説明

ゲーム機の衝撃体感装置およびこの装置を備えたゲーム機

【課題】 モニタ画像に映った衝撃映像に対応して遊技者に衝撃を体感させる。
【解決手段】 遊技者Pが被着する身体固定部材としてのシートベルト54と、このシートベルト54を緊張させることにより遊技者Pに衝撃を与える、巻掛けドラム60、ベルト押圧部材70および駆動モータ80等を備えた衝撃体感付与部と、前記所定の条件である模擬車両の衝突により駆動モータ80に衝撃付与の制御信号を出力してシートベルト54の緩和および緊張を現出させる制御装置とを備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム状況に応じて遊技者に所定の衝撃を体感させるゲーム機の衝撃体感装置およびこの装置を備えたゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、モニタ画面に映し出された画像を見ながら遊技者が種々の遊技操作を行うように構成されたドライブゲームで代表されるゲーム機が知られている。このドライブゲーム機は、遊技者が仮想的に車両を運転する状況を現出したドライブゲームのための遊技機であり、ハンドルやアクセルさらにはブレーキペダル等の運転装置を備えた運転席と、この運転席から視認し得る状態で仮想の走行路が映し出されるモニタ画面を備えたモニタ装置とを備えて構成されている。
【0003】
そして、遊技者は、運転席に着座した状態でハンドルやアクセルさらにはブレーキペダル等を適正に操作してモニタ画面に映し出される他の車両や電柱、側壁などの異物との衝突を避けるように運転操作するようになっている。
【0004】
ところで、従来のドライブゲーム機にあっては、モニタ画像を見ながら単に仮想の運転操作を行うだけであり、遊技者が仮想の運転操作を行っている仮想車両がモニタ画面に映っている他の車両や電柱、側壁等の異物と衝突しても、画面上だけのものであって臨場感に乏しいことから、モニタ画面上で遊技車両が他の車両や異物と衝突した場合、遊技者が着座しているシートに重低音の振動を与えたり、ハンドルに振動を与えたりして衝突の衝撃を遊技者に実体験的に味合わせるものが知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、シートやハンドルに振動を与える構造は、ドライブゲーム等のいわゆる乗物ゲーム全般において、ゲーム中に生じる体感の域を出ず、単にその強弱によって一定の臨場感を醸し出す程度に過ぎず、衝撃演出としては自ずと限界がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、ゲーム中の遊技者に対してより効果的で臨場性の高い衝撃感を体感させることができるゲーム機の衝撃体感装置およびこの装置を備えたゲーム機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、ゲーム状況に応じて遊技者に所定の衝撃を体感させるゲーム機の衝撃体感装置であって、遊技者の身体を固定する身体固定部材と、前記身体固定部材に対し、前記身体の固定の度合いに瞬間的な強弱を付与する衝撃付与部とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
かかる構成によれば、身体固定部材によって固定されたゲーム実行中の遊技者は、ゲームの状況に応じて衝撃付与部から固定の度合いに瞬間的な強弱が付けられた力を身体固定部材を介して受け、これによってそのゲーム状況に応じた衝撃を体感する。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ゲーム機は、前記身体固定部材によって固定される遊技者の身体を受ける身体固定部を備え、前記身体固定部材が前記遊技者の身体を前記身体固定部に固定するための長尺体であって、前記衝撃付与部は、前記長尺体の長さを変化させることで前記固定の度合いに瞬間的な強弱を付与するものであることを特徴とするものである。
【0010】
かかる構成によれば、遊技者が長尺体によって身体固定部に固定された状態で、衝撃付与部により長尺体の身体を固定している部分の長さが変化し、これによって長尺体の身体固定の度合いに瞬間的な強弱が生じると、この瞬間的な固定の強弱により遊技者はゲーム状況に応じて実体験的な衝撃を体感し、これによってゲームが臨場感に富んだ極めて興趣あるものになる。また、遊技者の身体を固定するものは長尺体であり、単に長尺体を締めるまたは緩めることで固定度合いの強弱を実現できるので、固定する部材として比較的簡易な構造とすることができる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記身体固定部は、遊技者が着座する着座シートであり、前記長尺体は、前記着座シートに着座する遊技者の上半身に被着される車載用のシートベルトを模擬したものであることを特徴とするものである。
【0012】
かかる構成によれば、遊技者は、着座シートに着座し、長尺体を上半身に被着することによって、模擬的に車両を運転し得る状態(いわゆるドライブゲームを行い得る状態)となる。そして、ゲーム状況に応じて衝撃付与部材がシートベルトの遊技者に対する固定状態に瞬間的に強弱を与えるため、シートベルトを被着した遊技者は、この瞬間的なシートベルトの締め付け力の強弱によって衝撃を体感し、ドライブゲームが臨場感に富んだ興趣あるものになる。また、シートベルトは現実世界の車両に必須のものであって、請求項3によれば特に現実世界に見られないような特殊な構造を追加することなく、シートベルトの形態をそのまま生かして衝撃を発生させることを可能としたので、遊技者にとっては違和感を持つことなく遊技に集中することができ、より臨場感を強く感じることができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記衝撃付与部は、前記遊技者を締め付ける方向に前記長尺体を巻き取るべく付勢する付勢部材を備えた巻取り部と、前記巻取り部と前記遊技者の被着位置との間に設けられ、前記長尺体を周面方向の一部で巻き掛けるドラムを備えた巻掛け部と、前記ドラムを回転させる駆動源とを備えて構成され、前記巻掛け部は、前記ドラムの基準位置で前記長尺体を前記遊技者の被着位置に対する繰り出しおよび巻き取りが自在な解放状態とし、前記基準位置から繰り出し方向への所定角度位置までの回転の間において、長尺体を前記ドラムと連れ回りさせて繰り出しを行わせる機構部と、前記ドラムに共回り可能に取り付けられ、該ドラムに巻き掛けられた前記長尺体を跨ぐアームとを備え、前記アームは、前記ドラムの基準位置と前記所定角度位置との間の中間角度位置から前記所定角度位置までの回転の間において、前記長尺体を前記ドラムの周方向に巻き込むことを特徴とするものである。
【0014】
かかる構成によれば、ドラムが基準位置にあるときは、長尺体(すなわちシートベルト)は解放状態になっているため、シートベルトは、遊技者の体格や着座シートでの姿勢変更に応じて巻取り部から出入し、付勢部材による所定の締め付け力で遊技者に被着された状態になる。そして、遊技者が運転している模擬車両が衝突対象物に接触したり衝突し、または急停車したりすると、駆動源の駆動によるドラムの回転でドラムが基準角度から繰り出し方向へ所定角度位置まで回転し、このとき機構部の作用でシートベルトはドラムと連れ回りして巻取り部から引き出され、これによって遊技者は緩和状態を体感する。一方、ドラムが回転を始めた後、中間角度位置に達すると、この位置からは、ドラムと共回りするアームがシートベルトをドラムの周方向に巻き込むようになり、これによって遊技者にシートベルトによる締め付け力が作用して遊技者は緊張を体感することになる。そして、ドラムの回転の速さによりシートベルトによる締め付けの強弱を素早く切り換えることで、遊技者に対し効果的な衝撃感が与えれる。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記機構部は、前記長尺体を挟んで前記ドラムの周縁を押圧する回転自在の押圧ローラと、前記ドラムの周縁に設けられ、前記ドラムの回転に伴い所定位置より前記長尺体と接触し前記押圧ローラとともに前記長尺体の前記ドラムに対する相対的な位置を固定する摩擦部材とを備えたことを特徴とするものである。
【0016】
かかる構成によれば、長尺体(シートベルト)は、押圧ローラにより摩擦部材へ向けて押圧された状態で摩擦部材との間の摩擦力によりドラムに対する相対的な位置が固定されるため、ドラムの回転に応じて巻き取り部から引き出されるとともに、遊技者の被着方向に向かって送り出される。
【0017】
上記のように、ドラムの周縁部に摩擦部材を設け、これとともに長尺体を挟んで押圧する押圧ローラを設けるという簡易な構造で長尺体の移動を確実に実現できる。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記ドラムの周縁の前記摩擦部材以外の箇所に、前記長尺体の前記ドラムに対する相対的な移動を自在とするフリーローラが設けられてなることを特徴とするものである。
【0019】
かかる構成によれば、ドラムの回転初期を含む前記基準位置では、たとえ巻掛けドラムが回転してもフリーローラの回転に吸収されて巻取り部から引き出されることがなく、したがって、衝撃が付与される状況でない状態で遊技者が姿勢変更を行っても、長尺体(シートベルト)は遊技者の身体の動きに追随して進退するため、遊技者に不要の負担を与えない。
【0020】
請求項7記載の発明は、前記シートの前面に、ゲーム画像を表示するモニタと、遊技者からの操作を受け付けるコントローラと、前記コントローラで受け付けた操作状況に従って自己模擬車両を仮想ゲーム空間内で走行制御するゲーム制御手段とを備え、前記ゲーム制御手段は、自己模擬車両と衝突対象物との仮想的な接触または自己模擬車両の急停止を判定し、この判定が肯定されると、衝撃発生指示を請求項4乃至6のいずれかに記載のゲーム機の衝撃体感装置の衝撃付与部に出力することを特徴とするゲーム機である。
【0021】
かかる構成によれば、遊技者がモニタに表示されたゲーム画像を視認しつつ仮想の運転操作でコントローラを介し仮想ゲーム空間内でゲームを実行している際に、自己模擬車両が衝突対象物と仮想的に接触(衝突を含む)または衝突対象物に対する衝突を回避しようとして急停止したとき、衝撃発生指示が衝撃体感装置に向けて出力され、これにより遊技者に長尺体を介して衝撃が付与される。
【0022】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載のゲーム機の衝撃体感装置を備えていることを特徴とするゲーム機である。
【0023】
かかる構成によれば、ゲーム機の種類を問わず、遊技者は、ゲームに則した臨場性の高い衝撃体感が可能になる。
【発明の効果】
【0024】
請求項1記載の発明によれば、ゲームの状況に応じた衝撃を体感することができ、ゲームを臨場感に富んだ興趣あるものにすることができる。
【0025】
請求項2記載の発明によれば、遊技者の身体を固定するものが長尺体であり、この長尺体を締めるまたは緩めることで固定度合いの強弱を実現できるので、固定する部材を比較的簡易な構造とすることができる。
【0026】
請求項3記載の発明によれば、着座シートに着座し、長尺体が被着された遊技者に、ドライブ中に障害物と衝突したときの状況などが体感され、ゲームを臨場感に富んだ極めて興趣のあるものにすることができる。
【0027】
請求項4記載の発明によれば、ドラムの回転の速さにより弛緩と緊張とを素早く切り換えることで、遊技者に対し効果的な衝撃感を与えることができる。
【0028】
請求項5記載の発明によれば、ドラムの周縁部に摩擦部材を設け、これとともに長尺体を挟んで押圧する押圧ローラを設けるという簡易な構造で長尺体の移動を確実に実現できる。
【0029】
請求項6記載の発明によれば、普段のドラムが回転されない状態において、長尺体が接しているフリーローラの回転により遊技者の体格や姿勢に応じて長尺体を巻取り部から自由に引き出すことができるため、遊技者の体格に拘わらず着座した遊技者に、特に長さ調節を行うことなく長尺体を密着させることができ、ゲームを実行するまでの準備期間の短縮化に貢献することができる。また、衝撃が付与される状況でない状態で遊技者が姿勢変更を行っても、長尺体(シートベルト)は遊技者の身体の動きに追随して進退するため、遊技者は、ゲームをしながら着座シート上で自由に姿勢を変えることができる。
【0030】
請求項7記載の発明によれば、画面で自己模擬車両が他の車両や側壁、その他の衝突対象物と衝突を含む接触を視認すると同時に、シートベルトを模擬した長尺体を介して遊技者に衝撃を与えることができ、ドライブゲームを臨場感に富んだものにすることができる。
【0031】
請求項8記載の発明によれば、ゲーム機の機種を問わず、遊技者は、ゲームに則した臨場性の高い衝撃を体感することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明に係る衝撃体感装置を備えたゲーム機として、ドライブゲーム機を例に挙げて説明する。図1は、本発明に係るドライブゲーム機の一実施形態を示す斜視図であり、図2は、その側面図である。なお、図1および図2において、X−X方向を幅方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
【0033】
図1および図2に示すように、ドライブゲーム機10は、遊技者Pがドライバーになって仮想的に車両の運転操作を行うことでゲームを楽しむためのものであり、フロア上に据え付けられた平面視で矩形状を呈する基台11と、この基台11の前部に立設された左右幅寸法が基台11のそれと略等しい前方フレーム12と、上の後方位置に左右一対で配設された2台の着座シート(身体固定部)13と、前記前方フレーム12に上下方向の略中央位置で各着座シート13と対向配置された幅方向一対のモニタ14と、各モニタ14の下方位置で前方フレーム12に配設された運転操作部15と、前記着座シート13に装着された本発明に係る衝撃体感装置20とを備えた基本構成を有している。
【0034】
前記着座シート13は、基台11に固定されたシート支持台131と、このシート支持台131に前後方向の位置が調節可能に装着された遊技者Pが着座するためのシートボトム132と、このシートボトム132の後縁部から立設されたシートバック(背凭れ)133と、このシートバック133の頂部に付設されたヘッドレスト134とを備えて構成されている。遊技者Pはシートボトム132に着座し背をシートバック133に凭れ掛けさせて前方のモニタ14と対面し、このモニタ14に映し出された前方車窓の車両走行に係るゲーム画像を視認しながら運転操作部15の各種操作部材を操作してゲームを行うようになっている。
【0035】
かかる着座シート13に着座した遊技者Pは、シートバック133の上部右側から引き出された後述のシートベルト(長尺体(身体固定部材))54を右の肩先から袈裟懸け状態で胸部および腹部に掛け回し、その先端をシートボトム132の前部左側に係止することにより、上体がこのシートベルト54によってシートバック133に押し付けられた状態になり、これによって着座状態が安定するようになっている。
【0036】
前記運転操作部15は、モニタ14直下の操作パネル159から遊技者Pに向かって突設されたステアリングホイール151と、操作パネル159の下部で前方フレーム12から遊技者Pの足下に向かって突設されたアクセルペダル152と、このアクセルペダル152の左側に設けられたブレーキペダル153と、ゲームの開始を入力するスタートボタン154とを備えている。
【0037】
そして、着座シート13に着座した遊技者Pがスタートボタン154を押下することによってゲームが開始され、まず、モニタ14に例えば自車両のフロントガラス通して見える車窓の停止映像が出力される。遊技者Pは、このモニタ14を視認しながら、実際の車両の運転度同様に、アクセルペダル152踏み込みつつステアリングホイール151を回転操作し、必要に応じてブレーキペダル153を操作することで、これらの操作に合わせてモニタ14の映像が進行方向に変更され、これによって遊技者Pは実際に車両を運転しているのと同等の体感を味わうことができる。
【0038】
また、ブレーキペダル153の左側にはスピーカ16が設けられている。そして、ゲームの進行上必要な各種の効果音がこのスピーカ16から出力され、これによってゲームがより臨場感に富んだものになるようにしている。
【0039】
ドライブゲームとしては、例えば予め設定された走行コースをどれだけ速く走り抜けるかを競うタイムレースや、着順を決める競走レースや、単に市街地を交通ルールに従って走行しルール違反で減点するようにした減点ゲーム等を挙げることができる。
【0040】
そして、本実施形態においては、衝撃体感装置20がシートバック133に設けられ、遊技者Pが仮想運転している車両がモニタ14内で他の車両や電柱、側壁等の異物(障害物)と衝突した場合、遊技者Pはこの衝撃体感装置20の作用でそのときの衝撃を体感し得るようになっている。かかる衝撃体感装置20は、シートバック133に装着された状態でカバー体21が被せられ、これによって着座シート13の外観視を見栄えよくしている。
【0041】
図3は、衝撃体感装置の一構成要素である衝撃体感装置20の第1実施形態を示す分解斜視図であり、図4は、その組み立て斜視図である。また、図5は、図4のA−A線断面図である。なお、図3〜図5におけるXおよびYによる方向表示は、図1の場合と同様である。これらの図に示すように、衝撃体感装置20は、前記シートバック133の右上部に固定されるフレーム30と、このフレーム30に装着される衝撃付与機構40とを備えて構成されている。
【0042】
前記フレーム30は、シートバック133の背面側(後面側)におけるヘッドレスト134の直下位置に固定される断面視がコ字形状を呈した横長フレーム31と、この横長フレーム31の右端部にボルト止めあるいは溶接止めで固定される縦長フレーム32と、この縦長フレーム32における後面側開口の下部位置を閉止する蓋フレーム33とからなっている。
【0043】
前記横長フレーム31は、シートバック133の背面に密着状態で固定される平板311と、この平板311の上縁部から後方に向かって突設された上板312と、同下縁部から後方に向かって突設された下板313と、同右縁部から後方に向かって突設された右側板314とからなっている。右側板314が縦長フレーム32の略下半分の部分に固定されることにより横長フレーム31が縦長フレーム32と一体化している。
【0044】
前記縦長フレーム32は、左右一対の側板321と、これら一対の側板321の上縁部間に架設された上部架設板322と、同下縁部間に架設された下部架設板323とからなっている。前記各側板321は、略上半分が前方に向かって先上がりに傾斜され、かつ、上端縁部は略垂直に形成されている。これによって一対の側板321の上縁部間に架設される上部架設板322は略垂直状態になっている。
【0045】
かかる側板321の下半分よりさらに若干下方位置には、後方に向かって突設された突設部321aが形成され、これによって側板321は、下部の前後幅寸法が他の部分より大きめになっている。そして、前記横長フレーム31は、その右側板314が縦長フレーム32の左側の側板321の突設部321aが形成されている位置に固定されることにより縦長フレーム32と一体化し、これによってフレーム30が形成されている。かかるフレーム30は、横長フレーム31の平板311がシートバック133の背面部にボルト止めされることによりシートバック133に固定されている。
【0046】
前記蓋フレーム33は、後述するベルト巻取りユニット(巻取り部)50が装着された状態で、縦長フレーム32の後方下部の開口を閉止するものであり、矩形状を呈している。かかる蓋フレーム33には、上縁部の幅方向中央位置が下方に向けて切り欠かれることによって形成した切欠き凹部331が形成されているとともに、この切欠き凹部331の両側部外方位置から前方に向かって折り曲げられることによって形成した幅方向一対の引掛け片332が突設されている。これらの引掛け片332は、蓋フレーム33が縦長フレーム32の後方開口を閉止した状態で、対応した縦長フレーム32の側板321の突設部321aに引っ掛けるためのものである。
【0047】
そして、このように構成されたフレーム30に前記衝撃付与機構40が装着されている。衝撃付与機構40は、遊技者Pを着座シート13に係止するためのシートベルト54を巻き取り方向への付勢部材の付勢力により巻き取るベルト巻取りユニット50と、このベルト巻取りユニット50から引き出されたシートベルト54が巻き掛けられる巻掛けドラム60と、ベルト巻取りユニット50から引き出されたシートベルト54を巻掛けドラム60の周面に押し付けるベルト押圧部材70と、この巻掛けドラム60をドラム心回りに回転させる駆動モータ(駆動源)80とを備えて構成されている。
【0048】
なお、本実施形態においては、上記ベルト押圧部材70と後述するフリーローラ63、シート部材66とによって、シートベルト54を前記巻掛けドラム60と連れ回りさせて遊技者の被着方向に向かって繰り出し及び巻き取りを行わせるための機構部を構成する。
【0049】
前記ベルト巻取りユニット50は、当該ベルト巻取りユニット50を蓋フレーム33に装着するための平板状の装着板51と、この装着板51の前面側に一体的に形成された直方体状のケーシング52と、このケーシング52内で左右方向に延びた支持軸531回りに回転自在に軸支されたリール53と、このリール53に巻付けられたシートベルト54と、このシートベルト54を巻き取る方向に前記リール53を付勢する渦巻きばね(付勢部材)55とを備えている。前記ケーシング52の天版には、シートベルト54を挿通するベルト挿通孔521が穿設され、リール53に巻き取られたシートベルト54の先端側がこのベルト挿通孔521を通って外部に導出されるようになっている。
【0050】
前記リール53は、渦巻きばね55によって図3における反時計方向に向けて付勢され、これによってシートベルト54は、リール53の支持軸531回りの反時計方向に向かう付勢回転で常にケーシング52内に引き入れられるようになっている。そして、かかるシートベルト54は、その先端に係止金具541が取り付けられ、この係止金具541がシートボトム132(図2)の前方左側面に設けられた図略の係止部材に装着されることにより、リール53からの引き出し状態が維持されるようになっている。
【0051】
また、前記縦長フレーム32の上部架設板322には、その前面側にシートベルト54を挿通して案内する案内金具56がねじ止めによって取り付けられ、この案内金具56にシートベルト54を挿通することによって遊技者Pを係止した状態のシートベルト54の上端が位置決めされるようになっている。
【0052】
前記巻掛けドラム60は、ベルト巻取りユニット50から引き出されたシートベルト54を巻き掛けるためのものであり、幅方向一対の円形のドラム板61と、これら一対のドラム板61における中心角が所定角度、例えば略270°の範囲内で周縁部間に架設された円弧架設板62と、一対のドラム板61間における前記円弧架設板62が設けられていない部分に周方向に等ピッチで架設された複数本のフリーローラ63と、ドラム板61における前記円弧架設板62の反時計方向側の端縁と対応した位置から径方向に外方に向けて突設された幅方向一対の突設アーム64と、これら一対の突設アーム64の先端部間に架設された架設ロッド65と、前記円弧架設板62の外周面に積層された、所定の摩擦係数を有する、例えばゴム製のシート部材66とを備えている。突設アーム64と架設ロッド65とで本発明に係るアームが形成されている。
【0053】
なお、フリーローラ63は巻掛けドラム60に巻掛けられたシートベルト54がその当接した位置で自在に繰り出し、巻き戻し等の移動が可能となるように備えられたもので、同様の機能を有するものであればこの構造に限定されるものではない。例えばベアリングを使用した構造であってもよい。以下では、フリーローラを使用した例で説明する。
【0054】
本実施形態においては、複数のフリーローラ63が設けられた巻掛けドラム60の周面と、シートベルト54を巻掛けドラム60と連れ回しさせるシート部材66と、昇降機構60の周面に巻き掛けられたシートベルト54を跨ぐように一対の突設アーム64に架設された架設ロッド65とで本発明に係る巻掛け部が形成されている。また、本発明に係るアームは、本実施形態における一対の突設アーム64と、これら突設アーム64間に架設された架設ロッド65とで構成されているが、本発明は、アームをこれら突設アーム64と架設ロッド65とで構成することに限定されるものではなく、例えば、一方のドラム板61からL字状を呈した鈎型の突片(アーム)を突設し、この突片の先端側の曲折した部分をシートベルト54に跨がせるようにしてもよい。
【0055】
かかる巻掛けドラム60は、一対のドラム板61の中心位置に穿設された中心孔611が駆動モータ80の駆動軸81に同心で、かつ、回り止め状態で外嵌された状態で縦長フレーム32の一対の側板321間における上下方向の略中央位置に装着されている。巻掛けドラム60を縦長フレーム32の一対の側板321間に装着するために、各側板321には、上下方向の略中央位置に前縁から後方に向かって切り込まれることによって形成した切込み溝321bがそれぞれ設けられ、これらの切込み溝321bに駆動軸81を嵌め込むことによって巻掛けドラム60が側板321間に装着されるようになっている。
【0056】
そして、駆動軸81が一対の切込み溝321bに嵌め込まれた状態で、駆動軸81の先端部に軸受け金具34を外嵌し、この軸受け金具34をねじ止めで右側の側板321に固定することにより、巻掛けドラム60が一対の側板321間に装着された状態になるようにしている。
【0057】
かかる駆動モータ80と、前記ベルト巻取りユニット50と、前記巻掛けドラム60とベルト押圧部材70とで本発明に係る、遊技者Pに衝撃を付与するための衝撃付与部が構成されている。
【0058】
前記フリーローラ63は、一対のドラム板61間に架設された複数本のローラ軸631回りに回転自在に軸支され、これによってシートベルト54が複数本のフリーローラ63に巻き掛けられるが、シートベルト54はフリーローラ63の回転に吸収され、これによってシートベルト54がケーシング52から引き出されることがないようになされている。
【0059】
また、前記一対の突設アーム64には、それぞれの基端位置から互いに離間する方向に向けて突設された突設片641が設けられている一方、前記蓋フレーム33の各引掛け片332には、前記各突設片641に対応した後部ストッパ333がそれぞれ設けられ、突設片641が後部ストッパ333に当止することによって巻掛けドラム60の駆動軸81回りの反時計方向に向かうこれ以上の回転が阻止されるようになっている。
【0060】
また、縦長フレーム32には、一対の側板321における前方位置であって、切込み溝321bの若干下方位置に互いに対向する方向に突出した一対の前部ストッパ324が設けられ、前記巻掛けドラム60は、その一対の突設片641がこれらの前部ストッパ324に当止することによってこれ以上の時計方向へ向かう回転が阻止されるようになっている。
【0061】
前記ベルト押圧部材70は、ケーシング52から引き出され、巻掛けドラム60の外周面と前記架設ロッド65との間に通されたシートベルト54を巻掛けドラム60の外周面に向けて押圧するためのものであり、二股状のU字形状を呈したU字部材71と、このU字部材71に装着された押圧ローラ72とからなっている。押圧ローラ72は、長さ寸法が一対のドラム板61間の外寸法と略同一に設定されている。
【0062】
前記U字部材71は、前記蓋フレーム33の前面側の上部位置にねじ止め等で固定される左右方向に長尺の止め板711と、この止め板711の左右の幹部から巻掛けドラム60の周面に沿うように円弧状に形成された上下方向に長尺の一対のローラ支持杆712とからなっている。
【0063】
前記押圧ローラ72は、一対のローラ支持杆712の先端部間に架設されたローラ支持軸721に回転自在に軸支されている。そして、かかるローラ支持杆712は、止め板711が固定された蓋フレーム33が縦長フレーム32に装着され、かつ、押圧ローラ72が巻掛けドラム60の外周面に当接した状態で僅かに弾性変形し、この弾性力で押圧ローラ72が巻掛けドラム60の周面を押圧するように形状設定されている。
【0064】
前記シートベルト54は、かかるベルト押圧部材70の押圧ローラ72と、巻掛けドラム60の外周面との間に差し通されるようになっている。したがって、ケーシング52から引き出されたシートベルト54は、押圧ローラ72と巻掛けドラム60の外周面との間に通されることにより、押圧ローラ72によって巻掛けドラム60の外周面に向けて押圧された状態になっている。
【0065】
前記シート部材66は、その摩擦力によってシートベルト54を巻掛けドラム60の回転に同伴させるためのものであり、円弧架設板62の外面全面に例えば接着剤を介して積層されている。かかるシート部材66のおよび押圧ローラ72の存在によって、シートベルト54は、巻掛けドラム60が後述の中間角度位置P2(図6の(ロ)参照)に角度設定された以降、巻掛けドラム60のドラム心回りの時計方向へ向かう回転に誘導されてベルト巻取りユニット50から引き出されることになる。
【0066】
ここで、上記押圧ローラ72、シートベルト54、フリーローラ63、シート部材66との位置関係についてさらに詳細に説明すると、押圧ローラ72が強くシートベルト54を押圧するのは、巻掛けドラム60の回転によってシート部材66がその部材自体の厚みによってシートベルト54を押圧ローラ72側に向かって内側から押すような状態になった場合である。即ち、シートベルト54の内側にフリーローラ63がある状態では、押圧ローラ72の先端はシートベルト54に軽く接触しているか、またはシート部材66の厚みより薄い距離だけ離間した状態となるように設計されている。そして、巻掛けドラム60の回転によってシートベルト54の内側にシート部材66がある状態になったときに、シート部材66自体の厚みによって押圧ローラ72が強くシートベルト54を押圧することになり、ベルト巻取りユニット50からの引き出しが行われることになる。
【0067】
前記駆動モータ80は、巻掛けドラム60をドラム心回りに正逆回転させるためのものであり、当該駆動モータ80には、その駆動で駆動回転する駆動軸81と、この駆動軸81と駆動モータ80との間に介設された減速機構82とが付設されている。減速機構82が採用されることによって駆動軸81の出力トルクが十分に大きくなっている。かかる駆動軸81に巻掛けドラム60の中心孔611が回り止め状態で外嵌されることにより、巻掛けドラム60が駆動軸81と一体回転し得るようになっている。
【0068】
このような駆動モータ80は、モータ支持枠体83を介してフレーム30に固定されている。モータ支持枠体83は直方体状を呈し、底板831と、この底板831の左右の端縁から立設された左右幅方向一対の側板832と、これら一対の側板832間に架設された天板833とからなり、前後方向に貫通している。そして、かかるモータ支持枠体83は、その底板831が横長フレーム31の上板312にボルト止めで固定されるとともに、右側の側板832が縦長フレーム32の左側の側板321に固定されることによりフレーム30に対して安定した状態で装着されている。
【0069】
また、モータ支持枠体83の一対の側板832には、駆動軸81を遊嵌させるための貫通孔834がそれぞれ設けられ、駆動軸81をこれらの貫通孔834、縦長フレーム32の切込み溝321bおよび巻掛けドラム60の中心孔611に貫通させた状態で減速機構82をモータ支持枠体83の左側の側板832にボルト止め等で固定することにより、駆動モータ80がモータ支持枠体83を介してフレーム30に装着された状態になる。
【0070】
そして、本実施形態においては、駆動軸81の回転角度を検出するための角度検出構造84がモータ支持枠体83内に設けられている。この角度検出構造84は、端面視で例えば八角形状を呈した筒部材85、この筒部材85内で駆動軸81に外嵌された被検出部材86と、前記筒部材85の内面に周方向で所定角度だけ離間した位置に設けられた光センサ87とを備えて構成されている。光センサ87は、発光素子871と受光素子872とが幅方向(左右方向)で互いに対向配置されている。
【0071】
前記被検出部材86は、駆動軸81に回り止め状態で外嵌される筒体861と、この筒体861の外周面から径方向の外方に向かって突設された検出突片862とからなっている。光センサ87は、検出突片862の回転軌跡上に、発光素子871と受光素子872との間の隙間が位置するように取り付け位置が設定されている。して、発光素子871からの光が検出突片862によって遮られて受光素子872に受光されなくなることにより駆動軸81の回転角度、すなわち巻掛けドラム60の回転角度が検出されるようになっている。
【0072】
かかる光センサ87は、筒部材85の周方向で所定角度離れた位置に、図3における時計方向に向けて第1光センサ87aと第2光センサ87bとして設けられている。第1光センサ87aは、巻掛けドラム60が初期角度位置(基準位置)P1に位置しているか否かを検出するものであり、第2光センサ87bは、巻掛けドラム60がベルト引戻し角度位置P3に位置しているか否かを検出するものである。
【0073】
初期角度位置P1は、本実施形態においては、図6の(イ)に示すように、突設アーム64が若干先下がりに後方(図6の紙面におけるの右方)へ延びた状態で、かつ、シートベルト54が4本のフリーローラ63に巻き掛けられている角度位置のことであり、中間角度位置P2は、図6の(ロ)に示すように、巻掛けドラム60が初期角度位置P1から時計方向へ略90°回転し、これによってシートベルト54がフリーローラ63から外れてシート部材66と当接を開始する角度位置であり、ベルト引戻し角度位置P3は、図6の(ニ)に示すように、巻掛けドラム60が中間角度位置P2からさらに所定角度(図6の(ニ)に示す例では90°より若干大きめ)回転し、これによって架設ロッド65がシートベルト54を巻掛けドラム60の周面に巻き付けて遊技者Pに被着されている部分を引き戻す角度位置である。
【0074】
そして、巻掛けドラム60の初期角度位置P1は、検出突片862が第1光センサ87aの発光素子871と受光素子872との間に位置することによって検出され、ベルト引戻し角度位置P3は、検出突片862が第2光センサ87bの発光素子871と受光素子872との間に位置することによって検出されるようになっている。
【0075】
以下、図6を基に、必要に応じて図1〜図5を参照しながら本発明に係る衝撃体感装置20の作用について説明する。図6は、衝撃体感装置20の作用を説明するための側面視の説明図であり、(イ)は、巻掛けドラム60の突設アーム64が初期角度位置P1に角度位置設定された状態、(ロ)は、巻掛けドラム60の突設アーム64が中間角度位置P2にある状態、(ハ)は、巻掛けドラム60の突設アーム64の架設ロッド65がシートベルト54に当接した状態、(ニ)は、巻掛けドラム60の突設アーム64がベルト引戻し角度位置P3にあることによりシートベルト54が遊技者の被着位置から引き戻された状態をそれぞれ示している。
【0076】
まず、巻掛けドラム60の突設アーム64が図6の(イ)に示す初期角度位置P1に角度位置設定された状態では、ベルト巻取りユニット50から引き出されて巻掛けドラム60に巻き掛けられたシートベルト54は、巻掛けドラム60の4つのフリーローラ63に当接された状態になっているため、この状態で着座シート13に着座している遊技者Pが着座姿勢を変えたりシートベルト54の張設状態を調整する等によりシートベルト54に引き出し方向に向かう力が加わると、シートベルト54はフリーローラ63の回転に誘導されてベルト巻取りユニット50から円滑に引き出される一方、シートベルト54に対する引き出し方向に向かう力が解消されると、シートベルト54はベルト巻取りユニット50内の渦巻きばね55(図3)の付勢力でベルト巻取りユニット50内に円滑に巻き戻されることになる。
【0077】
したがって、巻掛けドラム60の突設アーム64が初期角度位置P1に角度設定されている状態では、着座シート13に着座した遊技者Pは、その胸部が渦巻きばね55の付勢力でシートベルト54によってシートバック133に押し付けられた状態(すなわちシートベルト54に弛みが存在しない状態)になっている。
【0078】
また、後述するように、ドライブゲームの実行中に、駆動モータ80(図3、図4)が駆動され、これによって駆動軸81が軸心回りに紙面に対して時計方向に回転すると、この回転は、駆動軸81と一体の巻掛けドラム60に伝達され、これによって巻掛けドラム60は、駆動軸81回りに時計方向に回転(図6に黒塗り矢印で表示)するが、巻掛けドラム60の突設アーム64が中間角度位置P2(図6の(ロ))に到るまでは、シートベルト54は、押圧ローラ72とシート部材66とに挟持された状態になっていないため、フリーローラ63の回転に援助されつつ巻掛けドラム60の外周面を摺動し、これによって引き出し状態が継続される。
【0079】
ついで、巻掛けドラム60の突設アーム64が中間角度位置P2に到達すると、シートベルト54は、ベルト押圧部材70の押圧ローラ72と巻掛けドラム60のシート部材66との間に挟持された状態になるため、シート部材66の摩擦力によって巻掛けドラム60と一体的に回動し、これにより渦巻きばね55の付勢力に抗して、図6の(ロ)に白抜き矢印で示すように、ベルト巻取りユニット50のリール53から引き出されることになる。従って、シートベルト54のうち、シート部材66と押圧ローラ72とによって挟持された箇所から遊技者の被着位置に向かう部分は言わば若干たわんだような状態となる。
【0080】
このときのシートベルト54の弛み(すなわち緊張の緩和)によって、遊技者は、一瞬、車両の衝突、急停車等により前方に向けて加速度が加わった状態を体感することができる。
【0081】
そして、巻掛けドラム60の回転継続によって当該巻掛けドラム60の架設ロッド65が、図6の(ハ)に示すように、シートベルト54に当接した後は、当該架設ロッド65がシートベルト54を下方に押圧するため、当該シートベルト54は、巻掛けドラム60の外周面と架設ローラ35との間でV字状を呈するようになって一旦遊技者P側に向かって引き出されていた部分が、図6の(ニ)に示すように、引き戻されることになる。
【0082】
そして、このシートベルト54の引き戻しによって、着座シート13に着座している遊技者Pは、一旦緩められたシートベルト54によってシートバック133へ向けて締め付けられた状態になるため、このときのシートベルト54の緊張によって車両が異物と衝突したときの衝撃を体感することができる。つまり、単に通常の状態からシートベルトを強く締付けるのではなく、一旦固定の度合いを弱く緩めた後に、強く締付けるようにすることで、遊技者に対して効果的に衝撃を感じさせることができる。
【0083】
図7は、ドライブゲーム機の制御ブロック図の一例を示すものである。図7において、ドライブゲーム機10は、ゲーム機の動作を全般的に制御する制御装置90を備え、この制御装置90はマイクロコンピュータ等からなる制御部91、ゲームプログラムデータ、必要なゲーム画像データ、効果音などの音声データ等を格納するROM92、および処理途中のデータを一時的に保管するRAM93を備えている。
【0084】
ゲーム実行部911は、ステアリングホイール151、アクセルペダル152およびブレーキペダル153への遊技者による操作に応じた操作信号をそれぞれリアルタイムで受け付け、受け付けた内容を、ROM92に格納されたゲームプログラムに従って処理することでドライブゲームを進行させるものである。
【0085】
画像表示制御部912は、例えば遊技者の目を模擬カメラ視点としたゲーム画像をゲーム進行に従ってモニタ14上に順次展開するものである。画像表示制御部912は、描画処理部と表示RAMとを備え、ROM92に格納されている、複数のポリゴンとそれらに対応するテクスチャとからなるオブジェクトのそれぞれ(例えば自車車(遊技者の車両)のフロント部分の画像、また、種々の他車オブジェクト(コンピュータ制御による一般車両とか、また競争するべき他の遊技者の車両)、走行路オブジェクト、側壁や建物オブジェクトなどの周辺乃至は背景画オブジェクトなど)から、模擬カメラ視点を中心としたときの所要の画像データを読み出し、3次元のゲーム空間に展開(マッピング)すると共に、2次元画像に変換して表示RAMに書き込むという、座標計算と処理結果の表示RAMへの書き込み処理を繰り返し実行する。
【0086】
ゲーム結果評価部913は、ゲーム実行部911によるの処理によって、自車が目的地まで走行させ得たか否か、あるいはスタートからの経過時間の長短など(あるいは複数車両との競争では、順位など)から、遊技者のゲーム能力に対する所定の評価を行い、モニタ14に表示させるものである。
【0087】
接触判定部913は、自車オブジェクトと他車オブジェクトや側壁など(衝突対象物)との衝突の有無を判定するものである。具体的には、例えば自車を構成するポリゴンの座標と、他車オブジェクトや側壁オブジェクトを構成するポリゴン座標とが、接触と見なせる所定距離以下にまで接近したか否かを算出して判定し、あるいは自車オブジェクトの内側に他のオブジェクトのポリゴンが存在しているか否かを内積処理を利用する等して判定する。
【0088】
また、接触判定部913は、接触判定処理を経時的に繰り返すことで、接触するときの速さ(両者の接近の速さ)、つまり、接近速度が大きい方から、例えば激しい衝突、通常の衝突(他車への追突など)、単なる接触のような、接触の種類に応じた接触の程度を判定することも必要に応じて行うものである。また、接触判定部913は、接触時に角度(正面同士、斜め方向の角度など)も接触の程度の判定に利用することが可能である。本実施形態では、1種類の接触、すなわち、接触(衝突)の有無の判定が行われており、接触判定部913は接触有りとの判定結果を得ると、衝撃付与制御部914に衝撃指示を出力する。
【0089】
衝撃付与制御部914は、衝撃指示を受けると、直ちに駆動モータ80に衝撃発生用の駆動信号を出力し駆動モータ80を、図6の(イ)に示す初期角度位置P1から、図6(ロ)に示す中間角度位置P2を経て、図6(ニ)に示すベルト引戻し角度位置P3まで回転させると共に、直ちに逆回転して初期位置も戻すものである。すなわち、シートベルト54は、巻掛けドラム60が初期角度位置P1を越えて中間角度位置P2に到るまでは押圧ローラ72とフリーローラ63とに挟持された状態で自由に進退し得る状態とされ、続くベルト引戻し角度位置P3に到るまでの巻掛けドラム60の所定角度の回転でシート部材66の摩擦力により引き出されて一旦緩和状態になった後、巻掛けドラム60がベルト引戻し角度位置P3に到達することで架設ロッド65により引き込まれて緊張状態が得られ、これにより緊張を遊技者に与える。この緊張感を与える時間(すなわち、架設ロッド65がシートベルト54を抑えている時間)は、例えば0.1秒〜1.0または2.0秒程度の瞬間的とされる。
【0090】
そして、巻掛けドラム60がベルト引戻し角度位置P3に到達したことが光センサ87bにより検出されると、衝撃付与制御部914は、駆動モータ80を逆回転させて、前記の緊張状態を解放すなわち、弛緩させ、最後に光センサ87aのオンによって巻掛けドラム60の駆動モータ80の駆動を停止する。なお、接触の強弱を複数設定する態様では、駆動モータ80の回転量、回転速度を種々設置することで実現可能である。
【0091】
本発明の衝撃体感装置は、以上詳述したように、ゲーム実行中にゲーム遂行上現出する所定の条件(上記の実施形態においては遊技者Pが仮想的に運転している車両がモニタ14上の仮想の異物に衝突するという条件)に応じて衝撃を遊技者に体感させ得るべく構成されたものであり、遊技者Pが被着する身体固定部材としてのシートベルト54と、このシートベルト54を緊張させることにより遊技者Pに衝撃を与える巻掛けドラム60、ベルト押圧部材70および駆動モータ80等を備えた衝撃体感付与部と、前記所定の条件である車両の衝突により駆動モータ80に衝撃付与の制御信号を出力する制御装置90とを備えて構成されているため、ドライブゲーム機10を用いた遊技者Pによるドライブゲームの実行中に、遊技者Pが運転操作を行っている車両が他の車両や側壁等の異物に衝突したとき、制御装置90からの制御信号に基づきシートベルト54が緊張し、遊技者Pは、胸部を緊縛したシートベルト54の緊張によって衝撃を体感することができ、ドライブゲームを臨場感に富んだ興趣あるものにすることができる。
【0092】
そして、衝撃体感装置20は、遊技者Pが身に付けたり手で把持したりする身体固定部材(本実施形態ではシートベルト54)を緊張させるという簡単な構成のものであるため、例えば、遊技者Pが着座している着座シート13を遊技者Pごと動かして衝撃を与えたりする大掛かりなものに比較し、装置コストを抑えた上で、遊技者Pに確実に衝撃を与えることができ、装置コストの低減化を図る上で有効である。
【0093】
また、上記の実施形態においては、衝撃体感装置20は、シートベルト54を一旦弛緩させたのち緊張させるようにしているため、遊技者Pに一旦緩和状態を与えた上で緊張状態が現出し、これによって遊技者Pに対する衝撃付与効果を実際の衝突に即したもの(すなわち、実際に衝突が起こった場合には、衝突した瞬間、慣性力によって身体が一旦前方に移動した後、シートベルトによって後方に向かう力を受ける)にすることができる。
【0094】
また、衝撃体感装置20は、シートベルト54を最大引出し長と最小引出し長との間で渦巻きばね55の付勢力により巻き取るベルト巻取りユニット50と、このベルト巻取りユニット50から引き出されたシートベルト54が所定中心角で巻き掛けられる巻掛けドラム60と、この巻掛けドラム60をドラム心回りに回転させる駆動モータ80とを備えて構成され、巻掛けドラム60は、シートベルト54を跨いだ状態で周面から外方に向けて一体に突設された、初期角度位置P1とベルト引戻し角度位置P3との間で回動可能な突設アーム64を有し、突設アーム64(の架設ロッド65)は、巻掛けドラム60がシートベルト54の引出し方向に初期角度位置P1から所定の角度だけ回動したのち、シートベルト54を引き戻して巻掛けドラム60に巻き付かせてベルト引戻し角度位置P3に到る位置に設けられているため、駆動モータ80の同一方向へ向かう回転のみによってシートベルト54を一旦弛めた後に即座に緊張させるという動作を、駆動モータ80の回転方向の変更によって行う場合に比較し、極めて自然に行うことが可能になり、衝突による衝撃発生の状態を実際に即したものにすることができる。
【0095】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0096】
(1)図8は、衝撃体感装置201の第2実施形態を示す側面視の説明図であり、(イ)は、シートベルト54がベルト巻取りユニット50の渦巻きばね55の付勢力によって通常の張設状態で遊技者Pに被着された状態、(ロ)は、シートベルト54が駆動モータ80の時計方向へ向かう駆動により渦巻きばね55の付勢力に抗してベルト巻取りユニット50から引き出された状態、(ハ)は、駆動モータ80の正逆駆動によってシートベルト54が緊張および緩和を繰り返している状態をそれぞれ示している。
【0097】
図8に示すように、第2実施形態の衝撃体感装置201は、第1実施形態のものと同様のベルト巻取りユニット50と、同巻掛けドラム60と、同巻掛けドラム60を駆動する駆動モータ80と、この駆動モータ80に駆動信号を出力する制御装置901とを備えて構成されている点で第1実施形態の衝撃体感装置20と類似しているが、巻掛けドラム60に突設アーム64および架設ロッド65が設けられていない点と、制御装置901による衝撃体感制御の点で第1実施形態のものと相違している。
【0098】
すなわち、制御装置901は、遊技者Pが仮想運転している車両がモニタ14内で通常の走行を行っているときは、図8の(イ)に示すように、巻掛けドラム60が初期角度位置P1に設定され、シートベルト54が渦巻きばね55の付勢力によって遊技者Pをシートバック133へ係止した状態になっており、遊技者Pの姿勢変更に応じてフリーローラ63の回転に案内されつつ正逆移動するようになっており、この点については第1実施形態と同様である。
【0099】
また、遊技者Pが仮想運転している車両がモニタ14上で異物と衝突したとき、制御装置901からの駆動信号によって駆動モータ80が駆動され、これによって、巻掛けドラム60がベルト引戻し角度位置P3(図8の(ニ))に到るまで時計方向に回転することでシートベルト54がシート部材66の摩擦力により渦巻きばね55の付勢力に抗して一旦引き出されることも第1実施形態と同様である。
【0100】
これに対し、巻掛けドラム60がベルト引戻し角度位置P3に到達した後は、制御装置901からの駆動信号により駆動モータ80が瞬間的に正逆駆動され、これによる巻掛けドラム60の瞬間的な正逆回動によってシートベルト54が揺動的に往復動し、これによって遊技者Pがシートベルト54によって前後に揺さぶられるようになっている。
【0101】
かかる第2実施形態の衝撃体感装置201によれば、ドライブゲーム機10により仮想運転している車両が異物に衝突した状態で、シートベルト54が遊技者Pを間欠的に締め付けたり開放したりするため、ドライブゲームがより興趣に富んだものになる。
【0102】
(2)図9は、衝撃体感装置202の第3実施形態を示す側面視の説明図であり、(イ)は、シートベルト54がベルト巻取りユニット50の渦巻きばね55の付勢力によって通常の張設状態で遊技者Pに被着された状態、(ロ)は、シートベルト54が駆動モータ80の時計方向へ向かう駆動により渦巻きばね55の付勢力に抗してベルト巻取りユニット50から引き出された状態、(ハ)は、駆動モータ801の駆動によってシートベルト54が緊張された状態をそれぞれ示している。
【0103】
図9に示すように、第3実施形態の衝撃体感装置202は、第1実施形態におけるフリーローラ63を備えていない巻掛けドラム601と、シートベルト54が引き出される第1実施形態のものと同様のベルト巻取りユニット50と、シートベルト54に緊張状態を付与する回動レバー67と、この回動レバー67を回動させるための駆動モータ801と、前記巻掛けドラム601に対して係脱することにより当該巻掛けドラム601の回転許容および回転阻止を行う制動部材68とを備えて構成されている。
【0104】
前記巻掛けドラム601は、中心軸612回りに同心で回転自在に軸支され、これによって、普段は、図9の(イ)に示すように、遊技者Pの姿勢変更等によるシートベルト54のベルト巻取りユニット50からの引き出し量の変動に応じて中心軸612回りに正逆回転するようになっている。
【0105】
前記回動レバー67は、巻掛けドラム601を挟んだ状態で一対が設けられ、巻掛けドラム601の前方(図9における右方)下部であってシートバック133の後方位置に設けられた幅方向(図9の紙面に直交する方向)に延びる駆動軸671回りに回動可能に軸支されている。かかる回動レバー67は、駆動軸671回りに正逆回動することにより、後方に延びた初期姿勢Q1(図9の(イ))と、シートベルト54を下方に向けて押圧する前方に延びた押圧姿勢Q2(図9の(ハ))との間で姿勢変更可能になっている。
【0106】
前記一対の回動レバー67の先端部間には、架設ロッド672が架設されている。この架設ロッド672と前記駆動軸671巻掛けドラム601の直径より若干長めに設定され、これによって回動レバー67が水平面に対して後方に向けて略45°傾いた状態で架設ロッド672がシートベルト54を介して巻掛けドラム601の周面と当接するようになっている。
【0107】
前記制動部材68は、軸682回りに回動自在に軸支された爪部材681と、この爪部材681を軸682回りに正逆回動操作するためのソレノイド等からなるアクチュエータ683とを備えて構成されている。そして、アクチュエータ683の正駆動で爪部材681が軸682回りに時計方向に回動されることにより、当該爪部材681の先端が巻掛けドラム601の周面を押圧し、これによって巻掛けドラム601の回転が制動される一方、アクチュエータ683の逆駆動で爪部材681の先端の巻掛けドラム601周面への当接が解除されることにより、巻掛けドラム601はドラム軸602回りに回動し得るようにる。
【0108】
このように構成された衝撃体感装置202によれば、図9の(イ)に示す状態において、遊技者Pが仮想運転している車両がモニタ14(図1)上で異物に衝突すると、制御装置902からの制御信号が駆動モータ801へ向けて出力され、これによる駆動モータ801の正駆動で回動レバー67が駆動軸671回りに時計方向へ向けて回動する。そして、回動レバー67が、図9の(ロ)に示すように、略45°に傾いた状態になると、シートベルト54は、架設ロッド672と巻掛けドラム601とに挟持された状態になるため、回動レバー67の回動動作に追随してベルト巻取りユニット50から引き出され、これによって遊技者Pに対する緊張状態が一時的に解消された状態になる。
【0109】
この状態で、制御装置902からアクチュエータ683に向けて制御信号が出力され、これによるアクチュエータ683の駆動で爪部材681が巻掛けドラム601の周面に押圧当接し、これによって巻掛けドラム601の回転が制動される。
【0110】
そして、巻掛けドラム601の回動が制動された状態で回動レバー67の回動が継続され、これによって、図9の(ハ)に示すように、架設ロッド672がシートベルト54を上から下方に向かって押圧するため、シートベルト54は引き戻されて緊張状態になり、この緊張状態によって着座シート13に着座している遊技者Pは、モニタ14上に置ける異物との衝突に合わせて衝撃を体感することになる。
【0111】
第3実施形態の衝撃体感装置202によれば、シートベルト54を緊張させる回動レバー67の動作は、巻掛けドラム601の回転とは独立して行われるため、巻掛けドラム601の回転と関わりなく回動レバー67を動作させることが可能であり、シートベルト54の緊張状態の現出を状況に応じて種々設定することができ、衝撃体感装置202を汎用性に富んだものにすることができる。
【0112】
(3)上記の実施形態においては、本発明に係るゲーム機としてドライブゲーム機10が採用されているが、本発明は、ゲーム機がドライブゲーム機10であることに限定されるものではなく、カジキマグロ等の大物の魚をフィッシングする、いわゆるスポーツフィッシングを模擬したフィッシングゲーム機に適用することができる。この場合、遊技者は、モニタ14の手前に設置されたフィッシング用のチェアに着座し、長尺体としてのロープにより身体をチェアに固定した状態で模擬の釣竿をモニタ14に映し出された水面に向けて差し出すことになる。そして、獲物が掛かったときに、遊技者に対するロープの締め付け力に強弱が生じるようにしておけば、遊技者は、そのときの衝撃体感によって獲物が掛かったことを実感することができ、フィッシングゲームが極めて興趣に富んだものになる。
【0113】
(4)また、本発明に係るゲーム機を、遊技者が宇宙船に搭乗して宇宙に乗り出すという、いわゆるスペースゲーム機として適用することも可能である。この場合、遊技者は、宇宙船の擬似操縦席に着座し、長尺体としてのシートベルトにより身体を模擬操縦席に固定した状態でモニタ14を視認しながら宇宙船を模擬的に操縦することになる。そして、状況に応じて(例えば、隕石が宇宙船に衝突したり、宇宙戦争で敵の光線弾を被弾した場合等)、シートベルトの締め付け力に強弱が生じるようにしておけば、遊技者は、そのときの衝撃体感によって隕石との衝突などを体感することができ、スペースゲームの興趣性が向上する。
【0114】
(5)また、本発明に係るゲーム機を、画面に表示された擬似愛玩動物を散歩させる愛玩動物散歩ゲームに適用してもよい。この場合、身体固定部材に準ずるものとして身体係合部材を適用し、当該身体係合部材を、遊技者が把持する擬似愛玩動物を繋いだロープとすればよい。そして、ロープをモニタ14に映し出された画面上の仮想のロープと繋がっているようにモニタ14を備えたゲーム機の筐体の下部から本衝撃体感装置20を介して遊技者Pに向けて延設しておけば、ロープを把持した遊技者Pは、愛玩動物の散歩を実感することができる。また、制御装置は、擬似愛玩動物が暴走したしたときに衝撃体感装置に向けて衝撃付与の制御信号を出力するように構成しておけば、画面の愛玩動物の暴走に合わせてロープが一旦緩んだのち緊張するため、遊技者Pは、このときの衝撃で愛玩動物の暴走を体感することができる。
【0115】
(6)また、本発明に係るゲーム機として、モニタ画面に表示された擬似水域でフィッシングを行う通常のフィッシングゲームを挙げることもできる。この場合、身体係合部材を、釣竿を介して遊技者に被着される釣糸とすればよい。そして、実際の釣竿の先端に決着された釣糸をモニタ14に映し出された画面上の仮想の釣糸と繋がっているようにモニタ14を備えたゲーム機筐体の下部から衝撃体感装置20を介して遊技者Pに向けて延設しておけば、釣竿を把持した遊技者Pは、画面を見ながらフィッシングを実感することができる。また、制御装置は、釣り針に魚が掛かったときに衝撃体感装置に向けて衝撃付与の制御信号を出力するように構成しておけば、画面の魚のヒットに合わせて釣糸が一旦緩んだのち緊張するため、遊技者Pは、このときの衝撃で魚のヒットを体感することができる。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明に係るドライブゲーム機の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示すドライブゲーム機の側面図である。
【図3】衝撃体感装置の第1実施形態を示す分解斜視図である。
【図4】図3に示す衝撃体感装置の組み立て斜視図である。
【図5】図5は、図4のA−A線断面図である。
【図6】衝撃体感装置の作用を説明するための側面視の説明図であり、(イ)は、巻掛けドラムが初期角度位置に角度位置設定された状態、(ロ)は、巻掛けドラムが中間角度位置に角度位置設定された状態、(ハ)は、巻掛けドラムが中間角度位置からドラム心回りに時計方向に略45°回転することにより突設アームの架設ロッドがシートベルトに当接した状態、(ニ)は、巻掛けドラムがベルト引戻し角度位置に角度位置設定されることによりシートベルトが引き戻された状態をそれぞれ示している。
【図7】ドライブゲーム機の制御の一実施形態を示すブロック図である。
【図8】衝撃体感装置の第2実施形態を示す側面視の説明図であり、(イ)は、シートベルトがベルト巻取りユニットの渦巻きばねの付勢力によって通常の張設状態で遊技者に被着された状態、(ロ)は、シートベルトが駆動モータの時計方向へ向かう駆動により渦巻きばねの付勢力に抗してベルト巻取りユニットから引き出された状態、(ハ)は、駆動モータの正逆駆動によってシートベルトが緊張および緩和を繰り返している状態をそれぞれ示している。
【図9】衝撃体感装置の第3実施形態を示す側面視の説明図であり、(イ)は、シートベルトがベルト巻取りユニットの渦巻きばねの付勢力によって通常の張設状態で遊技者Pに被着された状態、(ロ)は、シートベルトが駆動モータの時計方向へ向かう駆動により渦巻きばねの付勢力に抗してベルト巻取りユニットから引き出された状態、(ハ)は、駆動モータの駆動によってシートベルトが緊張された状態をそれぞれ示している。
【符号の説明】
【0117】
10 ドライブゲーム機 11 基台
12 前方フレーム 13 着座シート(身体固定部)
131 シート支持台 132 シートボトム
133 シートバック(背凭れ)
134 ヘッドレスト 14 モニタ
15 運転操作部 151 ステアリングホイール
152 アクセルペダル 153 ブレーキペダル
154 スタートボタン 16 スピーカ
20 衝撃体感装置
21 カバー体 30 フレーム
31 横長フレーム 311 平板
312 上板 313 下板
314 右側板 32 縦長フレーム
321 側板 322 上部架設板
323 下部架設板 324 前部ストッパ
33 蓋フレーム 331 切欠き凹部
332 引掛け片 333 後部ストッパ
34 軸受け金具 35 架設ローラ
40 衝撃付与機構 50 ベルト巻取りユニット(巻取り部)
51 装着板 52 ケーシング
521 ベルト挿通孔 53 リール
531 支持軸 54 シートベルト(長尺体(身体固定部材))
541 係止金具 55 渦巻きばね(付勢部材)
56 案内金具 60,601 巻掛けドラム(巻掛け部)
602 ドラム軸 61 ドラム板
611 中心孔 62 円弧架設板
63 フリーローラ 631 ローラ軸
64 突設アーム(アーム) 641 突設片
65 架設ロッド(アーム(巻掛け部))
66 シート部材(機構部(巻掛け部))
67 回動レバー 671 駆動軸
672 架設ロッド 68 制動部材
681 爪部材 682 軸
683 アクチュエータ 70 ベルト押圧部材(機構部(巻掛け部))
71 U字部材 711 止め板
712 ローラ支持アーム 72 押圧ローラ
721 ローラ支持軸 80,801 駆動モータ(駆動源)
81 駆動軸 82 減速機構
83 モータ支持枠体 831 底板
832 側板 833 天板
834 貫通孔 84 角度検出構造
85 筒部材 86 被検出部材
861 筒体 862 検出円板
87 光センサ 87a 第1光センサ
87b 第2光センサ 871 発光素子
872 受光素子 90,901,902 制御装置
91 CPU 911 ゲーム実行部
912 衝撃制御部 92 ROM
93 RAM P 遊技者
P1 初期角度位置(基準位置)
P2 中間角度位置 P3 ベルト引戻し角度位置
Q1 初期姿勢 Q2 押圧姿勢

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム状況に応じて遊技者に所定の衝撃を体感させるゲーム機の衝撃体感装置であって、
遊技者の身体を固定する身体固定部材と、
前記身体固定部材に対し、前記身体の固定の度合いに瞬間的な強弱を付与する衝撃付与部とを備えたことを特徴とするゲーム機の衝撃体感装置。
【請求項2】
前記ゲーム機は、前記身体固定部材によって固定される遊技者の身体を受ける身体固定部を備え、
前記身体固定部材が前記遊技者の身体を前記身体固定部に固定するための長尺体であって、前記衝撃付与部は、前記長尺体の長さを変化させることで前記固定の度合いに瞬間的な強弱を付与するものであることを特徴とする請求項1記載のゲーム機の衝撃体感装置。
【請求項3】
前記身体固定部は、遊技者が着座する着座シートであり、
前記長尺体は、前記着座シートに着座する遊技者の上半身に被着される車載用のシートベルトを模擬したものであることを特徴とする請求項2記載のゲーム機の衝撃体感装置。
【請求項4】
前記衝撃付与部は、前記遊技者を締め付ける方向に前記長尺体を巻き取るべく付勢する付勢部材を備えた巻取り部と、前記巻取り部と前記遊技者の被着位置との間に設けられ、前記長尺体を周面方向の一部で巻き掛けるドラムを備えた巻掛け部と、前記ドラムを回転させる駆動源とを備えて構成され、
前記巻掛け部は、前記ドラムの基準位置で前記長尺体を前記遊技者の被着位置に対する繰り出しおよび巻き取りが自在な解放状態とし、前記基準位置から繰り出し方向への所定角度位置までの回転の間において、長尺体を前記ドラムと連れ回りさせて繰り出しを行わせる機構部と、前記ドラムに共回り可能に取り付けられ、該ドラムに巻き掛けられた前記長尺体を跨ぐアームとを備え、
前記アームは、前記ドラムの基準位置と前記所定角度位置との間の中間角度位置から前記所定角度位置までの回転の間において、前記長尺体を前記ドラムの周方向に巻き込むことを特徴とする請求項3記載のゲーム機の衝撃体感装置。
【請求項5】
前記機構部は、前記長尺体を挟んで前記ドラムの周縁を押圧する回転自在の押圧ローラと、前記ドラムの周縁に設けられ、前記ドラムの回転に伴い所定位置より前記長尺体と接触し前記押圧ローラとともに前記長尺体の前記ドラムに対する相対的な位置を固定する摩擦部材とを備えたことを特徴とする請求項4記載のゲーム機の衝撃体感装置。
【請求項6】
前記ドラムの周縁の前記摩擦部材以外の箇所に、前記長尺体の前記ドラムに対する相対的な移動を自在とするフリーローラが設けられてなることを特徴とする請求項5記載のゲーム機の衝撃体感装置。
【請求項7】
前記シートの前面に、ゲーム画像を表示するモニタと、
遊技者からの操作を受け付けるコントローラと、
前記コントローラで受け付けた操作状況に従って自己模擬車両を仮想ゲーム空間内で走行制御するゲーム制御手段とを備え、
前記ゲーム制御手段は、自己模擬車両と衝突対象物との仮想的な接触または自己模擬車両の急停止を判定し、この判定が肯定されると、衝撃発生指示を請求項4乃至6のいずれかに記載のゲーム機の衝撃体感装置の衝撃付与部に出力することを特徴とするゲーム機。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれかに記載のゲーム機の衝撃体感装置を備えていることを特徴とするゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−26120(P2006−26120A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−209607(P2004−209607)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000105637)コナミ株式会社 (106)
【Fターム(参考)】