ゲーム具、ゲームプログラム及び記録媒体
【課題】偶然性という要素をゲームに積極的に取り入れることにより、単にゲームの技量のみに支配されることがない面白味を備えたゲーム具、ゲームプログラム及び記録媒体を提供することにある。
【解決手段】複数のマス目2が設けられたゲーム盤1と、表面側に第一識別子5を有し且つ裏面側に該第一識別子5とは異なる第二識別子6を有する所定数の第一駒4aと、表面側に前記第二識別子6を有し且つ裏面側に前記第一識別子5を有する所定数の第二駒8aと、表面側に前記第一識別子5を有し且つ裏面側に該第一識別子5及び前記第二識別子6とは異なる第三識別子10を有する所定数の第三駒4bと、表面側に前記第二識別子6を有し且つ裏面側に前記第三識別子10を有する所定数の第四駒8bとを備え、且つ前記ゲーム盤1のマス目2に自己の駒を交互に配すべく所定のルールを有している。
【解決手段】複数のマス目2が設けられたゲーム盤1と、表面側に第一識別子5を有し且つ裏面側に該第一識別子5とは異なる第二識別子6を有する所定数の第一駒4aと、表面側に前記第二識別子6を有し且つ裏面側に前記第一識別子5を有する所定数の第二駒8aと、表面側に前記第一識別子5を有し且つ裏面側に該第一識別子5及び前記第二識別子6とは異なる第三識別子10を有する所定数の第三駒4bと、表面側に前記第二識別子6を有し且つ裏面側に前記第三識別子10を有する所定数の第四駒8bとを備え、且つ前記ゲーム盤1のマス目2に自己の駒を交互に配すべく所定のルールを有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム盤のマス目に駒を交互に配していき、いずれが自己の駒を早く所定数並べられるかを競うゲーム具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のゲームとしては、例えば五目並べやオセロゲーム(登録商標)等が存在するが、これらはゲームの定番として現在でも相変わらず根強い人気を有しており、これからも末ながく遊戯され続けるものと考えられている。
【0003】
しかし、その一方で新たなゲームの開発の要請があることも周知の事実であり、かかる事情を考慮して開発されたゲーム具としては、例えば図11に示すようなものがある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開昭61−119285号公報(第1頁、図1)。
【0004】
この従来のものは、6×6のマス目20を設けたゲーム盤21と、色の異なる2種類の駒22、23とからなり、各駒22、23は6枚で構成されている。そして、対戦者が手駒22、23を交互にマス目20に配していき、いずれが自己の駒22、23を早く所定数連続して並べられるかを競うものである。
【0005】
しかるに、当該ゲーム具にあっては使用する駒数が少ない点からして、一般にこの段階で勝敗が決することは極めて稀であり、よって各対戦者が全手駒22、23をマス目20に配した後は、自己の駒22、23を縦又は横方向に任意に1〜2マスだけ移動させて勝敗が決するまでゲームは続行される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のゲーム具は、駒数が少ないにもかかわらず全ての駒22、23をマス目20に配した後において、最大2マスも移動させることが可能であるために、直ぐに勝敗がつき易いという難点を有するばかりではなく、ゲーム自体に偶然性という要素が一切存在しないために、勝敗がゲームに対する技量のみに支配されてしまい、面白味に欠けるという問題点があった。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、偶然性という要素をゲームに積極的に取り入れることにより、単にゲームの技量のみに支配されることがない面白味を備えたゲーム具、ゲームプログラム及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載のゲーム具は、複数のマス目が設けられたゲーム盤と、表面側に第一識別子を有し且つ裏面側に該第一識別子とは異なる第二識別子を有する所定数の第一駒と、表面側に前記第二識別子を有し且つ裏面側に前記第一識別子を有する所定数の第二駒と、表面側に前記第一識別子を有し且つ裏面側に該第一識別子及び前記第二識別子とは異なる第三識別子を有する所定数の第三駒と、表面側に前記第二識別子を有し且つ裏面側に前記第三識別子を有する所定数の第四駒とを備え、且つ前記ゲーム盤のマス目に自己の駒を交互に配すべく以下のルール1乃至4を有してなることを特徴とする。
【0009】
ルール1:先手が前記第一駒及び第三駒を手駒とし且つ後手が第二駒及び第四駒を手駒とする。ルール2:全ての駒を表面側が上向きになる状態にして、対戦者は自己の駒を前記ゲーム盤のマス目に配していき、自己の駒を所定数連続して並べられたらその者が勝者となる。ルール3:ルール3:所定の駒数を配しても勝敗が決しない場合は、残った手駒を前記ゲーム盤の空いたマス目に配していく。この場合、該手駒とマス目に既に配した自己の駒とにより対戦相手の駒を挟むと該駒を反転させることができ、これにより自己の駒を所定数連続して並べられたらその者が勝者となる。但し、反転した駒が第三識別子である場合、当該駒は自己の駒としては認められず、これを含んで自己の駒を所定数連続して並べたとしても勝ちにはならない。なお、挟める対戦相手の駒は一駒のみであり、複数の駒を挟んだ場合はいずれの駒も反転させることができない。但し、挟んだ駒が一駒である以上、同時に複数箇所で挟んだ駒は全て反転させることができる。また、一度反転させた駒は再度反転させることはできず、反転させることができる対戦相手の駒がない場合は任意のマス目に手駒を配することができる。ルール4:全ての手駒を使用しても勝敗が決しない場合は、マス目内における自己の駒数の多い方が勝者となり、この駒数が同数の場合は駒を反転させた際に第三識別子が現れた数が少ない方が勝者となる。その数が同数の場合は引き分けとする。
【0010】
請求項1記載のゲーム具にあっては、ルール1及びルール2のように先手が第一駒及び第三駒を手駒とし且つ後手が第二駒及び第四駒を手駒とし、各駒は表面側を上向きにした状態でマス目に配されていくので、各対戦者は駒の裏面側がいずれの識別子であるかを認識することはできない。また、駒数にも左右されるが一般には所定の駒数を配するだけで勝敗がつくことは少ないために、ルール3に従って残った手駒をゲーム盤の空いたマス目に配していき、この手駒とマス目に既に配した自己の駒とにより対戦相手の駒を挟むとこれを反転でき、これにより自己の駒が所定数連続して並ぶと勝敗が決することになる。この場合、反転した駒が第三識別子である場合は、当該駒は自己の駒としては認められないため、これを含んで駒を所定数連続して並べたとしても勝ちにはならず、ゲームは続行される。このようにして勝敗が決するまで、或いは手駒がなくなるまでゲームは続行され、後者の場合はマス目に配した駒の状態によりルール4に従って勝敗が決っせられ、或いは引き分けとされる。
【0011】
請求項2に記載のゲーム具は、請求項1記載のゲーム具において前記駒が反転された駒であることを識別できる識別手段を備えてなることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載のゲーム具にあっては、反転された駒であるかどうかを識別手段により識別することで、ルール3の中の「一度反転させた駒は再度反転させることはできない」という点を簡易且つ確実に遵守することができる。
【0013】
請求項3に記載のゲーム具は、請求項2記載のゲーム具において前記識別手段が、第一駒及び第三駒の外周面に設けられた第五識別子と、第二駒及び第四駒の外周面に設けられた第六識別子とから構成されてなることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載のゲーム具にあっては、各駒の外周面に設けられた第四識別子及び第五識別子によって、反転された駒であるかどうかを外部から容易に識別することができる。
【0015】
請求項4に記載のゲーム具は、請求項1乃至3のいずれかに記載のゲーム具において前記第一駒及び第三駒が8枚で且つ第二駒及び第四駒が12枚からなると共に、マス目が9×9に形成されてなり、しかも前記所定数連続して並べられる駒数が5枚であると共に、手駒として配した所定の駒数が15枚であることを特徴とする。
【0016】
請求項4記載のゲーム具にあっては、先手後手が各々計20枚の駒を手駒としてこれを順に9×9のマス目に配していき、手駒を夫々15枚配した時点でそれ以降はルール3が適用され、残りの手駒を全て配しても勝敗が決しない場合はルール4に従って勝敗が決せられるか、或いは引き分けとなる。
【0017】
請求項5に記載のゲーム具は、請求項4記載のゲーム具において前記ゲーム盤に各対戦者の手駒を四等分して5枚ずつ積み重ねてセット可能な収容部が設けられなることを特徴とする。
【0018】
請求項5記載のゲーム具にあっては、収容部に5枚ずつに四等分してセットした手駒を順にマス目に配していき、最後の手駒のグループが残った時点、即ち15枚の手駒は配して残りが5枚になった時点でそれ以降はルール3が適用され、かかる手駒を配しても勝敗が決しない場合はルール4に従って勝敗が決せられるか、或いは引き分けとなる。
【0019】
請求項6に記載のゲームプログラムは、複数のマス目を表示装置に表示する制御と、入力手段による入力が所定のルールに適合するか否かを判定する制御と、該入力がルールに適合する場合はそれに基づき前記マス目に駒を配する制御と、マス目に配した駒の数を数えて、その駒数が所定数以上になった場合に前記入力によりマス目に配した駒が対戦相手の駒を挟んだときは所定の反転ルールに従って挟まれた駒を反転するように前記表示を更新する制御と、いずれかの対戦者の駒が所定数連続して並んだことを確認する制御と、駒が所定数連続して並ばない場合に所定の判定ルールで勝敗を決定する制御とを備え、前記反転ルールが、反転した駒が第三識別子である場合、当該駒は自己の駒としては認められず、これを含んで自己の駒を所定数連続して並べたとしても勝ちにはならず、挟める対戦相手の駒は一駒のみであり、複数の駒を挟んだ場合はいずれの駒も反転させることができないが、挟んだ駒が一駒である以上、同時に複数箇所で挟んだ駒は全て反転させることが可能であり、且つ一度反転させた駒は再度反転させることはできないとするものであり、
前記判定ルールが、マス目内における自己の駒数の多い方が勝者となり、この駒数が同数の場合は駒を反転させた際に第三識別子が現れた数が少ない方が勝者となり、且つその数が同数の場合は引き分けとするものであることを特徴とする
【0020】
請求項6記載のゲームプログラムにあっては、入力手段により入力されると、それが所定のルールに適合するか否かを判定し、適合する場合はこれに基づいて前記マス目に駒が配される。一方、所定数以上の駒を配した場合は、それ以降の入力によりマス目に配した駒が対戦相手の駒を挟むと、挟まれた駒は反転するように前記表示が更新される。かかる一連の対戦ではいずれかの対戦者の駒が所定数連続して並んだか否かを確認しているが、上記の如く反転した駒が第三識別子である場合は、当該駒は自己の駒としては認められないため、これを含んで駒を所定数連続して並べたとしても勝ちにはならず、ゲームは続行される。このようにして勝敗が決するまで、或いは手駒がなくなるまでゲームは続行され、後者の場合はマス目に配した駒の状態により勝敗が決っせられ、或いは引き分けとされる。
【0021】
請求項7に記載の記録媒体は、請求項6記載のゲームプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能なことを特徴とする。
【0022】
請求項7記載の記録媒体あっては、入力手段により入力されると、それが所定のルールに適合するか否かを判定し、適合する場合はこれに基づいて前記マス目に駒が配される。一方、所定数以上の駒を配した場合は、それ以降の入力によりマス目に配した駒が対戦相手の駒を挟むと、挟まれた駒は反転するように前記表示が更新される。かかる一連の対戦ではいずれかの対戦者の駒が所定数連続して並んだか否かを確認しているが、上記の如く反転した駒が第三識別子である場合は、当該駒は自己の駒としては認められないため、これを含んで駒を所定数連続して並べたとしても勝ちにはならず、ゲームは続行される。このようにして勝敗が決するまで、或いは手駒がなくなるまでゲームは続行され、後者の場合はマス目に配した駒の状態により勝敗が決っせられ、或いは引き分けとされる。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載のゲーム具は、ゲーム盤のマス目に対戦者が交互に駒を配して自己の駒を所定数連続して並べるものであり、また所定数の手駒を配して勝敗が決しない場合は、残った手駒を前記マス目に配して対戦相手の駒を反転させて自己の駒を所定数連続して並べんとするものであるために、通常の五目並べのゲームにオセロゲーム(登録商標)的な要素が加わることになる。さらに本ゲーム具はこれら従来のゲームに独自のルールを加味したものであるため、前記各ゲームが本来有する面白味を維持しつつ、より一層面白いゲームになるという格別な効果がある。
【0024】
また、本ゲーム具では上記の如く自己の駒によって対戦相手の駒を反転させることができることができるが、ルール3における「挟める対戦相手の駒は一駒のみである点」、「複数の駒を挟んだ場合はいずれの駒も反転させることができない点」及び「一度反転させた駒は再度反転させることはできない点」により、早期に勝敗が決することを良好に回避できるという特有の効果がある。
【0025】
さらに、ルール3には「反転した駒が第三識別子である場合、当該駒は自己の駒としては認められず、これを含んで自己の駒を所定数連続して並べたとしても勝ちにはならない」旨を規定しているが、第一駒及び第二駒の駒数と第三駒及び第四駒の駒数を適当に設定することにより、反転時において第三駒及び第四駒が出る確率を大きくできる。また、同ルールでは「反転させることができる対戦相手の駒がない場合は任意のマス目に手駒を配することができる」とされるために、逆に反転できないことが勝敗上有利に働くこともあり得る。即ち、単にゲームに対する技量だけでは必ずしも勝敗を決し得ない偶然性という要素を本ゲーム具は有することになり、一手のみにより形勢が大逆転する可能性があり、よって年齢等に関係なく幅広く興じることができるという効果を奏する。
【0026】
請求項2記載のゲーム具によれば、駒は反転された駒であることを識別できる識別手段を備えているために、「一度反転させた駒は再度反転させることはできない」というルール3及び「駒を反転させた際に第三識別子が現れた数が少ない方が勝者となる」というルール4を適切に遵守できて、一連のゲーム進行がスムースに行える効果がある。
【0027】
請求項3に記載のゲーム具によれば、前記識別手段が、第一駒及び第三駒の外周面に設けられた第四識別子と、第二駒及び第四駒の外周面に設けられた第五識別子とから構成されてなるために、駒の反転の有無を外部から容易に識別できて、この場合も一連のゲーム進行に大いに寄与するという効果がある。
【0028】
請求項4に記載のゲーム具にあっては、第一駒及び第三駒を8枚とし且つ第二駒及び第四駒を12枚とすると共に、マス目を9×9に形成し、しかも所定数連続して並べられる駒数を5枚にすると共に、手駒として配した所定の駒数を15枚にしており、これら各駒数、マス目数及び駒設定数が調和のとれた妥当な数に設定されているので、ゲームの面白さがより高められるという特有の効果を奏する。
【0029】
請求項5に記載のゲーム具によれば、ゲーム盤に各対戦者の手駒を四等分して5枚ずつ積み重ねてセット可能な収容部が設けられてなるために、一連のゲーム進行が煩雑とはならず、駒を配する便に大いに供し得るという効果がある。
【0030】
請求項6に記載のゲームプログラム及び該ゲームプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な請求項7に記載の記録媒体にあっては、入力手段によりマス目に駒を配していっていずれかの対戦者の駒が所定数連続して並んだことを判定する制御と、配した駒数が所定数以上になった場合に入力によりマス目に配した駒が対戦相手の駒を挟んだときは挟まれた駒を反転するように表示を更新する制御とを有しており、通常の五目並べのゲームにオセロゲーム(登録商標)的な要素が加わることになる。さらに本ゲームプログラムはこれら従来のゲームに独自の反転ルール及び判定ルール等を有しているために、前記各ゲームが本来有する面白味を維持しつつ、より一層面白いゲームになるという効果がある。
【0031】
また、この場合も反転ルールにより、早期に勝敗が決することを良好に回避できると共に、単にゲームに対する技量だけでは必ずしも勝敗を決し得ない偶然性という要素を本ゲーム具は有することになり、一手のみにより形勢が大逆転する可能性があり、よって年齢等に関係なく幅広く興じることができるという効果を奏する。
【0032】
また、本発明に係るゲーム具は全体の構成が非常に簡易であるために、その製作も安価に且つ容易に行うことができるという実用的効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明に係るゲーム具を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
【0034】
図1及び図2において、1は平板状のゲーム盤を示し、その中央部には9×9のマス目2が設けられている。3は後述する円板状の駒をセットするための収容部としての枠であり、左側に位置する収納枠3dは他の収納枠3a〜3cから少し離れた位置に配されている。なお、右側の収納枠3a〜3c内にはそれぞれ一、二、三の番号が付されており、左側の収納枠3d内には「ラッキーチャンス」の文字が付されている。
【0035】
図3中、4aは表面側を黒色に形成して第一識別子5とすると共に、裏面側を白色に形成して第二識別子6とした第一駒で、その外周面は黒色に形成して第四識別子7としている。図4において、8aは表面側を白色に形成して第二識別子6とすると共に、裏面側を黒色に形成して第一識別子5とした第二駒で、その外周面は白色に形成して第五識別子9としている。なお、第一駒4a及び第二駒8aは夫々8枚で構成している。
【0036】
図5中、4bは表面側を黒色に形成して第一識別子5とすると共に、裏面側を赤色に形成して第三識別子10とした第三駒で、その外周面は黒色に形成して第四識別子7としている。図6において、8bは表面側を白色に形成して第二識別子6とすると共に、裏面側を赤色に形成して第三識別子10とした第四駒で、その外周面は白色に形成して第五識別子9としている。なお、第三駒4b及び第四駒8bは夫々12枚で構成している。
【0037】
また、本ゲーム具は以下のようなルールを有している。
即ち、ルール1は、先手が前記第一駒4a及び第三駒4bを手駒とし且つ後手が第二駒8a及び第四駒8bを手駒とする。ルール2は、全ての駒4、8を表面側が上向きになる状態にして、対戦者は駒4、8を前記ゲーム盤1のマス目2に配していき、自己の駒4、8が5枚連続して並べられたらその者が勝者になるというものである。ルール3は、所定の駒数を配しても勝敗が決しない場合は、残った手駒4、8を前記ゲーム盤1の空いたマス目2に配していく。この場合、該手駒4、8とマス目に既に配した自己の駒4、8とにより対戦相手の駒4、8を挟むと該駒4、8を反転させることができ、これにより自己の駒4、8を所定数連続して並べられたらその者が勝者となる。但し、反転した駒4、8が第三識別子10である場合、当該駒4、8は自己の駒としては認められず、これを含んで自己の駒4、8を所定数連続して並べたとしても勝ちにはならない。なお、挟める対戦相手の駒4、8は一駒のみであり、複数の駒4、8を挟んだ場合はいずれの駒も反転させることができない。但し、挟んだ駒4、8が一駒である以上、同時に複数箇所で挟んだ駒4、8は全て反転させることができる。また、一度反転させた駒4、8は再度反転させることはできず、反転させることができる対戦相手の駒4、8がない場合は任意のマス目に手駒を配することができる。ルール4は、全ての手駒4、8を使用しても勝敗が決しない場合は、マス目2内における自己の駒数の多い方が勝者となり、この駒数が同数の場合は駒4、8を反転させた際に第三識別子10が現れた数が少ない方が勝者となる。その数が同数の場合は引き分けとするというものである。
【0038】
また、本実施形態においては手駒4、8の数が5枚となるまでは、所謂3×3、4×4及び6枚以上の駒が連続して並ぶ長連という手は禁止されている。
【0039】
本実施形態は以上のような構成からなるが、かかるゲーム具は全体の構成が非常に簡易であるために、その製作も安価に且つ容易に行うことができるという利点がある。以下、このゲーム具を使用して実際にゲームを行う場合について説明する。
【0040】
先ず、ルール1に従って自己の手駒4、8の20枚を全て表面側を上向きにした状態で適当に混ぜ合わせた後、それを四等分して5枚ずつ積み重ね、公正を期すために対戦相手の駒を図2のようにゲーム盤1の収容部3としての各枠3a〜3dに夫々任意にセットする。
【0041】
次に、表面側を黒色とする第一駒4a及び第三駒4bを手駒とした先手が、向かって右側の収容枠3aにセットされた手駒4を上から一枚取ってゲーム盤1のマス目2に配する。この場合、駒4はマス目2内に配してもよいが、本実施形態では図2のように駒4はマス目2を形成する縦線及び横線の交点上に配することとする。また、駒4、8は右側の収納枠3aから3b、3c、3dの順序で、且つ各収納枠3a〜3dでは上の駒から順次使用する。
【0042】
一方、後手も自己の手駒8をマス目2の交点上に配し、さらに交互に自己の駒4、8を配していって、手駒4、8を夫々15枚配するまでゲームを進める。なお、この時点までにいずれかの駒4、8が5枚連続して一列に並んだ場合はその者が勝者となるが、一般には図7に示すように夫々15枚だけの駒数で勝敗がつくことは少ない。
【0043】
この場合は、ルール3に従って手駒4、8として収容枠3dに残った5枚の駒4、8を空いたマス目2に配していき、この駒4、8とマス目2に既に配した自己の駒4、8とにより対戦相手の駒4、8を挟んだ場合は当該駒4、8を反転させることができる。例えば、先手が駒4cをマス目2に配した場合は、後手の駒8cを反転できる。これにより自己の駒4を5枚連続して並べられたら勝敗が決することになる。
【0044】
一方、反転した駒8cが第三識別子10の赤であるときは、当該駒8cは自己の駒4としては認められないため、たとえこれを含んで先手が駒4を5枚連続して並べたとしても勝ちにはならず、ゲームは続行される。このようにして勝敗が決するまで、或いは手駒4、8がなくなるまでゲームは続行され、後者の場合はルール4に従ってマス目2内における駒数の多い方が勝者となり、この駒数が同数の場合は駒4、8を反転させた際に第三識別子10が現れた数が少ない方が勝者となる。さらにその数が同数の場合は引き分けとなるのである。
【0045】
以上、説明したように本実施形態に係るゲーム具は、ゲーム盤1のマス目2に対戦者が交互に駒4、8を配して自己の駒を所定数連続して並べるものであり、また所定数の手駒4、8を配して勝敗が決しない場合は、残った手駒4、8を前記マス目2に配して対戦相手の駒4、8を反転させて自己の駒4、8を所定数連続して並べんとするものであるために、通常の五目並べのゲームにオセロゲーム(登録商標)的な要素が加わることになる。さらに本ゲーム具はこれら従来のゲームに独自のルールを加味したものであるため、前記各ゲームが本来有する面白味を維持しつつ、より一層面白いゲームになる。
【0046】
また、自己の駒4、8により対戦相手の駒4、8を挟むと当該駒4、8を反転させることができることができるが、ルール3における「挟める対戦相手の駒4、8は一駒のみである点」、「複数の駒を挟んだ場合はいずれの駒も反転させることができない点」及び「一度反転させた駒4、8は再度反転させることはできない点」により、早期に勝敗が決することを良好に回避できるのである。
【0047】
さらに、ルール3には「反転した駒4、8が第三識別子10である場合、当該駒4、8は自己の駒としては認められず、これを含んで自己の駒4、8を5枚連続して並べたとしても勝ちにはならない」旨が定められているが、第一駒4a及び第二駒8aが夫々8枚であるのに対して、第三駒4b及び第四駒8bを夫々12枚として多めに設定しているために、反転時において第三駒4b及び第四駒8bが出る確率が大きくなる。また、同ルールでは「反転させることができる対戦相手の駒4、8がない場合は任意のマス目2に手駒4、8を配することができる」とされるために、逆に反転できないことが勝敗上有利に働くこともあり得る。即ち、単にゲームに対する技量だけでは必ずしも勝敗を決し得ない偶然性という要素を本ゲーム具は有することになり、一手のみにより形勢が大逆転する可能性があり、よって年齢等に関係なく幅広く興じることができるのである。
【0048】
また、駒4、8は第四識別子7又は第五識別子9を外周面に有しているために、「一度反転させた駒は再度反転させることはできない」というルール3や「駒を反転させた際に第三識別子が現れた数が少ない方が勝者となる」というルール4を適切に遵守できて、一連のゲーム進行がスムースに行える。
【0049】
なお、上記実施形態においては、第一駒及び第三駒を8枚、第二駒及び第四駒を12枚で構成すると共に、ゲーム盤1のマス目を9×9に形成し、さらに所定数連続して並べられる駒数、即ち勝敗を決する駒の枚数を5枚にすると共に、手駒として配した所定の駒数を15枚としたために、これら各駒数、マス目数及び駒設定数が調和のとれた妥当な設定となって、ゲームの面白さがより高められることになった。しかるに、これらの数量は決して該実施形態に限定されるものではなく、例えば使用する駒数やマス目2等の数に応じて適宜変更が可能である。
【0050】
また、ゲーム盤1には上記実施形態のように駒4、8をセットするための収容部3を設ける必要はなく、省略しても構わない。
【0051】
さらに、上記実施形態では各駒4、8に設ける識別子を色彩により構成したが、例えば文字、記号、図形、絵等によって各識別子を構成してもよい。
【0052】
また、上記実施形態においては、駒4、8が反転された駒であるか否かを外部から容易に識別できるように先手の第一駒4a及び第三駒4bの外周面を黒色にして第四識別子7を設けると共に、後手の第二駒8a及び第四駒8bの外周面を白色にして第五識別子9を設けたが、かかる識別手段は決してこれに限定されない。例えば、第一駒4a及び第三駒4bの外周面にのみ文字、記号、絵等を設けて識別手段としても構わない。しかるに、駒数が比較的少ない場合等は、別途これらの識別手段を設けなくても反転は識別可能であるため、該識別手段は本発明の必須の要件ではない。
【0053】
その他、ゲーム盤1や各駒4、8の形状等の具体的な構成も本発明の意図する範囲内において任意に設計変更自在である。
【0054】
上記実施形態ではゲーム具について説明したが、次に本発明に係るプログラム及びこれが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体の一実施形態について説明する。
【0055】
本実施形態はゲームプログラムが記録された記録媒体とパーソナルコンピュータとを組み合わせて構成したものであり、かかる電子ゲーム装置は、表示装置、入力手段としてのキーボード及びマウス、処理装置、メインメモリ、補助記録装置、ディスク装置等からなる。
【0056】
図8は本実施形態に係るゲームプログラムに基づきパーソナルコンピュータが実行する主な処理のフローチャートである。先ず、プログラムを起動するとステップ201で表示装置に初期画面が表示される。この初期画面には図9のようにゲーム盤1上に9×9のマス目2が表示される。また、マス目2の上下位置には上記実施形態と同様に構成された先手用の駒4及び後手用の駒8が表示される。
【0057】
駒の入力は例えばマウス等により画面上の駒4、8を順次クリックしつつ所定のマス目2にまでドラッグすることで行う。かかる駒の入力の有無はステップ202で判定され、さらにステップ203では各対戦者が既に配した駒4、8の数が数えられる。即ち、駒数nが15枚以下である場合はステップ204及び205で前記入力が所定のルールに適合しているか否か、即ち空いているマス目2に駒が配されたか、3×3、4×4及び長連等の禁じ手に該当していないかが判定され、これに適合しない場合はこの入力は無効なものとしてキャンセルされる(ステップ206)。一方、ルールに適合する場合は、ステップ207で駒4、8が前記マス目2に表示される。
【0058】
次に、ステップ208及び209において5枚の駒が連続して並んだか否かの判定が行われ、勝敗が決した場合はステップ210で前記表示装置にその勝敗が表示される。
【0059】
また、前記ステップ203で配した駒4、8の数nが16枚以上になった場合は、図10のようにステップ211及び212で入力が所定のルールに適合しているか否か、例えば挟める駒があるにもかかわらず挟まずに駒を配した場合等は不適合と判定されて、その入力は無効なものとしてキャンセルされる(ステップ213)。
【0060】
一方、ルールに適合する場合は、ステップ214で駒4、8が前記マス目2に表示されると共に、ステップ215で駒反転の有無が検出され、挟まれた駒4、8がある場合はステップ216において該駒を反転するように表示を更新する。なお、かかる反転時には挟める対戦相手の駒4、8は一駒のみであり、複数の駒4、8を挟んだ場合はいずれの駒4、8も反転されないが、挟んだ駒4、8が一駒である以上、複数箇所で挟んだ駒4、8は全て反転され、また一度反転させた駒4、8は再度反転されないという反転ルールが適用される。
【0061】
その後、ステップ217及び218において5枚の駒4、8が連続して並んだか否かの判定が行われるが、反転した駒4、8が第三識別子10であるときは、当該駒4、8は自己の駒としては認められず、これを含んで自己の駒4、8を5枚連続して並べたとしても勝ちにはならないという反転ルールが適用される。
【0062】
そして、勝敗が決した場合はステップ219で前記表示装置にその勝敗が表示されてゲームは終了する(ステップ220)。一方、ステップ218で勝敗が決しない場合はステップ221で手駒の数が数えられ、ここで手駒がなくなっているときは、判定ルールに基づきステップ222においてマス目2に配された自己の駒数の多い方が勝者と判定され、またこの駒数が同数の場合は駒4、8を反転させた際に第三識別子10が現れた数が少ない方が勝者と判定されて勝敗が決せられ、その数も同数の場合は引き分けと判定されて、その結果が前記表示装置表示されるのである。
【0063】
本実施形態においても、上記実施形態と同様の効果を入力手段によりマス目2に駒4、8を配していっていずれかの対戦者の駒が所定数連続して並んだことを判定するステップと、配した駒数が所定数以上になった場合に入力によりマス目2に配した駒4、8が対戦相手の駒を挟んだときは挟まれた駒4、8を反転するように表示を更新するステップとを有しており、通常の五目並べのゲームにオセロゲーム(登録商標)的な要素が加わることになる。さらに本ゲームプログラムはこれら従来のゲームに独自の反転ルール及び判定ルール等を有しているために、前記各ゲームが本来有する面白味を維持しつつ、より一層面白いゲームになるという効果がある。
【0064】
また、かかる反転ルールにより、早期に勝敗が決することを良好に回避できると共に、単にゲームに対する技量だけでは必ずしも勝敗を決し得ない偶然性という要素を有することになり、一手のみにより形勢が大逆転する可能性があり、よって年齢等に関係なく幅広く興じることができるという効果を奏する。
【0065】
なお、各駒4、8の枚数、マス目数、所定数連続して並べられる駒数及び手駒4、8として配した所定の駒数等は上記実施形態に限定されず、本発明の意図する範囲内において任意に設計変更自在である。
【0066】
また、ゲーム盤1には上記実施形態のように駒4、8をセットするための収容部3を設ける必要はなく、省略しても構わない。
【0067】
さらに、各駒4、8に設ける各識別子の具体的態様も適宜変更が可能である。
【0068】
さらに、本発明に係るゲームプログラムはCD−ROMの他、FDD、MO、PD、DVDディスク、HDD等の記録媒体に幅広く格納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係るゲーム具の一実施形態を示す平面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】(a)及び(b)は本発明に係るゲーム具の駒の一実施形態を示す斜視図である。
【図4】(a)及び(b)は本発明に係るゲーム具の駒の一実施形態を示す斜視図である。
【図5】(a)及び(b)は本発明に係るゲーム具の駒の一実施形態を示す斜視図である。
【図6】(a)及び(b)は本発明に係るゲーム具の駒の一実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明に係るゲーム具の一実施形態を示す平面図である。
【図8】本発明に係るゲームプログラムの一実施形態を示すフローチャートである。
【図9】同平面図である。
【図10】同フローチャートである。
【図11】従来のゲーム具(特許文献1)を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0070】
1 ゲーム盤
2 マス目
3 収容部
4a 第一駒
4b 第三駒
5 第一識別子
6 第二識別子
7 第四識別子
8a 第二駒
8b 第四駒
9 第五識別子
10 第三識別子
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム盤のマス目に駒を交互に配していき、いずれが自己の駒を早く所定数並べられるかを競うゲーム具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のゲームとしては、例えば五目並べやオセロゲーム(登録商標)等が存在するが、これらはゲームの定番として現在でも相変わらず根強い人気を有しており、これからも末ながく遊戯され続けるものと考えられている。
【0003】
しかし、その一方で新たなゲームの開発の要請があることも周知の事実であり、かかる事情を考慮して開発されたゲーム具としては、例えば図11に示すようなものがある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開昭61−119285号公報(第1頁、図1)。
【0004】
この従来のものは、6×6のマス目20を設けたゲーム盤21と、色の異なる2種類の駒22、23とからなり、各駒22、23は6枚で構成されている。そして、対戦者が手駒22、23を交互にマス目20に配していき、いずれが自己の駒22、23を早く所定数連続して並べられるかを競うものである。
【0005】
しかるに、当該ゲーム具にあっては使用する駒数が少ない点からして、一般にこの段階で勝敗が決することは極めて稀であり、よって各対戦者が全手駒22、23をマス目20に配した後は、自己の駒22、23を縦又は横方向に任意に1〜2マスだけ移動させて勝敗が決するまでゲームは続行される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のゲーム具は、駒数が少ないにもかかわらず全ての駒22、23をマス目20に配した後において、最大2マスも移動させることが可能であるために、直ぐに勝敗がつき易いという難点を有するばかりではなく、ゲーム自体に偶然性という要素が一切存在しないために、勝敗がゲームに対する技量のみに支配されてしまい、面白味に欠けるという問題点があった。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、偶然性という要素をゲームに積極的に取り入れることにより、単にゲームの技量のみに支配されることがない面白味を備えたゲーム具、ゲームプログラム及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載のゲーム具は、複数のマス目が設けられたゲーム盤と、表面側に第一識別子を有し且つ裏面側に該第一識別子とは異なる第二識別子を有する所定数の第一駒と、表面側に前記第二識別子を有し且つ裏面側に前記第一識別子を有する所定数の第二駒と、表面側に前記第一識別子を有し且つ裏面側に該第一識別子及び前記第二識別子とは異なる第三識別子を有する所定数の第三駒と、表面側に前記第二識別子を有し且つ裏面側に前記第三識別子を有する所定数の第四駒とを備え、且つ前記ゲーム盤のマス目に自己の駒を交互に配すべく以下のルール1乃至4を有してなることを特徴とする。
【0009】
ルール1:先手が前記第一駒及び第三駒を手駒とし且つ後手が第二駒及び第四駒を手駒とする。ルール2:全ての駒を表面側が上向きになる状態にして、対戦者は自己の駒を前記ゲーム盤のマス目に配していき、自己の駒を所定数連続して並べられたらその者が勝者となる。ルール3:ルール3:所定の駒数を配しても勝敗が決しない場合は、残った手駒を前記ゲーム盤の空いたマス目に配していく。この場合、該手駒とマス目に既に配した自己の駒とにより対戦相手の駒を挟むと該駒を反転させることができ、これにより自己の駒を所定数連続して並べられたらその者が勝者となる。但し、反転した駒が第三識別子である場合、当該駒は自己の駒としては認められず、これを含んで自己の駒を所定数連続して並べたとしても勝ちにはならない。なお、挟める対戦相手の駒は一駒のみであり、複数の駒を挟んだ場合はいずれの駒も反転させることができない。但し、挟んだ駒が一駒である以上、同時に複数箇所で挟んだ駒は全て反転させることができる。また、一度反転させた駒は再度反転させることはできず、反転させることができる対戦相手の駒がない場合は任意のマス目に手駒を配することができる。ルール4:全ての手駒を使用しても勝敗が決しない場合は、マス目内における自己の駒数の多い方が勝者となり、この駒数が同数の場合は駒を反転させた際に第三識別子が現れた数が少ない方が勝者となる。その数が同数の場合は引き分けとする。
【0010】
請求項1記載のゲーム具にあっては、ルール1及びルール2のように先手が第一駒及び第三駒を手駒とし且つ後手が第二駒及び第四駒を手駒とし、各駒は表面側を上向きにした状態でマス目に配されていくので、各対戦者は駒の裏面側がいずれの識別子であるかを認識することはできない。また、駒数にも左右されるが一般には所定の駒数を配するだけで勝敗がつくことは少ないために、ルール3に従って残った手駒をゲーム盤の空いたマス目に配していき、この手駒とマス目に既に配した自己の駒とにより対戦相手の駒を挟むとこれを反転でき、これにより自己の駒が所定数連続して並ぶと勝敗が決することになる。この場合、反転した駒が第三識別子である場合は、当該駒は自己の駒としては認められないため、これを含んで駒を所定数連続して並べたとしても勝ちにはならず、ゲームは続行される。このようにして勝敗が決するまで、或いは手駒がなくなるまでゲームは続行され、後者の場合はマス目に配した駒の状態によりルール4に従って勝敗が決っせられ、或いは引き分けとされる。
【0011】
請求項2に記載のゲーム具は、請求項1記載のゲーム具において前記駒が反転された駒であることを識別できる識別手段を備えてなることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載のゲーム具にあっては、反転された駒であるかどうかを識別手段により識別することで、ルール3の中の「一度反転させた駒は再度反転させることはできない」という点を簡易且つ確実に遵守することができる。
【0013】
請求項3に記載のゲーム具は、請求項2記載のゲーム具において前記識別手段が、第一駒及び第三駒の外周面に設けられた第五識別子と、第二駒及び第四駒の外周面に設けられた第六識別子とから構成されてなることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載のゲーム具にあっては、各駒の外周面に設けられた第四識別子及び第五識別子によって、反転された駒であるかどうかを外部から容易に識別することができる。
【0015】
請求項4に記載のゲーム具は、請求項1乃至3のいずれかに記載のゲーム具において前記第一駒及び第三駒が8枚で且つ第二駒及び第四駒が12枚からなると共に、マス目が9×9に形成されてなり、しかも前記所定数連続して並べられる駒数が5枚であると共に、手駒として配した所定の駒数が15枚であることを特徴とする。
【0016】
請求項4記載のゲーム具にあっては、先手後手が各々計20枚の駒を手駒としてこれを順に9×9のマス目に配していき、手駒を夫々15枚配した時点でそれ以降はルール3が適用され、残りの手駒を全て配しても勝敗が決しない場合はルール4に従って勝敗が決せられるか、或いは引き分けとなる。
【0017】
請求項5に記載のゲーム具は、請求項4記載のゲーム具において前記ゲーム盤に各対戦者の手駒を四等分して5枚ずつ積み重ねてセット可能な収容部が設けられなることを特徴とする。
【0018】
請求項5記載のゲーム具にあっては、収容部に5枚ずつに四等分してセットした手駒を順にマス目に配していき、最後の手駒のグループが残った時点、即ち15枚の手駒は配して残りが5枚になった時点でそれ以降はルール3が適用され、かかる手駒を配しても勝敗が決しない場合はルール4に従って勝敗が決せられるか、或いは引き分けとなる。
【0019】
請求項6に記載のゲームプログラムは、複数のマス目を表示装置に表示する制御と、入力手段による入力が所定のルールに適合するか否かを判定する制御と、該入力がルールに適合する場合はそれに基づき前記マス目に駒を配する制御と、マス目に配した駒の数を数えて、その駒数が所定数以上になった場合に前記入力によりマス目に配した駒が対戦相手の駒を挟んだときは所定の反転ルールに従って挟まれた駒を反転するように前記表示を更新する制御と、いずれかの対戦者の駒が所定数連続して並んだことを確認する制御と、駒が所定数連続して並ばない場合に所定の判定ルールで勝敗を決定する制御とを備え、前記反転ルールが、反転した駒が第三識別子である場合、当該駒は自己の駒としては認められず、これを含んで自己の駒を所定数連続して並べたとしても勝ちにはならず、挟める対戦相手の駒は一駒のみであり、複数の駒を挟んだ場合はいずれの駒も反転させることができないが、挟んだ駒が一駒である以上、同時に複数箇所で挟んだ駒は全て反転させることが可能であり、且つ一度反転させた駒は再度反転させることはできないとするものであり、
前記判定ルールが、マス目内における自己の駒数の多い方が勝者となり、この駒数が同数の場合は駒を反転させた際に第三識別子が現れた数が少ない方が勝者となり、且つその数が同数の場合は引き分けとするものであることを特徴とする
【0020】
請求項6記載のゲームプログラムにあっては、入力手段により入力されると、それが所定のルールに適合するか否かを判定し、適合する場合はこれに基づいて前記マス目に駒が配される。一方、所定数以上の駒を配した場合は、それ以降の入力によりマス目に配した駒が対戦相手の駒を挟むと、挟まれた駒は反転するように前記表示が更新される。かかる一連の対戦ではいずれかの対戦者の駒が所定数連続して並んだか否かを確認しているが、上記の如く反転した駒が第三識別子である場合は、当該駒は自己の駒としては認められないため、これを含んで駒を所定数連続して並べたとしても勝ちにはならず、ゲームは続行される。このようにして勝敗が決するまで、或いは手駒がなくなるまでゲームは続行され、後者の場合はマス目に配した駒の状態により勝敗が決っせられ、或いは引き分けとされる。
【0021】
請求項7に記載の記録媒体は、請求項6記載のゲームプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能なことを特徴とする。
【0022】
請求項7記載の記録媒体あっては、入力手段により入力されると、それが所定のルールに適合するか否かを判定し、適合する場合はこれに基づいて前記マス目に駒が配される。一方、所定数以上の駒を配した場合は、それ以降の入力によりマス目に配した駒が対戦相手の駒を挟むと、挟まれた駒は反転するように前記表示が更新される。かかる一連の対戦ではいずれかの対戦者の駒が所定数連続して並んだか否かを確認しているが、上記の如く反転した駒が第三識別子である場合は、当該駒は自己の駒としては認められないため、これを含んで駒を所定数連続して並べたとしても勝ちにはならず、ゲームは続行される。このようにして勝敗が決するまで、或いは手駒がなくなるまでゲームは続行され、後者の場合はマス目に配した駒の状態により勝敗が決っせられ、或いは引き分けとされる。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載のゲーム具は、ゲーム盤のマス目に対戦者が交互に駒を配して自己の駒を所定数連続して並べるものであり、また所定数の手駒を配して勝敗が決しない場合は、残った手駒を前記マス目に配して対戦相手の駒を反転させて自己の駒を所定数連続して並べんとするものであるために、通常の五目並べのゲームにオセロゲーム(登録商標)的な要素が加わることになる。さらに本ゲーム具はこれら従来のゲームに独自のルールを加味したものであるため、前記各ゲームが本来有する面白味を維持しつつ、より一層面白いゲームになるという格別な効果がある。
【0024】
また、本ゲーム具では上記の如く自己の駒によって対戦相手の駒を反転させることができることができるが、ルール3における「挟める対戦相手の駒は一駒のみである点」、「複数の駒を挟んだ場合はいずれの駒も反転させることができない点」及び「一度反転させた駒は再度反転させることはできない点」により、早期に勝敗が決することを良好に回避できるという特有の効果がある。
【0025】
さらに、ルール3には「反転した駒が第三識別子である場合、当該駒は自己の駒としては認められず、これを含んで自己の駒を所定数連続して並べたとしても勝ちにはならない」旨を規定しているが、第一駒及び第二駒の駒数と第三駒及び第四駒の駒数を適当に設定することにより、反転時において第三駒及び第四駒が出る確率を大きくできる。また、同ルールでは「反転させることができる対戦相手の駒がない場合は任意のマス目に手駒を配することができる」とされるために、逆に反転できないことが勝敗上有利に働くこともあり得る。即ち、単にゲームに対する技量だけでは必ずしも勝敗を決し得ない偶然性という要素を本ゲーム具は有することになり、一手のみにより形勢が大逆転する可能性があり、よって年齢等に関係なく幅広く興じることができるという効果を奏する。
【0026】
請求項2記載のゲーム具によれば、駒は反転された駒であることを識別できる識別手段を備えているために、「一度反転させた駒は再度反転させることはできない」というルール3及び「駒を反転させた際に第三識別子が現れた数が少ない方が勝者となる」というルール4を適切に遵守できて、一連のゲーム進行がスムースに行える効果がある。
【0027】
請求項3に記載のゲーム具によれば、前記識別手段が、第一駒及び第三駒の外周面に設けられた第四識別子と、第二駒及び第四駒の外周面に設けられた第五識別子とから構成されてなるために、駒の反転の有無を外部から容易に識別できて、この場合も一連のゲーム進行に大いに寄与するという効果がある。
【0028】
請求項4に記載のゲーム具にあっては、第一駒及び第三駒を8枚とし且つ第二駒及び第四駒を12枚とすると共に、マス目を9×9に形成し、しかも所定数連続して並べられる駒数を5枚にすると共に、手駒として配した所定の駒数を15枚にしており、これら各駒数、マス目数及び駒設定数が調和のとれた妥当な数に設定されているので、ゲームの面白さがより高められるという特有の効果を奏する。
【0029】
請求項5に記載のゲーム具によれば、ゲーム盤に各対戦者の手駒を四等分して5枚ずつ積み重ねてセット可能な収容部が設けられてなるために、一連のゲーム進行が煩雑とはならず、駒を配する便に大いに供し得るという効果がある。
【0030】
請求項6に記載のゲームプログラム及び該ゲームプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な請求項7に記載の記録媒体にあっては、入力手段によりマス目に駒を配していっていずれかの対戦者の駒が所定数連続して並んだことを判定する制御と、配した駒数が所定数以上になった場合に入力によりマス目に配した駒が対戦相手の駒を挟んだときは挟まれた駒を反転するように表示を更新する制御とを有しており、通常の五目並べのゲームにオセロゲーム(登録商標)的な要素が加わることになる。さらに本ゲームプログラムはこれら従来のゲームに独自の反転ルール及び判定ルール等を有しているために、前記各ゲームが本来有する面白味を維持しつつ、より一層面白いゲームになるという効果がある。
【0031】
また、この場合も反転ルールにより、早期に勝敗が決することを良好に回避できると共に、単にゲームに対する技量だけでは必ずしも勝敗を決し得ない偶然性という要素を本ゲーム具は有することになり、一手のみにより形勢が大逆転する可能性があり、よって年齢等に関係なく幅広く興じることができるという効果を奏する。
【0032】
また、本発明に係るゲーム具は全体の構成が非常に簡易であるために、その製作も安価に且つ容易に行うことができるという実用的効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明に係るゲーム具を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
【0034】
図1及び図2において、1は平板状のゲーム盤を示し、その中央部には9×9のマス目2が設けられている。3は後述する円板状の駒をセットするための収容部としての枠であり、左側に位置する収納枠3dは他の収納枠3a〜3cから少し離れた位置に配されている。なお、右側の収納枠3a〜3c内にはそれぞれ一、二、三の番号が付されており、左側の収納枠3d内には「ラッキーチャンス」の文字が付されている。
【0035】
図3中、4aは表面側を黒色に形成して第一識別子5とすると共に、裏面側を白色に形成して第二識別子6とした第一駒で、その外周面は黒色に形成して第四識別子7としている。図4において、8aは表面側を白色に形成して第二識別子6とすると共に、裏面側を黒色に形成して第一識別子5とした第二駒で、その外周面は白色に形成して第五識別子9としている。なお、第一駒4a及び第二駒8aは夫々8枚で構成している。
【0036】
図5中、4bは表面側を黒色に形成して第一識別子5とすると共に、裏面側を赤色に形成して第三識別子10とした第三駒で、その外周面は黒色に形成して第四識別子7としている。図6において、8bは表面側を白色に形成して第二識別子6とすると共に、裏面側を赤色に形成して第三識別子10とした第四駒で、その外周面は白色に形成して第五識別子9としている。なお、第三駒4b及び第四駒8bは夫々12枚で構成している。
【0037】
また、本ゲーム具は以下のようなルールを有している。
即ち、ルール1は、先手が前記第一駒4a及び第三駒4bを手駒とし且つ後手が第二駒8a及び第四駒8bを手駒とする。ルール2は、全ての駒4、8を表面側が上向きになる状態にして、対戦者は駒4、8を前記ゲーム盤1のマス目2に配していき、自己の駒4、8が5枚連続して並べられたらその者が勝者になるというものである。ルール3は、所定の駒数を配しても勝敗が決しない場合は、残った手駒4、8を前記ゲーム盤1の空いたマス目2に配していく。この場合、該手駒4、8とマス目に既に配した自己の駒4、8とにより対戦相手の駒4、8を挟むと該駒4、8を反転させることができ、これにより自己の駒4、8を所定数連続して並べられたらその者が勝者となる。但し、反転した駒4、8が第三識別子10である場合、当該駒4、8は自己の駒としては認められず、これを含んで自己の駒4、8を所定数連続して並べたとしても勝ちにはならない。なお、挟める対戦相手の駒4、8は一駒のみであり、複数の駒4、8を挟んだ場合はいずれの駒も反転させることができない。但し、挟んだ駒4、8が一駒である以上、同時に複数箇所で挟んだ駒4、8は全て反転させることができる。また、一度反転させた駒4、8は再度反転させることはできず、反転させることができる対戦相手の駒4、8がない場合は任意のマス目に手駒を配することができる。ルール4は、全ての手駒4、8を使用しても勝敗が決しない場合は、マス目2内における自己の駒数の多い方が勝者となり、この駒数が同数の場合は駒4、8を反転させた際に第三識別子10が現れた数が少ない方が勝者となる。その数が同数の場合は引き分けとするというものである。
【0038】
また、本実施形態においては手駒4、8の数が5枚となるまでは、所謂3×3、4×4及び6枚以上の駒が連続して並ぶ長連という手は禁止されている。
【0039】
本実施形態は以上のような構成からなるが、かかるゲーム具は全体の構成が非常に簡易であるために、その製作も安価に且つ容易に行うことができるという利点がある。以下、このゲーム具を使用して実際にゲームを行う場合について説明する。
【0040】
先ず、ルール1に従って自己の手駒4、8の20枚を全て表面側を上向きにした状態で適当に混ぜ合わせた後、それを四等分して5枚ずつ積み重ね、公正を期すために対戦相手の駒を図2のようにゲーム盤1の収容部3としての各枠3a〜3dに夫々任意にセットする。
【0041】
次に、表面側を黒色とする第一駒4a及び第三駒4bを手駒とした先手が、向かって右側の収容枠3aにセットされた手駒4を上から一枚取ってゲーム盤1のマス目2に配する。この場合、駒4はマス目2内に配してもよいが、本実施形態では図2のように駒4はマス目2を形成する縦線及び横線の交点上に配することとする。また、駒4、8は右側の収納枠3aから3b、3c、3dの順序で、且つ各収納枠3a〜3dでは上の駒から順次使用する。
【0042】
一方、後手も自己の手駒8をマス目2の交点上に配し、さらに交互に自己の駒4、8を配していって、手駒4、8を夫々15枚配するまでゲームを進める。なお、この時点までにいずれかの駒4、8が5枚連続して一列に並んだ場合はその者が勝者となるが、一般には図7に示すように夫々15枚だけの駒数で勝敗がつくことは少ない。
【0043】
この場合は、ルール3に従って手駒4、8として収容枠3dに残った5枚の駒4、8を空いたマス目2に配していき、この駒4、8とマス目2に既に配した自己の駒4、8とにより対戦相手の駒4、8を挟んだ場合は当該駒4、8を反転させることができる。例えば、先手が駒4cをマス目2に配した場合は、後手の駒8cを反転できる。これにより自己の駒4を5枚連続して並べられたら勝敗が決することになる。
【0044】
一方、反転した駒8cが第三識別子10の赤であるときは、当該駒8cは自己の駒4としては認められないため、たとえこれを含んで先手が駒4を5枚連続して並べたとしても勝ちにはならず、ゲームは続行される。このようにして勝敗が決するまで、或いは手駒4、8がなくなるまでゲームは続行され、後者の場合はルール4に従ってマス目2内における駒数の多い方が勝者となり、この駒数が同数の場合は駒4、8を反転させた際に第三識別子10が現れた数が少ない方が勝者となる。さらにその数が同数の場合は引き分けとなるのである。
【0045】
以上、説明したように本実施形態に係るゲーム具は、ゲーム盤1のマス目2に対戦者が交互に駒4、8を配して自己の駒を所定数連続して並べるものであり、また所定数の手駒4、8を配して勝敗が決しない場合は、残った手駒4、8を前記マス目2に配して対戦相手の駒4、8を反転させて自己の駒4、8を所定数連続して並べんとするものであるために、通常の五目並べのゲームにオセロゲーム(登録商標)的な要素が加わることになる。さらに本ゲーム具はこれら従来のゲームに独自のルールを加味したものであるため、前記各ゲームが本来有する面白味を維持しつつ、より一層面白いゲームになる。
【0046】
また、自己の駒4、8により対戦相手の駒4、8を挟むと当該駒4、8を反転させることができることができるが、ルール3における「挟める対戦相手の駒4、8は一駒のみである点」、「複数の駒を挟んだ場合はいずれの駒も反転させることができない点」及び「一度反転させた駒4、8は再度反転させることはできない点」により、早期に勝敗が決することを良好に回避できるのである。
【0047】
さらに、ルール3には「反転した駒4、8が第三識別子10である場合、当該駒4、8は自己の駒としては認められず、これを含んで自己の駒4、8を5枚連続して並べたとしても勝ちにはならない」旨が定められているが、第一駒4a及び第二駒8aが夫々8枚であるのに対して、第三駒4b及び第四駒8bを夫々12枚として多めに設定しているために、反転時において第三駒4b及び第四駒8bが出る確率が大きくなる。また、同ルールでは「反転させることができる対戦相手の駒4、8がない場合は任意のマス目2に手駒4、8を配することができる」とされるために、逆に反転できないことが勝敗上有利に働くこともあり得る。即ち、単にゲームに対する技量だけでは必ずしも勝敗を決し得ない偶然性という要素を本ゲーム具は有することになり、一手のみにより形勢が大逆転する可能性があり、よって年齢等に関係なく幅広く興じることができるのである。
【0048】
また、駒4、8は第四識別子7又は第五識別子9を外周面に有しているために、「一度反転させた駒は再度反転させることはできない」というルール3や「駒を反転させた際に第三識別子が現れた数が少ない方が勝者となる」というルール4を適切に遵守できて、一連のゲーム進行がスムースに行える。
【0049】
なお、上記実施形態においては、第一駒及び第三駒を8枚、第二駒及び第四駒を12枚で構成すると共に、ゲーム盤1のマス目を9×9に形成し、さらに所定数連続して並べられる駒数、即ち勝敗を決する駒の枚数を5枚にすると共に、手駒として配した所定の駒数を15枚としたために、これら各駒数、マス目数及び駒設定数が調和のとれた妥当な設定となって、ゲームの面白さがより高められることになった。しかるに、これらの数量は決して該実施形態に限定されるものではなく、例えば使用する駒数やマス目2等の数に応じて適宜変更が可能である。
【0050】
また、ゲーム盤1には上記実施形態のように駒4、8をセットするための収容部3を設ける必要はなく、省略しても構わない。
【0051】
さらに、上記実施形態では各駒4、8に設ける識別子を色彩により構成したが、例えば文字、記号、図形、絵等によって各識別子を構成してもよい。
【0052】
また、上記実施形態においては、駒4、8が反転された駒であるか否かを外部から容易に識別できるように先手の第一駒4a及び第三駒4bの外周面を黒色にして第四識別子7を設けると共に、後手の第二駒8a及び第四駒8bの外周面を白色にして第五識別子9を設けたが、かかる識別手段は決してこれに限定されない。例えば、第一駒4a及び第三駒4bの外周面にのみ文字、記号、絵等を設けて識別手段としても構わない。しかるに、駒数が比較的少ない場合等は、別途これらの識別手段を設けなくても反転は識別可能であるため、該識別手段は本発明の必須の要件ではない。
【0053】
その他、ゲーム盤1や各駒4、8の形状等の具体的な構成も本発明の意図する範囲内において任意に設計変更自在である。
【0054】
上記実施形態ではゲーム具について説明したが、次に本発明に係るプログラム及びこれが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体の一実施形態について説明する。
【0055】
本実施形態はゲームプログラムが記録された記録媒体とパーソナルコンピュータとを組み合わせて構成したものであり、かかる電子ゲーム装置は、表示装置、入力手段としてのキーボード及びマウス、処理装置、メインメモリ、補助記録装置、ディスク装置等からなる。
【0056】
図8は本実施形態に係るゲームプログラムに基づきパーソナルコンピュータが実行する主な処理のフローチャートである。先ず、プログラムを起動するとステップ201で表示装置に初期画面が表示される。この初期画面には図9のようにゲーム盤1上に9×9のマス目2が表示される。また、マス目2の上下位置には上記実施形態と同様に構成された先手用の駒4及び後手用の駒8が表示される。
【0057】
駒の入力は例えばマウス等により画面上の駒4、8を順次クリックしつつ所定のマス目2にまでドラッグすることで行う。かかる駒の入力の有無はステップ202で判定され、さらにステップ203では各対戦者が既に配した駒4、8の数が数えられる。即ち、駒数nが15枚以下である場合はステップ204及び205で前記入力が所定のルールに適合しているか否か、即ち空いているマス目2に駒が配されたか、3×3、4×4及び長連等の禁じ手に該当していないかが判定され、これに適合しない場合はこの入力は無効なものとしてキャンセルされる(ステップ206)。一方、ルールに適合する場合は、ステップ207で駒4、8が前記マス目2に表示される。
【0058】
次に、ステップ208及び209において5枚の駒が連続して並んだか否かの判定が行われ、勝敗が決した場合はステップ210で前記表示装置にその勝敗が表示される。
【0059】
また、前記ステップ203で配した駒4、8の数nが16枚以上になった場合は、図10のようにステップ211及び212で入力が所定のルールに適合しているか否か、例えば挟める駒があるにもかかわらず挟まずに駒を配した場合等は不適合と判定されて、その入力は無効なものとしてキャンセルされる(ステップ213)。
【0060】
一方、ルールに適合する場合は、ステップ214で駒4、8が前記マス目2に表示されると共に、ステップ215で駒反転の有無が検出され、挟まれた駒4、8がある場合はステップ216において該駒を反転するように表示を更新する。なお、かかる反転時には挟める対戦相手の駒4、8は一駒のみであり、複数の駒4、8を挟んだ場合はいずれの駒4、8も反転されないが、挟んだ駒4、8が一駒である以上、複数箇所で挟んだ駒4、8は全て反転され、また一度反転させた駒4、8は再度反転されないという反転ルールが適用される。
【0061】
その後、ステップ217及び218において5枚の駒4、8が連続して並んだか否かの判定が行われるが、反転した駒4、8が第三識別子10であるときは、当該駒4、8は自己の駒としては認められず、これを含んで自己の駒4、8を5枚連続して並べたとしても勝ちにはならないという反転ルールが適用される。
【0062】
そして、勝敗が決した場合はステップ219で前記表示装置にその勝敗が表示されてゲームは終了する(ステップ220)。一方、ステップ218で勝敗が決しない場合はステップ221で手駒の数が数えられ、ここで手駒がなくなっているときは、判定ルールに基づきステップ222においてマス目2に配された自己の駒数の多い方が勝者と判定され、またこの駒数が同数の場合は駒4、8を反転させた際に第三識別子10が現れた数が少ない方が勝者と判定されて勝敗が決せられ、その数も同数の場合は引き分けと判定されて、その結果が前記表示装置表示されるのである。
【0063】
本実施形態においても、上記実施形態と同様の効果を入力手段によりマス目2に駒4、8を配していっていずれかの対戦者の駒が所定数連続して並んだことを判定するステップと、配した駒数が所定数以上になった場合に入力によりマス目2に配した駒4、8が対戦相手の駒を挟んだときは挟まれた駒4、8を反転するように表示を更新するステップとを有しており、通常の五目並べのゲームにオセロゲーム(登録商標)的な要素が加わることになる。さらに本ゲームプログラムはこれら従来のゲームに独自の反転ルール及び判定ルール等を有しているために、前記各ゲームが本来有する面白味を維持しつつ、より一層面白いゲームになるという効果がある。
【0064】
また、かかる反転ルールにより、早期に勝敗が決することを良好に回避できると共に、単にゲームに対する技量だけでは必ずしも勝敗を決し得ない偶然性という要素を有することになり、一手のみにより形勢が大逆転する可能性があり、よって年齢等に関係なく幅広く興じることができるという効果を奏する。
【0065】
なお、各駒4、8の枚数、マス目数、所定数連続して並べられる駒数及び手駒4、8として配した所定の駒数等は上記実施形態に限定されず、本発明の意図する範囲内において任意に設計変更自在である。
【0066】
また、ゲーム盤1には上記実施形態のように駒4、8をセットするための収容部3を設ける必要はなく、省略しても構わない。
【0067】
さらに、各駒4、8に設ける各識別子の具体的態様も適宜変更が可能である。
【0068】
さらに、本発明に係るゲームプログラムはCD−ROMの他、FDD、MO、PD、DVDディスク、HDD等の記録媒体に幅広く格納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係るゲーム具の一実施形態を示す平面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】(a)及び(b)は本発明に係るゲーム具の駒の一実施形態を示す斜視図である。
【図4】(a)及び(b)は本発明に係るゲーム具の駒の一実施形態を示す斜視図である。
【図5】(a)及び(b)は本発明に係るゲーム具の駒の一実施形態を示す斜視図である。
【図6】(a)及び(b)は本発明に係るゲーム具の駒の一実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明に係るゲーム具の一実施形態を示す平面図である。
【図8】本発明に係るゲームプログラムの一実施形態を示すフローチャートである。
【図9】同平面図である。
【図10】同フローチャートである。
【図11】従来のゲーム具(特許文献1)を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0070】
1 ゲーム盤
2 マス目
3 収容部
4a 第一駒
4b 第三駒
5 第一識別子
6 第二識別子
7 第四識別子
8a 第二駒
8b 第四駒
9 第五識別子
10 第三識別子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマス目が設けられたゲーム盤と、
表面側に第一識別子を有し且つ裏面側に該第一識別子とは異なる第二識別子を有する所定数の第一駒と、
表面側に前記第二識別子を有し且つ裏面側に前記第一識別子を有する所定数の第二駒と、
表面側に前記第一識別子を有し且つ裏面側に該第一識別子及び前記第二識別子とは異なる第三識別子を有する所定数の第三駒と、
表面側に前記第二識別子を有し且つ裏面側に前記第三識別子を有する所定数の第四駒とを備え、
且つ前記ゲーム盤のマス目に自己の駒を交互に配すべく以下のルールを有してなることを特徴とするゲーム具。
ルール1:先手が前記第一駒及び第三駒を手駒とし且つ後手が第二駒及び第四駒を手駒とする。
ルール2:全ての駒を表面側が上向きになる状態にして、対戦者は自己の駒を前記ゲーム盤のマス目に配していき、自己の駒を所定数連続して並べられたらその者が勝者となる。
ルール3:所定の駒数を配しても勝敗が決しない場合は、残った手駒を前記ゲーム盤の空いたマス目に配していく。この場合、該手駒とマス目に既に配した自己の駒とにより対戦相手の駒を挟むと該駒を反転させることができ、これにより自己の駒を所定数連続して並べられたらその者が勝者となる。但し、反転した駒が第三識別子である場合、当該駒は自己の駒としては認められず、これを含んで自己の駒を所定数連続して並べたとしても勝ちにはならない。なお、挟める対戦相手の駒は一駒のみであり、複数の駒を挟んだ場合はいずれの駒も反転させることができない。但し、挟んだ駒が一駒である以上、同時に複数箇所で挟んだ駒は全て反転させることができる。また、一度反転させた駒は再度反転させることはできず、反転させることができる対戦相手の駒がない場合は任意のマス目に手駒を配することができる。
ルール4:全ての手駒を使用しても勝敗が決しない場合は、マス目内における自己の駒数の多い方が勝者となり、この駒数が同数の場合は駒を反転させた際に第三識別子が現れた数が少ない方が勝者となる。その数が同数の場合は引き分けとする。
【請求項2】
前記駒が反転された駒であることを識別できる識別手段を備えてなる請求項1記載のゲーム具。
【請求項3】
前記識別手段が、第一駒及び第三駒の外周面に設けられた第四識別子と、第二駒及び第四駒の外周面に設けられた第五識別子とから構成されてなる請求項2記載のゲーム具。
【請求項4】
前記第一駒及び第三駒が8枚で且つ第二駒及び第四駒が12枚からなると共に、マス目が9×9に形成されてなり、しかも前記所定数連続して並べられる駒数が5枚であると共に、手駒として配した所定の駒数が15枚である請求項1乃至3のいずれかに記載のゲーム具。
【請求項5】
前記ゲーム盤に各対戦者の手駒を四等分して5枚ずつ積み重ねてセット可能な収容部が設けられなる請求項4記載のゲーム具。
【請求項6】
複数のマス目を表示装置に表示する制御と、
入力手段による入力が所定のルールに適合するか否かを判定する制御と、
該入力がルールに適合する場合はそれに基づき前記マス目に駒を配する制御と、
マス目に配した駒の数を数えて、その駒数が所定数以上になった場合に前記入力によりマス目に配した駒が対戦相手の駒を挟んだときは所定の反転ルールに従って挟まれた駒を反転するように前記表示を更新する制御と、
いずれかの対戦者の駒が所定数連続して並んだことを確認する制御と、
駒が所定数連続して並ばない場合に所定の判定ルールで勝敗を決定する制御とを備え、
前記駒が、
表面側に第一識別子を有し且つ裏面側に該第一識別子とは異なる第二識別子を有する所定数の第一駒と、
表面側に前記第二識別子を有し且つ裏面側に前記第一識別子を有する所定数の第二駒と、
表面側に前記第一識別子を有し且つ裏面側に該第一識別子及び前記第二識別子とは異なる第三識別子を有する所定数の第三駒と、
表面側に前記第二識別子を有し且つ裏面側に前記第三識別子を有する所定数の第四駒とからなると共に、
前記反転ルールが、
反転した駒が第三識別子である場合、当該駒は自己の駒としては認められず、これを含んで自己の駒を所定数連続して並べたとしても勝ちにはならず、挟める対戦相手の駒は一駒のみであり、複数の駒を挟んだ場合はいずれの駒も反転させることができないが、挟んだ駒が一駒である以上、同時に複数箇所で挟んだ駒は全て反転させることが可能であり、且つ一度反転させた駒は再度反転させることはできないとするものであり、
前記判定ルールが、
マス目内における自己の駒数の多い方が勝者となり、この駒数が同数の場合は駒を反転させた際に第三識別子が現れた数が少ない方が勝者となり、且つその数が同数の場合は引き分けとするものであることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項7】
請求項6記載のゲームプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
複数のマス目が設けられたゲーム盤と、
表面側に第一識別子を有し且つ裏面側に該第一識別子とは異なる第二識別子を有する所定数の第一駒と、
表面側に前記第二識別子を有し且つ裏面側に前記第一識別子を有する所定数の第二駒と、
表面側に前記第一識別子を有し且つ裏面側に該第一識別子及び前記第二識別子とは異なる第三識別子を有する所定数の第三駒と、
表面側に前記第二識別子を有し且つ裏面側に前記第三識別子を有する所定数の第四駒とを備え、
且つ前記ゲーム盤のマス目に自己の駒を交互に配すべく以下のルールを有してなることを特徴とするゲーム具。
ルール1:先手が前記第一駒及び第三駒を手駒とし且つ後手が第二駒及び第四駒を手駒とする。
ルール2:全ての駒を表面側が上向きになる状態にして、対戦者は自己の駒を前記ゲーム盤のマス目に配していき、自己の駒を所定数連続して並べられたらその者が勝者となる。
ルール3:所定の駒数を配しても勝敗が決しない場合は、残った手駒を前記ゲーム盤の空いたマス目に配していく。この場合、該手駒とマス目に既に配した自己の駒とにより対戦相手の駒を挟むと該駒を反転させることができ、これにより自己の駒を所定数連続して並べられたらその者が勝者となる。但し、反転した駒が第三識別子である場合、当該駒は自己の駒としては認められず、これを含んで自己の駒を所定数連続して並べたとしても勝ちにはならない。なお、挟める対戦相手の駒は一駒のみであり、複数の駒を挟んだ場合はいずれの駒も反転させることができない。但し、挟んだ駒が一駒である以上、同時に複数箇所で挟んだ駒は全て反転させることができる。また、一度反転させた駒は再度反転させることはできず、反転させることができる対戦相手の駒がない場合は任意のマス目に手駒を配することができる。
ルール4:全ての手駒を使用しても勝敗が決しない場合は、マス目内における自己の駒数の多い方が勝者となり、この駒数が同数の場合は駒を反転させた際に第三識別子が現れた数が少ない方が勝者となる。その数が同数の場合は引き分けとする。
【請求項2】
前記駒が反転された駒であることを識別できる識別手段を備えてなる請求項1記載のゲーム具。
【請求項3】
前記識別手段が、第一駒及び第三駒の外周面に設けられた第四識別子と、第二駒及び第四駒の外周面に設けられた第五識別子とから構成されてなる請求項2記載のゲーム具。
【請求項4】
前記第一駒及び第三駒が8枚で且つ第二駒及び第四駒が12枚からなると共に、マス目が9×9に形成されてなり、しかも前記所定数連続して並べられる駒数が5枚であると共に、手駒として配した所定の駒数が15枚である請求項1乃至3のいずれかに記載のゲーム具。
【請求項5】
前記ゲーム盤に各対戦者の手駒を四等分して5枚ずつ積み重ねてセット可能な収容部が設けられなる請求項4記載のゲーム具。
【請求項6】
複数のマス目を表示装置に表示する制御と、
入力手段による入力が所定のルールに適合するか否かを判定する制御と、
該入力がルールに適合する場合はそれに基づき前記マス目に駒を配する制御と、
マス目に配した駒の数を数えて、その駒数が所定数以上になった場合に前記入力によりマス目に配した駒が対戦相手の駒を挟んだときは所定の反転ルールに従って挟まれた駒を反転するように前記表示を更新する制御と、
いずれかの対戦者の駒が所定数連続して並んだことを確認する制御と、
駒が所定数連続して並ばない場合に所定の判定ルールで勝敗を決定する制御とを備え、
前記駒が、
表面側に第一識別子を有し且つ裏面側に該第一識別子とは異なる第二識別子を有する所定数の第一駒と、
表面側に前記第二識別子を有し且つ裏面側に前記第一識別子を有する所定数の第二駒と、
表面側に前記第一識別子を有し且つ裏面側に該第一識別子及び前記第二識別子とは異なる第三識別子を有する所定数の第三駒と、
表面側に前記第二識別子を有し且つ裏面側に前記第三識別子を有する所定数の第四駒とからなると共に、
前記反転ルールが、
反転した駒が第三識別子である場合、当該駒は自己の駒としては認められず、これを含んで自己の駒を所定数連続して並べたとしても勝ちにはならず、挟める対戦相手の駒は一駒のみであり、複数の駒を挟んだ場合はいずれの駒も反転させることができないが、挟んだ駒が一駒である以上、同時に複数箇所で挟んだ駒は全て反転させることが可能であり、且つ一度反転させた駒は再度反転させることはできないとするものであり、
前記判定ルールが、
マス目内における自己の駒数の多い方が勝者となり、この駒数が同数の場合は駒を反転させた際に第三識別子が現れた数が少ない方が勝者となり、且つその数が同数の場合は引き分けとするものであることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項7】
請求項6記載のゲームプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−236654(P2007−236654A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−63641(P2006−63641)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(506042896)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(506042896)
【Fターム(参考)】
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