説明

ゲーム装置、ゲーム制御方法、及び、プログラム

【課題】指定されたタイミングにプレイヤが入力をすべきゲームにおいて、入力するタイミングをプレイヤにわかりやすく提示するのに好適なゲーム装置等を提供する。
【解決手段】ゲーム装置において、受付部は、プレイヤからの入力を受け付け、表示部は、案内画像202aがそれぞれ対応付けられた基準画像201aを通過するように表示して、当該基準画像201aとの距離が最短の案内画像202eを強調して表示することにより、当該プレイヤが入力をすべき旨を促す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指定されたタイミングにプレイヤが入力をすべきゲームにおいて、入力するタイミングをプレイヤにわかりやすく提示するのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、及び、これらをコンピュータにて実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
音楽のリズムに合わせてプレイヤが入力を操作する、いわゆる音楽ゲーム(リズムゲーム)が知られている。音楽ゲームは、例えば、画面上に順次表示される案内画像が、基準画像に到達したときに、プレイヤがタイミングよく入力をすることにより進行するゲームである(例えば、特許文献1参照)。案内画像が基準画像付近に到達した際に、プレイヤが当該案内画像に対応する入力操作をすることにより、当該案内画像は画面上から消滅する(例えば、特許文献1段落0053乃至0059、図3参照)。
【特許文献1】特開2001−222280号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特に初心者の場合には、入力するタイミングが基準に対して早いのか遅いのかを、詳しく知りたいという要望が強い。従って、入力するタイミングをプレイヤにわかりやすく提示する技術が求められている。
【0004】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、指定されたタイミングにプレイヤが入力をすべきゲームにおいて、入力するタイミングをプレイヤにわかりやすく提示するのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、及び、これらをコンピュータにて実現するためのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、受付部と、表示部と、を含んで構成される。
【0006】
受付部は、プレイヤからの入力を受け付ける。
表示部は、複数の案内画像がそれぞれ対応付けられた基準画像を通過するように表示して、当該案内画像が当該基準画像に重なる時に当該プレイヤが入力をすべき旨を促す。
また、前記表示部は、当該基準画像との距離が最短の案内画像を強調して表示する。
【0007】
これらの構成により、指定されたタイミングにプレイヤが入力をすべきゲームにおいて、入力するタイミングをプレイヤにわかりやすく提示することができる。つまり、複数の案内画像が表示されている場合でも、当該基準画像に最も近い位置にある当該案内画像が強調表示されることにより、プレイヤは当該基準画像と当該案内画像との位置関係を容易に判断でき、入力するタイミングを知ることができる。
【0008】
前記表示部は、当該最短の案内画像の周囲に所定画像を表示する、ことも可能である。
【0009】
これらの構成により、入力するタイミングをプレイヤにわかりやすく提示することができる。例えば、当該案内画像の周囲に当該案内画像とは異なる色相、彩度、及び明度からなる当該案内画像とほぼ同一の形状からなる画像を表示することにより、当該案内画像が強調表示され、プレイヤは当該案内画像と当該基準画像との位置関係を容易に把握することができる。従って、プレイヤは入力するタイミングを容易に知ることができる。
【0010】
前記表示部は、当該所定画像と当該複数の案内画像のいずれかと、が重なる場合、後者を優先して表示する、ことも可能である。
【0011】
これらの構成により、当該所定画像が表示されても、当該所定画像の背面に隠れることなく当該複数の案内画像が前面に表示される。従って、プレイヤは、当該案内画像の位置を認識することができるため、入力するタイミングを容易に知ることができる。
【0012】
前記表示部は、当該基準画像と当該最短の案内画像との距離に対応付けられる色彩で、当該所定画像を強調して表示する、ことも可能である。
【0013】
これらの構成により、入力するタイミングをプレイヤにわかりやすく提示することができる。例えば、当該基準画像と当該最短の案内画像との距離が遠い場合、当該所定画像を背景色と同一又は透明とする。当該距離が近づくにつれて、当該所定画像を赤くする、蛍光色とする、又は背景色と対照となる色とする等により、当該所定画像が強調表示される。従って、当該案内画像も強調表示され、プレイヤは入力するタイミングを容易に知ることができる。
【0014】
前記表示部は、当該所定画像を描画し、ついで、当該基準画像との距離が近い順に当該案内画像を描画して生成した画像を表示する、ことも可能である。
【0015】
これらの構成により、当該所定画像の背面に隠れることなく当該複数の案内画像が前面に順々に表示される。従って、プレイヤは、当該案内画像の位置を認識することができるため、入力するタイミングを容易に知ることができる。
【0016】
前記表示部は、当該所定画像を描画し、ついで、当該基準画像との距離が遠い順に当該案内画像を描画して生成した画像を表示する、ことも可能である。
【0017】
これらの構成により、当該所定画像の背面に隠れることなく当該複数の案内画像が前面に順々に表示される。従って、プレイヤは、当該案内画像の位置を認識することができるため、入力するタイミングを容易に知ることができる。
【0018】
上記の目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るゲーム制御方法は、受付部と、表示部と、を有するゲーム装置にて実行されるゲーム制御方法であって、受付工程と、表示工程と、を備える。
【0019】
受付工程では、プレイヤからの入力を受け付ける。
表示工程では、複数の案内画像がそれぞれ対応付けられた基準画像を通過するように表示して、当該案内画像が当該基準画像に重なる時に当該プレイヤが入力をすべき旨を促す。
また、前記表示工程では、当該基準画像との距離が最短の案内画像を強調して表示する。
【0020】
上記の目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るプログラムは、コンピュータを、上記のゲーム装置として機能させるように構成する。また、本発明の第3の観点に係るプログラムは、コンピュータに上記のゲーム制御方法を実行させるように構成する。
【0021】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、当該コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、指定されたタイミングにプレイヤが入力をすべきゲームにおいて、入力するタイミングをプレイヤにわかりやすく提示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下では、本発明のゲーム装置の実施形態の一つについて説明するが、当該実施形態は本発明の原理の理解を容易にするためのものであり、本発明の範囲は、下記の実施形態に限られるものではなく、当業者が以下の実施形態の構成を適宜置換した他の実施形態も、本発明の範囲に含まれる。
【0024】
まず、本発明の実施の形態に係るゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す図1を参照して説明する。
【0025】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、DVD(Digital Versatile Disk)−ROMドライブ107と、画像処理部108と、音声処理部109と、NIC(Network Interface Card)110と、マット型コントローラ111と、を備える。
【0026】
なお、ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ107に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態のゲーム装置が実現される。
【0027】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。
【0028】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、CPU 101がDVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出して実行する。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録され、CPU 101がこれらのプログラム等を読み出して実行する。
【0029】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行に必要なデータが保持される。
【0030】
インターフェース104を介して接続されたコントローラ105は、ユーザがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。例えば、コントローラ105には、Aボタン、Bボタン、Xボタン、Yボタンや4方向を示す各方向ボタン(方向キー)等が配置されている。そして、これらのボタンがユーザに押下されると、押下されたボタンに応じた操作入力を受け付ける。
また、コントローラ105と同様に、インターフェース104を介して接続されたマット型コントローラ111は、ユーザがゲーム実行の際に操作入力を受け付ける。例えば、マット型コントローラ111には、図2に示すように、左ボタン111a、下ボタン111b、上ボタン111c、右ボタン111d等が配置されている。マット型コントローラ111は、一般にユーザの足によって操作入力が行われる。
ユーザは、コントローラ105とマット型コントローラ111とを同時に使用することや、複数のコントローラ105又は複数のマット型コントローラ111を同時に使用することもできる。
【0031】
インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、ゲームの進行状態を示すデータ、通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。ユーザは、コントローラ105又はマット型コントローラ111を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記録することができる。
【0032】
DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ107は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し,これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0033】
画像処理部108は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部108が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部108が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部108に接続されるモニタ(図示せず)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0034】
なお、画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0035】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画したりすることが可能である。フォント情報は、ROM 102に記録されているが、DVD−ROMに記録された専用のフォント情報を利用することも可能である。
【0036】
音声処理部109は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカから出力させる。
【0037】
NIC 110は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0038】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
また、ユーザからの文字列の編集入力を受け付けるためのキーボードや、各種の位置の指定および選択入力を受け付けるためのマウスなどの入出力デバイスを接続する形態も採用することができる。
【0039】
また、本実施形態の情報処理装置100にかえて、一般的なコンピュータ(汎用のパーソナルコンピュータ等)を本発明に係るゲーム装置として利用することもできる。例えば、一般的なコンピュータは、上記情報処理装置100と同様に、CPU、RAM、ROM、DVD−ROMドライブ、および、NICを備え、情報処理装置100よりも簡易な機能を備えた画像処理部を備え、外部記憶装置としてハードディスクを有する他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等が利用できるようになっている。また、コントローラではなく、キーボードやマウスなどを入力装置として利用する。そして、ゲームプログラムをインストールした後に、そのプログラムを実行させると、ゲーム装置として機能させることができる。
【0040】
以下では、注記しない限り、後述するゲーム装置300について、図1に示した情報処理装置100により説明を加える。ゲーム装置300は、必要に応じて適宜一般的なコンピュータの要素に置換することができ、これらの実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0041】
(ゲームの説明)
図3は、本発明の実施の形態に係るゲーム装置により実現されるゲーム画面の一例を示す図である。以下、本図を参照して当該ゲームについて説明する。ゲーム画面200は、DVD−ROMドライブ107に装着されたDVD−ROMから読み出されるゲームプログラム及びゲームデータに基づいてモニタに生成される。同図に示すように、このゲーム画面200では、背景には背景画像206が全面に表示されており、基準画像201a、201b、201c、201dと、案内画像202a、202b、202c、202dと、ダンスゲージ203と、スコア204と、メッセージ205と、が背景画像206に重畳表示されている。スコア204はゲーム画面200の下段に表示されており、これまでの累積点数を表示するものである。メッセージ205は画面中段に表示されており、プレイヤの操作の巧拙に応じた内容の文字を表示するものである。例えば、「GREAT」、「PERFECT」、「GOOD」、「BAD」等の文字が表示される。
【0042】
ダンスゲージ203は画面上段に表示されており、ゲーム操作の優劣に応じて伸縮するゲージバーを含んでいる。例えば、ゲーム操作が高い評価を受けた場合は、ゲージバーは右方向に伸び、逆にゲーム操作が低い評価しか受けられなかった場合は、ゲージバーは左方向に縮む。そして、ゲージバーが所定長よりも短くなった場合には、ゲームオーバとなるようになっており、プレイヤはダンスゲージ203を見てゲームオーバが近いか否かを判断することができる。ダンスゲージ203の下側には、基準画像201a、201b、201c、201dがこの順に表示されている。基準画像201a、201b、201c、201dは、プレイヤが操作タイミングを判断するための基準である。
【0043】
すなわち、案内画像202aは、コントローラ105が備える方向ボタンの左方向操作及び左ボタン並びにマット型コントローラ111が備える左ボタン111aに、案内画像202bは、コントローラ105が備える方向ボタンの下方向操作及び下ボタン並びにマット型コントローラ111が備える下ボタン111bに、案内画像202cは、コントローラ105が備える方向ボタンの上方向操作及び上ボタン並びにマット型コントローラ111が備える上ボタン111cに、案内画像202dは、コントローラ105が備える方向ボタンの右方向操作及び右ボタン並びにマット型コントローラ111が備える右ボタン111dに、それぞれ対応付けられている。そして、基準画像201a、201b、201c、201dの下方の比較的広い画面領域には、時間の推移にしたがって、上方向に移動する案内画像202a、202b、202c、202dが表されており、この案内画像202a、202b、202c、202dが基準画像201a、201b、201c、201dに重なるタイミングにて、それらの基準画像201a、201b、201c、201dに対応する方向ボタン又はボタンを押下することにより、得点を上げることができるようになっている。例えば、同図においては案内画像202cが基準画像201cに重なろうとしているところである。この少し後でプレイヤがコントローラ105の上ボタン又はマット型コントローラ111の上ボタン111cを押下し、あるいは方向ボタンを上方向操作することにより、得点をあげることができる。
【0044】
なお、必ずしも案内画像202a、202b、202c、202dが基準画像201a、201b、201c、201dに完全に重なるタイミングでプレイヤがコントローラ105又はマット型コントローラ111を操作しなければ得点を上げることができないという訳ではなく、その一致度に応じて得点が与えられるようになっている。つまり、案内画像202a等と基準画像201a等との位置が近いほど、得点は高くなる。なお、案内画像202a、202b、202c、202dの出現数、出現順序等は、DVD−ROM等に記録されたゲームプログラム及びゲームデータに基づき決定される。
【0045】
案内画像202a、202b、202c、202dは、具体的には次のようにして表示される。ゲーム音楽の再生が開始されると、例えば現在以降の2小節分の操作タイミングを案内表示範囲とした場合、CPU 101はその範囲に含まれる操作タイミングを所定のデータから読み出す。そして、その所定のデータに基づいて案内画像202a、202b、202c、202dを表す画像データを生成する。この画像データは、操作タイミングが近いものから順に下方に向かって操作タイミングが遠いものが並ぶように表示位置が調整されたものである。
【0046】
このとき、基準画像201a、201b、201c、201dの下方には、対応する方向ボタンの方向操作又はボタンの押下タイミングを表す案内画像202a、202b、202c、202dが表示される。同図では、各列に1つの案内画像が表示されているが、操作タイミングの到来状況によっては複数表示されうる。生成された画像データは背景画像206に重畳され、ゲーム画面200の一部をなす。以上の処理は所定周期で繰り返される。
【0047】
案内表示範囲の先頭はその時点でのゲーム音楽の演奏位置と対応しており、処理毎に所定量ずつ案内表示範囲が曲の先頭から後方向にずらされる。こうして、案内画像202a、202b、202c、202dが曲の進行に合わせて徐々に上方に移動する。このようにして案内画像202a、202b、202c、202dを表示すれば、ゲーム画面200により、プレイヤは操作タイミングの到来状況を容易に把握できるようになる。
【0048】
(ゲーム装置の構成)
次に、本実施の形態に係るゲーム装置300の概要構成について図4を参照して説明する。ゲーム装置300は、受付部301と、表示部302と、を備える。以下にゲーム装置300の各構成要素について説明する。なお、各部の機能は互いに連関し合っているが、用途に応じて各部の採否を適宜変更することができる。
【0049】
受付部301は、コントローラ105又はマット型コントローラ111を通じてプレイヤが操作した入力を受け付け、当該入力情報を後述する表示部302に渡す。図3に示すように、4つの案内画像202a、202b、202c、202dが存在するため、受付部301は少なくとも4つの入力ボタンを備える。コントローラ105及びマット型コントローラ111等が、受付部301として機能する。
なお、入力ボタンは4つに限られず、案内画像の種類及び数に応じた入力ボタンの種類及び数を受付部301は備えることができる。
【0050】
表示部302は、DVD−ROM等から必要なプログラムやデータを読み出し、図3に示すように、基準画像201a、201b、201c、201d、案内画像202a、202b、202c、202d、ダンスゲージ203、スコア204、メッセージ205等をモニタに表示する。また、表示部302は、プレイヤの動作を模したキャラクタ等も必要に応じてモニタに表示する。表示部302は、ゲーム画面200上に案内画像を同時に複数表示し、当該複数の案内画像を重ねて表示することもできる。
【0051】
表示部302は、読み出されたプログラムに基づき、基準画像上を通過するように案内画像を移動させる。例えば、図3に示すように、案内画像202cは、基準画像201c上を通過するように移動する。基準画像201c上を通過した後、案内画像202cはゲーム画面200の上辺に向かって移動し、ゲーム画面200から消える。また、表示部302は、受付部301からの入力情報に対応する案内画像をゲーム画面200上から消去することにより、当該ゲームを進行させる。
【0052】
また、表示部302は、基準画像との距離が最も短い位置に存在する案内画像を強調する。具体的には、まず、CPU 101は、案内画像と基準画像との距離(間隔)を計測することにより、複数の案内画像の中から基準画像に一番近い位置に存在する案内画像(最短の案内画像)を判断する。図5は、案内画像202aと基準画像201aとの距離を示す図である。CPU 101は、例えば図5に示すように、基準画像201aと案内画像202aとが示す中心線との距離D1、基準画像201aの下辺部と案内画像202aの上辺部との距離D2、基準画像201aの上辺部と案内画像202aの上辺部との距離D3を、計測する。CPU 101は、基準画像の任意の位置と案内画像の任意の位置との距離を計測することができる。CPU 101は、すべての案内画像について当該距離を計測することにより、基準画像との距離が最短の案内画像を判断する。図5に示すように、距離D3と距離D4とでは距離D3の方が短いため、距離D3の位置にある案内画像202aが最短の案内画像となる。
なお、当該最短の案内画像が複数存在する場合、該当するすべての案内画像が当該最短の案内画像となる。
【0053】
さらに、CPU 101は、当該最短の案内画像を強調するか否かを判断する。図6は、最短の案内画像202eを強調する範囲を示す図である。当該最短の案内画像が所定の範囲内にある場合、表示部302は、当該最短の案内画像を強調する。ここで所定の範囲とは、図6(a)及び(b)に示すように、基準画像201aと最短の案内画像202eとが重なっている場合、最短の案内画像202eが一定の基準線を越えている場合等をいう。
【0054】
当該最短の案内画像を強調する方法として、例えば、赤くする、蛍光色とする、又は背景色と対照となる色とする等の強調処理を表示部302は行う。表示部302は、当該最短の案内画像を強調するために、当該画像の色相、彩度、及び明度を変更することができる。
【0055】
図7は、最短の案内画像202eと案内画像202aとの前面・背面(後面)の位置関係を示す図である。表示部302は、図7(a)及び(b)に示すように、最短の案内画像202eを案内画像202aの背面側に表示したり、逆に、案内画像202aを最短の案内画像202eの背面側に表示したりすることもできる。
【0056】
図8は、最短の案内画像202eの切り替わりを示す図である。表示部302は、図8(a)に示すように、最短の案内画像202eが基準画像201aを越えるまで、又は、最短の案内画像202eと基準画像201aとの位置が一致するまで、当該最短の案内画像202eの強調表示を続ける。当該最短の案内画像202eが当該基準画像201aを越えた場合、表示部302は、当該最短の案内画像202eの強調表示を止め、強調前の表示に戻す。
次に、図8(b)に示すように、所定の範囲内にあり、当該基準画像201aを越えていない案内画像が、最短の案内画像202eと判断される場合、表示部302は、当該最短の案内画像202eを強調表示する。当該最短の案内画像202eが基準画像を越えた場合、当該画像は強調表示される前の案内画像の表示状態に戻り、次に該当する最短の案内画像が強調表示される。
【0057】
図9は、基準画像201aとの距離に基づく最短の案内画像202eの強調度合いを示す図である。また、表示部302は、図9(a)から(c)に示すように、基準画像201aとの距離に基づいて、最短の案内画像202eを段階的に強調することもできる。当該最短の案内画像は、当該基準画像との距離が近いほど強調表示される。表示部302は、当該最短の案内画像が当該所定の範囲に入った場合、当該最短の案内画像の強調を開始し、段階的に当該最短の案内画像の強調を強める。
なお、強調表示の開始から、最大の強調表示までの表示変化速度は、一定の速度、指数関数的な速度等、任意である。また、案内画像を強調する段階は、4段階、16段階等、任意であり、表示される色彩も任意である。
【0058】
図10は、最短の案内画像202eを強調する所定画像202fの例を示す図である。また、当該最短の案内画像自体を強調表示するだけでなく、表示部302は、図10(a)及び(b)に示すように、当該最短の案内画像202eの周囲に所定画像202fを表示することにより、当該最短の案内画像202eを強調することもできる。ここで、所定画像とは、最短の案内画像を強調するために、最短の案内画像の外周部に表示される画像である。当該所定画像は、当該複数の案内画像の最背面に表示され、他の案内画像の表示を妨げることはない。
図11は、他の実施形態に係る最短の案内画像202eを強調する所定画像202fの例を示す図である。なお、表示部302は、例えば図11(a)及び(b)に示すように、当該最短の案内画像202eを強調するために、任意の所定画像202fを表示することができる。また、表示部302は、所定画像の表示開始から消滅までに、当該所定画像の形状を変形することもできる。
【0059】
CPU 101、RAM 103、画像処理部108が協働して動作することにより、表示部302として機能する。
【0060】
(ゲーム装置の動作)
次に、ゲーム装置300の動作を、図12のフローチャートを参照して説明する。
【0061】
ゲーム装置300の電源が投入されてゲームが開始されると、表示部302は、DVD−ROM等から必要なプログラムやデータを読み出し、図3に示すように、基準画像201a、201b、201c、201d、及び案内画像202a、202b、202c、202d等をモニタに表示する。次に、表示部302は、読み出されたプログラムに基づき、所定の基準画像上を通過するように所定の案内画像を移動させる(ステップS11)。例えば、案内画像202bは、基準画像201b上を通過するように移動する。
【0062】
次に、CPU 101は、図5に示すように、複数の案内画像202aと基準画像201aとの距離D1等を計測することにより、当該複数の案内画像202aの中から基準画像に一番近い位置に最短の案内画像があるか否かを判断する(ステップS12)。
【0063】
最短の案内画像がある場合(ステップS12;Yes)、ステップS13に遷移する。
一方、最短の案内画像がない場合(ステップS12;No)、強調表示するための最短の案内画像が存在しないため、本フローは終了する。
【0064】
次に、CPU 101は、図6(a)及び(b)に示すように、当該最短の案内画像202eが所定の範囲内(例えば、基準画像201aと最短の案内画像202eとが重複している箇所がある、又は最短の案内画像202eが一定の基準線を越えている範囲内等)にあるか否かを判定する(ステップS13)。
当該最短の案内画像が所定の範囲内にない場合(ステップS13;No)、当該最短の案内画像は、強調表示されずに移動を続ける。
【0065】
一方、所定の範囲内にある場合(ステップS13;Yes)、表示部302は、図6(a)及び(b)に示すように、当該最短の案内画像202eを強調表示する(ステップS14)。
なお、表示部302は、図9(a)から(c)に示すように、基準画像201aとの距離に基づいて、最短の案内画像202eを段階的に強調することもできる。最短の案内画像は、基準画像との距離が近いほど強調されて表示される。
【0066】
ステップS14において、表示部302は、最短の案内画像を強調表示せずに、図10及び11に示すように、当該最短の案内画像202eの周囲に所定画像202fを表示することにより、当該最短の案内画像202eを強調することもできる。
なお、当該所定画像202fは、すべての案内画像の背面に表示され、案内画像の表示を妨げることはない。
【0067】
次に、受付部301は、プレイヤからの入力があるか否かを判定する(ステップS15)。プレイヤは、強調表示された最短の案内画像の位置を確認し、マット型コントローラ111等を通じて入力操作を行う。受付部301は、当該入力操作を受け付け、当該入力情報を表示部302に渡す。
【0068】
プレイヤからの入力がある場合(ステップS15;Yes)、ステップS17に遷移する。一方、プレイヤからの入力がない場合(ステップS15;No)、ステップS16に遷移する。
【0069】
次に、CPU 101は、図8(a)に示すように、当該最短の案内画像202eが基準画像201aを越えているか否か(当該最短の案内画像202eと基準画像201aとの位置が一致するか否か)を判断する(ステップS16)。
当該最短の案内画像が基準画像を越えていない場合(ステップS16;No)、当該最短の案内画像は、継続して強調表示される。
【0070】
一方、図8(b)に示すように、当該最短の案内画像が基準画像を越えている場合(ステップS16;Yes)、表示部302は、今まで基準画像との距離が最短であった案内画像202a(従来は、最短の案内画像202e)の強調表示を解除して(ステップS17)、ステップS11に戻る。
【0071】
以上の処理により、指定されたタイミングにプレイヤが入力をすべきゲームにおいて、入力するタイミングをプレイヤにわかりやすく提示することができる。つまり、複数の案内画像が表示されている場合でも、当該基準画像に最も近い位置にある当該案内画像が強調表示されることにより、プレイヤは当該基準画像と当該案内画像との位置関係を容易に判断でき、入力するタイミングを知ることができる。
【0072】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0073】
案内画像が通過する経路は、直線に限られず、曲線等、任意である。
案内画像の出現位置は、ゲーム画面200の下方に限られず、上方、中段等、任意である。
【0074】
基準画像の位置は、ゲーム画面200の上方に限られず、下方、中段等、任意である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上説明したように、本発明によれば、指定されたタイミングにプレイヤが入力をすべきゲームにおいて、入力するタイミングをプレイヤにわかりやすく提示するのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、及び、これらをコンピュータにて実現するためのプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態に係るゲーム装置等が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】マット型コントローラを示す図である。
【図3】ゲーム画面例を示す図である。
【図4】ゲーム装置の概要構成を示す説明図である。
【図5】案内画像と基準画像との距離の計測する方法を説明する図である。
【図6】最短の案内画像を強調する範囲を説明する図であり、(a)は基準画像と最短の案内画像とが重なっている状態を示し、(b)は最短の案内画像が基準線を越えた状態を示す図である。
【図7】(a)最短の案内画像が案内画像の背面側にある状態を示す図であり、(b)は最短の案内画像が案内画像の前面側にある状態を示す図である。
【図8】最短の案内画像の切り替わりを説明する図であり、(a)最短の案内画像が次ぎの案内画像に切り替わる前の状態を示す図であり、(b)最短の案内画像が次の案内画像に切り替わった後の状態を示す図である。
【図9】基準画像との距離に基づく最短の案内画像の強調度合いを説明する図であり、(a)は弱い度合いの強調表示を示す図であり、(b)は中程度の強調表示を示す図であり、(c)は強い度合いの強調表示を示す図である。
【図10】最短の案内画像を強調する所定画像例を示す図であり、(a)は最短の案内画像が案内画像の前面側にある状態を示し、(b)は最短の案内画像が案内画像の背面側にある状態を示す図である。
【図11】他の実施形態に係る最短の案内画像を強調する所定画像例を示す図である。
【図12】ゲーム装置の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0077】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 DVD−ROMドライブ
108 画像処理部
109 音声処理部
110 NIC
111 マット型コントローラ
111a、111b、111c、111d ボタン
200 ゲーム画面
201a、201b、201c、201d 基準画像
202a、202b、202c、202d 案内画像
202e 最短の案内画像
202f 所定画像
203 ダンスゲージ
204 スコア
205 メッセージ
206 背景画像
300 ゲーム装置
301 受付部
302 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤからの入力を受け付ける受付部と、
複数の案内画像がそれぞれ対応付けられた基準画像を通過するように表示して、当該案内画像が当該基準画像に重なる時に当該プレイヤが入力をすべき旨を促す表示部と、を備え、
前記表示部は、当該基準画像との距離が最短の案内画像を強調して表示する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記表示部は、当該最短の案内画像の周囲に所定画像を表示する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム装置であって、
前記表示部は、当該所定画像と当該複数の案内画像のいずれかと、が重なる場合、後者を優先して表示する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記表示部は、当該基準画像と当該最短の案内画像との距離に対応付けられる色彩で、当該所定画像を強調して表示する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記表示部は、当該所定画像を描画し、ついで、当該基準画像との距離が近い順に当該案内画像を描画して生成した画像を表示する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記表示部は、当該所定画像を描画し、ついで、当該基準画像との距離が遠い順に当該案内画像を描画して生成した画像を表示する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
受付部と、表示部と、を有するゲーム装置にて実行されるゲーム制御方法であって、
前記受付部が、プレイヤからの入力を受け付ける受付工程と、
前記表示部が、複数の案内画像がそれぞれ対応付けられた基準画像を通過するように表示して、当該案内画像が当該基準画像に重なる時に当該プレイヤが入力をすべき旨を促す表示工程と、を備え、
前記表示工程は、当該基準画像との距離が最短の案内画像を強調して表示する、
ことを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項8】
コンピュータを、
複数の案内画像がそれぞれ対応付けられた基準画像を通過するように表示して、当該案内画像が当該基準画像に重なる時に当該プレイヤが入力をすべき旨を促す表示部と、として機能させ、
前記表示部は、当該基準画像との距離が最短の案内画像を強調して表示する、
ように機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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