説明

ゲーム装置

【課題】 基台に没入状態で係止保持した飛出体を、所定位置の差し込み口に対する差し込み体の差し込みで係止を解除し、飛出体を基台上方に飛び出させる。
【解決手段】 周側壁4に差し込み口5を開穿配列して成る基台1と、差し込み口5から基台1内に差し込む差し込み体10と、差し込み体10による押圧でスライドする解除バー38によって解除する係止手段31を備え、この係止手段31で基台1の上方への飛出傾向に弾発付勢させてある飛出ロッド25を有すると共に、基台1内で回転自在に立脚状に支承してある飛出機構20と、飛出ロッド25の回転方向では一体的に回転して飛出ロッド25に着脱自在に連繋結合する飛出体40とから成る。基台1は上部から下部に至るまで同径形状にすることも、径が異なる複数段の段部状に形成することもでき、これに対応して解除作用突部を解除バー38に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基台の周囲からの基台内部への差し込み体の特定の差し込み挿入位置によっては、人形の如き玩具である飛出体が基台上方に飛び出されるようにしたもので、基台上下部の外径の大小の相違、基台とこの基台内に装置された飛出機構との相対的な移相の位置調整等によって一層の興趣性あるものとできるゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の飛び出し式のゲーム装置にあっては図7に示すように、例えば中央部分が大径となるようにやや膨らんだ樽形の基台101と、この基台101の周側壁104に開穿した差し込み口105から差し込まれる片状の差し込み体110と、差し込み体110による押圧で内方側に揺動する解除レバー138によって解除されることで急激に伸長するコイル状の飛出バネ126を内蔵すると共に、飛出バネ126が弾発的な縮小状態にあるときに基台101の上面から没入位置にある人形状の飛出体140を載置させる載置盤129を上部に連結した昇降する飛出ロッド125を備えることで、基台101内に収納される飛出機構120とを有して構成されている。なお、図中131は飛出体140を押し込んだときの飛出ロッド125を係止する係止手段、135は解除バー138を原位置に復帰させる復帰弾発バネである。
【0003】
また特許文献1にあるように、基台が多段的構成形状となることで、段部における上面あるいは周側面のいずれかから内方あるいは下方に向けて差し込まれる差し込み体の差し込み方向がいずれであっても、飛び出し機構の飛び出しバネの弾発力を解除させるようにしたゲーム装置が提案されている。
【特許文献1】特許第2512943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図7に示す従来のゲーム装置では、飛出機構120における解除レバー138は、飛出機構120の機構筒121内の底部に配置した飛出バネ126を圧縮、縮小するように下降位置させた飛出ロッド125に、機構筒121の下部位置で係合するようにすると共に、外方に弾発付勢されている状態で揺動自在になるようにして、側面からみてやや山形に折曲されているようにして設けられている。このため、この解除レバー138を揺動させるべく基台101の周囲から差し込まれる差し込み体110は、解除レバー138の傾斜面に対応する方向、すなわち上部位置からはやや下方向きに、下部位置からはやや上方に向けた方向からの差し込みとなるように、基台101自体が、中央部が膨らんだように樽形を呈し、中央部の上下周側面に差し込み口105を開穿配置している。
【0005】
したがって、基台101自体の外形が樽形に限定されることになり、興趣性に欠けるばかりでなく、飛出機構120自体は基台101内で固定的に配置されているために、解除レバー138位置も一定位置にあることになる。それ故、常に特定の差し込み口105から差し込まれる差し込み体110によってのみ飛出バネ126が解除され、基台101に開穿したその特定の差し込み口105が何らかの理由で遊戯者に認識されると、面白味に欠けるものともなる。
【0006】
また特許文献1に示されたゲーム装置では、多段的構成の基台の段部上面に設けられた差し込み口を経た上方からの差し込み体の差し込みで飛出機構を作動させるために、揺動支点を設定した解除部材を段部毎に配置構成する必要があるから、構造的に複雑になる。しかもゲーム性を向上させる等の目的で段部数を多くすると、それは一層複雑になるから、これの組立はますます面倒となるばかりでなく、故障も多くなり、かえってゲーム性を損なうものである。
【0007】
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、基台自体の外形を上部から下部に至るまで同径の筒状に形成可能とすることで、差し込み口を基台の上下方向で例えば3段以上の複数に配置できてデザインの多様性を図り得るものとし、また例えばデコレーションケーキのような複数段の段部形状に基台を構成しても、飛出機構自体を複雑にすることなく、簡素なもので対応可能にし、また故障することなく確実に作動し、ゲーム性を一層向上できるようにしたゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、周側壁4に多数の差し込み口5が開穿配列されて成る中空の基台1と、差し込み口5から基台1内に差し込まれ、差し込み口5に係止保持される差し込み体10と、差し込み体10による押圧で基台1の径方向でスライドする解除バー38によって解除される係止手段31を備え、この係止手段31に係止されることで基台1の上方への飛出傾向に弾発付勢されて基台1上で没入自在な飛出ロッド25を有していると共に、基台1内における中央位置で回転自在にして立脚状に支承されている飛出機構20と、この飛出機構20における飛出ロッド25の上部に、飛出ロッド25の回転方向では一体的に回転して着脱自在に連繋結合される飛出体40とから成るものである。
基台1は、外径が異なる部位を複数にすることで複数段の段差がある階段形状を呈する一方、飛出機構20における解除バー38は、基台1における外径が異なる部位夫々に開穿配列の差し込み口5との間隔が夫々の部位で一定となるように解除作用突部38Aを膨出状に形成してあるものとして構成することができる。
飛出機構20は、基台1における底壁2の支持突部3、上壁6の収納筒部7との間で回転自在に支持される中空筒状の機構筒21と、この機構筒21内に配装した飛出バネ26によって機構筒21上方に飛び出し傾向に弾発付勢されている飛出ロッド25と、飛出バネ26を縮小することで機構筒21内に収納した飛出ロッド25を係止維持する係止手段31と、機構筒21の外側で機構筒21に対して径方向でスライドすることで係止手段31の飛出ロッド25との係止を着脱させるよう機構筒21の高さ方向に沿って配されている解除バー38と、この解除バー38を機構筒21に対してその径方向の一定範囲内でスライド案内させるガイド部45とを備えることで構成することができる。
飛出ロッド25の上部は、機構筒21の上部に形成した支持筒部23に嵌め入れられていると共に、上下方向ではスライド可能にさせ水平方向では機構筒21と共に回転されるよう非円形断面の飛出ロッド25に対応する形状としたスライド口24を開口して構成することができる。
係止手段31は、機構筒21の外側に嵌め合わせられて機構筒21の径方向にスライドし、機構筒21壁に出没して飛出ロッド25の係止フランジ27に係止する係止爪33を備えた係止筒部32と、この係止筒部32を機構筒21の径方向にスライド案内させるよう機構筒21の外側に形成したガイド部34と、係止筒部32の係止爪33を機構筒21内方にスライド傾向に弾発付勢させる復帰係止弾発部35とを備えて構成することができる。
解除バー38は、機構筒21の中心に対して係止爪33の反対側で機構筒21の高さ方向に沿うように配装され、解除バー38の内側に突設した連繋突部39によって係止筒部32と一体化して構成することができる。
ガイド部45は、機構筒21の上下端に機構筒21の径方向に沿って外方に延設された溝状にして構成することができる。
飛出体40は、飛出ロッド25の上部に形成した載置盤29上に結合手段41を介して着脱自在に載置され、この結合手段41は飛出ロッド25の飛出方向に沿っては着脱が可能でも、飛出ロッド25の回転方向では載置盤29と一体的に回転することで着脱自在に連繋結合されることで構成することができる。
【0009】
以上のように構成された本発明に係るゲーム装置にあって、飛出体40を飛出ロッド25の載置盤29に結合手段41を介して連繋セットし、飛出ロッド25を飛出バネ26の弾発力に抗して基台1内に押し込むことで飛出機構20の係止手段31で飛出体40を没入状態で係止保持し、解除バー38位置に対応した所定位置の差し込み口5内に差し込み体10が差し込まれ、差し込み体10が解除バー38を押圧することで係止を解除すると、飛出ロッド25の飛び出し上昇によって飛出体40を基台1上方に飛び出させる。
飛出機構20の解除バー38は、機構筒21の高さ方向に沿うように配装されていることで、基台1の高さ方向に開穿配列の所定の差し込み口5への差し込み体10の差し込みで、その先端が解除バー38に当接すれば、その押圧部位が解除バー38のいずれの位置であっても連繋突部39によって係止手段31の係止筒部32をガイド部45の案内でスライドさせる。その結果、飛出ロッド25を係止している係止爪33の係止を解除させて飛出ロッド25を飛び出させる。その結果、差し込み口5の高さ位置は基台1の上下部のいずれでもよいことで差し込み口5の多様な配列形態等を可能にさせる。
飛出機構20における飛出ロッド25の載置盤29への飛出体40の結合手段41による連繋セットは、飛出体40の回転操作がそのまま飛出ロッド25の、更には飛出機構20自体の回転移相となり、このような基台1内での飛出機構20の回転移相は、解除バー38位置、すなわち解除バー38に対する解除位置を変更させ、差し込み口5を経ての差し込み体10の差し込み解除位置を種々に変動させる。
飛出機構20において、機構筒21の高さ方向に沿って配装されている解除バー38に形成される解除作用突部38Aは、外径が異なる段差部分が設けられることで階段構成となる基台1における各部位に開穿配列される差し込み口5との距離間隔を一定にさせる。そのため、差し込み解除位置となる所定の差し込み口5と解除バー38との間隔を全体が一定長さである差し込み体10長さに対応させ、基台1の外形デザイン等を自在に設定選択可能にし、その自由度を増大させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は以上のように構成されているために、基台1自体の外形を上部から下部に至るまで同径の筒状に形成することも、例えばデコレーションケーキのような複数段の段部形状に形成することも可能となり、しかも差し込み口5を基台1の上下方向で例えば3段以上の複数に配置できることとも相俟ち、基台1自体のデザインの多様性を図り得るものとし、また飛出機構20自体を複雑にすることなく簡素なものとして構成対応可能にしたことで故障することなく確実に作動し、ゲーム性を一層向上できるものである。
【0011】
すなわちこれは本発明において、周側壁4に差し込み口5が開穿配列されて成る基台1と、差し込み口5から基台1内に差し込まれて係止保持される差し込み体10と、差し込み体10による押圧でスライドする解除バー38によって解除される係止手段31を備え、この係止手段31で基台1の上方への飛出傾向に弾発付勢されて係止される飛出ロッド25を有すると共に、基台1内で回転自在に立脚状に支承されている飛出機構20と、飛出ロッド25に、飛出ロッド25の回転方向では一体的に回転して着脱自在に連繋結合される飛出体40とから成るものとしたからであり、これによって、基台1の段部の有無を含めたデザインの多様性、興趣性に富むゲーム性の一層の増大、故障がない確実な作動等を図ることができる。
【0012】
また基台1は、外径が異なる部位を複数にした複数段の段差がある階段形状を呈するものとし、飛出機構20における解除バー38には、基台1における外径が異なる部位夫々に開穿配列の差し込み口5との間隔が夫々の部位で一定となるように解除作用突部38Aを膨出状に形成することで、基台1の外形を例えば階段状のデコレーションケーキを模したものともでき、童幼児にとっては興趣性ある形状となると共に、差し込み体10自体のキャラクターを模した形状の採用と共に全体としての物語性を醸し出す形状とすることができる。
【0013】
飛出機構20は、基台1内で回転自在に支持される中空筒状の機構筒21と、飛出バネ26によって機構筒21上方に飛び出し傾向に弾発付勢されている飛出ロッド25と、飛び出し傾向にある飛出ロッド25を係止維持する係止手段31と、スライドすることで飛出ロッド25の係止を着脱させる解除バー38と、この解除バー38を平行移動的に一定範囲内でスライド案内させるガイド部45とを備えているから、飛出体40を飛出ロッド25上部に載置した状態での押し込みで、飛出バネ26に弾発力を付与した状態で係止手段31によって飛出ロッド25を係止でき、解除バー38のいずれの位置に対する差し込み体10による押圧力でも飛出バネ26の弾発力を解除できる。そのため、基台1に開穿配列する差し込み口5位置は、基台1のいずれの部位であってもよく、また差し込み体10による差し込み方向も基台1内方へのほぼ水平方向に沿うものでよく、構成の簡素化をも図り得る。
【0014】
飛出ロッド25上部の載置盤29には、結合手段41を介して飛出体40が飛出ロッド25自体を回転可能にして載置セットされ、また飛出ロッド25自体は機構筒21と共に回転するようにしてあるから、飛出ロッド25に対する載置セット後の飛出体40の回転は機構筒21、ひいては飛出機構20全体を基台1内で回転させることとなる。そのため、飛出機構20における解除バー38位置は基台1に対して相対的に変動し、飛出ロッド25の係止を解除させる解除バー38に対応する差し込み口5位置を調整変更できるから、差し込み体10を差し込むときの差し込み口5の選択を一層困難にし、興趣性を増大させるのである。
【0015】
係止手段31は、飛出ロッド25を係止する係止爪33を備えた係止筒部32、この係止筒部32をスライド案内させるガイド部34、係止爪33を機構筒21内の飛出ロッド25に係止させるよう弾発付勢させる復帰係止弾発部35を備えていることで、押圧される解除バー38のスライド、その弾発復帰によって飛出ロッド25を飛び出させ、また飛出体40を介して押し込まれる飛出ロッド25を確実に係止することができる。
【0016】
また機構筒21の上下端に機構筒21の径方向に沿って外方に延設された溝状のガイド部45は、これに解除バー38の上下端が係合していることで、係止手段31の復帰係止弾発部35によって機構筒21の径方向に沿って機構筒21の外方に弾発付勢されているとき、差し込み体10による押圧によって機構筒21の径方向への解除バー38のスライドを円滑に案内し、解除、係止の作動を安定化させる。
【0017】
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項夫々において付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付したもので、図面中の符号によって示された構造・形状に本発明が限定されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下図面を参照して本発明を実施するための最良の一形態を説明すると、図において示される符号1は所定の容積を有して中空状に形成された基台であり、この基台1には、その周側壁4に多数の差し込み口5が複数段・列で開穿配列されており、また、差し込み口5のいずれから差し込まれた差し込み体10によって作動されることで、基台1上で没入配置されていた人形体の如き飛出体40を上方に飛び出させる飛出機構20を内蔵させてある。
【0019】
基台1自体は、図1乃至図5にあっては上部、中央部、下部夫々が同径である所定径の円筒状に形成されており、底壁2、周側壁4、上壁6を備え、底壁2の内底面の中央部には円環状に突設した支持突部3を有し、上壁には飛出体40を収納すべく筒状に窪ませるように内方に突設した収納筒部7を有し、これらの支持突部3、収納筒部7夫々によって飛出機構20が支持されることで基台1内に配置されるようにしてある。また、周側壁4には複数の差し込み口5が開穿配列されており、この差し込み口5は例えば基台1の上部、中央部、下部夫々においての上中下の3段で、周方向で適宜間隔毎に配列されている。もとより、この差し込み口5は上下方向で1段あるいは2段更には4段以上であってもよく、また上下方向で同一列状に並んでいる必要もないのである。
【0020】
差し込み体10は、ゲーム者が手指等にて摘む摘み部11と、基台1の差し込み口5内に差し込まれ、飛出機構20における解除バー38に先端が当接する解除端部12と、差し込み口5縁に着脱自在に係合し、差し込み状態を維持させる係合部13とを備えて成る。摘み部11は矩形平板状に形成される場合に限らず、飛出体40の形状等に対応させるように、例えば飛出体40が所要のキャラクターを模した立体的形状であるとき、これに対応するようにそのキャラクターに関連する小物を模した立体的形状に形成することもできる。また、解除端部12及び係合部13が差し込み口5内に差し込まれたとき、その差し込み長さを一定に保持するように差し込み口5の幅員に比し大きくはない係合部13の幅員に比しては大きく、すなわち差し込み口5の幅員に比し摘み部11の幅員を大きくしてある(図1参照)。なお、差し込み方向に沿う解除端部12及び係合部13夫々の長さの合計は、周側壁4位置から飛出機構20における機構筒21本体位置に至る長さに比し小さく、機構筒21本体から突出配置されている解除バー38位置に至る長さに比し大きくはしてある。
【0021】
また、係合部13は、摘み部11側から解除端部12側に至るに伴い少なくとも左右方向のいずれかに次第に膨出ないし屈曲していることで、差し込み口5内への差し込み時には一時的に退避するも差し込み口5内縁で係合する揺動係止片14を備えている(図4参照)。
【0022】
一方、飛出機構20は、基台1における底壁2の支持突部3、上壁6の収納筒部7との間で支持される中空筒状の機構筒21と、この機構筒21内に配装した飛出バネ26によって機構筒21上方に飛び出し傾向に弾発付勢されている飛出ロッド25と、飛出バネ26を縮小することで機構筒21内に収納した飛出ロッド25を係止維持するよう機構筒21壁に出没する係止手段31と、機構筒21の外側で機構筒21に対して径方向でスライドすることで係止手段31の飛出ロッド25との係止を着脱させるよう機構筒21の高さ方向に沿って配された解除バー38と、この解除バー38を機構筒21に対してその径方向の一定範囲内でスライド案内させるガイド部45とを備えて成る。
【0023】
機構筒21は、支持突部3、収納筒部7との間で支持されることで基台1のほぼ中央位置で基台1と二重筒状になり、また基台1に対してこれの内部で回転移相できるように支持突部3、収納筒部7に対しては単に嵌め合い状に支承されている。そのため、例えば支持突部3に対してはこれの内部に嵌め入れられるよう支持突部3内径に対応する外径を備えた支持底部22となっており、収納筒部7に対してはこれの外側に嵌るよう収納筒部7の外径に対応する内径を備えた支持筒部23となっている。そして支持筒部23には、飛出ロッド25の上部を嵌め入れ、上下方向でスライド可能にさせると共に水平方向では機構筒21と共に回転されるよう非円形、例えば断面で十文字形状を呈する飛出ロッド25に対応する開口形状としたスライド口24を開口してある(図4参照)。
【0024】
飛出ロッド25は、機構筒21内における底部に縮装配置したコイル状に巻回された飛出バネ26の弾発的な拡開・縮小作用によって機構筒21の上部で出没自在にして、機構筒21の上方に飛び出すようにしてある。なお、飛出バネ26は、その底部が機構筒21における底部に形成してある筒状に突出した連結部に固着されていて、その上端面は飛出ロッド25の下端面に当接しており、飛出ロッド25を機構筒21内に上方から押し込むことで縮小させた飛出バネ26に対する縮小状態の解除によって急激に原形に復するように拡開することの弾発作用で、飛出ロッド25を機構筒21上方に飛び出させるようにしてある。
【0025】
飛出ロッド25には、この飛出ロッド25自体を機構筒21内に押し込んだときに、係止手段31に係止する係止フランジ27を備え、弾発拡開する飛出バネ26による弾発作用で機構筒21上方に飛び出すときに、飛出ロッド25の上部に載置されている飛出体40に対して慣性作用で更に基台1の上方に飛び出させるようにするために、スライド口24下縁に係合する規制フランジ28を備えている。また、この飛出ロッド25の上部には、スライド口24の上方に位置して前記収納筒部7内外で出没・昇降する載置盤29を設けてあり、この載置盤29は後述のように飛出体40が載置セットされるときに、この載置盤29に飛出体40を着脱自在にしてほぼ一体化させる結合手段41を形成してある。
【0026】
係止手段31は、機構筒21の外側に嵌め合わせられて機構筒21の径方向にスライドすることで、機構筒21に開穿してある係止スライド孔24Aに出没して係止フランジ27に係止する係止爪33を備えた係止筒部32と、この係止筒部32を機構筒21の径方向にスライド案内させるよう機構筒21の外側に形成したガイド部34と、係止筒部32の係止爪33を機構筒21内方にスライド傾向に弾発付勢させる復帰係止弾発部35とを備えて成る。
【0027】
係止筒部32は機構筒21の外径に比しやや大きい内径を備えるも、係止爪33が係止フランジ27と係脱自在となるように機構筒21の径方向にのみスライドされるように好ましくは断面でやや長円形状とされ、また図示のように係止爪33が係止スライド孔24Aに常時係合状態にあるように配慮されるものとする。この係止筒部32自体は、機構筒21の中心位置に対して係止爪33位置とは反対側からの解除バー38に対する差し込み体10の差し込み操作で機構筒21外方にスライドするようになっている。
【0028】
ガイド部34は、係止筒部32を機構筒21の径方向で安定してスライドさせるように、係止筒部32を上下から挟むようにして係止筒部32の上下位置で突状、フランジ状等にして形成してある。また復帰係止弾発部35は係止筒部32における係止爪33側で係止筒部32に一体状に設けた複数の鰭状のスライド端部36と、機構筒21外側とに巻回される輪ゴムの如きものとされる。もとより、この復帰係止弾発部35はコイルスプリング、板バネその他の弾性材にて代用することが可能であるのは勿論である。
【0029】
また解除バー38は、前記差し込み体10による基台1内への差し込みで強制的に機構筒21内方側に押圧されるとき、係止手段31の係止筒部32を機構筒21の径方向にスライドさせて係止爪33を係止フランジ27から解除させるもので、機構筒21の中心に対して係止爪33の反対側に配置されていて、断面でほぼ溝形を呈している。この解除バー38自体は機構筒21の高さ方向に沿うように配装され、解除バー38の内側に突設した連繋突部39によって係止筒部32と一体化してあり、こうすることで解除バー38のいずれの位置が、すなわち上部あるいは下部が押圧されても連繋突部39を介して係止筒部32が確実に移動するように、解除バー38を平行移動的にスライドするように配慮してある。
【0030】
なお、場合によっては連繋突部39部位で、係止筒部32、解除バー38夫々が分離されていることもあり、いずれにしても解除バー38に対する外方からの押圧、しかもこの押圧作用が解除バー38のいずれの部位に対するものであっても連繋突部39を介して係止筒部32を作動させ、これによって係止筒部32がスライドして飛出ロッド25の係止フランジ27に対する係止を解除させ、飛出ロッド25の急激な上昇が得られるようにしてあれば足りる。
【0031】
また、この解除バー38を機構筒21の外側で機構筒21の径方向に沿ってスライド案内するガイド部45は、機構筒21の上下端に機構筒21の径方向に沿って外方に延設された溝状に形成されている。そして、下部にあっては機構筒21の底部近傍位置で外方に突設した突部上面に溝部を形成することで、上部にあっては前記支持筒部23底面に溝部を形成することで設けてあり、上下の夫々の溝部内に解除バー38の上下端が係合状態でスライドすることで、解除バー38が機構筒21の径方向に沿って傾くことなく円滑にスライドされるようにしてある。
【0032】
飛出ロッド25上部の載置盤29上に載置される飛出体40は、結合手段41を介して載置盤29に、飛出ロッド25の長さ方向すなわち飛出方向に沿っては着脱が可能でも、飛出ロッド25の回転方向すなわち基台1の上方からみての時計・反時計方向では載置盤29と一体的に回転するものとして、着脱自在に連繋結合されるようになっている。そのための結合手段41は、飛出体40の底部に平面でほぼ正方形状を呈し、底面に至るに伴い次第に僅かに大形となる嵌め入れ突部42を有し、載置盤29の上面に嵌め入れ突部42が嵌め入れられる平面でほぼ八角星形状を呈し、底部に至るに伴い次第に僅かに大形となる嵌め入れ凹部43を有して成るのである。こうすることで、結合手段41における嵌め入れ突部42を嵌め入れ凹部43内に強制的にでも嵌め入れることで、飛出体40を載置盤29に嵌め入れ状態で連繋セットでき、飛出ロッド25の上方への飛び出し時に規制フランジ28がスライド口24に係止したとき、その飛び出し力の慣性作用で飛出体40が載置盤29から外れ、上方に飛び出すのである。また、飛出体40が載置盤29に不回転な状態で嵌め入れられていることで飛出体40を水平方向で回転させると、飛出機構20自体も基台1内で回転移相し、飛出体40の向き例えばその正面を基台1の任意な方向に設定でき、その結果、基台1の差し込み口5と飛出機構20における解除バー38位置とを自在に変更し、解除バー38に関連する差し込み口5位置をゲーム者にとって不明なものとさせ、差し込み体10の差し込み位置の選択につき興趣性を一層増大できるのである。
【0033】
なお、嵌め入れ凹部43の八角星形状は嵌め入れ突部42が嵌め入れられるときの飛出体40の向きの方向性を任意に設定可能にするためであり、上記のように正方形−八角星形状の組み合わせに限らず、正三角形−六角星形状、正五角形状−十角星形状その他の組み合わせとすることも可能である。また図中符号46は載置盤29上面と飛出体40下面とを位置合わせさせる凹凸部である。
【0034】
また図6においては他の実施の形態が示されており、図示のように基台1を外径が異なる部位を複数にすることで複数段の段差がある階段形状、例えば段差があるデコレーションケーキ状の構成とし、飛出機構20における解除バー38に、基台1における外径が異なる部位夫々に開穿配列の差し込み口5との間隔が夫々の部位で一定となるように解除作用突部38Aを膨出状に形成したものである。すなわち図示例のように、基台1においては、その外形が、最底部に最大径となる第1段部51、この第1段部51に比しやや小径な第2段部52、更にこの第2段部よりも小径な第3段部53の3段構成にすると共に、第1段部51、第2段部52夫々に差し込み口5を開穿配列して成る。
【0035】
一方、飛出機構20においては、その解除バー38が、第1段部51位置に対応する最下部において、差し込み口5から差し込まれる差し込み体10の解除端部12が到達する位置となるように側面からみてほぼコ字形に膨出させた解除作用突部38Aを設けてある。なお、この図例にあっては第2段部52の外径は上記の実施の形態における基台1の外径とほぼ同径にしてあることで、この第2段部52位置に対応する解除バー38位置には解除作用突部38Aは設けられていない。もとより、差し込み口5から解除バー38に至る間隔が差し込み体10における解除端部12、係合部13の合計長さに比し大きい場合には、それに対応する差の間隔で解除作用突部38Aが設けられ、また必要があれば、基台1の段部形状に対応させて解除バー38における解除作用突部38Aが突部状、段差状等で複数にして形成されるものである。
【0036】
なお、飛出機構20の基本的構成は上記の実施の形態におけるものと同様であり、解除バー38のスライド構成を案内規制する溝部による案内構成も同様なものである。
【0037】
更には図示を省略したが、この解除作用突部38A自体は、解除バー38のスライド方向に沿うように機構筒21の径方向に対応して膨出形成される場合に限らず、スライド方向とは異なる方向で膨出形成されることもあり、こうすることで、解除バー38に対する差し込み体10の差し込み方向が異なる方向からのものとさせることも可能となり、一層の興趣性を増大させることができる。
【0038】
次にこれの使用の一例を説明するに、飛出機構20を内装させてある基台1を所定のゲーム遊戯面例えば机上に置き、飛出体40を飛出ロッド25の載置盤29に結合手段41を介して載置セットして飛出ロッド25を飛出機構20内に押し込み、必要があれば飛出体40によって飛出ロッド25を回転させることで飛出機構20全体の向きを基台1内で変更する。このときの向き変更は不透明な基台1内で飛出機構20が回転移相されているから、ゲーム者にとっては全く不明であり、興味を殺ぐことはない。この状態で、ゲーム者は順番にでも夫々の差し込み体10を任位置の差し込み口5に差し入れるのであり、所定の差し込み口5から差し込まれた差し込み体10先端の解除端部12が飛出機構20の解除バー38に接触到達すると解除バー38が押圧される。すると係止手段31が解除されることで、飛出ロッド25が飛出バネ26の弾発力で瞬時に基台1の上方に飛び出し、飛出体40を基台1上方に飛び出させるのである。
【0039】
そして、基台1の差し込み口5に差し込まれた差し込み体10を基台1から抜き出し、取り外す一方、基台1から飛び出した飛出体40は、これを再度、載置盤29上に載せ、必要があれば基台1内で飛出機構20を回転移相させて次回のゲームに備えるのである。なお、ゲーム勝者の判定は、最後に至るまで解除バー38を作動させることがなかった者、または先に飛出体40を飛び出させた者を勝者とするのであり、任意に取り決める。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明を実施するための最良の形態を示す断面図である。
【図2】同じく飛出機構が縮小待機状態にあるときの断面図である。
【図3】同じく飛出機構の外観斜視図である。
【図4】同じく図1における要部横断面図である。
【図5】同じく飛出ロッドと飛出体との結合手段における分解縦断図である。
【図6】同じく他の実施の形態における断面図である。
【図7】従来例における断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1…基台 2…底壁
3…支持突部 4…周側壁
5…差し込み口 6…上壁
7…収納筒部
10…差し込み体 11…摘み部
12…解除端部 13…係合部
14…揺動係止片
20…飛出機構 21…機構筒
22…支持底部 23…支持筒部
24…スライド口 24A…係止スライド孔
25…飛出ロッド 26…飛出バネ
27…係止フランジ 28…規制フランジ
29…載置盤
31…係止手段 32…係止筒部
33…係止爪 34…ガイド部
35…復帰係止弾発部 36…スライド端部
38…解除バー 38A…解除作用突部
39…連繋突部
40…飛出体 41…結合手段
42…嵌め入れ突部 43…嵌め入れ凹部
45…ガイド部 46…凹凸部
101…基台 104…周側壁
105…差し込み口 110…差し込み体
120…飛出機構 121…機構筒
125…飛出ロッド 126…飛出バネ
131…係止手段 135…復帰弾発バネ
138…解除レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周側壁に多数の差し込み口が開穿配列されて成る中空の基台と、差し込み口から基台内に差し込まれ、差し込み口に係止保持される差し込み体と、差し込み体による押圧で基台の径方向でスライドする解除バーによって解除される係止手段を備え、この係止手段に係止されることで基台の上方への飛出傾向に弾発付勢されて基台上で没入自在な飛出ロッドを有していると共に、基台内における中央位置で回転自在にして立脚状に支承されている飛出機構と、この飛出機構における飛出ロッドの上部に、飛出ロッドの回転方向では一体的に回転して着脱自在に連繋結合される飛出体とから成ることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
基台は、外径が異なる部位を複数にすることで複数段の段差がある階段形状を呈する一方、飛出機構における解除バーは、基台における外径が異なる部位夫々に開穿配列の差し込み口との間隔が夫々の部位で一定となるように解除作用突部を膨出状に形成してある請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
飛出機構は、基台における底壁の支持突部、上壁の収納筒部との間で回転自在に支持される中空筒状の機構筒と、この機構筒内に配装した飛出バネによって機構筒上方に飛び出し傾向に弾発付勢されている飛出ロッドと、飛出バネを縮小することで機構筒内に収納した飛出ロッドを係止維持する係止手段と、機構筒の外側で機構筒に対して径方向でスライドすることで係止手段の飛出ロッドとの係止を着脱させるよう機構筒の高さ方向に沿って配されている解除バーと、この解除バーを機構筒に対してその径方向の一定範囲内でスライド案内させるガイド部とを備えている請求項1または2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
飛出ロッドの上部は、機構筒の上部に形成した支持筒部に嵌め入れられていると共に、上下方向ではスライド可能にさせ、水平方向では機構筒と共に回転されるよう非円形断面の飛出ロッドに対応する形状としたスライド口を開口してある請求項2または3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
係止手段は、機構筒の外側に嵌め合わせられて機構筒の径方向にスライドし、機構筒壁に出没して飛出ロッドの係止フランジに係止する係止爪を備えた係止筒部と、この係止筒部を機構筒の径方向にスライド案内させるよう機構筒の外側に形成したガイド部と、係止筒部の係止爪を機構筒内方にスライド傾向に弾発付勢させる復帰係止弾発部とを備えている請求項1乃至4のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
解除バーは、機構筒の中心に対して係止爪の反対側で機構筒の高さ方向に沿うように配装され、解除バーの内側に突設した連繋突部によって係止筒部と一体化してある請求項1乃至5のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項7】
ガイド部は、機構筒の上下端に機構筒の径方向に沿って外方に延設された溝状にして成る請求項5または6に記載のゲーム装置。
【請求項8】
飛出体は、飛出ロッドの上部に形成した載置盤上に結合手段を介して着脱自在に載置され、この結合手段は飛出ロッドの飛出方向に沿っては着脱が可能でも、飛出ロッドの回転方向では載置盤と一体的に回転することで着脱自在に連繋結合されるものとしてある請求項1乃至7のいずれかに記載のゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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