説明

ケーブル巻取装置

【課題】固定部材(例えば、固定側フレーム)及び旋回部材(例えば、旋回側フレーム)からのチェーンのずれを修正でき、構造を簡素で、製造コストの小さいケーブル巻取装置を提供する。
【解決手段】ケーブル巻取装置10は、複数のケーブル保持ユニット50から構成されるチェーン20と、チェーン積載面32が形成されている固定側フレーム30と、チェーン積載面42が形成され、固定側フレーム30に対して旋回可能に支持されている旋回側フレーム40と、を有している。また、チェーン積載面32,42は、マグネット90,91を備えているとともに、ケーブル保持ユニット50には、磁性部材80,81が取り付けられている。これにより、チェーン20が、磁性部材80,81とマグネット90,91との吸引力によって、チェーン配置面32,42に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル巻取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用ロボットや工作機械においては、ロッドや回転体などの可動部が移動するため、この可動部に接続されたケーブルがねじれたり、所定の曲率半径よりも小さく折れ曲がったりしないようにして、ケーブルの断線等を防ぐ必要がある。このようなねじれや折れ曲がりに起因した断線を防ぐために、例えば、ケーブル巻取装置が用いられる。
【0003】
特許文献1には、固定側フレームと、固定側フレームに旋回可能に支持された旋回側フレームと、ケーブルを収納し、旋回側フレームの旋回により巻き取られ、固定側フレーム及び旋回側フレーム上を移動するチェーンとを有するケーブル巻取装置が開示されている。固定側フレーム及び旋回側フレームは、V字状の溝が形成されたガイドレールを有し、ケーブルは、この溝に対応する形状の突起部が形成された複数のガイドローラを有している。この溝に突起部が嵌めこまれた状態で、ガイドローラは、ガイドレールに沿って転がる。これによりチェーンは、固定側フレーム及び旋回側フレームからずれたりせずに、固定側フレーム及び旋回側フレーム上を円滑に移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載のケーブル巻取装置のケーブルにおいては、ガイドレールにV形状の溝が形成されていることから、このV形状の溝を形成するための機械加工が、別途、必要となる。また、V形状の溝は、ガイドレールの全周に渡って形成されている。このため、溝を形成するための機械加工が、比較的困難である。また、このようなガイド機構を有しているため、ケーブル巻取装置の構造が複雑であり、ケーブル巻取装置の製造コストが高くなるおそれもある。
【0006】
本発明は、上述の事情の下になされたもので、固定部材(例えば、固定側フレーム)及び旋回部材(例えば、旋回側フレーム)からのチェーンのずれを修正でき、構造が簡素で、製造コストの小さいケーブル巻取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明のケーブル巻取装置は、固定部材と、旋回部材と、チェーンとを備える。固定部材は、円環状に形成された第1チェーン積載面を備え、巻取対象のケーブルの一端部が固定される。旋回部材は、第1チェーン積載面に対向して配置された円環状の第2チェーン積載面を備え、第2チェーン積載面が形成する円環の中心軸を中心に固定部材に対して旋回可能に支持され、巻取対象のケーブルの他端部が固定される。チェーンは、ケーブルをそれぞれ保持する複数の保持部材と、保持部材を一部が開放された円環状に連結する連結部材と、から構成され、その形状に沿って巻取対象のケーブルを支持する。チェーンと、第1チェーン積載面及び第2チェーン積載面と、の一方は磁性を有し、他方は強磁性または一方の磁気と吸引する磁気を有している。そして、チェーンの少なくとも一端部が吸引力により第1チェーン積載面に積載され、折り返されて、少なくとも他端部が吸引力により第2チェーン積載面に積載された上で、旋回部材に固定されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ケーブル巻取装置のチェーンは、このチェーンと第1チェーン積載面及び第2チェーン積載面との吸引力により、第1チェーン積載面及び第2チェーン積載面に積載される。これにより、固定部材及び旋回部材からのチェーンのずれを修正でき、構造が簡素で、製造コストの小さいケーブル巻取装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1に係るケーブル巻取装置の斜視図である。
【図2】(A)は、ケーブル巻取装置の分解斜視図であり、(B)は、ガイド機構部近傍の拡大図ある。
【図3】(A)は、カバーを取り外したケーブル巻取装置の側面図であり、(B)は、(A)のB−B断面図である。
【図4】(A)は、ケーブル保持ユニットの斜視図であり、(B)は、ケーブル保持ユニットの斜視図のYZ断面図である。
【図5】ケーブル保持ユニットの分解断面図である。
【図6】(A)は、上側プレートの斜視図であり、(B)は、上側プレートの平面図であり、(C)は、(B)のC−C断面図である。
【図7】(A)は、下側プレートの斜視図であり、(B)は、下側プレートの平面図であり、(C)は、(B)のC−C断面図である。
【図8】(A)は、外側連結部材の斜視図であり、(B)は、外側連結部材の正面図であり、(C)は、(B)のC−C断面図である。
【図9】(A)は、内側連結部材の斜視図(その1)であり、(B)は、内側連結部材の斜視図(その2)である。
【図10】(A)は、内側連結部材同士の連結を説明するためのXY断面図であり、(B)は、外側連結部材同士の連結を説明するためのXY断面図であり、
【図11】チェーンのXY断面図である。
【図12】(A)は、折り曲げる前のチェーンの正面図であり、(B)は、折り曲げた後のチェーンの正面図である。
【図13】(A)は、ケーブル巻取装置の動作を説明するための斜視図(その1)であり、(B)は、ケーブル巻取装置の動作を説明するための斜視図(その2)である。
【図14】(A)は、ケーブル巻取装置の動作を説明するための平面図(その1)であり、(B)は、ケーブル巻取装置の動作を説明するための平面図(その2)である。
【図15】(A)は、ケーブル巻取装置の動作を説明するための側面図(その1)であり、(B)は、ケーブル巻取装置の動作を説明するための側面図(その2)である。
【図16】ケーブル巻取装置の動作を説明するための側面図(その3)である。
【図17】ケーブル巻取装置の動作を説明するための側面図(その4)である。
【図18】(A)は、ケーブル巻取装置の動作を説明するための側面図(その5)であり、(B)は、ケーブル巻取装置の動作を説明するための側面図(その6)である。
【図19】ケーブル巻取装置の動作を説明するための側面図(その7)である。
【図20】ケーブル巻取装置の動作を説明するための側面図(その8)である。
【図21】(A)は、比較例の動作を説明するための側面図であり、(B)は、ケーブル巻取装置の動作を説明するための側面図(その9)であり、(C)は、(B)の部分拡大図である。
【図22】本発明の実施の形態2に係るケーブル巻取装置のマグネット等の側面図である。
【図23】本発明の実施の形態3に係るケーブル巻取装置のマグネット等の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係るケーブル巻取装置10について図1〜21を用いて説明する。なお、図中のXY平面は水平な面であり、図中のZ軸の方向は鉛直方向である。
【0011】
ケーブル巻取装置10は、例えば、産業用ロボット、工作機械、望遠鏡の観測装置などに用いられる。そして、産業用ロボット等の可動部に接続された電源ケーブル、信号ケーブル等がねじれたり、所定の曲率半径よりも小さく折れ曲がったりしないようにして、ケーブルの断線を防ぐ。ケーブル巻取装置10は、図1及び図2(A)に示すように、複数のケーブル11と、ケーブル11を収納するチェーン20と、チェーン20とともにケーブル11を巻き取る固定側フレーム30及び旋回側フレーム40とを有している。チェーン20は、一部が折り返された状態で、固定側フレーム30及び旋回側フレーム40それぞれに配置されている。そして、旋回側フレーム40が旋回することにより、チェーン20を、固定側フレーム30から旋回側フレーム40に送り出して、送り出されたチェーン20を旋回側フレーム40が巻き取る。または、旋回側フレーム40が逆方向に旋回することにより、チェーン20を、旋回側フレーム40から固定側フレーム30に送り出して、送り出されたチェーン20を固定側フレーム30が巻き取る。これにより、チェーン20の一部が、固定側フレーム30及び旋回側フレーム40の相互間を移動する。
【0012】
ケーブル11は、商用電源、制御コントローラ等と接続されることにより、産業用ロボット等に電源を供給したり、制御信号を伝送したりする。ケーブル11の一端は、固定側フレーム30の端子ユニット13の端子に接続されている。そして、ケーブル11の他端は、旋回側フレーム40の端子ユニット14の端子に接続されている。
【0013】
固定側フレーム30は、巻き取られたケーブル11を保持する部材で、Z軸方向に貫通する貫通孔30aが形成された略円筒形状に形成されている。また、固定側フレーム30は、固定側フレーム30の下端(−Z側の端部)から径方向に張り出されたフランジ部31を有している。このフランジ部31の+Z側の面は、チェーン20が積載される円環状のチェーン積載面32として構成されている。チェーン積載面32に配置されたチェーン20は、カバー33によって覆われている。なお、図1中のY軸の方向は、固定側フレーム30の半径方向であり、X軸の方向は、Y軸及びZ軸に直交する方向である。
【0014】
旋回側フレーム40は、旋回することにより、ケーブル11を巻き取ったり、送り出したりする部材で、Z軸方向に貫通する貫通孔40aが形成された略円筒形状に形成されている。また、旋回側フレーム40は、旋回側フレーム40の上端(+Z側の端部)から径方向に張り出されたフランジ部41を有している。フランジ部41の−Z側の面は、チェーン20が積載される円環状のチェーン積載面42として構成されている。また、チェーン積載面42に配置されたチェーン20は、カバー43によって覆われている。また、旋回側フレーム40は、モータの出力軸等に接続されるアーム44を有している。このアーム44は、固定側フレーム30の貫通孔30aを通過して、−Z側に突出している。
【0015】
また、旋回側フレーム40は、複数のガイド機構部15を介して、固定側フレーム30に旋回可能に取り付けられている。ガイド機構部15は、例えば、図2(B)に示すように、固定側フレーム30に形成された溝15aと、旋回側フレーム40に形成された溝15bと、これらの溝15a、15bに介在された複数の転動体15cとを有する。このガイド機構部15は、固定側フレーム30の貫通孔30a及び旋回側フレーム40の貫通孔40aの内周面に等間隔に形成されている。これらのガイド機構部15により、旋回側フレーム40は、固定側フレーム30に対して、旋回軸A回りに円滑に旋回する。
【0016】
チェーン20は、図3(A)に示すように、複数のケーブル保持ユニット50が相互に連結されることにより構成されている。チェーン20は、ケーブル11を収納した状態で、固定側フレーム30のチェーン積載面32に積載され、所定の曲率半径R1を維持しつつ、+Z側に折り返される。そして、折り返されたチェーン20は、旋回側フレーム40はチェーン積載面42に積載される。
【0017】
チェーン20が積載されたチェーン積載面32,42の両端には、図3(B)に示すように、マグネットアーム92,93を介して、マグネット90,91が配置されている。マグネット90,91は、略直方体に形成されており、マグネット90,91の吸引面90a,91aは、互いに向かい合うように形成されているとともに、チェーン積載面32,42に対してYZ面で傾斜するように配置されている。例えば、吸引面90a,91aの傾斜角度は、45度である。
【0018】
ケーブル保持ユニット50は、図4(A)及び図4(B)に示すように、ケーブル保持部材51と、上側プレート52と、下側プレート53と、外側連結部材60と、内側連結部材70と、磁性部材80,81とを有している。
【0019】
ケーブル保持部材51は、平板形状に形成されている。ケーブル保持部材51は、図5に示すように、X軸方向に貫通する保持孔51aが形成されている。この保持孔51aは、ケーブル11を保持する。また、保持孔51aは、半円と長方体とを組み合わせた形状に形成されている。また、保持孔51aは、6箇所に形成されている。ケーブル保持部材51の+Z側の面には、+Z方向に突出する凸部51bが形成されている。また、ケーブル保持部材51の−Z側の面には、−Z方向に突出する凸部51cが形成されている。
【0020】
上側プレート52は、図6に示すように、平板形状に形成されている。上側プレート52の+Y側及び−Y側には突出部52aが形成されている。この突出部52aには、Z軸方向に貫通する貫通孔52bが、2箇所ずつ形成されている。また、上側プレート52の+X側及び−Y側の側面52cは、Z軸方向に傾斜する傾斜面として構成されている。側面52cの傾斜角度θ1は、例えば、12度である。上側プレート52の側面52cが、傾斜面として構成されていることにより、上側プレート52のXZ断面における断面形状は、略台形となる。また、上側プレート52の下側の面(−Z側の面)には、凹部52dが形成されている。
【0021】
下側プレート53は、図7に示すように、平板形状に形成されている。下側プレート53の+Y側及び−Y側には突出部53aが形成されている。この突出部53aには、Z軸方向に貫通する貫通孔53bが、2箇所ずつ形成されている。また、上側プレート53の+X側及び−Y側の側面53cは、Y軸方向に傾斜する傾斜面として構成されている。側面53cの傾斜角度θ2は、例えば、3度である。上側プレート53の側面53cが、傾斜面として構成されていることにより、上側プレート53のXY断面における断面形状は、略台形となる。また、上側プレート52の上側の面(+Z側の面)には、凹部53dが形成されている。
【0022】
外側連結部材60は、図8に示すように、略T字形状に形成された部材である。外側連結部材60には、−X方向に突出する突出部61と、+X方向に突出する突出部62とが形成されている。突出部61は、突出部62に対して、+Y方向にオフセットされている。突出部61には、Y軸方向に貫通する貫通孔61aが形成されていた位置に形成されている。また、突出部62には、Y軸方向に貫通し、座ぐり穴62bが形成された貫通孔62aが形成されている。この貫通孔62aには、Y軸方向に沿って溝62cが形成されている。また、外側連結部材60の上面(+Z側の面)及び下面(−Z側の面)には、ボルト孔60a,60bが形成されているとともに、外側連結部材60の−Y側の面には、ボルト孔60cが形成されている。
【0023】
内側連結部材70は、図9に示すように、外側連結部材60と同等の形状に形成されており、−X方向に突出する突出部71と、+X方向に突出する突出部72とが形成されている。突出部71は、突出部72に対して、−Y方向にオフセットされている。突出部71には、Y軸方向に貫通する貫通孔71aが形成されていた位置に形成されている。また、突出部72には、Y軸方向に貫通し、座ぐり穴72bが形成された貫通孔72aが形成されている。なお、内側連結部材70は、X軸方向における長さW2が、外側連結部材60のX軸方向における長さW1よりも小さく形成されている。
【0024】
磁性部材80は、図4及び図5に示すように、例えば、強磁性体である金属板からなる。この金属板は、YZ断面がV字型となるように、プレス成形、板曲げ(板金加工)、機械加工等により形成される。また、磁性部材80の吸引面80aには、樹脂シート82が貼り付けられる。樹脂シート82は、例えば、フッ素樹脂からなる。磁性部材80は、吸引面80aがXY平面に対して傾斜するように配置されている。例えば、吸引面80aの傾斜角度は、マグネット90の吸引面90aの傾斜角度と同じ45度である。
【0025】
磁性部材81は、磁性部材80と同様に、例えば、強磁性体である金属板からなる。この金属板は、YZ断面がV字型となるように、プレス成形、板曲げ(板金加工)、機械加工等により形成される。また、磁性部材81の吸引面81aには、樹脂シート83が貼り付けられる。樹脂シート83は、例えば、フッ素樹脂からなる。磁性部材81は、吸引面81aがXY面に対して傾斜するように配置されている。例えば、吸引面81aの傾斜角度は、マグネット91の吸引面91aの傾斜角度と同じ45度である。
【0026】
ケーブル保持ユニット50を組み立てる場合は、図5を参照するとわかるように、ケーブル保持部材51の凸部51bが、上側プレート52の凹部52dに嵌め込まれるとともに、ケーブル保持部材51の凸部51cが、下側プレート53の凹部53dに嵌め込まれる。そして、外側連結部材60及び内側連結部材70が、上側プレート52と下側プレート53との間に配置された状態で、ボルト54が、上側プレート52の貫通孔52bを介して、外側連結部材60のボルト孔60a及び内側連結部材70のボルト孔70aに+Z側から挿入される。同様に、ボルト55が、下側プレート53の貫通孔53bを介して、外側連結部材60のボルト孔60b及び内側連結部材70のボルト孔70bに−Z側から挿入される。そして、ボルト54,55が締め付けられることにより、上側プレート52及び下側プレート53が、外側連結部材60及び内側連結部材70に固定される。
【0027】
次に、ボルト84が外側連結部材60のボルト孔60cにねじ込まれることによって、磁性部材80が、外側連結部材60に固定される。また、ボルト85が内側連結部材70のボルト孔70cにねじ込まれることによって、磁性部材81が、内側連結部材70に固定される。磁性部材80,81が取り付けられることにより、ケーブル保持ユニット50は完成する。
【0028】
チェーン20を組み立てる場合は、図10(A)に示すように、ケーブル保持ユニット50の内側連結部材70同士を、リンクボールユニット21とボルト29によって連結させる。リンクボールユニット21は、軸部22aが形成されたボール部22と、ボール部22を支持するホルダ部23と、を有している。ボール部22は、ホルダ部23に揺動可能に支持されている。ホルダ部23は、内側連結部材70の突出部71に形成された貫通孔71aに嵌め込まれる。また、ボール部22の軸部22aは、ホルダ部23が嵌め込まれた内側連結部材70とは別の内側連結部材70の突出部72に形成された貫通孔72aに挿入される。ボール部22の軸部22aの外周面には、雄ねじが形成されており、この軸部22aには、ボルト29が嵌め込まれる。ボルト29は、内側連結部材70の突出部72に形成された座ぐり穴72bに配置される。これにより、内側連結部材70同士の連結が完了する。
【0029】
また、図10(B)に示すように、ケーブル保持ユニット50の外側連結部材60同士も、リンクボールユニット21とボルト29によって連結させる。詳しくは、リンクボールユニット21のホルダ部23が、外側連結部材60の突出部61に形成された貫通孔61aに嵌め込まれ、ボール部22の軸部22aは、別の外側連結部材60の突出部62に形成された貫通孔62aに挿入される。そして、この軸部22aにボルト29が嵌め込まれることにより、外側連結部材60同士の連結が完了する。
【0030】
内側連結部材70同士、外側連結部材60同士が連結されることにより、図11に示すように、ケーブル保持ユニット50同士が連結される。そして、ケーブル保持ユニット50同士が連結されることにより、チェーン20の組み立てが完了する。
【0031】
このように組み立てられたチェーン20は、内側連結部材70のX軸方向の長さW2が、外側連結部材60のX軸方向の長さW1よりも小さく形成されていることから、所定の曲率半径R2の円周に沿って形成される。このとき、下側プレート53の側面53cが傾斜面として構成されていることから、下側プレート53同士が干渉せずに、曲率半径R2の円周に沿って形成される。この曲率半径R2は、固定側フレーム30のチェーン積載面32の曲率半径や、旋回側フレーム40のチェーン積載面42の曲率半径と同等である。
【0032】
また、チェーン20は、リンクボールユニット21を有していることから、+Z側に折り曲げ可能に形成されている。詳しくは、チェーン20は、図12に示すように、リンクボールユニット21のボール部22の軸部22a回りに外側連結部材60を回転させていくことにより、チェーン20を折り曲げることができる。このとき、リンクボールユニット21同士の間のピッチPが、X軸方向における下側プレート53の長さL2と同等であるため、チェーン20は、−Z側への折り曲げができないように形成されている。そして、X軸方向における上側プレート52の長さL1が、ピッチPよりも小さいため、チェーン20は、+Z側に折り曲げ可能に形成されている。このとき、上側プレート52の側面52c同士が接触することにより、所定の曲率半径よりも折れ曲がることはない。さらに、上側プレート52の側面52cが傾斜面として構成されていることから、上側プレート52の角部が、隣の上側プレート52に接触しにくくなっている。
【0033】
チェーン20には、複数のケーブル11が収納される。チェーン20に収納されたケーブル11の両端は、図1に示すように、固定側フレーム30の端子ユニット13の端子と、旋回側フレーム40の端子ユニット14の端子とに、それぞれ接続される。そして、図3(A)に示すように、一部が折り曲げられた状態で、固定側フレーム30のチェーン積載面32及び旋回側フレーム40はチェーン積載面42に積載される。このとき、図3(B)に示すように、ケーブル保持ユニット50に形成された磁性部材80が、チェーン積載面32,42のマグネット90に吸引する。また、ケーブル保持ユニット50に形成された磁性部材81が、チェーン積載面32,42のマグネット91に吸引する。これらの磁性部材80とマグネット90との吸引力と、磁性部材81とマグネット91との吸引力とにより、チェーン20は、チェーン積載面32,42に沿って積載される。また、チェーン20の両端部は、端子ユニット13,14近傍で、チェーン積載面32,42上に固定される。
【0034】
上述のように構成されたケーブル巻取装置10の動作について、図13〜図21を用いて説明する。
【0035】
ケーブル巻取装置10を用いる場合は、例えば、図13及び図14に示すように、CCDカメラ等の観測部101が可動部として構成された超高性能大型天体望遠鏡の観測ユニット100に取り付けられる。固定側フレーム30の端子ユニット13の端子には、電源の供給や信号の伝送を行うケーブル100aが接続される。また、旋回側フレーム40の端子ユニット14の端子には、観測部101のケーブル100bが接続される。これにより、ケーブル100a,100b、ケーブル巻取装置10のケーブル11を介して、観測部101に対して、電源の供給や、制御信号の送信をすることが可能になる。また、旋回側フレーム40のアーム44には、例えば、モータユニットの出力軸等が接続される。これにより、アーム44は、モータユニットの出力軸の回転とともに回転する。
【0036】
観測対象天体を追尾する場合、地球の自転に伴って、天体望遠鏡の鏡筒を鉛直軸回りに旋回すると共に図14に示すように観測部101を光学軸(旋回軸Aにほぼ一致する)回りに回転する。観測部101の回転にほぼ同期して、図13に示すように、旋回側フレーム40のアーム44を旋回軸Aの回りに回転する。ここでは、理解を容易するため、図13におけるC1方向に回転すると仮定する。旋回側フレーム40のアーム44が回転すると、旋回側フレーム40も、図13,図14に示すように、旋回軸A回りにC1方向に旋回する。
【0037】
先ず、モータユニットの出力軸が所定の方向に回転すると、図13(A)に示すように、この出力軸とともに旋回側フレーム40のアーム44が、旋回軸A回りに回転する。アーム44は、例えば、図13におけるC1方向に回転する。旋回側フレーム40のアーム44が回転すると、旋回側フレーム40も、旋回軸A回りにC1方向に旋回する。
【0038】
旋回側フレーム40が、旋回軸A回りに旋回すると、旋回側フレーム40のフランジ部41に形成されたチェーン積載面42も旋回軸A回りに旋回する。そうすると、旋回側フレーム40の端子に接続されたケーブル11の端部が、図14(A)に示すように、C1方向に引っ張られる。同時に、チェーン積載面42上で固定されたチェーン20の端部も、ケーブル11とともにC1方向に引っ張られる。
【0039】
チェーン20の端部がC1方向に引っ張られると、図15に示すように、固定側フレーム30のチェーン積載面32上に積載されていたチェーン20の−X側のケーブル保持ユニット50が、+Z側に引っ張られる。
【0040】
ケーブル保持ユニット50が、+Z側に引っ張られると、図16に示すように、磁性部材80とマグネット90との吸引力、及び磁性部材81とマグネット91との吸引力に抗して、ケーブル保持ユニット50が、チェーン積載面32から+Z側に移動する。さらに、チェーン20の端部がC1方向に引っ張られていくと、チェーン積載面32から離れたケーブル保持ユニット50が、旋回側フレーム40のチェーン積載面42に近づいていく。そして、図17に示すように、磁性部材80とマグネット90との吸引力、及び磁性部材81とマグネット91との吸引力によって、ケーブル保持ユニット50は、旋回側フレーム40のチェーン積載面42に積載される。
【0041】
ケーブル保持ユニット50が、次々と、固定側フレーム30のチェーン積載面32から旋回側フレーム40のチェーン積載面42に移動していくことにより、図15に示すように、チェーン20の折り返し部分が、+X方向に移動していく。
【0042】
以上により、ケーブル11は、図13(B)及び図14(B)に示すように、チェーン20とともに、固定側フレーム30から引き出され、旋回側フレーム40に巻き取られる。
【0043】
次に、モータユニットの出力軸が所定の方向とは逆方向に回転すると、アーム44は、例えば、図12におけるC2方向に回転する。旋回側フレーム40のアーム44が回転すると、旋回側フレーム40も、旋回軸A回りにC2方向に旋回する。
【0044】
旋回側フレーム40が、旋回軸A回りに旋回すると、旋回側フレーム40のフランジ部41に形成されたチェーン積載面42も旋回軸A回りに旋回する。そうすると、旋回側フレーム40の端子に接続されたケーブル11の端部が、C2方向に押される。同時に、チェーン積載面42上で固定されたチェーン20の端部も、ケーブル11とともにC2方向に押される。
【0045】
チェーン20の端部がC2方向に押されると、図18に示すように、旋回側フレーム40のチェーン積載面42上に配置されていたチェーン20の−X側のケーブル保持ユニット50が、−Z側に押し出される。
【0046】
ケーブル保持ユニット50が、−Z側に押し出されると、図19に示すように、磁性部材80とマグネット90との吸引力、及び磁性部材81とマグネット91との吸引力の吸引力に抗して、ケーブル保持ユニット50が、チェーン積載面42から−Z側に移動する。さらに、チェーン20の端部がC2方向に引っ張られていくと、チェーン積載面42から離れたケーブル保持ユニット50が、固定側フレーム30のチェーン積載面32に近づいていく。そして、図20に示すように、磁性部材80とマグネット90との吸引力、及び磁性部材81とマグネット91との吸引力によって、ケーブル保持ユニット50は、固定側フレーム30のチェーン積載面32に配置される。
【0047】
ケーブル保持ユニット50が、次々と、旋回側フレーム40のチェーン積載面42から固定側フレーム30のチェーン積載面32に移動していくことにより、図18に示すように、チェーン20の折り返し部分が、−X方向に移動していく。
【0048】
以上により、ケーブル11は、チェーン20とともに、旋回側フレーム40から押し出され、固定側フレーム30に巻き取られる。
【0049】
以上、説明したように、本発明の実施の形態に係るケーブル巻取装置10のチェーン20は、磁性部材80とマグネット90との吸引力、及び磁性部材81とマグネット91との吸引力によって、チェーン積載面32,42に積載されている。これにより、固定側フレーム30及び旋回側フレーム40からのチェーン20のずれを修正でき、チェーン20の構造が簡素になり、製造コストを小さくできる。また、チェーン20を、固定側フレーム30及び旋回側フレーム40に配置するための特別な機械加工等を不要とすることができる。
【0050】
例えば、チェーンが、ガイドレール及びガイドローラから構成されるガイド機構部を介して、固定側フレーム及び旋回側フレームのチェーン積載面に配置されている場合、ガイドレール及びガイドローラに対して、V形状の溝を形成する等、特別な機械加工をしなければならない。
【0051】
これに対して、チェーン20は、磁性部材80とマグネット90との吸引力、及び磁性部材81とマグネット91との吸引力によって、チェーン積載面32,42に積載されているため、V形状の溝を形成する等、特別な機械加工を不要とすることができる。また、このような機械加工を不要とし、磁性部材80,81をチェーン20に取り付けるとともに、マグネット90,91をチェーン積載面32,42に取り付けるだけでよいため、全体として歩留まりを向上させることができる。ひいては、ケーブル巻取装置の製造コストを小さくすることが可能になる。
【0052】
また、チェーン20が、磁性部材80,81とマグネット90,91との吸引力によって、チェーン積載面32,42に積載されているため、ガイド機構部を介して配置されているチェーンよりも、重量を軽くすることができるとともに、コンパクトにすることができる。ひいては、チェーン20の軽量化、コンパクト化に伴って、旋回側フレーム40を小さなトルクで旋回させることが可能になり、旋回側フレーム40のアーム44に接続されるモータユニットを小さい出力のものにすることができる。
【0053】
また、磁性部材80,81、マグネット90,91は、それらの吸引面80a,81a,90a,91aがZ軸方向に対して傾斜して配置されているとともに、吸引面90a,91aは、互いに対向している。このため、チェーン20の巻き取りに伴って、チェーン20のケーブル保持ユニット50が、固定側フレーム30から旋回側フレーム40に移動した場合や、旋回側フレーム40から固定側フレーム30に移動した場合に、ケーブル保持ユニット50が、固定側フレーム30や旋回側フレーム40の半径方向等にずれることなく、チェーン積載面32,42に積載される。
【0054】
例えば、図21(A)に示すように、磁性部材80,81、マグネット90,91は、それらの吸引面80a,81a,90a,91aが水平に配置されている場合、ケーブル保持ユニット50が、固定側フレーム30の半径方向等にずれていると、そのずれが生じたまま、ケーブル保持ユニット50が、チェーン積載面32に積載されてしまう。そして、このずれが累積することにより、チェーン20が、チェーン積載面32から脱落してしまうおそれがある。特に、ケーブル11の巻取りを繰り返すことにより、ずれが累積して、チェーン20が、チェーン積載面32から脱落するおそれが大きくなる。
【0055】
これに対して、本発明の実施の形態においては、磁性部材80,81、マグネット90,91は、それらの吸引面80a,81a,90a,91aがZ軸方向に対して傾斜して配置されているため、図21(B)に示すように、ケーブル保持ユニット50が、固定側フレーム30や旋回側フレーム40の半径方向等にずれていても、傾斜している吸引面90a,91aに案内されて、半径方向等のずれを修正しつつ、チェーン積載面32,42に積載される。具体的には、図21(C)に示すように、吸引面80aに貼り付けられた樹脂シート82の+Y側の端部86が、吸引面90aの−Y側の端部96よりも+Y側にある場合は、ケーブル保持ユニット50が、傾斜している吸引面90aに案内されて、+Y方向に移動して、ずれを修正しつつ、チェーン積載面32に積載される。ひいては、ずれの累積により、チェーン20が、チェーン積載面32,42から脱落してしまうおそれもない。
【0056】
また、本発明の実施の形態の磁性部材80,81の吸引面80a,81aには、フッ素樹脂からなる樹脂シート83,84が貼り付けられている。このため、磁性部材80,81の吸引面80a,81aと、マグネット90,91の吸引面90a,91aとの間の摩擦係数が小さくなる。これにより、磁性部材80,81が、マグネット90,91に対して、滑りやすくなり、ケーブル保持ユニット50が、固定側フレーム30や旋回側フレーム40の半径方向等にずれていても、傾斜している吸引面90a,91aに案内されやすくなる。また、ずれの累積により、チェーン20が、チェーン積載面32,42から脱落してしまうおそれもなくなる。
【0057】
また、本発明の実施の形態においては、磁性部材80,81が、ケーブル保持ユニット50に取り付けられるとともに、マグネット90,91が、チェーン積載面32,42に取り付けられている。したがって、チェーン積載面32,42上を移動するケーブル保持ユニット50に、マグネット90,91よりも軽い磁性部材80,81が取り付けられる。このため、ケーブル保持ユニット50が、チェーン積載面32,42からずれにくくなる。また、ずれの累積により、チェーン20が、チェーン積載面32,42から脱落してしまうおそれもなくなる。
【0058】
また、本発明の実施の形態においては、上側プレート52のX軸方向における長さL1が、リンクボールユニット21同士の間のピッチPよりも小さい。また、下側プレート53のX軸方向における長さL2が、ピッチPと同等である。したがって、チェーン20は、+Z側にのみ折れ曲がり、−Z側には折れ曲がらない。これにより、ケーブル保持ユニット50が、チェーン積載面32,42からずれにくくなる。また、ずれの累積により、チェーン20が、チェーン積載面32,42から脱落してしまうおそれもなくなる。
【0059】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態等によって限定されるものではない。
【0060】
例えば、本発明の実施の形態においては、チェーン20のケーブル保持ユニット50には、磁性部材80,81が取り付けられており、固定側フレーム30及び旋回側フレーム40のチェーン積載面32,42には、マグネット90,91が取り付けられている。しかしながら、これに限らず、ケーブル保持ユニット50に、マグネットが取り付けられ、チェーン積載面32,42に、磁性部材が取り付けられていてもよい。また、ケーブル保持ユニット50とチェーン積載面32,42とに、マグネットが取り付けられていてもよい。
【0061】
また、本発明の実施の形態においては、固定側フレーム30及び旋回側フレーム40のチェーン積載面32,42には、マグネット90,91が取り付けられているが、これに限らず、チェーン積載面32,42に、マグネット90,91が埋め込まれていてもよいし、チェーン積載面32,42自体を、強磁性体として構成してもよい。
【0062】
また、本発明の実施の形態において、樹脂シート83,84は、磁性部材80,81の吸引面80a,81aに貼り付けられているが、マグネット90,91の吸引面90a,91aに貼り付けられていてもよい。または、すべての吸引面80a,81a,90a,91aに貼り付けられていてもよい。
【0063】
また、本発明の実施の形態において、樹脂シート83,84は、フッ素樹脂からなっているが、これに限らず、吸引面80a,81aと吸引面90a,91aとの間の摩擦係数を小さくできる別の素材で形成してもよい。
【0064】
また、本発明の実施の形態において、旋回側フレーム40は、ガイド機構部15を介して、旋回可能に固定側フレーム30に支持されているが、これに限らず、ベアリングを介して、旋回可能に固定側フレーム30に支持されていてもよい。
【0065】
また、本発明の実施の形態において、磁性部材80,81、マグネット90,91は、それぞれ2つずつ配置されているが、これに限らず、1つずつでもよいし、3つずつ以上でもよい。
【0066】
また、本発明の実施の形態において、チェーン積載面32,42は、円環状に形成されているが、これに限らず、一部が開いていてもよい。また、このような一部が開いている場合でも、本発明においては、円環状とする。
【0067】
実施の形態2.
また、本発明の実施の形態においては、磁性部材80,81の吸引面80a,81aの傾斜角度、マグネット90,91の吸引面90a,91aの傾斜角度は、それぞれ45度である。しかしながら、これに限らず、図22に示すように、吸引面80a,81a,90a,91aの傾斜角度は、55度であってもよいし、異なる角度であってもよい。このように、45度とは異なる角度であっても、本発明の実施の形態2に係るケーブル巻取装置は、ずれを修正でき、チェーン20の構造が簡素になり、製造コストを小さくできる。この場合、例えば、吸引面90aに垂直な直線94と、吸引面91aに垂直な直線95とは、Z軸方向にチェーン積載面32,42を掃引した空間(チェーン積載面32,42の上方又は下方の空間)で交わることが好ましい。さらには、吸引面80a,81a,90a,91aの傾斜角度は、45度であることが好ましい。また、吸引面80a,90aの傾斜角度が、45度であり、吸引面81a,91aの傾斜角度が、55度であるなど、吸引面80a,90aの傾斜角度と、吸引面81a,91aの傾斜角度とが、異なる角度であってもよい。この場合においても、本発明の実施の形態2に係るケーブル巻取装置は、ずれを修正でき、チェーン20の構造が簡素になり、製造コストを小さくできる。
【0068】
実施の形態3.
また、本発明の実施の形態においては、磁性部材90,91の吸引面90a,91aは、互いに対向している。しかしながら、これに限らず、図23に示すように、吸引面90a,91aではなく、磁性部材80,81の吸引面80a,81aが、互いに対向するように形成されていてもよい。この場合においても、本発明の実施の形態3に係るケーブル巻取装置は、ずれを修正できるとともに、チェーン20の構造が簡素になり、製造コストを小さくできる。
【0069】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0070】
10 ケーブル巻取装置
11 ケーブル
13、14 端子ユニット
15 ガイド機構部
15a、15b 溝
15c 転動体
20 チェーン
21 リンクボールユニット
22 ボール部
22a 軸部
23 ホルダ部
29 ボルト
30 固定側フレーム(固定部材)
30a、40a 貫通孔
31、41 フランジ部
32 チェーン積載面
33、43 カバー
40 旋回側フレーム(旋回部材)
42 チェーン積載面
44 アーム
50 ケーブル保持ユニット
51 ケーブル保持部材(保持部材)
51a 保持孔
51b、51c 凸部
52 上側プレート(第1プレート)
52a 突出部
52b 貫通孔
52c 側面
52d 凹部
53 下側プレート(第2プレート)
53a 突出部
53b 貫通孔
53c 側面
53d 凹部
54、55 ボルト
60 外側連結部材(連結部材)
60a、60b、60c ボルト孔
61、62 突出部
61a、62a 貫通孔
62b 座ぐり穴
62c 溝
70 内側連結部材(連結部材)
70a、70b、70c ボルト孔
71、72 突出部
71a、72a 貫通孔
72b 座ぐり穴
72c 溝
80、81 磁性部材(第1磁性部材)
80a、81a 吸引面
82、83 樹脂シート
84、85 ボルト
86、96 端部
90、91 マグネット(第2磁性部材)
90a、91a 吸引面
92、93 マグネットアーム
94、95 直線
100 観測ユニット
100a、100b ケーブル
101 観測部
A 旋回軸
R1、R2 曲率半径
θ1、θ2 角度
W1、W2、L1、L2 長さ
P ピッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円環状に形成された第1チェーン積載面を備え、巻取対象のケーブルの一端部が固定される固定部材と、
前記第1チェーン積載面に対向して配置された円環状の第2チェーン積載面を備え、前記第2チェーン積載面が形成する円環の中心軸を中心に前記固定部材に対して旋回可能に支持され、巻取対象の前記ケーブルの他端部が固定される旋回部材と、
前記ケーブルをそれぞれ保持する複数の保持部材と、前記保持部材を一部が開放された円環状に連結する連結部材と、から構成され、その形状に沿って巻取対象の前記ケーブルを支持するチェーンと、
を備え、
前記チェーンと、前記第1チェーン積載面及び前記第2チェーン積載面と、の一方は磁気を有し、他方は強磁性または前記一方の磁気と吸引する磁気を有し、
前記チェーンの少なくとも一端部が吸引力により前記第1チェーン積載面に積載され、折り返されて、少なくとも他端部が吸引力により前記第2チェーン積載面に積載された上で、前記旋回部材に固定されているケーブル巻取装置。
【請求項2】
前記チェーンは、第1磁性部材を備え、
前記第1チェーン積載面及び前記第2チェーン積載面は、前記第1磁性部材と吸引する第2磁性部材を備える請求項1に記載のケーブル巻取装置。
【請求項3】
前記第1磁性部材には、第1吸引面が形成され、
前記第2磁性部材には、前記第1吸引面に吸引される第2吸引面が形成され、
前記第1吸引面及び前記第2吸引面は、前記第1チェーン積載面及び前記第2チェーン積載面に対して傾斜する傾斜面として構成されている請求項2に記載のケーブル巻取装置。
【請求項4】
前記第2吸引面は、複数の面から構成されるとともに、円環状に形成された前記第1チェーン積載面及び前記第2チェーン積載面の内周及び外周に沿って形成され、
前記第1吸引面は、複数の面から構成されるとともに、前記チェーンが、前記第1チェーン積載面及び前記第2チェーン積載面に積載された場合に、前記第2吸引面に吸引するように、前記チェーンの長手方向に沿って形成されている請求項3に記載のケーブル巻取装置。
【請求項5】
前記第1チェーン積載面及び前記第2チェーン積載面の内周に沿って形成された前記第1吸引面と、外周に沿って形成された前記第1吸引面とは、それぞれの面に垂直な方向が、前記第2チェーン積載面が形成する前記円環の中心軸方向に前記円環を掃引した空間で交わるように形成されている請求項4に記載のケーブル巻取装置。
【請求項6】
前記第1吸引面と前記第2吸引面との少なくともいずれか一方には、前記第1吸引面と前記第2吸引面との間の摩擦係数を低減させる摩擦係数低減部材が取り付けられている請求項3乃至5のいずれか一項に記載のケーブル巻取装置。
【請求項7】
前記第1磁性部材は、着磁された強磁性体から構成され、
前記第2磁性部材は、マグネットから構成されている請求項2乃至6のいずれか一項に記載のケーブル巻取装置。
【請求項8】
前記チェーンは、前記保持部材に固定され、前記チェーンの折り返される内側に配置される第1プレートを有し、
前記チェーンの長さ方向における前記第1プレートの寸法は、前記連結部材同士のピッチよりも小さい請求項1乃至7のいずれか一項に記載のケーブル巻取装置。
【請求項9】
前記チェーンは、前記保持部材に固定され、前記チェーンの折り返される外側に配置される第2プレートを有し、
前記チェーンの長さ方向における前記第2プレートの寸法は、前記連結部材同士のピッチと同等である請求項1乃至8のいずれか一項のケーブル巻取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−43765(P2013−43765A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184187(P2011−184187)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】