説明

ゲーム装置及び情報記憶媒体

【課題】初心プレーヤであっても、音楽に合わせながら所与の操作をし、ゲームを楽しめるようにする。
【解決手段】本発明に係るゲーム装置では、画面に左経路44及び右経路46が表示される。左経路44には指示標識48,50,52が移動する。右経路46には、指示標識48,50,52が移動する。指示標識48,52が左到達部44aに到達したタイミングが、左パッドプレートを付勢するタイミングとなり、指示標識50が左到達部44aに到達したタイミングが左リム部を付勢するタイミングとなる。右経路46の場合は、右パッドプレート、右リム部となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置及び情報記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、音楽に合わせてボタン操作が行われることにより、ボタン操作に伴い効果音を発生する等の演出効果を行うゲーム装置がある。このようなゲーム装置では、ゲーム装置から発生される音楽に合わせてプレーヤがボタン操作を行うが、ボタン操作を行うタイミングが重要となってくる。例えば、音楽に合わせてボタン操作が行われると、その音楽に合わせて効果音が発生されるため、より興味深いゲームとなる。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されているゲーム装置では、トラックを移動するアイコンがトラック上の所定の位置に到来することによってプレーヤに対してボタン操作を行うタイミングを指示している。このゲーム装置について、図面を用いて詳細に説明する。
【0004】
図18は、上述のような従来のゲーム装置を説明するための図面である。図18に示すように、従来のゲーム装置は、複数の操作ボタン902,904,906,及び、回転式操作装置908を備えている。更に、このゲーム装置の画面910においては、画面910の上下方向に延在する複数のトラック912,914,916,918が表示されている。また、トラック912,914,916,918上を画面910の上部から下部へと移動するアイコン922,922,…が表示されている。ここで、トラック912は操作ボタン902に対応しており、画面910の下部の到達位置924にアイコン922が到達したときに、操作ボタン902の操作時期が到来する。これにより、プレーヤに対して操作ボタン902を操作させることを指示するとともに、操作ボタン902の操作タイミングを指示する。同様に、トラック914は操作ボタン904に対応しており、トラック914上を上部から下部に向けてアイコン922が移動する。トラック916と操作ボタン906との対応関係、及び、トラック918と回転式操作装置908との対応関係も同様である。このゲーム装置において、操作ボタン902,904,906及び回転式操作装置908が操作されることにより効果音が発せられる等の演出効果が行われ、プレーヤは音楽演奏ゲームを楽しむ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2922509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のゲーム装置では、トラック912,914,916,918に対して操作ボタン902,904,906,及び回転式操作装置908が一対一に対応づけられているため、操作ボタンや回転式操作装置を増やすものとしたら、そのぶんだけトラックも増えることになる。したがって、ゲームの興趣性を向上させるために操作ボタンや回転式操作装置を増やしたとしても、逆に操作が煩雑になってしまう。即ち、操作ボタンや回転式操作装置が増えると、そのぶんプレーヤの着目するトラック数(画面上の着目する位置)が増えるため、操作ボタンや回転式操作装置の操作が煩雑になってしまう。そのため、例えば、不慣れな初心プレーヤに対して、ゲームの没入度を後退させてしまうことがある。
【0007】
そこで、本発明の課題は、音楽に合わせながらプレーヤに対して所与の操作を行わせるゲームを実行するゲーム装置及び情報記憶媒体において、初心プレーヤであってもゲームを楽しめるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決すべく、第1の発明は、付勢されることにより直ちに信号を出力する操作手段(例えば、図5に示す第一操作部102,第二操作部104)を複数有する複数の操作組(例えば、図5に示す第一組110,第二組112)と、上記複数の操作手段のうちの少なくとも一つを所与の音楽に合わせて付勢させるように画面を通じて指示するための指示手段(例えば、図5に示す指示部212)と、上記複数の操作手段の信号を入力し、上記指示手段による指示と上記入力した信号との相関関係に応じて所与の評価を行うための評価手段(例えば、図5に示す評価部214)と、上記評価手段による評価に応じて所与の演出効果を行うための演出効果手段(例えば、図5に示す演出部216)と、を備え、上記指示手段は上記複数の操作組のそれぞれに対応づけられた経路(例えば、図3に示す左経路44,右経路46)を表示し、かつ、上記指示手段による指示表示は、上記各経路に対応した操作組の有する各操作手段に対応した形態の指示標識(例えば、図3に示す指示標識48,50,52)を上記各経路上に則して上記各経路上の所定の位置(例えば、図3に示す左到達部44a、右到達部46a)に移動させる表示であり、更に上記指示手段は上記指示標識を別の形態で表示することにより、上記指示標識に対応する操作手段を付勢する大きさを表示することを特徴とするゲーム装置である。
【0009】
また、他の発明として、付勢されることにより直ちに信号を出力する複数の操作手段(例えば、図5に示す第一操作部102,第二操作部104,第三操作部106,第四操作部108)と、表示画面を表示するための表示手段(例えば、図5に示す表示部400)とを備えるコンピュータの実行可能な情報を記憶した情報記憶媒体であって、上記複数の操作手段のうちの少なくとも二つを含む組を複数設定するための情報(例えば、図5や図10に示すように、プレイデータ354に含まれる評価基準データd1)と、上記複数の操作手段のうちの少なくとも一つを所与の音楽に合わせて付勢させるように画面を通じて指示するための指示情報(例えば、図5に示す指示プログラム312)と、上記複数の操作手段の信号を入力し、上記指示手段による指示と上記入力した信号との相関関係に応じて所与の評価を行うための評価情報(例えば、図5に示す評価プログラム314)と、上記評価情報による評価に応じて所与の演出効果を行うための演出効果情報(例えば、図5に示す演出プログラム316)と、を含み、上記指示情報は上記複数の操作組のそれぞれに対応づけられた経路(例えば、図3に示す左経路44,右経路46)を表示し、かつ、上記指示情報による指示表示は上記各経路に対応した操作組の有する各操作手段に対応した形態の指示標識(例えば、図3に示す指示標識48,50,52)を上記各経路上に則して上記各経路上の所定の位置(例えば、図3に示す左到達部44a、右到達部46a)に移動させる表示であり、更に上記指示情報は上記指示標識を別の形態で表示することにより、上記指示標識に対応する操作手段を付勢する大きさを表示する情報記憶媒体を構成してもよい。
【0010】
第1の発明等によれば、画面には複数の経路が表示され、それぞれの経路に則して経路上の所与の位置に向けて指示標識が移動する。ここで、指示標識が所与の位置に到達したタイミングがそれぞれの経路に対応した操作組の付勢タイミングとなる。そして、この指示標識を操作組の有する操作手段に対応した形態で表示することにより、その指示標識が所与の位置に到達したタイミングがその指示標識に対応する操作手段の付勢タイミングとなる。プレーヤは、指示標識の形態に対応した操作手段を、付勢タイミングに合わせて付勢することにより、音楽に合わせて操作手段を付勢する音楽ゲームを楽しめる。
【0011】
そして、表示画面による指示(即ち、指示標識の形態を操作手段に対応させることで付勢する操作手段を指示し、その指示標識を所与の位置に到達させるタイミングを付勢タイミングとすること)と、操作手段の入力信号とから相関関係に応じて、所与の演出効果が行われることで、ゲームとしての興趣性が高まる。例えば、表示画面による指示と操作手段の入力信号との相関関係に応じて、得点処理結果、表示画面の変化、画面に表示される指示標識が経路から飛び出る表示等が行われると、ゲームの楽しみが向上する。
【0012】
このように、一つの経路には複数の操作手段が対応づけられており、その経路を移動する指示標識の形態に操作手段が対応づけられているため、一つの指示標識が所与の位置に到達したタイミングが一つの操作手段の付勢タイミングとなる。そのため、どの操作手段をどのようなタイミングで付勢すべきかをプレーヤが把握するためには、経路の所与の位置を着目すれば良い。この場合、着目する経路の数は操作手段の数より少なくなっているため、ゲームの煩雑性を招かない。したがって、初心プレーヤであってもゲームを楽しむことができる。
【0013】
更に、操作手段を付勢する大きさが指示標識の形態で表示されることで、プレーヤはその表示に合わせて操作手段を付勢することで音楽ゲームを楽しめる。即ち、プレーヤは、単に指示標識が所与の位置に到達したタイミングで操作手段を付勢するだけでなく、付勢する大きさも変えるようになるため爽快感を味わえる。
【0014】
第2の発明は、第1の発明のゲーム装置において、上記複数の経路の上記所与の位置は、画面上のほぼ同一位置のゲーム装置である。
【0015】
第2の発明によれば、複数の経路の所与の位置が、画面上のほぼ同一位置(勿論、同一位置であることを含む。)であるため、プレーヤが着目する位置はその同一位置を着目するだけで、表示画面による指示を容易に把握することができる。即ち、指示標識がどの経路を移動しても最終的に到達する位置が同一となるため、指示標識がその位置に到達したタイミングでいずれかの操作手段を付勢することが容易になる。ここで、請求項1で述べたように、指示標識の到達したタイミングでどの操作手段を付勢するかを把握するためには、指示標識の形態及び指示標識の移動した経路を見れば把握することができる。したがって、初心プレーヤであってもゲームを楽しむことができる。
【0016】
第3の発明は、第1又は第2の発明のゲーム装置において、上記複数の操作手段の信号を入力し、上記複数の操作手段のそれぞれに応じた効果音を発生するための効果音発生手段(例えば、図5に示す演出部216)を備えるゲーム装置である。
【0017】
第3の発明によれば、例えば、プレーヤが操作手段を付勢した際に、複数の操作手段のそれぞれに対応した効果音が発生されるため、音楽に対して演出を行える。したがって、例えば、音楽に合わせて様々な音色の効果音が発生されるため、ゲームの興趣性が向上する。
【0018】
第4の発明は、第3の発明のゲーム装置において、上記複数の操作手段のうちの少なくとも一つは、付勢力に応じて信号を出力し、上記効果音発生手段は、付勢力に応じた大きさで上記少なくとも一つの操作手段に応じた効果音を発生するゲーム装置である。
【0019】
第4の発明によれば、操作手段を付勢した付勢力に応じた大きさで効果音が発生されるため、例えば、音楽のテンポや雰囲気に合わせて発生させる効果音の大きさを変化させるといった遊び方、楽しみが加わることとなり、音楽ゲームの興趣性が向上する。
【0020】
第5の発明は、第1から第4のいずれか一つの発明のゲーム装置において、上記複数の操作手段は付勢力に応じて信号を出力するものとし、上記複数の操作手段の信号を入力し、付勢力に応じた信号の強弱情報を蓄積するための情報蓄積手段(例えば、図5に示す一時記憶部270)と、上記情報蓄積手段が蓄積した情報に応じて所与の演出効果を行う第二演出効果手段(例えば、図5に示す演出部216)と、を備えるゲーム装置である。
【0021】
第5の発明によれば、操作手段に対してなされた付勢力の強弱情報を蓄積し、その蓄積した情報に応じた演出効果を行うため、例えば、プレーヤは操作手段を強く付勢しようとする。このため、プレーヤは爽快感をもって付勢手段を付勢し、音楽ゲームの興趣性が向上する。
【0022】
第6の発明は、第1から第5のいずれか一つの発明のゲーム装置において、上記演出効果手段は、上記評価手段による評価に応じた速さ又は/及び移動距離で上記指示標識を上記所与の位置から移動させるゲーム装置である。
【0023】
第6の発明によれば、画面に表示される指示標識が、評価に応じた速さや移動距離で所与の位置から移動するため、画面を見るプレーヤやゲームプレーを見物する周囲の人たちは、プレーヤのゲームのうまさを一目見て把握することができる。更に、ゲームの画面を一目見てわかる演出効果がなされるため、白熱した音楽ゲームが楽しめる。
【0024】
第7の発明は、第1から第6のいずれか一つの発明のゲーム装置において、キャラクタを表示し、該キャラクタの動作によって上記複数の操作手段を付勢する見本を表示するキャラクタ表示手段(例えば、図5に示すゲーム演算部210)を備えるゲーム装置である。
【0025】
第7の発明によれば、キャラクタによって見本を表示しているため、プレーヤは付勢すべき操作手段を把握することができ、操作がより容易になる。
【0026】
第8の発明は、第1から第7のいずれか一つの発明のゲーム装置において、第二キャラクタを表示し、上記信号に基づき上記第二キャラクタの動作を動作させる第二キャラクタ表示手段(例えば、図5に示すゲーム演算部210)を備えるゲーム装置である。
【0027】
以上のように、第8の発明によれば、操作手段の信号に基づき第二キャラクタが動作するため、例えば、この第二キャラクタはプレーヤの動作と同様の動作をすることができる。したがって、キャラクタの動作でプレーヤの動作を表示させるといった画面の表示ができ、プレーヤにとっても見物人にとっても面白い画面となる。
【0028】
第9の発明のゲーム装置は、第1から第8のいずれか一つの発明のゲーム装置において、上記複数の操作組は二組であり、各操作組は二つの操作手段を有し、一方の操作組は模擬的な和太鼓の左部となり、他方の操作組は該和太鼓の右部となり、上記一方の操作組の一の操作手段は上記和太鼓の左のリム部に備えられ、上記一方の操作組の二の操作手段は上記和太鼓の左のパッド部に備えられ、上記他方の操作組の一の操作手段は上記和太鼓の右のリム部に備えられ、上記他方の操作組の二の操作手段は上記和太鼓の右のパッド部に備えられるゲーム装置である。
【0029】
第9の発明によれば、プレーヤは実際に和太鼓を演奏するゲームを体感的に味わえる。ここで、和太鼓の左のパッド部やリム部を付勢するタイミングは、和太鼓の左部に対応する経路に則して移動する指示標識が所与の位置に到達したタイミングとなり、更に、到達した指示標識の形態でパッド部とリム部のどちらかを付勢すべきかをプレーヤは把握することができる。和太鼓の右のパッド部やリム部を付勢する場合も同様である。このように、プレーヤは、表示画面を見ながら左手で和太鼓の左部を付勢し、右手で和太鼓の右部を付勢し、実際の和太鼓を演奏するゲームを楽しめる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明を適用した業務用のゲーム装置の一例を示す図面である。
【図2】上記ゲーム装置に備えられる和太鼓操作装置を概略して示す図面である。
【図3】上記ゲーム装置のゲーム画面の一例を説明するための図面である。
【図4】上記ゲーム装置のゲーム画面の一例を説明するための図面である。
【図5】上記ゲーム装置の制御系を説明するための機能ブロック図である。
【図6】プレイデータの一例を示す図面である。
【図7】文字データの一例を示す図面である。
【図8】演出データの一例を示す図面である。
【図9】効果音データの一例を示す図面である。
【図10】評価基準データの一例を示す図面である。
【図11】ゲーム装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】ゲーム装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】ゲーム装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】本実施の形態のゲーム装置を実現するためのハードウェアの構成の一例を示す図面である。
【図15】本発明を家庭用のゲーム装置に適用した場合の一例を示す図である。
【図16】本発明を家庭用のゲーム装置に適用した場合のゲーム画面の一例を説明するための図面である。
【図17】ホスト装置と通信回線を介して接続されるゲーム端末に本発明を適用した場合の一例を示す図である。
【図18】従来の音楽ゲーム装置を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。
なお以下では、本発明を和太鼓演奏ゲームに適用した場合を例にとり説明するが、本発明が適用されるものは和太鼓演奏ゲームに限らない。
【0032】
図1に、本実施の形態例の業務用のゲーム装置の正面図の一例を示す。図1に示すように、ゲーム装置2は、その筐体4に種々の部材を取付けて構成されている。すなわち、筐体4は、基台6と、基台6の上部に設けられる縦胴部8と、縦胴部8の上部に設けられる屋根部10とが一体となって構成されている。基台6は、縦胴部8の前面部より前方に向けて延出している。
【0033】
基台6の前面部においては、その左右両端部に効果音や音楽を発生するためのスピーカ14,14が設けられており、中央部にウーファー16(低音域再生用スピーカ)が設けられている。また、縦胴部8の前面部において、その中央部にゲーム画面を表示するためのモニタ12が設けられている。また、モニタ12の左右両側には、効果音や音楽を発生させるためのスピーカ(図示略)やウーファー(図示略)が設けられている。
【0034】
基台6における縦胴部8から延出した部分の上面の中央部には、補助的な操作ボタン18が設けられている。更に、基台6における縦胴部8から延出した部分の上面の左右両端部には、和太鼓を模擬した和太鼓操作装置20,20が設けられている。和太鼓操作装置20は、打撃される被打撃部22が前方に向けて配置されている。和太鼓操作装置20は二つ設けられているが、その一方は一人目のプレーヤが操作するものであり、他方は二人目のプレーヤが操作するものである。
【0035】
和太鼓操作装置20は、略園筒体となる筒体24と、筒体24の端部に設けられる被打撃部22とを備えて構成されている。この筒体24は、基台6に取り付けられている。この例のゲーム装置2では、被打撃部22が前方に向くように和太鼓操作装置20が設けられている。なお、被打撃部22は、前方を向いている必要はなく、例えば、上方を向いても良いし、斜め上前方を向いても良い。即ち、プレーヤがゲーム装置2の前方で被打撃部22を打撃しやすいように、被打撃部22が向いていれば良い。被打撃部22は、図2に示すように、略円形状のパッド部26と、パッド部26の周囲に配設されるリム部28と、パッド部26及びリム部28を被覆する被覆材(図示略)とを備えて構成されている。
【0036】
リム部28は、木材、硬質樹脂、金属、或いは、硬質なゴム等により構成され、筒体24の断面形状と同様なリング状の形状をしている。即ち、リム部28は、被打撃部22の外縁部を構成する。そして、リム部28は、筒体24の端部に設けられている。更に、和太鼓操作装置20の被打撃部22が前方に向けて設けられている場合、リム部28は左右に二分されている。即ち、リム部28は、左側の半円弧状となる左リム部28aと、右側の半円弧状となる右リム部28bとを備えて構成されている。
【0037】
リム部28の内側には、略円形状のパッド部26が配設されている。パッド部26は、左側が弧となる半円形状の左パッドプレート26aと、右側が弧となる半円形状の右パッドプレート26bとから構成されている。左右のパッドプレート26a,26bは平坦な面となっており、和太鼓操作装置20の被打撃部22の被打撃面となる。また、左右のパッドプレート26a,26bは、木材、硬質樹脂、金属、或いは、硬質なゴム等により構成されている。パッド部26とリム部28は全体を上記被覆材で覆われている。
【0038】
左リム部28a、右リム部28b、左パッドプレート26a及び右パッドプレート26bには、それぞれが打撃されたかを検出する打撃センサ(図示略)が設けられている。この打撃センサは、例えば、歪みゲージ或いは圧電素子等から構成されており、左リム部28a、右リム部28b、左パッドプレート26a及び右パッドプレート26bのそれぞれがどれだけの打撃力で打撃されたかに対応した信号を出力する。
【0039】
詳細に説明すると、打撃センサが、それぞれ左リム部28a、右リム部28b、左パッドプレート26a及び右パッドプレート26bに固着されている。そして、左リム部28a、右リム部28b、左パッドプレート26a及び右パッドプレート26bのそれぞれが打撃される(付勢される)と、打撃センサが振動を検出し、打撃の大きさに応じた電気信号をアナログ信号として出力する。この電気信号は、A/D変換されて本ゲーム装置2の制御系に入力される。
【0040】
ここで、左リム部28a、右リム部28b、左パッドプレート26a及び右パッドプレート26bは互いに直接接触していない。例えば、左リム部28a、右リム部28b、左パッドプレート26a及び右パッドプレート26bは互いにすき間を有して配設されているか、或いは、軟質なゴム等を介して接触しているため振動が減衰する。したがって、左リム部28a、右リム部28b、左パッドプレート26a及び右パッドプレート26bのそれぞれが打撃されても、その振動は他に伝わらない。
【0041】
ゲーム装置2は、スピーカ14やウーファー16から音楽を出力しつつ、和太鼓操作装置20の被打撃部22を音楽に合わせて打撃させるようにモニタ12を通じて指示する。そして、プレーヤはモニタ12を見て音楽に合わせながら、モニタ12の指示に従い、和太鼓操作装置20の被打撃部22を打撃して、和太鼓演奏ゲームを楽しむ。
【0042】
図3は、本ゲーム装置2の制御系の処理によって、モニタ12に表示されるゲーム画面の一例である。図3に示すように、左側の和太鼓操作装置20の打撃を指示するための左表示部30と、右側の和太鼓操作装置20の打撃を指示するための右表示部32とが画面に表示される。一方のプレーヤは、左表示部30を見ながら、左側の和太鼓操作装置20を打撃し、他方のプレーヤは、右表示部32を見ながら、右側の和太鼓操作装置20を打撃して、和太鼓演奏ゲームを楽しむ。プレーヤが一人でゲームをする場合には、左表示部30または右表示部32のいずれか一方の表示部を見つつ、その表示部に対応する和太鼓操作装置20を打撃する。なお、一人プレーの場合、左表示部30と右表示部32とのうちの一方を画面の中央に表示するようにしても良い。
【0043】
左表示部30及び右表示部32に共通して、各表示部の中央部にはキャラクタ表示部34が表示され、キャラクタ表示部34の上部にはゲージ表示部54が表示され、キャラクタ表示部34の左右から下にかけては打撃指示表示部36が表示され、及び、打撃指示表示部36の下部にはフレーズ表示部38が表示される。以下、左表示部30について説明するが、右表示部32も左表示部30と同様である。
【0044】
キャラクタ表示部34にはキャラクタ40が表示されており、キャラクタ40は、キャラクタ表示部34の下部に表示される和太鼓42を打撃する動作をする。この和太鼓42は、図に示すとおり、左表示部30の中央やや下に表示されており、打撃指示表示部36の下部と重なっている。
【0045】
打撃指示表示部36は、プレーヤに対して和太鼓操作装置20の打撃する箇所(即ち、左リム部28a、右リム部28b、左パッドプレート26a及び右パッドプレート26bのうちの少なくともいずれか一つ)を指示するためのものであるとともに、その打撃のタイミングを指示するためのものである。
【0046】
詳細には、打撃指示表示部36には、左表示部30の左部にL字状に配置される左経路44と、左表示部30の右部に左右逆L字状に配置される右経路46とが表示される。左経路44においては、指示標識48,50,52が画面の上下に延在する上下経路部を上から下へと移動し、上下経路部の下部に至った指示標識48,50,52が画面の左右に延在する左右経路部を左から右へと移動し、和太鼓42と重なった部分(以下、左到達部44aと述べる。)に至る。指示標識48,50,52については、後述する。
【0047】
また、右経路46においては、指示標識48,50,52が画面の上下に延在する上下経路部を上から下へと移動し、上下経路部の下部に至った指示標識48,50,52が画面の左右に延在する左右経路部を右から左へと移動し、和太鼓42と重なった部分(以下、右到達部46aと述べる。)に至る。左到達部44a及び右到達部46aは表示画面上でほぼ同一位置となっており、和太鼓42の表示位置に重なっている。
【0048】
ここで、左経路44は、和太鼓操作装置20の左部(左パッドプレート26a及び左リム部28a)の打撃をプレーヤに対して指示するためのものであり、右経路46は、和太鼓操作装置20の右部(右パッドプレート26b及び右リム部28b)の打撃をプレーヤに対して指示するためのものである。
【0049】
即ち、左パッドプレート26aと左リム部28aは、和太鼓操作装置20の左部の組となっている。そして、指示標識48,50,52のいずれかが左経路44を移動し、左到達部44aに到達したときに、左パッドプレート26aまたは左リム部28aの打撃タイミングとなる。ゲーム装置2がこのような表示を行うことにより、左パッドプレート26aと左リム部28aのうちのいずれか一方を打撃させるように、プレーヤに対して指示する。同様に、右パッドプレート26bと右リム部28bは、和太鼓操作装置20の右部の組となっている。そして、指示標識48,50,52のいずれかが右経路46を移動し、右到達部46aに到達したときに、右パッドプレート26bまたは右リム部28bの打撃タイミングとなる。ゲーム装置2がこのような表示を行うことにより、右パッドプレート26bと右リム部28bのうちのいずれか一方を打撃させるように、プレーヤに対して指示する。
【0050】
なお、実際の和太鼓の皮膜(被打撃部)を示すアイコン44bが左到達部44aには固定的に表示されており、実際の和太鼓の皮膜を示すアイコン46bが右到達部46aに固定的に表示されている。即ち、指示標識48,50,52のいずれかがアイコン44bに重なったときが、左パッドプレート26aまたは左リム部28aの打撃タイミングとなる。また、指示標識48,50,52のいずれかがアイコン46bに重なったときが、右パッドプレート26bまたは右リム部28bの打撃タイミングとなる。このように、左右の到達部44a,46aにアイコン44b,46bが表示されているため、指示標識48,50,52が左右の到達部44a,46aに到達したことをプレーヤは容易に把握することができる。
【0051】
ここで、指示標識は、三種類準備されている。即ち、指示標識48は、実際の和太鼓の皮膜のアイコンとなっている。指示標識50は、指示標識48とは異なる形態のアイコンとなっている(例えば、指示標識50の色、模様、形状、大きさが指示標識48のそれとは相違している)。例えば、実際の和太鼓の皮膜にバチが重なったアイコンとなっている。更に、指示標識52は、指示標識48及び指示標識50と異なる形態のアイコンとなっている(例えば、色、模様、形状、大きさが指示標識48及び50と相違している。)。例えば、指示標識52は指示標識48と模様が異なっており、指示標識52は指示標識48より大きい。即ち、指示標識48,50,52は視覚的にそれぞれ相違しており、プレーヤは指示標識48,50,52を一目見て、それぞれ識別することができる。
【0052】
指示標識48は、左パッドプレート26a又は右パッドプレート26bに対応する。指示標識50は、左リム部28a又は右リム部28bに対応する。指示標識52は、左パッドプレート26a又は右パッドプレート26bに対応する。
【0053】
即ち、指示標識48が左経路44を移動して、左到達部44a(アイコン44b)に到達したときには、左パッドプレート26aの打撃タイミングとなる。この表示により、左パッドプレート26aを打撃させるように、プレーヤに対して指示する。
【0054】
また、指示標識50が左経路44を移動して、左到達部44aに到達したときには、左リム部28aの打撃タイミングとなる。この表示により、左リム部28aを打撃させるように、プレーヤに対して指示する。
【0055】
また、指示標識52が左経路44を移動して、左到達部44aに到達したときには、左パッドプレート26aの打撃タイミングとなる。この表示により、左パッドプレート26aを打撃させるように、プレーヤに対して指示する。
【0056】
更に、指示標識48が左到達部44aに到達したときには、対応する左パッドプレート26aを弱打させることを意味する。一方、指示標識52が左到達部44aに到達したときには、対応する左パッドプレート26aを強打させることを意味する。したがって、プレーヤは、指示標識の表示に合わせて左パッドプレート26a又は右パッドプレート26bを付勢する大きさも変えるようになるため爽快感を味わえる。
【0057】
右経路46の場合も同様であり、指示標識48が右経路46を移動して、右到達部46a(アイコン46b)に到達したときには、右パッドプレート26bの打撃タイミングとなる。この表示により、右パッドプレート26bを打撃させるように、プレーヤに対して指示する。
【0058】
また、指示標識50が右経路46を移動して、右到達部46aに到達したときには、右リム部28bの打撃タイミングとなる。この表示により、右リム部28bを打撃させるように、プレーヤに対して指示する。
【0059】
また、指示標識52が右経路46を移動して、右到達部46aに到達したときには、右パッドプレート26bの打撃タイミングとなる。この表示により、右パッドプレート26bを打撃させるように、プレーヤに対して指示する。
【0060】
更に、指示標識48が右到達部46aに到達したときには、対応する右パッドプレート26bを弱打させることを意味する。一方、指示標識52が右到達部46aに到達したときには、対応する右パッドプレート26bを強打させることを意味する。
【0061】
以上のように、本実施の形態例のゲーム装置2においては、左経路44や右経路46に則して指示標識48,50,52が順次移動し、プレーヤは、指示標識48,50,52が左到達部44aや右到達部46aに到達したタイミングで、指示標識48,50,52のそれぞれに対応した箇所で和太鼓操作装置20を打撃し、和太鼓演奏ゲームを楽しむ。
【0062】
本実施の形態例では、プレーヤがどのタイミングで和太鼓操作装置20のどの箇所を打撃すべきかを把握するためには、指示標識の移動する経路、指示標識の形態(種類)、そして、指示標識が左右の到達部44a,46aに到達するタイミングを着目すれば良い。この場合、着目する経路の数は、和太鼓操作装置20を打撃する箇所の数(四カ所)より少ないため、初心プレーヤであっても和太鼓演奏ゲームを楽しめる。更に、左到達部44a及び右到達部46aが画面のほぼ同一位置になっているため、プレーヤは画面の着目する箇所は一カ所で済む。したがって、誰もが和太鼓を演奏するゲームを体感的にかつ簡単に楽しめる。
【0063】
そして、本ゲーム装置2では、打撃指示表示部36による指示表示と、和太鼓操作装置20に対してなされた打撃に係る情報との相関関係に基づいて所与の演出効果を行う。また、本ゲーム装置2では、和太鼓操作装置20に対してなされた打撃に係る情報に基づいて所与の演出効果を行う。本ゲーム装置2は、この所与の演出効果によって、ゲームの興趣性を向上させる。以下、所与の演出効果について、詳細に説明する。
【0064】
ゲージ表示部54には、プレーヤのゲームプレー内容に応じて変動する指示針54aが表示される。即ち、ゲージ表示部54には「魂」文字54bが左表示部30の左部に表示され、この「魂」文字54bを基準に指示針54aが、打撃指示表示部36による打撃の指示と、和太鼓操作装置20に対する打撃との相関関係に基づき左右に進退する。
【0065】
即ち、打撃指示表示部36は和太鼓操作装置20の打撃する箇所を指示するが、指示した箇所と、和太鼓操作装置20の打撃された箇所との相関関係に応じて、指示針54aが左右に進退する。例えば、指示した箇所と、打撃された箇所が一致していれば、指示針54aは右へ進出し、指示した箇所と打撃された箇所が一致していなければ、指示針54aは左へ後退する。
【0066】
また、打撃指示表示部36は和太鼓操作装置20を打撃するタイミングを指示するが、指示したタイミングと、打撃されたタイミングとの相関関係に応じて、指示針54aが左右に進退する。この場合、指示した打撃箇所と、打撃された箇所が一致していることが前提条件となっている。即ち、たとえ指示した打撃タイミングと、打撃されたタイミングが一致したものとしても、指示した打撃箇所と、打撃された箇所とが異なっていれば、タイミングの相関関係に応じては指示針54aは左右に進退しない。例えば、指示標識48が左到達部44aに到達したタイミングと左パッドプレート26aの打撃されるタイミングとがほぼ一致していれば、指示針54aは比較的大きく右に進出し、それらタイミングがやや一致していれば、指示針54aは比較的小さく右に進出し、それらタイミングが一致していなければ、指示針54aは左に後退する。
【0067】
更に、ゲージ表示部54の指示針54aは、以下の場合にも左右に進退する。即ち、指示標識52が左到達部44aに到達したときに、左パッドプレート26aを打撃させることを指示するとともに、指示標識52が右到達部46aに到達したときに、右パッドプレート26bを打撃させることを指示する。この時、プレーヤは、その指示に従って左パッドプレート26a或いは右パッドプレート26bを打撃するが、指示した打撃箇所と打撃された箇所とが一致した場合に、打撃された強さに応じて、指示針54aが右に進出する。例えば、指示標識52が左到達部44aに到達し、左パッドプレート26aが打撃された場合に、その打撃力が比較的大きい際には指示針54aが比較的大きく右に進出し、その打撃力が比較的小さい際には指示針54aが比較的小さく右に進出する。
【0068】
また、左到達部44aや右到達部46aに到達した指示標識48,50,52は、左経路44や右経路46から左表示部30内の所与の方向へ移動する。この場合、左到達部44aや右到達部46aからの移動距離や移動速度は、打撃指示表示部36による打撃の指示と、和太鼓操作装置20に対する打撃との相関関係に応じて定まる。
【0069】
即ち、打撃指示表示部36の指示した打撃箇所及び打撃タイミングと、打撃された箇所及びタイミングとの相関関係に基づいて、指示標識48,50,52の移動距離や移動速度が定まる。例えば、打撃指示表示部36の指示した打撃タイミングと、打撃されたタイミングとの差が小さくなるにつれて、左到達部44aや右到達部46aから指示標識が移動する移動距離や移動速度が大きくなる。なお、指示標識48,50,52が左到達部44aや右到達部46aから所与の方向に向けて移動するとき、指示標識48,50,52は左到達部44aや右到達部46aで跳躍をつけて、移動する。
【0070】
また、フレーズ表示部38には、プレー中に発生される音楽に係る情報が、音楽のフレーズ(小節)毎に文字として順次表示される。即ち、フレーズ表示部38には、プレー中に発生される音楽の歌詞が表示されたり、プレー中に発生される音楽のリズムが擬音語(或いは擬声語)によって表示されたり、或いは、音楽に合わせて和太鼓操作装置20を打撃させるタイミングが擬音語によって表示される。
【0071】
ここで、図4に示すように、フレーズ表示部38に表示されている各文字は、あるフレーズから次のフレーズに移るときにフレーズ表示部38から左表示部30内の所与の位置へと移動するように表示される。この場合、各文字がフレーズ表示部38から離れるときに、各文字は跳躍をつけて離れる。更に、各文字がフレーズ表示部38から移動する移動距離や移動速度は、そのフレーズ毎のプレーヤのゲームプレー内容に応じて定まる。即ち、一フレーズの間に、単数或いは複数の指示標識48,50,52が左到達部44a或いは右到達部46aに順次到達するが、その一フレーズ内における打撃指示表示部36による打撃の指示と、和太鼓操作装置20に対する打撃との総合的な相関関係に基づき、各文字がフレーズ表示部38から移動する距離や速度が定まる。
【0072】
例えば、各フレーズ毎に、打撃指示表示部36が指示した打撃箇所と和太鼓操作装置20の打撃された箇所との相関関係の評価結果が蓄積され、累計される。その累計した評価結果に基づいて、フレーズ表示部38に表示された各文字の移動距離や移動速度が定まる。即ち、累計した評価結果が高くなるにつれて、フレーズ表示部38に表示された各文字の移動距離が大きくなるとともに、その移動速度も速くなる。
【0073】
更に、打撃指示表示部36が指示した打撃箇所と和太鼓操作装置20の打撃された箇所とが一致した場合に、打撃指示表示部36の指示したタイミングと、打撃されたタイミングとの相関関係の評価結果(タイミング評価結果)が蓄積され、累計される。その累計されたタイミング評価結果に基づいて、フレーズ表示部38に表示された各文字の移動距離や移動速度が定まる。
【0074】
更に、あるフレーズから次のフレーズに移るときに、フレーズ表示部38に表示された各文字がフレーズ表示部38から移動する際の移動距離や移動速度は、そのフレーズ毎の和太鼓操作装置20に対する打撃力に基づいて定まる。即ち、各フレーズ毎に、和太鼓操作装置20に対してなされた打撃力の情報を蓄積及び累計し、累計された打撃力の情報に基づきフレーズ表示部38に表示された各文字の移動距離や移動速度が定まる。例えば、一フレーズ内において、和太鼓操作装置20に与えられた打撃力の総計が大きくなるにつれて、フレーズ表示部38に表示された各文字の移動距離や移動速度が大きくなる。
【0075】
ところで、あるフレーズから次のフレーズに移るときに、この累計された打撃力の情報に基づき左表示部30全体が画面中を振動しても良い。即ち、一フレーズ内において、和太鼓操作装置20に与えられた打撃力の総計が大きくなるにつれて、左表示部30全体が大きく画面中を振動しても良い。
【0076】
次に、キャラクタ表示部34の演出効果について説明する。キャラクタ40は和太鼓42を打撃する動作を行うが、この動作は和太鼓操作装置20に対してなされた打撃に係る情報に基づいて行われる。即ち、和太鼓操作装置20の左パッドプレート26aや左リム部28aが打撃されると、キャラクタ40の画面左側の腕(キャラクタ40の右腕)が和太鼓42を打撃する。一方、和太鼓操作装置20の右パッドプレート26bや右リム部28bが打撃されると、キャラクタ40の画面右側の腕(キャラクタ40の左腕)が和太鼓42を打撃する。これにより、キャラクタ40はプレーヤの打撃動作と同様の動作を瞬時に行い、プレーヤや周りの見物人は面白味をもって画面を見ることができる。
【0077】
なお、キャラクタ表示部34は以下のようにしても良い。即ち、指示標識48,50,52が左経路44を移動して、それぞれが左到達部44aに到達したタイミングでキャラクタ40の画面左側の腕が和太鼓42を打撃する動作をする。一方、指示標識48,50,52が右経路46を移動して、それぞれが右到達部46aに到達したタイミングでキャラクタ40の画面右側の腕が和太鼓42を打撃する動作をする。このように、キャラクタ40による和太鼓42の打撃が表示されることによって、キャラクタ40の動作が、和太鼓操作装置20の打撃の見本となる。
【0078】
また、本ゲーム装置2は、所与の演出効果の一つとして、和太鼓操作装置20が打撃されたときに、スピーカやウーファーから所与の効果音を発する。所与の効果音は、和太鼓操作装置20の打撃された箇所に応じた音となる。例えば、本ゲーム装置2では、和太鼓操作装置20の左パッドプレート26aや右パッドプレート26bが打撃されたときには、実際の和太鼓の皮膜の部分を打撃した音を発するとともに、和太鼓操作装置20の左リム部28aや右リム部28bが打撃されたときには、実際の和太鼓の縁部を打撃した音を発する。このように、和太鼓操作装置20の打撃された箇所に応じて異なる効果音が発するため、プレーヤは実際に和太鼓を演奏した気分になり、これにより、ゲームの興趣性が向上する。
【0079】
更に、本ゲーム装置2では、和太鼓操作装置20の打撃された箇所に応じて異なる効果音を発する際に、その和太鼓操作装置20に対しての打撃力に応じた大きさで効果音が発生する。このため、プレーヤは実際に和太鼓を演奏した気分になり、ゲームの興趣性が向上する。
【0080】
次に、ゲーム装置2の制御系について説明する。図5には、ゲーム装置2の制御系を説明するための機能ブロックが示されている。機能ブロックとしては、入力部100と、処理部200と、記憶部300と、表示部400と、音発生部500とから構成されている。
【0081】
入力部100は、図1に示す和太鼓操作装置20や操作ボタン18に対応するものであり、操作されることにより信号を処理部200に出力する。そして、入力部100は第一操作部102、第二操作部104、第三操作部106及び第四操作部108を含み、これらが和太鼓操作装置20に対応する。この第一操作部102は、図2に示す和太鼓操作装置20の左パッドプレート26aに対応し、第二操作部104は左リム部28aに対応し、第一操作部102と第二操作部104は一つの第一組110となっている。第三操作部106は和太鼓操作装置の右パッドプレート26bに対応し、第四操作部108は右リム部28bに対応し、第三操作部と第四操作部108は一つの第二組112となっている。第一操作部102、第二操作部104、第三操作部106及び第四操作部108のそれぞれは、押下、打撃等の付勢がなされることにより、付勢力に応じた信号を直ちに処理部200に出力する。
【0082】
処理部200は、記憶部300に記憶されたプログラムやデータ及び入力部100から入力した信号に基づき、システム全体の制御、システム内の各ブロックへの命令、データの蓄積処理、ゲーム処理、画像処理、音処理等の各種処理を行うものである。この処理部300の機能は、CPU(CISC型、RISC型)、DSP、ASIC(ゲートアレイ等)、メモリ、ビデオメモリなどのハードウェアにより実現できる。また、処理部300には、主に、ゲーム演算部210、音生成部260及び一時記憶部270が含まれる。
【0083】
記憶部300は、プログラムやデータを記憶するものである。記憶部300の機能は、情報記憶媒体としてのCD−ROM、ゲームカセット、ICカード、MO、FD、DVD、ハードディスク、ROMなどのハードウェアにより実現できる。記憶部300には、ゲームプログラム310及びゲームデータ350が含まれる。
【0084】
表示部400は、図1に示すモニタ12に対応するものであり、処理部200の画像処理に基づき表示画面を表示する。音発生部500は、図1に示すスピーカ14,14やウーファー16に対応するものであり、処理部200の音処理に基づき効果音、音楽、BGM、ラップ音、ビープ音等といったゲーム音を発生する。
【0085】
ゲームプログラム310は、入力部100からの信号やゲームデータ350に基づき、画像やゲーム音を生成するとともに、ゲームを進行するためのプログラムである。ゲーム演算部210は、このゲームプログラム310やゲームデータ350を読み込むことにより、画像やゲーム音を生成するとともにゲームを進行するための各種処理を行う。
【0086】
更に、ゲームプログラム310には、第一操作部102、第二操作部104、第三操作部106及び第四操作部108のうちの少なくとも一つを音楽に合わせて付勢させるように表示部400を通じて指示するための指示プログラム312が含まれる。更に、指示プログラム312による指示と、第一操作部102、第二操作部104、第三操作部106及び第四操作部108からの信号との相関関係に応じて所与の評価を行うための評価プログラム314が、ゲームプログラム310に含まれる。また、評価プログラム314による評価に応じて所与の演出効果を行う演出プログラム316が、ゲームプログラム310に含まれる。この演出プログラム316は、更に、第一操作部102、第二操作部104、第三操作部106及び第四操作部108からの信号に基づいて、所与の演出効果を行うプログラムである。
【0087】
ここで、ゲームデータ350について説明する。ゲームデータ350には、表示部400に所与の画像を表示するための画像データ、及び、所与のゲーム音を発生するためのゲーム音データが含まれている。更に、ゲームデータ350には、上述したキャラクタ表示部34を表示させ、キャラクタ40を動作させるためのキャラクタデータ352が含まれている。更に、ゲームデータ350には、本発明に係る和太鼓演奏ゲームを実現するためのプレイデータ354が含まれている。プレイデータ354には、図6に示すように、一プレイ中に発生されるBGMのデータに対して、そのBGMに係る文字データと、そのBGMに対応して行うべき演出に係るデータ(以下、演出データと述べる。)とが対応づけて格納されている。そして、このようなデータが、各プレイ毎に格納されている。例えば、プレイP1のBGMデータはBGMm1となり、プレイP1の文字データは文字c1となり、プレイP1の演出データは演出e1となる。
【0088】
図7は、上記文字データのデータ構成の一例を示す図面である。文字データの各データは、BGMの小節順にフレーズF1,F2,F3,…から構成されている。そして、各フレーズには、上記フレーズ表示部38に表示される文字が対応づけられている。例えば、文字c1では、フレーズF1の文字は「ドドンドドン」となり、フレーズF2の文字は「カカカッカ」となり、フレーズF3の文字は「ドンカッカッカ」となる。これらの文字が、フレーズ表示部38にBGMのフレーズ毎に順次表示される。
【0089】
次に、演出データについて説明する。図8は、演出データのデータ構成と、データの一例とを示す図面である。演出データは、評価基準データと、効果音データとから構成されている。例えば、プレイP1の演出e1は、評価基準データd1と、効果音データk1とが対応づけられている。
【0090】
図9は、効果音データのデータ構成の一例とを示す図面である。図9に示すように、効果音データのそれぞれは、各操作部(第一操作部102、第二操作部104、第三操作部106、第四操作部108)に効果音が対応づけられて格納されている。例えば、効果音データk1の場合、第一操作部102には効果音1が対応づけられ、第二操作部104には効果音2が対応づけられ、第三操作部106には効果音3が対応づけられ、第四操作部108には効果音4が対応づけられている。後述するように、各操作部が付勢された場合には、この効果音データに基づき効果音が発生され、各操作部に応じた効果音が発生される。なお、効果音データk1とは別の効果音データ(例えば、効果音データk2)は、各操作部と効果音との対応関係が効果音データk1とは別のものとなる。
【0091】
図10は、評価基準データのデータ構成の一例を示す図面である。評価基準データは、各組(第一組110、第二組112)のなかの操作部が「On状態」か(付勢されているか)、「Off状態」か(付勢されていないか)を評価するためのデータである。更に、この評価基準データは、各組の中の操作部を「On状態」とすべきか(付勢すべきか)、「Off状態」とすべきか(付勢しないべきか)を指示するためのデータである。ここで、例えば、評価基準データd1は、フレーズF1,F2,…から構成されている。そして、フレーズ毎に、所与のタイミングにおいて「On状態」とすべきか、それとも「Off状態」とすべきかの情報が各操作部に対して対応づけられて格納されている。更に、「On状態」には二種類の状態があり、「On(付勢力評価)状態」と、通常の「On状態」がある。
【0092】
ところで、第一操作部102と第二操作部104は第一組110となっており、これがひとまとまりの評価基準となっている。同様に、第三操作部106と第四操作部108は第二組112となっており、これがひとまとまりの評価基準となっている。そして、所与のタイミング(時刻)において、各組の中の少なくとも一方の操作部を「Off状態」となるように、評価基準データが構成されている。例えば、評価基準データd1では、タイミングt1において第一操作部102は「On状態」であり、第二操作部104は「Off状態」であり、第三操作部106は「On(打撃力評価)状態」であり、第四操作部108は「Off状態」である。評価基準データがこのような構成をしているため、第一操作部102と第二操作部104はひとつの第一組110と設定され、第三操作部106と第四操作部108は、ひとつの第二組112と設定される。
【0093】
次に、ゲーム演算部210について説明する。ゲーム演算部210は、ゲームプログラム310とゲームデータ350を読み込むとゲームの進行に係る各種処理を行う。即ち、ゲーム演算部210はプレイデータを読み込み、プレイ中に発生されるBGMを設定し、各操作部が付勢された際の効果音を設定し、フレーズ表示部38に表示される文字を設定し、所与の演出効果を行うための設定を行う。
【0094】
そして、ゲーム演算部210は、指示部212と、評価部214と、演出部216とを含む。指示部212は、指示プログラム312及びゲームデータ350を読み込むと、以下のような各種処理を行う。即ち、指示部212は、図3を用いて説明したように、表示部400に第一組110に対応させた経路(左経路44)を表示させるための設定処理を行う。同様に、指示部212は、表示部400に第二組112に対応させた経路(右経路46)を表示させるための設定処理を行う。また、指示部212は、これら各経路上に則して、指示標識48,50,52を移動させて、表示部400に表示させるための設定処理を行う。指示部212で行われた設定処理に基づき、表示部400にて表示される。
【0095】
ここで、指示部212は、上記評価基準データに基づき、指示標識48,50,52を移動させる。即ち、指示部212は指示標識48,50,52を各経路を移動させ、各操作部を「On状態」とすべきタイミングで、指示標識48,50,52を左右の経路44,46の到達部44a,46aに到達させるようにする。即ち、第二操作部104を「On状態」とすべきタイミングで、指示標識50を左到達部44aに到達させ、第四操作部108を「On状態」とすべきタイミングで、指示標識50を右到達部46aに到達させる。同様に、第一操作部102が「On状態」とすべきタイミングで、指示標識48を左到達部44aに到達させ、第三操作部106を「On状態」とすべきタイミングで、指示標識48を右到達部46aに到達させる。更に、第一操作部102が「On(付勢力評価)状態」とすべきタイミングで、指示標識52を左到達部44aに到達させ、第三操作部106を「On(付勢力評価)状態」とすべきタイミングで、指示標識52を右到達部46aに到達させる。なお、指示部212は、指示標識48,50,52の移動速度に基づき、指示標識48,50,52が左到達部44a或いは右到達部46aに到達するタイミングから移動開始タイミングを逆算し、その移動開始タイミングでそれぞれの経路の上端部から移動開始させる。
【0096】
評価部214は、評価プログラム314及びゲームデータ350を読み込むと、以下のような処理を行う。即ち、評価部214は、各操作部からの信号及び上記評価基準データに基づき、各操作部からの信号と指示部212による指示との相関関係を評価する。言い換えれば、評価部214は、各操作部毎に、各操作部からの信号の入力されたタイミングが、上記評価基準データの各操作部の「On状態」或いは「On(付勢力評価)状態」となるべきタイミングと一致しているか否かを評価する(判定する)。この場合、評価部214は、タイミングの一致度を評価する。例えば、タイミングの一致度は四段階で評価され、「完全に一致している」、「ほぼ一致している」、「やや一致している」、「一致していない」、といった評価結果となる。評価部214が各操作部毎に以上のような評価を行うため、指示部212で付勢するように指示した操作部と、付勢された操作部とが一致しているか否かを評価することができるとともに、その付勢されたタイミングの評価も行うことができる。なお、評価部214における一致度の評価結果は数値化されるとともに(例えば、評価結果が良くなるにつれて、数値が大きくなる)、評価結果に対応した数値が一時記憶部270に記憶され、音楽のフレーズ毎にその評価結果が蓄積され、累計される。
【0097】
更に、評価部214は、「On(付勢力評価)状態」となるべきタイミングにおいて、指示部212で付勢するように指示した操作部と、付勢された操作部とが一致している場合に、指示部212の付勢指示に対応する操作部からの信号に基づき、付勢力を評価する。この場合に、評価部214は、操作部に対してなされた付勢力の大きさに応じて付勢力評価を数値化する(例えば、付勢力が大きくなるにつれて、付勢力評価の数値も大きくなる。)。
【0098】
次に、演出部216について説明する。演出部216は、演出プログラム316を読み込むと、図3や図4に示したゲージ表示部54を表示部400に表示させるための設定処理、左到達部44aや右到達部46aに到達した指示標識48,50,52を左経路44や右経路46から画面内の所与の方向へ移動させるための設定処理、フレーズ表示部38を表示部400に表示させるための設定処理、キャラクタ表示部34を表示部400に表示させるための設定処理、効果音を発生させるための設定処理等の各種処理を行う。そして、演出部216は、上述した評価部214の評価に基づき所与の演出効果を行う処理を行う。
【0099】
詳細に説明すると、演出部216は、評価部214によるタイミングの一致度の評価結果に応じて、ゲージ表示部54の指示針54aを左右に進退させるための処理を行う。また、演出部216は、評価部216によるタイミングの一致度の評価に応じた移動距離及び移動速度で、左到達部44aや右到達部46aに到達した指示標識48,50,52を左経路44や右経路46から画面内の所与の方向へ移動させるための処理を行う。また、演出部216は、評価部214による付勢力評価に応じてゲージ表示部54の指示針54aを右に進出させるための処理を行う。
【0100】
更に、演出部216は、上記文字データに基づき、音楽のフレーズ毎に順次フレーズ表示部38に文字を表示させる処理を行う。また、演出部216は、あるフレーズから次のフレーズに移るときに、フレーズ表示部38に表示された各文字を跳躍をつけてフレーズ表示部38から移動させるための処理を行う。このときの、各文字の移動速度及び移動距離は、一時記憶部270に蓄積されたフレーズ毎のタイミングの一致度の累計に応じて定まる。
【0101】
ここで、演出部216は、各操作部に対してなされた付勢力の大きさを数値化して、フレーズ毎に一時記憶部270に付勢力の数値を蓄積し、累計する処理を行う。そして、各文字の移動速度及び移動距離は一時記憶部270に蓄積されたフレーズ毎のタイミングの一致度の累計に応じて定まるが、更に、演出部216は、一時記憶部270に蓄積された付勢力の累計に応じて各文字の移動速度及び移動距離も定める。即ち、各文字がフレーズ表示部38から移動する際の移動速度と移動距離は、一時記憶部270に蓄積されたフレーズ毎のタイミングの一致度の累計と、蓄積された付勢力の累計とに応じて定まる。
【0102】
更に、演出部216は、上記効果音データに基づき、付勢された操作部に応じた効果音を発生するための処理を行う。この場合、効果音の大きさは、その付勢された操作部に対してなされた付勢力に応じた大きさとなる。
【0103】
更に、演出部216は、付勢された操作部に応じて、キャラクタ40が和太鼓42を打撃する動作をさせる。即ち、第一組110のいずれか一方の操作部が付勢されたら、キャラクタ40の左側の腕で和太鼓42を打撃する動作をさせるとともに、第二組112のいずれか一方の操作部が付勢されたら、キャラクタ40の右側の腕で和太鼓42を打撃する動作をさせる。
【0104】
次に、図11〜図13を参照して、処理部200における処理の流れの一例を説明する。
まず、ゲームを開始させ(ステップS1)、キャラクタ表示部34、打撃指示表示部36、フレーズ表示部38及びゲージ表示部54等のゲーム画面を表示させるとともに、BGMを発生させる。
【0105】
次いで、評価基準データに基づき、指示標識48,50,52のうちのいずれかを左経路44又は右経路46の上端部に表示させ(ステップS2)、それを経路に則して移動させる(ステップS3)。なお、ステップS2における処理については後述する。
【0106】
そして、その指示標識を経路の到達部に到達させていない場合に(ステップS4:No)、第一操作部102、第二操作部104、第三操作部106及び第四操作部108のうちの少なくともいずれか一つが付勢されたという信号を入力する(ステップS5:Yes)と、以下の処理を行う。即ち、その付勢された操作部に応じた効果音を発生させるとともに、その効果音の大きさは操作部に対してなされた付勢力に応じた大きさとする(ステップS6)。
【0107】
そして、付勢された操作部の操作組に対応するキャラクタ40の腕を動作させ、和太鼓42を打撃させるように表示する(ステップS7)。そして、一致度を「一致していない」と評価し(ステップS8)、一致度の評価を一時記憶し、フレーズ毎に蓄積し、及び、累計する(ステップS9)。また、一致度が「一致していない」と評価することにより、指示針54aを後退させ(ステップS10)、ステップS3に戻る。また、その指示標識を経路の到達部に到達させていない場合に、第一操作部102、第二操作部104、第三操作部106及び第四操作部108のどれもが付勢されないと(ステップS5:No)、ステップS3に戻る。
【0108】
一方、経路を移動した指示標識を経路の到達部に到達させた場合に(ステップS4:Yes)、第一操作部102、第二操作部104、第三操作部106及び第四操作部108のいずれからも信号を入力しなかったら(ステップS11:No)、一致度が「一致していない」と評価する(ステップS8)。そして、一致度の評価をフレーズ毎に蓄積し、及び、累計し(ステップS9)、指示針54aを後退させる(ステップS10)。
【0109】
また、経路を移動した指示標識を経路の到達部に到達させた場合に(ステップS4:Yes)、第一操作部102、第二操作部104、第三操作部106及び第四操作部108のうちの少なくともいずれか一つから信号を入力すると(ステップS11:Yes)、以下の処理を行う。即ち、その付勢された操作部に応じた効果音を発生させるとともに、その効果音の大きさは操作部に対してなされた付勢力に応じた大きさとする(ステップS12)。そして、付勢された操作部の操作組に対応するキャラクタ40の腕を動作させ、和太鼓42を打撃させるように表示する(ステップS13)。
【0110】
そして、指示標識により指示されたタイミング及び付勢すべき操作部と、付勢された操作部及びその付勢されたタイミングとの一致度を評価し(ステップS14)、一致度の評価に応じた移動距離及び移動速度で指示標識を経路の到達部から跳躍させ、移動させる(ステップS15)。ここで、到達部に到達した指示標識が指示標識52であり、付勢すべき操作部と付勢された操作部が一致している場合、その操作部に対する付勢力に応じた移動距離及び移動速度で指示標識52を経路の到達部から跳躍させ、移動させる。
【0111】
そして、一致度の評価に応じて指示針54aを進退させる(ステップS16)。また、この一致度の評価及び付勢力情報を一時記憶し、フレーズ毎に蓄積し、及び、累計する(ステップS17)。
【0112】
次いで、評価基準データに基づき、表示させた指示標識がフレーズの最後の指示標識か、フレーズの最後でない指示標識かを判定する(ステップS18)。フレーズの最後でない指示標識の場合(ステップS18:No)、ステップS2に戻る。一方、フレーズの最後の指示標識である場合(ステップS18:Yes)、フレーズ毎に累計された付勢力情報及び一致度の評価情報に応じてフレーズ表示部38の文字を跳躍させ、移動させる(ステップS19)。
【0113】
次いで、評価基準データに基づき、表示させた指示標識がBGMの最後の指示標識か、それともBGMの最後でない指示標識かを判定する(ステップS20)。表示させた指示標識がBGMの最後の指示標識である場合(ステップS20Yes)、ゲームを終了させる。一方、表示させた指示標識がBGMの最後の指示標識でない場合(ステップS20:No)、文字データに基づき次のフレーズの文字をフレーズ表示部38に表示させ、次いで、ステップS2に戻る。以上のように、ステップS2〜ステップS21を繰り返し、評価基準データに基づき指示標識を経路44や経路46に順次表示させ、経路に則して移動させる。
【0114】
次に、上記ステップS2において、指示標識を表示させる処理のサブルーチンについて、図13を参照して説明する。まず、評価基準データを検索する(ステップS31)。次いで、指示経路を移動経路に則して移動させる移動速度に基づいて、指示標識を左右の到達部44a,46aに到達させるタイミングから、指示標識を左右の経路44,46の上端部に表示させるタイミングを逆算する。これにより、指示標識を表示させるタイミングかを判定する(ステップS32)。
【0115】
そして、評価基準データに基づいて、表示させる指示標識が左経路44に則して移動させるか否かを判定する(ステップS33)。左経路44に則して指示経路を移動させる場合、評価基準データに基づいて、指示標識の表示形態を設定する(ステップS34)。そして、設定された表示形態で指示標識を左経路44の上端に表示させる(ステップS35)。即ち、第一操作部102の評価基準データが「On状態」となっていれば、左経路44の上端に指示標識48を表示させ、第二操作部104の評価基準データが「On状態」となっていれば、左経路44の上端に指示標識50を表示させ、第一操作部102の評価基準データが「On(打撃力評価)状態」となっていれば、左経路44の上端に指示標識52を表示させる。
【0116】
一方、評価基準データに基づいて、表示させる指示標識が右経路46に則して移動させるか否かを判定する(ステップS36)。左経路44に則して指示経路を移動させる場合、評価基準データに基づいて、指示標識の表示形態を設定する(ステップS34)。そして、設定された表示形態で指示標識を右経路46の上端に表示させる(ステップS37)。即ち、第三操作部106の評価基準データが「On状態」となっていれば、右経路46の上端に指示標識48を表示させ、第四操作部108の評価基準データが「On状態」となっていれば、右経路46の上端に指示標識50を表示させ、第三操作部106の評価基準データが「On(打撃力評価)状態」となっていれば、右経路46の上端に指示標識52を表示させる。
【0117】
本実施の形態を実現できるハードウェアの構成の一例について図14を用いて説明する。同図に示す装置では、CPU1000、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006、音生成IC1008、画像生成IC1010、I/Oポート1012、1014が、システムバス1016により相互にデータ入出力可能に接続されている。そして、画像生成IC1010には表示装置1018が接続され、音生成IC1008にはスピーカ1020が接続され、I/Oポート1012にはコントロール装置1022が接続され、I/Oポート1014には通信装置1024が接続されている。
【0118】
情報記憶媒体1006は、プログラム、画像データ、音データ、プレイデータなどが主に格納されるものであり、図5における記憶部300に相当する。例えば本実施の形態を実現するものがコンピュータである場合には、ゲームプログラムなどを格納する情報記憶媒体としてCD−ROM、DVDなどが、家庭用ゲーム装置である場合には、これらの他にゲームカセットなどが用いられる。また業務用ゲーム装置として実現する場合には、ROMなどのメモリやハードディスクが用いられ、この場合には記憶部300に格納されているプログラムやデータは、ROM1002に格納されていても良い。
【0119】
コントロール装置1022は、本装置が業務用ゲーム装置である場合には、図1に示す和太鼓操作装置20、操作ボタン18、操作パネル、専用コントローラに相当するものである。また、本装置が家庭用のゲーム装置である場合には、コントローラ装置1022は、ゲームコントローラ或いは専用コントローラに相当するものである。そして、コントローラ装置1022は、プレーヤがゲーム進行に応じて行う判断の結果を装置本体に入力するための装置である。
【0120】
情報記憶媒体1006に格納されるプログラム、ROM1002に格納されるシステムプログラム(装置本体の初期化情報など)、コントロール装置1022によって入力される信号などに従って、CPU1000は装置全体の制御や各種データ処理を行う。RAM1004はこのCPU1000の作業領域などとして用いられる記憶手段であり、情報記憶媒体1006やROM1002の所与の内容、或いはCPU1000の演算結果などが格納される。一時記憶部270に蓄積され、累計されるフレーム毎の一致度の評価情報及び付勢力情報は、このRAM1004に一時格納される。
【0121】
更に、この種の装置には音生成IC1008と画像生成IC1010とが設けられていてゲーム音やゲーム画像の好適な出力が行えるようになっている。音生成IC1008は情報記憶媒体1006やROM1002に記憶される情報に基づいて効果音やBGMなどのゲーム音を生成する集積回路であり、生成されたゲーム音はスピーカ1020によって出力される。また、画像生成IC1010は、RAM1004、ROM1002、情報記憶媒体1006などから送られる画像情報に基づいて表示装置1018に出力するための画素情報を生成する集積回路である。また、表示装置1018としては、CRTやLCD、TV、ヘッドマウントディスプレイ、プラズマディスプレイ、プロジェクター等でも良い。
【0122】
また、通信装置1024はゲーム装置内部で利用される各種の情報を外部とやりとりするものであり、他のゲーム装置と接続されてゲームプログラム310に応じた所与の情報を送受したり、通信回線を介してゲームプログラムなどの情報を送受することなどに利用される。
【0123】
そして、図3〜図13を参照して説明した種々の処理は、ゲームプログラム310及びゲームデータ350等を格納した情報記憶媒体1006と、該プログラムに従って動作するCPU1000、画像生成IC1010、音生成IC1008などによって実現される。なお画像生成IC1010などで行われる処理は、CPU1000あるいは汎用のDSPなどによりソフトウェア的に行うこととしてもよい。
【0124】
さて、前述した図1及び図2は、本発明を業務用のゲーム装置に適用した場合の例を示すものである。この場合、装置に内蔵されるシステム基板にCPU、画像生成IC、音生成IC等が実装されている。そして、図5におけるゲームプログラム310やゲームデータ350等の太鼓演奏ゲームに係る情報は、システム基板上の情報記憶媒体であるメモリに格納されている。以下、この太鼓演奏ゲームに係る情報を格納情報という。
【0125】
図15(a)、(b)に、本発明を家庭用のゲーム装置に適用した場合の例を示す。図1に示すように、ゲーム装置本体1210には、ゲームコントローラ1202,1204、ディスプレイ1200及びスピーカ(図示略)が着脱自在に接続されている。この場合、格納情報は、本体装置に着脱可能な情報記憶媒体であるCD−ROM1206(DVDでも良い。)に格納されている。
【0126】
プレーヤは、ディスプレイ1200に映し出されるゲーム画像を見ながら、太鼓演奏ゲームを楽しむ。即ち、プレーヤはゲームコントローラ1202、1204を操作することによって、画面に表示される操作指示に従い、プレーヤはゲームコントローラ1202,1204の操作ボタンを押下する(操作する)。
【0127】
ここで、図15(b)に示すように、ゲームコントローラ1202は、左右上下の操作ボタンが組となった十字ボタン1220と、○ボタン1232と、□ボタン1234と、△ボタン1236と、×ボタン1238とを備えている。ここで、○ボタン1232、□ボタン1234、△ボタン1236及び×ボタン1238はゲームコントローラ1202の右側に設けられており、一つの組となっている。また、十字ボタン1220はゲームコントローラ1202の左側に設けられている。更に、ゲームコントローラ1202は、アナログ式のコントローラであってもよい。即ち、その場合にあっては、ゲームコントローラ1202は、各種ボタンがどれだけの押下力(付勢力)で押下されたかに対応した信号を直ちにゲーム装置本体1210に出力する。
【0128】
ここで、図16は、ディスプレイ1200に表示される画面の一例である。指示標識としての上矢印62、右矢印64、下矢印66及び左矢印68が経路44に則して移動している。また、指示標識としての○印72、□印74、△印76及び×印78が右経路46に則して移動している。即ち、左経路44には、押下すべき十字ボタンの方向に応じた形態で指示標識が表示されており、右経路46には押下すべき操作ボタンに応じた形態で指示標識が表示されている。そして、指示標識がそれぞれ左右の到達部44a,46aに到達したら、指示標識の表示形態に対応した操作ボタンを押下すべきタイミングとなる。
【0129】
更に、各指示標識は、その色を別の色で表示したり、強調して表示されることにより、押下すべき操作ボタンの押下する押下力を表示している。例えば、□印74aは、□印74とは別の色で表示されている。□印74aが到達部46aに到達したら、□印74の場合より大きく付勢することを意味している。矢印62、右矢印64、下矢印66、左矢印68、○印72、△印76及び×印78の場合も同様である。
【0130】
プレーヤは、指示標識が左右の到達部44a,46aに到達したタイミングで、その到達した指示標識の形態に応じたボタンを押下することにより、ゲームを楽しむ。更に、その指示標識の形態に応じたボタンを別の形態で表示することによりプレーヤに対してボタンの押下力を指示しているため、プレーヤは各ボタンを押下する力を変更するようになる。従い、プレーヤは爽快感をもってゲームを楽しめる。
【0131】
図17に、ホスト装置1300と、このホスト装置1300と通信回線1302を介して接続される端末1304−1〜1304−n(nは、2以上の整数値であって、n台の端末が接続されている。)とを含むゲーム装置に本実施の形態を適用した場合の例を示す。
【0132】
この場合、図5における記憶部300に格納されている格納情報は、例えばホスト装置1300が制御可能な磁気ディスク装置、磁気テープ装置、メモリなどの情報記憶媒体1306に格納されている。端末1304−1〜1304−nが、CPU、画像生成IC、音生成ICを有し、スタンドアロンでゲーム画像、ゲーム音を生成できるものである場合には、ホスト装置1300からは、情報記憶媒体1306に格納されたプログラムやデータなどが通信回線1302を介して端末1304−1〜1304−nに配信される。一方、スタンドアロンで生成できない場合には、ホスト装置1300がゲーム画像、ゲーム音を生成し、これを端末1304−1〜1304−nに伝送し、端末において出力することになる。
【0133】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、打撃指示表示部36による指示表示と、複数の操作部の入力信号の相関関係に応じた演出効果として、得点を累計して表示しても良い。即ち、指示標識48,50,52が左右の到達部44a,46aに到達する毎に、評価処理としての得点処理を行い、その得点を随時累計して表示するようにしても良い。
【符号の説明】
【0134】
20 和太鼓操作装置
26a 左パッドプレート
26b 右パッドプレート
28a 左リム部
28b 右リム部
34 キャラクタ表示部
36 打撃指示表示部
38 フレーズ表示部
44 左経路
44a 左到達部
46 右経路
46a 右到達部
48,50,52 指示標識
54 ゲージ表示部
102 第一操作部
104 第二操作部
106 第三操作部
108 第四操作部
110 第一組
112 第二組
200 処理部
210 ゲーム演算部
212 指示部
214 評価部
216 演出部
270 一時記憶部
310 ゲームプログラム
312 指示プログラム
314 評価プログラム
316 演出プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤが操作手段を操作して楽しむゲームを実行するゲーム装置であって、
到達部と該到達部に達する経路であって1つの経路に対して複数の操作手段が関連付けられた経路とが設定されたゲーム画面を表示制御するとともに、前記経路に関連付けられた複数の操作手段それぞれに対応する指示標識を当該経路に則して移動表示させることで、当該指示標識が前記到達部に到達したタイミングで当該指示標識に対応する操作手段に対する操作入力をする旨の指示の制御を行う表示制御手段と、
前記表示制御手段による前記指示のタイミングと前記操作手段に対する操作入力のタイミングとの相関関係を評価する評価手段と、
前記評価手段の評価結果に基づいて演出処理を行う演出手段と、
を備えたゲーム装置。
【請求項2】
前記到達部に到達した当該指示の対象となった指示標識を、前記評価手段の評価結果に応じた移動距離及び移動速度で所与の方向に移動表示させる制御を行う指示標識移動可変制御手段を更に備えた請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記操作手段はプレーヤが付勢することで操作入力する手段であり、
前記指示標識移動可変制御手段は、前記評価手段により前記指示制御手段による前記指示のタイミングと前記操作手段に対する操作入力のタイミングとが一致していると判定された場合には、当該操作入力の付勢力に応じた移動距離及び移動速度で前記指示標識を移動表示させる、
請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記複数の操作手段は、それぞれを視覚的に識別可能な形態的な特徴を有してなり、
前記表示制御手段は、前記操作手段それぞれの形態的な特徴を有する指示標識を移動表示する、
請求項1〜3の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ゲーム画面中にキャラクタを表示するとともに、前記複数の操作手段それぞれに予め対応づけられた動作のうちの操作入力された操作手段に対応する動作を前記キャラクタに行わせる制御をするキャラクタ表示制御手段を更に備えた請求項1〜4の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記ゲーム画面中にキャラクタを表示するとともに、前記表示制御手段により移動表示された指示標識が前記到達部に到達した際に、前記複数の操作手段それぞれに予め対応づけられた動作のうちの当該指示標識に対応する操作手段に対応づけられた動作を前記キャラクタに行わせる制御をするキャラクタ表示制御手段を更に備えた請求項1〜5の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記操作手段それぞれに対応づけて予め定められた音のうち、操作入力された操作手段に対応する音を出力する効果音出力制御手段と、
前記表示制御手段による指示に従った一連の操作入力を正しいタイミングで行った場合に前記効果音出力制御手段が出力することとなる音の擬音語を表示制御する語表示制御手段と、
を更に備えた請求項1〜6の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項8】
複数の操作手段を備えたコンピュータを、
到達部と該到達部に達する経路であって1つの経路に対して複数の操作手段が関連付けられた経路とが設定されたゲーム画面を表示制御するとともに、前記経路に関連付けられた複数の操作手段それぞれに対応する指示標識を当該経路に則して移動表示させることで、当該指示標識が前記到達部に到達したタイミングで当該指示標識に対応する操作手段に対する操作入力をする旨の指示の制御を行う表示制御手段、
前記表示制御手段による前記指示のタイミングと前記操作手段に対する操作入力のタイミングとの相関関係を評価する評価手段、
前記評価手段の評価結果に基づいて演出処理を行う演出手段、
として機能させるためのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−172760(P2010−172760A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113330(P2010−113330)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【分割の表示】特願2006−258780(P2006−258780)の分割
【原出願日】平成12年8月25日(2000.8.25)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】