ゲーム機、ゲームプログラム
【課題】アニメーションに用いられるキャラクターを分かり易く簡単に作成できるようにする。
【解決手段】CPU10は、キャラクターを構成する複数の部分の画像データをタッチパネル20に対するユーザ操作に応じて入力する。CPU10は、入力された画像データをキャラクターを構成する複数の部分のそれぞれに対応するレイヤ毎にRAM11に記録する。CPU10は、表示コントローラ16によって、レイヤ毎に記録された画像データをもとにキャラクターをディスプレイ18において表示させる。CPU10は、レイヤ毎の画像データに対して、表示対象となっているキャラクターに応じてレイヤのそれぞれに決められた表示制御を行うことでキャラクターをゲーム画面中で動作させる。
【解決手段】CPU10は、キャラクターを構成する複数の部分の画像データをタッチパネル20に対するユーザ操作に応じて入力する。CPU10は、入力された画像データをキャラクターを構成する複数の部分のそれぞれに対応するレイヤ毎にRAM11に記録する。CPU10は、表示コントローラ16によって、レイヤ毎に記録された画像データをもとにキャラクターをディスプレイ18において表示させる。CPU10は、レイヤ毎の画像データに対して、表示対象となっているキャラクターに応じてレイヤのそれぞれに決められた表示制御を行うことでキャラクターをゲーム画面中で動作させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム機、ゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザから入力されたデータをもとにアニメーションを作成することが行われている。特許文献1に記載されたアニメーション生成方式では、ユーザによる形状入力により胴体,左足,右足,左手,右手などの部品(パーツ)が加えられてアニメーションのモデルを作成する。そして、パーツが何であるかの情報をユーザにより入力させ、部品の種類毎にデータを貼り合わせてアニメーションデータを加工し、決められた法則に従ってアニメーションを実行する。
【0003】
ユーザによる形状入力では、胴体,左足,右足,左手,右手などのパーツの位置関係を考慮する必要がある。すなわち、パーツを3Dモデルとして作成するため、奥行きについての各部品の相対的な位置を合わせて形状入力する必要がある。また、複数のパーツを組み合わせて1つの3Dモデルを作成するので、各パーツを特定することができるように、例えばパーツの外形状を一筆で閉じた絵として入力する必要がある。
【0004】
また従来では、比較的簡単に格別なリソースを必要とせずにアニメーションを構築して表示するアニメーション表示装置が考えられている(特許文献1参照)。特許文献1に記載されたアニメーション表示装置では、アニメーションとして表示する対象が、背景、足、胴、頭で構成される場合、これらをそれぞれのレイヤとして分配し、レイヤ毎に、表示更新するタイミングと表示効果を示す属性情報でスケジュールを設定しておき、各レイヤはこのスケジュールに従ってそれぞれが与えられたタイミングでのみ表示更新する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−319035号公報
【特許文献2】特開2000−285258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように従来では、アニメーションを作成する場合には、パーツを3Dモデルとして作成する必要があったため、例えば複数のパーツを組み合わせてキャラクターを作成する場合には、各パーツの位置関係を配慮して形状入力しなければならない。このために、キャラクター作成の難易度が高くなってしまい、例えば低年齢層のユーザにとっては容易に使用することができなかった。
【0007】
また、複数のパーツを組み合わせて1つの3Dモデルを作成するため、各パーツの外形状を一筆で閉じた絵として入力しなければならないという制約があった。このため、自由な感覚でキャラクターを構成するパーツの入力をすることができなかった。
【0008】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、アニメーションに用いられるキャラクターを分かり易く簡単に作成することが可能なゲーム機、ゲームプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は、キャラクターを構成する複数の部分の画像データをユーザ操作に応じて入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された画像データを前記キャラクターを構成する複数の部分のそれぞれに対応するレイヤ毎に記録する記録手段と、前記記録手段によりレイヤ毎に記録された画像データをもとに前記キャラクターを表示する表示手段と、前記記録手段により記録されたレイヤ毎の画像データに対して、前記表示手段により表示対象となっている前記キャラクターに応じて前記レイヤのそれぞれに決められた表示制御を行う表示制御手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アニメーションに用いられるキャラクターを分かり易く簡単に作成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態におけるゲーム機の機能構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態におけるゲーム機の外観構成を示す図。
【図3】本実施形態のゲーム機におけるキャラクター作成処理により作成された「キャラクターデータ」のデータ構成の一例を示す図。
【図4】「おてほんデータ」のデータ構成の一例を示す図。
【図5】パーツデータの一例を示す図。
【図6】本実施形態のキャラクター作成処理により作成されるキャラクターデータとレイヤとの関係を示す図。
【図7】本実施形態のゲーム機における全体処理を説明するフローチャート。
【図8】全体処理中のキャラクター作成処理における描画処理を説明するフローチャート。
【図9】キャラクター作成処理時に表示される画面の一例を示す図。
【図10】キャラクター作成処理時に表示される画面の一例を示す図。
【図11】ゲームプレイ処理を説明するフローチャート。
【図12】キャラクターのパーツに対する表示制御の一例を示す図。
【図13】他のパーツに対して入力された描画イメージ(画像データ)の位置関係に基づいて表示制御を行う例を示す図。
【図14】パーツデータに対する表示制御を示すフローチャート。
【図15】パーツパターンの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるゲーム機の機能構成を示すブロック図である。本実施形態におけるゲーム装置は、例えば携帯型に構成されている。
【0013】
図1に示すように、本実施形態におけるゲーム装置には、CPU10が実装される。CPU10には、バスを介して、RAM11、GPU12,13、表示コントローラ16、ディスプレイ17,18、インタフェースユニット19、コネクタ23、及び通信ユニット26が接続される。
【0014】
CPU10は、ゲーム装置全体の制御を司るもので、RAM11に記録されたプログラムに応じた各種処理を実行する。CPU10は、本実施形態におけるゲームプログラムに基づいて各部を制御し、ユーザ操作によって入力された画像データをもとにキャラクターを作成し、このキャラクターが動作するアニメーションを利用したゲームを実行することができる。
【0015】
CPU10は、ゲームプログラムによるキャラクター作成処理を実行して、キャラクターを構成する複数の部分(パーツ)の画像データを、ペン20aを用いたタッチパネル20に対するユーザ操作に応じて入力し、この入力された画像データをキャラクターを構成する複数のパーツのそれぞれに対応するレイヤ毎にRAM11に記録する。CPU10は、レイヤ毎に記録された画像データをもとに、表示コントローラ16によってディスプレイ17,18においてキャラクターを表示させる。CPU10は、ゲーム処理において、RAM11に記録されたレイヤ毎の画像データに対して、表示対象となっているキャラクターの種類あるいはゲーム状況に応じて、レイヤのそれぞれに決められた表示制御を行うことでキャラクターをゲーム画面中において動作させる(アニメーション化する)。
【0016】
CPU10は、キャラクター作成処理においてユーザ操作によってキャラクターを構成する画像データを入力する際には、キャラクターに応じて決められた順番で複数のパーツ、例えば頭、胴、右腕、左腕などの画像データを入力する。CPU10により実行されるゲームプログラムでは、複数のキャラクターのそれぞれについて、複数のパーツの画像データを入力すべき順番に応じて、画像データの入力をユーザに促す画面を表示するための「おてほんデータ」(図4参照)が用意されている。CPU10は、予めゲームプログラムにおいて用意されている複数のキャラクターからユーザにより作成対象として指定されたキャラクターを選択し、この選択されたキャラクターに対応する「おてほんデータ」に基づいて、タッチパネル20を通じてユーザ操作によりキャラクターの各パーツの画像データが入力される毎に、次の順番のパーツに対応する画像データの入力をユーザに促す画面を表示コントローラ16を通じてディスプレイ17において表示させる。
【0017】
また、CPU10は、タッチパネル20に対するユーザ操作によってキャラクターを構成する画像データを入力する場合、ユーザの手書きにより描画された画像の画像データ、あるいは予め作成されているキャラクターを構成するパーツに対応する複数の画像データ(後述する「しーる」によって指定される「パーツデータ」(図5参照))からユーザにより指示された画像データの何れかを、ユーザにより選択させることができる。
【0018】
RAM11は、CPU10により実行されるプログラムやデータなどを一時的に記録する。キャラクター作成処理では、キャラクターを構成する複数のパーツのそれぞれに対応する画像データ(キャラクターデータ)が記録される。複数のパーツのそれぞれに対応する画像データは、各パーツに対応するレイヤによって管理される。また、キャラクター作成処理時には、RAM11には「おてほんデータ」や「パーツデータ」が記録され、必要に応じてCPU10によりアクセスされる。
【0019】
GPU12,13は、CPU10からの指示に応じて、RAM11に記録されている表示画像を生成するためのデータに基づいて表示画像データを生成するもので、GPU12には、VRAM14が接続され、GPU13には、VRAM15が接続されている。GPU12は、ディスプレイ17において表示するための表示画像データを生成してVRAM14に描画する。GPU13は、同様にディスプレイ18において表示するための表示画像データを生成してVRAM15に描画する。
【0020】
ディスプレイ17,18は、表示コントローラ16の制御のもとで画像を表示する。ディスプレイ17,18は、例えばヒンジ機構によって開閉可能に結合された2つのハウジングのそれぞれに設けられる。一方のディスプレイ18は、後述するタッチパネル20と積層一体型に形成されている。ディスプレイ17,18は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)により構成される。なお、EL(Electroluminescence)などの他の表示装置を用いることも可能である。
【0021】
表示コントローラ16は、ディスプレイ17,18における画面表示を制御するもので、VRAM14,15に記録された画像データをもとにディスプレイ17において画像を表示させ、VRAM15に記録された画像データをもとにディスプレイ17において画像を表示させる。
【0022】
インタフェースユニット19は、各種デバイスを接続するためのもので、例えばタッチパネル20、スピーカ21、ボタン群22が接続される。タッチパネル20は、ペン20aを用いたパネル面に対する位置指示に応じた描画(画像)データを入力する。
【0023】
スピーカ21は、CPU10の制御のもとで操作音や各種アプリケーションに応じた各種音(メッセージ音声、音楽、効果音等)を出力させる。
ボタン群22は、ユーザからの指示を入力するためのもので、例えば十字ボタン、スタートボタン、セレクトボタン、Aボタン、Bボタン、Xボタン、Yボタン、電源ボタンなどを含んでいる。
【0024】
コネクタ23は、外部デバイスを着脱自在に接続するためのもので、例えばメモリデバイス24を接続することができる。
メモリデバイス24は、例えばゲームプログラムを記録するROMと、データを書き換え可能に記録するRAM等が搭載されている。メモリデバイス24のRAMには、プログラムの他にも、適宜、CPU10がプログラムを実行して得られる一時的なデータ等が記録される。
【0025】
通信ユニット26は、他のゲーム装置やネットワークを解して接続された他の機器との間の通信を制御する。
【0026】
なお、本実施形態におけるゲームプログラムは、メモリデバイス24等の外部記録媒体を通じてゲーム装置に供給されるだけでなく、有線または無線の通信回線を通じて供給されてもよい。また、ゲームプログラムは、ゲーム装置に実装された不揮発性記録装置に予め記録されていてもよい。なお、ゲームプログラムを記録する記録媒体としては、不揮発性半導体メモリに限らず、CD−ROM、DVD、あるいはそれらに類する光学式ディスク状記録媒体でもよい。
【0027】
図2は、本実施形態におけるゲーム機の外観構成を示す図である。
図2に示すようにゲーム機は、上側ハウジングと下側ハウジングとがヒンジ機構により結合されて構成されており、上側ハウジングにはディスプレイ17が収納され、下側ハウジングにはディスプレイ18が収納されている。
【0028】
上側ハウジングには、スピーカ21が収納されており、スピーカ21から音を外部に放出するための音抜き孔が形成されている。下側ハウジングには、ボタン群22として、スタートスイッチ、セレクトスイッチの他、ゲーム処理の実行時に操作される十字スイッチ22a、Aボタン、Bボタン、Xボタン、Yボタンなどのボタン22bが設けられている。
【0029】
下側ハウジングに収納されたディスプレイ18の画面上にはタッチパネル20が装着されている。タッチパネル20としては、例えば抵抗膜方式や光学式(赤外線方式)や静電容量結合式等、任意の方式のものを利用することができる。タッチパネル20は、その表面をペン20aで触れると、その接触位置に対応する座標データを出力する機能を有する。なお、以下の説明では、ユーザがタッチパネル20をペン20aで操作するものとするが、ペン20aの代わりに指などで操作することも勿論可能である。
【0030】
図3は、本実施形態のゲーム機におけるキャラクター作成処理により作成された「キャラクターデータ」のデータ構成の一例を示す図である。
本実施形態におけるゲーム機では、キャラクター作成処理によって、ユーザによる操作によってゲームで使用されるキャラクターを作成することができる。キャラクター作成処理では、複数のキャラクター1,2,3…を作成することが可能であり、キャラクター毎にキャラクターを構成するキャラクターデータ1,2,3…が記録される。例えば、キャラクター1に対応するキャラクターデータ1は、キャラクターを構成する複数の部分(パーツ)の画像データが、それぞれに対応するレイヤ1,2,3…n毎に管理されている。
【0031】
なお、キャラクターによってパーツの数が異なっていても良い。従って、キャラクターデータに含まれる画像データが記録されるレイヤの数もキャラクターによって異なっていても良い。
【0032】
ゲームプログラムでは、キャラクター毎に、各レイヤの画像データに対して、どのような表示制御をするか、すなわちキャラクターのパーツをどのように動かすか決められている。例えば、キャラクター1に対応するレイヤ1については、キャラクターの頭の部分に相当する画像データが記録されるものとし、頭の動きを表現するように画像データに対して表示制御が行われるようになっている。
【0033】
図4は、キャラクター作成処理において、ユーザによりキャラクターを作成させる際にお手本を提示するための「おてほんデータ」のデータ構成の一例を示す図である。
本実施形態におけるキャラクター作成処理では、キャラクターを構成する複数の部分(パーツ)の画像データを、それぞれに対応するレイヤによって管理するために、例えばキャラクター毎に決められた順番で複数のパーツの画像データを入力させる。「おてほんデータ」は、キャラクター毎に、ユーザに対して次に入力すべき順番のパーツを提示し、画像データの入力を促すためのデータが設定されている。
【0034】
例えば、図4に示すように、キャラクター2に対応する「おてほんデータ2」には、キャラクターの「頭」「目」「体」…にそれぞれ対応する、ガイドを表示するためのパーツデータ1,2,3…が設定されている。この場合、キャラクター作成処理において、「頭」「目」「体」…の順番で各パーツの画像データを入力させるためのガイドを出力させる。パーツデータには、次に入力すべきキャラクターの部分をイメージによって表示させるためのイメージデータの他、文章によりガイド表示するためのテキストデータ、音声によって案内をするための音声データなどが含まれる。その他の形式のデータが含まれていても良い。
【0035】
図5は、キャラクター作成処理において、ユーザの手書きによる画像データの入力ではなく、予め作成された画像データを用いる場合のパーツデータの一例を示す図である。
本実施形態におけるキャラクター作成処理では、キャラクターのパーツの画像データを入力する場合に、ユーザのペン20aを用いた手書きにより描画された画像の画像データだけでなく、パーツデータとして予め用意された画像データを利用することができる。パーツデータは、1つのパーツに対して複数の種類のパターン(画像データ)が用意されており、ユーザが何れかのパターンを任意に選択することができる。また、1つのパーツに対して、ゲーム中のキャラクター動作の違いに応じたパターンによって表示(アニメーション化)することができるように、キャラクター動作別の複数のパーツパターンデータが用意されている。
【0036】
例えば、図5に示すように、キャラクターのパーツ「目」に対しては、キャラクターの動作1,2…のそれぞれに応じたパーツパターンデータ(画像データ)が用意されている。パーツパターンデータには、キャラクターをアニメーション化した時にパーツが動いていることを表現するための動作内容に応じて、キャラクター動作毎に対応する複数のパーツパターン1,2…が含まれている。例えば、通常の動作1においてキャラクターが目を閉じることを表現するために、目を開けている状態、目を閉じかけている状態、目を閉じた状態の3つのパーツパターンが用意されている。この3つのパーツパターンを切り替えながら繰り返し表示することで、目を閉じたり、開けたりする動作を表現することができるようになる。
【0037】
図6は、本実施形態のキャラクター作成処理により作成されるキャラクターデータとレイヤとの関係を示す図である。
図6に示すように、キャラクターを構成する複数のパーツのそれぞれに対応する画像データが入力されると、各パーツのそれぞれに対応するレイヤに分けて画像データを記録する。各レイヤに対しては、キャラクターの種類に応じて何れのパーツの画像データを記録するか決められており、キャラクターに応じてパーツに応じたアニメーション動作をするように予め決められた表示制御がおこなわれる。
【0038】
次に、本実施形態におけるゲーム機の動作について、フローチャートを参照しながら説明する。
図7は、本実施形態のゲーム機における全体処理を説明するフローチャート、図8は、全体処理中のキャラクター作成処理における描画処理を説明するフローチャートである。
CPU10は、ゲームプログラムが起動されると、ゲーム中で使用されるキャラクターを表示させるためのキャラクターデータが例えばメモリデバイス24に記録されているかを判別する。ここで、キャラクターデータが記録されている場合(ステップA1、Yes)、CPU10は、その既存のキャラクターデータを使用するかユーザに問い合わせる画面を、表示コントローラ16を通じてディスプレイ18に表示させる。
【0039】
ここで、キャラクターデータを使用する指示がペン20aによるユーザ操作により入力された場合(ステップA2、Yes)、CPU10は、メモリデバイス24に記録されている既存のキャラクターデータを読み込み(ステップA3)、ゲームプレイ処理を開始する。CPU10は、ゲームプレイ処理によって、メモリデバイス24から読み込んだキャラクターデータを用いてゲーム画面中にキャラクターを表示させ、ゲーム内容に応じてキャラクターを動作させる(ステップA4)。なお、ゲームプレイ処理の詳細については後述する(図11、図12参照)。
【0040】
なお、ゲームプレイ処理において実行されるゲーム内容としては、ゲーム画面に表示されたキャラクターに対する所定の操作(例えば、ペン20aを用いて撫でたり、突いたりする操作など)や時間経過に伴ってキャラクターの反応(動き)が変化する育成系のゲーム、予め用意されたアイテム(楽器やボールなど)をキャラクターに与えることで、アイテムに応じた動作をキャラクターにさせるゲーム、あるいは予め用意された課題を達成するようにキャラクターを動かすミニゲームなどが実行可能である。
【0041】
ゲームプレイ処理では、各ゲーム内容に応じて、キャラクターの動きが決められており、キャラクターを構成する各パーツの画像データ、すなわち各レイヤの画像データに対して表示制御が行われる。
【0042】
一方、メモリデバイス24に既存のキャラクターデータが記録されていない場合(ステップA1、No)、あるいは既存のキャラクターデータを使用しない指示がユーザにより入力された場合には(ステップA2、No)、CPU10は、キャラクター作成処理を実行する(ステップA7〜A14)。
【0043】
CPU10は、キャラクター作成処理に移行すると、「おてほんデータ」が用意されている作成可能な複数のキャラクターの一覧を表示させて、作成対象とするキャラクターをユーザに選択させる。ここで、何れかのキャラクターが選択されると、CPU10は、該当するキャラクターの「おてほんデータ」を読出し、この「おてほんデータ」を用いてキャラクターに応じたガイド表示を開始する。
【0044】
ここでは、「くま」のキャラクターの作成がユーザにより選択されたものとする。この「くま」のキャラクターは、複数のパーツ「頭」「胴体」「右腕」「左腕」「右足」「左足」「羽根」によって構成され、パーツ毎に画像データを入力する描画処理(ステップA7〜A13)が実行される。
【0045】
図8は、あるパーツに対応する画像データを入力するための描画処理を示すフローチャートである。図9及び図10は、キャラクター作成処理時に表示される画面の一例を示す図である。なお、図9(a)〜(d)、図10(a)において、上段側がディスプレイ17において表示される画面、下段側がディスプレイ18において表示される画面を示している。
【0046】
CPU10は、「おてほんデータ」のパーツデータをもとに、お手本画像とメッセージを、ガイド表示に使用するディスプレイ17において表示させる。なお、CPU10は、「おてほんデータ」に音声データが含まれる場合には、この音声データを用いてインタフェースユニット19を通じて、スピーカ21からガイドメッセージを音声出力させる。
【0047】
例えば、図9(a)は、パーツ「頭」の描画処理時の表示画面を示している。図9(a)に示すように、ガイド表示として、描画対象とするパーツ「頭」の見本となるお手本画像と共に、「あたまをかこう!」のメッセージが表示されている。
【0048】
ここで、ユーザは、お手本画像を見ながらペン20aを用いてディスプレイ18(タッチパネル20)上で「頭」に相当する画像を手書き入力することによって、パーツ「頭」の画像データを入力することができる(ステップB5)。
【0049】
CPU10は、描画対象としているパーツ「頭」に対応するレイヤに、タッチパネル20を通じて手書きによって描画された画像の画像データ(描画イメージ)を記録する(ステップB6)。図9(a)の下段(ディスプレイ18の表示)では、お手本画像を参考にしてパーツ「頭」が描画され、その描画イメージが表示されている状態を示している。
【0050】
なお、ディスプレイ18においては、パーツを描画する時の色を複数の中から選択することができるパレット(画面の下辺部に配列されている)の他、描画したイメージを消すことができる消去モードへの切り替えを指示する「けす」、パーツデータの選択を指示する「しーる」、次のパーツへの描画処理への移行を指示する「すすむ」、キャラクター作成処理の終了を指示する「おわり」の各アイコンメニューが表示されている。なお、アイコンメニューは、ユーザによって選択可能なものが表示されるものとする。
【0051】
CPU10は、アイコンメニューの「すすむ」が選択されると(ステップB8、Yes)、現在のパーツ「頭」から次のパーツ「胴体」についての描画処理に移行する。
【0052】
また、描画処理では、手書きによる描画によって画像データを入力するのではなく、既存の「パーツデータ」を利用して画像入力することができる。CPU10は、ユーザによって「しーる」のアイコンメニューが選択されると(ステップB2、Yes)、現在のパーツにおいて使用できる「しーる」を選択するための選択画面を表示させる。例えば、「目」の「しーる」(パーツパターン)を貼り付けることが可能な場合、複数種類の「目」の一覧メニューを表示させて、その中からユーザに選択させる。
【0053】
CPU10は、選択された「目」のパーツパターンを画面中に表示させ、ペン20aの操作によってパーツパターンの位置を指定させる。CPU10は、表示対象とするパーツに対応するレイヤにパーツデータ(パーツパターンデータ(画像データ))を記録する(ステップB4)。
【0054】
図9(b)は、「目」の「しーる」を貼り付ける場合の表示画面の一例を示している。アイコンメニューの「しーる」が選択されると、図9(b)の上段(ディスプレイ17)に示すように、目の部分が入力対象となっていることを表すお手本画像を表示すると共に「めのしーるをはろう!」のメッセージを表示する。ユーザは、前述したように、右目と左目のそれぞれについて、「しーる」の種類を選択して、貼り付ける位置を指定することで、図9(b)の下段(ディスプレイ18)のように表示させることができる。
【0055】
なお、前述した説明では、パーツ「頭」の一部として「目」の「しーる」を貼り付けるものとしているが、「目」の部分のみをパーツとして扱い、パーツ「頭」とは異なるレイヤによって管理されるようにしても良い。また、前述した説明では「目」についてのみ説明しているが、キャラクターの他の部分、例えば「口」などについても「しーる」(パーツデータ)の貼り付けの操作によって画像データを入力することができる。また、「しーる」の貼り付けが可能なパーツであっても、手書きによる描画によって画像データを入力することもできる。
【0056】
以下、同様にして、例えば図9(c)(パーツ「胴体」の部分)、図9(d)(パーツ「右腕」)、図10(a)(パーツ「右足」)のように、各パーツについて、お手本画像と共にパーツの入力を促すメッセージを表示しながら、各パーツに対する画像データを入力し、パーツに対応するレイヤに記録していく。
【0057】
そして、「おわり」のアイコンメニューがユーザにより選択されると、CPU10は、各パーツに対して入力された画像データをキャラクターデータとして保存する(ステップA14)。図10(b)には、キャラクター作成処理によって作成されたキャラクターの一例を示している。CPU10は、各パーツに対応するレイヤによって管理された画像データをそれぞれ重ね合わせて表示することで、1つのキャラクターを表示させることができる。
【0058】
CPU10は、このキャラクターデータにより表示されるキャラクターを用いたゲームプレイ処理を開始する(ステップA4)。CPU10は、ゲームプレイ処理において、キャラクターデータを用いてゲーム画面中にキャラクターを表示させ、ゲーム内容に応じてキャラクターを動作させる。
【0059】
図11は、ゲームプレイ処理を説明するフローチャートである。
CPU10は、ユーザ操作や予めゲームプログラムにおける設定内容に応じたゲーム処理を実行する(ステップC1)。CPU10は、ゲーム処理においてキャラクターを動作させる状況となった場合(ステップC2、Yes)、各レイヤの画像データ(手書き描画イメージ、パーツデータ)のそれぞれに対して、パーツ毎に決められた表示制御を行う(ステップC3)。これにより、ゲーム画面中において、キャラクターをゲーム状況に合わせて動かす(アニメーション化する)ことができる。
【0060】
例えば、育成系のゲームの実行中に、ユーザによるペン20aの操作によってキャラクターが撫でられた場合、キャラクターが喜んでいることを表現するようにキャラクターを動作させる。CPU10は、ゲームプログラムにおいて、キャラクターが喜んでいることを表現する動作をさせるために、各レイヤのパーツに
図12には、キャラクターのパーツに対する表示制御の一例を示している。図12は、キャラクター「くま」の「右腕」に対する表示制御の例を示している。例えば、キャラクターのパーツ「右腕」に対応するレイヤについては、図12(a)に示すように、手書きにより入力された描画イメージ(画像データ)の最初の入力点(始点)を基準として、図12(b)に示すように、所定の角度内で回転させるように表示制御が決められている。通常、右腕を描画する場合には、胴体に近い位置から描画を開始する場合が多いため、始点を基準として回転するように画像データに対して表示制御することで、右腕として入力された描画イメージに対して、腕を上下に振っているように表現することができる。
【0061】
同様にして、各レイヤに対して決められた表示制御を行うことで、各レイヤに対応するパーツに応じた動作をするようにキャラクターを動作させることができる。なお、当然ながら、ゲーム処理の状況に応じてキャラクター動作が決定され、各キャラクター動作の内容に応じて各パーツ(レイヤ)に対する表示制御の内容も変えられるものとする。
【0062】
また、図13(a)(b)に示すように、他のパーツに対して入力された描画イメージ(画像データ)の位置関係に基づいて表示制御を行うようにしても良い。図13(a)は、パーツの「頭」と「胴体」との関係を示している。例えば、パーツ「頭」に対して入力された画像データの重心位置G1と、パーツ「胴体」に対して入力された画像データの重心位置G2とを結ぶ線を基準線として、重心位置G1においてパーツ「頭」の画像データに対して、時計回り/反時計回りで同じ角度分回転させる。これにより、例えば、胴体が斜めに描画されたとしても、パーツ「頭」を胴体部分に対して適切な向きで動かすことができる。
【0063】
なお、表示制御の対象とするレイヤに対してパーツデータが選択されている場合には、図14のフローチャートに示す表示制御が行われるものとする。
【0064】
例えば、CPU10は、ゲーム状況に応じてキャラクターを動作させる場合に、そのキャラクター動作に応じたパーツパターンデータを読出し(ステップD1)、
例えば、通常の動作1においてキャラクターが目を閉じることを表現するために、図15(a)〜(c)に示すような、目を開けている状態、目を閉じかけている状態、目を閉じた状態の3つのパーツパターンデータを順次読み出して、キャラクター動作に合わせて該当するレイヤの画像データを書き換えることによって、目を閉じたり、開けたりする動作を表現することができるようになる。
【0065】
また、キャラクター動作に応じて、例えば図15(d)に示すような、キャラクターに困った表情をさせるための「目」のパーツパターンデータを用意することで、
こうして、手書きによって描画された画像の画像データと、予め用意されたパーツデータとの組合せによってキャラクターを作成することができ、パーツパターンに対する制御によって、手書き入力された画像データに対する表示制御だけでは表現できないキャラクターに豊かな表情を持たせることができる。
【0066】
このようにして、本実施形態におけるゲーム機では、キャラクター作成処理において、作成対象とするキャラクターを構成するパーツ毎に、手書きによる描画あるいは「しーる」(パーツデータ)の指定により画像データを入力するだけで、簡単にキャラクターを作成することができる。パーツ毎に入力された画像データは、パーツ毎にレイヤにより管理されるので、3Dモデルのように奥行きを意識する必要がなくなり、各パーツ間の位置関係を配慮しながら画像データを入力する必要がないので、キャラクター作成の難易度を大幅に低下させることができる。また、各パーツの外形状を一筆で閉じた絵として入力するといった制約もないため、1つのパーツをレイヤ内に自由な感覚で描画できるようになる。例えば線描だけのパーツや塗りつぶしたパーツなど、小さな子供による落書きに近い感覚でキャラクターを作成することができる。また、作成対象とするキャラクターに応じたパーツ毎のガイド表示を予め決められた順番で提示するので、ガイドに従って各パーツの画像データを入力することで、キャラクター毎に決められた複数のレイヤに対して適切なパーツの画像データを描画でき、ユーザに何ら負担を与えないで済む。
【0067】
なお、前述した説明では、キャラクターを描画するためのパーツの順番が予め決められているとしているが、ユーザが描画しようとするキャラクターのパーツ(例えば「頭」「右手」など)を指定できるようにしても良い。この場合、ユーザにより指定されたパーツについてのお手本画像を表示し、これに対して手書き入力された描画イメージ、あるいは「しーる」メニューから選択されたパーツイメージ(画像データ)を、該当するパーツに対応するレイヤに描画する。
【0068】
また、前述した説明では、2つのディスプレイ17,18を設けた構成とするゲーム機を例にしているが、ディスプレイが1つのゲーム機においても当然ながら実現可能である。すなわち、1つのディスプレイにおいてディスプレイ17,18のそれぞれに相当する表示領域を設けて、前述と同様の表示制御を行えばよい。
【0069】
また、タッチパネル20に対してペン20aを用いて手書きによる画像データを入力すもとしているが、その他のポインティングデバイス(マウス、ジョイスティック等)を用いることも可能である。
【0070】
また、携帯型のゲーム機を対象として説明しているが、ゲームセンター等に設置される業務用のゲーム機、家庭用の据え置き型のゲーム機などの他、パーソナルコンピュータや携帯電話機などのゲーム機として機能させることが可能な装置に適用することが可能である。
【0071】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0072】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記録媒体を含むものである。
【符号の説明】
【0073】
10…CPU、11…RAM、12,13…GPU、14,15…VRAM、16…表示コントローラ、17,18…ディスプレイ、19…インタフェースユニット、20…タッチパネル、20a…ペン、21…スピーカ、22…ボタン群、23…コネクタ、24…メモリデバイス、26…通信ユニット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム機、ゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザから入力されたデータをもとにアニメーションを作成することが行われている。特許文献1に記載されたアニメーション生成方式では、ユーザによる形状入力により胴体,左足,右足,左手,右手などの部品(パーツ)が加えられてアニメーションのモデルを作成する。そして、パーツが何であるかの情報をユーザにより入力させ、部品の種類毎にデータを貼り合わせてアニメーションデータを加工し、決められた法則に従ってアニメーションを実行する。
【0003】
ユーザによる形状入力では、胴体,左足,右足,左手,右手などのパーツの位置関係を考慮する必要がある。すなわち、パーツを3Dモデルとして作成するため、奥行きについての各部品の相対的な位置を合わせて形状入力する必要がある。また、複数のパーツを組み合わせて1つの3Dモデルを作成するので、各パーツを特定することができるように、例えばパーツの外形状を一筆で閉じた絵として入力する必要がある。
【0004】
また従来では、比較的簡単に格別なリソースを必要とせずにアニメーションを構築して表示するアニメーション表示装置が考えられている(特許文献1参照)。特許文献1に記載されたアニメーション表示装置では、アニメーションとして表示する対象が、背景、足、胴、頭で構成される場合、これらをそれぞれのレイヤとして分配し、レイヤ毎に、表示更新するタイミングと表示効果を示す属性情報でスケジュールを設定しておき、各レイヤはこのスケジュールに従ってそれぞれが与えられたタイミングでのみ表示更新する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−319035号公報
【特許文献2】特開2000−285258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように従来では、アニメーションを作成する場合には、パーツを3Dモデルとして作成する必要があったため、例えば複数のパーツを組み合わせてキャラクターを作成する場合には、各パーツの位置関係を配慮して形状入力しなければならない。このために、キャラクター作成の難易度が高くなってしまい、例えば低年齢層のユーザにとっては容易に使用することができなかった。
【0007】
また、複数のパーツを組み合わせて1つの3Dモデルを作成するため、各パーツの外形状を一筆で閉じた絵として入力しなければならないという制約があった。このため、自由な感覚でキャラクターを構成するパーツの入力をすることができなかった。
【0008】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、アニメーションに用いられるキャラクターを分かり易く簡単に作成することが可能なゲーム機、ゲームプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は、キャラクターを構成する複数の部分の画像データをユーザ操作に応じて入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された画像データを前記キャラクターを構成する複数の部分のそれぞれに対応するレイヤ毎に記録する記録手段と、前記記録手段によりレイヤ毎に記録された画像データをもとに前記キャラクターを表示する表示手段と、前記記録手段により記録されたレイヤ毎の画像データに対して、前記表示手段により表示対象となっている前記キャラクターに応じて前記レイヤのそれぞれに決められた表示制御を行う表示制御手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アニメーションに用いられるキャラクターを分かり易く簡単に作成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態におけるゲーム機の機能構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態におけるゲーム機の外観構成を示す図。
【図3】本実施形態のゲーム機におけるキャラクター作成処理により作成された「キャラクターデータ」のデータ構成の一例を示す図。
【図4】「おてほんデータ」のデータ構成の一例を示す図。
【図5】パーツデータの一例を示す図。
【図6】本実施形態のキャラクター作成処理により作成されるキャラクターデータとレイヤとの関係を示す図。
【図7】本実施形態のゲーム機における全体処理を説明するフローチャート。
【図8】全体処理中のキャラクター作成処理における描画処理を説明するフローチャート。
【図9】キャラクター作成処理時に表示される画面の一例を示す図。
【図10】キャラクター作成処理時に表示される画面の一例を示す図。
【図11】ゲームプレイ処理を説明するフローチャート。
【図12】キャラクターのパーツに対する表示制御の一例を示す図。
【図13】他のパーツに対して入力された描画イメージ(画像データ)の位置関係に基づいて表示制御を行う例を示す図。
【図14】パーツデータに対する表示制御を示すフローチャート。
【図15】パーツパターンの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるゲーム機の機能構成を示すブロック図である。本実施形態におけるゲーム装置は、例えば携帯型に構成されている。
【0013】
図1に示すように、本実施形態におけるゲーム装置には、CPU10が実装される。CPU10には、バスを介して、RAM11、GPU12,13、表示コントローラ16、ディスプレイ17,18、インタフェースユニット19、コネクタ23、及び通信ユニット26が接続される。
【0014】
CPU10は、ゲーム装置全体の制御を司るもので、RAM11に記録されたプログラムに応じた各種処理を実行する。CPU10は、本実施形態におけるゲームプログラムに基づいて各部を制御し、ユーザ操作によって入力された画像データをもとにキャラクターを作成し、このキャラクターが動作するアニメーションを利用したゲームを実行することができる。
【0015】
CPU10は、ゲームプログラムによるキャラクター作成処理を実行して、キャラクターを構成する複数の部分(パーツ)の画像データを、ペン20aを用いたタッチパネル20に対するユーザ操作に応じて入力し、この入力された画像データをキャラクターを構成する複数のパーツのそれぞれに対応するレイヤ毎にRAM11に記録する。CPU10は、レイヤ毎に記録された画像データをもとに、表示コントローラ16によってディスプレイ17,18においてキャラクターを表示させる。CPU10は、ゲーム処理において、RAM11に記録されたレイヤ毎の画像データに対して、表示対象となっているキャラクターの種類あるいはゲーム状況に応じて、レイヤのそれぞれに決められた表示制御を行うことでキャラクターをゲーム画面中において動作させる(アニメーション化する)。
【0016】
CPU10は、キャラクター作成処理においてユーザ操作によってキャラクターを構成する画像データを入力する際には、キャラクターに応じて決められた順番で複数のパーツ、例えば頭、胴、右腕、左腕などの画像データを入力する。CPU10により実行されるゲームプログラムでは、複数のキャラクターのそれぞれについて、複数のパーツの画像データを入力すべき順番に応じて、画像データの入力をユーザに促す画面を表示するための「おてほんデータ」(図4参照)が用意されている。CPU10は、予めゲームプログラムにおいて用意されている複数のキャラクターからユーザにより作成対象として指定されたキャラクターを選択し、この選択されたキャラクターに対応する「おてほんデータ」に基づいて、タッチパネル20を通じてユーザ操作によりキャラクターの各パーツの画像データが入力される毎に、次の順番のパーツに対応する画像データの入力をユーザに促す画面を表示コントローラ16を通じてディスプレイ17において表示させる。
【0017】
また、CPU10は、タッチパネル20に対するユーザ操作によってキャラクターを構成する画像データを入力する場合、ユーザの手書きにより描画された画像の画像データ、あるいは予め作成されているキャラクターを構成するパーツに対応する複数の画像データ(後述する「しーる」によって指定される「パーツデータ」(図5参照))からユーザにより指示された画像データの何れかを、ユーザにより選択させることができる。
【0018】
RAM11は、CPU10により実行されるプログラムやデータなどを一時的に記録する。キャラクター作成処理では、キャラクターを構成する複数のパーツのそれぞれに対応する画像データ(キャラクターデータ)が記録される。複数のパーツのそれぞれに対応する画像データは、各パーツに対応するレイヤによって管理される。また、キャラクター作成処理時には、RAM11には「おてほんデータ」や「パーツデータ」が記録され、必要に応じてCPU10によりアクセスされる。
【0019】
GPU12,13は、CPU10からの指示に応じて、RAM11に記録されている表示画像を生成するためのデータに基づいて表示画像データを生成するもので、GPU12には、VRAM14が接続され、GPU13には、VRAM15が接続されている。GPU12は、ディスプレイ17において表示するための表示画像データを生成してVRAM14に描画する。GPU13は、同様にディスプレイ18において表示するための表示画像データを生成してVRAM15に描画する。
【0020】
ディスプレイ17,18は、表示コントローラ16の制御のもとで画像を表示する。ディスプレイ17,18は、例えばヒンジ機構によって開閉可能に結合された2つのハウジングのそれぞれに設けられる。一方のディスプレイ18は、後述するタッチパネル20と積層一体型に形成されている。ディスプレイ17,18は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)により構成される。なお、EL(Electroluminescence)などの他の表示装置を用いることも可能である。
【0021】
表示コントローラ16は、ディスプレイ17,18における画面表示を制御するもので、VRAM14,15に記録された画像データをもとにディスプレイ17において画像を表示させ、VRAM15に記録された画像データをもとにディスプレイ17において画像を表示させる。
【0022】
インタフェースユニット19は、各種デバイスを接続するためのもので、例えばタッチパネル20、スピーカ21、ボタン群22が接続される。タッチパネル20は、ペン20aを用いたパネル面に対する位置指示に応じた描画(画像)データを入力する。
【0023】
スピーカ21は、CPU10の制御のもとで操作音や各種アプリケーションに応じた各種音(メッセージ音声、音楽、効果音等)を出力させる。
ボタン群22は、ユーザからの指示を入力するためのもので、例えば十字ボタン、スタートボタン、セレクトボタン、Aボタン、Bボタン、Xボタン、Yボタン、電源ボタンなどを含んでいる。
【0024】
コネクタ23は、外部デバイスを着脱自在に接続するためのもので、例えばメモリデバイス24を接続することができる。
メモリデバイス24は、例えばゲームプログラムを記録するROMと、データを書き換え可能に記録するRAM等が搭載されている。メモリデバイス24のRAMには、プログラムの他にも、適宜、CPU10がプログラムを実行して得られる一時的なデータ等が記録される。
【0025】
通信ユニット26は、他のゲーム装置やネットワークを解して接続された他の機器との間の通信を制御する。
【0026】
なお、本実施形態におけるゲームプログラムは、メモリデバイス24等の外部記録媒体を通じてゲーム装置に供給されるだけでなく、有線または無線の通信回線を通じて供給されてもよい。また、ゲームプログラムは、ゲーム装置に実装された不揮発性記録装置に予め記録されていてもよい。なお、ゲームプログラムを記録する記録媒体としては、不揮発性半導体メモリに限らず、CD−ROM、DVD、あるいはそれらに類する光学式ディスク状記録媒体でもよい。
【0027】
図2は、本実施形態におけるゲーム機の外観構成を示す図である。
図2に示すようにゲーム機は、上側ハウジングと下側ハウジングとがヒンジ機構により結合されて構成されており、上側ハウジングにはディスプレイ17が収納され、下側ハウジングにはディスプレイ18が収納されている。
【0028】
上側ハウジングには、スピーカ21が収納されており、スピーカ21から音を外部に放出するための音抜き孔が形成されている。下側ハウジングには、ボタン群22として、スタートスイッチ、セレクトスイッチの他、ゲーム処理の実行時に操作される十字スイッチ22a、Aボタン、Bボタン、Xボタン、Yボタンなどのボタン22bが設けられている。
【0029】
下側ハウジングに収納されたディスプレイ18の画面上にはタッチパネル20が装着されている。タッチパネル20としては、例えば抵抗膜方式や光学式(赤外線方式)や静電容量結合式等、任意の方式のものを利用することができる。タッチパネル20は、その表面をペン20aで触れると、その接触位置に対応する座標データを出力する機能を有する。なお、以下の説明では、ユーザがタッチパネル20をペン20aで操作するものとするが、ペン20aの代わりに指などで操作することも勿論可能である。
【0030】
図3は、本実施形態のゲーム機におけるキャラクター作成処理により作成された「キャラクターデータ」のデータ構成の一例を示す図である。
本実施形態におけるゲーム機では、キャラクター作成処理によって、ユーザによる操作によってゲームで使用されるキャラクターを作成することができる。キャラクター作成処理では、複数のキャラクター1,2,3…を作成することが可能であり、キャラクター毎にキャラクターを構成するキャラクターデータ1,2,3…が記録される。例えば、キャラクター1に対応するキャラクターデータ1は、キャラクターを構成する複数の部分(パーツ)の画像データが、それぞれに対応するレイヤ1,2,3…n毎に管理されている。
【0031】
なお、キャラクターによってパーツの数が異なっていても良い。従って、キャラクターデータに含まれる画像データが記録されるレイヤの数もキャラクターによって異なっていても良い。
【0032】
ゲームプログラムでは、キャラクター毎に、各レイヤの画像データに対して、どのような表示制御をするか、すなわちキャラクターのパーツをどのように動かすか決められている。例えば、キャラクター1に対応するレイヤ1については、キャラクターの頭の部分に相当する画像データが記録されるものとし、頭の動きを表現するように画像データに対して表示制御が行われるようになっている。
【0033】
図4は、キャラクター作成処理において、ユーザによりキャラクターを作成させる際にお手本を提示するための「おてほんデータ」のデータ構成の一例を示す図である。
本実施形態におけるキャラクター作成処理では、キャラクターを構成する複数の部分(パーツ)の画像データを、それぞれに対応するレイヤによって管理するために、例えばキャラクター毎に決められた順番で複数のパーツの画像データを入力させる。「おてほんデータ」は、キャラクター毎に、ユーザに対して次に入力すべき順番のパーツを提示し、画像データの入力を促すためのデータが設定されている。
【0034】
例えば、図4に示すように、キャラクター2に対応する「おてほんデータ2」には、キャラクターの「頭」「目」「体」…にそれぞれ対応する、ガイドを表示するためのパーツデータ1,2,3…が設定されている。この場合、キャラクター作成処理において、「頭」「目」「体」…の順番で各パーツの画像データを入力させるためのガイドを出力させる。パーツデータには、次に入力すべきキャラクターの部分をイメージによって表示させるためのイメージデータの他、文章によりガイド表示するためのテキストデータ、音声によって案内をするための音声データなどが含まれる。その他の形式のデータが含まれていても良い。
【0035】
図5は、キャラクター作成処理において、ユーザの手書きによる画像データの入力ではなく、予め作成された画像データを用いる場合のパーツデータの一例を示す図である。
本実施形態におけるキャラクター作成処理では、キャラクターのパーツの画像データを入力する場合に、ユーザのペン20aを用いた手書きにより描画された画像の画像データだけでなく、パーツデータとして予め用意された画像データを利用することができる。パーツデータは、1つのパーツに対して複数の種類のパターン(画像データ)が用意されており、ユーザが何れかのパターンを任意に選択することができる。また、1つのパーツに対して、ゲーム中のキャラクター動作の違いに応じたパターンによって表示(アニメーション化)することができるように、キャラクター動作別の複数のパーツパターンデータが用意されている。
【0036】
例えば、図5に示すように、キャラクターのパーツ「目」に対しては、キャラクターの動作1,2…のそれぞれに応じたパーツパターンデータ(画像データ)が用意されている。パーツパターンデータには、キャラクターをアニメーション化した時にパーツが動いていることを表現するための動作内容に応じて、キャラクター動作毎に対応する複数のパーツパターン1,2…が含まれている。例えば、通常の動作1においてキャラクターが目を閉じることを表現するために、目を開けている状態、目を閉じかけている状態、目を閉じた状態の3つのパーツパターンが用意されている。この3つのパーツパターンを切り替えながら繰り返し表示することで、目を閉じたり、開けたりする動作を表現することができるようになる。
【0037】
図6は、本実施形態のキャラクター作成処理により作成されるキャラクターデータとレイヤとの関係を示す図である。
図6に示すように、キャラクターを構成する複数のパーツのそれぞれに対応する画像データが入力されると、各パーツのそれぞれに対応するレイヤに分けて画像データを記録する。各レイヤに対しては、キャラクターの種類に応じて何れのパーツの画像データを記録するか決められており、キャラクターに応じてパーツに応じたアニメーション動作をするように予め決められた表示制御がおこなわれる。
【0038】
次に、本実施形態におけるゲーム機の動作について、フローチャートを参照しながら説明する。
図7は、本実施形態のゲーム機における全体処理を説明するフローチャート、図8は、全体処理中のキャラクター作成処理における描画処理を説明するフローチャートである。
CPU10は、ゲームプログラムが起動されると、ゲーム中で使用されるキャラクターを表示させるためのキャラクターデータが例えばメモリデバイス24に記録されているかを判別する。ここで、キャラクターデータが記録されている場合(ステップA1、Yes)、CPU10は、その既存のキャラクターデータを使用するかユーザに問い合わせる画面を、表示コントローラ16を通じてディスプレイ18に表示させる。
【0039】
ここで、キャラクターデータを使用する指示がペン20aによるユーザ操作により入力された場合(ステップA2、Yes)、CPU10は、メモリデバイス24に記録されている既存のキャラクターデータを読み込み(ステップA3)、ゲームプレイ処理を開始する。CPU10は、ゲームプレイ処理によって、メモリデバイス24から読み込んだキャラクターデータを用いてゲーム画面中にキャラクターを表示させ、ゲーム内容に応じてキャラクターを動作させる(ステップA4)。なお、ゲームプレイ処理の詳細については後述する(図11、図12参照)。
【0040】
なお、ゲームプレイ処理において実行されるゲーム内容としては、ゲーム画面に表示されたキャラクターに対する所定の操作(例えば、ペン20aを用いて撫でたり、突いたりする操作など)や時間経過に伴ってキャラクターの反応(動き)が変化する育成系のゲーム、予め用意されたアイテム(楽器やボールなど)をキャラクターに与えることで、アイテムに応じた動作をキャラクターにさせるゲーム、あるいは予め用意された課題を達成するようにキャラクターを動かすミニゲームなどが実行可能である。
【0041】
ゲームプレイ処理では、各ゲーム内容に応じて、キャラクターの動きが決められており、キャラクターを構成する各パーツの画像データ、すなわち各レイヤの画像データに対して表示制御が行われる。
【0042】
一方、メモリデバイス24に既存のキャラクターデータが記録されていない場合(ステップA1、No)、あるいは既存のキャラクターデータを使用しない指示がユーザにより入力された場合には(ステップA2、No)、CPU10は、キャラクター作成処理を実行する(ステップA7〜A14)。
【0043】
CPU10は、キャラクター作成処理に移行すると、「おてほんデータ」が用意されている作成可能な複数のキャラクターの一覧を表示させて、作成対象とするキャラクターをユーザに選択させる。ここで、何れかのキャラクターが選択されると、CPU10は、該当するキャラクターの「おてほんデータ」を読出し、この「おてほんデータ」を用いてキャラクターに応じたガイド表示を開始する。
【0044】
ここでは、「くま」のキャラクターの作成がユーザにより選択されたものとする。この「くま」のキャラクターは、複数のパーツ「頭」「胴体」「右腕」「左腕」「右足」「左足」「羽根」によって構成され、パーツ毎に画像データを入力する描画処理(ステップA7〜A13)が実行される。
【0045】
図8は、あるパーツに対応する画像データを入力するための描画処理を示すフローチャートである。図9及び図10は、キャラクター作成処理時に表示される画面の一例を示す図である。なお、図9(a)〜(d)、図10(a)において、上段側がディスプレイ17において表示される画面、下段側がディスプレイ18において表示される画面を示している。
【0046】
CPU10は、「おてほんデータ」のパーツデータをもとに、お手本画像とメッセージを、ガイド表示に使用するディスプレイ17において表示させる。なお、CPU10は、「おてほんデータ」に音声データが含まれる場合には、この音声データを用いてインタフェースユニット19を通じて、スピーカ21からガイドメッセージを音声出力させる。
【0047】
例えば、図9(a)は、パーツ「頭」の描画処理時の表示画面を示している。図9(a)に示すように、ガイド表示として、描画対象とするパーツ「頭」の見本となるお手本画像と共に、「あたまをかこう!」のメッセージが表示されている。
【0048】
ここで、ユーザは、お手本画像を見ながらペン20aを用いてディスプレイ18(タッチパネル20)上で「頭」に相当する画像を手書き入力することによって、パーツ「頭」の画像データを入力することができる(ステップB5)。
【0049】
CPU10は、描画対象としているパーツ「頭」に対応するレイヤに、タッチパネル20を通じて手書きによって描画された画像の画像データ(描画イメージ)を記録する(ステップB6)。図9(a)の下段(ディスプレイ18の表示)では、お手本画像を参考にしてパーツ「頭」が描画され、その描画イメージが表示されている状態を示している。
【0050】
なお、ディスプレイ18においては、パーツを描画する時の色を複数の中から選択することができるパレット(画面の下辺部に配列されている)の他、描画したイメージを消すことができる消去モードへの切り替えを指示する「けす」、パーツデータの選択を指示する「しーる」、次のパーツへの描画処理への移行を指示する「すすむ」、キャラクター作成処理の終了を指示する「おわり」の各アイコンメニューが表示されている。なお、アイコンメニューは、ユーザによって選択可能なものが表示されるものとする。
【0051】
CPU10は、アイコンメニューの「すすむ」が選択されると(ステップB8、Yes)、現在のパーツ「頭」から次のパーツ「胴体」についての描画処理に移行する。
【0052】
また、描画処理では、手書きによる描画によって画像データを入力するのではなく、既存の「パーツデータ」を利用して画像入力することができる。CPU10は、ユーザによって「しーる」のアイコンメニューが選択されると(ステップB2、Yes)、現在のパーツにおいて使用できる「しーる」を選択するための選択画面を表示させる。例えば、「目」の「しーる」(パーツパターン)を貼り付けることが可能な場合、複数種類の「目」の一覧メニューを表示させて、その中からユーザに選択させる。
【0053】
CPU10は、選択された「目」のパーツパターンを画面中に表示させ、ペン20aの操作によってパーツパターンの位置を指定させる。CPU10は、表示対象とするパーツに対応するレイヤにパーツデータ(パーツパターンデータ(画像データ))を記録する(ステップB4)。
【0054】
図9(b)は、「目」の「しーる」を貼り付ける場合の表示画面の一例を示している。アイコンメニューの「しーる」が選択されると、図9(b)の上段(ディスプレイ17)に示すように、目の部分が入力対象となっていることを表すお手本画像を表示すると共に「めのしーるをはろう!」のメッセージを表示する。ユーザは、前述したように、右目と左目のそれぞれについて、「しーる」の種類を選択して、貼り付ける位置を指定することで、図9(b)の下段(ディスプレイ18)のように表示させることができる。
【0055】
なお、前述した説明では、パーツ「頭」の一部として「目」の「しーる」を貼り付けるものとしているが、「目」の部分のみをパーツとして扱い、パーツ「頭」とは異なるレイヤによって管理されるようにしても良い。また、前述した説明では「目」についてのみ説明しているが、キャラクターの他の部分、例えば「口」などについても「しーる」(パーツデータ)の貼り付けの操作によって画像データを入力することができる。また、「しーる」の貼り付けが可能なパーツであっても、手書きによる描画によって画像データを入力することもできる。
【0056】
以下、同様にして、例えば図9(c)(パーツ「胴体」の部分)、図9(d)(パーツ「右腕」)、図10(a)(パーツ「右足」)のように、各パーツについて、お手本画像と共にパーツの入力を促すメッセージを表示しながら、各パーツに対する画像データを入力し、パーツに対応するレイヤに記録していく。
【0057】
そして、「おわり」のアイコンメニューがユーザにより選択されると、CPU10は、各パーツに対して入力された画像データをキャラクターデータとして保存する(ステップA14)。図10(b)には、キャラクター作成処理によって作成されたキャラクターの一例を示している。CPU10は、各パーツに対応するレイヤによって管理された画像データをそれぞれ重ね合わせて表示することで、1つのキャラクターを表示させることができる。
【0058】
CPU10は、このキャラクターデータにより表示されるキャラクターを用いたゲームプレイ処理を開始する(ステップA4)。CPU10は、ゲームプレイ処理において、キャラクターデータを用いてゲーム画面中にキャラクターを表示させ、ゲーム内容に応じてキャラクターを動作させる。
【0059】
図11は、ゲームプレイ処理を説明するフローチャートである。
CPU10は、ユーザ操作や予めゲームプログラムにおける設定内容に応じたゲーム処理を実行する(ステップC1)。CPU10は、ゲーム処理においてキャラクターを動作させる状況となった場合(ステップC2、Yes)、各レイヤの画像データ(手書き描画イメージ、パーツデータ)のそれぞれに対して、パーツ毎に決められた表示制御を行う(ステップC3)。これにより、ゲーム画面中において、キャラクターをゲーム状況に合わせて動かす(アニメーション化する)ことができる。
【0060】
例えば、育成系のゲームの実行中に、ユーザによるペン20aの操作によってキャラクターが撫でられた場合、キャラクターが喜んでいることを表現するようにキャラクターを動作させる。CPU10は、ゲームプログラムにおいて、キャラクターが喜んでいることを表現する動作をさせるために、各レイヤのパーツに
図12には、キャラクターのパーツに対する表示制御の一例を示している。図12は、キャラクター「くま」の「右腕」に対する表示制御の例を示している。例えば、キャラクターのパーツ「右腕」に対応するレイヤについては、図12(a)に示すように、手書きにより入力された描画イメージ(画像データ)の最初の入力点(始点)を基準として、図12(b)に示すように、所定の角度内で回転させるように表示制御が決められている。通常、右腕を描画する場合には、胴体に近い位置から描画を開始する場合が多いため、始点を基準として回転するように画像データに対して表示制御することで、右腕として入力された描画イメージに対して、腕を上下に振っているように表現することができる。
【0061】
同様にして、各レイヤに対して決められた表示制御を行うことで、各レイヤに対応するパーツに応じた動作をするようにキャラクターを動作させることができる。なお、当然ながら、ゲーム処理の状況に応じてキャラクター動作が決定され、各キャラクター動作の内容に応じて各パーツ(レイヤ)に対する表示制御の内容も変えられるものとする。
【0062】
また、図13(a)(b)に示すように、他のパーツに対して入力された描画イメージ(画像データ)の位置関係に基づいて表示制御を行うようにしても良い。図13(a)は、パーツの「頭」と「胴体」との関係を示している。例えば、パーツ「頭」に対して入力された画像データの重心位置G1と、パーツ「胴体」に対して入力された画像データの重心位置G2とを結ぶ線を基準線として、重心位置G1においてパーツ「頭」の画像データに対して、時計回り/反時計回りで同じ角度分回転させる。これにより、例えば、胴体が斜めに描画されたとしても、パーツ「頭」を胴体部分に対して適切な向きで動かすことができる。
【0063】
なお、表示制御の対象とするレイヤに対してパーツデータが選択されている場合には、図14のフローチャートに示す表示制御が行われるものとする。
【0064】
例えば、CPU10は、ゲーム状況に応じてキャラクターを動作させる場合に、そのキャラクター動作に応じたパーツパターンデータを読出し(ステップD1)、
例えば、通常の動作1においてキャラクターが目を閉じることを表現するために、図15(a)〜(c)に示すような、目を開けている状態、目を閉じかけている状態、目を閉じた状態の3つのパーツパターンデータを順次読み出して、キャラクター動作に合わせて該当するレイヤの画像データを書き換えることによって、目を閉じたり、開けたりする動作を表現することができるようになる。
【0065】
また、キャラクター動作に応じて、例えば図15(d)に示すような、キャラクターに困った表情をさせるための「目」のパーツパターンデータを用意することで、
こうして、手書きによって描画された画像の画像データと、予め用意されたパーツデータとの組合せによってキャラクターを作成することができ、パーツパターンに対する制御によって、手書き入力された画像データに対する表示制御だけでは表現できないキャラクターに豊かな表情を持たせることができる。
【0066】
このようにして、本実施形態におけるゲーム機では、キャラクター作成処理において、作成対象とするキャラクターを構成するパーツ毎に、手書きによる描画あるいは「しーる」(パーツデータ)の指定により画像データを入力するだけで、簡単にキャラクターを作成することができる。パーツ毎に入力された画像データは、パーツ毎にレイヤにより管理されるので、3Dモデルのように奥行きを意識する必要がなくなり、各パーツ間の位置関係を配慮しながら画像データを入力する必要がないので、キャラクター作成の難易度を大幅に低下させることができる。また、各パーツの外形状を一筆で閉じた絵として入力するといった制約もないため、1つのパーツをレイヤ内に自由な感覚で描画できるようになる。例えば線描だけのパーツや塗りつぶしたパーツなど、小さな子供による落書きに近い感覚でキャラクターを作成することができる。また、作成対象とするキャラクターに応じたパーツ毎のガイド表示を予め決められた順番で提示するので、ガイドに従って各パーツの画像データを入力することで、キャラクター毎に決められた複数のレイヤに対して適切なパーツの画像データを描画でき、ユーザに何ら負担を与えないで済む。
【0067】
なお、前述した説明では、キャラクターを描画するためのパーツの順番が予め決められているとしているが、ユーザが描画しようとするキャラクターのパーツ(例えば「頭」「右手」など)を指定できるようにしても良い。この場合、ユーザにより指定されたパーツについてのお手本画像を表示し、これに対して手書き入力された描画イメージ、あるいは「しーる」メニューから選択されたパーツイメージ(画像データ)を、該当するパーツに対応するレイヤに描画する。
【0068】
また、前述した説明では、2つのディスプレイ17,18を設けた構成とするゲーム機を例にしているが、ディスプレイが1つのゲーム機においても当然ながら実現可能である。すなわち、1つのディスプレイにおいてディスプレイ17,18のそれぞれに相当する表示領域を設けて、前述と同様の表示制御を行えばよい。
【0069】
また、タッチパネル20に対してペン20aを用いて手書きによる画像データを入力すもとしているが、その他のポインティングデバイス(マウス、ジョイスティック等)を用いることも可能である。
【0070】
また、携帯型のゲーム機を対象として説明しているが、ゲームセンター等に設置される業務用のゲーム機、家庭用の据え置き型のゲーム機などの他、パーソナルコンピュータや携帯電話機などのゲーム機として機能させることが可能な装置に適用することが可能である。
【0071】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0072】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記録媒体を含むものである。
【符号の説明】
【0073】
10…CPU、11…RAM、12,13…GPU、14,15…VRAM、16…表示コントローラ、17,18…ディスプレイ、19…インタフェースユニット、20…タッチパネル、20a…ペン、21…スピーカ、22…ボタン群、23…コネクタ、24…メモリデバイス、26…通信ユニット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクターを構成する複数の部分の画像データをユーザ操作に応じて入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力された画像データを前記キャラクターを構成する複数の部分のそれぞれに対応するレイヤ毎に記録する記録手段と、
前記記録手段によりレイヤ毎に記録された画像データをもとに前記キャラクターを表示する表示手段と、
前記記録手段により記録されたレイヤ毎の画像データに対して、前記表示手段により表示対象となっている前記キャラクターに応じて前記レイヤのそれぞれに決められた表示制御を行う表示制御手段と
を具備したことを特徴とするゲーム機。
【請求項2】
前記入力手段は、前記キャラクターに応じて決められた順番で前記複数の部分の画像データを入力することを特徴とする請求項1記載のゲーム機。
【請求項3】
複数のキャラクターのそれぞれについて、前記複数の部分の画像データを入力すべき順番に応じて、前記画像データの入力を前記ユーザに促す画面を表示するためのデータを記録するデータ記録手段と、
ユーザにより指定されたキャラクターを選択するキャラクター選択手段と、
前記キャラクター選択手段により選択されたキャラクターに対応する前記データ記録手段に記録されたデータに基づいて、前記入力手段により前記キャラクターの各部分の画像データが入力される毎に、次の順番の部分に対応する前記画像データの入力を前記ユーザに促す画面を表示するガイド表示手段とをさらに具備したことを特徴とする請求項2記載のゲーム機。
【請求項4】
前記入力手段は、
ユーザによる手書きにより描画された画像の画像データを入力する画像データ入力手段と、
予め作成されている前記キャラクターを構成する部分に対応する画像データをユーザからの指示に応じて選択する画像データ選択手段とを有し、
前記記録手段は、
前記画像データ入力手段によって入力された画像データ、あるいは前記画像データ選択手段により選択された画像データを記録することを特徴とする請求項1または3記載のゲーム機。
【請求項5】
コンピュータを、
キャラクターを構成する複数の部分の画像データをユーザ操作に応じて入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力された画像データを前記キャラクターを構成する複数の部分のそれぞれに対応するレイヤ毎に記録する記録手段と、
前記記録手段によりレイヤ毎に記録された画像データをもとに前記キャラクターを表示する表示手段と、
前記記録手段により記録されたレイヤ毎の画像データに対して、前記表示手段により表示対象となっている前記キャラクターに応じて前記レイヤのそれぞれに決められた表示制御を行う表示制御手段として機能させるためのゲームプログラム。
【請求項1】
キャラクターを構成する複数の部分の画像データをユーザ操作に応じて入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力された画像データを前記キャラクターを構成する複数の部分のそれぞれに対応するレイヤ毎に記録する記録手段と、
前記記録手段によりレイヤ毎に記録された画像データをもとに前記キャラクターを表示する表示手段と、
前記記録手段により記録されたレイヤ毎の画像データに対して、前記表示手段により表示対象となっている前記キャラクターに応じて前記レイヤのそれぞれに決められた表示制御を行う表示制御手段と
を具備したことを特徴とするゲーム機。
【請求項2】
前記入力手段は、前記キャラクターに応じて決められた順番で前記複数の部分の画像データを入力することを特徴とする請求項1記載のゲーム機。
【請求項3】
複数のキャラクターのそれぞれについて、前記複数の部分の画像データを入力すべき順番に応じて、前記画像データの入力を前記ユーザに促す画面を表示するためのデータを記録するデータ記録手段と、
ユーザにより指定されたキャラクターを選択するキャラクター選択手段と、
前記キャラクター選択手段により選択されたキャラクターに対応する前記データ記録手段に記録されたデータに基づいて、前記入力手段により前記キャラクターの各部分の画像データが入力される毎に、次の順番の部分に対応する前記画像データの入力を前記ユーザに促す画面を表示するガイド表示手段とをさらに具備したことを特徴とする請求項2記載のゲーム機。
【請求項4】
前記入力手段は、
ユーザによる手書きにより描画された画像の画像データを入力する画像データ入力手段と、
予め作成されている前記キャラクターを構成する部分に対応する画像データをユーザからの指示に応じて選択する画像データ選択手段とを有し、
前記記録手段は、
前記画像データ入力手段によって入力された画像データ、あるいは前記画像データ選択手段により選択された画像データを記録することを特徴とする請求項1または3記載のゲーム機。
【請求項5】
コンピュータを、
キャラクターを構成する複数の部分の画像データをユーザ操作に応じて入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力された画像データを前記キャラクターを構成する複数の部分のそれぞれに対応するレイヤ毎に記録する記録手段と、
前記記録手段によりレイヤ毎に記録された画像データをもとに前記キャラクターを表示する表示手段と、
前記記録手段により記録されたレイヤ毎の画像データに対して、前記表示手段により表示対象となっている前記キャラクターに応じて前記レイヤのそれぞれに決められた表示制御を行う表示制御手段として機能させるためのゲームプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−246845(P2010−246845A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102131(P2009−102131)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【Fターム(参考)】
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