説明

ゲームシステム及びサーバ

【課題】 遊技場等において用いられる遊技機と、有価情報が記憶されるカードの記憶内容を更新するカードユニットと、前記遊技機と、前記カードユニットとを管理するサーバとからなるゲームシステムに関し、特に、前記カードをカードユニットに忘れた場合の安全性を確保可能なゲームシステム及びサーバを提供することを目的とする。
【解決手段】 カードユニット50にICカードを挿入したまま、スロットマシン1からプレイヤが離れると、サーバ80は、プレイヤ検知信号、カード挿入信号の受信状態に基づいて、スロットマシン1、カードユニット50に対して非常停止信号を送信する。
そして、非常停止信号を受信すると、スロットマシン1は、スロットマシン1での遊技を不能とする遊技非常停止処理(S10)を実行し、カードユニット50では、抜き忘れられたICカードの排出を禁止する排出禁止処理(S32)を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場等において用いられる遊技機と、有価情報が記憶されるカードの記憶内容を更新するカードユニットと、前記遊技機と、前記カードユニットとを管理するサーバとからなるゲームシステムに関し、特に、前記カードをカードユニットに忘れた場合の安全性を確保可能なゲームシステム及びサーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、遊技場においても、現金を使用せず、有価情報が記憶されたカードを使用して遊技する態様での遊技が多くなっている。例えば、パチンコ店においては、現金を遊技球にそのまま交換する態様から、現金を一度、有価情報が記憶されたカード(例えば、プリペイドカード)に変更し、そのカードを使用することにより、遊技球に交換する態様(所謂、CR機と呼ばれるパチンコ遊技機等)での遊技形式が増加しており、カード化することによる利便性の向上等の利点を考慮すると、今後もカード化が進むことが考えられる。
【0003】
一方、カード化が進行した場合には、現在も発生している「カードの抜き忘れ」が頻発化することが予想される。更に、抜き忘れられたカードが第三者の手に渡った場合には、第三者による当該カードの悪用が懸念される。例えば、プリペイドカードが抜き忘れられた場合には、カードを抜き忘れた遊技者が有するべき有価情報に基づいて、第三者が遊技を実行するという事態を想定することができる。また、カードユニットにおいて、汎用のクレジットカードを利用可能とし、クレジットカードによる遊技を可能とした場合には、カードを抜き忘れた場合に遊技者が被る被害も大きくなるため、プリペイドカード使用時以上に安全性の確保が必要となる。従って、このようなカードの抜き忘れに関する防止対策の必要性が高まっている。
【0004】
カードの抜き忘れに関する防止対策として、カード排出時に何らかの報知を行い、遊技者に注意を促すことで、カードの抜き忘れを防止するもの(例えば、特許文献1参照)や、カードを抜き忘れたとしても、被害を最小限度に抑えようとするもの(例えば、特許文献2参照)といった対策がある。
【特許文献1】特開2004−49630号公報
【特許文献2】特開平9−225128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1には、所定の遊技状態になったことを条件として、カードの排出を行い、カードの排出と共に効果音等を発生させることで、遊技者の注意を促し、カードの抜き忘れを防止することが記載されている。しかし、カードの常時挿入を条件とするゲームシステムの場合に、遊技機におけるプレイの終了を遊技機側で判断することができないので、この特許文献1に記載された対策方法は、有効に機能することができないという問題点を有している。
【0006】
一方、特許文献2には、遊技媒体(遊技球またはメタル)の払出について、一定限度個数の払出までは暗証番号を要求せず、一定限度個数を超過した場合に暗証番号の入力を要求することが記載されている。
しかし、この特許文献2に記載された対策方法では、一定限度個数までは、暗証番号の入力を行わずとも遊技媒体の払出を受けることができる。即ち、カードを抜き忘れた場合に、一定限度個数の遊技媒体の払出に相当する損害を許容することとなるので、カード抜き忘れに関する充分な安全対策をいうことはできない。従って、このような一定の損害を許容するような対策では、汎用のクレジットカードを利用するゲームシステムにおける対策として用いることはできない。
【0007】
ところで、遊技場等におけるゲームシステムとしては、遊技機と、カードユニットとが直接接続されているものも存在する。例えば、カードユニットが内部に配設されている遊技機も存在し、このような場合には、遊技者が積を離れたことと、カードが挿入された状態であることを、遊技機において検知、判断することができるので、カードの抜き忘れに対する防止対策を充分に行うことができる。
しかし、一般的に、遊技場においては、遊技機と、カードユニットを個別のメーカから購入して設置することが多く、遊技機のメーカと、カードユニットのメーカとが相違することも多い。そして、遊技機とカードユニットのメーカが相違する場合、遊技機とカードユニットとの間において、直接、情報を通信することができる場合も少ない。従って、遊技機により遊技者の状況を示す情報と、カードユニットによるカードの有無に係る情報が相互に把握することができないため、カードが抜き忘れられた状態であるか否かを判断することができない。
従って、遊技機と、カードユニットとが直接接続されていない場合においても、有効なカード抜き忘れ対策が可能なゲームシステムが要望されている。
【0008】
本発明は、前記従来の問題点を解消するためになされたものであり、遊技場等において用いられる遊技機と、有価情報が記憶されるカードの記憶内容を更新するカードユニットと、前記遊技機と、前記カードユニットとを管理するサーバとからなるゲームシステムに関し、特に、前記遊技機と、前記カードユニットが直接接続されていない場合においても、前記カードをカードユニットに忘れた場合の安全性を確保可能なゲームシステム及びサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため請求項1に係るゲームシステムは、所定の遊技が実行される遊技機(例えば、スロットマシン1)と、有価情報が記憶されたカード(例えば、ICカード)が挿入され、有価情報の更新を行うカードユニット(例えば、カードユニット50)と、前記遊技機と、前記カードユニットと、夫々双方向通信可能に接続するサーバ通信手段(例えば、サーバ通信手段81)を有するサーバ(例えば、サーバ80)と、からなるゲームシステム(例えば、ゲームシステム100)において、前記カードユニット(例えば、カードユニット50)は、前記カードの挿入状態を検知するカード検知手段(例えば、カードセンサ54)と、前記カード検知手段の検知結果を前記サーバに送信するカードユニット通信手段(例えば、カードユニット通信手段60)と、を有し、前記遊技機(例えば、スロットマシン1)は、遊技者を検知する遊技者検知手段(例えば、赤外線センサ23)と、前記遊技者検知手段の検知結果を前記サーバに送信する遊技機通信手段(例えば、ゲーム通信手段29)と、前記サーバから送信される制御指令に基づいて、遊技の実行を制限する遊技制限手段(例えば、CPU25)と、を有し、前記サーバ(例えば、サーバ80)は、前記遊技者検知手段から送信される遊技者の不在を示す検知結果を受信すると共に、前記カード検知手段から送信される前記カードの挿入を示す検知結果を受信したことに基づいて、前記遊技機に対して制御指令を送信する制御手段(例えば、サーバCPU85)と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に係るゲームシステムは、請求項1に記載のゲームシステム(例えば、ゲームシステム100)において、前記サーバの制御手段(例えば、サーバCPU85)は、前記遊技機に対して制御指令を送信すると共に、前記カードユニットに対しても制御指令を送信し、前記カードユニット(例えば、カードユニット50)には、前記制御指令に基づいて、前記カードの取り出しを禁止する取出禁止手段(例えば、ユニットCPU55、カード挿入口シャッタ58)が配設されていることを特徴とする。
【0011】
そして、請求項3に係るサーバ(例えば、サーバ80)は、遊技者を検知する遊技者検知手段(例えば、赤外線センサ23)と、遊技の実行を制限する遊技制限手段(例えば、CPU25)と、を有する遊技機(例えば、スロットマシン1)と、有価情報が記憶されたカードの挿入状態を検知するカード検知手段(例えば、カードセンサ54)と、を有するカードユニット(例えば、カードユニット50)と、夫々双方向通信可能に接続するサーバ通信手段(例えば、サーバ通信手段81)を有するサーバ(例えば、サーバ80)において、前記遊技者検知手段(例えば、赤外線センサ23)から送信される遊技者の不在を示す検知結果を受信すると共に、前記カード検知手段(例えば、カードセンサ54)から送信される前記カードの挿入を示す検知結果を受信したことに基づいて、前記遊技機(例えば、スロットマシン1)に対して、前記遊技制限手段(例えば、CPU25)を実行する制御指令を送信する制御手段(例えば、サーバCPU85)と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に係るゲームシステムは、所定の遊技が実行される遊技機(例えば、ゲームシステム100)と、有価情報が記憶されたカード(例えば、ICカード)が挿入されるカードユニット(例えば、カードユニット50)と、前記遊技機と、前記カードユニットと、夫々双方向通信可能に接続するサーバ通信手段(例えば、サーバ通信手段81)を有するサーバ(例えば、サーバ80)と、からなるゲームシステム(例えば、ゲームシステム100)において、前記遊技機(例えば、スロットマシン1)は、遊技者を検知する遊技者検知手段(例えば、赤外線センサ23)と、前記遊技者検知手段の検知結果を前記サーバに送信する遊技機通信手段(例えば、ゲーム通信手段29)と、を有し、前記カードユニット(例えば、カードユニット50)は、前記カードの挿入状態を検知するカード検知手段(例えば、カードセンサ54)と、前記カード検知手段の検知結果を前記サーバに送信するカードユニット通信手段(例えば、カードユニット通信手段60)と、前記サーバから送信される制御指令に基づいて、前記カードの取り出しを禁止する取出禁止手段(例えば、ユニットCPU55、カード挿入口シャッタ58)と、を有し、前記サーバ(例えば、サーバ80)は、前記遊技者検知手段から送信される遊技者の不在を示す検知結果を受信すると共に、前記カード検知手段から送信される前記カードの挿入を示す検知結果を受信したことに基づいて、前記サーバに対して制御指令を送信する制御手段(例えば、サーバCPU85)と、を有することを特徴とする。
【0013】
そして、請求項5に係るサーバ(例えば、サーバ80)は、遊技者を検知する遊技者検知手段(例えば、赤外線センサ23)と、を有する遊技機(例えば、スロットマシン1)と、有価情報が記憶されたカードの挿入状態を検知するカード検知手段(例えば、カードセンサ54)と、前記カードの取り出しを禁止する取出禁止手段(例えば、ユニットCPU55、カード挿入口シャッタ58)と、を有するカードユニット(例えば、カードユニット50)と、夫々双方向通信可能に接続するサーバ通信手段(例えば、サーバ通信手段81)を有するサーバ(例えば、サーバ80)において、前記遊技者検知手段(例えば、赤外線センサ23)から送信される遊技者の不在を示す検知結果を受信すると共に、前記カード検知手段(例えば、カードセンサ54)から送信される前記カードの挿入を示す検知結果を受信したことに基づいて、前記カードユニット(例えば、50)に対して、前記取出禁止手段(例えば、ユニットCPU55、カード挿入口シャッタ58)を実行する制御指令を送信する制御手段(例えば、サーバCPU85)と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係るゲームシステムでは、所定の遊技が実行される遊技機と、有価情報が記憶されたカードが挿入され、有価情報の更新を行うカードユニットと、前記遊技機と、前記カードユニットと、夫々双方向通信可能に接続するサーバ通信手段を有するサーバと、からなるゲームシステムにおいて、前記サーバは、前記遊技者検知手段から送信される遊技者の不在を示す検知結果を受信すると共に、前記カード検知手段から送信される前記カードの挿入を示す検知結果を受信したことに基づいて、前記遊技機に対して制御指令を送信する。
そして、制御指令を受信した遊技機においては、制御指令に基づいて、遊技制限手段により、遊技の実行が制限される。
これにより、遊技者が不在であって、カードユニットに前記カードが挿入されている状態、即ち、カードがカードユニットに忘れられている状態において、前記カードが第三者に使用されることがなくなり、前記カードがカードユニットに忘れられた場合における安全対策に万全を期すことができる。
【0015】
また、請求項2に係るゲームシステムでは、請求項1に記載のゲームシステムにおいて、前記サーバの制御手段は、前記遊技機に対して制御指令を送信すると共に、前記カードユニットに対しても制御指令を送信し、前記カードユニットには、前記制御指令に基づいて、前記カードの取り出しを禁止する取出禁止手段が配設されている。
これにより、前記カードの有価情報を遊技機で使用されることもなくなる。更に、カードユニットに忘れられた前記カードを第三者が取り出すことが禁止されるので、第三者による抜き忘れられたカードの使用を完全に防止することができる。また、カードに記憶されている有価情報が変更されることなく、当該カードの所有者である遊技者に返却されるので、万が一、カードを抜き忘れた場合にも、当該遊技者に損害が発生することはない。
【0016】
そして、請求項3に係るサーバは、前記遊技機に配設される遊技者検知手段から送信される遊技者の不在を示す検知結果を受信すると共に、前記カードユニットに配設されるカード検知手段から送信される前記カードの挿入を示す検知結果を受信したことに基づいて、前記遊技機に対して、前記遊技制限手段を実行する制御指令を送信する。
これにより、制御指令を受信した遊技機においては、制御指令に基づいて、遊技制限手段により、遊技の実行が制限されるので、カードがカードユニットに忘れられている状態において、前記カードが第三者に使用されることがなくなり、前記カードがカードユニットに忘れられた場合における安全対策に万全を期すことができる。
【0017】
また、請求項4に係るゲームシステムでは、所定の遊技が実行される遊技機と、有価情報が記憶されたカードが挿入されるカードユニットと、前記遊技機と、前記カードユニットと、夫々双方向通信可能に接続するサーバ通信手段を有するサーバと、からなるゲームシステムにおいて、前記サーバは、前記遊技者検知手段から送信される遊技者の不在を示す検知結果を受信すると共に、前記カード検知手段から送信される前記カードの挿入を示す検知結果を受信したことに基づいて、前記カードユニットに対して制御指令を送信する。
そして、カードユニットは、制御指令の受信に基づいて、取出禁止手段により、前記カードの取り出しを禁止する。
これにより、カードユニットに忘れられた前記カードを第三者が取り出すことが禁止されるので、第三者による抜き忘れられたカードの使用を完全に防止することができる。また、カードに記憶されている有価情報が変更されることなく、当該カードの所有者である遊技者に返却されるので、万が一、カードを抜き忘れた場合にも、当該遊技者に損害が発生することはない。
【0018】
そして、請求項5に係るサーバは、前記遊技機に配設される遊技者検知手段から送信される遊技者の不在を示す検知結果を受信すると共に、前記カードユニットに配設されるカード検知手段から送信される前記カードの挿入を示す検知結果を受信したことに基づいて、前記カードユニットに対して、前記取出禁止手段を実行する制御指令を送信する。
そして、カードユニットでは、制御指令の受信に基づいて、取出禁止手段により、前記カードの取り出しを禁止するので、第三者による抜き忘れられたカードの使用を完全に防止することができる。また、カードに記憶されている有価情報が変更されることなく、当該カードの所有者である遊技者に返却されるので、万が一、カードを抜き忘れた場合にも、当該遊技者に損害が発生することはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係るゲームシステムについて、遊技場に設置されるスロットマシン1と、スロットマシン1に隣接して設置されるカードユニット50と、遊技場に設置されるサーバ80を用いて具体化した実施形態に基づき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、ゲームシステム100の概略構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るゲームシステム100のシステムブロック図である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態に係るゲームシステム100は、スロットマシン1と、カードユニット50と、サーバ80とで構成されている。ここで、スロットマシン1とサーバ80、カードユニット50とサーバ80は、夫々、LAN等の通信網を介して接続されており、相互に情報の送受信が可能である。
ここで、本実施形態においては、スロットマシン1と、カードユニット50とは、通信網によって直接データの送受信はできないものとする。従って、スロットマシン1と、カードユニット50との間におけるデータの授受は、サーバ80を介して間接的に行うことが必要となる。
【0021】
ここで、図1に基づいて、本実施形態に係るゲームシステム100で実行される通信制御に関して簡単に説明する。尚、当該ゲームシステム100の細部については、後に図面を参照して詳細に説明する。
スロットマシン1での遊技を希望するプレイヤが、スロットマシン1の前に現れると、スロットマシン1に配設された赤外線センサ23により、プレイヤの存在を検知し、プレイヤ検知信号としてサーバ80に送信する。
そして、プレイヤが、カードユニット50に対して、スロットマシン1での遊技に使用するクレジット情報が記憶されたICカードを挿入すると、カードユニット50は、カードセンサ54により、ICカードの存在を検知し、サーバ80に対してカード挿入信号を送信する。
これにより、ゲームシステム100において、プレイヤは、ICカードに記憶されているクレジットを使用し、スロットマシン1で遊技することができる。
尚、ICカードには、ICカードを個別に識別するためのカード識別情報が記憶されている。また、ICカードを使用する際には、プレイヤ自身がICカード作成時に設定した暗証番号が要求され、正しい暗証番号を入力しなければ、当該ICカードを使用することはできないように構成されている。この点については、後に詳細に説明する。
【0022】
プレイヤがICカードを使用した遊技をスロットマシン1で実行する際には、先ず、カードユニット50は、ICカードに記憶されているクレジット情報を読み出し、上述したように、本実施形態においてはスロットマシン1に直接送信することができないので、サーバ80に送信する。
そして、サーバ80においては、カードユニット50から送信されたクレジット情報をスロットマシン1に対して送信する。このようにして、ICカードに記憶されたクレジット情報がカードユニット50からスロットマシン1に送信されるので、プレイヤは、ICカードに記憶されているクレジット情報を使用して、スロットマシン1での遊技を楽しむことができる。
一方、スロットマシン1で遊技する際には、プレイヤがベットした数に応じて、クレジット数が消費されることになる。従って、この場合には、遊技により減少したクレジット数を示すクレジット情報が、サーバ80に送信される。そして、サーバ80では、受信したクレジット情報をカードユニット50に送信する。スロットマシン1からサーバ80を経由したクレジット情報を受信したカードユニット50では、受信したクレジット情報をICカードリーダ・ライタ53により、ICカードに書き込み、ICカードに記憶されているクレジット情報を更新する。
【0023】
そして、プレイヤがスロットマシン1での遊技を終了すると、通常は、カードユニット50に挿入されているICカードを取出して、スロットマシン1及びカードユニット50から離れるのであるが、ここでは、カードユニット50にICカードを挿入したまま、スロットマシン1から離れた状態、つまり、ICカードを抜き忘れた状態となった場合について説明する。
この時、スロットマシン1では、プレイヤが存在しないことになるので、赤外線センサ23の検知結果に基づいて送信されているプレイヤ検知信号がサーバ80へ送信されなくなる。
一方、カードユニット50においては、未だICカードが挿入されているので、カード挿入信号はサーバ80に対して送信され続けている。
従って、サーバ80は、プレイヤ検知信号を受信せず、カード挿入信号を受信している場合に、プレイヤがICカードを抜き忘れている状態であると判断し、スロットマシン1及びカードユニット50に対して、忘れられたICカードの悪用を防止するための制御を行うための非常停止信号を送信する。
ここで、本実施形態においては、スロットマシン1では、プレイヤに対して、ICカードを抜き忘れていることを報知し、第三者が抜き忘れられたICカードを使用して遊技することができないように、スロットマシン1での遊技を一時的に禁止する遊技非常停止処理(S10)を実行する。この遊技非常停止処理(S10)については、後に詳細に説明する。
一方、カードユニット50では、プレイヤが抜き忘れたICカードが第三者により、取り出されることがないように、カードユニット50からのICカードの排出を禁止する排出禁止処理(S32)が実行される。排出禁止処理(S32)についても、後に詳細に説明する。
【0024】
そして、サーバ80から非常停止信号が送信されている間、スロットマシン1、カードユニット50では、夫々、遊技非常停止処理(S10)、排出禁止処理(S32)が実行され続ける。従って、一度、サーバ80から非常停止信号が送信される状態になると、この状態を解除しない限り、別のプレイヤがスロットマシン1を使用して遊技することができなくなってしまう。
この場合において、本実施形態では、遊技場の管理者により、スロットマシン1ごとに設定されているセキュリティナンバーを入力することにより、スロットマシン1の遊技非常停止処理(S10)を解除すると共に、カードユニット50における排出禁止処理(S32)も解除する。
つまり、本実施形態においては、スロットマシン1において、セキュリティナンバーを入力すると、解除信号がサーバ80に送信される。そして、サーバ80は、解除信号を受信すると、非常停止信号の送信を停止し、カードユニット50に対して、解除信号が送信される。これにより、スロットマシン1では、遊技非常停止処理(S10)が解除され、カードユニット50では、解除信号の受信に基づいて、排出禁止処理(S32)も解除される。即ち、セキュリティナンバーを入力することで、スロットマシン1では、スロットゲームの実行が可能となる。一方、カードユニット50では、ICカードの排出が可能となり、ICカードを抜き忘れたプレイヤが、その場にいる場合には、当該プレイヤの手元に自己のICカードが返却され、ICカードを抜き忘れたプレイヤがその場にいない場合であっても、遊技場の管理者がその場にいるので、遊技場が忘れられたICカードを保管、管理することになる。従って、抜き忘れられたICカードが第三者に悪用されることもなく、後日、ICカードを抜き忘れた事に気づいたプレイヤが当該遊技場に行けば、自己が使用した状態のICカードが返却されることになる。
【0025】
次に、上述したゲームシステム100について、図面を参照しつつ、より詳細に説明する。
先ず、本実施形態に係るゲームシステム100を構成するスロットマシン1及びカードユニット50について、図2に基づき説明する。図2は、本実施形態に係るスロットマシン1及びカードユニット50の外観斜視図である。
【0026】
図2において、スロットマシン1は、その全体を形成するキャビネット2を有しており、かかるキャビネット2の前面上部には上部液晶ディスプレイ3が配設され、キャビネット2の前面中央部には下部液晶ディスプレイ4が配設されている。
また、上部液晶ディスプレイ3の上部には、エラーが発生した場合や店員を呼び出す場合等に点灯されるランプ5が設けられている。
ここに、上部液晶ディスプレイ3は一般に汎用されている液晶ディスプレイから構成されており、上部液晶ディスプレイ3には、ゲーム方法、当選役の種類とその配当等の遊技操作を補助するヘルプ情報や、ゲームに関する各種演出等の情報が表示される。
一方、下部液晶ディスプレイ4は、所謂、透明液晶ディスプレイから構成され、3つの可変表示部6、7、8が内部に対する視認性を確保した透過領域として構成されている。そして、各可変表示部6乃至8においては、下部液晶ディスプレイ4の背面側に配設されたリールの周面に描かれた各種の図柄が上方向から下方向に向かってスクロールしながら変動表示される。又、下部液晶ディスプレイ4には、各可変表示部6乃至8における有効な図柄を示す有効入賞ラインLが表示されている。
そして、下部液晶ディスプレイ4は、その前面に透明タッチパネル32を有し、プレイヤが透明タッチパネル32に触れることにより、種々の指示、選択が可能となっている。本実施形態に係るスロットマシン1においては、ボーナスゲームにおいて、この透明タッチパネル32が使用される。
尚、透明液晶ディスプレイの構造については既に公知であるのでその説明は省略する。
【0027】
下部液晶ディスプレイ4の下側には、手前側に突出された操作テーブル10が設けられており、かかる操作テーブル10には、遊技機正面に対向する位置から見て左側から両替ボタン11、払い戻しボタン12、ヘルプボタン13が配置されており、また、ヘルプボタン13の右側には、コインを投入するコイン投入部14、紙幣を投入する紙幣投入部15が設けられている。また、操作テーブル10の手前側には、左側から、1−BETボタン18、リピートベットボタン19、10−BETボタン20、MAXBETボタン21、スタートボタン17が配置されている。
そして、キャビネット2の前面であって、操作テーブル10の下方には、スロットマシン1で遊技するプレイヤを検知する赤外線センサ23が配設されている。この赤外線センサ23をキャビネット2の前面であって、操作テーブル10の下方に配設することにより、スロットマシン1で遊技するプレイヤの有無を確実に検知することができる。
また、キャビネット2の下部には、コイン払出口30が形成されるとともに、両替の際にコイン払出口30から払い出されたコインを受けるコイン受け部31が設けられている。
【0028】
ここで、操作テーブル10に配設されている各ボタンについて簡単に説明する。払い戻しボタン12は、通常、ゲーム終了時に押下されるボタンである。払い戻しボタン12が押下され、カードユニット50にICカードが挿入されている場合には、ゲームにて獲得したクレジットを含む現在のプレイヤの所有するクレジット数データがICカードに記憶される。そして、カードユニット50にICカードが挿入されていない場合には、プレイヤの所有するクレジット数に応じたコインがコイン払出口30より払い出される。
ヘルプボタン13は、ゲームの操作方法等が不明な場合に押下されるボタンであり、ヘルプボタン13が押下されると、その直後に上部液晶ディスプレイ3に各種のヘルプ情報からなるヘルプ画面が表示される。
【0029】
そして、1−BETボタン18、10−BETボタン20、MAXBETボタン21は、その押下に基づき、クレジット数を消費し、1ゲームにおけるベット数を決定する為のボタンである。つまり、1−BETボタン18を1回押下すると、ベット数が1増加し、10−BETボタン20を1回押下するとベット数が10増加する。そして、MAXBETボタン21は、1ゲームでベット可能な最大のベット数である30ベットでゲームを開始するためのボタンである。この時、ベット数に応じたクレジット数が消費される。
そして、スタートボタン17は、各BETボタン18〜21によってベットしたベット数に基づいてリールの回転を開始させ、ゲームを開始するボタンである。
又、リピートベットボタン19は、リピートベットボタン19の押下に基づき現在のベット数又は前回のベット数でゲームを開始すべく、下部液晶ディスプレイ4の各可変表示部6乃至8にて各図柄の変動表示を開始するボタンである。尚、リピートベットボタン19の押下により、賭けることが可能なベット数としては、1〜30(MAX)ベットが存在し得る。
即ち、本実施形態におけるスロットマシン1では、操作テーブル10を操作することで、有効入賞ラインLに対するベット数の決定、リールの回動開始が指示される。リールの回動開始に伴い、可変表示部6〜8にてスクロール表示される図柄は、一定時間(本実施形態では後、リールの回動開始から約3秒)経過した後、正面左側の可変表示部6から順番に停止される。この時、有効入賞ラインL上に停止した図柄が、所定の図柄組合せである当選役に該当すると、クレジットが増加するように構成されている。
尚、キャビネット2の内部には、スロットマシン1の全体の制御を司るCPU25や、遊技に係る制御を行うゲーム制御装置28、サーバ80とのデータの通信を行うゲーム通信手段29等のスロットマシン1の制御に係る装置が配設されている。これらのスロットマシン1の制御に係る構成については、後に図面を参照しつつ詳細に説明するので、ここでの説明は省略する。
【0030】
次に、図2に示すように、スロットマシン1に隣接して設置されるカードユニット50について説明する。
カードユニット50は、上述したように、スロットマシン1で使用されるクレジット情報が記憶されたICカードが挿入され、当該ICカードに記憶されているクレジット情報の記憶内容の読み出し、書込みを行う装置である。
図2に示すように、カードユニット50の上面には、ICカードが挿入されるカード挿入口51が形成されている。このカード挿入口51の内部には、ICカードに記憶されるクレジット情報の読み書きを行うICカードリーダ・ライタ53と、カードユニット50に対してICカードが挿入されているか否かを検知するカードセンサ54が配設されている。
また、カード挿入口51には、カード挿入口シャッタ58が配設されており、後述する排出禁止処理(S32)の実行に伴い、カード挿入口51を完全に遮蔽し、カードユニット50からのICカードの排出を不能とすると共に、ICカードに対する外部からの物理的な接触を防止する。
【0031】
一方、カードユニット50の前面には、ICカードを排出する際に操作する排出ボタン59が配設されている。従って、カードユニット50にICカードが挿入されている状態において、排出ボタン59を操作することによって、カードユニット50からICカードが排出されることになるが、後述する排出禁止処理(S32)が実行されている場合には、排出ボタン59の操作は無効とされ、ICカードの排出に係る動作は行われない。
また、カードユニット50の内部には、当該カードユニット50の制御を行うためのユニットCPU55や、サーバ80とのデータの送受信を行うカードユニット通信手段60等のカードユニット50の制御に係る装置が配設されている。これらのカードユニット50の制御に係る構成については、後に図面を参照しつつ詳細に説明するので、ここでの説明は省略する。
【0032】
次に、スロットマシン1の内部に配設されるスロットマシン1の制御系の構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図3は、スロットマシン1の制御系を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1は、基本的に、CPU25を核として構成されており、CPU25には、ROM26及びRAM27が接続されている。
ROM26は、後述するメイン処理プログラム、ゲームの進行に伴って上部液晶ディスプレイ3及び下部液晶ディスプレイ4に各種の演出を行うための各種演出プログラムや、抽選テーブル、配当テーブルの各種データテーブルなどのスロットマシン1の制御上必要な各種のプログラム、データテーブルが格納されている。
そして、ROM26には、セキュリティナンバー記憶領域26aが形成されている。このセキュリティナンバー記憶領域26aには、後述する遊技非常停止処理(S10)及びカードユニット50の排出禁止処理(S32)を解除するためのセキュリティナンバーが記憶されている。そして、このセキュリティナンバーは、スロットマシン1の夫々について設定されており、遊技場の管理者のみが知りうる情報である。
RAM27は、現在プレイヤが所有するクレジット数やCPU25で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。
【0033】
また、CPU25には、スロットマシン1でのゲームに関する制御を行うゲーム制御装置28が接続されている。このゲーム制御装置28には、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器、乱数サンプリング回路等と共に、操作テーブル10に配設されたボタンの押下に基づきスイッチ信号を発生させる各種のスイッチが含まれている。
そして、CPU25には、赤外線センサ23と、ゲーム通信手段29が夫々接続されている。上述したように、赤外線センサ23は、スロットマシン1に対するプレイヤの存在を検知するセンサであり、スロットマシン1の正面に対して検知範囲が設定されている。そして、赤外線センサ23が、プレイヤの存在を検知すると、その検知結果をCPU25に送信する。この時、CPU25は、当該検知結果をプレイヤ検知信号とし、ゲーム通信手段29を介して、サーバ80に送信する。
ゲーム通信手段29は、スロットマシン1が送り出す信号を通信形式に応じ、送信可能な形式の信号に変換し、サーバ80に対して送信するとともに、サーバ80から送信された信号を受信し、スロットマシン1が読み取れる形式の信号に再度変換する装置である。そして、ゲーム通信手段29は、サーバ80のサーバ通信手段81と双方向通信可能に接続されている。
【0034】
次に、図4を参照しつつ、本実施形態に係るカードユニット50の制御系について、詳細に説明する。図4は、カードユニット50の制御系を示すブロック図である。
図4に示すように、本実施形態に係るカードユニット50は、基本的に、ユニットCPU55を核として構成されており、ユニットCPU55には、ユニットROM56及びユニットRAM57が接続されている。
ユニットROM56は、後述するカードユニット50のメイン制御プログラムなどのカードユニット50の制御上必要な各種のプログラムやデータが格納されている。
ユニットRAM57は、ユニットCPU55で演算された演算結果や、カードユニット通信手段60で送受信する信号などの各種データを一時的に記憶しておくメモリである。
【0035】
また、ユニットCPU55には、ICカードリーダ・ライタ53と、カードセンサ54と、カード挿入口シャッタ58が夫々接続されている。
ICカードリーダ・ライタ53は、カードユニット50に挿入されているICカードからのクレジット情報の読み出しや、スロットマシン1からサーバ80を介して送信されるクレジット情報の書き込みを行う装置である。従って、ユニットCPU55は、ICカードが挿入されると、ICカードリーダ・ライタ53により、ICカードの記憶内容を読み出し、スロットマシン1からクレジット情報を受信すると、ICカードリーダ・ライタ53によって、ICカードの記憶内容を更新する。
そして、カードセンサ54は、ICカードが挿入されているか否かを判定するセンサである。カードセンサ54により、ICカードの挿入が検知されると、ユニットCPU55は、カードユニット通信手段60を介して、サーバ80にカード挿入信号を送信する。尚、本実施形態において、ICカードが挿入されていない場合には、ユニットCPU55は、ICカードの挿入に関する信号を何等送信しないものとする。
また、カード挿入口シャッタ58は、カード挿入口51に配設されているシャッタ部材である。そして、上述したように、サーバ80から非常停止信号を受信すると、ユニットCPU55は、カード挿入口シャッタ58を駆動し、カード挿入口51を完全に遮蔽する。これにより、ICカードは、カードユニット50内に挿入された状態で維持され、後述する排出禁止処理(S32)が解除されるまで、カードユニット50の内部に保管される。
【0036】
そして、ユニットCPU55には、排出ボタン59と、カードユニット通信手段60が接続されている。
排出ボタン59は、カードユニット50前面に配設されているICカードを排出する際に操作するボタンである。従って、排出ボタン59は、排出ボタン59が入力されると、入力信号をユニットCPU55に送信する。ユニットCPU55は、排出ボタン59からの操作信号を受信すると、カード挿入口51に挿入されているICカードを排出する。ここで、カードユニット50が排出禁止処理(S32)の実行中である場合には、ユニットCPU55は、排出ボタン59からの入力信号を受信したとしても、ICカードの排出を実行しない。
一方、カードユニット通信手段60は、カードユニット50が送り出す信号を通信形式に応じ、送信可能な形式の信号に変換し、サーバ80に対して送信するとともに、サーバ80から送信された信号を受信し、カードユニット50が読み取れる形式の信号に再度変換する装置である。そして、カードユニット通信手段60は、サーバ80のサーバ通信手段81と双方向通信可能に接続されている。
【0037】
次に、本実施形態に係るゲームシステム100を構成するサーバ80について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図5は、サーバ80の制御系を示すブロック図である。
図5に示すように、本実施形態に係るサーバ80は、サーバ通信手段81、サーバCPU85、サーバROM86、サーバRAM87、HDD88とから構成されている。
サーバCPU85は、サーバ80の各種制御を行うべく、制御プログラムを実行する中央演算処理装置である。従って、サーバCPU85は、サーバROM86に格納されているメイン制御プログラムや、スロットマシン1及びカードユニット50とのデータや信号の送受信をおこなう通信プログラム等を実行する。
【0038】
サーバROM86は、サーバCPU85の各種制御動作を行うための制御プログラムが格納されている不揮発性の読出し専用メモリである。従って、サーバROM86には、サーバ80のメイン制御プログラムや、通信プログラム等の各種プログラムが記憶されている。そして、サーバRAM87は、サーバ80で用いられる各種データが記憶され、記憶内容の追加、削除可能な記憶手段である。このサーバRAM87は、サーバ80の制御プログラムを実行する際に、各種演算結果を一時的に格納する記憶手段でもある。
HDD88は、磁気ディスクと、その制御装置を内蔵する大容量の記憶装置である。このHDD88には、暗証番号データベース88aが形成されており、本実施形態に係るゲームシステム100において使用されるICカードそれぞれについて、ICカード作成時にプレイヤが設定した暗証番号と、各ICカードを個別に特定するためにICカードに記憶されているカード識別情報とが関連付けられて記憶されている。
従って、スロットマシン1において、ICカードに記憶されたクレジット情報を用いて遊技する場合、カードユニット50にICカードを挿入すると、カード識別情報がサーバ80に送信される。この時、スロットマシン1では、プレイヤに対して、暗証番号の入力が要求され、プレイヤにより入力された入力情報がサーバ80に対して送信される。即ち、サーバCPU85は、カードユニット50からのカード識別情報に基づいて、暗証番号データベース88aから、カードユニット50に挿入されているICカードに対応する暗証番号を特定し、スロットマシン1からの入力情報と、特定された暗証番号と一致するか否かを判断する。
【0039】
サーバ通信手段81は、サーバ80とスロットマシン1の間のデータ通信、及び、サーバ80とカードユニット50との間のデータ通信を行う通信手段である。つまり、サーバ通信手段81は、サーバ80が送信するデータを通信形式に応じて、送信可能な形式の信号に変え、外部(スロットマシン1、カードユニット50)へ送信するとともに、スロットマシン1、カードユニット50から送られて来た信号を受信し、サーバ80が読み取れる形の信号にもどす装置であり、スロットマシン1のゲーム通信手段29及びカードユニット50のカードユニット通信手段60と夫々接続されている。
【0040】
次に、本実施形態に係るゲームシステム100を構成する各装置の制御プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、スロットマシン1の制御プログラムについて、図6を参照しつつ詳細に説明する。図6は、スロットマシン1の制御プログラムのフローチャートである。尚、図6に示す制御プログラムは、制御プログラムが終了すると同時に、再度、S1からの処理を繰り返すように構成されている。
図6に示すように、スロットマシン1において、CPU25は、先ず、赤外線センサ23により、プレイヤを検知したか否かについての判断を行う。プレイヤが検知された場合には(S1:YES)、スロットマシン1の正面位置にプレイヤがいることを示すプレイヤ検知信号をサーバ80に対して送信する(S2)。一方、プレイヤがスロットマシン1の正面にいない場合には(S1:NO)、そのままS3に移行する。
【0041】
そして、S3においては、CPU25は、サーバ80から非常停止信号を受信したか否かについての判断を行う。ここで、非常停止信号は、上述したように、サーバ80がプレイヤ検知信号を受信せず、カード挿入信号を受信している場合に送信を開始する信号である。つまり、ICカードの抜き忘れが発生したと同時に送信開始され、抜き忘れられたICカードが取り出されるまで送信され続ける信号である。
即ち、S3においては、ICカードが抜き忘れられている状態にあるか否かについての判断が行われる。非常停止信号を受信している場合には(S3:YES)、S10に移行する。一方、非常停止信号を受信していない場合には(S3:NO)、カードの抜き忘れが発生していないので、遊技状態移行処理(S4)に移行する。
【0042】
ここで、先ず、ICカードの抜き忘れが発生しておらず、スロットマシン1での遊技が可能な状態におけるスロットマシン1の制御について説明する。この場合には、非常停止信号を受信していないので(S3:NO)、遊技状態移行処理(S4)に移行する。
そして、遊技状態移行処理(S4)においては、スロットマシン1での遊技を行う際の前処理が行われる。本実施形態においては、ICカードに記憶されたクレジット情報と同様に、コイン及び紙幣を使用して、スロットマシン1での遊技をすることができる。従って、遊技状態移行処理(S4)においては、コイン投入部14から投入されたコイン、紙幣投入部15から投入された紙幣に応じたクレジット数の追加が行われる。更に、カードユニット50にICカードが挿入されている場合には、ICカードに記憶されているクレジット情報の使用を可能とするべく、ICカードの暗証番号の入力を行う。
【0043】
ここで、ICカードの暗証番号の入力について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図7は、暗証番号やセキュリティナンバー等の入力が要求された際に下部液晶ディスプレイ4に表示される表示内容を示した説明図である。
上述したように、下部液晶ディスプレイ4には、下部液晶ディスプレイ4の背面に配設されたリールの図柄を視認可能な可変表示部6乃至8が形成されるとともに、有効入賞ラインLが表示されている。
ここで、暗証番号やセキュリティナンバーの入力が要求されると、CPU25は、下部液晶ディスプレイ4において、可変表示部6乃至8の下方に、「0」〜「9」の数字と、「決定」、「訂正」の各機能が表示された番号入力表示域33と、前記番号入力表示域33により入力された入力結果を表示する入力結果表示域34を表示する。
上述したように、下部液晶ディスプレイ4の前面には、透明タッチパネル32が配設されているので、下部液晶ディスプレイ4の表面において、番号入力表示域33の各表示を押圧することにより、暗証番号又はセキュリティナンバーを入力し、サーバ80に送信することができる。
即ち、ICカードを使用して、スロットマシン1の遊技を行う際には、遊技状態移行処理(S4)において、プレイヤは、番号入力表示域33を操作することにより、自己が設定した暗証番号を入力する。
【0044】
このようにして、スロットマシン1での遊技を行うための前処理である遊技状態移行処理(S4)を行った後、S5に移行する。
そして、S5においては、スロットマシン1で使用可能なクレジット情報があるか否かが判断される。この時、遊技状態移行処理(S4)において、コイン又は紙幣を投入した場合には、クレジット情報が存在するので(S5:YES)、遊技実行処理(S6)に移行する。一方、ICカードを使用して遊技する際には、S5の判断時には、サーバ80を介して、カードユニット50から当該ICカードに記憶されているクレジット情報を受信している。従って、この場合には、受信したクレジット情報に基づいて、クレジットの有無が判断される。即ち、ICカードに記憶されたクレジット情報が残高「0」を示しているか否かが判断される。ICカードにクレジット残高がない場合には(S5:NO)、そのまま制御プログラムを終了する。一方、ICカードにクレジット残高がある場合には(S5:YES)、コイン又は紙幣を投入した場合と同様に、遊技実行処理(S6)に移行する。
【0045】
そして、遊技実行処理(S6)においては、スロットマシン1での1ゲーム分の遊技が実行される。上述したように、スロットマシン1では、有効入賞ラインLに対し、クレジットをベットし、可変表示部6〜8で有効入賞ラインL上に停止表示される図柄の組合せが所定の図柄組合せである当選役である場合にクレジットが増加する一般的なスロットマシンで行われる遊技が実行される。
ここで、スロットマシン1で実行される遊技に係る制御については、既に公知の技術であるので、本実施形態においては、詳細に説明することを省略する。
尚、遊技実行処理(S6)においては、リールの回転を停止し、当選役に基づいて増加するクレジット数の決定までの処理を行うものとする。
【0046】
遊技実行処理(S6)により、スロットマシン1での1ゲームにおける抽選結果に基づくクレジット数の増減が決定すると、S7において、カードユニット50にICカードが挿入されているか否かについての判断がなされる。ICカードがカードユニット50に挿入されている場合には(S7:YES)、1ゲームを終了した時点でのクレジット数を、最新のクレジット情報として、サーバ80に送信する(S9)。一方、ICカードがカードユニット50に挿入されていない場合には(S7:NO)、1ゲームを実行した結果、獲得したクレジット数に対応するコインをコイン払出口30から払い出す(S8)。S8又はS9の処理を終了した後、制御プログラムの実行を繰り返す。
【0047】
次に、S3において、非常停止信号を受信している場合(S3:YES)の処理、即ち、ICカードの抜き忘れが発生した場合におけるスロットマシン1の処理について説明する。
非常停止信号を受信すると(S3:YES)、CPU25は、遊技非常停止処理(S10)を実行する。
遊技非常停止処理(S10)は、ICカードを抜き忘れている旨をプレイヤ及び遊技場の管理者に報知するとともに、抜き忘れられたICカードを使用した遊技を不能とする処理である。
具体的には、非常停止信号を受信し、遊技非常停止処理(S10)に移行すると、CPU25は、即座に、下部液晶ディスプレイ4において、ICカードを抜き忘れている旨を報知する表示を行うと共に、警告音及びICカードを抜き忘れている旨の警告音声を発生し、プレイヤに対して報知する。この時、ランプ5も同時に点灯させることにより、遊技場の管理者に対しても、「ICカードの抜き忘れ」が発生したことを報知する。
非常停止信号の受信から所定時間(例えば、30秒間)を経過すると、CPU25は、下部液晶ディスプレイ4の表示内容を、「ICカードを抜き忘れている旨」の表示から、番号入力画面(図7参照)に変更する。
尚、セキュリティナンバー入力画面を表示している場合においては、警告音及び警告音声の発声は継続して行われ、ランプ5による点灯警告も継続されている。
【0048】
そして、遊技非常停止処理(S10)を終了すると、S11において、CPU25は、番号入力表示域33の操作により、セキュリティナンバーが入力されたか否かについての判断がなされる。セキュリティナンバーの入力があるまで処理を待機し(S11:NO)、セキュリティナンバーが入力された場合には(S11:YES)、S12に移行する。
【0049】
S12においては、CPU25は、番号入力表示域33により入力されたセキュリティナンバーと、セキュリティナンバー記憶領域26aに記憶されているセキュリティナンバーが一致するか否かの判断を行う。セキュリティナンバー記憶領域26aに記憶されているスロットマシン1固有のセキュリティナンバーと、入力されたセキュリティナンバーが一致した場合には(S12:YES)、サーバ80に対して、ICカードの抜き忘れに係る対策処理の実行を解除する解除信号を送信する(S13)。解除信号を送信した後、CPU25は、再び、制御プログラムの実行を開始する。
【0050】
次に、本実施形態に係るカードユニット50の制御プログラムについて、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図8は、カードユニット50の制御プログラムのフローチャートである。尚、図8に示す制御プログラムは、当該制御プログラムの終了と同時に、S21からの処理を開始し、制御プログラムの実行を繰り返すように構成されている。
図8に示すように、カードユニット50の制御プログラムの実行を開始すると、先ず、ユニットCPU55は、S21において、ICカードが挿入されているか否かについての判断を行う。具体的には、ユニットCPU55は、カードセンサ54からの検出信号に基づいて、ICカードが挿入されているか否かの判断を行う。
カード挿入口51にICカードが挿入されている場合には(S21:YES)、サーバ80に対して、カードユニット50にICカードが挿入されていることを示すカード挿入信号と、当該ICカードを特定するためのカード識別情報を送信する(S22)。カード挿入信号、カード識別情報をサーバ80に送信した後、S23に移行する。一方、カードユニット50にICカードが挿入されていない場合には(S21:NO)、そのままS23に移行する。
【0051】
S23においては、排出ボタン59が入力されたか否かについての判断を行う。排出ボタン59が入力されなかった場合には(S23:NO)、S26に移行する。一方、排出ボタン59が入力された場合には(S23:YES)、S24に移行し、後述する排出禁止処理(S32)において、ICカードの排出が禁じられた状態であるか否かについての判断がなされる。ICカードの排出が禁止されている場合には(S24:YES)、排出ボタン59から送信された入力信号を無効とし、ICカードの排出を行わずに制御プログラムを終了する。一方、ICカードの排出が禁じられていない場合には(S24:NO)、カード排出処理(S25)に移行する。
カード排出処理(S25)においては、カード挿入口51に挿入されているICカードをカードユニット50外部に排出するための処理である。従って、ICカードの排出が禁じられていなければ、排出ボタン59の入力に基づいて、ICカードが外部に排出される。ICカードの排出を終了すると、カードユニット50の制御プログラムを終了する。
【0052】
そして、S26では、ユニットCPU55は、カードユニット通信手段60により、サーバ80から送信される解除信号を受信したか否かについての判断を行う。ここで、解除信号は、スロットマシン1において、遊技場の管理者がセキュリティナンバーを入力することにより、サーバ80から送信される。解除信号を受信した場合には(S26:YES)、排出許可処理(S27)が実行される。そして、解除信号を受信していない場合には(S26:NO)、そのまま、S28に移行する。
【0053】
ここで、排出許可処理(S32)では、後述する排出禁止処理(S32)に基づく排出禁止状態を解除する処理が行われる。即ち、排出許可処理(S32)では、排出ボタン59の入力信号を有効とし、排出ボタン59の入力に基づいて、ICカードを排出可能とするとともに、カード挿入口51を遮蔽しているカード挿入口シャッタ58を駆動し、カード挿入口51を開放する処理が行われる。
つまり、解除信号を受信し(S26:YES)、排出許可処理(S27)によって、ICカードの排出が可能な状態となった場合において、排出ボタン59を入力することにより、再び実行される制御プログラムのカード排出処理(S25)により、抜き忘れられたICカードがカードユニット50の外部に排出されることとなる。そして、排出許可処理(S27)を終了すると、ユニットCPU55は、処理をS28に移行する。
【0054】
そして、S28においては、ユニットCPU55は、サーバ80から非常停止信号を受信したか否かについての判断を行う。ここで、非常停止信号は、ICカードの抜き忘れの発生と同時に送信開始され、抜き忘れられたICカードが取り出されるまで送信され続ける信号である。
即ち、S28においては、ICカードが抜き忘れられている状態にあるか否かについての判断が行われる。非常停止信号を受信している場合には(S28:YES)、S32に移行する。一方、非常停止信号を受信していない場合には(S28:NO)、カードの抜き忘れが発生していないので、S29に移行する。
【0055】
ここで、先ず、ゲームシステム100において、ICカードの抜き忘れが発生していない場合のカードユニット50の処理について説明する。
この場合、ICカードの抜き忘れが発生していないので、サーバ80から非常停止信号は送信されず、スロットマシン1でも、通常通りに遊技が行われる。
先ず、非常停止信号の受信がない場合(S28:NO)に移行するS29において、ユニットCPU55は、各ICカードに対して規定されているカード識別情報と、ICカードに記憶されているクレジット情報をサーバ80に送信する。
【0056】
この時、サーバ80では、カード識別信号に基づいて暗証番号を特定し、スロットマシン1で入力された暗証番号と一致するか否かにより、ICカードの認証を行っている。ここで、ICカードが認証された場合には、サーバ80に送信されたクレジット情報がスロットマシン1に送信され、プレイヤは、当該クレジット情報を使用して、スロットマシン1での遊技を行うことができる。尚、このサーバ80に関する処理については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0057】
そして、S30では、ユニットCPU55は、サーバ80を経由してスロットマシン1から送信される最新のクレジット情報を受信したか否かについての判断が行われる。最新のクレジット情報を受信した場合には(S30:YES)、クレジット情報更新処理(S31)に移行する。一方、最新のクレジット情報を受信していない場合には(S30:NO)、ユニットCPU55は、そのまま制御プログラムを終了する。
【0058】
そして、クレジット情報更新処理(S31)においては、ユニットCPU55は、ICカードリーダ・ライタ53により、最新のクレジット情報をICカードに上書きする。これにより、スロットマシン1で多くのクレジットを獲得した場合には、増加したクレジット数を含む現在のクレジット情報がICカードに記憶される。一方、当選役に当選せず、クレジットを消費した場合であっても、消費したクレジット数が減算された現在のクレジット情報がICカードに記憶される。最新のクレジット情報をICカードに記録した後、ユニットCPU55は、そのまま制御プログラムを終了する。
【0059】
次に、ICカードの抜き忘れが発生し、非常停止信号を受信した場合(S28:NO)の処理について説明する。
非常停止信号を受信した場合(S28:NO)、ユニットCPU55は、排出禁止処理(S32)を実行する。排出禁止処理(S32)は、カードユニット50に挿入されているICカードの排出を禁止し、抜き忘れられたICカードをカードユニット50に保管しておくことにより、ICカードの紛失や第三者による使用を防止する処理である。
具体的に本実施形態においては、排出禁止処理(S32)に移行すると、ユニットCPU55は、排出ボタン59の入力に基づいて送信される入力信号を受信しても、当該入力信号を無効な入力信号とし、排出ボタン59の操作に基づくICカードの排出を実行しない状態とする。更に、ユニットCPU55は、カード挿入口51に配設されているカード挿入口シャッタ58を駆動し、カード挿入口51を完全に遮蔽する。
従って、排出禁止処理が実行されることにより、第三者が排出ボタン59の入力を行った場合であっても、抜き忘れられたICカードはカードユニット50の内部に保管された状態のままである。更に、万が一、第三者が、カード挿入口51からICカードを無理矢理取り出そうとしても、カード挿入口シャッタ58によりカード挿入口51が遮蔽されているので、ICカードを取り出すことはできず、ICカードの安全性が保たれる。
【0060】
次に、本実施形態に係るサーバ80の制御プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図9は、本実施形態に係るサーバの制御プログラムのフローチャートである。
尚、この制御プログラムは、当該制御プログラムの終了と同時に、S41からの処理を開始し、制御プログラムの実行を繰り返すように構成されている。
【0061】
図9に示すように、サーバCPU85は、先ず、S41において、スロットマシン1から送信される解除信号(S13)を受信したか否かについての判断を行う。解除信号を受信した場合には(S41:YES)、解除処理(S42)に移行する。一方、解除信号を受信しなかった場合には(S41:NO)、そのままS43に移行する。
【0062】
ここで、解除処理(S42)においては、サーバCPU85は、スロットマシン1から送信された解除信号に基づいて、非常停止信号の送信を停止すると共に、当該解除信号をカードユニット50に対して送信する。解除処理(S42)を終了すると、サーバCPU85は、S43に処理を移行する。
即ち、解除処理(S43)を実行することにより、カードユニット50においては、排出許可処理(S27)により、ICカードの排出が禁じられた状態が解除されるので、ICカードの排出が可能となる。そして、非常停止信号の送信も停止されるので、再び、ICカードを使用したスロットマシン1での遊技も可能となる。
一方、セキュリティナンバーの入力により、解除信号を送信したスロットマシン1においては、サーバ80が解除信号を受信することで、非常停止信号の送信が停止されるので(S3:NO)、スロットマシン1での遊技の実行が可能となる。
【0063】
S43においては、サーバCPU85は、カードユニット50から送信されるカード挿入信号(S22)を受信したか否かについての判断を行う。カード挿入信号を受信している場合には(S43:YES)、S44に移行する。一方、カード挿入信号を受信していない場合(S43:NO)、そのまま、制御プログラムを終了する。この場合には、スロットマシン1で遊技が行われたとしても、コイン又は紙幣を使用した遊技である。従って、カードユニット50との通信を行う必要はなく、サーバ80が関与する必要もないので、制御プログラムはそのまま終了する。
尚、カードユニット50にICカードが挿入されると、カード挿入信号と共に送信されるカード識別情報は、S43において、ユニットRAM57に格納される。
【0064】
そして、S44においては、サーバCPU85は、スロットマシン1から送信されるプレイヤ検知信号(S2)を受信したか否かについての判断を行う。ここで、プレイヤ検知信号を受信した場合には(S44:YES)、ICカードをカードユニット50に挿入しているので、ICカードを使用したスロットマシンでの遊技に係る処理を行うべく、S45に移行する。一方、プレイヤ検知信号を受信していない場合には(S44:NO)、S49に移行する。
【0065】
ここで、先ず、ICカードを使用した遊技がスロットマシン1で行われる際のサーバ80での処理について説明する。
この場合、カードユニット50にICカードが挿入され、プレイヤがスロットマシン1の正面側に位置していることとなる。従って、サーバ80には、カード挿入信号、プレイヤ検知信号が共に送信されている状態(S43:YES、S44:YES)となる。
従って、サーバCPU85は、S45に処理を移行し、カードユニット50に挿入されているICカードが使用可能であるか否かについての判断を行う。
上述したように、本実施形態に係るICカードにおいては、各ICカードについて、夫々、所有者であるプレイヤが設定した暗証番号が存在する。従って、S45では、挿入されているICカードが、既に、今回のゲームにおいて、暗証番号の認証がされたものであるか否かについての判断がなされる。カードユニット50に挿入されているICカードが、既に暗証番号の照会がされ、ICカードが認証されたものである場合には(S45:YES)、S47に移行する。一方、カードユニット50に挿入されているICカードが、今回の使用に際し、未だICカードの認証がなされていない場合には(S45:NO)、カード認証処理(S46)に移行する。
【0066】
カード認証処理(S46)においては、先ず、ユニットRAM57に格納されている当該ICカードを特定するカード識別情報に基づいて、暗証番号データベース88aを参照し、当該ICカードに設定されている暗証番号を特定する。
そして、スロットマシン1の遊技状態移行処理(S4)で入力される暗証番号の入力データを受信すると、当該ICカードに設定されている暗証番号と一致するか否かの判断を行う。スロットマシン1からの入力データと、暗証番号データベース88aの当該ICカードの暗証番号とが一致した場合に、カードユニット50に挿入されているICカードを認証する。
これにより、カードユニット50に挿入されている当該ICカードの所有者と、スロットマシン1で遊技しようとするプレイヤとの関係性を確認することができるので、ICカードを所有者に無断で使用されることがなくなる。
【0067】
そして、S47では、カード認証処理(S46)の認証結果についての判断がなされる。つまり、サーバCPU85は、カード認証処理(S46)の結果、入力データと、暗証番号データベース88aの当該ICカードの暗証番号が一致している場合には、当該ICカードが認証されているので(S47:YES)、S48に移行する。
一方、入力データと、当該ICカードの暗証番号が一致しなかった場合には(S47:NO)、当該ICカードの使用を認めず、そのまま制御プログラムを終了する。
【0068】
そして、S45又はS47にて、カードユニット50に挿入されているICカードが認証された場合に移行するS48においては、サーバCPU85は、S29においてカードユニット50から送信されている当該ICカードのクレジット情報を、スロットマシン1に対して送信する。
こうして、ICカードが認証され、クレジット情報がスロットマシン1に送信されることにより、プレイヤは、ICカードに記憶されているクレジット情報を使用して、スロットマシン1での遊技を楽しむことができる。
【0069】
ここで、本実施形態に係るゲームシステム100において、スロットマシン1、カードユニット50、サーバ80の各制御プログラムの関係について、図6、図8、図9を参照して詳細に説明する。
スロットマシン1での遊技を希望するプレイヤが、スロットマシン1の前に現れると、赤外線センサ23に基づいて、プレイヤ検知信号がサーバ80に送信される(S2)。
そして、プレイヤが、カードユニット50に対して、自己のICカードを挿入すると、カードユニット50は、カードセンサ54に基づいて、カード挿入信号をサーバ80に対して送信する(S22)。
ここで、プレイヤ検知信号及びカード挿入信号を受信したサーバ80においては、プレイヤが番号入力表示域33、表示域34を操作して、ICカードに設定されている暗証番号と一致する番号を入力することを条件に、ICカードに記憶されているクレジットを使用し、スロットマシン1で遊技することができる。
【0070】
そして、スロットマシン1で遊技する際には、プレイヤがベットした数に応じて、クレジット数が消費されることになる。従って、スロットマシン1でのゲームが1ゲーム終了すると、1ゲーム行うことで増減した最新のクレジット情報が、スロットマシン1より、サーバ80に送信される(S9)。そして、サーバ80では、受信した最新のクレジット情報をカードユニット50に送信する(S48)。
従って、カードユニット50では、スロットマシン1からサーバ80を経由した最新のクレジット情報を受信した受信すると(S30:YES)、クレジット情報更新処理(S31)により、ICカードリーダ・ライタ53により、最新のクレジット情報をICカードに書き込む。
そして、プレイヤがスロットマシン1での遊技を終了すると、通常はカードユニット50に挿入されているICカードを取り出して(S25)、スロットマシン1及びカードユニット50から離れる。
【0071】
カードユニット50にICカードを挿入したまま、スロットマシン1から離れた状態、つまり、ICカードを抜き忘れた状態となった場合について説明する。
この時、スロットマシン1では、プレイヤが存在しないことになるので(S1:NO)、プレイヤ検知信号がサーバ80へ送信されなくなる。そして、カードユニット50においては、未だICカードが挿入されているので(S21:YES)、カード挿入信号はサーバ80に対して送信され続けている(S22)。
従って、サーバ80は、カード挿入信号を受信しているが(S43:YES)、プレイヤ検知信号を受信していないので(S44:NO)、「ICカードの抜き忘れ」が発生したと判断し、忘れられたICカードの悪用を防止するため、スロットマシン1及びカードユニット50に対し、非常停止信号を送信する(S49)。
【0072】
非常停止信号を受信すると(S3:YES)、スロットマシン1では、遊技非常停止処理(S10)を実行する。ここで、非常停止信号を受信すると即座に、プレイヤに対して、警告音、警告音声及び警告表示により、「ICカードの抜き忘れ」を報知するので、プレイヤは、自己のICカードを抜き忘れたことに気づき、第三者に悪用されることなく、当該ICカードを手にすることができる。
また、警告音等による警告に遊技者が気づかなかった場合であっても、スロットマシン1は、遊技場の管理者によりセキュリティナンバーの入力が行われるまでは、常に非常停止信号を受信した状態となるので、抜き忘れられたICカードを利用して、スロットマシン1での遊技を行うことはできない。即ち、抜き忘れられたICカードを第三者に悪用されることはない。
一方、カードユニット50では、非常停止信号を受信すると(S28:YES)、抜き忘れられたICカードの排出を禁止する排出禁止処理(S32)が実行される。排出禁止処理(S32)により、排出ボタン59の入力は無効となり、カード挿入口51はカード挿入口シャッタ58により閉塞されるので、遊技場の管理者によりセキュリティナンバーの入力が行われるまでは、カードユニット50の内部に保管された状態となる。従って、ICカードを第三者が手に入れることがなくなるので、自己のICカードが他人に使用されることもなくなる。
【0073】
このように、ICカードの抜き忘れが発生すると、スロットマシン1での遊技を実行することはできなくなり、カードユニット50からICカードを取り出すこともできなくなる。
この場合、遊技場の管理者は、この状況から復帰させることが必要になる。従って、遊技場の管理者は、スロットマシン1において、当該スロットマシン1に設定され、遊技場の管理者しか知りえないセキュリティナンバーを入力することにより、この状況から復帰させることができる。
先ず、遊技場の管理者が、スロットマシン1において、正しいセキュリティナンバーを入力すると、解除信号がサーバ80に送信される(S13)。そして、サーバ80は、解除信号を受信すると(S41:YES)、非常停止信号の送信を停止し、カードユニット50に対して、解除信号が送信される(S42)。
これにより、スロットマシン1では、非常停止信号を受信しなくなるので(S3:NO)、遊技非常停止処理(S10)が解除され、通常のように、スロットマシン1での遊技が可能となる。
【0074】
また、カードユニット50では、サーバ80から送信される解除信号を受信すると(S26:YES)、排出許可処理(S27)により、カード挿入口シャッタ58を駆動し、カード挿入口51が開放されると共に、排出ボタン59の入力が有効となる。
この際、抜き忘れたICカードの排出を可能とする為には、遊技場の管理者によりセキュリティナンバーを入力することが必要となるので、当該スロットマシン1及びカードユニット50の傍に、遊技場の管理者が必ずいることになる。
従って、抜き忘れられたICカードをカードユニット50から排出した場合には、ICカードを抜き忘れたプレイヤがその場にいる場合には、当該プレイヤの手元に自己のICカードが返却され、ICカードを抜き忘れたプレイヤがその場にいない場合であっても、遊技場が忘れられたICカードを保管、管理することになる。
この結果、抜き忘れられたICカードが第三者に悪用されることはない。そして、後日、ICカードを抜き忘れた事に気づいたプレイヤが当該遊技場に行けば、自己が使用した状態のICカードが返却されることになる。
【0075】
以上、説明したように、本実施形態に係るゲームシステムにおいては、プレイヤがカードユニット50にICカードを挿入した状態で、スロットマシン1から離れた場合、所謂、カードの抜き忘れが発生した場合、スロットマシン1からプレイヤ検知信号がサーバ80に送信されなくなり、カードユニット50からはカード挿入信号がサーバ80に送信され続ける。
そして、サーバ80では、カード検知信号は受信されているが、プレイヤ検知信号を受信しない状態となったことを契機に、カードの抜き忘れが発生したと判断し、非常停止信号をスロットマシン1、カードユニット50に送信する。
【0076】
非常停止信号を受信すると、スロットマシン1では、スロットマシン1での遊技を不能とする遊技非常停止処理(S10)を実行する。これにより、スロットマシン1でICカードに記憶されているクレジット情報を使用した遊技をすることができなくなるので、カードユニット50に抜き忘れられたICカードが、スロットマシン1で第三者に使用されることがなくなる。
この時、カードユニット50では、非常停止信号を受信すると、排出禁止処理(S32)が実行される。排出禁止処理(S32)が実行されると、カード挿入口シャッタ58によりカード挿入口51が遮蔽され、排出ボタン59も無効とされる。従って、カードユニット50に挿入されている抜き忘れられたICカードが、第三者の手に渡ることはなく、カードユニット50内に保管されることとなり、当該ICカードの防犯上の安全性が確保される。
【0077】
更に、本実施形態に係るゲームシステム100では、スロットマシン1における遊技非常停止処理(S10)、カードユニット50における排出禁止処理(S32)を解除するためには、遊技場の管理者でなければ知りえないセキュリティナンバーを入力することが必要となる。
従って、カードユニット50から抜き忘れられたICカードを取り出す際には、必ず遊技場の管理者がスロットマシン1及びカードユニット50の傍にいることになる。即ち、抜き忘れられたICカードは、遊技場の管理者により、当該ICカードを抜き忘れた本人
に責任をもって返却されることになる。これにより、ICカードを抜き忘れたプレイヤには、自己がカードユニット50に抜き忘れた際と全く同じ状態のICカードが返却されることになるので、ICカードを抜き忘れたことによる不安感をプレイヤに与えることは無く、ICカードを使用した遊技態様に対する安心感を与えることができる。
尚、上述したように、本実施形態に係るゲームシステム100では、カードの抜き忘れが発生した場合における第三者の不正使用は起こりえないので、所謂、プリペイドカードよりも厳格な管理が要求される汎用のクレジットカードにも、充分に適用することができる。
【0078】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、遊技機として、スロットマシン1を用いて説明したが、スロットマシン1に限定するものではなく、その他の種々の遊技機に適用することも可能である。
又、本実施形態においては、遊技場で使用可能なICカードを例として説明したが、このICカードに限定するものではない。例えば、磁気カードに適用することもできる。そして、上述したように、本発明に係るゲームシステムにおいては、汎用のクレジットカードを使用することもできる。
そして、本実施形態においては、スロットマシン1に配設されるプレイヤを検知するセンサとして、赤外線センサ23を用いた場合について説明したが、これに限定するものではない。プレイヤを検知するセンサは、人体を検知可能なものであればよく、例えば、カメラ等でプレイヤを検知する態様であっても良い。
【0079】
そして、本実施形態においては、スロットマシン1に赤外線センサ23を配設しているが、カードユニット50に赤外線センサ23を配設してもよい。この場合には、プレイヤの検知もカードユニット50で行うことができるので、サーバ80を介さずとも、排出禁止処理(S32)を実行することができる。
また、スロットマシン1にカードユニット50を内蔵する構成や、スロットマシン1とカードユニット50が直接接続可能な構成の場合には、サーバ80を介さずに、プレイヤ検知信号、カード挿入信号の送受信が可能であるため、サーバ80を必要としないことは自明のことである。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本実施形態に係るゲームシステムの説明図である。
【図2】本実施形態に係るゲームシステムを構成するスロットマシン及びカードユニットの外観斜視図である。
【図3】本実施形態に係るゲームシステムを構成するスロットマシンの制御系を示すブロック図である。
【図4】本実施形態に係るゲームシステムを構成するカードユニットの制御系を示すブロック図である。
【図5】本実施形態に係るゲームシステムを構成するサーバの制御系を示すブロック図である。
【図6】本実施形態に係るスロットマシンの制御プログラムを示すフローチャートである。
【図7】暗証番号又はセキュリティナンバーを入力する際に、下部液晶ディスプレイにされる表示の表示例を示した説明図である。
【図8】本実施形態に係るカードユニットの制御プログラムを示すフローチャートである。
【図9】本実施形態に係るサーバの制御プログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0081】
1 スロットマシン
23 赤外線センサ
25 CPU
29 ゲーム通信手段
50 カードユニット
54 カードセンサ
55 ユニットCPU
58 カード挿入口シャッタ
60 カードユニット通信手段
80 サーバ
81 サーバ通信手段
85 サーバCPU
100 ゲームシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の遊技が実行される遊技機と、
有価情報が記憶されたカードが挿入され、有価情報の更新を行うカードユニットと、
前記遊技機と、前記カードユニットと、夫々双方向通信可能に接続するサーバ通信手段を有するサーバと、からなるゲームシステムにおいて、
前記カードユニットは、前記カードの挿入状態を検知するカード検知手段と、前記カード検知手段の検知結果を前記サーバに送信するカードユニット通信手段と、を有し、
前記遊技機は、遊技者を検知する遊技者検知手段と、前記遊技者検知手段の検知結果を前記サーバに送信する遊技機通信手段と、前記サーバから送信される制御指令に基づいて、遊技の実行を制限する遊技制限手段と、を有し、
前記サーバは、前記遊技者検知手段から送信される遊技者の不在を示す検知結果を受信すると共に、前記カード検知手段から送信される前記カードの挿入を示す検知結果を受信したことに基づいて、前記遊技機に対して制御指令を送信する制御手段と、を有することを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームシステムにおいて、
前記サーバの制御手段は、前記遊技機に対して制御指令を送信すると共に、前記カードユニットに対しても制御指令を送信し、
前記カードユニットには、前記制御指令に基づいて、前記カードの取り出しを禁止する取出禁止手段が配設されていることを特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
遊技者を検知する遊技者検知手段と、遊技の実行を制限する遊技制限手段と、を有する遊技機と、有価情報が記憶されたカードの挿入状態を検知するカード検知手段と、を有するカードユニットと、夫々双方向通信可能に接続するサーバ通信手段を有するサーバにおいて、
前記遊技者検知手段から送信される遊技者の不在を示す検知結果を受信すると共に、前記カード検知手段から送信される前記カードの挿入を示す検知結果を受信したことに基づいて、前記遊技機に対して、前記遊技制限手段を実行する制御指令を送信する制御手段と、を有することを特徴とするサーバ。
【請求項4】
所定の遊技が実行される遊技機と、
有価情報が記憶されたカードが挿入されるカードユニットと、
前記遊技機と、前記カードユニットと、夫々双方向通信可能に接続するサーバ通信手段を有するサーバと、からなるゲームシステムにおいて、
前記遊技機は、遊技者を検知する遊技者検知手段と、前記遊技者検知手段の検知結果を前記サーバに送信する遊技機通信手段と、を有し、
前記カードユニットは、前記カードの挿入状態を検知するカード検知手段と、前記カード検知手段の検知結果を前記サーバに送信するカードユニット通信手段と、前記サーバから送信される制御指令に基づいて、前記カードの取り出しを禁止する取出禁止手段と、を有し、
前記サーバは、前記遊技者検知手段から送信される遊技者の不在を示す検知結果を受信すると共に、前記カード検知手段から送信される前記カードの挿入を示す検知結果を受信したことに基づいて、前記サーバに対して制御指令を送信する制御手段と、を有することを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
遊技者を検知する遊技者検知手段と、を有する遊技機と、有価情報が記憶されたカードの挿入状態を検知するカード検知手段と、前記カードの取り出しを禁止する取出禁止手段と、を有するカードユニットと、夫々双方向通信可能に接続するサーバ通信手段を有するサーバにおいて、
前記遊技者検知手段から送信される遊技者の不在を示す検知結果を受信すると共に、前記カード検知手段から送信される前記カードの挿入を示す検知結果を受信したことに基づいて、前記カードユニットに対して、前記取出禁止手段を実行する制御指令を送信する制御手段と、を有することを特徴とするサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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