説明

ゲーム端末、ゲームシステムおよびプログラム

【課題】解答文字列の入力をプレイヤーに要求する形式の問題が出題される多人数参加型オンラインゲームにおいて、各プレイヤーの解答を複数のゲーム端末に共有させつつ、ゲーム端末間で送受信されるデータの量を少なく抑える。
【解決手段】ゲーム端末10を提供する。ゲーム端末10のプロセッサ150は、クイズにおいて、問題をプレイヤーに出題し、当該問題に対する解答を受け付け、当該クイズの終了後に当該クイズの結果を報知する処理(SD6、SD10、SD12、SD14、SF3、SF9、SF10、SF11)、受け付けた解答を表す解答データを、当該解答が正解の場合に変換後のビット列が最短となるように変換する処理(SD7、SF4)、変換した解答データを他のゲーム端末10へ送信する処理(SD9、SF5)、他のゲーム端末10から解答データを受信して逆変換する処理(SD11、SD13、SF8、SF14)を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クイズを含むクイズゲームをプレイヤーにプレイさせるためのゲーム端末、ゲームシステムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、問題をプレイヤーに出題し、この問題に対する解答を受け付ける、という一連の処理を実行して、プレイヤーにクイズゲームをプレイさせるゲームシステムが記載されている。このゲームシステムでは、プレイヤーに選択された1つのジャンルから問題が選択され、クイズにおいて出題される。
【特許文献1】特開2006−055294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、クイズゲームの一種として、複数のプレイヤーが同時に参加してプレイする多人数参加型オンラインゲームがある。この種のクイズゲームでは複数のプレイヤーに同一の問題が出題されるから、各プレイヤーが自己の解答の内容のみならず他のプレイヤーの解答の内容をも知ることができれば、クイズゲームの趣向性が向上する。そのためには、同一の問題に対する各プレイヤーの解答を複数のゲーム端末に共有させる必要がある。つまり、解答を示すデータをゲーム端末間で送受信する必要がある。
【0004】
出題される問題が多肢選択式の問題の場合、解答の自由度が低いから、各プレイヤーの解答を共有するためにゲーム端末間で送受信される各データのサイズを十分に小さくすることが可能である。よって、この場合には、各プレイヤーの解答を共有するためにゲーム端末間で送受信されるデータの量を少なく抑えることができる。これに対して、出題される問題が解答文字列の入力をプレイヤーに要求する形式の問題の場合、解答の自由度が高いから、各プレイヤーの解答を共有するためにゲーム端末間で送受信される各データのサイズを十分に小さくすることは困難である。つまり、従来の技術では、出題される問題が解答文字列の入力をプレイヤーに要求する形式の問題の場合、各プレイヤーの解答を共有するためにゲーム端末間で送受信されるデータの量を少なく抑えることが困難であった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、解答文字列の入力をプレイヤーに要求する形式の問題が出題される多人数参加型オンラインゲームにおいて、各プレイヤーの解答を複数のゲーム端末に共有させつつ、ゲーム端末間で送受信されるデータの量を少なく抑えることができるゲーム端末、ゲームシステムおよびプログラムを提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明は、クイズを含むクイズゲームをプレイヤーにプレイさせるゲーム端末(10)において、クイズにおいて、問題をプレイヤーに出題し、当該問題に対する解答を受け付け、当該クイズの終了後に当該クイズの結果を報知するクイズ処理部(150、SD6、SD10、SD12、SD14、SF3、SF9、SF10、SF11)と、前記解答を表す解答データを、前記解答が正解の場合に変換後のビット列が最短となるように変換する変換部(150、SD7、SF4、SG2、SH2)と、前記変換部(150、SD7、SF4、SG2、SH2)により変換された前記解答データを他のゲーム端末(10)へ送信する送信部(150、SD9、SF5、SG2、SH2)と、他のゲーム端末(10)から前記解答データを受信する受信部(150)と、前記受信部(150)により受信された前記解答データを逆変換する逆変換部(150、SD11、SD13、SF8、SF14、SG3、SG4、SH3、SH4)とを備える、ことを特徴とするゲーム端末(10)を提供する。また、本発明は、このゲーム端末(10)を複数有するゲームシステム(1)を提供する。
このゲームシステム(1)では、各プレイヤーの解答を複数のゲーム端末(10)に共有させるためにゲーム端末(10)間で送受信されるデータのうち、正解の解答が受け付けられた場合に送受信されるデータのサイズが最小(ビット列が最短)となる。クイズゲームにおいて各プレイヤーは正解を目指して解答するから、本発明によれば、解答文字列の入力をプレイヤーに要求する形式の問題が出題される多人数参加型オンラインゲームにおいて、各プレイヤーの解答を複数のゲーム端末(10)に共有させつつ、ゲーム端末(10)間で送受信されるデータの量を少なく抑えることができる。
【0007】
上記のゲーム端末(10)において、前記変換部(150、SD7、SF4、SG2、SH2)は、互いに異なる複数のデータの各々について、符号化前のビット列と符号化後のビット列とを対応付けた符復号化辞書を記憶する符復号化辞書記憶部(160)と、前記解答データを、前記符復号化辞書記憶部(160)に記憶された符復号化辞書を用いて符号化する符号化部(150、SD7、SF4)とを有し、前記符号化部(150、SD7、SF4)により符号化された前記解答データを、前記変換部(150、SD7、SF4、SG2、SH2)による変換された前記解答データとして扱う、ようにしてもよい。
この態様のゲーム端末(10)を複数有するゲームシステム(1)によれば、簡素な処理により、解答データの変換および逆変換を行うことができる。
【0008】
上記のゲーム端末(10)において、前記変換部(150、SD7、SF4、SG2、SH2)は、互いに異なる複数のデータの各々について、符号化前のビット列と符号化後のビット列とを対応付けた符復号化辞書を記憶する符復号化辞書記憶部(160)と、前記解答データを、前記符復号化辞書記憶部(160)に記憶された符復号化辞書を用いて符号化する符号化部(150、SD7、SF4)と、前記符号化部(150、SD7、SF4)により符号化された前記解答データのビット列に含まれ、他の符号化後のビット列に含まれない部分を抽出する抽出部(150、SG2、SH2)とを有し、前記抽出部(150、SG2、SH2)により抽出された前記部分を、前記変換部(150、SD7、SF4、SG2、SH2)による変換された前記解答データとして扱う、ようにしてもよい。
上記の部分としては、例えば、符号化後のビット列の先頭部分(例えば、先頭の1ビット)を例示することができる。この態様では、符復号化辞書を動的に再構築せずに済む。
【0009】
上記のゲームシステム(1)において、前記複数のゲーム端末(10)の各々と通信可能なサーバ装置(40)を有し、前記サーバ装置(40)は、問題の正解率の算出に必須の正解率算出必須データを記憶している正解率算出必須データ記憶部(430)と、前記結果に基づいて、前記正解率算出必須データ記憶部(430)に記憶されている正解率算出必須データを更新する正解率算出必須データ更新部(410、SA31)とを備え、前記変換部(150、SD7、SF4、SG2、SH2)は、前記正解率算出必須データ記憶部(430)に記憶されている正解率算出必須データを用いて算出される問題の正解率が予め定められた基準正解率以上である場合には、前記解答を表す解答データを、前記解答が正解の場合に変換後のビット列が最短となるように変換する、ようにしてもよい。
この態様によれば、一定以上の正解率の問題について、各プレイヤーの解答を複数のゲーム端末(10)に共有させるためにゲーム端末(10)間で送受信されるデータのうち、正解の解答が受け付けられた場合に送受信されるデータのサイズが最小(ビット列が最短)となる。よって、この態様によれば、ゲーム端末(10)間で送受信されるデータの量を確実に低減することができる。
【0010】
また、本発明は、クイズを含むクイズゲームをプレイヤーにプレイさせるコンピュータ(10)を、クイズにおいて、問題をプレイヤーに出題し、当該問題に対する解答を受け付け、当該クイズの終了後に当該クイズの結果を報知するクイズ処理部(150、SD6、SD10、SD12、SD14、SF3、SF9、SF10、SF11)と、前記解答を表す解答データを、前記解答が正解の場合に変換後のビット列が最短となるように変換する変換部(150、SD7、SF4、SG2、SH2)と、前記変換部(150、SD7、SF4、SG2、SH2)により変換された前記解答データを他の装置へ送信する送信部(150、SD9、SF5、SG2、SH2)と、他の装置から前記解答データを受信する受信部(150)と、前記受信部(150)により受信された前記解答データを逆変換する逆変換部(150、SD11、SD13、SF8、SF14、SG3、SG4、SH3、SH4)として機能させるプログラム(P1)を提供する。
このプログラムを実行するコンピュータ(1)は、前述のゲーム端末(10)と同一の効果を奏する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、解答文字列の入力をプレイヤーに要求する形式の問題が出題される多人数参加型オンラインゲームにおいて、各プレイヤーの解答を複数のゲーム端末に共有させつつ、ゲーム端末間で送受信されるデータの量を少なく抑えることができるゲーム端末、ゲームシステムおよびプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。以下に説明する具体的な構成は一例に過ぎず、本発明は、この具体的な構成を変形して得られる各種の形態をも範囲に含む。
【0013】
<1.構成>
<1−1.ゲームシステム>
図1は、本発明の実施の形態に係るゲームシステム1の構成を示すブロック図である。ゲームシステム1は、複数のクイズを含むクイズゲームをプレイヤーにプレイさせるシステムである。クイズとは、出題者(ゲームシステム1(具体的には後述のゲーム端末10))が問題を出題して回答者(プレイヤー)が解答する、という一連の作業である。クイズゲームでは、複数のクイズが1ずつ順に進行する。なお、本実施の形態を変形し、クイズゲームにおいて、複数のクイズが並列に進行するようにしてもよい。
【0014】
プレイヤーは、ゲームシステム1を用いて、2種類のクイズゲームのうち所望の種類のクイズゲームをプレイすることができる。一方の種類のクイズゲームは、参加人数が一人のスタンドアロン型ゲームである。他方の種類のクイズゲームは、参加人数が複数(具体的には12)の多人数参加型オンラインゲームである。本実施の形態を変形し、多人数参加型ゲームの参加人数を13人以上または11人以下としてもよい。
【0015】
ゲームシステム1の一部は、来訪したプレイヤーにゲームをプレイさせる店舗等のゲーム施設F(F1、F2、F3、)内に設けられている。具体的には、各ゲーム施設Fに、LAN(Local Area Network)25と、LAN25に接続され、プレイヤーにクイズゲームをプレイさせる1または複数のゲーム端末(コンピュータ)10と、LAN25とインターネット2とを接続するルータ20が設置されている。
【0016】
ゲーム端末10は、プレイヤーに使用され、プレイヤーにクイズゲームをプレイさせる端末装置(アーケードゲーム機)であり、問題を出題して当該問題に対するプレイヤーからの解答を受け付けるクイズ処理を含むゲーム処理を行う。ゲーム処理は、プレイヤーにクイズゲームをプレイさせるための処理である。
【0017】
ルータ20は、インターネット2上に仮想的な専用網であるVPN(Virtual Private Network)を構築する機能を備えている。ゲーム端末10は、LAN25を介して、当該ゲーム端末10が設置されたゲーム施設F内の他のゲーム端末10と通信可能である一方、LAN25、ルータ20およびインターネット2を介して、他のゲーム施設F内のゲーム端末10と通信可能である。
【0018】
ゲームシステム1は、全てのゲーム端末10に対して後述の各種のサービスを提供するサーバ装置40と、サーバ装置40とインターネット2とを接続するルータ30を有する。サーバ装置40は、ルータ30およびインターネット2を介して、各ゲーム端末10と通信可能である。つまり、サーバ装置40および全てのゲーム端末10は、相互に通信可能である。サーバ装置40は単独のユニットであるが、本実施の形態を変形し、サーバ装置40を複数のユニットで構成してもよい。
【0019】
<1−2.ゲーム端末>
図2は、ゲームシステム1に含まれるゲーム端末10の外観を示す図である。プレイヤーには、ゲーム端末10の筐体110の正面で、筐体110に設けられた表示部(具体的にはモニタ)120の画面121に表示された画像を見るとともに筐体110に設けられたスピーカ131から放出された音を聞き、筐体110に設けられて画面121を覆っている透明なタッチパネル141に触れることが求められる。
【0020】
クイズにおいて、プレイヤーには、ゲーム端末10に出題された問題を、画面121に表示された画像およびスピーカ131から放出された音に基づいて把握し、この問題に対して、タッチパネル141に触れて解答することが求められる。
【0021】
図3は、ゲーム端末10の構成を示すブロック図である。この図に示すように、ゲーム端末10は、後述の各種の処理を行うプロセッサ150、プレイヤーに操作されて操作内容に応じた操作データをプロセッサ150へ供給する操作部140、プロセッサ150からの画像データを用いて画面121に画像を表示する表示部120、プロセッサ150からの音声データを用いてスピーカ131から音を放出する放音部130、各種のデータを記憶する端末記憶部160、および通信インターフェイス180を有する。
【0022】
操作部140は、タッチパネル141を備える。タッチパネル141は、プレイヤーに触れられた位置に応じた操作データをプロセッサ150へ供給する。プロセッサ150は、例えば、1または複数のCPU(Central Processing Unit)であり、後述のゲーム処理を行う。通信インターフェイス180は、LAN25との間で信号を送受するものであり、プロセッサ150とLAN25との間でデータを中継する。プロセッサ150は、通信インターフェイス180を用いて、他の装置との間でデータを送受信する。なお、本実施の形態を変形し、表示部120としてビデオプロジェクタを用いる構成としてもよい。この場合、画像が投射されるスクリーンが画面121に相当し、操作部140がキーボードやボタン等を備えることになる。
【0023】
端末記憶部160の記憶領域は、記憶内容の保持に電源が必須の揮発性領域RT1と、そうでない不揮発性領域RT2とに分けられる。不揮発性領域RT2は、記憶内容を書き換え不可能な書き換え不可能領域RT21と、そうでない書き換え可能領域RT22とに分けられる。揮発性領域RT1は例えばRAM(Random Access Memory)により、書き換え不可能領域RT21は例えばROM(Read Only Memory)により、書き換え可能領域RT22は例えばハードディスクにより実現される。
【0024】
書き換え可能領域RT22には、端末側クイズテーブルQT1が確保されている。端末側クイズテーブルQT1には、問題毎に、問題を一意に識別するための問題ID、問題を用いたクイズを行うためのクイズデータ、問題のジャンルを示すジャンルデータ、および問題の出題形式を示す出題形式データが格納されている。問題ID、ジャンルおよび問題形式は、ゲームシステム1において共通している。つまり、ゲームシステム1において、同一の問題IDの問題は同一の問題であること、同一の問題のジャンルは同一であること、および同一の問題の問題形式は同一であることが保証されている。
【0025】
ジャンルは、プレイヤーに問う知識の分野であり、例えば、スポーツや学問等である。出題形式としては、複数の解答選択肢から1つを選択することにより問題に解答する択一形式や、文字を入力して問題に解答するタイピング形式等を例示することができる。各問題のジャンルおよび出題形式は不変である。なお、本実施の形態を変形し、1つの問題に、複数のジャンルや複数の出題形式を対応付けてもよい。
【0026】
図4は、ゲーム端末10で用いられるクイズデータの構造を模式的に示す図である。クイズデータには、問題を表す問題データ、問題の正解を示す正解データ、およびクイズ要素に関連する複数のキーワード(文字列)を含むキーワード群を表すキーワード群データが含まれる。出題形式が択一形式の場合、問題は複数の解答選択肢を含み、問題データは複数の解答選択肢を表すデータを含む。これら複数の解答選択肢のうち1つのみが正解である。
【0027】
クイズ要素は、クイズに必須の要素であり、具体的には、問題や正解である。出題形式が択一形式の場合には、不正解もクイズ要素となる。キーワード群には、複数の種類がある。具体的には、問題に関連するキーワードを含む問題関連キーワード群、正解に関連するキーワードを含む正解関連キーワード群、および不正解に関連するキーワードを含む不正解関連キーワード群である。このように、異なる種類のキーワード群には、異なるクイズ要素に関連するキーワードが含まれる。不正解関連キーワード群は、出題形式が択一形式の問題のみに存在する。
【0028】
クイズデータには、問題関連キーワード群を表す問題関連キーワード群データと、正解関連キーワード群を表す正解関連キーワード群データが含まれ、出題形式が択一形式の問題のクイズデータには、さらに、不正解関連キーワード群を表す不正解関連キーワード群データが含まれる。また、各キーワード群データには、同一のキーワードを表すデータが含まれている。
【0029】
揮発性領域RT1には、出題不適問題の出題を禁止するための端末側出題禁止リストBL1や連続正解数を示す連続正解数データCが記憶される。出題不適問題とは、正解が不可能な問題等の出題が不適切な問題である。端末側出題禁止リストBL1は、出題不適問題の問題IDを含むリストであり、サーバ装置40から配信される。ところで、後述するように、クイズゲームでは、複数の問題が1つずつ順に出題される。連続正解数は、初期値が0であり、出題された問題に正解する度に1ずつ増え、不正解の度に0に戻る。また、揮発性領域RT1には、後述の収集処理完了フラグFLおよび後述の符復号化辞書テーブルDTを確保することができる。
【0030】
書き換え不可能領域RT21には、プログラムP1が記憶されている。プログラムP1は、プロセッサ150に実行され、ゲーム端末10に、ゲーム処理を行わせる。ゲーム処理には、他のゲーム端末10とともにグループを結成するための端末側グループ化処理、プレイヤーにスタンドアロン型ゲームをプレイさせる単独ゲーム処理、およびプレイヤーに多人数参加型オンラインゲームをプレイさせるオンラインゲーム処理が含まれる。
【0031】
グループとは、ゲーム端末10の集合であり、同一の多人数参加型オンラインゲームは同一のグループ内のゲーム端末10同士が通信して進行する。1つのゲーム端末10が同時に属するグループの数は1つである。各グループにおいて、当該グループに属するゲーム端末10のうち、1つは、他のゲーム端末10の全てとの間で直接的にデータを送受信することができる親(マスター)のゲーム端末10(親端末)であり、残りは、直接的にデータを送受信することができるゲーム端末10が親端末のみである子(クライアント)のゲーム端末10(子端末)である。以降の説明では、各グループにおいて、当該グループに属する各ゲーム端末10を当該グループの「メンバー」と呼ぶ。
【0032】
<1−3.サーバ装置>
図5は、ゲームシステム1に含まれるサーバ装置40の構成を示すブロック図である。この図に示すように、サーバ装置40は、後述の各種の処理を行うプロセッサ410、プロセッサ410とルータ30との間でデータを中継する通信インターフェイス420、および各種のデータを記憶するサーバ記憶部430を備える。プロセッサ410は、例えば、一又は複数のCPUであり、通信インターフェイス420を用いることにより、各ゲーム端末10との間でデータを送受信することができる。
【0033】
サーバ記憶部430の記憶領域は、記憶内容の保持に電源が必須の揮発性領域RT3と、そうでない不揮発性領域RT4とに分けられる。揮発性領域RT3は、例えばRAMにより実現され、サーバ側出題禁止リストBL2を記憶する。このサーバ側出題禁止リストBL2が揮発性領域RT3から読み出され、端末側出題禁止リストBL1として、各ゲーム端末10へ配信される。なお、本実施の形態を変形し、サーバ側出題禁止リストBL2を、揮発性領域RT3ではなく、不揮発性領域RT4に記憶するようにしてもよい。ただし、サーバ側出題禁止リストBL2の記憶領域は、書き換え可能な領域でなければならない。
【0034】
不揮発性領域RT4は、例えばROMまたはハードディスクにより実現される。不揮発性領域RT4には、サーバ側クイズテーブルQT2および適否判定テーブルJTが確保されている。サーバ側クイズテーブルQT2には、問題毎に、問題ID、問題の難易度を表す難易度データ、ジャンルデータ、出題形式データ、問題の正解率を表す正解率データ、問題の出題回数を表す出題回数データ、問題の正解回数を表す正解回数データ、および符復号化辞書を表す符復号化辞書データが格納されている。
【0035】
問題の出題回数は、ゲームシステム1において行われた全ての多人数参加型オンラインゲームにおいてその問題が出題された回数である。問題の正解回数は、ゲームシステム1全体における多人数参加型オンラインゲームにおいてプレイヤーがその問題に正解した回数である。各問題の正解率は、可変であり、当該問題の正解回数を、当該問題の出題回数で割ることで算出される。ただし、出題回数が0回の問題の正解率は、当該問題の難易度に応じて定められている。
【0036】
符復号化辞書は、メンバー間でのデータの送受信において当該データを符号化および復号するための辞書であり、符復号化辞書データは、符号化前のデータと符号化後のデータとの組を複数含むデータである。符復号化辞書は、当初は、正解データを優先しない後述の構築処理(図7のステップSA36)と同様の処理により構築され、後述の更新処理(図7)により再構築される。なお、本実施の形態を変形し、サーバ側クイズテーブルQT2にクイズデータをも格納し、サーバ側クイズテーブルが端末側クイズテーブルQT1のスーパーセットとなるようにしてもよい。
【0037】
適否判定テーブルJTには、問題の難易度毎に、その難易度の問題の正解率として適切な正解率の範囲を示す適切範囲データが格納されている。適切範囲データは、適切な正解率の範囲外の正解率の問題を特定するためのものである。なお、適切範囲データは、対応する難易度の問題の正解率として不適切な正解率の範囲をも示すから、不適切な正解率の範囲内の正解率の問題を特定するためのデータともいえる。
【0038】
不揮発性領域RT4は、プログラムP2を記憶している。プログラムP2は、プロセッサ410に実行され、サーバ装置40にサーバ処理を行わせる。サーバ処理には、複数のゲーム端末10をグループ化するためのサーバ側グループ化処理、サーバ記憶部430に記憶されているデータを更新する更新処理、端末側出題禁止リストBL1をゲーム端末10へ配信するリスト配信処理、および符復号化辞書データをゲーム端末10へ配信する辞書配信処理が含まれる。これらの処理は並列実行可能である。
【0039】
<2.動作>
<2−1.概容>
図6は、ゲームシステム1の動作の概容を示すシーケンス図である。この図に示すように、ゲームシステム1が作動している間、サーバ装置40では、サーバ側グループ化処理が続行される。一方、ゲーム端末10では、プレイヤーがプレイしようとするクイズゲームの種類(以降、「プレイ対象」と称する)に応じた処理が行われる。 プレイ対象が多人数参加型オンラインゲームの場合、ゲーム端末10のプロセッサ150は、まず、端末側グループ化処理を行う。
【0040】
端末側グループ化処理では、プロセッサ150は、まず、表示部120および操作部140を用いて、多人数参加型オンラインゲームにおけるプレイヤーの名前であるプレイネームをプレイヤーに入力させるためのUI(ユーザインターフェイス)を提供する。UIは任意であり、例えば、ソフトウェアキーボードであってもよい。なお、本実施の形態を変形し、予め用意された多数のプレイネームからプレイヤーが選択する形態としてもよいし、プレイヤーがゲーム端末10または他の装置を用いて過去に入力または選択されたプレイネームを使用可能な形態としてもよい。
【0041】
端末側グループ化処理では、次にプロセッサ150は、グループ化を要求するグループ化要求をサーバ装置40へ送信する。一方、サーバ装置40のプロセッサ410は、サーバ側グループ化処理を常に実行しており、ゲーム端末10からグループ化要求を受信すると、このゲーム端末10を母集団とするグループ化を行う。具体的には、プロセッサ410は、各グループの親端末となるゲーム端末10へ空のグループ化応答を送信し、各グループの子端末となるゲーム端末10へ当該グループの親端末となるゲーム端末10の通信アドレスを表すデータを含むグループ化応答を送信する。なお、図では、同一のグループに属することになる複数のゲーム端末10からサーバ装置40へグループ化要求が送信された後に、サーバ装置40からこれら複数のゲーム端末10へグループ化要求が送信される例が示されているが、これは一例に過ぎない。
【0042】
端末側グループ化処理では、通信アドレスを表すデータを含むグループ化応答を受信したプロセッサ150は、この通信アドレスのゲーム端末10(親端末)に、自己(子端末)に入力されたプレイネームを表すプレイネームデータを送信する。これにより、プレイネームデータの送信先のゲーム端末10に、このプレイネームデータの送信元の通信アドレスを把握させることができる。こうして、各グループに属することになる任意のゲーム端末10間で直接的あるいは当該グループの親端末となるゲーム端末10を介して間接的にデータを送受信することができるようになる。
【0043】
端末側グループ化処理では、プレイネームデータを受信したゲーム端末10のプロセッサ150は、このプレイネームデータと、その送信元の通信アドレスを表すデータとの組を揮発性領域RT1に書き込み、この組を、通信アドレスを把握しているゲーム端末10のうち当該プレイネームを表すデータの送信元のゲーム端末10以外の全てのゲーム端末10へ送信する。この組を受信したゲーム端末10では、この組が揮発性領域RT1に書き込まれる。 こうして、グループが結成される。
【0044】
ところで、送信される組に含まれるデータのうち、プレイネームデータの送信元の通信アドレスを表すデータは、当該組の送信先において、プレイネームデータの識別のみに用いられる。つまり、送信先においてプレイネームデータの識別を可能とするデータであれば足りる。ただし、プレイネームデータの送信元の通信アドレスを表すデータとは異なるデータを用いる場合には、親端末となるゲーム端末10に、このデータと通信アドレスを表すデータとの対応関係を把握させておく必要がある。
【0045】
グループが結成されると、そのグループの各メンバーにおいて、端末側グループ処理が終了する。なお、プレイネームに関する処理が必要なのは、同一のグループの各メンバーの画面121に当該グループの全てのメンバーのプレイネームを表示させるからであり、このような表示を行わないように本実施の形態を変形すれば、プレイネームに関する処理は不要となる。この場合、子端末となるゲーム端末10から親端末となるゲーム端末10へは、プレイネームを表すデータに代えて、任意のデータが送信されることになる。
【0046】
プレイ対象が多人数参加型オンラインゲームの場合、端末側グループ処理が終了したゲーム端末10のプロセッサ150は、自己の属性(親/子)に応じた内容のオンラインゲーム処理(親オンラインゲーム処理/子オンラインゲーム処理)を行う。各オンラインゲーム処理の内容は後に詳述する通りであり、ここでは、概容のみを述べる。
【0047】
親オンラインゲーム処理では、親端末のプロセッサ150は、まず、端末側出題禁止リストBL1の配信を要求するリスト配信要求をサーバ装置40へ送信する。サーバ装置40のプロセッサ410は、リスト配信要求を受信する度に、リスト配信処理を行う。すなわち、揮発性領域RT3からサーバ側出題禁止リストBL2を読み出し、端末側出題禁止リストBL1として、リスト配信要求の送信元へ返信する。親端末のプロセッサ150は、返信されてきた端末側出題禁止リストBL1を受信して揮発性領域RT1に上書きし、この端末側出題禁止リストBL1に基づいて、クイズゲーム(ここでは、多人数参加型オンラインゲーム)の内容を決定する。すなわち、クイズゲームで出題する問題の候補(以降、「出題候補」と称する)を規定数だけ選択し、これらの出題候補の出題順を決定する。規定数は、クイズゲームにおいて出題される問題の最大数以上の複数であり、予め定められている。
【0048】
親オンラインゲーム処理では、親端末のプロセッサ150は、次に、選択された規定数の出題候補の符復号化辞書を表す符復号化辞書データの配信を要求する辞書配信要求を、サーバ装置40へ送信する。 辞書配信要求には選択された規定数の出題候補の問題IDが含まれており、これらの問題IDは決定された出題順に並んでいる。サーバ装置40のプロセッサ410は、辞書配信要求を受信する度に、辞書配信処理を行う。すなわち、サーバ側クイズテーブルQT2から辞書配信要求に含まれている規定数の問題IDに対応する符復号化辞書データを読み出し、これらの符復号化辞書データが上記の出題順に並んだ辞書配信応答を生成し、辞書配信要求の送信元へ返信する。親端末のプロセッサ150は、返信されてきた辞書配信応答を受信し、この辞書配信応答内の符復号化辞書データを、問題IDに対応付けて符復号化辞書テーブルDTに格納する。
【0049】
一方、子オンラインゲーム処理では、子端末のプロセッサ150は、まず、同一のグループに属する親端末における、複数の問題の選択や、これら複数の問題の出題順および符復号化辞書を、この親端末と共有する。そして、同一のグループに属する全ての子端末において上記の共有が完了すると、このグループにおいて、決定された内容の多人数参加型オンラインゲームが行われる。
【0050】
そして、多人数参加型オンラインゲームが終了すると、このゲームが行われたグループの全てのメンバーのプロセッサ150は、それぞれ、このゲームのプレイの結果を示す結果データをサーバ装置40へ送信し、オンラインゲーム処理を終了する。結果データは、プレイヤー毎のデータであり、終了した多人数参加型オンラインゲームで出題された全ての問題について、問題IDと当該問題に正解したか否かを示す正誤データとの組を含む。
【0051】
サーバ装置40のプロセッサ410は、結果データを受信する度に、更新処理を行う。すなわち、受信した結果データに応じて、サーバ記憶部430に記憶されているデータを更新する。この結果、サーバ側クイズテーブルQT2やサーバ側出題禁止リストBL2が更新される。なお、本実施の形態を変形し、同一のグループに属する全てのゲーム端末10における結果データを当該グループの親端末がとりまとめてサーバ装置40へ送信する形態としてもよい。
【0052】
一方、プレイ対象がスタンドアロン型ゲームの場合、ゲーム端末10のプロセッサ150は、単独ゲーム処理を行う。単独ゲーム処理の内容は後に詳述する通りであり、ここでは、概容のみを述べる。単独ゲーム処理において、ゲーム端末10のプロセッサ150は、前述のリスト配信要求をサーバ装置40へ送信する。この結果、このゲーム端末10には、サーバ装置40から端末側出題禁止リストBL1が返信される。このゲーム端末10のプロセッサ150は、端末側出題禁止リストBL1を受信して揮発性領域RT1に上書きし、この端末側出題禁止リストBL1に基づいて、クイズゲーム(ここでは、スタンドアロン型ゲーム)の内容を決定する。そして、このゲーム端末10では、決定された内容のスタンドアロン型ゲームが行われる。このスタンドアロン型ゲームが終了すると、このゲーム端末10のプロセッサ150は、単独ゲーム処理を終了する。
【0053】
<2−2.更新処理>
図7は、サーバ装置40で行われる更新処理のフローチャートである。更新処理では、サーバ装置40のプロセッサ410は、ゲーム端末10から受信した結果データに含まれている複数の組に未選択の組があるか否かを判定する(SA1)。この判定結果が否定的な場合、プロセッサ410は、更新処理を終了する。
【0054】
ステップSA1の判定結果が肯定的な場合、プロセッサ410は、まず、上記複数の組から未選択の1つの組を選択する(SA2)。次にプロセッサ410は、選択された組に基づいて、サーバ側クイズテーブルQT2の更新処理を行う(SA3)。この更新処理の内容は、以降に説明するように、正解率に応じて異なる。
【0055】
サーバ側クイズテーブルQT2の更新処理において、プロセッサ410は、まず、選択された組内の問題ID(以降、「選択問題ID」と称する)の問題の出題回数が1だけ増加し、選択された組内の正誤データが正解したことを示す場合にのみ選択問題IDの問題の正解回数が1だけ増加するように、選択問題IDに対応する出題回数データおよび正解回数データ、または選択問題IDに対応する出題回数データを更新する(SA31)。
【0056】
次にプロセッサ410は、サーバ側クイズテーブルQT2を用いて選択問題IDの問題の正解率を算出し、選択問題IDに対応する正解率データが当該正解率を表すように当該正解率データを更新する(SA32)。次にプロセッサ410は、ステップSA32の更新により選択問題IDの問題の正解率が予め定められた基準正解率以上となったか否かを判定する(SA33)。
【0057】
ステップSA33の判定結果が肯定的な場合には、プロセッサ410は、正解データを優先する構築処理を行う(SA34)。具体的には、選択問題IDに対応する正解データに一致する符号化前データに最も短い符号化後データが対応するように、選択問題IDの問題の符復号化辞書を再構築する。こうして、サーバ側クイズテーブルQT2の更新処理が終了する。なお、符復号化辞書の再構築とは、符復号化辞書を表す符復号化辞書データを更新することをいう。
【0058】
ステップSA33の判定結果が否定的な場合には、プロセッサ410は、ステップSA32の更新により選択問題IDの問題の正解率が予め定められた基準正解率未満となったか否かを判定する(SA35)。この判定結果が肯定的な場合、プロセッサ410は、正解データを優先しない構築処理を行う(SA36)。具体的には、選択問題IDに対応する正解データに一致する符号化前データに任意の符号化後データが対応するように、選択問題IDの問題の符復号化辞書を再構築する。こうして、サーバ側クイズテーブルQT2の更新処理が終了する。一方、ステップSA35の判定結果が否定的な場合、プロセッサ410は、サーバ側クイズテーブルQT2の更新処理を終える。
【0059】
サーバ側クイズテーブルQT2の更新処理を終えると、プロセッサ410は、適否判定テーブルJTに基づいて、選択問題IDの問題の正解率が、当該問題の難易度に対応する適切な範囲外であるか否かを判定する(SA4)。この判定結果が肯定的な場合、プロセッサ410は、サーバ側出題禁止リストBL2を更新する(SA5)。具体的には、選択問題IDを含むように、サーバ側出題禁止リストBL2を更新する。以降、処理はステップSA1に戻る。ステップSA4の判定結果が否定的な場合にも、処理はステップSA1に戻る。
【0060】
このように、更新処理では、ゲーム端末10から受信した結果データに基づいてサーバ側クイズテーブルQT2が更新され、正解率が適切な範囲外となった問題の問題IDを含むようにサーバ側出題禁止リストBL2が更新される。なお、本実施の形態を変形し、正解率が適切な範囲内となった問題の問題IDをサーバ側出題禁止リストBL2から削除する形態としてもよい。
【0061】
<2−3.単独ゲーム処理>
図8は、ゲーム端末10で行われる単独ゲーム処理のフローチャートである。単独ゲーム処理において、ゲーム端末10のプロセッサ150は、端末側出題禁止リストBL1の更新を行う(SB1)。具体的には、リスト配信要求をサーバ装置40へ送信し、サーバ装置40から端末側出題禁止リストBL1を受信し、受信した端末側出題禁止リストBL1を揮発性領域RT1に上書きする。
【0062】
次にプロセッサ150は、端末側出題禁止リストBL1に基づいて、スタンドアロン型ゲームの内容の決定を行う(SB2)。具体的には、ジャンルや出題形式を指定させるためのUIを提供し、ジャンルおよび出題形式が指定された場合には、指定されたジャンルおよび出題形式の全ての問題を候補の選択の母集団(以降、「候補選択母集団」と称する)とし、この候補選択母集団から、端末側出題禁止リストBL1に含まれていない問題IDで識別される規定数の問題をそれぞれ出題候補として選択し、選択された規定数の出題候補の出題順を決定する。この選択および決定は、例えば乱数を用いて行われる。
【0063】
出題形式が指定されなかった場合には、出題形式が自動的に決定され、決定された出題形式に基づいて候補選択母集団が定められる。この場合の出題形式の決定は、例えば乱数を用いて行われる。また、ジャンルが指定されなかった場合には、上記の選択は、指定または決定された出題形式の全ての問題が候補選択母集団となり、この候補選択母集団からの出題候補の選択は、ジャンルとは異なる繋がりを有する規定数の出題候補を選択するための繋がり選択処理により行われる。
【0064】
図9は、単独ゲーム処理に含まれる繋がり選択処理のフローチャートである。繋がり選択処理では、ゲーム端末10のプロセッサ150は、まず、候補選択母集団内の未注目の1つの問題に注目する(SC1)。具体的には、端末側クイズテーブルQT1内の問題IDのうち未注目の1つの問題IDに注目する。この1つの問題IDは、例えば乱数を用いて定められる。次にプロセッサ150は、指定または決定された出題形式に基づいて、キーワード群の種類を選択する(SC2)。例えば、指定または決定された出題形式が択一形式であれば、問題関連キーワード群、正解関連キーワード群および不正解関連キーワード群から1つを選択する。なお、本実施の形態を変形し、これらのキーワード群から複数を選択するようにしてもよい。
【0065】
次にプロセッサ150は、検索キーワードを特定する(SC3)。この特定は、端末側クイズテーブルQT1内のキーワード群データに基づいて、注目中の問題のキーワード群のうち、選択された種類のキーワード群と同種のキーワード群を母集団(以降、「キーワード選択母集団」と称する)とし、この母集団から、未選択の1つのキーワードを選択することにより行われる。この選択は、例えば乱数を用いて行われる。なお、本実施の形態を変形し、複数の検索キーワードを特定するようにしてもよい。
【0066】
次にプロセッサ150は、端末側クイズテーブルQT1、端末側出題禁止リストBL1、検索キーワード、および選択された種類に基づいて、規定数の問題を出題候補として選択可能であるか否かを判定する(SC4)。具体的には、指定または決定された出題形式であり、かつ、選択された種類のキーワード群が検索キーワードを含み、かつ、問題IDが端末側出題禁止リストBL1に含まれていない問題(以降、「候補化可能問題」と称する)が、候補選択母集団内に規定数以上含まれているか否かを判定する。
【0067】
ステップSC4の判定結果が否定的な場合には、処理はステップSC3に戻る。つまり、ステップSC4の判定結果が肯定的になるまで、ステップSC3〜SC4の処理が繰り返される。 全てのクイズデータの全てのキーワード群の各々には、これら全てのキーワード群に共通する1つのキーワードが含まれているから、いずれ、ステップSC4の判定結果は肯定的になる。ステップSC4の判定結果が肯定的な場合には、プロセッサ150は、規定数の候補化可能問題をそれぞれ出題候補として選択し(SC5)、繋がり選択処理を終了する。
【0068】
本実施の形態を変形し、指定または決定された出題形式が択一形式の場合に、正解関連キーワード群および不正解関連キーワード群の和集合をキーワード選択母集団とすることができるようにしてもよい。すなわち、複数種類のキーワード群の和集合をキーワード選択母集団とすることができるようにしてもよい。また、本実施の形態を変形し、キーワード群データを解答選択肢毎に用意してもよい。
【0069】
図8に示すように、スタンドアロン型ゲームの内容を決定すると、次にプロセッサ150は、次回のクイズ処理で出題する問題である出題対象問題を特定する(SB3)。具体的には、未出題の出題候補のうち、出題順が最先の出題候補を出題対象問題とする。次にプロセッサ150は、クイズ処理を実行する(SB4)。クイズ処理とは、クイズを行う処理である。クイズ処理では、プロセッサ150は、表示部120を用いて出題対象問題を出題する出題処理を行う一方(SB4A)、表示部120および操作部140を用いてプレイヤーの解答を受け付ける受付処理を行う(SB4B)。出題処理および受付処理は、出題対象問題を用いたクイズを行うためのクイズデータ(問題データ)を用いて行われる。このときに画面121に表示される画像の一例を図10に示す。
【0070】
図10は、ゲーム端末10の画面121に表示される画像の一例を示す図である。この例は、指定または決定された問題形式が択一形式の場合のものであり、画面121内の図中上側の表示領域には出題対象問題の文字列「東京駅の画像はどれでしょうか?」が表示され、画面121内の図中下側の表示領域には複数の解答選択肢AS1〜AS4の画像が表示される。プレイヤーは所望の解答選択肢の画像に占められている領域に触れることにより、当該解答選択肢を選択すること、すなわち出題対象問題に解答することができる。
【0071】
受付処理では、プロセッサ150は、プレイヤーの解答が受け付けられたか否かを判定し(SB4B1)、この判定結果が否定的であれば受付処理の開始からの経過時間が制限時間を超過したか否かを判定し(SB4B2)、この判定結果が否定的であれば、処理をステップS4B1に戻す。つまり、プレイヤーの解答が受け付けられるまで(プレイヤーが解答するまで)、または経過時間が制限時間を超過するまで、プレイヤーの解答を待ち受ける。
【0072】
制限時間は、解答を受け付ける期間(選択可能期間)を制限するために予め定められた一定の時間であり、例えば60秒間である。画面121に表示される画像には、経過時間が制限時間を超過するまでの残り時間を示す画像(図10では「09秒」)が含まれる。なお、本実施の形態では、受付処理の開始時点とクイズ処理の開始時点は一致しているが、クイズ処理の開始後に受付処理が開始されるようにしてもよい。
【0073】
プロセッサ150は、受付処理のステップSB4B1またはステップSB4B2の判定結果が肯定的になると、クイズ処理を終了し、次の処理を行う。具体的には、プロセッサ150は、ステップSB4B2の判定結果が肯定的になってクイズ処理を終了した場合、すなわち経過時間が制限時間を超過してクイズ処理を終了した場合には、不正解処理を行う(SB5)。具体的には、不正解であることを報知する画像を画面121に表示させるための処理と、不正解であることを報知する音を発音部130のスピーカ131から放出させるための処理と、連続正解数を初期化する処理を行う。
【0074】
一方、プロセッサ150は、ステップSB4B1の判定結果が肯定的になってクイズ処理を終了した場合、すなわち解答が受け付けられてクイズ処理を終了した場合には、受け付けられた解答と、出題対象問題を用いたクイズを行うためのクイズデータに含まれている正解データとに基づいて、当該解答が正解であるか否かを判定する(SB6)。この判定結果が否定的な場合には、処理はステップSB5に進む。この判定結果が肯定的な場合には、プロセッサ150は、正解処理を行う(SB7)。具体的には、正解であることを報知する画像を画面121に表示させるための処理と、正解であることを報知する音を発音部130のスピーカ131から放出させるための処理と、連続正解数が1だけ増加するように連続正解数データCを更新する処理を行う。
【0075】
正解処理または不正解処理を終えた主プロセッサ150は、次の問題を出題可能か否かを判定する(SB8)。この判定の内容は、クイズゲームの仕様に応じて適宜に定めるべきである。例えば、クイズゲームが一定の回数のクイズ処理を経て終了するゲームであれば、終了したクイズ処理が一定回数に達したか否かを判定すればよい。また例えば、クイズゲームが一定の時間内に終了するゲームであれば、クイズゲームの開始からの経過時間が制限時間以上であるか否かを判定すればよい。
【0076】
ステップSB8の判定結果が肯定的な場合、処理はステップSB3に戻る。つまり、ステップSB8の判定結果が否定的となるまで、ステップSB3〜SB8の処理が繰り返される。なお、規定数は、クイズゲームにおいて出題される問題の最大数以上の数であるから、出題する問題が不足することはない。一方、ステップSB8の判定結果が否定的な場合、プロセッサ150は、表示部120を用いてプレイの結果を画面121に表示させ(SB9)、単独ゲーム処理を終了する。
【0077】
<2−4.親オンラインゲーム処理>
図11および図12は、それぞれ、ゲーム端末10で行われる親オンラインゲーム処理のフローチャートの一部を示す図である。親オンラインゲーム処理では、親端末のプロセッサ150は、端末側出題禁止リストBL1の更新を行う(SD1)。この処理は、図8のステップSB1と同一の処理である。
【0078】
次にプロセッサ150は、端末側出題禁止リストBL1に基づいて、多人数参加型オンラインゲームの内容の決定を行う(SD2)。この処理は、ステップSB2と同様の処理である。ただし、ステップSD2では、プロセッサ150は、ジャンルや出題形式を指定させるためのUIを提供せずに、自動的にジャンルおよび出題形式または出題形式のみを決定する。
【0079】
次にプロセッサ150は、符復号化辞書の取得を行う(SD3)。具体的には、まず、符復号化辞書テーブルDTを初期化し、次にステップSD2で選択された規定数の出題候補に応じた内容の辞書配信要求をサーバ装置40へ送信し、次にサーバ装置40から返信されてきた辞書配信応答を受信し、受信した辞書配信応答内の規定数の符復号化辞書データと、送信した辞書配信要求内の規定数の問題IDとを、これらの並び位置に基づいて1対1で対応付けて、符復号化辞書テーブルDTに格納する。なお、符復号化辞書テーブルDTの初期化とは、符復号化辞書テーブルDTから全てのデータを削除することを意味する。
【0080】
次にプロセッサ150は、他の全てのメンバーへ、ステップSD2における決定の内容およびステップSD3において取得した符復号化辞書を通知する(SD4)。具体的には、選択された規定数の出題候補の問題IDと、これらの出題候補の出題順を表すデータと、これらの出題候補の符復号化辞書を表す符復号化辞書データとを、他のメンバーへ送信する。次にプロセッサ150は、次回のクイズ処理で出題される問題である出題対象問題を特定する(SD5)。
【0081】
次にプロセッサ150は、クイズ処理(SD6)、および他のメンバーで受け付けられた解答を収集する解答収集処理を行う(SE)。両処理は並列に実行される。ステップSD6のクイズ処理は、ステップSB4のクイズ処理と同一である。このクイズ処理において画面121に表示される画像の一例を図13に示す。
【0082】
図13は、ゲーム端末10の画面121に表示される画像の一例を示す図である。この例は、決定された問題形式がタイピング形式の場合のものであり、画面121内の図中上側の表示領域には出題対象問題が表示され、画面121内の図中下側の表示領域にはソフトウェアキーボードが表示される。出題対象問題は、「アメリカ合衆国の略称です。」という文字列と回動する立方体の画像を含む。この立方体の各面には、正解の文字列「USA」に含まれる全ての文字が1つずつ描かれている。プレイヤーは、出題対象問題の文字列および画像を見て解答の文字列を考え、ソフトウェアキーボードの所望のキーに占められている領域に触れて1つずつ文字を入力して解答の文字列を入力し、最後に所定のキー(図では「OK」キー)に占められている領域に触れることにより、出題対象問題に解答することができる。入力された解答の文字列は、画面121内の図中中央付近の表示領域に表示される。また、画面121内の図中左側の領域には、自己を除くメンバーを使用中のプレイヤーのプレイネームが表示される。なお、図中の「削除」キーは、入力された文字列から最後に入力された1文字を削除するためのキーである。
【0083】
図14は、親オンラインゲーム処理に含まれる解答収集処理のフローチャートである。解答収集処理は、ステップSB4B2に相当する処理(SD6B2)と同時に開始する。解答収集処理では、プロセッサ150は、まず、揮発性領域RT1に、他のメンバーで受け付けられた解答を収集する処理が完了したか否かを表す収集処理完了フラグFLを確保し、その値を0(未完了)とする(SE1)。
【0084】
次にプロセッサ150は、全ての他のメンバーから解答を表す解答データを受信したか否かを判定し(SE2)、この判定結果が否定的であれば受付処理の開始からの経過時間が制限時間を十分に超過したか否かを判定し(SE3)、この判定結果が否定的であれば、処理をステップSE2に戻す。つまり、プロセッサ150は、全ての他のメンバーから解答データを受信するまで、または経過時間が制限時間を十分に超過するまで、他のメンバーからの解答データを待ち受ける。
【0085】
ステップSE2またはSE3の判定結果が肯定的になると、プロセッサ150は、揮発性領域RT1の収集処理完了フラグFLの値を1(完了)とし(SE4)、解答収集処理を終了する。なお、本実施の形態において、経過時間が制限時間を単に超過しただけではステップSE3の判定結果が肯定的にならないようにしたのは、処理遅延および通信遅延による収集漏れを防ぐためである。
【0086】
図12のクイズ処理(SD6)では、プロセッサ150は、ステップSB4B1に相当する処理(SD6B1)における判定結果、またはステップSB4B2に相当する処理(SD6B2)における判定結果が肯定的になると、クイズ処理を終了し、次の処理を行う。具体的には、プロセッサ150は、解答が受け付けられてクイズ処理を終了した場合には、出題対象問題の符復号化辞書を参照して、この解答を表す解答データを符号化する(SD7)。
【0087】
次にプロセッサ150は、収集処理完了フラグFLが1(完了)であるか否かを判定する(SD8)。この判定結果が否定的な場合、処理はステップSD8に戻る。つまり、プロセッサ150は、他のメンバーで受け付けられた解答を収集する処理が完了するまで待つ。次にプロセッサ150は、全ての他のメンバーに対して、自己の解答データおよび収集した解答データを送信する(SD9)。これらの解答データは、いずれも符号化されている。なお、本実施の形態を変形し、送信先のメンバーから収集した解答データについては、当該メンバーへの送信を省略する形態としてもよい。
【0088】
次にプロセッサ150は、自己に受け付けられた解答と、出題対象問題を用いたクイズを行うためのクイズデータに含まれている正解データとに基づいて、当該解答が正解であるか否かを判定する(SD10)。この判定結果が肯定的な場合には、プロセッサ150は、出題対象問題の符復号化辞書を参照して、収集した解答データをそれぞれ復号する(SD11)。次にプロセッサ150は、ステップSB7と同様の正解処理を行う(SD12)。ただし、この正解処理では、プロセッサ150は、表示部120を用いて、画面121に、自己が受け付けた解答のみならず、他のメンバーが受け付けた解答をも表示させる。このときに画面121に表示される画像の一例を図15に示す。
【0089】
図15は、ゲーム端末10の画面121に表示される画像の一例を示す図である。この例は、決定された問題形式がタイピング形式の場合のものである。図13と比較すれば明らかなように、図15では、画面121内の図中左側の領域に、自己を除くメンバーを使用中のプレイヤーの解答とが表示されている。これらの解答の表示は、どの解答がどのプレイヤーの解答であるかが分かるように行われる。
【0090】
一方、ステップSD10の判定結果が否定的な場合には、プロセッサ150は、出題対象問題の符復号化辞書を参照して、収集した解答データをそれぞれ復号し(SD13)、ステップSB5と同様の不正解処理を行う(SD14)。ただし、この不正解処理では、プロセッサ150は、表示部120を用いて、画面121に、自己が受け付けた解答のみならず、他のメンバーが受け付けた解答をも表示させる。これらの解答の表示は、どの解答がどのプレイヤーの解答であるかが分かるように行われる。
【0091】
一方、ステップSD6B2の判定結果が肯定的になってクイズ処理を終了した場合、すなわち経過時間が制限時間を超過してクイズ処理を終了した場合には、プロセッサ150は、まず、収集処理完了フラグFLが1(完了)であるか否かを判定する(SD15)。この判定結果が否定的な場合、処理はステップSD15に戻る。つまり、プロセッサ150は、他のメンバーで受け付けられた解答を収集する処理が完了するまで待つ。次にプロセッサ150は、収集した解答(解答データ)の数が0であるか否かを判定する(SD16)。この判定結果は、全てのメンバーにおいて解答が受け付けられなかった場合にのみ肯定的となる。
【0092】
ステップSD16の判定結果が否定的な場合には、プロセッサ150は、全ての他のメンバーに対して、自己の解答データおよび収集した解答データを送信する(SD17)。この処理は、ステップSD9の処理と同様である。次に、処理はステップSD13へ進む。一方、ステップSD16の判定結果が肯定的な場合には、処理はステップSD14へ進む。つまり、全てのメンバーのいずれにおいても解答が受け付けられなかった場合には、解答データの送信(S17)および解答データの復号(S13)がスキップされる。
【0093】
正解処理または不正解処理を終えた主プロセッサ150は、次の問題を出題可能か否かを判定し(SD17)、この判定結果が肯定的な場合、処理はステップSD5に戻る。つまり、ステップSB17の判定結果が否定的となるまで、ステップSD5〜SD17の処理(および解答収集処理(SE))が繰り返される。一方、ステップSB8の判定結果が肯定的な場合、プロセッサ150は、親オンラインゲーム処理を終了するための終了処理を行い(SD18)、親オンラインゲーム処理を終了する。この終了処理では、プロセッサ150は、表示部120を用いてプレイの結果を画面121に表示させる一方、プレイの結果を表す結果データをサーバ装置40へ送信する。
【0094】
<2−5.子オンラインゲーム処理>
図16および図17は、それぞれ、ゲーム端末10で行われる子オンラインゲーム処理のフローチャートの一部を示す図である。子オンラインゲーム処理では、子端末のプロセッサ150は、まず、同一グループの親端末から、多人数参加型オンラインゲームの内容および符復号化辞書を取得する(SF1)。具体的には、メンバーの親端末で選択された規定数の出題候補の問題IDと、これらの出題候補の出題順を表すデータと、これらの出題候補の符復号化辞書を表す符復号化辞書データとを、当該親端末から受信する。
【0095】
次にプロセッサ150は、次回のクイズ処理で出題される問題である出題対象問題を特定する(SF2)。次にプロセッサ150は、クイズ処理を行う(SF3)。ステップSF3のクイズ処理は、ステップSB4のクイズ処理と同一である。ステップSF3では、図13に示す画像と同様の画像が画面121に表示される。ステップSF3のクイズ処理では、プロセッサ150は、ステップSB4B1に相当する処理(SF3B1)における判定結果、またはステップSB4B2に相当する処理(SF3B2)における判定結果が肯定的になると、クイズ処理を終了し、次の処理を行う。
【0096】
解答が受け付けられてクイズ処理を終了した場合には、プロセッサ150は、出題対象問題の符復号化辞書を参照して、この解答を表す解答データを符号化する(SD4)。次にプロセッサ150は、メンバーの親端末に対して、自己の符号化された解答データを送信する(SD5)。次にプロセッサ150は、メンバーの親端末から解答データを受信したか否かを判定し(SF6)、この判定結果が否定的であれば、ステップSF3Bの受付処理が開始してからの経過時間が制限時間を十分に超過したか否かを判定する(SF7)。この判定結果が否定的であれば、処理はステップSF6に戻る。
【0097】
プロセッサ150は、メンバーの親端末から解答データを受信してステップSF6の判定結果が肯定的になると、出題対象問題の符復号化辞書を参照して、受信した全ての解答データを復号し(SF8)、自己の解答データと、出題対象問題を用いたクイズを行うためのクイズデータに含まれている正解データとに基づいて、自己の解答が正解であるか否かを判定する(SF9)。一方、経過時間が制限時間を十分に超過してステップSF7の判定結果が肯定的になると、処理はステップSF9へ進む。
【0098】
ステップSF9の判定結果が肯定的になると、プロセッサ150は、図12のステップSD12と同一の正解処理を行う(SF10)。一方、ステップSF9の判定結果が否定的になると、プロセッサ150は、図12のステップSD14と同一の不正解処理を行う(SF11)。一方、経過時間が制限時間を超過してクイズ処理が終了した場合には、プロセッサ150は、ステップSF6〜SF8と同一の処理を行う(SF12〜SF14)。この処理が終了すると、処理はステップSF11へ進む。
【0099】
正解処理または不正解処理を終えたプロセッサ150は、次の問題を出題可能か否かを判定し(SF15)、この判定結果が肯定的な場合、処理はステップSF2に戻る。つまり、ステップSF15の判定結果が否定的となるまで、ステップSF2〜SF15の処理が繰り返される。一方、ステップSF15の判定結果が肯定的な場合、プロセッサ150は、前述の終了処理(SD18)と同一の終了処理を行い(SF16)、子オンラインゲーム処理を終了する。
【0100】
<3.効果>
以降、本実施の形態で得られる効果について説明する。なお、以降に述べる効果のうち、いずれかが不要であれば、ゲームシステム1から、必要な効果をもたらす構成以外の構成を取り除いてもよい。
【0101】
本実施の形態では、ゲーム端末10が、プロセッサ150および端末記憶部160を備え、端末記憶部160には、問題毎に、複数のキーワードを含むキーワード群を表すキーワード群データ、問題を表す問題データ、問題の正解を示す正解データおよび問題のジャンルを示すジャンルデータが記憶されており、プロセッサ150が、端末記憶部160に記憶されているプログラムP1を用いて、各クイズにおいてプレイヤーの解答を受け付ける処理(SB4B、SD6B)、各クイズにおいて受け付けられた解答が正解であるか否かを当該クイズで出題された問題の正解を表す正解データを用いて判定する処理(SB6、SD10)、1つの検索キーワードを動的に特定する処理(SC3)、特定された検索キーワードを含むキーワード群を表すキーワード群データが端末記憶部160に記憶されている複数の問題を選択する処理(SC5)、および選択された複数の問題を、各問題を表す問題データを用いて、1回のクイズゲームにおいて出題する処理(SB4A、SD6A)を行う。
つまり、ゲーム端末10では、各クイズゲームにおいて、1つの検索キーワードが動的に特定され、特定された検索キーワードで繋げられた複数の問題が出題される。よって、ゲーム端末10によれば、出題される複数の問題間の繋がりをゲーム要素としてクイズゲームのゲーム性を向上させることができる。
【0102】
また、ゲーム端末10では、問題データおよび正解データのいずれもキーワード群データを兼ねないから、問題データおよび正解データのデータ形式の自由度を低下させずに済む。例えば、画像を表すデータを問題データとすることができる。
【0103】
また、本実施の形態では、各問題に対応するキーワード群には複数の種類があり、複数の種類のキーワード群は、それぞれ、互いに異なるクイズ要素に関連するキーワードを含み、ゲーム端末10のプロセッサ150は、端末記憶部160に記憶されているプログラムP1を用いて、これら複数の種類から1つの種類を選択する処理(SC2)を行うとともに、複数の問題を選択する処理(SC5)において選択する問題を、特定された検索キーワードを含む選択された種類のキーワード群を表すキーワード群データが端末記憶部160に記憶されている問題に限っている。よって、ゲーム端末10によれば、如何なるクイズ要素に着目して複数の問題が繋げられているのかもゲーム要素となり、クイズゲームのゲーム性をさらに向上させることができる。
【0104】
また、本実施の形態では、端末記憶部160に、問題毎に、キーワード群データとは別に、問題のジャンルを示すジャンルデータが記憶されており、ゲーム端末10のプロセッサ150は、1つのジャンルを特定する処理(SB2、SD2)、特定されたジャンルを表すジャンルデータが端末記憶部160に記憶されている複数の問題を選択する処理(SB2、SD2)、および、ここで選択された複数の問題を、各問題を表す問題データを用いて、1回のクイズゲームにおいて出題する処理(SB4A、SD6A)を行う。よって、ゲーム端末10によれば、各クイズゲームにおいて、特定された1つのジャンルから選択された複数の問題、またはジャンルとは異なる繋がりを有する複数の問題を出題することができる。
【0105】
<4.変形例>
上述した実施の形態を、以下に述べるように変形してもよい。
<4−1.変形例1>
例えば、図18に例示するように、各問題について、符復号化辞書データの全ての符号化後データの先頭ビットのうち、正解データと同一の符号化前データに対応する符号化後データの先頭ビットのみが特定の値(図では「1」)となるように、符復号化辞書を構築してもよい。このように構築する場合には、図19に例示するように、各符復号化辞書データに含まれる符号化後データのうち、正解データと同一の符号化前データに対応する符号化後データとは異なる符号化後データが最短となるようにしてもよい。
【0106】
図18や図19に例示するように符復号化辞書を構築することにより、メンバー間で送受信しようとする解答データが正解データの場合には符号化された解答データの先頭ビットのみを送信すれば済む形態のゲームシステムを提供することができる。この形態において親端末が行う親オンラインゲーム処理のフローチャートの一部を図20に、この形態において子端末が行う子オンラインゲーム処理のフローチャートの一部を図21に示す。図20および図21に示されていない部分は、図12および図17と同一である。
【0107】
この形態では、符号化後の解答データの先頭ビットを参照するだけで、解答が正解であるか否かの判定を行うことができる(図20のステップSG1、図21のステップSH1)。また、この形態では、子端末に受け付けられた解答を表す解答データが正解データの場合に、符号化後の解答データそのものではなく、このデータの先頭の1ビットのみを解答データとしてメンバーの親端末へ送信し(図21のステップSH2)、親端末において、この1ビットを復号して正解データを得ることができる(図20のステップSG3、図20のステップSG4)。これと同様のことが、親端末に受け付けられた解答を表す解答データにもあてはまる(図20のステップSG2、図21のステップSH3、図21のステップSH4)。
【0108】
<4−2.変形例2>
また例えば、ゲーム端末10からサーバ装置40へ送信される結果データに含まれる組に、当該組内の問題IDの問題に対して当該当該ゲーム端末10に受け付けられた解答を表す解答データを含め、サーバ装置40において、入力される頻度が高い解答を表す解答データと同一の符号化前データには短い符号化後データを、入力される頻度が低い解答を表す解答データと同一の符号化前データには長い符号化後データを対応付けることにより当該問題の符復号化辞書を再構築するようにしてもよい。つまり、問題の符復号化辞書を、符号化後データの長さが当該問題への解答の入力頻度に応じた長さとなるように再構築するようにしてもよい。問題の正解率が基準正解率未満の場合にこうしてもよいし、問題の正解率に関わらずにこうしてもよい。
【0109】
<4−3.変形例3>
例えば、出題回数が一定数を超えた問題については、出題回数が一定数のときに算出された正解率が維持されるようにしてもよい。この場合、一定数を適切に設定することにより、同一のプレイヤーが同一の問題に繰り返し解答することによって当該問題の正解率が上がってしまう事態の発生を抑制することができる。
【0110】
<4−4.変形例4>
例えば、問題データの一部または全部が、文字列を表すデータの場合には、上記一部または全部を問題関連キーワード群データとして用いるようにしてもよい。つまり、問題データが問題関連キーワード群データを兼ねるようにしてもよい。さらに、上記一部または全部を、画面121に表示される文字列を表すデータに限ってもよい。また、これらの変形と同様の変形を、多種のキーワード群データについて行ってもよい。
【0111】
<4−5.変形例5>
例えば、クイズゲームの内容を動的に制御するようにしてもよい。具体的には、親端末が、多人数参加型オンラインゲーム中に、クイズ処理の度に、規定数の出題候補から出題対象問題を選択し、この選択の結果をメンバーである全ての子端末へ通知し、この通知に従って、全メンバーが、次のクイズ処理で当該出題対象問題を出題する、というようにしてもよい。この形態であれば、規定数を十分に大きく定めておくことにより、例えば、多人数参加型オンラインゲームに参加している全てのプレイヤーが全問不正解で最後のクイズを迎えた場合には、最後のクイズの問題を、難易度が比較的に低い問題または正解率が比較的に高い問題とする、という制御が可能となる。この制御によれば、ゲーム性が著しく損なわれる可能性が低くなる。
【0112】
<4−6.他の変形例>
例えば、任意のゲーム端末同士が、親子(マスター/クライアント)の関係ではなく、対等に通信する形態のゲームシステムとしてもよい。この場合、各メンバーの通信アドレスは全てのメンバーに共有される。また例えば、ゲーム端末10として、家庭用ゲーム機を採用してもよい。この場合、ゲーム端末10は家庭内に設置される。また例えば、ゲーム端末10として、携帯型ゲーム機を採用してもよい。この場合、ゲーム端末10はプレイヤーに携帯される。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の実施の形態に係るゲームシステム1の構成を示す図である。
【図2】ゲームシステム1に含まれるゲーム端末10の外観を示す図である。
【図3】ゲーム端末10の構成を示すブロック図である。
【図4】ゲーム端末10で用いられるクイズデータの構造を模式的に示す図である。
【図5】ゲームシステム1に含まれるサーバ装置40の構成を示すブロック図である。
【図6】ゲームシステム1の動作の概容を示すシーケンス図である。
【図7】サーバ装置40で行われる更新処理のフローチャートである。
【図8】ゲーム端末10で行われる単独ゲーム処理のフローチャートである。
【図9】単独ゲーム処理に含まれる繋がり選択処理のフローチャートである。
【図10】ゲーム端末10の画面121に表示される画像の一例を示す図である。
【図11】ゲーム端末10で行われる親オンラインゲーム処理のフローチャートの一部(前半)を示す図である。
【図12】親オンラインゲーム処理のフローチャートの一部(後半)を示す図である。
【図13】画面121に表示される画像の一例を示す図である。
【図14】親オンラインゲーム処理に含まれる解答収集処理のフローチャートである。
【図15】画面121に表示される画像の一例を示す図である。
【図16】ゲーム端末10で行われる子オンラインゲーム処理のフローチャートの一部(前半)を示す図である。
【図17】子オンラインゲーム処理のフローチャートの一部(後半)を示す図である。
【図18】本実施の形態の変形例1を説明するための模式図である。
【図19】変形例1を説明するための模式図である。
【図20】変形例1において親端末が行う親オンラインゲーム処理のフローチャートの一部を示す図である。
【図21】変形例1において子端末が行う子オンラインゲーム処理のフローチャートの一部を示す図である。
【符号の説明】
【0114】
1 ゲームシステム
10 ゲーム端末
120 表示部
130 放音部
150,410 プロセッサ
160 端末記憶部
180,420 通信インターフェイス
40 サーバ装置
430 サーバ記憶部
P1,P2 プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クイズを含むクイズゲームをプレイヤーにプレイさせるゲーム端末において、
クイズにおいて、問題をプレイヤーに出題し、当該問題に対する解答を受け付け、当該クイズの終了後に当該クイズの結果を報知するクイズ処理部と、
前記解答を表す解答データを、前記解答が正解の場合に変換後のビット列が最短となるように変換する変換部と、
前記変換部により変換された前記解答データを他のゲーム端末へ送信する送信部と、
他のゲーム端末から前記解答データを受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記解答データを逆変換する逆変換部とを備える、
ことを特徴とするゲーム端末。
【請求項2】
前記変換部は、
互いに異なる複数のデータの各々について、符号化前のビット列と符号化後のビット列とを対応付けた符復号化辞書を記憶する符復号化辞書記憶部と、
前記解答データを、前記符復号化辞書記憶部に記憶された符復号化辞書を用いて符号化する符号化部とを有し、
前記符号化部により符号化された前記解答データを、前記変換部による変換された前記解答データとして扱う、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム端末。
【請求項3】
前記変換部は、
互いに異なる複数のデータの各々について、符号化前のビット列と符号化後のビット列とを対応付けた符復号化辞書を記憶する符復号化辞書記憶部と、
前記解答データを、前記符復号化辞書記憶部に記憶された符復号化辞書を用いて符号化する符号化部と、
前記符号化部により符号化された前記解答データのビット列に含まれ、他の符号化後のビット列に含まれない部分を抽出する抽出部とを有し、
前記抽出部により抽出された前記部分を、前記変換部による変換された前記解答データとして扱う、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム端末。
【請求項4】
請求項1に記載のゲーム端末を複数有することを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
前記複数のゲーム端末の各々と通信可能なサーバ装置を有し、
前記サーバ装置は、
問題の正解率の算出に必須の正解率算出必須データを記憶している正解率算出必須データ記憶部と、
前記結果に基づいて、前記正解率算出必須データ記憶部に記憶されている正解率算出必須データを更新する正解率算出必須データ更新部とを備え、
前記変換部は、前記正解率算出必須データ記憶部に記憶されている正解率算出必須データを用いて算出される問題の正解率が予め定められた基準正解率以上である場合には、前記解答を表す解答データを、前記解答が正解の場合に変換後のビット列が最短となるように変換する、
ことを特徴とする請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
クイズを含むクイズゲームをプレイヤーにプレイさせるコンピュータを、
クイズにおいて、問題をプレイヤーに出題し、当該問題に対する解答を受け付け、当該クイズの終了後に当該クイズの結果を報知するクイズ処理部と、
前記解答を表す解答データを、前記解答が正解の場合に変換後のビット列が最短となるように変換する変換部と、
前記変換部により変換された前記解答データを他の装置へ送信する送信部と、
他の装置から前記解答データを受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記解答データを逆変換する逆変換部
として機能させるプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2008−178442(P2008−178442A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12242(P2007−12242)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】