外周面はレバー29の摺動部29bが摺動される作用面38として形成されている。作用面38の巻取側回転許容部36aの内端に連続する端部は第1の係合部38aとして形成され、作用面38の第2の係合面40aの内端に連続する端部は第2の係合部38bとして形成されている。第1の係合部38aは第2の係合部38bより回転部材33の半径方向において内側に位置されている。
【0135】
回転部材33がベース部材25の筒状部27に回転自在に支持された状態においては、レバー29の一部がベース部材25と回転部材33の間に位置され(図8及び図9参照)、レバー29は付勢バネ30の付勢力によって摺動部29bが回転部材33の作用面38に押し付けられる。
【0136】
カバーケース5に設けられた規制リブ11、第1の補強リブ12、制御リブ13及び第2の補強リブ14は下面が回転部材33の上面に近接して位置され、回転部材33の回転軌跡上に位置される。規制リブ11、第1の補強リブ12、制御リブ13及び第2の補強リブ14が回転部材33に近接して位置された状態において、回転部材33の回転軌跡における規制リブ11と制御リブ13を結ぶ線を挟んだ反対側の領域がそれぞれ第1の領域Aと第2の領域Bとされる(図8参照)。第1の領域Aは第1の補強リブ12が位置する側の領域であり、第2の領域Bは第2の補強リブ14が位置する側の領域である。
【0137】
[ケーブル巻取装置の動作]
次に、ケーブル巻取装置1のケーブル100に対する各動作(動作モード)について説明する(図10乃至図27参照)。尚、以下に示す各動作については、ケーブル100の巻取方向を平面で見て時計回り方向であるR1方向として示し、ケーブル100の引出方向を平面で見て反時計回り方向であるR2方向として示す。
【0138】
以下に示す各動作モードは回転部材33の変位部35に設けられた制御部35aの位置に応じて設定が行われる。動作モードとしては、ストップモード、引出モード及び巻取モードが設定され、ストップモードにおいては制御部35aが第2の領域Bから第1の領域Aに移動され、引出モードにおいては制御部35aが第1の領域Aから第2の領域Bに移動され、巻取モードにおいては制御部35aが第1の領域Aに位置される。
【0139】
ケーブル巻取装置1にあっては、規制リブ11と制御リブ13が巻取リール21の回転軸21aを挟んで180°反対側に位置されており、第1の領域Aと第2の領域Bの大きさが同じにされている。
【0140】
従って、各動作モードの設定が容易であり、ケーブル100に対する動作制御を確実かつ容易に行うことができる。
【0141】
但し、規制リブ11と制御リブ13の位置を上記した位置からシフトさせて第1の領域Aと第2の領域Bの大きさを異なるように形成することも可能である。
【0142】
<ストップモード>
先ず、ストップモードについて説明する(図10参照)。ストップモードはケーブル100の巻取が規制されているモードである。
【0143】
ストップモードにおいては、回転部材33の変位部35に設けられた制御部35aが第1の領域Aにおける第1の補強リブ12と制御リブ13の間に位置されている。
【0144】
巻取リール21はレバー29とともに付勢部材(渦巻きバネ)によってR1方向へ付勢されており、レバー29は付勢バネ30によって摺動部29bが回転部材33の作用面38に押し付けられる方向(内方)へ付勢されている。レバー29は摺動部29bが回転部材33における第1の突部36の巻取側回転許容部36a及び作用面38の第1の係合部38aに係合され、被ストップ部29aがベース部材25の回転規制部28dに係合されている。
【0145】
従って、巻取リール21とレバー29のR1方向への回転が規制され、ケーブル100の巻取が規制されている。
【0146】
<引出モード>
次に、引出モードについて説明する(図11乃至図18参照)。引出モードはケーブル100が筐体2の内部から引き出されているモードである。
【0147】
引出モードにおいては、ケーブル100が引き出されるに従って巻取リール21とレバー29がR2方向へ回転されていく(図11参照)。このときケーブル100は中間部100aを挟んだ反対側の二つの部分が同時に引出可能であるため、ケーブル100の引出を迅速に行うことができ、ケーブル巻取装置1の使い勝手の向上を図ることができる。
【0148】
巻取リール21とレバー29がR2方向へ回転されると、摺動部29bが第2の突部37の第1の係合面37aに係合される。
【0149】
さらにケーブル100が引き出されると、摺動部29bが第1の係合面37aに係合されているため、レバー29の回転に伴って回転部材33がR2方向へ回転されていく(図12参照)。このときレバー29は一部が回転部材33の変位部35の下側に位置されているため、変位部35は弾性変形不能な状態とされている。回転部材33は制御部35aが制御リブ13に接してR2方向への回転が規制される。
【0150】
ケーブル100はさらに引き出され巻取リール21とレバー29がR2方向へさらに回転されていく(図13参照)。レバー29は摺動部29bが第2の突部37から第3の突部40に乗り上げる。
【0151】
さらにケーブル100が引き出されると、巻取リール21とレバー29がさらにR2方向へ回転されていき、レバー29は摺動部29bが第1の突部36の引出側回転許容部36bに係合される(図14参照)。
【0152】
引き続きケーブル100が引き出されていくと、レバー29の被ストップ部29aがベース部材25の摺動カム部28に形成された引出用カム部28cに摺動され、レバー29が付勢バネ30の付勢力に反して外方へ回動されていく(図15参照)。このときレバー29が変位部35の下方に位置されていないため、レバー29の回転に伴って回転部材33がR2方向へ回転され、変位部35が弾性変形されて制御部35aが制御リブ13の下縁に摺動されて第2の領域Bに位置される。
【0153】
ケーブル100がさらに引き出されていくと被ストップ部29aの引出用カム部28cとの摺動により、レバー29が外方へ回動されて摺動部29bの引出側回転許容部36bに対する係合が解除され摺動部29bが第1の突部36に乗り上げる(図16参照)。摺動部29bが第1の突部36に乗り上げると、回転部材33のレバー29の回転に伴う回転が停止される。このとき回転部材33の第2の突部37に設けられた被規制部37bが制御リブ13の外側に位置される。
【0154】
上記のようにケーブル巻取装置1にあっては、ベース部材25にレバー29の摺動部29bの引出側回転許容部36bとの係合を解除又は回避してレバー29の回転部材33に対する引出方向への回転を許容する引出用カム部28cが設けられている。
【0155】
従って、ケーブル100の引出動作を簡素な構造により確実に行うことができる。
【0156】
引き続きケーブル100が引き出されると、巻取リール21とレバー29がさらにR2方向へ回転されていき、レバー29は摺動部29bが第1の突部36の外周面に摺動される(図17参照)。
【0157】
ケーブル100がさらに引き出されると、巻取リール21とレバー29がさらにR2方向へ回転されていく(図18参照)。
【0158】
以後は、ケーブル100の引出に伴って巻取リール21とレバー29がR2方向へ回転されていく。
【0159】
<引出後のストップモード>
次に、ケーブル100が引き出されたときのストップモードについて説明する(図18乃至図21参照)。引出後のストップモードはケーブル100が所定の長さ引き出された状態においてケーブル100の巻取が規制されるモードである。
【0160】
引出後のストップモードにおいては、当初は、回転部材33の変位部35に設けられた制御部35aが第2の領域Bにおける制御リブ13と第2の補強リブ14の間に位置されている(図18参照)。
【0161】
ケーブル100の引出が終了されると、巻取リール21とレバー29は付勢部材の付勢力によってR1方向へ回転され、レバー29は摺動部29bが回転部材33における第1の突部36の巻取側回転許容部36a及び作用面38の第1の係合部38aに係合される(図19参照)。
【0162】
レバー29の摺動部29bが巻取側回転許容部36aに係合されると、巻取リール21とレバー29のR1方向への回転に伴って回転部材33がR1方向へ回転されていく(図20参照)。
【0163】
さらに巻取リール21とレバー29のR1方向への回転に伴って回転部材33がR1方向へ回転されていく(図21参照)。このときレバー29が変位部35の下方に位置されていないため、変位部35が弾性変形されて制御部35aが制御リブ13の下縁に摺動されて第1の領域Aに移動される。
【0164】
レバー29は被ストップ部29aがベース部材25の回転規制部28dに係合されて巻取リール21とレバー29のR1方向への回転が規制され、ケーブル100が所定の長さ引き出された状態においてケーブル100の巻取が規制される。
【0165】
このようにケーブル巻取装置1にあっては、回転部材33の外周面がレバー29の摺動部29bに摺動される作用面38として形成され、支点軸33aからの半径方向における距離が回転部材33における最外周より小さい第1の係合部38aに摺動部29bが係合されて被ストップ部29aが回転規制部28dに係合される。
【0166】
従って、レバー29の被ストップ部29aがベース部材25の回転規制部28dと確実に係合され、ストップモードの設定を簡単かつ確実に行うことができる。
【0167】
<巻取モード>
次に、ケーブル100が巻き取られる巻取モードについて説明する(図22乃至図27参照)。巻取モードはケーブル100が巻取リール21に巻き取られるモードである。
【0168】
巻取モードにおいては、回転部材33の変位部35に設けられた制御部35aが第1の領域Aに位置されている。
【0169】
ケーブル100の巻取を行う場合には、ストップモードの状態から一旦ケーブル100を所定の長さ引き出して巻取リール21とレバー29をR2方向へ回転させる(図22参照)。ケーブル100の引出はレバー29の摺動部29bが第3の突部40よりR2方向側の位置まで移動される状態まで行う。この巻取リール21とレバー29の回転時には、摺動部29bが第2の突部37の第1の係合面37aに係合されてレバー29の回転に伴って回転部材33がR2方向へ回転され制御部35aが制御リブ13に接して回転部材33のR2方向への回転が規制され、続いて、摺動部29bが第2の突部37から第3の突部40に乗り上げて第3の突部40よりR2方向側の位置まで移動される。
【0170】
続いて、ケーブル100の引出を停止すると、付勢部材の付勢力によって巻取リール21とレバー29がR1方向へ回転されていきケーブル100の巻取リール21の巻取が行われていく。このときレバー29は摺動部29bが回転部材33における第3の突部40の第2の係合面40a及び作用面38の第2の係合部38bに係合される(図23参照)。
【0171】
ケーブル100は中間部100aを挟んだ反対側の二つの部分が同時に巻取可能であるため、ケーブル100の巻取を迅速に行うことができ、ケーブル巻取装置1の使い勝手の向上を図ることができる。
【0172】
引き続き巻取リール21とレバー29はR1方向へ回転され、このときレバー29の摺動部29bが第2の係合面40aに係合されているため、巻取リール21とレバー29のR1方向への回転に伴って回転部材33がR1方向へ回転されていく(図24参照)。回転部材33がR1方向へ回転されるときには、制御部35aが第1の補強リブ12の通過用切欠12aを通過して規制リブ11側へ移動され、回転部材33は第2の突部37に設けられた被規制部37bが規制リブ11に接してR1方向への回転が規制される。
【0173】
このようにケーブル巻取装置1にあっては、回転部材33の被規制部37bが規制リブ11に接してR1方向への回転が規制される。
【0174】
従って、回転部材33の制御部35aが第1の領域Aから第2の領域Bに移動されず第1の領域Aに保持されるため、制御部35aが第1の領域Aに保持される巻取モードが解除されることがなく、ケーブル100の巻取を確実に行うことができる。
【0175】
また、規制リブ11が回転部材33の最内周から最外周までの範囲に位置されているため、被規制部37bが確実に規制リブ11に係合され、ケーブル100の巻取動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0176】
引き続き巻取リール21とレバー29がR1方向へ回転されてケーブル100が巻き取られていくと、レバー29は摺動部29bが第3の突部40から第2の突部37に乗り上げ、レバー29が付勢バネ30の付勢力に反して外方へ回動される(図25参照)。レバー29が外方へ回動されるため、被ストップ部29aはベース部材25の回転規制部28dの外側を通過していく。
【0177】
巻取リール21とレバー29はさらにR1方向へ回転され、レバー29は被ストップ部29aがベース部材25の引出用カム部28cから巻取用カム部28bに順に摺動されていく(図26参照)。
【0178】
レバー29は被ストップ部29aが巻取用カム部28bに摺動されるため、付勢バネ30の付勢力に反して外方へ回動され、摺動部29bが回転部材33の巻取側回転許容部36aに接することなくR1方向へ巻取リール21とともに回転されていく(図27参照)。
【0179】
このようにケーブル巻取装置1にあっては、ベース部材25にレバー29の摺動部29bの巻取側回転許容部36aとの係合を解除又は回避してレバー29の回転部材33に対する巻取方向への回転を許容する巻取用カム部28bが設けられている。
【0180】
従って、ケーブル100の巻取動作を簡素な構造により確実に行うことができる。
【0181】
以後は、付勢部材の付勢力によって巻取リール21とレバー29がR1方向へ回転されていき、ケーブル100の巻取が行われていく。
【0182】
[まとめ]
以上に記載した通り、ケーブル巻取装置1にあっては、回転部材33の回転軌跡上に位置された制御リブ13に対する回転部材33の制御部35aの位置に応じてケーブル100の巻取制御が行われる。
【0183】
従って、ベアリングとして機能する球体を用いず制御部35aの位置を制御することによりケーブル100の巻取制御が行われるため、機構の簡素化及び耐久性の向上を図った上で動作の信頼性を確保することができる。
【0184】
また、回転部材33の制御部35aがケーブル100の引出時に第1の領域Aから第2の領域Bに移動され引出後の停止時に第2の領域Bから第1の領域Aに移動されるため、ケーブル100に対する動作に応じて制御部35aの位置が確実に変化され、引出モード及びストップモードにおける動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0185】
さらに、回転部材33が付勢部材の付勢力によって巻取方向へ回転されて制御部35aが第2の領域Bから第1の領域Aに移動されたときに被ストップ部29aがベース部材25の回転規制部28dに係合されて巻取リール21の巻取方向への回転が規制される。
【0186】
従って、回転部材35の制御部35aの移動により巻取リール21の回転が確実に規制されるため、ストップモードにおける動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0187】
さらにまた、回転部材33の制御部35aが第1の領域Aに位置されている状態において、巻取リール21が付勢部材の付勢力によって巻取方向へ回転されてケーブル100が巻き取られるようにされている。
【0188】
従って、回転部材33の制御部35aの位置に応じてケーブル100の巻取が確実に行われ、巻取モードにおける動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0189】
また、レバー29が巻取リール21に回動自在に支持され、摺動部29bが回転部材33の作用面38に押し付けられる方向へレバー29を付勢する付勢バネ30を設けている。
【0190】
従って、レバー29の摺動部29bが確実に作用面38に摺動され、各モードにおける動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0191】
さらに、回転部材33に弾性変形可能とされた変位部35が設けられ、回転部材33が回転されたときに変位部35が弾性変形されることにより制御部35aが制御リブ13を挟んだ両側において移動されるようにしている。
【0192】
従って、回転部材33の制御部35aの移動が変位部35の弾性変形という簡単な動作により行われ、機構の簡素化を図った上で動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0193】
加えて、ベース部材25と回転部材33の間にレバー29の一部が配置され、レバー29がベース部材25と回転部材33の変位部35との間に位置されることにより変位部35の弾性変形が規制されるようにしている。
【0194】
従って、回転部材33の変位部の弾性変形を規制する専用の部材を必要とせず、部品点数の削減を図った上で簡素な機構によりケーブル100に対する各動作を行うことができる。
【0195】
尚、上記には、ケーブル100として厚みが厚く重量が大きいHDMIケーブルを用いた例を示したが、KK1における構造は、厚みが厚く重量が大きいHDMIケーブル等のような引出時に必要な力が大きなケーブルを取り扱うタイプに特に有効である。
【0196】
[本技術]
本技術は、以下のような構成とすることができる。
【0197】
(1)固定された状態で配置されたベース部材と、ケーブルの一部が連結され前記ベース部材に対して前記ケーブルの巻取方向及びその反対方向である引出方向へ回転可能とされた巻取リールと、前記巻取リールに支持され前記巻取リールと一体になって前記ベース部材に対して回転されるレバーと、前記巻取リールを前記巻取方向へ付勢する付勢部材と、前記ベース部材に対向して配置され前記巻取リールの回転軸と同軸上に位置する支点軸を支点として前記ベース部材に対して回転可能とされ前記ケーブルの巻取制御を行う制御部を有する回転部材と、前記回転部材の回転軌跡上に位置された制御リブとを備え、前記制御リブに対する前記制御部の位置に応じて前記ケーブルの巻取制御が行われるようにしたケーブル巻取装置。
【0198】
(2)前記制御リブを挟んだ周方向における反対側の領域がそれぞれ第1の領域と第2の領域として形成され、前記ケーブルが引き出されて前記巻取リールが前記引出方向へ回転されたときに前記回転部材が回転されて前記制御部が前記第1の領域から前記第2の領域に移動され、前記制御部が前記第1の領域から前記第2の領域に移動された状態において前記回転部材が前記付勢部材の付勢力によって前記巻取方向へ回転されたときに前記制御部が前記第2の領域から前記第1の領域に移動されるようにした前記(1)に記載のケーブル巻取装置。
【0199】
(3)前記ベース部材に回転規制部が設けられ、前記レバーに被ストップ部が設けられ、前記回転部材が前記巻取方向へ回転されて前記制御部が前記第2の領域から前記第1の領域に移動されたときに前記被ストップ部が前記回転規制部に係合されて前記巻取リールの巻取方向への回転が規制されるようにした前記(2)に記載のケーブル巻取装置。
【0200】
(4)前記制御部が前記第1の領域に位置されている状態において前記巻取リールが前記付勢部材の付勢力によって前記巻取方向へ回転されて前記ケーブルが巻き取られるようにした前記(2)又は前記(3)に記載のケーブル巻取装置。
【0201】
(5)前記回転部材に被規制部が設けられ、前記第1の領域と前記第2の領域の間に前記被規制部に係合可能とされ前記被規制部が係合されたときに前記回転部材の回転を規制する規制リブが設けられ、前記ケーブルの巻取時に前記回転部材が回転されたときに前記被規制部が前記規制リブに係合されて前記制御部が前記第1の領域に保持されるようにした前記(4)に記載のケーブル巻取装置。
【0202】
(6)前記規制リブが前記回転部材の半径方向に延びる形状に形成され、前記規制リブが前記回転部材の最内周から最外周までの範囲に位置された前記(5)に記載のケーブル巻取装置。
【0203】
(7)前記制御リブと前記規制リブが前記回転軸を挟んで反対側に位置された前記(5)又は前記(6)に記載のケーブル巻取装置。
【0204】
(8)前記レバーに摺動部が設けられ、前記回転部材の外周面が前記レバーの摺動部に摺動自在に係合される作用面として形成され、前記作用面に前記支点軸からの半径方向における距離が前記回転部材における最外周より小さい係合部が設けられ、前記レバーの摺動部が前記係合部に係合されて前記被ストップ部が前記回転規制部に係合されるようにした前記(3)から前記(7)の何れかに記載のケーブル巻取装置。
【0205】
(9)前記レバーが前記巻取リールに回動自在に支持され、前記摺動部が前記作用面に押し付けられる方向へ前記レバーを付勢する付勢バネを設けた前記(8)に記載のケーブル巻取装置。
【0206】
(10)前記回転部材に前記制御部を有し前記制御リブに離接する方向へ弾性変形可能とされた変位部が設けられ、前記回転部材が回転されたときに前記変位部が弾性変形されることにより前記制御部が前記制御リブに摺動されて前記制御リブを挟んだ両側において移動されるようにした前記(1)から前記(9)の何れかに記載のケーブル巻取装置。
【0207】
(11)前記回転部材に前記制御部を有し前記制御リブに離接する方向へ弾性変形可能とされた変位部が設けられ、前記回転部材が回転されたときに前記変位部が弾性変形されることにより前記制御部が前記制御リブに摺動されて前記制御リブを挟んだ両側において移動され、前記ベース部材と前記回転部材の間に前記レバーの一部が配置され、前記制御部が前記第1の領域に位置され前記レバーが前記ベース部材と前記回転部材の変位部との間に位置されているときに、前記レバーによって前記変位部の弾性変形が規制されて前記制御部が前記第1の領域に保持されるようにした前記(4)から前記(10)の何れかに記載のケーブル巻取装置。
【0208】
(12)前記回転部材に、前記摺動部に係合され前記回転部材と前記レバーの一体での前記引出方向への回転を許容する引出側回転許容部が設けられ、前記ベース部材に前記摺動部の前記引出側回転許容部との係合を解除又は回避して前記レバーの前記回転部材に対する前記引出方向への回転を許容する引出用カム部が設けられた前記(2)から前記(11)の何れかに記載のケーブル巻取装置。
【0209】
(13)前記回転部材に、前記摺動部に係合され前記回転部材と前記レバーの一体での前記巻取方向への回転を許容する巻取側回転許容部が設けられ、前記ベース部材に前記摺動部の前記巻取側回転許容部との係合を解除又は回避して前記レバーの前記回転部材に対する前記巻取方向への回転を許容する巻取用カム部が設けられた前記(2)から前記(12)の何れかに記載のケーブル巻取装置。
【0210】
(14)前記ケーブルの少なくとも一部を覆うカバーケースが設けられ、前記カバーケースに前記制御リブが一体に形成された前記(1)から前記(13)の何れかに記載のケーブル巻取装置。
【0211】
(15)前記ケーブルの少なくとも一部を覆うカバーケースが設けられ、前記カバーケースに前記規制リブが一体に形成された前記(5)から前記(14)の何れかに記載のケーブル巻取装置。
【0212】
(16)前記制御リブと前記規制リブが前記カバーケースを補強する補強リブとして設けられた前記(15)に記載のケーブル巻取装置。
【0213】
(17)前記巻取リールに同軸上に位置する第1の巻取筒部と第2の巻取筒部が設けられ、前記第1の巻取筒部と前記第2の巻取筒部に前記ケーブルの異なる部分がそれぞれ巻付可能とされた前記(1)から前記(16)の何れかに記載のケーブル巻取装置。
【0214】
(18)前記ケーブルの異なる部分が同時に巻取可能及び引出可能とされた前記(17)に記載のケーブル巻取装置。
【0215】
上記した技術の最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本技術を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本技術の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0216】
【図1】図2乃至図27と共に本技術ケーブル巻取装置を示すものであり、本図は、斜視図である。
【図2】分解斜視図である。
【図3】カバーケースの拡大斜視図である。
【図4】巻取リールの拡大斜視図である。
【図5】ケーブルが取り付けられた状態で示す巻取リールの拡大斜視図である。
【図6】ベース部材の拡大平面図である。
【図7】回転部材の拡大斜視図である。
【図8】ベース部材、レバー、回転部材及び各リブを示す拡大斜視図である。
【図9】ベース部材、レバー、回転部材及び各リブを示す概略拡大側面図である。
【図10】図11乃至図27と共にケーブル巻取装置の動作を示すものであり、本図は、ケーブルの巻取が規制されている状態を示す拡大平面図である。
【図11】ケーブルの引出が開始された直後の状態を示す拡大平面図である。
【図12】図11に引き続きケーブルが引き出され、巻取リールとレバーの回転に伴って回転部材が回転された状態を示す拡大平面図である。
【図13】図12に引き続きケーブルが引き出され、巻取リールとレバーがさらに回転されている状態を示す拡大平面図である。
【図14】図13に引き続きケーブルが引き出され、巻取リールとレバーがさらに回転されてレバーの摺動部が回転部材の引出側回転許容部に係合された状態を示す拡大平面図である。
【図15】図14に引き続きケーブルが引き出され、巻取リールとレバーの回転に伴って回転部材が回転されている状態を示す拡大平面図である。
【図16】図15に引き続きケーブルが引き出され、巻取リールとレバーが回転されてレバーの摺動部の回転部材の引出側回転許容部に対する係合が解除された状態を示す拡大平面図である。
【図17】図16に引き続きケーブルが引き出され、巻取リールとレバーが回転されている状態を示す拡大平面図である。
【図18】図17に引き続きケーブルの引出が終了し、巻取リールとレバーの回転が停止された状態を示す拡大平面図である。
【図19】図18に引き続きケーブルの引出が終了した後に、巻取リールとレバーが図18とは反対方向へ回転されてレバーの摺動部が回転部材の巻取側回転許容部に係合された状態を示す拡大平面図である。
【図20】図19に引き続き巻取リールとレバーの回転に伴って回転部材が回転されている状態を示す拡大平面図である。
【図21】図20に引き続き巻取リールとレバーの回転が規制された状態を示す拡大平面図である。
【図22】図21に引き続きケーブルの巻取のためにケーブルが一旦引き出され、レバーの摺動部が回転部材の第3の突部を越える位置まで移動された状態を示す拡大平面図である。
【図23】図22に引き続きケーブルが巻き取られ、巻取リールとレバーが回転されてレバーの摺動部が回転部材の第2の係合面に係合された状態を示す拡大平面図である。
【図24】図23に引き続きケーブルが巻き取られ、回転部材の被規制部が規制リブに係合されて回転部材の回転が規制された状態を示す拡大平面図である。
【図25】図24に引き続きケーブルが巻き取られ、巻取リールとレバーが回転されレバーの摺動部が回転部材の第3の突部に乗り上げた状態を示す拡大平面図である。
【図26】図25に引き続きケーブルが巻き取られ、巻取リールとレバーが回転されレバーの被ストップ部がベース部材の巻取用カム部に摺動されている状態を示す拡大平面図である。
【図27】図26に引き続きケーブルが巻き取られ、巻取リールとレバーが回転されている状態を示す拡大平面図である。
【符号の説明】
【0217】
1…ケーブル巻取装置、5…カバーケース、11…規制リブ、13…制御リブ、21…巻取リール、21a…回転軸、23…第1の巻取筒部、24…第2の巻取筒部、25…ベース部材、28b…巻取用カム部、28c…引出用カム部、28d…回転規制部、29…レバー、29a…被ストップ部、29b…摺動部、30…付勢バネ、33…回転部材、33a…支点軸、35…変位部、35a…制御部、36a…巻取側回転許容部、36b…引出側回転許容部、37b…被規制部、38…作用面、38a…第1の係合部、100…ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定された状態で配置されたベース部材と、
ケーブルの一部が連結され前記ベース部材に対して前記ケーブルの巻取方向及びその反対方向である引出方向へ回転可能とされた巻取リールと、
前記巻取リールに支持され前記巻取リールと一体になって前記ベース部材に対して回転されるレバーと、
前記巻取リールを前記巻取方向へ付勢する付勢部材と、
前記ベース部材に対向して配置され前記巻取リールの回転軸と同軸上に位置する支点軸を支点として前記ベース部材に対して回転可能とされ前記ケーブルの巻取制御を行う制御部を有する回転部材と、
前記回転部材の回転軌跡上に位置された制御リブとを備え、
前記制御リブに対する前記制御部の位置に応じて前記ケーブルの巻取制御が行われるようにした
ケーブル巻取装置。
【請求項2】
前記制御リブを挟んだ周方向における反対側の領域がそれぞれ第1の領域と第2の領域として形成され、
前記ケーブルが引き出されて前記巻取リールが前記引出方向へ回転されたときに前記回転部材が回転されて前記制御部が前記第1の領域から前記第2の領域に移動され、
前記制御部が前記第1の領域から前記第2の領域に移動された状態において前記回転部材が前記付勢部材の付勢力によって前記巻取方向へ回転されたときに前記制御部が前記第2の領域から前記第1の領域に移動されるようにした
請求項1に記載のケーブル巻取装置。
【請求項3】
前記ベース部材に回転規制部が設けられ、
前記レバーに被ストップ部が設けられ、
前記回転部材が前記巻取方向へ回転されて前記制御部が前記第2の領域から前記第1の領域に移動されたときに前記被ストップ部が前記回転規制部に係合されて前記巻取リールの巻取方向への回転が規制されるようにした
請求項2に記載のケーブル巻取装置。
【請求項4】
前記制御部が前記第1の領域に位置されている状態において前記巻取リールが前記付勢部材の付勢力によって前記巻取方向へ回転されて前記ケーブルが巻き取られるようにした
請求項2に記載のケーブル巻取装置。
【請求項5】
前記回転部材に被規制部が設けられ、
前記第1の領域と前記第2の領域の間に前記被規制部に係合可能とされ前記被規制部が係合されたときに前記回転部材の回転を規制する規制リブが設けられ、
前記ケーブルの巻取時に前記回転部材が回転されたときに前記被規制部が前記規制リブに係合されて前記制御部が前記第1の領域に保持されるようにした
請求項4に記載のケーブル巻取装置。
【請求項6】
前記規制リブが前記回転部材の半径方向に延びる形状に形成され、
前記規制リブが前記回転部材の最内周から最外周までの範囲に位置された
請求項5に記載のケーブル巻取装置。
【請求項7】
前記制御リブと前記規制リブが前記回転軸を挟んで反対側に位置された
請求項5に記載のケーブル巻取装置。
【請求項8】
前記レバーに摺動部が設けられ、
前記回転部材の外周面が前記レバーの摺動部に摺動自在に係合される作用面として形成され、
前記作用面に前記支点軸からの半径方向における距離が前記回転部材における最外周より小さい係合部が設けられ、
前記レバーの摺動部が前記係合部に係合されて前記被ストップ部が前記回転規制部に係合されるようにした
請求項3に記載のケーブル巻取装置。
【請求項9】
前記レバーが前記巻取リールに回動自在に支持され、
前記摺動部が前記作用面に押し付けられる方向へ前記レバーを付勢する付勢バネを設けた
請求項8に記載のケーブル巻取装置。
【請求項10】
前記回転部材に前記制御部を有し前記制御リブに離接する方向へ弾性変形可能とされた変位部が設けられ、
前記回転部材が回転されたときに前記変位部が弾性変形されることにより前記制御部が前記制御リブに摺動されて前記制御リブを挟んだ両側において移動されるようにした
請求項1に記載のケーブル巻取装置。
【請求項11】
前記回転部材に前記制御部を有し前記制御リブに離接する方向へ弾性変形可能とされた変位部が設けられ、
前記回転部材が回転されたときに前記変位部が弾性変形されることにより前記制御部が前記制御リブに摺動されて前記制御リブを挟んだ両側において移動され、
前記ベース部材と前記回転部材の間に前記レバーの一部が配置され、
前記制御部が前記第1の領域に位置され前記レバーが前記ベース部材と前記回転部材の変位部との間に位置されているときに、前記レバーによって前記変位部の弾性変形が規制されて前記制御部が前記第1の領域に保持されるようにした
請求項4に記載のケーブル巻取装置。
【請求項12】
前記回転部材に、前記摺動部に係合され前記回転部材と前記レバーの一体での前記引出方向への回転を許容する引出側回転許容部が設けられ、
前記ベース部材に前記摺動部の前記引出側回転許容部との係合を解除又は回避して前記レバーの前記回転部材に対する前記引出方向への回転を許容する引出用カム部が設けられた
請求項2に記載のケーブル巻取装置。
【請求項13】
前記回転部材に、前記摺動部に係合され前記回転部材と前記レバーの一体での前記巻取方向への回転を許容する巻取側回転許容部が設けられ、
前記ベース部材に前記摺動部の前記巻取側回転許容部との係合を解除又は回避して前記レバーの前記回転部材に対する前記巻取方向への回転を許容する巻取用カム部が設けられた
請求項2に記載のケーブル巻取装置。
【請求項14】
前記ケーブルの少なくとも一部を覆うカバーケースが設けられ、
前記カバーケースに前記制御リブが一体に形成された
請求項1に記載のケーブル巻取装置。
【請求項15】
前記ケーブルの少なくとも一部を覆うカバーケースが設けられ、
前記カバーケースに前記規制リブが一体に形成された
請求項5に記載のケーブル巻取装置。
【請求項16】
前記制御リブと前記規制リブが前記カバーケースを補強する補強リブとして設けられた
請求項15に記載のケーブル巻取装置。
【請求項17】
前記巻取リールに同軸上に位置する第1の巻取筒部と第2の巻取筒部が設けられ、
前記第1の巻取筒部と前記第2の巻取筒部に前記ケーブルの異なる部分がそれぞれ巻付可能とされた
請求項1に記載のケーブル巻取装置。
【請求項18】
前記ケーブルの異なる部分が同時に巻取可能及び引出可能とされた
請求項17に記載のケーブル巻取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−100177(P2013−100177A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245719(P2011−245719)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】