説明

ゲーム装置、表示制御方法、および、プログラム

【課題】所定の課題動作を表すオブジェクトを、プレイヤの実動作に応じて表示することのできるゲーム装置等を提供する。
【解決手段】表示制御部220は、プレイヤが操作すべき方向を指し示す矢印オブジェクトを画面に表示する。取得部240は、プレイヤが行った操作方向を含む操作内容を取得する。処理制御部260は、交互に繰り返す課題動作が出題されている状態において、対比履歴蓄積部250に蓄積された対比履歴を参照して、プレイヤの動作内容の適否を判定する。そして、プレイヤが無自覚にあべこべな動作を行っていると判定した場合に、処理制御部260は、矢印オブジェクトを正像から鏡像(若しくは、鏡像から正像)に切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の課題動作を表すオブジェクトを、プレイヤの実動作に応じて表示することのできるゲーム装置、表示制御方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、業務用や家庭用のゲーム装置にて実行されるゲーム(ソフトウェア等)が種々開発されている。中でも、ダンスゲームに代表される音楽ゲームは、根強い人気があり、幅広い年齢層のプレイヤから支持されている。この音楽ゲームは、演奏される楽曲に合わせて、適切な動作をプレイヤがタイミングよく行うことにより、高得点を競うタイプのゲームである。
【0003】
例えば、家庭用のゲーム装置では、通常のコントローラをプレイヤが指で操作するタイプの音楽ゲームだけでなく、ゲーム用マット(例えば、ダンスコントローラ)を用いて、本格的な踏み動作(ステップ動作)によってプレイできるタイプの音楽ゲームも市販されている。
これらの音楽ゲームでは、プレイヤに課される動作(課題動作)が、所定形状のオブジェクト(一例として、上下左右それぞれの矢印オブジェクト等)により規定されている。そして、ゲーム画面にはそのようなオブジェクトが、楽曲のリズム等に合わせて順次移動表示される。そのため、プレイヤは、そのようなオブジェクトを目で追いながら、出題される課題動作を適宜行うこととなる。
【0004】
このような音楽ゲーム(ゲーム装置)の一例として、入力動作を行うタイミングをプレイヤにわかりやすく知らせることを特徴とした発明も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−29295号公報 (第5−12頁、第5図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した音楽ゲームでは、所定の課題動作が繰り返して出題されることも多い。例えば、ゲーム用マット上にて左右の足を交互に踏み出すといった課題動作が複数回にわたって繰り返し出題される場合などである。この場合、一例として、ゲーム画面には、左向きの矢印オブジェクト及び右向きの矢印オブジェクトが、それぞれ交互に連続して表示されることになる。
【0007】
しかしながら、プレイヤの中には、このような交互に連続した課題動作を繰り返す過程で、自分でも気が付かないうちに、各動作が入れ替わってしまうことが多い。つまり、先ほどの例では、左右の足を交互に踏み出す動作を繰り返しているうちに、プレイヤが左右を見失ってしまい、無自覚のまま、課題動作に対して左右あべこべな動作を行ってしまう場合などである。
【0008】
このような、あべこべな動作が行われた場合、たとえ動作タイミングが合っていたとしても、踏み出す足が課題動作とは合致しないため、音楽ゲームにおいては、ミス(誤った動作)と判定されてしまう。そして、ミスを報知するメッセージ等がゲーム画面に表示されたとしても、あべこべな動作を無自覚に行っているプレイヤは、その理由が分からずに、そのままの動作(あべこべな動作)を続けてしまったり、混乱して動作を止めてしまうことが多かった。その結果、ミスによる減点が急速に累積され、すぐさまゲームが打ち切られてしまうことも起こっていた。
【0009】
このような、理由も分からないうちに、ゲームが打ち切られてしまうことは、納得できることではなく、ゲーム装置の故障等を疑うプレイヤも多かった。また、リズムに乗って好調にプレイできていると思っているプレイヤに対して、ゲームが打ち切られてしまうと、プレイヤの熱意に水を差すことになり、音楽ゲームに対する興味も薄れてしまうことも懸念される。
【0010】
このようなことから、交互に連続する課題動作を繰り返し出題する場合等において、プレイヤが無自覚にあべこべな動作をしてしまうことを考慮し、オブジェクトの表示をプレイヤの実動作に応じて表示することのできるゲーム装置の開発が求められていた。
【0011】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、所定の課題動作を表すオブジェクトを、プレイヤの実動作に応じて表示することのできるゲーム装置、表示制御方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、表示制御部、及び、取得部を備えて構成される。
【0013】
まず、表示制御部は、課題動作を表すオブジェクト(例えば、左右それぞれの矢印オブジェクトや見本キャラクタオブジェクト等)の正像、若しくは鏡像を画面に表示する。取得部は、プレイヤが行った動作内容を取得する。例えば、取得部は、ゲーム用マットやコントローラ等の押圧検出や、プレイヤ画像を用いた動作検出等により、プレイヤが行った動作内容を取得する。
そして、表示制御部は、課題動作としての正像を表示中に、取得部によって取得されたプレイヤの動作内容が、課題動作としての正像に対する鏡像と一定回数以上一致すると、以降はオブジェクトの鏡像を表示し、逆に、課題動作としての鏡像を表示中に、取得部によって取得されたプレイヤの動作内容が、課題動作としての鏡像に対する正像と一定回数以上一致すると、以降は、オブジェクトの正像を表示する。
例えば、左矢印オブジェクト(課題動作としての正像)、及び、右矢印オブジェクト(課題動作としての正像)を交互に表示し続けている間に、プレイヤが無意識に左右あべこべな動作を行ってしまうと、その動作が右矢印オブジェクト(課題動作としての正像に対する鏡像)、及び、左矢印オブジェクト(課題動作としての正像に対する鏡像)とそれぞれ一致するようになる。すると、表示制御部は、右矢印オブジェクト(鏡像)、及び、左矢印オブジェクト(鏡像)を交互に表示するようにし、プレイヤの実動作に合わせた課題動作の表示に切り替える。
また逆に、例えば、右矢印オブジェクト(課題動作としての鏡像)、及び、左矢印オブジェクト(課題動作としての鏡像)を交互に表示し続けている間に、プレイヤが無意識に左右あべこべな動作を行ってしまうと、その動作が左矢印オブジェクト(課題動作としての鏡像に対する正像)、及び、右矢印オブジェクト(課題動作としての鏡像に対する正像)とそれぞれ一致するようになる。すると、表示制御部は、左矢印オブジェクト(正像)、及び、右矢印オブジェクト(正像)を交互に表示するようにし、プレイヤの実動作に合わせた課題動作の表示に切り替える。
【0014】
すなわち、交互に繰り返す課題動作を出題中に、プレイヤが無自覚にあべこべな動作を行ってしまった場合でも、プレイヤの実動作に応じて課題動作を適宜修正して表示する。これにより、リズムに乗ってプレイしているプレイヤの動作を妨げることなく、実動作に沿った課題動作が表示されることになる。
この結果、所定の課題動作を表すオブジェクトを、プレイヤの実動作に応じて表示することができる。
【0015】
本発明の第2の観点に係るゲーム装置は、表示制御部、取得部、及び、判定部を備えて構成される。
【0016】
まず、表示制御部は、プレイヤが操作すべき課題方向を示すオブジェクト(例えば、左右それぞれの矢印オブジェクト)の正像、若しくは鏡像を画面に表示する。取得部は、プレイヤが行った操作方向を含む操作内容を取得する。例えば、取得部は、ゲームマットやゲームパッド等の押圧検出により、プレイヤが行った操作方向を含む操作内容を取得する。判定部は、取得部によって取得された操作内容を、プレイヤが行った操作方向と課題方向としての正像、若しくは課題方向としての正像に対する鏡像との関係を含めて判定する。例えば、判定部は、プレイヤの操作方向が、課題方向としての正像、若しくは課題方向としての正像に対する鏡像の何れの方向と一致するかを判別する。
そして、表示制御部は、課題方向としての正像を表示中に、プレイヤが行った操作方向が課題方向としての正像に対する鏡像と一定回数以上続けて一致すると判定された場合に、以降はオブジェクトを鏡像に切り替えて表示し、逆に、課題方向としての鏡像を表示中に、プレイヤが行った操作方向が課題方向としての鏡像に対する正像と一定回数以上続けて一致すると判定された場合に、以降はオブジェクトを正像に切り替えて表示する。
例えば、左矢印オブジェクト(課題方向としての正像)、及び、右矢印オブジェクト(課題方向としての正像)を交互に表示し続けている間に、プレイヤが無意識に左右あべこべな操作を行ってしまうと、その操作方向が右矢印オブジェクト(課題方向としての正像に対する鏡像)、及び、左矢印オブジェクト(課題方向としての正像に対する鏡像)とそれぞれ一致するようになる。すると、表示制御部は、右矢印オブジェクト(鏡像)、及び、左矢印オブジェクト(鏡像)を交互に表示するようにし、プレイヤの実動作に合わせたオブジェクト表示に切り替える。
また逆に、例えば、右矢印オブジェクト(課題方向としての鏡像)、及び、左矢印オブジェクト(課題方向としての鏡像)を交互に表示し続けている間に、プレイヤが無意識に左右あべこべな操作を行ってしまうと、その操作方向が左矢印オブジェクト(課題方向としての鏡像に対する正像)、及び、右矢印オブジェクト(課題方向としての鏡像に対する正像)とそれぞれ一致するようになる。すると、表示制御部は、左矢印オブジェクト(正像)、及び、右矢印オブジェクト(正像)を交互に表示すようにし、プレイヤの実動作に合わせたオブジェクト表示に切り替える。
【0017】
すなわち、交互に繰り返す課題動作を出題中に、プレイヤが無自覚にあべこべな動作を行ってしまった場合でも、プレイヤの実動作に応じて課題動作を適宜修正して表示する。これにより、リズムに乗ってプレイしているプレイヤの動作を妨げることなく、実動作に沿った課題動作が表示されることになる。
この結果、所定の課題動作を表すオブジェクトを、プレイヤの実動作に応じて表示することができる。
【0018】
表示制御部は、所定の判定位置(例えば、判定エリアや判定ライン等)に向けてオブジェクトを順次移動させて表示し、
判定部は、移動されるオブジェクトが判定位置に到達したタイミングで、プレイヤが行った操作内容を判定し、
表示制御部は、判定部による判定結果に基づいてオブジェクトを、課題方向としての正像若しくは課題方向としての鏡像の表示へと切り替える際に、判定位置に未到達のオブジェクトを含めて、以降に表示するオブジェクトの表示を切り替えてもよい。
すなわち、オブジェクトが判定位置に到達したタイミング毎に、プレイヤが行った操作方向と課題方向としての正像、若しくは課題方向としての正像に対する鏡像との関係が判定され、プレイヤが無意識に左右あべこべな操作を行っている場合には、判定位置に向けて移動中(判定前)のオブジェクトを含めて、オブジェクトを正像若しくは鏡像へと切り替える。
この場合、表示済みで判定前のオブジェクトも含めて、プレイヤの実動作に応じて表示することができる。
【0019】
表示制御部は、オブジェクトを課題方向としての正像若しくは課題方向としての鏡像の表示へと切り替える前に、所定のメッセージをオブジェクトを覆うように表示し、切り替えを終えた後に、当該メッセージを消去するようにしてもよい。
すなわち、オブジェクトを正像若しくは鏡像の表示へと切り替えるに先立って、そのオブジェクトの全部又は一部を覆うように所定のメッセージを表示して、一時的に、オブジェクトをプレイヤの目から隠す。その状態で、切り替えを終えた後に、覆っていたメッセージを消去する。
この場合、オブジェクトを正像若しくは鏡像へと切り替える際に、違和感なく行うことができる。
【0020】
本発明の第3の観点に係る表示制御方法は、表示制御部、表示部、及び、取得部を備えたゲーム装置における表示制御方法であって、表示制御工程、及び、取得工程を備えて構成される。
【0021】
まず、表示制御工程では、課題動作を表すオブジェクト(例えば、左右それぞれの矢印オブジェクトや見本キャラクタオブジェクト等)の正像、若しくは鏡像を表示する。取得工程では、プレイヤが行った動作内容を取得する。例えば、取得工程では、ゲーム用マットやコントローラ等の押圧検出や、プレイヤ画像を用いた動作検出等により、プレイヤが行った動作内容を取得する。
そして、表示制御工程では、課題動作としての正像を表示中に、取得工程にて取得されたプレイヤの動作内容が、課題動作としての正像に対する鏡像と一定回数以上一致すると、以降はオブジェクトの鏡像を表示し、逆に、課題動作としての鏡像を表示中に、取得工程にて取得されたプレイヤの動作内容が、課題動作としての鏡像に対する正像と一定回数以上一致すると、以降はオブジェクトの正像を表示する。
例えば、左矢印オブジェクト(課題動作としての正像)、及び、右矢印オブジェクト(課題動作としての正像)を交互に表示し続けている間に、プレイヤが無意識に左右あべこべな動作を行ってしまうと、その動作が右矢印オブジェクト(課題動作としての正像に対する鏡像)、及び、左矢印オブジェクト(課題動作としての正像に対する鏡像)とそれぞれ一致するようになる。すると、表示制御部は、右矢印オブジェクト(鏡像)、及び、左矢印オブジェクト(鏡像)を交互に表示するようにし、プレイヤの実動作に合わせた課題動作の表示に切り替える。
また逆に、例えば、右矢印オブジェクト(課題動作としての鏡像)、及び、左矢印オブジェクト(課題動作としての鏡像)を交互に表示し続けている間に、プレイヤが無意識に左右あべこべな動作を行ってしまうと、その動作が左矢印オブジェクト(課題動作としての鏡像に対する正像)、及び、右矢印オブジェクト(課題動作としての鏡像に対する正像)とそれぞれ一致するようになる。すると、表示制御部は、左矢印オブジェクト(正像)、及び、右矢印オブジェクト(正像)を交互に表示するようにし、プレイヤの実動作に合わせた課題動作の表示に切り替える。
【0022】
すなわち、交互に繰り返す課題動作を出題中に、プレイヤが無自覚にあべこべな動作を行ってしまった場合でも、プレイヤの実動作に応じて課題動作を適宜修正して表示する。これにより、リズムに乗ってプレイしているプレイヤの動作を妨げることなく、実動作に沿った課題動作が表示されることになる。
この結果、所定の課題動作を表すオブジェクトを、プレイヤの実動作に応じて表示することができる。
【0023】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、コンピュータ(電子機器を含む。)を、上記のゲーム装置として機能させるように構成する。
【0024】
このプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。
【0025】
上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、当該コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、所定の課題動作を表すオブジェクトを、プレイヤの実動作に応じて表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態に係るゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】本実施形態に係るゲーム用マットの概要を説明するための外観図である。
【図3】本実施形態に係るゲーム装置の概要構成を説明するためのブロック図である。
【図4】(a),(b)共に、ゲーム画像の一例を示す模式図である。
【図5】課題情報を説明するための模式図である。
【図6】対比履歴を説明するための模式図である。
【図7】対比履歴を用いてプレイヤ動作の判定を行う様子を説明するための模式図である。
【図8】(a)〜(c)共に、矢印オブジェクトを反転表示させる一例を示す模式図である。
【図9】本実施形態に係るゲーム制御処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム専用の情報処理装置に本発明が適用される実施形態を説明するが、各種のコンピュータ、PDA(Personal Data Assistants)、携帯電話などの情報処理装置においても同様に本発明を適用することができる。すなわち、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0029】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施の形態に係るゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0030】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、ゲーム用マット105と、外部メモリ106と、DVD(Digital Versatile Disc)−ROMドライブ107と、画像処理部108と、音声処理部109と、NIC(Network Interface Card)110と、を備える。
【0031】
なお、ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ107に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態のゲーム装置が実現される。
【0032】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。
【0033】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0034】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行等に必要なデータが保持される。
【0035】
インターフェース104を介して接続された、ゲーム用マット105は、プレイ中に行われるプレイヤの踏み動作(ステップ動作)を受け付ける。
一例として、ゲーム用マット105は、床に置かれて使用され、プレイヤに踏まれた領域を検出するマットである。より具体的には、図2に示すように、方向ボタンA1〜A4(上下左右の各方向ボタン)を含む各領域が区分けされている。方向ボタンA1〜A4等の内部には、押圧センサやスイッチ等がそれぞれ配置されており、プレイヤの踏み動作を検出し、所定の操作信号をインターフェース104を介してCPU 101に供給する。なお、操作信号には、方向ボタンA1〜A4等のそれぞれに応じて、異なる値等が割り当てられている。そのため、CPU 101は、操作信号からプレイヤがゲーム用マット105のどの領域を踏んだのかを判別可能となっている。
【0036】
図1に戻って、インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、ゲームの進行状態を示すデータなどが書き換え可能に記憶される。例えば、情報処理装置100は、ゲームの開始時に外部メモリ106から必要なデータを読み出し、また、ゲームの終了時等に外部メモリ106へ必要なデータを書き出す。
【0037】
DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ107は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0038】
画像処理部108は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部108が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部108が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号(映像信号)に変換され画像処理部108に接続されるモニタへ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0039】
なお、画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0040】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画することが可能である。フォント情報は、ROM 102に記録されているが、DVD−ROMに記録された専用のフォント情報を利用することも可能である。
【0041】
音声処理部109は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、外部のスピーカに供給して音声を出力させる。例えば、音声処理部109は、CPU 101による制御の下、ゲームの進行中に発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカから出力させる。
【0042】
NIC 110は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格に従うものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0043】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
また、ユーザからの文字列の編集入力を受け付けるためのキーボードや、各種の位置の指定および選択入力を受け付けるためのマウスなどを接続する形態も採用することができる。
【0044】
また、本実施形態の情報処理装置100にかえて、一般的なコンピュータ(汎用のパーソナルコンピュータ等)をゲーム装置として利用することもできる。たとえば、一般的なコンピュータは、上記情報処理装置100と同様に、CPU、RAM、ROM、DVD−ROMドライブ、および、NICを備え、情報処理装置100よりも簡易な機能となる画像処理部を備え、外部記憶装置としてハードディスクを有する他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等が利用できるようになっている。また、コントローラではなく、キーボードやマウスなどを入力装置として利用する。そして、ゲームプログラムをインストールした後に、そのプログラムを実行させると、ゲーム装置として機能する。
【0045】
(ゲーム装置の概要)
図3は、上述した情報処理装置100により実現されるゲーム装置200の概要構成を示すブロック図である。なお、ゲーム装置200は、一例として、音楽ゲームを実行するゲーム装置であって、演奏(再生)する楽曲に合わせてオブジェクト(後述する矢印オブジェクト等)を移動表示させ、このオブジェクトに対してなされるプレイヤの動作を評価する。以下、本図を参照して説明する。
【0046】
ゲーム装置200は、オブジェクト情報記憶部210と、表示制御部220と、課題情報記憶部230と、取得部240と、対比履歴蓄積部250と、処理制御部260と、楽曲情報記憶部270と、楽曲再生部280とを備える。
【0047】
まず、オブジェクト情報記憶部210は、音楽ゲームの表示画面(ゲーム画像)を構成する種々のオブジェクト情報を記憶する。例えば、プレイヤに課される動作(課題動作)を表す矢印オブジェクトといったオブジェクト情報を記憶する。この矢印オブジェクトの詳細については、後述する。
なお、上述したDVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROM及び、RAM 103が、このようなオブジェクト情報記憶部210として機能しうる。
【0048】
表示制御部220は、処理制御部260に制御され、ゲーム画像等を生成する。
例えば、表示制御部220は、オブジェクト情報記憶部210に記憶される上述したオブジェクト情報や、課題情報記憶部230に記憶される後述する課題情報を適宜読み出し、ゲーム画像を生成する。
具体的に表示制御部220は、図4に示すようなゲーム画像を生成する。
図4(a)は、標準的なゲーム画像の一例を示しており、図4(b)は、特別な状態のゲーム画像の一例を示している。
【0049】
まず、図4(a)を参照して、標準的なゲーム画像について説明する。この図4(a)では、各矢印オブジェクトYO1〜YO4が、演奏される楽曲のリズム等に同調して、移動レーンLaに沿って、下方から順次現れてそれぞれ上方まで移動して行く様子を示している。
矢印オブジェクトYO1〜YO4は、プレイヤに課される課題動作の内容(上下左右の各動作方向)を表しており、上述したゲーム用マット105における方向ボタンA1〜A4(上下左右の各方向ボタン)とそれぞれ対応している。
表示制御部220は、これらの矢印オブジェクトYO1〜YO4の出現、移動、及び、消滅を制御する。具体的に矢印オブジェクトYO1〜YO4は、移動レーンLaの下端(起点)から出現し、移動レーンLa上を移動し、そして、移動レーンLaの上端(終点等)にて消滅する。そして、プレイヤには、いずれかの矢印オブジェクトYO1〜YO4(複数の場合もあり)が判定エリアHA(各矢印オブジェクトと同じ形状のオブジェクトが固定して配置されたエリア)に到達したタイミングにて、そのオブジェクトの種類に対応した動作が要求される。
つまり、判定エリアHAにてオブジェクト同士がピッタリ重なったタイミングにて、ゲーム用マット105の対応する方向ボタンA1〜A4(同じ方向のボタン)を踏む動作がプレイヤに求められている。
例えば、矢印オブジェクトYO1が判定エリアHAまで移動した場合、プレイヤには、対応する方向ボタンA1を踏む動作が求められる。同様に、矢印オブジェクトYO4が判定エリアHAまで移動した場合、プレイヤには、対応する方向ボタンA4を踏む動作が求められることになる。
【0050】
次に、図4(b)を参照して、特別な状態のゲーム画像について説明する。この図4(b)では、矢印オブジェクトYO3,YO4が、交互に連続して表示されており、これらが順に判定エリアHAへと移動することで、左右交互の踏み動作が繰り返し出題されることになる。つまり、矢印オブジェクトYO3(先頭)が判定エリアHAまで移動した場合に、方向ボタンA3を踏む動作が求められ、また、矢印オブジェクトYO4(先頭)が判定エリアHAまで移動した場合に、方向ボタンA4を踏む動作が求められる。これらが、矢印オブジェクトYO3,YO4の数だけ繰り返されることになる。
表示制御部220は、これら図4に示すようなゲーム画像を、後述する課題情報に基づいて生成する。
なお、上述した画像処理部108が、このような表示制御部220として機能しうる。
【0051】
図3に戻って、課題情報記憶部230は、プレイヤに課される課題動作の内容を規定する課題情報を記憶する。例えば、上述した各矢印オブジェクト(各方向)それぞれについて、動作すべきタイミングが規定された課題情報を記憶する。
具体的に、図5を一例として、課題情報を説明する。この図5では、各矢印オブジェクトYO1〜YO4それぞれについて、動作タイミング(図中のON)が規定されている様子を示している。なお、図5は、説明の理解を容易にするために分かり易く示したものであり、実際の課題情報は、例えば、楽曲の再生時間(再生カウンタ等)の数値等に対応付けられて、動作タイミングが規定されている。
【0052】
この図5に示すような課題情報は、ゲーム画像を生成するために使用され、また、プレイヤの動作を判定するためにも使用される。
まず、前者の場合、課題情報を使用して、上述した表示制御部220が各矢印オブジェクトを適宜移動させるゲーム画像を生成する。つまり、表示制御部220は、課題情報の動作タイミングに合わせて、対象の矢印オブジェクトが判定エリアHAに到達するように、矢印オブジェクトYO1〜YO4をそれぞれ移動させる。
また、後者の場合、課題情報を使用して、後述する処理制御部260がプレイヤの動作の適否を判定する。つまり、処理制御部260は、ゲーム中にプレイヤが行った動作内容(踏み動作の方向)と、課題情報に規定される動作タイミング(矢印オブジェクトYO1〜YO4の動作タイミング)とを対比して、プレイヤの動作の適否を判定する。
なお、上述したDVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROM及び、RAM 103が、このような課題情報記憶部230として機能しうる。
【0053】
図3に戻って、取得部240は、ゲーム用マット105がプレイヤによって踏まれた際に、その踏み動作の内容を取得する。
例えば、取得部240は、ゲーム用マット105から供給される操作情報から、プレイヤの動作内容を取得する。つまり、プレイヤがゲーム用マット105の上述した方向ボタンA1〜A4等の何れか(複数の場合もあり)を踏むと、踏まれた領域を識別可能な操作情報がゲーム用マット105から送られる。そのため、受け付けた操作情報からプレイヤの動作内容(どの方向ボタンが押されたか、つまり、どの方向への踏み動作か)が取得できるようになっている。
なお、上述したゲーム用マット105等が、このような取得部240として機能しうる。
【0054】
対比履歴蓄積部250は、プレイヤの実動作と、出題されていた課題動作との対比履歴を蓄積する。
例えば、対比履歴蓄積部250は、上述した図4(b)に示すような交互に繰り返す課題動作が出題されている場合に、取得部240が取得したプレイヤの操作情報と、課題情報とを対比可能とするための対比履歴を蓄積する。この対比履歴の詳細については、後述する。
なお、上述したRAM 103が、このような対比履歴蓄積部250として機能しうる。
【0055】
図3に戻って、処理制御部260は、ゲーム装置200全体を制御する。例えば、処理制御部260は、対比部261、判定部262、及び、切替部263を含んで構成される。
対比部261は、交互に繰り返す課題動作が出題された場合に、上述した対比履歴を生成し、対比履歴蓄積部250に蓄積する。
具体的に対比部261は、図6に示すような、操作情報と課題情報とを対比可能な対比履歴を生成して、対比履歴蓄積部250に蓄積する。
この図6では、操作情報の一例として、方向ボタンA3,A4の操作タイミング(図中のON)が蓄積され、また、課題情報の一例として、対応する矢印オブジェクトYO3,YO4の動作タイミング(図中のON)が蓄積されている様子を示している。なお、図6は、説明の理解を容易にするために分かり易く示したものであり、実際の対比履歴は、例えば、操作タイミングと動作タイミングとがそれぞれ楽曲の再生時間の数値等に対応付けられた情報等からなる。
【0056】
図3に戻って、判定部262は、プレイヤの動作内容の適否を判定する。例えば、判定部262は、プレイヤの動作に応じた操作情報と、その時点の課題情報とを比較して、プレイヤの動作の適否を判定する。
また、判定部262は、交互に繰り返す課題動作が出題されている状態において、対比履歴蓄積部250に蓄積された対比履歴を参照して、プレイヤの動作内容の適否を判定する。例えば、プレイヤの操作情報と課題情報との関係が、図7に示すように遷移して行くとする。この図7では、タイミングT1から、操作情報の方向ボタンA4(操作タイミング)と課題情報の矢印オブジェクトYO4(動作タイミング)とが一致しないようになり、また、操作情報の方向ボタンA3と課題情報の矢印オブジェクトYO3とが一致しないようになる。この状態で、判定部262は、操作情報の方向ボタンA4と課題情報の矢印オブジェクトYO3とを対比し、また、操作情報の方向ボタンA3と課題情報の矢印オブジェクトYO4とを対比する。図7のタイミングT1以降では、それぞれが一致するため、判定部262は、プレイヤが無自覚に左右あべこべな動作を行っていると判定する。そして、その場合のプレイヤの動作をOK(課題動作と一致している)と判定する。
【0057】
図3に戻って、切替部263は、プレイヤが無自覚にあべこべな動作を行っていると判定部262が判定した場合に、表示制御部220を制御して、矢印オブジェクトを正像から鏡像(若しくは、鏡像から正像)に切り替える。つまり、課題動作としての正像を表示中に、プレイヤがあべこべな動作を行っていた場合には、矢印オブジェクトを正像から鏡像に切り替える。逆に、課題動作としての鏡像を表示中に、プレイヤがあべこべな動作を行っていた場合には、矢印オブジェクトを鏡像から正像に切り替える。
例えば、上述した図4(b)に示す状態(課題動作としての正像を表示している状態)から、図8(a)に示すように、矢印オブジェクトYO3,YO4等を左右に反転(鏡面反転)させて表示する。つまり、図4(b)の正像である矢印オブジェクトYO3,YO4等を、図8(a)の鏡像である矢印オブジェクトYO3,YO4等に切り換える。
なお、図8(a)に示す状態(課題動作としての鏡像を表示している状態)で、プレイヤが無自覚にあべこべな動作を行っていると判定されると、今度は逆に、図8(a)の矢印オブジェクトYO3,YO4等を左右に反転させて、図4(b)の表示に戻す。つまり、図8(a)の鏡像である矢印オブジェクトYO3,YO4等を、図4(b)の正像である矢印オブジェクトYO3,YO4等に切り換える。
また、切替部263が、矢印オブジェクトを正像から鏡像(若しくは、鏡像から正像)に切り替えるに先立って、矢印オブジェクトの全部又は一部を覆うように所定のメッセージを表示して、表示中の矢印オブジェクトを一時的にプレイヤの目から隠すようにしてもよい。
つまり、図8(a)の鏡像である矢印オブジェクトYO3,YO4等に切り換える前に、図8(b)に示すようなメッセージMSにて、矢印オブジェクトYO3,YO4等の一部を覆い隠す。その状態で、図8(c)に示すように、矢印オブジェクトYO3,YO4等を左右に反転させる。そして、切り替えを終えた後に、覆っていたメッセージMSを消去する。
なお、上述したCPU 101が、このような構成の処理制御部260として機能しうる。
【0058】
図3に戻って、楽曲情報記憶部270は、音楽ゲームの伴奏として演奏される楽曲情報を複数記憶する。例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)データのような所定形式の楽曲情報を記憶する。そして、プレイヤは、好みの楽曲を選んで、その再生音(楽曲音)に合わせて音楽ゲームをプレイできるようになっている。
また、楽曲情報記憶部270は、各楽曲について、リズム(テンポ)や再生時間等のような楽曲の関連情報も記憶している。
なお、上述した上述したDVD−ROMドライブ108に装着されるDVD−ROM及び、RAM 103が、このような楽曲情報記憶部270として機能しうる。
【0059】
楽曲再生部280は、処理制御部260に制御され、音楽ゲームの楽曲音を再生する。
例えば、楽曲再生部280は、ゲーム開始前(プレイ前)に、プレイヤによって選曲された楽曲情報を楽曲情報記憶部270から読み出しておき、ゲーム開始後(プレイ中)に、この楽曲情報を再生して楽曲音を出力する。
なお、楽曲の再生手法はこれに限られず任意である。例えば、楽曲情報を、プレイ中に順次読み出しながら再生するようにしてもよい。
なお、上述した音声処理部110が、このような楽曲再生部280として機能しうる。
【0060】
(ゲーム装置の動作の概要)
以下、このような構成のゲーム装置200の動作について図面を参照して説明する。図9は、音楽ゲームにおいて実行されるゲーム制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、この図を参照してゲーム装置200の動作について説明する。
【0061】
まず、ゲーム装置200は、楽曲の再生を開始し、またゲーム画像の生成を開始する(ステップS301)。例えば、楽曲の選択と共にゲームが開始されると、楽曲再生部270は、選択された楽曲情報に基づいて楽曲音を再生する。また、表示制御部220は、上述した図4に示すようなゲーム画像を生成して表示する。
【0062】
ゲーム装置200は、再生する楽曲に合わせて、矢印オブジェクトを移動させる(ステップS302)。つまり、表示制御部220は、処理制御部260に制御され、課題情報230に記憶された課題情報等に基づいて、上述した図4(a)等に示すような矢印オブジェクトYO1〜YO4を楽曲のリズム等に同調して移動させる。
そして、プレイヤは、このような矢印オブジェクトYO1〜YO4が移動するのを目で追いながら、何れかの矢印オブジェクトが判定エリアHAに到達したタイミングで、対応する踏み動作を行うことになる。つまり、判定エリアHAに到達した矢印オブジェクトに応じて、上述したゲーム用マット105を踏む動作をプレイヤが行うことになる。このため、ゲーム装置200は、プレイヤにより行われた動作内容(操作情報)を順次取得する。
【0063】
ゲーム装置200は、交互に繰り返し動作を出題しているかどうかを判別する(ステップS303)。例えば、上述した図4(b)に示すような左右交互の踏み動作が繰り返し出題されているかどうかを判別する。
ゲーム装置200は、交互に繰り返し動作を出題していないと判別すると(ステップS303;No)、操作情報と課題情報とに基づいて、プレイヤの操作を評価する(ステップS304)。つまり、判定部262は、プレイヤの動作に応じた操作情報と、その時点の課題情報とを比較して、プレイヤの動作の適否を判定する。
そして、ゲーム装置200は、後述するステップS309に処理を進める。
【0064】
一方、交互に繰り返し動作を出題していると判別した場合に(ステップS303;Yes)、ゲーム装置200は、操作情報と課題情報とを対比可能な対比履歴を生成して、対比履歴蓄積部250に蓄積する。
すなわち、対比部261は、例えば、上述した図6に示すような、操作情報と課題情報とを対比可能な対比履歴を生成して、対比履歴蓄積部250に蓄積する。
【0065】
ゲーム装置200は、操作情報と対履歴とに基づいて、プレイヤの操作を評価する(ステップS306)。すなわち、判定部262は、対比履歴蓄積部250に蓄積された対比履歴を参照して、プレイヤの動作内容の適否を判定する。
【0066】
ゲーム装置200は、プレイヤがあべこべな動作を行っているか否かを判別する(ステップS307)。
例えば、上述した図7に示した場合のように、タイミングT1から、操作情報の方向ボタンA4(操作タイミング)と課題情報の矢印オブジェクトYO4(動作タイミング)とが一致しないようになり、また、操作情報の方向ボタンA3と課題情報の矢印オブジェクトYO3とが一致しないようになったとする。この状態で、判定部262は、操作情報の方向ボタンA4と課題情報の矢印オブジェクトYO3とを対比し、また、操作情報の方向ボタンA3と課題情報の矢印オブジェクトYO4とを対比する。図7のタイミングT1以降では、それぞれが一致するため、判定部262は、プレイヤが無自覚に左右あべこべな動作を行っていると判定する。
ゲーム装置200は、プレイヤがあべこべな動作を行っていないと判別した場合に(ステップS307;No)、後述するステップS309に処理を進める。
【0067】
一方、プレイヤがあべこべな動作を行っていると判別した場合に(ステップS307;Yes )、ゲーム装置200は、矢印オブジェクトを左右反転させる(ステップS308)。
すなわち、切替部263は、表示制御部220を制御して、矢印オブジェクトを正像から鏡像(若しくは、鏡像から正像)に切り替える。
例えば、上述した図4(b)に示す状態(課題動作としての正像を表示している状態)から、図8(a)に示すように、矢印オブジェクトYO3,YO4等を左右に反転させて表示する。つまり、図4(b)の正像である矢印オブジェクトYO3,YO4等を、図8(a)の鏡像である矢印オブジェクトYO3,YO4等に切り換える。
なお、図8(a)に示す状態(課題動作としての鏡像を表示している状態)で、プレイヤが無自覚にあべこべな動作を行っていると判定されると、今度は逆に、図8(a)の矢印オブジェクトYO3,YO4等を左右に反転させて、図4(b)の表示に戻す。つまり、図8(a)の鏡像である矢印オブジェクトYO3,YO4等を、図4(b)の正像である矢印オブジェクトYO3,YO4等に切り換える。
また、矢印オブジェクトを正像から鏡像(若しくは、鏡像から正像)に切り替えるに先立って、矢印オブジェクトの全部又は一部を覆うように所定のメッセージを表示して、表示中の矢印オブジェクトを一時的にプレイヤの目から隠すようにしてもよい。
つまり、上述した図8(b)に示すようなメッセージMSにて、矢印オブジェクトYO3,YO4等の一部を覆い隠す。その状態で、上述した図8(c)に示すように、矢印オブジェクトYO3,YO4等を左右に反転させる。そして、切り替えを終えた後に、覆っていたメッセージMSを消去する。
【0068】
ゲーム装置200は、ゲームが終了したか否かを判別する(ステップS309)。つまり、1回(1曲分)の音楽ゲームが終了したかどうかを判別する。
ゲーム装置200は、ゲームが終了していないと判別すると(ステップS309;No)、上述したステップS302に処理を戻す。そして、ステップS302〜S309の処理を繰り返し実行する。
一方、ゲームが終了したと判別した場合に(ステップS309;Yes)、ゲーム装置200は、所定の終了メッセージや総合得点等を表示した後、ゲーム制御処理を終える。
【0069】
このようなゲーム制御処理により、交互に繰り返す課題動作を出題中に、プレイヤが無自覚にあべこべな動作を行ってしまった場合でも、プレイヤの実動作に応じて課題動作を適宜修正して表示する。これにより、リズムに乗ってプレイしているプレイヤの動作を妨げることなく、実動作に沿った課題動作が表示されることになる。
この結果、所定の課題動作を表すオブジェクトを、プレイヤの実動作に応じて表示することができる。
【0070】
(他の実施形態)
上記の実施形態では、ゲーム用マット105を用いる場合について説明したが、プレイヤの動作を取得するために、プレイヤが手で(指で)操作する通常のコントローラを用いる場合にも適宜適用可能である。
また、上記の実施形態では、ゲーム用マット105等を用いてプレイヤの動作を取得する場合について説明したが、プレイヤの動作を取得する手法は任意であり、他の手法によりプレイヤの動作を取得するようにしてもよい。
例えば、所定の撮像デバイスを用いて、プレイヤ画像を撮影し、そのプレイヤ画像に画像解析処理等を施して、プレイヤの操作を取得するようにしてもよい。
【0071】
また、上記の実施形態では、矢印オブジェクトを表示して、プレイヤに課題動作を提示する場合について説明したが、課題動作を提示する手法は任意であり、他の手法により課題動作をプレイヤに提示するようにしてもよい。
例えば、人間を模した見本キャラクタを表示し、この見本キャラクタの動作から、プレイヤに課題動作を提示するようにしてもよい。この場合も、上記と同様に、交互に繰り返す課題動作を出題中に、プレイヤが無自覚にあべこべな動作を行ってしまった場合に、見本キャラクタを左右反転させて表示する。
例えば、見本キャラクタ(課題動作としての正像)が右ステップ(右の足を踏み出す動作)と、左ステップ(左の足を踏み出す動作)とを交互に表示し続けている間に、プレイヤが無意識に左右あべこべな動作を行ってしまうと、プレイヤの動作が見本オブジェクト(課題動作としての正像に対する鏡像)の左ステップ、及び、右ステップとそれぞれ一致するようになる。すると、切替部263は、見本キャラクタを鏡像に切り替え、左ステップ(鏡像)、及び、右ステップ(鏡像)を交互に表示するようにし、プレイヤの実動作に合わせた課題動作の表示に切り替える。
また逆に、例えば、見本キャラクタ(課題動作としての鏡像)が左ステップと、右ステップとを交互に表示し続けている間に、プレイヤが無意識に左右あべこべな動作を行ってしまうと、プレイヤの動作が見本オブジェクト(課題動作としての鏡像に対する正像)の右ステップ、及び、左ステップとそれぞれ一致するようになる。すると、切替部263は、見本キャラクタを正像に切り替え、右ステップ(正像)、及び、左ステップ(正像)を交互に表示するようにし、プレイヤの実動作に合わせた課題動作の表示に切り替える。
すなわち、交互に繰り返す課題動作を出題中に、プレイヤが無自覚にあべこべな動作を行ってしまった場合でも、プレイヤの実動作に応じて見本キャラクタを適宜修正して表示する。これにより、リズムに乗ってプレイしているプレイヤの動作を妨げることなく、実動作に沿った課題動作が表示されることになる。
この結果、所定の課題動作を表すオブジェクト(見本キャラクタ)を、プレイヤの実動作に応じて表示することができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上説明したように、本発明によれば、所定の課題動作を表すオブジェクトを、プレイヤの実動作に応じて表示することのできるゲーム装置、表示制御方法、および、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0073】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 DVD−ROMドライブ
108 画像処理部
109 音声処理部
110 NIC
200 ゲーム装置
210 オブジェクト情報記憶部
220 表示制御部
230 課題情報記憶部
240 取得部
250 対比履歴蓄積部
260 処理制御部
270 楽曲情報記憶部
280 楽曲再生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
課題動作を表すオブジェクトの正像、若しくは鏡像を画面に表示する表示制御部と、
プレイヤが行った動作内容を取得する取得部と、を備え、
前記表示制御部は、前記課題動作としての正像を表示中に、前記取得部によって取得された前記プレイヤの動作内容が、前記課題動作としての正像に対する鏡像と一定回数以上一致すると、以降はオブジェクトの前記鏡像を表示し、前記課題動作としての鏡像を表示中に、前記取得部によって取得された前記プレイヤの動作内容が、前記課題動作としての鏡像に対する正像と一定回数以上一致すると、以降は、オブジェクトの前記正像を表示する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
プレイヤが操作すべき課題方向を示すオブジェクトの正像、若しくは鏡像を画面に表示する表示制御部と、
プレイヤが行った操作方向を含む操作内容を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された操作内容を、前記プレイヤが行った操作方向と前記課題方向としての正像、若しくは前記課題方向としての正像に対する鏡像との関係を含めて判定する判定部と、を備え、
前記表示制御部は、前記課題方向としての正像を表示中に、前記プレイヤが行った操作方向が前記課題方向としての正像に対する鏡像と一定回数以上続けて一致すると判定された場合に、以降はオブジェクトを前記鏡像に切り替えて表示し、前記課題方向としての鏡像を表示中に、前記プレイヤが行った操作方向が前記課題方向としての鏡像に対する正像と一定回数以上続けて一致すると判定された場合に、以降はオブジェクトを前記正像に切り替えて表示する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム装置であって、
前記表示制御部は、所定の判定位置に向けてオブジェクトを順次移動させて表示し、
前記判定部は、移動されるオブジェクトが前記判定位置に到達したタイミングで、前記プレイヤが行った操作内容を判定し、
前記表示制御部は、前記判定部による判定結果に基づいてオブジェクトを、前記課題方向としての正像若しくは前記課題方向としての鏡像の表示へと切り替える際に、前記判定位置に未到達のオブジェクトを含めて、以降に表示するオブジェクトの表示を切り替える、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のゲーム装置であって、
前記表示制御部は、オブジェクトを前記課題方向としての正像若しくは前記課題方向としての鏡像の表示へと切り替える前に、所定のメッセージをオブジェクトを覆うように表示し、切り替えを終えた後に、当該メッセージを消去する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
表示制御部、表示部、及び、取得部を備えたゲーム装置における表示制御方法であって、
前記表示制御部が、課題動作を表すオブジェクトの正像、若しくは鏡像を表示する表示制御工程と、
前記取得部が、プレイヤが行った動作内容を取得する取得工程と、を備え、
前記表示制御工程では、前記課題動作としての正像を表示中に、前記取得工程にて取得された前記プレイヤの動作内容が、前記課題動作としての正像に対する鏡像と一定回数以上一致すると、以降はオブジェクトの前記鏡像を表示し、前記課題動作としての鏡像を表示中に、前記取得工程にて取得された前記プレイヤの動作内容が、前記課題動作としての鏡像に対する正像と一定回数以上一致すると、以降はオブジェクトの前記正像を表示する、
ことを特徴とする表示制御方法。
【請求項6】
コンピュータを、
課題動作を表すオブジェクトの正像、若しくは鏡像を表示する表示制御部、
プレイヤが行った動作内容を取得する取得部、として機能させ、
前記表示制御部は、前記課題動作としての正像を表示中に、前記取得部によって取得された前記プレイヤの動作内容が、前記課題動作としての正像に対する鏡像と一定回数以上一致すると、以降はオブジェクトの前記鏡像を表示し、前記課題動作としての鏡像を表示中に、前記取得部によって取得された前記プレイヤの動作内容が、前記課題動作としての鏡像に対する正像と一定回数以上一致すると、以降はオブジェクトの前記正像を表示する、ように機能させる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−81571(P2013−81571A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222534(P2011−222534)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】