説明

ゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラム

【課題】操作の成功や失敗を直感的にプレイヤーに知らせるのに好適なゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供する。
【解決手段】受付部201はプレイヤーの操作したキーを受け付け、判定部202に操作を受け付けた時間と、受け付けた操作の内容と、を入力する。判定部202は入力された内容を、ゲームの現在の進行状況において期待される操作と比較して、操作が失敗したか否かを判定する。再生部203は、ゲームの現在の進行状況に応じて、主楽曲を取得し、操作が成功したと判定されている間は、取得した主楽曲を、当該主楽曲に含まれる音のそれぞれに予め対応付けられる周波数で再生し、操作が失敗したと判定された場合は、周波数をずらして再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作の成功や失敗を直感的にプレイヤーに知らせるのに好適なゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プレイヤーに求められる操作が定められており、当該求められる操作に従って、如何に操作を行うことが出来るかを競うゲームが多く提供されている。このようなゲームにおいては、プレイヤーが、ゲームによって求められる操作を行うと、操作は成功したとみなされ、一方、操作に従うことができないと、操作は失敗したとみなされる。
【0003】
例えば、特許文献1に開示のダンスゲーム装置では、リズム設定部で設定された踏み位置指示データが踏み位置指示データメモリから読み出され、かつスクロール表示制御部により、モニター上で踏み位置指示データから踏み位置指示マークが生成されスクロール表示される。踏み動作のタイミングは、踏み位置指示マークのスクロール表示による、所定の位置に配置・表示される静止マークとの一致により指示される。
【0004】
特許文献1に開示の発明では、指示された踏み動作のタイミングで、踏み位置指示マークに対応する操作ボタンを操作すると、操作は成功したとみなされ、そうでなければ操作は失敗したとみなされる。リズムゲーム以外でも、例えば、シューティングゲームでは、敵などの的に銃弾が命中すると操作は成功したとみなされ、外すと、操作は失敗したとみなされる。
【0005】
【特許文献1】特許第3003851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
典型的には、求められる操作に対して、プレイヤーの操作が成功したのか失敗したのかは、画面に表示される。しかし、プレイヤーはゲームに集中していると、ゲーム画像の操作指示が示される部分以外に目を向けることができない場合が多く、プレイ中に、自分の行った操作の成功の有無を判断することは難しい。
【0007】
本発明は以上のような課題を解決するためのものであり、操作の成功や失敗を直感的にプレイヤーに知らせるのに好適なゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、受付部、判定部、再生部とを備え、以下のように構成する。
【0009】
受付部は、プレイヤーによる操作を受け付ける。即ち、受付部は、プレイヤーがゲームを進行させるために、ゲーム装置のコントローラボタンやタッチパネルを操作すると、操作を受け付けた時間と、受け付けた操作の内容と、を検知して、ゲーム装置に入力する。
【0010】
判定部は、受け付けられた操作が成功したか失敗したかを判定する。多くのゲームについては、プレイヤーに求められる操作が定められている。例えば、リズムゲームなどでは、プレイヤーは、指定されたタイミングに、指定された所定のキーを操作することが求められる。一方、シューティングゲームなどにおいては、プレイヤーの操作によって標的に銃弾などを命中させることが求められる。
【0011】
このような、プレイヤーに求められる操作が定められているゲームにおいて、受け付けられたプレイヤーの操作が、プレイヤーに求められる操作と一致すれば、判定部は、操作が成功したと判定する。一方、受け付けられたプレイヤーの操作がプレイヤーに求められる操作と異なる場合、判定部は、操作が失敗したと判定する。
【0012】
例えば、リズムゲームでは、期待されるタイミングに合わせて、プレイヤーが期待される所定のキーを操作すれば、操作は成功したと判定され、それ以外の操作(例えば、期待されるタイミング以外でキーを操作するか、期待されるタイミングでキー操作をしたものの、操作したキーが期待されるキーでない、など)は失敗したと判定される。また、シューティングゲームでは、標的に銃弾などが命中すれば、操作は成功したと判定され、標的を外せば、操作は失敗したと判定される。
【0013】
再生部は、所定の主楽曲を再生する。主楽曲は、典型的には、ゲームプレイ中に流れる楽曲(BGM)のうち、メロディー部分に相当する。主楽曲を含むBGMは、プレイヤーによって選択されても、ゲームによって自動的に設定されてもよい。
【0014】
ここで、再生部は、主楽曲に含まれる音のそれぞれを、受け付けられた操作が、
(a)ゲームが開始されて以降、成功したと判定されている間は、当該音に予め対応付けられる周波数で出力し、
(b)失敗したと判定されると、当該音に予め対応付けられる周波数を変化させて出力する、
ことにより、主楽曲を再生する。
【0015】
音の高さは、周波数が倍になると1オクターブ上がり、周波数が半分になると1オクターブ下がる。1オクターブは、A、A#、B、C、C#、D、D#、E、F、F#、G、G#の12音から構成されるので、1音上がる毎に、周波数は、「2^(1/12)」(≒1.06)倍される。
【0016】
例えば、音Aの周波数が440KHzと定められた場合は、1音上のA#は、約446KHz、Bは約494KHz、…と定まる。そして、1オクターブ上のAは、440KHzの倍の、880KHzとなる。一方で、音Aの周波数が、例えば、450KHzと定められた場合は、1音上のA#は477KHz、Bは約505KHzとなり、1オクターブ上のAは、900KHzとなる。このように、1つの音の周波数を基準として、他の音の周波数を相対的に求めることができ、基準となる周波数によって、楽曲の全体の音高(周波数)を変化させることができる。
【0017】
したがって、典型的には、基準となる音は中央オクターブのAと定められており、その周波数は、440KHzと決められている。この基準となる音(ここではA)に対して定められる周波数を、以降、基準音高と呼ぶ。また、変化する前の、初期状態における基準音高を、以降、原基準音高と呼ぶ。
【0018】
本ゲーム装置においては、主楽曲を構成する音のそれぞれには、予め所定の周波数が対応付けられている。即ち、主楽曲には、基準音高が定められており、この基準音高に基づいて、他の音も決定される。そして、ゲームが開始されて以降、プレイヤーの操作が成功したと判定されている間は、再生部は、当該音に予め対応付けられる周波数で主楽曲を出力する。即ち、再生部は、主楽曲の基準音高を変化させない。
【0019】
一方、プレイヤーによる操作が失敗したと判定されると、再生部は、主楽曲に含まれる音に予め対応付けられる周波数を変化させて出力する。即ち、再生部は、主楽曲の基準音高(例えば、音Aに対して定められる周波数)を所定の周波数だけシフトする。これにより、主楽曲全体の音の高さが、瞬時に、シフトした分だけ高く(又は低く)変化する。
【0020】
なお、主楽曲以外の副楽曲(例えばBGMの伴奏部分)が存在する場合については、当該副楽曲に予め定められる基準音高を主楽曲とともに、変化させてもよいし、させなくてもよい。即ち、初期状態においては、主楽曲と副楽曲のそれぞれは、同じ基準音高を備えるように定められ、ともに再生されることにより、調性のあるBGMを奏でる。このとき、プレイヤーが操作を失敗して、再生部が主楽曲と副楽曲とのそれぞれの基準音高を同じように変化させると、再生されるBGMの急激な音の高さの変化により、操作が失敗したことを、プレイヤーに直感的に知らせることができる。
【0021】
一方、プレイヤーが操作を失敗して、再生部が主楽曲の基準音高のみを変化させると、主楽曲と副楽曲との調性がなくなり、再生されるBGMは耳障りなものとなる。即ち、所謂「音痴」なBGMが再生され、操作が失敗したことをより直感的にプレイヤーに知らせることが出来る。
【0022】
このように、本ゲーム装置によれば、主楽曲の基準音高を変化させることにより、操作が失敗したことをプレイヤーに対し、直感的に知らせることが出来る。
【0023】
また、再生部は、主楽曲に含まれる音のそれぞれを、受け付けられた操作が、
(c)失敗したと判定された後、成功したと判定されると、当該音に予め対応付けられる周波数に近づくように出力する、
ことにより、主楽曲を再生するようにしてもよい。
【0024】
即ち、プレイヤーによる操作が失敗したと判定されて、基準音高が変化した後に、再度行った操作が成功したと判定されると、再生部は、基準音高を所定の割合で原基準音高に近づけるように変化させる。
【0025】
よって、操作を失敗した後、所定の回数正しい操作が行われ続ければ、主楽曲の基準音高は原基準音高に戻る。このとき、基準音高が変化しない副楽曲(主楽曲以外の楽曲)とともに、主楽曲が再生されれば、「音痴」でない、調性のあるBGMが奏でられるようになる。これにより、ユーザに、正しい操作を行っていることを直感的に知らせることが可能となる。
【0026】
なお、何も操作が行われない場合についても、正しい操作が行われた場合と同様に、主楽曲を原基準音高に近づくように設定してもよい。或いは、何も操作が行われない場合は、後述するように、主楽曲を全く出力しないようにしてもよい。いずれの場合についても、プレイヤーは、自分の操作が成功したか失敗したかを直感的に知ることができる。即ち、自分の操作によって、主楽曲の基準音高が原基準音高に近づいた場合は、操作は成功であり、自分の操作によって、主楽曲の基準音高が原基準音高に近づく方向に変化しない場合、操作は失敗である。
【0027】
また、再生部は、所定の副楽曲に含まれる音のそれぞれを、当該音に予め対応付けられる周波数で出力することにより、副楽曲を主楽曲とともに再生するようにしてもよい。
【0028】
前述したように、副楽曲とは、プレイ中に流れる楽曲(BGM)のうち、主楽曲以外の、例えば、伴奏部分に相当する楽曲である。再生部は、プレイヤーによる操作が失敗したと判定されたとき、主楽曲の基準音高のみを変化させて、副楽曲の基準音高を変化させないようにしてもよい。典型的には、主楽曲(メロディー)と副楽曲(伴奏)のそれぞれには、同じ原基準音高が定められているので、再生部が主楽曲の基準音高のみを変化させると、所謂「音痴」なBGMが再生され、プレイヤーに操作の失敗を知らせる。
【0029】
また、判定部は、受け付けられた操作が失敗したと判定した場合、プレイヤーに求められる操作と、受け付けられた操作との差をさらに算出し、
再生部は、受け付けられた操作が失敗されたと判定されると、(b)において、主楽曲に含まれる音のそれぞれを、当該音に予め対応付けられる周波数を、算出された差に応じて変化させて出力する、ようにしてもよい。
【0030】
即ち、再生部はプレイヤーによる操作の失敗の度合いに応じて、主楽曲の基準音高を変化させる。例えば、リズムゲームでは、指示されたタイミングと実際にプレイヤーによって操作が行われたタイミングがずれていた場合、操作が失敗したと判定され、再生部が主楽曲の基準音高を変化させる。このとき、周波数を変化させる度合いは、指示されたタイミングと、プレイヤーによって操作が行われたタイミングの差に応じて決定すればよい。即ち、より操作タイミングがずれた場合は、より大きく周波数を変化させる。或いは、シューティングゲームでは、プレイヤーが標的に対して発射した弾が、標的から外れた距離に応じて、主楽曲の周波数を変化させてもよい。これにより、プレイヤーは、操作の失敗の度合いを直感的に知ることが可能となる。
【0031】
また、再生部は、プレイヤーによる操作が受け付けられない場合、主楽曲を再生しない、ようにしてもよい。
【0032】
即ち、プレイヤーによる操作が受け付けられている間は、何かしら主楽曲が出力され、操作がない場合は、主楽曲が出力されない。これにより、操作がないときについても主楽曲を出力する場合と異なり、プレイヤーは、操作が成功しているのか、それとも単に行われていないのか、の違いをさらに直感的に区別することができる。
【0033】
また、本発明の他の観点に係るゲーム処理方法は、受付部と、判定部と、再生部と、を備えるゲーム装置によるゲーム処理方法である。
受付工程では、プレイヤーによる操作を受け付ける。
判定工程では、判定部が、受け付けられた操作が成功したか失敗したかを判定する。
再生工程では、再生部が、所定の主楽曲を再生する。
また、再生工程において、再生部は、主楽曲に含まれる音のそれぞれを、受け付けられた操作が、
(a)ゲームが開始されて以降、成功したと判定されている間は、当該音に予め対応付けられる周波数で出力し、
(b)失敗したと判定されると、当該音に予め対応付けられる周波数を変化させて出力する、
ことにより、主楽曲を再生する。
【0034】
また、本発明の他の観点に係るプログラムは、コンピュータを、上記のゲーム装置として機能させるように構成する。
【0035】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、当該コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、操作の成功や失敗を直感的にプレイヤーに知らせるのに好適なゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、情報処理装置に本発明が適用される実施の形態を説明するが、各種のコンピュータ、PDA、携帯電話などの情報処理装置においても同様に本発明を適用することができる。すなわち、以下に説明する実施の形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと等しいものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0038】
図1は、本発明のゲーム装置の機能を果たす典型的な情報処理装置100の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0039】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory) 102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェイス104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、画像処理部107と、DVD(Digital Versatile Disk)−ROMドライブ108と、NIC(Network Interface Card)109と、音声処理部110と、を備える。
【0040】
ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ108に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態のゲーム装置が実現される。
【0041】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。
【0042】
ROM 102は、電源投入直後に実行されるIPL(Intial Program Loader)を記憶する。このIPLをCPU 101が実行することにより、DVD−ROMに記録されたプログラムがRAM 103に読み出され、CPU 101による実行が開始される。
また、ROM 102には情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0043】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータ等が保持される。
【0044】
インターフェイス104を介して接続されたコントローラ105は、プレイヤーがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。
【0045】
インターフェイス104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、例えばチャット通信のログのデータなどが書き換え可能に記憶される。プレイヤーは、コントローラ105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記憶することができる。
【0046】
DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROMには、前述のようにゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ108は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0047】
画像処理部107は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部107が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部107が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部107に接続されるモニター(図示せず)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0048】
画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
【0049】
また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0050】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画することが可能である。フォント情報は、ROM 102に記録されているが、DVD−ROMに記録された専用のフォント情報を利用することも可能である。
【0051】
NIC 109は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものである。NIC 109は、例えばLAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格に準拠するものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェイス(図示せず)により構成される。
【0052】
インターネット内のSNTPサーバにNIC 109を介して接続し、ここから情報を取得することによって現在の日時情報を得ることができる。また、各種のネットワークゲームのサーバ装置が、SNTPサーバと同様の機能を果たすように構成設定してもよい。
【0053】
音声処理部110は、DVD−ROMなどから読み出したデジタル音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカから出力させる。
【0054】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、DVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0055】
なお、本実施の形態に係るゲーム装置は、上述した典型的な情報処理装置上に実現されるが、一般的なコンピュータ上に実現することもできる。一般的なコンピュータは、上記情報処理装置100と同様に、CPU、RAM、ROM、DVD−ROMドライブ、および、NICを備え、情報処理装置100よりも簡易な機能を備えた画像処理部を備え、外部記憶装置としてハードディスクを有する他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等が利用できるようになっている。また、入力装置として、キーボードやマウスなどを利用する。そして、プログラムをインストールした後に、そのプログラムを実行させると、ゲーム装置として機能させることができる。
【0056】
なお、以下では、注記しない限り、本実施の形態に係るゲーム装置は、図1に示した情報処理装置100により説明を加える。ゲーム装置は、必要に応じて適宜一般的なコンピュータの要素に置換することができ、これらの実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0057】
また、本実施の形態においては、指示されたタイミングに合わせてプレイヤーが操作入力を行うような所謂リズムゲームを例に説明する。典型的なリズムゲームにおいては、図10に示すように、矢印オブジェクト(1001a〜1001d)のそれぞれがゲーム画像内を所定の速度で所定の方向に移動し、当該矢印オブジェクトが所定の照準位置(1003a〜1003d)に到達した際に、プレイヤーは当該矢印オブジェクトに対応する操作ボタンを操作するゲームである。例えば、左矢印オブジェクト1001aが所定の照準位置1003aに到達するタイミングで、プレイヤーは、左矢印キーを操作する。正しいタイミングで、正しいキーを操作すると、操作は成功したものと判定され、タイミングを外したり、間違ったキーを操作すると、操作は失敗したものと判定される。
【0058】
本発明に係るゲーム装置の特徴は、操作が失敗した、または成功したと判定されると、音声により、失敗/成功を知らせる点である。ここで、ゲーム中に流れる楽曲を、例えば、主楽曲(例えばメロディー)と副楽曲(例えば伴奏)とに分け、主楽曲に含まれる音のそれぞれに対応付けられる周波数を、操作の判定に応じて、例えば、次のように変化させることが考えられる。
(1)所定の量だけ周波数をずらす、
(2)操作を失敗した程度に応じて、周波数をずらす、
(3)操作を失敗した直後だけ周波数をずらす、
(4)周波数のずれを時間とともに減衰させる、
(5)操作を成功すると、周波数のずれをより一層早く減衰させる、
【0059】
本発明に係るゲーム装置は、上記(1)〜(5)のいずれか、あるいは(1)〜(5)の組合せによって実現されてもよいが、第1の実施形態においては、(1)と(4)の組合わせについて説明する。そして、第2の実施形態においては、(2)と(4)の組合せについて説明する。
【0060】
(実施形態1)
以下、第1の実施形態に係るゲーム装置200の機能構成について、図2を参照して説明する。図2に示すように、ゲーム装置200は、受付部201、判定部202、そして、再生部203を備える。
【0061】
受付部201は、プレイヤーによる操作を受け付ける。例えば、コントローラ105が受付部201として機能し、プレイヤーがゲーム装置のコントローラ105のキー(ボタン等)を操作すると、受付部201は、どのような操作が行われたかを検知して、後述の判定部202等に操作を受け付けたタイミング(例えば、ゲーム開始時からの相対的な時間)と、受け付けた操作の内容と、を入力する。リズムゲームにおいては、例えば、図10に示すように、上下左右の矢印に対応するキー入力を受け付ける。このように、コントローラ105などが、受付部201として機能する。タッチパネルを有するゲーム装置であれば、タッチパネルが受付部201として機能する。
【0062】
判定部202は、受け付けられた操作が成功したか失敗したかを判定する。即ち、判定部202は、ゲームの進行に応じて、その場面で期待されているプレイヤーの操作を、適宜DVD−ROMなどから読み出し、当該期待されている操作が、実際に受け付けられたプレイヤーの操作と一致すれば、操作が成功したと判定する。一方、一致しなければ、操作が失敗したと判定する。リズムゲームにおいては、例えば、期待されるタイミングで期待されるキーが操作されると、操作は成功したと判定される。一方、期待されるタイミング以外で、あるいは、期待されるタイミングにおいて、期待されるキー以外が操作されると、操作は失敗したと判定される。CPU 101やDVD−ROMドライブ108などが判定部202として機能する。
【0063】
再生部203は、ゲームの進行に応じて、その場面で設定されている背景音楽(BGM)の主楽曲と副楽曲の音声データを、再生を開始した経過時間に応じて、適宜DVD−ROMなどから読み出す。BGMは、ゲームによって自動的に設定されたものであっても、プレイヤーによって設定されているものであってもよい。再生部203は、読み出した音声データに対して、以下に説明する処理を実行し、スピーカなどに出力する。
【0064】
即ち、再生部203は、判定部202からの判定結果に基づいて、読み出した主楽曲データに対して、基準音高を設定する。即ち、主楽曲の基準となる音(例えば音A)に所定の判定結果に基づいて決定される周波数を対応付ける。そして、設定した基準音高に基づいて、他の音の周波数についても相対的に決定する。そして、副楽曲データと、当該基準音高を設定された主楽曲データと、を合成し、再生部203が備えるFIFO音声バッファ(図示せず)に記憶する。再生部203がさらに備える、図示しないD/A変換器は、所定のタイミング(例えば44.1KHz)で発生する割り込み信号に応じて、音声バッファに記憶した音声情報を1つ取り出し、アナログ音声信号に変換して、スピーカへ出力する。即ち、割り込み信号が、44.1KHzで発生される場合は、1/44100秒に一度スピーカへの出力処理が行われる。
【0065】
CPU 101、音声処理部110、DVD−ROMドライブ108などが協働して、再生部203として機能する。また、典型的には、音声処理部110が音声バッファやD/A変換器を備える。
【0066】
ここで、主楽曲と副楽曲は、所定の時間間隔における音の波形を振幅として表したPCM形式のような無圧縮音声データであっても、それ以外の形式の無圧縮音声データ、または圧縮音声データであってもよい。主楽曲、および、副楽曲のそれぞれの基準音高は、初期状態においては、同一の所定の周波数(典型的には、440KHz)を備える。以降、初期状態における基準音高を原基準音高と呼ぶ。
【0067】
また、典型的には、主楽曲と副楽曲とは、再生部203が一度に処理可能な所定の時間間隔に区分され、再生部203は、各区分の音声データに対して、一度に処理を行い、得られた結果を音声バッファに記憶する。D/A変換器は上述したように、音声バッファ内のデータを所定のタイミングで1つずつ取り出して処理する。よって、再生部203は、音声バッファ内のデータが全て処理され、バッファが空になった場合、次のD/A変換処理が立ち上がる前(即ち、所定のタイミングの周期が44.1KHzの場合、1/44100秒が経過する前)に、次の区分の主楽曲と副楽曲の音声データを処理して、音声バッファに記憶するように構成される。
【0068】
或いは、再生部203は、ダブルバッファリングを行う構成としてもよい。ダブルバッファリングでは、D/A変換処理の対象となる音声データを保持する第1の音声バッファと、次にD/A変換処理の対象となる音声データを記憶する第2の音声バッファの、2つの音声バッファを用意する。
【0069】
D/A変換器は、まず、第1の音声バッファ内のデータを所定のタイミングで1つずつ取り出して処理する。第1の音声バッファが空になると、再生部203は、第2の音声バッファを、D/A変換処理用バッファとして切り替える。そして、第1の音声バッファには、次にD/A変換処理対象となる音声データ、即ち、主楽曲と副楽曲の、次の区分の音声データを処理した結果を記憶する。このように、ダブルバッファリング法では、第1と第2の音声バッファに対して、交互にD/A変換処理を実行する。なお、第1と第2の音声バッファの切り替え処理は、D/A変換処理が立ち上がってから、次のD/A変換処理が立ち上がるまでの時間(即ち、D/A処理が実行されるタイミングの周期が44.1KHzの場合、1/44100秒)以内に完了するように構成される。
【0070】
(動作処理)
このような構成を備えるゲーム装置200の動作処理について、図3を参照して次に説明する。
【0071】
ゲーム装置200のCPU 101は、DVD−ROM等に記憶されるゲームプログラムを実行し、ゲームを進行させる(ステップS101)。そして、同じく、DVD−ROMから、進行状況に応じて、主楽曲および副楽曲のデータを、再生部203の処理可能な所定の時間間隔分取得する(ステップS102)。判定部202は、受付部201が操作入力を受け付けたか否か、そして、受け付けた場合は、操作が成功したか否かを判定し、再生部203は、判定結果に応じて、ステップS102で取得した主楽曲の基準音高を設定する処理を行う(ステップS103)。そして、再生部203は、基準音高を設定された主楽曲と、副楽曲とを合成して、再生部203の備えるFIFO音声バッファに記憶する(ステップS104)。また、再生部203は、所定のタイミングで音声バッファのデータを1つずつ読み出し、アナログ信号に変換してスピーカへ出力する(ステップS105)。以下にステップS103の処理、即ち、主楽曲の基準音高の設定処理、の詳細を図4を参照して説明する。
【0072】
まず、CPU 101は、受付部201によって操作入力が受け付けられたか否かを判定する(ステップS1031)。操作入力が受け付けられた場合(ステップS1031;Y)、判定部202は、当該受け付けられた操作入力が、成功したか失敗したかを判定する(ステップS1032)。例えば、判定部202は、当該進行状況において、プレイヤーによって操作が期待されるタイミングとキーの情報とを、DVD−ROMから取得する。
【0073】
受け付けられた操作が期待されるキーに対して行われたものであり、当該受け付けられた操作が期待されるタイミングから前後に所定の時間内(例えば、図5において、期待される操作タイミングT1、T2、T3のそれぞれから、前後に、m1、m2、m3時間内)に行われた場合、判定部202は、当該操作が成功したと判定する。それ以外の場合、即ち、受け付けられた操作が期待されたキーと異なるとき、あるいは、当該操作が期待されるタイミングから所定の時間より前か、期待されるタイミングから所定の時間より後に行われた場合、操作が失敗したと判定する。
【0074】
なお、操作が成功したと判定される時間幅(図5においては、m1、m2、m3など)は、期待される操作に応じて変化させてもよいし、同じにしてもよい。
【0075】
操作が失敗したと判定されると(ステップS1032;失敗)、再生部203は主楽曲の基準音高を、原基準音高から所定の周波数Fだけ変移させる(ステップS1034)。例えば、原基準音高の周波数がBのとき、再生部203は、主楽曲の新たな基準音高を、B+Fとして、主楽曲を全体的に周波数Fだけシフトする。原基準音高から変移した分の周波数(即ち、変移周波数。この場合はF)は後の処理のためにRAM 103などに記憶しておく。
【0076】
一方、操作が成功したと判定されると(ステップS1032;成功)、再生部203は、主楽曲の基準音高を原基準音高に近づけるように設定する。即ち、再生部203は、前回出力した主楽曲の基準音高の、変移周波数をRAM 103から読出し、1より小さい所定の定数(例えば0.5)を乗算して、新たな変移周波数F1を求める。そして、原基準音高Bを、求められた変移周波数F1だけシフトした周波数(即ちB+F1)を、新たな基準音高とする。
【0077】
したがって、一度操作を失敗して、大きく基準音高の変化した主楽曲であっても、その後プレイヤーが続けて、操作を成功すると、その基準音高は原基準音高の周波数に近づいていく。また、前回出力した主楽曲の基準音高が原基準音高である場合、変移周波数は0であるため、所定の定数を乗じても、基準音高は原基準音高のまま変化しない。
【0078】
なお、本実施の形態においては、操作を行わなかった場合についても(ステップS1031;N)、ステップS1033を実行し、操作を成功した場合と同様に主楽曲の基準音高を、原基準音高に近づけるように設定する。よって、一度主楽曲の基準音高が変化しても、その後操作を行わなければ、主楽曲の基準音高は原基準音高の周波数に近づいていく。なお、操作が成功したと判定された場合は(ステップS1032;成功)、ステップS1033において、操作しなかった場合(ステップS1031;N)と比較して、より早く原基準音高に近づくように、主楽曲の基準音高を大きく変化させるようにしてもよい。
【0079】
プレイヤーは、自分の操作によって、基準音高の周波数が原基準音高に近づいた場合は、操作が成功したことを知ることができる。一方、自分の操作によって、基準音高の周波数が原基準音高に近づく方向に変化しない場合、操作が失敗したことを知ることができる。
【0080】
なお、主楽曲データの周波数成分に対する演算処理(周波数のシフトや乗算)は、例えば、再生部203が一度に処理する音声データの区分ごとにフーリエ変換を行って、得られた周波数成分に対して行ってもよい。そして、周波数成分に対する演算処理の結果を逆フーリエ変換して主楽曲データに戻してもよい。
【0081】
図6は主楽曲の基準音高の変化の例を示す図である。初期状態から、プレイヤーが操作を成功しているか、操作自体を行なっていない間は、基準音高は原基準音高のまま変化しない。一方、プレイヤーが失敗操作1を行った時点で、基準音高の周波数はFだけ変移する。そして、次の失敗操作2を行うまで、基準音高は原基準音高Bに近づいていく。失敗操作2を行った時点で、再度基準音高の周波数は原基準音高からFだけ変移する。
【0082】
なお、当然ながら、所定の周波数Fがマイナスの周波数であれば、基準音高はB−Fだけシフトされ、周波数の変化は、図6に示すグラフと時間軸に対して対称となる。
【0083】
このように、本実施の形態によれば、操作の成功や失敗を直感的にプレイヤーに知らせることが出来る。
【0084】
(実施形態2)
第1の実施の形態において、操作が失敗した場合は、原基準音高を所定の周波数だけシフトして設定して、新たな基準音高とした(ステップS1034)。そうではなく、本実施の形態においては、失敗の度合いに応じて、基準音高の周波数を変えるようにする。例えば、リズムゲームでは、タイミングが早くて操作を失敗する場合と、タイミングが遅くて操作を失敗する場合の2つがある。また、そのタイミングは、操作が成功したとして判定されるタイミングの幅から少しだけ外れている場合もあれば、大きく外れている場合もある。
【0085】
したがって、再生部203は、基準音高を、第1の実施形態に替えて、次のように設定する。まず、操作したタイミングに最も近い、期待される操作タイミングを求める。例えば、図7において、検出された操作タイミングXに最も近い、期待される操作タイミングは、タイミングT2である。タイミングXは、期待されるタイミングT2で操作されたと判定される時間幅(この場合、T2−m2からT2+m2の時間幅)よりも前であるため、判定部202は操作が早すぎたと判定する。そして、期待されるタイミングT2で操作されたと判定される時間幅の内、最も近い時間(即ち、T2−m2)から、どの程度、タイミングXがずれていたかを求める(即ち、x1=T2−m2−X、を求める)。
【0086】
再生部203は、第1の実施の形態に替えて、原基準音高の周波数を、ずれていた時間x1に応じて、所定の周波数だけシフトさせる。即ち、操作タイミングが、指定されたタイミングより早かった場合は、時間x1に応じた所定の周波数だけ高くシフトし、タイミングが遅かった場合は、時間x1に応じた所定の周波数だけ低くシフトしてもよい(あるいは、その逆でもよい)。ずれていた時間x1に対して、シフトする所定の周波数は、例えば、DVD−ROMなどに記憶した対応表などを参照して決定すればよい。
【0087】
なお、操作が成功したと判定された場合、再生部203は、第1の実施形態同様に、シフトした周波数を原基準音高に近づくように設定すればよい。
【0088】
図8に、主楽曲の基準音高の変化の例を示す。図8の例では、操作タイミングのずれに応じて、原基準音高Bから±Fの範囲で周波数が変化する。まず、図6の場合と同様に、初期状態から、プレイヤーが操作を成功しているか、操作自体を行なっていない間は、基準音高は原基準音高のまま変化しない。一方、プレイヤーが期待される操作タイミングより、早く操作を行なった場合であって、当該操作のずれ幅に対応づけられた所定の周波数がFである場合、基準音高の周波数は原基準音高Bから、Fだけ高く変移する。そして、次の失敗操作2を行うまで、基準音高は原基準音高Bに近づいていく。
【0089】
失敗操作2は、期待される操作タイミングより遅く操作を行なった場合であって、その操作のずれが、失敗操作1と同じ程度である場合を想定している。この場合、基準音高の周波数は、原基準音高BからFだけ低く変移する。そして、次の失敗操作3を行うまで、基準音高は原基準音高Bに近づいていく。失敗操作3は、失敗操作1や失敗操作2と比べて小さいずれ幅で、期待されるタイミングより遅く操作を行なった場合を示す。この場合、失敗操作1のずれ幅に対応付けられた、周波数Fより小さい所定の周波数F1だけ、原基準音高Bより低く、基準音高をシフトして設定する。
【0090】
このように、本実施の形態によれば、プレイヤーの操作と、期待される操作とのずれの度合いを直感的にプレイヤーに通知することができる。また、プレイヤーの操作が、期待される操作より、早かったのか、または、遅かったのかも容易に通知することができる。
【0091】
なお、本実施の形態においては、失敗の度合いに応じて、主楽曲の基準音高を変化させたが、操作の成功が複数段階ある場合については、例えば、操作の成功度合いに応じて、シフトした主楽曲の基準音高を、原基準音高に近づくように変化させてもよい。
【0092】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々の変形および応用が可能である。また、上述した実施の形態の各構成要素を自由に組み合わせることも可能である。
【0093】
例えば、上記実施の形態においては、副楽曲の基準音高は変更されないが、主楽曲と同じだけ変化させてもよい。この場合、例えば、基準音高の変化は持続させずに(プレイヤーが音に慣れてしまうため)、すぐに主楽曲と副楽曲のそれぞれの基準音高を原基準音高に戻す。これにより、操作が失敗したことを直感的にプレイヤーに知らせることができる。なお、主楽曲についてのみ、操作を失敗した直後だけ基準音高をずらしても、同様の効果を得ることが可能である。
【0094】
また、失敗操作の際、主楽曲の基準音高を、その時点の基準音高からシフトして変化させてもよい。このとき、上述するように、原基準音高に近づくように変化させても、主楽曲の基準音高を変化させた後、当該変化後の基準音高を持続するようにしてもよい。
【0095】
変化後の基準音高を持続するようにして、上記の方法を適用した場合、指定されるタイミングより早い操作が続くと、主楽曲全体の音の高さがどんどん高くなっていく。また、指定されるタイミングより遅い操作が続くと、主楽曲全体がどんどん低くなっていく。
【0096】
例えば、図8に示される操作と同様の操作を行なったときの周波数の変化を図9に示す。まず、失敗操作1では、B+Fだけ基準音高がシフトする。次いで、失敗操作2のタイミングは、指定されたタイミングより遅いので、その時点の基準音高をFだけ低くシフトする。即ち、基準音高はB+F−F=Bとなる。そして、失敗操作3では、失敗操作2で得られた基準音高Bを、Fより小さい所定の周波数F1だけ低くシフトする。即ち、基準音高は、B−F1となる。
【0097】
この後、さらに失敗操作4(操作タイミングが指定されたタイミングより遅く、ずれ幅は失敗操作1および2と同じ)があった場合、基準音高は、B−F1−Fとなる。
【0098】
このように、様々なパターンの音の変化が考えられるが、いずれの場合も、操作のタイミングの成功/失敗を直感的に知らせることができる。
【0099】
また、上記実施の形態では、リズムゲームを例に説明したが、本発明に係るゲーム装置は、プレイヤーに期待される操作が定義されているようなゲーム一般に適用することができる。例えば、シューティングゲームでは、期待される操作として、ゲームの進行状況に応じた敵のキャラクタを撃ち落とすことが設定されており、打ち落とせた場合は、操作は成功、そして、打ち落とせなかった場合は操作は失敗したと判定される。操作が失敗した場合、上記実施の形態に示したように主楽曲の基準音高を設定すれば、操作の失敗を直感的にプレイヤーに通知することができる。
【0100】
また、本発明に係るゲーム装置を、ギター演奏ゲームなどの音楽演奏ゲームに適用することもできる。典型的なギター演奏ゲームでは、プレイ開始から伴奏が出力され始める。期待されるタイミングに合わせて、プレイヤーが所定のキーを操作すると、伴奏楽曲に応じたリードギターの演奏楽曲が出力される。一方、期待されるタイミングに合わせてプレイヤーがキーを操作できなかった場合は、リードギターの演奏楽曲は出力されない。このように、プレイヤーの操作が、ある楽曲の出力自体を制御することを目的とする場合、当該ある楽曲(即ち、リードギターの演奏楽曲)を主楽曲として利用することは出来ない。したがって、例えば、伴奏楽曲のうち、サブギターによるパートを主楽曲とし、サブギター以外の伴奏楽曲を副楽曲とすればよい。
【0101】
これにより、プレイヤーが操作を失敗したと判定された場合は、リードギターの演奏楽曲は出力されないが、主楽曲であるサブギターの基準音高の周波数は所定の周波数だけ、あるいは、期待されるタイミングからずれた時間に応じて、シフトされ、副楽曲と合成されて出力される。一方、プレイヤーが操作を成功した場合は、主楽曲であるサブギターの基準音高の周波数は、原基準音高に近づくように設定され、副楽曲、および、リードギターの演奏楽曲とともに出力される。このように、プレイヤーが正しく操作をしなかった場合、リードギターの演奏楽曲が出力されない上に、主楽曲であるサブギターのパートが伴奏演奏と調整がとれなくなり、耳障りな演奏が出力される。よって、音楽演奏ゲームにも本ゲーム装置を適用して、プレイヤーに直感的に操作が成功したか失敗したかを知らせることが可能となる。
【0102】
また、上記実施の形態においては、主楽曲はプレイヤーからの操作がなくても、操作が成功した場合と同様の処理を行って、出力されるようにした。そうではなく、操作が行われていないときは主楽曲を出力しないようにしてもよい。操作を成功したときのみ、主楽曲が出力されるため、プレイヤーは、操作の成功をより直感的に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】一実施形態に係るゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す図である。
【図2】一実施形態に係る項目選択装置が実現される典型的なゲーム装置の機能ブロック図である。
【図3】一実施形態に係るゲーム装置の動作処理を説明するフロー図である。
【図4】一実施形態に係るゲーム装置における、主楽曲の基準音高の設定処理を説明するフロー図である。
【図5】操作が成功したと判定されるタイミングを示す図である。
【図6】操作内容に応じた、主楽曲における基準音高の周波数の変化の例を示す図である。
【図7】他の実施形態に係るゲーム装置において、操作が失敗した度合いを求める方法を説明する図である。
【図8】他の実施形態に係るゲーム装置において、主楽曲の基準音高の周波数が、操作内容に応じて変化する場合の、主楽曲の周波数の変化の例を示す図である。
【図9】主楽曲の基準音高の周波数が操作内容に応じて変化する実施形態の変形例における、主楽曲の周波数の変化の例を示す図である。
【図10】典型的なリズムゲームのゲーム画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0104】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェイス
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 画像処理部
108 DVD−ROMドライブ
109 NIC
110 音声処理部
200 ゲーム装置
201 受付部
202 判定部
203 再生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤーによる操作を受け付ける受付部、
前記受け付けられた操作が成功したか失敗したかを判定する判定部、
所定の主楽曲を再生する再生部、
を備え、
前記再生部は、前記主楽曲に含まれる音のそれぞれを、前記受け付けられた操作が、
(a)ゲームが開始されて以降、成功したと判定されている間は、当該音に予め対応付けられる周波数で出力し、
(b)失敗したと判定されると、当該音に予め対応付けられる周波数を変化させて出力する、
ことにより、前記主楽曲を再生する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記再生部は、前記主楽曲に含まれる音のそれぞれを、前記受け付けられた操作が、
(c)失敗したと判定された後、成功したと判定されると、当該音に予め対応付けられる周波数に近づくように出力する、
ことにより、前記主楽曲を再生する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のゲーム装置であって、
前記再生部は、所定の副楽曲に含まれる音のそれぞれを、当該音に予め対応付けられる周波数で出力することにより、前記副楽曲を前記主楽曲とともに再生する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記判定部は、前記受け付けられた操作が失敗したと判定した場合、プレイヤーに求められる操作と、前記受け付けられた操作との差をさらに算出し、
前記再生部は、前記受け付けられた操作が失敗されたと判定されると、前記(b)において、前記主楽曲に含まれる音のそれぞれを、当該音に予め対応付けられる周波数を、前記算出された差に応じて変化させて出力する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1または4のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記再生部は、プレイヤーによる操作が受け付けられない場合、前記主楽曲を再生しない、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
受付部と、判定部と、再生部と、を備えるゲーム装置によるゲーム処理方法であって、
前記受付部が、プレイヤーによる操作を受け付ける受付工程、
前記判定部が、前記受け付けられた操作が成功したか失敗したかを判定する判定工程、
前記再生部が、所定の主楽曲を再生する再生工程、
を備え、
前記再生工程において、前記再生部は、前記主楽曲に含まれる音のそれぞれを、前記受け付けられた操作が、
(a)ゲームが開始されて以降、成功したと判定されている間は、当該音に予め対応付けられる周波数で出力し、
(b)失敗したと判定されると、当該音に予め対応付けられる周波数を変化させて出力する、
ことにより、前記主楽曲を再生する、
ことを特徴とするゲーム処理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
プレイヤーによる操作を受け付ける受付部、
前記受け付けられた操作が成功したか失敗したかを判定する判定部、
所定の主楽曲を再生する再生部、
として機能させ
前記再生部に、前記主楽曲に含まれる音のそれぞれを、前記受け付けられた操作が、
(a)ゲームが開始されて以降、成功したと判定されている間は、当該音に予め対応付けられる周波数で出力させ、
(b)失敗したと判定されると、当該音に予め対応付けられる周波数を変化させて出力させる、
ことにより、前記主楽曲を再生させる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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