説明

ケーブル/コード巻取器

【課題】シンプルで容易に組み立てられるコード/ケーブル巻取方法を提供する。
【解決手段】ケーブル/コード巻取器ヘッドホン等のケーブル用の巻取器は、ボビンの側面に差し込まれ本体のボビン内に巻き付けられ又は繰り出されるケーブル又はコード(2)と共に、本体(11)を中心として回転するボビン(32)を有する。インデックス機構によって、ケーブルの不意の繰出しを防ぐ。道具を使わずにボビンを本体に組み込むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、コード、ケーブル又は同様の細長い物用の巻取装置に関し、特にヘッドホンに用いられるような細い規格の電子ケーブルや補助コード用の巻取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ケーブル巻取装置などの物が知られており、例えば特開平09−154196号公報は歯車やハンドル、回転止め機構を有するゼンマイを備えたプラグ付ケーブルドラムについて述べている。同様に、特開平07−312484号公報は、キーボードや電話機などの装置に組み込むことができるもどり止め機構を有する、バネを張った巻取ドラムを示している。
【0003】
このような巻取器は、できるだけシンプルな機構を提供するものではなく、出力コンダクタに接触させるためのスリップリング又はソケット、周囲の巻取りドラムを回転させるため慎重に軸支された軸端、及び必要な時以外はコードの引出しをしないよう慎重に精巧に作られた逆転防止機構を必要とする。
【0004】
したがって、シンプルで容易に組み立てられるコード/ケーブル巻取方法の提案に関する問題点に対する解決策が必要である。
【0005】
権力範囲の変化によって、「具える」という用語は、排他的又は包括的どちらの意味もあると考えられると認められる。本明細書を意図しており別な方法で記されていない限り、「具える」という語は記された意味に限らず包括的な意味を持つものであろう。すなわち、直接参考文献に記載されている構成要素のものだけでなく、他の記載されていない構成要素も含まれていることを意味すると思われる。この理論的根拠は、方法又は処理において「具えた」又は「具える」という語が1つ又は1つ以上のステップについて使用される場合にも適用されるであろう。
【0006】
本明細書において、「コード」という語はコード、ケーブル、ワイヤ及びその他の細長い可撓性のある補強用鋼線を含むものとして用いられる。
【0007】
本発明は、従来技術を超える利点を提供する上述及び他の問題に対する解決策を提案するものである。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、ケーブル又はコードを本体に固定してそこから伸ばすことができ、本体に軸支された回転可能なボビンで少なくとも部分的に囲まれている当該本体と、回転可能なボビン内でボビンの軸とほぼ一直線に並ぶ方向から本体に巻き付け可能なケーブルとを具え、ボビンの回転は、本体の少なくとも1つの突起又はくぼみと、ボビンの少なくとも1つのくぼみ又は突起の相互作用によりインデックスされるケーブル/コード巻取器に関するものである。
【0009】
一実施例において、ボビンは外部円筒面及び本体に向かって軸方向に配置された内面を有する。
【0010】
他の実施例において、当該軸方向に配置された1つの面は、本体に接触するように伸びる多数のフィンガからなり、コード又はケーブルが当該多数の指のうちの隣接する2本のフィンガ間からボビンを通り抜けている。
【0011】
当該多数のフィンガの本数は4本でも良い。
【0012】
コード又はケーブルは、本体からボビンの軸方向に一直線に伸び、ボビン内で本体を滑り動くように通ることができる。
【0013】
一実施例において、ケーブル又はコードに滑り動くように嵌合し得、本体でボビンが回転するとケーブル又はコードを本体に巻き付ける内部ボビン突起をボビンは有する。
【0014】
他の実施例において、本体の突起又はくぼみは可撓性の突起でなり、ボビンのくぼみ又は突起は多数の突起でなる。
【0015】
一実施例において、本体は1つの突起を有し、ボビンは8個の突起を有する。
【0016】
さらに実施例において、本体の突起又はくぼみは多数の突起でなり、ボビンのくぼみ又は突起は固定した突起でなり、ボビンは移動可能に本体に取り付けられている。
【0017】
またさらに実施例において、ボビンは両方向に回転することができる。
【0018】
巻取器はストラップで支えられていても良い。
【0019】
あるいは、本発明は少なくとも1つの円筒部がある本体を備え、円筒形の本体部分で回転可能な、ボビン内部の環状体の空間に対してボビンの側面を通って外部に通じる少なくとも1つの穴を有するボビンを備え、本体におけるボビンの回転を阻止するもどり止め機構を備え、本体に対してボビンを回転させることによりボビンの側面を通り抜けるケーブルを本体の方に巻き上げるケーブル巻上げ方法であると言える。
【0020】
さらに実例において、本発明は少なくとも1つの円筒部がある本体を備え、ボビン内部の空間に対して外部に通じる少なくとも1つの穴を有する円筒形の本体部分において回転可能なボビンを備え、本体におけるボビンの回転を阻止するもどり止め機構を備え、本体に対してボビンを回転させてボビン内の空間に通じる1つの穴を通り抜けるコード又はケーブルを巻き上げるケーブル巻上げ方法である。
【0021】
ケーブル巻上げ方法は、ボビンから伸びるフィンガを備え、ケーブルがフィンガに嵌合することにより本体においてケーブルがボビン内部で一直線に並ぶものであっても良い。
【0022】
またさらに実例において、本発明はケーブル又はコードを本体に固定してそこから伸ばすことができ、本体に軸支された回転可能なボビンで少なくとも部分的に囲まれている当該本体と、回転可能なボビン内でボビンの軸とほぼ一直線に並ぶ方向から本体に巻き付け可能なケーブルとを具え、ボビンの回転は、本体の少なくとも1つの突起又はくぼみと、ボビンの少なくとも1つのくぼみ又は突起の相互作用によりインデックスされ、ボビンはコード又はケーブルに滑り動くように嵌合し得る内部ボビン突起を有しており、本体でボビンが回転すると、コード又はケーブルを本体に巻きつけ、内部ボビン突起は、ケーブル又はコードが巻き付いている本体部分付近にループを伸ばすケーブル/コード巻取器である。
【0023】
またさらに実例において、本発明は、ケーブル又はコードを本体に固定してそこから伸ばし得、本体に軸支された回転可能なボビンで少なくとも部分的に囲まれている当該本体と、回転可能なボビン内でボビンの軸とほぼ一直線に並ぶ方向から本体に巻き付け可能なケーブルとを具え、ボビンの回転は、本体の少なくとも1つの突起又はくぼみと、ボビンの少なくとも1つのくぼみ又は突起の相互作用によりインデックスされ、ボビンはコード又はケーブルに滑り動くように嵌合し得る内部ボビン突起を有しており、本体においてボビンが回転すると、コード又はケーブルを本体に巻きつけ、内部ボビン突起は、ケーブル又はコードが巻き付いている本体部分付近に1本のコード又はケーブルを伸ばすケーブル/コード巻取器である。
【0024】
あるいは、本発明は上述の各段落で述べた、軸方向に並んだ種類の異なる当該2つのケーブル/コード巻取器を集合的に有するケーブル巻取器であっても良い。
【0025】
本発明を特徴づける効果と共にこれら及び他の構成は、以下の詳細な説明を読み関連した図面を見ることにより明白となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1に示すように、本発明を適用したコード巻取り装置は、ストラップ1の端部に取付けられ、ユーザが携帯電話機などの小型電子機器を首等から下げるようになされている。コード巻取り装置は電子機器に取り付けられているループ状コード2の引き込み、引き出しをおこなう。
【0027】
図1〜図3に示すように、本発明を適用したコード巻取装置10は、ストラップ1の端部1aが固定され、ループ状コード2が固定されることによりループ状コード2を巻き上げる本体部11、ループ状コードを本体部11に巻き付けるコード巻取部21、及びコード巻取部21に取り付けられたボビン部31を含んでなる。
【0028】
図2及び図3に示すように、本体部11は、ストラップ1の端部とループ状コード2を固定する本体部11の固定部12に、ループ状コード2が巻き付けられる芯部13を含んでなる。
【0029】
固定部12は概円筒形で、筐体の外面の一部を形成している。固定部12は、互いに重なり合うストラップ1の向かい合う端部1aが取り付けられる取付凹部14の上部表面に形成されている。ストラップ1は可撓性の素材でなり、その端部1aには取付穴14aがある。取付凹部14は、ストラップ1の端部1aが差し込まれ固定され得るような大きさに作られる。取付凹部14には、凹みの底面付近の側面に、向かい合わせに形成された貫通孔14bがある。さらに、ストラップ1の端部1a近くに、ストラップ1を取付凹部14に固定する取付穴14aが形成されている。ストラップ1の端部1aは、もう一方の端部1aと重ねて取付凹部14に差し込まれ、取付穴14aと一直線に並べられる。固定ピン14cは、貫通孔14bと取付穴14aにしっかりはめ込まれ、ストラップ1を本体部11に固定する。これにより、ストラップ1は例えばループ状構造で固定部12に取り付けられる。
【0030】
さらに、図2及び図3に示すように、ループ状コード2を本体部11に固定する手段として、挿入孔15aの反対側に連続して形成された第1の凹部15b及び第2の凹部15cと共に放射状に形成された挿入孔15aが設けられている。図3に示すように、コード2の端部は第2の凹部15c側からそろえて一列に並べられた状態で挿入孔15aに固定され、第1の凹部15b側において、コード2の端部に端部結び目もしくはストッパ15dが形成されることにより、ループ状コード2が挿入孔15aからすべり落ちるのを防ぐ。よってループ状コード2は第2の凹部15cから芯部13側に引き出される。なお図3の場合、端部15dには端部をとどめておくように結び目がある。コーキング材15aでループ2の端部を保持する図8に示すように、端部処理部15dをコーキング材で形成してループ状コード2の反対側端部を止めても良い。
【0031】
上述のように概円筒形の芯部13は、本体部11の固定部12のようなものの下方面に形成されている。芯部13は軸方向に形成されたスリット16aを有し、その中央部にスリット16aに通じるように半径方向に形成された貫通孔16bを有する。ループ状コード2は第2の凹部15cから引き出され、スリット16aに向かって芯部13の半径方向に伸びるように形成された貫通孔16bに挿入されており、スリット16aを通り抜けて芯部13の端部から引き出されている。
【0032】
芯部13はスリット16aによって2分割された状態にあり、芯部13の半体17aは半径方向に弾力性をもつように配置され得る。さらに、本体部11をコード巻取部21に取付けるロック突起17bが芯部13の半体17aの外に向いている突起として形成される。さらに、本体部11に対してコード巻取部21とボビン部31の回転範囲を制限するためのストッパ突起18が芯部13の根元部分に形成されている。
【0033】
図2〜図4でわかるように、上述のように本体部11が取付けられているコード巻取部21は、概円筒形に形成され、コード巻取部21の内側面において、ボビン部31に抑え板22が取付けられている。本体部11の芯部13の端部は、半体17aの弾力でずれるため、概リング状の抑え板22の中心部開口22aに差し込まれ、ロック突起17bは抑え板22の開口22aの周辺部でロックされる。その結果、コード巻取部21が本体部11の回転に対して抜け落ちない状態に取付けられる。概管状のコード巻取部21は本体部11側のコード巻取り部21の開口端に形成され、ストッパ突起18と嵌合する。したがって、コード巻取部21は、例えばストッパ23が本体部11のストッパ突起18とかみ合わない範囲、例えば本体部11に対して約90°〜270°以上回転しても良い。つまり、コード巻取部21の回転範囲は、ストッパ突起18とストッパ23の位置と大きさ、ループ状コード2の長さ、ボビン部31の端部から引き出されるループ状コード2の長さの調節量などを考慮して決定される。
【0034】
さらに、図6に示すように、内側に突き出るように歯車24が概円筒形のコード巻取部21に形成されている。コード巻取部21が本体部11に取付けられる場合、歯車24は固定部12の第2の凹部15cから芯部13の貫通孔16bに伸びるループ状コード2とかみ合うようになされている。そして本体部11に対してコード巻取部21が図6の矢印で示される方向に回転すると、コード2が歯車24によって芯部13に巻き付けられる。
【0035】
本体部11側の歯車24の表面には突起24aが形成されている。突起部24aは、固定部12の下方面と芯部13を中心にして滑らかにかみ合う。突出部24bは、芯部13を中心にして、例えば突起24aが滑らかにかみ合っている固定部12の下部表面に半径方向に形成されている。したがって、コード巻取部21が本体部11に対して回転する場合、歯車24の突起24aは芯部13を中心として、固定部12の下方面に形成されている突出部24bに沿って移動することにより、カチッと歯止めされる感覚をユーザに与える。
【0036】
本体部11に対して、ボビン部31はコード巻取部21と合体されて取付けられる部材であり、コード巻取部21と合体して回転し、本体部11の固定部12と共に筐体外側の一部分を形成する。ボビン部31は、ユーザがループ状コード2を巻き上げる又は引き出すための回転操作を行う場合、操作部として働く。ボビン部31は、本体部11の下部を囲んでおり、コード巻取部21が取付けられているカラー32、及びループ状コード2を引き出す引出し部33を含んでなる。
【0037】
コード巻取部21の複数の嵌合突起25がカラー32の内周にあるスロット34とかみ合うことにより、歯車24はボビン部31と合体して回転する。コード巻取部はカラー32の突起36にパチンとはまる突起26により保持される。
【0038】
カラー32は、コード巻取部21がカラー32に収容される大きさに作られ、フランジのように突き出た本体部11の固定部12の上面12aが外部に露出している。嵌合溝(スロット)34は、コード巻取部21の外周面に形成された嵌合突起25とかみ合うようにして取付け部32の内周面に形成されている。
【0039】
引出し部33は、取付け部32より小さい直径をもつように形成され、ループ状コード2を外部に引き出すための開口35が引出し部33の端部に形成されている。開口35は仕切り部35aによって2つに分割され、ループ状コード2は引出し口35bから引き出される。特に、ループ状コード2において開口35の外部にループ2aが形成され、ループ状コード2のループ2aが仕切り部35aに引っかかるまで巻き上げることができるため、ループ2aの端部が中に入り込むことはない。
【0040】
なお上述のように、たとえ仕切り部35aがボビン部31の開口35にではなくコード巻取部21の取付板22の開口22aに設けられていたとしても、ほぼ同じ効果を得ることができる。
【0041】
上述したようなコード巻取装置10を組み立てるために、図3に示すように、第1のコード巻取部21がパチンとはまることにより、コード巻取り部21の嵌合突起25がボビン部材31の嵌合溝34とかみ合うまで突起26がボビン部31の突起36に載ることになる。これによりコード巻取部21とボビン部31が一体になる。
【0042】
そして、ループ状ではない一本のコード2の端部がそれぞれ引出し口35bに差し込まれ、端部が一列に並べられた状態でコード巻取部21の取付板22の開口22aに差し込まれる。さらに、コード2の端部はスリット16aを過ぎ貫通孔16bを介して本体部11の芯部13の端部から引き出された後、挿入孔15aを介して第2の凹部15cから第1の凹部15bに引き出される。その結果、固定部12の第2の凹部15cから芯部13の貫通孔16bに伸びるループ状コード2は歯車24にかみ合う。そしてコード2の端部は、第1の凹部15bでお互いに結び合わされることにより、ループ状コード2はループ状の状態を示す。端部15dの直径は挿入孔15aより大きいため、挿入孔15aによってコードが外れることはない。
【0043】
その後図7に示すように、本体部11はボビン部31に取付けられたコード巻取部21に差し込まれ、芯部13の端部は半体17aの弾力によるずれによって取付板22の中心開口22aに差し込まれる。これにより本体部11はコード巻取部21に取付けられる。そして、本体部11は、芯部13をストラップ1に固定するための貫通孔14b及びループ状コード2を固定する第1及び第2の凹部15b、15cがボビン部31に隠れるようにしてボビン部31に取付けられ、上面12aを形成する下部の段部分は、ボビン部31の取付け部32の上部開口端に接することになる。
【0044】
なおストラップ1が本体部11に取り付けられるのは、本体部11がコード巻取部21に取付けられる前でも後でも良い。
【0045】
上述の構成を有するコード巻取装置10の操作方法について、図6及び図7を用いて説明する。ボビン部31の端部から引き出されたループ状コード2を巻き上げるため、ボビン部31に取付けられたコード巻取部21は、本体部11に対して反対方向に回転する。その結果、固定部12の第2の凹部15cから芯部13の貫通孔16bに伸びたループ状コード2がかみ合っている歯車24は、ボビン部31と共に回転するコード巻取部21の回転と共に、本体部11の芯部13を中心としてループ状コード2を巻付ける。したがって、ボビン部31の開口35から引き出されたループ状コード2が巻き上げられ、開口35からの長さは短くなる。その結果、ループ状コード2を開口35の仕切り部35aに引っかかるまで巻き上げることができる。
【0046】
一方、開口35から引き出されたループ状コード2をボビン部31の端部において出させるため、ボビン部31に取付けられたコード巻取部21は、本体部11に対し、もう一方の反対方向に回転する。その結果、本体部11の芯部13に巻きついたループ状コード2が緩み、自動的に、またはユーザがボビン部31の開口35から引き出されたループ状コード2を引っぱることによって、外に引き出すことができる。
【0047】
ボビン部31が回転すると、歯車24の突起24aが芯部13を中心として固定部12の下部表面に形成された凹凸形状に沿って動いているような、もどり止めの感覚をユーザに与える。
【0048】
上述のように、本発明を適用したコード巻取装置10において、ボビン部31と合体して取付けられたコード巻取部21の歯車24を使用しているユーザは、ボビン部31を回転操作することにより、止め具18及び23が移動可能な範囲内で、ボビン部31の端部から引き出された、携帯電話機など小型電子装置を取付けるループ状コード2の長さを所望の長さに変えることができる。
【0049】
図9の第2の実施の形態の巻取器はコード巻取器の斜視図を示し、それぞれがイヤホンに接続されたコード39及び40を有する本体11及び巻取りボビン部32からなる。巻取器は細いひも2でぶら下げることができ、ボビン部内に保持される中央円筒部13に巻き付け可能な供給電源に接続される電気コード38を有していても良い。ボビン32は、円筒部13の先端において溝に伸びる、軸つばに代わるフィンガ37がある外部円筒面を有することにより、コード38が当該2本のコードやジャーナルの回転に引っ掛かることを防止する。
【0050】
コード38はボビン32の回転によって、巻きつけられまた円筒部13付近の格納場所からほどけるようになされている。
【0051】
図10は、図11と共に見ると最適なように、格納部分の開口端と、格納限度を限定して巻上げボビンを固定する働きをする渦巻き突出面43の間の延長円筒面42を有する円筒部の操作端についてより詳細に示す。渦巻き面43の内側端部は外方に偏った可撓性の歯車44で終わっており、軸支面45は本体内側の渦巻き面43の残り付近に伸びている。
【0052】
図11の断面図に示すように、ボビン32は、望ましくは曲線的であり、可撓性の歯車24aと共に動く表面突起24bを有することにより、本体11におけるボビン32の回転をインデックスし、突起24b及び歯車24aはどちらの方向にも回転できるが、不意の動きを防ぐ。
【0053】
突起24bの大きさは、組立て部品としては渦巻き面43を越えていても良いが、その後突起24bは、面33上でのフィンガ37の相互作用により軸支したボビン32の外側端部と共に、軸支面45における渦巻き面の回転範囲内で横方向に引っ掛かる。したがって要約して言うと、突起はボビン32内部の限界を定めるカラーの働きをする。
【0054】
望ましくは2つの半体から組み立てられる本体11は、電子回路基板46を含んでいても良く、これによりケーブルの接続ができ、またケーブル38の内側端部を固定し得る。
【0055】
図12に示すように、電源コード38は巻取りボビン32におおむね含まれていても良い。
【0056】
図ではボビン上に4つのフィンガー37を示したが、本体11においてボビンを楽に回転させる、もっと少数又は多数のフィンガーを用いても良く、ケーブル用としては、スロットが1つある固いカラーからなっていても良い。
【0057】
1つの可撓性の歯車24bを示したが、本体11におけるボビンの場所とつり合う偏りを備えることを望む場合は、1つ以上の歯車を使用しても良い。
【0058】
なおストラップ1は、アクセサリ等が取付けられるタイプのものであっても良く、ループ状コード2に取付けられる物は小型電子機器に限らない。
【0059】
上述の本発明の2つの実施の形態によれば、コード、ワイヤー、ケーブルをそれぞれ装置の回転軸を通るコード、又は装置の回転軸から外れて巻取器に入るコードをもつ巻取器の軸方向に巻き取ることができる。もし所望の両実施例を1つの機構に含むことができれば、つり下げたアイテムを支えるひもと、アイテムに接続されたヘッドホンのコードの両方を調節することができる。
【0060】
本発明のいくつかの実施例の構成と作用の詳述と共に、多数の特徴と本発明のいくつかの実施例の利点を上述の説明に開示したが、本開示は実例に関してのみであり、本発明の機能が不都合に作用しない限り、細部は変更を加えても良いと解釈するものである。例えばコード巻取器の個々の構成要素は、本発明の範囲からそれることなく使用される個々の案件によって異なり得る。
【0061】
さらに、本明細書で述べられた実施例は、ヘッドホン又はイヤホンのコード巻取器を示すものであるが、本発明の教示はアイロンやハンドドリル等もっと大きな機械用のケーブル巻取器など、本発明の範囲及び目的からそれていない他の装置にも適用し得ることを当業者によって認識するものである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明のコード巻取器は汎用電子機器の分野で用いられ、携帯型機器用の長さ調節が可能なケーブル又はコードをユーザに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】第1の実施の形態のコード巻取器の斜視図である。
【図2】図1の分解組立図である。
【図3】図1の断面組立図である。
【図4】図2の巻付け部の上面図である。
【図5】巻付け部を適切にはずしたボビン部の上面図である。
【図6】ボビンの大部分が影になっている巻取器の斜視図である。
【図7】図1の断面組立図である。
【図8】コード巻取器に使う補助コードの図である。
【図9】第2の実施の形態のコード巻取器の全体斜視図である。
【図10】ボビンが影になっている第2のコード巻取器の中心部の斜視図である。
【図11】図10の線分AAによる垂直面の断面図である。
【図12】使用時のコード巻取器の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル又はコード(2、38)を固定することができ、上記ケーブル又はコードをそこから伸ばすことができ、本体に軸支された回転可能なボビン(31)で少なくとも部分的に囲まれている本体(11)と、
上記回転可能なボビン内で上記ボビンの軸とほぼ一直線に並ぶ方向から上記本体に巻き付け可能なケーブルとを具え、
上記ボビンの回転は、上記本体の少なくとも1つの突起(24b)又はくぼみと、上記ボビンの少なくとも1つのくぼみ又は突起(24a)の相互作用によりインデックスされる
ことを特徴とするケーブル/コード巻取器。
【請求項2】
上記ボビンは、外部円筒面(32)及び本体に向かって軸方向に配置された内面(22、25、37,35)を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブル/コード巻取器。
【請求項3】
上記軸方向に配置された1つの面は、上記本体に接触するように伸びる多数のフィンガ(37)からなり、上記コード又はケーブルは当該多数の指のうちの隣接する2本のフィンガ間からボビンを通っている
ことを特徴とする請求項2に記載のケーブル/コード巻取器。
【請求項4】
上記多数のフィンガの本数は4本である
ことを特徴とする請求項3に記載のケーブル/コード巻取器。
【請求項5】
上記コード又はケーブルは上記本体から上記ボビンの軸方向に一直線に伸び、上記ボビン内で上記本体を滑り動くように通り得る(16b)
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブル/コード巻取器。
【請求項6】
上記ボビンは、上記ケーブル又はコードと滑り動くように嵌合し得ることにより、上記本体で上記ボビンが回転すると、上記ケーブル又はコードを本体に巻き付ける内部ボビン突起(24、37)を有する
ことを特徴とする請求項5に記載のケーブル/コード巻取器。
【請求項7】
上記本体の上記突起又はくぼみは可撓性の突起(24b)でなり、上記ボビンの上記くぼみ又は突起は多数の突起(24a)でなる
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブル/コード巻取器。
【請求項8】
上記本体は1つの突起を有し、上記ボビンは8個の突起を有する
ことを特徴とする請求項7に記載のケーブル/コード巻取器。
【請求項9】
上記本体の上記突起又はくぼみは多数の突起でなり、
上記ボビン(101)の上記くぼみ又は突起は固定された突起でなり、
上記ボビンは位置変更可能に上記本体に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブル/コード巻取器。
【請求項10】
上記ボビンは両方向に回転することができる
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブル/コード巻取器。
【請求項11】
当該巻取器はストラップ(1)で支えることができる
ことを特徴とする請求項1に記載のケーブル/コード巻取器。
【請求項12】
ケーブル又はコード(2)を固定することができ、上記ケーブル又はコードをそこから伸びすことができ、本体に軸支された回転可能なボビン(31)で少なくとも部分的に囲まれている本体(11)と、
上記回転可能なボビン内で上記ボビンの軸とほぼ一直線に並ぶ方向から上記本体に巻き付け可能なケーブルとを具え、
上記ボビンの回転は、上記本体(11)の少なくとも1つの突起又はくぼみと、上記ボビン(31)の少なくとも1つのくぼみ又は突起の相互作用によりインデックスされ、
上記ボビンは、上記コード又はケーブルと滑り動くように嵌合し得る内部ボビン突起を有することにより、上記本体で上記ボビンが回転すると、上記コード又はケーブルを上記本体に巻きつけ、
上記内部ボビン突起は、上記ケーブル又はコード(2)が巻き付いている上記本体部分付近にループ状の部分まで伸ばす
ことを特徴とするケーブル/コード巻取器。
【請求項13】
ケーブル又はコード(2)を固定することができ、ケーブル又はコードをそこから伸ばすことができ、本体に軸支された回転可能なボビン(31)で少なくとも部分的に囲まれている本体(11)と、
上記回転可能なボビン内で上記ボビンの軸とほぼ一直線に並ぶ方向から上記本体に巻き付け可能なケーブルとを具え、
上記ボビンの回転は、上記本体(11)の少なくとも1つの突起又はくぼみと、ボビン(31)の少なくとも1つのくぼみ又は突起の相互作用によりインデックスされ、
上記ボビンは、上記コード又はケーブルと滑り動くように嵌合し得る内部ボビン突起を有することにより、上記本体で上記ボビンが回転すると、上記コード又はケーブルを上記本体に巻きつけ、
上記内部ボビン突起は、上記ケーブル又はコード(2)が巻き付いている上記本体部分付近に1本のコード又はケーブルを伸ばす
ことを特徴とするケーブル/コード巻取器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2009−12979(P2009−12979A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−328428(P2007−328428)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(507291567)
【氏名又は名称原語表記】Sony EMCS (Malaysia) Sdn. Bhd.
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】