説明

ゲーム装置、その制御方法、ならびに、プログラム

【課題】プレイヤーが過去に経験したゲームの状況に応じて、ゲームの進行を適切に調整するゲーム装置等を提供する。
【解決手段】ゲーム装置201において、状態記憶部202には、現在のゲーム状態が記憶される。履歴記憶部203には、過去のゲーム状態と、その際にプレイヤーが与えた指示入力と、の対が記憶される。次計算部205は、プレイヤーからの指示入力と現在のゲーム状態と、から、次のゲーム状態を計算する。係数計算部206は、現在のゲーム状態ならびに受け付けられた指示入力と、過去のゲーム状態ならびにその際にプレイヤーが与えた指示入力と、が、類似するか否かにより、促成係数を1より大きい値もしくは1に設定する。更新部207は、現在のゲーム状態に含まれる所定のパラメータについては、次のゲーム状態と現在のゲーム状態との差分に促成係数を乗じた値を加算して、ゲーム状態を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤーが過去に経験したゲームの状況に応じて、ゲームの進行を適切に調整するのに好適なゲーム装置、その制御方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プレイヤーの指示入力に応じてゲーム状態を更新することにより、ゲームを進行させるゲーム装置が提案されている。たとえば、特許文献1には、攻撃の態様によってパラメータ値が変動するゲームを実現する技術が開示されている。
【0003】
このようなゲームにおいて、プレイヤーが過去に経験した場面に類似する場面に遭遇することがある。たとえば、RPG(Roll Playing Game)等では、キャラクターの経験値パラメータ、攻撃パラメータ、防御パラメータ、体力パラメータを増やすために、比較的弱い敵キャラクターを探して戦闘を繰り返すようなプレイスタイルは良く見られるものである。
【0004】
また、エンディングが複数あるようなゲームにおいて、一つのエンディングに到達した後に、別のエンディングを見るために、新たに最初から、あるいは、途中のセーブした時点から、ゲームをやり直すこともある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−350746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記のようなやり直しは、単純な作業の繰り返しとなってしまい、プレイヤーの興味を低下させることもある。このため、できるだけ、プレイヤーが過去に経験した状況と類似する状況に陥った場合に、単純作業を繰り返しているとプレイヤーに感じさせないようにゲームを進行させる技術が求められている。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、プレイヤーが過去に経験したゲームの状況に応じて、ゲームの進行を適切に調整するのに好適なゲーム装置、その制御方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0009】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、状態記憶部、履歴記憶部、受付部、次計算部、係数計算部、更新部を備え、以下のように構成することができる。
【0010】
ここで、状態記憶部には、現在のゲーム状態が記憶される。なお、ゲーム状態は、パラメータにより表現され、パラメータには、促成可能パラメータが含まれる。また、通常パラメータも含まれるように構成するのが一般的である。
【0011】
ここで、促成可能パラメータとしては、典型的には、プレイヤーが操作するキャラクターの経験値パラメータ、攻撃パラメータ、防御パラメータ、体力パラメータなど、プレイヤーが敵キャラクターと遭遇する等のイベントが生じることによって更新されるパラメータを採用するのが一般的である。また、ゲーム内の仮想的な経過時間を促成可能パラメータとして扱うこともできる。
【0012】
一方、通常パラメータとしては、プレイヤーが操作するキャラクターの位置、当該キャラクターが配置されているマップ、敵キャラクターの位置などは、通常パラメータとして扱うのが一般的である。
【0013】
すなわち、促成可能パラメータとは、プレイヤーとしての経験が多ければ多いほど増加すると想定されるパラメータであり、通常パラメータとは、プレイヤーとしての経験の多寡にかかわらないと想定されるパラメータである。
【0014】
一方、履歴記憶部には、プレイヤーが過去に遭遇した過去のゲーム状態と、当該過去のゲーム状態において当該プレイヤーが与えた指示入力と、の対が記憶される。
【0015】
履歴記憶部にゲーム状態として記憶されるのは、過去にプレイヤーが遭遇した経過を再現できるようなすべての状態ではなく、ある意味で代表的なゲーム状態のみとするのが一般的である。
【0016】
さらに、受付部は、プレイヤーからの指示入力を受け付ける。
【0017】
プレイヤーからの指示入力としては、たとえば、マップ内のキャラクターの移動コマンドや、敵キャラクターと遭遇した場合の攻撃コマンド、防御コマンド等が含まれる。
【0018】
さらに、次計算部は、受け付けられた指示入力と、現在のゲーム状態と、から、次のゲーム状態を計算する。
【0019】
すなわち、従来のゲームと同様に、プレイヤーの指示入力に基づいて、現在のゲーム状態から、次のゲーム状態が生成される。ここで、従来のゲームにおいては、次のゲーム状態によって現在のゲーム状態が単純に上書きされることによって、ゲームが進行する。
【0020】
また、係数計算部は、現在のゲーム状態と、受け付けられた指示入力と、過去のゲーム状態ならびに当該過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力と、から、促成係数を計算する。
【0021】
ここで、係数計算部は、過去のゲーム状態の中に、現在のゲーム状態に類似するゲーム状態があり、受け付けられた指示入力と当該類似する過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力とが一致する場合、当該促成係数を1より大きい値とし、過去のゲーム状態の中に、現在のゲーム状態に類似するゲーム状態がないか、当該受け付けられた指示入力と当該類似する過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力とが一致しない場合、当該促成係数を1とする。
【0022】
したがって、プレイヤーが過去に類似する状況を経験したことがあり、同じ指示入力を与えた場合には、促成係数は1より大きくなり、初めて経験する状況や異なる指示入力を与えた場合には、促成係数は1となる。
【0023】
なお、ゲーム状態の類似の判断には種々の基準を採用することができる。たとえばRPGの場合には、戦闘に陥った敵キャラクターと遭遇したマップ、ならびに、当該敵キャラクターの種類と数が一致する場合に、類似する、と判定するのが最も単純である。
【0024】
そして、更新部は、過去のゲーム状態の中に、現在のゲーム状態に類似するゲーム状態がないか、当該受け付けられた指示入力と当該類似する過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力とが一致しない場合、履歴記憶部に当該現在のゲーム状態と当該受け付けられた指示入力との対を追加して更新する。
【0025】
すなわち、現在の状況が、プレイヤーが初めて経験するゲーム状態である場合や、プレイヤーが以前とは異なり指示入力を与えた場合には、そのゲーム状態と指示操作との組み合わせを、履歴記憶部に追加する。
【0026】
さらに、更新部は、現在のゲーム状態に含まれる促成可能パラメータのそれぞれについて、当該促成可能パラメータの当該現在のゲーム状態における値と当該促成可能パラメータの当該次のゲーム状態における値との差に促成係数を乗じた値を、当該促成可能パラメータに加算することにより、状態記憶部を更新する。
【0027】
したがって、類似する状況を過去に経験している場合は、プレイヤーが初めて経験する場合よりも、体力パラメータ等、促成可能パラメータの変動が大きくなり、ゲーム状態の変化が激しくなる。
【0028】
このため、従来であれば、プレイヤーに単純作業の繰り返しを強いてしまっていた状況であっても、本発明では、プレイヤーが行わなければならない繰り返しの回数を減らすことができる。
【0029】
また、以前とは異なる行動をとった場合には、促成可能パラメータは、通常通りに更新されることになる。
【0030】
したがって、本発明によれば、プレイヤーが過去に経験したゲームの状況に応じて、ゲームの進行を適切に調整することにより、単純作業を繰り返しているとプレイヤーにできるだけ感じさせないようにすることができる。
【0031】
また、本発明のゲーム装置において、更新部は、現在のゲーム状態に含まれる通常パラメータのそれぞれについて、当該通常パラメータを当該次のゲーム状態における値に設定するように構成することができる。
【0032】
上記のように、「促成状態」にある場合であっても、通常の状態と同様の変化率により変化する通常パラメータを用意することにより、促成可能パラメータの更新との変化率に差を設ける。そして、変化率の異なる2種類のパラメータを用意することで、促成可能パラメータの「促成」の度合が強調されるのである。
【0033】
本発明によれば、ゲーム装置は、プレイヤーに対して、現在が「促成状態」にあることをより一層強く印象付けることができるようになり、プレイヤーに倦怠感ができるだけ生じないようにすることができる。
【0034】
また、本発明のゲーム装置は、以下のように構成することができる。
【0035】
すなわち、履歴記憶部には、当該対に対応付けられる経験回数が記憶される。
【0036】
この経験回数は、プレイヤーが類似する状況に陥った相回数を表すものである。
【0037】
したがって、更新部は、現在のゲーム状態に類似するゲーム状態が、履歴記憶部に記憶されている場合、当該類似する過去のゲーム状態に対応付けられる経験回数を1増やすことにより、履歴記憶部を更新する。
【0038】
一方、係数計算部は、状態記憶部に記憶されるゲーム状態に類似するゲーム状態が、履歴記憶部に記憶されている場合、当該類似する過去のゲーム状態に対応付けられる経験回数が多ければ多いほど、促成係数を大きくする。
【0039】
最も単純には、促成係数を経験回数に比例するものとしたり、経験回数に応じて階段状に促成係数が増加していくものとしたり、指数的に増加してくものとしたりすることができる。したがって、経験回数が多ければ多いほど、促成可能パラメータの変化がそれだけ大きくなる。
【0040】
本発明によれば、プレイヤーが過去に経験したゲームの状況の回数に応じて、ゲームの進行を適切に調整することができるようになる。
【0041】
また、本発明のゲーム装置において、促成可能パラメータは、当該プレイヤーが操作するキャラクターの体力パラメータ、ならびに、当該ゲーム内において経過する仮想的な時間パラメータを含み、ゲーム状態は、当該プレイヤーが操作するキャラクターの位置パラメータを含み、時間パラメータが所定の条件を満たすと、ゲームにおいて、プレイヤーに当該所定の条件に対応付けられる所定のイベントが提供されるように構成することができる。
【0042】
本発明においては、プレイヤーが以前と類似した状況に陥ると、ゲーム内時間もそれに応じて早送りに提供される。したがって、プレイヤーが過去に遭遇したイベントが、以前よりも短い間隔で提示されるようになると期待される。
【0043】
本発明によれば、ゲーム装置は、プレイヤーに提供するイベントの間隔を適切に調整することができるようになる。
【0044】
本発明のその他の観点に係る制御方法は、促成可能パラメータを含むパラメータによりゲーム状態が表現されるゲーム装置が実行し、以下のように構成する。
【0045】
すなわち、当該ゲーム装置は、状態記憶部、履歴記憶部、受付部、次計算部、係数計算部、更新部を有する。
【0046】
ここで、状態記憶部には、現在のゲーム状態が記憶される。
【0047】
一方、履歴記憶部には、プレイヤーが過去に遭遇した過去のゲーム状態と、当該過去のゲーム状態において当該プレイヤーが与えた指示入力と、の対が記憶される。
【0048】
そして、制御方法は、受付工程、次計算工程、係数計算工程、更新工程を備える。
【0049】
ここで、受付工程では、受付部が、プレイヤーからの指示入力を受け付ける。
【0050】
一方、次計算工程では、次計算部が、受け付けられた指示入力と、現在のゲーム状態と、から、次のゲーム状態を計算する。
【0051】
さらに、係数計算工程では、係数計算部が、現在のゲーム状態と、受け付けられた指示入力と、過去のゲーム状態ならびに当該過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力と、から、促成係数を計算する。
【0052】
ここで、係数計算工程では、係数計算部が、過去のゲーム状態の中に、現在のゲーム状態に類似するゲーム状態があり、受け付けられた指示入力と当該類似する過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力とが一致する場合、当該促成係数を1より大きい値とし、過去のゲーム状態の中に、現在のゲーム状態に類似するゲーム状態がないか、当該受け付けられた指示入力と当該類似する過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力とが一致しない場合、当該促成係数を1とする。
【0053】
そして、更新工程では、過去のゲーム状態の中に、現在のゲーム状態に類似するゲーム状態がないか、当該受け付けられた指示入力と当該類似する過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力とが一致しない場合、更新部が、履歴記憶部に当該現在のゲーム状態と当該受け付けられた指示入力との対を追加して更新し、更新部が、現在のゲーム状態に含まれるパラメータのそれぞれについて、
(a)当該パラメータが促成可能パラメータである場合、当該パラメータの当該現在のゲーム状態における値と当該パラメータの当該次のゲーム状態における値との差に促成係数を乗じた値を、当該パラメータに加算し、
(b)当該パラメータが通常パラメータである場合、当該パラメータを当該次のゲーム状態における値に設定する
ことにより、状態記憶部を更新する。
【0054】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを、上記のゲーム装置の各部として機能させるように構成する。
【0055】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体に記録することができる。
【0056】
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記憶媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0057】
本発明によれば、プレイヤーが過去に経験したゲームの状況に応じて、ゲームの進行を適切に調整するのに好適なゲーム装置、その制御方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】本実施形態に係るゲーム装置の概要構成を示す説明図である。
【図3】本実施形態に係るゲーム装置により実行される制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図4A】促成係数と経験回数の関係を示すグラフである。
【図4B】促成係数と経験回数の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。
【0060】
したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【実施例1】
【0061】
(情報処理装置)
図1は、プログラムを実行することにより、本実施形態のゲーム装置として機能しうる典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0062】
本図に示す情報処理装置101は、携帯可能なマルチメディア端末であり、CPU(Central Processing Unit)102、RAM(Random Access Memory)103、ROM(Read Only Memory)104、入力装置105、画像処理部106、液晶ディスプレイ107、音声処理部108、ヘッドホン109、カセットリーダ110、ROMカセット111、外部メモリ112、RTC(Real Time Clock)113、無線LAN(Local Area Network)インターフェース114、カメラ115を備える。
【0063】
本実施形態に係るプログラムが記録されたROMカセット111を、情報処理装置101のカセットリーダ110に装着することによって、本実施形態に係るゲーム装置が実現される。
【0064】
ここで、CPU 102は、情報処理装置101の各部を制御するとともに、各種の演算処理や判断処理を行う。
【0065】
情報処理装置101に電源が投入されると、CPU 102は、ROM 104に記録されたIPL(Initial Program Loader)を実行し、その処理の過程で、カセットリーダ110を介して接続されたROMカセット111に記録されたプログラムに処理を移行する。
【0066】
情報処理装置101で実行されるゲームプログラムやマルチメディア情報再生プログラムは、ROMカセット111によって提供されるのが一般的であるが、ROM 104内にあらかじめ用意しておくことも可能である。
【0067】
また、ROM 104内には、BIOS(Basic Input Output System)と呼ばれるプログラム群が用意されており、入力装置105や画像処理部106、音声処理部108の制御を行うことができる。
【0068】
RAM 103は、一時的な情報を記憶するための領域であり、外部メモリ112は、不揮発な情報を記憶するための領域である。外部メモリ112としては、ハードディスクなど、主として情報処理装置101に内蔵されるもののほか、各種のメモリカードなど、情報処理装置101に抜挿されるものを利用しても良い。
【0069】
入力装置105は、各種のボタンやキーボード、マウス、ジョイスティック等により実現されるのが一般的であるが、液晶ディスプレイ107と一体に形成されたタッチスクリーンを入力装置105として利用することも可能である。
【0070】
画像処理部106は、CPU 102の制御の下、各種の文字情報や画像情報を液晶ディスプレイ107に表示させるものであり、一般には、垂直同期割込周期(典型的には、30分の1秒や60分の1秒程度である。)ごとに、RAM 103内に用意されたフレームバッファに記憶された画素情報を液晶ディスプレイ107の各画素に反映させる。
【0071】
ユーザからの指示入力は、液晶ディスプレイ107に表示されたカーソルを入力装置105の移動ボタン操作により移動して、所望のメニュー項目にカーソルを合わせ、決定ボタン操作によって当該メニュー項目を選択するのが一般的であるが、タッチスクリーンを利用する場合にはカーソルは不要である。また、入力装置105の各ボタンに割り当てられる機能があらかじめ決まっている場合には、液晶ディスプレイ107に対する表示は、必ずしも必要ない。
【0072】
音声処理部108は、RAM 103やROM 104、ROMカセット111、外部メモリ112に用意された音声データをヘッドホン109に出力する。音声データとしては、音声の波形データをディジタル化したPCM(Pulse Code Modulation)データや、PCMデータを圧縮してサイズを小さくしたMP3(MPeg audio layer-3)データ等を利用することが可能であるほか、MIDI(Music Instruction Data Interface)データのように、音高、音長、音量、音色の種類を定義するデータを用意し、これにしたがって、あらかじめ用意された音源波形データを適宜選択・変形して再生する手法を採用しても良い。
【0073】
RTC 113は、現在の日時を計測するもので、情報処理装置101を初めて利用する際に時刻合わせを行うのが一般的であるが、無線LANインターフェース114を介してNTP(Network Time Protocol)サーバに接続することで、自動的に時刻合わせを行うような態様を採用することも可能である。
【0074】
また、アラーム割込を発生させる機能を持つRTC 113もある。設定された時刻になるとアラーム割込が発生して、CPU 102は、現在実行中のプログラムを一時中断し、あらかじめ設定された割込ハンドラを実行してから、中断したプログラムを再開する。
【0075】
無線LANインターフェース114は、自宅や会社、街角に用意された無線LANアクセスポイントを介してインターネットに接続したり、近傍に配置された他の情報処理装置101と、アドホックに通信路を確立し、1対1で通信を行うなどが可能である。
【0076】
カメラ115は、情報処理装置101によってディジタルカメラの機能を実現するものであり、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子などの技術を適用することが可能である。撮影された画像は、一時的にRAM 103に展開された後、外部メモリ112等に保存される。
【0077】
このほか、ビジネス用コンピュータ、携帯電話、PDA(Personal Data Assistant)、携帯ゲーム装置、多機能テレビジョン装置、DVD(Digital Versatile Disc)プレイヤー、携帯音楽プレイヤーなどを、本発明のゲーム装置が実現される情報処理装置として採用することもできる。
【0078】
(ゲーム装置)
上記の情報処理装置101において、ROMカセット111からRAM 103へ読み出したプログラムをCPU 102が実行することによって、本実施形態に係るゲーム装置が実現される。
【0079】
図2は、本実施形態に係るゲーム装置の概要構成を示す説明図である。以下、本図を参照して、まず、ゲーム装置の概要と、当該ゲーム装置の各部が情報処理装置101のいずれによって実現されるかについて、簡単に説明する。
【0080】
本実施形態に係るゲーム装置201は、状態記憶部202、履歴記憶部203、受付部204、次計算部205、係数計算部206、更新部207を備える。
【0081】
ここで、状態記憶部202には、現在のゲーム状態が記憶される。典型的には、状態記憶部202は、RAM 103等、アクセスが高速な記憶装置によって実現される。
【0082】
さらに、受付部204は、プレイヤーからの指示入力を受け付ける。典型的には、入力装置105が、受付部204として機能する。
【0083】
そして、次計算部205は、受け付けられた指示入力と、現在のゲーム状態と、から、次のゲーム状態を計算する。
【0084】
本実施形態のゲーム装置201を含め、一般的なゲーム装置におけるゲームの進行は、状態遷移機械における状態遷移に相当すると考えることができる。すなわち、指示入力と現在のゲーム状態に基づいて、遷移先のゲーム状態が定められ、当該遷移先のゲーム状態に状態遷移することによって、ゲームが進行する。
【0085】
本実施形態では、次計算部205は、従来のゲーム装置と同様に、現在のゲーム状態と、プレイヤーの指示入力と、に基づいて、ゲーム進行の遷移先に相当する「次のゲーム状態」が計算される。
【0086】
なお、「次のゲーム状態」を決める際には、「現在のゲーム状態」よりも以前のゲーム状態を直接参照する必要はない。このため、従来のゲーム装置においては、状態記憶部202に相当する領域に「現在のゲーム状態」のみが記憶管理され、「次のゲーム状態」に遷移する際には、状態記憶部202に相当する領域に、「次のゲーム状態」を単純に上書きすることにより、ゲーム状態を直ちに更新することとしている。
【0087】
一方、本実施形態では、履歴記憶部203に、プレイヤーが過去に遭遇した過去のゲーム状態と、当該過去のゲーム状態において当該プレイヤーが与えた指示入力と、の対が記憶される。典型的には、履歴記憶部203は、外部メモリ112やハードディスクなど、不揮発な記憶装置によって実現される。
【0088】
また、本実施形態では、過去のゲーム状態と、その際のプレイヤーの指示入力と、の対が、経験回数に対応付けて、外部メモリ112に履歴として記憶される態様を採用する。
【0089】
さらに、本実施形態では、係数計算部206が、現在のゲーム状態と、受け付けられた指示入力と、過去のゲーム状態ならびに当該過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力と、から、促成係数を計算する。典型的には、係数計算部206は、CPU 102が、RAM 103や外部メモリ112等と共働して実現される。
【0090】
ここで、過去のゲーム状態の中に、現在のゲーム状態に類似するゲーム状態があり、受け付けられた指示入力と当該類似する過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力とが一致する場合、当該促成係数は1より大きい値とされる。
【0091】
一方、過去のゲーム状態の中に、現在のゲーム状態に類似するゲーム状態がないか、当該受け付けられた指示入力と当該類似する過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力とが一致しない場合、当該促成係数は1とされる。
【0092】
そして、本実施形態では、更新部207が、過去のゲーム状態の中に、現在のゲーム状態に類似するゲーム状態がないか、当該受け付けられた指示入力と当該類似する過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力とが一致しない場合、履歴記憶部203に当該現在のゲーム状態と当該受け付けられた指示入力との対を追加して更新する。
【0093】
さらに、更新部207は、現在のゲーム状態に含まれるパラメータのそれぞれについて、
(a)当該パラメータが促成可能パラメータである場合、当該パラメータの当該現在のゲーム状態における値と当該パラメータの当該次のゲーム状態における値との差に促成係数を乗じた値を、当該パラメータに加算し、
(b)当該パラメータが通常パラメータである場合、当該パラメータを当該次のゲーム状態における値に設定する
ことにより、状態記憶部202を更新する。
【0094】
したがって、更新部207は、CPU 102が、RAM 103や外部メモリ112等と共働して実現される。
【0095】
このように、促成係数によってパラメータの更新差分量が修正される点に、従来のゲーム装置とは異なる本実施形態の特徴がある。
【0096】
以下では、本実施形態に係るゲーム装置201の詳細、ならびに、当該ゲーム装置201が実行する制御処理を、情報処理装置101の各部が実行する際の詳細について、説明する。
【0097】
図3は、本実施形態に係るゲーム装置201により実行される制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照して説明する。
【0098】
本処理が開始されると、CPU 101は、各種の初期化を行う(ステップS301)。たとえば、プレイヤーによるプレイの対象となる現在のゲーム状態をゲーム開始時点の状態に初期化したり、プレイヤーの指示等に基づいて、外部メモリ112にセーブされたゲーム状態をロードしたりする処理が含まれる。また、RAM 103内には、促成係数を記憶するための変数領域も確保される。
【0099】
ここで、本実施形態に係るゲーム状態は、促成可能パラメータと、通常パラメータと、により表現される。
【0100】
促成可能パラメータとしては、典型的には、プレイヤーが操作するキャラクターの経験値パラメータ、攻撃パラメータ、防御パラメータ、体力パラメータなど、プレイヤーが敵キャラクターと遭遇する等のイベントが生じることによって更新されるパラメータを採用する。
【0101】
一方、通常パラメータとしては、プレイヤーが操作するキャラクターの位置、当該キャラクターが配置されているマップ、敵キャラクターの位置などは、通常パラメータとして扱うのが一般的である。
【0102】
すなわち、促成可能パラメータとは、プレイヤーとしての経験が多ければ多いほど増加すると想定されるパラメータであり、通常パラメータとは、プレイヤーとしての経験の多寡にかかわらないと想定されるパラメータである。
【0103】
ついで、CPU 101は、現在のゲーム状態に基づいて、プレイヤーに提示すべきゲーム画像をRAM 103内に生成し(ステップS302)、垂直同期割込が生じるまで待機する(ステップS303)。この待機中には、その他の処理をコルーチン的に実行することも可能である。
【0104】
垂直同期割込が生じたら、CPU 101は、画像処理部106を制御して、RAM 103内のゲーム画像を液晶ディスプレイ107に表示させる(ステップS304)。
【0105】
ついで、CPU 101は、入力装置105の状態を調べて、プレイヤーからの指示入力が受け付けられたか否かを調べる(ステップS305)。ここで、プレイヤーからの指示入力には、マップ内のキャラクターの移動コマンドや、敵キャラクターと遭遇した場合の攻撃コマンド、防御コマンド等が含まれる。
【0106】
さて、指示入力が受け付けられていない場合(ステップS305;No)現在のゲーム状態と、ゲームを開始してからの経過時間と、に基づいて、次のゲーム状態を計算する(ステップS306)。
【0107】
そして、計算された次のゲーム状態によって、RAM 103内に記憶される現在のゲーム状態を更新し(ステップS307)、ステップS302に戻る。
【0108】
一方、指示入力が受け付けられている場合(ステップS305;Yes)、当該指示入力の種類と、現在のゲーム状態と、ゲームを開始してからの経過時間と、に基づいて、次のゲーム状態を計算する(ステップS308)。
【0109】
上記のように、ステップS301〜ステップS308の処理は、従来のゲーム装置における制御と実質的に同じである。
【0110】
さらに、CPU 101は、外部メモリ112等に履歴として記憶されている過去のゲーム状態とその際の指示入力の対に、以下の条件(a)(b)をいずれも満たすものがあるか調べる(ステップS309)。
(a)当該対の過去のゲーム状態と、RAM 103内の現在のゲーム状態と、が類似していること。
(b)当該対の指示入力と、ステップS305において受け付けられた指示入力と、が一致していること。
【0111】
ここで、ゲーム状態の類似の判断には種々の基準を採用することができる。たとえばRPGの場合、現在キャラクターがいるマップ、ならびに、戦闘を開始しようとする敵キャラクターの種類と数が一致する場合に、類似する、と判定するのが最も単純である。その他の態様については、後述する。
【0112】
さて、条件を満たす対が見つかった場合(ステップS309;Yes)、CPU 102は、当該対に対する経験回数等を参照して、促成係数に1より大きい値を設定し(ステップS310)、外部メモリ112において、当該対に対する経験回数を1だけ増やして(ステップS311)、ステップS321に進む。
【0113】
促成係数に設定される値の具体的な決め方であるが、経験回数が大きければ大きいほど、促成係数も大きくするのが一般的である。本実施形態における促成係数の決め方の種々の態様については、後述する。
【0114】
一方、条件を満たす対が見つからなかった場合(ステップS309;No)、CPU 102は、促成係数に1を設定する(ステップS315)。
【0115】
そして、RAM 103に記憶される現在のゲーム状態と、ステップS305において受け付けられた指示入力との対に、経験回数として1を対応付けて、外部メモリ112に履歴として追加記憶してから(ステップS316)、ステップS321に進む。
【0116】
さて、促成係数が設定されたら、CPU 102は、RAM 103内に記憶される現在のゲーム状態の各パラメータについて、以下の処理を繰り返す(ステップS321)。
【0117】
すなわち、当該パラメータが、促成可能パラメータである場合(ステップS322;Yes)、CPU 102は、当該パラメータについて、ステップS308により計算された次のゲーム状態における当該パラメータの値から、RAM 103内に記憶されている現在のゲーム状態における当該パラメータの値を減算して、差分を求める(ステップS323)。
【0118】
そして、CPU 102は、求められた差分と促成係数との積を、RAM 103内に記憶されている現在のゲーム状態における当該パラメータに加算して(ステップS324)、ステップS326に進む。
【0119】
一方、当該パラメータが促成可能パラメータでない場合(ステップS322;No)、すなわち、通常パラメータである場合、CPU 102は、RAM 103内に記憶されている現在のゲーム状態における当該パラメータを、ステップS308により計算された次のゲーム状態における当該パラメータの値に設定する(ステップS325)。
【0120】
ステップS321以降の処理を繰り返すと(ステップS326)、通常パラメータは、従来のゲーム装置と同様に更新されることとなるが、プレイヤーが類似する状況で同じ操作を行うと、促成可能パラメータは、以前よりも激しく変化することになる。
【0121】
たとえば、同じ攻撃を行った場合であっても、攻撃力が促成係数によって増加するため、敵キャラクターが受けるダメージは大きくなる。また、戦闘結果が同じであっても、経験値が促成係数によって増加するため、経験値パラメータや体力パラメータがそれだけ早く増加していくことになる。
【0122】
このため、同じゲーム状況下でプレイヤーが同じ操作をした場合には、通常よりも早くゲームが進行することになる。本実施形態では、各作業におけるパラメータの変化量を増大させることによって、退屈な繰り返し作業を間引きすることとしているのである。
【0123】
全パラメータについての更新(ステップS321〜ステップS326)が終了したら、CPU 102は、制御をステップS302に戻す。
【0124】
このように、本実施形態によれば、プレイヤーが過去に経験したゲームの状況に応じて、ゲームの進行を適切に調整することにより、単純作業を繰り返しているとプレイヤーにできるだけ感じさせないようにすることができる。
【0125】
(ゲーム状態の類否判断)
上記の説明では、現在キャラクターがいるマップ、ならびに、戦闘を開始しようとする敵キャラクターの種類と数が一致するか否かによりゲーム状態の類否を判定していた。この基準を採用すれば、特にRPGの場合に、簡易に類否判断ができる。
【0126】
このほかの類否判断の基準としては、以下のようなものが考えられる。
【0127】
第1の手法は、全キャラクターのゲーム世界における配置が類似しているか否かを考えるものである。
【0128】
たとえば、各キャラクターの位置が2次元で表現され、全キャラクターの数がNである場合、全キャラクターの位置は2×N次元ベクトルで表現できる。
【0129】
そこで、現在のゲーム状態における上記の2×N次元ベクトルと、過去のゲーム状態における上記の2×N次元ベクトルと、の、なす角度が所定の閾角度未満であり、かつ、両ベクトルの長さの差が所定の閾長未満である場合に、ゲーム状態が類似する、と判定するものである。
【0130】
この手法は、ゲームに登場するキャラクターの数が一定である場合等に好適である。
【0131】
第2の手法は、第1の手法とマップの種類を組み合わせるものであり、各マップにおいて登場する敵キャラクターの数が一定である態様において採用することができる。
【0132】
すなわち、2つのゲーム状態において、プレイヤーが操作するキャラクターが配置されるマップが一致し、かつ、当該マップ内における各キャラクターの配置が、上記のベクトルを用いた類否判断で類似する、と判定される場合に、ゲーム状態が類似する、と判断するものである。
【0133】
このほか、上記の態様では、指示入力1つずつが一致するか否かによって類否を定めていたが、指示入力の所定個数の列が一致するか否かによって類否を定めることとしても良い。
【0134】
(促成係数の決定手法)
上記のように、促成係数に設定される値の具体的な決め方であるが、経験回数が大きければ大きいほど、促成係数も大きくするのが一般的である。
【0135】
ただし、経験回数を利用しない態様、すなわち、外部メモリ112に経験回数を保存しないような態様においては、過去と類似する状況で同じ指示入力を行った場合の促成係数として、所定の定数(典型的には2や3、4等。)を採用することとしても良い。
【0136】
さて、図4A、図4Bは、促成係数と経験回数の関係を示すグラフである。以下、本図を参照して説明する。
【0137】
図4Aは、促成係数を経験回数に比例するものとする例を示すグラフである。促成可能パラメータの変化量が経験回数に比例するため、類似する状況下で同じ指示入力を繰り返すと、促成可能パラメータは、繰り返し回数の羃乗で変化することになる。
【0138】
図4Bは、経験回数に応じて階段状に促成係数が増加していくものとする例である。本図に示す例では、促成係数がある上限に達すると、それ以上は増加しなくなることとしている。本態様では、促成可能パラメータの変化量がゲーム進行の上で非現実的な値となるような事態を防止することが可能となる。
【0139】
(イベントの提示)
上記実施形態では、キャラクターの体力パラメータ等を促成可能パラメータとして採用しており、類似するゲーム状態で同じ指示入力をした場合に、促成可能パラメータが成長する度合を大きくすることで、ゲームの進行を促進することとしていた。
【0140】
しかしながら、ゲーム内の仮想的な経過時間をそのまま促成可能パラメータとして扱うこともできる。
【0141】
この態様では、類似するゲーム状態で同じ指示入力をすると、それに応じて、ゲーム内の仮想的な経過時間がより早く進むことになる。
【0142】
一般に、ゲーム内の仮想的な経過時間は、プレイヤーに提示されるイベント動画を再生するか否かの判断基準となることが多い。
【0143】
このような態様では、各イベント動画には、そのイベント動画が再生されるためのキャラクターのパラメータ条件(経験値パラメータの下限や、現在キャラクターがいるマップ等の条件が考えられる。)と、そのイベント動画が再生されるべき経過時間と、の条件が割り当てられている。
【0144】
そこで、本実施形態では、ステップS302〜ステップS304の処理において、各イベント動画が、再生されるべき条件を満たしているか否かを判定し、条件を満たしている動画を再生することとする。
【0145】
このように構成すると、プレイヤーが前回のプレイにおいて遭遇したイベントは、今回のプレイにおいては、以前よりも短い時間間隔で提示されるようになる。このため、プレイヤーの既視感や退屈度を減殺することができ、プレイヤーは、スピーディに再プレイを楽しむことができるようになる。
【実施例2】
【0146】
上記の実施形態においては、ゲーム状態の類否ならびに指示入力の一致に基づいて促成係数を定めている。しかしながら、ゲーム状態の類否判断の結果を単純に利用して、さらにゲームの進行を早めることも可能である。
【0147】
この場合は、現在のゲーム状態と類似する過去のゲーム状態の経験回数の総和に応じて、各種のパラメータを変更する。
【0148】
たとえば、当該総和が大きければ大きいほど、キャラクターの移動速度、すなわち、一回の移動指示によって移動できる距離を大きくする。この手法では、過去に経験したものと類似するゲーム状態ではキャラクターが高速に移動できるようになるため、プレイヤーは、既視感のあるゲーム状態から高速に離脱することができるようになる。
【0149】
また、当該総和が大きければ大きいほど、敵キャラクターの出現率を低下させる手法もありうる。上記のように、促成係数を採用する状況では、促成可能パラメータが急激に変化する。そこで、敵キャラクターの出現率を減らすことで、この度合を緩和するのである。
【産業上の利用可能性】
【0150】
以上説明したように、本発明によれば、プレイヤーが過去に経験したゲームの状況に応じて、ゲームの進行を適切に調整するのに好適なゲーム装置、その制御方法、ならびに、これらをコンピュータにて実現するプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0151】
101 情報処理装置
102 CPU
103 RAM
104 ROM
105 入力装置
106 画像処理部
107 液晶ディスプレイ
108 音声処理部
109 ヘッドホン
110 カセットリーダ
111 ROMカセット
112 外部メモリ
113 RTC
114 無線LANインターフェース
115 カメラ
201 ゲーム装置
202 状態記憶部
203 履歴記憶部
204 受付部
205 次計算部
206 係数計算部
207 更新部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
促成可能パラメータを含むパラメータによりゲーム状態が表現されるゲーム装置であって、
現在のゲーム状態が記憶される状態記憶部、
プレイヤーが過去に遭遇した過去のゲーム状態と、当該過去のゲーム状態において当該プレイヤーが与えた指示入力と、の対が記憶される履歴記憶部、
前記プレイヤーからの指示入力を受け付ける受付部、
前記受け付けられた指示入力と、前記現在のゲーム状態と、から、次のゲーム状態を計算する次計算部、
前記現在のゲーム状態ならびに前記受け付けられた指示入力と、前記過去のゲーム状態ならびに当該過去のゲーム状態において前記プレイヤーが与えた指示入力と、から、促成係数を計算する係数計算部、
前記過去のゲーム状態の中に、前記現在のゲーム状態に類似するゲーム状態がないか、当該受け付けられた指示入力と当該類似する過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力とが一致しない場合、前記履歴記憶部に当該現在のゲーム状態と当該受け付けられた指示入力との対を追加して更新し、さらに、前記現在のゲーム状態に含まれる促成可能パラメータのそれぞれについて、当該促成可能パラメータの当該現在のゲーム状態における値と当該促成可能パラメータの当該次のゲーム状態における値との差に前記促成係数を乗じた値を、当該促成可能パラメータに加算することにより、前記状態記憶部を更新する更新部
を備え、
前記係数計算部は、前記過去のゲーム状態の中に、前記現在のゲーム状態に類似するゲーム状態があり、前記受け付けられた指示入力と当該類似する過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力とが一致する場合、当該促成係数を1より大きい値とし、前記過去のゲーム状態の中に、前記現在のゲーム状態に類似するゲーム状態がないか、当該受け付けられた指示入力と当該類似する過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力とが一致しない場合、当該促成係数を1とする
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記パラメータには、通常パラメータが含まれ、
前記更新部は、前記現在のゲーム状態に含まれる通常パラメータのそれぞれについて、当該通常パラメータを当該次のゲーム状態における値に設定する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のゲーム装置であって、
前記履歴記憶部には、当該対に対応付けられる経験回数が記憶され、
前記更新部は、前記過去のゲーム状態の中に、前記現在のゲーム状態に類似するゲーム状態があり、前記受け付けられた指示入力と当該類似する過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力とが一致する場合、当該類似する過去のゲーム状態に対応付けられる経験回数を1増やすことにより、前記履歴記憶部を更新し、
前記係数計算部は、前記過去のゲーム状態の中に、前記現在のゲーム状態に類似するゲーム状態があり、前記受け付けられた指示入力と当該類似する過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力とが一致する場合、当該類似する過去のゲーム状態に対応付けられる経験回数が多ければ多いほど、前記促成係数を大きくする
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記促成可能パラメータは、当該プレイヤーが操作するキャラクターの体力パラメータ、ならびに、当該ゲーム内において経過する仮想的な時間パラメータを含み、前記ゲーム状態は、当該プレイヤーが操作するキャラクターの位置パラメータを含み、
前記時間パラメータが所定の条件を満たすと、前記ゲームにおいて、前記プレイヤーに当該所定の条件に対応付けられる所定のイベントが提供される
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
促成可能パラメータを含むパラメータによりゲーム状態が表現されるゲーム装置が実行する制御方法であって、
当該ゲーム装置は、状態記憶部、履歴記憶部、受付部、次計算部、係数計算部、更新部を有し、
前記状態記憶部には、現在のゲーム状態が記憶され、
前記履歴記憶部には、プレイヤーが過去に遭遇した過去のゲーム状態と、当該過去のゲーム状態において当該プレイヤーが与えた指示入力と、の対が記憶され、
前記制御方法は、
前記受付部が、前記プレイヤーからの指示入力を受け付ける受付工程、
前記次計算部が、前記受け付けられた指示入力と、前記現在のゲーム状態と、から、次のゲーム状態を計算する次計算工程、
前記係数計算部が、前記現在のゲーム状態ならびに前記受け付けられた指示入力と、前記過去のゲーム状態ならびに当該過去のゲーム状態において前記プレイヤーが与えた指示入力と、から、促成係数を計算する係数計算工程、
前記過去のゲーム状態の中に、前記現在のゲーム状態に類似するゲーム状態がないか、当該受け付けられた指示入力と当該類似する過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力とが一致しない場合、前記更新部が、前記履歴記憶部に当該現在のゲーム状態と当該受け付けられた指示入力との対を追加して更新し、さらに、前記更新部が、前記現在のゲーム状態に含まれる促成可能パラメータのそれぞれについて、当該促成可能パラメータの当該現在のゲーム状態における値と当該促成可能パラメータの当該次のゲーム状態における値との差に前記促成係数を乗じた値を、当該促成可能パラメータに加算することにより、前記状態記憶部を更新する更新工程
を備え、
前記係数計算工程では、前記過去のゲーム状態の中に、前記現在のゲーム状態に類似するゲーム状態があり、前記受け付けられた指示入力と当該類似する過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力とが一致する場合、当該促成係数を1より大きい値とし、前記過去のゲーム状態の中に、前記現在のゲーム状態に類似するゲーム状態がないか、当該受け付けられた指示入力と当該類似する過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力とが一致しない場合、当該促成係数を1とする
ことを特徴とする制御方法。
【請求項6】
コンピュータを、促成可能パラメータを含むパラメータによりゲーム状態が表現されるゲーム装置として機能させるプログラムであって、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
現在のゲーム状態が記憶される状態記憶部、
プレイヤーが過去に遭遇した過去のゲーム状態と、当該過去のゲーム状態において当該プレイヤーが与えた指示入力と、の対が記憶される履歴記憶部、
前記プレイヤーからの指示入力を受け付ける受付部、
前記受け付けられた指示入力と、前記現在のゲーム状態と、から、次のゲーム状態を計算する次計算部、
前記現在のゲーム状態ならびに前記受け付けられた指示入力と、前記過去のゲーム状態ならびに当該過去のゲーム状態において前記プレイヤーが与えた指示入力と、から、促成係数を計算する係数計算部、
前記過去のゲーム状態の中に、前記現在のゲーム状態に類似するゲーム状態がないか、当該受け付けられた指示入力と当該類似する過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力とが一致しない場合、前記履歴記憶部に当該現在のゲーム状態と当該受け付けられた指示入力との対を追加して更新し、さらに、前記現在のゲーム状態に含まれる促成可能パラメータのそれぞれについて、当該促成可能パラメータの当該現在のゲーム状態における値と当該促成可能パラメータの当該次のゲーム状態における値との差に前記促成係数を乗じた値を、当該促成可能パラメータに加算することにより、前記状態記憶部を更新する更新部
として機能させ、
前記係数計算部は、前記過去のゲーム状態の中に、前記現在のゲーム状態に類似するゲーム状態があり、前記受け付けられた指示入力と当該類似する過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力とが一致する場合、当該促成係数を1より大きい値とし、前記過去のゲーム状態の中に、前記現在のゲーム状態に類似するゲーム状態がないか、当該受け付けられた指示入力と当該類似する過去のゲーム状態においてプレイヤーが与えた指示入力とが一致しない場合、当該促成係数を1とする
ように機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate


【公開番号】特開2011−224184(P2011−224184A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97588(P2010−97588)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】