説明

ケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置、その制御方法及び制御プログラム

【課題】プラント設計の初期計画時であっても、ケーブル格納部品の配置用のルートである三次元配置調整CADデータを容易、かつ、迅速に作成する。
【解決手段】エリア作成手段410は、最小及び最大座標から所定の直方体エリアを作成する。ケーブル情報取得手段420は、ケーブル仕様、始点情報、経由情報、終点情報等のケーブルに関する情報を取得する。ルート作成手段430は、経由エリアを介して始点のエリアと終点のエリア間のケーブル格納部品ルートを作成する。ルート集約手段440は、同一のケーブル仕様、始点情報、経由情報、終点情報を有するルートを1つにまとめる。三次元変換手段480は、このルートに所定の幅・高さを有する断面を付加することで、三次元ケーブル格納部品ルートモデルを作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル仕様、経由情報等の記載されたケーブルリストを利用することで、ケーブルトレイ、ケーブルラック、ダクトバンク、電線管等であるケーブル格納部品のプラント内の配置ルートである三次元配置調整CADデータを簡易に作成する装置、その制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、火力、原子力、水力プラント内に設置されるケーブルトレイ、ケーブルラック、ダクトバンク、電線管等であるケーブル格納部品の配置計画は、プラント自体の設計時に作成される。特に、このケーブル格納部品の配置計画は、データ入力、その後の下流展開、及び管理の利便性等から三次元配置調整CADにより作成されるのが一般的である。
【0003】
この三次元配置調整CADでは、配置計画として、ケーブルの電圧、種別、芯数等であるケーブル仕様が記憶されたケーブルリストと、プラントの全体計画に相当する基本設計図であるプロットプランと、発電用タービン設備が納められた建屋において機器、電気盤や制御盤等の所在が詳細に記載された機器配置図と、を用いて、プラント内におけるケーブル格納部品の三次元ルートが作成される。
【0004】
具体的には、プロットプランや機器配置図を基にして、ケーブル格納部品の設計者は、三次元配置調整CADを通じて、三次元仮想空間上にケーブル格納部品の直線、曲がり部、分岐部の三次元CADパーツを経験や勘に基づき配置する。そして、この配置した各パーツを結合することによりケーブル格納部品の三次元ルートを作成する。
【0005】
なお、従来では、詳細に作成された二次元CADデータであるケーブル格納部品の配置計画を基に、三次元CADデータに変換する発明が提案されている(特許文献1〜3参照)。また、予め与えられたケーブル格納部品の配置ルートを基に、当該ケーブル格納部品を三次元CADにより入力する発明や(特許文献4参照)、予めケーブル格納部品のルートと断面サイズが決められた状況下において、当該ケーブルのルートを選定する発明が提案されている(特許文献5、6参照)。さらに、単線結線図、電路布設図、機器配置図が独立して詳細に作成された場合に、電線の適切なルートを算出する発明も提案されている(特許文献7)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−13838号
【特許文献2】特開2003−157289号
【特許文献3】特開平6−309418号
【特許文献4】特開2001−177934号
【特許文献5】特開2007−52495号
【特許文献6】特開2006−195544号
【特許文献7】特開2007−257136号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記の通り、ケーブル格納部品の配置計画は、設計者の経験や勘を基に、三次元配置調整CADにより行われるため、設計に多大な時間を要し、特にプラント設計の初期計画時に作成することができないでいた。そのため、プラント設計の初期計画時におけるケーブル格納部品の配置計画の遅延が、他の所掌の遅延の元になり、それ故、各々の所掌の下流工程への遅延の要因にもなっていた。
【0008】
また、プラント設計の初期計画時において、ケーブル格納部品のルートが確定しないことにより、中に納められるケーブルの物量を集計することができず、同時に、ケーブル格納部品と、そのハンガーサポートの物量も集計することができないので、用意する物量と実際に必要な物量との間に顕著な差が生じていた。
【0009】
なお、上記特許文献1〜3に係る発明は、いずれも詳細に作成された二次元CADデータであるケーブル格納部品の配置計画に基づいて三次元CADデータを作成しているが、既に、二次元CADデータが与えられる条件を必須とするため、プラント設計の初期計画の段階で当該三次元データが作成されるわけではない。また、上記特許文献4〜6に係る発明は、ケーブル格納部品の配置ルートが予め決められた状況下における提案であり、上記特許文献7に係る発明は、単線結線図、電路布設図、機器配置図が独立して詳細に作成された場合を条件とするため、プラント設計時の初期計画段階の作成を想定するものではない。
【0010】
本発明は、上記のような課題を解消するために提案されたものであって、その目的は、プラント設計の初期計画時であっても、ケーブル格納部品の配置用のルートである三次元配置調整CADデータを容易、かつ、迅速に作成するケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置、その制御方法及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達成するために、本発明は、プラント内に設けられるケーブルを格納するケーブル格納部品の配置を三次元CADにより設計するケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置であって、所定の直方体エリアを構成する最小及び最大座標が記憶されたエリア座標ファイルと、前記ケーブルの仕様、始点データ、経由データ、終点データを含むケーブルデータが記憶されたケーブルリストファイルと、前記エリア座標ファイルから最小及び最大座標を読み出し、所定の直方体エリアを作成するエリア作成手段と、前記ケーブルリストファイルから前記ケーブルデータを取得するケーブルデータ取得手段と、前記エリア作成手段により作成される所定の直方体エリアと、前記ケーブルデータ取得手段により取得したケーブルデータと、に基づいて、ケーブル毎に、前記経由データに対応するエリアを介して前記始点データに対応するエリアと前記終点データに対応するエリア間を繋ぐ、ケーブル格納部品の配置用のケーブル格納部品ルートを作成するルート作成手段と、前記ルート作成手段により作成されたケーブル格納部品ルートのうち、ケーブの仕様、始点データ、経由データ、終点データを共通にするルートを1つのルートにまとめるルート集約手段と、前記ルート集約手段によりまとめられたケーブル格納部品ルートに所定の断面を与えることで三次元モデルに変換する三次元モデル変換手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上のような本発明によれば、ケーブルリストファイルからのケーブル仕様等のケーブルデータを利用し、かつ、同一のケーブル仕様、始点データ等のケーブル格納部品ルートを同一ルートとして1つにまとめることができるので、プラント設計の初期時であっても、容易かつ迅速に当該ケーブル格納部品ルートである三次元配置調整CADデータを作成することが可能なケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置、その制御方法及び制御プログラムを提供することができる。ケーブル格納部品ルートがプラント設計の初期段階で作成されることにより、ケーブル格納部品の適切な物量集計、調達、製作が可能となり、さらに、ケーブル格納部品内に納められるケーブルの物量集計、手配も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る全体構成例を示す機能ブロック図
【図2】本発明の実施形態に係るケーブルリストファイルの構成を示す図
【図3】本発明の実施形態に係るエリア座標ファイルの構成を示す図
【図4】本発明の実施形態に係る所定の直方体エリアを示す図
【図5】本発明の実施形態に係る制御部のケーブル格納部品ルート作成手段により作成されたケーブル格納部品ルートを示す図
【図6】本発明の実施形態に係るエリア内の機器への取り合い設定を示す図
【図7】本発明の実施形態に係る制御部のルート集約手段によるケーブル格納部品ルートの集約を示す図
【図8】本発明の実施形態に係る制御部のルート補正手段によるルート補正を示す図
【図9】本発明の実施形態に係る制御部のxyz成分変換手段によるケーブル格納部品ルートのxyz成分変換図
【図10】本発明の実施形態に係る制御部の三次元変換手段によるケーブル格納部品ルート断面への幅・高さ・段差の付加を示す図(幅・高さ・段差付加手段)
【図11】本発明の実施形態に係る制御部の三次元変換手段の軌跡線表示手段による断面の軌跡線表示を示す図及び及びくり抜き表示手段によるくり抜き処理を示す図
【図12】本発明の実施形態に係る制御部の三次元変換手段の曲げ部品挿入手段による曲げ部品の挿入図
【図13】本発明の実施形態に係る制御部による処理済のケーブルリストファイルの構成を示す図
【図14】本発明の実施形態に係る制御部の三次元ケーブル格納部品ルートモデルの作成手順を示すフローチャート
【図15】本発明の実施形態に係る初期設定時の入力画面を示す図
【図16】本発明の実施形態に係るケーブルリストファイルの一例を示す図
【図17】本発明の実施形態に係る始点エリア、経由エリア、終点エリアを示す三次元CAD図
【図18】本発明の実施形態に係る始点エリア及び始点機器を示す三次元CAD図
【図19】本発明の実施形態に係る終点エリア及び終点機器を示す三次元CAD図
【図20】本発明の実施形態に係る三次元ケーブル格納ルートモデルを示す三次元CAD図
【発明を実施するための形態】
【0014】
[本実施形態]
[1.構成]
次に、本実施形態に係るケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置の構成について図1〜13を参照して以下に説明する。なお、図1は、本発明のシステム構成を示す機能ブロック図である。
【0015】
図1に示す通り、本発明は、ケーブルの仕様等が記憶されたケーブルリストファイル100と、ケーブル仕様に応じたケーブルの断面積が記憶されたケーブル仕様ファイル200と、所定の直方体エリアを構成する座標が記憶されたエリア座標ファイル300と、各種機能を実行する制御部400と、から構成されている。
【0016】
[1.1.ケーブルリストファイル、ケーブル仕様ファイル、エリア座標ファイル]
ケーブルリストファイル100は、図2に示すように、ケーブル仕様、始点情報(「始点データ」に対応)、経由情報(「経由データ」に対応)、終点情報(「終点データ」に対応)から構成される。
【0017】
ここで、ケーブル仕様は、ケーブル番号、適合ケーブル格納部品、電圧、種別、芯数、サイズ、システム等のケーブルの仕様情報であり、特に、適合ケーブル格納部品とは、ケーブル毎の適当なケーブル格納部品であり、系統別の格納部品への仕向け先が記憶されている。始点情報は、所定の領域を示すエリア番号、当該エリア内に位置する建屋番号、当該建屋内に位置する機器(盤)番号、機器(盤)への取り合い方向等のケーブルの始点に関する情報である。
【0018】
経由情報は、ケーブルルート中の経由エリアであり、例えば、経由エリア1、経由エリア2、経由エリア3、経由エリア4、経由エリア5等のエリアが記憶されている。終点情報は、所定の領域を示すエリア番号、当該エリア内に位置する建屋番号、当該建屋内に位置する機器(盤)番号、機器(盤)への取り合い方向等のケーブルの終点に関する情報である。
【0019】
ケーブル仕様ファイル200は、ケーブル仕様に応じたケーブルの断面積が記憶されている。このケーブルの断面積は、図2に示す通り、ケーブルリストファイル100において、ケーブル仕様ファイル200が接続され、適合ケーブル格納部品、電圧、種別、芯数、サイズ等のケーブル仕様に基づいて、当該ケーブル仕様ファイル200から検索することで取得される。なお、予めケーブルリストファイル100にケーブルの断面積を記憶しておくことも可能である。
【0020】
エリア座標ファイル300は、図3に示す通り、リスト形式を利用して、エリア番号と、そのエリアを構成する最小点座標(X1,Y1,Z1)と最大点座標(X2,Y2,Z2)が記憶されている。この最小点座標と最大点座標から、図4のように、三次元仮想空間上における直方体のエリアが構成される。
【0021】
なお、エリア座標ファイル300に記憶された座標から構成されるエリアとは、対象物を囲む範囲であるため、その対象は機器、電気盤、制御盤、建屋、設備の範囲、所掌の範囲、系統の範囲、その他の論理的な範囲等、何であっても構わない(以下では、最も大きい範囲として設備の範囲、その中に建屋の範囲、建屋の中に機器や盤の範囲があるものとする)。
【0022】
以上のケーブルリストファイル100、ケーブル仕様ファイル200、エリア座標ファイル300は、入力元の情報であり、スプレッドシート型、テキスト型、データベース型のいずれでも構わないが、いずれも他のアプリケーションから読み込むことを可能とする。
【0023】
[1.2.制御部]
次に、制御部400は、下記の各種機能を実行する手段と、ケーブルリストファイル100、ケーブル仕様ファイル200、エリア座標ファイル300に記憶されたデータを読むためのグラフィックインターフェイス、あるいはバッチ処理の手段を有している。
【0024】
制御部400は、まず、エリア座標ファイル300からエリア番号、最小点座標及び最大点座標を読み込むことで、三次元仮想空間上に所定のエリアを作成するエリア作成手段410を有している。このエリア作成手段410は、当該エリアを構成する共に、図4に示すような、当該エリアの各面の中央にケーブル格納部品ルートの接続用の代表点を指定する。
【0025】
また、制御部400は、ケーブルリストファイル100及びケーブル仕様ファイル200からケーブルに関する情報を取得するケーブル情報取得手段420(「ケーブルデータ取得手段」に対応)を有している。このケーブル情報取得手段420は、ケーブルリストファイル100に記憶されたケーブ仕様等の情報を取得するケーブルリスト情報取得手段421と、ケーブルリストファイル100から取得したケーブル仕様に対応する当該ケーブルの断面積情報をケーブル仕様ファイル200から取得する断面積情報取得手段422と、を有している。
【0026】
さらに、例えば、ケーブル格納部品の配置設計のケーブル毎の処理優先順序がケーブルリストファイル100に記憶されている場合には、当該優先順序を考慮して処理順を設定する処理順設定手段423も有している。
【0027】
また、制御部400は、始点情報と終点情報間(始点の機器(盤)と終点機器(盤)間)に配置するケーブル格納部品のルートを作成するルート作成手段430を有している。このルート作成手段430は、図5に示す通り、ケーブル情報取得手段420により取得されたケーブルに関する情報を基に、所定のエリア内の始点情報に対応した機器(盤)と所定のエリア内の終点情報に対応した機器(盤)とを繋ぐ、ケーブル格納部品のルートを作成する。
【0028】
例えば、図5のように、ケーブル番号01は、始点であるエリア1の機器(盤)Aから、終点であるエリア4の機器(盤)Xへ接続される。また、ケーブル番号02は、始点であるエリア1の機器(盤)Bから、終点であるエリア4の機器(盤)Yへ接続される。ケーブル番号03は、始点であるエリア1の機器(盤)Cから、終点であるエリア4の機器(盤)Zへ接続される。
【0029】
ここで、ルート作成手段430は、各エリア間が最短距離になるようルートを作成するため、ケーブル番号01、02、03は、所定の直方体を形成するエリア1の同じ代表点から、エリア4の同じ代表点を通過するよう繋がれる。すなわち、図5の例では、ケーブル01〜03は、始点のエリアと終点のエリアを共通にするので、エリア1からエリア4に至るケーブル格納部品のルートは軌跡を同じにする。
【0030】
また、アイソレーションや高圧モータ用ケーブルは、他のケーブルのルートによっては電磁誘導を誘発する原因となるため、ルート作成手段430は、ケーブル情報取得手段420でケーブルリストファイル100から取得したケーブル仕様のケーブル種別を基に、このようなケーブルに対して、例えば「離す」、「直行させる」等により、電磁誘導を回避するケーブル格納部品のルートを作成する。
【0031】
このケーブル格納ルート作成手段430は、さらに、ケーブル格納部品ルートを作成するに際し、図6に示す通り、エリア内の機器(盤)への取り合い方向を設定する機能を有している。具体的には、この取り合い設定機能は、ケーブル格納部品ルートの作成の際に、ケーブル情報取得手段420でケーブルリストファイル100から取得した始点、終点情報に対応した取り合い方向に基づいて、当該取り合い方向が上方であればエリア内の機器(盤)に対して上方からケーブル格納部品を接続し、あるいは下方であれば下方から機器(盤)に対してケーブル格納部品を接続するよう設定する。
【0032】
制御部400は、また、ケーブル格納ルート作成手段430により作成されたケーブル毎のルートに対して、そのケーブルの仕様、始点・経由・終点エリアを同一とするルートを1つのルートにまとめるルート集約手段440を有している。例えば、図7に示すように、ケーブル情報取得手段420でケーブルリストファイル100から取得したケーブル番号01〜03のケーブルは、同一の仕様であり、また、始点のエリア1、経由エリア2、経由エリア3、終点のエリア4も同一であるため、ルート集約手段440は、このケーブル毎にルート作成手段430により作成されたケーブル格納部品ルートを同一ルートとして1つにまとめる。
【0033】
なお、これらのケーブルは、ルート作成手段430により作成されるルートの接続箇所であるエリア1、エリア4の代表点も共通にするため、より詳細には、ルート集約手段440は、エリア1の代表点からエリア4の代表点に至るまでを同一のケーブル格納部品のルートで繋ぎ、エリア1及びエリア4の内部においては、各ルートが分離して各々対応する機器(盤)へ接続される。
【0034】
さらに、制御部400は、ルート集約手段440により同一ルートにまとめられたケーブルの総断面積を算出する断面積算出手段450を有している。すなわち、この断面積算出手段450は、ケーブル情報取得手段420によりケーブルリストファイル100及びケーブル仕様ファイル200を通じて取得された各ケーブルの断面積のうち、前記ルート集約手段400が同一ルートにまとめた際の対象となるケーブルの当該断面積の総和を算出する。
【0035】
また、制御部400は、ルート集約手段440により1つにまとめられたケーブル格納部品ルートを、経由エリアの面の選択条件を考慮して、始点のエリアと経由エリア間、経由エリア間、経由エリアと終点のエリア間が最短距離となるよう補正するルート補正手段460を有している。具体的には、このルート補正手段460は、作成されたケーブル格納部品ルートを、図8に示す通り、当該ルートが経由する経由エリア2、3内において、当該経由エリア2、3の断面積が小さい面間を直線的に通過するよう補正する。
【0036】
実際には、ルート補正手段460は、図8のように、各経由エリアのルートが通過する面にケーブル格納部品接続用の所定距離を有するアームを設け、当該アームに対して上記ルートを構成するケーブル格納部品を接続する。アームの距離等を含む形状は、例えば、ケーブルリストファイル100に予め設定されている。
【0037】
なお、同一のケーブル仕様等を有さないケーブル格納ルートは、ルート作成手段430により作成されたケーブル格納部品ルートに対して、このような補正が施される。また、ルート作成手段430により作成されたケーブル格納部品ルートに経由エリアを有しない場合には、始点のエリアと終点のエリア間で最短距離となるエリアの面を選択し、当該面上にケーブル格納部品が接続される。
【0038】
なお、このルート補正手段460においても、ルート上の電磁誘導を回避するために、ケーブル情報取得手段420でケーブルリストファイル100から取得したケーブル仕様のケーブル種別を基に、そのようなケーブルに対して、例えば「離す」、「直行させる」等によりケーブル格納部品ルートを作成することが可能である。
【0039】
制御部400は、2つのエリア間のケーブル格納部品ルートをxyzの三成分を用いたルートに変換するxyz成分変換手段470を有している。また、このxyz成分変換手段470は、ルート集約手段440によりまとめられたケーブル格納部品ルートが経由エリアを有することで、複数のエリア間が存在する場合には、各エリア間のxyz成分に変換したケーブル格納部品ルートを組み合わせる。
【0040】
具体的には、xyz成分変換手段470は、ルート補正手段460により補正されたケーブル格納部品の各エリア間を、図9に示す通り、自動でxyz成分方向の配置に変換する。すなわち、ルート補正手段460によりエリア間の最短ルートは求められているので、当該最短ルートに応じたエリア毎の面の代表点を結ぶようxyzの三成分を用いてケーブル格納部品のルートが作成される。
【0041】
ここで、xyz成分変換手段470は、x−y成分は連続で配置し、z成分は分割して当該X−Y成分の両端に配置するようケーブル格納部品ルートをxyz成分に変換する。これは、プラント設計において、x−y成分は、ある階面中に位置するケーブル格納部品ルートに対応し、ここではケーブル格納部品の量も多いため当該x−y成分は連続で配置する必要が生じ、z成分は、プラント内の階面をまたぐルートに対応するから、分割してx−y成分の両端に配置している。
【0042】
また、制御部400は、xyz成分変換手段470により変換されたエリア間のケーブル格納部品ルートを、三次元CADデータのモデル(「三次元ケーブル格納部品ルートモデル」とも称する)に変換する三次元モデル変換手段480を有している。この三次元モデル変換手段480は、具体的には下記のような機能を有している。
【0043】
まず、断面積算出手段450により算出されたケーブルの断面積の総和を、ケーブル占有率で除算することで、ケーブル格納部品の断面積を算出するケーブル格納部品断面積算出手段481を有している。なお、ケーブル占有率とは、ケーブル格納部品の断面に対して、ケーブル断面積が占有する割合であり、エンジニアリング上、ケーブル仕様として設定される値である。
【0044】
また、この三次元モデル変換手段480は、図10に示すように、ケーブル格納部品断面積算出手段481により算出されたケーブル格納部品の断面積に応じて、ケーブル格納部品のルート断面に幅、高さ、段差を付加する幅・高さ・段差付加手段482を有している。この幅・高さ・段差付加手段482は、ケーブル格納部品断面積算出手段481により算出されたケーブル格納部品の断面積を基に、ケーブル格納部品ルートの断面に付加する幅、高さ、必要である場合には段数を算出し、それをルート断面の形状として付加する。
【0045】
具体的には、図10(a)に示すように、初期設定時に、断面の幅・高さ共に固定に設定した場合には、設定した高さ(固定)、幅(固定)を断面に与え、三次元CADデータ化する。この場合、幅、高さ共に固定の値であり、段数も一段であるため、断面積に関係なく、当該幅、高さがルート断面に付加される。
【0046】
一方、幅が固定で高さを断面積から計算する場合には、図10(b)に示す通り、ケーブル格納部品断面積算出手段481により算出されたケーブル格納部品の断面積を、設定した幅(固定)で割ることにより、高さ(可変)を算出し、当該幅(固定)及び高さ(可変)をケーブ格納部品ルートの断面に付加する。
【0047】
また、高さ固定で幅を断面積から計算する場合には、図10(c)に示す通り、ケーブル格納部品断面積算出手段481により算出されたケーブル格納部品の断面積を、設定した高さ(固定)で割ることにより、幅(可変)を算出し、当該幅(可変)及び高さ(固定)をケーブ格納部品ルートの断面に付加する。
【0048】
さらに、幅・高さ固定で段数を断面積から計算する場合には、図10(d)に示す通り、ケーブル格納部品断面積算出手段481により算出されたケーブル格納部品の断面積を、設定した幅(固定)と高さ(固定)で割ることにより段数を算出し、初期設定時に設定したケーブル格納部品の間隔で、高さ(固定)、幅(固定)の各段のケーブル格納部品を配置する。
【0049】
また、ケーブル格納部品が電線管のような円断面を有する場合には、ケーブル格納部品断面積算出手段481により算出されたケーブル格納部品の断面積から直径を算出することで、当該直径を断面に付加する。
【0050】
さらに、三次元モデル変換手段480は、変換された三次元ケーブル格納部品ルートモデルのケーブル格納部品の断面に対して、軌跡線を表示する軌跡線表示手段483を有している。なお、この軌跡線表示手段483は、図11(a)に示す通り、初期設定時に軌跡線表示を設定している場合に、ケーブル格納部品の断面の中心、あるいは底面の中央に軌跡線を表示する。なお、表示箇所が断面の中心か底面の中心かは初期設定時に予め設定しておく必要がある。
【0051】
また、図11(b)のような実際のケーブル格納部品のように当該格納部品の内部をくりぬいて表すくりぬき表示手段484を有している。このくりぬき表示手段484は、ケーブル格納部品が円形断面なら内部をくり抜くため、中空円筒となる。この場合、ケーブル格納部品の厚さは、初期設定時に予め設定しておく必要がある。
【0052】
三次元モデル変換手段480は、さらに、幅・高さ・段数付加手段482により幅・高さ・段数が付加されたケーブル格納部品ルートの曲がり部に、指定の曲げ部品を挿入する曲げ部品挿入手段485を有している。より詳細には、曲げ部品挿入手段485は、三次元CADデータに変換された三次元ケーブル格納部品ルートモデルの曲がり部に対して、初期時に設定した曲げ半径の曲げ部品であるエルボ部品を自動挿入する。
【0053】
なお、この曲げ部品の曲げ半径は初期設定時に入力するが、鉛直や水平の曲げで、曲げ半径が異なる部品を挿入する必要があるため、図12に示すように、任意に形状及び曲げ半径を設定することができる。例えば、ケーブル格納部品が矩形断面の場合には角エルボ部品を挿入し、円断面の場合に円環体部品を挿入する。また、曲げ無しにも設定することができ、その場合は曲げ半径は与えられない。
【0054】
また、制御部400は、作成した三次元ケーブル格納部品ルートモデル、及びそのケーブル長を出力する出力手段490を有している。この出力手段490は、三次元ケーブル格納部品ルートモデルを外部へ出力するルート出力手段491と、ケーブル部品格納ルート全体のケーブル長を算出するケーブル長算出手段492と、この算出されたケーブル長に関する情報をケーブルリストファイル100に追加するケーブル長追加手段493を有している。ケーブル長追加手段493により三次元ケーブル格納部品ルートモデルのケーブル長が追加されたケーブルリストファイル100は図13に示す通りである。
【0055】
[2.作用]
次に、上記のような構成を有する本実施形態の作用について、発電所用機器を接続するケーブルのケーブル格納部品を例に挙げ、図14〜20を参照して、以下に説明する。なお、本制御部400によるケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータへの作成実行処理に際し、ユーザは、下記に示す初期設定を行う必要がある。
【0056】
すなわち、初期設定として、図15に示す通り、適用する入力ファイル、出力ファイル、処理条件を設定する。具体的には、ユーザは、図15の設定画面に示す通り、入力ファイルとして、ケーブルリストファイル、エリア座標ファイル、ケーブル仕様ファイルを指定する。また、出力ファイルとして、三次元ケーブル格納部品モデルファイル、ケーブルリストファイル(処理結果反映済み)、制御部400における処理過程を示す処理過程ログファイルを指定する。
【0057】
さらに、処理条件として、処理対象とするケーブル仕様を選択するための処理フィルタ、ケーブルの断面形状等を行う断面設定、ケーブル格納部品の曲げ部に挿入する曲げ部品の曲げ半径等の経路に関する設定、その他の設定を指定する。この処理フィルタとしては、適合するケーブル格納部品、電圧、ケーブル種別等のケーブル仕様があり、処理対象外となるものが任意に指定される。
【0058】
断面設定は、三次元CADデータに変換された際のケーブル格納部品の断面を設定するものであり、ケーブル占積率、断面の幅・高さの固定又は可変、ケーブル格納部品間の間隙、軌跡線表示やくりぬき表示等の断面の表現方法が指定される。経路設定では、三次元CADデータに変換されたケーブル格納部品のルートに関する設定が行われ、例えば、ルートの曲げ部に挿入する曲げ部品の水平の曲げ半径、鉛直の曲げ半径、エリア面からのアーム長、機器(盤)への取合い長が指定される。
【0059】
上記のような初期設定が行われた後に、下記の通り、制御部400において出力ファイルが作成される。まず、図14に示す通り、エリア作成手段410は、エリア座標ファイル300から所定のエリア番号、最小点座標及び最大点座標を読み込むことで、三次元仮想空間上に所定のエリアを作成する(S1401)。さらに、このエリア作成手段410は、作成したエリアの各面の中央(front-back,right-left,up-downの6箇所)にケーブル格納部品の接続用の代表点を指定する(S1402)。
【0060】
次に、ケーブル情報取得手段420において、ケーブルリスト情報取得手段421が、ケーブルリストファイル100からケーブルリストに記憶されたケーブ仕様、始点情報、終点情報等の情報を取得する(S1403)。また、断面積情報取得手段422が、ケーブルリストファイル100から取得したケーブルに対応する当該ケーブルの断面積情報をケーブル仕様ファイル200から取得する(S1404)。さらに、処理順設定手段423は、ケーブルリストファイル100に記憶されたケーブル毎の処理の優先順序に基づいて処理順を設定する(S1405)。
【0061】
そして、このようなケーブル情報取得手段420による処理が行われると、ルート作成手段430が、当該ケーブル情報取得手段420により取得されたケーブルに関する情報を基に、所定のエリア内の始点情報に対応した機器(盤)と所定のエリア内の終点情報に対応した機器(盤)とを繋ぐ、ケーブル格納部品の配置用のケーブル格納部品ルートを作成する(S1406)。ここで、当該ルート作成手段430は、ケーブル情報取得手段420でケーブルリストファイル100から読み出した始点及び終点情報に対応した取り合い方向に基づいて、当該取り合い方向が上方であればエリア内の機器(盤)に対して上方からケーブル格納部品を接続し、あるいは下方であれば下方から機器(盤)に対してケーブル格納部品を接続するようルートを作成する。
【0062】
ルート作成手段430によりケーブル毎のケーブル格納部品ルートが作成されると、ルート集約手段440は、同一のケーブルの仕様、始点・経由・終点エリアを有する当該ルートがあるかを判定し(S1407)、これらが同一のルートがあると判定した場合に(S1407のYES)、これらのルートを同一ルートとして1つにまとめる(S1408)。なお、ルート集約手段440による同一ルートの作成にはケーブル情報取得手段420で読み出した経由エリアも考慮されている。
【0063】
そして、ルート集約手段440により同一ルートにまとめられると、断面積算出手段450が、このまとめられたルートを構成するケーブルの総断面積を算出する(S1409)。すなわち、この断面積算出手段450は、ケーブル情報取得手段420によりケーブルリストファイル100及びケーブル仕様ファイル200を通じて取得された各ケーブルの断面積のうち、前記ルート集約手段400が同一ルートにまとめた際の対象となるケーブルの当該断面積の総和を算出する。
【0064】
なお、S1407において、同一のケーブルの仕様、始点・経由・終点エリアを有する当該ルートがないと判定された場合には(S1407のNO)、S1408及び1409の処理は行われない。
【0065】
そして、ルート補正手段460は、ルート集約手段440により1つにまとめられたケーブル格納部品ルートを、経由エリアの面の選択条件を考慮して、始点のエリアと経由エリア間、経由エリア間、経由エリアと終点のエリア間が最短距離となるよう補正する(S1410)。具体的には、このルート補正手段460は、作成されたケーブル格納部品ルートを、始点のエリアと経由エリア間、経由エリア間、経由エリアと終点のエリア間を最短距離とするために、経由エリア内では当該経由エリアの断面積が小さい面間を直線的に通過するよう補正する。なお、作成されたケーブル格納部品ルートに経由エリアを有しない場合には、始点のエリアと終点のエリア間で最短距離となるエリアの面を選択し、当該面上にケーブル格納部品が接続される。
【0066】
そして、xyz成分変換手段470は、ルート補正手段460により補正されたケーブル格納部品の各エリア間を、自動でxyz成分方向の配置に変換し、複数のエリア間が存在する場合には、各エリア間のxyz成分に変換したケーブル格納部品ルートを組み合わせる(S1411)。なお、ルート補正手段460によりエリア間の最短距離を考慮したルート補正がなされているので、xyz成分変換手段470は、エリア毎の面の代表点を繋ぐようxyz成分に変換されたエリア間のケーブル格納部品ルートをそれぞれ組み合わせる。
【0067】
次に、三次元モデル変換手段480は、xyz成分変換手段470により変換されたエリア間のケーブル格納部品ルートを、三次元CADデータのモデルに変換する(S1412〜S1418)。具体的には、まず、ケーブル格納部品断面積算出手段481が、断面積算出手段450により算出された1つのルートにまとめられたケーブルの断面積の総和を、ケーブル占有率で除算することで、ケーブル格納部品の断面積を算出する(S1412)。
【0068】
そして、幅・高さ・段差付加手段482が、ケーブル格納部品断面積算出手段481により算出されたケーブル格納部品の断面積に応じて、ケーブル格納部品のルート断面に幅及び高さ、さらに必要であれば段差を付加する(S1413)。すなわち、この幅・高さ・段差付加手段482は、ケーブル格納部品断面積算出手段481により算出されたケーブル格納部品の断面積を基に、ケーブル格納部品ルートの断面に付加する幅、高さ、必要である場合には段数を算出し、それをルート断面に付加する。
【0069】
次に、軌跡線表示手段483は、初期設定時の断面設定において、断面表現方法として、軌跡線表示が設定されているかを判定し(S1414)、軌跡線表示が設定されている場合には、幅・高さ・段数が付加されたケーブル格納部品ルートの断面の中心、あるいは底面の中央に軌跡線を表示する(S1415)。
【0070】
そして、くりぬき表示手段484は、初期設定時の断面設定において、断面表現方法として、くりぬき処理が設定されているかを判定し(S1416)、くりぬき処理が設定されている場合には、幅・高さ・段数が付加されたケーブル格納部品ルートの内部をくり抜いた状態で表示する(S1417)。さらに、三次元モデル変換手段480では、曲げ部品挿入手段485が、幅・高さ・段数付加手段482により幅・高さ・段数が付加されたケーブル格納部品ルートの曲がり部に、指定の曲げ部品を挿入する(S1418)。
【0071】
以上のS1401〜1418により、三次元CADデータのケーブル格納部品ルートである三次元ケーブル格納部品ルートモデルが作成され、ファイルとして出力手段490がこれを出力する(S1419)。
【0072】
また、図14には図示していないが、ケーブル長算出手段492は、この作成された三次元ケーブル格納部品ルートモデルのケーブル長を算出し、この算出されたケーブル長をケーブル長追加手段493が、ケーブルリストファイル100上に追加する。
【0073】
ここで、上記のように作成される三次元ケーブル格納部品ルートモデルの表示例を、順を追って、図16〜20を参照して、以下に説明する。なお、図16に示す実際のケーブルリストファイル100の通り、ケーブル仕様、始点のエリア、経由エリア1、2、終点のエリアを共通にするケーブルが6本あり、また、始点のエリアと当該エリア内の始点の機器(盤)を共通にし、終点の機器(盤)は終点エリア内に機器1〜5として各々設置されている状況を想定する。また、始点及び終点の取り合い方向を「下方」とする。
【0074】
まず、三次元CAD空間上において、ケーブル格納部品ルートが作成されていない状態では、図17の通り、始点のエリアと終点のエリアとの間に、経由エリア1と経由エリア2が存在する。この始点のエリアと始点の機器(盤)を鳥瞰図及び平面図で表すと図18の通りである。なお、この状況では、エリアにおける機器の位置が既に設定された状態を示している。また、図19では、終点のエリアと終点の機器(盤)が鳥瞰図及び平面図で表され、終点の機器(盤)1〜5の位置が、終点のエリア内に既に設定された状態を示している。
【0075】
そして、制御部400により作成された三次元ケーブル格納部品モデルを、三次元CADで表示すると図20に示す通りである。なお、ケーブル格納部品の断面の幅は固定、高さは可変、段数一段の条件で示している。ここでは、図16に示したケーブル仕様、始点のエリア、経由エリア、終点のエリアを共通にする6本のケーブルがまとめられることで同一のケーブル格納部品ルートとして表されている。始点の機器(盤)も共通しているため、始点の機器(盤)から始点のエリアまでも、一本のケーブルとしてまとめられている。
【0076】
また、図16のケーブルリストファイル100では、始点の機器(盤)の取り合いが「下方」となっていることから、ケーブル格納部品は、始点の機器(盤)に対して下方で取り合っている。さらには、まとめられた同一のケーブル格納部品ルートは、経由エリア1、経由エリア2の最小断面積を有する面間を直線で通過している。なお、終点のエリアの代表点に達したケーブル格納部品のルートは、終点の機器(盤)1〜5に到達するために、分離して各々の終点に向かっている。
【0077】
[3.効果]
以上のような本実施形態によれば、ケーブルリストファイルからのケーブル仕様等のケーブルデータを利用し、かつ、同一のケーブル仕様、始点データ等のケーブル格納部品ルートを同一ルートとして1つにまとめることができるので、プラント設計の初期時であっても、容易かつ迅速に当該ケーブル格納部品ルートである三次元配置調整CADデータを作成することが可能なケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置、その制御方法及び制御プログラムを提供することができる。ケーブル格納部品ルートがプラント設計の初期段階で作成されることにより、ケーブル格納部品の適切な物量集計、調達、製作が可能となり、さらに、ケーブル格納部品内に納められるケーブルの物量集計、手配も可能となる。これにより、ケーブル格納部品の設計業務の負荷が軽減し、同部品のより高品質の設計及び製作を実現することができる。
【符号の説明】
【0078】
100…ケーブルリストファイル
200…ケーブル仕様ファイル
300…エリア座標ファイル
400…ルート集約手段
400…制御部
410…エリア作成手段
420…ケーブル情報取得手段
421…ケーブルリスト情報取得手段
422…断面積情報取得手段
423…処理順設定手段
430…ルート作成手段
440…ルート集約手段
450…断面積算出手段
460…ルート補正手段
470…xyz成分変換手段
480…三次元モデル変換手段
481…ケーブル格納部品断面積算出手段
482…幅・高さ・段数付加手段
483…軌跡線表示手段
484…くり抜き表示手段
485…曲げ部品挿入手段
490…出力手段
491…ルート出力手段
492…ケーブル長算出手段
493…ケーブル長追加手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラント内に設けられるケーブルを格納するケーブル格納部品の配置を三次元CADにより設計するケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置であって、
所定の直方体エリアを構成する最小及び最大座標が記憶されたエリア座標ファイルと、
前記ケーブルの仕様、始点データ、経由データ、終点データを含むケーブルデータが記憶されたケーブルリストファイルと、
前記エリア座標ファイルから最小及び最大座標を読み出し、所定の直方体エリアを作成するエリア作成手段と、
前記ケーブルリストファイルから前記ケーブルデータを取得するケーブルデータ取得手段と、
前記エリア作成手段により作成される所定の直方体エリアと、前記ケーブルデータ取得手段により取得したケーブルデータと、に基づいて、ケーブル毎に、前記経由データに対応するエリアを介して前記始点データに対応するエリアと前記終点データに対応するエリア間を繋ぐ、ケーブル格納部品の配置用のケーブル格納部品ルートを作成するルート作成手段と、
前記ルート作成手段により作成されたケーブル格納部品ルートのうち、ケーブの仕様、始点データ、経由データ、終点データを共通にするルートを1つのルートにまとめるルート集約手段と、
前記ルート集約手段によりまとめられたケーブル格納部品ルートに所定の断面を与えることで三次元モデルに変換する三次元モデル変換手段と、
を備えたことを特徴とするケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置。
【請求項2】
前記エリア作成手段は、作成する前記エリアの各面の中央に、前記ケーブル格納部品ルート接続用の代表点を設けることを特徴とする請求項1に記載のケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置。
【請求項3】
前記ケーブルデータは、前記エリアの前記代表点に対して、前記ケーブル格納部品ルートが接続される方向を示す取り合い方向を含み、
前記ルート作成手段は、前記始点データに対応するエリア及び前記終点データに対応するエリアの前記代表点に対する前記取り合い方向を考慮して、前記ケーブル格納部品ルートを作成することを特徴とする請求項2に記載のケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置。
【請求項4】
前記経由データに対応するエリア内において、当該経由エリアの面積の小さい面間を前記ケーブル格納部品ルートが通過するよう当該ルートを補正するルート補正手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置。
【請求項5】
前記ケーブルデータ取得手段は、前記ケーブルリストファイルから前記ケーブルデータを取得する際、対象外のケーブル仕様を有するケーブルをフィルタ処理することを特徴とする請求項1に記載のケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置。
【請求項6】
前記ケーブルデータは、ケーブル毎の、ケーブル格納部品の配置設計の処理優先順序を含み、
前記ケーブルデータ取得手段は、前記処理優先順序に応じて、ケーブル毎の処理順を変更することを特徴とする請求項1又は5に記載のケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置。
【請求項7】
前記三次元モデル変換手段は、前記ケーブル格納部品ルートの断面として、所定の幅及び高さを付加する手段を有することを特徴とする請求項1に記載のケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置。
【請求項8】
ケーブルの仕様に対応する当該ケーブルの断面積が記憶されたケーブル仕様ファイルを備え、
初期設定時に、ユーザにより、ケーブル格納部品の断面の幅又は高さの少なくとも一方が固定値として入力され、
前記ケーブルデータ取得手段は、前記ケーブルリストファイルのケーブルの仕様に応じて、前記ケーブル仕様ファイルから当該ケーブルの断面積を取得し、
前記三次元モデル変換手段は、前記ケーブル取得手段により取得された前記ケーブルの断面積を基にケーブル格納部品の断面積を算出し、当該ケーブル格納部品の断面積を、固定値とした断面の幅又は高さの少なくとも一方で除算することで、前記ケーブル格納部品の断面の所定の幅又は高さを算出することを特徴とする請求項7に記載のケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置。
【請求項9】
前記三次元モデル変換手段は、前記ケーブル格納部品の曲がり部に所定の曲げ部品を挿入する曲げ部品挿入手段を有することを特徴とする1、7、8のいずれか1項に記載のケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置。
【請求項10】
前記三次元モデル変換手段は、前記ケーブル格納部品ルートに軌跡線を表示する軌跡線表示手段を有することを特徴とする請求項1、7〜9のいずれか1項に記載のケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置。
【請求項11】
前記三次元モデル変換手段は、前記ケーブル格納部品ルートをの内部をくり抜いた状態で表示するくり抜き表示手段を有することを特徴とする請求項1、7〜10のいずれか1項に記載のケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置。
【請求項12】
前記三次元モデル変換手段により変換されたケーブル格納部品ルートの三次元モデルのケーブル長を算出するケーブル算出算出手段と、
この算出されたケーブル長を前記ケーブルリストファイルに追加する追加手段を備えたことを特徴とする請求項1、7〜11のいずれか1項に記載のケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置。
【請求項13】
プラント内に設けられるケーブルを格納するケーブル格納部品の配置を三次元CADにより設計するケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置の制御方法であって、
所定の直方体エリアを構成する最小及び最大座標が記憶されたエリア座標ファイルと、
前記ケーブルの仕様、始点データ、経由データ、終点データを含むケーブルデータが記憶されたケーブルリストファイルと、を備え、
前記エリア座標ファイルから最小及び最大座標を読み出し、所定の直方体エリアを作成し、
前記ケーブルリストファイルから前記ケーブルデータを取得し、前記所定の直方体エリアと前記ケーブルデータに基づいて、ケーブル毎に、前記経由データに対応するエリアを介して前記始点データに対応するエリアと前記終点データに対応するエリア間を繋ぐ、ケーブル格納部品の配置用のケーブル格納部品ルートを作成し、
前記ケーブル格納部品ルートのうち、ケーブの仕様、始点データ、経由データ、終点データを共通にするルートを1つのルートにまとめ、
まとめられたケーブル格納部品ルートに所定の断面を与えることで三次元モデルに変換することで、ケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータを作成することを特徴とするケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置の制御方法。
【請求項14】
プラント内に設けられるケーブルを格納するケーブル格納部品の配置をコンピュータにより三次元CADを通じて設計させるケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置の制御プログラムであって、
所定の直方体エリアを構成する最小及び最大座標が記憶されたエリア座標ファイルと、
前記ケーブルの仕様、始点データ、経由データ、終点データを含むケーブルデータが記憶されたケーブルリストファイルと、を備え、
前記プログラムは前記コンピュータに、
前記エリア座標ファイルから最小及び最大座標を読み出し、所定の直方体エリアを作成するエリア作成処理と、
前記ケーブルリストファイルから前記ケーブルデータを取得するケーブルデータ取得処理と、
前記エリア作成処理により作成される所定の直方体エリアと、前記ケーブルデータ取得手段により取得したケーブルデータと、に基づいて、ケーブル毎に、前記経由データに対応するエリアを介して前記始点データに対応するエリアと前記終点データに対応するエリア間を繋ぐ、ケーブル格納部品の配置用のケーブル格納部品ルートを作成するルート作成処理と、
前記ルート作成処理により作成されたケーブル格納部品ルートのうち、ケーブの仕様、始点データ、経由データ、終点データを共通にするルートを1つのルートにまとめるルート集約処理と、
前記ルート集約処理によりまとめられたケーブル格納部品ルートに所定の断面を与えることで三次元モデルに変換する三次元モデル変換処理と、
を実行させることを特徴とするケーブル格納部品の三次元配置調整CADデータの作成装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−211652(P2010−211652A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−58862(P2009−58862)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】