説明

ゲーム支援サーバ、ゲーム装置、ゲーム支援システム及びゲーム支援方法

【課題】ユーザがゲームをしたい時間に適したゲームを推薦する技術を提供する。
【解決手段】ゲーム支援サーバ100は、ゲーム装置のユーザのゲームに対する習熟度を示すスキルレベルを取得するスキルレベル取得部182と、ゲーム装置で実行されるゲームの実行に要する標準時間を格納したゲームデータベース192と、ゲーム装置から、ユーザがゲームを実行したい希望時間を取得し、希望時間に合ったゲームの推薦の要求を受け付ける推薦要求受付部184と、取得したユーザのスキルレベルに応じて標準時間を補正することによりユーザがゲームの実行に要すると予想される予想時間を算出し、予想時間と希望時間との差が所定値以下であるゲームを推薦候補としてゲームデータベース192から抽出する推薦候補抽出部185と、抽出されたゲームの推薦候補をゲーム装置へ提示する推薦候補提示部186とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置のユーザを支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型のゲーム端末が広く普及し、外出中であっても気軽にゲームを楽しむことができるようになっている。電車などで移動している間や、待ち合わせの時間などのちょっとした空き時間を利用してゲームを楽しむユーザも増えている。また、街中に設置されたアクセスポイントなどを介してインターネットに接続する機能を有する携帯型ゲーム端末も登場しており、外出中であっても新しいゲームをダウンロードして楽しむことができる。
【0003】
新しいゲームをユーザがダウンロードする際に、ユーザの行動履歴などからユーザの嗜好を推定し、ユーザに適したゲームを推薦するサービスがあれば便利である。ユーザの行動履歴を示すログ情報を収集して解析する技術として、例えば特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−58395号公報(対応する米国特許第7,558,820号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、空き時間にユーザが新しいゲームに挑戦しようとしても、ゲームに要する時間が分からないため、空き時間の間にゲームが終了するかどうかを事前に判断することができない。ゲームを開始したものの、空き時間の間に終了することができなければ、途中でゲームを終了しなければならなかったり、中途半端な状態でセーブしなければならなかったりして、せっかくの空き時間を無駄に過ごすことになりかねない。そのため、空き時間ができたとしても、結局は、所要時間が予め分かっている、既にプレイしたことのあるゲームの中からゲームを選択することが多くなり、新しいゲームに挑戦する機会が失われていた。
【0006】
そこで本発明は、ゲーム装置のユーザを支援し、ユーザの利便性を向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のゲーム支援サーバは、ゲーム装置のユーザのゲームに対する習熟度を示すスキルレベルを取得するスキルレベル取得部と、前記ゲーム装置で実行されるゲームの実行に要する標準時間を格納したゲームデータベースと、前記ゲーム装置から、前記ユーザがゲームを実行したい希望時間を取得し、前記希望時間に合ったゲームの推薦の要求を受け付ける推薦要求受付部と、前記スキルレベル取得部が取得したユーザのスキルレベルに応じて前記標準時間を補正することにより前記ユーザがゲームの実行に要すると予想される予想時間を算出し、前記予想時間と前記希望時間との差が所定値以下であるゲームを推薦候補として前記ゲームデータベースから抽出する推薦候補抽出部と、前記推薦候補抽出部により抽出されたゲームの推薦候補を前記ゲーム装置へ提示する推薦候補提示部とを備える。
【0008】
本発明のある態様のゲーム装置は、ユーザから、前記ユーザがゲームを実行したい希望時間を取得し、前記希望時間に合ったゲームの推薦をゲーム支援サーバへ要求する推薦要求送信部と、前記ユーザのゲームに対する習熟度を示すスキルレベルに応じて前記ゲームの実行に要する標準時間を補正することにより算出された、前記ユーザがゲームの実行に要すると予想される予想時間と前記希望時間との差が所定値以下であるゲームの推薦候補を前記ゲーム支援サーバから取得する推薦候補取得部と、前記推薦候補取得部が取得したゲームの推薦候補を表示する推薦候補表示部とを備える。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、ゲーム装置のユーザの利便性を向上させる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態に係るゲーム支援システムの構成を示す図である。
【図2】図2(a)は、実施の形態に係る携帯情報端末が閉状態にあるときの前面図であり、図2(b)は、実施の形態に係る携帯情報端末が開状態にあるときの前面図である。
【図3】図3(a)は、実施の形態に係る携帯情報端末の上面を示す図であり、図3(b)は、実施の形態に係る携帯情報端末の下面を示す図である。
【図4】図4(a)は、実施の形態に係る携帯情報端末の左側面を示す図であり、図4(b)は、実施の形態に係る携帯情報端末の右側面を示す図である。
【図5】実施の形態に係る携帯情報端末の回路構成を示す図である。
【図6】実施の形態に係る携帯情報端末の機能構成を示す図である。
【図7】実施の形態に係るゲーム支援サーバの回路構成を示す図である。
【図8】実施の形態に係るゲーム支援サーバの機能構成を示す図である。
【図9】実施の形態に係るゲームデータベースの内部データの例を示す図である。
【図10】実施の形態に係るユーザデータベースの内部データの例を示す図である。
【図11】実施の形態に係るゲーム支援方法の手順を示すシーケンス図である。
【図12】実施の形態に係る携帯情報端末がディスプレイに表示した画面の例を示す図である。
【図13】実施の形態に係るゲーム支援方法において、標準プレイ時間及びユーザのスキルレベルを更新する手順を示すシーケンス図である。
【図14】実施の形態に係るゲーム支援方法を実現するための手順を示すシーケンス図である。
【図15】実施の形態に係るゲーム支援方法を実現するための手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、実施の形態に係るゲーム支援システム1の構成を模式的に示す。ゲーム支援システム1は、ゲーム支援サーバ100と、携帯情報端末10と、ゲーム装置200とを備える。ゲーム支援サーバ100、携帯情報端末10及びゲーム装置200は、ネットワークの一例であるインターネット2を介して通信可能に接続される。
【0013】
携帯情報端末10は、装着されたメモリカード等の記憶媒体に記憶されたプログラム及びデータ、並びに、サーバ等の外部機器と通信して取得したプログラム及びデータを処理するものであり、例えば、ゲームプログラム、画像データ及び音声データを処理する。携帯情報端末10は、後述する無線通信制御部67によりアクセスポイント4との間で無線通信し、アクセスポイント4を介してインターネット2に接続され、同様に、後述する携帯電話網通信制御部69により携帯電話網3との間で無線通信し、携帯電話網3を介してインターネット2に接続される。
【0014】
ゲーム装置200は、例えば、ユーザの自宅などに設置される据え置き型の家庭用ゲーム装置である。携帯情報端末10及びゲーム装置200は、いずれも、本発明のゲーム装置の一例である。ユーザは、家庭においては、主に、ゲーム装置200を用いてゲームを楽しむことができ、外出中には、携帯情報端末10を用いてゲームを楽しむことができる。
【0015】
ゲーム支援サーバ100は、携帯情報端末10のユーザからの要求に応じて、ユーザに適したゲームを推薦する。その際に、ゲーム支援サーバ100は、ユーザから、ユーザがゲームをプレイしたい時間を取得し、所望の時間でちょうど終了するようなゲームの候補を抽出して推薦する。これにより、ユーザは、自身の空き時間に合わせて効率良くゲームを楽しむことができる。また、ユーザが空き時間に新しいゲームに挑戦する機会を提供することができるので、ゲームの利用促進に寄与することができる。
【0016】
ゲーム支援サーバ100は、各ゲームの標準的なプレイ時間を保持する。また、ゲーム支援サーバ100は、ユーザのゲームに対する習熟度を示すスキルレベルを取得する。ゲーム支援サーバ100は、ユーザのスキルレベルに応じて、標準的なプレイ時間からそのユーザのプレイ時間を予想し、予想プレイ時間が希望時間に合致するゲームを抽出して推薦する。
【0017】
ゲーム支援サーバ100は、各ゲームの標準的なプレイ時間を算出するために、ゲーム装置200及び携帯情報端末10からゲームの実行履歴を収集する。また、ゲーム支援サーバ100は、各ユーザのスキルレベルを算出するために、ゲーム装置200及び携帯情報端末10からゲームの実行履歴を収集する。ゲーム支援サーバ100は、携帯情報端末10のみからゲームの実行履歴を収集してもよく、その場合は、ゲーム支援システム1はゲーム装置200を備えなくてもよい。
【0018】
ここで、携帯情報端末10の外観構成及び回路構成について説明した後、本実施の形態に係るゲーム支援方法を実現するための携帯情報端末10の機能構成を示し、各機能構成の動作の詳細について説明する。更に、ゲーム支援サーバ100の回路構成について説明した後、本実施の形態に係るゲーム支援方法を実現するためのゲーム支援サーバ100の機能構成を示し、各機能構成の動作の詳細について説明する。最後に、ゲーム支援システム1におけるゲーム支援方法の詳細をシーケンス図を用いて説明する。
【0019】
[携帯情報端末10の外観構成]
図2(a)(b)は、本実施の形態に係る携帯情報端末10の外観構成を示す。携帯情報端末10は、筐体12と、筐体12内に収納され、前述の処理を実行する端末本体13とを備える。筐体12は、携帯情報端末10を把持するユーザから見て手前側(正面側)に位置する上側筐体20と、上側筐体20の背面側に位置する下側筐体30とを備える。上側筐体20及び下側筐体30は、それぞれ、正面側(使用者に対向する側)から見た場合、左右方向(図2(a)(b)における左右方向)に長い長方形における左右の両端縁を円弧状に膨出させた正面視略長円形状を有し、下側筐体30に対して上側筐体20が僅かに大きく形成されている。
【0020】
下側筐体30は、上側筐体20寄りの外縁を覆う金属製の枠体52を備え、枠体52の寸法分だけ、下側筐体30は上側筐体20より大きい。上側筐体20及び下側筐体30は、それぞれ略扁平状に形成され、一方に対して他方が上下方向にスライド自在に構成されている。なお、本実施の形態では、上側筐体20及び下側筐体30は合成樹脂により形成されているが、金属により形成されてもよい。
【0021】
図2(a)は、携帯情報端末10が閉状態にあるときの前面図であり、図2(b)は、携帯情報端末10が開状態にあるときの前面図である。携帯情報端末10の閉状態においては、上側筐体20が下側筐体30の上方にてほぼ完全に重なっており、下側筐体30の前面に設けられた操作キーは外部に露出しない。この閉状態から、下側筐体30を上側筐体20に対してスライドさせると、携帯情報端末10は、下側筐体30の前面に設けられた操作キーが外部に露出する開状態となる。
【0022】
[正面部の構成]
上側筐体20の正面部の略中央には、上側筐体20内に収納され、かつ、液晶表示パネル上に透明タッチパネルを重ね合わせて構成されたディスプレイ23が設けられる。上側筐体20の、ディスプレイ23に対応した領域には、透光部24が設けられる。ユーザは、透光部24を介して、ディスプレイ23に表示された画像を観察する。なお、ディスプレイ23は、液晶表示パネルに代えて、有機EL(Electro-Liminescence)パネル等の他の表示手段を備えてもよい。
【0023】
透光部24の左右には、上側筐体20内に収納されたスピーカー(図示省略)からの音声が出力される一対の音声出力口21a及び21bが設けられる。音声出力口21a及び21bの上方には、左右にそれぞれインジケータ25a及び25bが設けられる。左側のインジケータ25aは、後述する無線モジュールによる通信状態を示し、右側のインジケータ25bは、Bluetooth(登録商標)による通信状態を示す。インジケータ25a及び25bは、それぞれ、LED(Light Emitting Diode)により構成されている。上側筐体20の正面部の左側で、かつ、左側の音声出力口21aの下方には、奥行き方向に向かって押下可能なボタン22が設けられている。ボタン22には、実行中のプログラムを切り替えたり、ゲームを終了又は一時中断したりするための機能が割り当てられている。上側筐体20の正面部の右側で、かつ、インジケータ25bの上方には、正面カメラ68aが設けられている。同様に、下側筐体30の背面部上側の左右中央には、背面カメラ68b(図示省略)が設けられている。
【0024】
下側筐体30の正面部における、下側筐体30に対して上側筐体20を上方にスライドさせた際に露出する領域には、図2(b)に示すように、左側に、上下左右及び斜方の8方向に入力可能な方向キー31a、31b、31c及び31d(「方向キー31」と総称する)が設けられ、右側に、菱形の頂点にそれぞれ位置する4つのボタン36a、36b、36c及び36d(「ボタン36」と総称する)が設けられる。更に、方向キー31及びボタン36に挟まれるように、正面部に沿って摺動可能に構成され、かつ、摺動方向を検出するアナログパッド32が左側に設けられ、上下に並列配置された半円形状の一対のボタンとして、スタートボタン34及びセレクトボタン35が右側に設けられる。アナログパッド32と、スタートボタン34及びセレクトボタン35との間に、マイク33が設けられる。これらの操作キーは、携帯情報端末10が開状態となることで、操作可能となる。
【0025】
下側筐体30の左側端部には、ストラップ(図示省略)を取り付けるための取付口53が形成されている。取付口53は、前述の枠体52に形成されている。更に、下側筐体30の正面部における左右両端で、上下方向における略中央には、一対のインジケータ54a及び54bが設けられる。左側のインジケータ54aは、メディアカードスロット41を介して端末本体13に装着されたメモリカード(図示省略)に対するデータの読取/記録状態を示す。右側のインジケータ54bは、携帯情報端末10の電源のオン/オフ状態を示す。インジケータ54a及び54bは、それぞれ、LEDにより構成されている。インジケータ54a及び54bは、図2(a)(b)に示すように、それぞれ、上側筐体20と重ならない位置に配置されているので、上側筐体20と下側筐体30とを重ね合わせた状態でも、インジケータ54a及び54bの点灯状態を確認することができる。
【0026】
[上面部の構成]
図3(a)は、携帯情報端末10の上面を示す。下側筐体30の上面部には、左右方向の両端に一対の左ボタン37a及び右ボタン37bが設けられる。上面部における左側のボタンを左ボタン37aとし、右側のボタンを右ボタン37bとする。左ボタン37a及び右ボタン37bは、略L字状に形成されており、これらのうちの一辺が上面部に沿い、他辺がそれぞれ左側面部及び右側面部に沿うように形成されている。すなわち、左ボタン37a及び右ボタン37bは、上面部と左右の両側面部とに跨るように配置される。上面部の略中央には、スピーカにより出力される音声の音量を増減させるための一対の音量ボタン38a及び38bが設けられる。
【0027】
[下面部の構成]
図3(b)は、携帯情報端末10の下面を示す。下側筐体30の下面部における左側には、ヘッドホンを接続するためのステレオ入出力端子40が設けられ、右側には、外部機器としてのクレードル(図示省略)と接続するための接続用端子39が設けられる。
【0028】
[左側面部の構成]
図4(a)は、携帯情報端末10の左側面を示す。下側筐体30の左側面部の上端は、左ボタン37aの一部により覆われている。左側面部の上方には、メモリカードを挿抜するためのメディアカードスロット41が設けられる。メディアカードスロット41には、挿抜口を閉塞するカバーが設けられる。左側面部の下方には、左側面部に沿って摺動自在に設けられたキー42が設けられる。キー42は、無線モジュールのオン/オフ状態を切り替えるためのキーである。
【0029】
[右側面部の構成]
図4(b)は、携帯情報端末10の右側面を示す。下側筐体30の右側面部の上端は、左側面部と同様に、右ボタン37bの一部により覆われている。右側面部の下方には、右側面部に沿って摺動自在に設けられた電源/ホールドスイッチ50が設けられる。電源/ホールドスイッチ50を上方にスライドさせると、携帯情報端末10の電源がオンされ、再度、上方にスライドさせると、電源がオフされる。電源/ホールドスイッチ50を下方にスライドさせると、他のキーの入力がキャンセルされるホールド状態に切り替えることができる。携帯情報端末10が閉状態にある場合、下側筐体30の前面に設けられた操作キーは外部に露出しないが、ボタン22、左ボタン37a、右ボタン37bは、常に外部に露出している。そのためユーザは、携帯情報端末10の利用を終了するときには、電源/ホールドスイッチ50を下方にスライドさせることで、ボタン22、左ボタン37a、右ボタン37bのキー操作を無効化させ、操作キーの意図しない誤操作を回避することができる。
【0030】
[携帯情報端末10の回路構成]
図5は、携帯情報端末10の回路構成を示す。表示装置60は、携帯情報端末10の各機能により生成される表示画面を表示する。表示装置60は、前述したように、液晶表示装置であってもよいし、有機EL表示装置であってもよい。タッチパネル61は、表示装置60の上に重ね合わせて設けられ、ユーザの指やペンなどによる接触を検知する。タッチパネル61は、抵抗膜方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式など、いずれの方式のものであってもよい。前述したように、表示装置60及びタッチパネル61によりディスプレイ23が構成される。
【0031】
LED62は、前述したインジケータ25a、25b、54a及び54bを構成する。動きセンサ63は、携帯情報端末10の動きを検知する。マイク33は、携帯情報端末10の周辺の音声を入力する。スピーカ64は、携帯情報端末10の各機能により生成される音声を出力する。ステレオ入出力端子40は、外部のマイクからステレオ音声を入力し、外部のヘッドフォンなどへステレオ音声を出力する。入力装置65は、前述した操作キーなどを含み、ユーザの操作入力を受け付ける。以上のタッチパネル61、LED62、動きセンサ63、マイク33、スピーカ64、ステレオ入出力端子40及び入力装置65が、インターフェイス66を介してCPU71等と相互にデータを授受する。
【0032】
無線通信制御部67は、IEEE802.11b/g等の通信規格に準拠した無線LAN(Wireless Local Area Network)によって構成され、図1に示すように、アクセスポイント4などと無線通信し、アクセスポイント4及びインターネット2を介して、ゲーム支援サーバ100との通信を制御する。カメラ68は、画像を撮像し、画像データを入力する。携帯電話網通信制御部69は、ITU(国際電気通信連合)によって定められたIMT−2000規格に準拠した第三世代(3rd Generation)デジタル携帯電話方式に対応し、図1に示すように、携帯電話網3及びインターネット2を介して、ゲーム支援サーバ100との通信を制御する。SIMカード70には、携帯電話の電話番号を特定するための固有のID番号が記録されており、SIMカード70が挿入されることにより、携帯電話網との間の通信が可能となる。カメラ68は、CMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)によって構成される正面カメラ68aと、同様にCMOSイメージセンサによって構成される背面カメラ68bとから成り、正面方向と背面方向の画像を各々撮像し、画像データとして出力する。
【0033】
CPU(Central Processing Unit)71は、メインメモリ73にロードされたプログラムなどを実行し、図6に示す各機能構成を実現する。GPU(Graphics Processing Unit)72は、画像処理に必要な計算を実行する。メインメモリ73は、RAM(Random Access Memory)などにより構成され、携帯情報端末10で動作するプログラムやデータなどを記憶する。ストレージ74は、NAND型フラッシュメモリ(NAND-type flash memory)などにより構成され、携帯情報端末10の各構成により利用されるプログラムやデータなどを記録する。
【0034】
GPS(Global Positioning System)制御部75は、GPS衛星からの信号を受信し、現在位置を算出する。Bluetooth制御部76は、Bluetoothによる周辺装置15との間の無線通信を制御する。USB制御部77は、UBによる周辺装置15との間の通信を制御する。メモリカード制御部78は、外部メディア16との間のデータの読み書きを制御する。ビデオ出力制御部79は、HDMIなどの規格に基づいて、外部表示装置17へビデオ信号を出力する。
【0035】
[携帯情報端末10の機能構成]
図6は、本実施の形態に係る携帯情報端末10の機能構成を示す。図6では、本実施の形態に係るゲーム支援方法を実現するための機能構成を示しており、その他の構成は省略している。図6において、さまざまな処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、CPU71、メインメモリ73、その他のLSIで構成することができ、ソフトウェア的には、メインメモリ73にロードされたプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0036】
携帯情報端末10は、制御部80、履歴保持部92及びゲームプログラム保持部93を備える。制御部80は主にCPUにより実現され、履歴保持部92及びゲームプログラム保持部93は主にメインメモリ73又はストレージ74により実現される。制御部80は、ユーザ登録要求部81、スキルレベル送信部82、ログイン処理部83、推薦要求送信部84、推薦候補取得部85、推薦候補表示部86、ダウンロード要求部87、ゲームプログラム取得部88、ゲーム実行部89、履歴記録部90及び履歴送信部91を備える。
【0037】
ユーザ登録要求部81は、ゲーム支援サーバ100にユーザの登録を要求する。ユーザ登録要求部81は、ユーザの名称及びパスワードなどの認証情報、お気に入りのゲームなどのユーザの属性情報や嗜好情報などをゲーム支援サーバ100へ送信する。
【0038】
スキルレベル送信部82は、ユーザのゲームに対する習熟度を示すスキルレベルをゲーム支援サーバ100へ送信する。本実施の形態では、スキルレベル送信部82は、ユーザ登録要求部81がユーザ登録を要求するときに、ユーザからスキルレベルの自己申告を受け付け、受け付けたスキルレベルをゲーム支援サーバ100へ送信する。後述するように、ユーザが携帯情報端末10又はゲーム装置200によりゲームを実行するのに伴って、ユーザのスキルレベルはゲーム支援サーバ100により更新される。
【0039】
ログイン処理部83は、ユーザがゲーム支援サーバ100のサービスを受けるのに先立って、ゲーム支援サーバ100へのログイン処理を実行する。ログイン処理部83は、ユーザからゲーム支援サーバ100へのログインを指示されると、ユーザからパスワードなどの認証情報の入力を受け付け、受け付けた認証情報をゲーム支援サーバ100へ送信してログインを要求する。
【0040】
推薦要求送信部84は、ゲーム支援サーバ100に、ユーザが空き時間などに実行するゲームの推薦を要求する。このとき、推薦要求送信部84は、ユーザからゲームの希望時間を受け付け、受け付けた希望時間をゲーム支援サーバ100へ送信する。推薦候補取得部85は、ゲーム支援サーバ100から推薦ゲームの候補を取得する。推薦候補表示部86は、推薦候補取得部85が取得した推薦ゲームの候補をディスプレイ23に表示する。
【0041】
ダウンロード要求部87は、推薦候補表示部86が表示した推薦ゲームの候補の中からユーザが選択したゲームのプログラムのダウンロードをゲーム支援サーバ100へ要求する。ダウンロード要求部87は、ユーザが選択したゲームのプログラムが既にゲームプログラム保持部93に格納されていれば、ゲーム支援サーバ100にダウンロードを要求せずに、ゲーム実行部89にゲームを実行させる。ゲームプログラム取得部88は、ゲーム支援サーバ100からダウンロードしたゲームプログラムを取得し、ゲームプログラム保持部93に格納する。ゲーム実行部89は、ユーザから指定されたゲームのプログラムをゲームプログラム保持部93から読み出して実行する。
【0042】
履歴記録部90は、ゲーム実行部89により実行されたゲームの履歴を示す情報を履歴保持部92に記録する。履歴記録部90は、実行されたゲームのタイトル、実行日時、実行に要した時間、ゲームの成績などの情報を履歴保持部92に記録する。履歴送信部91は、履歴保持部92に保持された履歴情報を読み出してゲーム支援サーバ100へ送信する。この履歴情報は、後述するように、ゲーム支援サーバ100において、ゲームの標準的な所要時間を算出するために、また、ユーザのスキルレベルを算出するために用いられる。履歴送信部91は、ゲーム実行部89がゲームの実行を開始するときに履歴情報をゲーム支援サーバ100へ送信してもよいし、ゲーム実行部89がゲームの実行を終了したときに履歴情報を送信してもよいし、推薦要求送信部84が推薦要求をゲーム支援サーバ100へ送信するときに履歴情報を送信してもよい。
【0043】
[ゲーム支援サーバ100の回路構成]
図7は、ゲーム支援サーバ100の回路構成を示す。ゲーム支援サーバ100は、主に、通信制御部111、CPU112、メインメモリ113、入力インタフェース114、表示インタフェース115及びストレージ116を備える。これらの構成は、バス117により電気的に接続される。
【0044】
通信制御部111は、インターネット2を介した他の装置との通信を制御する。CPU112は、メインメモリ113にロードされたプログラムなどを実行し、図8に示す各機能構成を実現する。メインメモリ113は、RAMなどにより構成され、ゲーム支援サーバ100で動作するプログラムやデータなどを記憶する。入力インタフェース114は、他の構成に対する外部からの信号を入力する。表示インタフェース115は、CPU112において動作するプログラムなどが生成する表示信号を外部へ出力する。ストレージ116は、HDDなどにより構成され、ゲーム支援サーバ100の各構成により利用されるプログラムやデータなどを記録する。
【0045】
[ゲーム支援サーバ100の機能構成]
図8は、ゲーム支援サーバ100の機能構成を示す。ゲーム支援サーバ100は、制御部180、ゲームデータベース192、ユーザデータベース193及びゲームプログラム保持部194を備える。制御部180は、ユーザ登録部181、スキルレベル取得部182、認証部183、推薦要求受付部184、推薦候補抽出部185、推薦候補提示部186、ダウンロード制御部187、プレイ履歴取得部188、スキルレベル算出部189、プレイ時間算出部190及び履歴送信部191を備える。これらの機能ブロックも、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又はそれらの組合せによっていろいろな形で実現できる。
【0046】
図9は、ゲームデータベース192の内部データの例を示す。ゲームデータベース192には、ゲームID欄130、タイトル欄131、カテゴリ欄132及び標準プレイ時間欄133が設けられる。ゲームID欄130は、ゲームを識別するためのIDを格納する。タイトル欄131は、ゲームのタイトルを格納する。カテゴリ欄132は、ゲームが属するカテゴリを格納する。カテゴリには、例えば、「テーブルゲーム」、「クイズゲーム」、「パズルゲーム」などがある。標準プレイ時間欄133は、ゲームの標準的なプレイ時間を格納する。ゲーム支援サーバ100がサービスの提供を開始する時点では、標準プレイ時間欄133には、事前にゲームを実行したテスターなどによるプレイ時間の平均値が格納されているが、後述するように、プレイ履歴取得部188が取得したユーザのプレイ履歴を参照して、プレイ時間算出部190により標準プレイ時間が更新される。
【0047】
図10は、ユーザデータベース193の内部データの例を示す。ユーザデータベース193には、ユーザID欄140、ユーザ名欄141、パスワード欄142、携帯情報端末機器ID欄143、ゲーム装置機器ID欄144、お気に入り欄145、スキルレベル欄146が設けられる。ユーザID欄140は、ユーザを識別するためのIDを格納する。ユーザ名欄141は、ユーザの名称を格納する。パスワード欄142は、ユーザが認証のために設定したパスワードを格納する。携帯情報端末機器ID欄143は、ユーザが使用する携帯情報端末10の機器IDを格納する。ゲーム装置機器ID欄144は、ユーザが使用するゲーム装置200の機器IDを格納する。ユーザは、ゲーム支援サーバ100にログインする際に、携帯情報端末10からログインするときにも、ゲーム装置200からログインするときにも、同じユーザIDによりログインするが、機器IDにより、いずれからログインしたのかを区別することができる。お気に入り欄145は、ユーザが好むゲームのカテゴリを格納する。スキルレベル欄146は、ユーザのスキルレベルをカテゴリごとに格納する。ユーザ登録がされた時点では、スキルレベル欄146には、ユーザが自己申告したスキルレベルが格納されているが、後述するように、プレイ履歴取得部188が取得したユーザのプレイ履歴を参照して、スキルレベル算出部189によりスキルレベルが更新される。
【0048】
ユーザ登録部181は、携帯情報端末10又はゲーム装置200からユーザ登録要求を受け付け、携帯情報端末10又はゲーム装置200から受け付けたユーザに関する情報をユーザデータベース193に登録する。スキルレベル取得部182は、ユーザ登録部181がユーザ登録を受け付けるときに、携帯情報端末10又はゲーム装置200からユーザのスキルレベルを取得し、ユーザデータベース193に登録する。
【0049】
認証部183は、携帯情報端末10のユーザがゲーム支援サーバ100のサービスを受けるときに、携帯情報端末10からユーザの認証情報を受け付け、ユーザデータベース193を参照してユーザを認証する。認証部183は、認証の結果を携帯情報端末10へ送信し、認証に成功したユーザの携帯情報端末10にはサービスを提供し、認証に失敗したユーザの携帯情報端末10にはサービスを提供しない。
【0050】
推薦要求受付部184は、携帯情報端末10から、ユーザが希望する時間に合ったゲームの推薦要求を受け付ける。推薦要求受付部184は、ユーザの希望時間を携帯情報端末10から取得し、推薦候補抽出部185へ通知する。推薦候補抽出部185は、ゲームデータベース192及びユーザデータベース193を参照して、ユーザのスキルレベルを考慮しつつ、ユーザの希望時間に合ったゲームの候補を抽出する。
【0051】
推薦候補抽出部185は、まず、推薦要求受付部184が推薦要求を受け付けた携帯情報端末10のユーザのカテゴリごとのスキルレベルをユーザデータベース193から読み出す。つづいて、ゲームデータベース192に格納された各ゲームの標準プレイ時間を、ユーザのスキルレベルに応じて補正し、ユーザの予想プレイ時間を算出する。例えば、ユーザのスキルレベルが平均的なスキルレベルよりも低いほど1より大きく、平均的なスキルレベルより高いほど1より小さい補正係数を標準プレイ時間に乗じることにより、予想プレイ時間を算出する。これにより、ユーザのスキルレベルが平均よりも高いほど標準プレイ時間よりも短い時間が算出され、低いほど長い時間が算出される。補正係数は、ゲームごと又はゲームのカテゴリごとに定められてもよい。例えば、ロールプレイングゲームやパズルゲームなどでは、ユーザのスキルレベルに応じてプレイ時間が大幅に異なることが予想されるので補正係数を大きくし、問題数や解答時間が決められているクイズゲームなどでは、誰がプレイしてもプレイ時間がほとんど異ならないことが予想されるので補正係数を小さくしてもよい。補正係数は、ユーザから収集した実際のプレイ時間の分布に基づいて算出されてもよい。例えば、プレイ時間の平均値、標準偏差、中央値などの統計値を含む計算式により算出されてもよい。
【0052】
推薦候補抽出部185は、予想プレイ時間が希望時間とほぼ同じであるゲームを推薦候補として抽出する。推薦候補抽出部185は、予想プレイ時間と希望時間との差が所定値以下であるゲームを推薦候補として抽出してもよいし、差が所定値以下であり、かつ、予想プレイ時間の方が希望時間よりも短いゲームを推薦候補として抽出してもよい。また、複数のゲームの予想プレイ時間の和と希望時間との差が所定値以下であるゲームの組み合わせを推薦候補として抽出してもよい。推薦候補抽出部185は、更に、ユーザのお気に入りのゲームのカテゴリなど、ユーザの嗜好情報や属性情報などを参照して、推薦候補を抽出してもよい。
【0053】
推薦候補提示部186は、推薦候補抽出部185が抽出した推薦ゲームの候補を携帯情報端末10へ提示する。このとき、推薦候補提示部186は、ユーザのお気に入りのカテゴリのゲームが上位になるように、推薦ゲームの候補を並べ替えて提示してもよい。また、ユーザのお気に入りのカテゴリのゲームを強調表示してもよい。ダウンロード制御部187は、携帯情報端末10からゲームプログラムのダウンロードの要求を受け付け、要求されたゲームプログラムをゲームプログラム保持部194から読み出して携帯情報端末10へ送信する。
【0054】
プレイ履歴取得部188は、携帯情報端末10又はゲーム装置200から、ユーザにより実行されたゲームの履歴を示す情報を取得する。スキルレベル算出部189は、プレイ履歴取得部188が取得したゲームの実行履歴を参照して、ユーザのスキルレベルを算出し、ユーザデータベース193を更新する。プレイ時間算出部190は、プレイ履歴取得部188が取得したゲームの実行履歴を参照して、ゲームの標準プレイ時間を算出し、ゲームデータベース192を更新する。
【0055】
スキルレベル算出部189は、ユーザが実行したゲームの回数又はプレイ時間に応じて、そのゲームが属するカテゴリのスキルレベルを向上させてもよい。例えば、ユーザがゲームを実行するたびに、そのゲームが属するカテゴリのスキルレベルを所定値だけ増加させてもよい。また、ユーザがゲームを実行したプレイ時間が所定値以上であったときに、そのゲームが属するカテゴリのスキルレベルを所定値だけ増加させてもよい。プレイ時間が長いほど大きな値を増加させてもよい。また、ユーザが実行したゲームの難易度が高いほど、大きな値を増減させてもよい。この場合、ゲームデータベース192に、ゲームの難易度を格納しておく。
【0056】
スキルレベル算出部189は、ユーザが実行したゲームのプレイ時間と、そのゲームに設定されている標準プレイ時間を参照して、ユーザのプレイ時間が標準プレイ時間よりも長ければスキルレベルを減少させ、短ければスキルレベルを増加させてもよい。ユーザのプレイ時間と標準プレイ時間との差が大きいほど大きな値を増減させてもよい。
【0057】
スキルレベル算出部189は、ユーザが実行したゲームの成績を参照して、ユーザの成績が標準よりも優れていればスキルレベルを増加させ、劣っていればスキルレベルを減少させてもよい。ユーザの成績と標準的な成績との差が大きいほど大きな値を増減させてもよい。この場合、ゲームデータベース192に、ゲームの標準的な成績を格納しておく。この標準的な成績は、標準プレイ時間と同様に、サービス開始時にはテスターなどによる成績の平均値を格納しておき、各ユーザのプレイ履歴を参照して更新されてもよい。
【0058】
スキルレベル算出部189は、上述した方法の組み合わせによりスキルレベルを算出してもよい。スキルレベル算出部189がスキルレベルを増減するときの所定値は、カテゴリごとに異なるように定められてもよい。
【0059】
プレイ時間算出部190は、ユーザから収集した実際のプレイ時間の平均値を標準プレイ時間としてもよいし、上述した補正係数により重み付けした加重平均を標準プレイ時間としてもよい。ユーザのスキルレベルに対応する補正係数で実際のプレイ時間を除した値の平均値を標準プレイ時間としてもよい。
【0060】
[ゲーム支援方法の手順]
図11は、本実施の形態に係るゲーム支援方法の手順を示すシーケンス図である。図11以降に示すシーケンス図においては、各処理の手順を、ステップを意味するS(Stepの頭文字)と数字との組み合わせによって表示する。まず、ユーザは、携帯情報端末10又はゲーム装置200を用いて、ゲーム支援サーバ100にユーザ登録を要求する。ここでは、携帯情報端末10がゲーム支援サーバ100にユーザ登録を要求する例について説明する。携帯情報端末10のユーザ登録要求部81は、ゲーム支援サーバ100に、ユーザ名、パスワードなどの認証情報、お気に入りのゲームのカテゴリなどのユーザの属性情報や嗜好情報などを送信する(S110)。携帯情報端末10のスキルレベル送信部82は、ユーザのスキルレベルをゲーム支援サーバ100へ送信する(S112)。ゲーム支援サーバ100のユーザ登録部181は、携帯情報端末10から受け付けたユーザの情報をユーザデータベース193に登録し、スキルレベル取得部182は、ユーザのスキルレベルをユーザデータベース193に登録する(S114)。
【0061】
ユーザが、空き時間などを利用してゲームを実行しようとするときに、ゲーム支援サーバ100によるゲームの推薦を受けたい場合、まず、ゲーム支援サーバ100にログインする。携帯情報端末10のログイン処理部83は、ゲーム支援サーバ100へ、ユーザの認証情報を送信する(S120)。ゲーム支援サーバ100の認証部183は、受け付けた認証情報をもとに、ユーザデータベース193を参照してユーザを認証し(S122)、認証結果を携帯情報端末10に応答する(S124)。認証に失敗した場合は、ユーザはゲーム支援サーバ100のサービスを受けられないが、ここでは、認証に成功したものとする。
【0062】
携帯情報端末10の推薦要求送信部84が、ゲーム支援サーバ100へ、ゲームの希望時間を送信すると(S130)、ゲーム支援サーバ100の推薦要求受付部184は、ユーザデータベース193からユーザのスキルレベルを取得し(S132)、推薦候補抽出部185へ通知する。推薦候補抽出部185は、ユーザのスキルレベルに基づいて、希望時間に合った推薦ゲームの候補をゲームデータベース192から抽出する(S134)。推薦候補提示部186は、携帯情報端末10へ推薦ゲームの候補を提示する(S136)。ゲーム支援サーバ100から推薦されたゲームの候補は、携帯情報端末10の推薦候補表示部86によりディスプレイ23に表示される。
【0063】
ユーザが、推薦されたゲームの候補の中から実行したいゲームを選択すると、携帯情報端末10のダウンロード要求部87は、そのゲームのプログラムのダウンロードをゲーム支援サーバ100に要求する(S140)。ゲーム支援サーバ100のダウンロード制御部187は、要求されたゲームのプログラムをゲームプログラム保持部194から読み出して携帯情報端末10へ送信する(S142)。携帯情報端末10のゲームプログラム取得部88は、取得したゲームプログラムをゲームプログラム保持部93に格納する。
【0064】
図12は、携帯情報端末10の推薦候補表示部86がディスプレイ23に表示した画面の例を示す。画面には、ユーザの希望時間である15分で完了することが予想されるゲームの候補のリストが表示される。推薦候補表示部86は、ゲームプログラム保持部93にゲームプログラムが保持されていないゲームにはダウンロードボタン98を付し、保持されているゲームには実行ボタン99を付して表示する。ユーザがダウンロードボタン98をクリックすると、ダウンロード要求部87がゲーム支援サーバ100へゲームプログラムのダウンロードを要求する。ユーザが実行ボタン99をクリックすると、ゲーム実行部89がゲームプログラムをゲームプログラム保持部93から読み出して実行する。推薦候補表示部86は、ユーザがお気に入りに設定しているカテゴリのゲームに、その旨を示すマーク97を付して表示する。推薦候補表示部86は、予想プレイ時間が希望時間に近い順にゲームの候補を表示してもよいし、予想プレイ時間の降順又は昇順に表示してもよいし、ユーザの属性情報又は嗜好情報などに基づいてゲームの候補を並べ替えて表示してもよい。
【0065】
図13は、本実施の形態に係るゲーム支援方法において、標準プレイ時間及びユーザのスキルレベルを更新する手順を示すシーケンス図である。ユーザは、携帯情報端末10又はゲーム装置200を用いて、ゲームを実行する。ここでは、携帯情報端末10においてゲームを実行する例について説明する。携帯情報端末10のゲーム実行部89がゲームプログラムを実行すると(S150)、履歴記録部90は履歴保持部92にプレイ履歴を記録する(S152)。携帯情報端末10の履歴送信部91は、所定のタイミングで、履歴保持部92からプレイ履歴を読み出して、ゲーム支援サーバへ送信する(S160)。
ゲーム支援サーバ100のプレイ時間算出部190は、所定のタイミングで、携帯情報端末10から取得したプレイ履歴を参照してゲームの標準プレイ時間を算出し、ゲームデータベース192の標準プレイ時間欄133を更新する(S170)。ゲーム支援サーバ100のスキルレベル算出部189は、所定のタイミングで、携帯情報端末10から取得したプレイ履歴を参照してユーザのスキルレベルを算出し、ユーザデータベース193のスキルレベル欄146を更新する(S172)。
【0066】
本実施の形態によれば、ユーザが空き時間などを利用してゲームを実行しようとするときに、空き時間にフィットしたゲームを高精度に抽出して推薦することができる。
【0067】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、ゲーム装置200を複数のユーザが共有する例について説明する。同一のゲーム装置200を利用する複数のユーザのそれぞれが、自身のユーザIDを用いてゲーム支援サーバ100にログインする場合は、第1の実施の形態と同様の技術を適用可能であるが、同一のユーザIDを用いてゲーム支援サーバ100にログインする場合は、スキルレベルの異なる複数のユーザが同一のユーザIDを共有することになる。したがって、本実施の形態では、ユーザがゲーム支援サーバ100にゲームの推薦を要求するたびに、自身のスキルレベルをゲーム支援サーバ100へ送信する。
【0068】
ゲーム装置200の外観構成及び回路構成は、携帯情報端末10とは異なるが、基本的な回路構成は携帯情報端末10と同様である。また、本実施の形態に係るゲーム支援方法を実現するための機能構成は、図6に示した第1の実施の形態における携帯情報端末10の機能構成と同様である。
【0069】
図14は、本実施の形態に係るゲーム支援方法を実現するための手順を示すシーケンス図である。図11に示した第1の実施の形態に係るゲーム支援方法と異なる点について説明する。本実施の形態においては、ユーザ登録時にユーザのスキルレベルをゲーム支援サーバ100へ送信するステップS112は省略され、代わりに、ゲーム装置200の推薦要求送信部84がゲーム支援サーバ100へゲームの推薦を要求するときに、スキルレベル送信部82がゲーム支援サーバ100へユーザのスキルレベルを送信する(S126)。その他の手順は、第1の実施の形態と同様である。
【0070】
本実施の形態においては、ゲーム支援サーバ100のユーザデータベース193にスキルレベル欄146を設けなくてもよい。また、ゲーム支援サーバ100にスキルレベル算出部189を設けなくてもよい。
【0071】
本実施の形態によれば、同一のユーザIDを複数のユーザが共有する場合であっても、それぞれのユーザに適したゲームを高精度に抽出して推薦することができる。
【0072】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、ユーザのスキルレベルをユーザから受け付けるのではなく、ゲーム支援サーバ100のスキルレベル取得部182が、携帯情報端末10又はゲーム装置200から取得したユーザのプレイ履歴を参照して、ユーザのスキルレベルを算出する。
【0073】
図15は、本実施の形態に係るゲーム支援方法を実現するための手順を示すシーケンス図である。図11に示した第1の実施の形態に係るゲーム支援方法と異なる点について説明する。本実施の形態においては、ユーザ登録時にユーザのスキルレベルをゲーム支援サーバ100へ送信するステップS112は省略され、代わりに、携帯情報端末10又はゲーム装置200の推薦要求送信部84がゲーム支援サーバ100へゲームの推薦を要求するときに、ゲーム支援サーバ100のスキルレベル取得部182がユーザのスキルレベルを算出する(S133)。スキルレベル取得部182は、既にユーザからプレイ履歴を取得している場合には、図示しない履歴保持部からプレイ履歴を読み出してスキルレベルを算出する。ユーザからプレイ履歴を取得していない場合は、携帯情報端末10又はゲーム装置200にプレイ履歴の送信を要求し、取得したプレイ履歴を参照してスキルレベルを算出する。スキルレベル取得部182は、第1の実施の形態において説明したスキルレベル算出部189と同様の方法でスキルレベルを算出してもよい。
【0074】
本実施の形態においては、携帯情報端末10又はゲーム装置200のスキルレベル送信部82を設けなくてもよい。
【0075】
本実施の形態によれば、ユーザにスキルレベルの申告を強いることなく、ユーザのスキルレベルを適切に算出し、ユーザに適したゲームを高精度に抽出して推薦することができる。
【0076】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0077】
実施の形態においては、ゲーム支援サーバ100にスキルレベル算出部189が設けられる例について説明したが、スキルレベル算出部は携帯情報端末10又はゲーム装置200に設けられてもよい。この場合、スキルレベル算出部は、ユーザのスキルレベルを保持し、ゲーム実行部89によるゲームのプレイ履歴を参照してスキルレベルを更新する。スキルレベル送信部82は、第1の実施の形態で説明したように、ユーザ登録時にのみスキルレベルをゲーム支援サーバ100へ送信してもよいし、第2の実施の形態で説明したように、ゲームの推薦を要求するたびにスキルレベルをゲーム支援サーバ100へ送信してもよいし、その他の所定のタイミングでスキルレベルをゲーム支援サーバ100へ送信してもよい。
【符号の説明】
【0078】
1・・・ゲーム支援システム、10・・・携帯情報端末、81・・・ユーザ登録要求部、82・・・スキルレベル送信部、83・・・ログイン処理部、84・・・推薦要求送信部、85・・・推薦候補取得部、86・・・推薦候補表示部、87・・・ダウンロード要求部、88・・・ゲームプログラム取得部、89・・・ゲーム実行部、90・・・履歴記録部、91・・・履歴送信部、92・・・履歴保持部、93・・・ゲームプログラム保持部、100・・・ゲーム支援サーバ、181・・・ユーザ登録部、182・・・スキルレベル取得部、183・・・認証部、184・・・推薦要求受付部、185・・・推薦候補抽出部、186・・・推薦候補提示部、187・・・ダウンロード制御部、188・・・プレイ履歴取得部、189・・・スキルレベル算出部、190・・・プレイ時間算出部、191・・・履歴送信部、192・・・ゲームデータベース、193・・・ユーザデータベース、194・・・ゲームプログラム保持部、200・・・ゲーム装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のゲーム装置から、ユーザのゲームに対する習熟度を示すスキルレベルを取得するスキルレベル取得部と、
ゲームの実行に要する標準時間を格納したゲームデータベースと、
第2のゲーム装置から、前記ユーザがゲームを実行したい希望時間を取得し、前記希望時間に合ったゲームの推薦の要求を受け付ける推薦要求受付部と、
前記スキルレベル取得部が取得したユーザのスキルレベルに応じて前記標準時間を補正することにより前記ユーザがゲームの実行に要すると予想される予想時間を算出し、前記予想時間と前記希望時間との差が所定値以下であるゲームを推薦候補として前記ゲームデータベースから抽出する推薦候補抽出部と、
前記推薦候補抽出部により抽出されたゲームの推薦候補を前記第2のゲーム装置へ提示する推薦候補提示部と、
を備えることを特徴とするゲーム支援サーバ。
【請求項2】
前記第1のゲーム装置における前記ユーザによるゲームのプレイ履歴を前記第1のゲーム装置から取得するプレイ履歴取得部と、
前記プレイ履歴取得部が取得した前記ユーザのプレイ履歴に基づいて、前記ユーザのスキルレベルを算出するスキルレベル算出部と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のゲーム支援サーバ。
【請求項3】
前記第2のゲーム装置における前記ユーザによるゲームのプレイ履歴を前記第2のゲーム装置から取得するプレイ履歴取得部と、
前記プレイ履歴取得部が取得した前記ユーザのプレイ履歴に基づいて、前記ゲームの実行に要する標準時間を算出するプレイ時間算出部と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のゲーム支援サーバ。
【請求項4】
前記ユーザのスキルレベルを格納したユーザデータベースと、
前記ユーザから受け付けたスキルレベルを前記ユーザデータベースに登録するユーザ登録部と、を更に備え、
前記スキルレベル取得部は、前記ユーザデータベースから前記ユーザのスキルレベルを取得することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のゲーム支援サーバ。
【請求項5】
前記スキルレベル取得部は、前記推薦要求受付部が前記第2のゲーム装置からゲームの推薦の要求を受け付けるたびに、前記ユーザから受け付けた前記ユーザのスキルレベルを前記第2のゲーム装置から取得することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のゲーム支援サーバ。
【請求項6】
コンピュータに備えられたスキルレベル取得部が、第1のゲーム装置から、ユーザのゲームに対する習熟度を示すスキルレベルを取得するステップと、
コンピュータに備えられた推薦要求受付部が、第2のゲーム装置から、前記ユーザがゲームを実行したい希望時間を取得し、前記希望時間に合ったゲームの推薦の要求を受け付けるステップと、
コンピュータに備えられた推薦候補抽出部が、ゲームの実行に要する標準時間を格納したゲームデータベースを参照して、取得したユーザのスキルレベルに応じて前記標準時間を補正することにより前記ユーザがゲームの実行に要すると予想される予想時間を算出し、前記予想時間と前記希望時間との差が所定値以下であるゲームを推薦候補として前記ゲームデータベースから抽出するステップと、
コンピュータに備えられた推薦候補提示部が、抽出されたゲームの推薦候補を前記第2のゲーム装置へ提示するステップと、
を備えることを特徴とするゲーム支援方法。
【請求項7】
第1のゲーム装置から、ユーザのゲームに対する習熟度を示すスキルレベルを取得する機能と、
第2のゲーム装置から、前記ユーザがゲームを実行したい希望時間を取得し、前記希望時間に合ったゲームの推薦の要求を受け付ける機能と、
ゲームの実行に要する標準時間を格納したゲームデータベースを参照して、取得したユーザのスキルレベルに応じて前記標準時間を補正することにより前記ユーザがゲームの実行に要すると予想される予想時間を算出し、前記予想時間と前記希望時間との差が所定値以下であるゲームを推薦候補として前記ゲームデータベースから抽出する機能と、
抽出されたゲームの推薦候補を前記第2のゲーム装置へ提示する機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項8】
ユーザから、前記ユーザがゲームを実行したい希望時間を取得し、前記希望時間に合ったゲームの推薦をゲーム支援サーバへ要求する推薦要求送信部と、
前記ユーザのゲームに対する習熟度を示すスキルレベルに応じて前記ゲームの実行に要する標準時間を補正することにより算出された、前記ユーザがゲームの実行に要すると予想される予想時間と前記希望時間との差が所定値以下であるゲームの推薦候補を前記ゲーム支援サーバから取得する推薦候補取得部と、
前記推薦候補取得部が取得したゲームの推薦候補を表示する推薦候補表示部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
前記ユーザから、前記ユーザのスキルレベルを受け付けて前記ゲーム支援サーバへ送信するスキルレベル送信部を更に備えることを特徴とする請求項8に記載のゲーム装置。
【請求項10】
コンピュータに備えられた推薦要求送信部が、ユーザから、前記ユーザがゲームを実行したい希望時間を取得し、前記希望時間に合ったゲームの推薦をゲーム支援サーバへ要求するステップと、
コンピュータに備えられた推薦候補取得部が、前記ユーザのゲームに対する習熟度を示すスキルレベルに応じて前記ゲームの実行に要する標準時間を補正することにより算出された、前記ユーザがゲームの実行に要すると予想される予想時間と前記希望時間との差が所定値以下であるゲームの推薦候補を前記ゲーム支援サーバから取得するステップと、
コンピュータに備えられた推薦候補表示部が、取得したゲームの推薦候補を表示するステップと、
を備えることを特徴とするゲーム支援方法。
【請求項11】
ユーザから、前記ユーザがゲームを実行したい希望時間を取得し、前記希望時間に合ったゲームの推薦をゲーム支援サーバへ要求する機能と、
前記ユーザのゲームに対する習熟度を示すスキルレベルに応じて前記ゲームの実行に要する標準時間を補正することにより算出された、前記ユーザがゲームの実行に要すると予想される予想時間と前記希望時間との差が所定値以下であるゲームの推薦候補を前記ゲーム支援サーバから取得する機能と、
取得したゲームの推薦候補を表示する機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項12】
ゲームを実行する携帯型のゲーム装置と、
前記携帯型のゲーム装置のユーザを支援するゲーム支援サーバとを備え、
前記ゲーム支援サーバは、
前記携帯型のゲーム装置のユーザと同一のユーザがゲームを実行する、前記携帯型のゲーム装置とは異なるゲーム装置から、前記ユーザのゲームに対する習熟度を示すスキルレベルを取得するスキルレベル取得部と、
ゲームの実行に要する標準時間を格納したゲームデータベースと、
前記携帯型のゲーム装置から、前記ユーザがゲームを実行したい希望時間を取得し、前記希望時間に合ったゲームの推薦の要求を受け付ける推薦要求受付部と、
前記スキルレベル取得部が取得したユーザのスキルレベルに応じて前記標準時間を補正することにより前記ユーザがゲームの実行に要すると予想される予想時間を算出し、前記予想時間と前記希望時間との差が所定値以下であるゲームを推薦候補として前記ゲームデータベースから抽出する推薦候補抽出部と、
前記推薦候補抽出部により抽出されたゲームの推薦候補を前記携帯型のゲーム装置へ提示する推薦候補提示部と、を備え、
前記携帯型のゲーム装置は、
ユーザから前記希望時間を取得し、前記希望時間に合ったゲームの推薦を前記ゲーム支援サーバへ要求する推薦要求送信部と、
前記推薦候補提示部により提示されたゲームの推薦候補を前記ゲーム支援サーバから取得する推薦候補取得部と、
前記推薦候補取得部が取得したゲームの推薦候補を表示する推薦候補表示部と、を備えることを特徴とするゲーム支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−218102(P2011−218102A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−93517(P2010−93517)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】