ゲームシステム、それに用いる制御方法及び、コンピュータプログラム
【課題】時間経過に伴う操作指示標識と操作基準標識との間の変位方向或いは変位速度を変化させることができるゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲームシステムは、ゲーム画面を表示出力するモニタ3と、タッチパネル5と、タッチパネル5をタッチ操作する操作時期が記述されたシーケンスデータ28を記憶する外部記憶装置20と、を備えている。また、ゲームシステムは、所定の時間範囲に含まれる各操作時期に対応するオブジェクト60をゲーム画面50に表示させるとともに、現在時刻に対応する判定ライン65を、判定ライン65がシーケンスデータ28に記述された操作時期に各オブジェクト60を順次通過するようにして、ゲーム画面50内を移動させつつ表示する。そして、ゲームシステムは、判定ライン65の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を所定の条件に応じて変化させるものである。
【解決手段】ゲームシステムは、ゲーム画面を表示出力するモニタ3と、タッチパネル5と、タッチパネル5をタッチ操作する操作時期が記述されたシーケンスデータ28を記憶する外部記憶装置20と、を備えている。また、ゲームシステムは、所定の時間範囲に含まれる各操作時期に対応するオブジェクト60をゲーム画面50に表示させるとともに、現在時刻に対応する判定ライン65を、判定ライン65がシーケンスデータ28に記述された操作時期に各オブジェクト60を順次通過するようにして、ゲーム画面50内を移動させつつ表示する。そして、ゲームシステムは、判定ライン65の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を所定の条件に応じて変化させるものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に設けられた操作部の操作時期をプレイヤに指示するゲームシステム、それに用いられる制御方法及び、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の経路に沿ってリズム音に対応するノーツバーを表示させるとともに、このノーツバーが操作時期に操作基準標識と一致するようにノーツバーを操作基準標識に向かって移動させることにより、操作時期を案内するゲーム装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−96061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲーム機では、操作基準標識は固定されている。また、時間の経過に伴って操作基準標識に向かって移動する操作指示標識の移動方向も一定である。このため、時間経過に伴う操作指示標識と操作基準標識との間の変位方向や変位速度が容易にプレイヤに推測されてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、時間経過に伴う操作指示標識と操作基準標識との間の変位方向或いは変位速度を変化させることができるゲームシステム、それに用いる制御方法及び、コンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、ゲーム画面(50)を表示出力する表示装置(3)と、少なくとも一つの操作部を有する入力装置(5)と、前記ゲーム中における前記操作部に対する操作時期が記述されたシーケンスデータ(28)を記憶するシーケンスデータ記憶手段(20)と、前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作部の前記操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別する操作時期判別手段(10)と、前記操作時期判別手段にて判別された各操作時期に対応する操作指示標識(60)を前記ゲーム画面に表示させる指示標識表示手段(10)と、現在時刻に対応する操作基準標識(65)を、当該操作基準標識が前記シーケンスデータに記述された操作時期に各操作指示標識を順次通過するようにして、前記ゲーム画面内を移動させつつ表示する基準標識制御手段(10)と、を備え、前記基準標識制御手段は、前記操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を所定の条件に応じて変化させるものである。
【0007】
本発明によれば、操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方が所定の条件に応じて変化する。このため、時間経過に伴う操作指示標識と操作基準標識との間の変位方向或いは変位速度を所定の条件にて変化させることができる。また、操作基準標識の移動方向等が変化するので、操作基準標識が次に通過する操作指示標識の予想が難しい。このため、ゲームの展開に意外性を与えることができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0008】
本発明のゲームシステムの一態様において、前記基準標識制御手段は、前記所定の条件として、所定の時間を用いて、前記所定の時間毎に前記操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を変化させてもよい。この場合、操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を時間経過に応じて変化させることができるので、所定の時間毎にゲームの展開に変化を与えることができる。
【0009】
操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方はどのように変化してもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記指示標識表示手段は、前記操作指示標識を複数の経路(W)に沿って時間順の並びで表示させ、前記基準標識制御手段は、前記操作基準標識を前記複数の経路のうちの一の経路に沿って移動させつつ表示するとともに、前記所定の条件に応じて、前記操作基準標識の移動経路を前記複数の経路のうちの他の経路に変更することにより、前記操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を変化させてもよい。
【0010】
また、前記入力装置としてどのようなものが用いられてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記入力装置として前記ゲーム画面を覆うように前記表示装置に配置されるタッチパネルが用いられてもよい。
【0011】
本発明のゲームシステムの一態様において、前記操作部に対する操作の時期と前記シーケンスデータにて指定された操作時期とに基づいて少なくとも一つの操作部における操作を評価する評価手段(10)を、更に備えていてもよい。この場合、操作部に対する操作の時期をシーケンスデータに記述された操作時期に基づいて評価することができる。これにより、ゲームの興趣性をより向上させることができる。
【0012】
本発明のゲームシステムの一態様において、ゲーム音を再生出力する音声出力装置(14)と、楽曲を再生させるための楽曲データ(25)を記憶する楽曲データ記憶手段(20)と、前記楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段(10)と、を更に備え、前記シーケンスデータには、前記楽曲の再生中における前記操作部の操作時期が記述されていてもよい。この場合、音楽のリズムに対応した操作時期に操作基準標識が操作指示標識を通過するように移動する音楽ゲームであって、操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を所定の条件に応じて変化させることができる音楽ゲームを実現することができる。
【0013】
本発明のゲームシステムの制御方法は、ゲーム画面(50)を表示出力する表示装置(3)と、少なくとも一つの操作部を有する入力装置(5)と、前記ゲーム中における前記操作部に対する操作時期が記述されたシーケンスデータ(28)を記憶するシーケンスデータ記憶手段(20)と、を備えたゲームシステムに組み込まれるコンピュータ(10)に、前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作部の前記操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別する操作時期判別工程と、前記操作時期判別工程にて判別された各操作時期に対応する操作指示標識(60)を前記ゲーム画面に表示させる指示標識表示工程と、現在時刻に対応する操作基準標識(65)を、当該操作基準標識が前記シーケンスデータに記述された操作時期に各操作指示標識を順次通過するようにして、前記ゲーム画面内を移動させつつ表示する基準標識制御工程と、を実行させ、更に、前記基準標識制御工程にて、前記操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を所定の条件に応じて変化させる工程を実行させるものである。
【0014】
また、本発明のゲームシステム用のコンピュータプログラムは、ゲーム画面(50)を表示出力する表示装置(3)と、少なくとも一つの操作部を有する入力装置(5)と、前記ゲーム中における前記操作部に対する操作時期が記述されたシーケンスデータ(28)を記憶するシーケンスデータ記憶手段(20)と、を備えたゲームシステムに組み込まれるコンピュータ(10)を、前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作部の前記操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別する操作時期判別手段、前記操作時期判別手段にて判別された各操作時期に対応する操作指示標識(60)を前記ゲーム画面に表示させる指示標識表示手段及び、現在時刻に対応する操作基準標識(65)を、当該操作基準標識が前記シーケンスデータに記述された操作時期に各操作指示標識を順次通過するようにして、前記ゲーム画面内を移動させつつ表示する基準標識制御手段として機能させるように構成され、更に、前記基準標識制御手段を、前記操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を所定の条件に応じて変化させる手段として機能させるように構成されたものである。本発明の制御方法或いは、コンピュータプログラムを実行することにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【0015】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0016】
以上、説明したように、本発明によれば、時間経過に伴う操作指示標識と操作基準標識との間の変位方向或いは変位速度を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一形態に係るゲームシステムが適用されたゲーム機の一例を示す図。
【図2】ゲーム機の機能ブロック図。
【図3】ゲーム画面を模式的に示した図。
【図4】判定ラインが移動する経路の一例を示す図。
【図5】判定ラインが移動する他の経路一例を示す図。
【図6】シーケンスデータの内容の一例を示す図。
【図7】経路データの内容の一例を示す図。
【図8】経路決定処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図9】シーケンス処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図10】操作評価ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図11】変形例に係るオブジェクトの配置の一例を示す図。
【図12】判定ラインの経路及び操作時期間の時間間隔と無関係にオブジェクトの配置が予め決まっている場合の経路決定処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図13】図12のルーチンが実行される場合のシーケンス処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るゲームシステムの一形態について説明する。図1は、本発明の一形態に係るゲームシステムが適用された業務用のゲーム機を示す図である。図1に示すように、ゲーム機1は、筐体2と、筐体2の上面にプレイヤP側に傾けられて配置される表示装置としてのモニタ3と、を備えている。モニタ3の表面には、入力装置としての透明なタッチパネル5が重ね合わされている。タッチパネル5は、プレイヤPが指等で触れると、その接触位置に応じた信号を出力する公知の入力装置である。その他にも、ゲーム機1には、選択或いは決定をするためのボタン、電源スイッチ、ボリューム操作スイッチ、電源ランプといった通常の業務用のゲーム機が備えている各種の入力装置及び出力装置が設けられているが、図1ではそれらの図示を省略している。
【0019】
図2は、ゲーム機1の機能ブロック図である。図2に示すように、筐体2の内部にはコンピュータとしての制御ユニット10が設けられている。制御ユニット10は、制御主体としてのゲーム制御部11と、そのゲーム制御部11からの出力に従って動作する表示制御部12及び、音声出力制御部13と、を備えている。ゲーム制御部11は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種の周辺装置とを組み合わせたユニットとして構成されている。表示制御部12は、ゲーム制御部11から与えられる画像データに応じた画像をフレームバッファに描画し、その描画した画像に対応する映像信号をモニタ3に出力することにより、モニタ3上に所定の画像を表示させる。音声出力制御部13は、ゲーム制御部11から与えられる音声再生データに応じた音声再生信号を生成して、制御ユニット10に接続されている音声出力装置としてのスピーカ14に出力することにより、スピーカ14から所定の音声(楽音等を含む)を再生させる。
【0020】
ゲーム制御部11には、外部記憶装置20が接続されている。外部記憶装置20には、DVDROM、CDROM等の光学式記憶媒体、あるいはEEPROM等の不揮発性半導体メモリ装置といった、電源の供給がなくても記憶を保持可能な記憶媒体が使用される。
【0021】
外部記憶装置20には、ゲームプログラム21と、ゲームデータ22とが記憶されている。ゲームプログラム21は、ゲーム機1にて所定の手順に従って音楽ゲームを実行するために必要なコンピュータプログラムであり、そこには、本発明に係る機能を実現するためのシーケンス制御モジュール23及び評価モジュール24が含まれている。ゲーム機1が起動されると、ゲーム制御部11はその内部記憶装置に記憶されたオペレーションプログラムを実行することにより、ゲーム機1として動作するために必要な各種の初期設定を実行し、続いて、外部記憶装置20からゲームプログラム21を読み込んでこれを実行することにより、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームを実行するための環境を設定する。ゲームプログラム21のシーケンス制御モジュール23がゲーム制御部11にて実行されることにより、ゲーム制御部11にはシーケンス制御部15が生成される。また、ゲームプログラム21の評価モジュール24がゲーム制御部11にて実行されることにより、ゲーム制御部11には操作評価部16が生成される。シーケンス処理部15及び操作評価部16は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせによって実現される論理的装置である。シーケンス処理部15は、プレイヤが選択した音楽(楽曲)の再生に合わせてプレイヤに操作を指示し、或いはプレイヤの操作に応じて効果音を発生させるといった音楽ゲーム処理を実行する。操作評価部16は、プレイヤの操作を評価し、かつその評価結果に応じたゲームの制御といった処理を実行する。なお、ゲームプログラム21には、上述したモジュール23、24の他にも音楽ゲームを実行するために必要な各種のプログラムモジュールが含まれ、ゲーム制御部11にはそれらのモジュールに対応した論理的装置が生成されるが、それらの図示は省略した。
【0022】
ゲームデータ22には、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームを実行する際に参照されるべき各種のデータが含まれている。例えば、ゲームデータ22には、楽曲データ25、効果音データ26及び画像データ27が含まれている。楽曲データ25は、ゲームの対象となる楽曲をスピーカ14から再生出力させるために必要なデータである。図2では、一種類の楽曲データ25が示されているが、実際には、プレイヤが複数の楽曲からプレイする楽曲を選択可能である。ゲームデータ22には、それらの複数の楽曲データ25がそれぞれの曲を識別するための情報を付して記録されている。効果音データ26は、プレイヤの操作に応答してスピーカ14から出力させるべき複数種類の効果音を、効果音毎にユニークなコードと対応付けて記録したデータである。効果音は、楽器その他の様々な種類の音声を含む。効果音データは、各種類に対して、音程を変えて所定のオクターブ数だけ用意されている。画像データ27は、ゲーム画面内の背景画像、各種のオブジェクト、アイコン等をモニタ3に表示させるためのデータである。
【0023】
ゲームデータ22には、更にシーケンスデータ28及び経路データ29が含まれている。シーケンスデータ28は、プレイヤに対して指示すべき操作時期等を定義したデータである。一曲の楽曲データに対して、最低一個のシーケンスデータ28が用意される。経路データ29は、後述する操作基準標識の移動経路のバリエーション等を定義したデータである。各データ28、29の詳細は後述する。
【0024】
次に、ゲーム機1にて実行される音楽ゲームの概要を説明する。ゲーム機1は、音楽に合わせてプレイヤが操作を実行し、その操作時期等を評価するタイプの音楽ゲーム装置として構成されている。図3は、ゲーム画面を模式的に示した図である。ゲーム画面50には、音楽ゲームの実行中、つまり楽曲の再生の進行中において、シーケンスデータ28に記述された各操作時期に対応する操作指示標識としての複数のオブジェクト60が表示されている。また、ゲーム画面50には、楽曲の再生の進行中において、適宜な位置に操作基準標識としての判定ライン65が表示される。また、図3の破線矢印は、判定ライン65が移動する経路Wを示している。判定ライン65は、楽曲の進行に従って操作時期において操作時期に対応するオブジェクト60と一致するように経路W上を一定の速度で移動する。
【0025】
判定ライン65が移動する移動経路Wは複数存在している。図4は、判定ライン65が移動する経路の一例を示す図である。図4の破線は経路W1を示している。図4に示すように、経路W1は、ゲーム画面50の右側から左側に向かって延びた後、一部を迂回するようにコの字型の軌道を描いて再度元の軌道の延長上を左に向かうように延びている。そして、各オブジェクト60は、判定ライン65が移動する経路W1上に、経路W1に沿って時間順の並びで配置されている。具体的には、経路W1の起点付近に、右端のオブジェクト60Aが、迂回路の第1の角に第1角オブジェクト60Cが、迂回路の第2の角に第2角オブジェクト60Fが、迂回路の第3の角に第3角オブジェクト60Iが、迂回路から再度左に向かって延びる最後の角に第4角オブジェクト60Lが、そして、経路W1の終点付近に左端のオブジェクト60Nが、それぞれ位置している。また、同一経路上の一のオブジェクト60とその次のオブジェクト60との間には、一のオブジェクト60が対応する操作時期とその次のオブジェクト60が対応する操作時期との間の時間間隔に応じた間隔が設けられている。図4の例では、右端のオブジェクト60Aと、経路W1上でその次に位置する次のオブジェクト60Bとの間には、右端のオブジェクト60が対応する操作時期と次のオブジェクト60Bが対応する操作時期との間の時間間隔に応じた距離があけられている。
【0026】
判定ライン65は、楽曲の進行に従って、各オブジェクト60と各オブジェクト60が対応する操作時期において一致するように経路W1上を右側から左側に向かって移動する。プレイヤには、判定ライン65の各オブジェクト60への到達に合わせて判定ライン65をタッチするタッチ操作が要求される。プレイヤがタッチ操作を行うと、判定ライン65がオブジェクト60に一致した時刻と、プレイヤのタッチ操作の時刻との間のずれ時間が検出される。そのずれ時間が小さいほどプレイヤの操作が高く評価される。図4の例では、判定ライン65が経W1の右端に位置するオブジェクト60Aに到達する直前に位置している。プレイヤは、判定ライン65のオブジェクト60Aへの到達に合わせて判定ライン65をタッチ操作すればよい。本形態では、モニタ3上に表示される判定ライン65と、判定ライン65に重ね合わされるタッチパネル5との組み合わせによって、操作部が形成される。なお、以下では、判定ライン65を、操作部を代表する用語として使用することがある。
【0027】
また、図5は、判定ライン65が移動する他の経路一例を示す図である。図5の破線は、判定ライン65が移動する他の経路W2を示している。図5に示すように、図5のゲーム画面50においてオブジェクト60が配置されている位置は図4のゲーム画面においオブジェクト60が配置されている位置と同じである。一方、判定ライン65が移動する経路W2は図4における移動経路W1と異なっている。図5の例では、他の経路W2は、右端のオブジェクト60から第4角オブジェクト60Lまで右側から左側に向かって延びている。そして、他の経路W2は、第4角オブジェクト60Lで上方に向きを変え、第3角オブジェクト60Iから右側に第2角オブジェクト6OFの位置まで戻った後、上方に位置を変えて再度左側に向かって左端のオブジェクト60Nまで延びている。更に、他の経路W2は、左端のオブジェクト60から第1角オブジェクト60まで右側に向かって延びた後、上方に向きを変え第2角オブジェクト60Fの手前のオブジェクト60Eまで延びている。判定ライン65は、他の経路W2に沿って、経路W2上の各オブジェクト60と各オブジェクト60に対応する操作時期において一致するように移動する。また、図5の例において、第1角オブジェクト60Cと、第4角オブジェクト60Lとは、それぞれ2つの操作時期を示すオブジェクト60として機能している。
【0028】
図3〜図5で示すように、操作時期を示すオブジェクト60は、判定ライン65の移動経路上に時間順に配置されている。また、オブジェクト60の配置が同一の場合でも判定ライン65の移動経路として複数の経路Wが存在し、各オブジェクト60のそれぞれが複数の経路上に配置される場合もある。更に、ゲーム画面50の表示上、同一のオブジェクト60として表示されているオブジェクト60が2つの操作時期を指示する場合もある。同一楽曲において、ゲーム画面50に一度に表示されるオブジェクト60は操作時期が所定の時間範囲に含まれるオブジェクト60である。そして、所定の時間としての所定の時間範囲毎に判定ライン65の移動経路として複数の経路Wが設けられ、所定の時間毎に判定ライン65の移動経路が変化する。更に、各所定の時間内、つまり、オブジェクト60の配置が同一の場合においても判定ライン65の移動経路は同一ではない。このため、プレイヤは、ゲーム画面50に表示された各オブジェクト60の配置からだけでは判定ライン65の移動方向を予想することが難しい。従って、プレイヤには、判定ライン65の予想外の移動に対応しつつ、音楽のリズムに合わせた操作の実行が要求される。なお、図3〜図5では、説明の都合上、判定ライン65の移動経路W、W1、W2を破線で示しているが、実際のゲーム画面50に移動経路W、W1、W2は表示されない。また、各経路W1、W2のそれぞれが本発明の複数の経路のそれぞれとして機能する。
【0029】
次に、図6及び図7を参照して、シーケンスデータ28及び経路データ29の詳細を説明する。図6に示したように、シーケンスデータ28は、条件定義部28aと、操作シーケンス部28bと、を含んでいる。条件定義部28aには、音楽のテンポ、ビート、トラック、また、オブジェクト60をタッチ操作したときにそれぞれ発生させるべき効果音を指定する情報等、楽曲毎に異なるゲームの実行条件を指定する情報が記述される。なお、図6では条件定義部28aがシーケンスデータ28の先頭のみに設けられているが、操作シーケンス部28bの途中の適宜の位置にも条件定義部28aが追加されてよい。それにより、曲中のテンポの変更、効果音の割り当ての変更といった処理を実現することができる。
【0030】
一方、操作シーケンス部28bには、オブジェクト60をタッチ操作すべき時期と、ゲーム画面上のオブジェクト60の各所定の時間を区別する情報とが対応付けて記述されている。図6は、シーケンスデータの内容の一例を示す図である。図6にその一部を例示したように、操作シーケンス部28bは、楽曲中において操作が行われるべき時期(操作時期)と所定の時間を区別する情報とを対応付けた複数のレコードの集合として構成されている。操作時期は、楽曲中の小節番号、拍数、及び拍中の時刻を示す値がカンマで区切られて記述されている。拍中の時刻は、一拍の先頭からの経過時間であり、一拍の時間長をn個の単位時間に等分したときのその拍の先頭からの単位数で表現される。例えば、n=100で、楽曲の一小節目の二拍目で、かつその拍の先頭から1/4だけ経過した時刻を操作時期又は表示開始時期として指定する場合には、“01,2,025”と記述される。
【0031】
所定の時間を区別する情報は、楽曲毎、かつ、拍等に基づくその楽曲の進行の開始からの区切り毎、つまりその楽曲における所定時間の経過毎に定義されている。具体的には、所定の時間を区別する情報は、“01A”、“01B”或いは、“02A”、“02B”といった具合に、楽曲を示す数字“01”等と、その楽曲中で何番目の区切りに相当するかを区別するアルファベット“A”等とから構成されている。つまり、楽曲番号01に相当する楽曲の第1番目の区切りに相当する操作時期には“01A”が記述される。
【0032】
図6の例では、一小節目の四拍目の開始時点(000)、一小節目の四拍目の開始時点から“010”相当だけ経過した時期、一小節目の四拍目の開始時点から“016”相当だけ経過した時期、のそれぞれの時期にそれぞれの操作時期に対応するオブジェクト60と判定ライン65とが一致し、この一致に合わせて判定ライン65が配置されている位置をタッチ操作するといった具合に、操作時期と操作部とが指定されている。更に、この一小節目の四拍目の開始時点(000)に対応するオブジェクト60は、楽曲番号01の第1番目の区切りに表示されるように指示されている。また、二小節目の四拍目の開始時点から“024”経過した時期、“033”経過した時期、“040”経過した時期、のそれぞれの時期にそれぞれの操作時期に対応するオブジェクト60と判定ライン65とが一致するとともに、これらのオブジェクト60が楽曲番号01の第2番目の区切りに表示されるように指示されている。
【0033】
経路データ29は、判定ライン65が移動する複数の経路と所定の時間を区別する情報とが対応付けて記述されたデータである。図7は、経路データ29の内容の一例を示す図である。図7に示すように、経路データ29は、所定の時間を区別する情報と、所定の時間毎に用意された複数の経路Wのそれぞれを指示する情報とを対応付けた複数のレコードの集合として構成されている。また、所定の時間を区別する情報と複数の経路Wのそれぞれを指示する情報とはそれぞれカンマで区切って記述されている。そして、所定の時間を区別する情報は、シーケンスデータ28と同様に、楽曲を示す数字“01”等と、その楽曲中で何番目の区切りに相当するかを区別するアルファベット“A”等とから構成されている。また、複数の経路Wを区別する情報として“A”等のアルファベットがカンマで区切って記述されている。この“A”等のアルファベットは、予め設定された判定ライン65の複数の経路Wのそれぞれと対応している。
【0034】
図7の例では、所定の時間を区別する情報“01A”にて区別される楽曲番号01の第1番目の区切りには、“A”〜“E”までの最低5つの経路が判定ライン65を移動させるための経路として設定されている。また、例えば、この所定の時間を区別する情報“01A”の“A”に対応する経路として図4に示す経路W1が、“B”に対応する経路として図5に示す他の経路W2が、それぞれ対応する。
【0035】
ゲーム制御部11のシーケンス処理部15は、上述したシーケンスデータ28にて指定された操作時期に、判定ライン65とオブジェクト60とが一致するように判定ライン65の表示を制御する。また、シーケンス処理部15は、判定ライン65が移動する経路を経路データ28に定義された複数の経路Wのなかから決定する。シーケンス処理部15が実行する具体的な処理は後述する。
【0036】
次に、ゲーム機1にて音楽ゲームが実行される際のゲーム制御部11の処理を説明する。ゲーム制御部11は、ゲームプログラム21を読み込んで音楽ゲームを実行するために必要な初期設定を終えると、プレイヤからのゲーム開始の指示に備えて待機する。ゲーム開始の指示には、例えばゲームでプレイする楽曲、或いは難易度の選択といったゲームで使用するデータを特定する操作が含まれる。それらの指示を受け付ける手順は、公知のゲーム等と同等でよい。
【0037】
ゲーム開始が指示されると、ゲーム制御部11は、プレイヤが選択した曲に対応する楽曲データ25を読み取って音声出力制御部14に出力することにより、スピーカ8から楽曲の再生を開始させる。これにより、制御ユニット10が楽曲再生手段として機能する。また、ゲーム制御部11は、楽曲の再生に同期して、プレイヤの選択に対応したシーケンスデータ28を読み取って、画像データ27を参照しつつゲーム画面50に必要な画像データを生成して表示制御部12に出力することにより、モニタ3上にゲーム画面50を表示させる。更に、音楽ゲームの実行中において、ゲーム制御部11は、ゲーム画面50の表示等に必要な処理として、図8に示す経路決定処理ルーチン、図9に示すシーケンス処理ルーチン及び、図10に示す操作評価ルーチンのそれぞれを所定の周期で繰り返し実行する。なお、図8及び、図9のルーチンはシーケンス処理部15が、図10の操作評価ルーチンは操作評価部16が、それぞれ担当する。
【0038】
図8は、シーケンス処理部15が実行する経路決定処理ルーチンのフローチャートの一例を示している。図8のルーチンが開始されると、ゲーム制御部11のシーケンス処理部15は、ステップS1にて、これから表示するゲーム画面がどの所定の時間のものであるかを判別する。この判別は、例えば、現在時刻と所定の時間とを比較して判別すればよい。或いは、現在時刻とシーケンスデータ28に記述された操作時期が対応する所定の時間の情報とを比較して判別してもよい。
【0039】
次のステップS2にて、シーケンス処理部15は、ステップS1で判別した所定の時間に基づいて、この所定の時間に対応する経路の情報を経路データ29から取得する。例えば、ステップS1にて所定の時間が“01A”と判別された場合には、経路データ29から“01A”に対応する複数の経路Wとして“A”〜“E”等を取得する。
【0040】
続くステップS3にて、シーケンス処理部15は、ステップS2で取得した複数の経路Wに対応する経路の情報のうちから判定ライン65の経路として今回設定すべき経路の抽選を実行する。この抽選は、例えば、乱数を利用したランダム抽選として実現されればよい。そして、次のステップS4にて、シーケンス処理部15は、ステップS3で抽選された経路を判定ライン65の今回の経路に決定して、今回のルーチンを終了する。このルーチンは、次の所定時間が到来する前に所定の時間毎に繰り返し実行される。
【0041】
また、図9は、シーケンス処理部15が実行するシーケンス処理ルーチンのフローチャートの一例を示している。図9のルーチンが開始されると、ゲーム制御部11のシーケンス処理部15は、まずステップS11にて楽曲上の現在時刻を取得する。例えば、楽曲の再生開始時点を基準として、ゲーム制御部11の内部クロックにて計時が開始され、その内部クロックの値から現在時刻が取得される。続くステップS12において、シーケンス処理部15は、シーケンスデータ28から、ゲーム画面50の表示範囲に相当する時間長に存在する操作時期のデータを取得する。表示範囲は、一例として現在時刻から将来に向かって楽曲の2小節相当の時間範囲に設定される。
【0042】
ステップS13にて、シーケンス処理部15は、ゲーム画面50内における各オブジェクト60及び判定ライン65の座標を演算する。その演算は、一例として以下のように行われる。まず各オブジェクト60の配置座標を取得する。このオブジェクト60の配置座標は、例えば、図8のルーチンの結果に基づいて、決定する。図8のルーチンで決定される経路は、楽曲及び、その楽曲上の経過時間に応じたものなので、必然的に経路の開始位置から経路に沿って時間順に配置されるオブジェクト60の位置(操作時期)も決定可能である。このため、各所定の時間に対応して用意された複数の経路W毎に各オブジェクト60の配置位置を予め設定しておくことができる。即ち、複数の経路Wのそれぞれに対するシーケンスデータ28に記述された操作時期の順の各オブジェクト60の配置座標、つまり全経路のそれぞれに対応する全オブジェクト60の配置座標の情報を予め用意しておくことができる。そして、経路毎に各オブジェクト60の配置座標が予め用意されていれば、図8のルーチン結果に基づいて、判定ライン65の経路とともに、所定の時間内、つまり所定の時間範囲内に含まれる各操作時期のそれぞれに対応するオブジェクト60の配置座標を取得することができる。次に、各操作時期と現在時刻との時間差に応じて、当該経路の時間軸方向(つまり、判定ライン65の移動の移動方向)における判定ライン65の当該経路上の位置を判別する。これらにより、判定ライン65の経路に沿った時間順の並びとなる各オブジェクト60の座標及び、当該経路上にて時間軸に沿った判定ライン65の位置の座標を取得することができる。
【0043】
なお、経路上における各オブジェクト60の配置座標は、例えば、演算により取得されてもよい。具体的には、ステップS13にて、シーケンス処理部15は、図8のルーチンで決定された各オブジェクト60を配置すべき経路に応じて、判定ライン65の移動の開始位置から移動方向に対して時間順の並び、かつシーケンスデータ28に基づく判定ライン65の移動速度に応じた間隔となる配置座標を算出すればよい。
【0044】
次のステップS14において、シーケンス処理部15は、ステップS13で演算された各オブジェクト60の座標及び、判定ライン65の座標に基づいて、ゲーム画面50を描画するために必要な画像データを生成する。具体的には、演算された座標に各オブジェクト60及び、判定ライン65が配置されるように画像データを生成する。続くステップS15にて、シーケンス処理部15は表示制御部12に画像データを出力する。これにより、モニタ3にゲーム画面50が表示される。ステップS14の処理を終えると、シーケンス処理部15は今回のシーケンス処理ルーチンを終了する。以上の処理が繰り返し実行されることにより、判定ライン65がシーケンスデータ28に記述された操作時期に、当該操作時期に対応するオブジェクト60に到達するように所定の経路W上を移動する。
【0045】
次に、図10の操作評価ルーチンを説明する。図10の操作評価ルーチンが開始されると、操作評価部16は、まずステップS21で、タッチパネル5の出力信号を参照して、判定ライン65に対するタッチ操作の有無を判別する。このとき、判定ライン65以外の位置がタッチされた場合には、タッチ操作なしと判断される。操作評価部16は、タッチ操作がなければ今回のルーチンを終了し、タッチ操作があればステップS22へ進む。ステップS22において、操作評価部16は、タッチパネル5から出力された位置信号に基づいて、そのタッチ操作が行われたタイミング(楽曲上の時刻)を判別する。続くステップS23にて、操作評価部16はシーケンスデータ28に記述された直近の操作時期、つまりはシーケンスデータ28上で時間的に最も接近した操作時期を特定し、その操作時期とタッチ操作が行われた時刻との間のずれ時間を取得する。
【0046】
次のステップS24において、操作評価部16は、ずれ時間が評価範囲内か否かを判別することにより、プレイヤの操作が適切か否か判断する。評価範囲は、比較対象の操作時期を中心として前後に所定の時間範囲で設定される。一例として、操作時期を中心として複数段のレベルが設定され、それらのレベルが設定されている時間範囲が評価範囲として扱われる。ステップS24にてずれ時間が評価範囲外の場合、操作評価部16は今回のルーチンを終了し、評価範囲内の場合にはステップS25に進む。続くステップS25にて、操作評価部16は、ステップS24で取得したずれ時間に基づいてプレイヤのタッチ操作に対する評価を決定する。この評価は、一例として、タッチ操作の時期が時間範囲内に設定された複数のレベルのいずれに属するかを判別することにより実現される。複数のレベルは、時間範囲を一定期間毎に区分するように設定されており、その各区分の操作時期に近い区分に属するほど高く評価される。その後、操作評価部16はステップS26に進み、評価結果がゲーム画面50に表示されるように、表示制御部12への出力を制御する。ステップS26の処理を完了すると、操作評価部16は今回のルーチンを終了する。
【0047】
以上に説明したように、この形態のゲーム機1によれば、所定の時間毎に用意された複数の経路Wのいずれかを判定ライン65が移動する。また、判定ライン65の移動経路Wは、所定の時間毎、つまり所定の時間範囲毎にも変化する。これにより、判定ライン65の移動経路を多様に変化させることができる。また、判定ライン65の移動経路が多様に変化するので、ゲーム画面50に表示されたオブジェクト65の配置からは判定ライン65の移動経路が予想できない。このため、ゲームの展開に意外性を与えることができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0048】
以上の形態において、ゲーム機1の外部記憶装置20が楽曲データ記憶手段、シーケンスデータ記憶手段として機能する。また、制御ユニット10が、シーケンス処理部15に図8及び、図9のルーチンを実行させることにより操作時期判別手段及び、指示標識表示手段、基準標識制御手段として機能する。さらに、制御ユニット10が、評価操作部16に図10ルーチンを実行させることにより、評価手段として機能する。
【0049】
本発明は上述した形態に限らず、適宜の形態にて実施することができる。上述の形態では、所定の時間としてゲーム画面50の表示範囲が利用され、ゲーム画面50の表示範囲毎、つまり、ゲーム画面に配置された各オブジェクト60の配置パターン毎に複数の経路Wが設定されているが、このような形態に限定されるものではない。例えば、同一の所定の時間内に用意されている複数の経路W間のオブジェクト60の配置位置は同一でなくてもよい。つまり、同一の所定の時間内に用意されている複数の経路W間でオブジェクト60の配置位置が異なっていてもよい。また、例えば、所定の時間としてゲーム画面50の表示範囲よりも小さな単位が利用され、ゲーム画面50の表示範囲内に複数の経路Wが設定されていてもよい。この場合、各オブジェクト60の配置パターンが変化しない状態においても判定ライン65の移動経路を変化させることができる。
【0050】
また、上述の形態では、判定ライン65の移動速度が一定に設定されているが、判定ライン65の移動速度は、ゲームの難易度を向上させるため等のゲームの都合等の条件で自由に変化してもよい。例えば、楽曲の進行テンポを途中で遅くすることにより、判定ライン65の移動速度を減速させてもよいし、途中で判定ライン65の移動速度が変化するような経路が予め用意されていてもよい。また、判定ライン65の移動経路には、進行してきた経路と同じ軌道をこれまでの進行方向とは逆に進むような経路、つまり、同じ経路上を後退するように進む経路が含まれていてもよい。この場合、判定ライン65がバックするような演出を行うことができるので、判定ライン65の移動経路を更に多様に変化させることができる。
【0051】
また、上述の形態では、オブジェクト60が判定ライン65の経路Wに沿って、時間順の並びで、時間間隔に応じた間隔をあけて配置されているが、このような形態に限定されるものではない。例えば、各オブジェクト60の間隔はどのような間隔でもよい。この場合、次の操作時期に対応するオブジェクト60との距離に応じて、判定ライン65の移動速度が調整されるように構成されていていればよい。また、予め設定されている判定ライン65の経路上に操作指示標識が配置される構成に限定されるものでもない。図11は、変形例に係るオブジェクト60の配置の一例を示す図である。図11の例では、オブジェクト60がマトリックス状に予め配置されている。また、判定ライン65はマトリックス状に配置されたオブジェクト60の中央付近の位置に配置されている。そして、判定ライン65には、上下、左右、右斜め及び左斜めの各斜め方向の各方位が移動経路W候補として用意されている。つまり、図11の例では、シーケンスデータ28に記述された操作時期に対応する各オブジェクト60の配置位置が判定ライン65の経路及び、操作時期間の時間間隔と無関係に予め決まっている。そして、このような場合には、シーケンスデータ28に記述された操作時期に判定ライン65が各オブジェクト60を順次通過するように、各オブジェクト60の配置位置に対応して判定ライン65が移動速度、或いは移動方向等を調整すればよい。このような場合に、シーケンス処理部15が実行するシーケンス処理及び、経路決定処理の一例を図12及び図13を参照して説明する。
【0052】
図12は、判定ライン65の経路等と無関係にオブジェクト60の配置が予め決まっている場合に、シーケンス処理部15が実行する経路決定処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図8の経路決定処理ルーチンと図12のルーチンとを比較すると、図12のルーチンでは、図8のルーチンのステップS1及びステップS2に替えてステップS5及びステップS6が実行される。具体的には、図12のルーチンが開始されると、ステップS5にて、シーケンス処理部15は、所定の時間範囲に含まれる各オブジェクト60の配置座標の情報を取得する。各オブジェクト60の配置座標は、所定の時間範囲毎に予め設定されている。このため、所定の時間範囲毎に予め用意されたオブジェクト60の配置座標の情報から各オブジェクト60の配置座標を取得することができる。次のステップS6にて、シーケンス処理部15は、判定ライン65の現在の座標を取得し、その座標と各オブジェクト60の座標を比較して各方位(上下、左右、各斜め方向等)に位置するオブジェクト60を特定する。続くステップS3では、その各方位に位置する各オブジェクト60に向かう経路のうちから次に移動すべき経路を抽選する。抽選の実行は、図8のルーチンのステップS3と同様でよい。また、次のステップS4も図8のルーチンと同様でよい。この図12のルーチンは、判定ライン65の移動開始時から各オブジェクト60を通過する毎に繰り返し実行される。これにより、判定ライン65が次のオブジェクト60に向かうときの移動経路が決定される。
【0053】
一方、図13は、図12のルーチンが実行される場合に、シーケンス処理15が実行するシーケンス処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図9のシーケンス処理ルーチンと図13のルーチンとを比較すると、図13のルーチンでは、図9のルーチンのステップS12に替えてステップS16及びステップS17が実行される。具体的には、図12のルーチンにおいて、シーケンス処理部15は、ステップS16にて、表示範囲内(所定の時間範囲内)の各オブジェクト60の座標を取得する。この座標は上述のように予め用意されている。次のステップS17にて、シーケンス処理部15は、次の移動経路として図12のルーチンにて決定された経路を取得する(変更がなければルーチンの都度同じ経路が取得される。なお、変更がなければ前回と同様の経路を利用するようにステップS17をスキップするように構成されていてもよい)。続くステップS13にて、シーケンス処理部15は、判定ライン65の座標を演算する。この演算は、一例として次のように行われる。まず、ステップS17で取得した移動経路W上に次に位置するオブジェクト60の座標を特定する。そして、特定したオブジェクト60をシーケンスデータ28上の直近の操作時期と対応させて、直近の操作時期と現在時刻との時間差に応じて、ステップS17にて決定された移動経路Wの時間軸方向(つまり、判定ライン65の移動の移動方向)における判定ライン65の当該移動経路W上の位置を判別する。これらにより、シーケンスデータ28に記述された直近の操作時期に次のオブジェクト60を通過するような配置となる当該移動経路W上にて時間軸に沿った判定ライン65の位置の座標を取得することができる。また、図13のルーチンのステップS14及びステップS15は図9のルーチンと同様でよい。図13のルーチンの結果、次の操作時期に対応するオブジェクト60までの移動距離が長ければ判定ライン65の移動表示が早くなり、短ければ遅くなる。これにより、判定ライン65の移動速度が調整される。なお、図12のルーチンは、判定ライン65が移動する複数の経路W上に各オブジェクト60が配置されている場合にも適用可能である。この場合、各オブジェクト60の座標を取得するために、図12のルーチンは、ステップS5にて、経路データ29を取得し、経路W毎に予め設定された各オブジェクト60の配置座標を利用するように構成されていてもよい。これにより、オブジェクト60が判定ライン65の複数の移動経路W上に配置されている場合にも、図13のルーチンにて移動速度の調整が可能である。つまり、オブジェクト60が判定ライン65の複数の移動経路W上に配置されている場合にも、移動経路W上に配置される各オブジェクト60間の間隔を自由に設定することができる。
【0054】
上述のように本発明は、判定ライン65が移動経路上に配置された操作指示標識を経路に沿って通過するような形態に限定されるものではなく、操作指示標識の位置と判定ライン65の位置とからシーケンスデータ28に記述された操作時期に各操作指示標識を順次通過できるように、判定ライン65の移動方向及び移動速度が決定されればよい。つまり、操作指示標識はゲーム画面内にどのように配置されていてもよい。これらの場合にも、操作指示標識と操作指示標識との間の変位方向又は変位速度を変化させることができるので、ゲームの展開に意外性を与えることができる。
【0055】
上述の形態では、所定の条件として所定の時間が利用されているが、このような形態に限定されるものではない。例えば、所定の条件として判定ライン等に対する所定の操作を採用し、所定の操作に応じて判定ラインの移動方向等が変化してもよい。また、判定ラインが変化するオプション等が用意され、ゲームの都合、進行状況等により判定ラインの移動方向等が変化してもよい。更に、プレイヤのレベルによっても判定ラインの移動方向等が変化するように構成されていてもよい。
【0056】
上述の形態では、入力装置としてタッチパネルが用いられているが、入力装置はこのような形態に限定されるものではない。例えば、操作部としての複数の押しボタンが設けられたコントローラ等、少なくとも一つの操作部を有している限り、各種の構成の入力装置を利用することができる。
【0057】
上述の形態では、ゲーム機1は楽曲が再生され、楽曲の演奏時間に基づいて操作指示標識が操作基準部に向かって移動する音楽ゲーム機として構成されているが、このような構成に限定されるものではない。ゲーム機1では、映像を通じて操作時期が指示される限り多様なゲームを実行可能である。さらに、本発明のゲームシステムは、商業施設に設置される業務用ゲーム機、家庭用の据置型ゲーム機、携帯型のゲーム機、ネットワークを利用して実現されるゲームシステムといった適宜の形態で実現されてよい。
【符号の説明】
【0058】
1 ゲーム機
3 モニタ(表示装置)
5 タッチパネル(入力装置、操作部)
14 スピーカ(音声出力装置)
10 制御ユニット(コンピュータ、操作時期判別手段、指示標識表示手段、基準標識制御手段、評価手段、楽曲再生手段)
20 外部記憶装置(楽曲データ記憶手段、シーケンスデータ記憶手段)
21 ゲームプログラム
22 ゲームデータ
25 楽曲データ
28 シーケンスデータ
50 ゲーム画面
60 オブジェクト(操作指示標識)
65 判定ライン(操作基準標識、操作部)
W、W1、W2 経路(複数の経路)
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に設けられた操作部の操作時期をプレイヤに指示するゲームシステム、それに用いられる制御方法及び、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の経路に沿ってリズム音に対応するノーツバーを表示させるとともに、このノーツバーが操作時期に操作基準標識と一致するようにノーツバーを操作基準標識に向かって移動させることにより、操作時期を案内するゲーム装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−96061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲーム機では、操作基準標識は固定されている。また、時間の経過に伴って操作基準標識に向かって移動する操作指示標識の移動方向も一定である。このため、時間経過に伴う操作指示標識と操作基準標識との間の変位方向や変位速度が容易にプレイヤに推測されてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、時間経過に伴う操作指示標識と操作基準標識との間の変位方向或いは変位速度を変化させることができるゲームシステム、それに用いる制御方法及び、コンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、ゲーム画面(50)を表示出力する表示装置(3)と、少なくとも一つの操作部を有する入力装置(5)と、前記ゲーム中における前記操作部に対する操作時期が記述されたシーケンスデータ(28)を記憶するシーケンスデータ記憶手段(20)と、前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作部の前記操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別する操作時期判別手段(10)と、前記操作時期判別手段にて判別された各操作時期に対応する操作指示標識(60)を前記ゲーム画面に表示させる指示標識表示手段(10)と、現在時刻に対応する操作基準標識(65)を、当該操作基準標識が前記シーケンスデータに記述された操作時期に各操作指示標識を順次通過するようにして、前記ゲーム画面内を移動させつつ表示する基準標識制御手段(10)と、を備え、前記基準標識制御手段は、前記操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を所定の条件に応じて変化させるものである。
【0007】
本発明によれば、操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方が所定の条件に応じて変化する。このため、時間経過に伴う操作指示標識と操作基準標識との間の変位方向或いは変位速度を所定の条件にて変化させることができる。また、操作基準標識の移動方向等が変化するので、操作基準標識が次に通過する操作指示標識の予想が難しい。このため、ゲームの展開に意外性を与えることができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0008】
本発明のゲームシステムの一態様において、前記基準標識制御手段は、前記所定の条件として、所定の時間を用いて、前記所定の時間毎に前記操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を変化させてもよい。この場合、操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を時間経過に応じて変化させることができるので、所定の時間毎にゲームの展開に変化を与えることができる。
【0009】
操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方はどのように変化してもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記指示標識表示手段は、前記操作指示標識を複数の経路(W)に沿って時間順の並びで表示させ、前記基準標識制御手段は、前記操作基準標識を前記複数の経路のうちの一の経路に沿って移動させつつ表示するとともに、前記所定の条件に応じて、前記操作基準標識の移動経路を前記複数の経路のうちの他の経路に変更することにより、前記操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を変化させてもよい。
【0010】
また、前記入力装置としてどのようなものが用いられてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記入力装置として前記ゲーム画面を覆うように前記表示装置に配置されるタッチパネルが用いられてもよい。
【0011】
本発明のゲームシステムの一態様において、前記操作部に対する操作の時期と前記シーケンスデータにて指定された操作時期とに基づいて少なくとも一つの操作部における操作を評価する評価手段(10)を、更に備えていてもよい。この場合、操作部に対する操作の時期をシーケンスデータに記述された操作時期に基づいて評価することができる。これにより、ゲームの興趣性をより向上させることができる。
【0012】
本発明のゲームシステムの一態様において、ゲーム音を再生出力する音声出力装置(14)と、楽曲を再生させるための楽曲データ(25)を記憶する楽曲データ記憶手段(20)と、前記楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段(10)と、を更に備え、前記シーケンスデータには、前記楽曲の再生中における前記操作部の操作時期が記述されていてもよい。この場合、音楽のリズムに対応した操作時期に操作基準標識が操作指示標識を通過するように移動する音楽ゲームであって、操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を所定の条件に応じて変化させることができる音楽ゲームを実現することができる。
【0013】
本発明のゲームシステムの制御方法は、ゲーム画面(50)を表示出力する表示装置(3)と、少なくとも一つの操作部を有する入力装置(5)と、前記ゲーム中における前記操作部に対する操作時期が記述されたシーケンスデータ(28)を記憶するシーケンスデータ記憶手段(20)と、を備えたゲームシステムに組み込まれるコンピュータ(10)に、前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作部の前記操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別する操作時期判別工程と、前記操作時期判別工程にて判別された各操作時期に対応する操作指示標識(60)を前記ゲーム画面に表示させる指示標識表示工程と、現在時刻に対応する操作基準標識(65)を、当該操作基準標識が前記シーケンスデータに記述された操作時期に各操作指示標識を順次通過するようにして、前記ゲーム画面内を移動させつつ表示する基準標識制御工程と、を実行させ、更に、前記基準標識制御工程にて、前記操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を所定の条件に応じて変化させる工程を実行させるものである。
【0014】
また、本発明のゲームシステム用のコンピュータプログラムは、ゲーム画面(50)を表示出力する表示装置(3)と、少なくとも一つの操作部を有する入力装置(5)と、前記ゲーム中における前記操作部に対する操作時期が記述されたシーケンスデータ(28)を記憶するシーケンスデータ記憶手段(20)と、を備えたゲームシステムに組み込まれるコンピュータ(10)を、前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作部の前記操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別する操作時期判別手段、前記操作時期判別手段にて判別された各操作時期に対応する操作指示標識(60)を前記ゲーム画面に表示させる指示標識表示手段及び、現在時刻に対応する操作基準標識(65)を、当該操作基準標識が前記シーケンスデータに記述された操作時期に各操作指示標識を順次通過するようにして、前記ゲーム画面内を移動させつつ表示する基準標識制御手段として機能させるように構成され、更に、前記基準標識制御手段を、前記操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を所定の条件に応じて変化させる手段として機能させるように構成されたものである。本発明の制御方法或いは、コンピュータプログラムを実行することにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【0015】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0016】
以上、説明したように、本発明によれば、時間経過に伴う操作指示標識と操作基準標識との間の変位方向或いは変位速度を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一形態に係るゲームシステムが適用されたゲーム機の一例を示す図。
【図2】ゲーム機の機能ブロック図。
【図3】ゲーム画面を模式的に示した図。
【図4】判定ラインが移動する経路の一例を示す図。
【図5】判定ラインが移動する他の経路一例を示す図。
【図6】シーケンスデータの内容の一例を示す図。
【図7】経路データの内容の一例を示す図。
【図8】経路決定処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図9】シーケンス処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図10】操作評価ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図11】変形例に係るオブジェクトの配置の一例を示す図。
【図12】判定ラインの経路及び操作時期間の時間間隔と無関係にオブジェクトの配置が予め決まっている場合の経路決定処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図13】図12のルーチンが実行される場合のシーケンス処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るゲームシステムの一形態について説明する。図1は、本発明の一形態に係るゲームシステムが適用された業務用のゲーム機を示す図である。図1に示すように、ゲーム機1は、筐体2と、筐体2の上面にプレイヤP側に傾けられて配置される表示装置としてのモニタ3と、を備えている。モニタ3の表面には、入力装置としての透明なタッチパネル5が重ね合わされている。タッチパネル5は、プレイヤPが指等で触れると、その接触位置に応じた信号を出力する公知の入力装置である。その他にも、ゲーム機1には、選択或いは決定をするためのボタン、電源スイッチ、ボリューム操作スイッチ、電源ランプといった通常の業務用のゲーム機が備えている各種の入力装置及び出力装置が設けられているが、図1ではそれらの図示を省略している。
【0019】
図2は、ゲーム機1の機能ブロック図である。図2に示すように、筐体2の内部にはコンピュータとしての制御ユニット10が設けられている。制御ユニット10は、制御主体としてのゲーム制御部11と、そのゲーム制御部11からの出力に従って動作する表示制御部12及び、音声出力制御部13と、を備えている。ゲーム制御部11は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種の周辺装置とを組み合わせたユニットとして構成されている。表示制御部12は、ゲーム制御部11から与えられる画像データに応じた画像をフレームバッファに描画し、その描画した画像に対応する映像信号をモニタ3に出力することにより、モニタ3上に所定の画像を表示させる。音声出力制御部13は、ゲーム制御部11から与えられる音声再生データに応じた音声再生信号を生成して、制御ユニット10に接続されている音声出力装置としてのスピーカ14に出力することにより、スピーカ14から所定の音声(楽音等を含む)を再生させる。
【0020】
ゲーム制御部11には、外部記憶装置20が接続されている。外部記憶装置20には、DVDROM、CDROM等の光学式記憶媒体、あるいはEEPROM等の不揮発性半導体メモリ装置といった、電源の供給がなくても記憶を保持可能な記憶媒体が使用される。
【0021】
外部記憶装置20には、ゲームプログラム21と、ゲームデータ22とが記憶されている。ゲームプログラム21は、ゲーム機1にて所定の手順に従って音楽ゲームを実行するために必要なコンピュータプログラムであり、そこには、本発明に係る機能を実現するためのシーケンス制御モジュール23及び評価モジュール24が含まれている。ゲーム機1が起動されると、ゲーム制御部11はその内部記憶装置に記憶されたオペレーションプログラムを実行することにより、ゲーム機1として動作するために必要な各種の初期設定を実行し、続いて、外部記憶装置20からゲームプログラム21を読み込んでこれを実行することにより、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームを実行するための環境を設定する。ゲームプログラム21のシーケンス制御モジュール23がゲーム制御部11にて実行されることにより、ゲーム制御部11にはシーケンス制御部15が生成される。また、ゲームプログラム21の評価モジュール24がゲーム制御部11にて実行されることにより、ゲーム制御部11には操作評価部16が生成される。シーケンス処理部15及び操作評価部16は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせによって実現される論理的装置である。シーケンス処理部15は、プレイヤが選択した音楽(楽曲)の再生に合わせてプレイヤに操作を指示し、或いはプレイヤの操作に応じて効果音を発生させるといった音楽ゲーム処理を実行する。操作評価部16は、プレイヤの操作を評価し、かつその評価結果に応じたゲームの制御といった処理を実行する。なお、ゲームプログラム21には、上述したモジュール23、24の他にも音楽ゲームを実行するために必要な各種のプログラムモジュールが含まれ、ゲーム制御部11にはそれらのモジュールに対応した論理的装置が生成されるが、それらの図示は省略した。
【0022】
ゲームデータ22には、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームを実行する際に参照されるべき各種のデータが含まれている。例えば、ゲームデータ22には、楽曲データ25、効果音データ26及び画像データ27が含まれている。楽曲データ25は、ゲームの対象となる楽曲をスピーカ14から再生出力させるために必要なデータである。図2では、一種類の楽曲データ25が示されているが、実際には、プレイヤが複数の楽曲からプレイする楽曲を選択可能である。ゲームデータ22には、それらの複数の楽曲データ25がそれぞれの曲を識別するための情報を付して記録されている。効果音データ26は、プレイヤの操作に応答してスピーカ14から出力させるべき複数種類の効果音を、効果音毎にユニークなコードと対応付けて記録したデータである。効果音は、楽器その他の様々な種類の音声を含む。効果音データは、各種類に対して、音程を変えて所定のオクターブ数だけ用意されている。画像データ27は、ゲーム画面内の背景画像、各種のオブジェクト、アイコン等をモニタ3に表示させるためのデータである。
【0023】
ゲームデータ22には、更にシーケンスデータ28及び経路データ29が含まれている。シーケンスデータ28は、プレイヤに対して指示すべき操作時期等を定義したデータである。一曲の楽曲データに対して、最低一個のシーケンスデータ28が用意される。経路データ29は、後述する操作基準標識の移動経路のバリエーション等を定義したデータである。各データ28、29の詳細は後述する。
【0024】
次に、ゲーム機1にて実行される音楽ゲームの概要を説明する。ゲーム機1は、音楽に合わせてプレイヤが操作を実行し、その操作時期等を評価するタイプの音楽ゲーム装置として構成されている。図3は、ゲーム画面を模式的に示した図である。ゲーム画面50には、音楽ゲームの実行中、つまり楽曲の再生の進行中において、シーケンスデータ28に記述された各操作時期に対応する操作指示標識としての複数のオブジェクト60が表示されている。また、ゲーム画面50には、楽曲の再生の進行中において、適宜な位置に操作基準標識としての判定ライン65が表示される。また、図3の破線矢印は、判定ライン65が移動する経路Wを示している。判定ライン65は、楽曲の進行に従って操作時期において操作時期に対応するオブジェクト60と一致するように経路W上を一定の速度で移動する。
【0025】
判定ライン65が移動する移動経路Wは複数存在している。図4は、判定ライン65が移動する経路の一例を示す図である。図4の破線は経路W1を示している。図4に示すように、経路W1は、ゲーム画面50の右側から左側に向かって延びた後、一部を迂回するようにコの字型の軌道を描いて再度元の軌道の延長上を左に向かうように延びている。そして、各オブジェクト60は、判定ライン65が移動する経路W1上に、経路W1に沿って時間順の並びで配置されている。具体的には、経路W1の起点付近に、右端のオブジェクト60Aが、迂回路の第1の角に第1角オブジェクト60Cが、迂回路の第2の角に第2角オブジェクト60Fが、迂回路の第3の角に第3角オブジェクト60Iが、迂回路から再度左に向かって延びる最後の角に第4角オブジェクト60Lが、そして、経路W1の終点付近に左端のオブジェクト60Nが、それぞれ位置している。また、同一経路上の一のオブジェクト60とその次のオブジェクト60との間には、一のオブジェクト60が対応する操作時期とその次のオブジェクト60が対応する操作時期との間の時間間隔に応じた間隔が設けられている。図4の例では、右端のオブジェクト60Aと、経路W1上でその次に位置する次のオブジェクト60Bとの間には、右端のオブジェクト60が対応する操作時期と次のオブジェクト60Bが対応する操作時期との間の時間間隔に応じた距離があけられている。
【0026】
判定ライン65は、楽曲の進行に従って、各オブジェクト60と各オブジェクト60が対応する操作時期において一致するように経路W1上を右側から左側に向かって移動する。プレイヤには、判定ライン65の各オブジェクト60への到達に合わせて判定ライン65をタッチするタッチ操作が要求される。プレイヤがタッチ操作を行うと、判定ライン65がオブジェクト60に一致した時刻と、プレイヤのタッチ操作の時刻との間のずれ時間が検出される。そのずれ時間が小さいほどプレイヤの操作が高く評価される。図4の例では、判定ライン65が経W1の右端に位置するオブジェクト60Aに到達する直前に位置している。プレイヤは、判定ライン65のオブジェクト60Aへの到達に合わせて判定ライン65をタッチ操作すればよい。本形態では、モニタ3上に表示される判定ライン65と、判定ライン65に重ね合わされるタッチパネル5との組み合わせによって、操作部が形成される。なお、以下では、判定ライン65を、操作部を代表する用語として使用することがある。
【0027】
また、図5は、判定ライン65が移動する他の経路一例を示す図である。図5の破線は、判定ライン65が移動する他の経路W2を示している。図5に示すように、図5のゲーム画面50においてオブジェクト60が配置されている位置は図4のゲーム画面においオブジェクト60が配置されている位置と同じである。一方、判定ライン65が移動する経路W2は図4における移動経路W1と異なっている。図5の例では、他の経路W2は、右端のオブジェクト60から第4角オブジェクト60Lまで右側から左側に向かって延びている。そして、他の経路W2は、第4角オブジェクト60Lで上方に向きを変え、第3角オブジェクト60Iから右側に第2角オブジェクト6OFの位置まで戻った後、上方に位置を変えて再度左側に向かって左端のオブジェクト60Nまで延びている。更に、他の経路W2は、左端のオブジェクト60から第1角オブジェクト60まで右側に向かって延びた後、上方に向きを変え第2角オブジェクト60Fの手前のオブジェクト60Eまで延びている。判定ライン65は、他の経路W2に沿って、経路W2上の各オブジェクト60と各オブジェクト60に対応する操作時期において一致するように移動する。また、図5の例において、第1角オブジェクト60Cと、第4角オブジェクト60Lとは、それぞれ2つの操作時期を示すオブジェクト60として機能している。
【0028】
図3〜図5で示すように、操作時期を示すオブジェクト60は、判定ライン65の移動経路上に時間順に配置されている。また、オブジェクト60の配置が同一の場合でも判定ライン65の移動経路として複数の経路Wが存在し、各オブジェクト60のそれぞれが複数の経路上に配置される場合もある。更に、ゲーム画面50の表示上、同一のオブジェクト60として表示されているオブジェクト60が2つの操作時期を指示する場合もある。同一楽曲において、ゲーム画面50に一度に表示されるオブジェクト60は操作時期が所定の時間範囲に含まれるオブジェクト60である。そして、所定の時間としての所定の時間範囲毎に判定ライン65の移動経路として複数の経路Wが設けられ、所定の時間毎に判定ライン65の移動経路が変化する。更に、各所定の時間内、つまり、オブジェクト60の配置が同一の場合においても判定ライン65の移動経路は同一ではない。このため、プレイヤは、ゲーム画面50に表示された各オブジェクト60の配置からだけでは判定ライン65の移動方向を予想することが難しい。従って、プレイヤには、判定ライン65の予想外の移動に対応しつつ、音楽のリズムに合わせた操作の実行が要求される。なお、図3〜図5では、説明の都合上、判定ライン65の移動経路W、W1、W2を破線で示しているが、実際のゲーム画面50に移動経路W、W1、W2は表示されない。また、各経路W1、W2のそれぞれが本発明の複数の経路のそれぞれとして機能する。
【0029】
次に、図6及び図7を参照して、シーケンスデータ28及び経路データ29の詳細を説明する。図6に示したように、シーケンスデータ28は、条件定義部28aと、操作シーケンス部28bと、を含んでいる。条件定義部28aには、音楽のテンポ、ビート、トラック、また、オブジェクト60をタッチ操作したときにそれぞれ発生させるべき効果音を指定する情報等、楽曲毎に異なるゲームの実行条件を指定する情報が記述される。なお、図6では条件定義部28aがシーケンスデータ28の先頭のみに設けられているが、操作シーケンス部28bの途中の適宜の位置にも条件定義部28aが追加されてよい。それにより、曲中のテンポの変更、効果音の割り当ての変更といった処理を実現することができる。
【0030】
一方、操作シーケンス部28bには、オブジェクト60をタッチ操作すべき時期と、ゲーム画面上のオブジェクト60の各所定の時間を区別する情報とが対応付けて記述されている。図6は、シーケンスデータの内容の一例を示す図である。図6にその一部を例示したように、操作シーケンス部28bは、楽曲中において操作が行われるべき時期(操作時期)と所定の時間を区別する情報とを対応付けた複数のレコードの集合として構成されている。操作時期は、楽曲中の小節番号、拍数、及び拍中の時刻を示す値がカンマで区切られて記述されている。拍中の時刻は、一拍の先頭からの経過時間であり、一拍の時間長をn個の単位時間に等分したときのその拍の先頭からの単位数で表現される。例えば、n=100で、楽曲の一小節目の二拍目で、かつその拍の先頭から1/4だけ経過した時刻を操作時期又は表示開始時期として指定する場合には、“01,2,025”と記述される。
【0031】
所定の時間を区別する情報は、楽曲毎、かつ、拍等に基づくその楽曲の進行の開始からの区切り毎、つまりその楽曲における所定時間の経過毎に定義されている。具体的には、所定の時間を区別する情報は、“01A”、“01B”或いは、“02A”、“02B”といった具合に、楽曲を示す数字“01”等と、その楽曲中で何番目の区切りに相当するかを区別するアルファベット“A”等とから構成されている。つまり、楽曲番号01に相当する楽曲の第1番目の区切りに相当する操作時期には“01A”が記述される。
【0032】
図6の例では、一小節目の四拍目の開始時点(000)、一小節目の四拍目の開始時点から“010”相当だけ経過した時期、一小節目の四拍目の開始時点から“016”相当だけ経過した時期、のそれぞれの時期にそれぞれの操作時期に対応するオブジェクト60と判定ライン65とが一致し、この一致に合わせて判定ライン65が配置されている位置をタッチ操作するといった具合に、操作時期と操作部とが指定されている。更に、この一小節目の四拍目の開始時点(000)に対応するオブジェクト60は、楽曲番号01の第1番目の区切りに表示されるように指示されている。また、二小節目の四拍目の開始時点から“024”経過した時期、“033”経過した時期、“040”経過した時期、のそれぞれの時期にそれぞれの操作時期に対応するオブジェクト60と判定ライン65とが一致するとともに、これらのオブジェクト60が楽曲番号01の第2番目の区切りに表示されるように指示されている。
【0033】
経路データ29は、判定ライン65が移動する複数の経路と所定の時間を区別する情報とが対応付けて記述されたデータである。図7は、経路データ29の内容の一例を示す図である。図7に示すように、経路データ29は、所定の時間を区別する情報と、所定の時間毎に用意された複数の経路Wのそれぞれを指示する情報とを対応付けた複数のレコードの集合として構成されている。また、所定の時間を区別する情報と複数の経路Wのそれぞれを指示する情報とはそれぞれカンマで区切って記述されている。そして、所定の時間を区別する情報は、シーケンスデータ28と同様に、楽曲を示す数字“01”等と、その楽曲中で何番目の区切りに相当するかを区別するアルファベット“A”等とから構成されている。また、複数の経路Wを区別する情報として“A”等のアルファベットがカンマで区切って記述されている。この“A”等のアルファベットは、予め設定された判定ライン65の複数の経路Wのそれぞれと対応している。
【0034】
図7の例では、所定の時間を区別する情報“01A”にて区別される楽曲番号01の第1番目の区切りには、“A”〜“E”までの最低5つの経路が判定ライン65を移動させるための経路として設定されている。また、例えば、この所定の時間を区別する情報“01A”の“A”に対応する経路として図4に示す経路W1が、“B”に対応する経路として図5に示す他の経路W2が、それぞれ対応する。
【0035】
ゲーム制御部11のシーケンス処理部15は、上述したシーケンスデータ28にて指定された操作時期に、判定ライン65とオブジェクト60とが一致するように判定ライン65の表示を制御する。また、シーケンス処理部15は、判定ライン65が移動する経路を経路データ28に定義された複数の経路Wのなかから決定する。シーケンス処理部15が実行する具体的な処理は後述する。
【0036】
次に、ゲーム機1にて音楽ゲームが実行される際のゲーム制御部11の処理を説明する。ゲーム制御部11は、ゲームプログラム21を読み込んで音楽ゲームを実行するために必要な初期設定を終えると、プレイヤからのゲーム開始の指示に備えて待機する。ゲーム開始の指示には、例えばゲームでプレイする楽曲、或いは難易度の選択といったゲームで使用するデータを特定する操作が含まれる。それらの指示を受け付ける手順は、公知のゲーム等と同等でよい。
【0037】
ゲーム開始が指示されると、ゲーム制御部11は、プレイヤが選択した曲に対応する楽曲データ25を読み取って音声出力制御部14に出力することにより、スピーカ8から楽曲の再生を開始させる。これにより、制御ユニット10が楽曲再生手段として機能する。また、ゲーム制御部11は、楽曲の再生に同期して、プレイヤの選択に対応したシーケンスデータ28を読み取って、画像データ27を参照しつつゲーム画面50に必要な画像データを生成して表示制御部12に出力することにより、モニタ3上にゲーム画面50を表示させる。更に、音楽ゲームの実行中において、ゲーム制御部11は、ゲーム画面50の表示等に必要な処理として、図8に示す経路決定処理ルーチン、図9に示すシーケンス処理ルーチン及び、図10に示す操作評価ルーチンのそれぞれを所定の周期で繰り返し実行する。なお、図8及び、図9のルーチンはシーケンス処理部15が、図10の操作評価ルーチンは操作評価部16が、それぞれ担当する。
【0038】
図8は、シーケンス処理部15が実行する経路決定処理ルーチンのフローチャートの一例を示している。図8のルーチンが開始されると、ゲーム制御部11のシーケンス処理部15は、ステップS1にて、これから表示するゲーム画面がどの所定の時間のものであるかを判別する。この判別は、例えば、現在時刻と所定の時間とを比較して判別すればよい。或いは、現在時刻とシーケンスデータ28に記述された操作時期が対応する所定の時間の情報とを比較して判別してもよい。
【0039】
次のステップS2にて、シーケンス処理部15は、ステップS1で判別した所定の時間に基づいて、この所定の時間に対応する経路の情報を経路データ29から取得する。例えば、ステップS1にて所定の時間が“01A”と判別された場合には、経路データ29から“01A”に対応する複数の経路Wとして“A”〜“E”等を取得する。
【0040】
続くステップS3にて、シーケンス処理部15は、ステップS2で取得した複数の経路Wに対応する経路の情報のうちから判定ライン65の経路として今回設定すべき経路の抽選を実行する。この抽選は、例えば、乱数を利用したランダム抽選として実現されればよい。そして、次のステップS4にて、シーケンス処理部15は、ステップS3で抽選された経路を判定ライン65の今回の経路に決定して、今回のルーチンを終了する。このルーチンは、次の所定時間が到来する前に所定の時間毎に繰り返し実行される。
【0041】
また、図9は、シーケンス処理部15が実行するシーケンス処理ルーチンのフローチャートの一例を示している。図9のルーチンが開始されると、ゲーム制御部11のシーケンス処理部15は、まずステップS11にて楽曲上の現在時刻を取得する。例えば、楽曲の再生開始時点を基準として、ゲーム制御部11の内部クロックにて計時が開始され、その内部クロックの値から現在時刻が取得される。続くステップS12において、シーケンス処理部15は、シーケンスデータ28から、ゲーム画面50の表示範囲に相当する時間長に存在する操作時期のデータを取得する。表示範囲は、一例として現在時刻から将来に向かって楽曲の2小節相当の時間範囲に設定される。
【0042】
ステップS13にて、シーケンス処理部15は、ゲーム画面50内における各オブジェクト60及び判定ライン65の座標を演算する。その演算は、一例として以下のように行われる。まず各オブジェクト60の配置座標を取得する。このオブジェクト60の配置座標は、例えば、図8のルーチンの結果に基づいて、決定する。図8のルーチンで決定される経路は、楽曲及び、その楽曲上の経過時間に応じたものなので、必然的に経路の開始位置から経路に沿って時間順に配置されるオブジェクト60の位置(操作時期)も決定可能である。このため、各所定の時間に対応して用意された複数の経路W毎に各オブジェクト60の配置位置を予め設定しておくことができる。即ち、複数の経路Wのそれぞれに対するシーケンスデータ28に記述された操作時期の順の各オブジェクト60の配置座標、つまり全経路のそれぞれに対応する全オブジェクト60の配置座標の情報を予め用意しておくことができる。そして、経路毎に各オブジェクト60の配置座標が予め用意されていれば、図8のルーチン結果に基づいて、判定ライン65の経路とともに、所定の時間内、つまり所定の時間範囲内に含まれる各操作時期のそれぞれに対応するオブジェクト60の配置座標を取得することができる。次に、各操作時期と現在時刻との時間差に応じて、当該経路の時間軸方向(つまり、判定ライン65の移動の移動方向)における判定ライン65の当該経路上の位置を判別する。これらにより、判定ライン65の経路に沿った時間順の並びとなる各オブジェクト60の座標及び、当該経路上にて時間軸に沿った判定ライン65の位置の座標を取得することができる。
【0043】
なお、経路上における各オブジェクト60の配置座標は、例えば、演算により取得されてもよい。具体的には、ステップS13にて、シーケンス処理部15は、図8のルーチンで決定された各オブジェクト60を配置すべき経路に応じて、判定ライン65の移動の開始位置から移動方向に対して時間順の並び、かつシーケンスデータ28に基づく判定ライン65の移動速度に応じた間隔となる配置座標を算出すればよい。
【0044】
次のステップS14において、シーケンス処理部15は、ステップS13で演算された各オブジェクト60の座標及び、判定ライン65の座標に基づいて、ゲーム画面50を描画するために必要な画像データを生成する。具体的には、演算された座標に各オブジェクト60及び、判定ライン65が配置されるように画像データを生成する。続くステップS15にて、シーケンス処理部15は表示制御部12に画像データを出力する。これにより、モニタ3にゲーム画面50が表示される。ステップS14の処理を終えると、シーケンス処理部15は今回のシーケンス処理ルーチンを終了する。以上の処理が繰り返し実行されることにより、判定ライン65がシーケンスデータ28に記述された操作時期に、当該操作時期に対応するオブジェクト60に到達するように所定の経路W上を移動する。
【0045】
次に、図10の操作評価ルーチンを説明する。図10の操作評価ルーチンが開始されると、操作評価部16は、まずステップS21で、タッチパネル5の出力信号を参照して、判定ライン65に対するタッチ操作の有無を判別する。このとき、判定ライン65以外の位置がタッチされた場合には、タッチ操作なしと判断される。操作評価部16は、タッチ操作がなければ今回のルーチンを終了し、タッチ操作があればステップS22へ進む。ステップS22において、操作評価部16は、タッチパネル5から出力された位置信号に基づいて、そのタッチ操作が行われたタイミング(楽曲上の時刻)を判別する。続くステップS23にて、操作評価部16はシーケンスデータ28に記述された直近の操作時期、つまりはシーケンスデータ28上で時間的に最も接近した操作時期を特定し、その操作時期とタッチ操作が行われた時刻との間のずれ時間を取得する。
【0046】
次のステップS24において、操作評価部16は、ずれ時間が評価範囲内か否かを判別することにより、プレイヤの操作が適切か否か判断する。評価範囲は、比較対象の操作時期を中心として前後に所定の時間範囲で設定される。一例として、操作時期を中心として複数段のレベルが設定され、それらのレベルが設定されている時間範囲が評価範囲として扱われる。ステップS24にてずれ時間が評価範囲外の場合、操作評価部16は今回のルーチンを終了し、評価範囲内の場合にはステップS25に進む。続くステップS25にて、操作評価部16は、ステップS24で取得したずれ時間に基づいてプレイヤのタッチ操作に対する評価を決定する。この評価は、一例として、タッチ操作の時期が時間範囲内に設定された複数のレベルのいずれに属するかを判別することにより実現される。複数のレベルは、時間範囲を一定期間毎に区分するように設定されており、その各区分の操作時期に近い区分に属するほど高く評価される。その後、操作評価部16はステップS26に進み、評価結果がゲーム画面50に表示されるように、表示制御部12への出力を制御する。ステップS26の処理を完了すると、操作評価部16は今回のルーチンを終了する。
【0047】
以上に説明したように、この形態のゲーム機1によれば、所定の時間毎に用意された複数の経路Wのいずれかを判定ライン65が移動する。また、判定ライン65の移動経路Wは、所定の時間毎、つまり所定の時間範囲毎にも変化する。これにより、判定ライン65の移動経路を多様に変化させることができる。また、判定ライン65の移動経路が多様に変化するので、ゲーム画面50に表示されたオブジェクト65の配置からは判定ライン65の移動経路が予想できない。このため、ゲームの展開に意外性を与えることができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0048】
以上の形態において、ゲーム機1の外部記憶装置20が楽曲データ記憶手段、シーケンスデータ記憶手段として機能する。また、制御ユニット10が、シーケンス処理部15に図8及び、図9のルーチンを実行させることにより操作時期判別手段及び、指示標識表示手段、基準標識制御手段として機能する。さらに、制御ユニット10が、評価操作部16に図10ルーチンを実行させることにより、評価手段として機能する。
【0049】
本発明は上述した形態に限らず、適宜の形態にて実施することができる。上述の形態では、所定の時間としてゲーム画面50の表示範囲が利用され、ゲーム画面50の表示範囲毎、つまり、ゲーム画面に配置された各オブジェクト60の配置パターン毎に複数の経路Wが設定されているが、このような形態に限定されるものではない。例えば、同一の所定の時間内に用意されている複数の経路W間のオブジェクト60の配置位置は同一でなくてもよい。つまり、同一の所定の時間内に用意されている複数の経路W間でオブジェクト60の配置位置が異なっていてもよい。また、例えば、所定の時間としてゲーム画面50の表示範囲よりも小さな単位が利用され、ゲーム画面50の表示範囲内に複数の経路Wが設定されていてもよい。この場合、各オブジェクト60の配置パターンが変化しない状態においても判定ライン65の移動経路を変化させることができる。
【0050】
また、上述の形態では、判定ライン65の移動速度が一定に設定されているが、判定ライン65の移動速度は、ゲームの難易度を向上させるため等のゲームの都合等の条件で自由に変化してもよい。例えば、楽曲の進行テンポを途中で遅くすることにより、判定ライン65の移動速度を減速させてもよいし、途中で判定ライン65の移動速度が変化するような経路が予め用意されていてもよい。また、判定ライン65の移動経路には、進行してきた経路と同じ軌道をこれまでの進行方向とは逆に進むような経路、つまり、同じ経路上を後退するように進む経路が含まれていてもよい。この場合、判定ライン65がバックするような演出を行うことができるので、判定ライン65の移動経路を更に多様に変化させることができる。
【0051】
また、上述の形態では、オブジェクト60が判定ライン65の経路Wに沿って、時間順の並びで、時間間隔に応じた間隔をあけて配置されているが、このような形態に限定されるものではない。例えば、各オブジェクト60の間隔はどのような間隔でもよい。この場合、次の操作時期に対応するオブジェクト60との距離に応じて、判定ライン65の移動速度が調整されるように構成されていていればよい。また、予め設定されている判定ライン65の経路上に操作指示標識が配置される構成に限定されるものでもない。図11は、変形例に係るオブジェクト60の配置の一例を示す図である。図11の例では、オブジェクト60がマトリックス状に予め配置されている。また、判定ライン65はマトリックス状に配置されたオブジェクト60の中央付近の位置に配置されている。そして、判定ライン65には、上下、左右、右斜め及び左斜めの各斜め方向の各方位が移動経路W候補として用意されている。つまり、図11の例では、シーケンスデータ28に記述された操作時期に対応する各オブジェクト60の配置位置が判定ライン65の経路及び、操作時期間の時間間隔と無関係に予め決まっている。そして、このような場合には、シーケンスデータ28に記述された操作時期に判定ライン65が各オブジェクト60を順次通過するように、各オブジェクト60の配置位置に対応して判定ライン65が移動速度、或いは移動方向等を調整すればよい。このような場合に、シーケンス処理部15が実行するシーケンス処理及び、経路決定処理の一例を図12及び図13を参照して説明する。
【0052】
図12は、判定ライン65の経路等と無関係にオブジェクト60の配置が予め決まっている場合に、シーケンス処理部15が実行する経路決定処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図8の経路決定処理ルーチンと図12のルーチンとを比較すると、図12のルーチンでは、図8のルーチンのステップS1及びステップS2に替えてステップS5及びステップS6が実行される。具体的には、図12のルーチンが開始されると、ステップS5にて、シーケンス処理部15は、所定の時間範囲に含まれる各オブジェクト60の配置座標の情報を取得する。各オブジェクト60の配置座標は、所定の時間範囲毎に予め設定されている。このため、所定の時間範囲毎に予め用意されたオブジェクト60の配置座標の情報から各オブジェクト60の配置座標を取得することができる。次のステップS6にて、シーケンス処理部15は、判定ライン65の現在の座標を取得し、その座標と各オブジェクト60の座標を比較して各方位(上下、左右、各斜め方向等)に位置するオブジェクト60を特定する。続くステップS3では、その各方位に位置する各オブジェクト60に向かう経路のうちから次に移動すべき経路を抽選する。抽選の実行は、図8のルーチンのステップS3と同様でよい。また、次のステップS4も図8のルーチンと同様でよい。この図12のルーチンは、判定ライン65の移動開始時から各オブジェクト60を通過する毎に繰り返し実行される。これにより、判定ライン65が次のオブジェクト60に向かうときの移動経路が決定される。
【0053】
一方、図13は、図12のルーチンが実行される場合に、シーケンス処理15が実行するシーケンス処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図9のシーケンス処理ルーチンと図13のルーチンとを比較すると、図13のルーチンでは、図9のルーチンのステップS12に替えてステップS16及びステップS17が実行される。具体的には、図12のルーチンにおいて、シーケンス処理部15は、ステップS16にて、表示範囲内(所定の時間範囲内)の各オブジェクト60の座標を取得する。この座標は上述のように予め用意されている。次のステップS17にて、シーケンス処理部15は、次の移動経路として図12のルーチンにて決定された経路を取得する(変更がなければルーチンの都度同じ経路が取得される。なお、変更がなければ前回と同様の経路を利用するようにステップS17をスキップするように構成されていてもよい)。続くステップS13にて、シーケンス処理部15は、判定ライン65の座標を演算する。この演算は、一例として次のように行われる。まず、ステップS17で取得した移動経路W上に次に位置するオブジェクト60の座標を特定する。そして、特定したオブジェクト60をシーケンスデータ28上の直近の操作時期と対応させて、直近の操作時期と現在時刻との時間差に応じて、ステップS17にて決定された移動経路Wの時間軸方向(つまり、判定ライン65の移動の移動方向)における判定ライン65の当該移動経路W上の位置を判別する。これらにより、シーケンスデータ28に記述された直近の操作時期に次のオブジェクト60を通過するような配置となる当該移動経路W上にて時間軸に沿った判定ライン65の位置の座標を取得することができる。また、図13のルーチンのステップS14及びステップS15は図9のルーチンと同様でよい。図13のルーチンの結果、次の操作時期に対応するオブジェクト60までの移動距離が長ければ判定ライン65の移動表示が早くなり、短ければ遅くなる。これにより、判定ライン65の移動速度が調整される。なお、図12のルーチンは、判定ライン65が移動する複数の経路W上に各オブジェクト60が配置されている場合にも適用可能である。この場合、各オブジェクト60の座標を取得するために、図12のルーチンは、ステップS5にて、経路データ29を取得し、経路W毎に予め設定された各オブジェクト60の配置座標を利用するように構成されていてもよい。これにより、オブジェクト60が判定ライン65の複数の移動経路W上に配置されている場合にも、図13のルーチンにて移動速度の調整が可能である。つまり、オブジェクト60が判定ライン65の複数の移動経路W上に配置されている場合にも、移動経路W上に配置される各オブジェクト60間の間隔を自由に設定することができる。
【0054】
上述のように本発明は、判定ライン65が移動経路上に配置された操作指示標識を経路に沿って通過するような形態に限定されるものではなく、操作指示標識の位置と判定ライン65の位置とからシーケンスデータ28に記述された操作時期に各操作指示標識を順次通過できるように、判定ライン65の移動方向及び移動速度が決定されればよい。つまり、操作指示標識はゲーム画面内にどのように配置されていてもよい。これらの場合にも、操作指示標識と操作指示標識との間の変位方向又は変位速度を変化させることができるので、ゲームの展開に意外性を与えることができる。
【0055】
上述の形態では、所定の条件として所定の時間が利用されているが、このような形態に限定されるものではない。例えば、所定の条件として判定ライン等に対する所定の操作を採用し、所定の操作に応じて判定ラインの移動方向等が変化してもよい。また、判定ラインが変化するオプション等が用意され、ゲームの都合、進行状況等により判定ラインの移動方向等が変化してもよい。更に、プレイヤのレベルによっても判定ラインの移動方向等が変化するように構成されていてもよい。
【0056】
上述の形態では、入力装置としてタッチパネルが用いられているが、入力装置はこのような形態に限定されるものではない。例えば、操作部としての複数の押しボタンが設けられたコントローラ等、少なくとも一つの操作部を有している限り、各種の構成の入力装置を利用することができる。
【0057】
上述の形態では、ゲーム機1は楽曲が再生され、楽曲の演奏時間に基づいて操作指示標識が操作基準部に向かって移動する音楽ゲーム機として構成されているが、このような構成に限定されるものではない。ゲーム機1では、映像を通じて操作時期が指示される限り多様なゲームを実行可能である。さらに、本発明のゲームシステムは、商業施設に設置される業務用ゲーム機、家庭用の据置型ゲーム機、携帯型のゲーム機、ネットワークを利用して実現されるゲームシステムといった適宜の形態で実現されてよい。
【符号の説明】
【0058】
1 ゲーム機
3 モニタ(表示装置)
5 タッチパネル(入力装置、操作部)
14 スピーカ(音声出力装置)
10 制御ユニット(コンピュータ、操作時期判別手段、指示標識表示手段、基準標識制御手段、評価手段、楽曲再生手段)
20 外部記憶装置(楽曲データ記憶手段、シーケンスデータ記憶手段)
21 ゲームプログラム
22 ゲームデータ
25 楽曲データ
28 シーケンスデータ
50 ゲーム画面
60 オブジェクト(操作指示標識)
65 判定ライン(操作基準標識、操作部)
W、W1、W2 経路(複数の経路)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム画面を表示出力する表示装置と、
少なくとも一つの操作部を有する入力装置と、
前記ゲーム中における前記操作部に対する操作時期が記述されたシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、
前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作部の前記操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別する操作時期判別手段と、
前記操作時期判別手段にて判別された各操作時期に対応する操作指示標識を前記ゲーム画面に表示させる指示標識表示手段と、
現在時刻に対応する操作基準標識を、当該操作基準標識が前記シーケンスデータに記述された操作時期に各操作指示標識を順次通過するようにして、前記ゲーム画面内を移動させつつ表示する基準標識制御手段と、を備え、
前記基準標識制御手段は、前記操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を所定の条件に応じて変化させることを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記基準標識制御手段は、前記所定の条件として、所定の時間を用いて、前記所定の時間毎に前記操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を変化させる請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記指示標識表示手段は、前記操作指示標識を複数の経路に沿って時間順の並びで表示させ、
前記基準標識制御手段は、前記操作基準標識を前記複数の経路のうちの一の経路に沿って移動させつつ表示するとともに、前記所定の条件に応じて、前記操作基準標識の移動経路を前記複数の経路のうちの他の経路に変更することにより、前記操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を変化させる請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記入力装置として前記ゲーム画面を覆うように前記表示装置に配置されるタッチパネルが用いられる請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記操作部に対する操作の時期と前記シーケンスデータにて指定された操作時期とに基づいて少なくとも一つの操作部における操作を評価する評価手段を、更に備える請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
ゲーム音を再生出力する音声出力装置と、
楽曲を再生させるための楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段と、
前記楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段と、を更に備え、
前記シーケンスデータには、前記楽曲の再生中における前記操作部の操作時期が記述されている請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項7】
ゲーム画面を表示出力する表示装置と、少なくとも一つの操作部を有する入力装置と、
前記ゲーム中における前記操作部に対する操作時期が記述されたシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、を備えたゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、
前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作部の前記操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別する操作時期判別工程と、
前記操作時期判別工程にて判別された各操作時期に対応する操作指示標識を前記ゲーム画面に表示させる指示標識表示工程と、
現在時刻に対応する操作基準標識を、当該操作基準標識が前記シーケンスデータに記述された操作時期に前記操作指示標識を通過するようにして、前記ゲーム画面内を移動させつつ表示する基準標識制御工程と、を実行させ、
更に、前記基準標識制御工程にて、前記操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を所定の条件に応じて変化させる工程を実行させるゲームシステムの制御方法。
【請求項8】
ゲーム画面を表示出力する表示装置と、少なくとも一つの操作部を有する入力装置と、
前記ゲーム中における前記操作部に対する操作時期が記述されたシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、を備えたゲームシステムに組み込まれるコンピュータを、
前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作部の前記操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別する操作時期判別手段、前記操作時期判別手段にて判別された各操作時期に対応する操作指示標識を前記ゲーム画面に表示させる指示標識表示手段及び、現在時刻に対応する操作基準標識を、当該操作基準標識が前記シーケンスデータに記述された操作時期に各操作指示標識を順次通過するようにして、前記ゲーム画面内を移動させつつ表示する基準標識制御手段として機能させるように構成され、
更に、前記基準標識制御手段を、前記操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を所定の条件に応じて変化させる手段として機能させるように構成されたゲームシステム用のコンピュータプログラム。
【請求項1】
ゲーム画面を表示出力する表示装置と、
少なくとも一つの操作部を有する入力装置と、
前記ゲーム中における前記操作部に対する操作時期が記述されたシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、
前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作部の前記操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別する操作時期判別手段と、
前記操作時期判別手段にて判別された各操作時期に対応する操作指示標識を前記ゲーム画面に表示させる指示標識表示手段と、
現在時刻に対応する操作基準標識を、当該操作基準標識が前記シーケンスデータに記述された操作時期に各操作指示標識を順次通過するようにして、前記ゲーム画面内を移動させつつ表示する基準標識制御手段と、を備え、
前記基準標識制御手段は、前記操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を所定の条件に応じて変化させることを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記基準標識制御手段は、前記所定の条件として、所定の時間を用いて、前記所定の時間毎に前記操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を変化させる請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記指示標識表示手段は、前記操作指示標識を複数の経路に沿って時間順の並びで表示させ、
前記基準標識制御手段は、前記操作基準標識を前記複数の経路のうちの一の経路に沿って移動させつつ表示するとともに、前記所定の条件に応じて、前記操作基準標識の移動経路を前記複数の経路のうちの他の経路に変更することにより、前記操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を変化させる請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記入力装置として前記ゲーム画面を覆うように前記表示装置に配置されるタッチパネルが用いられる請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記操作部に対する操作の時期と前記シーケンスデータにて指定された操作時期とに基づいて少なくとも一つの操作部における操作を評価する評価手段を、更に備える請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
ゲーム音を再生出力する音声出力装置と、
楽曲を再生させるための楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段と、
前記楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段と、を更に備え、
前記シーケンスデータには、前記楽曲の再生中における前記操作部の操作時期が記述されている請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項7】
ゲーム画面を表示出力する表示装置と、少なくとも一つの操作部を有する入力装置と、
前記ゲーム中における前記操作部に対する操作時期が記述されたシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、を備えたゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、
前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作部の前記操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別する操作時期判別工程と、
前記操作時期判別工程にて判別された各操作時期に対応する操作指示標識を前記ゲーム画面に表示させる指示標識表示工程と、
現在時刻に対応する操作基準標識を、当該操作基準標識が前記シーケンスデータに記述された操作時期に前記操作指示標識を通過するようにして、前記ゲーム画面内を移動させつつ表示する基準標識制御工程と、を実行させ、
更に、前記基準標識制御工程にて、前記操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を所定の条件に応じて変化させる工程を実行させるゲームシステムの制御方法。
【請求項8】
ゲーム画面を表示出力する表示装置と、少なくとも一つの操作部を有する入力装置と、
前記ゲーム中における前記操作部に対する操作時期が記述されたシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、を備えたゲームシステムに組み込まれるコンピュータを、
前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作部の前記操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別する操作時期判別手段、前記操作時期判別手段にて判別された各操作時期に対応する操作指示標識を前記ゲーム画面に表示させる指示標識表示手段及び、現在時刻に対応する操作基準標識を、当該操作基準標識が前記シーケンスデータに記述された操作時期に各操作指示標識を順次通過するようにして、前記ゲーム画面内を移動させつつ表示する基準標識制御手段として機能させるように構成され、
更に、前記基準標識制御手段を、前記操作基準標識の移動方向及び移動速度の少なくともいずれか一方を所定の条件に応じて変化させる手段として機能させるように構成されたゲームシステム用のコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−189012(P2011−189012A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58117(P2010−58117)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
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