ゲーム装置、ゲームシステム及びプログラム
【課題】常に一定の緊張感をプレイヤに持たせながらゲームをプレイさせることが可能なゲーム装置を提供する。
【解決手段】現在の貯留クレジット数のデータを保持する手段と、貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して所定のゲームを実行する手段とを備えたゲーム装置において、ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続してゲームの実行が可能な状況下にあるか否かを判定する判定手段と、上記状況下にあると判定した場合に、ゲーム内で実行される所定動作を変化させる制御手段とを備える。上記判定手段は、例えば、現在の貯留クレジット数が所定数以上の場合、モード選択手段がフリープレイモードを選択している場合、あるいは、貯留クレジット数の単位時間当たりの増加値が所定値以上の場合に、緊張感に欠けるプレイが行われると想定し、上記状況下にあると判定する。
【解決手段】現在の貯留クレジット数のデータを保持する手段と、貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して所定のゲームを実行する手段とを備えたゲーム装置において、ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続してゲームの実行が可能な状況下にあるか否かを判定する判定手段と、上記状況下にあると判定した場合に、ゲーム内で実行される所定動作を変化させる制御手段とを備える。上記判定手段は、例えば、現在の貯留クレジット数が所定数以上の場合、モード選択手段がフリープレイモードを選択している場合、あるいは、貯留クレジット数の単位時間当たりの増加値が所定値以上の場合に、緊張感に欠けるプレイが行われると想定し、上記状況下にあると判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームのプレイ回数やプレイ時間に変換可能なクレジットの量を示すデータを基に所定のゲームを実行する機能を有するゲーム装置及びゲームシステムに関し、特に、ゲームに対するプレイヤ(遊戯者)の意欲を持続させるように、通常のプレイ時とは異なるゲーム内容やゲーム動作に変化させることが可能なゲーム装置及びゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊戯施設等に設置されるアーケードゲーム機などの業務用ゲーム装置は、一般的には1プレイにつき対価を支払うという形式にて運営が行われているが、例えばダーツゲーム機のように複数人でプレイするゲーム装置で長時間に亘って連続してプレイするような目的でゲームを行う場合や、特定のゲームを長時間練習等の目的で連続してプレイするような目的でゲームを行う場合には、いわゆるカラオケボックス運営のように時間貸しのような形態で所定時間に対して対価を支払うような形態(レンタル時間中フリープレイ)のような運営が行われている。そのような場合においてはゲーム装置側の設定を変更することで「フリープレイ」と呼ばれる特殊設定状態として1プレイ当たりの対価をゲーム装置に投入せずにプレイ可能な状態として所定時間遊ばせるようにしたものがあった。またそのような特殊設定が存在しないようなゲーム装置の場合においては、コイン投入検出信号発生手段(いわゆるコインスイッチ)を用いて実際に対価となる貨幣投入を行わずにクレジット信号(プレイ料金支払検出信号)を運営側スタッフが所定時間当たりのプレイ回数よりも十分に多い回数を予め入力しておくことでフリープレイの代用可能とする方式が知られている。
【0003】
さて、従来知られているゲーム装置では1台の筐体で所定のゲームを1人でプレイするタイプのゲーム装置の他に、1台の筐体で2人以上のプレイヤが対戦ゲームなどの共通のゲームをプレイするタイプのゲーム装置がある。また、複数の業務用ゲーム装置又は家庭用ゲーム装置を相互に通信可能に接続して、見知らぬ同士が1対1、又はチームを組んで共通のゲームをプレイしたり、対戦ゲームをプレイしたりすることが可能なゲームシステムもある。
【0004】
いずれのタイプのゲーム装置やゲームシステムであっても、ゲームに対するプレイヤのやる気や興味が低下しないように、何らかの工夫をして、ゲームに対するプレイヤの意欲を持続させるようにすることが重要である。
【0005】
ここで問題となる点として、特にダーツゲームのように競技性の高い側面を持ちつつ、娯楽として楽しむことも可能な対戦ゲームにおいては、競技目的として真剣な対戦を望むプレイヤと、娯楽目的でプレイするプレイヤとが共存している点である。両者は完全に区分できず、あるプレイヤが競技目的でゲームをプレイした後、それ以降に練習や娯楽目的でプレイする場合もありうる。
【0006】
従来、見知らぬ同士が1対1、又はチームを組んで共通のゲームをプレイすることが可能なゲームシステムにおいては、例えば不自然に強力なパラメータのアイテムを多数所有するユーザなど、不正行為によって入手したと思われるアイテムを所有するユーザがログインした時に、同様のユーザ同士でマッチングさせることで、一般のユーザと不正なユーザとが同一チームになるのを回避するようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0007】
しかし、ゲームをプレイする目的が真剣な競技を目的としたものか、あまり真剣でない娯楽を目的としたものや練習を目的としたものかによってマッチング制御を行うという方法は従来無かった。
【0008】
さて、ゲームの目的が、真剣な競技目的かそれ以外の目的かという観点と、連続したプレイか否かという観点を挙げたが、後者の観点では、連続プレイは運営側にとっては時間当たりの収益性が高いため、そのようなプレイを行うプレイヤに対しては多少有利な料金設定を行ったり、また連続プレイに対する特殊なサービスを行ったりするというように、連続プレイに対して特定のサービスを行うという発想がある。例えば、景品取得ゲーム機(所謂クレーンゲーム機)において、コインを一定枚数入れることによって一定条件を満たした場合に、最後のプレイがボーナスゲームとなり、クレーンの移動範囲を拡張させた状態で当該ゲームを実行する形態とすることで、通常はクレーンの移動範囲外にある特別ステージ内の景品も獲得できるようにしたものがある(特許文献2参照)。
【0009】
しかし、上記特許文献2においては、投入コイン枚数は実際にプレイ料金として支払う枚数であり、冒頭に記載したように貯留クレジット数と課金コイン枚数が異なるような状況に対して特殊な制御や挙動変更を行うという発想は無かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−296769号公報
【特許文献2】特開平8−24433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したように従来のゲーム装置やゲームシステムでは、何らかの工夫をしてゲームに対するプレイヤの意欲を持続させるようにしている。
【0012】
ところで、ゲーム装置には、現在の貯留クレジット数のデータを保持する機能を備えたものがある。この種の従来のゲーム装置では、コイン(通貨)などのプレイポイントに相当する「クレジット」をあらかじめ複数投入することにより、プレイ回数が1回増えるといったサービスを付与し、プレイヤがゲームを始める際に複数プレイ回数があるという前提のもと、いろいろな戦略を立てることでき、ゲームに対するプレイヤの意欲を持続させるようにしていた。また、「クレジット」の複数投入をさせることにより、プレイヤ一人当たりのゲーム装置に対する単価を上げることができた。
【0013】
しかし、ゲーム装置によっては、クレジット数に関係なく何回でもプレイすることができる「フリープレイモード」が存在したり、「フリープレイモード」が存在しないゲーム装置において装置内部のクレジット部を操作することで実質的に何回でもプレイ可能としたりする場合があった。
【0014】
「フリープレイモード」が存在しないゲーム装置の場合、例えば、店舗がゲーム装置を時間貸しする際に、店員が筐体内のコイン貯留部に多量のコインを一気に投入したり、クレジット部を操作することによって、通常のプレイでは考えにくい数値にまで残存クレジット数(記憶部に貯留されているクレジット数)を増加させることで、何回でもプレイできるようにしていた。
【0015】
上述のようなゲーム装置の場合、プレイヤは、ゲームをプレイする毎に料金を支払う必要がなく実質的に何回でもプレイすること(以下「フリープレイ」と呼ぶ)が可能なため、緊張感が欠けることにより、プレイが雑になる恐れがあった。
【0016】
さらに、上記のようなフリープレイが可能なゲーム装置を接続したゲームシステムにおいては、例えば、ネットワーク対戦において、残存クレジット数(貯留クレジット数)が異常に多いような「フリープレイのゲーム装置」と、残存クレジット数が通常の「通常プレイのゲーム装置」とがマッチングした場合、前者のゲーム装置でプレイしているユーザはプレイが雑になり、後者のゲーム装置でプレイしているユーザの真剣に対戦したいという競争心を失わせる恐れがあった。
【0017】
本発明は上述のような事情から成されたものであり、本発明の目的は、常に一定の緊張感をプレイヤに持たせながらゲームをプレイさせることが可能なゲーム装置、ゲームシステム及びプログラムを提供することにある。
【0018】
より詳しくは、本発明の目的は、ゲームをプレイする毎に料金を支払う必要がなく実質的に何回でもプレイすることができるフリープレイの場合でも、常に一定の緊張感をプレイヤに持たせながらゲームをプレイさせることが可能なゲーム装置を提供することにある。また、本発明の更なる目的は、例えば各店舗のゲーム装置がネットワークを介して接続されたゲームシステムにおいて、プレイヤがどのような店舗のゲーム装置でプレイしたとしても、同一目的のプレイヤ同士でマッチングさせることにより、常に一定の緊張感を持たせながらゲームをプレイさせることができるゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、ゲーム装置、ゲームシステム及びプログラムに関するものであり、
ゲーム装置に関しては、本発明の上記目的は、現在の貯留クレジット数のデータを保持する貯留クレジット記憶手段と、前記貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して所定のゲームを実行する機能を有するゲーム処理手段と、を備えたゲーム装置において、ゲームプレイに関するデータに基づいて前記ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続して前記ゲームの実行が可能な状況下にあるか否かを判定するゲーム状況判定手段と、前記ゲーム状況判定手段が前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定した場合に、前記ゲーム内で実行される所定動作を変化させるゲーム動作可変制御手段と、を備えることによって達成される。
【0020】
さらに、本発明の上記目的は、
前記ゲーム状況判定手段は、前記貯留クレジット記憶手段に保持されている現在の貯留クレジット数を読出し、該貯留クレジット数が所定数以上の場合に前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定すること、
前記ゲーム装置が、前記変換により当該ゲームを実行する通常プレイモードと前記貯留クレジット数の量に制限されること無く当該ゲームの実行を可能とするフリープレイモードとを選択する、モード選択手段を有するゲーム装置であって、前記ゲーム状況判定手段は、前記モード選択手段が前記フリープレイモードを選択している場合に前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定すること、
前記ゲーム状況判定手段は、前記貯留クレジット数の単位時間当たりの増加値を監視すると共に、前記増加値が所定値以上となったことを検出した場合に前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定することと、
前記ゲーム装置が、プレイヤによって投擲される矢の的となる標的と、前記標的の後方への変位に基づいて当的を検出する当的検出手段と、前記当的検出手段からの当的検出信号の時間幅が指押し判定基準時間より長くなった場合に当該プレイヤによる指押しがなされたと判定する指押し判定手段と、を有するダーツゲーム装置であって、前記ゲーム動作可変制御手段は、前記指押し判定手段によって前記指押しがなされたと判定された場合に前記指押し判定基準時間を短く設定することで、前記指押し判定手段の判定動作を変化させる機能を有すること、
前記所定動作がゲームの難易度に係る動作であり、前記ゲーム動作可変制御手段は、前記ゲーム状況判定手段が前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定した場合に、当該ゲームの難易度の制御パラメータを変更することで、当該ゲームの難易度に係る所定動作を変化させること、
前記ゲーム状況判定手段は、前記ゲーム装置が前記状況下にあるか否かを判定する処理を当該ゲームの開始前に実行すること、
によってそれぞれ一層効果的に達成される。
【0021】
また、ゲームシステムに関しては、本発明の上記目的は、現在の貯留クレジット数のデータを保持する貯留クレジット記憶手段と、前記貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して所定のゲームを実行する機能を有するゲーム処理手段と、を備えたゲーム装置と、前記ゲーム装置がネットワークを介して複数台接続されると共に、前記ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続して前記ゲームの実行が可能な状況下にあるプレイヤ同士を組み合わせて所定の通信ゲームを実行させるためのマッチング処理を行うマッチングサーバと、を有するゲームシステムであって、前記ゲーム装置は、ゲームプレイに関するデータに基づいて前記状況下にあるか否かを判定するゲーム状況判定手段を有すること、によって達成される。
【0022】
また、プログラムに関しては、本発明の上記目的は、現在の貯留クレジット数のデータを保持する貯留クレジット記憶手段と、前記貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して所定のゲームを実行する機能を有するゲーム処理手段と、を備えたゲーム装置において実行されるプログラムであって、前記ゲーム装置のコンピュータを、ゲームプレイに関するデータに基づいて前記ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続して前記ゲームの実行が可能な状況下にあるか否かを判定するゲーム状況判定手段、及び、前記ゲーム状況判定手段が前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定した場合に、前記ゲーム内で実行される所定動作を変化させるゲーム動作可変制御手段、として機能させること、によって達成される。
【0023】
さらに、プログラムに関しては、本発明の上記目的は、現在の貯留クレジット数のデータを保持する貯留クレジット記憶手段と、前記貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して所定のゲームを実行する機能を有するゲーム処理手段と、を備えたゲーム装置と、前記ゲーム装置がネットワークを介して複数台接続されると共に、前記ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続して前記ゲームの実行が可能な状況下にあるプレイヤ同士を組み合わせて所定の通信ゲームを実行させるためのマッチング処理を行うマッチングサーバと、を有するゲームシステムの前記ゲーム装置において実行されるプログラムであって、前記ゲーム装置のコンピュータを、ゲームプレイに関するデータに基づいて前記状況下にあるか否かを判定するゲーム状況判定手段、として機能させることによっても達成される。
【発明の効果】
【0024】
本発明では、ゲーム装置が自身の装置の状況を診断し、所定回数若しくは所定時間以上連続してゲームの実行が可能なフリープレイの状況下にあるか否かを検出するようにしている。例えば、現在の貯留クレジット数が所定数以上の場合、モード選択手段がフリープレイモードを選択している場合、又は、貯留クレジット数の単位時間当たりの増加値が所定値以上の場合は、フリープレイの状況下にあると判断するようにしている。言い換えると、上記のような場合は、そのゲーム装置は、緊張感に欠けるプレイが発生する可能性が高い状況下にあるゲーム装置であると予測し、そのような状況をゲーム装置が自己診断して検出するようにしている。そして、そのような状況を検出した場合に、ゲーム内で実行される所定動作を変化させるようにしているので、常に一定の緊張感をプレイヤに持たせながらゲームをプレイさせることが可能となる。
【0025】
更に言い換えると、本発明によれば、緊張感に欠けるプレイが発生する可能性の高い状況をゲーム装置自身が検出し、緊張感を持続させるように、通常プレイ時のゲーム内容やゲーム動作とは異なるものに変化させることが可能となる。
【0026】
また、上記状況を検出する処理をゲームの開始前に実行する構成とすることによって、プレイヤがゲームを始める前に、ゲーム装置を通常のプレイ時とは異なる動作(緊張感を持続若しくは向上させるための特定の動作)に変化させることが可能となり、緊張感の欠如によって生じる不正行為や適当なプレイが生じるのを事前に防止することが可能となる。
【0027】
また、ゲームシステムに係る発明では、ゲーム装置側は、自己の装置がフリープレイの状況下にあるか否かを判定し、マッチングサーバ側では、フリープレイの状況下にあるゲーム装置同士でマッチング処理を実行する構成としているので、真剣なプレイヤとそうではないプレイヤとのマッチングを事前に防止することが可能となり、例えば真剣なプレイヤがどのような店舗のゲーム装置でプレイしたとしても、常に一定の緊張感を持たせながらゲームをプレイさせることが可能となる。また、通常のゲーム装置でプレイしている人が、フリープレイの相手とプレイするのを防止することができるので、例えば、ダーツゲーム装置の場合においては、相手が競技目的でないために真剣味に欠けるプレイをしたり、当的判定手段であるセグメントを指で押すような不正行為をしたり、負けそうなときにゲーム装置の電源を抜いたりするといったゲーム装置の強制終了をすること等によって生じる不愉快な思いをしなくて済むようなる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明が適用されるゲーム装置及びゲームシステムの構成例を示す模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係るダーツゲーム装置の内部構成及びネットワーク構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るダーツゲーム装置の外観を示す正面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るネットワークゲームシステムに適用されるダーツゲーム装置の制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【図5】ダーツゲームの1つの競技方法であるゼロ・ワン・ゲームにおけるゲーム処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明に係るゲーム装置の制御部の構成例を示す機能ブロック図である。
【図7】本発明に係るゲームシステムの構成例を示す機能ブロック図である。
【図8】本発明に係るゲーム装置の動作例を示す第1のフローチャートである。
【図9】本発明に係るゲーム装置の動作例を示す第2のフローチャートである。
【図10】本発明に係るゲームシステムにおけるゲーム装置側の動作例を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係るゲームシステムにおけるマッチングサーバ側の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照にしながら本発明の実施形態について説明する。
【0030】
図1(A)〜(C)は、本発明が適用されるゲーム装置及びゲームシステムの構成例を示す模式図であり、図1(A)は、1台の筐体1aで2人以上が対戦可能なゲーム装置を示し、図1(B)は、無線又は有線による直接通信により2台以上の筐体1aで2人以上が共通のゲームをプレイすることが可能なゲームシステムの構成を示している。また、図1(C)は、インターネット等のネットワーク2を介して接続されるゲーム装置のそれぞれの筐体1aで2人以上が共通のゲームをプレイすること可能なゲームシステムの構成を示している。図1(C)に示されるサーバ端末3は、マッチングサーバを含んでおり、そのマッチングサーバは、所定の条件を満たすプレイヤ同士を組み合わせて通信ゲームを実行させるためのマッチング処理を行う機能を備えている。また、図1(A)〜(C)中のゲーム装置は、現在の貯留クレジット数のデータを保持する機能を備えたゲーム装置である。
【0031】
本発明に係るゲーム装置は、図1(A)〜図1(C)のいずれの態様であっても適用することができるが、以下に説明する実施形態では、図1(C)の態様に適用した場合を例として説明する。
【0032】
なお、本願で言う「クレジット」とは、信用や功績の意味ではなく、ゲームを実行するため「プレイポイント」に相当するものを指しており、ゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換可能なものを意味している。また、そのクレジットに換算される媒体はコイン(通貨)に限るものではなく、例えば遊戯施設内でのみ使える「メダル」,「プリペイドカード」,若しくは「トークン」と呼ばれる金銭に相当する物、商品購入代金やサービス利用料金の決済に利用可能な「ポイント」や「電子マネー」のような電子的な通貨などであっても良い。そして、本願で言う「貯留クレジット数のデータ」とは、電子データとして保持されている現在のクレジット数(残存するクレジットの総量)を示すデータのことを意味しており、そのデータは例えばゲーム装置の内蔵メモリに記憶されたデータである。
【0033】
以下、ゲーム装置の一例として、プレイヤ(遊戯者)が標的に矢を投擲して得点を競うダーツゲーム装置に適用した場合を例として主に説明するが、本発明に係るゲーム装置はこれに限定されるものではなく、現在のクレジット数をデータとして保持する機能を備えたゲーム装置(若しくはフリープレイモードを有するゲーム装置)であれば良い。
【0034】
《ダーツゲーム装置・ゲームシステムの構成》
本発明に係るゲーム装置及びゲームシステムの特徴的な構成を説明するに先立ち、図2〜図4を用いて、本発明の実施形態に係るダーツゲーム装置及びその装置を用いたネットワークゲームシステムの構成について説明する。
【0035】
図2は、本発明の実施形態に係るネットワークゲームシステムのゲーム装置(ダーツゲーム装置)の内部構成及びネットワーク構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0036】
同図において、本実施形態に係るネットワークゲームシステムでは、ゲーム装置(ダーツゲーム装置)1を含む複数のゲーム装置1,1A,1B,・・・が、インターネットなどのネットワーク2に接続され、該ネットワーク2には、サーバ端末3、パーソナルコンピュータ4、携帯電話5などの通信端末が接続されている。サーバ端末3は、図1(C)中のマッチングサーバを含み、ネットワーク2を介して各ダーツゲーム装置1,1A,1B,・・・と種々の情報の入出力を行い、前述のマッチング処理の他に、必要に応じてゲームなどの制御を実行するようになっている。
【0037】
ダーツゲーム装置1は、ダーツゲームの標的となる円形状のダーツ盤6と、プレイヤが投擲した矢(ソフトダーツ)がヒットしたダーツ盤6の領域(セグメント)を検出する当的検出部7と、ダーツゲームを制御するとともに、当的検出部7の検出結果に基づいて表示部8や音声出力部9に出力信号を出力する制御部10と、上述したネットワーク2に接続され、該ネットワーク2を介してサーバ端末及び他のダーツゲーム装置1A,1B,・・・とデータの送受信を行う通信部11と、プレイヤ固有のプレイヤID(プレイヤ識別情報)が記憶された外部記憶媒体(IDカード)12の検出する外部記憶媒体処理部13と、ゲーム実行のためのコイン(硬貨)14の挿入を検出するコイン検出部15とを備えている。
【0038】
制御部10は、外部記憶媒体処理部13によって外部記憶媒体12からプレイヤIDが検出されると、通信部11からネットワーク2を介してサーバ端末にアクセスし、該サーバ端末からプレイヤ固有のデータを取得するようになっている。また、パーソナルコンピュータ4や携帯電話5などの通信端末は、ネットワーク2を介してサーバ端末にアクセスすることにより、ダーツゲーム装置1,1A,1B,・・・における成績データ、プレイヤ順位、種々のイベント情報など、ダーツゲームに関する様々なデータを送受信することができる。また、これにより、ダーツゲームを実行中に表示部8に表示させる画像やメッセージ、音声出力部9を介して出力するBGM(Background Music)や効果音の設定を行うことができる。
【0039】
図3は、本発明の実施形態に係る本発明の実施形態に係るネットワークゲームシステムのダーツゲーム装置の外観を示す正面図である。
【0040】
同図において、ダーツゲーム装置1は、筐体中央部に上述したダーツ盤6を備え、その上部には液晶表示ディスプレイ(表示部)8、及びスピーカ(音声出力部)9が配されている。液晶表示ディスプレイ8には、ゲームの進行に応じて、ゲームスコア、ゲームメニュー、ゲーム説明、ゲーム演出画像など、所定の画像や文字情報が表示され、スピーカ9からはダーツゲームに応じて効果音や音声などが出力される。
【0041】
また、ダーツ盤6の左上部には、プレイヤが矢を投擲する姿勢を撮像するカメラ16が配設されている。一般に、ダーツ盤6は、直径が39.37cm(15.5インチ)、床から中心までの高さが173cmに設定され、このダーツ盤6の真下の床から244cm離れた位置の床表面にスローイング・ライン(投擲線)が設けられている。プレイヤは、この投擲線からダーツ盤6に向かって矢を投げてダーツゲームを行う。したがって、上記カメラ16の視点は、このスローイング・ラインから投擲するプレイヤの姿勢を捉えるように設定されている。なお、本実施形態では、右利きのプレイヤが矢を投擲する姿勢(顔の表情など)をよく捉えることができるように、カメラ16を標的30の左上に設置したが、この設置位置はこれに限定されるものではなく、使用状況に応じて適宜変更することができる。
【0042】
また、ダーツ盤6の下部には、複数(4つ)のカードスロット17a〜17dと、4つの決定ボタン18a〜18d及び1つの選択ボタン19とが配設されている。カードスロット17a〜17dには、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)などのICタグが埋設された外部記憶媒体12が挿入される。この外部記憶媒体12には、プレイヤの識別コードや過去のゲーム履歴、プレイ中やランキング表示に使用するプレイヤ名、技量を示すランク、最新の各種データ更新日などの情報が記録されており、この記録情報は、各カードスロット17a〜17dの裏側に取り付けられたカードリーダ(外部記憶媒体処理部)13によって読み取られる。なお、外部記憶媒体12には、プレイヤの識別コードのみを記録し、過去のゲーム履歴等その他の情報はサーバ装置に記録してもよい。この場合、カードリーダ13によって外部記憶媒体12が検出されると、制御部10がプレイヤ識別コードを参照し、通信部11からネットワーク2を介してサーバ3にアクセスし、該サーバ3から該当データを取得する。選択ボタン19は、ダーツゲームの開始前にゲームモード(ゼロ・ワン、クリケット、カウント・アップ等)を選択するボタンとして機能する一方、ダーツゲーム中には、1セット3投のラウンド終了時に次ラウンドへ移行する(あるいは複数のプレイヤがいる場合には次順のプレイヤへ切り替える)ボタンとして機能する。
【0043】
さらに、ダーツゲーム装置1の筐体下部は、筐体内部に収納された制御装置や電源装置などを出し入れできるように設けられた開閉扉20と、ダーツゲームを実行する際に投入されるコイン(硬貨)14の投入口21と、該投入口21から投入されたコインを収容するコインボックス22とを備え、該投入口21には上述したコイン検出部15が配設されている。
【0044】
図4は、本発明の実施形態に係るネットワークゲームシステムに適用されるダーツゲーム装置の制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【0045】
同図において、例えば汎用PCなどからなる制御部10は、少なくとも、ゲーム中の演出などを含むゲームの進行を制御するCPU37と、各種プログラムやデータテーブルなどが格納されたROM38と、一時データの記録領域及びCPU37のワークエリアとして機能するRAM39とを備えている。この制御部10には、アンテナ13a及びRFIDカードリーダ/ライター(RFID CARD R/W)13bからなる外部記憶媒体処理部13が接続されている。制御部10のCPU37は、カードスロット17a〜17dに挿入された外部記憶媒体(ICカード等)12に記録されているデータを読み取るとともに、通信部11からネットワーク2を介してサーバ端末にアクセスして、この外部記憶媒体12に記録されているデータに基づくプレイヤ固有のデータをサーバ端末から取得し、液晶表示ディスプレイ(表示部)8にそれらのデータを表示する処理などを実行する。
【0046】
また、制御部10には、コイン投入口21から投入されたコイン14を検出するコイン検出部15、投擲された矢35が何れのセグメント部材31にも当的しなかった場合にダーツ盤6の振動を検出するアウトボードセンサ40、決定ボタン18a〜18dや選択ボタン19などの各種ボタンスイッチ、効果音や警告音などを出力するスピーカ9、などの機器がI/O制御ボード41を介して接続されている。
【0047】
さらに、制御部10には、フルカラーLED27を搭載したLED基板28、スローイング・ラインから投擲するプレイヤの静止画像や動画像を撮影するカメラ16が接続されている。LED基板28には、当的検出部であるメンブレンスイッチを搭載したセンサシート7が接続され、該センサシート7によって検出された当的検出信号は、LED基板28を介して制御部10に出力される。
【0048】
なお、外部記憶媒体12、外部記憶媒体処理部13、各カードスロット17a〜17d及びカメラ16は、付加的な構成要素であり、それらの機器を利用した具体的なゲーム処理については説明を省略する。
【0049】
上述のような構成において、ダーツゲームの1つの競技方法である「ゼロ・ワン・ゲーム」が選択されたときのゲーム処理の流れについて、図5を参照して説明する。
【0050】
図5は、「ゼロ・ワン・ゲーム」におけるゲーム処理の流れを示すフローチャートであり、図5(A)は1ゲームの処理の流れを示し、図5(B)は、同図(A)のステップS51及びステップS54における投擲処理の流れを示している。以下、2人の競技者(プレイヤ1とプレイヤ2)が対戦する場合を例に、ステップ順に説明する。
【0051】
なお、「ゼロ・ワン・ゲーム」とは、所定の持ち点(101点、301点、501点等)からゲームで獲得した得点を減算していき、持ち点を先に0点にするか、所定数のラウンドの終了後に持ち点の少ない競技者を勝者とするゲームである。
【0052】
ゲームの選択画面でゼロ・ワン・ゲーム(以下「01ゲーム」と記す)がプレイヤによって選択され、コインの投入等によりクレジットが貯留されると、ダーツゲーム装置1の制御部10は、01ゲームの処理を開始する。01ゲームが開始されると、先ず、先攻の競技者(プレイヤ1)の投擲処理が実行される(ステップS51)。
【0053】
上記ステップS51における投擲処理について、図5(B)を参照して説明する。
【0054】
制御部10は、上がり目があるか(例えば今回の投擲によって残りの持ち点を0点にすることができるか()否かを判定し(ステップS61)、上がり目があると判定した場合は、例えば該当の標的セグメントを点灯することによって、狙うべき標的セグメントを競技者に報知し(ステップS62)、上がり目がないと判定した場合は、プレイヤ1の投擲待ちとする(ステップS63)。
【0055】
プレイヤ1がダーツ(矢)を投擲し、ダーツ盤6上の標的セグメントにダーツが命中すると、当的検出部7から当的検出信号が制御部10に出力される。制御部10は、当的検出信号を解析して、ダーツが命中した標的セグメントの位置を検出し、得点を判定して、持ち点の残りから得点を減算する処理を行う(ステップS64,S65)。
【0056】
続いて、制御部10は、プレイヤ1が交代条件を満たしたか否かを判定し(ステップS66)、交代条件を満たしたと判定した場合、持ち点から得点を減算した結果が「0」またはマイナス(バスト)である場合は、投擲処理を終了する。一方、交代条件を満たしていないと判定した場合は、今回の投擲が3投目であったか否かを判定し(ステップS67)、3投目であった場合は投擲処理を終了し、3投目でない場合はステップS61に戻り、投擲処理を繰り返す。そして、投擲処理を終了すると、図5(A)のステップS52に移行する。
【0057】
プレイヤ1の投擲処理を終了すると、制御部10は、プレイヤ1がゲームの終了条件(本例では持ち点から得点を減算した結果が0点であるという条件)を満たしたか否かを判定する(ステップS52)。そして、ゲームの終了条件を満たしていないと判定した場合は、制御部10は、競技者によりチェンジボタンが押されたか否かを判定し(ステップS53)、チェンジボタンが押されたと判定した場合は、競技者がプレイヤ1からプレイヤ2に交代したと判断し、プレイヤ1に対する処理と同様に、プレイヤ2に対する投擲処理(ステップS54)、終了条件の判定処理(ステップS55)、及びチェンジボタンの押下の検出処理(ステップS56)を実行する。なお、投擲が3投目であったか否かを判定し(ステップS67)、3投目であった場合の投擲処理の終了時に、ゲームの終了条件を満たしたか否かを判定し(ステップS52)た結果、ゲームの終了条件を満たしていないと判定した場合は、チェンジボタンが押されたとみなし、競技者の交代を制御部10によって競技者の手を介さずに自動的に行ってもよい。
【0058】
そして、上記ステップS56において、チェンジボタンの押下を検出すると、制御部10は、ラウンド数が15ラウンドに達したか否かを判定し(ステップS57)、15ラウンドに達していない場合はステップS51に戻って処理を繰り返す。なお、競技者が3人または4人の場合は、ステップS56の後にステップS51からステップS53の処理を人数分繰り返す。そして、上記ステップS57において、15ラウンドに達したと判定した場合は、制御部10は、今回のゲームの勝利者を判定し(ステップS58)、勝利者に対する演出等の処理を行い、01ゲームの処理を終了する。また、ここでは、01ゲームのラウンド数は15ラウンドとして説明したが、これに限定されることなく、それぞれのゲームのラウンド数は筐体毎に設定することができる。
【0059】
《本発明に係るゲーム装置・ゲームシステムの特徴的な構成》
次に、本発明に係るゲーム装置及びゲームシステムの特徴的な構成について説明する。
【0060】
発明の概要で述べたように、ゲーム装置によっては「フリープレイモード」が存在したり、「フリープレイモード」が存在しないゲーム装置の場合でも、時間貸しをする際などに店員が多量のコインをコイン貯留部に投入したり、クレジット部を操作することで実質的に何回でもプレイ可能とする場合があったりする。そこで、本発明においては、上記のような場合は、そのゲーム装置は、緊張感に欠けるプレイが発生する可能性が高い状況下にあるゲーム装置であると予測し、そのような状況下をゲーム装置自身が検出すると共に、ゲームに対するプレイヤの意欲を失わせないように、ゲーム内で実行される動作を変化させる制御を行うようにしている。
【0061】
このような検出や制御を実現するためのゲーム装置の構成及びそのゲーム装置を用いたゲームシステムの構成について、以下、順次説明する。
【0062】
〈ゲーム装置の制御部の構成〉
先ず、本発明に係るゲーム装置の制御部の構成について、図6を参照して説明する。
【0063】
図6は、本発明に係るゲーム装置の制御部10の構成例を示す機能ブロック図である。なお、図6中の当的検出部7と指押し判定手段56は、矢やボールなどの飛翔体を放って競技するタイプのゲーム装置(本例ではダーツゲーム装置)に本発明を適用した場合に備える付加的な構成要件である。また、図6中の通信部11とデータ伝送手段57は、図1(B)又は図1(C)の態様のゲームシステムに本発明を適用した場合に必要となる付加的な構成要件である。
【0064】
図6において、ゲーム装置内の制御部10は、本発明に係る主要な構成として、現在の貯留クレジット数のデータを保持する貯留クレジット記憶手段51と、貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して所定のゲーム(本例ではダーツゲーム)を実行する機能を有するゲーム処理手段52と、ゲーム装置の状況が特定の条件(以下「可変条件」と呼ぶ)を満たしている場合に、ゲーム内で実行される所定動作を変化させるゲーム動作可変制御手段53と、ゲームプレイに関するデータに基づいて上記可変条件の成立の有無を判定するゲーム状況判定手段54と、ゲームの実行制御に係る制御データを記憶する制御データ記憶手段55と、当的の検出面(本例ではダーツ盤の盤面)に対する「指押し」がされたか否かを判定する指押し判定手段56と、通信接続される外部コンピュータとの間でデータを伝送するためのデータ伝送手段57と、を備えている。
【0065】
上記ゲーム動作可変制御手段53及びゲーム状況判定手段54に関連する「可変条件」は、例えば、ゲーム内で実行される動作を通常のプレイ時とは異なる動作に変化させる際のトリガー(特殊な動作などを起こさせる引き金)となる条件である。本実施の形態では、ゲーム装置が緊張感に欠けるプレイが発生する可能性が高い状況下にあると想定される場合、具体的には、ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続してゲームの実行が可能なフリープレイの状況下にあると判定した場合に、ゲーム状況判定手段54は、可変条件が成立したものとしている。
【0066】
なお、図6に示される制御部10内の各手段51〜57は、本実施の形態では制御部10内のCPU37によって制御されるコンピュータプログラムで実現され、そのプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な所定の記憶媒体(例えば、図4中のRAM39)に記憶されている。また、各手段51〜57は、説明の便宜上、手段名を付けて機能で分類したものであり、ソフトウェア構成を限定するものではない。また、当該手段の一部若しくは全てをハードウェアで構成したものも本発明に含まれる。
【0067】
以下に、それらの手段51〜57について、より詳しく説明する。
【0068】
(1)貯留クレジット記憶手段51
貯留クレジット記憶手段51は、貯留クレジット数のデータを所定の記憶部に記憶し保持する。その記憶部は、本例ではゲーム装置の筐体に対応する記憶部であり、記憶媒体としては例えば図4に示されるRAM39が使用される。なお、図1B又は図1Cのような構成のゲームシステムにおいては、各ゲーム装置1からアクセス可能な共有データベースを設け、上記貯留クレジット数のデータを、例えばゲーム装置1の筐体を特定する筐体IDにより対応付けて、上記共有データベース内の記憶部に記憶し保持する形態としても良い。
【0069】
(2)ゲーム処理手段52
ゲーム処理手段52は、ゲームプログラムに基づいてゲームの処理を実行する手段であり、本実施の形態においては、貯留クレジット記憶手段51によって保管されている貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して、当該ゲームを実行する機能を備えている。なお、ダーツゲームの進行制御に係る処理、ダーツゲームにおける演出処理、及びネットワークゲームでの通信制御に係る処理など、具体的なゲーム処理については説明を省略する。
【0070】
(3)ゲーム動作可変制御手段53
ゲーム動作可変制御手段(以下「制御手段」とする)53は、後述する可変条件の成立に基づいてゲーム内で実行される所定動作を変化させる制御を行う。ここで言う、所定動作とは、ゲームに対するプレイヤの意欲を失わせないように、緊張感を持続若しくは向上させるための動作であり、制御手段53では、ゲームに対するプレイヤの意欲を持続させるように、例えば通常のプレイ時とは異なるゲーム動作に変化させる制御を行う。その動作としては、機械的な動作やゲームキャラクタの動作などの他に、ゲーム内容を変化させる動作も含まれる。
【0071】
例えば、可変条件が成立している場合、制御手段53では、当該ゲームの難易度の制御パラメータを変更することで、難易度に係る所定動作を変化させる制御、ゲームの難易度を下げる制御やそれとは逆に難易度を上げる制御などを行う。その制御パラメータを調整する処理は、ゲームプレイの開始前に実施しておく処理形態と、ゲームプレイの開始後に実施する処理形態とがあり、少なくとも前者の処理形態を含む構成とするのが好ましい。後者の処理形態では、例えばゲーム中のゲーム装置の状況やプレイ状況に応じて調整処理を行う形態となる。
【0072】
例えば、可変条件の成立の検出処理をゲームプレイの開始前に実行し、検出した場合はゲーム装置のモード選択手段を特殊モードに選択しておき、その特殊モードの間は、プレイヤの緊張感を高めるように、通常のプレイ時とは異なる難易度のゲームを適時実行する形態としても良く、当該プレイヤのゲーム中のプレイ状況(例えば対戦ゲームの場合などにおける相手とのスコアの差)や、ゲーム装置の状況(貯留クレジット数の増減率など)に応じて、ゲームの難易度を適時変化させる形態としても良い。
【0073】
また、可変条件の成立を検出した場合は、難易度の調整の他に、当該プレイヤに対しては対人戦ではなく、対コンピュータ戦(例えば、対戦型のダーツゲームでは、相手プレイヤの代わりとなるCPU制御による仮想プレイヤであるダーツロボットとの対戦)に切り替えたり、通常プレイでは出現しない特定のゲームを発生させたり、稀にしか出現しないキャラクタを登場させたりする形態としても良い。さらに、ゲーム中に上級者向けの特定のゲーム(例えばダーツゲームの場合は、狙いづらい所に入れて決着する「ダブルイン・ダブルアウト」の形態のゲーム)を実行するフラグをオフにすることで、中級者向け若しくは初心者向けのゲームに変化させたり、例えば表示色等で示される標的の得点領域の場所や得点領域の大きさを、通常とは異なるように変化させたりする形態としても良い。
【0074】
(4)ゲーム状況判定手段54
ゲーム状況判定手段54は、上記制御手段53がゲーム内の動作を変化させるための条件として、例えば、次のような第1可変条件〜第4可変条件の成立の有無を、ゲーム装置の現在の状況を表す状況データ(ゲームプレイに関するデータ)に基づいて判定する。本実施の形態では、以下に示す第1可変条件〜第3可変条件は、ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続してゲームの実行が可能なフリープレイの状況下にある、という条件であり、ゲーム状況判定手段54では、以下に示すようなゲームプレイに関するデータに基づいて、ゲーム装置がフリープレイの状況下にあるか否かを判定するようにしている。そして、前述の制御手段53は、ゲーム状況判定手段54が自己の装置がフリープレイの状況下にあると判定した場合に、ゲーム内で実行される所定動作を変化させるようにしている。
【0075】
〈第1可変条件〉
第1可変条件は、現在の貯留クレジット数が所定数以上であると言う条件である。第1可変条件の場合、ゲーム状況判定手段54では、貯留クレジット記憶手段51によって保持されている現在の貯留クレジット数を上記状況データとして読出し、貯留クレジット数と所定数とを比較して、貯留クレジット数が所定数以上の場合に可変条件の成立とする。ゲーム状況判定手段54では、例えば、フリープレイのゲーム装置であることを検出する際には、フリープレイ判定用基準値α(α=通常プレイでは有り得ない大きな値)を用いて、例えばゲームの開始前(次のラウンドの開始前を含む当該ゲームの実行前)に上記処理を行う。
【0076】
また、ゲームの実行中に、フリープレイのゲーム装置であることを検出する際には、例えば第2の判定用基準値α’(α’=実質的にフリープレイと同様となる大きな値)を用いて、現在の貯留クレジット数と第2の判定用基準値α’とを定期的に比較して上記可変条件の成立の有無の判定処理を行う。
【0077】
〈第2可変条件〉
ゲーム装置のモード選択手段として「フリープレイモード」を有するゲーム装置の場合、ゲーム状況判定手段54では、モード選択手段がフリープレイモードを選択しているか否かを判定し、フリープレイモードを選択していると判定した場合に第2可変条件の成立とする。
【0078】
この第2可変条件が適用されるゲーム装置は、貯留クレジット数の量に制限されること無く当該ゲームの実行を可能とする「フリープレイモード」を少なくとも備えたゲーム装置であり、その「フリープレイモード」と、貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して当該ゲームを実行する「通常プレイモード」と、を有するゲーム装置も含まれる。
【0079】
〈第3可変条件〉
第3可変条件は、貯留クレジット数の単位時間当たりの増加値が所定値以上であると言う条件である。第3可変条件の場合、ゲーム状況判定手段54では、貯留クレジット数の単位時間(t)当たりの増加値を監視すると共に、その増加値が所定値以上となったことを検出した場合に可変条件の成立とする。上記増加値は、例えば、貯留されるクレジット数の増減をカウントする計数手段の出力信号に基づいて算出される。また、上記増加値と比較する所定値(判定基準値β)は、例えば、投入されたコインをクレジット数に換算するゲーム装置の場合は、コイン投入口から連続してコインを投入したときのクレジット数の上記増加値よりも大きな値が予め設定されている。
【0080】
〈第4可変条件〉
第4可変条件は、前述の指押しによる不正行為がなされたと言う条件である。
【0081】
上記第1乃至第4の可変条件のうち、第1乃至第3の可変条件のいずれかが成立した場合は、ゲーム状況判定手段54は、ゲーム装置がフリープレイの状況下にあると判断し、ゲーム中にプレイ意欲や緊張感に欠けるプレイが生じたり、不正行為が生じたりする可能性が高いと見なし、可変条件が成立したことを制御手段53に通知する。ここで言う「不正行為」は、プレイが何回でもできることが起因して生じる不正行為であり、例えば、自分が不利なゲーム展開のときにゲーム装置の電源をオフにするといったゲーム装置を強制終了させる行為や、矢やボールなどの飛翔体を放つダーツゲーム装置や各種の球技用ゲーム装置(ゴルフ,サッカー,テニス等のシミュレータ)において、標的の当的面を指などで押すことによって、標的の狙った箇所に命中したように見せかける行為である。
【0082】
このように、本実施の形態では、緊張感に欠けるプレイヤや不正なプレイが発生する可能性の高い状況をゲーム装置自身が検出するようにしている。言い換えると、ゲーム状況判定手段54は、ゲームを実行中にプレイ意欲や緊張感に欠けたプレイが行われるのを予測する手段として機能し、また、これから始めるゲームに対して真剣味に欠けるプレイをしそうなプレイヤ(又は真剣味に欠けるプレイを現在行っていると想定されるプレイヤ)、あるいは不正行為を行ったプレイヤ(又は不正行為を行うことが想定されるプレイヤ)を検出する手段として機能する。
【0083】
(5)制御データ記憶手段55
制御データ記憶手段55は、ゲームの実行制御に係る制御データを検索キー等で関連付けてデータ記憶部(テーブルを含むデータベース)に登録し保管する手段である。
【0084】
データベースには、例えば、制御手段53が所定の動作を変化させるための挙動制御パラメータ、ゲーム装置の現在の状況を表す状況データ、及び通信ゲームにおける制御情報などの各種制御データが記憶される。上記挙動制御パラメータとしては、当該ゲームの難易度の調整パラメータ,指押し判定基準時間,貯留クレジットの数や増加速度等に基づくフリープレイ判定基準値などがあり、ゲーム装置の状況データとしては、ゲーム装置の現在のモード選択状況を示すステータス,可変条件の成立フラグ,貯留クレジットの数,ゲームの進行状況を示すステータス,ゲーム装置へのログイン状態を示すデータなどがある。
【0085】
(6)指押し判定手段56
指押し判定手段56は、前述の指押しによる不正行為がなされたか否かを判定する手段である。図3に例示したダーツゲーム装置1では、ダーツ盤6の各セグメント部材の表面に、投擲された矢の先端部を受容する多数の受容穴が形成されており、その多数の受容穴の1つにダーツが刺さると、そのセグメントの標的板が衝撃で後方に移動した後、瞬時に元の位置へ復帰する構造になっている。そして、各セグメントの背面側には、図6の当的検出部7を構成する感圧センサ等からなる当的検出手段が配されており、本実施の形態では、その当的検出手段によってセグメントの後方変位が検出されると、指押しによる不正行為がなされたか否かが指押し判定手段56によって判定され、指押しによる不正行為がなされたのではないと判定された場合は、制御部10内のゲーム処理手段52が、該感圧センサから出力された当的検出信号に基づいてスコアを自動的に計算し、そのスコアを表示部などに出力するようになっている。
【0086】
上記のような構成のダーツ盤6の場合、ダーツ盤6のセグメント部に矢が刺さった場合は、セグメント部の標的板は瞬時に元の位置へ復帰し、感圧センサから出力される当的検出信号の出力時間は瞬間的な時間(例えば150mmsec程度)となる。一方、人が指で押した場合は時間がかかるので、指押しが成されたか否かは、当的検出信号の出力時間に基づいて判定することができる。
【0087】
そこで、指押し判定手段56では、当的検出部(センサシート)7の構成要素である当的検出手段からの当的検出信号を入力し、当的検出信号の時間幅(当的検出用閾値を超える連続的な信号の時間幅)と指押し判定基準時間とを比較し、当的検出信号の時間幅が指押し判定基準時間より長い場合に、当該プレイヤによる指押しがなされたと判定するようにしている。
【0088】
なお、上記当的検出手段は、プレイヤによって投擲される飛翔体(矢やボールなど)の標的への当的を検出する手段であり、ダーツゲーム装置の他に、ボールなどの飛翔体を放つ各種の球技用ゲーム装置(ゴルフ,サッカー,テニス等のシミュレータなど)にも適用可能である。また、本実施の形態では、当的検出手段の構成要素である感圧センサとしてメンブレンスイッチ(圧膜印刷技術を応用したシートスイッチ)を使用しているが、それに限るものではなく、少なくとも標的への押圧若しくは接触を瞬時に検出可能な所定のセンサ(タッチセンサ,光学センサ,振動検知センサなど)であれば良い。
【0089】
(7)データ伝送手段57
データ伝送手段57は、サーバ端末や他のゲーム装置との間で各種のデータを送受信するための手段であり、そのデータの送受信は通信部11を介して行われる。例えば、前述の「01ゲーム」等の対戦ゲームでは、データ伝送手段57は、各プレイヤの操作情報などのゲームに関するデータを他のゲーム装置との間で送受信する。
【0090】
〈ゲームシステムの構成〉
次に、本発明に係るゲームシステムの主要部の構成について、図7を参照して説明する。図7は、本発明に係るゲームシステムの構成例を示す機能ブロック図である。なお、ゲーム装置1の構成は、図6に例示したゲーム装置1の構成と同様であるため、説明を省略し、ここでは、マッチング機能を有するサーバ端末(マッチングサーバ)3を有するゲームシステムに係る構成について説明する。
【0091】
マッチング機能を有するマッチングサーバ3を備えたゲームシステムにおいては、ゲーム装置1(及び1A,1B,・・・)内のデータ伝送手段57は、マッチングサーバ3に対するマッチング要求の送信や、マッチングサーバ3からのマッチング結果の受信を通信部11経由で行う。なお、ここで言う「マッチング機能」とは、不特定多数の参加希望者(対戦希望者など)の中から所定の条件を満たすプレイヤ同士(ゲーム装置同士)を組み合わせて当該ゲームの参加者を決定する機能のことを指している。
【0092】
図7において、マッチングサーバ3は、多数のプレイヤが共通のゲーム(例えば、図2に例示したダーツゲーム装置を用いた対戦ゲームや、同一の仮想空間内でプレイする各種のゲーム)に参加可能な通信ゲームにおいて、所定の条件を満たすプレイヤ同士を組み合わせて所定の通信ゲームを実行させるためのマッチング処理部301と、インターネット等のネットワーク2を介してゲーム装置1,1A,1B,・・・との間でデータの送受信を行う通信部302とを備えている。
【0093】
マッチングサーバ3は、例えば、離れた場所(店舗等)に存在するゲーム装置同士で1対1の対戦ゲームや2人以上のグループ間での対戦ゲームにおいて、対戦対象のゲーム装置を決定するためのマッチング処理を実行する。例えば、当該プレイヤのプレイ状況データ(当該プレイヤの戦歴,ランクなどを示すデータ)が記録された記憶媒体を用いた対戦ゲームの場合は、マッチングサーバ3のマッチング処理部301では、プレイヤがログインしている各ゲーム装置からマッチング要求を受信すると共に、受信したマッチング要求に含まれるプレイ状況データに基づいて同類のプレイヤ(同一ランクのプレイヤ同士,ログイン時間が早いプレイヤ同士など)をマッチングし、対戦対象のゲーム装置を決定する。そして、マッチング要求元のゲーム装置に対してマッチング結果を返信する。
【0094】
本実施の形態では、マッチングサーバ3のマッチング処理部301は、ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続してゲームの実行が可能なフリープレイの状況下にあるプレイヤ同士を組み合わせて所定の通信ゲームを実行させるためのマッチング処理を実行することを特徴としている。
【0095】
具体的には、マッチングサーバ3のマッチング処理部301は、当該ゲームの参加者を決定する際に、例えば、(1)ゲーム装置内の貯留クレジット記憶手段51に保持されている現在の貯留クレジット数が所定数以上であるという条件を満たすゲーム装置同士、又は、(2)ゲーム装置のモード選択手段がフリープレイモードを選択しているという条件を満たすゲーム装置同士、又は、(3)貯留クレジット数の単位時間当たりの増加値が所定値以上であるという条件を満たすゲーム装置同士でマッチング処理を実行するようにしている。
【0096】
上記(1)〜(3)の条件は、前述の第1可変条件〜第3可変条件であり、マッチングサーバ3では、例えば、ゲーム装置の現在の状況データ(可変条件の成立の有無を示すフラグ、若しくは、現在の貯留クレジットの数,現在のモード選択状況を示すステータス,貯留クレジット数の単位時間当たりの増加値などのデータ)を当該ゲーム装置から受信する。その状況データは、ゲーム装置からのマッチング要求に含める形態としても良く、そのマッチング要求とは別に受信する形態としても良い。
【0097】
上述のような構成において、本発明に係るゲーム装置の動作例及びそのゲーム装置を用いたゲームシステムの動作例について、以下、順次説明する。
【0098】
〈ゲーム装置の動作例〉
先ず、本発明に係るゲーム装置の動作例について、図8のフローチャートを参照して説明する。なお、ここでは、本発明に係るゲーム装置の主要な処理の流れについて説明し、既に説明した処理やゲームの内容については説明を省略又は簡略化して説明する。また、以下に説明する処理は、ゲーム装置の制御部10が行うものとして説明し、制御部10内のどの手段が行うかについては説明を省略する。
【0099】
図8において、ゲーム処理が開始されると、制御部10は、ゲームの初期処理としてクレジット増加速度(貯留クレジット数の単位時間当たりの増加値)の監視処理を開始する。この監視処理はクレジットが投入される前に開始される(ステップS1)。そして、プレイヤによる開始ボタンの押下などの操作によりゲームの開始指示信号を入力すると(ステップS2)、制御部10は可変条件成立の検出処理を実行する。本例では、前述の第1可変条件(a)(現在の貯留クレジット数 ≧ 判定基準値α)、第2可変条件(b)クレジット増加値/t ≧ 判定基準値β)、又は、第3可変条件(c)(現在のモード選択状況 = フリープレイモード)の成立の有無を検出する(ステップS3)。
【0100】
続いて、制御部10は、上記第1可変条件(a)乃至第3可変条件(c)のいずれかの可変条件の成立を検出したか否かを判定し(ステップS4)、可変条件の成立を検出した場合は、可変制御フラグをオン(共通の可変制御フラグ若しくは当該可変条件に対応する可変制御フラグをオン)にした後(ステップS5)、ゲームの実行を開始する(ステップS6)。
【0101】
その際、ゲームの実行開始前に可変制御フラグがオンか否かを判定し(ステップS7)、可変制御フラグがオンの場合は、通常プレイ時とは異なる動作に変化させる制御を実行する(ステップS8)。一方、可変制御フラグがオフの場合は、通常プレイ時の動作制御でのゲーム処理を実行する(ステップS9)。そして、当該ゲームが終了すると、所定の終了処理を実行して、ゲーム処理を終了する。
【0102】
次に、上記ステップS8(又は、上記ステップS8及びステップS9)で実行される指押し判定処理について、図9のフローチャートを参照して説明する。ここでは、ダーツゲーム装置における指押し判定処理を例として説明する。
【0103】
制御部10は、当的検出部7から当的検出信号を入力すると(ステップS81)、指押し判定処理を実行する。その際、制御部10は、当的検出時間が指押し判定基準時間以上であれば、指押しによる不正行為がなされたと判定し(ステップS82)、その不正行為を検出した場合は、例えば前述の第4可変条件に対応する可変制御フラグをオンにすると共に、当的の判定が厳しくなるように、指押し判定基準時間を短くする(ステップS83)。そして、当該ゲームが終了したか否かを判定し(ステップS84)、当該ゲームが終了するまでステップS81に戻って処理を繰り返す。
【0104】
なお、上記ステップS83における指押し判定基準時間の設定値による指押し判定動作の可変処理は、ゲーム中(全ラウンド又は1ラウンド)に一回だけ実行する形態としても良く、不正行為が検出される都度、例えば実際の矢が投擲された場合の当的検出用閾値まで、指押し判定基準時間を段階的に可変する形態としても良い。また、複数人のグループが同一ゲーム装置を用いてゲーム装置同士で対戦するようなゲームの場合は、グループの中の1人でも不正行為を検出した場合は、そのグループ単位で指押し判定基準時間を可変する形態としても良く、不正行為が検出されたプレイヤ単位で指押し判定基準時間を可変する形態としても良い。
【0105】
〈ゲームシステムの動作例〉
次に、本発明に係るゲームシステムの動作例について、ゲーム装置側の動作例を示す図10のフローチャート、及びマッチングサーバ側の動作例を示す図11のフローチャートを参照して説明する。なお、図10のフローチャートは、図8と同一処理の部分は同一ステップ番号を付しており、そのステップの処理については説明を省略する。また、ここでは、本発明に係るゲームシステムでのマッチング処理に係る流れについてのみ説明し、通信ゲームの内容については説明を省略する。
【0106】
図10において、ゲーム装置の制御部10は、通信ゲーム(ネットワークゲーム)の開始指示信号を入力すると(ステップS2a)、可変条件成立の検出処理を実行した後、マッチングサーバ3に対してマッチング要求を送信する。その際、制御部10は、ゲーム装置の現在の状況を表す「装置状況データ」をマッチングサーバ3に送信する。上記装置状況データは、例えば可変条件の成立の有無を示すデータ又は現在の貯留クレジット数のデータを含む、筐体IDに対応するデータである(ステップS5a)。
【0107】
図11において、マッチングサーバ3がゲーム装置からマッチング要求を受信すると(ステップS31)、マッチングサーバ3では、マッチング要求に含まれる装置状況データ(又はその要求前に受信した装置状況データ)に基づき、可変条件が成立しているゲーム装置が存在するか否かを判定し、存在する場合は、可変条件が成立しているゲーム装置と可変条件が成立していないゲーム装置との組み合わせを最下位の優先順位(好ましくはマッチング不成功)として、当該ゲーム装置同士のマッチング処理を実行する。すなわち、可変条件が成立しているゲーム装置同士、及び可変条件が成立していないゲーム装置同士でマッチング処理を実行する。そして、その組み合わせが存在しない場合に、例えばマッチングするゲーム装置が存在しないと判定する(ステップS32)。そして、そのマッチング結果をマッチング要求元のゲーム装置に返信し(ステップS33)、マッチング処理を終了する。
【0108】
図10において、ゲーム装置の制御部10は、マッチングサーバ3からマッチング結果を受信すると(ステップS5b)、マッチング不成功の旨を示すマッチング結果の場合は、例えばその旨を表示部8に表示して待機状態とし、マッチング成功の旨を示すマッチング結果の場合は、当該ゲーム装置との間で通信ゲームの実行を開始する(ステップS6a)。
【0109】
以上のように、複数台のゲーム装置同士で共通の通信ゲームを実行するゲームシステムにおいては、貯留クレジット数が所定数以上のゲーム装置同士でマッチング処理を実行する構成とすることにより、残存クレジット数が異常に多いような「フリープレイのゲーム装置」と、残存クレジット数が通常の「通常プレイのゲーム装置」とがマッチングするのを回避することが可能となる。また、フリープレイの状況下にあるゲーム装置であっても、ゲームに対するプレイヤの意欲を持続させるように、通常のプレイ時とは異なるゲーム内容やゲーム動作に変化させる制御が行われることになり、ユーザがどのような店舗のゲーム装置でプレイしたとしても、常に一定の緊張感を持たせながらゲームをプレイさせることが可能となる。さらに、フリープレイのために、ダーツゲーム装置の場合においては、競技目的でないために真剣味に欠けるプレイを行うプレイヤや、当的判定手段であるセグメントを指で押すような不正行為を行うプレイヤ、又明らかに自分が負けそうだと思ったときにゲーム装置の電源を抜いてしまうような、たちの悪いプレイヤ(モラルに欠けるプレイヤ)と、通常のプレイヤとが一緒にプレイをすることを防止することができ、通常のプレイヤが非常に不愉快な思いになるような事態を事前に回避することが可能となる。
【0110】
以上、本発明の実施形態について具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0111】
なお、上述した実施の形態においては、可変条件が成立した場合の動作の可変制御は、その成立を検出したゲーム装置内で行う場合を例として説明したが、通信ゲームの場合は、相手側のゲーム装置の制御手段に指令して、相手側のゲーム装置内の所定動作を変化させる形態としても良い。また、クレジット管理は、筐体内の装置が管理する場合を例と説明したが、それに限るものではなく、複数のゲーム装置を用いたゲームシステムにおいては、例えば、クレジット数だけをサーバ側に送って、サーバ側でクレジット管理を行い、その情報を用いて処理(指押し判定などの処理)を行う形態としても良い。
【符号の説明】
【0112】
1 ゲーム装置
2 ネットワーク
3 サーバ端末(マッチングサーバ)
6 ダーツ盤
7 当的検出部(センサシート)
8 表示部(LCD)
9 音声出力部(スピーカ)
10 (ゲーム装置の)制御部
11 (ゲーム装置の)通信部
12 外部記憶媒体(ICカード)
13 外部記憶媒体処理部(カードリーダ)
51 貯留クレジット記憶手段
52 ゲーム処理手段
53 制御手段(ゲーム動作可変制御手段)
54 ゲーム状況判定手段
55 制御データ記憶手段
56 指押し判定手段
57 データ伝送手段
301 (マッチングサーバの)マッチング処理部
302 (マッチングサーバの)通信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームのプレイ回数やプレイ時間に変換可能なクレジットの量を示すデータを基に所定のゲームを実行する機能を有するゲーム装置及びゲームシステムに関し、特に、ゲームに対するプレイヤ(遊戯者)の意欲を持続させるように、通常のプレイ時とは異なるゲーム内容やゲーム動作に変化させることが可能なゲーム装置及びゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊戯施設等に設置されるアーケードゲーム機などの業務用ゲーム装置は、一般的には1プレイにつき対価を支払うという形式にて運営が行われているが、例えばダーツゲーム機のように複数人でプレイするゲーム装置で長時間に亘って連続してプレイするような目的でゲームを行う場合や、特定のゲームを長時間練習等の目的で連続してプレイするような目的でゲームを行う場合には、いわゆるカラオケボックス運営のように時間貸しのような形態で所定時間に対して対価を支払うような形態(レンタル時間中フリープレイ)のような運営が行われている。そのような場合においてはゲーム装置側の設定を変更することで「フリープレイ」と呼ばれる特殊設定状態として1プレイ当たりの対価をゲーム装置に投入せずにプレイ可能な状態として所定時間遊ばせるようにしたものがあった。またそのような特殊設定が存在しないようなゲーム装置の場合においては、コイン投入検出信号発生手段(いわゆるコインスイッチ)を用いて実際に対価となる貨幣投入を行わずにクレジット信号(プレイ料金支払検出信号)を運営側スタッフが所定時間当たりのプレイ回数よりも十分に多い回数を予め入力しておくことでフリープレイの代用可能とする方式が知られている。
【0003】
さて、従来知られているゲーム装置では1台の筐体で所定のゲームを1人でプレイするタイプのゲーム装置の他に、1台の筐体で2人以上のプレイヤが対戦ゲームなどの共通のゲームをプレイするタイプのゲーム装置がある。また、複数の業務用ゲーム装置又は家庭用ゲーム装置を相互に通信可能に接続して、見知らぬ同士が1対1、又はチームを組んで共通のゲームをプレイしたり、対戦ゲームをプレイしたりすることが可能なゲームシステムもある。
【0004】
いずれのタイプのゲーム装置やゲームシステムであっても、ゲームに対するプレイヤのやる気や興味が低下しないように、何らかの工夫をして、ゲームに対するプレイヤの意欲を持続させるようにすることが重要である。
【0005】
ここで問題となる点として、特にダーツゲームのように競技性の高い側面を持ちつつ、娯楽として楽しむことも可能な対戦ゲームにおいては、競技目的として真剣な対戦を望むプレイヤと、娯楽目的でプレイするプレイヤとが共存している点である。両者は完全に区分できず、あるプレイヤが競技目的でゲームをプレイした後、それ以降に練習や娯楽目的でプレイする場合もありうる。
【0006】
従来、見知らぬ同士が1対1、又はチームを組んで共通のゲームをプレイすることが可能なゲームシステムにおいては、例えば不自然に強力なパラメータのアイテムを多数所有するユーザなど、不正行為によって入手したと思われるアイテムを所有するユーザがログインした時に、同様のユーザ同士でマッチングさせることで、一般のユーザと不正なユーザとが同一チームになるのを回避するようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0007】
しかし、ゲームをプレイする目的が真剣な競技を目的としたものか、あまり真剣でない娯楽を目的としたものや練習を目的としたものかによってマッチング制御を行うという方法は従来無かった。
【0008】
さて、ゲームの目的が、真剣な競技目的かそれ以外の目的かという観点と、連続したプレイか否かという観点を挙げたが、後者の観点では、連続プレイは運営側にとっては時間当たりの収益性が高いため、そのようなプレイを行うプレイヤに対しては多少有利な料金設定を行ったり、また連続プレイに対する特殊なサービスを行ったりするというように、連続プレイに対して特定のサービスを行うという発想がある。例えば、景品取得ゲーム機(所謂クレーンゲーム機)において、コインを一定枚数入れることによって一定条件を満たした場合に、最後のプレイがボーナスゲームとなり、クレーンの移動範囲を拡張させた状態で当該ゲームを実行する形態とすることで、通常はクレーンの移動範囲外にある特別ステージ内の景品も獲得できるようにしたものがある(特許文献2参照)。
【0009】
しかし、上記特許文献2においては、投入コイン枚数は実際にプレイ料金として支払う枚数であり、冒頭に記載したように貯留クレジット数と課金コイン枚数が異なるような状況に対して特殊な制御や挙動変更を行うという発想は無かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−296769号公報
【特許文献2】特開平8−24433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したように従来のゲーム装置やゲームシステムでは、何らかの工夫をしてゲームに対するプレイヤの意欲を持続させるようにしている。
【0012】
ところで、ゲーム装置には、現在の貯留クレジット数のデータを保持する機能を備えたものがある。この種の従来のゲーム装置では、コイン(通貨)などのプレイポイントに相当する「クレジット」をあらかじめ複数投入することにより、プレイ回数が1回増えるといったサービスを付与し、プレイヤがゲームを始める際に複数プレイ回数があるという前提のもと、いろいろな戦略を立てることでき、ゲームに対するプレイヤの意欲を持続させるようにしていた。また、「クレジット」の複数投入をさせることにより、プレイヤ一人当たりのゲーム装置に対する単価を上げることができた。
【0013】
しかし、ゲーム装置によっては、クレジット数に関係なく何回でもプレイすることができる「フリープレイモード」が存在したり、「フリープレイモード」が存在しないゲーム装置において装置内部のクレジット部を操作することで実質的に何回でもプレイ可能としたりする場合があった。
【0014】
「フリープレイモード」が存在しないゲーム装置の場合、例えば、店舗がゲーム装置を時間貸しする際に、店員が筐体内のコイン貯留部に多量のコインを一気に投入したり、クレジット部を操作することによって、通常のプレイでは考えにくい数値にまで残存クレジット数(記憶部に貯留されているクレジット数)を増加させることで、何回でもプレイできるようにしていた。
【0015】
上述のようなゲーム装置の場合、プレイヤは、ゲームをプレイする毎に料金を支払う必要がなく実質的に何回でもプレイすること(以下「フリープレイ」と呼ぶ)が可能なため、緊張感が欠けることにより、プレイが雑になる恐れがあった。
【0016】
さらに、上記のようなフリープレイが可能なゲーム装置を接続したゲームシステムにおいては、例えば、ネットワーク対戦において、残存クレジット数(貯留クレジット数)が異常に多いような「フリープレイのゲーム装置」と、残存クレジット数が通常の「通常プレイのゲーム装置」とがマッチングした場合、前者のゲーム装置でプレイしているユーザはプレイが雑になり、後者のゲーム装置でプレイしているユーザの真剣に対戦したいという競争心を失わせる恐れがあった。
【0017】
本発明は上述のような事情から成されたものであり、本発明の目的は、常に一定の緊張感をプレイヤに持たせながらゲームをプレイさせることが可能なゲーム装置、ゲームシステム及びプログラムを提供することにある。
【0018】
より詳しくは、本発明の目的は、ゲームをプレイする毎に料金を支払う必要がなく実質的に何回でもプレイすることができるフリープレイの場合でも、常に一定の緊張感をプレイヤに持たせながらゲームをプレイさせることが可能なゲーム装置を提供することにある。また、本発明の更なる目的は、例えば各店舗のゲーム装置がネットワークを介して接続されたゲームシステムにおいて、プレイヤがどのような店舗のゲーム装置でプレイしたとしても、同一目的のプレイヤ同士でマッチングさせることにより、常に一定の緊張感を持たせながらゲームをプレイさせることができるゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、ゲーム装置、ゲームシステム及びプログラムに関するものであり、
ゲーム装置に関しては、本発明の上記目的は、現在の貯留クレジット数のデータを保持する貯留クレジット記憶手段と、前記貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して所定のゲームを実行する機能を有するゲーム処理手段と、を備えたゲーム装置において、ゲームプレイに関するデータに基づいて前記ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続して前記ゲームの実行が可能な状況下にあるか否かを判定するゲーム状況判定手段と、前記ゲーム状況判定手段が前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定した場合に、前記ゲーム内で実行される所定動作を変化させるゲーム動作可変制御手段と、を備えることによって達成される。
【0020】
さらに、本発明の上記目的は、
前記ゲーム状況判定手段は、前記貯留クレジット記憶手段に保持されている現在の貯留クレジット数を読出し、該貯留クレジット数が所定数以上の場合に前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定すること、
前記ゲーム装置が、前記変換により当該ゲームを実行する通常プレイモードと前記貯留クレジット数の量に制限されること無く当該ゲームの実行を可能とするフリープレイモードとを選択する、モード選択手段を有するゲーム装置であって、前記ゲーム状況判定手段は、前記モード選択手段が前記フリープレイモードを選択している場合に前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定すること、
前記ゲーム状況判定手段は、前記貯留クレジット数の単位時間当たりの増加値を監視すると共に、前記増加値が所定値以上となったことを検出した場合に前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定することと、
前記ゲーム装置が、プレイヤによって投擲される矢の的となる標的と、前記標的の後方への変位に基づいて当的を検出する当的検出手段と、前記当的検出手段からの当的検出信号の時間幅が指押し判定基準時間より長くなった場合に当該プレイヤによる指押しがなされたと判定する指押し判定手段と、を有するダーツゲーム装置であって、前記ゲーム動作可変制御手段は、前記指押し判定手段によって前記指押しがなされたと判定された場合に前記指押し判定基準時間を短く設定することで、前記指押し判定手段の判定動作を変化させる機能を有すること、
前記所定動作がゲームの難易度に係る動作であり、前記ゲーム動作可変制御手段は、前記ゲーム状況判定手段が前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定した場合に、当該ゲームの難易度の制御パラメータを変更することで、当該ゲームの難易度に係る所定動作を変化させること、
前記ゲーム状況判定手段は、前記ゲーム装置が前記状況下にあるか否かを判定する処理を当該ゲームの開始前に実行すること、
によってそれぞれ一層効果的に達成される。
【0021】
また、ゲームシステムに関しては、本発明の上記目的は、現在の貯留クレジット数のデータを保持する貯留クレジット記憶手段と、前記貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して所定のゲームを実行する機能を有するゲーム処理手段と、を備えたゲーム装置と、前記ゲーム装置がネットワークを介して複数台接続されると共に、前記ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続して前記ゲームの実行が可能な状況下にあるプレイヤ同士を組み合わせて所定の通信ゲームを実行させるためのマッチング処理を行うマッチングサーバと、を有するゲームシステムであって、前記ゲーム装置は、ゲームプレイに関するデータに基づいて前記状況下にあるか否かを判定するゲーム状況判定手段を有すること、によって達成される。
【0022】
また、プログラムに関しては、本発明の上記目的は、現在の貯留クレジット数のデータを保持する貯留クレジット記憶手段と、前記貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して所定のゲームを実行する機能を有するゲーム処理手段と、を備えたゲーム装置において実行されるプログラムであって、前記ゲーム装置のコンピュータを、ゲームプレイに関するデータに基づいて前記ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続して前記ゲームの実行が可能な状況下にあるか否かを判定するゲーム状況判定手段、及び、前記ゲーム状況判定手段が前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定した場合に、前記ゲーム内で実行される所定動作を変化させるゲーム動作可変制御手段、として機能させること、によって達成される。
【0023】
さらに、プログラムに関しては、本発明の上記目的は、現在の貯留クレジット数のデータを保持する貯留クレジット記憶手段と、前記貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して所定のゲームを実行する機能を有するゲーム処理手段と、を備えたゲーム装置と、前記ゲーム装置がネットワークを介して複数台接続されると共に、前記ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続して前記ゲームの実行が可能な状況下にあるプレイヤ同士を組み合わせて所定の通信ゲームを実行させるためのマッチング処理を行うマッチングサーバと、を有するゲームシステムの前記ゲーム装置において実行されるプログラムであって、前記ゲーム装置のコンピュータを、ゲームプレイに関するデータに基づいて前記状況下にあるか否かを判定するゲーム状況判定手段、として機能させることによっても達成される。
【発明の効果】
【0024】
本発明では、ゲーム装置が自身の装置の状況を診断し、所定回数若しくは所定時間以上連続してゲームの実行が可能なフリープレイの状況下にあるか否かを検出するようにしている。例えば、現在の貯留クレジット数が所定数以上の場合、モード選択手段がフリープレイモードを選択している場合、又は、貯留クレジット数の単位時間当たりの増加値が所定値以上の場合は、フリープレイの状況下にあると判断するようにしている。言い換えると、上記のような場合は、そのゲーム装置は、緊張感に欠けるプレイが発生する可能性が高い状況下にあるゲーム装置であると予測し、そのような状況をゲーム装置が自己診断して検出するようにしている。そして、そのような状況を検出した場合に、ゲーム内で実行される所定動作を変化させるようにしているので、常に一定の緊張感をプレイヤに持たせながらゲームをプレイさせることが可能となる。
【0025】
更に言い換えると、本発明によれば、緊張感に欠けるプレイが発生する可能性の高い状況をゲーム装置自身が検出し、緊張感を持続させるように、通常プレイ時のゲーム内容やゲーム動作とは異なるものに変化させることが可能となる。
【0026】
また、上記状況を検出する処理をゲームの開始前に実行する構成とすることによって、プレイヤがゲームを始める前に、ゲーム装置を通常のプレイ時とは異なる動作(緊張感を持続若しくは向上させるための特定の動作)に変化させることが可能となり、緊張感の欠如によって生じる不正行為や適当なプレイが生じるのを事前に防止することが可能となる。
【0027】
また、ゲームシステムに係る発明では、ゲーム装置側は、自己の装置がフリープレイの状況下にあるか否かを判定し、マッチングサーバ側では、フリープレイの状況下にあるゲーム装置同士でマッチング処理を実行する構成としているので、真剣なプレイヤとそうではないプレイヤとのマッチングを事前に防止することが可能となり、例えば真剣なプレイヤがどのような店舗のゲーム装置でプレイしたとしても、常に一定の緊張感を持たせながらゲームをプレイさせることが可能となる。また、通常のゲーム装置でプレイしている人が、フリープレイの相手とプレイするのを防止することができるので、例えば、ダーツゲーム装置の場合においては、相手が競技目的でないために真剣味に欠けるプレイをしたり、当的判定手段であるセグメントを指で押すような不正行為をしたり、負けそうなときにゲーム装置の電源を抜いたりするといったゲーム装置の強制終了をすること等によって生じる不愉快な思いをしなくて済むようなる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明が適用されるゲーム装置及びゲームシステムの構成例を示す模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係るダーツゲーム装置の内部構成及びネットワーク構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るダーツゲーム装置の外観を示す正面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るネットワークゲームシステムに適用されるダーツゲーム装置の制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【図5】ダーツゲームの1つの競技方法であるゼロ・ワン・ゲームにおけるゲーム処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明に係るゲーム装置の制御部の構成例を示す機能ブロック図である。
【図7】本発明に係るゲームシステムの構成例を示す機能ブロック図である。
【図8】本発明に係るゲーム装置の動作例を示す第1のフローチャートである。
【図9】本発明に係るゲーム装置の動作例を示す第2のフローチャートである。
【図10】本発明に係るゲームシステムにおけるゲーム装置側の動作例を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係るゲームシステムにおけるマッチングサーバ側の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照にしながら本発明の実施形態について説明する。
【0030】
図1(A)〜(C)は、本発明が適用されるゲーム装置及びゲームシステムの構成例を示す模式図であり、図1(A)は、1台の筐体1aで2人以上が対戦可能なゲーム装置を示し、図1(B)は、無線又は有線による直接通信により2台以上の筐体1aで2人以上が共通のゲームをプレイすることが可能なゲームシステムの構成を示している。また、図1(C)は、インターネット等のネットワーク2を介して接続されるゲーム装置のそれぞれの筐体1aで2人以上が共通のゲームをプレイすること可能なゲームシステムの構成を示している。図1(C)に示されるサーバ端末3は、マッチングサーバを含んでおり、そのマッチングサーバは、所定の条件を満たすプレイヤ同士を組み合わせて通信ゲームを実行させるためのマッチング処理を行う機能を備えている。また、図1(A)〜(C)中のゲーム装置は、現在の貯留クレジット数のデータを保持する機能を備えたゲーム装置である。
【0031】
本発明に係るゲーム装置は、図1(A)〜図1(C)のいずれの態様であっても適用することができるが、以下に説明する実施形態では、図1(C)の態様に適用した場合を例として説明する。
【0032】
なお、本願で言う「クレジット」とは、信用や功績の意味ではなく、ゲームを実行するため「プレイポイント」に相当するものを指しており、ゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換可能なものを意味している。また、そのクレジットに換算される媒体はコイン(通貨)に限るものではなく、例えば遊戯施設内でのみ使える「メダル」,「プリペイドカード」,若しくは「トークン」と呼ばれる金銭に相当する物、商品購入代金やサービス利用料金の決済に利用可能な「ポイント」や「電子マネー」のような電子的な通貨などであっても良い。そして、本願で言う「貯留クレジット数のデータ」とは、電子データとして保持されている現在のクレジット数(残存するクレジットの総量)を示すデータのことを意味しており、そのデータは例えばゲーム装置の内蔵メモリに記憶されたデータである。
【0033】
以下、ゲーム装置の一例として、プレイヤ(遊戯者)が標的に矢を投擲して得点を競うダーツゲーム装置に適用した場合を例として主に説明するが、本発明に係るゲーム装置はこれに限定されるものではなく、現在のクレジット数をデータとして保持する機能を備えたゲーム装置(若しくはフリープレイモードを有するゲーム装置)であれば良い。
【0034】
《ダーツゲーム装置・ゲームシステムの構成》
本発明に係るゲーム装置及びゲームシステムの特徴的な構成を説明するに先立ち、図2〜図4を用いて、本発明の実施形態に係るダーツゲーム装置及びその装置を用いたネットワークゲームシステムの構成について説明する。
【0035】
図2は、本発明の実施形態に係るネットワークゲームシステムのゲーム装置(ダーツゲーム装置)の内部構成及びネットワーク構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0036】
同図において、本実施形態に係るネットワークゲームシステムでは、ゲーム装置(ダーツゲーム装置)1を含む複数のゲーム装置1,1A,1B,・・・が、インターネットなどのネットワーク2に接続され、該ネットワーク2には、サーバ端末3、パーソナルコンピュータ4、携帯電話5などの通信端末が接続されている。サーバ端末3は、図1(C)中のマッチングサーバを含み、ネットワーク2を介して各ダーツゲーム装置1,1A,1B,・・・と種々の情報の入出力を行い、前述のマッチング処理の他に、必要に応じてゲームなどの制御を実行するようになっている。
【0037】
ダーツゲーム装置1は、ダーツゲームの標的となる円形状のダーツ盤6と、プレイヤが投擲した矢(ソフトダーツ)がヒットしたダーツ盤6の領域(セグメント)を検出する当的検出部7と、ダーツゲームを制御するとともに、当的検出部7の検出結果に基づいて表示部8や音声出力部9に出力信号を出力する制御部10と、上述したネットワーク2に接続され、該ネットワーク2を介してサーバ端末及び他のダーツゲーム装置1A,1B,・・・とデータの送受信を行う通信部11と、プレイヤ固有のプレイヤID(プレイヤ識別情報)が記憶された外部記憶媒体(IDカード)12の検出する外部記憶媒体処理部13と、ゲーム実行のためのコイン(硬貨)14の挿入を検出するコイン検出部15とを備えている。
【0038】
制御部10は、外部記憶媒体処理部13によって外部記憶媒体12からプレイヤIDが検出されると、通信部11からネットワーク2を介してサーバ端末にアクセスし、該サーバ端末からプレイヤ固有のデータを取得するようになっている。また、パーソナルコンピュータ4や携帯電話5などの通信端末は、ネットワーク2を介してサーバ端末にアクセスすることにより、ダーツゲーム装置1,1A,1B,・・・における成績データ、プレイヤ順位、種々のイベント情報など、ダーツゲームに関する様々なデータを送受信することができる。また、これにより、ダーツゲームを実行中に表示部8に表示させる画像やメッセージ、音声出力部9を介して出力するBGM(Background Music)や効果音の設定を行うことができる。
【0039】
図3は、本発明の実施形態に係る本発明の実施形態に係るネットワークゲームシステムのダーツゲーム装置の外観を示す正面図である。
【0040】
同図において、ダーツゲーム装置1は、筐体中央部に上述したダーツ盤6を備え、その上部には液晶表示ディスプレイ(表示部)8、及びスピーカ(音声出力部)9が配されている。液晶表示ディスプレイ8には、ゲームの進行に応じて、ゲームスコア、ゲームメニュー、ゲーム説明、ゲーム演出画像など、所定の画像や文字情報が表示され、スピーカ9からはダーツゲームに応じて効果音や音声などが出力される。
【0041】
また、ダーツ盤6の左上部には、プレイヤが矢を投擲する姿勢を撮像するカメラ16が配設されている。一般に、ダーツ盤6は、直径が39.37cm(15.5インチ)、床から中心までの高さが173cmに設定され、このダーツ盤6の真下の床から244cm離れた位置の床表面にスローイング・ライン(投擲線)が設けられている。プレイヤは、この投擲線からダーツ盤6に向かって矢を投げてダーツゲームを行う。したがって、上記カメラ16の視点は、このスローイング・ラインから投擲するプレイヤの姿勢を捉えるように設定されている。なお、本実施形態では、右利きのプレイヤが矢を投擲する姿勢(顔の表情など)をよく捉えることができるように、カメラ16を標的30の左上に設置したが、この設置位置はこれに限定されるものではなく、使用状況に応じて適宜変更することができる。
【0042】
また、ダーツ盤6の下部には、複数(4つ)のカードスロット17a〜17dと、4つの決定ボタン18a〜18d及び1つの選択ボタン19とが配設されている。カードスロット17a〜17dには、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)などのICタグが埋設された外部記憶媒体12が挿入される。この外部記憶媒体12には、プレイヤの識別コードや過去のゲーム履歴、プレイ中やランキング表示に使用するプレイヤ名、技量を示すランク、最新の各種データ更新日などの情報が記録されており、この記録情報は、各カードスロット17a〜17dの裏側に取り付けられたカードリーダ(外部記憶媒体処理部)13によって読み取られる。なお、外部記憶媒体12には、プレイヤの識別コードのみを記録し、過去のゲーム履歴等その他の情報はサーバ装置に記録してもよい。この場合、カードリーダ13によって外部記憶媒体12が検出されると、制御部10がプレイヤ識別コードを参照し、通信部11からネットワーク2を介してサーバ3にアクセスし、該サーバ3から該当データを取得する。選択ボタン19は、ダーツゲームの開始前にゲームモード(ゼロ・ワン、クリケット、カウント・アップ等)を選択するボタンとして機能する一方、ダーツゲーム中には、1セット3投のラウンド終了時に次ラウンドへ移行する(あるいは複数のプレイヤがいる場合には次順のプレイヤへ切り替える)ボタンとして機能する。
【0043】
さらに、ダーツゲーム装置1の筐体下部は、筐体内部に収納された制御装置や電源装置などを出し入れできるように設けられた開閉扉20と、ダーツゲームを実行する際に投入されるコイン(硬貨)14の投入口21と、該投入口21から投入されたコインを収容するコインボックス22とを備え、該投入口21には上述したコイン検出部15が配設されている。
【0044】
図4は、本発明の実施形態に係るネットワークゲームシステムに適用されるダーツゲーム装置の制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【0045】
同図において、例えば汎用PCなどからなる制御部10は、少なくとも、ゲーム中の演出などを含むゲームの進行を制御するCPU37と、各種プログラムやデータテーブルなどが格納されたROM38と、一時データの記録領域及びCPU37のワークエリアとして機能するRAM39とを備えている。この制御部10には、アンテナ13a及びRFIDカードリーダ/ライター(RFID CARD R/W)13bからなる外部記憶媒体処理部13が接続されている。制御部10のCPU37は、カードスロット17a〜17dに挿入された外部記憶媒体(ICカード等)12に記録されているデータを読み取るとともに、通信部11からネットワーク2を介してサーバ端末にアクセスして、この外部記憶媒体12に記録されているデータに基づくプレイヤ固有のデータをサーバ端末から取得し、液晶表示ディスプレイ(表示部)8にそれらのデータを表示する処理などを実行する。
【0046】
また、制御部10には、コイン投入口21から投入されたコイン14を検出するコイン検出部15、投擲された矢35が何れのセグメント部材31にも当的しなかった場合にダーツ盤6の振動を検出するアウトボードセンサ40、決定ボタン18a〜18dや選択ボタン19などの各種ボタンスイッチ、効果音や警告音などを出力するスピーカ9、などの機器がI/O制御ボード41を介して接続されている。
【0047】
さらに、制御部10には、フルカラーLED27を搭載したLED基板28、スローイング・ラインから投擲するプレイヤの静止画像や動画像を撮影するカメラ16が接続されている。LED基板28には、当的検出部であるメンブレンスイッチを搭載したセンサシート7が接続され、該センサシート7によって検出された当的検出信号は、LED基板28を介して制御部10に出力される。
【0048】
なお、外部記憶媒体12、外部記憶媒体処理部13、各カードスロット17a〜17d及びカメラ16は、付加的な構成要素であり、それらの機器を利用した具体的なゲーム処理については説明を省略する。
【0049】
上述のような構成において、ダーツゲームの1つの競技方法である「ゼロ・ワン・ゲーム」が選択されたときのゲーム処理の流れについて、図5を参照して説明する。
【0050】
図5は、「ゼロ・ワン・ゲーム」におけるゲーム処理の流れを示すフローチャートであり、図5(A)は1ゲームの処理の流れを示し、図5(B)は、同図(A)のステップS51及びステップS54における投擲処理の流れを示している。以下、2人の競技者(プレイヤ1とプレイヤ2)が対戦する場合を例に、ステップ順に説明する。
【0051】
なお、「ゼロ・ワン・ゲーム」とは、所定の持ち点(101点、301点、501点等)からゲームで獲得した得点を減算していき、持ち点を先に0点にするか、所定数のラウンドの終了後に持ち点の少ない競技者を勝者とするゲームである。
【0052】
ゲームの選択画面でゼロ・ワン・ゲーム(以下「01ゲーム」と記す)がプレイヤによって選択され、コインの投入等によりクレジットが貯留されると、ダーツゲーム装置1の制御部10は、01ゲームの処理を開始する。01ゲームが開始されると、先ず、先攻の競技者(プレイヤ1)の投擲処理が実行される(ステップS51)。
【0053】
上記ステップS51における投擲処理について、図5(B)を参照して説明する。
【0054】
制御部10は、上がり目があるか(例えば今回の投擲によって残りの持ち点を0点にすることができるか()否かを判定し(ステップS61)、上がり目があると判定した場合は、例えば該当の標的セグメントを点灯することによって、狙うべき標的セグメントを競技者に報知し(ステップS62)、上がり目がないと判定した場合は、プレイヤ1の投擲待ちとする(ステップS63)。
【0055】
プレイヤ1がダーツ(矢)を投擲し、ダーツ盤6上の標的セグメントにダーツが命中すると、当的検出部7から当的検出信号が制御部10に出力される。制御部10は、当的検出信号を解析して、ダーツが命中した標的セグメントの位置を検出し、得点を判定して、持ち点の残りから得点を減算する処理を行う(ステップS64,S65)。
【0056】
続いて、制御部10は、プレイヤ1が交代条件を満たしたか否かを判定し(ステップS66)、交代条件を満たしたと判定した場合、持ち点から得点を減算した結果が「0」またはマイナス(バスト)である場合は、投擲処理を終了する。一方、交代条件を満たしていないと判定した場合は、今回の投擲が3投目であったか否かを判定し(ステップS67)、3投目であった場合は投擲処理を終了し、3投目でない場合はステップS61に戻り、投擲処理を繰り返す。そして、投擲処理を終了すると、図5(A)のステップS52に移行する。
【0057】
プレイヤ1の投擲処理を終了すると、制御部10は、プレイヤ1がゲームの終了条件(本例では持ち点から得点を減算した結果が0点であるという条件)を満たしたか否かを判定する(ステップS52)。そして、ゲームの終了条件を満たしていないと判定した場合は、制御部10は、競技者によりチェンジボタンが押されたか否かを判定し(ステップS53)、チェンジボタンが押されたと判定した場合は、競技者がプレイヤ1からプレイヤ2に交代したと判断し、プレイヤ1に対する処理と同様に、プレイヤ2に対する投擲処理(ステップS54)、終了条件の判定処理(ステップS55)、及びチェンジボタンの押下の検出処理(ステップS56)を実行する。なお、投擲が3投目であったか否かを判定し(ステップS67)、3投目であった場合の投擲処理の終了時に、ゲームの終了条件を満たしたか否かを判定し(ステップS52)た結果、ゲームの終了条件を満たしていないと判定した場合は、チェンジボタンが押されたとみなし、競技者の交代を制御部10によって競技者の手を介さずに自動的に行ってもよい。
【0058】
そして、上記ステップS56において、チェンジボタンの押下を検出すると、制御部10は、ラウンド数が15ラウンドに達したか否かを判定し(ステップS57)、15ラウンドに達していない場合はステップS51に戻って処理を繰り返す。なお、競技者が3人または4人の場合は、ステップS56の後にステップS51からステップS53の処理を人数分繰り返す。そして、上記ステップS57において、15ラウンドに達したと判定した場合は、制御部10は、今回のゲームの勝利者を判定し(ステップS58)、勝利者に対する演出等の処理を行い、01ゲームの処理を終了する。また、ここでは、01ゲームのラウンド数は15ラウンドとして説明したが、これに限定されることなく、それぞれのゲームのラウンド数は筐体毎に設定することができる。
【0059】
《本発明に係るゲーム装置・ゲームシステムの特徴的な構成》
次に、本発明に係るゲーム装置及びゲームシステムの特徴的な構成について説明する。
【0060】
発明の概要で述べたように、ゲーム装置によっては「フリープレイモード」が存在したり、「フリープレイモード」が存在しないゲーム装置の場合でも、時間貸しをする際などに店員が多量のコインをコイン貯留部に投入したり、クレジット部を操作することで実質的に何回でもプレイ可能とする場合があったりする。そこで、本発明においては、上記のような場合は、そのゲーム装置は、緊張感に欠けるプレイが発生する可能性が高い状況下にあるゲーム装置であると予測し、そのような状況下をゲーム装置自身が検出すると共に、ゲームに対するプレイヤの意欲を失わせないように、ゲーム内で実行される動作を変化させる制御を行うようにしている。
【0061】
このような検出や制御を実現するためのゲーム装置の構成及びそのゲーム装置を用いたゲームシステムの構成について、以下、順次説明する。
【0062】
〈ゲーム装置の制御部の構成〉
先ず、本発明に係るゲーム装置の制御部の構成について、図6を参照して説明する。
【0063】
図6は、本発明に係るゲーム装置の制御部10の構成例を示す機能ブロック図である。なお、図6中の当的検出部7と指押し判定手段56は、矢やボールなどの飛翔体を放って競技するタイプのゲーム装置(本例ではダーツゲーム装置)に本発明を適用した場合に備える付加的な構成要件である。また、図6中の通信部11とデータ伝送手段57は、図1(B)又は図1(C)の態様のゲームシステムに本発明を適用した場合に必要となる付加的な構成要件である。
【0064】
図6において、ゲーム装置内の制御部10は、本発明に係る主要な構成として、現在の貯留クレジット数のデータを保持する貯留クレジット記憶手段51と、貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して所定のゲーム(本例ではダーツゲーム)を実行する機能を有するゲーム処理手段52と、ゲーム装置の状況が特定の条件(以下「可変条件」と呼ぶ)を満たしている場合に、ゲーム内で実行される所定動作を変化させるゲーム動作可変制御手段53と、ゲームプレイに関するデータに基づいて上記可変条件の成立の有無を判定するゲーム状況判定手段54と、ゲームの実行制御に係る制御データを記憶する制御データ記憶手段55と、当的の検出面(本例ではダーツ盤の盤面)に対する「指押し」がされたか否かを判定する指押し判定手段56と、通信接続される外部コンピュータとの間でデータを伝送するためのデータ伝送手段57と、を備えている。
【0065】
上記ゲーム動作可変制御手段53及びゲーム状況判定手段54に関連する「可変条件」は、例えば、ゲーム内で実行される動作を通常のプレイ時とは異なる動作に変化させる際のトリガー(特殊な動作などを起こさせる引き金)となる条件である。本実施の形態では、ゲーム装置が緊張感に欠けるプレイが発生する可能性が高い状況下にあると想定される場合、具体的には、ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続してゲームの実行が可能なフリープレイの状況下にあると判定した場合に、ゲーム状況判定手段54は、可変条件が成立したものとしている。
【0066】
なお、図6に示される制御部10内の各手段51〜57は、本実施の形態では制御部10内のCPU37によって制御されるコンピュータプログラムで実現され、そのプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な所定の記憶媒体(例えば、図4中のRAM39)に記憶されている。また、各手段51〜57は、説明の便宜上、手段名を付けて機能で分類したものであり、ソフトウェア構成を限定するものではない。また、当該手段の一部若しくは全てをハードウェアで構成したものも本発明に含まれる。
【0067】
以下に、それらの手段51〜57について、より詳しく説明する。
【0068】
(1)貯留クレジット記憶手段51
貯留クレジット記憶手段51は、貯留クレジット数のデータを所定の記憶部に記憶し保持する。その記憶部は、本例ではゲーム装置の筐体に対応する記憶部であり、記憶媒体としては例えば図4に示されるRAM39が使用される。なお、図1B又は図1Cのような構成のゲームシステムにおいては、各ゲーム装置1からアクセス可能な共有データベースを設け、上記貯留クレジット数のデータを、例えばゲーム装置1の筐体を特定する筐体IDにより対応付けて、上記共有データベース内の記憶部に記憶し保持する形態としても良い。
【0069】
(2)ゲーム処理手段52
ゲーム処理手段52は、ゲームプログラムに基づいてゲームの処理を実行する手段であり、本実施の形態においては、貯留クレジット記憶手段51によって保管されている貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して、当該ゲームを実行する機能を備えている。なお、ダーツゲームの進行制御に係る処理、ダーツゲームにおける演出処理、及びネットワークゲームでの通信制御に係る処理など、具体的なゲーム処理については説明を省略する。
【0070】
(3)ゲーム動作可変制御手段53
ゲーム動作可変制御手段(以下「制御手段」とする)53は、後述する可変条件の成立に基づいてゲーム内で実行される所定動作を変化させる制御を行う。ここで言う、所定動作とは、ゲームに対するプレイヤの意欲を失わせないように、緊張感を持続若しくは向上させるための動作であり、制御手段53では、ゲームに対するプレイヤの意欲を持続させるように、例えば通常のプレイ時とは異なるゲーム動作に変化させる制御を行う。その動作としては、機械的な動作やゲームキャラクタの動作などの他に、ゲーム内容を変化させる動作も含まれる。
【0071】
例えば、可変条件が成立している場合、制御手段53では、当該ゲームの難易度の制御パラメータを変更することで、難易度に係る所定動作を変化させる制御、ゲームの難易度を下げる制御やそれとは逆に難易度を上げる制御などを行う。その制御パラメータを調整する処理は、ゲームプレイの開始前に実施しておく処理形態と、ゲームプレイの開始後に実施する処理形態とがあり、少なくとも前者の処理形態を含む構成とするのが好ましい。後者の処理形態では、例えばゲーム中のゲーム装置の状況やプレイ状況に応じて調整処理を行う形態となる。
【0072】
例えば、可変条件の成立の検出処理をゲームプレイの開始前に実行し、検出した場合はゲーム装置のモード選択手段を特殊モードに選択しておき、その特殊モードの間は、プレイヤの緊張感を高めるように、通常のプレイ時とは異なる難易度のゲームを適時実行する形態としても良く、当該プレイヤのゲーム中のプレイ状況(例えば対戦ゲームの場合などにおける相手とのスコアの差)や、ゲーム装置の状況(貯留クレジット数の増減率など)に応じて、ゲームの難易度を適時変化させる形態としても良い。
【0073】
また、可変条件の成立を検出した場合は、難易度の調整の他に、当該プレイヤに対しては対人戦ではなく、対コンピュータ戦(例えば、対戦型のダーツゲームでは、相手プレイヤの代わりとなるCPU制御による仮想プレイヤであるダーツロボットとの対戦)に切り替えたり、通常プレイでは出現しない特定のゲームを発生させたり、稀にしか出現しないキャラクタを登場させたりする形態としても良い。さらに、ゲーム中に上級者向けの特定のゲーム(例えばダーツゲームの場合は、狙いづらい所に入れて決着する「ダブルイン・ダブルアウト」の形態のゲーム)を実行するフラグをオフにすることで、中級者向け若しくは初心者向けのゲームに変化させたり、例えば表示色等で示される標的の得点領域の場所や得点領域の大きさを、通常とは異なるように変化させたりする形態としても良い。
【0074】
(4)ゲーム状況判定手段54
ゲーム状況判定手段54は、上記制御手段53がゲーム内の動作を変化させるための条件として、例えば、次のような第1可変条件〜第4可変条件の成立の有無を、ゲーム装置の現在の状況を表す状況データ(ゲームプレイに関するデータ)に基づいて判定する。本実施の形態では、以下に示す第1可変条件〜第3可変条件は、ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続してゲームの実行が可能なフリープレイの状況下にある、という条件であり、ゲーム状況判定手段54では、以下に示すようなゲームプレイに関するデータに基づいて、ゲーム装置がフリープレイの状況下にあるか否かを判定するようにしている。そして、前述の制御手段53は、ゲーム状況判定手段54が自己の装置がフリープレイの状況下にあると判定した場合に、ゲーム内で実行される所定動作を変化させるようにしている。
【0075】
〈第1可変条件〉
第1可変条件は、現在の貯留クレジット数が所定数以上であると言う条件である。第1可変条件の場合、ゲーム状況判定手段54では、貯留クレジット記憶手段51によって保持されている現在の貯留クレジット数を上記状況データとして読出し、貯留クレジット数と所定数とを比較して、貯留クレジット数が所定数以上の場合に可変条件の成立とする。ゲーム状況判定手段54では、例えば、フリープレイのゲーム装置であることを検出する際には、フリープレイ判定用基準値α(α=通常プレイでは有り得ない大きな値)を用いて、例えばゲームの開始前(次のラウンドの開始前を含む当該ゲームの実行前)に上記処理を行う。
【0076】
また、ゲームの実行中に、フリープレイのゲーム装置であることを検出する際には、例えば第2の判定用基準値α’(α’=実質的にフリープレイと同様となる大きな値)を用いて、現在の貯留クレジット数と第2の判定用基準値α’とを定期的に比較して上記可変条件の成立の有無の判定処理を行う。
【0077】
〈第2可変条件〉
ゲーム装置のモード選択手段として「フリープレイモード」を有するゲーム装置の場合、ゲーム状況判定手段54では、モード選択手段がフリープレイモードを選択しているか否かを判定し、フリープレイモードを選択していると判定した場合に第2可変条件の成立とする。
【0078】
この第2可変条件が適用されるゲーム装置は、貯留クレジット数の量に制限されること無く当該ゲームの実行を可能とする「フリープレイモード」を少なくとも備えたゲーム装置であり、その「フリープレイモード」と、貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して当該ゲームを実行する「通常プレイモード」と、を有するゲーム装置も含まれる。
【0079】
〈第3可変条件〉
第3可変条件は、貯留クレジット数の単位時間当たりの増加値が所定値以上であると言う条件である。第3可変条件の場合、ゲーム状況判定手段54では、貯留クレジット数の単位時間(t)当たりの増加値を監視すると共に、その増加値が所定値以上となったことを検出した場合に可変条件の成立とする。上記増加値は、例えば、貯留されるクレジット数の増減をカウントする計数手段の出力信号に基づいて算出される。また、上記増加値と比較する所定値(判定基準値β)は、例えば、投入されたコインをクレジット数に換算するゲーム装置の場合は、コイン投入口から連続してコインを投入したときのクレジット数の上記増加値よりも大きな値が予め設定されている。
【0080】
〈第4可変条件〉
第4可変条件は、前述の指押しによる不正行為がなされたと言う条件である。
【0081】
上記第1乃至第4の可変条件のうち、第1乃至第3の可変条件のいずれかが成立した場合は、ゲーム状況判定手段54は、ゲーム装置がフリープレイの状況下にあると判断し、ゲーム中にプレイ意欲や緊張感に欠けるプレイが生じたり、不正行為が生じたりする可能性が高いと見なし、可変条件が成立したことを制御手段53に通知する。ここで言う「不正行為」は、プレイが何回でもできることが起因して生じる不正行為であり、例えば、自分が不利なゲーム展開のときにゲーム装置の電源をオフにするといったゲーム装置を強制終了させる行為や、矢やボールなどの飛翔体を放つダーツゲーム装置や各種の球技用ゲーム装置(ゴルフ,サッカー,テニス等のシミュレータ)において、標的の当的面を指などで押すことによって、標的の狙った箇所に命中したように見せかける行為である。
【0082】
このように、本実施の形態では、緊張感に欠けるプレイヤや不正なプレイが発生する可能性の高い状況をゲーム装置自身が検出するようにしている。言い換えると、ゲーム状況判定手段54は、ゲームを実行中にプレイ意欲や緊張感に欠けたプレイが行われるのを予測する手段として機能し、また、これから始めるゲームに対して真剣味に欠けるプレイをしそうなプレイヤ(又は真剣味に欠けるプレイを現在行っていると想定されるプレイヤ)、あるいは不正行為を行ったプレイヤ(又は不正行為を行うことが想定されるプレイヤ)を検出する手段として機能する。
【0083】
(5)制御データ記憶手段55
制御データ記憶手段55は、ゲームの実行制御に係る制御データを検索キー等で関連付けてデータ記憶部(テーブルを含むデータベース)に登録し保管する手段である。
【0084】
データベースには、例えば、制御手段53が所定の動作を変化させるための挙動制御パラメータ、ゲーム装置の現在の状況を表す状況データ、及び通信ゲームにおける制御情報などの各種制御データが記憶される。上記挙動制御パラメータとしては、当該ゲームの難易度の調整パラメータ,指押し判定基準時間,貯留クレジットの数や増加速度等に基づくフリープレイ判定基準値などがあり、ゲーム装置の状況データとしては、ゲーム装置の現在のモード選択状況を示すステータス,可変条件の成立フラグ,貯留クレジットの数,ゲームの進行状況を示すステータス,ゲーム装置へのログイン状態を示すデータなどがある。
【0085】
(6)指押し判定手段56
指押し判定手段56は、前述の指押しによる不正行為がなされたか否かを判定する手段である。図3に例示したダーツゲーム装置1では、ダーツ盤6の各セグメント部材の表面に、投擲された矢の先端部を受容する多数の受容穴が形成されており、その多数の受容穴の1つにダーツが刺さると、そのセグメントの標的板が衝撃で後方に移動した後、瞬時に元の位置へ復帰する構造になっている。そして、各セグメントの背面側には、図6の当的検出部7を構成する感圧センサ等からなる当的検出手段が配されており、本実施の形態では、その当的検出手段によってセグメントの後方変位が検出されると、指押しによる不正行為がなされたか否かが指押し判定手段56によって判定され、指押しによる不正行為がなされたのではないと判定された場合は、制御部10内のゲーム処理手段52が、該感圧センサから出力された当的検出信号に基づいてスコアを自動的に計算し、そのスコアを表示部などに出力するようになっている。
【0086】
上記のような構成のダーツ盤6の場合、ダーツ盤6のセグメント部に矢が刺さった場合は、セグメント部の標的板は瞬時に元の位置へ復帰し、感圧センサから出力される当的検出信号の出力時間は瞬間的な時間(例えば150mmsec程度)となる。一方、人が指で押した場合は時間がかかるので、指押しが成されたか否かは、当的検出信号の出力時間に基づいて判定することができる。
【0087】
そこで、指押し判定手段56では、当的検出部(センサシート)7の構成要素である当的検出手段からの当的検出信号を入力し、当的検出信号の時間幅(当的検出用閾値を超える連続的な信号の時間幅)と指押し判定基準時間とを比較し、当的検出信号の時間幅が指押し判定基準時間より長い場合に、当該プレイヤによる指押しがなされたと判定するようにしている。
【0088】
なお、上記当的検出手段は、プレイヤによって投擲される飛翔体(矢やボールなど)の標的への当的を検出する手段であり、ダーツゲーム装置の他に、ボールなどの飛翔体を放つ各種の球技用ゲーム装置(ゴルフ,サッカー,テニス等のシミュレータなど)にも適用可能である。また、本実施の形態では、当的検出手段の構成要素である感圧センサとしてメンブレンスイッチ(圧膜印刷技術を応用したシートスイッチ)を使用しているが、それに限るものではなく、少なくとも標的への押圧若しくは接触を瞬時に検出可能な所定のセンサ(タッチセンサ,光学センサ,振動検知センサなど)であれば良い。
【0089】
(7)データ伝送手段57
データ伝送手段57は、サーバ端末や他のゲーム装置との間で各種のデータを送受信するための手段であり、そのデータの送受信は通信部11を介して行われる。例えば、前述の「01ゲーム」等の対戦ゲームでは、データ伝送手段57は、各プレイヤの操作情報などのゲームに関するデータを他のゲーム装置との間で送受信する。
【0090】
〈ゲームシステムの構成〉
次に、本発明に係るゲームシステムの主要部の構成について、図7を参照して説明する。図7は、本発明に係るゲームシステムの構成例を示す機能ブロック図である。なお、ゲーム装置1の構成は、図6に例示したゲーム装置1の構成と同様であるため、説明を省略し、ここでは、マッチング機能を有するサーバ端末(マッチングサーバ)3を有するゲームシステムに係る構成について説明する。
【0091】
マッチング機能を有するマッチングサーバ3を備えたゲームシステムにおいては、ゲーム装置1(及び1A,1B,・・・)内のデータ伝送手段57は、マッチングサーバ3に対するマッチング要求の送信や、マッチングサーバ3からのマッチング結果の受信を通信部11経由で行う。なお、ここで言う「マッチング機能」とは、不特定多数の参加希望者(対戦希望者など)の中から所定の条件を満たすプレイヤ同士(ゲーム装置同士)を組み合わせて当該ゲームの参加者を決定する機能のことを指している。
【0092】
図7において、マッチングサーバ3は、多数のプレイヤが共通のゲーム(例えば、図2に例示したダーツゲーム装置を用いた対戦ゲームや、同一の仮想空間内でプレイする各種のゲーム)に参加可能な通信ゲームにおいて、所定の条件を満たすプレイヤ同士を組み合わせて所定の通信ゲームを実行させるためのマッチング処理部301と、インターネット等のネットワーク2を介してゲーム装置1,1A,1B,・・・との間でデータの送受信を行う通信部302とを備えている。
【0093】
マッチングサーバ3は、例えば、離れた場所(店舗等)に存在するゲーム装置同士で1対1の対戦ゲームや2人以上のグループ間での対戦ゲームにおいて、対戦対象のゲーム装置を決定するためのマッチング処理を実行する。例えば、当該プレイヤのプレイ状況データ(当該プレイヤの戦歴,ランクなどを示すデータ)が記録された記憶媒体を用いた対戦ゲームの場合は、マッチングサーバ3のマッチング処理部301では、プレイヤがログインしている各ゲーム装置からマッチング要求を受信すると共に、受信したマッチング要求に含まれるプレイ状況データに基づいて同類のプレイヤ(同一ランクのプレイヤ同士,ログイン時間が早いプレイヤ同士など)をマッチングし、対戦対象のゲーム装置を決定する。そして、マッチング要求元のゲーム装置に対してマッチング結果を返信する。
【0094】
本実施の形態では、マッチングサーバ3のマッチング処理部301は、ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続してゲームの実行が可能なフリープレイの状況下にあるプレイヤ同士を組み合わせて所定の通信ゲームを実行させるためのマッチング処理を実行することを特徴としている。
【0095】
具体的には、マッチングサーバ3のマッチング処理部301は、当該ゲームの参加者を決定する際に、例えば、(1)ゲーム装置内の貯留クレジット記憶手段51に保持されている現在の貯留クレジット数が所定数以上であるという条件を満たすゲーム装置同士、又は、(2)ゲーム装置のモード選択手段がフリープレイモードを選択しているという条件を満たすゲーム装置同士、又は、(3)貯留クレジット数の単位時間当たりの増加値が所定値以上であるという条件を満たすゲーム装置同士でマッチング処理を実行するようにしている。
【0096】
上記(1)〜(3)の条件は、前述の第1可変条件〜第3可変条件であり、マッチングサーバ3では、例えば、ゲーム装置の現在の状況データ(可変条件の成立の有無を示すフラグ、若しくは、現在の貯留クレジットの数,現在のモード選択状況を示すステータス,貯留クレジット数の単位時間当たりの増加値などのデータ)を当該ゲーム装置から受信する。その状況データは、ゲーム装置からのマッチング要求に含める形態としても良く、そのマッチング要求とは別に受信する形態としても良い。
【0097】
上述のような構成において、本発明に係るゲーム装置の動作例及びそのゲーム装置を用いたゲームシステムの動作例について、以下、順次説明する。
【0098】
〈ゲーム装置の動作例〉
先ず、本発明に係るゲーム装置の動作例について、図8のフローチャートを参照して説明する。なお、ここでは、本発明に係るゲーム装置の主要な処理の流れについて説明し、既に説明した処理やゲームの内容については説明を省略又は簡略化して説明する。また、以下に説明する処理は、ゲーム装置の制御部10が行うものとして説明し、制御部10内のどの手段が行うかについては説明を省略する。
【0099】
図8において、ゲーム処理が開始されると、制御部10は、ゲームの初期処理としてクレジット増加速度(貯留クレジット数の単位時間当たりの増加値)の監視処理を開始する。この監視処理はクレジットが投入される前に開始される(ステップS1)。そして、プレイヤによる開始ボタンの押下などの操作によりゲームの開始指示信号を入力すると(ステップS2)、制御部10は可変条件成立の検出処理を実行する。本例では、前述の第1可変条件(a)(現在の貯留クレジット数 ≧ 判定基準値α)、第2可変条件(b)クレジット増加値/t ≧ 判定基準値β)、又は、第3可変条件(c)(現在のモード選択状況 = フリープレイモード)の成立の有無を検出する(ステップS3)。
【0100】
続いて、制御部10は、上記第1可変条件(a)乃至第3可変条件(c)のいずれかの可変条件の成立を検出したか否かを判定し(ステップS4)、可変条件の成立を検出した場合は、可変制御フラグをオン(共通の可変制御フラグ若しくは当該可変条件に対応する可変制御フラグをオン)にした後(ステップS5)、ゲームの実行を開始する(ステップS6)。
【0101】
その際、ゲームの実行開始前に可変制御フラグがオンか否かを判定し(ステップS7)、可変制御フラグがオンの場合は、通常プレイ時とは異なる動作に変化させる制御を実行する(ステップS8)。一方、可変制御フラグがオフの場合は、通常プレイ時の動作制御でのゲーム処理を実行する(ステップS9)。そして、当該ゲームが終了すると、所定の終了処理を実行して、ゲーム処理を終了する。
【0102】
次に、上記ステップS8(又は、上記ステップS8及びステップS9)で実行される指押し判定処理について、図9のフローチャートを参照して説明する。ここでは、ダーツゲーム装置における指押し判定処理を例として説明する。
【0103】
制御部10は、当的検出部7から当的検出信号を入力すると(ステップS81)、指押し判定処理を実行する。その際、制御部10は、当的検出時間が指押し判定基準時間以上であれば、指押しによる不正行為がなされたと判定し(ステップS82)、その不正行為を検出した場合は、例えば前述の第4可変条件に対応する可変制御フラグをオンにすると共に、当的の判定が厳しくなるように、指押し判定基準時間を短くする(ステップS83)。そして、当該ゲームが終了したか否かを判定し(ステップS84)、当該ゲームが終了するまでステップS81に戻って処理を繰り返す。
【0104】
なお、上記ステップS83における指押し判定基準時間の設定値による指押し判定動作の可変処理は、ゲーム中(全ラウンド又は1ラウンド)に一回だけ実行する形態としても良く、不正行為が検出される都度、例えば実際の矢が投擲された場合の当的検出用閾値まで、指押し判定基準時間を段階的に可変する形態としても良い。また、複数人のグループが同一ゲーム装置を用いてゲーム装置同士で対戦するようなゲームの場合は、グループの中の1人でも不正行為を検出した場合は、そのグループ単位で指押し判定基準時間を可変する形態としても良く、不正行為が検出されたプレイヤ単位で指押し判定基準時間を可変する形態としても良い。
【0105】
〈ゲームシステムの動作例〉
次に、本発明に係るゲームシステムの動作例について、ゲーム装置側の動作例を示す図10のフローチャート、及びマッチングサーバ側の動作例を示す図11のフローチャートを参照して説明する。なお、図10のフローチャートは、図8と同一処理の部分は同一ステップ番号を付しており、そのステップの処理については説明を省略する。また、ここでは、本発明に係るゲームシステムでのマッチング処理に係る流れについてのみ説明し、通信ゲームの内容については説明を省略する。
【0106】
図10において、ゲーム装置の制御部10は、通信ゲーム(ネットワークゲーム)の開始指示信号を入力すると(ステップS2a)、可変条件成立の検出処理を実行した後、マッチングサーバ3に対してマッチング要求を送信する。その際、制御部10は、ゲーム装置の現在の状況を表す「装置状況データ」をマッチングサーバ3に送信する。上記装置状況データは、例えば可変条件の成立の有無を示すデータ又は現在の貯留クレジット数のデータを含む、筐体IDに対応するデータである(ステップS5a)。
【0107】
図11において、マッチングサーバ3がゲーム装置からマッチング要求を受信すると(ステップS31)、マッチングサーバ3では、マッチング要求に含まれる装置状況データ(又はその要求前に受信した装置状況データ)に基づき、可変条件が成立しているゲーム装置が存在するか否かを判定し、存在する場合は、可変条件が成立しているゲーム装置と可変条件が成立していないゲーム装置との組み合わせを最下位の優先順位(好ましくはマッチング不成功)として、当該ゲーム装置同士のマッチング処理を実行する。すなわち、可変条件が成立しているゲーム装置同士、及び可変条件が成立していないゲーム装置同士でマッチング処理を実行する。そして、その組み合わせが存在しない場合に、例えばマッチングするゲーム装置が存在しないと判定する(ステップS32)。そして、そのマッチング結果をマッチング要求元のゲーム装置に返信し(ステップS33)、マッチング処理を終了する。
【0108】
図10において、ゲーム装置の制御部10は、マッチングサーバ3からマッチング結果を受信すると(ステップS5b)、マッチング不成功の旨を示すマッチング結果の場合は、例えばその旨を表示部8に表示して待機状態とし、マッチング成功の旨を示すマッチング結果の場合は、当該ゲーム装置との間で通信ゲームの実行を開始する(ステップS6a)。
【0109】
以上のように、複数台のゲーム装置同士で共通の通信ゲームを実行するゲームシステムにおいては、貯留クレジット数が所定数以上のゲーム装置同士でマッチング処理を実行する構成とすることにより、残存クレジット数が異常に多いような「フリープレイのゲーム装置」と、残存クレジット数が通常の「通常プレイのゲーム装置」とがマッチングするのを回避することが可能となる。また、フリープレイの状況下にあるゲーム装置であっても、ゲームに対するプレイヤの意欲を持続させるように、通常のプレイ時とは異なるゲーム内容やゲーム動作に変化させる制御が行われることになり、ユーザがどのような店舗のゲーム装置でプレイしたとしても、常に一定の緊張感を持たせながらゲームをプレイさせることが可能となる。さらに、フリープレイのために、ダーツゲーム装置の場合においては、競技目的でないために真剣味に欠けるプレイを行うプレイヤや、当的判定手段であるセグメントを指で押すような不正行為を行うプレイヤ、又明らかに自分が負けそうだと思ったときにゲーム装置の電源を抜いてしまうような、たちの悪いプレイヤ(モラルに欠けるプレイヤ)と、通常のプレイヤとが一緒にプレイをすることを防止することができ、通常のプレイヤが非常に不愉快な思いになるような事態を事前に回避することが可能となる。
【0110】
以上、本発明の実施形態について具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0111】
なお、上述した実施の形態においては、可変条件が成立した場合の動作の可変制御は、その成立を検出したゲーム装置内で行う場合を例として説明したが、通信ゲームの場合は、相手側のゲーム装置の制御手段に指令して、相手側のゲーム装置内の所定動作を変化させる形態としても良い。また、クレジット管理は、筐体内の装置が管理する場合を例と説明したが、それに限るものではなく、複数のゲーム装置を用いたゲームシステムにおいては、例えば、クレジット数だけをサーバ側に送って、サーバ側でクレジット管理を行い、その情報を用いて処理(指押し判定などの処理)を行う形態としても良い。
【符号の説明】
【0112】
1 ゲーム装置
2 ネットワーク
3 サーバ端末(マッチングサーバ)
6 ダーツ盤
7 当的検出部(センサシート)
8 表示部(LCD)
9 音声出力部(スピーカ)
10 (ゲーム装置の)制御部
11 (ゲーム装置の)通信部
12 外部記憶媒体(ICカード)
13 外部記憶媒体処理部(カードリーダ)
51 貯留クレジット記憶手段
52 ゲーム処理手段
53 制御手段(ゲーム動作可変制御手段)
54 ゲーム状況判定手段
55 制御データ記憶手段
56 指押し判定手段
57 データ伝送手段
301 (マッチングサーバの)マッチング処理部
302 (マッチングサーバの)通信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在の貯留クレジット数のデータを保持する貯留クレジット記憶手段と、前記貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して所定のゲームを実行する機能を有するゲーム処理手段と、を備えたゲーム装置において、
ゲームプレイに関するデータに基づいて前記ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続して前記ゲームの実行が可能な状況下にあるか否かを判定するゲーム状況判定手段と、
前記ゲーム状況判定手段が前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定した場合に、前記ゲーム内で実行される所定動作を変化させるゲーム動作可変制御手段と、
を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記ゲーム状況判定手段は、前記貯留クレジット記憶手段に保持されている現在の貯留クレジット数を読出し、該貯留クレジット数が所定数以上の場合に前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定することを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記ゲーム装置が、前記変換により当該ゲームを実行する通常プレイモードと前記貯留クレジット数の量に制限されること無く当該ゲームの実行を可能とするフリープレイモードとを選択する、モード選択手段を有するゲーム装置であって、
前記ゲーム状況判定手段は、前記モード選択手段が前記フリープレイモードを選択している場合に前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定することを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記ゲーム状況判定手段は、前記貯留クレジット数の単位時間当たりの増加値を監視すると共に、前記増加値が所定値以上となったことを検出した場合に前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定することを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ゲーム装置が、プレイヤによって投擲される矢の的となる標的と、前記標的の後方への変位に基づいて当的を検出する当的検出手段と、前記当的検出手段からの当的検出信号の時間幅が指押し判定基準時間より長くなった場合に当該プレイヤによる指押しがなされたと判定する指押し判定手段と、を有するダーツゲーム装置であって、
前記ゲーム動作可変制御手段は、前記指押し判定手段によって前記指押しがなされたと判定された場合に前記指押し判定基準時間を短く設定することで、前記指押し判定手段の判定動作を変化させる機能を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記所定動作がゲームの難易度に係る動作であり、前記ゲーム動作可変制御手段は、前記ゲーム状況判定手段が前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定した場合に、当該ゲームの難易度の制御パラメータを変更することで、当該ゲームの難易度に係る所定動作を変化させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記ゲーム状況判定手段は、前記ゲーム装置が前記状況下にあるか否かを判定する処理を当該ゲームの開始前に実行することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項8】
現在の貯留クレジット数のデータを保持する貯留クレジット記憶手段と、前記貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して所定のゲームを実行する機能を有するゲーム処理手段と、を備えたゲーム装置と、
前記ゲーム装置がネットワークを介して複数台接続されると共に、前記ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続して前記ゲームの実行が可能な状況下にあるプレイヤ同士を組み合わせて所定の通信ゲームを実行させるためのマッチング処理を行うマッチングサーバと、
を有するゲームシステムであって、
前記ゲーム装置は、
ゲームプレイに関するデータに基づいて前記状況下にあるか否かを判定するゲーム状況判定手段
を有することを特徴とするゲームシステム。
【請求項9】
現在の貯留クレジット数のデータを保持する貯留クレジット記憶手段と、前記貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して所定のゲームを実行する機能を有するゲーム処理手段と、を備えたゲーム装置において実行されるプログラムであって、
前記ゲーム装置のコンピュータを、
ゲームプレイに関するデータに基づいて前記ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続して前記ゲームの実行が可能な状況下にあるか否かを判定するゲーム状況判定手段、及び、
前記ゲーム状況判定手段が前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定した場合に、前記ゲーム内で実行される所定動作を変化させるゲーム動作可変制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
現在の貯留クレジット数のデータを保持する貯留クレジット記憶手段と、前記貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して所定のゲームを実行する機能を有するゲーム処理手段と、を備えたゲーム装置と、
前記ゲーム装置がネットワークを介して複数台接続されると共に、前記ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続して前記ゲームの実行が可能な状況下にあるプレイヤ同士を組み合わせて所定の通信ゲームを実行させるためのマッチング処理を行うマッチングサーバと、
を有するゲームシステムの前記ゲーム装置において実行されるプログラムであって、
前記ゲーム装置のコンピュータを、
ゲームプレイに関するデータに基づいて前記状況下にあるか否かを判定するゲーム状況判定手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
現在の貯留クレジット数のデータを保持する貯留クレジット記憶手段と、前記貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して所定のゲームを実行する機能を有するゲーム処理手段と、を備えたゲーム装置において、
ゲームプレイに関するデータに基づいて前記ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続して前記ゲームの実行が可能な状況下にあるか否かを判定するゲーム状況判定手段と、
前記ゲーム状況判定手段が前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定した場合に、前記ゲーム内で実行される所定動作を変化させるゲーム動作可変制御手段と、
を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記ゲーム状況判定手段は、前記貯留クレジット記憶手段に保持されている現在の貯留クレジット数を読出し、該貯留クレジット数が所定数以上の場合に前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定することを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記ゲーム装置が、前記変換により当該ゲームを実行する通常プレイモードと前記貯留クレジット数の量に制限されること無く当該ゲームの実行を可能とするフリープレイモードとを選択する、モード選択手段を有するゲーム装置であって、
前記ゲーム状況判定手段は、前記モード選択手段が前記フリープレイモードを選択している場合に前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定することを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記ゲーム状況判定手段は、前記貯留クレジット数の単位時間当たりの増加値を監視すると共に、前記増加値が所定値以上となったことを検出した場合に前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定することを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ゲーム装置が、プレイヤによって投擲される矢の的となる標的と、前記標的の後方への変位に基づいて当的を検出する当的検出手段と、前記当的検出手段からの当的検出信号の時間幅が指押し判定基準時間より長くなった場合に当該プレイヤによる指押しがなされたと判定する指押し判定手段と、を有するダーツゲーム装置であって、
前記ゲーム動作可変制御手段は、前記指押し判定手段によって前記指押しがなされたと判定された場合に前記指押し判定基準時間を短く設定することで、前記指押し判定手段の判定動作を変化させる機能を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記所定動作がゲームの難易度に係る動作であり、前記ゲーム動作可変制御手段は、前記ゲーム状況判定手段が前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定した場合に、当該ゲームの難易度の制御パラメータを変更することで、当該ゲームの難易度に係る所定動作を変化させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記ゲーム状況判定手段は、前記ゲーム装置が前記状況下にあるか否かを判定する処理を当該ゲームの開始前に実行することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項8】
現在の貯留クレジット数のデータを保持する貯留クレジット記憶手段と、前記貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して所定のゲームを実行する機能を有するゲーム処理手段と、を備えたゲーム装置と、
前記ゲーム装置がネットワークを介して複数台接続されると共に、前記ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続して前記ゲームの実行が可能な状況下にあるプレイヤ同士を組み合わせて所定の通信ゲームを実行させるためのマッチング処理を行うマッチングサーバと、
を有するゲームシステムであって、
前記ゲーム装置は、
ゲームプレイに関するデータに基づいて前記状況下にあるか否かを判定するゲーム状況判定手段
を有することを特徴とするゲームシステム。
【請求項9】
現在の貯留クレジット数のデータを保持する貯留クレジット記憶手段と、前記貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して所定のゲームを実行する機能を有するゲーム処理手段と、を備えたゲーム装置において実行されるプログラムであって、
前記ゲーム装置のコンピュータを、
ゲームプレイに関するデータに基づいて前記ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続して前記ゲームの実行が可能な状況下にあるか否かを判定するゲーム状況判定手段、及び、
前記ゲーム状況判定手段が前記ゲーム装置が前記状況下にあると判定した場合に、前記ゲーム内で実行される所定動作を変化させるゲーム動作可変制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
現在の貯留クレジット数のデータを保持する貯留クレジット記憶手段と、前記貯留クレジット数のデータをゲームのプレイ回数若しくはプレイ時間に変換して所定のゲームを実行する機能を有するゲーム処理手段と、を備えたゲーム装置と、
前記ゲーム装置がネットワークを介して複数台接続されると共に、前記ゲーム装置が所定回数若しくは所定時間以上連続して前記ゲームの実行が可能な状況下にあるプレイヤ同士を組み合わせて所定の通信ゲームを実行させるためのマッチング処理を行うマッチングサーバと、
を有するゲームシステムの前記ゲーム装置において実行されるプログラムであって、
前記ゲーム装置のコンピュータを、
ゲームプレイに関するデータに基づいて前記状況下にあるか否かを判定するゲーム状況判定手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−187908(P2010−187908A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35258(P2009−35258)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】
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