説明

ゲーム機

【課題】プレイ開始までの入力操作を極力抑えて、簡易な簡単な操作でプレイヤ仕様のプレイを開始可能なゲーム機を提供する。
【解決手段】複数の設定項目を表示部33に表示して複数の設定項目に対応した情報をプレイヤが操作部31を操作して各々選択することで、ゲームにおけるプレイの開始に必須の情報である設定情報を決定してプレイの進行を開始するゲーム機1は、ゲームにおけるプレイで使用した設定情報を履歴として所定の記憶領域9に記憶する記憶制御部15と、新たにゲームを開始する場合に記憶制御部15によって記憶された記憶領域9から設定情報を読み出す読み出し部12と、読み出し部12から読み出した設定情報をプレイに使用するか否かを選択する選択画面40を表示部33に表示する選択画面表示制御部13と、設定情報を使用する選択を操作部31から受け付けたことに応じてプレイの進行を開始するプレイ進行部14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定項目を決定してプレイを開始するゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームに登場するキャラクタの外観や、そのキャラクタの能力パラメータ値を設定変更可能なゲーム装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−272124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のゲーム装置は、プレイヤがキャラクタの外観や能力パラメータを設定変更して、サーバやゲーム装置の記憶部に登録する。しかし、特許文献1に記載のゲーム装置で設定して登録可能なキャラクタの外観や能力パラメータは、プレイでの一部のカスタム情報であり、プレイ開始までの操作の一部の入力に対する省力化を可能にするものにすぎない。
【0005】
本発明の課題は、プレイ開始までの入力操作を抑えて、簡易な操作でプレイを開始可能なゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0007】
請求項1の発明は、複数の設定項目(61〜65)を表示部(33)に表示して、前記複数の設定項目に対応した情報をプレイヤが操作部(31)を操作して各々選択することで、ゲームにおけるプレイの開始に必須の情報である設定情報を決定して前記プレイの進行を開始するゲーム機(1,201)において、前記ゲームにおけるプレイで使用した前記設定情報を、履歴として所定の記憶領域(9,204)に記憶する記憶制御部(15,215)と、新たに前記ゲームを開始する場合に、前記記憶制御部によって記憶された前記記憶領域から前記設定情報を読み出す読み出し部(12,212)と、前記読み出し部から読み出した前記設定情報を前記プレイに使用するか否かを選択する選択画面(40)を、前記表示部に表示する選択画面表示制御部(13)と、前記設定情報を使用する選択を前記操作部から受け付けたことに応じて、前記プレイの進行を開始するプレイ進行部(14)と、を備えること、を特徴とするゲーム機である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のゲーム機(1,201)において、前記選択画面表示制御部(13)による前記選択画面(40)の表示に対して前記設定情報を使用しない選択を前記操作部(31)から受け付けたことに応じて、前記表示部(33)に前記複数の設定項目(61〜65)を表示する設定項目表示制御部(16)を備え、前記プレイ進行部(14)は、前記設定項目表示制御部により表示された前記複数の設定項目に対応した各々の情報の選択を受け付けたことに応じて、前記設定情報を決定して前記プレイの進行を開始し、前記記憶制御部(15,215)は、決定された前記設定情報を前記記憶領域(9,204)に新たに記憶すること、を特徴とするゲーム機である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のゲーム機(1,201)において、前記所定の記憶領域(9,204)に前記設定情報が記憶されているか否かを判定する記憶判定部(11,211)と、前記記憶判定部が前記設定情報を記憶していないと判定したことに応じて、前記表示部(33)に前記複数の設定項目(61〜65)を表示する設定項目表示制御部(16)と、を備え、前記プレイ進行部(14)は、前記設定項目表示制御部により表示された前記複数の設定項目に対応した各々の情報の選択を受け付けたことに応じて、前記設定情報を決定して前記プレイの進行を開始し、前記読み出し部(12,212)は、前記記憶判定部が前記設定情報を記憶していると判定したことに応じて、前記所定の記憶領域から前記設定情報を読み出すこと、を特徴とするゲーム機である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のゲーム機(1)において、前記記憶領域(9)を有し、前記プレイヤが携行可能な記憶装置(8)の情報を読み出し可能なリーダ部(32)を備え、前記読み出し部(12)は、前記リーダ部を介して前記記憶装置の前記記憶領域から前記設定情報を読み出すこと、を特徴とするゲーム機である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のゲーム機(201)において、記憶領域(207)を有し、前記プレイヤが携行可能な記憶装置(208)の情報を読み出し可能なリーダ部(32)と、通信回線(203)を介して接続されたサーバ(205)に対して通信を行う通信部(235)と、を備え、前記読み出し部(212)は、前記リーダ部を介して前記記憶装置の前記記憶領域から前記記憶装置を識別する識別情報を読み出し、前記通信部から前記サーバに対して前記識別情報を送信することで受信した前記識別情報に対応する前記設定情報を読み出すこと、を特徴とするゲーム機である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のゲーム機(201)において、前記設定項目は、前記設定情報に関するものの他に、予め前記プレイヤにより設定された前記ゲームにおけるプレイの開始に任意のカスタム情報に関するものをさらに含むこと、を特徴とするゲーム機である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のゲーム機(1,201)において、前記ゲームに関する課金処理を行う課金部(30)を備え、前記読み出し部(12,212)は、前記課金部が前記プレイヤに対する前記課金処理をしたことに応じて、前記設定情報を読み出すこと、を特徴とするゲーム機である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、直近のゲームのプレイで使用したプレイの開始に必須の設定情報を所定の記憶領域から読み出して、新たなゲームで使用するか否かを選択する選択画面を表示し、設定情報を使用する選択を受け付けた場合には、即時にプレイの進行を開始する。よって、プレイヤが、直近のゲームと同じ設定情報を使用するか否かの選択ができる。そして、プレイヤが設定情報を使用する選択をすることで、直近のゲームと同じ設定情報を用いたプレイが進行する。つまり、プレイ開始までの入力操作を極力抑えて、簡易な操作でプレイを開始することができる。そして、プレイに使用した設定情報を履歴として記憶するので、次回のゲームにその設定情報を用いることができる。また、プレイヤは、新たにゲームを開始するたびに項目を設定する手間が省略できるので、操作に対するストレスを低減できる。さらに、プレイ開始までのプレイヤの入力操作にかかる時間を短縮できるので、プレイヤによるゲーム機の専有時間を短縮し、回転率を向上でき、結果として、ゲーム機の稼働率を向上させることができる。
【0009】
(2)本発明は、直近のゲームのプレイで使用したプレイの開始に必須の設定情報を所定の記憶領域から読み出して、新たなゲームで使用するか否かを選択する選択画面を表示し、設定情報を使用しない選択を受け付けた場合には、複数の設定項目を表示して各設定項目に対応した情報を受け付けることで、設定情報を決定してプレイの進行を開始する。よって、プレイヤが直近のゲームと同じ設定情報を使用したくない場合には、プレイヤから複数の設定項目に対応した情報を受け付けることで、新たな設定情報を用いてプレイを進行することができる。
【0010】
(3)本発明は、記憶領域に設定情報が記憶されているか否かを判定して、設定情報を記憶していない場合に複数の設定項目を表示して各設定項目に対応した情報を受け付けて設定情報を決定してプレイの進行を開始する。よって、はじめてプレイする場合等、記憶領域に設定情報が記憶されていない場合には、プレイヤから複数の設定項目に対応した情報を受け付けることで、新たな設定情報を用いてプレイを進行することができる。そして、一度設定した設定情報を履歴として記憶するので、次回のプレイでその設定情報を用いることができる。
【0011】
(4)本発明は、記憶装置の記憶領域から設定情報を読み出すので、プレイヤがその記憶装置を持参してゲーム機に読み取らせることによって、異なる場所に設置されたゲーム機であっても、直近のゲームにおける設定情報を用いることができる。
【0012】
(5)本発明は、記憶装置の記憶領域から記憶装置を識別する識別情報を読み出してサーバに対して識別情報を送信することで、識別情報に対応する設定情報を読み出す。よって、プレイヤが識別情報を記憶した記憶装置を持参してゲーム機に読み取らせることで、異なる場所に設置されたゲーム機であっても、サーバに記憶された識別情報に対応する直近のゲームの設定情報を用いることができる。
【0013】
(6)本発明は、設定項目に、予めプレイヤにより設定されたプレイの開始に任意のカスタム情報に関するものを含むので、例えば、複雑な設定のカスタム情報を含んで、よりプレイヤの満足心を満たすプレイヤ仕様のプレイを、直近のゲームにおける設定情報を用いて開始することができる。
(7)本発明は、プレイヤに対してゲームに関する課金がされたことに応じて、設定情報を読み出すので、課金を契機として、直近のゲームにおける設定情報を読み出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態に係るゲームシステムの全体構成及びゲーム機の機能構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係るプレイ処理のフローチャートである。
【図3】第1実施形態に係る表示部での表示例を示す図である。
【図4】第2実施形態に係るゲームシステムの全体構成及びゲーム機の機能構成を示す図である。
【図5】第2実施形態に係るプレイ処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
図1は、第1実施形態に係るゲームシステム100の全体構成及びゲーム機1の機能構成を示す図である。
ゲームシステム100は、ゲーム機1と、ゲーム機1に挿入する外部記憶装置8(記憶装置)とを備える。
ゲーム機1は、例えば、ゲームセンタ等に設置され、カーレース等を行うレーシングゲーム機等である。
【0016】
ゲーム機1は、制御部10と、記憶部20と、課金部30と、操作部31と、挿入部32(リーダ部)と、表示部33とを備える。
制御部10は、記憶判定部11と、読み出し部12と、選択画面表示制御部13と、プレイ進行部14と、記憶制御部15と、設定項目表示制御部16とを備える。
制御部10は、情報の演算、及び処理を行う情報演算処理装置(CPU)であり、当該ゲーム機1の全体を制御するものである。制御部10は、後述する記憶部20に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、ゲーム機1のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0017】
記憶判定部11は、外部記憶装置8の後述する記憶領域9に設定情報が記憶されているか否かを判定する制御部である。ここで、設定情報とは、ゲームでのプレイの開始に必須の情報であり、通常、その設定を行わなければプレイを開始できない情報をいう。設定情報は、例えば、プレイ開始前にプレイヤがメニュー画面を用いて設定する情報である。設定情報は、本実施形態では、カーレースゲームにおいて、例えば、車のメーカや車種等のプレイヤが運転する車の設定に関する情報や、プレイを行うコースに関する情報である。他方、カスタム情報とは、必須の情報ではない任意の情報をいう。カスタム情報として、例えば、車に付属可能なパーツの設定を、プレイヤが自宅のパソコン206(パーソナルコンピュータ)等によって行う場合がある(図4参照)。このようなカスタム情報は、設定しなくてもプレイを開始できる(図3参照)ので、必須の設定情報とはいわない。
【0018】
読み出し部12は、記憶領域9から設定情報を読み出す制御部である。
選択画面表示制御部13は、表示部33に、選択画面40(図3参照)を表示する制御部である。
プレイ進行部14は、プレイの進行に関する処理を行う制御部である。
記憶制御部15は、プレイを進行中のプレイの設定情報を記憶領域9に記憶する制御部である。
設定項目表示制御部16は、ゲームにおけるプレイ開始に必須の情報を設定するための設定項目画面61〜65(図3参照)を表示する制御部である。
これらの各制御部の処理の詳細は、後述する。
【0019】
記憶部20は、ゲームプログラム22を備える。ゲームプログラム22は、制御部10で実行されるカーレースゲームのプレイを開始し進行させるためのゲームプログラムである。その他、一時記憶領域として、ゲームプログラム22等の各種のプログラムの実行時に、テーブル等を展開するためのローカルメモリ、及びキャッシュメモリを含んでよい。
【0020】
記憶部20を実現するものとして、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)等を含む半導体記憶装置、磁気ディスク等が含まれる。
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機1は、記憶部20、制御部10等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0021】
課金部30は、コインを投入するための投入口である。コイン投入口の内部には、投入されたコインを検出する光学センサ(図示せず)等が設けられており、この光学センサ等がコインを検出すると、制御部10に検出信号を出力し、制御部10がプレイ料金の受け付け処理を行う。所定のコインが投入されることで、ゲーム機1は、後述する一連のプレイを開始する。なお、課金部30は、その他として、例えば、課金情報を有するIC(集積回路)チップ入りのカードやICタグ入りの携帯電話機から課金情報を受け付ける、リーダライタであってもよい。
操作部31は、例えば、ハンドルやアクセル及びブレーキペダルであり、プレイヤの左右の手足による操作入力を受け付ける。
挿入部32は、例えば、キー型の外部記憶装置8を挿入するキー入力口である。
表示部33は、液晶表示装置等の表示装置である。表示部33は、プレイヤが見ながらプレイができるように、プレイヤにより視認可能な位置に配置されている。表示部33には、課金前は、例えば、ゲーム機1のゲーム内容等を示すデモンストレーション画面が表示されてよい。
【0022】
外部記憶装置8は、例えば、キー型をした記憶装置であり、記憶領域9を有する。その他、外部記憶装置8は、カード型であってもよい。
記憶領域9は、プレイ開始に必須の設定情報を記憶する、例えば、ICチップに設けられている。
外部記憶装置8は、ゲーム機1の挿入部32に挿入され、外部記憶装置8を所定方向に回転させることで、図示しない読み取り装置により、非接触でICチップの記憶領域9に記憶された設定情報が読み取られるものであってよい。なお、外部記憶装置8は、その記憶領域9にさらに課金情報を有する一体型のものであって、記憶領域9が読み取られることで、課金情報を受け付け、設定情報の読み出しを行ってもよい。
【0023】
次に、ゲーム機1での処理について説明する。
図2は、第1実施形態に係るプレイ処理のフローチャートである。
図3は、第1実施形態に係る表示部33での表示例を示す図である。
まず、図2において、ステップS10では、制御部10は、プレイヤにより課金部30に例えばコインが投入されたか、つまり、課金部30がプレイヤに対する課金処理を行ったか否かを判断する。コインが投入された場合(ステップS10:YES)には、制御部10は、処理をステップS11に移す。他方、コインが投入されていない場合(ステップS10:NO)には、制御部10は、コインが投入されるまでステップS10の処理を行う。
【0024】
ステップS11では、制御部10は、外部記憶装置8が挿入部32に挿入されたか、つまり、コインが投入されて所定の時間(例えば、10秒程度)までの間に、挿入部32に対して外部記憶装置8が挿入されて、制御部10が記憶領域9を認識したか否かを判断する。外部記憶装置8が挿入された場合(ステップS11:YES)には、制御部10は、処理をステップS12に移す。他方、外部記憶装置8が挿入されていない場合(ステップS11:NO)には、制御部10は、処理をステップS18に移す。
ステップS12では、制御部10(記憶判定部11)は、記憶領域9に設定情報が記憶されているか否かを判断する。設定情報が記憶されている場合(ステップS12:YES)には、制御部10は、処理をステップS13に移す。他方、設定情報が記憶されていない場合(ステップS12:NO)には、制御部10は、処理をステップS18に移す。
ステップS13では、制御部10(読み出し部12)は、記憶領域9から設定情報を読み出す。
【0025】
ステップS14では、制御部10(選択画面表示制御部13)は、例えば、図3(1)に示すような選択画面40を、表示部33に表示する。
図3(1)に示す選択画面40は、前回プレイをした際の設定情報を使用するか否かを選択する画面である。選択画面40は、設定表示部41、ボタン42,43を有する。
設定表示部41は、前回プレイをした際に設定した「車種」、「モード」、「コース」、「セッティング」といった情報を表示する。ボタン42は、前回と同じ設定、つまり、設定表示部41に表示された設定内容でプレイをする場合に、プレイヤが選択する領域であり、ボタン43は、前回とは異なる設定でプレイをする場合に、プレイヤが選択する領域である。プレイヤは、操作部31を操作して、例えば、ハンドルを回転させることで、ボタン42又はボタン43を選択することができ、アクセルペダルを踏むことで、その選択を決定することができる。
【0026】
図2に戻って、ステップS15では、制御部10は、プレイヤが設定情報を使用する選択をしたか否かを判断する。プレイヤの選択が設定情報を使用するものである場合(ステップS15:YES)には、制御部10は、処理をステップS16に移す。他方、設定情報を使用しないものである場合(ステップS15:NO)には、制御部10は、処理をステップS18に移す。
ステップS16では、制御部10(プレイ進行部14)は、記憶領域9に記憶された設定情報を用いてプレイを開始する。
【0027】
図3(2)は、プレイ画面50を示す。図3(1)の選択画面40において、プレイヤがボタン42を選択することで、ゲーム機1の制御部10は、即時に図3(2)に示すプレイ画面50を表示する。このようにすることで、プレイヤは、通常複数の設定項目を1つずつ選択して決定するという煩雑な操作をせずに、表示部33が表示した「YES」か「NO」かの二者択一の選択を1回行うだけで、即時にプレイを開始することができるので、便利である。また、ゲーム機1を設置する例えばゲームセンタ等の店舗では、プレイ開始までのプレイヤによる設定に要する時間を短縮できるので、ゲーム機1の回転率を向上させることができ、店舗の売り上げに貢献できる。
【0028】
図2に戻って、ステップS17では、制御部10(記憶制御部15)は、プレイを開始した設定情報を、記憶領域9に記憶させる。その後、制御部10は、プレイの終了後に本処理を終了する。
他方、ステップS18では、制御部10(設定項目表示制御部16)は、各設定項目を設定するための画面を表示部33に表示する。
【0029】
図3(3)〜(7)は、各設定項目を設定する設定項目画面61〜65である。
図3(3)に示す設定項目画面61は、プレイヤが操作する車のメーカを選択する画面である。図3(4)に示す設定項目画面62は、車の車種を選択する画面である。設定項目画面62には、図3(3)で選択されたメーカの車種が複数表示されるので、プレイヤは、好みの車種を選択することができる。図3(5)に示す設定項目画面63は、競う対象である車のモードを選択する画面である。モードは、例えば、「レースモード」、「ドリフトモード」、「タイムアタック」等がある。図3(6)に示す設定項目画面64は、車が走行するコースを選択する画面である。図3(7)に示す設定項目画面65は、プレイヤがカスタマイズした情報を含む車のセッティングを選択する画面である。
【0030】
図2に戻って、ステップS19では、制御部10(プレイ進行部14)は、設定項目画面61〜65で設定した設定情報を用いてプレイを開始する。
このように、制御部10は、選択画面40を表示した後に、ボタン42の選択を受け付けた場合には、即時にプレイ画面50を表示するが、ボタン43の選択を受け付けた場合には、設定項目画面61〜65の5つの画面を表示した後に、プレイ画面50を表示するので、プレイヤがボタン42を選択した場合には、プレイヤの入力の手間を極力抑えて、即時にプレイを開始できる。
【0031】
ステップS20では、制御部10は、外部記憶装置8が挿入部32に挿入されているか、つまり、挿入部32に対して外部記憶装置8が挿入されており、制御部10が記憶領域9を認識しているか否かを判断する。外部記憶装置8が挿入されている場合(ステップS20:YES)には、制御部10は、処理をステップS17に移す。そして、制御部10(記憶制御部15)は、プレイを開始した設定情報を、記憶領域9に記憶させる(ステップS17)。他方、外部記憶装置8が挿入されていない場合(ステップS20:NO)には、制御部10は、プレイの終了後に本処理を終了する。
【0032】
このように、ゲーム機1は、直近のゲームのプレイで使用したプレイの開始に必須の設定情報を、履歴を記憶する外部記憶装置8の記憶領域9から読み出して、新たなゲームにおいて使用するか否かを選択する選択画面40を表示するので、プレイヤが直近のゲームと同じ設定情報を使用するか否かの選択ができる。そして、プレイヤが設定情報を使用する選択をすることで、直近のゲームと同じ設定情報を用いたプレイが進行する。また、プレイヤが設定情報を使用しない選択をすることで、例えば、メニュー画面等の複数の設定項目を表示する。よって、ゲーム機1は、プレイヤが直近のゲームと同じ設定情報を使用したい場合には、即時にプレイを開始でき、使用したくない場合には新たな設定情報を用いてプレイを進行することができる。
【0033】
また、ゲーム機1は、プレイを開始した設定情報を履歴として記憶領域9に記憶することで、次回のゲーム開始時において、その設定情報を用いることができる。そして、ゲーム機1は、外部記憶装置8の記憶領域9を使用するので、プレイヤが外部記憶装置8を持参してゲーム機1に挿入することで、異なる場所に設置されたゲーム機1であっても、直近のゲームにおける設定情報を用いることができる。
【0034】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、サーバに設定情報の記憶領域を有したものである。
なお、以下の説明及び図面において、上述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0035】
図4は、第2実施形態に係るゲームシステム200の全体構成及びゲーム機201の機能構成を示す図である。
ゲームシステム200は、ゲーム機201と、ゲーム機201に挿入する外部記憶装置208との他、通信回線203と、サーバ205と、パソコン206とを備える。
ゲーム機201は、制御部210を備える。制御部210が有する記憶判定部211は、サーバ205から設定情報を受信できたか否かにより、記憶部204(所定の記憶領域)に設定情報が記憶されているか否かを判断する。制御部210が有する読み出し部212は、サーバ205から所定の設定情報を受信する。制御部210が有する記憶制御部215は、サーバ205に設定情報を送信することで、サーバ205は、記憶部204に設定情報を記憶する。
ゲーム機201は、通信部235を有する。通信部235は、サーバ205との間でデータの送受信を行う通信インタフェースである。
【0036】
通信回線203は、ゲーム機201、サーバ205及びパソコン206を各々接続して相互に通信を行うための、例えば、専用回線や、インターネット等の通信網である。
サーバ205は、設定情報を記憶するデータベースサーバであり、記憶部204を有する。記憶部204は、外部記憶装置208を所有するユーザを一意に識別する識別情報であるID(identifier)と、設定情報とを対応付けて記憶している。設定情報には、次に説明する任意のカスタム情報を有していてもよい。
【0037】
パソコン206は、例えば、プレイヤの自宅等に設置されている。パソコン206を用いて、プレイヤは、例えば、ウェブサーバ(サーバ205がウェブサーバの機能を有していてもよい。)が提供するウェブページから、プレイヤ独自のセッティングを作成することができる。ここで、セッティングとは、車に関する、例えば、タイヤの種類やホイールのデザイン等の細かい設定をいう。パソコン206で作成したセッティングは、その設定を1つのカスタム情報として、上述のサーバ205に、プレイヤのIDに対応付けて登録することができる。このように、カスタム情報とは、プレイ開始において必須の情報ではない任意の情報をいう。そして、カスタム情報は、プレイ開始に必須の設定情報にプラスして設定項目として設定できる。
外部記憶装置208は、ID部207を有する。
ID部207は、外部記憶装置208を所有するユーザを一意に識別するIDを記憶している。
【0038】
次に、ゲーム機201での処理について説明する。
図5は、第2実施形態に係るプレイ処理のフローチャートである。
まず、制御部210が行うステップS10及びステップS11は、図2と同様である。ステップS11において、外部記憶装置208が挿入された場合(ステップS11:YES)には、制御部210は、処理をステップS111に移す。他方、外部記憶装置208が挿入されていない場合(ステップS11:NO)には、制御部210は、処理をステップS18に移す。
【0039】
ステップS111では、制御部210は、外部記憶装置208に記憶されたIDを取得する。
ステップS112では、制御部210は、取得したIDを、サーバ205に送信する。
一方、サーバ205の制御部(図示せず)は、ゲーム機201から受信したIDに基づいて、記憶部204に記憶された設定情報を抽出する。そして、サーバ205の制御部は、抽出した設定情報をゲーム機201に送信するようになっている。
【0040】
ステップS113では、制御部210(記憶判定部211、読み出し部212)は、サーバ205から設定情報を受信できたか否かを判断する。設定情報を受信できた場合(ステップS113:YES)には、制御部210は、処理をステップS14に移す。他方、設定情報を受信できなかった場合(ステップS113:NO)には、制御部210は、処理をステップS18に移す。
【0041】
その後、制御部210が行うステップS14からステップS16及びステップS18からステップS20の処理は、図2と同様である。
ステップS16及びステップS20の処理から遷移するステップS117では、制御部210(記憶制御部215)は、プレイを開始した設定情報を、IDと共にサーバ205に送信する。
一方、制御部210がIDと設定情報とをサーバ205に送信することで、サーバ205の制御部(図示せず)は、ゲーム機201から受信したIDに基づいて、記憶部204に記憶された設定情報のレコードを取得する。そして、サーバ205の制御部は、取得したレコードに対して受信した設定情報を更新するようになっている。また、記憶部204にIDが記憶されていない場合には、サーバ205の制御部は、新たにレコードを作成して、ゲーム機201から受信したIDと設定情報とを追加登録するようになっている。
【0042】
このように、ゲーム機201は、外部記憶装置208からIDを読み出して、サーバ205にIDを送信することでIDに対応する設定情報を受信するので、プレイヤがIDを記憶した外部記憶装置208を持参してゲーム機201に挿入することで、異なる場所に設置されたゲーム機201であっても、直近のゲームにおけるサーバ205に記憶された設定情報を用いることができる。また、外部記憶装置208に課金情報を有する場合には、ゲーム機201は、課金情報とIDとを読み出して、課金を契機として、直近のゲームにおける設定情報を読み出すことができる。
【0043】
また、設定情報に、予めプレイヤにより設定されたゲームにおけるプレイの開始に任意のカスタム情報を含むことで、ゲーム機201は、よりプレイヤの満足心を満たすプレイヤ仕様のプレイを、直近のゲームにおける設定情報を用いて開始することができる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0045】
(変形形態)
(1)各実施形態において、カーレースゲームを行うゲーム機の例を示したが、これに限定されない。例えば、サッカーゲームや野球ゲーム等の複数のキャラクタがプレイをするゲームのゲーム機であってもよい。その場合は、記憶領域には、設定情報として、プレイヤが選択したチーム名や競技場、先発メンバ等を記憶することができる。
【0046】
(2)各実施形態において、プレイヤがプレイ時に挿入した外部記憶装置を用いる例を示したが、これに限定されない。例えば、ゲーム機の記憶部に前回プレイ時の設定情報を記憶しておき、それを用いてもよい。このようにすることで、プレイヤに依存しないが、直近にゲーム機で行われたプレイと同じ条件でプレイをすることができるので、プレイ開始までの入力操作を抑えることができる。なお、その場合には、カスタム情報は使用しないように変更してもよい。
【0047】
(3)第2実施形態において、カスタム情報は、設定項目の中に選択肢の1つとして選択可能な例を示したが、これに限定されない。例えば、設定項目に、カスタム情報の使用可否の選択画面を表示して、カスタム情報の使用を選択した場合に、さらにプレイヤが予め設定したカスタム情報を出力してもよい。
【符号の説明】
【0048】
1,201…ゲーム機、 8,208…外部記憶装置、 9…記憶領域、10,210…制御部、 11,211…記憶判定部、 12,212…読み出し部、 13…選択画面表示制御部、 14…プレイ進行部、 15,215…記憶制御部、 20…記憶部、 30…課金部、 31…操作部、 32…挿入部、 33…表示部、 40…選択画面、 61〜65…設定項目画面、 100,200…ゲームシステム、 204…記憶部、 205…サーバ、 207…ID部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の設定項目を表示部に表示して、前記複数の設定項目に対応した情報をプレイヤが操作部を操作して各々選択することで、ゲームにおけるプレイの開始に必須の情報である設定情報を決定して前記プレイの進行を開始するゲーム機において、
前記ゲームにおけるプレイで使用した前記設定情報を、履歴として所定の記憶領域に記憶する記憶制御部と、
新たに前記ゲームを開始する場合に、前記記憶制御部によって記憶された前記記憶領域から前記設定情報を読み出す読み出し部と、
前記読み出し部から読み出した前記設定情報を前記プレイに使用するか否かを選択する選択画面を、前記表示部に表示する選択画面表示制御部と、
前記設定情報を使用する選択を前記操作部から受け付けたことに応じて、前記プレイの進行を開始するプレイ進行部と、
を備えること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム機において、
前記選択画面表示制御部による前記選択画面の表示に対して前記設定情報を使用しない選択を前記操作部から受け付けたことに応じて、前記表示部に前記複数の設定項目を表示する設定項目表示制御部を備え、
前記プレイ進行部は、前記設定項目表示制御部により表示された前記複数の設定項目に対応した各々の情報の選択を受け付けたことに応じて、前記設定情報を決定して前記プレイの進行を開始し、
前記記憶制御部は、決定された前記設定情報を前記記憶領域に新たに記憶すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のゲーム機において、
前記所定の記憶領域に前記設定情報が記憶されているか否かを判定する記憶判定部と、
前記記憶判定部が前記設定情報を記憶していないと判定したことに応じて、前記表示部に前記複数の設定項目を表示する設定項目表示制御部と、
を備え、
前記プレイ進行部は、前記設定項目表示制御部により表示された前記複数の設定項目に対応した各々の情報の選択を受け付けたことに応じて、前記設定情報を決定して前記プレイの進行を開始し、
前記読み出し部は、前記記憶判定部が前記設定情報を記憶していると判定したことに応じて、前記所定の記憶領域から前記設定情報を読み出すこと、
を特徴とするゲーム機。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のゲーム機において、
前記記憶領域を有し、前記プレイヤが携行可能な記憶装置の情報を読み出し可能なリーダ部を備え、
前記読み出し部は、前記リーダ部を介して前記記憶装置の前記記憶領域から前記設定情報を読み出すこと、
を特徴とするゲーム機。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のゲーム機において、
記憶領域を有し、前記プレイヤが携行可能な記憶装置の情報を読み出し可能なリーダ部と、
通信回線を介して接続されたサーバに対して通信を行う通信部と、
を備え、
前記読み出し部は、前記リーダ部を介して前記記憶装置の前記記憶領域から前記記憶装置を識別する識別情報を読み出し、前記通信部から前記サーバに対して前記識別情報を送信することで受信した前記識別情報に対応する前記設定情報を読み出すこと、
を特徴とするゲーム機。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のゲーム機において、
前記設定項目は、前記設定情報に関するものの他に、予め前記プレイヤにより設定された前記ゲームにおけるプレイの開始に任意のカスタム情報に関するものをさらに含むこと、
を特徴とするゲーム機。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のゲーム機において、
前記ゲームに関する課金処理を行う課金部を備え、
前記読み出し部は、前記課金部が前記プレイヤに対する前記課金処理をしたことに応じて、前記設定情報を読み出すこと、
を特徴とするゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−162283(P2010−162283A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−9075(P2009−9075)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【Fターム(参考)】