説明

ゲームシステム、それに用いられる制御方法及び、コンピュータプログラム

【課題】特別のゲームを利用して、ゲーム機の利用を促すことができるゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲームシステム1は、少なくとも一つのゲーム機GMと、特別な楽曲の使用権が付与された付与プレイヤを管理するためのユーザ管理データ35を記憶する記憶装置32と、を備え、音楽ゲームを提供する。そして、ゲームシステム1は、付与プレイヤの音楽ゲームを提供したか否かを判別し、付与プレイヤに音楽ゲームを提供した場合に満たされる第1の要件と、当該第1の要件を満たした後から所定の終了条件を具備するまでに、特別な楽曲の使用権が付与されていない未付与プレイヤに音楽ゲームを提供した場合に満たされる第2の要件と、を含み、少なくともこれらの第1の要件及び、第2の要件を満たすことを要求する所定の付与条件が満たされたか否かを判別し、所定の付与条件が満たされた場合に、未付与プレイヤに特別な楽曲の使用権を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のプレイヤに特別のゲームを提供可能なゲームシステム、それに用いられる制御方法及び、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の経路に沿ってリズム音に対応するノーツバーを表示させるとともに、このノーツバーが操作時期に現在時刻に対応する基準線と一致するように、ノーツバーを基準線に向かって移動させることにより操作時期を案内する音楽ゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−96061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲーム装置では、音楽を使用するゲームが提供される。このようなゲームでは、使用される音楽によりゲームの興趣性が左右される。従って、プレイヤには、よりゲームの興趣性を高めることができる音楽へのニーズがある。このため、例えば、一定の回数以上の利用、一定の得点の獲得といった所定の条件に基づいて使用が可能になる音楽が存在すれば、ゲームへの動機づけになり得る。また、これにより、ゲームの興趣性を向上させることができる。つまり、このような特別のゲームをゲームへの動機づけ或いは、ゲームの興趣性の向上に利用する余地がある。
【0005】
そこで、本発明は、特別のゲームを利用して、ゲーム機の利用を促すことができるゲームシステム、それに用いられる制御方法及び、コンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、プレイヤにゲーム機会を提供する少なくとも一つのゲーム機(GM)と、各プレイヤを特定するためのプレイヤ情報を記憶するプレイヤ情報記憶手段(32)と、特別のゲームをプレイする権利が付与された付与プレイヤの情報を前記プレイヤ情報と関連付けて管理するための管理データ(35)を記憶する管理データ記憶手段(32)と、を備え、前記付与プレイヤに前記ゲーム機会の少なくとも一部として前記特別のゲームを提供可能なゲームシステムであって、前記プレイヤ情報と前記管理データとに基づいて、前記ゲーム機が前記ゲーム機会を提供したプレイヤが前記付与プレイヤか否かを判別するプレイヤ判別手段(10)と、前記ゲーム機が前記付与プレイヤに前記ゲーム機会を提供した場合に満たされる第1の条件と、前記第1の条件が満たされた後に当該第1条件を満たしたゲーム機が前記プレイする権利が付与されていない未付与プレイヤに前記ゲーム機会を提供した場合に満たされる第2の条件と、を含み、少なくとも前記第1の条件及び、第2の条件を満たすことを要件とする所定の付与条件が満たされたか否かを判別する条件判別手段(10)と、前記条件判別手段の判別結果に基づいて、前記所定の付与条件が満たされた場合に、前記未付与プレイヤに前記プレイする権利を付与する権利付与手段(31)と、を備えている。
【0007】
本発明によれば、特別のゲームをプレイする権利が付与されていない未付与プレイヤへのプレイする権利の付与に、プレイする権利が付与された付与プレイヤによるゲーム機の使用が要求される。つまり、プレイする権利を付与する媒体として、ゲーム機を利用することができる。この場合、ゲーム機を利用する頻度が増加すれば、付与プレイヤが増加する可能性も高まる。このため、プレイする権利の付与をゲーム機への動機づけとして利用することができる。従って、特別のゲームを利用して、ゲーム機の利用を促すことができる。
【0008】
本発明のゲームシステムの一態様において、前記ゲーム機は、ゲーム提供条件を満たした場合に1回のゲーム機会を提供するように、構成され、前記所定の付与条件は、更に、前記第1の要件を満たすためのゲーム機会と、前記第2の要件を満たすためのゲーム機会とが別のゲーム機会である場合に満たされる第3の要件を含み、第3の要件が満たされることを更に要求してもよい。同時にゲーム機を利用する場合、つまりゲーム機会を共有する場合には、共有するプレイヤ間は、知人である可能性が高い。従って、ゲーム機会を共有する場合が含まれると、所定の付与条件が意図的に満たされる場合がある。この場合、ゲーム機の利用への動機づけが低下し得る。しかし、この態様によれば、同時にゲーム機を利用した未付与プレイヤは、所定の付与条件を満たさない。つまり、意図的に所定の付与条件を満たす行為を一部排除することができる。これにより、ゲーム機の利用をより促すことができる。
【0009】
本発明のゲームシステムの一態様において、前記所定の終了条件として、前記未付与プレイヤに前記プレイする権利を一度付与した場合に具備される条件が採用されていてもよい。この場合、付与プレイヤの急激な増加を抑制することができる。
【0010】
本発明のゲームシステムの一態様において、前記権利付与手段は、前記未付与プレイヤとして、前記所定の付与条件が満たされた場合に、当該所定の付与条件を満たすために第2の要件を満たした未付与プレイヤに前記プレイする権利を付与してもよい。この場合、所定の付与条件への寄与とプレイする権利の付与との関係をプレイヤに容易に認識させることができる。これにより、ゲーム機の利用への動機づけをより高めることができる。
【0011】
特別のゲームとして、どのようなゲームが利用されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記特別のゲームとして、互いにプレイする権利が異なる複数種類のゲームが用意され、前記権利付与手段は、前記所定の付与条件が満たされた場合に、前記未付与プレイヤに付与する前記プレイする権利として、当該所定の付与条件を満たすために第1の条件を満たした付与プレイヤに付与されているプレイする権利に対応するプレイする権利を付与してもよい。
【0012】
本発明のゲームシステムの一態様において、前記少なくとも一つのゲーム機として、複数のゲーム機と、前記複数のゲーム機にネットワーク(6)を介して接続可能なサーバ装置(3)と、を備え、前記プレイヤ情報記憶手段及び、管理データ記憶手段は、前記サーバ装置に設けられていてもよい。この場合、付与プレイヤをサーバ装置にて一元管理することができる。また、サーバ装置を利用して、複数のゲーム機間で第1の要件、及び、第2の要件を満たしたか否かを管理することもできる。また、この態様において、前記所定の付与条件は、前記第2の要件を満たすためのゲーム機と、前記第1の要件を満たしたゲーム機とが一致することを更に要求してもよい。この場合、第1の要件を満たすゲーム機と、第2の要件を満たすためのゲーム機との関係をプレイヤに容易に認識させることができる。
【0013】
所定の付与条件を満たすか否かは、どのように判別されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記プレイする権利に関連付けられる権利情報と前記ゲーム機とを対応付けるための権利情報データ(23)を記憶する権利情報データ記憶手段(20)と、前記プレイヤ判別手段の判別結果に基づいて、前記ゲーム機が前記付与プレイヤに前記ゲーム機会を提供した場合に、当該ゲーム機と当該付与プレイヤに関連付けられる前記権利情報とを対応付けるように、前記権利情報データを生成する権利情報データ生成手段(10)と、を更に備え、前記条件判別手段は、前記権利情報データに基づいて、前記第1の要件が満たされているか否かを判別してもよい。
【0014】
また、権利情報データを利用して、所定の付与条件を満たすか否かを判別する態様において、権利情報とゲーム機とを対応付ける方法は、どのような方法でもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記権利情報データ記憶手段は、前記ゲーム機に設けられ、前記権利情報データは、前記付与プレイヤにゲーム機会を提供したゲーム機の権利情報データ記憶手段に記憶されることにより、当該ゲーム機と対応付けられてもよい。
【0015】
本発明の制御方法は、プレイヤにゲーム機会を提供する少なくとも一つのゲーム機(GM)と、各プレイヤを特定するためのプレイヤ情報を記憶するプレイヤ情報記憶手段(32)と、特別のゲームをプレイする権利が付与された付与プレイヤの情報を前記プレイヤ情報と関連付けて管理するための管理データ(35)を記憶する管理データ記憶手段(32)と、を備え、前記付与プレイヤに前記ゲーム機会の少なくとも一部として前記特別のゲームを提供可能なゲームシステムが有するコンピュータ(10、31)に、前記プレイヤ情報と前記管理データとに基づいて、前記ゲーム機が前記ゲーム機会を提供したプレイヤが前記付与プレイヤか否かを判別するプレイヤ判別工程と、前記ゲーム機が前記付与プレイヤに前記ゲーム機会を提供した場合に満たされる第1の要件と、前記第1の要件を満たした後から所定の終了条件を具備するまでに前記ゲーム機が前記プレイする権利が付与されていない未付与プレイヤに前記ゲーム機会を提供した場合に満たされる第2の要件と、を含み、少なくとも前記第1の要件及び、第2の要件を満たすことを要求する所定の付与条件が満たされたか否かを前記プレイヤ判別工程の判別結果に基づいて判別する条件判別工程と、前記条件判別工程の判別結果に基づいて、前記所定の付与条件が満たされた場合に、前記未付与プレイヤに前記プレイする権利を付与する権利付与工程と、を実行させるものである。
【0016】
また、本発明のゲームシステム用のコンピュータプログラムは、プレイヤにゲーム機会を提供する少なくとも一つのゲーム機(GM)と、各プレイヤを特定するためのプレイヤ情報を記憶するプレイヤ情報記憶手段(32)と、特別のゲームをプレイする権利が付与された付与プレイヤの情報を前記プレイヤ情報と関連付けて管理するための管理データ(35)を記憶する管理データ記憶手段(32)と、を備え、前記付与プレイヤに前記ゲーム機会の少なくとも一部として前記特別のゲームを提供可能なゲームシステムが有するコンピュータ(10、31)を、前記プレイヤ情報と前記管理データとに基づいて、前記ゲーム機が前記ゲーム機会を提供したプレイヤが前記付与プレイヤか否かを判別するプレイヤ判別手段、前記ゲーム機が前記付与プレイヤに前記ゲーム機会を提供した場合に満たされる第1の要件と、前記第1の要件を満たした後から所定の終了条件を具備するまでに前記ゲーム機が前記プレイする権利が付与されていない未付与プレイヤに前記ゲーム機会を提供した場合に満たされる第2の要件と、を含み、少なくとも前記第1の要件及び、第2の要件を満たすことを要求する所定の付与条件が満たされたか否かを前記プレイヤ判別手段の判別結果に基づいて判別する条件判別手段、及び、前記条件判別手段の判別結果に基づいて、前記所定の付与条件が満たされた場合に、前記未付与プレイヤに前記プレイする権利を付与する権利付与手段として機能させるように構成されたものである。本発明の制御方法或いは、コンピュータプログラムが実行されることにより、本発明のネットワークシステムを実現することができる。
【0017】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0018】
以上、説明したように、本発明によれば、未付与プレイヤへのプレイする権利の付与に、付与プレイヤによるゲーム機の使用が要求される。このため、プレイする権利の付与をゲーム機への動機づけとして利用することができる。従って、特別のゲームを利用して、ゲーム機の利用を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成の概要を示す図。
【図2】ゲームシステムの機能ブロック図。
【図3】ユーザ管理データの内容の一例を示す図。
【図4】解禁フラグデータの内容の一例を示す図。
【図5】解禁フラグデータ更新処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図6】権利付与処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るゲームシステムの一形態について説明する。図1は、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成の概要を示す図である。図1に示すように、ゲームシステム1においては、複数のゲーム機GMと、サーバ装置としてのユーザ情報管理用サーバ3とがルータ5を介してネットワーク6にそれぞれ接続されている。ゲーム機GMは、ゲーム提供条件が満たされた場合に、1回のゲームを提供するように構成されている。ゲーム提供条件として、例えば、ゲーム機GMでは、所定の対価が消費されることにより満たされる条件が採用される。つまり、ゲーム機GMは、所定の対価の消費と引き換えに1回のゲーム機会を提供する業務用のゲーム機である。また、ゲーム機GMは、ゲーム機会として音楽ゲームを提供する音楽用のゲーム機として構成されている。ゲーム機GMは、店舗7等の商業施設に適当な台数ずつ設置される。
【0021】
各ゲーム機GMには、ネットワーク6上でそれぞれを識別可能なユニークな情報が付されている。これにより、ゲームシステム1上では、各ゲーム機GMを識別可能である。このようなユニークな情報として、例えば、IPアドレスが利用されてよい。ネットワーク6がインターネットのように公開性のあるネットワークであれば、各ルータ5にネットワーク6上でユニークな固定アドレスが設定される。そして、各ゲーム機GMには、その固定アドレスとの組み合わせによってネットワーク6上でゲーム機GMを一意に認識するためのプライベートアドレスがIPアドレスとして設定される。また、この場合、ゲーム機GMとユーザ情報管理用サーバ3との間には仮想プライベートネットワーク(VPN)が構築され、そのVPN上で各ゲーム機GMがプライベートアドレスを用いて一意に特定される。なお、ユニークな情報として、その他にも各ゲーム機GMに固有に設定される情報であれば、MACアドレス等が利用されてもよい。
【0022】
また、各ゲーム機GMを識別可能な情報は、店舗7毎にも管理されている。つまり、各店舗7にいずれのゲーム機GMが配置されているかが管理されている。このような管理は、例えば、店舗7毎にユニークな番号とゲーム機GM毎にユニークな情報とを対応付けるテーブル(不図示)により実現される。
【0023】
なお、ゲーム機GMとルータ5との間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機GMがユーザ情報管理用サーバ3と通信可能に接続されていてもよい。また、ユーザ情報管理用サーバ3は、一台の物理的装置によって構成されている例に限らない。例えば、複数の物理的装置としてのサーバ群によって一台の論理的なユーザ情報管理用サーバ3が構成されてもよい。更に、ゲームシステム1の構築に、クラウドサーバ技術が利用されてもよい。ゲーム機GMがサーバとして機能してもよい。また、ネットワーク6として、例えば、インターネットが利用される。ネットワークは、有線、無線(携帯電話網含む)のいずれが利用されてもよい。
【0024】
ユーザ情報管理用サーバ3は、一例として、ゲーム機GMのユーザを認証し、そのユーザの名前等の各種情報を保管するサービスを提供する。また、ユーザ情報管理用サーバ3は、ネットワーク6を介してユーザ端末8に各種サービスを提供するウェブサーバとしても機能する。例えば、ユーザ情報管理用サーバ3は、ネットワーク6を通じて、ユーザの認証等に必要な各ユーザを特定するための各種情報の登録等を受け付けるユーザ情報登録サイトを提供する。ユーザ情報登録サイトは、各種情報が登録されたユーザに対して、ユーザを特定するための情報としてユーザIDを付与するように構成されている。なお、ユーザ情報登録サイトは、その他にも登録されたユーザに対して各種の情報が提供されるように構成されていてもよい。なお、ユーザ端末8として、例えば、パーソナルコンピュータ8a(以下、PCと呼ぶことがある)或いは、携帯電話8bが利用されてよい。他にも、ユーザ端末8として、ネットワーク接続が可能な各種の端末装置が利用されてよい。
【0025】
図2を参照して、ゲームシステム1の構成を更に説明する。図2は、ゲームシステム1の機能ブロック図である。図2に示すように、ゲーム機GMには、制御ユニット10が設けられている。制御ユニット10には、モニタ12と、音声出力装置16と、カードリーダ17とが接続されている。制御ユニット10は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。
【0026】
カードリーダ17は、ユーザが所持するカード18の情報を読み取ってその情報に対応した信号を制御ユニット10に出力する。カード18には、ICチップ、磁気ストライプといった不揮発性記憶媒体(不図示)が設けられている。そして、その記憶媒体には、カード18毎にユニークなID(以下、カードIDと呼ぶことがある。)等が記憶されている。なお、カードIDは、カード18にバーコード等の形態で記録されていてもよい。
【0027】
制御ユニット10には、更に、記憶装置20が接続されている。記憶装置20には、DVDROM、CDROM等の光学式記憶媒体、或いはEEPROM等の不揮発性半導体メモリといった、電源の供給がなくても記憶を保持可能な記憶媒体が使用される。記憶装置20には、ゲームプログラム21と、ゲーム用データ22とが記憶されている。ゲームプログラムは、ゲーム機GMが音楽ゲームを提供するために必要なコンピュータプログラムである。ゲーム用データ22は、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームが提供される際に参照されるべき各種のデータである。ゲームプログラム21は、制御ユニット15に適宜読み込まれて実行される。ゲーム用データ22は、制御ユニット15に適宜読み込まれて参照される。
【0028】
記憶装置20には、更に、権利情報データとしての解禁フラグデータ23が記憶される。解禁フラグデータ23は、ゲーム機GMにて音楽ゲームをプレイした特定のプレイヤを管理するためのデータである。解禁フラグデータ23では、特定のプレイヤとして、特別のゲームとしての特別な楽曲の使用が解禁されたプレイヤ、つまり特別な楽曲をプレイする権利が付与されたプレイヤ(以下、付与プレイヤと呼ぶことがある)が管理される。解禁フラグデータ23の詳細は、後述する。なお、記憶装置20には、その他にも各種プログラム及び各種データが記憶されているが、それらの図示は省略した。
【0029】
制御ユニット10がゲームプログラム21を読み取って実行することにより、制御ユニット10の内部には、ゲーム提供部26及び、条件判断部27が設けられる。ゲーム提供部26は、ゲーム機GMが音楽ゲームを提供するために必要な各種処理を実行する。一方、条件判断部27は、解禁フラグデータ23を管理するための処理を実行する。ゲーム提供部26及び、条件判断部27は、いずれもコンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせにより実現される論理的装置である。なお、制御ユニット10には、その他にも各種の論理的装置が設けられ得るが、それらの図示は省略した。
【0030】
一方、ユーザ情報管理用サーバ3には、制御ユニット31が設けられている。制御ユニット31は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。また、制御ユニット31には、記憶装置32が接続されている。記憶装置32は、電源の供給がなくても記憶を保持可能なように、例えば、ハードディスク、Flash SSD(Solid State Drive)などにより構成されている。記憶装置32には、情報管理用プログラム34と、管理データとしてのユーザ管理データ35と、端末管理データ36と、が記憶されている。
【0031】
情報管理用プログラム34は、ユーザ管理データ35及び、端末管理データ36を管理するために必要なコンピュータプログラムである。また、ユーザ情報管理用サーバ3が各種情報の保管等のサービスを提供するため、或いは、ウェブサーバとして機能するためにも利用される。ユーザ管理データ35は、ユーザ情報登録サイトのユーザ(或いは、ゲーム機GMのプレイヤ)を特定するために必要な情報が記述されたデータである。また、ユーザ管理データ35では、特別な楽曲をプレイする権利の付与状態もユーザ(プレイヤ)毎に管理される。つまり、ユーザ管理データ35は、特別な楽曲をプレイする権利の有無をプレイヤ毎に管理するためのデータでもある。ユーザ管理データ35の詳細は、後述する。
【0032】
一方、端末管理データ36は、各ゲーム機GMの特定に必要な情報が記述されたデータである。端末管理データ36は、各ゲーム機GMの識別に使用される。また、各ゲーム機GMを特定するための情報として、端末管理データ36では、例えば、IPアドレス等が利用されている。なお、記憶装置32には、その他にも各種プログラム及び各種データが記憶されているが、それらの図示は省略した。
【0033】
制御ユニット31が情報管理用プログラム34を読み取って実行することにより、制御ユニット31の内部には、情報管理部37が設けられる。情報管理部37は、例えば、ユーザ管理データ35及び、端末管理データ36の更新等、これらのデータ35、36を管理するための処理を実行する。また、情報管理部37は、ユーザ情報管理用サーバ3が各種情報の保管等のサービスを提供するため、或いは、ウェブサーバとして機能するために必要な各種処理を実行してもよい。情報管理部37は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせにより実現される論理的装置である。なお、制御ユニット31には、情報管理部37の他にも各種の論理的装置が設けられ得るが、それらの図示は省略した。
【0034】
次に、ゲーム機GMにて提供される音楽ゲームの一例について、簡単に説明する。例えば、ゲーム機GMでは、音楽(楽曲)のリズムに合わせて、プレイヤに適切な操作が要求される音楽ゲームが提供される。このような音楽ゲームとして、例えば、操作時期に対応するオブジェクトと現在時刻を示す現在時刻標識とを利用して、適切な操作を実行すべき時期が案内されるゲームが提供されてよい。具体的には、モニタ12上に表示されたオブジェクトが現在時刻標識に向かって時間の減少に伴って現在時刻標識との距離を減少させるように移動し、そのオブジェクトと現在時刻標識との一致により、適切な操作時期が案内されるゲームである。また、このような適切な操作の入力に、ギターやドラム等、実際の楽器を模した入力装置が利用されてもよい。また、適切な操作として、これらの楽器を演奏するような操作が採用されてもよいし、単にボタンを押す操作が採用されてもよい。このように、ゲーム機GMでは、周知な各種の音楽ゲームが提供されてよい。
【0035】
また、ゲーム機GMにて提供される音楽ゲームでは、プレイに使用可能な楽曲が複数用意され、それらのうちからプレイに使用される楽曲がプレイヤによって選択される。更に、音楽ゲームにおいて、所定の条件が満たされた場合には、所定のプレイヤに特別な楽曲が解禁される。つまり、所定の条件が満たされた場合には、所定のプレイヤには、特別な楽曲を音楽ゲームのプレイに使用する権利(以下、特別な楽曲の使用権と呼ぶことがある)が付与される。従って、特別な楽曲が解禁されたプレイヤは、プレイに使用する楽曲として、特別な楽曲を選択することができる。一方、特別な楽曲が解禁されていないプレイヤ、つまり特別な楽曲をプレイに使用する権利が付与されていないプレイヤ(以下、未付与プレイヤと呼ぶことがある)がゲームをプレイする場合、この特別な楽曲は使用可能な楽曲の選択肢に含まれない。つまり、この特別な楽曲を音楽ゲームでプレイに使用できない。これにより、特別な楽曲の解禁がプレイヤへの特典として利用されている。なお、所定の条件として、プレイ回数が一定以上になった場合に満たされる回数条件、一定以上の得点を獲得した場合に満たされる得点条件等、各種の条件が採用されてよい。また、所定のプレイヤには、例えば、回数条件を満たしたプレイヤ、得点条件を満たしたプレイヤ等が該当する。
【0036】
更に、所定の条件の一つとして、特別な楽曲の使用権を付与するために、ゲーム機GMを媒体として利用する所定の付与条件が採用されている。所定の付与条件は、次の2つの要件を含んでいる。第1の要件は、付与プレイヤによって音楽ゲームがプレイされた場合に満たされる要件である。プレイ時に使用される楽曲は、特別な楽曲でなくてもよい。第2の要件は、第1の要件を満たしたゲーム機GM、つまり付与プレイヤが音楽ゲームをプレイしたゲーム機GMが未付与プレイヤに音楽ゲームを提供した場合に満たされる要件である。また、第2の要件は、第1の要件を満たした後、所定の終了条件を具備するまでに満たす必要がある。つまり、第1の要件を満たした後から所定の終了条件を具備するまでに未付与プレイヤによりゲーム機GMが音楽ゲームに利用された場合に、第2の要件は満たされる。また、所定の終了条件として、例えば、未付与プレイヤによって1回プレイされるという条件が採用されている。つまり、第1の要件を満たした後、そのゲーム機GMにて最初に音楽ゲームをプレイした未付与プレイヤにより第2の要件が満たされる。従って、第1の要件を満たした後、一人の未付与プレイヤのみが第2の要件を満たし得る。
【0037】
第2の要件は第1の要件を満たすことを要求しているので、第2の要件を満たすことにより、第1の要件及び、第2の要件の両方が満たされる。そして、第2の要件が満たされることにより、所定の付与条件が満たされると、未付与プレイヤに特別な楽曲の使用権が付与される。つまり、新たに一人の付与プレイヤが誕生する。新たに特別な楽曲の使用権が付与される未付与プレイヤは、例えば、第2の要件を満たした未付与プレイヤである。従って、第2の要件が満たされることにより、第2の要件を満たした未付与プレイヤ、即ち、付与プレイヤのプレイ後に、ゲーム機GMを利用した未付与プレイヤに特別な楽曲の使用権が付与される。このように、ゲーム機GMでは、当該ゲーム機GM自体を特別な楽曲を解禁するための媒体として利用する音楽ゲームが提供されている。
【0038】
続いて、図3及び、図4を参照して、ユーザ管理データ35及び、解禁フラグデータ23の詳細を説明する。図3は、ユーザ管理データ35の内容の一例を示す図である。図3に示すように、ユーザ管理データ35には、プレイヤ情報としてのユーザID、アクティブカードID、楽曲解禁フラグ、初回作成日時、最終更新日時といった情報が含まれている。そして、ユーザ管理データ35は、これらの情報を互いに対応付けた複数のレコードの集合として構成されている。
【0039】
ユーザIDは、各ユーザを特定するために必要な情報である。このユーザIDは、例えば、ユーザ情報登録サイトで付与されるユーザIDに対応する。また、ユーザIDとして、例えば、ユーザ毎にユニークな所定の桁数の数字(或いは、アルファベット及び、これらの組合せ)が利用される。アクティブカードIDは、各ユーザが使用中のカード18のカードIDを示す情報である。一つのユーザIDに対して複数のカードIDが対応付けられる場合がある。また、ユーザIDとカード18のカードIDとの対応関係は、例えば、ユーザ情報登録サイトを通じて、各ユーザにより設定される。
【0040】
楽曲解禁フラグは、特別な楽曲の解禁の有無、つまり特別な楽曲の使用権を有しているか否かを示す情報である。例えば、楽曲が解禁されていることを示す情報として“1”が、楽曲が解禁されていないことを示す情報として“0”が、楽曲解禁フラグに対応する情報として利用される。また、この情報は、ゲーム機GMにて、特別な楽曲を提供し得るか否かの判断にも使用される。具体的には、ユーザ管理データ35の楽曲解禁フラグの情報に特別な楽曲が解禁されていることを示す情報(例えば、“1”等)が記述されている場合には、ゲーム機GMにて特別な楽曲が選択可能になる。一方、ユーザ管理データ35の楽曲解禁フラグの情報に特別な楽曲が解禁されていないことを示す情報(例えば、“0”等)が記述されている場合には、ゲーム機GMでは特別な楽曲は提供されない。つまり、楽曲解禁フラグは、プレイヤへの特別な楽曲の提供の可否の判断に利用される。なお、解禁される楽曲が複数存在する場合には、楽曲解禁フラグは特別な楽曲の種類を示す情報として機能してもよい。この場合、例えば、楽曲解禁フラグに対応する情報として、“2”、“3”等の数字が解禁される楽曲に応じて使用されてもよい。或いは、楽曲解禁フラグに対応する情報としてアルファベット等の記号が使用されてもよい。また、解禁される楽曲毎に楽曲解禁フラグが設けられていてもよい。
【0041】
また、初回作成日時はユーザIDを初めて取得した日時を、最終更新日時はユーザIDに関連付けられる各種情報を最後に更新した日時を、それぞれ示す情報である。ユーザ管理データ35の各情報は、例えば、ユーザ情報登録サイトを通じて登録される。そして、ユーザ管理データ35の各情報には、その登録内容が反映される。なお、楽曲解禁フラグの情報を更新するために、特別な楽曲が解禁される所定の条件に応じて、ユーザ管理データ35には、その他にもゲーム結果等、各種の情報が反映されてよい。また、ユーザ管理データ35には、その他にもユーザ或いは、プレイヤの管理に必要な各種の情報が含まれていてよい。
【0042】
一方、図4は、解禁フラグデータ23の内容の一例を示す図である。図4に示すように、解禁フラグデータ23には、所有ユーザ、権利情報としての楽曲解禁フラグ、プレイ日時、解禁ユーザといったゲーム機GMを利用した付与プレイヤを管理するために必要な情報が含まれている。そして、解禁フラグデータ23は、これらの情報を互いに対応付けた複数のレコードの集合として構成されている。
【0043】
所有ユーザの情報は、ゲーム機GMを利用した付与プレイヤを示す情報である。所有ユーザの情報として、例えば、ユーザIDが利用される。また、所有ユーザの情報は、当該情報により示されるプレイヤが第1の要件を満たすために寄与した付与プレイヤであることも示している。楽曲解禁フラグの情報は、ユーザ管理データ35と同様に、特別な楽曲の解禁の有無(或いは、解禁された楽曲の種類)を示す情報である。但し、解禁フラグデータ23の楽曲解禁フラグは、特別な楽曲の提供の可否の判断には利用されない。主として管理用に利用される。また、特別な楽曲が複数存在する場合には、所有ユーザに付与された権利が対応する特別な楽曲の種類を示す情報として使用されてよい。なお、所有ユーザは、付与プレイヤ、つまり特別な楽曲の使用権が付与されているユーザに対応する。従って、特別な楽曲が一つの場合には、楽曲解禁フラグの情報として、いずれにも“1”等の特別な楽曲の使用権が付与されていることを示す情報が記述される。
【0044】
プレイ日時の情報は、所有ユーザがゲーム機GMにて音楽ゲームをプレイした日時を示す情報である。解禁ユーザの情報は、ゲーム機GMが媒介して新たに特別な楽曲が解禁されるプレイヤを示す情報である。つまり、解禁ユーザは、上述の第2の要件を満たすことにより、新たに特別な楽曲の使用権が付与される未付与プレイヤに対応する。
【0045】
このように解禁フラグデータ23には、第1の条件に寄与した付与プレイヤ、解禁される特別な楽曲、及び、第2の要件を満たすことにより新たに特別な楽曲の使用権が付与される未付与プレイヤが互いに対応付けられて記述されている。なお、解禁フラグデータ23には、その他にもゲーム機GMを利用した付与プレイヤを管理するために必要な各種の情報が含まれていてよい。このような情報の一つとして、例えば、解禁ユーザの情報を更新した日時を示す更新日時の情報が含まれていてよい。この場合、更新日時により、第2の要件を満たした時期が容易に特定され得る。
【0046】
次に、図5及び、6を参照して、ゲーム機GMが媒介して所定の付与条件が満たされる場合の処理について説明する。なお、ゲームシステム1では、各種情報を保存するサービスを提供するための処理、サイトを提供するための処理、音楽ゲームを提供するための処理、或いは、特別な楽曲を付与プレイヤに提供するための処理等、その他にも各種の周知な処理が実行されるが、これらの詳細の説明は省略する。
【0047】
図5は、ゲーム機GMの制御ユニット10が実行する解禁フラグデータ更新処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。制御ユニット10は、条件判断部27を通じて、図5のルーチンを実行する。また、条件判断部27は、図5のルーチンを、ゲーム機GMにて、音楽ゲームの提供が要求される毎に実行する。音楽ゲームの提供の要求は、例えば、カード18を利用して、所定の対価が消費される毎、或いは、その後に楽曲選択等のゲーム開始条件が満たされる毎に実行される。
【0048】
条件判断部27は、図5のルーチンを開始すると、まずステップS11において、ネットワーク6を介して、ユーザ情報管理用サーバ3の記憶装置32に記憶されたユーザ管理データ35を取得する。次のステップS12において、条件判断部27は、解禁フラグデータ23を取得する。
【0049】
続くステップS13において、条件判断部27は、今回音楽ゲームの提供を要求しているプレイヤが付与プレイヤか否かを判別する。つまり、ステップS11では、取得したユーザ管理データ35に基づいて、今回のプレイヤが特別な楽曲が解禁されたプレイヤか否か判別する。より具体的には、条件判断部27は、今回のプレイヤのユーザIDに対応する楽曲解禁フラグの情報が“1”、つまり特別な楽曲が解禁された楽曲解禁フラグか否かを判別する。また、音楽ゲームをプレイするためには、プレイヤは所定の対価を提供する必要がある。この所定の対価の提供には、カード18が利用される。そして、今回のプレイヤの情報は、このカード18に含まれるカードIDを利用して取得される。つまり、ユーザ管理データ35に基づいて、このカード18のカードIDに対応付けられるユーザIDを特定することにより、今回のプレイヤのユーザIDを判別する。なお、ゲーム開始時に、プレイヤが自己を特定するための情報を入力等することにより、プレイヤのユーザIDが特定されてもよい。
【0050】
ステップS13の判別結果が肯定的結果の場合、つまり今回のプレイヤが付与プレイヤであると判別した場合、条件判断部27は、ステップS14に進む。ステップS14にて、条件判断部27は、ステップS12で取得した解禁フラグデータ23に基づいて、既に第1の要件を満たしている状態か否か判別する。具体的には、条件判断部27は、解禁ユーザの情報としてユーザIDの情報が記述されていないレコードが解禁フラグデータ23上に存在する場合に、既に第1の要件を満たしている状態と判別する。一方、解禁フラグデータ23上の全てのレコードに解禁ユーザの情報としてユーザIDの情報が記述されている場合には、条件判断部27は、まだ第1の要件が満たされていない状態と判別する。なお、解禁フラグデータ23は、第2の要件を満たしていないレコードのみ存在するように、つまり、第2の要件を満たしたレコードが存在しないように構成されていてもよい。この場合、レコードの有無(或いは、解禁フラグデータ23の存在の有無)により、第1の要件を満たすか否かが判別される。
【0051】
ステップS14の判別結果が肯定的結果の場合には、以降の処理をスキップして、今回のルーチンを終了する。一方、ステップS14の判別結果が否定的結果の場合には、条件判断部27は、ステップS15に進む。ステップS15において、条件判断部27は、今回のプレイヤに対応するユーザIDが所有ユーザの情報として記述されたレコードが追加されるように、解禁フラグデータ23を更新して、今回のルーチンを終了する。つまり、条件判断部27は、今回のプレイヤのプレイによって第1の要件が満たされたと判別して、その判別結果が反映されるように、解禁フラグデータ23を更新する。なお、この追加されたレコードには、解禁ユーザの情報が含まれていなくてもよいし、解禁ユーザがいないことを示す情報が解禁ユーザの情報として記述されていてもよい。また、ステップS15の更新には、例えば、今回のルーチンが初回である場合(解禁フラグデータ23が存在していない場合)等において、解禁フラグデータ23の生成が含まれる。
【0052】
一方、ステップS13の判別結果が否定的結果の場合、つまり今回のプレイヤが特別な楽曲を解禁されたプレイヤではないと判別した場合、条件判断部27は、ステップS16に進む。ステップS16において、条件判断部27は、ステップS12で取得した解禁フラグデータ23に基づいて、第1の要件が満たされているか否か判別する。具体的には、条件判断部27は、解禁ユーザの情報としてユーザIDの情報が記述されていないレコードが解禁フラグデータ23上に存在する場合に、第1の要件が満たされていると判別する。一方、解禁フラグデータ23上の全てのレコードに解禁ユーザの情報としてユーザIDの情報が記述されている場合には、条件判断部27は、第1の要件が満たされていないと判別する。
【0053】
ステップS16の判別結果が否定的結果の場合には、条件判断部27は、以降の処理をスキップして今回のルーチンを終了する。一方、ステップS16の判別結果が肯定的結果の場合には、条件判断部27は、ステップS17に進む。ステップS17において、条件判断部27は、第2の要件を満たすか否か判別する。ステップS13において、条件判断部27は、既に、今回のプレイヤが未付与プレイヤであることを判別している。従って、所定の終了条件を具備していなければ、第2の要件が満たされる。つまり、ここでは、今回のゲームの利用が所定の終了条件を具備するまでの利用か否かが判別される。この判別は、例えば、所定の終了条件として未付与プレイヤによる1回のゲームの利用という条件が採用されている場合には、ステップS16の処理と同様である。この場合、ステップS16と必然的に同じ結果が得られるため、ステップS17は省略されてもよい。
【0054】
ステップS17(或いは、ステップS16)の判別結果が否定的結果の場合、つまり第2の要件を満たさないと判別した場合には、条件判断部27は、以降の処理をスキップして今回のルーチンを終了する。一方、ステップS17(或いは、ステップS16)の判別結果が肯定的結果の場合、条件判断部27は、ステップS15に進む。ステップS15にて、条件判断部27は、解禁フラグデータ23の解禁ユーザの情報を更新する。具体的には、解禁ユーザの情報としてユーザIDの情報が記述されていないレコードに、今回のプレイヤのユーザIDが記述されるように、解禁ユーザの情報を更新して今回のルーチンを終了する。これにより、第1の要件が満たされた場合に、それに寄与した付与プレイヤ及び、その付与プレイヤに解禁された特別な楽曲の情報が解禁フラグデータ23に反映される。更に、第2の要件が満たされることにより、所定の付与条件が満たされた場合には、特別な楽曲の使用権が新たに付与されるプレイヤの情報も解禁フラグデータ23に反映される。
【0055】
また、図6は、ユーザ情報管理用サーバ3の制御ユニット31が実行する権利付与処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。制御ユニット31は、情報管理部37を通じて、図6のルーチンを実行する。また、情報管理部37は、図6のルーチンを、図5のルーチンが実行される毎に実行する。なお、図5のルーチンの実行の有無は、図5のルーチンが終了する毎に制御ユニット10がその情報を出力することにより、実現されてよい。
【0056】
情報管理部37は、図6のルーチンを開始すると、まずステップS21において、ネットワーク6を介してゲーム機GMの記憶装置20に記憶される解禁フラグデータ23を取得する。次のステップS22において、情報管理部37は、ユーザ管理データ35を取得する。
【0057】
続くステップS23において、情報管理部37は、ステップS21で取得した解禁フラグデータ23に基づいて、新たに特別な楽曲の使用が解禁されるユーザ、つまり新たに特別な楽曲の使用権が付与されるユーザを判別する。この判別は、例えば、前回の処理と今回の処理との間に更新されたレコードを特定することにより実現される。この特定は、例えば、保存された前回の処理時の解禁フラグデータ23を利用して実現されてもよいし、解禁フラグデータ23に最終更新日時の情報が含まれる場合には、この最終更新日時の情報に基づいて実現されてもよい。或いは、解禁フラグデータ23が、図6のルーチン毎に消去されるように管理されている場合には、取得した解禁フラグデータ23に含まれるレコードがそのまま更新されたレコードとして特定されてもよい。続いて、情報管理部37は、このようにして特定したレコードに解禁ユーザの情報として記述されたユーザIDを取得する。情報管理部37は、このユーザIDを特別な楽曲の使用権を付与する未付与プレイヤのユーザIDとして使用する。このようにして、情報管理部37は、ステップS23にて、特別な楽曲を新たに解禁すべきプレイヤを判別する。
【0058】
次のステップS24において、情報管理部37は、ステップS23の判別結果が反映されるように、ユーザ管理データ35を更新する。具体的には、ステップS23で判別した新たなに特別な楽曲が解禁されるプレイヤのユーザIDに対応する楽曲解禁フラグの情報に、特別な楽曲の解禁を示す情報が記述されるように、ユーザ管理データ35を更新する。情報管理部37は、ステップS24の処理を終えると、今回のルーチンを終了する。これにより、ゲーム機GMにて所定の付与条件が満たされた場合に、その結果がユーザ管理データ35に反映される。具体的には、所定の付与条件を満たした結果として第2の要件を満たした未付与プレイヤに特別な楽曲の使用権が付与されるように、ユーザ管理データ35の内容が更新される。ユーザ管理データ35は、プレイヤへの特別な楽曲の提供の可否の判断に利用される。従って、図6のルーチンが実行されることにより、第2の要件を満たした未付与プレイヤは、特別な楽曲を音楽ゲームにて、プレイすることができるようになる。
【0059】
以上に説明したように、この形態によれば、ゲーム機GMが媒介して、プレイヤに特別な楽曲が解禁される。つまり、特別な楽曲の使用権を付与するための媒体としてゲーム機GMを利用することができる。従って、ゲーム機GMにて音楽ゲームをプレイする頻度が増えるほど、特別な楽曲が解禁される可能性が増加する。つまり、特別な楽曲をプレイするための権利をゲーム機GMの音楽ゲームへの動機づけとして利用することができる。このため、特別な楽曲の解禁を利用して、ゲーム機GMの利用を促すことができる。これにより、ゲーム機GMを媒体として付与プレイヤを連鎖的に増加させることができる。更に、これらにより、所定の対価の消費を促すことができる。
【0060】
以上の形態において、ゲーム機GMの制御ユニット10が条件判断部27を通じて、図5のルーチンを実行することにより、プレイヤ判別手段、条件判別手段及び、権利情報データ生成手段として機能する。また、ユーザ情報管理用サーバ3の制御ユニット31が図6のルーチンを実行することにより、権利付与手段として機能する。
【0061】
また、ユーザ情報管理用サーバ3の記憶装置32がユーザ管理データ35を記憶することにより、プレイヤ情報記憶手段及び、管理データ記憶手段として機能する。一方、ゲーム機GMの記憶装置20が解禁フラグデータ23を記憶することにより、権利情報データ記憶手段として機能する。
【0062】
本発明は、上述の形態に限定されず、適宜の形態にて実施することができる。上述の形態では、所定の付与条件は、第1の要件及び、第2の要件を満たすことを要求している。しかし、所定の付与条件は、このような形態に限定されない。例えば、所定の付与条件は、更に、第1の要件と第2の要件とが別のゲーム機会でそれぞれ満たされる第3の要件を要求してもよい。この場合、ゲーム機会を付与プレイヤと未付与プレイヤとが共有することにより、第1の要件及び第2の要件が満たされるケースを排除することができる。これにより、意図的に所定の付与条件を満たす場合を排除することができる。
【0063】
上述の形態では、第2の要件は、第1の要件を満たしたゲーム機と同じゲーム機GMにて、音楽ゲームが提供された場合に、満たされているが、このような形態に限定されない。例えば、第2の要件は、第1の要件を満たしたゲーム機と異なるゲーム機にて、未付与プレイヤによりプレイされた場合に満たされてもよい。この場合、所定の付与条件を緩和できるので、より容易に権利付与が実現できる。また、この場合、第1の要件を満たしたゲーム機をユーザ情報管理用サーバ3側に保管することにより、第1の要件を満たした各ゲーム機を管理することができる。つまり、解禁フラグデータ23は、ユーザ情報管理用サーバ3の記憶装置32に記憶されていてもよい。この場合、解禁フラグデータ23には、第1の要件を満たしたゲーム機を特定するために、例えば、端末IDの情報が含まれていてもよい。つまり、解禁フラグデータ23は、第1の要件を満たしたゲーム機内に記憶されることにより、当該ゲーム機と対応付ける形態に限定されない。例えば、解禁フラグデータ23は、各ゲーム機を特定するための情報と、各ゲーム機をプレイした付与プレイヤの楽曲解禁フラグの情報と、を対応付けるように構成されていてもよい。
【0064】
上述の形態では、所定の付与条件が満たされた場合に、第2の要件を満たした未付与プレイヤに特別な楽曲の使用権が付与されているが、このような形態に限定されない。例えば、所定の付与条件が満たされた場合に、特別な楽曲の使用権を付与すべき未付与プレイヤは、抽選にて決定されてもよい。
【0065】
上述の形態では、所定の終了条件として、特別な楽曲の使用権を未付与プレイヤに一度付与した場合に具備される条件が採用されているが、所定の終了条件は、このような形態に限定されない。例えば、一定回数、一定時間、或いは、第1の要件を満たした付与プレイヤとは無関係の未付与プレイヤに付与するまで等、各種の条件が採用されてよい。
【0066】
特別な楽曲は、複数種類存在してよい。また、それらは、互いに異なる権利にて、プレイ可能になるように、構成されていてもよい。この場合、例えば、未付与プレイヤに付与されるプレイする権利として、第1の要件を満たした付与プレイヤに付与された権利に対応する権利が採用されてもよい。この場合、プレイする権利が多数存在するので、よりゲーム機への動機づけを高めることできる。
【0067】
上述の形態では、ゲーム機会として、音楽ゲームが提供され、特別のゲームとして特別な楽曲の使用が利用されているが、このような形態に限定されない。例えば、ゲーム機会として、スポーツゲーム、ロールプレイングゲーム、アクションゲーム、等の適宜なゲームが採用されてよい。また、特別のゲームとして、それらのゲームに関連した各種のゲームが適用されてよい。
【0068】
上述の形態では、ネットワークを利用したゲームシステムとして構成されているが、このような形態に限定されない。例えば、当該ゲームシステムに対応する構成は、ゲーム機単独にて実現されてもよい。この場合、ユーザ管理データ35等は、ゲーム機の記憶装置に記憶される。また、これを管理するための処理もゲーム機の制御ユニットにて実行される。更に、ゲーム機は、プレイヤ情報等に対応する情報を登録可能に構成されていてもよい。
【0069】
上述の形態では、ゲーム機GMは、業務用のゲーム機として構成されているが、このようなゲーム機に限定されない。例えば、家庭用の据置型ゲーム機、携帯型のゲーム機等、ゲーム機として、各種のゲーム機が適用されてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 ゲームシステム
3 ユーザ情報管理用サーバ(サーバ装置)
10 制御ユニット(プレイヤ判別手段、条件判別手段、権利情報データ生成手段、コンピュータ)
20 記憶装置(権利情報データ記憶手段)
23 解禁フラグデータ(権利情報データ)
31 制御ユニット(権利付与手段、コンピュータ)
32 記憶装置(プレイヤ情報記憶手段、管理データ記憶手段)
35 ユーザ管理データ(管理データ)
GM ゲーム機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤにゲーム機会を提供する少なくとも一つのゲーム機と、各プレイヤを特定するためのプレイヤ情報を記憶するプレイヤ情報記憶手段と、特別のゲームをプレイする権利が付与された付与プレイヤの情報を前記プレイヤ情報と関連付けて管理するための管理データを記憶する管理データ記憶手段と、を備え、前記付与プレイヤに前記ゲーム機会の少なくとも一部として前記特別のゲームを提供可能なゲームシステムであって、
前記プレイヤ情報と前記管理データとに基づいて、前記ゲーム機が前記ゲーム機会を提供したプレイヤが前記付与プレイヤか否かを判別するプレイヤ判別手段と、
前記ゲーム機が前記付与プレイヤに前記ゲーム機会を提供した場合に満たされる第1の要件と、前記第1の要件を満たした後から所定の終了条件を具備するまでに前記ゲーム機が前記プレイする権利が付与されていない未付与プレイヤに前記ゲーム機会を提供した場合に満たされる第2の要件と、を含み、少なくとも前記第1の要件及び、第2の要件を満たすことを要求する所定の付与条件が満たされたか否かを前記プレイヤ判別手段の判別結果に基づいて判別する条件判別手段と、
前記条件判別手段の判別結果に基づいて、前記所定の付与条件が満たされた場合に、前記未付与プレイヤに前記プレイする権利を付与する権利付与手段と、
を備えることを特徴とする、ゲームシステム。
【請求項2】
前記ゲーム機は、ゲーム提供条件を満たした場合に1回のゲーム機会を提供するように、構成され、
前記所定の付与条件は、更に、前記第1の要件を満たすためのゲーム機会と、前記第2の要件を満たすためのゲーム機会とが別のゲーム機会である場合に満たされる第3の要件を含み、第3の要件が満たされることを更に要求する、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記所定の終了条件として、前記未付与プレイヤに前記プレイする権利を一度付与した場合に具備される条件が採用されている、請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記権利付与手段は、前記未付与プレイヤとして、前記所定の付与条件が満たされた場合に、当該所定の付与条件を満たすために第2の要件を満たした未付与プレイヤに前記プレイする権利を付与する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記特別のゲームとして、互いにプレイする権利が異なる複数種類のゲームが用意され、
前記権利付与手段は、前記所定の付与条件が満たされた場合に、前記未付与プレイヤに付与する前記プレイする権利として、当該所定の付与条件を満たすために第1の条件を満たした付与プレイヤに付与されているプレイする権利に対応するプレイする権利を付与する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記少なくとも一つのゲーム機として、複数のゲーム機と、
前記複数のゲーム機にネットワークを介して接続可能なサーバ装置と、を備え、
前記管理データ記憶手段は、前記サーバ装置に設けられている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記所定の付与条件は、前記第2の要件を満たすためのゲーム機と、前記第1の要件を満たしたゲーム機とが一致することを更に要求する、請求項6に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記プレイする権利に関連付けられる権利情報と前記ゲーム機とを対応付けるための権利情報データを記憶する権利情報データ記憶手段と、
前記プレイヤ判別手段の判別結果に基づいて、前記ゲーム機が前記付与プレイヤに前記ゲーム機会を提供した場合に、当該ゲーム機と当該付与プレイヤに関連付けられる前記権利情報とを対応付けるように、前記権利情報データを生成する権利情報データ生成手段と、を更に備え、
前記条件判別手段は、前記権利情報データに基づいて、前記第1の要件が満たされているか否かを判別する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記権利情報データ記憶手段は、前記ゲーム機に設けられ、
前記権利情報データは、前記付与プレイヤにゲーム機会を提供したゲーム機の権利情報データ記憶手段に記憶されることにより、当該ゲーム機と対応付けられる、請求項8に記載のゲームシステム。
【請求項10】
プレイヤにゲーム機会を提供する少なくとも一つのゲーム機と、各プレイヤを特定するためのプレイヤ情報を記憶するプレイヤ情報記憶手段と、特別のゲームをプレイする権利が付与された付与プレイヤの情報を前記プレイヤ情報と関連付けて管理するための管理データを記憶する管理データ記憶手段と、を備え、前記付与プレイヤに前記ゲーム機会の少なくとも一部として前記特別のゲームを提供可能なゲームシステムが有するコンピュータに、
前記プレイヤ情報と前記管理データとに基づいて、前記ゲーム機が前記ゲーム機会を提供したプレイヤが前記付与プレイヤか否かを判別するプレイヤ判別工程と、
前記ゲーム機が前記付与プレイヤに前記ゲーム機会を提供した場合に満たされる第1の要件と、前記第1の要件を満たした後から所定の終了条件を具備するまでに前記ゲーム機が前記プレイする権利が付与されていない未付与プレイヤに前記ゲーム機会を提供した場合に満たされる第2の要件と、を含み、少なくとも前記第1の要件及び、第2の要件を満たすことを要求する所定の付与条件が満たされたか否かを前記プレイヤ判別工程の判別結果に基づいて判別する条件判別工程と、
前記条件判別工程の判別結果に基づいて、前記所定の付与条件が満たされた場合に、前記未付与プレイヤに前記プレイする権利を付与する権利付与工程と、を実行させる制御方法。
【請求項11】
プレイヤにゲーム機会を提供する少なくとも一つのゲーム機と、各プレイヤを特定するためのプレイヤ情報を記憶するプレイヤ情報記憶手段と、特別のゲームをプレイする権利が付与された付与プレイヤの情報を前記プレイヤ情報と関連付けて管理するための管理データを記憶する管理データ記憶手段と、を備え、前記付与プレイヤに前記ゲーム機会の少なくとも一部として前記特別のゲームを提供可能なゲームシステムが有するコンピュータを、
前記プレイヤ情報と前記管理データとに基づいて、前記ゲーム機が前記ゲーム機会を提供したプレイヤが前記付与プレイヤか否かを判別するプレイヤ判別手段、前記ゲーム機が前記付与プレイヤに前記ゲーム機会を提供した場合に満たされる第1の要件と、前記第1の要件を満たした後から所定の終了条件を具備するまでに前記ゲーム機が前記プレイする権利が付与されていない未付与プレイヤに前記ゲーム機会を提供した場合に満たされる第2の要件と、を含み、少なくとも前記第1の要件及び、第2の要件を満たすことを要求する所定の付与条件が満たされたか否かを前記プレイヤ判別手段の判別結果に基づいて判別する条件判別手段、及び、前記条件判別手段の判別結果に基づいて、前記所定の付与条件が満たされた場合に、前記未付与プレイヤに前記プレイする権利を付与する権利付与手段として機能させるように構成されたゲームシステム用のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−75013(P2013−75013A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216539(P2011−216539)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【特許番号】特許第5161355号(P5161355)
【特許公報発行日】平成25年3月13日(2013.3.13)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】