説明

ゲーム装置

【課題】相手の遊戯者と対戦して、しかも遊戯者の身体動作が勝敗に影響を与える格闘タイプのゲーム装置を提供する。
【解決手段】複数の遊戯者がそれぞれリストユニット200とヘッドユニット100とを装着する。各遊戯者が身体に装着するリストユニット200は、遊戯者の所定の身体動作を攻撃動作として検出する動作検出部220と、送信部260とを備えている。またヘッドユニット100は、指向性を有する信号のみを受信可能に構成されている。送信ユニット100は、遊戯者の攻撃動作が動作検知部220により検出されたときに、相手の遊戯者のヘッドユニット100に送信部から指向性を有する信号を送信するように構成されている。このゲーム装置では、動作検出部220により攻撃動作が検出されたときに相手の遊戯者の送信部260から送信された指向性を有する信号を、遊戯者のヘッドユニット100が受信したか否かに基づいて勝敗を競う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊戯者の身体動作に基づいて動作ポイントを定めて競うゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開平6−285249号公報には、遊戯者が装着するグローブに加速度センサを装着し、グローブの動きを加速度センサで検出して遊戯者の身体動作を検出する技術を用いたゲーム装置の一例が開示されている。また特開平7−24143号公報には、ゲーム装置本体に赤外線受光手段を設け、遊戯者が装着するグローブに設けられた加速度センサの出力に基づいて赤外線発光手段を発光させ、その赤外線をゲーム装置本体側で受光することにより、このゲーム装置本体に設定されたゲームキャラクタを攻撃するタイプの格闘ゲーム装置の一例が示されている。
【特許文献1】特開平6−285249号公報
【特許文献2】特開平7−24143号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記したような従来のゲーム装置では、あくまで遊戯者は、プログラムにより制御された機械と仮想的に戦うものであり、実在する他の遊戯者と格闘を模したゲームを行うことはできなかった。換言すれば、複数遊戯者の身体動作をそれぞれ検出し、各遊戯者の攻撃動作に基づいて、実際の相手遊戯者を仮想的に攻撃したり、相手遊戯者からの仮想的な攻撃を防御するような格闘タイプのゲーム装置を実現することはできなかった。
【0004】
また従来より、例えば銃を模した光線発信装置(すなわち光線銃)の引き金が引かれた際に銃口部より指向性のある光線を発信し、この光線が別途用意された受光部(すなわち的)に命中したか否かを判断する玩具がある。また、上記のような光線銃および的を複数の遊戯者が有して互いに光線が命中したか否かを競う対戦型の玩具も存在する。
【0005】
これらの玩具は、実在する他の遊戯者と銃を用いた戦闘を模したゲームを行うことはできるものの、単に遊戯者が引き金を操作することで光線を発するに過ぎず、遊戯者のパンチ動作等の複雑な身体動作を検知し、これを信号処理して他の遊戯者と送受信することで、空手、ボクシング等の格闘を行っているかのように遊戯者同士が対面してゲームを行うことができるものではなかった。
【0006】
一方、上記特開平6−285249号公報や特開平7−24143号公報に開示されているような従来のゲーム装置では、遊戯者の身体の動きは検出するものの、動きの種類に応じて相手の遊戯者にゲーム上仮想的に加えられるダメージポイントに影響を与えることがなく、単純な攻撃動作だけでゲームが進行してしまい、ゲームのバリエーションを増やすことが困難であった。
【0007】
本発明の目的は、実在する他の遊戯者と対面して格闘を模した対戦を非接触ですることができ、しかも遊戯者のパンチ等の身体動作によりゲームを進行させることが可能な従来にないゲーム装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、身体動作の組み合わせによりバリエーションを高め、いわゆる連続攻撃や特殊な攻撃を容易に設定可能なゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のゲーム装置は、複数の遊戯者がそれぞれ身体に装着する動作検知部、送信部、受信部及び判断処理部から構成される。送信部は、動作検出部により身体動作が検出されたときに、所定の指向性を有する信号を送信する。また受信部は、他の遊戯者からの上記指向性を有する信号を受信可能に構成されている。判断処理部は、受信部による受信結果に応じたゲーム内容の判断(例えば勝敗の判断)をする。そしてこのゲーム装置では、受信部が他の遊戯者に装着された送信部から送信された上記指向性を有する信号を受信したか否かに基づいてゲームを進行し、例えば勝敗を競う。このように本発明によれば、実在する他の遊戯者と格闘を模したゲームを行うことが可能となる。
【0010】
ここで、遊戯者の身体動作が所定の動作(例えばパンチ等を模した攻撃動作)でなければ、攻撃のための信号(例えば赤外線信号)が送信部から送信されることがない。したがって遊戯者が、所定の身体動作を行わない限り、他の遊戯者をゲーム上攻撃することができない。そのため、このゲームは、実際の格闘と同様な身体動作を行うことにより進行するため、リアリティが向上する。遊戯者は、予め所定の身体動作を覚えていなければ、ゲーム上優位になることが困難になる。これは、実際の格闘がいわゆる型を覚えなければ有効な攻撃ができないのと同様である。
【0011】
動作検出部には、例えば、互いに異なる2方向以上の加速度を検出可能な1つ以上の加速度センサを設けてもよい。この場合、送信ユニットは、加速度センサの出力に基づいて攻撃動作を検出するように構成する。なお加速度センサとして、X軸,Y軸,Z軸の加速度を検出できるものを用いてもよいのは勿論である。加速度センサの出力を利用すると、身体動作の方向だけでなく、その強さも検出することができるので、身体動作の検出精度を高めることができる。
【0012】
また動作検出部としては、遊戯者の身体動作の動作方向及び/または動作強度を検出できる機能を有しているものを用いることができる。そして動作検出部により検出した動作方向及び/または動作強度に基づいてポイントを発生する動作ポイント発生装置を判断処理部に設ける。そしてこの動作ポイント発生装置は、予め身体動作を複数種類の個別動作と、複数種類の個別動作から選択された2以上の個別動作の組合せからなる複数種類の連続動作として分類する機能を有する。また動作ポイント発生装置は、動作検出部が検出する動作方向及び/または動作強度に基づいて、複数種類の個別動作及び複数種類の連続動作を判別して判別結果を出力し、この判別結果と複数種類の個別動作及び複数種類の連続動作について予め定めたポイントとに基づいて動作ポイントを発生するように構成されている。このような動作ポイント発生装置を用いれば、この動作ポイント発生装置が発生する動作ポイントに基づいて容易に勝敗を決定することができる。従って、動作検出構造や動作検出処理が複雑になることなく検出可能な身体動作の種類を増やすことができ、ゲームのバリエーションを増やすことができる。
【0013】
特に、連続動作が行われたときに得られるポイントを、連続動作を構成する2以上の個別動作により個別に得られるポイントを加算したポイントよりも高いポイントにするように、動作ポイント発生装置を設定する。このようにすると、個別動作よりも複雑な連続動作を行った場合のほうが、動作ポイントがアップする(例えば攻撃力が高くなる)ので、連続動作を行うのかまたは個別動作を行うのかを、ゲームの進行過程において戦略的に選択することができる。そのため更にゲームのバリエーションを増やすことができ、遊戯者のゲームに対する興味を高めることができる。
【0014】
遊戯者に信号を受信する的を受信部として装着し、判断処理部には的に信号が命中したか否かを判定する命中判定手段と、相手の遊戯者から与えられた動作ポイントを積算する被動作ポイント積算部とを設ける。被動作ポイント積算部は、命中判定手段が命中を判定した場合にのみその信号から動作ポイントを積算するものである。このようにすると、正確に勝敗を決定することが可能になる。
【0015】
なお本発明で採用しているポイント発生の基本思想は、送信部、受信部、赤外線発生手段等を用いる場合にのみその利用が限定されるものではない。例えば、遊戯者の主たる身体動作の動作方向及び/または動作強度を検出できる機能を有する動作検出部と、動作検出部により検出した動作方向及び/または動作強度に基づいてポイントを発生する動作ポイント発生装置とを備えたゲーム装置のすべてに、前述のポイント発生の基本思想は適用できるものである。一般的に動作ポイント発生装置を特定すると、動作ポイント発生装置は、予め身体動作を複数種類の個別動作と、複数種類の個別動作から選択された2以上の個別動作の組合せからなる複数種類の連続動作として分類し、動作検出部が検出する動作方向及び/または動作強度に基づいて、複数種類の個別動作及び複数種類の連続動作を判別してその判別結果と各動作について予め定めたポイントとに基づいて動作ポイントを発生するように構成される。そして動作ポイント発生装置は、連続動作が行われたときに得られるポイントを、連続動作を構成する2以上の個別動作により個別に得られるポイントを加算したポイントよりも高いポイントに設定する。
【0016】
一般的なゲーム装置に本発明を適用する場合には、複数の遊戯者の身体のそれぞれに、少なくとも動作検出部と信号の受信に用いる的と送信部とを装着すればよい。またこの場合、複数の遊戯者毎に他の遊戯者に装着された送信部から送信された信号が的に命中した場合にのみ、受信した信号から動作方向及び/または動作強度に応じた動作ポイントを積算する複数の被動作ポイント積算部を更に設ける。ここで、例えば上記動作とは異なる所定の身体動作を検出することにより、または遊戯者に装着された送信部、受信部等に付設されたスイッチを操作することにより上記被動作ポイントを変化させるようにしても良い。これにより、遊戯者の攻撃動作だけでなく守りの動作も重要なゲームの要素とした格闘タイプのゲーム装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は、二人の遊戯者が本発明の格闘タイプのゲーム装置を用いて格闘ゲームを行っている状態を概略的に示す図である。二人の遊戯者A及びBは、それぞれ頭部に受信部を内蔵するヘッドユニット100A,100Bを装着しており、また手首より先に送信部を内蔵するリストユニット200A,200Bを装着している。この装置では、遊戯者の動作に基づいて設定される主動作ポイントに応じて、他の遊戯者の被動作ポイントが設定される。すなわち、遊戯者Bが、手首を図のX軸方向、またはY軸方向に動かすと、リストユニット200Bはその動きに応じた動作ポイントを内部で発生する。そしてこの動作ポイントは、遊戯者Aのヘッドユニット100Aに設けた信号を受信する的に、リストユニット200Bの後述する送信部から出力される信号と共に送信される。遊戯者Aのヘッドユニット100Aは、その信号を受信することにより遊戯者Bの動作ポイントを遊戯者Bの主動作ポイントとして受信し、遊戯者Aの被動作ポイントとして記憶する。
【0019】
このようにこの実施例では、指向性を有する信号を送受信することにより、各遊戯者が、互いにヘッドユニット100及びリストユニット200を他の遊戯者に向けて、信号を送受信した場合にのみ、被動作ポイントを設定する。その結果、遊戯者の意図しない動作に基づき信号が送受信されて、被動作ポイントが設定される可能性を低減できる。
【0020】
格闘タイプのゲーム装置において、遊戯者の身体動作は攻撃動作または守備動作となる。特に攻撃動作により発生する主動作ポイントは、相手に対する攻撃力に対応する攻撃ポイントとなる。したがってこの主動作ポイントを受けて発生する被動作ポイントは、相手から受けた攻撃による自分の損傷度合いに対応する損傷ポイントとなる。
【0021】
このようなゲーム装置では、遊戯者A、Bは、例えば拳闘や空手の動作または型を相手に対して見せる。そしてこの動作により発生した自らの攻撃ポイント(主動作ポイント)を相手の遊戯者に送信して相手の遊戯者の損傷ポイント(被動作ポイント)を増加させる。このようにすれば相手の遊戯者と非接触な状態で模擬的に相手と闘うことができる。
【0022】
ヘッドユニット100A、ヘッドユニット100Bは同時受送信可能であり、リストユニット200A、リストユニット200Bは同時送受信可能である。また図1の例において、X軸方向とは、遊戯者が腕を伸ばす方向、Y軸方向とは、X軸方向と直交する方向である。実際には、リストユニットの内部に配置するセンサの取付状態によってX軸方向及びY軸方向が定まることになる。よってこれらの方向は、一義的に定まるものではない。
【0023】
図2は、ユニット支持体204の上に配置されたリストユニット200の平面図であり、図3は遊戯者の手に装着した状態の側面図である。リストユニット200は、遊戯者の手の甲の上に装着されるユニット支持体204の上に取付けられている。そしてリストユニット200の表面部には、プッシュ式のスタートスイッチ202と、リストユニット200の電源をオンオフするオンオフスイッチ203と、従動作入力スイッチ255と、送信部260と、リストユニット表示部295とが設けられている。送信部260は、前方への指向性を持った信号としての赤外線信号を、所定の条件が揃ったときに出力する。ゲーム中は、送信部260から出力される赤外線信号は、遊戯者のシューティング動作により、他の遊戯者のヘッドユニット100の受信部130(図4)に向けて送信される。
【0024】
可撓性を有する材料により形成されたユニット支持体204の裏面側には、遊戯者の指が挿入されるフィンガー挿入バンド205とフィンガー挿入バンド206とが設けられている。またユニット支持体204には、ユニット支持体204の基部を遊戯者の手首に固定するためのリスト固定バンド208が設けられている。フィンガー挿入バンド205に指先を挿入し、フィンガー挿入バンド206に指の付け根を挿入し、リスト固定バンド208を手首に各々取り付けることにより、ユニットは遊戯者の手首の先に固定される。なお図2及び3の例では、遊戯者が腕を伸ばす方向をX軸方向とし、X軸方向と直交する方向をY軸方向としている。
【0025】
図4及び図5は、遊戯者の頭部に装着したヘッドユニット100の取り付け状態を示す正面図及び側面図である。ヘッドユニット100は、正面に、受信部130と、ヘッドユニット表示部142とを有し、側面にオンオフSW150を有する。受信部130は、送信部260から投光(送信)された、指向性を持った信号としての赤外線を受光し、受光した信号を電気信号に変換して出力する。ヘッドユニット表示部142には、被動作ポイント等が表示される。ヘッドユニット100は、側面にスピーカー144を有している。またヘッドユニット100には、後述する受信信号線110及び報知信号線120が接続されている。ヘッドユニット100は、また、ヘッドトップ固定バンド102と、ヘッドバック固定バンド104とを備えており、これらのバンドにより遊戯者の頭部に装着される。
【0026】
図6は、ヘッドユニット100とリストユニット200とから構成される一人の遊戯者が使用するゲーム装置ユニット20の一例の構成を示すブロック図である。なおヘッドユニット100とリストユニット200とは、受信信号線110と報知信号線120により接続されている。
【0027】
ヘッドユニット100は、受信部130と、ヘッドユニット報知部140とを有している。リストユニット200は、スタートスイッチ202、判断処理部211、記憶部210、動作検出部220、減算動作ポイント設定部251(従動作入力検知部250、従動作入力スイッチ255とからなる)、送信部260、チェック信号発生部265、リストユニット報知部290を有する。判断処理部211は、動作ポイント発生装置230、命中判定手段212、被動作ポイント設定部240、被動作ポイント積算部245、受信判断部270、制御部280を有している。
【0028】
本例では、受信信号線110と報知信号線120は有線として示しているが、受信信号線110及び報知信号線120を用いる代わりに無線通信を用いてもよい。
【0029】
受信部130は、信号を受信する的として機能する。他の遊戯者の送信部260が投光する赤外線を受光すると、受信部130は、受光した赤外線に応じた信号を、受信信号線110を介して動作ポイント発生装置230、被動作ポイント設定部240、受信判断部270、制御部280へと出力する。
【0030】
ヘッドユニット報知部140は、ヘッドユニット表示部142と、スピーカー144とを備えている。ヘッドユニット報知部140は、制御部280から出力される信号を報知信号線120を介して入力し、入力に応じた内容をヘッドユニット表示部142に表示し、スピーカー144から入力に応じた音声を出力する。
【0031】
スタートスイッチ202は、リストユニット200を始動させるためのスイッチである。記憶部210は、遊戯者が行うべき動作に関する情報、及びこの情報に対応付けられた対応ポイントを記憶している。主動作ポイント設定部231内の動作判別部232からの要求に応じて、記憶部210に記憶されている記憶内容は動作判別部232へと入力される。
【0032】
動作検出部220は、遊戯者の身体動作を検出するものであり、遊戯者の主たる身体動作の動作方向及び動作強度を検出できる機能を有している。なお動作検出部220としては、動作方向及び動作強度のいずれか一方を検出できるものあってもよい。動作検出部220は、各々異なる方向の加速度を検知する複数の加速度センサとして、X軸加速度センサ222、Y軸加速度センサ224を有している。この複数の加速度センサの出力に基づき、異なる方向の遊戯者の動作方向と動作強度を区別して検出し、動作判別部232へ出力する。なお動作検出部220は、遊戯者の一方向の動作のみを検出する機能を有するものでもよい。
【0033】
本実施の形態では、動作検出部220は、手首の先に装着されるリストユニット200に備えられているため、遊戯者の腕全体の動作のみならず、遊戯者の手首の動作についても、X軸、Y軸方向で区別して検知することができる。
【0034】
なお、変形例としては、動作検出部220と同じ動作検出部が、リストユニット200以外の部分、例えば遊戯者の足に装着されてもよい。その場合、動作検出部220と、遊戯者の足に装着された動作検出部は、遊戯者の異なる部位(手首より先、足)の動作を検出する。
【0035】
動作ポイント発生装置230は、主動作ポイント設定部231と動作判別部232を備えており、記憶部210の出力と動作検出部220の出力に基づき、主動作ポイントを設定し、送信部260、制御部280へ出力する。
【0036】
命中判定手段212で的に信号が命中されたか否か判定された後、命中されたと判定された場合、被動作ポイント設定部240は、受信部130から出力される他の遊戯者の主動作ポイントに基づき、被動作ポイントを設定し、被動作ポイント積算部245、制御部280へ出力する。被動作ポイント設定部240は、従動作入力検知部250の出力にも応じて、被動作ポイントを設定する。
【0037】
被動作ポイント積算部245は、被動作ポイント設定部240と受信判断部270の出力に基づき、被動作ポイントを積算した積算ポイントを記憶し、積算ポイントが所定値に達したか否かを判断し、これらを送信部260、制御部280へ出力する。
【0038】
従動作入力検知部250は、遊戯者が従動作入力スイッチ255を押すと、遊戯者による従動作入力を検知し、主動作ポイント設定部231、被動作ポイント設定部240、制御部280へ出力する。なお、従動作入力は、対戦型ゲームシステムでは、防御入力と呼ぶ。この例では従動作入力スイッチ255と従動作入力検知部250とにより、減算動作ポイント設定部が構成されている。
【0039】
変形例として、従動作入力検知部250と同じ動作入力検知部が、遊戯者の反対腕に装着されてもよい。その場合、従動作入力検知部250は、動作検出部220が、遊戯者が行った特定の動作を検出すると、遊戯者による従動作入力として検知する。
【0040】
送信部260は、主動作ポイント設定部231の出力、被動作ポイント積算部245の出力、チェック信号発生部265が所定時間毎に発生するチェック信号、に応じた赤外線を、他の遊戯者の受信部130へ投光する。ここで、送信部260は、予め設定された範囲よりも広がらないような指向性を有する赤外線を投光、送信する。
【0041】
受信判断部270は、予め定めた周波数の赤外線信号のみを受信可能であって、受信部130からの出力に基づき、自らの送信部260からのチェック信号を受信したか否か判断し、判断結果に応じた信号を被動作ポイント積算部245、制御部280へ出力する。
【0042】
制御部280は、主動作ポイント設定部231、被動作ポイント設定部240、被動作ポイント積算部245、従動作入力検知部250、受信判断部270、受信部130からの出力に基づき、ヘッドユニット報知部140、リストユニット報知部290へ報知制御信号を出力する。
【0043】
リストユニット報知部290は、リストユニット表示部295を備えており、制御部280から報知制御信号を入力すると、入力に応じた内容をリストユニット表示部295に表示する。
【0044】
本実施形態では、ヘッドユニット報知部140とリストユニット報知部290をまとめて「報知部140、290」と呼ぶ。
【0045】
記録媒体298は、ポイント設定装置20に備えられたコンピュータを動作させるプログラムを格納する。記録媒体298は、機能構成として、記憶モジュール、動作検出モジュール、主動作ポイント設定モジュール、被動作ポイント設定モジュール、被動作ポイント積算モジュール、従動作入力検知モジュール、送信モジュール、チェック信号発生モジュール、受信判断モジュール、制御モジュールとを有する。
【0046】
このプログラムに含まれる各モジュールがコンピュータに行わせる処理は、それぞれポイント設定装置20における対応する機能部の動作と同一であるから説明を省略する。
【0047】
図7は、動作検出部220が行う処理のフローチャートである。まず動作検出部220は、X軸加速度センサ222の出力電圧がしきい値Vxを超えたか否か判断する(S100)。
【0048】
しきい値Vxを超えた場合には、動作検出部220は、X軸加速度センサ222の出力電圧が、しきい値Vxより大きいしきい値Vxmを超えたか否か判断する(S110)。超えた場合には、動作検出部220は、X軸方向の強い動作があったことを検出する(S120)。
【0049】
一方、ステップS110でX軸加速度センサ222の出力電圧がしきい値Vxm以下の場合には、動作検出部220は、X軸方向の弱い動作があったことを検出する(S130)。
【0050】
また、ステップS110でX軸加速度センサ222の出力電圧がしきい値Vx以下の場合には、動作検出部220は、Y軸加速度センサ224の出力電圧が、しきい値Vyを超えたか否か判断する(S140)。しきい値Vyを超えた場合には、動作検出部220は、Y軸方向の動作があったことを検出する(S150)。
【0051】
以上、図7に示すフローチャートによれば、動作検出部220は、異なる方向の動作を区別して検出することができる。すなわち、動作検出部220は、複数方向及び/または複数強度の身体動作を検出する。
【0052】
さらに本実施形態では、遊戯者がX、Y軸方向に対してななめ方向に動作をした場合、X軸加速度センサ222、Y軸加速度センサ224は同時に出力電圧を発生する。
【0053】
ここで、動作検出部220は、X軸方向の出力電圧を先に判断しているので(S100)、X軸加速度センサ222、Y軸加速度センサ224から同時に出力電圧が発生した場合に、Y軸加速度センサ224の出力電圧を無視することができる。
【0054】
これにより、X軸加速度センサ222は、遊戯者がX軸方向に腕を伸ばした際に、腕がY軸方向にぶれることにより生じるY軸加速度センサ224の出力電圧を、遊戯者のY軸方向への動作であると誤検出する可能性が低減する。
【0055】
本実施形態に従う対戦型ゲームシステムでは、以上の構成に基づき、以下のルールに従うポイント設定システムを提供する。
【0056】
(1)個別動作に基づき設定される攻撃ポイントよりも、複数動作に基づく攻撃ポイントを高く設定する。
【0057】
(2)相手の攻撃ポイントを受けた場合、何もしないと、相手の攻撃ポイントをそのまま損傷ポイントとして設定する。
【0058】
(3)相手の攻撃ポイントを受ける直前に、防御入力をすると、相手の攻撃ポイントから所定値減算した値を損傷ポイントとして設定する。
【0059】
(4)一方の遊戯者の損傷ポイントの積算ポイントが所定値に達すると、プレイを終了する。
【0060】
(5)複数動作を行っている途中では、その旨を報知する。
【0061】
(6)複数動作を行っている途中に、相手から攻撃を受けると、強制的に複数動作を中断させる。
【0062】
(7)複数動作を行っている途中に、防御入力をすると、強制的に複数動作を中断させる。
【0063】
ポイント設定システム10は、以下に説明するように、コンピュータのハードウェア資源を利用して、以上のルールを実現する。
【0064】
図8は、記憶部210が有するテーブルを示す図である。図8において、X強はX軸方向の強い動作、X弱はX軸方向の弱い動作、YはY軸方向の動作である。
【0065】
記憶部210は、遊戯者が行うべき予め設定された所定の組み合わせとして、異なる方向の動作を含む複数の動作の順序1〜5を動作群1、2、4として記憶し、同じ方向のみの複数の動作の順序1〜5を動作群3として記憶する。
【0066】
記憶部210は、また、一の動作から次の動作までの許容時間を動作群1〜4に含んで記憶するとともに、動作群1〜4に対応付けられた対応ポイントを記憶している。記憶部210は、各々異なる部位の複数の動作を動作群に含んでもよい。
【0067】
記憶部210は、さらに、一の動作のみで完結する遊戯者が行うべき動作を個別動作1、2として記憶するとともに、個別動作1、2に対応付けられた個別ポイントを記憶する。
【0068】
また、記憶部210は、個別動作2に対応する動作であるX強を複数個(3個)含む動作群2を記憶するとともに、個別動作2に対応する個別ポイント3Pを複数個(3個)分加算したポイント9Pよりも高いポイント20Pを、動作群2に対応する対応ポイントとして記憶している。これは、動作群3、4の場合も同様である。
【0069】
図9は、ポイント設定装置20が行う処理のフローチャートである。ポイント設定装置20は、スタートスイッチ202が押されると、ヘッドユニット100、リストユニット200の電源が入っているか否か、他の遊戯者のポイント設定装置20との送受信が正常か否かを判断する初期設定を行い、プレイを開始する(S200)。
【0070】
次に、動作ポイント発生装置230が主動作ポイントの設定を行い(S300)、被動作ポイント設定部240が被動作ポイントの設定を行う(S400)。
【0071】
続いて、被動作ポイント積算部245が、被動作ポイントの積算ポイントが所定値に達したか否か判断する(S500)。所定値に達したと判断した場合には、送信部260が、その旨を他の遊戯者の受信部130へ送信し(S510)、制御部280が、報知部140、290にその旨を報知させる(S520)。報知内容は、プレイが終了し、他の遊戯者に負けたことである。
【0072】
また、ステップS500で所定値に達したと判断しない場合は、受信部130が、他の遊戯者の被動作ポイントの積算ポイントが所定値に達した旨を受信したか否か確認する(S600)。受信を確認した場合は、制御部280が、報知部140、290にプレイが終了し、他の遊戯者に勝ったことを報知させる(S610)。
【0073】
ステップS600で受信を確認しない場合は、プレイ開始後所定時間経過したか確認する(S700)。所定時間経過した場合には、ポイント設定装置20は、プレイが終了し、引き分けに終わったことを報知する(S710)。
【0074】
ステップS700で所定時間経過していない場合には、受信判断部270が、受信部130からの出力に基づき、自らの送信部260から所定時間毎に送信されるチェック信号を受信したか否か判断する(S720)。
【0075】
ステップS720で受信判断部270は、チェック信号を所定時間受信しないと、正常に受信できていないと判断し、制御部280をして、報知部140、290へその旨報知させる。
【0076】
ステップS720で受信判断部270は、チェック信号をさらに長い所定時間受信しないと、プレイの続行が不可能と判断し、被動作ポイント積算部245の積算ポイントを強制的に所定値に設定する。
【0077】
これを受けて、被動作ポイント積算部245が、被動作ポイントの積算ポイントが所定値に達したと判断し(S500)、送信部260が、その旨を他の遊戯者の受信部130へ送信し(S510)、制御部280が、報知部140、290にプレイが終了し、他の遊戯者に負けたことを報知させる(S520)。
【0078】
このようなポイント設定装置20の作用により、一人の遊戯者が、受信部130を手で覆ったり或いは何らかの遮蔽物で受信部130を覆ったりして、他の遊戯者の主動作ポイント受信を故意に妨害した場合、受信判断部270が、受信部130を手で覆った遊戯者の負けを報知することができる。これにより、遊戯者は、アンフェアなプレイを慎むようになり、ポイント設定装置20は、遊戯者の故意妨害という外乱を取り除き、的確にモデリングすることができる。
【0079】
以上、図9に示すフローチャートによれば、ポイント設定装置20は、主動作ポイント、被動作ポイントを設定し、プレイの進行に従い、各遊戯者の勝敗を報知することができる。
【0080】
図10は、主動作ポイント設定(S300)の詳細なフローチャートである。動作ポイント発生装置230は、まず、動作検出部220が遊戯者の動作を検出しているか否かを確認する(S305)。
【0081】
動作の検出があった場合、動作ポイント発生装置230は、記憶部210から対象となる全ての動作群、個別動作を選択し、これらが記憶している次の動作を読み出す(S310)。ここで、初回は最初の動作が読み出されるものとする。
【0082】
次に、動作判別部232は、動作検出部220が検出した動作と記憶部210から読み出した動作が一致するか否か確認する(S315)。動作が一致していると、動作判別部232は、読み出した動作が最終動作か否か確認する(S320)。
【0083】
最終動作でなければ、動作判別部232は、ステップS305で前の動作を検出してから許容時間経過したか否かを判断する(S325)。ここで、許容時間は、動作群1〜4に含まれて記憶されている時間であり、一の動作から次の動作までの許容時間である。
【0084】
ステップS325で許容時間経過していなければ、動作判別部232は、制御部280をして、報知部140、290に「主動作ポイントが設定準備中である」旨を報知させ(S330)、他の遊戯者の主動作ポイントを入力したか否か、又は従動作入力を検知したか否かを確認する(S335)。
【0085】
これらの入力がなければ、動作判別部232は、動作検出部220が遊戯者の動作を検出したか否かを確認する(S340)。遊戯者の動作を検出した場合には、動作判別部232は、ステップS310に戻って、対象となる全ての動作、個別動作を絞込み、次の動作を読み出す。
【0086】
ステップS340で、動作検出部220が遊戯者の動作を検出しない場合は、動作判別部232は、許容時間経過するまで(S325)、ステップS330〜S340を継続する。
【0087】
許容時間中に、ステップS335で、他の遊戯者の主動作ポイントを入力した、又は従動作入力を検知した場合には、動作判別部232は、動作群に対応する主動作ポイントの設定を中止する。
【0088】
このように、主動作ポイント設定部231は、他の遊戯者の主動作ポイントを入力した場合に動作ポイントの設定を中止することにより、単に遊戯者の動作に応じるだけでなく、他の遊戯者の動作にも応じて、多様な主動作ポイントを設定することができる。
【0089】
また、従動作入力を検知した場合に主動作ポイントの設定を中止することにより、主動作ポイント設定部231は、単に遊戯者の動作に応じるだけでなく、従動作入力にも応じて、多様な主動作ポイントを設定することができる。
【0090】
ステップS325で許容時間経過すると、動作判別部232は、個別動作が選択されているか否か確認する(S345)。個別動作が選択されていなければ、制御部280が、報知部140、290にエラーを報知させる(S350)。
【0091】
このように、前の動作から許容時間内に次の動作を行わない場合はエラー報知することにより、遊戯者は、次の動作を迅速に行うことが要求される。主動作ポイント設定部231は、単に遊戯者の動作に応じるだけでなく、一の動作から次の動作までの許容時間にも応じて、多様な主動作ポイントを設定することができる。
【0092】
また、個別動作が選択されていない場合に限ってエラー報知を行うことにより、遊戯者が個別動作1、2の動作を行う場合に、誤ってエラー報知することがない。
【0093】
動作判別部232がステップS310〜S340の処理を繰り返した結果、ステップS320で最終動作に至ると、主動作ポイント設定部231は、検出された動作の順序が、記憶部から読み出した動作群と一致していると判断し、その動作群に対応する対応ポイントを読み出して、主動作ポイントとして設定する(S355)。
【0094】
ここで、動作ポイント発生装置230は、異なる方向の複数の動作を含む動作群や、同じ方向のみの複数の動作を含む動作群に応じて主動作ポイントを設定する。動作ポイント発生装置230は、また、異なる部位の複数の動作を含む動作群に応じて主動作ポイントを設定してもよい。
【0095】
また、ステップS345で個別動作が選択されていると、動作ポイント発生装置230は、検出された動作が、動作群に含まれる一の動作と一致しないが個別動作に一致すると判断し、個別動作に対応する個別ポイントを読み出して、動作ポイントとして設定する(S355)。
【0096】
そして、送信部260が、他の遊戯者の受信部130へ主動作ポイントを送信し(S360)、制御部280が、報知部140、290に主動作ポイントに応じた内容を報知させて(S365)、メインルーチンに戻る。すなわち、送信部260は、動作群の場合、最後の動作を検出後に主動作ポイントを送信する。
【0097】
以上、図10に示すフローチャートによれば、動作ポイント発生装置230は、遊戯者の多様な動作に応じて多様な主動作ポイントを設定するだけでなく、遊戯者の動作以外の各種条件に応じて多様な主動作ポイントを設定する。また、ポイント設定装置20は、設定した動作ポイントを報知し、他の遊戯者へ送信する。
【0098】
図11は、被動作ポイント設定(S400)の詳細なフローチャートである。まず被動作ポイント設定部240は、受信部130から他の遊戯者の主動作ポイントを入力したか否かを確認する(S405)。このステップS400は、的としての受信部130への、他の遊戯者の身体動作としての主動作ポイントの命中判定を行う手段である。
【0099】
他の遊戯者の主動作ポイントを入力すると、従動作入力検知部が従動作入力を検知しているか否か確認する(S410)。従動作入力を検知している場合、被動作ポイント設定部240は、他の遊戯者の主動作ポイントから所定ポイント減算した値を被動作ポイントとして設定する(S415)。
【0100】
ステップS410で従動作入力を検知していない場合は、被動作ポイント設定部240は、他の遊戯者の主動作ポイントを被動作ポイントとして設定する(S418)。すなわち、被動作ポイント設定部240は、従動作入力を検知している場合と、従動作入力を検知しない場合とで、異なる被動作ポイントを設定、発生することができる。
【0101】
以上のステップにより、的としての受信部130へ、他の遊戯者の身体動作としての主動作ポイントが命中した場合、被動作ポイントが設定、発生される。すなわち、遊戯者は、受信部130により主動作ポイントが受信されたか否かに応じて、設定される被動作ポイントを競うことになる。
【0102】
このように、他の遊戯者の主動作ポイントを入力前に従動作入力を行うと、他の主動作ポイントから所定ポイント減算した値を被動作ポイントとして設定することにより、被動作ポイント設定部240は、単に他の遊戯者の主動作ポイントに応じるだけではなく、従動作入力にも応じて、多様な被動作ポイントを設定することができる。
【0103】
次に、制御部280が、報知部140、290に被動作ポイントに応じた内容を報知させ(S420)、被動作ポイント積算部245が、被動作ポイント設定部240が設定した被動作ポイントを積算ポイントに加算する(S425)。
【0104】
そして、制御部280が、報知部140、290としてのリストユニット表示部295に、積算ポイントに応じた数値を報知させると(S430)、メインルーチンに戻る。積算ポイントに応じた数値は、積算ポイントに応じて増加するものでも、積算ポイントに応じて減少するものでも良い。
【0105】
以上、図11に示すフローチャートによれば、被動作ポイント設定部240は、他の遊戯者の主動作ポイントと従動作入力に応じて被動作ポイントを設定し、ポイント設定装置20は、それを報知することができる。
【0106】
図12は、ポイント設定システム10の変形例の機能ブロック図である。図6の機能ブロック図と異なる点は、本体装置・判断処理部500を設けた点と、ポイント設定装置20の機能が簡略化された点である。
【0107】
ヘッドユニット100(ヘッドユニット100A、ヘッドユニット100Bとも同じ。以下同様。)とリストユニット200は、受信信号線110により接続されており、ヘッドユニット100は、受信部130、ヘッドユニット報知部140を有し、リストユニット200は、スタートスイッチ202、動作検出部220、従動作入力検知部250、従動作入力スイッチ255、送信部260、リストユニット報知部290を有している。
【0108】
本体装置・判断処理部500とヘッドユニット100A、ヘッドユニット100Bは、本体受信信号線525、本体送信信号線565により接続されている。本体受信信号線525、本体送信信号線565は有線を示しているが、無線でも良い。
【0109】
本体装置・判断処理部500は、記憶部510、本体受信部520、主動作ポイント設定部530、被動作ポイント設定部540、被動作ポイント積算部545、本体送信部560、制御部580、命中判定手段541とを有しており、記録媒体590と接続される。
【0110】
本体受信部520は、遊戯者Aの送信部260A、他の遊戯者Bの送信部260Bから送信される信号を受信し、動作ポイント発生装置530、被動作ポイント設定部540、制御部580へ出力する。本体送信部560は、制御部580から出力される信号を、遊戯者Aの受信部130A、他の遊戯者Bの受信部130Bへ送信する。
【0111】
記憶部510、主動作ポイント設定部531を含む動作ポイント発生装置530、被動作ポイント設定部540、被動作ポイント積算部545、制御部580は、図6の記憶部210、判断処理部211即ち、動作ポイント発生装置230、被動作ポイント設定部240、被動作ポイント積算部245、制御部280、命中判定手段212の各機能と同様の機能を有しており、ポイント設定装置20A、ポイント設定装置20B毎に内部機能が分割されている。
【0112】
記録媒体590は、本体装置500に備えられたコンピュータが動作するプログラムを格納する。記録媒体590は、機能構成として、記憶モジュール、本体受信モジュール、主動作ポイント設定モジュール、被動作ポイント設定モジュール、被動作ポイント積算モジュール、本体送信モジュール、制御モジュールとを有する。
【0113】
このプログラムに含まれる各モジュールがコンピュータに行わせる処理は、それぞれ本体装置・判断処理部500における対応する機能部の動作と同一であるから説明を省略する。
【0114】
なお、専用通信ネットワークやインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスクまたはRAM等の格納装置を、記録媒体590や図6の記録媒体298として使用し、通信網を介してプログラムを本体装置・判断処理部500やポイント設定装置100に提供してもよい。
【0115】
図12に示される変形例では、本体装置・判断処理部500が、ポイント設定装置20A、20Bで共通する機能を多数有しているので、ポイント設定装置20A、20Bが各々同じ機能を多数有している図6の実施形態と比較すると、ポイント設定システム10全体として重複機能が削減される。
【0116】
また、図12に示される変形例では、ポイント設定装置20A、20Bが有する機能が、図6の実施形態に比較して多数絞り込まれているため、図6の実施形態に比較してポイント設定装置20A、20Bのコンパクト化が可能となる。
【0117】
なお、さらなる変形例として、本体装置・判断処理部500が、ヘッドユニット100、リストユニット200の残る機能部である、ヘッドユニット報知部140、動作検出部220、従動作入力検知部250、従動作入力スイッチ255、リストユニット報知部290を有しても良い(受信部130、送信部260は、機能が不要となる。)。
【0118】
その場合、記録媒体590は、機能構成として、動作検出モジュール、記憶モジュール、主動作ポイント設定モジュール、被動作ポイント設定モジュール、被動作ポイント積算モジュール、従動作入力検知モジュール、制御モジュールとを有する(本体受信モジュール、本体送信モジュールは、機能が不要となる。)。また、従動作入力スイッチ255、動作検出部220は、赤外線による位置検出センサ、人工網膜センサ等を用いることが好ましい。
【0119】
本実施形態のポイント設定システム10は、対戦型ゲームシステム以外にも用いることができる。例えば、ダンススキルを競うシステムとして用いる場合は、主動作ポイントを模範ダンスポイント、被動作ポイントをスキルポイント、従動作入力を模倣ダンス入力と呼んでもよい。本実施形態のポイント設定システム10は、これらの例に限らず、その他各種システムに応用可能である。
【0120】
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0121】
1.本発明のゲーム装置により、複数の遊戯者がそれぞれ動作検出部、送信部、受信部及び判断処理部を例えばユニットとして身体に装着する構成とすることで、実在する他の遊戯者と格闘を模したゲームを行うことが容易に可能となり、しかも所定の身体動作を行わない限り他の遊戯者をゲーム上攻撃することは出来ないことから実際の格闘と同様な身体動作を行うことでゲームが進行するため、リアリティが向上する。
【0122】
2.本ゲーム装置には加速度センサの出力を利用しているので身体動作の方向だけではなく、その強さをも検出することが出来るので身体動作の検出精度を高めることができる。そのため、格闘競技の実際の対戦に即した動作が評価可能であり、また、対戦格闘ゲームに用いることで、そのゲームが複雑になり興趣が向上する。
【0123】
3.本ゲーム装置の動作ポイント発生装置を用いれば、この動作ポイント発生装置が発生する動作ポイントに基づいて容易に勝敗を決定することができる。従って、動作検出構造や動作検出処理が複雑になることなく動作郡の判定が容易となり、検出可能な身体動作の種類を増やすことができ、ゲームのバリエーションを増やすことができる。
【0124】
4.本ゲーム装置においては、個別動作よりも複雑な連続動作を行った場合のほうが、動作ポイントがアップする(攻撃力が高くなる)ので、連続動作を行うのかまたは個別動作を行うのかを、ゲームの進行過程において戦略的に選択することができる。そのため更にゲームのバリエーションを増やすことができ、遊戯者のゲームに対する興味を高めることができる。
【0125】
5.本ゲーム装置においては、遊戯者に信号を受信する的を受信部として装着し、判断処理部の命中判定手段と、被動作ポイント積算部とを設けている。特に被動作ポイント積算部は、命中判定手段が命中を判定した場合にのみその信号から動作ポイントを積算するものである。このようにしているので、正確にゲームの勝敗を決定することが可能になる。
【0126】
6.複数の身体動作の組み合わせを点数化することにより、複雑な動きの例えばエアロビクス等の動作を評価可能であり、各種運動トレーニング評価、格闘技の型練習の評価等に有効利用可能である。
【0127】
7.格闘技の攻撃練習等、的としての受信部に向けての身体動作の評価を行うことができる。
【0128】
8.格闘競技の実際の対戦に即した練習を評価可能であり、攻撃動作方向と主動作ポイントの送信方向とをX軸方向で略一致させることで、攻撃に対して高い命中判定を行い得るため、ゲームが複雑になり興趣が向上する。
【0129】
9.直線的な攻撃以外の技を検出できる。
【0130】
10.様々な格闘技を検出し、技に応じたポイントを設定することで、ゲームのバリエーションが増え、その興趣が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明によれば、実在する他の遊戯者と格闘を模したゲームを行うことが容易に可能となり、しかも所定の身体動作を行わない限り他の遊戯者をゲーム上攻撃することは出来ないことから実際の格闘と同様な身体動作を行うことでゲームが進行するため、リアリティが向上する。
【0132】
特に、連続動作が行われたときに得られるポイントを、連続動作を構成する2以上の個別動作により個別に得られるポイントの加算ポイントよりも高いポイントにするように、動作ポイント発生装置を設定することで、動作検出構造や動作検出処理が複雑になることなく動作郡の判定が容易となり、検出可能な身体動作の種類を増やすことができ、ゲームのバリエーションを増やすことができる。ゲームとしては、連続動作を行うのかまたは個別動作を行うのかを、ゲームの進行過程において戦略的に選択することができ、遊戯者のゲームに対する興味を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の格闘タイプのゲーム装置を2名の遊戯者が使用している状態を示す概略図である。
【図2】リストユニットの取り付け状態を示す平面図である。
【図3】リストユニットの取り付け状態を示す側面図である。
【図4】ヘッドユニットの取り付け状態を示す正面図である。
【図5】ヘッドユニットの取り付け状態を示す側面図である。
【図6】本発明のゲーム装置で用いるポイント設定装置の構成を示すためのブロック図である。
【図7】動作検出部をソフトウエアを用いて実現する場合に用いるアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図8】記憶部が有するテーブルの一例を示す図である。
【図9】ポイント設定装置をソフトウエアを用いて実現する場合に用いるアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図10】ステップS300のより詳細なフローチャートである。
【図11】ステップS400のより詳細なフローチャートである。
【図12】本発明で用いるポイント設定装置の変形例の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0134】
10 ポイント設定システム
20 ポイント設定装置
100A,100B ヘッドユニット
110 受信信号線
120 報知信号線
130 受信部
140 ヘッドユニット報知部
142 ヘッドユニット表示部
144 スピーカー
150 オンオフSW
200A,200B リストユニット
202 スタートスイッチ
203 オンオフスイッチ
204 ユニット支持体
210 記憶部
211 判断処理部
212 命中判定手段
220 動作検出部
222 X軸加速度センサ
224 Y軸加速度センサ
230 動作ポイント発生装置
231 主動作ポイント設定部
232 動作判別部
240 被動作ポイント設定部
245 被動作ポイント積算部
251 減算動作ポイント設定部
250 従動作入力検知部
255 従動作入力スイッチ
260 送信部
270 受信判断部
280 制御部
290 リストユニット報知部
295 リストユニット表示部
298 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊戯者の所定の身体動作を検出するべく該遊戯者の身体に装着する加速度センサを有する動作検出部と、前記動作検出部により前記遊戯者の所定の身体動作が検出されたら所定の指向性を有する信号を送信するべく遊戯者の身体に装着する送信部と、他の遊戯者からの前記信号を受信可能なように遊戯者の身体に装着する受信部と、該受信部による受信結果に応じたゲーム内容の判断をする判断処理部とを備え、
前記動作検出部は、前記遊戯者の身体動作の動作方向及び/または動作強度を前記加速度センサにより検出可能であり、
前記送信部は、前記動作検出部により検出した前記動作方向及び/または動作強度に基づいた信号を送信するようになっており、
前記判断処理部は、受信した信号から前記動作方向及び/または動作強度に応じたポイントを発生する動作ポイント発生装置を更に備え、
前記動作ポイント発生装置は、予め前記身体動作を複数種類の個別動作と、前記複数種類の個別動作から選択された2以上の個別動作の組合せからなる複数種類の連続動作として分類し、前記受信部で受信した信号から前記動作方向及び/または動作強度に基づいて、前記個別動作のみであるかいずれかの前記連続動作であるかを判別し、その判別結果に応じた動作ポイントを発生するように構成され、
前記動作ポイント発生装置が発生する前記動作ポイントに基づいてゲームの勝敗を決定することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記動作ポイント発生装置は、前記連続動作を構成する前記2以上の個別動作により個別に得られるポイントを加算したポイントよりも前記連続動作が行われたときに得られる前記ポイントの方が高くなるように設定していることを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記受信部は、前記信号を受信する的を有し、
判断処理部は、前記的に前記信号が命中したか否かを判定する命中判定手段と、他の前記遊戯者に装着された前記送信部から送信された前記信号が前記的に命中した場合にのみ前記受信した信号から前記動作方向及び/または動作強度に応じた前記動作ポイントを積算する被動作ポイント積算部とを有することを特徴とする請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記送信部は、前記動作ポイント発生装置にて前記所定の連続動作が判別されたときには、前記連続動作の終了後に前記信号を送信することを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項5】
遊戯者の所定の身体動作の動作方向及び/または動作強度を検出するための加速度センサを有する動作検出部と、
前記動作検出部により検出した前記動作方向及び/または動作強度に基づいてポイントを発生する動作ポイント発生装置とを備え、
前記動作ポイント発生装置は、予め前記身体動作を複数種類の個別動作と、前記複数種類の個別動作から選択された2以上の個別動作の組合せからなる複数種類の連続動作として分類し、前記動作検出部が検出する前記動作方向及び/または動作強度に基づいて、前記個別動作のみであるかいずれかの前記複数種類の連続動作であるかを判別して判別結果に応じて動作ポイントを発生するように構成され、
前記動作ポイント発生装置は、前記連続動作を構成する前記2以上の個別動作により個別に得られるポイントを加算したポイントよりも前記連続動作が行われたときに得られる前記ポイントの方が高くなるように設定していることを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
信号を受信する的と、
前記的に当てるための所定の指向性のある信号を送信する送信部と、
前記的に前記所定の指向性のある信号が命中したか否かを判定する命中判定手段とを更に具備し、
前記動作ポイント発生装置が発生する前記動作ポイントは、前記命中判定手段が前記命中を判定した場合にのみ有効なものとなる請求項5に記載のゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−23359(P2008−23359A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240216(P2007−240216)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【分割の表示】特願2004−503125(P2004−503125)の分割
【原出願日】平成15年5月8日(2003.5.8)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2002年6月4日 インターネットアドレス「http://www.kona mi.co.jp/」・「http://www.konami.co.jp/km j/newsrel.Html」に発表
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】