説明

ゲル化組成物および方法

【課題】胃液の酸性度を増大させて、多糖類:酸可溶性多価カチオン処方の胃内ゲル化が、内因性酸分泌と関係なく開始される組成物、及び該組成物を含む可食組成物、ならび該組成物を用いて、満腹効果を誘発し、様々な成分の制御放出を提供する。
【解決手段】組成物は、(a)少なくとも1つの多糖類、修飾多糖類、または多糖類塩であって、それぞれがイオンチャンネル型ゲル化可能なもの、(b)酸性pHで可溶化できる少なくとも1つの多価カチオン源、および(c)多価カチオンの可溶化に十分なプロトンの制御放出を提供できる少なくとも1つの酸成分、を含む。組成物は水性媒体中で水和でき、その後、摂取された場合に、胃中で蠕動力に対抗し、胃中に長時間滞留するゲルを形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、満腹を誘発し、食欲を抑制し、太りすぎおよび肥満を治療する方法、ならびにゲル化組成物を用いた医薬品または栄養補助食品の送達、ならびにそのような組成物および製品の調製法および使用法に関する。本発明は、イオンチャンネル型ゲル化が可能な多糖類、修飾多糖類または多糖類塩、酸性pHで可溶化が可能な多価カチオン源およびプロトンの制御放出を提供できる成分を含む組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
多糖類およびその誘導体は、医薬、栄養補助食品、食品および化粧品産業において数え切れないほどの用途を有する広範囲の多目的物質を形成する。これらの用途は、通常、これらが水和により溶液に付与する特性から導かれる。水和後、多糖類は、その構成グリコシル鎖の挙動に応じて、水性相を増粘またはゲル化するために使用できる。水性相の増粘は、変動する不規則多糖類鎖の一時的絡み合いの結果起こり、一方、ゲル化は、より恒久的な鎖−鎖相互作用後に起こる。鎖−鎖相互作用は、分子内および分子間の両方で起こり、接合ゾーン、非共有相互作用、例えば、双極子およびイオン相互作用、水素結合および疎水性会合により安定化された規則性ポリマー構造の領域を形成する。十分な接合ゾーンが多糖類鎖間で発達するならば、安定化された三次元ゲル網目構造を形成することができる。
【0003】
多糖類の種類に応じて、鎖結合およびゲル化を多くのメカニズムにより開始することができる。例えば、ある多糖類pHの低下またはイオン強度の増加は、鎖間斥力を減少させ、分子間結合を促進することができる。あるいは、鎖−溶媒相互作用と対して、鎖結合を促進することは、温度調節または低分子量親水性分子の添加により達成できる。しかしながら、ある多糖類に関して、鎖間相互作用およびゲル化は多価カチオンの存在下で起こる。
【0004】
藻類植物の褐藻類群から抽出されたアルギン酸ナトリウム、アニオン性多糖類は、多価カチオンの存在下でゲル化する多糖類の一例である。これは、それぞれグルロン酸(Gブロック)およびマンヌロン酸(Mブロック)のホモポリマーセグメントおよび交互残基のブロック(MGブロック)に分類される2つのウロン酸、α−L−グルロン酸およびβ−D−マンヌロン酸からなる。α−L−グルロン酸の構造は、Gブロックからなるグリコシル鎖が曲がったリボン状構造をとることを保証する。この曲がった鎖は、一連の親水性空洞であって、その中で多価カチオンが共同して結合するものを提供することができる。1つのカチオンは、隣接するポリグルコン酸鎖上の親水性空洞中と同時に結合して、三次元架橋ゲル網目構造を形成することができる。
【0005】
アルギン酸ナトリウムのイオン性ゲル化は、その機能が胃中でのゲル化状態の達成に依存するシステムを開発するために医薬的に利用されてきた。アルギン酸ナトリウムの胃内ゲル化は、多糖類を酸可溶性カルシウム塩と同時配合することにより達成できる。摂取されると、胃酸はアルギン酸塩:カルシウム塩処方に作用して、カルシウム塩を可溶化し、カルシウムイオンを放出させる。遊離カルシウムイオンを次に、アルギン酸ナトリウムと相互作用させて、アルギン酸カルシウムゲルを形成するために利用される。
【0006】
[特許文献1]、[特許文献2]、および[特許文献3]は、pH6以上で低粘度を有するが、pH5未満で粘性マトリックスを形成する液体組成物を記載している。液体組成物は、少なくとも0.05%w/wのアルギン酸塩またはペクチン、100mLあたり最低5mgのカルシウム、オリゴ糖、水、100mLあたり1から20gの間のタンパク質、および、任意にポリオールを含む。これらの組成物は、満腹効果を誘発する目的で、太りすぎの患者を治療するために使用できる。
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/118712 A1号明細書(Navarro Y Koren et al.)
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0198726 A1号明細書(Navarro Y Koren et al.)
【特許文献3】米国特許出願公開第2004/258826 A1号明細書(Navarro Y Koren et al.)
【0008】
[特許文献4]、および[特許文献5]は、清涼飲料代替物を記載している。清涼飲料代替物は、単胃哺乳動物において太りすぎを治療および/または予防する方法であって、0.01から5%w/wの間のアルギン酸塩および/またはペクチンおよび0.01から3%w/wの酸可溶性カルシウム塩であって、任意にポリオールを包含する他の成分を含有してもよいものを含む液体組成物の投与による方法において使用される。摂取前に、飲料は、5より大きいpHおよび100s−1の剪断速度で50mPas未満の粘度を有する。pH3および37℃で、粘度は前記粘度の125%まで増大する。組成物は満腹効果を誘発すると言われる。
【0009】
【特許文献4】米国特許出願公開第2003/134027 A1号明細書(te Hennepe,et al.)
【特許文献5】米国特許出願公開第2004/0228903号明細書(te Hennepe,et al.)
【0010】
[特許文献6]は、酸管理誘発粘度繊維系を供給することにより、食事に対する食後の血糖反応を鈍らせる方法に関する。繊維系は、アルギン酸塩、ペクチン、低メトキシペクチン、カラギーナン、キサンタンおよびジェランガムならびにその混合物から選択されるアニオン性可溶性繊維源、水不溶性多価カチオンであって、酸中でイオン化されるもの、および任意にタンパク源を含む。この繊維系を用いて処方された液体食事代替品は、中性pHで低粘度(50〜150cPs)を有するが、酸性化されると粘稠になる。製品は、従って、中性pHで飲用に適しているが、摂取時、胃液による多価カチオンの可溶化により300cPsを超える胃内粘度が生じる。この酸誘発粘度繊維系は、満腹効果をもたらすことにより体重減少の促進において用途を有するとして開示されている。[特許文献7]は、食後の血糖反応を鈍らせるための、[特許文献8](前述)と類似の方法を記載している。二重繊維系は、可溶性繊維、水不溶性多価カチオン、および若干加水分解されたデンプンを含有する。
【0011】
【特許文献6】米国特許出願公開第2002/0193344 A1号明細書(Wolf,et al.)
【特許文献7】米国特許出願公開第2003/0125301 A1号明細書(Wolf,et al.)
【特許文献8】米国特許公開第2002/0193344 A1号明細書
【0012】
Alfredらは、[特許文献9]において、体重減少または体重管理プランにおいて使用されることを意図する水性液体またはスプーンで食べられる組成物を記載している。これは、0.1から5%w/wまでのバイオポリマー増粘剤であって、pH2から4の間で変性または加水分解されないもの、例えばアルギン酸塩、および非可溶化二価金属イオン源を、多糖類の重量基準で2から30%w/wの量で含む。胃条件中で、多糖類液体はゲルを形成し、このゲルは胃を膨張させ、満腹効果を誘発することが提案される。組成物は、少なくとも1%w/wのタンパク質も含み得るが、これはこのタンパク質がゲル網目構造を強化することが判明しているためである。
Van Laereらは、[特許文献10]において、再構成されると、肥満の治療および/または予防に適した熱液体繊維製品を形成する組成物を記載している。これは、0.1gから75gのアルギン酸塩または低メトキシル化ペクチン、中性または高pH液体中に不溶性のカルシウム塩、ならびに二酸化炭素を遊離させる塩基および二酸化炭素を放出する酸性対を含む発泡系を含む。少なくとも35℃の温度で液体は、pH4で100mPasより低い粘度を有し、これはpH3で250mPasより高くなる。
【0013】
【特許文献9】国際公開第WO2005/020719 A1号明細書
【特許文献10】国際公開第WO2004/110178 A1号明細書
【0014】
[特許文献11]は、水溶性アルギン酸塩および前記アルギン酸塩を架橋して、ゲル化マトリックスを形成できるアルカリ土類金属塩を含有する徐放性錠剤に関する。さらに詳細には、これはアルギン酸ナトリウムおよび水不溶性カルシウム塩を含有する錠剤処方を開示し、この処方は、胃液の酸性媒体にさらされた場合に、アルギン酸塩をゲル化するために十分なカルシウムイオンを放出する。摂取時、薬剤の錠剤からの放出は、胃内ゲル化が、ゲル層が錠剤表面上に形成することを保証するために遅らせられる。このゲル層は、薬剤流出および水の流入に対する拡散バリアとして作用して、薬剤の持続放出のメカニズムを提供する。
【0015】
【特許文献11】英国特許第1355985号明細書
【0016】
[特許文献12]は、低粘度等級のアルギン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム1重量部あたり0.16から2.60重量部の重炭酸ナトリウムおよびアルギン酸ナトリウム1重量部あたり0.10から1.04重量部の炭酸カルシウムを含有する胃逆流の抑制において使用される医薬組成物を開示している。摂取されると、アルギン酸ナトリウム処方は、胃中で炭酸を含有するゲル状ラフトを形成し、これは胃内容物上に浮き、胃液の食道中への逆流を防止するバリアを形成する。ラフトが形成されるメカニズムは、処方と胃酸間の相互作用により開始される。炭酸カルシウムは胃液中に可溶化され、放出されたカルシウムイオンはアルギン酸塩を架橋して、ゲルマトリックスを形成する。加えて、炭酸カルシウムおよび重炭酸ナトリウムの酸可溶化は二酸化炭素を生成させ、これはゲル化マトリックス中にトラップされるようになり、胃内容物上に浮かぶことができる浮上性ラフトを形成する。
【0017】
【特許文献12】米国特許第4,140,760号明細書(Withington)(1979年2月20日発行)
【0018】
[特許文献13]は、200から600mgのアルギン酸および/またはそのナトリウム、カリウムまたはマグネシウム塩;50から250mgのナトリウムまたはカリウム炭酸塩または重炭酸塩;1から100mgのトリクロサン;および0から100mgの炭酸カルシウムを含む固体単位投与形態の投与による、胃腸管の疾患の治療におけるトリクロサンの使用を開示している。固体単位投与形態はさらに医薬的に許容される固体カルボン酸またはその酸塩を、1/4から全ての組成物の炭酸塩および/または重炭酸塩を中和するために十分な量で含み得る。
【0019】
【特許文献13】米国特許第5,286,492号明細書(Dettmar,et al.)(1994年2月15日発行)
【0020】
[特許文献14]は、水中で再構成されて、安定な懸濁液であって、摂取された場合に胃の酸性媒体中でゲルを形成するものを形成する組成物に関する。組成物は、ペクチン、カルシウムイオン源、例えば、炭酸カルシウム、カルシウム有効性および発泡性対の動力学を調節するためのマグネシウムイオンを含有する。発泡性対は、鉱酸または有機酸および炭酸塩または重炭酸塩アルカリまたはナトリウムまたはカリウムグリシン炭酸塩含む。リン酸、クエン酸およびフマル酸は発泡性対における使用に関して可能性のある酸として言及されている。発泡性対は、ペクチン分散を促進し、水のカルシウム濃度に関係なく分散することを保証するために処方中に含められる。
【0021】
【特許文献14】国際公開第WO96/33694号明細書
【0022】
従来技術は、多糖類、酸可溶性多価カチオンおよび酸性成分であって、胃中でゲル化するものを含有する組成物を記載している。しかしながら、これらの例において、ゲル化を促進するために酸は添加されず、その代わりに発泡系の一部を形成し、この発泡系においては、ガスを発生する炭酸または重炭酸の無機塩との相互作用が望ましいと考えられる。しかしながら、本発明において、酸は発泡のために添加されないが、内因性酸分泌に関係なく組成物の胃内ゲル化を増大させるために添加される。酸性成分との同時処方による多糖類:酸可溶性多価カチオン組成物の胃内ゲル化の促進は、従って、新規であり、従来技術において記載される組成物と比較して顕著な利点をもたらす。
【0023】
内因性酸をゲル化の「誘因メカニズム」として使用することは、胃液の酸性が変動し得るので、信頼できないと考えられる。多くの因子が胃液酸度を減少させ得る。これらは、(i)薬物療法、特にプロトンポンプ阻害剤および胃酸分泌を調節する他の薬剤;(ii)疾患、例えば、胃炎またはHelicobacter pylori感染症;(iii)概日リズムの結果生じる日周変動;(iv)外科手術、例えば、胆嚢摘出;(v)食事;(vi)年齢および(vii)食事/絶食状態を包含する。その機能が胃内ゲル化に依存する医薬組成物の性能は、従って、胃液酸度が減少した個体に投与された場合に損なわれると考えられる。
【0024】
異なる目的のために使用される他のゲル化組成物も当分野において公知である。例えば、[特許文献15]国際公開第WO2003/090718号明細書は、空気処理物質、アルギン酸塩またはペクチン質、少なくとも1つのゲル化しない添加されたポリマーおよび化学量論量の100%より少ないゲル形成カチオン、例えば、カルシウムカチオンから形成される空気処理ゲルを開示している。pHをゆっくりと低下させるpH修飾因子、例えば、緩衝作用を提供する酸および/またはゆっくりと酸を生成させる物質を組成物中に含めることができる。酸の例としては、乳酸ラクトン、グリコール酸ラクトンおよびグルコノデルタラクトンが挙げられる。
【0025】
【特許文献15】国際公開第WO2003/090718号明細書
【0026】
[特許文献16]は、アルギン酸塩、化学量論量の100%より少ないゲル形成カチオン、例えば、カルシウムカチオン、および主な量の可塑剤を含むフォームゲル調製物を開示している。pHをゆっくりと低下させるpH修飾剤、例えば、緩衝作用を提供する酸および/またはゆっくりと酸を生成する物質を組成物中に含めることができる。酸の例としては、乳酸ラクトン、グリコール酸ラクトンおよびグルコノデルタラクトンが挙げられる。フォームをゲル化させるための時間は、ゲル化剤の粒子のサイズを変えることにより制御できる。発泡は、機械的撹拌または気体、例えば、空気を組成物中に導入することにより誘発することができる。
【0027】
【特許文献16】米国特許出願公開第2005/0137272号明細書
【0028】
[特許文献17]は、アルギン酸塩、糖、水、カルシウム塩、酸および金属イオン封鎖剤を含むゲルの高速形成を開示している。酸は、アジピン酸、グルコノデルタラクトンまたはクエン酸であってもよい。
【0029】
【特許文献17】国際公開第WO2005/032273号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
第一の態様において、本発明は、満腹、持続放出、胃貯留、栄養摂取の阻害、逆流防止療法、および医薬および栄養補助食品送達を誘発する方法に関する。この方法において、(a)少なくとも1つの多糖類、修飾多糖類、または多糖類塩であって、それぞれがイオンチャンネル型ゲル化可能であるもの、(b)少なくとも1つの、酸性pHで可溶化できる多価カチオン源、および(c)少なくとも1つの、多価カチオンを可溶化するために十分なプロトンの制御放出を提供できる酸成分を含む組成物が、摂取された場合に哺乳動物の胃中で、蠕動力に対抗し、胃中に長時間残留するゲルを形成する目的で哺乳動物に投与される。
【0031】
第二の態様において、本発明は、胃液の酸性度を増大させて、内因性酸分泌と関係なく多糖類:酸可溶性多価カチオン処方の胃内ゲル化が開始される組成物に関する。この態様において、本発明は、(a)少なくとも1つの多糖類、修飾多糖類、または多糖類塩であって、それぞれがイオンチャンネル型ゲル化可能なもの、(b)少なくとも1つの、酸性pHで可溶化できる多価カチオン源、(c)多価カチオンの可溶化に十分なプロトンの制御放出を提供できる少なくとも1つの酸成分、および(d)気体形成成分、を含む組成物を具体化し、前記組成物は、水性媒体中で水和でき、その後、摂取された場合に胃中でゲルを形成することができ、前記ゲルは、蠕動力に対抗し、胃中に長時間残留する。
【0032】
本発明の組成物は、その有効性のために胃内ゲル化に依存する多糖類:酸可溶性多価カチオン組成物の官能性を向上させる手段を提供する。従って、組成物は、胃のpHが、酸性成分との同時処方によりゲル形成を阻害するために十分である潜在的な問題に対処する。したがって、満腹、持続放出、胃貯留、栄養摂取の阻害、逆流防止療法、ならびに医薬および栄養補助食品適用を含む広範囲の用途にわたって有用性を有する。
【0033】
もう一つの態様において、本発明は、様々な可食製品およびパッケージされた可食製品であって、(a)少なくとも1つの多糖類、修飾多糖類、または多糖類塩であって、それぞれがイオンチャンネル型ゲル化可能なもの、(b)酸性pHで可溶化できる少なくとも1つの多価カチオン源、および(c)多価カチオンの可溶化に十分なプロトンの制御放出を提供できる少なくとも1つの酸成分、を含むものに関する。これらの可食製品は、摂取された場合に、蠕動力に対抗し、胃中に長時間滞留するゲルを形成できる。
【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明は、その有効性について胃内ゲル化に依存する多糖類:酸可溶性多価カチオン組成物の官能性を向上させる手段を提供する。本発明の方法において使用される組成物は、胃内ゲル化可能である。しかしながら、ゲル化は生理的胃酸分泌に依存せず、その代わりに本明細書において記載される好適な成分の選択により達成される。酸性成分の賢明な選択により、ゲル化の動力学を制御できる。プロトンの供与、従ってゲル化動力学は、様々なpKaおよび溶解度の酸を使用して調節できる。別法として、加水分解に際してプロトンを供与するカルボン酸のラクトンを使用して、ゲル化を制御するさらなる方法が提供される。
【0035】
本発明の方法は、治療における肥満の治療または予防のため、および/または美容整形術または肥満の予防のため、すなわち、哺乳動物、さらに好ましくはヒトにおける減量に使用できる。本発明の方法は、満腹効果を誘発するために好適に使用できる。結果として、本発明は、食欲減少のための方法も包含する。本発明の方法は、好ましくは、ヒトを包含する哺乳動物において、満腹効果を誘発することにより、肥満の予防または治療、あるいは食欲の抑制のために使用される。
本発明による方法は、(a)少なくとも1つの多糖類、修飾多糖類、または多糖類塩であって、それぞれがイオンチャンネル型ゲル化可能なもの、(b)酸性pHで可溶化できる少なくとも1つの多価カチオン源、および(c)多価カチオンの可溶化に十分なプロトンの制御放出を提供できる少なくとも1つの酸成分を含む有効量の組成物を投与することを含む。
【0036】
本発明の方法は、以下に記載するように、組成物の追加および/または任意の成分の1以上を含む本発明による組成物の投与を含み得る。組成物は、必要に応じて、食欲の抑制、満腹効果の誘発、カロリーまたは食物摂取の減少および/または肥満の治療または予防のために1日あたり1から5回投与することができる。
さらに、本発明の組成物は、食事の直前または食事中に消費された場合、その食事のカロリー摂取を減少させるために使用できる。したがって、本発明は、食事のカロリー摂取を減少させるため、食事を摂取する場合に過剰のカロリーの摂取の予防するため、および/または毎日のカロリー摂取を制御するための方法であって、(a)少なくとも1つの多糖類、修飾多糖類、または多糖類塩であって、それぞれがイオンチャンネル型ゲル化可能なもの、(b)酸性pHで可溶化できる少なくとも1つの多価カチオン源、および(c)多価カチオンの可溶化に十分なプロトンの制御放出を提供できる少なくとも1つの酸成分、を含む組成物を食事の直前または食事中に投与することを含む方法も提供する。
【0037】
本発明は、任意の前記の組成物中に薬理活性物質を含め、その結果、活性物質が胃中のゲル形成に際して水性マトリックス中に含められ、その後、活性物質が持続放出される、および/または水和およびゲル化後に胃中にある時間保持される(ゲルが幽門括約筋を通過するにはかさ高すぎるため)ことを含む制御された薬剤放出のための方法にも関する。
【0038】
本発明は、前記の組成物のいずれかを摂取することにより、食道逆流および/または食道逆流の症状を予防する方法にも関する。
【0039】
本発明の各方法は、満腹効果の誘発および/または医薬品または栄養補助食品の送達を制御するためのマトリックスの提供のために、摂取された組成物の哺乳動物の胃中でのゲル化に依存する。さらに、本発明の方法において、ゲル化の時間および/または速度の制御は、重要な役割を果たし得る。例えば、実質的なゲル化は、哺乳動物による可食品の摂取前に起こることを防止されなければならない。本発明の方法は、製品の摂取に十分な時間を許容する製品の制御されたゲル化を提供することにより、この問題に対処する。
【0040】
本発明の組成物および方法は胃内ゲル化が可能であるが、ゲル化は胃中の胃酸に依存せず、その代わりに、多価カチオンを可溶化するために十分なプロトンの放出を提供する好適な成分の選択により達成される。好適な組成物は、水中媒体中で水和し、その後、摂取された場合に胃中で、蠕動力に対抗し、長時間胃中で残留するゲルを形成することができる。本発明の方法は、胃の内容物のpHと関係なく、胃中でゲル化できる組成物を用いることにより、製品を摂取する哺乳動物の胃内容物のpHにおける変動を許容する。本発明の方法は、胃のpHと関係ない操作が可能であるので、胃のpHにより生じるプロセス変数の除外により、より信頼できる、満腹効果の誘発および/または医薬品または栄養補助食品の送達が提供される。この方法において使用される好適な組成物を以下で詳細に説明する。
【0041】
本方法において用いられる組成物
一つの態様において、本発明は、(a)少なくとも1つの多糖類、修飾多糖類、または多糖類塩であって、それぞれがイオンチャンネル型ゲル化可能であるもの、(b)酸性pHで可溶化できる少なくとも1つの多価カチオン源、(c)前記多価カチオンを可溶化するために十分なプロトンの制御放出を提供できる少なくとも1つの成分、を含む組成物に関し、ここで、前記組成物は、水性媒体中で水和でき、その後、摂取された場合に、蠕動力に対抗し、長時間胃中で残留するゲルを胃中で形成できる。組成物はさらに、結果として得られるゲルの体積を増大させるための気体形成成分、胃中での全処方の分散および溶解を促進するための分散剤、ならびに矯味矯臭剤および甘味料も含有し得る。
【0042】
本発明はさらに、様々な可食品および包装された可食品であって、本発明の組成物の成分を含むものも包含する。これらの製品は、摂取された場合に、蠕動力に対抗し、胃中に長時間滞留するゲルを胃中で形成できる。
【0043】
可食品および包装された可食品は、典型的には(a)少なくとも1つの多糖類、修飾多糖類、または多糖類塩であって、それぞれがイオンチャンネル型ゲル化可能なもの、(b)酸性pHで可溶化できる少なくとも1つの多価カチオン源、および(c)多価カチオンの可溶化に十分なプロトンの制御放出を提供できる少なくとも1つの酸成分を含む。
【0044】
イオンチャンネル型ゲル化可能な多糖類または誘導体
本発明において使用できる典型的な多糖類は、アルギン酸塩である。アルギン酸塩は、Phaeophyceae属の藻類植物(褐藻類)から抽出されるアニオン性多糖類である。アルギン酸塩は、最高40%の藻類植物乾物を含み、藻類組織に強度および柔軟性を付与すると考えられる。藻類源に加えて、アルギン酸塩は、一部の微生物種、例えば、Aztobacter vinelandiiおよびあるPseudomonas種により合成することもできる。アルギン酸塩は、2つのウロン酸、α−L−グルロン酸およびβ−D−マンヌロン酸であって、1,4−グリコシド結合により結合したものから構成される。ウロン酸は、それぞれ、グルロン酸(G−ブロック)、マンヌロン酸(M−ブロック)のホモポリマーセグメントおよび交互の酸残基のブロック(MG−ブロック)に編成される。厳密なアルギン酸塩のウロン酸組成は、褐藻類の種、藻類植物の年齢、季節、環境条件、および植物が採取された特定の部分に応じて変化する。
【0045】
ウロン酸組成も、アルギン酸塩のゲル形成特性に影響を及ぼす。形成されるゲルの強度は、存在するグルロン酸の量およびポリグルロン酸鎖の長さに依存する。好ましい組成において、アルギン酸塩は、全ウロン酸単位の少なくとも35%、好ましくは少なくとも50%、さらに好ましくは60%、最も好ましくは、少なくとも65%のL−グルロン酸含量を有するべきである。アルギン酸塩が、0.1×10から5.0×10の間、好ましくは0.2×10から4.5×10、さらに好ましくは、0.3×10から3.0×10の間、最も好ましくは、0.4×10から2.0×10の間の分子量平均を有するのが好ましい。好適なアルギン酸塩は水溶性であり、例えば一価イオンおよびマグネシウム、好ましくは一価、および特に、ナトリウム、カリウムおよびアンモニウムである。この実施形態による適当なアルギン酸塩は、FMC BioPolymerから商業的に入手可能なProtanal(登録商標)レンジを包含する。
【0046】
ペクチンも本発明において使用できる。ペクチンは、全ての高等植物において見られる異種複合多糖類であるが、商業的には、通常、柑橘類の果皮またはリンゴの絞りかす由来である。構造的に、ペクチンは、カルボキシル基の一部がメタノールでエステル化される、1,4−結合したα−Dガラクトピラノシルウロン酸単位の直鎖セグメントからなる。加えて、あるペクチン源のヒドロキシル基はまた、酢酸でもエステル化される。ペクチンはさらに、アンモニアで処理して、アミド化ペクチンを形成することもできる。50%より低いメトキシル化度を有するペクチンは、低メトキシル化ペクチンと称し、イオンチャンネル型ゲル化可能である。本発明において使用されるペクチンは、50%以下、さらに好ましくは40%以下、最も好ましくは35%以下のメトキシル化度により特徴づけられる。さらに、ペクチンはアミド化され、アミド化度は、10〜30%、好ましくは10−25%およびさらに好ましくは、10〜20%の間である。
【0047】
イオンチャンネル型ゲル化が可能な多糖類、修飾多糖類または多糖類の濃度は、摂取の物理的形状に依存する。固体形態において摂取されるならば、多糖類の濃度は、固体の全重量の90%以下、好ましくは60%以下、最も好ましくは50%以下でなければならない。液体形態において摂取されるならば、高濃度では望ましくないほど高い粘度を有する溶液を形成し得るので、多糖類の濃度は、望ましくは制限されるべきである。液体処方における多糖類の濃度は、望ましくは、液体組成物の合計重量基準で、0.05〜20%、好ましくは0.1〜15%、最も好ましくは、0.5〜10%の範囲である。消費される場合、本発明の多糖類の好ましい用量は、食事1回あたり、約0.1〜10.0グラム、さらに好ましくは、食事1回あたり0.5〜5.0グラム、最も好ましくは、食事1回あたり0.5〜5.0グラムである。このサイズの用量は、短時間で摂取することができ、同時に消費者に役立つ十分な満腹効果を提供する可食品の妥当なサイズの部分を消費者に提供する。
【0048】
カラギーナンも本発明において使用できる。カラギーナンは、紅藻由来であり、複雑な構造を有する硫酸化多糖類である。この高分子量多糖類は、繰り返しのガラクトース単位および3,6−アンヒドロガラクトース(硫酸化および非硫酸化の両方)からなる。この単位は、交互のアルファ−1,3およびベータ−1,4グリコシド結合により結合される。好ましいカラギーナンは、イオタ−カラギーナンのように、多価イオンを有するイオンチャンネル型ゲルを形成できる。カラギーナンは、アルギン酸塩またはペクチンあるいは他の多糖類または修飾多糖類または多糖類塩との組み合わせにおいて用いて、ゲル特性、特に酸安定性を修飾することができる。
【0049】
あらゆる粒子サイズの多糖類または誘導体を使用できるが、粒子サイズは、処方の分散および水和時間の両方に影響を及ぼし得る。容易に溶解する好ましい分散性製品を提供するために、処方の篩別されたフラクションまたは顆粒を使用できる。篩別は良好な流れを提供し、これは粉末ミックスが固まることなく容易に溶解することを可能にする。全粉末ミックスの顆粒化は、篩別よりもさらに良好な流動特性を提供し、さらに製品の分離の防止に役立つ。
【0050】
酸性pHで可溶化される多価カチオン源
本発明の組成物は、酸性pHで可溶化できる多価カチオン源を含有する。本発明の組成物において、摂取された場合にpHの減少が起こり、これは、少なくとも一部には、組成物の、多価カチオンを可溶化するために十分なプロトンの制御放出を提供できる成分との同時処方により達成される。pHの減少後の溶液において利用可能になる多価カチオンは(i)多価カチオン塩であって、その溶解度が酸性化により増加するもの、(ii)酸性化によりさらに可溶性になる、その水溶性を制限する物質でコーティングまたは前記物質と錯体形成したカルシウム塩および(iii)その混合物、を含む。多くの多価カチオン塩であって、その水溶性が酸性化に際して増加するものは、商業的に入手可能であり、カルシウム、鉄、ストロンチウム、バリウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、銅、アルミニウムおよび亜鉛の塩を包含する。特に、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、フッ化カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、水酸化カルシウム、シュウ酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第一リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、カルシウムサッカラート、コハク酸カルシウム、亜硫酸カルシウムおよび酒石酸カルシウムおよびその混合物を包含するカルシウムの塩が好ましい。
【0051】
多価イオンが酸性化により放出されることを保証するために用いられる技術のさらなる例は、酸開裂性部分との錯体形成および酸不安定または熱不安定コートにおけるコーティングである。組成物において使用される多価カチオン源の濃度は、酸性化により適切な遊離多価カチオンが多糖類の架橋およびゲルの形成に利用可能であるために十分であるべきである。好ましい組成物において、多価カチオン源はカルシウムである。組成物において典型的に使用されるカルシウムの濃度は、酸性化により遊離多価カチオンの濃度が、多糖類重量の少なくとも1%、さらに好ましくは、多糖類重量の2.5〜20%、最も好ましくは、多糖類重量の5〜15%であるために十分であるべきである。一つの実施形態において、組成物は、多糖類との反応に必要な多価カチオンの化学量論量の少なくとも100%を含む。
【0052】
多価カチオン粉末の粒子サイズはゲル化速度に影響を及ぼし得る。特に、さらに微細な粒子サイズは、典型的には、ゲル化の速度を増加させる。すなわち、原則として、多価カチオン源の粒子サイズ分布に制限はないが、粒子サイズ分布は、好ましくは直径1〜100μm以内、さらに好ましくは、直径20〜80μm、最も好ましくは、直径25−50μmである。多価カチオンはさらに、顆粒化形態において使用することもでき、この形態において、これはバインダー系、例えば、例えば、マルトデキストリンおよび/または特にアカシアとともに顆粒化される。
【0053】
多価カチオンを可溶化するために十分なプロトンの制御放出を提供できる成分
この成分は、多価カチオンを可溶化するために十分なプロトンの制御放出を提供する任意の化合物または物質を包含する。成分は、遊離酸、酸塩または無水物形態における任意の有機または無機単または多プロトン酸であってもよい。好適な酸は、酒石酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、アルファヒドロキシル酸、アスコルビン酸、アミノ酸、カルボン酸のラクトンおよびその組み合わせを包含する。
【0054】
本明細書において用いられる場合、プロトンの「制御放出」とは、特定の時間または位置、あるいは特定の速度でゲル化を提供する時間および/または速度で多価カチオンを可溶化するために十分なプロトンを提供するために組成物が処理されることを意味する。送達のメカニズムに応じて、プロトンの放出は、組成物の摂取直後であり得る。あるいは、プロトンの放出は、ある時間にわたって遅延および/または持続させることができる。例えば、組成物が水性媒体中に入れられ、次いで摂取される(すなわち、飲むことができる組成物)ならば、プロトンの放出は遅延されるか、または組成物がある期間ゲル化せず、顕著なゲル化が起こる前に組成物の摂取のために時間が与えられるほど十分遅い。別の例において、プロトンの放出が、口腔および/または胃中での組成物の水和および/または溶解により開始され、ゲル化前に組成物の摂取を促進するため、ならびに胃中での堅固なゲルの形成を促進するために長時間にわたってプロトン放出が遅延および/または持続されるように組成物が処理される。
【0055】
組成物は、例えば、満腹製品として組成物が使用される場合、胃中で画定される堅固なゲルであって、これを胃から幽門括約筋を経て排出する蠕動力に長時間対抗するために十分高いゲル強度を有するゲルを形成することができる。例えば、ゲルは、消費者に満腹感を誘発させるために十分な時間、胃中に滞在することができる。
【0056】
組成物の酸性化、従って多価カチオンの遊離およびゲル化を制御できることが好ましい。プロトン供与に対する制御は、(i)ゆっくり溶解する酸、例えば、コハク酸、アジピン酸およびフマル酸、(ii)加水分解に際してプロトンを供与する酸性成分、例えば、カルボン酸のラクトン、または(iii)酸不安定または熱不安定コート中の酸成分、を含む様々な方法を用いて達成することができる。酸性化、したがってゲル化を制御できることは、再構成可能な組成物について特に有利である。再構成に際して、液体製品の酸性化は、多価カチオンの放出が長時間にわたって遅延および/または持続するように制御された方法で進行する。これは製品のゲル化を遅らせ、摂取されるために十分な時間、低粘度液体のままであることを可能にする。摂取後、酸性成分による製品の継続した酸性化は、胃のpHが酸性成分との同時処方によりゲル形成を阻害するために十分高くても、胃中でゲル状塊を形成するために十分な多価カチオンが放出されることを保証する。本発明の組成物は、その結果、その有効性に関して胃内ゲル化に依存する多糖類:酸可溶性多価カチオン組成物の官能性を向上させる手段を提供する。酸性成分の好ましい濃度は、ゲル化の望ましい動力学により影響を受け、当業者により好適に決定され得る。
【0057】
プロトンの制御放出を提供する酸性成分は、好ましくは、摂取直前まで、または摂取中は乾燥状態に維持すべきである。従って、包装または貯蔵される場合、組成物の酸性成分に水を添加しないのが好ましい。さらに、酸性成分が、大気水分との接触を最小限に抑える、および/または組成物の1以上の他の成分中に含まれる湿分での酸成分の水和を予防する方法で包装されるのが好ましい。
一例として、消費者に物質を摂取し、胃中でゲル化が起こることを保証するために十分な時間を提供するために、酸性成分は1〜60分間放置して、組成物を実質的にゲル化させる。例えば、口腔および/または胃中で加水分解される固体組成物の場合、摂取のためにより短い時間がこの場合においては必要とされるので、範囲の下限における値、例えば、1〜10分が使用される。消費者が混合しなければならない飲料および他の可食品は、製品の摂取前の早すぎるゲル化を予防するために、組成物が実質的にゲル化するために5〜60分間放置される。より好ましくは、組成物が実質的なゲル化を受けるために、5〜40分が選択され、最も好ましくは、約10−30分が選択される。
【0058】
本発明の望ましい効果の多くは、ゲル化時間が短いならば、より多くの利点を提供するので、約60分を超えないのが望ましい。例えば、満腹効果を誘発するために時間がかかりすぎるならば、消費者は満腹を感じる前に何かを食べる可能性があり、これにより、そのような場合における本発明の目的が実質的に損なわれる。
【0059】
多糖類または誘導体のモル数の多価カチオンのモル数に対するモル比は、好ましくは30:1未満、さらに好ましくは、22:1未満、最も好ましくは、6:1未満である。プロトンのゆっくりした放出を提供できる成分の酸部分のモル数の、多価カチオンのモル数に対するモル比は、好ましくは1:1より大きく、さらに好ましくは10:1より大きく、最も好ましくは100:1より大きい。このモル比は、比較的高い度合の多糖類成分の架橋を提供することにより、胃中での堅固なゲルの形成を保証するために選択される。
【0060】
気体形成成分
必要に応じて、気体形成成分を用いることができる。気体形成成分は、酸との接触に際して、気体を放出する任意の化合物または物質を含む。好適な気体形成成分は、中性または酸性水性媒体と接触すると、二酸化炭素(CO)または他の非毒性気体を放出する化合物を包含する。これは、重炭酸塩、特に、アルカリ金属重炭酸塩、例えば、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸リチウム、および重炭酸アンモニウムを包含する。気体形成剤は、好ましくは、気体をゲル化液体中にトラップさせ、構造が完全にゲル化する前にゲル体積を増加させるために、重炭酸塩を比較的迅速に加水分解できる酸と組み合わせられる。酸は、有機および無機酸、好ましくはリンゴ酸、酒石酸、クエン酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、アルファヒドロキシル酸、およびアスコルビン酸からなる群から選択される。好ましくは、約0.5wt%以下のこの有機または無機酸が組成物において用いられ、この酸成分による、前記のプロトンの制御放出を提供する成分の活性との潜在的な干渉を最小限に抑える。さらに、好ましくは、この酸成分により放出されるプロトンのモル数は、可食組成物100グラムあたり7×10−3モル以下のHである。
【0061】
分散剤
必要に応じて、分散剤を用いることができる。分散剤の目的は、水中での粉末処方の迅速な分散および/または溶解を促進することである。分散剤は、固体または液体、水溶性または水不溶性であり、好ましくは、水中に可溶性である結晶性物質である。分散剤は、固体成分の1以上の凝集および水和特性の修飾により、分散に役立つ液体であってもよい。好適な分散剤群は、水性媒体中の迅速な分散を可能にする粒子サイズ分布を有する結晶性またはアモルファス粒子からなる化合物を包含する。多くの物質、例えば、スクロース、フルクトース、マルトース、マルチトール、ポリデキストロース、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、エリスリトール、Isomalt(商標)、Sucralose、ステビア誘導体、任意の種類のポリオール、タンパク質、またはその混合物が利用可能である。好適な液体は、これに限定されないが、食用油、グリセロール、ポリエチレングリコールおよび他のポリオールを包含する。これらの任意の分散剤がさらに可塑剤として機能し得る程度まで、可塑剤のゲル形成剤に対する比は、2:1未満、さらに好ましくは、1:1未満であるのが好ましい。任意の可塑剤は、好ましくは50wt%未満のゲル化物質を含む。
【0062】
矯味興趣剤、着色剤および甘味料成分
必要に応じて、矯味興趣剤、着色剤および/または甘味料を用いることができる。粉末処方は、製品の味をよくするために、矯味矯臭剤および甘味料を含有することができる。処方は、少なくとも1以上の矯味興趣剤および/または甘味料成分を含むことができる。
【0063】
フレーバーは、これに限定されないが、フルーツ、ベリーおよびチョコレートフレーバー、好ましくは、中性pH値と適合性であるフレーバーから選択することができる。好ましいフレーバーは、バニラ、バナナ、イチゴおよびチョコレートの群から選択される。
【0064】
分散剤の効果により十分な甘みづけ効果が得られないならば、甘味料を添加することができる。好適な甘味料は、天然および人工甘味料であって、好ましくは低カロリーのものの群から選択することができる。スクロース、フルクトース、マルトース、マルチトール、ポリデキストロース、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、エリスリトール、Isomalt(商標)、Sucralose、ステビア誘導体、任意の種類のポリオール、タンパク質、またはその混合物を包含するが、これに限定されない多くの物質であって、この目的に使用できるものが入手可能である。好適な液体としては、これに限定されないが、食用油、グリセロール、ポリエチレングリコールおよび他のポリオールが挙げられる。
【0065】
他の成分
粉末処方は、任意に、前記のもの以外の他の成分を含み得る。これは、胃腸管における吸収を目的とする成分、フィラー、またはゲルの分解の動力学を修飾する成分の群である。これは、医薬活性物質、栄養物、栄養補助食品、ビタミン、ミネラル、およびタンパク質、プロバイオティクス、プレバイオティクス、または他の成分であって、望ましくは制御された方法で送達されるものを包含するが、これに限定されない。
【0066】
驚くべきことに、本発明の組成物は、ゲル化して、プロトンの制御放出を提供できる本発明の成分を含有しない組成物よりも大幅に強度の高いマトリックスを形成することが見出された。従って、本発明は、胃液酸度に関係なく、胃内ゲル化を向上または保証する手段を提供することは明らかである。プロトンの放出を提供できる成分の選択および多価カチオンを可溶化するために十分な量の使用により、ゲル化の動力学を制御できる。プロトンの供与、従ってゲル化動力学は、様々なpKaおよび溶解度を有する酸を使用して調節できる。別法として、カルボン酸のラクトンであって、加水分解によりプロトンを供与するものを使用して、ゲル化を制御する別の方法が提供される。
【0067】
有利には、液体製品は、ゲル化前に、100s−1の剪断速度で100mPas以下、さらに好ましくは50mPas以下、最も好ましくは25mPas以下の粘度を有する。実質的なゲル化が起こると、ゲル化製品の粘度は、100s−1の剪断速度で200mPas、500mPasまたはさらには1000mPasを超える。
【0068】
本発明の可食形態
ゲル化時間および/またはゲル化期間を制御できる結果として、本発明は様々な異なる可食形態において実施できる。一つの実施形態において、本発明は、水中で再構成できる乾燥粉末として実施される。この実施形態において、組成物の成分はすべて、乾燥形態において一緒に包装することができる。別法として、乾燥成分の1以上を互いに別々に包装することができ、乾燥成分を摂取直前に消費者が混合することができる。例えば、色および/またはフレーバーを付与する2以上の粉末成分から選択することにより、消費者が2以上の色および/またはフレーバーから選択できる飲料が提供されるならば、本発明の組成物の成分の1つはこのような方法で摂取直前に成分の混合を可能にするために、フレーバーおよび/または色含有成分中に含めることができる。
【0069】
別の形態において、本発明は、製品の一成分が液体であり、製品の第二の成分が液体または固体物質である多成分製品として実施できる。このような場合において、製品の2以上の成分は摂取直前に消費者が混合することができる。キットは、可溶性アルギン酸塩を含む第一容器、不溶性アルギン酸塩/ゲル化イオン粒子を含む第二容器を含み得る。個々の容器は、一体型容器システムの独立した容器区画であってもよい。
【0070】
可食品の多成分形態は、キットの形態において提供することができる。いくつかの実施形態において、キットは、溶液の形態において多糖類を含む。いくつかの実施形態において、キットは、溶媒を含まない多糖類を含み得る。いくつかの実施形態において、キットは、溶媒、例えば、水、乳、またはある他の形態の飲料を含む追加の容器を含み得る。いくつかの実施形態において、キットは粉末または顆粒の形態において多価カチオン源を含み得る。
【0071】
いくつかの実施形態において、キットは、分散液の形態において多価カチオン源を含み得る。
【0072】
いくつかの実施形態において、キットは、医薬活性物質、栄養物、栄養補助食品、ビタミン、ミネラル、タンパク質、プロバイオティクスおよびプレバイオティクスを含む追加の容器を含み得る。いくつかの実施形態において、キットは、可溶性アルギン酸塩溶液または粉末を含む容器中および/または多糖類を含む容器中に、医薬活性物質、栄養物、栄養補助食品、ビタミン、ミネラル、タンパク質、プロバイオティクス、およびプレバイオティクスを含む。
【0073】
本発明の異なる可食形態は、異なる包装様式を必要とする。水中で再構成される乾燥粉末について、提示様式は、サシェ、いくつかのサービングを含有するボックス、水で満たされるように設計され、消費前に振盪される1回分の粉末ミックスを含む1サービングのサイズを有するボトル、一部分に一成分を、他方に水または溶液を有する2区画パッケージであってもよい。
【0074】
液体処方は、1区画中に液体処方、他方に粉末、顆粒または分散液を有する2区画パッケージにおいて提示することができる。液体は、たとえば、多価イオン源または酸性化成分などの1つ以外の全ての成分を含有することができる。2区画パッケージは、好ましくは、2成分を隔てるバリアが容易に壊されるか、穴を開けられるか、または除去されて、消費前に液体および粉末が混合することが可能になるように設計される。一例は、2区画パウチであって、消費直前にパウチが圧搾され、振盪された場合に、粉末および液体が混合されるものである。別の例において、底部が圧迫/回転されて、1成分が、粉末、液体またはフィズタブレットである別の成分であって、消費直前に液相に添加できる酸性化粉末を有する成分と混合されるパウチまたはポーションパッケージを提供できる。
【0075】
異なる種類の物質のために区画に分けられた容器を用いることができる。例えば、中間シールを備えた積層パッケージであって、2つの物質が混ざることを許容するリリース部分を含むものを用いることができる。別法として、多区画パッケージにおいて内部タイプのシールを用いて、シールが壊されて、内容物が混合されるまで、容器内容物を分離することができる。破裂可能なバリアをこのような区画に分けられた容器において使用することができる。
【0076】
後に容器内で混合され、消費される成分を別々に貯蔵するための、他の種類の区画に分けられた容器を用いることができる。例えば、2成分を別々に保存するための二重容器であって、第一飲料を含有する主区画および第二成分を含有する主成分の中空キャップを有するもの。中空キャップを破裂させ、第二成分を第一成分中に分配するために機械的手段を用いることができる。別法として、飲料容器の分注蓋を、一般的な飲料に通常添加される1以上の物質を含有する1以上の壊れやすい容器に組み入れることができる。容器上部に圧力を加えて、底面を破裂させ、内容物を飲料容器中に分注することができる。食品用容器は1以上の壊れやすい区画を有するカバーを備えていてもよい。区画は、容器中の食品に添加されることを意図される成分を含有してもよい。カバーが容器から除去される際、区画は破裂し、その内容物は自動的に容器中に分注される。あるいは、飲料に添加される物質を保持する区画を含む飲料容器のキャップ。キャップが除去される際、区画は自動的に開放され、内容物が飲料容器中に分注される。飲料などおよびこれに添加される成分を別々に貯蔵するための様々な従来の容器デザインを本発明の実施において用いることができる。
【0077】
所望の量の固体物質を飲料に添加するための別の方法は、飲料をかき混ぜるために使用されるスティックの形態の固体物質の使用を含む。飲料をさらに撹拌すると、より多くの固体物質が溶解する。この方法に対する変形例は、区画内に固体を貯蔵する撹拌棒の使用である。スティックは任意の好適な方法で区画を開放するために操作されるので、飲料が撹拌される場合、区画内の固体物質が飲料中に溶解する。別の変形例において、物質の一成分を、液体物質に添加し、これと混合されるスプリンクルの形態で提供することができる。さらに、2つの独立した区画であって、容器を開放することにより露出されるものを用いることができる。この実施形態において、消費者は1成分をその区画から他の区画へとどうさせて、成分を混合する。これは、ヨーグルトおよびフルーツがしばしば一緒に包装される方法と類似している。
【0078】
もう一つ別の実施形態において、容器は、第二成分を第一成分に、例えば、ねじり、圧搾、ボタンを押す、ノブをまわす、プルタブを引っ張る、または他の手段により添加するための手段の機械的作動のために設計される。この実施形態において、消費者によるいくつかの操作は、成分を混合し、さらなる混合は、例えば、容器を振ることにより達成できる。
【0079】
もう一つ別の実施形態において、本発明の組成物の成分は、固体形態、例えば、フードバー、クッキー、シリアルなどであって、摂取前に咀嚼されるように設計されたものにおいて提供することができる。この実施形態は、好ましくは、少なくとも2つの異なる成分を使用し、その1つは、例えば、他の成分上にコーティングされていてもよいし、あるいは2成分が可食品の別の物理的層中に埋め込まれていてもよい。このようにして、製品が咀嚼および/または飲み込まれる際に、これを口腔および/または胃中で水和することができる。
【0080】
本発明の組成物は、使用説明書および/または体重減少および/または食欲または食品消費の制御のための組成物の使用を教示する説明書とともに包装することができる。説明書または使用説明書は、書面の使用説明書および図的記述などの任意の形態であってもよい。
【0081】
本発明を以下の実施例を参照してさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されないと理解されるべきである。本明細書で特に記載しない限り、全ての部、パーセント、比などは重量基準である。
実施例
【実施例1】
【0082】
酸性成分のゲル化に対する影響を決定するために、2つの処方を表1にしたがって調製した。各処方は、好適な濃度の酸可溶性カルシウム塩を含有し、従って、可溶化に際して、アルギン酸ナトリウムを架橋し、ゲル化するために十分なカルシウムイオンが放出される。処方は、水中で再構成できる乾燥粉末であり、組成(%w/v)は、再構成後の成分の濃度を意味する。
【0083】
【表1】

【0084】
乾燥粉末を100mLの水中で再構成した。酸性度が減少した胃液と接触した場合に、再構成された処方がどのように挙動するかを決定するために、これを50mLの胃液をシミュレートした修飾USPに添加した。修飾胃液をpH5.5に修正し、37℃に予熱した。処方の混合後:胃液ミックスを37℃でインキュベートし、30分後にゲルの機械的特性を決定した。テクスチャーアナライザー(Model TA.XT Plus、Stable Micro Systems、UK、load cell capacity 5kg)を用いてゲルの機械的特性を決定した。装置は機械的応力をサンプルに加え、この応力に関連する力特性を測定する。この研究において、圧縮に耐えるその能力により、ゲルの応力を評価した。ゲルをテクスチャーアナライザー下に置き、円筒形デルリン1/2’’プローブをゲルの表面に適用し、次に0.5mms−1の速度で5mmの距離まで減少させた。プローブの除去後、ゲル強度を圧縮サイクル中に記録された最大ピーク力として割り当てる。テクスチャーアナライザーは0.05Nの圧縮に対する閾値抵抗性を有し、サンプルがこの閾値より高い圧縮に対する抵抗性を提供しないならば、記録可能なゲル強度値は得られない。各処方の5つの独立して調製されたサンプルのゲル強度を測定した。
【0085】
表2は、50mLの弱酸性胃液媒体を添加した後の、各処方のゲル強度を示す。処方B(酸成分なしで調製)は、胃液媒体中でゲル化せず、一方、酸成分を含有する同じ処方(処方A)は相当の機械的強度を有するゲルを形成した。データは、多糖類:酸可溶性カルシウム塩処方が酸性度に減少した胃液に添加される場合、不十分なカルシウムイオンが可溶化して、アルギン酸ナトリウムをゲル化することを示唆する。酸性成分の同時処方は、多糖類:酸可溶性カルシウム塩処方のゲル化を向上させ、この場合、保証する。従って、胃内ゲル化に依存する医薬組成物中に酸性成分を含めることは、官能性を向上させる有効な手段を提供する。
【0086】
【表2】

【実施例2】
【0087】
【表3】

【0088】
100mLの水と混合される再構成可能な乾燥粉末。全ての成分およびパッケージを適宜乾式ブレンドする。組成物は10分間、低粘度の飲むことができる液体のままである。摂取されると、胃中で体積が最大200cmの実質的にゲル状塊を形成する。液体処方は、食事前に摂取すべきであり、太りすぎ/肥満の予防/管理において、または食事代替品の基本製剤として用いることができる。嵩高い塊の胃内形成は、食欲抑制に関与する生理的経路を開始することにより、満腹を誘発することができる。
【0089】
着実な方法(Reid&Hetheringtonにより総説)を用いた前記処方の臨床試験を、10人のボランティアの試験パネルについて実行した。試験は、食物消費、相対的満腹感および相対的空腹感を測定するための、ランダム化され、制御された、単盲検双方向交差試験であった。実験は、2つの場合に関して3日間の追跡試験を行った。被験者は、試験食事前、食事中、および食事後に視覚アナログ尺度(VAS)質問表の項目を全て記入した。前負荷組成物を昼食前30分に摂取した。相対的空腹感(食後)を図1に示し、次の摂食エピソードまでの時間を図2に示す。
【0090】
実施例2の組成物のゲル化動力学を次に調べた。図3に示す装置を用いてゲル化動力学を測定した。処方10は、円筒形プローブ30を備えた容器20中に配置する。円筒形プローブ30を処方10中で振動させ、ロードセルに取り付けて、ロードの測定を可能にし、物質のゲル強度の表示を提供する。これにより、円筒形プローブ30の動きに対する耐性、従って、非破壊的方法でゲル化の程度を検出することが可能になる。
【0091】
表中の前記の成分を全て含有する粉末処方を100mlの水と混合し、10秒間振盪して、試験用第1サンプル(以後、「粉末処方」)を調製した。グルコノ−デルタラクトン以外の全ての成分を含有する液体処方をプラスチックボトル中にデカントし、グルコノ−デルタラクトン成分を添加し、混合物を10秒間振盪して、試験用第二サンプル(以下、「液体処方」)を調製した。粉末処方の結果を図4に示し、粉末および液体処方の結果の比較を図5に示す。
【0092】
結果から、液体処方は、顕著なゲル化が起こるまでの時間がより長く、約30分後により強力なゲルを形成したことがわかる。
【0093】
用いるアルギン酸塩の濃度を変更する以外は前記と同じ処方を用いて、追加の実施例を行った。様々な量のアルギン酸塩を用いたこれらの追加の実施例の結果を図6に示す。アルギン酸塩濃度を増加させると、顕著なゲル化が起こるまでの時間が減少し、ゲル化組成物の最終ゲル強度に影響を与えた。
【実施例3】
【0094】
【表4】

【0095】
100mLの水と混合されるために設計された再構成可能な乾燥粉末は前記表に記載されている。全ての成分は乾式ブレンドされ、適宜包装される。組成物は10分間低粘度の飲むことができる液体のままである。摂取されると、胃中で200cmまでの体積を有する実質的なゲル状塊を形成する。液体処方は食前に摂取すべきであり、太りすぎ/肥満の予防/管理においてまたは食事代替品の基礎製剤として使用することができる。嵩高い塊の胃内処方は、食欲抑制に関与する生理的経路を開始することにより満腹を誘発することができる。
【実施例4】
【0096】
【表5】

【0097】
100mLの乳と混合されるために設計された再構成可能な乾燥粉末。全ての成分は乾式ブレンドされ、適宜包装される。組成物は10分間低粘度の飲むことができる液体のままである。摂取されると、この組成物は胃中で200cmまでの体積を有する実質的なゲル状塊を形成する。液体処方は食前に摂取すべきであり、太りすぎ/肥満の予防/管理においてまたは食事代替品の基礎製剤として使用することができる。嵩高い塊の胃内処方は、食欲抑制に関与する生理的経路を開始することにより満腹を誘発することができる。
【実施例5】
【0098】
【表6】

【0099】
アルギン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、フルクトースおよびフレーバーを100mLの水中に溶解させる。消費直前に、グルコノ−デルタ−ラクトンを粘稠溶液に添加し、振盪する。製品は2区画パッケージにおいて提供され、ここにおいて、液相および乾燥粉末(グルコノ−デルタ−ラクトン含有成分)は消費されるまで別々にしておかれる。このパッケージは2区画を有するパウチであってもよく、ここで、パウチを圧搾して、区画間のバリアを壊し、振盪して、粉末を液相中に混合することができる。組成物は約10分間、低粘度の飲むことができる液体のままである。摂取されると、この組成物は最高200cmまでの体積を有する実質的なゲル状塊を胃中で形成する。液体処方は食事前に摂取すべきであり、太りすぎ/肥満の予防/管理においてまたは食事代替品の基礎製剤として使用することができる。嵩高い塊の胃内処方は、食欲抑制に関与する生理的経路を開始することにより満腹を誘発することができる。組成物はまた、重炭酸ナトリウムなしで処方することもできるが、摂取後の胃中のゲル状塊の体積は少なくなる。
【実施例6】
【0100】
【表7】

【0101】
アルギン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、フルクトースおよびフレーバーを50mLの水中に溶解させる。消費直前に、グルコノ−デルタ−ラクトンを粘稠溶液に添加し、振盪する。製品は2区画パッケージにおいて提供され、ここで、液相および乾燥粉末(グルコノ−デルタ−ラクトンを含有する)は消費まで別々にしておかれる。このパッケージは、2区画を有するパウチであってもよく、ここで、パウチは圧搾されて区画間のバリアを壊し、振盪されて、粉末を液相中に混合する。組成物は10分間、低粘度の飲むことができる液体のままである。摂取されると、組成物は胃中で最高100cmまでの体積を有する実質的なゲル状塊を形成する。液体処方は食事前に摂取すべきであり、太りすぎ/肥満の予防/管理においてまたは食事代替品の基礎製剤として使用することができる。嵩高い塊の胃内形成は、食欲抑制に関与する生理的経路を開始することにより、満腹を誘発することができる。組成物は重炭酸ナトリウム無しでも添加することができるが、摂取後の胃中でのゲル状塊の体積は若干小さくなる。
【実施例7】
【0102】
【表8】

【0103】
アルギン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、フルクトースおよびフレーバーを300mLの水中に溶解させる。消費直前に、グルコノ−デルタ−ラクトンを粘稠溶液に添加し、振盪する。製品は2区画パッケージにおいて提供され、ここで、液相および乾燥粉末(グルコノ−デルタ−ラクトン含有する)は消費まで別々にしておかれる。このパッケージは、2区画を有するパウチであってもよく、ここで、パウチは圧搾されて区画間のバリアを壊し、振盪されて、粉末を液相中に混合する。組成物は10分間、低粘度の飲むことができる液体のままである。摂取されると、組成物は、胃中で最高400cmまでの体積を有する実質的なゲル状塊を形成する。液体処方は食事前に摂取すべきであり、太りすぎ/肥満の予防/管理においてまたは食事代替品の基礎製剤として使用することができる。嵩高い塊の胃内形成は、食欲抑制に関与する生理的経路を開始することにより、満腹を誘発することができる。組成物は重炭酸ナトリウムを添加しなくてもよいが、摂取後の胃中のゲル状塊の体積は小さくなる。
【実施例8】
【0104】
【表9】

【0105】
100mLの水と混合される再構成可能な乾燥粉末は前記表において記載されている。全ての成分およびパッケージを適宜乾式ブレンドする。組成物は10分間、低粘度の飲むことができる液体のままである。摂取されると、組成物は胃中で最高200cmまでの体積を有する実質的なゲル状塊を形成する。このサイズおよび硬さを有する塊は、幽門括約筋を通過するために物理的浸食を必要とするので、胃中に留保され得る。液体処方は、従って、上部胃腸管において特異的吸収枠で薬剤を送達するため、または上部胃腸管状態の局所治療のための胃保持性投与形態として使用できる。
【実施例9】
【0106】
【表10】

【0107】
フマル酸、フルクトース、フレーバーおよび0.4gの重炭酸ナトリウムを除く全ての成分を乾式ブレンドする。70:30%V/Vエタノール:水の溶液を用いて造粒し、50℃で乾燥する。顆粒を1000μm篩に通す。除外された成分を顆粒およびパッケージと適宜乾式ブレンドする。100mLの水と混合される、再構成可能な造粒製品を得る。顆粒は食後に摂取すべきであり、太りすぎ/肥満の予防/管理において使用できる。処方の胃内ゲル化は、摂取された食事を封入/増粘し、栄養吸収を調節できる。
【実施例10】
【0108】
【表11】

【0109】
グルコノ−デルタ−ラクトンを除く全ての成分を乾式ブレンドする。70:30%v/vエタノール:水の溶液を用いて湿式造粒し、50℃で乾燥する。顆粒を1000μm篩に通し、次にグルコノ−デルタ−ラクトンと乾式ブレンドする。通常の打錠機を用いて圧縮する。
【実施例11】
【0110】
【表12】

【0111】
カーボポール974Pを450mLの脱イオン水中に分散させ、水酸化ナトリウムで中和する。グルコノ−デルタ−ラクトン、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、パラヒドロキシ安息香酸およびサッカリンを別の第二の容器中で450mLの脱イオン水と混合する。完全に水和されるまで、アルギン酸ナトリウムを第二の容器にゆっくりと添加する。アルギン酸ナトリウム相をカーボポール相に添加し、完全に分散されるまで混合する。フレーバーを添加し、撹拌する。
脱イオン水を用いて体積を1000mLに調節し、完全に混合されるまで撹拌する。グルコノ−デルタ−ラクトン(GDL)を熱不安定コーティング中にコートして、逆流防止液体の時期尚早の酸性化を防止する。摂取後、逆流防止液体が体温に順応する際に、GDLが胃中に放出される。次に、胃内ゲル化の保証/向上に利用可能になる。
【実施例12】
【0112】
【表13】

【0113】
成分1,2および4を高剪断ミキサー中で乾式ブレンドする。70:30%v/vエタノール:水の溶液を用いて湿式造粒し、50℃で乾燥する。顆粒を610μmスクリーン、次に457μmスクリーンを通し、Quadro Comillを用いて粉砕し、次に、成分3、5、6、8、9および10と低剪断転動ミキサー中で5分間乾式ブレンドする。成分7を添加し、ブレンドを2分間続ける。通常の打錠機を用いて圧縮し、適宜包装する。
【実施例13】
【0114】
アルギン酸ナトリウムおよび炭酸カルシウムを、pH中性のスプーンで食べられるデザート、例えば、大豆ベースのチョコレートクリームに組み入れることができる。粉末酸性化剤を消費直前に前記デザート中に加える。このデザートは、主区画中のスプーンで食べられるデザートおよびより小さな第二区画中に粉末酸性化剤を含む、2区画パッケージ中で提供される。酸性化剤、例えば、例えば、グルコノ−デルタ−ラクトンは粉末形態で提供することができ、他の成分、例えば、乾燥チョコレートビーズ、糖、ミューズリーなどと混合することができる。代替法は、酸性化されたスプーンで食べられるデザート、例えば、果物の裏ごしを主区画中に、保護コーティングを有する炭酸カルシウム含有成分を第二区画中に提供することである。摂取直前に、第二区画の内容物を主区画中に添加し、撹拌することにより混合し、これにより、多糖類のゲル化を開始させる。摂取されると、処方は胃中で多量の実質的なゲル状塊を形成する。処方は食事前に摂取すべきであり、太りすぎ/肥満の予防/管理において使用できる。嵩高い塊の胃内での形成は、満腹を誘発する。
【実施例14】
【0115】
アルギン酸ナトリウムおよび炭酸カルシウムを他の乾燥成分と混合して、可食フードバーを調製する。粉末酸性化剤、例えば、グルコノ−デルタ−ラクトンをフードバーの外側表面上にまき散らすことができる。摂取されると、胃中で実質的なゲル状塊が形成される。フードバーは食事前に摂取すべきであり、太りすぎ/肥満の予防/管理においてまたは食事代替品の基礎製剤として使用することができる。摂取中および摂取後に、胃酸および酸性化剤の組み合わせによる酸性化の結果として、炭酸カルシウムからカルシウムイオンが放出されるために、アルギン酸塩は胃中で部分的にゲル網目構造を形成する。嵩高い塊が胃内で形成されることは、胃の拡大、およびゲル化構造の存在のために胃の内容物が空になるのが遅いために、満腹を誘発する。
【0116】
本発明を詳細に、その特定の具体例を参照して説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更および修正を加えることができることは当業者には明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明による実施例について食後の相対的空腹感のグラフである。
【図2】本発明による実施例についての、次の摂食エピソードまでの時間のグラフである。
【図3】本出願の実施例2において使用されるゲル強度の表示を得るための装置の概略図である。
【図4】粉末処方についての図3の装置を使用して測定された力のグラフである。
【図5】液体および粉末処方を比較する、図3の装置を用いて測定された力のグラフである。
【図6】異なる濃度のアルギン酸塩を用いた実施例2の組成物についての図3の装置を用いて測定された力のグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物において満腹を誘発する方法であって、
(a)少なくとも1つの多糖類、修飾多糖類、または多糖類塩であって、それぞれがイオンチャンネル型ゲル化可能なもの、
(b)酸性pHでの可溶化が可能な少なくとも1つの多価カチオン源、および
(c)前記多価カチオンを可溶化するために十分なプロトンの制御放出を提供できる少なくとも1つの成分、
を含む組成物を摂取する工程を含む方法。
【請求項2】
前記組成物が液体であり、飲むことにより摂取される請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記組成物が固体であり、摂取された場合に口腔中で水和される請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記組成物が、固体および液体を混合し、これにより、前記組成物の摂取前に水和環境中で成分(a)〜(c)を組み合わせる工程により形成される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
組成物が分散剤をさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記分散剤が固体である請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記固体が、結晶糖およびソルビトール、フルクトース、ポリデキストロース、スクロース、マルトース、マルチトール、キシリトールまたはマンニトールのうちの少なくとも1つである請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記結晶糖がフルクトースである請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記固体がタンパク質である請求項7記載の方法。
【請求項10】
分散剤が液体である請求項5記載の方法。
【請求項11】
前記組成物が気体形成成分をさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記気体形成成分が、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸アンモニウム、および炭酸カルシウムからなる群から選択される請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記気体形成成分が重炭酸ナトリウムである請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記気体形成成分が重炭酸カリウムである請求項12記載の方法。
【請求項15】
前記組成物が、最高0.5重量%までの、プロトンの即時放出を提供できる酸成分をさらに含む請求項12記載の方法。
【請求項16】
プロトンの即時放出を提供できる前記酸がリンゴ酸である請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記組成物が、医薬活性物質、栄養物、栄養補助食品、ビタミン、ミネラル、タンパク質、プロバイオティクス、およびプレバイオティクスからなる群から選択される少なくとも1つの活性成分をさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記多糖類がアルギン酸塩、カラギーナンまたはペクチンの少なくとも1つであり、前記修飾多糖類がアミド化ペクチンであり、前記多糖類塩がアルギン酸ナトリウムまたはアルギン酸カリウムのうちの少なくとも1つである請求項1記載の方法。
【請求項19】
多糖類がアルギン酸塩であり、前記多糖類塩がアルギン酸ナトリウムである請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記多糖類がアルギン酸塩であり、前記多糖類塩がアルギン酸カリウムである請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記多価カチオン源が、カルシウム、鉄、ストロンチウム、バリウム、クロム、マンガン、ニッケル、コバルト、モリブデン、銅、アルミニウムまたは亜鉛からの塩の少なくとも1つである請求項1記載の方法。
【請求項22】
プロトンの即時放出が可能な前記酸成分が、酒石酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、アルファヒドロキシル酸、アスコルビン酸、アミノ酸またはカルボン酸のラクトンの少なくとも1つである請求項15記載の方法。
【請求項23】
プロトンの制御放出を提供できる前記酸成分がグルコノ−デルタ−ラクトンである請求項1記載の組成物。
【請求項24】
プロトンの制御放出を提供できる前記成分が1以上のゆっくりと溶解する酸を含む請求項1記載の方法。
【請求項25】
前記のゆっくりと溶解する酸が、コハク酸、アジピン酸およびフマル酸からなる群から選択される請求項1記載の方法。
【請求項26】
プロトンの制御放出を提供できる前記成分が加水分解に際してプロトンを供与する1以上の酸性成分を含む請求項1記載の方法。
【請求項27】
プロトンの制御放出を提供できる前記成分が酸不安定または熱不安定コート中に酸成分を含む請求項1記載の方法。
【請求項28】
成分(a)の成分(b)に対するモル比が30:1未満である請求項1記載の方法。
【請求項29】
成分(a)の成分(b)に対するモル比が22:1未満である請求項1記載の方法。
【請求項30】
成分(a)の成分(b)に対するモル比が6:1未満である請求項1記載の方法。
【請求項31】
成分(a)のモル数に対する成分(c)の酸部分のモル比が1:1より大きい請求項1記載の方法。
【請求項32】
成分(a)のモル数に対する成分(c)の酸部分のモル比が10:1より大きい請求項1記載の方法。
【請求項33】
成分(a)のモル数に対する成分(c)の酸部分のモル比が100:1より大きい請求項1記載の方法。
【請求項34】
1回の食事あたり投与される成分(a)の量が0.5〜5.0グラムである請求項1記載の方法。
【請求項35】
1回の食事あたり投与される成分(a)の量が0.75〜3.0グラムである請求項1記載の方法。
【請求項36】
(a)少なくとも1つのイオンチャンネル型ゲル化可能な多糖類、修飾多糖類、または多糖類塩、
(b)酸性pHで可溶化できる少なくとも1つの多価カチオン源、
(c)前記多価カチオンを可溶化するために十分なプロトンの制御放出を提供できる少なくとも1つの成分、および
(d)気体形成成分を含む組成物であって、水性媒体中で水和でき、その後、摂取された場合に胃中で、蠕動力に対抗し、胃中に長時間残存するゲルを形成することができる組成物。
【請求項37】
分散剤をさらに含む請求項36記載の組成物。
【請求項38】
前記分散剤が固体である請求項37記載の組成物。
【請求項39】
前記固体が結晶糖およびソルビトール、フルクトース、ポリデキストロース、スクロース、マルトース、マルチトール、キシリトールまたはマンニトールのうちの少なくとも1つである請求項38記載の組成物。
【請求項40】
前記結晶糖がフルクトースである請求項39記載の組成物。
【請求項41】
前記固体がタンパク質である請求項39記載の組成物。
【請求項42】
分散剤が液体である請求項37記載の組成物。
【請求項43】
前記気体形成成分が、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸アンモニウム、および炭酸カルシウムからなる群から選択される請求項36記載の組成物。
【請求項44】
前記気体形成成分が重炭酸ナトリウムである請求項43記載の組成物。
【請求項45】
前記気体形成成分が重炭酸カリウムである請求項43記載の組成物。
【請求項46】
最高0.5重量%までの、プロトンの即時放出を提供できる酸成分をさらに含む請求項36記載の組成物。
【請求項47】
プロトンの即時放出を提供できる酸がリンゴ酸である請求項46記載の組成物。
【請求項48】
医薬活性物質、栄養物、栄養補助食品、ビタミン、ミネラル、タンパク質、プロバイオティクス、およびプレバイオティクスからなる群から選択される少なくとも1つの活性成分をさらに含む請求項36記載の組成物。
【請求項49】
前記多糖類が、アルギン酸塩、カラギーナンまたはペクチンのうちの少なくとも1つであり、前記修飾多糖類がアミド化ペクチンであり、前記多糖類塩が、アルギン酸ナトリウムまたはアルギン酸カリウムのうちの少なくとも1つである請求項36記載の組成物。
【請求項50】
前記多糖類がアルギン酸塩であり、前記多糖類塩がアルギン酸ナトリウムである請求項36記載の組成物。
【請求項51】
前記多糖類がアルギン酸塩であり、前記多糖類塩がアルギン酸カリウムである請求項36記載の組成物。
【請求項52】
前記多糖類が一価ペクチン酸塩の形態の低メトキシル化ペクチンである請求項36記載の組成物。
【請求項53】
前記多糖類がアルギン酸ナトリウムおよび低メトキシル化ペクチン酸ナトリウムの組み合わせである請求項36記載の組成物。
【請求項54】
前記多糖類がアルギン酸カリウムおよび低メトキシル化ペクチン酸カリウムの組み合わせである請求項53記載の組成物。
【請求項55】
前記多糖類が、イオタカラギーナンとの組み合わせにおけるアルギン酸塩または低メトキシル化一価ペクチン酸塩である請求項36記載の組成物。
【請求項56】
前記多価カチオン源が、カルシウム、鉄、ストロンチウム、バリウム、クロム、マンガン、ニッケル、コバルト、モリブデン、銅、アルミニウムまたは亜鉛からの塩の少なくとも1つである請求項36記載の組成物。
【請求項57】
プロトンの即時放出が可能な酸成分が、酒石酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、アルファヒドロキシル酸、アスコルビン酸、アミノ酸またはカルボン酸のラクトンの少なくとも1つである請求項46記載の組成物。
【請求項58】
プロトンの制御放出を提供できる前記酸成分がグルコノ−デルタ−ラクトンである請求項36記載の組成物。
【請求項59】
プロトンの制御放出を提供できる前記成分が1以上のゆっくりと溶解する酸を含む請求項36記載の組成物。
【請求項60】
前記のゆっくりと溶解する酸が、コハク酸、アジピン酸およびフマル酸からなる群から選択される請求項59記載の組成物。
【請求項61】
プロトンの制御放出を提供できる前記成分が、加水分解に際してプロトンを供与する1以上の酸性成分を含む請求項36記載の組成物。
【請求項62】
プロトンの制御放出を提供できる前記成分が酸不安定または熱不安定コート中に酸成分を含む請求項36記載の組成物。
【請求項63】
成分(a)の成分(b)に対するモル比が30:1未満である請求項36記載の組成物。
【請求項64】
成分(a)の成分(b)に対するモル比が22:1未満である請求項36記載の組成物。
【請求項65】
成分(a)の成分(b)に対するモル比が6:1未満である請求項36記載の組成物。
【請求項66】
酸部分の成分(a)のモル数に対する成分(c)のモル比が1:1より大きい請求項36記載の組成物。
【請求項67】
酸部分の成分(a)のモル数に対する成分(c)のモル比が10:1より大きい請求項36記載の組成物。
【請求項68】
酸部分の成分(a)のモル数に対する成分(c)のモル比が100:1より大きい請求項36記載の組成物。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−524575(P2009−524575A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533933(P2008−533933)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【国際出願番号】PCT/EP2006/009614
【国際公開番号】WO2007/039294
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(504369661)エフエムシー バイオポリマー エイエス (14)
【Fターム(参考)】