説明

ゲームシステム

【課題】ゲーム機でゲームをプレイするモチベーションをユーザに対して効果的に付与することが可能なゲームシステムを提供する。
【解決手段】ユーザが個人用端末装置を介して仲間のユーザにアイテムを貸し出し、借主のユーザがゲームをプレイして特典を獲得した場合、その特典の少なくとも一部を貸主のユーザに対して獲得が留保された状態で分配し、貸主のユーザがゲーム機でゲームをプレイした場合に特典の留保を解除して当該ユーザが特典を獲得するように、特典の獲得を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム機、及びユーザの個人用端末装置に対してサーバ装置からネットワークを介して各種のサービスを提供することが可能なゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
商業用のゲーム機とユーザの個人用端末装置とがサーバ装置に接続可能とされ、ゲーム機のゲームに関連付けられた情報をWebコンテンツとしてユーザの端末装置に提供するゲームシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−175004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムは、ゲーム機から離れているユーザにゲームの情報を提供することにより、ゲーム機でのプレイに対するモチベーションを高めることが期待されるものの、ゲーム情報の閲覧によって得られる効果は限定的である。そこで、本発明は、ゲーム機にてゲームをプレイするモチベーションをユーザに対して効果的に付与することが可能なゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ユーザによるプレイ料金の支払いと引き換えに該ユーザにゲームのプレイを許可するゲーム機と、前記ゲーム機の設置場所と同一の場所に存在する特定端末装置と、ユーザの個人用端末装置と、前記ゲーム機、前記特定端末装置及び前記個人用端末装置に対して所定のサービスを提供するサーバ装置とが、ネットワークを介して接続されたゲームシステムにおいて、前記個人用端末装置を介して前記サーバ装置にアクセスしたユーザに対して、前記ゲームに関連付けられた特典を獲得する権利を発生させる権利発生手段と、前記権利に基づく特典を、前記ユーザによる獲得が留保された状態で発生させる特典発生手段と、前記特典の発生後に、前記ユーザが前記特定端末装置に対して前記所定の操作を行った場合に所定の獲得条件に従って前記特典の留保が解除されて前記ユーザが該特典を獲得するように、前記特典の獲得を制御する特典獲得制御手段と、を備えたものである。
【0006】
本発明のゲームシステムによれば、ユーザが個人用端末装置からサーバ装置にアクセスすることにより、ゲームに関連付けられた特典を獲得する権利がユーザに対して発生し、その権利に基づく特典が所定の留保を付した状態で発生する。しかし、その留保を解除して特典を獲得するためにはユーザがゲーム機の設置場所に出向いて特定端末装置を操作する必要がある。したがって、特典の獲得を目的の一つとして、ゲーム機の設置場所にユーザを誘引し、それによりゲーム機でゲームをプレイするモチベーションをユーザに付与することができる。
【0007】
本発明の一形態において、ゲームシステムは、前記権利発生手段が発生させた権利、又は前記獲得が留保されている特典を、所定の有効期限の経過に伴って消滅させる消滅制御手段をさらに備えてもよい。これによれば、権利それ自体、あるいは権利に基づいて発生した特典が有効期限の経過に伴って消滅する。権利に有効期限を設定した場合には、権利の消滅後に、ユーザが個人用端末装置からサーバ装置に再度アクセスして権利を発生させる必要があり、個人用端末装置を介してサーバ装置にアクセスするモチベーションをユーザに付与することができる。また、特定に有効期限を設定した場合には、その消滅前に特定端末装置を操作して特典を獲得する必要が生じるため、ゲーム機の設置場所に出向くことに対するユーザのモチベーションをさらに高めることができる。
【0008】
また、前記権利の発生状況又は前記特典の獲得に対する留保の状況を前記ユーザに把握させるために必要な情報を、前記個人用端末装置を介して前記ユーザに通知する情報通知手段をさらに備えてもよい。これにより、ユーザに対して、個人用端末装置を介してサーバ装置にアクセスすることを促し、あるいはゲーム機の設置場所に出向いて特典を獲得することを促し、それにより、本発明の作用効果をさらに高めることができる。
【0009】
前記権利発生手段は、他人による前記ゲームのプレイに関連付けられた特典を獲得する権利を前記ユーザに対して発生させ、前記特典発生手段は、前記他人による前記ゲームのプレイに関連付けて前記特典を発生させるものとしてもよい。これにより、ユーザは他人によるゲームのプレイに起因して発生した特典を、後にゲーム機の設置場所に出向いて特定端末装置を操作することによって獲得することが可能である。
【0010】
前記権利発生手段は、前記ユーザが前記ゲーム機のゲームで獲得したゲーム要素を他人に貸し出すことによって前記特典を獲得する権利を前記ユーザに対して発生させ、前記特典発生手段は、前記他人が前記ユーザのゲーム要素を借りてゲームをプレイした場合に、当該他人のプレイに関連付けて前記特典を発生させるものとしてもよい。これによれば、ユーザが自ら獲得したゲーム要素を他人に貸し出すことにより、その他人のゲームのプレイ状況に応じて発生した特典をユーザが獲得することができる。
【0011】
さらに、前記サーバ装置は、前記個人用端末装置を介したユーザ間の交流の場を形成するコミュニティサービスを提供可能であり、前記権利発生手段は、前記ユーザと前記他人との間に、前記コミュニティサービス上における仲間の関係が設定されていることを条件として前記権利を発生させるものとしてもよい。これによれば、サーバ装置が提供するコミュニティサービスを通じて仲間の関係を形成したユーザ間において、特典の獲得を協力し合う関係を構築することができる。
【0012】
本発明において、前記権利発生手段は、所定の確率に基づく抽選により前記特典を獲得する機会を前記権利として発生させ、前記特典発生手段は、前記抽選を実行することにより前記特典を発生させてもよい。これによれば、ユーザが抽選で特典を引き当てた場合、その特典を獲得するためにはユーザがゲーム機の設置場所に出向いて特定端末装置を操作する必要がある。これにより、ゲーム機でゲームをプレイするモチベーションをユーザに付与することができる。
【0013】
さらに、前記権利発生手段は、所定の時間的制限に従って前記権利を発生させるものとしてもよい。これによれば、権利発生に関して時間的制限が設定されるので、過度に権利が発生するおそれを回避することができる。
【0014】
前記特典発生手段によって前記獲得が留保される特典の個数に上限数が設定され、該上限数を超える特典が発生した場合、前記特典発生手段は、過去に発生した特典を消滅させる一方で新たに発生した特典の獲得を留保させてもよい。これによれば、上限数を超える特典が発生したときに過去の特典が消滅するため、ユーザは上限数に達する前にゲーム機の設置場所で特定端末装置を操作して特典を獲得する必要がある。したがって、ゲーム機の設置場所に出向くことに対するユーザのモチベーションをさらに高めることができる。さらに、前記ユーザによる所定の料金の支払いと引き換えに、前記上限数を増加させる拡張手段を備えてもよい。これによれば、ゲーム機の設置場所に出向く頻度が低いユーザは、特典の消滅を防ぐために有償で上限数を増加させることになる。そのような状態を回避したいユーザに対してはゲーム機の設置場所に出向くモチベーションを付与することができ、その一方で、ゲーム機の設置場所に出向くことができないユーザに対しては、特典の消滅防止手段を提供することができる。
【0015】
さらに、前記ゲーム機が前記特定端末装置として兼用され、前記特典獲得制御手段は、前記ゲーム機のゲームをユーザがプレイすることにより、前記留保が解除されて前記特典を該ユーザが獲得するように、前記特典の獲得を制御するものとしてもよい。これによれば、ユーザに対してゲームをプレイするモチベーションをさらに確実に付与することができる。
【0016】
本発明において、「個人用端末装置」とは、主として個人の使用を前提としてユーザに譲渡され、あるいは貸与される端末装置であって、譲渡又は貸与が有償か無償で行われるかは問わず、ネットワークを介してサーバ装置に接続可能であればその呼称は問わない。例えばパーソナルコンピュータ、家庭用ゲーム機、携帯電話(いわゆるスマートフォンも含む。)といった各種の個人向け情報通信端末装置を、本発明における個人用端末装置として利用することが可能である。
【0017】
また、「ゲーム機」は商業用のゲーム機に代表されるように、ユーザによるプレイ料金の支払いと引き換えに該ユーザにゲームのプレイを許可するものであれば足りる。なお、「商業用のゲーム機」とは、事業者がハードウエア及びソフトウエアの全部又は一部の譲渡又は貸与を受け、それらを有償でユーザに利用させることを前提として所定の施設に設置されたゲーム機を意味する。「施設」とは、商業用のゲーム機を稼動させる設備を備えた場所を意味し、施設それ自体が商業的、公共的、又は個人的のいずれであるかは問わない。特定端末装置がゲーム機の設置場所と「同一の場所」に存在するか否かは、ゲーム機にユーザを誘引する目的が達成可能な範囲に特定端末装置が存在するか否かの観点で判断することができる。例えば、ゲーム機を設置して運営する事業者が管理する区域内に特定端末装置が存在すれば、同一の場所にあるとみなすことができる。「特典」はゲームと関連付けられたものであれば足り、デジタルデータとしてユーザに提供されるか、物理的コンテンツとしてユーザに提供されるかは問わない。
【発明の効果】
【0018】
以上に説明したように、本発明のゲームシステムによれば、ユーザが個人用端末装置からサーバ装置にアクセスすることにより、ゲームに関連付けられた特典を獲得する権利がユーザに対して発生し、その権利に基づく特典が所定の留保を付した状態で発生する。しかし、その留保を解除して特典を獲得するためにはユーザがゲーム機の設置場所に出向いて特定端末装置を操作する必要がある。したがって、特典の獲得を目的の一つとして、ゲーム機の設置場所にユーザを誘引し、それによりゲーム機でゲームをプレイするモチベーションをユーザに付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を示す図。
【図2】第1の形態に係るゲームシステムの要部における機能ブロック図。
【図3A】第1の形態におけるアイテムの貸し借りの概念を説明するための図。
【図3B】図3Aに続く概念図。
【図3C】図3Bに続く概念図。
【図3D】図3Cに続く概念図。
【図4】プレイデータの構成の一例を示す図。
【図5】コミュニティデータの構成の一例を示す図。
【図6】アイテムの貸し出しを設定するためにユーザ端末及びセンターサーバの各制御ユニットが実行する処理を示すフローチャート。
【図7】アイテムの借り上げを設定するためにゲーム機及びセンターサーバの各制御ユニットが実行する処理を示すフローチャート。
【図8】借主のユーザが獲得した特典を貸主のユーザに分配するためにゲーム機及びセンターサーバの各制御ユニットが実行する処理を示すフローチャート。
【図9】アイテムの貸借関係を消滅させるためにゲーム機及びセンターサーバの各制御ユニットが実行する処理を示すフローチャート。
【図10】貸主のユーザに特典を獲得させるためにゲーム機及びセンターサーバの各制御ユニットが実行する処理を示すフローチャート。
【図11】ユーザ端末にてアイテムの貸借に関連した情報を表示させるためにユーザ端末及びセンターサーバの各制御ユニットが実行する処理を示すフローチャート。
【図12】第2の形態に係るゲームシステムの要部における機能ブロック図。
【図13】ベンダデータに含まれる確率データの一例を示す図。
【図14】ベンダデータに含まれる景品データの一例を示す図。
【図15A】第2の形態における景品の獲得の概念を説明するための図。
【図15B】図15Aに続く概念図。
【図15C】図15Bに続く概念図。
【図15D】図15Cに続く概念図。
【図16】ユーザを抽選イベントに参加させるためにユーザ端末及びセンターサーバの各制御ユニットが実行する処理を示すフローチャート。
【図17】ユーザのホルダにおける景品の収容個数を拡張するためにユーザ端末及びセンターサーバの各制御ユニットが実行する処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の形態)
以下、本発明の第1の形態に係るゲームシステムを説明する。本形態は、貸主としてのユーザが、自らの所有に係るアイテムを借主としての他のユーザに貸し出し、その貸し出し中に借主のユーザがゲームをプレイして獲得した特典の少なくとも一部を貸主のユーザがゲーム機を操作することによって獲得する例である。まず、図1を参照して、ゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、複数のゲーム機2とセンターサーバ3とを含む。各ゲーム機2は、店舗4等の施設に設置され、プレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。各店舗4には適宜数のゲーム機2が設置される。図1では、ゲーム機2を区別せずに描いているが、ゲーム機2で実行されるゲームの内容は適宜に選択されてよい。ゲーム機2間でゲームが相違していてもよい。ゲーム機2は、特定のゲームに適合する物理的構成(例えば操作部等)を備えた専用機として構成されてもよいし、ソフトウエアの書き換えにより種々のゲームをプレイさせることが可能な汎用機として構成されてもよい。センターサーバ3は、複数のサーバユニット3A、3B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ3が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ3が構成されてもよい。
【0021】
ゲーム機2及びセンターサーバ3は、ネットワーク5を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク5は、WAN(ワイドエリアネットワーク)5Aと、店舗4毎に構築されてそれらのゲーム機2を収容するLAN(ローカルエリアネットワーク)5Bと、センターサーバ3のサーバユニット3A、3B…を収容してそれらのサーバユニット3A、3Bを相互に接続するLAN5Cとを含んでいる。WAN5Aには、一例として、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するインターネットが用いられる。LAN5B、5CもTCP/IPプロトコルを利用するイントラネットによって構築される。LAN5B、5Cはルータ6を介してWAN5Aに接続される。なお、ゲーム機2と店舗4のルータ6との間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機2がセンターサーバ3と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ3のサーバユニット3A、3B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより相互に接続される場合もある。
【0022】
店舗4のLAN5Bには、管理用PC(パーソナルコンピュータの略であり、以下同様とする。)7も接続される場合がある。管理用PC7は、店舗4の運営者(オペレータと呼ぶことがある。)がゲーム機2を管理し、あるいはセンターサーバ3にアクセスして各種の情報を送受信する目的で設けられる。また、ゲームシステム1においては、ユーザ端末8からセンターサーバ3へのネットワーク5を介したアクセスが可能とされる。ユーザ端末8は、例えばPC8a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)8bのように、ネットワーク接続が可能な個人用端末装置として機能するコンピュータ装置であれば適宜にこれを利用してよい。なお、本明細書において、ユーザとは、ゲーム機2のプレイヤとなり得る者である。ユーザがゲーム機2を操作するときに、当該ユーザを特にプレイヤと称することがある。また、センターサーバ3を運営してゲーム機2、あるいはユーザ端末8に向けた各種のサービスを提供する事業者をサービス事業者と呼ぶことがある。オペレータは、店舗4にてゲーム機2を運営する事業者であって、サービス事業者と概念的には区分される。
【0023】
ゲーム機2及びセンターサーバ3には、ネットワーク5上でそれらを識別するためのユニークなIPアドレスが付されている。ゲーム機2同士あるいはゲーム機2とセンターサーバ3との間の通信では、そのIPアドレスを利用して通信相手が特定される。WAN5Aがインターネットのように公開性のあるネットワークの場合には、各ルータ6にWAN5A上でユニークな固定アドレスが設定される。ゲーム機2には、その固定アドレスとの組み合わせによってネットワーク5上でゲーム機2を一意に識別するためのプライベートアドレスがIPアドレスとして設定される。この場合、ゲーム機2とセンターサーバ3との間、あるいはゲーム機2同士の間には仮想プライベートネットワーク(VPN)が構築され、そのVPN上で各ゲーム機2がプライベートアドレスを用いて一意に特定される。管理PC7に関しても同様である。ユーザ端末8にもネットワーク5上でユーザ端末8を一意に識別するためのユニークなIPアドレスが付与される。そのIPアドレスは、ネットワーク5への接続される毎に変化するいわゆる動的アドレスでもよいし、不変の固定アドレスであってもよい。以下では、ゲーム機2、センターサーバ3、管理PC7及びユーザ端末8をネットワーク5上で識別するための情報をアドレス情報と呼ぶ。ネットワーク5を介した通信では、特に断りのない限り、そのアドレス情報に基づいて通信すべき相手が特定されることを前提とする。ゲームシステム1では、上述したアドレス情報とは別に、店舗4のそれぞれに対して店舗4毎にユニークな店舗IDが設定され、ゲーム機2のそれぞれに対してゲーム機2毎にユニークな筐体IDが設定される。センターサーバ3は、通信相手のゲーム機2から店舗ID及び筐体IDを受け取ることにより、その通信相手のゲーム機2が所属する店舗4及びそのゲーム機2を一意に特定することができる。
【0024】
センターサーバ3は、ゲーム機2、ユーザ(プレイヤ)及びオペレータに対し、ネットワーク5を介して各種のサービスを提供する。例えば、センターサーバ3は、ゲーム機2又はそのプレイヤに対して各種のゲームサービスを提供する。ゲームサービスとしては、例えば、ゲーム機2からプレイヤの識別情報を受け取ってそのプレイヤを認証し、そのプレイヤのプレイデータをゲーム機2から受け取って保存し、あるいはゲーム機2に提供するサービス、ネットワーク5を介してゲーム機2のプログラムあるいはデータを更新するサービス、ネットワーク5を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングさせるサービス等がある。また、センターサーバ3は、ネットワーク5を介してアクセスするユーザ端末8に各種のWebサービスを提供する。Webサービスとしては、例えば、Webサイトを通じてゲームに関する各種の情報をユーザに提供するゲーム情報サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービスといったサービスがある。さらに、センターサーバ3は、ユーザに対して、ゲーム機2におけるゲームで使用することが可能な景品を抽選して販売するベンダサービスもWebサービスの一種として提供する。
【0025】
センターサーバ3には、ユーザに対して、有償サービスを提供する対価としての料金を課金してユーザからその料金を徴収する課金サービス機能も設けられている。課金サービスを実現するため、センターサーバ3上にはユーザ毎の仮想通貨の口座が設けられる。ユーザが現金やクレジットカード等の決済手段を利用してチャージ料金を支払うと、そのチャージ料金に相当する量の仮想通貨がそのユーザの口座にチャージされる。一方、ユーザが有償サービスを利用すると、そのユーザの口座から利用料金に相当する量の仮想通貨が消費される。
【0026】
ゲームシステム1では、ユーザに対して各種のサービスを利用させるために必要な構成要素として、各種のハードウエア及びソフトウエアが用意されている。それらの構成要素の少なくとも一部は、サービス事業者からオペレータに譲渡又は貸与される。一例として、ゲーム機2は、サービス事業者からオペレータに対して有償で譲渡される。一方、ゲーム機2で実行されるべきゲーム用のプログラムあるいはデータといったいわゆるコンテンツは、サービス事業者からオペレータに貸与(提供)される。
【0027】
オペレータは、ユーザがゲームをプレイする際に、その対価としてプレイ料金を徴収する。一方、サービス事業者は、コンテンツを貸与した対価として、ユーザが支払ったプレイ料金、言い換えれば、ユーザがゲームをプレイする際に消費した金銭的価値に応じた料金を、コンテンツの貸与の対価としてオペレータに課金する。つまり、ゲームシステム1では、ゲーム機2にてプレイヤが消費したプレイ料金を収益とし、その収益をゲーム機2が設置された店舗4のオペレータとサービス事業者との間で分配する仕組みが採用されている。そのような仕組みを実現するため、ゲーム機2には、コンテンツ毎のプレイ料金の消費実績を特定するために必要な情報をセンターサーバ3に適時に提供する機能が実装される。また、センターサーバ3には、ゲーム機2から提供された情報に基づいて、店舗4毎のプレイ料金の消費額を特定し、得られた消費額に対する所定率の料金をサービス事業者がオペレータに対して請求すべき利用料金として算出する機能が実装されている。そのような機能を設けることにより、プレイヤから徴収したプレイ料金をサービス事業者とオペレータとの間で分配することができる。
【0028】
次に、図2を参照して、ゲームシステム1のゲーム機2、センターサーバ3及びユーザ端末8に関する制御系の主要部の構成を説明する。まず、センターサーバ3から説明する。センターサーバ3には、制御ユニット20と、記憶装置21とが設けられている。制御ユニット20は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサにて実行されるべきオペレーティングシステム等のプログラムが記録されたROM、及びマイクロプロセッサに対する作業領域を提供するRAM等の内部記憶装置(不図示)とを備えたコンピュータユニットである。制御ユニット20には、キーボード等の入力装置と、モニタ等の出力装置とが接続されるが、それらの図示は省略した。記憶装置21は、制御ユニット20にて実行されるべきサーバプログラム及びそのプログラムが参照すべき各種のデータを記憶する。記憶装置21に記録されるデータについては後述する。
【0029】
制御ユニット20の内部には、ゲームサービス管理部22、Webサービス管理部23、及び口座管理部24が設けられる。各部22〜24は、いずれも制御ユニット20のコンピュータハードウエアと所定のソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。ゲームサービス管理部22は上述したゲームサービスに関連する処理を実行し、Webサービス管理部23は上述したWebサービスに関連する処理を実行する。口座管理部24は、ゲームサービス管理部22、又はWebサービス管理部23からの要求に従って、ユーザの口座からサービスの利用料金に相当する量の仮想通貨を消費させる処理を実行する。また、口座管理部24は、Webサービス管理部23からの要求に従って、ユーザの口座に仮想通貨をチャージする処理を実行する。なお、センターサーバ3には、上記の他にも、ゲーム機2から送られる消費実績に基づいてサービス事業者がオペレータに請求すべき利用料金を演算する機能等も実装されるが、その詳細は省略する。
【0030】
次に、ゲーム機2には、制御ユニット10と、記憶装置11とが設けられている。制御ユニット10は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置等の周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。記憶装置11は、例えばハードディスク記憶装置等、記憶保持が可能な記憶装置である。記憶装置11は、制御ユニット10にて実行されるべきゲーム機用プログラム及びそのプログラムが参照すべき各種のデータを記憶する。一例として、ゲームの実行時には、プレイヤに対応付けられたプレイデータ41がセンターサーバ3からゲーム機2に提供されて記憶装置11に記録される。プレイデータ41については後述する。
【0031】
その他にも、制御ユニット10には、公知のゲーム機と同様に入力操作装置、表示装置、音声再生装置、カードリーダ、コイン認証装置といった各種の入出力装置が設けられるが、それらの図示は省略した。なお、カードリーダは、プレイヤが所持するカード9の情報を読み取ってその情報に対応した信号を制御ユニット10に出力するために設けられる。カード9には、ICチップ、磁気ストライプといった不揮発性記憶媒体(不図示)が設けられており、その媒体にはカード9毎にユニークなID(以下、カードIDと呼ぶことがある。)等が記録されている。カードIDは、センターサーバ3上に保存されたプレイデータ41を呼び出すために利用される。センターサーバ3は、ユーザ毎にユニークなユーザIDを利用してユーザ(プレイヤ)を識別し、プレイデータ41もそのユーザIDと1対1に対応付けて記録されている。カードIDはユーザIDに対して1対1又は多対1で対応付けられている。センターサーバ3は、ID管理データ40を参照することにより、カードIDとユーザIDとの対応関係を判別してプレイヤのユーザIDを特定することができる。つまり、本形態においては、カードID及びユーザIDのいずれもがユーザの識別情報として機能する。なお、カードIDは、カード9にバーコード等の形態で記録されていてもよい。あるいは、カード9に代えて、携帯電話等に実装されたICチップ等の記憶媒体にカードIDが記録されてもよい。
【0032】
制御ユニット10の内部には、ゲームサービス処理部12が設けられる。ゲームサービス処理部12は、制御ユニット10のコンピュータハードウエアと所定のソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。ゲームサービス処理部12は、ゲーム機2におけるゲームの開始、進行、及び終了の管理、並びにプレイ料金の徴収といったゲームのプレイに関連した各種の処理を実行する。ゲームサービスの一部は、ゲームサービス処理部112とセンターサーバ3のゲームサービス管理部22とが協働することにより実現される。
【0033】
なお、プレイヤにプレイ料金相当の金銭的価値を消費させる方法としては、コインを媒介とする方法と、上述したセンターサーバ3の課金サービス機能を利用する方法とが選択可能とされている。前者の方法においては、プレイヤに対して有償で貸与されるコインをプレイヤがゲーム機2に投入すると、その投入枚数に応じた値の「クレジット」がプレイヤの保持する金銭的価値として計上される。一例として、100円硬貨が1枚投入された場合に1クレジットが計上される。プレイヤが1クレジットの消費をゲーム機2に対して指示すると、ゲーム機2では100円相当の金銭的価値が消費されたものと判断され、その消費量に対応した範囲におけるゲームのプレイが許可される。つまり、コインを媒介としてプレイ料金が支払われる場合、金銭的価値の消費量は1クレジットを単位として計数される。一方、後者の方法、すなわち仮想通貨を消費させる場合には、プレイヤによる金銭的価値の消費量は「クレジット」よりも小さい単位で計数される。仮想通貨の量(又は額)を計数する単位を「ポイント」とすれば、一例として1ポイントが1円と等価に設定されている。その場合、100円のプレイ料金が必要な場合、100ポイントの仮想通貨が消費される。1ポイントは1円に必ずしも対応させる必要はないが、1ポイント(つまり仮想通貨の消費単位)は1クレジットよりも一桁以上小さい金銭的価値に相当するように設定される。
【0034】
さらに、ユーザ端末8にもコンピュータユニットとしての制御ユニット30が設けられている。その制御ユニット30には、コンピュータハードウエアと所定のソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置として、Webサービス処理部31が設けられている。Webサービス処理部31は、センターサーバ3のWebサービス管理部23と協働してユーザにWebサービスを利用させるために必要な処理を実行する。例えば、Webサービス処理部31は、センターサーバ3のWebサービス管理部23と協働して、ユーザにコミュニティサービスを利用させるための端末装置としてユーザ端末8を動作させる。なお、コミュニティサービス機能は、SNS等の公知のコミュニケーションサービスを実現するためにWebサーバ及びユーザ端末のそれぞれに実装されるソフトウエアを利用して実現すればよい。そのコミュニティサービスでは、所定の手順によりユーザ間に仲間の関係を設定することが可能である。「仲間」は、ユーザ間に所定の結び付きが存在することを示す概念として使用される用語である。
【0035】
次に、図3A〜図3Dを参照してゲームシステム1におけるアイテムの貸し借りの概念を説明する。なお、以下の説明では、ゲーム2機において、プレイヤがパーティを編成し、そのパーティを率いて他のプレイヤと対戦し、あるいはゲーム機2から提示される課題に挑むタイプのゲームが実行されるものとする。パーティは、ゲームで使用可能な複数のアイテムの組み合わせを意味する。アイテムは、ゲームに登場するキャラクタ、あるいはキャラクラがゲームで使用する道具、装備、武器、あるいはキャラクタや道具等と交換可能なチケットといった、ゲーム上でプレイヤが使用可能でかつその使用がゲームに何らかの影響を与えるゲーム要素であればよい。アイテムがゲームに与える影響はアイテム毎に異なる。例えば、アイテムがカードであり、パーティが複数枚のカードを組み合わせたデッキであり、プレイヤがデッキから適宜にカードを繰り出して対戦を進めるようにゲームが構成されているとした場合、各カードの使用がゲームの対戦に与える影響がカード毎に差別化されている。なお、アイテムとして、キャラクタが用意される場合、そのキャラクタはユーザの分身として設定されるキャラクタであってもよいし、ユーザが自らの所有物として獲得してゲーム上で適宜に利用することが可能なキャラクタであってもよい。また、アイテムの貸主となるユーザをユーザAと、アイテムの借主となるユーザをユーザBと呼ぶ。ユーザBは、店舗4に出向いてゲーム機2でゲームをプレイする状態にある。
【0036】
まず、図3Aに示すように、ユーザAは、自らが所有するアイテム100の少なくとも一部に関して貸し出しを設定することができる。貸し出し設定は、ユーザ端末8から行われる。ユーザAと仲間関係、つまり、センターサーバ3が提供するコミュニティサービスにおいてユーザAに対する仲間の関係が設定されたユーザBは、そのユーザAが貸し出し設定したアイテム100を借り受けて自らのパーティBに加えることができる。パーティBの編成及びそのパーティBへのアイテム100の参加は、ゲーム機2でユーザBがゲームを開始する際に行われる。ユーザAが貸し出したアイテム100がユーザBに借り上げられてパーティBに加えられることにより、ユーザA、B間に貸借関係が成立する。図3Bに示すように、ユーザBがゲームをプレイして所定の成績を挙げると、それに対する特典101がユーザBに付与される。図3Bでは、特典101にアイテム100が含まれている。ユーザBが獲得した特典101は、所定の条件に従ってアイテム100の貸主であるユーザAに分配される。図3Bの例ではユーザBが獲得したアイテム100の一つが分配される。ただし、分配段階では、特典101のアイテム100がユーザAの所有アイテムに加えられることなく、ユーザAに対応付けて用意されたホルダに収容される。
【0037】
ホルダに収容されたアイテム100に関しては、そのままではユーザAがゲームで使用することはできない。図3Cに示すように、ユーザAが貸与したアイテム100は、所定の時間が経過するとユーザBのパーティBから脱退する。つまり、アイテム100の貸借関係には有効期限が設定され、その有効期限が経過すると貸借関係が消滅する。ユーザAがアイテム100を再度貸し出すためにはユーザAがユーザ端末8からセンターサーバ3にアクセスする必要がある。ただし、ここでいう時間は、実時間でもよいし、ゲーム上の時間でもよい。さらには、時間に比例して変化する体力、効力その他の時間と等価なパラメータにより時間が表現されてもよい。また、図3Dに示すように、ユーザAがホルダに収容されたアイテム100を自らの所有アイテムとして獲得するためには、ユーザAがゲーム機2でゲームをプレイする必要がある。つまり、ユーザAがゲーム機2でゲームをプレイする際に、ホルダ内のアイテム100を獲得する機会が与えられ、ユーザAが獲得を要求するとホルダ内のアイテムがユーザAの所有アイテムに加えられる。その後は、新たに獲得したアイテム100をユーザAがゲームで使用することが可能となる。なお、特典101はアイテム100に限らない。ゲームの達成状態に応じてユーザに付与される経験値といったパラメータの加算値等が特典として与えられてもよい。その場合でも、特典101として与えられた加算値を貸主のユーザAが獲得するためには、ゲーム機2でゲームをプレイすることが必要となる。
【0038】
次に、センターサーバ3の記憶装置21に記録されているデータの詳細を説明する。図2に示したように、センターサーバ3の記憶装置21には、ID管理データ40、プレイデータ41の群、コミュニティデータ42の群、及び口座データ43の群が記録されている。ID管理データID40は、ゲームシステム1で使用される各種のIDの対応関係を記述したデータである。例えば、上述したカードIDとユーザIDとの対応関係がID管理データ40に記録される。センターサーバ3が提供するコミュニティサービスにおいては、ユーザIDとは異なるコミュニティIDが設定される。そのコミュニティIDとユーザIDとの対応関係もID管理データ40に記録される。また、口座データ43は、ユーザIDとそのユーザが保有する仮想通貨の量(残高)とを対応付けて記録したデータである。
【0039】
プレイデータ41は、ユーザID毎に、かつゲームの種別毎に作成され、それらの集合がプレイデータ41の群である。いずれかのゲーム機2でプレイヤがゲームをプレイする際には、そのプレイヤがゲーム機2に認識させたカードIDがセンターサーバ3に提供され、そのカードIDに関連付けられたユーザIDに対応するプレイデータ41であって、かつ当該ゲーム機2のゲーム種別に対応するプレイデータ41がセンターサーバ3からゲーム機2に提供されて当該ゲーム機2の記憶装置11に記憶される。プレイデータ41の一例を図4に示す。図4のプレイデータ41には、プレイヤのプレイログ、ステータス、パーティ情報、ホルダ情報等がユーザIDと対応付けて記録されている。
【0040】
プレイログは、ユーザの過去のプレイ回数、対戦成績といったユーザの過去のプレイ内容を記録した情報である。ステータスは、ユーザのゲーム上の状況を記録した情報である。例えば、ユーザがゲームを繰り返しプレイすることよって獲得したスキルや強さの指標を示すランク、ユーザが過去のプレイで獲得した経験値、ユーザが所有するアイテム等を特定する情報がステータスとして記録される。アイテムの情報には、アイテム毎にユニークなアイテムコードとともに、アイテムの貸借状況を判別するための情報群が含まれる。その情報群には、アイテムが貸し出し設定されているか否かを判別するための貸し出し設定情報、貸し出されている場合の有効期限までの残り時間情報、アイテムが借り上げられているか否かを判別するための借り上げ設定情報、及びアイテムが借り上げられている場合の借主を特定する情報(借主のユーザID)等が含まれている。パーティ情報は、ユーザが編成したパーティの構成を判別するための情報である。図示の例では、ユーザが自ら所有するアイテムとユーザが仲間のユーザから借り上げたアイテムとがパーティに含まれている状態が示されている。借り上げたアイテムがパーティに含まれている場合、そのパーティの情報には、借り上げたアイテムのアイテムコード、貸主を特定する情報(貸主のユーザID)、及びそのアイテムの借り上げの有効期限に対する残り時間の情報が含まれる。ただし、借り上げたアイテムに関する情報は、プレイデータ41がゲーム機2の記憶装置11に記録されている時に書き込まれる。プレイデータ41がセンターサーバ3の記憶装置21に保存される際には借り上げアイテムの情報は削除される。ホルダの情報は、上述したようにユーザがアイテムを貸し出したことによってそのユーザに分配された特典の内容を特定する情報である。
【0041】
図2に示したコミュニティデータ42は、ユーザがコミュニティサービスを利用する際に参照されるべき各種の情報を記録したデータであって、コミュニティID毎に作成される。それらのデータの集合がコミュニティデータ42の群である。コミュニティデータ42の一例を図5に示す。図5の例において、コミュニティデータ42には、ユーザが仲間に対して発信し、あるいは仲間から受信したコメントを記録したコメントデータ、ユーザが参加する仲間を特定する仲間IDがユーザのコミュニティIDと対応付けて記録される。仲間IDはユーザが仲間の関係を設定した他のユーザのコミュニティIDである。仲間の人数には適宜の上限数が設定される。仲間の関係を設定する手順は、一般的なコミュニティサービスのそれと同様に、ユーザ端末8からセンターサーバ3にアクセスして他のユーザに仲間としての招待を送信し、送信相手の了解が得られた場合に、それぞれのユーザの仲間IDに相手のコミュニティIDを記録するといった処理を行えばよく、その詳細な説明は省略する。ただし、仲間の関係の設定はネットワーク5を介したオンライン処理に限らず、オフラインで申請され、センターサーバ3の運営者が適当な時期にコミュニティデータ42にその申請内容を記述してもよい。
【0042】
上述した各データは、記憶装置11、21に記録されるデータの一例に過ぎない。記憶装置11、21には、図示のデータ以外にもゲームの実行やプレイ料金等の徴収、オペレータとサービス事業者との間における収益の分配といった処理に必要な各種のデータが記録されるが、それらの説明は省略する。
【0043】
次に、図6〜図11を参照して、アイテムの貸し借りに関連して実行される各種の処理を説明する。図6は、貸主のユーザにアイテムの貸し出しを設定させるために、ユーザ端末8の制御ユニット30とセンターサーバ3の制御ユニット20とが実行する処理を示している。ただし、図6の処理の実行主体は、具体的には制御ユニット30のWebサービス処理部31及び制御ユニット20のWebサービス管理部23である。また、以下の処理に先立って、貸主のユーザがユーザ端末8を介してセンターサーバ3にアクセスし、ユーザID及びパスワードを送信することにより、センターサーバ3がユーザを認証するWebログイン処理が完了しているものとする。また、センターサーバ3上では、複数の種別のゲームに対応するプレイデータ41の群が管理されているが、以下の処理は、同一種別のゲームを対象として実行されるものとする。ゲーム機2で実行されるべきゲームの種別は、例えばゲームを特定する情報を店舗IDや筐体IDに対応付けてセンターサーバ3で管理すればよい。ユーザ端末8からのアクセスに関しては、ユーザがユーザ端末8上でゲーム種別を選択させるか、又は、ゲーム種別に応じてユーザがアクセスすべきURLを変更することより、処理対象のゲーム種別を特定すればよい。
【0044】
まず、貸主のユーザがユーザ端末8に対してアイテムの貸し出し設定を指示すると、ユーザ端末8の制御ユニット30は図6の貸し出し設定処理を開始する。その貸し出し設定処理において、制御ユニット30はまずセンターサーバ3に対してアイテムリストの送信を要求する(ステップS11)。これを受けてセンターサーバ3の制御ユニット20も図6の貸し出し設定処理を開始し、貸主のユーザが所有するアイテムのリストを作成する(ステップS31)。この処理では、貸主のユーザのプレイデータ41をWebログイン処理で取得したユーザIDに基づいて抽出し、そのプレイデータ41のステータスに記録されている全てのアイテムのリストを作成すればよい。続いて、制御ユニット20は、作成したアイテムリストをユーザ端末8に提供する(ステップS32)。ユーザ端末8の制御ユニット30は、センターサーバ3からアイテムリストを取得し(ステップS12)、そのリストに含まれているアイテムから貸し出し対象とするアイテムを選択させる(ステップS13)。続いて、制御ユニット30は、ユーザが貸し出し対象のアイテムを選択したか否かを判別し(ステップS14)、選択があった場合にはその選択されたアイテムを貸し出し設定するようにセンターサーバ3に要求する(ステップS15)。一方、制御ユニット30は、ステップS14でユーザによる選択が行われなかった場合、センターサーバ3に対して貸し出し設定のキャンセルを通知する(ステップS16)。
【0045】
センターサーバ3の制御ユニット20は、アイテムリストの提供後、ユーザ端末8からの応答を待ち、ステップS15でユーザ端末8から貸し出し設定が要求され、又はステップS16でキャンセルが通知されると、それに応答して貸し出し設定が要求されたか否かを判別する(ステップS33)。貸し出し設定が要求された場合、制御ユニット20は、ユーザ端末8からの要求に従って、貸し出し対象として選択されたアイテムに対して貸し出しが設定されるようにユーザのプレイデータ41を更新する(ステップS34)。例えば、貸し出し設定がされていることを示すフラグをプレイデータ41の所有アイテム情報にセットすればよい。続いて、制御ユニット20は、貸し出し設定処理が完了したことをユーザ端末8に通知し(ステップS35)、その後、図6の貸し出し設定処理を終える。なお、ユーザ端末8からキャンセルが通知された場合、制御ユニット20はステップS33で貸し出し設定がなかったと判断し、ステップS34及びS35の処理をスキップして貸し出し設定処理を終える。
【0046】
ユーザ端末8の制御ユニット30は、貸し出し設定の要求後、センターサーバ3からの設定完了通知を待ち、これが通知されると、それを取得し(ステップS17)、ユーザに対して設定完了を通知する(ステップS18)。その後、制御ユニット30は図6の貸し出し設定処理を終える。なお、制御ユニット30は、ステップS16でキャンセルを通知した場合、ステップS15、S17及び18をスキップして貸し出し設定処理を終える。以上の処理により、ユーザ端末8を介したユーザの指示に応じてそのユーザが所有するアイテムが貸し出し設定される。
【0047】
図7は、借主のユーザがゲーム機2上でパーティを編成する際に、ゲーム機2の制御ユニット10とセンターサーバ3の制御ユニット20とが実行する処理を示している。ただし、図7の処理の実行主体は、具体的には制御ユニット10のゲームサービス処理部12及び制御ユニット20のゲームサービス管理部22である。また、以下の処理に先立って、ゲーム機2が借主のユーザの所有に係るカード9のカードIDを読み取ってセンターサーバ3にこれを送信し、センターサーバ3がカードIDに対応するユーザIDを判別してそのユーザIDに対応するプレイデータ41をゲーム機2に提供するゲーム機ログイン処理が完了しているものとする。ログイン処理では、ユーザIDに対応するコミュニティデータ42に記録された仲間のユーザIDも併せてゲーム機2に提供され、記憶装置11に記録される。
【0048】
まず、ゲーム機2において、借主となるべきユーザがパーティ編成を要求すると、ゲーム機2の制御ユニット10は図7のパーティ編成処理を開始し、センターサーバ3に対して貸し出し情報の提供を要求する(ステップS51)。このとき、ゲーム機2は、貸し出し情報を要求するユーザのユーザID及びそのユーザIDに対応付けられた仲間のユーザIDをセンターサーバ3に提供する。貸し出し情報の要求を受けて、センターサーバ3の制御ユニット20は図7の賃借設定処理を開始し、ゲーム機2から送られた仲間のユーザIDを参照して、ゲーム機2のユーザの仲間を判別し、その仲間のプレイデータ41を検索する(ステップS72)。続いて、制御ユニット20は、抽出された仲間のプレイデータ41を参照して、仲間のユーザが貸し出し設定をしているアイテムとそのアイテムの貸主を特定する情報(一例として、貸主のユーザIDとそのユーザIDに対応付けて登録されている名前、ニックネームなど)のリストを貸し出し情報として作成し、これをゲーム機2に提供する(ステップS73)。
【0049】
貸し出し情報がセンターサーバ3から提供されると、ゲーム機2の制御ユニット10は貸し出し情報を取得し(ステップS52)、その貸し出し情報を参照しつつパーティに加えるべきアイテムの選択候補をユーザに提示する(ステップS53)。このとき、記憶装置11に既にパーティ情報が記録されている場合には、そのパーティを提示し、ゲーム機2のユーザが所有するアイテムであってかつパーティに含まれていないアイテム、及び貸し出し情報に含まれている貸し出し設定されたアイテムをユーザに提示して、パーティ編成の追加、変更、修正をユーザに操作させてもよい。あるいは、ユーザが所有する全てのアイテムと、貸し出し設定されたアイテムとを表示して、それらのアイテムの中からパーティに加えるべきアイテムをユーザに選択させてもよい。いずれの場合でも、貸し出し設定されたアイテムに関しては、ユーザが自ら所有するアイテムと区別できるようにしてユーザに提示されることが望ましい。
【0050】
続いて、ゲーム機2の制御ユニット10は、ユーザからの指示に基づいてパーティを構成すべき全てのアイテムを確定し、それらのアイテムを識別する情報を記憶装置11のプレイデータ41にパーティ情報として登録する(ステップS54)。その後、制御ユニット10は、ユーザが編成したパーティに、借り上げたアイテムが含まれているか否かを判別し(ステップS55)、含まれているときはセンターサーバ3に借り上げを通知する(ステップS56)。この場合、借り上げたアイテム及びそのアイテムの貸主を特定する情報(貸主のユーザID)とが制御ユニット10からセンターサーバ3の通知される。一方、ユーザが編成したパーティに借り上げたアイテムが含まれていない場合、制御ユニット10は、借り上げのキャンセルをセンターサーバ3に通知する(ステップS57)。ステップS56又はS57の通知後、制御ユニット10は図7のパーティ編成処理を終える。
【0051】
センターサーバ3の制御ユニット20は、ステップS73で貸し出し情報を提供した後、ゲーム機2からの応答を待ち、ステップS56又はS57による通知を受け取ると、アイテムの借り上げがあったか否かを判別する(ステップS74)。借り上げがあった場合、制御ユニット20は、貸主のプレイデータ41を特定し、借り上げられたアイテムに関して、借り上げ設定がなされたことを記録し、かつ借主のユーザIDを記録する(ステップS75)。その後、制御ユニット20は図7の貸借設定処理を終える。ステップS74で借り上げがないと判断された場合、制御ユニット20はステップS75をスキップして貸借処理を終える。以上の処理により、貸主のユーザが貸し出し設定したアイテムが借主のユーザのパーティに加えられた場合に貸借関係が成立してそれに対応した情報が貸主及び借主のそれぞれのプレイデータ41に記録される(図3Aの状態)。
【0052】
図8は、ユーザがゲーム機2でゲームをプレイして特典を獲得した場合にゲーム機2の制御ユニット10とセンターサーバ3の制御ユニット20とが行う処理を示している。ただし、図8の処理の実行主体は、具体的には制御ユニット10のゲームサービス処理部12と制御ユニット20のゲームサービス管理部22である。ゲーム機2のプレイヤ(アイテムの借り上げがある場合には借主のユーザに相当する。)が特典を獲得すると、ゲーム2機の制御ユニット10は図8の特典管理処理を開始し、まずその特典が分配対象の特典か否かを判別する(ステップS101)。例えば、ユーザ間にアイテムの貸借関係が存在する場合であって、分配可能な特典の種類に制限が設定されている場合には、特典の種類に応じて分配が可能か否かを判別する情報を特典の種類に応じて予め設定し、その情報に基づいて分配対象の特典か否かを判断すればよい。ただし、借主のユーザが獲得した全ての特典を貸主のユーザにも分配する場合にはステップS101の処理が省略される。
【0053】
ステップS101で分配対象と判断した場合、制御ユニット10はゲーム2機のプレイヤのパーティに借り上げたアイテムが含まれているか否かを判別する(ステップS102)。その判断は、記憶装置11のプレイデータ41に保持されたパーティ情報を参照して行えばよい。借り上げたアイテムが存在する場合、制御ユニット10は分配情報作成し、これをセンターサーバ3に提供する(ステップS103)。分配情報は、借主のユーザに対して分配すべき特典の内容を示す情報である。例えば、借主のユーザが獲得した特典と同一の特典が貸主のユーザにも分配されるように分配情報が作成される。借主のユーザが獲得した特典の一部のみが貸主のユーザに分配されるように分配情報が作成されてもよい。分配情報には、貸主のユーザを特定する情報(ユーザID)も含まれる。分配情報の提供後、制御ユニット10はゲーム機2の記憶装置11に記録されているプレイデータ41を、自機のプレイヤが獲得した特典が反映されるように更新する(ステップS104)。例えば、プレイヤが特定のアイテムを獲得した場合、そのアイテムが所有アイテムに追加されるようにプレイデータ41が更新される。その後、制御ユニット10は、プレイデータ41の更新内容をセンターサーバ3に通知し、その更新内容が、プレイヤのユーザIDに対応するプレイデータ41にも反映されるようにプレイデータ41の更新を要求する(ステップS105)。更新の要求後、制御ユニット10は図8の特典管理処理を終える。なお、プレイヤが獲得した特典がステップS101で分配対象ではないと判断された場合、制御ユニット10はステップS102、S103の処理をスキップしてステップS104へ進む。
【0054】
一方、センターサーバ3の制御ユニット20は、ゲーム機2から分配情報が提供されると図8の特典分配処理を開始し、まず分配情報に基づいて貸主のユーザIDを判別し(ステップS121)、続いてその貸主のユーザIDに対応するプレイデータ41のホルダ情報に、分配された特典の内容が記録されるようにホルダ情報を更新する(ステップS122)。その後、センターサーバ3は特典分配処理を終える。この処理により、貸主のユーザのプレイデータ41のホルダ情報には、借主のユーザがゲームで獲得した特典の少なくとも一部が収容される(図3Bの状態)。また、ステップS105によってゲーム機2の制御ユニット10からプレイヤのプレイデータ41の更新が要求された場合、センターサーバ3はプレイデータ更新処理を実行し、ゲーム機2のプレイヤに対応するプレイデータ41を、新たな特典の獲得が反映されるように更新し(ステップS123)、その後、プレイデータ更新処理を終える。
【0055】
図9は、ユーザ間にアイテムの貸借関係が存在する場合、その貸借関係をアイテム毎の有効期限の経過に伴って解消させるために、ゲーム機2の制御ユニット10とセンターサーバ3の制御ユニット20とが実行する処理を示している。ただし、図9の処理の実行主体は、具体的には制御ユニット10のゲームサービス処理部12と制御ユニット20のゲームサービス管理部22である。まず、ゲーム機2の制御ユニット10は、ゲームの実行中、所定の周期で図9の借り上げ管理処理を実行する(ただし、貸借関係が存在している場合に限る。)。借り上げ管理処理が開始されると、制御ユニット10は、まず、記憶装置11のプレイデータ41に記録されている借り上げアイテムの残り時間を、借り上げ管理処理の実行周期に相当する時間だけ減算する(ステップS141)。なお、残り時間はゲーム機2の画面上に表示される等の手段によりゲーム機2のプレイヤに適宜に通知されてもよい。
【0056】
続いて、制御ユニット10は、減算後の残り時間をセンターサーバ3に通知する(ステップS142)。この時の通知には、借り上げられているアイテムとその貸主を特定する情報(貸主のユーザID)が含まれる。センターサーバ3の制御ユニット20は、残り時間の通知を受けると図9の貸し出し管理処理を開始し、まずゲーム機2からの通知に基づいて貸主のユーザIDを判別し(ステップS161)、続いて、ゲーム機2から通知されたアイテムに関して、貸主のプレイデータ41に記録されている残り時間の情報を、ゲーム機2から通知された残り時間で更新する(ステップS163)。
【0057】
一方、ゲーム機2の制御ユニット10は、残り時間の通知後に、借り上げているアイテムがタイプアップか否か、つまり借り上げているアイテムの有効期限が経過したか否かを、その残り時間に基づいて判別する(ステップS143)。残り時間がゼロ以下であればタイムアップである。タイムアップでなかった場合、制御ユニット10は、アイテムの借り上げを終了させるべきか否かを判別する(ステップS144)。例えば、残り時間がゼロよりも大きい場合でも、借主のユーザがゲームのプレイの終了を指示したといったように、借り上げを終了させるべき事情が存在する場合には借り上げ終了と判断される。借り上げ終了と判断された場合、制御ユニット10はセンターサーバ3に借り上げ終了を通知する(ステップS145)。この通知には、借り上げ終了と判断されたアイテム及びその貸主を特定する情報(ユーザID)が含まれる。その後、制御ユニット10は、借り上げられているアイテムがゲーム機2のプレイヤのパーティから削除されるように、記憶装置11のプレイデータ41におけるパーティ情報を更新する(ステップS146)。ステップS143でタイプアップと判断された場合、制御ユニット10はステップS144及びS145をスキップしてステップS146に進む。ステップS146でパーティからアイテムを削除した後、制御ユニット10は図9の借り上げ管理処理を終える。ステップS144で借り上げ終了ではないと判断された場合、制御ユニット10はステップS144からステップS146をスキップして借り上げ管理処理を終える。
【0058】
一方、センターサーバ3の制御ユニット20は、ステップS163でアイテムの残り時間の情報を更新した後、そのアイテムがタイプアップか否か、つまり、更新後の残り時間がゼロ以下か否かを判別する(ステップS163)。タイムアップの場合、制御ユニット20は、貸し出されていたアイテムの貸し出し設定が解除されるように貸主のプレイデータ41を更新する(ステップS164)。また、ステップS163でタイムアップと判断されなかった場合、制御ユニット20はゲーム機2から借り上げ終了が通知されたか否かを判別する(ステップS165)。ステップS164で貸し出し設定が解除された場合、又はステップS165で借り上げ終了と判断された場合、制御ユニット20は、貸し出されていたアイテムの借り上げ設定が解除されるように、貸主のプレイデータ41を更新する(ステップS166)。その後、制御ユニット20は図9の貸し出し管理処理を終える。ステップS165で借り上げ終了と判断されなかった場合、制御ユニット20はステップS166をスキップして貸し出し管理処理を終える。以上の処理により、ゲーム機2のプレイヤが他のユーザからアイテムを借り上げてパーティに参加させた場合、ゲーム上での経過時間に応じて、借り上げたアイテムの残り時間が減少し、借り上げの有効期限が経過するとそのアイテムがパーティから脱退し、そのアイテムは貸主のユーザが再度ユーザ端末8から貸し出し設定をしない限り、他人に貸し出すことができない(図3Cの状態)。なお、残り時間がゼロより大きい状態で借り上げが終了した場合には、貸主のプレイデータ41に貸し出し設定が維持され、残り時間も借り上げ終了時の値が保存される。したがって、当該アイテムに関しては、仲間のユーザが残り時間だけ借り上げることができる。
【0059】
図10は、貸主のユーザに分配された特典をそのユーザが獲得するために、ゲーム機2の制御ユニット10とセンターサーバ3の制御ユニット20とが実行する処理を示している。ただし、図10の処理の実行主体は、具体的には制御ユニット10のゲームサービス処理部12及び制御ユニット20のゲームサービス管理部22である。また、以下の処理は、貸主のユーザが店舗4に出向いてゲーム機2を操作することにより、ゲーム機ログイン処理を完了させた状態で行われる。一例として、ゲーム機ログイン処理が完了したならば、それに続けて図10の処理が行われる。
【0060】
まず、ゲーム機2のプレイヤ(この場合は貸主であったユーザ)が、アイテムの貸し出しに対応して分配された特典の獲得をゲーム機2に要求すると、制御ユニット10は図10の特典獲得処理を開始し、まず、ゲーム機ログイン処理によって記憶装置11に書き込まれたプレイデータ41のホルダ情報を取得する(ステップS181)。続いて、制御ユニット10はホルダ情報に記録されている特典の獲得を希望するか否かをプレイヤに選択させる(ステップS182)。特典の獲得が選択されない場合、制御ユニット10は今回の特典獲得処理を終える。一方、ステップS182で特典の獲得が選択された場合、制御ユニット10は、ホルダ情報に記録されている特典が、プレイヤのステータスにおける所有アイテムや経験値に反映され、ホルダ情報が削除されるように記憶装置11のプレイデータ41を更新する(ステップS183)。これにより、プレイヤがホルダの特典を獲得し、以降のゲームでその特典を使用できるようになる(図3Dの状態)。続いて、制御ユニット10は、ステップS183の更新内容がセンターサーバ3の記憶装置21に保持されたプレイデータ41にも反映されるように、センターサーバ3に更新内容を通知する(ステップS184)。その後、制御ユニット10はセンターサーバ3から更新完了が通知されるまで待機する(ステップS185)。
【0061】
一方、センターサーバ3の制御ユニット20は、ゲーム機2からプレイデータ41の更新が通知されると、図10の特典登録処理を開始し、まずプレイヤのユーザIDに対応するプレイデータ41を、ゲーム機2から通知された更新内容が反映されるように更新する(ステップS191)。続いて制御ユニット20は更新完了をゲーム機2に通知し(ステップS192)、通知後は特典登録処理を終える。ゲーム機2の制御ユニット10はセンターサーバ3から更新完了が通知されると、プレイヤに特典を獲得する様子をプレイヤに対して表示し(ステップS186)、その後、特典獲得処理を終える。
【0062】
図11は、貸主のユーザに対してユーザ端末8上でアイテムの貸借に関連した情報を閲覧させるために、ユーザ端末8の制御ユニット30とセンターサーバ3の制御ユニット20とが実行する処理を示している。ただし、図11の処理の実行主体は、具体的には制御ユニット30のWebサービス処理部31及び制御ユニット20のWebサービス管理部23である。また、以下の処理に先立って、貸主のユーザがユーザ端末8を介してセンターサーバ3にアクセスし、ユーザID及びパスワードを送信することにより、センターサーバ3がユーザを認証するWebログイン処理が完了しているものとする。
【0063】
まず、貸主のユーザがユーザ端末8に対して情報閲覧を指示すると、ユーザ端末8の制御ユニット30は図11の情報閲覧処理を開始する。その情報閲覧処理において、制御ユニット30はまずセンターサーバ3に対して情報閲覧を要求する(ステップS201)。これを受けてセンターサーバ3の制御ユニット20も図11の閲覧情報提供処理を開始し、貸主のユーザに対応するプレイデータ41を、Webログイン処理で取得したユーザIDに基づいて抽出する(ステップS211)。続いて、制御ユニット20は、抽出されたプレイデータ41から、アイテムの貸借に関連した情報としてユーザの閲覧に供すべき閲覧情報を取得する(ステップS212)。この場合に取得されるべき情報としては、プレイデータ41のホルダ情報、及びプレイデータ41にて貸し出し設定されているアイテム及びその残り時間、借り上げ設定されているアイテム及びその借主をそれぞれ特定する情報が含まれる。それらの情報は、いずれもプレイデータ41のステータスに含まれている情報である(図4参照)。その後、制御ユニット20は、ステップS212で取得した閲覧情報をゲーム機2に提供する(ステップS213)。以上により、制御ユニット20は閲覧情報提供処理を終える。
【0064】
ユーザ端末8の制御ユニット30は、センターサーバ3から閲覧情報を取得し(ステップS202)、その閲覧情報をユーザ端末8上で表示する(ステップS203)。例えば、ホルダに収容されかつ未獲得の特典の状況、ユーザが貸し出し設定したアイテム、その残り時間、現在借り上げられているアイテム及びその借主が閲覧情報として貸主のユーザに表示される。閲覧情報が表示された後、制御ユニット30は図11の情報閲覧処理を終える。閲覧情報がユーザに表示されることにより、貸主のユーザは、自らがアイテムを貸し出したことによって分配された特典を把握することができる。したがって、その特典の獲得を目的の一つとして、店舗4に出向いてゲーム機2のゲームをプレイするモチベーションをユーザに付与することができる。また、有効期限が経過するとアイテムの貸し出し設定が自動的に解除されるので、ユーザは貸し出し設定がなされているか否かの確認を目的として、ユーザがユーザ端末8からセンターサーバ3に適時アクセスするようになる。あるいは、貸し出しによってどのような特典が分配されたか、を知ることを目的の一つとしてユーザがユーザ端末8からセンターサーバ3にアクセスするようになる。これにより、Webサービスの利用頻度を向上させ、ユーザ端末8に提供したい情報をWeb上でタイムリーに告知できるといった利点も得られる。
【0065】
第1の形態では、図6の処理によって貸主のユーザのアイテムに貸し出しが設定され、図7の処理により借主のユーザのパーティにアイテムが借り上げられることにより、貸主のユーザに対して、ゲームに関連付けられた特典を獲得する権利が発生する。したがって、各制御ユニット10、20、30は、図6及び図7の処理を実行することにより本発明の権利発生手段として機能する。また、図8の特典管理処理及び特典分配処理により、借主のユーザが獲得した特典の少なくとも一部が貸主のユーザのホルダに収容されることにより、貸主のユーザの権利に基づく特典が発生する。したがって、制御ユニット10、20は図8の特典管理処理及び特典分配処理をそれぞれ実行することにより、本発明の特典発生手段として機能する。この場合、借主のユーザが、貸主のユーザに分配可能な特典をゲームにて獲得するための条件が特典発生条件に相当する。さらに、ゲーム機2は本発明における特定端末装置として兼用され、そのゲーム機2の制御ユニット10が図10の特典獲得処理を実行することにより、本発明の特典獲得制御手段として機能する。
【0066】
また、ゲーム機2の制御ユニット10が図10のステップS141〜S143、S146の処理を実行し、センターサーバ3の制御ユニット20が図10のステップS161〜S164の処理を実行して有効期限が経過したアイテムの貸借関係を消滅させることにより、それらの制御ユニット10、20が本発明の消滅制御手段として機能する。さらに、センターサーバ3の制御ユニット20及びユーザ端末8の制御ユニット30が図11の処理を実行することにより、本発明の情報通知手段として機能する。
【0067】
なお、第1の形態において、ホルダに収容された特典に有効期限が設定され、その有効期限が経過するまでにユーザがゲーム機2を操作して特典を獲得しなかった場合、ホルダ内の特典を消滅させてもよい。ホルダに収容可能な特典の個数に上限数が設定され、その上限数に達した後は、過去に分配された特典を削除しない限り、新たな特典をホルダに収容できないようにしてもよい。さらに、ホルダに収容可能な特典の個数に制限を設定し、ユーザが所定の料金を支払った場合に、その上限数を増加させてもよい。アイテムの貸し出し可能な個数に関しても上限数の制限が設定されてもよい。アイテムの貸し出し設定やアイテムの借り上げ設定に対して料金を徴収してもよい。
【0068】
(第2の形態)
次に、本発明の第2の形態に係るゲームシステムを説明する。本形態は、ユーザがユーザ端末上で抽選イベントに参加し、その抽選イベントで引き当てられた景品(特典)を、そのユーザがゲーム機の操作によって獲得できるようにした例である。ゲームシステムの全体構成は図1と同様であるために図1をそのまま引用して説明を省略し、以下では相違点を中心に説明する。
【0069】
図12は、第2の形態に係るゲームシステム1のゲーム機2、センターサーバ3及びユーザ端末8に関する制御系の主要部の構成を示している。図12の例では、センターサーバ3のWebサービス管理部23により抽選イベントを実行するため、センターサーバ3の記憶装置21上にベンダデータ44の群が記録されている。その他の点は図2の例と同様である。
【0070】
ベンダデータ44は、Webサービス管理部23による景品の抽選を管理するためのデータである。ベンダデータ44はゲームの種別毎に作成され、それらの集合がベンダデータ44の群である。ベンダデータ44は、図13に例示した確率データ44a、及び図5に例示した景品データ44bを含む。図13の確率データ44aは、ゲームに対応付けて用意された景品と、その景品が抽選で引かれるべき確率とを対応付けて記録したデータテーブルである。図13の例では、景品A〜景品Nに対して確率Pa〜Pnがそれぞれ設定されている。景品A〜景品Nが一種類のゲームに対応付けて用意された景品の群である。以下では、一種類のゲームに対応する景品の群を景品セットと呼ぶことがある。図14の景品データ44bは、景品の群を特定するための情報(景品内容)を記述したデータである。景品の内容は、上述した第1の形態における特典と同様であって、例えばゲームで使用されるアイテム、あるいは経験値等のパラメータに対する加算値といった内容が景品に設定される。なお、景品内容は、プレイデータ41に記述されたランク等の情報に対応付けて差別化されてもよい。
【0071】
次に、図15A〜図15Dを参照して、ゲームシステム1における景品の抽選からアイテムを実際に獲得するまでの概念を説明する。まず、図15Aに示すように、ユーザはユーザ端末8からセンターサーバ3にアクセスして、Webサービスによって実現されるWebベンダーを用いた抽選イベントに参加することができる。その参加には1日1回限りといった時間的な制限が設定される。ただし、抽選料金の支払いを条件として同日の2回目以降の抽選参加が許可されてもよい。抽選イベントにユーザが参加すると、上述したベンダデータに基づいて抽選が実施される。抽選で引き当てられた景品(ここでは、景品がアイテム100であるものとする。)はユーザのホルダに収容される。ホルダは、第1の形態におけるホルダと同様である。すなわち、抽選で引き当てられた景品の情報は、プレイデータ41のホルダ情報に一旦記録される。なお、ホルダに収容可能な景品の個数には所定の制限個数(上限数)が設定されている。一例として制限個数の初期値は3個に設定されている。以下では、景品1個が収容されるホルダ上の範囲を収容枠と呼ぶことがある。景品の個数は適当な単位に従って計数されてよい。例えば、景品として1個のアイテム100が引き当てられた場合には、そのアイテムの個数を単位として景品の個数を計数してよい。経験値といったパラメータの加算値が景品として引き当てられた場合も、同様にその加算値毎に1個、2個といった計数が可能である。1回の抽選で引き当てられた景品を1個と計数してもよい。
【0072】
ホルダに収容されたアイテム100に関しては、そのままではユーザがゲームで使用することはできない。ユーザがホルダに収容されたアイテム100を自らの所有アイテムとして獲得するためには、図15Bに示すように、ユーザがゲーム機2でゲームをプレイする必要がある。つまり、ユーザがゲーム機2でゲームをプレイする際に、ホルダ内のアイテム100を獲得する機会が与えられ、ユーザが獲得を要求するとホルダ内のアイテムがユーザの所有アイテムに加えられる。その後は、新たに獲得したアイテム100をユーザがゲームで使用することが可能となる。なお、ユーザがホルダ内のアイテム100を獲得すると、ホルダは空き状態となる。一方、ホルダ内にアイテム100が収容された状態で、さらにユーザが抽選に参加すると、その抽選で引き当てられた新たなアイテム100はホルダに空きがある限りホルダに収容される。しかし、図15Cに示すように、制限個数までアイテム100がホルダに収容されると、新たなアイテム100を収容するには、過去の抽選でホルダに収容されたアイテム100を削除し、それによって生じたホルダの空の収容枠に新たなアイテム100を収容する必要がある。削除されたアイテム100は、ユーザの所有アイテムにはならない。したがって、ユーザはホルダの空き状況に注意し、ホルダが満杯になる前にゲーム機2でゲームをプレイしてホルダ内のアイテム100を獲得しておく必要がある。
【0073】
図15Dに示すように、ユーザは所定の購入料金を払ってホルダの収容枠の数を拡張することにより、ホルダの制限個数を増大させてアイテム100の削除を回避することができる。なお、上記の例でも景品(特典)としてアイテム100が用意されている場合を説明したが、既に述べたように、景品はアイテム100に限らず適宜に設定されてよい。いずれにしても1回の抽選で引き当てられる景品を適当な単位で計数してホルダに収容し、ゲーム機2におけるゲームのプレイを条件として、そのホルダ内の景品をユーザが獲得できるようにすればよい。
【0074】
次に、図16〜図18を参照して、Webベンダーによる抽選で引き当てられた景品をユーザが獲得するために実行される各種の処理を説明する。図16は、Webベンダーによる抽選イベントにユーザを参加させ、抽選で引き当てられた景品をそのユーザのホルダに収容するために、ユーザ端末8の制御ユニット30とセンターサーバ3の制御ユニット20とが実行する処理を示している。ただし、図16の処理の実行主体は、具体的には制御ユニット30のWebサービス処理部31及び制御ユニット20のWebサービス管理部23である。また、以下の処理に先立って、ユーザがユーザ端末8を介してセンターサーバ3にアクセスし、ユーザID及びパスワードを送信することにより、センターサーバ3がユーザを認証するWebログイン処理が完了しているものとする。また、センターサーバ3上では、複数の種別のゲームに対応するプレイデータ41の群が管理されているが、以下の処理は、同一種別のゲームを対象として実行されるものとする。ゲーム機2で実行されるべきゲームの種別は、例えばゲームを特定する情報を店舗IDや筐体IDに対応付けてセンターサーバ3で管理すればよい。ユーザ端末8からのアクセスに関しては、ユーザがユーザ端末8上でゲーム種別を選択させるか、又は、ゲーム種別に応じてユーザがアクセスすべきURLを変更することより、処理対象のゲーム種別を特定すればよい。
【0075】
まず、ユーザ端末8上でユーザが抽選への参加を指示すると、ユーザ端末8の制御ユニット30は図16の景品抽選処理を開始し、センターサーバ3に対して抽選を要求する(ステップS221)。その要求を受けて、センターサーバ3の制御ユニット20も図16の景品抽選処理を開始し、抽選を要求したユーザ端末8のユーザ情報(例えばユーザID)を取得する(ステップS241)。続いて、制御ユニット20は、そのユーザが抽選権利を有しているか否かを判別する(ステップS242)。抽選への参加に関して1日1回の制限が設定されている場合には、同日中の抽選の実施結果を参照してユーザが既に抽選に参加したか否かを判別し、参加していれば抽選の権利がない、と判断すればよい。同日中の2回目以降の抽選参加を、有償で認める場合には、ユーザIDに対応する口座データ43から抽選料金相当の仮想通貨を消費させる処理を試み、消費に成功した場合に権利があると判断してもよい。
【0076】
続いて、制御ユニット20は抽選権利の有無に関する判別結果をユーザ端末8に通知する(ステップS243)。その後、制御ユニット20は、ステップS242の判別結果が抽選権利有り、であったか否かを判別し(ステップS244)、権利があると判断された場合にはベンダデータ44に従って抽選を実施する(ステップS245)。その抽選結果は制御ユニット20からユーザ端末8に通知される。次に、制御ユニット20は、ユーザのユーザIDに対応するプレイデータ41を抽出し、そのプレイデータ41に含まれているホルダ情報を取得する(ステップS246)。取得されたホルダ情報はユーザ端末8にも提供される。続いて、制御ユニット20はステップS246で取得したホルダ情報に基づいて、ホルダに空きがあるか否かを判別する(ステップS247)。空きがない場合、制御ユニット20は、ユーザ端末8から削除対象の景品が通知されるまで待機する。
【0077】
一方、ユーザ端末8の制御ユニット30は、ステップS221で抽選を要求した後、センターサーバ3から抽選権利の判別結果が通知されるまで待機し、これが通知されるとの判別結果に従って抽選権利の有無を判別する(ステップS222)。抽選権利が有ると判断された場合、制御ユニット30はセンターサーバ3から抽選結果が通知されるまで待機し、抽選結果が通知されるとこれを取得する(ステップS223)。その後、制御ユニット30は、ユーザ端末8の画面上に、抽選が実行されて景品が引き当てられる様子を表示する。その表示は、ユーザ端末8に予め記録された動画を表示して、当選した景品を最終的に表示するといった態様で行うことができる。抽選表示を開始した後、制御ユニット30はセンターサーバ3からホルダ情報が通知されるまで待機し、ホルダ情報が通知されるとこれを取得する(ステップS225)。続いて、制御ユニット30は、取得したホルダ情報に基づいてホルダに空きがあるか否かを判別する(ステップS226)。空きがない場合、制御ユニット30は、ユーザに対して削除対象の景品(アイテム等)を選択させ、その選択結果をセンターサーバ3に通知する(ステップS227)。
【0078】
センターサーバ3は、削除対象の景品の選択結果をゲーム機2から受け取ると、その削除対象を判別し(ステップS248)、判別された景品をホルダ情報から削除し(ステップS249)、新たに引き当てられた景品がホルダに収容されるようにホルダ情報を更新する(ステップS250)。ホルダ情報の更新後、制御ユニット30はユーザ端末8に対して処理結果、例えば今回の抽選で当選した景品のホルダへの収容が完了したことをユーザ端末8に通知し、その後、今回の景品抽選処理を終える。なお、ステップS247でホルダに空きがある、と判断された場合には、ステップS248、S249がスキップされてステップS250で新たな景品がホルダに収容される。ステップS244で抽選権利がないと判断された場合には、ステップS245〜S251がスキップされて景品抽選処理が終了する。
【0079】
一方、ユーザ端末8の制御ユニット30は、センターサーバ3から処理結果が通知されるまで待機し、これが通知されると処理結果を取得し(ステップS228)、その後に処理結果をユーザに対して通知する(ステップS229)。その通知が行われると、制御ユニット30は今回の景品抽選処理を終える。なお、ステップS226でホルダに空きがあると判断された場合、制御ユニット30はステップS227をスキップしてステップS228に進む。また、ステップS222で抽選権利がないと判断された場合、制御ユニット30は、ユーザに対して抽選が不許可であったことを表示し(ステップS230)、その後、今回の景品抽選処理を終える。以上の処理により、図15A又は図15Cの状態が実現される。
【0080】
ホルダに収容されたアイテム等の景品を獲得するためには、ユーザが店舗4に出向いてゲーム機2でログイン処理を行う必要がある。ただし、その獲得に必要な処理は、図10の「特典」を「景品」と読み替えることによりそのまま第2の形態にも適用することができる。したがって、獲得のための処理の詳細は説明を省略する。また、第2の形態においても、ユーザ端末8からホルダの内容を適宜に確認させるため、図11と同様の処理がユーザ端末8とセンターサーバ3との間で行われる。ただし、第2の形態では、アイテムの貸借関係がないため、閲覧情報はプレイデータ41に含まれるホルダ情報のみで足りる。
【0081】
以上のように、本形態においては、ユーザがユーザ端末8を操作して抽選に参加することにより、景品を引き当てても、その景品はホルダに収容されるのみでユーザによる景品の獲得が留保される。その景品をユーザが実際に獲得してゲームで使用するためには、ユーザが店舗4に出向いてゲーム機2を操作する必要がある。したがって、景品の獲得を目的の一つとして、店舗4に出向いてゲーム機2のゲームをプレイするモチベーションをユーザに付与することができる。また、ホルダに収容されている景品の獲得に関して有効期限が設定され、有効期限までにユーザがゲーム機2を操作して景品を獲得しなかった場合には、ホルダから景品が消滅するものとしてもよい。これによれば、店舗4に出向くことに関するユーザのモチベーションをさらに高めることができる。
【0082】
図17は、ホルダの収容枠数の拡張を可能とするために、ユーザ端末8の制御ユニット30とセンターサーバ3の制御ユニット20とが実行する処理を示している。ただし、図17の処理の実行主体は、具体的には制御ユニット30のWebサービス処理部31及び制御ユニット20のWebサービス管理部23である。また、図17の処理に関しても、Webログイン処理が完了した状態で行われるものとする。
【0083】
まず、ユーザ端末8上でユーザがホルダの拡張を指示すると、ユーザ端末8の制御ユニット30は図17のホルダ拡張処理を開始し、センターサーバ3に対してホルダ拡張を要求する(ステップS261)。その要求を受けて、センターサーバ3の制御ユニット20も図17のホルダ拡張処理を開始し、拡張を要求したユーザ端末8のユーザをそのユーザIDによって判別する(ステップS271)。続いて、制御ユニット20は、口座管理部24を利用して、ホルダの拡張に必要な料金(ホルダ購入料金と呼ぶことがある。)に相当する量の仮想通貨を、ステップS271で取得したユーザIDに対応する口座データ43から消費させる処理を試みる。ホルダ購入料金は、ユーザがゲーム機2でコインを媒介としてプレイ料金を支払うときの消費単位である1クレジットに相当する額よりも小額に設定される。一例として、1回のゲームで100円相当の金銭的価値を消費させる場合、ホルダ購入料金は、10円程度の金銭的価値に相当する値に設定される。ただし、ホルダ購入料金は、ホルダの収容枠数を1個増加させるために必要な単位料金である。1回のホルダ拡張処理における収容枠の拡張数をユーザが指定できるようにしてもよく、その場合には、ユーザが指定した拡張数に応じたホルダ購入料金をステップS272で消費させればよい。
【0084】
次に、制御ユニット20は、ホルダ購入料金の消費処理の結果をゲーム機2に通知する(ステップS273)。この通知は、消費の成功又は失敗を識別する情報を含む。次のステップS274において、センターサーバ3の制御ユニット20は、ホルダ購入料金の消費に成功したか否か判別し、失敗していればホルダ拡張処理を終える。一方、ホルダ購入料金の消費に成功していた場合、制御ユニット20はホルダの収容枠の個数を拡張し(ステップS275)、その拡張が完了したことをユーザ端末8に通知する(ステップS276)。その後、制御ユニット20は図17のホルダ拡張処理を終える。
【0085】
ユーザ端末8の制御ユニット30は、センターサーバ3から通知されるホルダ購入料金の消費結果に基づいてホルダ購入料金の消費に成功したか否かを判別し(ステップS262)、成功していれば、センターサーバ3から通知されるホルダ拡張の完了通知を取得し(ステップS263)、続いて、ユーザに対してホルダが拡張されたことを表示する(ステップS264)。一方、ユーザ端末8の制御ユニット30は、ステップS262で消費失敗と判断した場合、ユーザに対して拡張に失敗したことを表示する(ステップS265)。ステップS264又はS265の処理が完了すると、制御ユニット30は図17のホルダ拡張処理を終える。
【0086】
なお、図17の処理によって拡張されたホルダの収容枠は無期限に使用可能としてもよいし、一定の有効期限が経過した時点で消滅するものとしてもよい。拡張された収容枠(拡張枠)に有効期限が設定されている場合、その有効期限の経過に伴って拡張枠が消滅したときに当該拡張枠に収容された景品も削除される。このように有効期限を設定すれば、ユーザは有効期限が切れる前に店舗4に出向いてゲーム機2を操作することにより、拡張枠の景品を獲得する必要がある。これにより、店舗4に出向いてゲームをプレイするモチベーションをユーザに付与することができる。
【0087】
第2の形態においては、図16のステップS221の処理をユーザ端末8の制御ユニット30が実行し、同図のステップS241〜S244の処理をセンターサーバ3の制御ユニット20が実行してユーザの抽選イベントへの参加が許可されることにより、当該ユーザに対してゲームに関連付けられた特典としての景品を獲得する権利が発生する。これにより、制御ユニット30、20は本発明の権利発生手段として機能する。また、センターサーバ3の制御ユニット20が図16のステップS245〜S250の処理を実行して抽選で引き当てられた景品をユーザのホルダに収容することにより、ユーザの権利(抽選参加の許可)に基づく特典が発生する。それにより、制御ユニット20は本発明の特典発生手段として機能する。この場合、抽選に関して設定された確率等の条件が特典発生条件に相当する。さらに、ゲーム機2は本発明における特定端末装置として兼用され、そのゲーム機2の制御ユニット10は、図10の特典獲得処理と同様の処理を実行してユーザのホルダ内に収容された景品、すなわち獲得が留保されている特典をユーザのステータス情報等に記録することにより、本発明の特典獲得制御手段として機能する。
【0088】
また、ホルダに収容された景品に有効期限を設定し、その有効期限が経過するまでにホルダ内の景品をユーザが獲得しなかった場合にセンターサーバ3の制御ユニット20が景品の消滅させることにより、制御ユニット20を本発明の消滅制御手段として機能させることができる。さらに、センターサーバ3の制御ユニット20及びユーザ端末8の制御ユニット30が図11と同様の処理を実行することにより、本発明の情報通知手段として機能する。
【0089】
本発明は、上述した各形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。例えば、第1の形態と第2の形態とが組み合わせて実施されてもよい。上述した第1及び第2の形態においては、商業用のゲーム機2が本発明におけるゲーム機及び特定端末装置として兼用されているが、本発明はそのような形態に限定されない。同一店舗内でゲーム機と特定端末装置とが物理的に区別して設置されてもよい。その場合、特定端末装置もネットワークを介してサーバ装置と接続し、ユーザの操作に従って、獲得が留保されている特典をユーザが獲得できるようにすればよい。特定端末装置は、ゲーム機の設置場所としての店舗4等の施設に専用端末として設置される例に限らない。店舗4内にパーソナルコンピュータを設置し、そのパーソナルコンピュータを特定端末装置として機能させてもよい。あるいは、店舗4内のLAN5Bに無線アクセスポイントを設置し、ユーザが店舗4に持ち込んだユーザ端末8が、無線アクセスポイントを介して店舗4のルータ6に接続している場合に限って、そのユーザ端末8を特定端末装置として機能させてもよい。
【0090】
本発明において、特典はゲームと関連付けられたものであれば足り、アイテム、経験値といったデジタルデータの形態でユーザに付与される例に限らない。例えば、物理的なコンテンツとしてユーザに付与されるべき特典が用意されてもよい。画像データ、バーコードデータといったデジタルデータを、ゲーム機が読み取り可能な態様にてカードその他の物理的媒体に出力した景品を、特典としてゲーム機が設置された施設内でユーザに付与し、その媒体上のデジタルデータをゲーム機で読み取ってゲームで使用可能としてもよい。さらに、特典はゲームで直接的に又は間接的に使用できるものに限定されない。例えば、ゲームと関連付けられたキャラクタ商品等を特典として用意し、ユーザがゲーム機でゲームをプレイしたこと、あるいはゲーム機の設置場としての施設内に存在する所定の端末装置(特定端末装置)において、ユーザが所定の獲得操作を行ったこと、を必要条件としてその特典をユーザが獲得できるようにしてもよい。
【0091】
ホルダに収容可能な特典の個数の上限値を獲得する場合の料金は、仮想通貨にて徴収される例に限らない。クレジットカードその他、ユーザ端末装置からの料金支払いに適した課金方法で有れば適宜に採用可能である。ゲーム機が設置される場所は商業的な施設に限らない。プレイ料金の支払いと引き換えにプレイを許可するようにゲーム機が構成されている限りにおいて、ゲーム機の設置場所は、公共的な施設、あるいは個人的な施設、その他の各種の場所が対象に含まれ得る。
【符号の説明】
【0092】
1 ゲームシステム
2 ゲーム機(特定端末装置)
3 センターサーバ(サーバ装置)
4 店舗
8 ユーザ端末(個人用端末装置)
10 ゲーム機の制御ユニット
20 センターサーバの制御ユニット
30 ユーザ端末の制御ユニット
41 プレイデータ
42 コミュニティデータ
44 ベンダデータ
100 アイテム(特典)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによるプレイ料金の支払いと引き換えに該ユーザにゲームのプレイを許可するゲーム機と、前記ゲーム機の設置場所と同一の場所に存在する特定端末装置と、ユーザの個人用端末装置と、前記ゲーム機、前記特定端末装置及び前記個人用端末装置に対して所定のサービスを提供するサーバ装置とが、ネットワークを介して接続されたゲームシステムにおいて、
前記個人用端末装置を介して前記サーバ装置にアクセスしたユーザに対して、前記ゲームに関連付けられた特典を獲得する権利を発生させる権利発生手段と、
前記権利に基づく特典を、前記ユーザによる獲得が留保された状態で発生させる特典発生手段と、
前記特典の発生後に、前記ユーザが前記特定端末装置に対して前記所定の操作を行った場合に所定の獲得条件に従って前記特典の留保が解除されて前記ユーザが該特典を獲得するように、前記特典の獲得を制御する特典獲得制御手段と、
を備えたゲームシステム。
【請求項2】
前記権利発生手段が発生させた権利、又は前記獲得が留保されている特典を、所定の有効期限の経過に伴って消滅させる消滅制御手段をさらに備えた請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記権利の発生状況又は前記特典の獲得に対する留保の状況を前記ユーザに把握させるために必要な情報を、前記個人用端末装置を介して前記ユーザに通知する情報通知手段をさらに備えた請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記権利発生手段は、他人による前記ゲームのプレイに関連付けられた特典を獲得する権利を前記ユーザに対して発生させ、
前記特典発生手段は、前記他人による前記ゲームのプレイに関連付けて前記特典を発生させる請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記権利発生手段は、前記ユーザが前記ゲーム機のゲームで獲得したゲーム要素を他人に貸し出すことによって前記特典を獲得する権利を前記ユーザに対して発生させ、
前記特典発生手段は、前記他人が前記ユーザのゲーム要素を借りてゲームをプレイした場合に、当該他人のプレイに関連付けて前記特典を発生させる請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記サーバ装置は、前記個人用端末装置を介したユーザ間の交流の場を形成するコミュニティサービスを提供可能であり、
前記権利発生手段は、前記ユーザと前記他人との間に、前記コミュニティサービス上における仲間の関係が設定されていることを条件として前記権利を発生させる請求項4又は5に記載のゲームシステム
【請求項7】
前記権利発生手段は、所定の確率に基づく抽選により前記特典を獲得する機会を前記権利として発生させ、
前記特典発生手段は、前記抽選を実行することにより前記特典を発生させる請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記権利発生手段は、所定の時間的制限に従って前記権利を発生させる請求項7に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記特典発生手段によって前記獲得が留保される特典の個数に上限数が設定され、該上限数を超える特典が発生した場合、前記特典発生手段は、過去に発生した特典を消滅させる一方で新たに発生した特典の獲得を留保させる請求項1〜8のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記ユーザによる所定の料金の支払いと引き換えに、前記上限数を増加させる拡張手段をさらに備えた請求項9に記載のゲームシステム。
【請求項11】
前記ゲーム機が前記特定端末装置として兼用され、前記特典獲得制御手段は、前記ゲーム機のゲームをユーザがプレイすることにより、前記留保が解除されて前記特典を該ユーザが獲得するように、前記特典の獲得を制御する請求項1〜10のいずれか一項に記載のゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−111399(P2013−111399A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262771(P2011−262771)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】