説明

ゲームシステム

【課題】プレイ状況に応じて出力するメッセージを変化させたゲームシステムを提供する。
【解決手段】複数のプレイ状況を有する対戦プレイをしている複数のプレイヤの間でメッセージを交換するゲームシステム100は、対戦プレイのプレイ状況ごとに、複数のメッセージを対応させて記憶するメッセージ記憶部26と、一のプレイヤによる対戦プレイが複数のプレイ状況のいずれかに合致したか否かを判定するプレイ状況判定部31と、プレイ状況判定部31が判定したプレイ状況に対応したメッセージ記憶部26の複数のメッセージの中から、一のメッセージを選択するメッセージ選択部32と、メッセージ選択部32により選択された一のメッセージを、少なくとも一のプレイヤを除く他のプレイヤに対して通知をする通知部34と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対戦プレイのゲームシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カーレースゲームにおいて、ゲーム開始前に静止状態から反則しないように自動車キャラクタをスタートさせるためのスタートテクニック情報や、スタート直後の情報であるスタート結果に関する情報を表示する情報表示を有したゲーム装置が開示されている。このゲーム装置では、情報表示として、自動車キャラクタをフライングスタートさせた場合に、フライングスタートであることを表示する(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、カーレースゲームにおいて、レーシングカーの現在位置及び現在速度を取得して、利用者の操作入力を評価して、評価結果に基づいて利用者の操作入力に対する評価内容等を表示するゲーム装置が開示されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−159750号公報
【特許文献2】特開2006−87605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、いずれの特許文献に記載のゲーム装置も、予め決められた同じメッセージが常に出力されるにすぎなかった。よって、出力されるメッセージは、単調なものになり、ユーザに飽きられやすいものであった。
【0006】
本発明の課題は、プレイ状況に応じて出力するメッセージを変化させたゲームシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0008】
第1の発明は、複数のプレイ状況を有する対戦プレイをしている複数のプレイヤの間でメッセージを交換するゲームシステム(100,200)において、前記対戦プレイのプレイ状況ごとに、複数のメッセージを対応させて記憶するメッセージ記憶部(26,244)と、一のプレイヤによる前記対戦プレイが前記複数のプレイ状況のいずれかに合致したか否かを判定するプレイ状況判定部(31)と、前記プレイ状況判定部が判定した前記プレイ状況に対応した前記メッセージ記憶部の前記複数のメッセージの中から、一のメッセージを選択するメッセージ選択部(32)と、前記メッセージ選択部により選択された前記一のメッセージを、少なくとも前記一のプレイヤを除く他のプレイヤに対して通知をする通知部(34)と、を備えること、を特徴とするゲームシステムである。
第2の発明は、第1の発明のゲームシステム(100,200)において、メッセージ操作部(7a)と、前記メッセージ選択部(32)により選択された前記一のメッセージを、前記一のプレイヤが視認可能な表示部(3)に表示させるメッセージ表示制御部(33)と、を備え、前記通知部(34)は、前記一のプレイヤが前記メッセージ操作部を操作したことに応じて、前記表示部に表示された前記一のメッセージを、前記他のプレイヤに対して通知をすること、を特徴とするゲームシステムである。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明のゲームシステム(100)において、前記メッセージ記憶部(26)は、前記複数のプレイヤごとに、前記複数のメッセージの中から抽出した任意の数のメッセージを前記プレイ状況に対応付けて記憶しており、前記メッセージ選択部(32)は、前記メッセージ記憶部から前記一のプレイヤに対応し、かつ、前記プレイ状況に対応した前記一のメッセージを選択すること、を特徴とするゲームシステムである。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかのゲームシステム(100)において、前記メッセージ記憶部(26)は、前記複数のプレイヤごとに、その各プレイヤが作成したメッセージを含む前記複数のメッセージを前記プレイ状況に対応付けて記憶すること、を特徴とするゲームシステムである。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかのゲームシステム(100,200)において、前記対戦プレイは、前記一のプレイヤ及び前記他のプレイヤの操作に基づき各々のプレイヤに対応するキャラクタ(61)が移動するリアルタイム進行プレイであること、を特徴とするゲームシステムである。
第6の発明は、第5の発明のゲームシステム(100,200)において、前記対戦プレイは、カーレースゲームであり、前記複数のプレイヤの各々が操作する、前記キャラクタ(61)を移動させるハンドル部(7)と、前記ハンドル部に隣接して設けられたメッセージ操作部(7a)と、前記メッセージ選択部(32)により選択された前記一のメッセージを、前記一のプレイヤが視認可能な表示部(3)に表示させるメッセージ表示制御部(33)と、を備え、前記通知部(34)は、前記一のプレイヤが前記メッセージ操作部を操作したことに応じて、前記表示部に表示された前記一のメッセージを、前記他のプレイヤに対して通知をすること、を特徴とするゲームシステムである。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれかのゲームシステム(200)において、前記メッセージ記憶部(244)は、前記一のメッセージと、前記一のメッセージに対して前記プレイ状況が関連性を有する他のメッセージとを対応付けて記憶しており、前記通知部(34)により前記一のメッセージの通知がされたことに応じて、前記一のメッセージに対応する前記他のメッセージを前記メッセージ記憶部から抽出し、前記一のメッセージの通知がされた前記他のプレイヤが視認可能な表示部(3)に表示させる関連メッセージ表示制御部(235)を備えること、を特徴とするゲームシステムである。
第8の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれかのゲームシステム(200)において、通信ネットワーク(15)を介して通信可能に接続され、前記複数のプレイヤの各々が操作する複数のゲーム機(201,201A,201B,201C)を備えること、を特徴とするゲームシステムである。
第9の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれかのゲームシステム(100)において、前記複数のプレイヤの各々が操作する複数のゲーム機(1,1A,1B,1C)と、前記複数のゲーム機に対して通信ネットワーク(15)を介して通信可能に接続されたサーバ(20)と、を備え、前記サーバは、前記メッセージ記憶部(26)を備えること、を特徴とするゲームシステムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、対戦プレイのプレイ状況ごとに、複数のメッセージを対応させて記憶しており、プレイヤのプレイ状況に対応して、複数のメッセージの中から一のメッセージを選択して対戦相手のプレイヤに対して通知する。よって、プレイヤの置かれた状況によって、複数のメッセージの候補から自動的に一のメッセージを選択するので、プレイ状況に応じて出力するメッセージを変化させることができる。また、プレイヤは、メッセージを入力したり、選択したりという手間を省くことができ、手間をかけずにメッセージを対戦相手のプレイヤに通知することができる。さらに、複数のメッセージの中から一のメッセージを選択するので、常に同じメッセージになることを防ぎ、メッセージを送る側とメッセージを受ける側との両者が楽しめるメッセージを送受信できる。
【0010】
(2)本発明は、選択されたメッセージを表示して、プレイヤの操作によって、表示されたメッセージを対戦相手のプレイヤに対して通知する。よって、プレイヤは、表示部に表示されたメッセージを確認して、プレイヤの意思により、プレイヤが所望のタイミングで、対戦相手のプレイヤに対してメッセージを送信することができる。つまり、選択されたメッセージを送信するタイミングや、送信するか否かは、プレイヤに委ねられる。よって、プレイヤの意思を尊重して、メッセージを送信する仕組みを提供できる。例えば、対戦相手のプレイヤが動揺するようなプレイの状態を狙って、プレイヤは、メッセージを送信できるので、プレイ自体の楽しさにメッセージによる楽しさを加えて、更なるプレイの楽しさの幅を広げることができる。
【0011】
(3)本発明は、プレイヤごとに複数のメッセージの中から任意の数のメッセージを選択して記憶するので、プレイヤが対戦プレイヤに送信したいメッセージの内容を選択により決定できる。
(4)本発明は、メッセージをプレイヤが作成できるので、独自のメッセージを作成して対戦相手のプレイヤに通知することができる。
【0012】
(5)本発明は、プレイヤの操作に基づき対応するキャラクタが移動するリアルタイム進行プレイの対戦プレイであり、プレイヤがメインのプレイの進行の操作を行う中で、自動的にメッセージを選択する。よって、プレイヤにとって、メインのプレイに集中しつつ、対戦相手のプレイヤに送りたいメッセージを送信できるので、プレイに集中したいという要求と、メッセージを送信して会話したいという要求との両者の要求を満たすことができる。
【0013】
(6)本発明は、カーレースゲームにおいて、ハンドル部に隣接して設けられたメッセージ操作部の操作によって、メッセージを通知する。よって、両手、両足を駆使してプレイをするカーレースゲームにおいても、ハンドル操作をしながら、プレイ操作の邪魔にならずにメッセージを通知できる。
【0014】
(7)本発明は、対戦相手のプレイヤから受信したメッセージに関連するメッセージを、対戦相手に通知する対象のメッセージとして表示する。よって、表示されたメッセージを対戦相手のプレイヤに通知することで、かみ合った会話になり、あたかもチャットのような感覚でプレイをしながら会話をすることができるので、面白味が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係るゲームシステムの全体構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係るゲームシステムの機能構成を示す図である。
【図3】第1実施形態に係るメッセージ記憶部の例を示す図である。
【図4】第1実施形態に係るゲーム機で実行されるプレイ処理のフローチャートである。
【図5】第1実施形態に係るモニタの画面表示例を示す図である。
【図6】第1実施形態に係るメッセージ処理のフローチャートである。
【図7】第1実施形態に係るモニタの画面表示例を示す図である。
【図8】第1実施形態に係るモニタの画面表示例を示す図である。
【図9】第1実施形態に係るPCで実行されるメッセージ編集処理のフローチャートである。
【図10】第2実施形態に係るゲームシステムの機能構成を示す図である。
【図11】第2実施形態に係るメッセージ記憶部の例を示す図である。
【図12】第2実施形態に係るメッセージ処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
図1は、第1実施形態に係るゲームシステム100の全体構成を示す図である。
図2は、第1実施形態に係るゲームシステム100の機能構成を示す図である。
図3は、第1実施形態に係るメッセージ記憶部26の例を示す図である。
図1に示すように、ゲームシステム100は、複数のゲーム機1(1A,1B,1C,…)と、通信ネットワーク15と、PC18(PC:パーソナルコンピュータ)と、サーバ20とから構成されている。複数のゲーム機1と、PC18と、サーバ20とは、通信ネットワーク15を介して接続されている。
【0017】
ゲーム機1は、例えば、ゲームセンタの所定の場所に設置される大型の装置であり、プレイヤによるカーレース等の運転シミュレーションに関するプレイが可能なビデオゲーム機である。ゲーム機1は、筐体2と、座部11とから構成される。筐体2は、モニタ3と、電飾4と、スピーカ5と、ペダル6と、ハンドル7と、コイン投入口8と、カード投入口9と、シフトレバー10とを備える。
【0018】
モニタ3は、筐体2の上部に、プレイヤに対面するように配置されている。モニタ3は、プレイヤが操作するレーシングカーの映像等のプレイの内容を表示する。
モニタ3の上方には、電飾4が配置され、モニタ3の上方左右には、スピーカ5が配置されている。電飾4は、プレイヤのプレイに応じて発光し、スピーカ5は、プレイヤのプレイに合わせて効果音等の音声を出力する。
【0019】
ペダル6は、筐体2の下方に配置されている。ペダル6は、アクセルペダル6a及びブレーキペダル6bを含み、プレイヤからの視点で右から左に向かってこの順番に配置されている。ペダル6は、プレイヤが足で押下したり、押下した状態を解除したりすることで、レーシングカーの移動速度を決定する操作入力装置である。
【0020】
ハンドル7は、プレイヤが手に握って回転させることで、レーシングカーの移動方向を決定する操作入力装置である。ハンドル7は、モニタ3の下方中央であって、プレイヤが座した際に、胸の高さあたりになるような位置に配置されている。ハンドル7は、ボタン7a,7bを有する。ボタン7a,7bは、ハンドル7に隣接する部分に設けられており、プレイヤがハンドル7を握った時に、プレイヤの親指で操作可能である。ボタン7aは、メッセージを送信するように指示するためのボタンであり、ボタン7bは、メッセージを選択するように指示するためのボタンである。これらのボタン7a,7bの説明は、後述する。
【0021】
コイン投入口8は、ハンドル7の右下方に配置されている。プレイヤは、コイン投入口8に所定のコインを投入することで、プレイを開始できる。
カード投入口9は、ハンドル7の左下方に配置されている。プレイヤが、プレイヤID(identifier)を有するプレイカードを持参して、カード投入口9に投入することで、ゲーム機1は、プレイヤを認識して正規のプレイヤであるか否かを判別する。
シフトレバー10は、ハンドル7の左方に配置されている。シフトレバー10は、プレイヤが左手で握って操作することで、レーシングカーのギアを変えるための操作入力装置である。
【0022】
座部11は、筐体2のモニタ3に対面するように配置されている。座部11は、プレイヤがプレイを行う際に座るためのものであり、レーシングカーの運転席をイメージしている。
このように、プレイヤは、モニタ3を見ながら、ペダル6、ハンドル7、シフトレバー10を操作することで、運転シミュレーションゲームを行うことができる。
【0023】
通信ネットワーク15は、ゲーム機1とサーバ20との間の通信や、PC18とサーバ20との間の通信を行うための、例えば、インターネット等の通信網である。通信ネットワーク15を介した通信は、有線でも無線でもよい。
PC18は、例えば、プレイヤの自宅に設置されたコンピュータ装置である。PC18は、例えば、Webブラウザソフトを起動させて、Webブラウザ上でサーバ20のアドレスを指定することで、サーバ20との間で通信を行うことができる。そして、PC18は、後述するメッセージの編集を行うことができる。
サーバ20は、複数のゲーム機1での対戦プレイをする前に、プレイの相手を決めるマッチング処理をしたり、複数のゲーム機1の間で通信されるデータを中継したりするサーバである。また、サーバ20は、PC18で編集されたメッセージを更新する機能を有するWebサーバであってもよい。
【0024】
図2に示すように、ゲーム機1は、図1で説明したモニタ3、電飾4、スピーカ5、コイン投入口8、カード投入口9の他、制御部30、記憶部40、操作部45、通信I/F部49(I/F:インタフェース)を備えている。
【0025】
制御部30は、情報の演算、及び処理を行う中央処理装置(CPU)であり、当該ゲーム機1の全体を制御するものである。制御部30は、記憶部40に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
制御部30は、プレイ状況判定部31と、メッセージ選択部32と、メッセージ表示制御部33と、通知部34とを備えている。
プレイ状況判定部31は、そのゲーム機1で実行している対戦プレイが、メッセージの出力対象になるプレイ状況か否かを判定する制御部である。
【0026】
メッセージ選択部32は、プレイ状況判定部31がメッセージの出力対象であると判定したプレイ状況に対応するメッセージを1つ選択する制御部である。
メッセージ表示制御部33は、メッセージ選択部32により選択されたメッセージを、モニタ3に表示させる制御部である。
通知部34は、メッセージがモニタ3に表示されている状態で、プレイヤがボタン7aを操作することで、モニタ3に表示されているメッセージを、他のゲーム機1に対して通知する制御部である。
これらの各制御手段の処理の詳細は、後述する。
【0027】
記憶部40は、個人メッセージ記憶部41と、ゲームプログラム42と、メッセージステータス43とを備える。
個人メッセージ記憶部41は、そのゲーム機1でプレイをするプレイヤ専用のメッセージを記憶する。
ゲームプログラム42は、第1実施形態におけるメッセージの交換に関する処理を実行するカーレースゲームのプログラムである。ゲームプログラム42の実行により、電飾4による発光や、スピーカ5による音声出力が適宜行われる。
メッセージステータス43は、プレイ状況に対応する値を格納する領域である。メッセージステータス43の使用方法は、後述で説明する。
【0028】
記憶部40を実現するものとして、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)等を含む半導体記憶装置、磁気ディスク等が含まれる。
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機1は、記憶部40、制御部30等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0029】
操作部45は、図1で説明したペダル6、ハンドル7、ボタン7a,7b、シフトレバー10の操作入力装置を含み、プレイヤが、レーシングカーの移動操作を行ったり、プレイ中にメッセージを選択して他のゲーム機1に対して送信したりするための装置である。
通信I/F部49は、ゲーム機1を通信ネットワーク15に接続して、通信ネットワーク15に接続されたサーバ20との間で通信をするための、例えば、ネットワーク・アダプタである。
【0030】
PC18は、制御部51と、入力部53と、表示部54と、記憶部55と、通信I/F部59とを備える。
制御部51は、情報の演算、及び処理を行う中央処理装置であり、当該PC18の全体を制御するものである。制御部51は、記憶部55に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、PC18のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
入力部53は、プレイヤがPC18を操作するための、例えば、キーボードやマウスである。
表示部54は、プレイヤがPC18の操作時等に視認する、例えば、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置である。
【0031】
記憶部55は、サーバ20との間で通信するための、例えば、Webブラウザを記憶する。記憶部55を実現するものとして、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、RAM、ROM等を含む半導体記憶装置、磁気ディスク等が含まれる。
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、PC18は、記憶部55、制御部51等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
通信I/F部59は、PC18が通信ネットワーク15との間でのデータの送受信を行うための、例えば、ネットワーク・アダプタである。
【0032】
サーバ20は、制御部21と、記憶部25と、通信I/F部29とを備える。
制御部21は、情報の演算、及び処理を行う中央処理装置であり、当該サーバ20の全体を制御するものである。制御部21は、記憶部25に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、サーバ20のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0033】
記憶部25は、メッセージ記憶部26を備える。
図3に示すメッセージ記憶部26は、プレイ状況に応じた複数のメッセージを格納する。メッセージは、対戦プレイの他のプレイヤのゲーム機1に送信するために用いる。メッセージは、チャットで用いられるような簡潔でインパクトがある話し言葉口調や顔文字等が望ましい。メッセージ記憶部26は、ステータス部26sと、本文部26mとを対応付けたテーブルである。
【0034】
ステータス部26sには、対戦プレイのプレイ状況に対応した数値を格納する。例えば、ステータス部26sの値が「1」は、プレイ開始直前のプレイ状況に対応する。ステータス部26sの値が「2」は、プレイ中にプレイヤの車が対戦相手のプレイヤの車を追い抜いたプレイ状況に対応する。同様に、ステータス部26sの値「3」は、プレイヤの車が対戦相手のプレイヤの車に追い越されたプレイ状況を、ステータス部26sの値が「4」は、プレイヤの車がクラッシュしたプレイ状況を、ステータス部26sの値「5」は、プレイヤがプレイに勝ったプレイ状況を、ステータス部26sの値「6」は、プレイヤがプレイに負けたプレイ状況を、それぞれ示す。
本文部26mには、対戦プレイ中の他のプレイヤに通知するメッセージを複数格納する。
メッセージ記憶部26には、ステータス部26sの1つの値に対して、本文部26mの複数のメッセージが記憶されている。
【0035】
図2に戻り、記憶部25を実現するものとして、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、RAM、ROM等を含む半導体記憶装置、磁気ディスク等が含まれる。
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、サーバ20は、記憶部25、制御部21等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
通信I/F部29は、サーバ20が通信ネットワーク15との間でのデータの送受信を行うための、例えば、ネットワーク・アダプタである。
【0036】
なお、サーバ20を構成するハードウェアの数に制限はない。必要に応じて、1又は複数で構成してもよい。また、サーバ20のハードウェアは、必要に応じてアプリケーションサーバ、データベースサーバ等の各種サーバを含んで構成してもよく、1台のサーバで構成しても、それぞれ別のサーバで構成してもよい。
【0037】
次に、ゲームシステム100のプレイ処理について説明する。
図4は、第1実施形態に係るゲーム機1Aで実行されるプレイ処理のフローチャートである。
図5は、第1実施形態に係るモニタ3に表示されるプレイ画面60の表示例を示す図である。
図6は、第1実施形態に係るメッセージ処理のフローチャートである。
以下、前提として、ゲーム機1A,1B,1Cのプレイヤが、カーレースの対戦プレイを行うものを例に説明する。なお、この例では、便宜上、ゲーム機1A,1B,1Cを操作するプレイヤを、順番にプレイヤA,B,Cという。図4のプレイ処理は、プレイヤA,B,Cが、各自プレイするゲーム機1のコイン投入口8にコインを投入し、カード投入口9にプレイカードを投入することで、ゲーム機1の制御部30が、一連の処理を開始する。以下、ゲーム機1Aで実行される処理について説明するが、ゲーム機1B,1Cにおいても同様である。
【0038】
図4のステップS1において、制御部30は、プレイ前処理を行う。プレイ前処理は、例えば、コースの設定やプレイヤが操作する車の決定、対戦相手の決定等を行う処理である。なお、この例で説明するプレイは、プレイヤA,B,Cの3名の実在のプレイヤと、コンピュータが制御する7名分の仮想プレイヤとの計10名のプレイヤの中で、所定のコースをいち早く進んでゴールした車を操作した者を勝者とするカーレースのプレイである。また、プレイ前処理として、制御部30は、サーバ20に対して通信して、サーバ20の記憶部25に記憶されたメッセージ記憶部26のデータを、個人メッセージ記憶部41にダウンロードする。なお、メッセージの作成処理は、後述する。
【0039】
ステップS2において、制御部30(プレイ状況判定部31)は、対戦プレイのプレイ状況が、プレイ前処理が終了してプレイ開始直前の状態であるか否かを判断する。プレイ開始直前の状態である場合(ステップS2:YES)には、制御部30は、処理をステップS3に移す。プレイ開始直前の状態ではない場合(ステップS2:NO)には、制御部30は、処理をステップS1に移し、引き続きプレイ前処理を行う。
【0040】
ステップS3では、制御部30は、ゲーム機1の記憶部40にその領域を有するメッセージステータス43に「1」を設定して、ステップS4においてメッセージ処理を行う。なお、メッセージ処理については、後述する図6において説明する。
ステップS5では、制御部30は、対戦プレイを開始する。
【0041】
ここで、モニタ3に表示された対戦プレイ開始時のプレイ画面60について図5に基づいて説明する。
プレイ画面60は、プレイ開始時のゲーム機1Aのモニタ3に表示される画面である。プレイ画面60には、レーシングカー61(キャラクタ)と、順位表示部62とが表示されている。
レーシングカー61は、プレイ画面60中央下方に配置される。レーシングカー61は、プレイヤAが操作する車である。プレイ画面60は、レーシングカー61を背後から見下ろしてコースを表示した画面であり、カーレースゲームのいわゆる三人称の視点の画面である。
順位表示部62は、プレイ画面60の左方に配置される。順位表示部62は、対戦プレイでのその時点での順位と、プレイヤAと対戦しているプレイヤ名とが表示される。図5に示すプレイ画面60は、プレイ状況がスタート直後であるので、順位は一律「1」になっている。
【0042】
図4に戻って、ステップS6では、制御部30(プレイ状況判定部31)は、対戦プレイのプレイ状況が、プレイヤAの車が対戦相手のプレイヤの車である他の車を追い抜いた状態であるか否かを判断する。他の車を追い抜いた状態である場合(ステップS6:YES)には、制御部30は、処理をステップS7に移し、メッセージステータス43に「2」を設定して、処理をステップS12に移す。他方、他の車を追い抜いた状態ではない場合(ステップS6:NO)には、制御部30は、処理をステップS8に移す。
【0043】
ステップS8では、制御部30(プレイ状況判定部31)は、対戦プレイのプレイ状況が、プレイヤAの車が対戦相手のプレイヤの車である他の車に追い越された状態であるか否かを判断する。他の車に追い越された状態である場合(ステップS8:YES)には、制御部30は、処理をステップS9に移し、メッセージステータス43に「3」を設定して、処理をステップS12に移す。他方、他の車に追い越された状態ではない場合(ステップS8:NO)には、制御部30は、処理をステップS10に移す。
【0044】
ステップS10では、制御部30(プレイ状況判定部31)は、対戦プレイのプレイ状況が、プレイヤAの車がクラッシュした状態であるか否かを判断する。クラッシュした状態である場合(ステップS10:YES)には、制御部30は、処理をステップS11に移し、メッセージステータス43に「4」を設定して、処理をステップS12に移す。他方、クラッシュしていない状態である場合(ステップS10:NO)には、制御部30は、処理をステップS13に移す。
ステップS12では、制御部30は、メッセージ処理を行い、その後、制御部30は、処理をステップS13に移す。
【0045】
ここで、メッセージ処理について、図6を用いて説明する。
まず、ステップS31において、制御部30は、メッセージステータス43が示す値の範囲の、個人メッセージ記憶部41に記憶されたメッセージを取得する。例えば、メッセージステータス43に「2」が設定されている場合には、制御部30は、図3のメッセージ記憶部26と同じデータが記憶された個人メッセージ記憶部41から、ステータス部が「2」に対応する本文部に格納された複数のメッセージを取得する。
【0046】
ステップS32では、制御部30(メッセージ選択部32)は、取得した複数のメッセージの中から一のメッセージをランダムに決定する。
ステップS33では、制御部30(メッセージ表示制御部33)は、ランダムに決定された一のメッセージを表示するサブ画面70を含むプレイ画面60を、モニタ3に表示させる。また、制御部30は、サブ画面70を表示してからの時間の計測を開始する。
【0047】
ここで、モニタ3に表示された対戦プレイ中のプレイ画面60について、図7に基づいて説明する。
図7に示すプレイ画面60は、プレイヤAの操作するレーシングカー61が、プレイヤB及びプレイヤCの操作するレーシングカー64及びレーシングカー67に相次いで抜かれた直後の画面を示す。
順位表示部62には、その時点での各プレイヤの順位が数字で示され、上位から下に向かって順番に表示される。
プレイ画面60の右方には、サブ画面70が表示される。サブ画面70は、メッセージ候補表示部71と、補助操作説明部75とからなる。
【0048】
サブ画面70は、ゲーム機1Aが、メッセージを出力する所定のプレイ状況になった場合に、プレイ画面60に表示される。また、サブ画面70は、後述するように、サブ画面70が表示されてから所定の時間が経過した場合に、プレイ画面60から消去される。
メッセージ候補表示部71には、メッセージ部72と、対応表記部73,74とを備え、対戦相手のプレイヤに送信するメッセージを表示する。
メッセージ部72は、制御部30により決定された一のメッセージを表示する。対応表記部73は、他のメッセージをメッセージ部72に出力させるボタンを説明するためのものであり、対応表記部74は、メッセージ部72に表示されたメッセージを、他のゲーム機1に送信するボタンを説明するためのものである。
補助操作説明部75は、ゲーム機1のハンドル7の一部分を表示する。補助操作説明部75の部分76,77は、対応表記部73,74に各々対応する。補助操作説明部75は、ボタン7a,7bの操作をプレイヤAに分かりやすく説明するものである。
【0049】
図6に戻り、ステップS34では、制御部30は、プレイヤAによりメッセージを送信するためのボタン7aが操作されたか否かを判断する。ボタン7aが操作された場合(ステップS34:YES)には、制御部30は、処理をステップS35に移す。他方、ボタン7aが操作されていない場合(ステップS34:NO)には、制御部30は、処理をステップS36に移す。
ステップS35では、制御部30(通知部34)は、一のメッセージを他のゲーム機1B,1Cに送信する。その後、制御部30は、処理をステップS38に移す。
【0050】
このように、ゲーム機1Aのハンドル7に隣接して設けられたボタン7aをプレイヤAが操作することで、制御部30は、メッセージを通知する。よって、両手、両足を駆使してプレイヤAがプレイをするカーレースゲームにおいても、ハンドル7を操作しつつ、プレイ操作の邪魔にならずにメッセージを通知できる。
【0051】
他方、ステップS36では、制御部30は、プレイヤAによりメッセージを変更するボタン7bが操作されたか否かを判断する。ボタン7bが操作された場合(ステップS36:YES)には、制御部30は、処理をステップS32に移し、ステップS31で取得された複数のメッセージの中から再度一のメッセージを決定する処理を行う。ボタン7bが操作されていない場合(ステップS36:NO)には、制御部30は、処理をステップS37に移す。
【0052】
ステップS37では、制御部30は、ステップS33においてプレイ画面60にサブ画面70を表示させてから所定の時間(例えば、5秒間)が経過したか否かを判断する。所定の時間が経過した場合(ステップS37:YES)には、制御部30は、処理をステップS38に移す。他方、所定の時間が経過していない場合(ステップS37:NO)には、制御部30は、処理をステップS34に移す。
ステップS38では、制御部30は、プレイ画面60から一のメッセージを含むサブ画面70を消去して、一のメッセージを他のゲーム機1B,1Cに送信できないようにする。その後、制御部30は、本処理を終了する。
【0053】
このように、ゲーム機1Aは、プレイ画面60に、制御部30により選択されたメッセージを表示して、プレイヤAのボタン7aの操作によって、表示されたメッセージを対戦相手のプレイヤB,Cに対して通知する。よって、プレイヤAは、モニタ3に表示されたメッセージを確認して、プレイヤAの意思により、プレイヤAが所望のタイミングで、対戦相手のプレイヤB,Cに対してメッセージを送信することができる。よって、対戦相手のプレイヤB,Cの車がカーブにさしかかった場面である等の、対戦相手のプレイヤB,Cが動揺するようなプレイの状態を狙って、プレイヤAは、メッセージを送信できる。
【0054】
図4に戻り、ステップS13では、制御部30は、対戦プレイが終了したか否かを判断する。対戦プレイが終了した場合(ステップS13:YES)には、制御部30は、処理をステップS14に移す。他方、対戦プレイが終了していない場合(ステップS13:NO)には、制御部30は、処理をステップS20に移す。
ステップS14では、制御部30(プレイ状況判定部31)は、プレイ状況が、プレイヤAが対戦プレイに勝った状態であるか否かを判断する。対戦プレイに勝った状態である場合(ステップS14:YES)には、制御部30は、処理をステップS15に移し、メッセージステータス43に「5」を設定して、処理をステップS17に移す。他方、対戦プレイに負けた状態である場合(ステップS14:NO)には、制御部30は、処理をステップS16に移し、メッセージステータス43に「6」を設定して、処理をステップS17に移す。
【0055】
ステップS17では、制御部30は、上述したメッセージ処理(図6参照)を行い、その後、制御部30は、ステップS18において、プレイカードの返却等のプレイ後処理を行って、本処理を終了する。
ステップS20において、制御部30は、他のゲーム機1からメッセージを受信したか否かを判断する。メッセージを受信した場合(ステップS20:YES)には、制御部30は、処理をステップS21に移す。他方、メッセージを受信していない場合(ステップS20:NO)には、制御部30は、処理をステップS6に移す。
ステップS21では、制御部30は、モニタ3に表示するプレイ画面60に、メッセージを反映して、その後、処理をステップS6に移す。なお、制御部30は、プレイ画面60へのメッセージの表示を所定の時間(例えば、5秒間)表示する。
【0056】
ここで、モニタ3に表示された対戦プレイ中のプレイ画面60について、図8に基づき説明する。
図8に示すプレイ画面60は、レーシングカー61を操作するプレイヤAがメッセージを送信した後であって、レーシングカー64及びレーシングカー67を操作するプレイヤB及びプレイヤCのゲーム機1B及びゲーム機1Cからメッセージを受信した際の画面を示す。
順位表示部62の右方には、メッセージ吹出し部63及びメッセージ吹出し部66が表示される。メッセージ吹出し部63及びメッセージ吹出し部66は、対応するプレイヤB及びプレイヤCから送信されたメッセージを、吹出しの態様で表示している。
【0057】
また、レーシングカー64の周囲に、レーシングカー64に対応させてメッセージ65を表示する。メッセージ65は、メッセージ吹出し部63と同じ内容である。
同様に、レーシングカー67の周囲に、レーシングカー67に対応させてメッセージ68を表示する。メッセージ68は、メッセージ吹出し部66と同じ内容である。
【0058】
このように、ゲームシステム100は、メッセージ記憶部26に対戦プレイのプレイ状況ごとに、複数のメッセージを対応させて記憶しており、ゲーム機1は、プレイヤのプレイ状況に対応して、複数のメッセージの中から一のメッセージを選択して対戦相手のプレイヤに対して通知する。よって、ゲーム機1は、プレイヤの置かれた状況によって、複数のメッセージの候補から自動的に一のメッセージを選択するので、プレイ状況に応じて出力するメッセージを変化させることができる。
【0059】
また、ゲームシステム100で実行されるプレイが、プレイヤの操作に基づき対応する車が移動するリアルタイム進行プレイの対戦プレイであり、ゲーム機1は、プレイヤが運転操作を行う中で、自動的にメッセージを選択する。よって、プレイヤにとって、メインのプレイである運転操作に集中しつつ、対戦相手のプレイヤに送りたいメッセージを送信できるので、プレイに集中したいという要求と、メッセージを送信して会話したいという要求との両者の要求を満たすことができる。
【0060】
次に、メッセージの編集処理について説明する。
プレイ中に出力されるメッセージは、例えば、プレイヤAの自宅等のPC18でオリジナルのメッセージを作成したり、メッセージ候補として出力されるメッセージを選択したりして、予めプレイヤごとにサーバ20に登録できる。
図9は、第1実施形態に係るPC18で実行されるメッセージ編集処理のフローチャートである。
【0061】
まず、ステップS51において、PC18の制御部51は、通信I/F部59を介して通信を行い、サーバ20に対するログオン処理を行う。具体的には、PC18は、Webブラウザを起動させてプレイヤAのプレイヤIDをサーバ20に送信することで、サーバ20は、そのプレイヤIDが、サーバ20の記憶部25に記憶されたプレイヤIDに合致するか否かを判断して、ログオンを許可するか否かを判定する。プレイヤIDは、プレイカードを有するプレイヤに関する情報として、記憶部25に記憶されている。そして、サーバ20は、ログオンを許可するか否かの結果をPC18に対して送信する。
【0062】
ステップS52において、PC18の制御部51は、サーバ20に対するログオンに成功したか否かを判断する。サーバ20がログオンを許可することで、ログオンに成功した場合(ステップS52:YES)には、制御部51は、処理をステップS53に移す。他方、ログオンに失敗した場合(ステップS52:NO)には、制御部51は、本処理を終了する。なお、ログオンに失敗した場合に、制御部51は、ステップS51の処理を複数回(例えば、3回)許容し、いずれもログオンに失敗した場合に、本処理を終了するようにしてもよい。
【0063】
ステップS53において、サーバ20の制御部21は、メッセージ記憶部26に記憶された複数のメッセージを取得しPC18に送信することで、PC18の制御部51は、複数のメッセージを受信する。
ステップS54において、PC18の制御部51は、サーバ20から受信した複数のメッセージに対して編集処理を行う。編集処理とは、ステータスごとに、プレイヤAが出力したいメッセージの候補を絞り込んで選択したり、オリジナルのメッセージを新たに作成したりする処理をいう。
【0064】
ステップS55において、PC18の制御部51は、ステップS54において編集処理を行った編集処理後の複数のメッセージをサーバ20に送信する。
ステップS56において、サーバ20の制御部21は、PC18から受信した複数のメッセージを、該当のプレイヤIDに対応付けてメッセージ記憶部26に記憶する。このようにすることで、PC18での編集処理の内容をサーバ20に反映させることができる。その後、PC18の制御部51は、サーバ20に対するログアウト処理を行うことで、サーバの制御部21及びPC18の制御部51は、本処理を終了する。
【0065】
なお、上述の説明において、メッセージ記憶部26に記憶されているデータをPC18で受信している。しかし、プレイヤAが1回でもこのメッセージ編集処理を実行後に、再度PC18で本処理を行う場合には、ステップS53において、メッセージ記憶部26に記憶された該当のプレイヤIDに対応する複数のメッセージを含めて、PC18が受信する。
また、上述の図4で説明したプレイ処理において、ステップS1のプレイ前処理では、制御部30は、メッセージ記憶部26に記憶された該当のプレイヤIDに対応付けられた複数のメッセージを、個人メッセージ記憶部41にダウンロードする。
【0066】
このように、プレイヤがプレイ中に送信するメッセージは、ゲームシステム100において、プレイヤごとに複数のメッセージの中から任意の数のメッセージを選択して記憶するので、プレイヤが対戦プレイヤに送信したいメッセージの内容を選択により決定できる。また、ゲームシステム100において、メッセージをプレイヤが作成できるので、独自のメッセージを作成して対戦相手のプレイヤに通知することができる。
【0067】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、複数のゲーム機からなるゲームシステムに関するものである。
なお、以下の説明及び図面において、上述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0068】
図10は、第2実施形態に係るゲームシステム200の機能構成を示す図である。
図11は、第2実施形態に係るメッセージ記憶部244の例を示す図である。
図10に示すように、ゲームシステム200は、複数のゲーム機201(201A,201B,201C,…)と、通信ネットワーク15とから構成されている。複数のゲーム機201は、通信ネットワーク15を介して互いに接続されている。
【0069】
ゲーム機201の制御部230は、関連メッセージ表示制御部235を新たに備える。
関連メッセージ表示制御部235は、対戦プレイをする他のゲーム機201から通知されたメッセージに関連性を有するメッセージを表示させる制御部である。
ゲーム機201の記憶部240は、メッセージ記憶部244と、ゲームプログラム242と、メッセージステータス43とを備える。メッセージ記憶部244は、予めゲーム機201の記憶部240に記憶されている。
【0070】
メッセージ記憶部244は、図11に示すように、ステータス部244sと、本文部244mと、関連付与部244rとを対応付けたテーブルである。ステータス部244s及び本文部244mは、図3のメッセージ記憶部26のステータス部26s及び本文部26mと同様である。
関連付与部244rには、本文部244mに格納された複数のメッセージの間でプレイ状況が関連性を有し、メッセージの内容が相互に関連する場合に、同一のコードを格納する。図11に示す例では、本文部244mの「ちゃんとついてこいよっ!」と「いやだね!」とは、プレイ状況とメッセージの内容との両方が関連性を有する。ここで、プレイ状況が関連性を有するとは、例えば、この例のように、一方が他の車に追い越された状態であり、他方が他の車を追い抜いた状態である場合をいう。また、メッセージの内容が関連性を有するとは、問いと、その受け答えの関係のように、会話として成立するような場合をいう。複数のメッセージが関連性を有する場合には、関連付与部244rには、同一のコードである「R01」が格納される。
図10に戻って、ゲームプログラム242は、第2実施形態におけるメッセージの交換に関する処理を実行するカーレースゲームのプログラムである。
【0071】
次に、プレイ処理について説明する。
図12は、第2実施形態に係るゲーム機201で実行されるメッセージ処理のフローチャートである。
ここで、メッセージ処理は、プレイ処理のサブモジュールである。プレイ処理は、図4に示す第1実施形態のものと同様である。但し、第2実施形態ではサーバが存在せず、複数のメッセージは、既にゲーム機201のメッセージ記憶部244に記憶されているため、図4のステップS1のダウンロード処理は行われない。
【0072】
まず、ステップS101において、ゲーム機201の制御部230は、他のゲーム機201からメッセージを受信したか否かを判断する。メッセージを受信している場合(ステップS101:YES)には、制御部230は、処理をステップS102に移す。他方、メッセージを受信していない場合(ステップS101:NO)には、制御部230は、処理をステップS105に移す。
【0073】
ステップS102において、制御部230は、受信したメッセージが関連性を有するか否かを判断する。具体的には、制御部230は、メッセージ記憶部244の本文部244mに記憶されたメッセージに一致する、受信したメッセージに対応する関連付与部244rに、コードが格納されているか否かを判断する。メッセージが関連性を有する場合(ステップS102:YES)には、制御部230は、処理をステップS103に移す。他方、メッセージが関連性を有さない場合(ステップS102:NO)には、制御部230は、処理をステップS105に移す。
【0074】
ステップS103において、制御部230は、関連性を有する他のメッセージのステータス部244sの値が、このゲーム機201のプレイ状況のメッセージステータス43に一致するか否かを判断する。一致する場合(ステップS103:YES)には、制御部230は、処理をステップS104に移す。他方、一致しない場合(ステップS103:NO)には、制御部230は、処理をステップS105に移す。
ステップS104において、制御部230(関連メッセージ表示制御部235)は、当該プレイ状況のメッセージステータス43に一致したメッセージを、他のゲーム機201に送信する一のメッセージに決定する。その後、制御部230は、処理をステップS107に移す。
【0075】
このように、ゲーム機201は、対戦相手のプレイヤから受信したメッセージに関連するメッセージを、対戦相手に通知する対象のメッセージとしてモニタ3に表示する。よって、ゲーム機201は、そのメッセージを対戦相手のプレイヤに通知することで、やりとりしたメッセージが会話のようにかみ合ったものになり、あたかもチャットのような感覚でプレイをしながら会話をすることができるので、プレイの面白味が向上する。
【0076】
ステップS105では、制御部230は、メッセージステータス43が示す値の範囲の、記憶部240のメッセージ記憶部244に記憶されたメッセージを取得する。
ステップS106では、制御部230(メッセージ選択部32)は、取得した複数のメッセージの中から一のメッセージをランダムに決定する。
ステップS107では、制御部230(メッセージ表示制御部33、関連メッセージ表示制御部235)は、決定された一のメッセージを表示するサブ画面70を含むプレイ画面60(図7参照)を、モニタ3に表示させる。また、制御部30は、サブ画面70を表示されてからの時間を計測する。
ステップS108からステップS112までの処理は、図6のステップS34からステップS38までの処理と同様である。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0078】
(変形形態)
(1)各実施形態において、対戦プレイとしてカーレースのゲームの例を示したが、これに限定されない。例えば、格闘ゲームや、FPS(First Person Shooting)のゲームであってもよい。
【0079】
(2)各実施形態において、プレイで用いるメッセージとして、標準的なものを1つ示したが、これに限定されない。例えば、複数のパターンのメッセージテーブルを用意して、プレイヤの属性を用いて使い分けてもよい。プレイヤの属性としては、例えば、男女の別や、出身地による方言を含むメッセージ、外国語に対応したメッセージ等が考えられる。この場合、プレイヤIDからプレイヤの属性を判断して、対応するメッセージテーブルをプレイに用いるようにすることで、実現できる。
【0080】
(3)各実施形態において、他のゲーム機に送信したメッセージは、プレイ画面に表示されるものであったが、これに限定されない。例えば、メッセージを音声メッセージにして、他のゲーム機に音声で出力してもよい。また、文字メッセージと、音声メッセージとの両方を出力するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1,201…ゲーム機、 7a,7b…ボタン、 15…通信ネットワーク、 18…PC、 20…サーバ、 21,30,51,230…制御部、 25,40,55…記憶部、 26,244…メッセージ記憶部、 31…プレイ状況判定部、 32…メッセージ選択部、 33…メッセージ表示制御部、 34…通知部、 41…個人メッセージ記憶部、 43…メッセージステータス、 60…プレイ画面、 70…サブ画面、 100,200…ゲームシステム、 235…関連メッセージ表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイ状況を有する対戦プレイをしている複数のプレイヤの間でメッセージを交換するゲームシステムにおいて、
前記対戦プレイのプレイ状況ごとに、複数のメッセージを対応させて記憶するメッセージ記憶部と、
一のプレイヤによる前記対戦プレイが前記複数のプレイ状況のいずれかに合致したか否かを判定するプレイ状況判定部と、
前記プレイ状況判定部が判定した前記プレイ状況に対応した前記メッセージ記憶部の前記複数のメッセージの中から、一のメッセージを選択するメッセージ選択部と、
前記メッセージ選択部により選択された前記一のメッセージを、少なくとも前記一のプレイヤを除く他のプレイヤに対して通知をする通知部と、
を備えること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームシステムにおいて、
メッセージ操作部と、
前記メッセージ選択部により選択された前記一のメッセージを、前記一のプレイヤが視認可能な表示部に表示させるメッセージ表示制御部と、
を備え、
前記通知部は、前記一のプレイヤが前記メッセージ操作部を操作したことに応じて、前記表示部に表示された前記一のメッセージを、前記他のプレイヤに対して通知をすること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のゲームシステムにおいて、
前記メッセージ記憶部は、前記複数のプレイヤごとに、前記複数のメッセージの中から抽出した任意の数のメッセージを前記プレイ状況に対応付けて記憶しており、
前記メッセージ選択部は、前記メッセージ記憶部から前記一のプレイヤに対応し、かつ、前記プレイ状況に対応した前記一のメッセージを選択すること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記メッセージ記憶部は、前記複数のプレイヤごとに、その各プレイヤが作成したメッセージを含む前記複数のメッセージを前記プレイ状況に対応付けて記憶すること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記対戦プレイは、前記一のプレイヤ及び前記他のプレイヤの操作に基づき各々のプレイヤに対応するキャラクタが移動するリアルタイム進行プレイであること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のゲームシステムにおいて、
前記対戦プレイは、カーレースゲームであり、
前記複数のプレイヤの各々が操作する、前記キャラクタを移動させるハンドル部と、
前記ハンドル部に隣接して設けられたメッセージ操作部と、
前記メッセージ選択部により選択された前記一のメッセージを、前記一のプレイヤが視認可能な表示部に表示させるメッセージ表示制御部と、
を備え、
前記通知部は、前記一のプレイヤが前記メッセージ操作部を操作したことに応じて、前記表示部に表示された前記一のメッセージを、前記他のプレイヤに対して通知をすること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記メッセージ記憶部は、前記一のメッセージと、前記一のメッセージに対して前記プレイ状況が関連性を有する他のメッセージとを対応付けて記憶しており、
前記通知部により前記一のメッセージの通知がされたことに応じて、前記一のメッセージに対応する前記他のメッセージを前記メッセージ記憶部から抽出し、前記一のメッセージの通知がされた前記他のプレイヤが視認可能な表示部に表示させる関連メッセージ表示制御部を備えること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
通信ネットワークを介して通信可能に接続され、前記複数のプレイヤの各々が操作する複数のゲーム機を備えること、
を特徴とするゲームシステム。
【請求項9】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記複数のプレイヤの各々が操作する複数のゲーム機と、
前記複数のゲーム機に対して通信ネットワークを介して通信可能に接続されたサーバと、
を備え、
前記サーバは、前記メッセージ記憶部を備えること、
を特徴とするゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−377(P2011−377A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147647(P2009−147647)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【Fターム(参考)】