説明

ゲーム筐体

【課題】プレイヤがリラックスした状態で長時間プレイすることができると共に、誰もが適切な姿勢でプレイすることが可能なゲーム筐体を提供する。
【解決手段】プレイヤが硬貨又はメダルを投入する投入口と、前記投入口から硬貨又はメダルが投入されたことを検出する検出手段を有する本体と、前記検出手段からの検出信号に基づいて開始又は進行するゲームの画像を画面に表示する表示部と、前記プレイヤが座る座席とを有するゲーム筺体であって、前記本体は、前記座席を前記本体後部の側方に固定する固定部材と、前記表示部を、前記本体前部の側方の位置であって且つ前記表示部の画面が前記座席に対向する位置に支持すると共に、前記固定部材に固定される前記座席の前方の位置であって且つ前記表示部の下方に空間を設けて支持する支持部材とを有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬貨又はメダルを用いて所定のゲームを遊戯するメダルゲーム装置に適用されるゲーム筐体の構造に関し、特に、プレイヤ(遊戯者)が着座する座席とゲーム画面の表示部とが筐体の本体に一体的に設けられているゲーム筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
硬貨又はメダルをゲーム筐体の投入口に投入して所定のゲームを遊戯するゲーム装置(以下、メダルゲーム装置と言う)は、ゲームセンタや大型店舗のゲームコーナなどに設置されている。
【0003】
複数のゲーム筐体を施設内に配置して、各プレイヤが同一種類のゲームをプレイできるようにした大型のメダルゲーム装置としては、競馬ゲーム装置(例えば、コンピュータ制御により走行が制御される競走馬(画面上に表示される競走馬又は模型の競走馬)の着順を各プレイヤが予想し、予想される入賞馬に投票することによって勝敗を競うメダルゲーム装置)や、ルーレット型ゲーム装置(例えば、電光表示盤をルーレット回転盤として用いて、回転盤上のいずれの領域が“当たり”になるのかを各プレイヤが予測するメダルゲーム装置)などがある。
【0004】
図8は、競馬ゲーム装置の外観構成の一例を示している。競馬ゲーム装置1は、競馬ゲームの全体の制御を行うメイン装置2と、プレイヤがそれぞれ使用する複数のサテライト装置5とから構成される。メイン装置2の筐体には、プレイヤに共通なゲーム画面が表示される巨大なディスプレイ3が一体的に設けられており、そのディスプレイ3の両側にはスピーカ4が設けられている。
【0005】
一方、メイン装置2の前方には、複数のサテライト装置5が配設されている。各サテライト装置5の本体上部には、プレイヤ個別の画面(自分の持ち馬、投票した競走馬を中心とした画面など)を映像出力するタッチパネル式のディスプレイ6と、メダルの投入排出口7とが設けられ、その本体と対向して椅子8が固設されている。そして、メイン装置2とサテライト装置5にはそれぞれゲームボードが搭載され、メイン装置2と各サテライト装置5とが通信手段を介して接続されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−93744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のような複数のサテライト装置を備えた大型のメダルゲーム装置は、遊戯時間が長くなるものが多い。そのため、各サテライト装置にはプレイヤが座って遊戯できるように椅子が設けられている。また、椅子が無いサテライト装置の場合は、店舗側で椅子を用意したりしている。しかしながら、従来のメダルゲーム装置に使用される椅子は、平板と脚とから成る椅子で且つ背もたれが無い構造の椅子なので、長時間プレイしていると非常に疲れるという問題がある。また、従来のメダルゲーム装置は、図8に例示したサテライト装置の筐体のように、例えば個々の椅子の座面部が連結部材によって連結されると共に、椅子の脚底部がサテライト装置の本体に連結されている。そのため、サテライト装置の盗難を防止できるという利点があるが、人によっては姿勢が悪くなったり、サテライト装置のディスプレイが見づらかったりすることがある。
【0007】
さらに、椅子の前方にサテライト装置の本体パネルが存在し、そのパネル面でプレイヤの足が遮られるため、プレイヤが足を伸ばして楽な姿勢で座れなかったり、窮屈であったりすることがある。また、ゲーム筐体の本体内の機器の故障を修理するときなど、プレイヤが椅子に座ったままの状態ではプレイヤが邪魔になり、メンテナンス作業ができないという不便さもある。
【0008】
また、従来のメダルゲーム装置のゲーム筐体に設けられている個別ディスプレイは、例えば図8に例示したサテライト装置5のように、ゲーム筐体の本体上部にディスプレイ6が一体的に設けられるとともに、ディスプレイの表示面が傾斜して固設された構造となっている。このような構造のゲーム筐体においては、表示面に対するプレイヤの視線方向や視点と表示面との距離が適切になるように、椅子やディスプレイの位置、表示面の傾斜角が設定されている。しかしながら、様々な体型のプレイヤが遊戯対象となるため、人によっては適切な視線方向や距離をとることがでず、目や体が疲れてしまうという問題がある。
【0009】
本発明は上述のような事情から成されたものであり、本発明の目的は、上述のような従来のゲーム筐体の問題を解消し、プレイヤがリラックスした状態で長時間プレイすることができると共に、誰もが適切な姿勢でプレイすることが可能なゲーム筐体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ゲーム筐体に関するものであり、ゲーム筐体に関しては、本発明の上記目的は、プレイヤが硬貨又はメダルを投入する投入口と、前記投入口から硬貨又はメダルが投入されたことを検出する検出手段を有する本体と、前記検出手段からの検出信号に基づいて開始又は進行するゲームの画像を画面に表示する表示部と、前記プレイヤが座る座席とを有するゲーム筺体であって、前記本体は、前記座席を前記本体後部の側方に固定する固定部材と、前記表示部を、前記本体前部の側方の位置であって且つ前記表示部の画面が前記座席に対向する位置に支持すると共に、前記固定部材に固定される前記座席の前方の位置であって且つ前記表示部の下方に空間を設けて支持する支持部材とを有することによって達成される。
【0011】
さらに、前記本体は、メダルを溜める貯蔵部と該貯蔵部のメダルを外部へ払い出す払出装置とを内部に備え、前記座席と反対側の側面に、前記貯蔵部及び前記払出装置のメンテナンス用に前記本体内部を露出させるメンテナンスドアを有すること、前記座席は、前記プレイヤの尻部を支える座面と、前記座面に対して角度をなして設けられ、前記プレイヤの背中を支える背もたれと、前記座面と前記背もたれのなす角度を調整する座席調整機構と、を有し、前記表示部は、前記表示部の画面の向き及び位置を調整する画面調整機構が設けられたこと、前記座席調整機構は、軸を中心に前記背もたれを回動させる回動機構と、ガイドに沿って前記座面を前後方向にスライドさせるスライド機構と、前記回動機構による前記背もたれの回動に連動して、前記スライド機構によって前記座面をスライドさせるリンク機構と、調整後の前記座面と前記背もたれとの状態を保持する保持機構とを有し、前記画面調整機構は、軸を中心とした回動により前記表示部を前記座席から遠ざける方向または近づける方向に移動させる前後調整回動機構と、軸を中心とした回動により前記表示部の画面の傾斜度を調整する傾斜調整回動機構とを有すること、前記本体は、本体前部から本体後部へ向けて下方に傾斜した形状に構成されており、前記傾斜した部分から突出したテーブルが設けられたこと、によってそれぞれ一層効果的に達成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るゲーム筐体によれば、表示部を本体の前部側方に座席と対向させて配置させ、且つ座席の前方で且つ表示部の下方に空間を開けて支持する構成としているので、プレイヤが窮屈さを感じることが無くなり、また、プレイヤが足を伸ばして楽な姿勢をとることが可能となる。そのため、プレイヤがリラックスした状態で長時間プレイすることが可能となる。また、本体の高さと側面の幅の制限が緩和されるため、コンパクトなゲーム筐体を提供することが可能になると共に、本体のデザインの自由度が増し、様々な形状のゲーム筐体を提供することが可能となる。さらに、本体の側面(座席と反対側の側面)にメンテナンスドアを設ける構成とすることによって、プレイヤが座席に座ったままの状態でもメンテナンス作業が可能となる。そのため、プレイヤは、メダルの補充などの際にプレイを中断することがなくなり、リラックスした状態で継続してプレイすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明に係るゲーム筺体の外観構成の一例を示す図であり、図1Aは右斜め後方から見た斜視図、図1Bは左側面図、図1Cは平面図である。図2はゲーム筺体の本体内部の構造の一例を示す斜視図である。また、図3は、図1のゲーム筺体10の本体上部の構成を示す部分拡大図(ゲーム筺体10を斜め前方から見た斜視図)である。なお、本発明に係るゲーム筺体は、メダルそのものを利用して行うプッシャータイプのメダルゲーム装置だけでなく、投入したメダルをソフト的にカウントしてクレジットし、そのクレジットされたメダル枚数から希望するメダル枚数を決定してベットするタイプのメダルゲーム装置、例えばビンゴゲーム、スロット、競馬、ボーカーゲームなどのメダルゲーム装置の筐体として好適に適用することができる。
【0015】
先ず、図1〜図3を参照して本発明に係るゲーム筺体の主要部の構成を説明する。
【0016】
図1A〜図1Cに示すように、メダルゲーム装置の筐体部10(以下「ゲーム筐体」と言う)は、大別すると、本体11と、ゲームの画像を画面に表示する表示部12(タッチパネル等からなる操作部を有するモニタ)と、プレイヤが座る座席13とから構成される。本体11の正面側のパネルの上方(本体上面)には、図3に示すように、プレイヤが硬貨又はメダル(以下、メダルとする)を投入する投入口11aと、メダルを載置する載置部11bとが、プレイヤが座席13に座った状態で手が届く位置に並設して設けられている。載置部11bは、本例では投入口11aを形成する枠の下面と載置面とが連続的な面となるように、投入口11aに隣接して設けられている。そして、投入口11aは、複数のメダルを同時に投入可能な大きさ、例えば、投入口の幅がメダルの直径の2倍以上の大きさ、若しくは投入口の高さがメダルの厚みの2倍以上の高さ、又はその両方からなる形状で形成されている。そして、プレイヤがメダルを投入する際には、図3中の矢印Aで示すように、載置部11b上のメダル1を投入口11a側へ押し出すことで、複数のメダルを同時に投入できる構成としている。なお、投入口11aの形状は矩形に限るものではなく、複数のメダルを同時に投入可能な大きさを持つ形状であれば良い。すなわち、曲線で形成される形状、又は曲線と直線との組合せで形成される形状としても良い。また、載置部11bを設けずに投入口11a側へ直接する形態としても良い。
【0017】
本例では、本体11は、本体前部から本体後部へ向けて下方0に傾斜した形状に構成されており、傾斜した部分から突出したテーブル11cが設けられている。また、投入口11aとテーブル11cとの間の傾斜部には、メダルのベット操作や払出し操作等を行うための操作ボタン等から成る操作部11d(図1C参照)が設けられている。
【0018】
図2に示すように、本体11の内部には、プレイヤに払出すメダルを溜める貯蔵部11eと、貯蔵部11eのメダルを外部へ払い出す払出装置11fなどが設けられている。また、本体11の内部には、投入口11aからメダルが投入されたことを検出する検出手段11hが設けられており、検出手段11hからの検出信号に基づいてゲームが開始又は進行するゲームの画像が画面12aに表示されるようになっている。ゲーム筐体に搭載された各装置を制御する制御手段(ゲームボード)は、本体11の内部に設置されている。
【0019】
本体11の側面(座席と反対側の側面)には、貯蔵部11e及び払出装置11fのメンテナンス用に、本体内部を露出させるメンテナンスドア11g(図1Cを参照)が設けられている。図1Cに示されるメンテナンスドア11g、及び本体11背面に設けられているメンテナンスドアは、それぞれ回動軸によって回動可能に支持されており、各メンテナンスドアを開けると、図4に示すように本体11の内部が露出される。図4では、ゲーム筐体10に設けられている各メンテナンスドアを取外した状態の開口部を示しており、本体11の側面の開口部側(メンテナンスドア11g側)には、貯蔵部11eと払出装置11f等が配置されている。このように、座席と反対側の側面にメンテナンスドア11gを設けることによって、プレイヤが座席に座ったままの状態でもメンテナンス作業、例えばホッパ(払出装置11f)にメダルが詰まったときの修復作業や、払出用メダルの貯蔵部11e内への補充作業などが可能となる。なお、背面の開口部側に置かれている箱状の容器は、店舗側で回収するメダルが収容される容器である。
【0020】
次に、ゲーム筐体の本体、表示部及び座席の配置構成とそれらの連結形態について、図1及び図2を参照して説明する。
【0021】
本体11は、座席13を本体後部の側方に固定する固定部材11A(図2を参照)と、図1Cに示すように、表示部12を本体前部の側方で支持し、且つ表示部の画面12aが座席13に対向する位置に支持すると共に、固定部材11Aに固定される座席13の前方且つ表示部12の下方に空間を設けて支持する支持部材11B(図2を参照)とを有する。このような固定部材11Aと支持部材Bをゲーム筐体の本体11に備えて、座席13を本体11の後部側方に配置させると共に、表示部12を本体11の前部側方に座席13と対向させて配置させ、且つ座席13の前方で且つ表示部12の下方に空間を開けて支持する構造とすることによって、プレイヤが窮屈さを感じることが無くなり、また、プレイヤが足を伸ばして楽な姿勢をとることが可能となる。そのため、プレイヤがリラックスした状態で長時間プレイすることが可能となる。また、従来のゲーム筐体においては、本体上部に表示部やメダル投入口等を配置した構造としており、本体の高さが制限されていたが、本発明に係るゲーム筐体は、本体の側方で表示部を支持する構造としているため、本体の高さが制限されない。また、本体の側面の幅もプレイヤ側まで広げることができる。そのため、コンパクトなゲーム筐体を提供することが可能になると共に、本体のデザインの自由度が増し、様々な形状のゲーム筐体を提供することが可能となる。
【0022】
次に、ゲーム筺体の表示部12の調整機構について図5を参照して説明する。
【0023】
表示部12は、画面の向き及び位置を調整する画面調整機構12bが設けられている。画面調整機構12bは、図5に示すように、表示部12を支持するアームの軸P1,P2を中心とした回動により、表示部12を座席から遠ざける方向(図5中のR1方向)または近づける方向(図5中のR2方向)に移動させる前後調整回動機構b1と、軸P3を中心とした回動(図5中のR3方向)により、表示部の画面の傾斜度を調整する傾斜調整回動機構b2とを備えている。図5の例では、前後調整回動機構b1は、平行四辺形状のリンク機構を有する第1,第2のアームb11,b12等から構成され、傾斜調整回動機構b2は、前後調整回動機構b1の第2のアームb12に軸P3を介して回動自在に連結される連結部材b21等から構成される。
【0024】
上述のような表示部の調整機構を備えることにより、身長や体型等に関係なく誰もが適切な視線方向や距離でゲーム画面を見ることが可能となる。なお、付加的な機構として、プレイヤの視線に対して左右の方向にスライドさせる左右調整機構、及び上下の方向にスライドさせる上下調整機構の両方又はいずれかの調整機構を設けるようにしても良い。
【0025】
次に、ゲーム筺体の座席13の調整機構について、図1B、図1C、及び図2を参照して説明する。
【0026】
座席13は、プレイヤの尻部を支える座面13a(図1C参照)と、その座面13aに対して角度をなして設けられてプレイヤの背中を支える背もたれ13b(図1B参照)と、座席調整機構13cとを備えている。座席調整機構13cは、座面13aと背もたれ13bのなす角度を調整する機構であり、例えば、図1B中の軸Pを中心に背もたれ13bを回動させる回動機構C1(図1B中の回動軸P,連結部材等)と、ガイドに沿って座面を前後方向にスライドさせるスライド機構C2(図2中のスライド式の支持部材11B等)と、回動機構C1による背もたれ13bの回動に連動して、スライド機構C2によって座面をスライドさせるリンク機構C3(本例では、図2中の支持部材11Bとその下方の基台とを連結するダンパー)と、調整後の座面と背もたれとの状態を保持する保持機構C4(図1B中の背もたれの傾斜角度の保持用レバーc4)とを備えている。なお、本実施の形態では、座席の座面13aを前後方向にスライドさせた際に、座席13に座ったプレイヤの視点と表示部の画面12aとの距離が略一定となるように、スライド機構によって座面13aを前方(表示部の画面側)にスライドさせると、座面13aと背もたれ13bのなす角度が大きくなり、後方にスライドさせるとその角度が小さくなるように、スライド方向と背もたれの傾斜角度とが連動するように構成されている。
【0027】
上述のような座席の調整機構を備えることにより、プレイヤの好みに合わせて背もたれの傾斜角度や座面の位置が調整可能となるので、プレイヤの好みに関係なく、誰もがリラックスした姿勢でプレイすることが可能になる。また、表示部12に操作部(本実施の形態ではタッチパネル)が設けられているので、プレイヤが座席13の調整や表示部12の調整を行う際に、操作部の操作性を維持することができる。
【0028】
次に、本発明に係るゲーム筺体をサテライト筐体として適用したゲーム装置について説明する。本発明に係るゲーム筺体は、プレイヤが単独でプレイするメダルゲーム装置の筐体として適用することができるが、特に、長時間プレイすることが多いサテライト型のゲーム装置のサテライト筐体として好適に適用することができる。なお、メダルを用いないゲーム装置の筐体としても適用可能である。
【0029】
図6は、サテライト型のゲーム装置の構成の一例を模式図で示している。上述したゲーム筺体は、プレイヤがそれぞれ使用する個々のサテライト装置の筐体として使用される。ゲーム装置20は、ゲーム全体を制御するメイン装置21と、複数のサテライト装置22とから構成されている。メイン装置21は複数のサテライト装置22に対向して配置され、メイン装置21とサテライト装置22と間で相互に情報通信が可能に構成されている。本発明に係るゲーム筺体10は、図8に示した従来のサテライト装置5の筐体として好適に適用することができる。また、従来のサテライト装置5のように、筺体同志を連結する必要はなく、例えば図6中の最後列両端のサテライト装置22のように、ゲーム筺体10をそれぞれ任意の位置及び向きに配置することができるため、様々な配置形態を採ることができる。
【0030】
ところで、メイン装置に設けられている従来の巨大なディスプレイは、図8に示したように、平面の巨大な画面のため、サテライト装置5の位置によって、画面に対するプレイヤの視線方向、画面とプレイヤの視点との間の距離が大きく異なってくる。特に、画面の両端部は非常に見づらく、せっかくの迫力ある画面をプレイヤが満喫できないことになる。また、長時間見ていると眼が疲れてしまうことになる。
【0031】
そこで、本発明に係るメダルゲーム装置は、メイン装置に設けられている大型画面部(巨大画面部)の表示面を多面体構成とし、水平方向に並列された複数の表示面を変形可能な構成としている。図6の例は、巨大画面部を3分割した例であり、メイン装置21の大型画面の中央部の分割画面D2の両端側の分割画面D1,D3がそれぞれ独立に、図6中の矢印R1,R2の方向に回動自在に軸支されている。
【0032】
上記のような大型画面部を有するメイン装置の構成について図7を参照して説明する。図7は、分割画面D1の部分の回動機構の構造を模式的に示す平面図であり、点線で示す分割画面D1は変形前の状態、実線で示す分割画面D1は変形後の状態を示している。
【0033】
図6のメイン装置21は、複数の画面(本例では3つの分割画面D1〜D3)が連続的に並べて構成されている。そしてメイン装置21は、構成要素として、図7に示すように、各画面にゲーム画像を表示する表示部21aと、隣り合う画面の境目付近に設けられた回転軸21bと、回転軸21Bを中心に、隣り合う画面の境目位置Pnを維持しつつサテライト装置に向かって回動可能に案内するガイド21cと、ガイド21cに沿って回動した後の画面位置を固定する固定手段21dとを備えている。
【0034】
このような構成において、分割画面部A(i)を有する表示部21aの筐体を手動によって回動させると、所定の角度(例えば0〜8度)の範囲内で該当の分割画面A(i)を隣り合う分割画面(A(i+1)又はA(i−1)の境目位置Pnを維持しながら、分割画面部A(i)をサテライト装置22側に傾斜させることができる。
【0035】
なお、上述した実施の形態においては、投入口を通過したメダルを検出する検出手段は、図2中の検出手段11h(例えば、投入口11aの幅及びメダルの径に応じた数の投受光素子を有するセンサユニット)を用いる場合を例として説明したが、メダルの真偽等を検出する電子セレクタ(例えば、メダルの直径,厚さ,穴の有無,材質等を検出するためのセンサと、センサの検出信号に基づいてメダルの真偽や種類を識別する識別回路等で構成される電子セレクタ)でも良い。
[本発明に係るゲーム筺体を備えたメダルゲーム装置の要旨]
請求項1乃至5のずれかに記載のゲーム筺体を備えていることを特徴とするメダルゲーム装置。
【0036】
前記メダルゲーム装置は、前記ゲーム筺体を用いた複数のサテライト装置に対向させてメイン装置を配置し、前記メイン装置と前記サテライト装置の相互間で情報通信可能に構成されたメダルゲーム装置であって、
前記メイン装置は、複数の画面を連続的に並べて構成され、前記画面にゲーム画像を表示する表示部と、隣り合う画面の境目付近に設けられた回転軸と、前記回転軸を中心に、隣り合う画面の境目位置を維持しつつ前記サテライト装置に向かって回動可能に案内するガイドと、前記ガイドに沿って回動した後の画面位置を固定する固定手段とを備えたことを特徴とする請求項6に記載のメダルゲーム装置。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1A】本発明に係るゲーム筺体の外観構成の一例を示す斜視図である。
【図1B】本発明に係るゲーム筺体の外観構成の一例を示す左側面図である。
【図1C】本発明に係るゲーム筺体の外観構成の一例を示す平面図である。
【図2】本発明に係るゲーム筺体の本体内部の構造の一例を示す斜視図である。
【図3】図1のゲーム筺体の本体上部の構成を示す部分拡大図である。
【図4】図1のゲーム筺体のメンテナンスドアを説明するための部分拡大図である。
【図5】本発明に係るゲーム筺体の表示部12の調整機構を説明するための側面図である。
【図6】本発明に係るサテライト型のゲーム装置の構成の一例を示す模式図である。
【図7】図6のゲーム装置の分割画面部の回動機構の構造例を示す平面図である。
【図8】従来のメダルゲーム装置の外観構成の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
9 メダル
10 ゲーム筐体
11 本体
11a 投入口
11b 載置部
11c テーブル
11d 操作部
11e 貯蔵部
11f 払出装置
11g メンテナンスドア
11h 検出手段
11A 固定部材
11B 支持部材
12 表示部
12a 画面
12b 画面調整機構
13 座席
13a 座面
13b 背もたれ
13c 座席調整機構
20 ゲーム装置
21 メイン装置
21a 表示部
21b 回転軸
21c ガイド
21d 固定手段
22 サテライト装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤが硬貨又はメダルを投入する投入口と、前記投入口から硬貨又はメダルが投入されたことを検出する検出手段を有する本体と、前記検出手段からの検出信号に基づいて開始又は進行するゲームの画像を画面に表示する表示部と、前記プレイヤが座る座席とを有するゲーム筺体であって、
前記本体は、前記座席を前記本体後部の側方に固定する固定部材と、前記表示部を、前記本体前部の側方の位置であって且つ前記表示部の画面が前記座席に対向する位置に支持すると共に、前記固定部材に固定される前記座席の前方の位置であって且つ前記表示部の下方に空間を設けて支持する支持部材とを有することを特徴とするゲーム筺体。
【請求項2】
前記本体は、メダルを溜める貯蔵部と該貯蔵部のメダルを外部へ払い出す払出装置とを内部に備え、前記座席と反対側の側面に、前記貯蔵部及び前記払出装置のメンテナンス用に前記本体内部を露出させるメンテナンスドアを有することを特徴とする請求項1に記載のゲーム筺体。
【請求項3】
前記座席は、前記プレイヤの尻部を支える座面と、前記座面に対して角度をなして設けられ、前記プレイヤの背中を支える背もたれと、前記座面と前記背もたれのなす角度を調整する座席調整機構と、を有し、
前記表示部は、前記表示部の画面の向き及び位置を調整する画面調整機構が設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載のゲーム筺体。
【請求項4】
前記座席調整機構は、軸を中心に前記背もたれを回動させる回動機構と、ガイドに沿って前記座面を前後方向にスライドさせるスライド機構と、前記回動機構による前記背もたれの回動に連動して、前記スライド機構によって前記座面をスライドさせるリンク機構と、調整後の前記座面と前記背もたれとの状態を保持する保持機構とを有し、
前記画面調整機構は、軸を中心とした回動により前記表示部を前記座席から遠ざける方向または近づける方向に移動させる前後調整回動機構と、軸を中心とした回動により前記表示部の画面の傾斜度を調整する傾斜調整回動機構とを有することを特徴とする請求項3に記載のゲーム筺体。
【請求項5】
前記本体は、本体前部から本体後部へ向けて下方に傾斜した形状に構成されており、前記傾斜した部分から突出したテーブルが設けられたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のゲーム筺体。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−223589(P2006−223589A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−41210(P2005−41210)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】