説明

ゲーム装置、ゲームシステム、ゲーム制御方法、ならびに、プログラム

【課題】複数のプレイヤが並行してゲームを行うことが可能なゲーム装置において、他のプレイヤのプレイ状況を視認しやすくするのに好適なゲーム装置等を提供する。
【解決手段】ゲーム装置は、複数のプレイヤが並行してゲームを行うことが可能なゲーム装置であって、以下のように構成する。表示部は、複数のプレイヤのそれぞれに対して、照準と複数の標的とを、当該複数のプレイヤが操作を行うべきタイミングで照準と標的とが重なるように、画面に表示する。受付部は、複数のプレイヤのそれぞれから操作を受け付ける。算出部は、複数のプレイヤのそれぞれについて、操作が受け付けられたタイミングと、照準と標的とが重なるタイミングとの差から、成績を算出する。制御部は、複数のプレイヤのそれぞれについて算出された成績に基づいて、照準と標的とが重なるタイミングをずらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のプレイヤが並行してゲームを行うことが可能なゲーム装置において、他のプレイヤのプレイ状況を視認しやすくするのに好適なゲーム装置、ゲームシステム、ゲーム制御方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤが体を動かしてプレイするゲームが遊技場等で広く普及している。例えば、特許文献1には、ステップを踏むタイミング等をガイドし、プレイヤが音楽に合わせて踏み台を踏むことで、ダンス感覚を体感できるダンスゲーム装置が開示されている。また、近年では、このようなゲームを複数のプレイヤが同時に並行してプレイを行い、得点を競うゲームが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3003851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように複数のプレイヤが同時にゲームを行う場合、プレイヤは、対戦相手のプレイ状況を確認したいことがある。しかし、対戦相手の状況を見ようとすると、自分のプレイのタイミングを見逃してしまうので、実際に相手のプレイの状況を確認することは難しい。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、複数のプレイヤが並行してゲームを行うことが可能なゲーム装置において、他のプレイヤのプレイ状況を視認しやすくするのに好適なゲーム装置、ゲームシステム、ゲーム制御方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、複数のプレイヤが並行してゲームを行うことが可能なゲーム装置であって、表示部と、受付部と、算出部と、制御部と、を備え、以下のように構成する。
【0007】
ここで、当該ゲーム装置で実行されるゲームは、例えば、画面内を移動するオブジェクトが示す方向に従って、ステップを踏むダンスゲームであるとする。ダンスゲームでは、プレイヤは、オブジェクトが画面内の判定位置に重なった時に、オブジェクトが示す方向にステップを踏むことが求められる。プレイヤは、ステップが成功したと判断されると点が得られる。以下では、複数のプレイヤ(例えば、プレイヤ1、2)がそれぞれが並行してプレイを行い、得点を競う。
【0008】
表示部は、複数のプレイヤのそれぞれに対して、照準と複数の標的とを、当該複数のプレイヤが操作を行うべきタイミングで照準と標的とが重なるように、画面に表示する。
【0009】
ダンスゲームにおいて、複数の標的とは、方向を示すオブジェクトである。また、照準とは、画面内の判定位置である。表示部は、プレイヤ1、2のそれぞれに対して、音楽に合わせた適当なタイミングで、オブジェクトを判定位置に重なるように表示する。
【0010】
受付部は、複数のプレイヤのそれぞれから操作を受け付ける。
【0011】
例えば、受付部は、プレイヤが踏むステップを入力として受け付ける複数のコントローラを有する。複数のコントローラはプレイヤ毎に設けられ、プレイヤ1、2はそれぞれコントローラに対してステップを踏む。
【0012】
算出部は、複数のプレイヤのそれぞれについて、操作が受け付けられたタイミングと、照準と標的とが重なるタイミングとの差から、成績を算出する。
【0013】
ダンスゲームの例では、操作が受付けられたタイミングとは、プレイヤがコントローラに対してステップを踏むタイミングであり、照準と標的とが重なるタイミングとは、ステップの方向を示すオブジェクトが判定位置に重なるタイミングである。以下、プレイヤがコントローラに対してステップを踏むタイミングを「操作タイミング」、ステップの方向を示すオブジェクトが判定位置に重なるタイミングを「重複タイミング」ということとする。算出部は、まず、操作タイミングと、重複タイミングと、の差(以下、「タイミング差」という)を求める。そして、算出部は、例えば、当該タイミング差に所定の値を乗じることにより、各プレイヤの成績を求める。例えば、プレイヤ1が踏んだステップのタイミング差が“0.5秒”、所定の値が“10”とすると、成績は“5(=0.5×10)”と求められる。
【0014】
制御部は、複数のプレイヤのそれぞれについて算出された成績に基づいて、照準と標的とが重なるタイミングをずらす。
【0015】
例えば、2人のプレイヤ1、2について成績が求められたとする。プレイヤ1の方がプレイヤ2よりも成績が高かった場合、プレイヤ2に対して提示される重複タイミングを、プレイヤ1に対して提示される重複タイミングよりも所定の時間(以下、「シフト時間」という)、例えば、“0.5秒”だけ遅らせる。
【0016】
本発明によれば、同時並行で行われるゲームプレイにおいて、操作すべきタイミングを、対戦相手の操作すべきタイミングよりずらすことにより、互いのプレイ状況を確認することができる。
【0017】
また、制御部は、ゲームの開始時において、複数のプレイヤが操作を行うべきタイミングが同じになるように制御し、複数のプレイヤのうち、より低い成績を収めたプレイヤに表示する照準と標的とが、より遅い時期に重なるようにタイミングをずらすようにしてもよい。
【0018】
例えば、ダンスゲームの開始時には、プレイヤ1に対して提示する重複タイミングと、プレイヤ2に対して提示する重複タイミングは同じである。そして、制御部は、プレイヤ同士の成績の差に応じて、シフト時間を決定する。例えば、プレイ開始後、プレイヤ1によるステップの成績が“10点”、プレイヤ2によるステップの成績が“5点”と求められたとする。制御部は、プレイヤ1とプレイヤ2の成績の差“5点”に所定の定数(例えば、“0.1”)を乗じた値“0.5”をシフト時間とする。制御部は、成績の低いプレイヤ2に対して提示する重複タイミングを、シフト時間“0.5秒”だけ遅らせる。
【0019】
本発明によれば、成績の差に応じて、操作すべきタイミングをずらす量を調節することができる。
【0020】
また、制御部は、照準と標的とが順次重なるようにタイミングを制御し、現在から直近に、照準といずれかの標的とが重なるべきタイミングと、当該タイミングの次に、照準といずれかの標的とが重なるべきタイミングとの間隔を求め、直近に照準といずれかの標的とが重なるタイミングを、間隔より小さい量だけずらすようにしてもよい。
【0021】
すなわち、重複タイミングは、時間経過に伴って順次、プレイヤ1、2に同じように提示される。例えば、直近の重複タイミングの時刻が“10時00分00秒”であり、次に提示される予定の重複タイミングの時刻が“10時00分02秒”であるとすると、制御部は、重複タイミングの間隔を“2秒”と求める。そして、制御部は、求めた間隔よりも短い時間、例えば、“1秒”をシフト時間として求める。したがって、制御部は、成績が低い方のプレイヤ2に提示する直近の重複すべきタイミングを、時刻“10時00分01秒”とする。
【0022】
本発明によれば、照準といずれかの標的とが重なるべきタイミングをずらす量に上限を設けることにより、相手のプレイ状況を確認でき、かつ、ほぼ同時並行でゲームをしていると思わせることができる。
【0023】
また、算出部は、受け付けられたタイミングと、照準と標的とが重なるタイミングとの差の平均値もしくは重み付き平均に基づいて、複数のプレイヤのそれぞれについて成績を算出するようにしてもよい。
【0024】
例えば、算出部は、プレイヤが行った複数のステップの操作タイミングと重複タイミングとの差(タイミング差)の平均値を求める。そして、算出部は、求められた平均値に所定の値を乗じることにより、各プレイヤの成績を求める。
【0025】
一般的に、ダンスゲームに関して熟練しているプレイヤほど、ゲーム全体を通して、タイミング差は小さいと考えられる。本発明では、タイミング差の平均もしくは重み付き平均に基づいて成績を求め、成績に応じてシフト時間を求めるので、本発明によれば、プレイヤの熟練度に応じて、照準と標的とが重なるタイミングをずらすことができる。これにより、ゲームに不慣れなプレイヤは、熟練したプレイヤのプレイを見てから自分のプレイをすることができ、ゲームに不慣れなプレイヤのゲームの上達を促すことができる。
【0026】
本発明の第2の観点に係るゲームシステムは、複数のゲーム装置を有するゲームシステムであって、当該複数のゲーム装置のそれぞれは、表示部と、受付部と、算出部と、通信部と、制御部と、を備え、以下のように構成する。なお、以下では、当該ゲームシステムが、ゲーム装置を2台有し、一方のゲーム装置(以下、「第1のゲーム装置」という)でプレイヤ1がプレイし、他方のゲーム装置(以下、「第2のゲーム装置」という)でプレイヤ2がプレイするものとする。
【0027】
表示部は、当該ゲーム装置に割り当てられるプレイヤに対して、照準と複数の標的とを、当該プレイヤが操作を行うべきタイミングで照準と標的とが重なるように、画面に表示する。
【0028】
ダンスゲームにおいて、複数の標的とは、方向を示すオブジェクトである。また、照準とは、画面内の判定位置である。第1のゲーム装置の表示部は、プレイヤ1に、第2のゲーム装置の表示部は、プレイヤ2に、それぞれ、音楽に合わせた適当なタイミングで、オブジェクトを判定位置に重なるように表示する。
【0029】
受付部は、プレイヤから操作を受け付ける。
【0030】
例えば、第1のゲーム装置及び第2のゲーム装置の受付部は、それぞれ、プレイヤが踏むステップを入力として受け付けるコントローラを有する。そして、プレイヤ1は、第1のゲーム装置の受付部が有するコントローラに対してステップを踏み、プレイヤ2は、第2のゲーム装置の受付部が有するコントローラに対してステップを踏む。
【0031】
算出部は、プレイヤについて、操作が受け付けられたタイミングと、照準と標的とが重なるタイミングとの差から、成績を算出する。
【0032】
ダンスゲームの例では、操作が受付けられたタイミングとは、プレイヤがコントローラに対してステップを踏むタイミング(操作タイミング)であり、照準と標的とが重なるタイミングとは、ステップの方向を示すオブジェクトが判定位置に重なるタイミング(重複タイミング)である。第1のゲーム装置の算出部は、プレイヤ1による操作タイミングと、重複タイミングとの差(タイミング差)を求める。そして、当該算出部は、例えば、当該タイミング差に所定の値を乗じることにより、プレイヤ1の成績を求める。同様に、第2のゲーム装置の算出部は、プレイヤ2による操作タイミングと重複タイミングとの差(タイミング差)を求め、当該タイミング差に所定の値を乗じることによりプレイヤ2の成績を求める。
【0033】
通信部は、算出された成績を複数のゲーム装置のうち他のゲーム装置に送信し、当該他のゲーム装置から他のプレイヤの成績を受信する。
【0034】
すなわち、第1のゲーム装置の通信部は、プレイヤ1の成績を第2のゲーム装置に送信し、第2のゲーム装置からプレイヤ2の成績を受信する。同様に、第2のゲーム装置の通信部は、プレイヤ2の成績を第1のゲーム装置に送信し、第1のゲーム装置からプレイヤ1の成績を受信する。
【0035】
制御部は、プレイヤの成績と他のプレイヤの成績とに基づいて、照準と標的とが重なるタイミングをずらす。
【0036】
すなわち、第1のゲーム装置の制御部は、プレイヤ1とプレイヤ2との成績に基づいて、第1のゲーム装置の表示部により表示される照準と標的との重複タイミングをずらし、第2のゲーム装置の制御部は、プレイヤ2とプレイヤ1との成績に基づいて、第2のゲーム装置の表示部により表示される照準と標的との重複タイミングをずらす。
【0037】
本発明によれば、プレイヤが異なるゲーム装置でプレイを行っていても、対戦相手の操作すべきタイミングよりずらすことにより、互いのプレイ状況を確認することができる。
【0038】
本発明の第3の観点に係るゲーム制御方法は、表示部と、受付部と、算出部と、制御部と、を備え、複数のプレイヤが並行してゲームを行うことが可能なゲーム装置が実行するゲーム制御方法であって、表示工程と、受付工程と、算出工程と、制御工程と、を備え、以下のように構成する。
【0039】
表示工程において、表示部が、複数のプレイヤのそれぞれに対して、照準と複数の標的とを、当該複数のプレイヤが操作を行うべきタイミングで照準と標的とが重なるように、画面に表示する。
受付工程において、受付部が、複数のプレイヤのそれぞれから操作を受け付ける。
算出工程において、算出部が、複数のプレイヤのそれぞれについて、操作が受け付けられたタイミングと、照準と標的とが重なるタイミングとの差から、成績を算出する。
制御工程において、制御部が、複数のプレイヤのそれぞれについて算出された成績に基づいて、照準と標的とが重なるタイミングをずらす。
【0040】
本発明の第4の観点に係るゲーム制御方法は、複数のゲーム装置を有するゲームシステムが実行するゲーム制御方法であって、当該複数のゲーム装置のそれぞれは、表示部と、受付部と、算出部と、通信部と、制御部と、を備え、当該ゲーム制御方法は、表示工程と、受付工程と、算出工程と、通信工程と、制御工程と、を備え、以下のように構成する。
【0041】
ゲーム装置のそれぞれは、
表示工程において、表示部が、当該ゲーム装置に割り当てられるプレイヤに対して、照準と複数の標的とを、当該プレイヤが操作を行うべきタイミングで照準と標的とが重なるように、画面に表示する。
受付工程において、受付部が、プレイヤから操作を受け付ける。
算出工程において、算出部が、プレイヤについて、操作が受け付けられたタイミングと、照準と標的とが重なるタイミングとの差から、成績を算出する。
通信工程において、通信部が、算出された成績を複数のゲーム装置のうち他のゲーム装置に送信し、当該他のゲーム装置から他のプレイヤの成績を受信する。
制御工程において、制御部が、プレイヤの成績と他のプレイヤの成績とに基づいて、照準と標的とが重なるタイミングをずらす。
【0042】
本発明の第5の観点に係るプログラムは、
複数のプレイヤが並行してゲームを行うことが可能なコンピュータを、
複数のプレイヤのそれぞれに対して、照準と複数の標的とを、当該複数のプレイヤが操作を行うべきタイミングで照準と標的とが重なるように、画面に表示する表示部、
複数のプレイヤのそれぞれから操作を受け付ける受付部、
複数のプレイヤのそれぞれについて、操作が受け付けられたタイミングと、照準と標的とが重なるタイミングとの差から、成績を算出する算出部、
複数のプレイヤのそれぞれについて算出された成績に基づいて、照準と標的とが重なるタイミングをずらす制御部、
として機能させることを特徴とする。
【0043】
本発明の第6の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
ゲームシステムが有する複数のゲーム装置のそれぞれとして機能させるプログラムであって、
当該プログラムは、
当該ゲーム装置に割り当てられるプレイヤに対して、照準と複数の標的とを、当該プレイヤが操作を行うべきタイミングで照準と標的とが重なるように、画面に表示する表示部、
プレイヤから操作を受け付ける受付部、
プレイヤについて、操作が受け付けられたタイミングと、照準と標的とが重なるタイミングとの差から、成績を算出する算出部、
算出された成績を複数のゲーム装置のうち他のゲーム装置に送信し、当該他のゲーム装置から他のプレイヤの成績を受信する通信部、
プレイヤの成績と他のプレイヤの成績とに基づいて、照準と標的とが重なるタイミングをずらす制御部、
として機能させることを特徴とする。
【0044】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。
【0045】
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、複数のプレイヤが並行してゲームを行うことが可能なゲーム装置において、他のプレイヤのプレイ状況を視認しやすくするのに好適なゲーム装置、ゲームシステム、ゲーム制御方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】ゲーム装置に接続可能なマット型コントローラの概要構成を示す模式図である。
【図3】ゲーム画像の一例を示す模式図である。
【図4】実施形態1に係るゲーム装置の概要構成を示す図である。
【図5】複数のプレイヤに提示される重複タイミングを説明するための図である。
【図6】タイミング差と成績との関係を説明するための図である。
【図7】成績の差とシフト時間との関係を説明するための図である。
【図8】複数のプレイヤに提示される重複タイミングを説明するための図である。
【図9】シフト時間の上限を説明するための図である。
【図10】実施形態1に係るゲーム装置の各部が行うゲーム制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】実施形態1に係るゲーム装置の制御部が行う重複タイミング制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】成績の差とシフト時間との関係を説明するための図である。
【図13】複数のプレイヤに提示される重複タイミングを説明するための図である。
【図14】実施形態2に係るゲーム装置の各部が行うゲーム制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】タイミング差の平均と成績との関係を説明するための図である。
【図16】実施形態3に係るゲーム装置の各部が行うゲーム制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】実施形態4に係るゲームシステムの概要構成を示す図である。
【図18】ゲーム画像の一例を示す模式図である。
【図19】ゲーム画像の一例を示す模式図である。
【図20】実施形態4に係るゲームシステムの各部が行うゲーム制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図21】ゲーム画像の他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明のゲーム装置は、複数のプレイヤが並行してゲームを行うことが可能なゲーム装置であり、プレイヤが互いのプレイ状況を確認できるように、ゲーム画像内のオブジェクトの動きを制御するものである。ゲーム画像内のオブジェクトの動きを制御する手法は複数あり、各手法を採用したゲーム装置を実施形態1乃至3として説明する。また、本発明のゲームシステムは、複数のゲーム装置を有し、当該複数のゲーム装置のそれぞれでプレイするプレイヤが互いのプレイ状況を確認することができるように、ゲーム画像内のオブジェクトの動きを制御するものである。ゲームシステムについては、実施形態4として説明する。
【0049】
実施形態1のゲーム装置は、プレイヤの成績の高低に応じてオブジェクトの動きを制御する手法を採用する。
実施形態2のゲーム装置は、プレイヤの成績の差に従ってオブジェクトの動きをずらす量を調節する手法を採用する。
実施形態3のゲーム装置は、プレイヤの熟練の度合いに応じてオブジェクトの動きを制御する手法を採用する。
実施形態4のゲームシステムは、複数のゲーム装置のそれぞれでプレイするプレイヤが互いのプレイ状況を確認することができるように、オブジェクトの動きを制御する手法を採用する。
【0050】
(情報処理装置の概要構成)
まず、これらの実施形態のゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置について説明する。なお、以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0051】
図1は、プログラムを実行することにより、本発明の実施形態に係るゲーム装置の機能を果たす典型的な情報処理装置100の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0052】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、画像処理部107と、DVD−ROM(Digital Versatile Disc ROM)ドライブ108と、NIC(Network Interface Card)109と、音声処理部110と、マット型コントローラ111と、を備える。
【0053】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され、制御信号やデータをやりとりする。また、CPU 101は、レジスタ(図示せず)という高速アクセスが可能な記憶域に対してALU(Arithmetic Logic Unit)(図示せず)を用いて加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。さらに、マルチメディア処理対応のための加減乗除等の飽和演算や、三角関数等、ベクトル演算などを高速に行えるように、CPU 101自身が構成されているものや、コプロセッサを備えて実現するものがある。
【0054】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記憶され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記憶されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記憶される。
【0055】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。また、CPU 101は、RAM 103に変数領域を設け、当該変数に格納された値に対して直接ALUを作用させて演算を行ったり、RAM 103に格納された値を一旦レジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結果をメモリに書き戻す、等の処理を行う。
【0056】
コントローラ105は、インターフェース104を介して接続される。コントローラ105は、プレイヤがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。
【0057】
外部メモリ106は、インターフェース104を介して着脱自在に接続される。外部メモリ106には、ゲーム等のプレイ状況(過去の成績等)を示すデータ、ゲームの進行状態を示すデータ、ネットワーク対戦の場合のチャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。プレイヤは、コントローラ105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記憶させることができる。
【0058】
画像処理部107は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部107が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部107が備えるフレームメモリ(図示せず)に記憶させる。フレームメモリに記憶された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部107に接続されるモニタへ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0059】
DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記憶される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ108は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0060】
また、画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
【0061】
また、仮想空間が3次元にて構成される場合には、当該3次元空間内に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想空間に配置されたポリゴンを所定の視線の方向へ俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0062】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報に従って、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画したりすることが可能である。
【0063】
NIC 109は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格に従うものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0064】
音声処理部110は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカから出力させる。
【0065】
DVD−ROMに記録された音声データがMIDI(Musical Instrument Digital Interface)データである場合には、音声処理部110は、これが有する音源データを参照して、MIDIデータをPCM(Pulse Code Modulation)データに変換する。また、ADPCM(Adaptive Differential PCM)形式やOgg Vorbis形式等の圧縮済音声データである場合には、これを展開してPCMデータに変換する。PCMデータは、そのサンプリング周波数に応じたタイミングでD/A(Digital/Analog)変換を行って、スピーカに出力することにより、音声出力が可能となる。
【0066】
マット型コントローラ111は、インターフェース104を介して接続される。本発明において、情報処理装置100に複数のマット型コントローラ111を接続することも可能である。マット型コントローラ111は、プレイヤがゲームプレイの際に行う操作入力を受け付ける。図2は、マット型コントローラ111の外観を示す説明図である。以下、本図を参照してマット型コントローラ111を説明する。
【0067】
図2は、床面に設置されたマット型コントローラ111を真上から眺めたときのマット型コントローラ111の概略図である。マット型コントローラ111の所定領域には、“左”を指示する入力をプレイヤから受け付けるボタン111L、“右”を指示する入力をプレイヤから受け付けるボタン111R、“上”を指示する入力をプレイヤから受け付けるボタン111U、“下”を指示する入力をプレイヤから受け付けるボタン111D、がそれぞれ配置されている。プレイヤは、ボタン111L、111R、111U、111Dを任意のタイミングで押圧することができる。CPU 101は、ボタン111L、111R、111U、111Dのそれぞれについて、ボタンが押圧されている状態であるか否かを判別する。
本実施形態では、マット型コントローラ111は4個のボタン111L、111R、111U、111Dを備えているが、ボタンの数は4個に限定されず、3個以下あるいは5個以上でもよい。
【0068】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0069】
以上で説明した情報処理装置100は、いわゆる「コンシューマ向けテレビゲーム装置」に相当するものであるが、仮想空間を表示するような画像処理を行うものであれば本発明を実現することができる。したがって、携帯電話、携帯ゲーム機器、カラオケ装置、一般的なビジネス用コンピュータなど、種々の計算機上で本発明を実現することが可能である。
【0070】
例えば、一般的なコンピュータは、上記情報処理装置100と同様に、CPU、RAM、ROM、DVD−ROMドライブ、及び、NICを備え、情報処理装置100よりも簡易な機能を備えた画像処理部を備え、外部記憶装置としてハードディスクを有する他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等が利用できるようになっている。また、コントローラ105ではなく、キーボードやマウスなどを入力装置として利用する。
【0071】
以下、上記情報処理装置100において実現される実施形態1乃至3に係るゲーム装置、及び実施形態4のゲームシステムの概要構成について、図1乃至21を参照して説明する。ゲーム用のプログラム及びデータが記憶されたDVD−ROMをDVD−ROMドライブ108に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、実施形態1乃至4に係るゲーム装置が以下に示すダンスゲームを実行する。
【0072】
(ゲームの概要)
まず、実施形態1乃至4に係るゲーム装置が実行するゲームについて説明する。図3は、当該ゲーム装置が実行するゲームの一例(ダンスゲーム)を示したものである。以下、2人のプレイヤ(プレイヤ1、2)が、1つの画面を見ながら同時にプレイするダンスゲームについて説明する。
【0073】
図3のダンスゲームのゲーム画像は、複数種類の目標オブジェクトMO1〜MO8が、演奏される楽曲のリズム等に同調して、移動レーンLa(オブジェクトの種類に応じたレーン)に沿って、下方から順次現れてそれぞれ上方まで移動し、消えて行く様子を示している。目標オブジェクトMO1〜MO8は、異なる向きの矢印シンボルを表している。右向きの矢印シンボルである目標オブジェクトMO1、MO5は、プレイヤに右方向にステップを踏むように指示するものである。同様に、下向きの矢印シンボルである目標オブジェクトMO2、MO6は後方に、上向きの矢印のシンボルである目標オブジェクトMO3、MO7は前方に、左向きの矢印シンボルである目標オブジェクトMO4、MO8は左方向に、ステップを踏むように指示するものである。なお、目標オブジェクトMO1〜MO4は、プレイヤ1に対するステップの指示を示すものであり、目標オブジェクトMO5〜MO8は、プレイヤ2に対するステップの指示を示すものである。これらの目標オブジェクトMO1〜MO8は、移動レーンLaの下端(起点)から出現して、移動レーンLaを上方向に移動し、移動レーンLaの上端(終点)にて消滅する。目標オブジェクトMO1〜MO8が移動レーンLaを移動する速度は同じであるとする。
【0074】
また、ダンスゲームのゲーム画像には、各目標オブジェクトMO1〜MO8と同じ形状の判定オブジェクトHO1〜HO8が所定の領域(判定エリアHA1、HA2)に固定されて表示される。判定オブジェクトHO1〜HO8は、その中心が1つの直線上(以下、「判定ラインHL」という)に並んでいる。各プレイヤは、目標オブジェクトMO1〜MO8が判定オブジェクトHO1〜HO8に完全に重なったタイミング、すなわち、目標オブジェクトMO1〜MO8の中心が判定ラインHLに重なったタイミングに、目標オブジェクトMO1〜MO8が示す方向にステップを踏むことが求められる。具体的には、目標オブジェクトMO1、MO5の中心が判定ラインHLに重なったタイミングで、ボタン111Rを押圧することが求められ、目標オブジェクトMO2、MO6の中心が判定ラインHLに重なったタイミングで、ボタン111Dを押圧することが求められ、目標オブジェクトMO3、MO7の中心が判定ラインHLに重なったタイミングで、ボタン111Uを押圧することが求められ、目標オブジェクトMO4、MO8の中心が判定ラインHLに重なったタイミングで、ボタン111Lを押圧することが求められる。
【0075】
したがって、プレイヤ1は、目標オブジェクトMO1〜MO4の中心が判定ラインHLに重なったタイミングで、目標オブジェクトMO1〜MO4に対応した動作(ボタン111L、111R、111U、111Dの押圧)が要求され、プレイヤ2は、目標オブジェクトMO5〜MO8の中心が判定ラインHLに重なったタイミングで、目標オブジェクトMO5〜MO8に対応した動作(ボタン111L、111R、111U、111Dの押圧)が要求される。以下、判定エリアHA1、2にて目標オブジェクトMO1〜MO8の中心が、判定オブジェクトHO1〜HO8の中央を横切る判定ラインHLに重なったタイミングを「重複タイミング」ということとする。
【0076】
プレイヤ1、2が、重複タイミングで、目標オブジェクトMO1〜MO8が示す方向にステップを踏む(ボタン111L、111R、111U、111Dを押圧する)と、得点が加算され、例えば、図3の“123400”、“67890”のように画面にそれぞれの得点が表示される。一方、重複タイミングで、プレイヤ1、2による入力が無かった場合や、目標オブジェクトMO1〜MO8が示す方向にステップが踏まれなかった場合、得点は得られず、又は得点が減算される。なお、ステップを踏むタイミングと重複タイミングとの誤差が小さいほど、高得点を得られるようにしてもよい。
【0077】
(実施形態1)
実施形態1のゲーム装置は、プレイヤの成績の高低に応じてオブジェクトの動きを制御する手法を採用する。
実施形態1のゲーム装置200は、図4に示すように、表示部201と、受付部202と、算出部203と、制御部204と、を備え、以下のように構成する。
【0078】
表示部201は、複数のプレイヤのそれぞれに対して、照準と複数の標的とを、当該複数のプレイヤが操作を行うべきタイミングで照準と標的とが重なるように、画面に表示する。例えば、図3のゲーム画像では、照準は判定ラインHLであり、標的は目標オブジェクトMO1〜MO8である。表示部201は、音楽に合わせた適当なタイミングで、判定ラインHLに目標オブジェクトMO1〜MO8の中心が重なるように画面に表示する。なお、ダンスゲーム開始時において、目標オブジェクトMO1が判定ラインHLに重なるタイミングと、目標オブジェクトMO5が判定ラインHLに重なるタイミングとは同じである。同様に、目標オブジェクトMO2〜MO4が判定ラインHLに重なるタイミングと、目標オブジェクトMO6〜8が判定ラインHLに重なるタイミングとは同じであるとする。
したがって、CPU 101及び画像処理部107が協働して、表示部201として機能する。
【0079】
受付部202は、複数のプレイヤのそれぞれから操作を受け付ける。例えば、受付部202は、複数のマット型コントローラ111を有し、プレイヤ1、2はそれぞれ、マット型コントローラ111に対してステップを踏む。
したがって、CPU 101及びマット型コントローラ111が協働して、受付部202として機能する。
【0080】
算出部203は、複数のプレイヤのそれぞれについて、操作が受け付けられたタイミングと、照準と標的とが重なるタイミングとの差から、成績を算出する。例えば、ダンスゲームにおいて、操作が受け付けられたタイミングとは、プレイヤがコントローラに対してステップを踏むタイミング(以下、「操作タイミング」という)である。算出部203は、当該操作タイミングと、重複タイミングとの時間差(以下、「タイミング差」という)を求め、当該タイミング差からプレイヤ1、2の成績を求める。
したがって、CPU 101が算出部203として機能する。
【0081】
ゲーム画像がプレイヤ1、2に提示され、各プレイヤがステップを踏んだ場合を図5に示す。ここで、重複タイミングから1秒後の目標オブジェクトMO4、MO8を目標オブジェクトMO4’、MO8’とする。また、受付部202がプレイヤよりステップを受け付けると、すなわち、マット型コントローラ111のいずれかのボタンが押圧されると、押圧されたボタン111L、111R、111U、111Dに対応する目標オブジェクトMO1〜8に斜線の模様が付されるとする。すなわち、図5は、プレイヤ1により、目標オブジェクトMO4の中心が判定ラインHLに重なったタイミングで、マット型コントローラ111のボタン111Lが押圧され、プレイヤ2により目標オブジェクトMO8の中心が判定ラインHLに重なったタイミングから1秒後に、マット型コントローラ111のボタン111Lが押圧されたことを示す。
したがって、プレイヤ1のステップにおけるタイミング差は“0秒”であり、プレイヤ2のステップにおけるタイミング差は“1秒”である。ここで、算出部203が、図6のグラフに従い、求めたタイミング差から各プレイヤのステップに対する成績を算出するものとする。この場合、プレイヤ1によるステップに対する成績は“10点”、プレイヤ2によるステップに対する成績は“5点”と求められる。
【0082】
制御部204は、複数のプレイヤのそれぞれの操作について算出された成績に基づいて、照準と標的とが重なるタイミングをずらす。本実施形態では、複数のプレイヤのうち、成績が低い方のプレイヤに提示される重複タイミングを所定時間(以下、「シフト時間」という)だけ、遅らせる。例えば、制御部204は、図7のグラフに従ってシフト時間を求めるとする。すなわち、本実施形態では、制御部204は、プレイヤ間の成績差の値に関わらず、一定の長さのシフト時間を求める。プレイヤ1によるステップに対する成績は“10点”、プレイヤ2によるステップに対する成績は“5点”と算出されたとすると、プレイヤ2の方が成績が低いので、プレイヤ2に提示される重複タイミングを、“0.5秒”遅らせる。例えば、図8に示すように、目標オブジェクトMO8の後、直近に判定ラインHLに重なる目標オブジェクトMO7の重複タイミングをずらす。これにより、プレイヤ2は、プレイヤ1が目標オブジェクトMO3に応じて行うステップを確認してから、自分のステップを踏むことができる。その後は、ステップを踏む度に当該ステップの成績に基づいて、次に、成績を算出する対象となる目標オブジェクトの重複タイミングをずらす。例えば、プレイヤ1が目標オブジェクトMO3に対してステップを踏み、プレイヤ2が目標オブジェクトMO7に対してステップを踏んだ後、それぞれの成績を算出して比較する。そして、もしプレイヤ1の成績の方が低かった場合、今度は、次に成績を算出する対象となる目標オブジェクトMO1の重複タイミングをシフト時間だけずらす。
したがって、CPU 101が制御部204として機能する。
【0083】
ここで、シフト時間には上限を設ける。シフト時間が長すぎると、プレイヤ同士が同時並行してゲームを行っている感覚がなくなってしまい、同時にゲームを行って対戦するという興趣性を失うことになってしまうからである。シフト時間の上限は以下のように設定する。
【0084】
まず、制御部204は、直近の重複タイミングと、次の重複タイミングとの間隔を求める。そして、制御部204は、当該間隔よりも小さい量をシフト時間とし、直近の重複タイミングをシフト時間だけ遅らせる。具体例を図9を用いて説明する。
直近の重複タイミングは、目標オブジェクトMO8の中心が判定ラインHLに重なる時であり、次の重複タイミングは、目標オブジェクトMO7の中心が判定ラインHLに重なる時である。それら重複タイミングの間隔は、目標オブジェクトMO7が距離301を移動するのに要する時間に等しい。したがって、目標オブジェクトMO5〜MO8が移動レーンLaを移動する速さは同じなので、直近に判定ラインHLに重なる目標オブジェクトMO8を距離301よりも短い距離302だけ、判定ラインHLからずらす。
【0085】
(ゲーム装置の動作)
以下、本実施形態のゲーム装置200の各部が行う動作について説明する。ゲーム装置200に電源が投入されると、CPU 101は、図10のフローチャートに示すゲーム制御処理を開始する。
【0086】
表示部201は、照準と標的とを、複数のプレイヤが操作を行うべきタイミングで、照準と標的とが重なるように、画面に表示する(ステップS101)。例えば、図3に示すダンスゲームにおいて、プレイヤ1、2がステップを踏むべきタイミングで、判定ラインHLと目標オブジェクトMO1〜MO8の中心が重なるように、当該判定ラインHLと目標オブジェクトMO1〜MO8を表示する。なお、ゲーム開始時において、プレイヤ1に対して提示される目標オブジェクトMO1〜MO4の中心が判定ラインHLに重なるタイミングと、プレイヤ2に対して提示される目標オブジェクトMO5〜MO8の中心が判定ラインHLに重なるタイミングとは、同じである。
【0087】
受付部202は、複数のプレイヤのそれぞれから操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS102)。受付部202が操作を受け付けたと判断した場合(ステップS102;Yes)、算出部203は、操作を受け付けたタイミングと、当該タイミングから直近に照準と標的とが重なるタイミングと、の差(タイミング差)を求める(ステップS103)。一方、受付部202が操作を受け付けたと判断しなかった場合(ステップS102;No)、ステップS101に戻り、表示部201は引き続き照準と標的とを表示する。
【0088】
例えば、受付部202は、プレイヤ1からステップの入力を受け付けたと判断した場合、算出部203は、ステップを受け付けた時刻(操作タイミング)と、当該時刻から直近に、目標オブジェクトMO1〜MO4が判定ラインHLに重なるもしくは重なった時刻(重複タイミング)とを求める。そして、算出部203は操作タイミングと重複タイミングとの差(タイミング差)を求める。例えば、プレイヤ1、2に対して提示される重複タイミングが10時00分00秒で同じであり、プレイヤ1の操作タイミングが10時00分00秒、プレイヤ2の操作タイミングが10時00分01秒であった場合、算出部203は、プレイヤ1によるステップのタイミング差を“0秒”、プレイヤ2によるステップのタイミング差を“1秒”と求める。一方、受付部202が、いずれのプレイヤよりも操作を受付けなかった場合は、表示部201は引き続き、プレイヤがステップを踏むべきタイミングで、判定ラインHLと目標オブジェクトMO1〜MO8が重なるように、当該判定ラインHLと目標オブジェクトMO1〜MO8を表示する。
【0089】
タイミング差が求められた後、次に、算出部203は当該タイミング差から各プレイヤの成績を算出する(ステップS104)。例えば、プレイヤ1によるステップのタイミング差が“0秒”、プレイヤ2によるステップのタイミング差が“1秒”と求められた場合、算出部203は、図6のグラフに従って、プレイヤ1によるステップの成績を“10点”、プレイヤ2によるステップの成績を“5点”と求める。なお、プレイヤ1、2が、重複タイミングにある目標オブジェクトMO1〜MO8が示す方向と異なる方向にステップを踏んだ場合、ステップの成績を“0点”と求めるようにしてもよい。
【0090】
算出部203が各プレイヤの成績を算出すると(ステップS104)、制御部204は、重複タイミング制御処理を開始する(ステップS105、図11)。
【0091】
まず、制御部204は、算出部203が算出した成績に基づいて、成績の低い方のプレイヤを特定する(ステップS501)。例えば、プレイヤ1の成績が“10点”、プレイヤ2の成績が“5点”であるとすると、制御部204は“プレイヤ2”を成績の低い方のプレイヤと特定する。
【0092】
次に、成績の低い方のプレイヤに提示されるオブジェクトで、当該成績を算出する対象となった目標オブジェクトの後、直近に重複タイミングとなる目標オブジェクトを特定する(ステップS502)。例えば、算出部203により求められたプレイヤ1、2の成績が図5の目標オブジェクトMO4、MO8に対するステップについての成績であるとする。この場合、制御部204は、目標オブジェクトMO4、MO8の後、直近に重複タイミングとなる目標オブジェクトで、算出部203により求められた成績が低かったプレイヤ2に提示される目標オブジェクトMO7を特定する。
【0093】
そして、制御部204は、特定されたオブジェクトの重複タイミングを、所定のシフト時間だけ遅らせる(ステップS503)。例えば、目標オブジェクトMO7が特定され、所定のシフト時間が“0.5秒”と設定されているとすると、制御部204は、目標オブジェクトMO7の重複タイミングを“0.5秒”だけ遅らせる。
【0094】
本実施形態によれば、同時並行で行われるゲームプレイにおいて、操作すべきタイミングを、対戦相手の操作すべきタイミングよりずらすことにより、互いのプレイ状況を確認することができる。
【0095】
(実施形態2)
実施形態2のゲーム装置は、プレイヤの成績の差に従ってオブジェクトの動きをずらす量を調節する手法を採用する。
実施形態2のゲーム装置200は、図4に示すように、表示部201と、受付部202と、算出部203と、制御部204と、を備える。本実施形態の表示部201、受付部202、算出部203は実施形態1のものと同様の機能を有する。以下、異なる機能を有する制御部204について説明する。
【0096】
制御部204は、複数のプレイヤのうち、より低い成績を収めたプレイヤに表示する照準と標的とが、より遅い時期に重なるようにタイミングをずらし、ずらす量(シフト時間)はプレイヤ間の成績差に基づいて求める。例えば、制御部204は、図12のグラフに従って、プレイヤ間の成績差からシフト時間を求める。プレイヤ1によるステップに対する成績は“10点”、プレイヤ2によるステップに対する成績は“5点”と算出されたとすると、成績差は“5点”であるので、シフト時間は“0.5秒”と求められる。
図8、13に成績差に基づいて重複タイミングをずらした場合の一例を示す。目標オブジェクトMO7は、距離303を移動するのに0.5秒要し、距離304を移動するのに1秒要するとする。したがって、プレイヤ2の方が成績が低く、シフト時間が“0.5秒”と求められた場合、制御部204は、図8に示すように、目標オブジェクトMO7の重複タイミングを“0.5秒”遅らせる。また、プレイヤ1によるステップに対する成績は“10点”、プレイヤ2によるステップに対する成績は“0点”と算出されたとすると、成績差は“10点”であるので、シフト時間は“1秒”と求められる。この場合、制御部204は、図13に示すように、目標オブジェクトMO7の重複タイミングを、“1秒”遅らせる。
したがって、CPU 101が制御部204として機能する。
【0097】
以下、本実施形態のゲーム装置200の各部が行う動作について説明する。ゲーム装置200に電源が投入されると、CPU 101は、図14のフローチャートに示すゲーム制御処理を開始する。なお、図14のフローチャートにおいて、図10と同じステップ番号が付されているステップは、図10のフローチャートにおける処理と同様の処理を行う。
【0098】
算出部203が各プレイヤの成績を算出すると(ステップS104)、制御部204は当該成績に基づいて、プレイヤ間の成績の差が大きいほど、より大きなシフト時間を算出する(ステップS201)。例えば、制御部204は、図12のグラフに従ってシフト時間を求める。プレイヤ1によるステップに対する成績は“10点”、プレイヤ2によるステップに対する成績は“5点”と算出されたとすると、制御部204は、シフト時間を“0.5”秒と求める。そして、制御部204は、重複タイミング制御処理(ステップS105、図11)を開始し、求められたシフト時間“0.5”だけプレイヤ2に提示する目標オブジェクトの重複タイミングを遅らせる。
【0099】
本実施形態によれば、成績の差に応じて、操作すべきタイミングをずらす量を調節することができる。
【0100】
(実施形態3)
実施形態3のゲーム装置は、プレイヤの熟練の度合いに応じてオブジェクトの動きを制御する手法を採用する。
実施形態3のゲーム装置200は、図4に示すように、表示部201と、受付部202と、算出部203と、制御部204と、を備える。本実施形態の表示部201、受付部202、及び制御部204は実施形態1のものと同様の機能を有する。以下、異なる機能を有する算出部203について説明する。
【0101】
算出部203は、操作が受け付けられたタイミングと、照準と標的とが重なるタイミングとの差(タイミング差)の平均値に基づいて、複数のプレイヤのそれぞれについて成績を算出する。例えば、算出部203は、各プレイヤが行った複数のステップについてタイミング差を求め、当該タイミング差の値が所定数以上得られた際に、それらを平均する。そして、算出部203は、例えば、図14のグラフに従い、当該平均値から各プレイヤの成績を求める。また、算出部203は、所定数のタイミング差について重み付き平均を求め、当該重み付き平均に基づいて各プレイヤの成績を算出するようにしてもよい。例えば、算出部203は、より現在に近い時期に行われたステップのタイミング差について、寄与率を高く設定した重み付き平均を求める。
したがって、CPU 101が算出部203として機能する。
【0102】
以下、本実施形態のゲーム装置200の各部が行う動作について説明する。ゲーム装置200に電源が投入されると、CPU 101は、図16のフローチャートに示すゲーム制御処理を開始する。なお、図16のフローチャートにおいて、図10、14と同じステップ番号が付されているステップは、図10、14のフローチャートにおける処理と同様の処理を行う。
【0103】
算出部203が各プレイヤの操作に対してのタイミング差を求めると(ステップS103)、算出部203は、次に、各プレイヤに対して所定数以上のタイミング差が求められているか否かを判断する(ステップS301)。算出部203が、各プレイヤについて所定数以上のタイミング差が求められていると判断すると(ステップS301;Yes)、算出部203は、プレイヤ毎にそれらのタイミング差の平均を算出する(ステップS302)。一方、算出部203が、各プレイヤについて所定数以上のタイミング差が求められていないと判断された場合(ステップS301;No)、ステップS101以降の処理が繰り返される。例えば、所定数を“10”とし、プレイヤ1、2のそれぞれが行った10回のステップのタイミング差が求められているとすると、算出部203は、プレイヤ1、2について10個のタイミング差の平均を求める。
【0104】
タイミング差の平均が求められると、算出部204は、当該タイミング差の平均に基づいて各プレイヤの成績を求める(ステップS303)。例えば、プレイヤ1のタイミング差の平均が“0.5秒”であり、プレイヤ2のタイミング差の平均が“1秒”であったとする。算出部204は、図15のグラフに従って、プレイヤ1の成績を“5点”、プレイヤ2の成績を“0点”と求める。
【0105】
そして、制御部204は、プレイヤ間の成績の差が大きいほど、より大きなシフト時間を算出し(ステップS201)、制御部204は、重複タイミング制御処理(ステップS105、図11)を開始する。
【0106】
本実施形態によれば、ゲームに不慣れなプレイヤは、熟練したプレイヤのプレイを見てから自分のプレイをすることができ、ゲームに不慣れなプレイヤのゲームの上達を促すことができる。
【0107】
(実施形態4)
実施形態4のゲームシステムは、複数のゲーム装置のそれぞれでプレイするプレイヤが互いのプレイ状況を確認することができるように、オブジェクトの動きを制御する。
実施形態4のゲームシステム500は、図17に示すように、第1のゲーム装置500aと、第2のゲーム装置500bと、を備える。
第1のゲーム装置500aは、表示部501aと、受付部502aと、算出部503aと、通信部504aと、制御部505aと、を備える。
第2のゲーム装置500bは、表示部501bと、受付部502bと、算出部503bと、通信部504bと、制御部505bと、を備える。
以下、プレイヤ1が第1のゲーム装置500aでプレイし、プレイヤ2が第2のゲーム装置500bでプレイする場合を例に、各部について説明する。
【0108】
表示部501a、501bは、ゲーム装置500a、500bに割り当てられるプレイヤに対して、照準と複数の標的とを、当該プレイヤが操作を行うべきタイミングで照準と標的とが重なるように、画面に表示する。例えば、図18に示すように、表示部501aは、プレイヤ1が操作を行うべきタイミングで、判定ラインHLと目標オブジェクトMO1〜MO4とが重なるように、ゲーム装置500aに接続されたモニタの画面600aに表示する。また、表示部501bは、プレイヤ2が操作を行うべきタイミングで、判定ラインHLと目標オブジェクトMO5〜MO8とが重なるように、ゲーム装置500bに接続されたモニタの画面600bに表示する。また、例えば、図19に示すように、ゲーム装置500a、500bは共通のモニタに接続され、1つの画面の半分に、プレイヤ1に対するゲーム画像、半分にプレイヤ2に対するゲーム画像が表示されるようにしてもよい。
したがって、CPU 101及び画像処理部107が協働して、表示部201として機能する。
【0109】
受付部502a、502bは、プレイヤから操作を受け付ける。例えば、受付部502a、502bは、それぞれ、マット型コントローラ111を有し、プレイヤ1は、受付部502aが有するマット型コントローラ111に対してステップを踏み、プレイヤ2は、受付部502bが有するマット型コントローラ111に対してステップを踏む。
したがって、CPU 101及びマット型コントローラ111が協働して、受付部502a、502bとして機能する。
【0110】
算出部503a、503bは、プレイヤについて、操作が受け付けられたタイミングと、照準と標的とが重なるタイミングとの差から、成績を算出する。すなわち、算出部503aは、プレイヤ1の操作タイミングと、重複タイミングとの時間差(タイミング差)を求め、当該タイミング差からプレイヤ1の成績を求める。同様に、算出部503bは、プレイヤ2の操作タイミングと、重複タイミングとの時間差(タイミング差)を求め、当該タイミング差からプレイヤ2の成績を求める。
したがって、CPU 101が算出部503a、503bとして機能する。
【0111】
通信部504a、504bは、算出部503a、503bにより算出された成績を他のゲーム装置(ゲーム装置500a又はゲーム装置500b)に送信し、当該他のゲーム装置から他のプレイヤ(プレイヤ1又はプレイヤ2)の成績を受信する。すなわち、通信部504aは、プレイヤ1の成績を第2のゲーム装置500bに送信し、第2のゲーム装置500bからプレイヤ2の成績を受信する。同様に、通信部504bは、プレイヤ2の成績を第1のゲーム装置500aに送信し、第1のゲーム装置500aからプレイヤ1の成績を受信する。
したがって、CPU 101及びNIC109が協働して、通信部504a、504bとして機能する。
【0112】
制御部505a、505bは、割り当てられたプレイヤの成績と通信部504a、504bにより受信した他のプレイヤの成績とに基づいて、照準と標的とが重なるタイミングをずらす。すなわち、制御部505aは、プレイヤ1とプレイヤ2との成績に基づいて、表示部501aにより表示される目標オブジェクトMO1〜4の重複タイミングをずらし、制御部505bは、プレイヤ2とプレイヤ1との成績に基づいて、表示部501bにより表示される目標オブジェクトMO5〜8の重複タイミングをずらす。
したがって、CPU 101が制御部505a、505bとして機能する。
【0113】
(ゲーム装置の動作)
以下、本実施形態のゲームシステム500が有するゲーム装置500a、500bの各部が行う動作について説明する。ゲーム装置500a、500bに電源が投入されると、ゲーム装置500aのCPU 101及びゲーム装置500bのCPU 101はそれぞれ、図20のフローチャートに示すゲーム制御処理を行う。
【0114】
まず、通信部504a、504bは、他のゲーム装置と通信可能か否かを判断する(ステップS401)。すなわち、第1のゲーム装置500aの通信部504aは、第2のゲーム装置500bの通信部504bと通信可能かどうか、第2のゲーム装置500bの通信部504bは、第1のゲーム装置500aの通信部504aと通信可能かどうかを判断する。
【0115】
通信可能であると判断されると(ステップS401;Yes)、表示部504a、504bは、照準と標的とをプレイヤ1、2が操作を行うべきタイミングで、照準と標的とが重なるように、画面600a、600bに表示する(ステップS402)。例えば、図18に示すように、表示部501aは、画面600aに、プレイヤ1がステップを踏むべきタイミングで、判定ラインHLと目標オブジェクトMO1〜MO4の中心が重なるようにそれらを表示する。また、表示部501bは、画面600bに、プレイヤ2がステップを踏むべきタイミングで、判定ラインHLと目標オブジェクトMO5〜MO8の中心が重なるようにそれらを表示する。一方、通信可能でないと判断された場合(ステップS401;No)、ゲーム装置500a、500bはそのまま待機する。
【0116】
受付部502a、502bは、プレイヤ1、2から操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS403)。受付部502a、502bが操作を受け付けたと判断した場合(ステップS403;Yes)、算出部503a、503bは、タイミング差を求める(ステップS404)。一方、受付部502a、502bが操作を受け付けたと判断しなかった場合(ステップS403;No)、ステップS402に戻り、表示部501a、501bは引き続き照準と標的とを表示する。
例えば、受付部502aがプレイヤ1よりステップの入力を受け付けたと判断した場合、算出部503aは、当該ステップの入力についてのタイミング差を求める。また、受付部502bがプレイヤ2よりステップの入力を受け付けたと判断した場合、算出部503bは、当該ステップの入力についてのタイミング差を求める。
【0117】
タイミング差が求められると、算出部503a、503bは、次に、当該タイミング差に基づいて成績を算出する(ステップS405)。例えば、プレイヤ1によるステップのタイミング差が“0秒”と求められた場合、算出部503aは、図6のグラフに従って、プレイヤ1によるステップの成績を“10点”と求める。一方、プレイヤ2によるステップのタイミング差が“1秒”と求められた場合、算出部503bは、図6のグラフに従って、プレイヤ2によるステップの成績を“5点”と求める。
【0118】
通信部504a、504bは、算出部503a、503bが求めた成績を他のゲーム装置に送信する(ステップS406)。例えば、通信部504aは、プレイヤ1の成績“10点”をゲーム装置500bに送信する。同様に、通信部504bは、プレイヤ2の成績“5点”をゲーム装置500aに送信する。
【0119】
次に、通信部504a、504bは、他のゲーム装置から成績を受信したか否かを判断する(ステップS407)。例えば、通信部504aは、ゲーム装置500bからプレイヤ2の成績“5点”を受信したか否かを判断し、通信部504bは、ゲーム装置500aからプレイヤ1の成績“10点”を受信したか否かを判断する。
【0120】
成績を受信したと判断されると(ステップS407;Yes)、制御部505a、505bは、重複タイミング制御処理を開始する(ステップS408、図11)。一方、成績を受信しなかったと判断された場合(ステップS407;No)、ステップ402に戻る。
【0121】
例えば、制御部505aは、プレイヤ1の成績と、通信部504aが受信したプレイヤ2の成績とを比較し、成績の低い方のプレイヤを特定する(ステップS501)。同様に、制御部505bも、プレイヤ2の成績と、通信部504bが受信したプレイヤ1の成績とを比較し、成績の低い方のプレイヤを特定する。プレイヤ1の成績を“10点”、プレイヤ2の成績を“5点”とすると、制御部505a、505bは、それぞれ、プレイヤ2を成績の低いプレイヤとして特定する。
【0122】
次に、制御部505a、505bは、当該成績を算出する対象となった目標オブジェクトの後、直近に重複タイミングとなる目標オブジェクトを特定する(ステップS502)。例えば、算出部503a、503bにより求められたプレイヤ1、2の成績が図18の目標オブジェクトMO4、MO8に対するステップについての成績であるとする。制御部505a、505bは、目標オブジェクトMO4、MO8の後、直近に重複タイミングとなる目標オブジェクトで、成績が低かったプレイヤ2に提示される目標オブジェクトMO7を特定する。
【0123】
そして、制御部505a、505bは、特定されたオブジェクトの重複タイミングを、所定のシフト時間だけ遅らせる(ステップS503)。例えば、目標オブジェクトMO1〜4のいずれかが特定された場合、制御部505aが特定された目標オブジェクトの重複タイミングを所定のシフト時間だけ遅らせる。また、目標オブジェクトMO5〜8のいずれかが特定された場合、制御部505bが、特定された目標オブジェクトの重複タイミングを所定のシフト時間だけ遅らせる。したがって、目標オブジェクトMO7が特定された場合、制御部505bが、目標オブジェクトMO7の重複タイミングを所定のシフト時間だけ遅らせる。
【0124】
本実施形態によれば、プレイヤが異なるゲーム装置でプレイを行っていても、対戦相手の操作すべきタイミングよりずらすことにより、互いのプレイ状況を確認することができる。
【0125】
なお、実施形態1乃至4では、ゲーム装置200、500a、500bがダンスゲームを実行する場合について説明したが、ゲーム装置200、500a、500bが実行するゲームはこれに限らない。例えば、図21に示すようなクレー射撃ゲームの場合でも、本発明のゲーム装置200、500a、500bは適用することができる。
図21のクレー射撃ゲームのゲーム画像は、クレーオブジェクトCO1〜CO8が、ゲームプログラムに従い、移動レーンLaに沿って、下方から順次現れてそれぞれ上方まで移動し、消えて行く様子を示している。プレイヤは、照準SO1、SO2を、判定ラインHL上の水平方向に移動させることができる。プレイヤは、判定ラインHLに重なったクレーオブジェクトCO1〜CO8に、照準SO1、SO2を重ね、エンターキー等を押すことにより、クレーオブジェクトCO1〜CO8を打ち落すことができる。ゲーム装置200、500a、500bは、実施形態1乃至4で示したダンスゲームの目標オブジェクトMO1〜MO8と同様に、クレーオブジェクトCO1〜CO8と判定ラインHLとの重複タイミングを制御することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明によれば、複数のプレイヤが並行してゲームを行うことが可能なゲーム装置において、他のプレイヤのプレイ状況を視認しやすくするのに好適なゲーム装置、ゲームシステム、ゲーム制御方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0127】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 画像処理部
108 DVD−ROMドライブ
109 NIC
110 音声処理部
111 マット型コントローラ
111L、111R、111U、111D ボタン
200 ゲーム装置
201 表示部
202 受付部
203 算出部
204 制御部
500 ゲームシステム
500a 第1のゲーム装置
500b 第2のゲーム装置
501a、501b 表示部
502a、502b 受付部
503a、503b 算出部
504a、504b 通信部
505a、505b 制御部
MO1〜MO8、MO4’、MO8’ 目標オブジェクト
HO1〜HO8 判定オブジェクト
HA1、HA2 判定エリア
HL 判定ライン
CO1〜CO8 クレーオブジェクト
SO1、SO2 照準
301、302、303、304 距離
600a、600b 画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤが並行してゲームを行うことが可能なゲーム装置であって、
前記複数のプレイヤのそれぞれに対して、照準と複数の標的とを、当該複数のプレイヤが操作を行うべきタイミングで前記照準と前記標的とが重なるように、画面に表示する表示部と、
前記複数のプレイヤのそれぞれから操作を受け付ける受付部と、
前記複数のプレイヤのそれぞれについて、前記操作が受け付けられたタイミングと、前記照準と前記標的とが重なるタイミングとの差から、成績を算出する算出部と、
前記複数のプレイヤのそれぞれについて算出された成績に基づいて、前記照準と前記標的とが重なるタイミングをずらす制御部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記制御部は、前記ゲームの開始時において、前記複数のプレイヤが操作を行うべきタイミングが同じになるように制御し、前記複数のプレイヤのうち、より低い成績を収めたプレイヤに表示する前記照準と前記標的とが、より遅い時期に重なるようにタイミングをずらす
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲーム装置であって、
前記制御部は、前記照準と前記標的とが順次重なるようにタイミングを制御し、現在から直近に、前記照準といずれかの標的とが重なるべきタイミングと、当該タイミングの次に、前記照準といずれかの標的とが重なるべきタイミングとの間隔を求め、前記直近に照準といずれかの標的とが重なるタイミングを、前記間隔より小さい量だけずらす
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記算出部は、前記受け付けられたタイミングと、前記照準と前記標的とが重なるタイミングとの差の平均値もしくは重み付き平均に基づいて、前記複数のプレイヤのそれぞれについて成績を算出する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
複数のゲーム装置を有するゲームシステムであって、当該複数のゲーム装置のそれぞれは、
当該ゲーム装置に割り当てられるプレイヤに対して、照準と複数の標的とを、当該プレイヤが操作を行うべきタイミングで前記照準と前記標的とが重なるように、画面に表示する表示部と、
前記プレイヤから操作を受け付ける受付部と、
前記プレイヤについて、前記操作が受け付けられたタイミングと、前記照準と前記標的とが重なるタイミングとの差から、成績を算出する算出部と、
前記算出された成績を前記複数のゲーム装置のうち他のゲーム装置に送信し、当該他のゲーム装置から他のプレイヤの成績を受信する通信部と、
前記プレイヤの成績と前記他のプレイヤの成績とに基づいて、前記照準と前記標的とが重なるタイミングをずらす制御部と、
を備えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項6】
表示部と、受付部と、算出部と、制御部と、を備え、複数のプレイヤが並行してゲームを行うことが可能なゲーム装置が実行するゲーム制御方法であって、
前記表示部が、前記複数のプレイヤのそれぞれに対して、照準と複数の標的とを、当該複数のプレイヤが操作を行うべきタイミングで前記照準と前記標的とが重なるように、画面に表示する表示工程と、
前記受付部が、前記複数のプレイヤのそれぞれから操作を受け付ける受付工程と、
前記算出部が、前記複数のプレイヤのそれぞれについて、前記操作が受け付けられたタイミングと、前記照準と前記標的とが重なるタイミングとの差から、成績を算出する算出工程と、
前記制御部が、前記複数のプレイヤのそれぞれについて算出された成績に基づいて、前記照準と前記標的とが重なるタイミングをずらす制御工程と、
を備えることを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項7】
複数のゲーム装置を有するゲームシステムが実行するゲーム制御方法であって、当該複数のゲーム装置のそれぞれは、表示部と、受付部と、算出部と、通信部と、制御部と、を備え、
前記ゲーム制御方法は、前記ゲーム装置のそれぞれにおいて、
前記表示部が、当該ゲーム装置に割り当てられるプレイヤに対して、照準と複数の標的とを、当該プレイヤが操作を行うべきタイミングで前記照準と前記標的とが重なるように、画面に表示する表示工程と、
前記受付部が、前記プレイヤから操作を受け付ける受付工程と、
前記算出部が、前記プレイヤについて、前記操作が受け付けられたタイミングと、前記照準と前記標的とが重なるタイミングとの差から、成績を算出する算出工程と、
前記通信部が、前記算出された成績を前記複数のゲーム装置のうち他のゲーム装置に送信し、当該他のゲーム装置から他のプレイヤの成績を受信する通信工程と、
前記制御部が、前記プレイヤの成績と前記他のプレイヤの成績とに基づいて、前記照準と前記標的とが重なるタイミングをずらす制御工程と、
を備えることを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項8】
複数のプレイヤが並行してゲームを行うことが可能なコンピュータを、
前記複数のプレイヤのそれぞれに対して、照準と複数の標的とを、当該複数のプレイヤが操作を行うべきタイミングで前記照準と前記標的とが重なるように、画面に表示する表示部、
前記複数のプレイヤのそれぞれから操作を受け付ける受付部、
前記複数のプレイヤのそれぞれについて、前記操作が受け付けられたタイミングと、前記照準と前記標的とが重なるタイミングとの差から、成績を算出する算出部、
前記複数のプレイヤのそれぞれについて算出された成績に基づいて、前記照準と前記標的とが重なるタイミングをずらす制御部、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
ゲームシステムが有する複数のゲーム装置のそれぞれとして機能させるプログラムであって、
当該プログラムは、
当該ゲーム装置に割り当てられるプレイヤに対して、照準と複数の標的とを、当該プレイヤが操作を行うべきタイミングで前記照準と前記標的とが重なるように、画面に表示する表示部、
前記プレイヤから操作を受け付ける受付部、
前記プレイヤについて、前記操作が受け付けられたタイミングと、前記照準と前記標的とが重なるタイミングとの差から、成績を算出する算出部、
前記算出された成績を前記複数のゲーム装置のうち他のゲーム装置に送信し、当該他のゲーム装置から他のプレイヤの成績を受信する通信部、
前記プレイヤの成績と前記他のプレイヤの成績とに基づいて、前記照準と前記標的とが重なるタイミングをずらす制御部、
として機能させることを特徴とするプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−29763(P2012−29763A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170325(P2010−170325)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】