説明

ゲーム装置

【課題】ゲームの進行内容に、より多様性を持たせる。
【解決手段】基本情報取得部12はカード情報読込部11によって読み込まれたカードIDに対応する基本情報を取得する。スロット設定部13は基本情報を用いてスロットごとの技種別および得点を設定する。追加情報取得部15は追加カード情報読込部14によって読み込まれたカードIDに対応する追加情報を取得する。スロット設定更新部16は追加情報を用いてスロットごとの技種別および得点を更新する。ゲーム実行部17はプレイヤに選択されたじゃんけんの種別を用いて対戦相手との間でじゃんけんゲームを実行させ、勝ち方のキャラクタが負け方のキャラクタに対して攻撃を加えるように制御し、負け方の持ち点から所定の得点を差し引く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カードに記憶されたコードを読み込んでキャラクタ同士を仮想空間上で対戦させるゲーム装置として、例えば、下記特許文献1に開示されているゲーム装置がある。このゲーム装置では、ゲームを開始するときに、プレイヤがキャラクタカードとわざカードとをゲーム装置に読み込ませ、プレイヤのキャラクタとそのキャラクタの技(わざ)をゲーム装置に登録させている。そして、プレイヤと対戦相手との間でじゃんけんゲームを実行させ、プレイヤがじゃんけんゲームに勝利した場合に、登録されている技を用いてプレイヤのキャラクタが対戦相手のキャラクタに対して攻撃を加える等して、キャラクタ同士を対戦させている。
【特許文献1】特開2007−330641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のゲーム装置では、対戦相手のキャラクタに加える攻撃の内容が一枚のわざカードに対応する一の技に限定されてしまう。したがって、プレイヤがじゃんけんゲームに勝利した場合に得られる効果が、同じわざを用いて行われる攻撃等に限定されてしまうため、ゲームの進行内容が単調になってしまう。
【0004】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、ゲームの進行内容に、より多様性を持たせることができるゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、プレイヤが所望する一の行動選択肢を複数の行動選択肢から選択させる行動選択肢選択手段と、一の行動選択肢を選択させるときに、複数の行動選択肢に対応させてそれぞれ設けられたスロット群に含まれる複数のスロットのうちの一のスロットを他のスロットと区別させて表示し、当該表示対象となる一のスロットを時間経過に応じて順次変更させ、一の行動選択肢が選択されたときに表示対象として表示されている一のスロットを選択するスロット選択手段と、行動選択肢を用いてプレイヤと対戦相手との間で行う勝敗決定ゲームで勝利したときに付与される効果をスロットごとに設定する設定手段と、スロット選択手段によって一のスロットが選択された場合に、行動選択肢選択手段によって選択された一の行動選択肢を用いて、勝敗決定ゲームを実行させ、当該勝敗決定ゲームでプレイヤが勝利した場合に、スロット選択手段によって選択された一のスロットに対応して設定されている効果をプレイヤに付与してゲームを進行させるゲーム実行手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
この発明によれば、行動選択肢を用いた勝敗決定ゲームで勝利したプレイヤに付与する効果をスロットごとに設定させることができるため、一の行動選択肢に対応する一のスロット群に対して複数の効果を設定させることができる。これにより、プレイヤに複数の効果を付与できる状態でゲームを進行させることができる。したがって、行動選択肢を選択したプレイヤは、行動選択肢を用いた勝敗決定ゲームに勝利した場合に、行動選択肢を選択したときに選択されたスロットに応じた効果を発揮させながらゲームを進行させることができるため、行動選択肢を選択するたびに前回のゲーム内容とは異なる内容でゲームを進行させることが可能となる。
【0007】
また、上記発明において、上記ゲーム装置は、プレイヤのキャラクタと対戦相手のキャラクタとを仮想空間で対戦させるゲーム装置であって、入力媒体が予め設定された所定の読取タイミングで読取装置に読取入力された場合に、当該入力媒体を特定するための入力媒体特定情報を用いて、行動選択肢に対応する行動の結果によって発揮され得るキャラクタの能力を特定するための能力種別、および当該能力の内容をスロットに配置するためのパターンを示す能力内容配置パターンを取得する取得手段をさらに備え、上記設定手段は、取得手段によって取得された能力種別および能力内容配置パターンを用いて、スロットごとの能力種別を上記効果として設定し、上記ゲーム実行手段は、勝敗決定ゲームでプレイヤが勝利した場合に、スロット選択手段によって選択された一のスロットに対応して設定されている能力種別に応じた能力をプレイヤのキャラクタに付与したうえで、プレイヤのキャラクタと対戦相手のキャラクタとを対戦させることとしてもよい。
【0008】
これにより、キャラクタの能力を特定するための能力種別をスロットごとに設定させることができるため、一のスロット群に対して複数の能力種別を設定させることができる。これにより、プレイヤのキャラクタに複数の能力を付与した状態で対戦相手のキャラクタと対戦させることができる。したがって、一の行動選択肢を選択したプレイヤは、その行動選択肢を用いた勝敗決定ゲームに勝利した場合に、行動選択肢を選択したときに選択されたスロットに応じた能力を用いて対戦相手のキャラクタに攻撃を加えさせること等ができるため、行動選択肢を選択するたびに前回の対戦内容とは異なる内容で対戦相手のキャラクタと対戦させることが可能となる。また、所定の読取タイミングごとに追加の入力媒体を読み込ませることができるため、その時点に設定されている能力に加えて、追加の入力媒体に対応する能力をさらに追加して設定させることが可能となる。すなわち、追加の入力媒体を繰り返し読み込ませていくことで、プレイヤのキャラクタの能力を追加させていくことができ、キャラクタを強化させていくことが可能となる。
【0009】
また、上記発明において、上記能力内容配置パターンには、能力種別を設定するためのスロットである能力設定スロットの位置を示す情報が含まれ、上記設定手段は、取得手段によって取得された能力内容配置パターンに含まれる能力設定スロットに取得手段によって取得された能力種別を設定することとしてもよい。
【0010】
また、上記発明において、上記取得手段は、ゲーム開始後の最初の読取タイミングに読取入力された入力媒体に対応する入力媒体特定情報を用いて、基準点を取得し、その後の読取タイミングに読取入力された入力媒体に対応する入力媒体特定情報を用いて、能力種別、能力内容配置パターン、追加基準点およびボーナス点を取得することとしてもよい。
【0011】
また、上記発明において、上記設定手段は、全てのスロットに対応する得点として基準点を設定するとともに、取得手段によって取得された能力内容配置パターンに含まれる能力設定スロット以外のスロットに設定されている得点に追加基準点を加算し、当該能力内容配置パターンに含まれる能力設定スロットに設定されている得点に追加基準点およびボーナス点を加算することで各スロットの得点を更新することとしてもよい。
【0012】
これにより、能力設定スロットの得点を、他のスロットの得点よりも高くすることができるため、選択したスロットによって得点を変動させることが可能となる。また、追加の入力媒体を読取入力させていくことができるため、その時点に設定されている得点に対して、追加基準点等を加算させていくことが可能となり、追加の入力媒体を読取入力させるたびに、プレイヤのキャラクタを強化させていくことが可能となる。
【0013】
また、上記発明において、上記取得手段は、ゲーム開始後の最初の読取タイミングに読取入力された入力媒体に対応する入力媒体特定情報を用いて、ゲーム開始時の持ち点をさらに取得し、上記ゲーム実行手段は、キャラクタ同士の対戦によって対戦相手のキャラクタに与えられたダメージとして、スロット選択手段によって選択された一のスロットに対応して設定されている得点を対戦相手の持ち点から減算することとしてもよい。
【0014】
これにより、スロットに対応して設定されている得点が、対戦相手のキャラクタに与えるダメージとなるため、多段階に設定された得点に応じて対戦相手のキャラクタにダメージを与えることが可能となる。
【0015】
また、上記発明において、上記ゲーム実行手段によって減算された対戦相手の持ち点が所定の得点以下である場合に、入力媒体を読取装置に読取入力させるようにプレイヤに促すためのメッセージを出力させるメッセージ手段をさらに備えることとしてもよい。
【0016】
これにより、プレイヤに対して追加の入力媒体を読取装置に読取入力するように喚起することができるため、プレイヤのキャラクタを確実に強化させていくことが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ゲームの進行内容に、より多様性を持たせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に図面を参照して、この発明に係るゲーム装置の好適な実施形態を詳細に説明する。各実施形態におけるカードゲーム装置(ゲーム装置)は、プレイヤのカード(入力媒体)に対応するキャラクタと対戦相手(コンピュータまたは他のプレイヤ)のキャラクタとを仮想空間で対戦させるゲーム機である。キャラクタとしては、例えば、カブトムシやクワガタ等の昆虫が該当する。
【0019】
[第1実施形態]
まず、第1実施形態におけるカードゲーム装置について説明する。図1は、第1実施形態におけるカードゲーム装置の機能構成を示す図である。同図に示すように、カードゲーム装置1は、カードゲーム装置1を全体制御する制御部10と、制御部10での処理に用いられる外部データをカードから読み取る読取部20(読取装置)と、制御部10での処理に用いられるプレイヤによる入力データを選択入力させる選択部30(行動選択肢選択手段)と、制御部10での処理結果を表示する表示部40と、制御部10での処理に用いられる各種データやアプリケーションを記憶する記憶部50とを有する。
【0020】
制御部10は、カード情報読込部11と、基本情報取得部12(取得手段)と、スロット設定部13(設定手段)と、追加カード情報読込部14と、追加情報取得部15(取得手段)と、スロット設定更新部16(設定手段)と、ゲーム実行部17(ゲーム実行手段)と、スロット選択部18(スロット選択手段)とを有する。
【0021】
ここで、図2を参照して、記憶部50に含まれるカードデータベース51(以下、カードDB51と記載する。)のデータ構成について説明する。図2は、カードDB51のデータ構成を示す図である。カードDB51は、データ項目として、例えば、カードID(入力媒体特定情報)、持ち点、じゃんけん種別(行動選択肢)、基準点、追加基準点、ボーナス点、技配置パターン(能力内容配置パターン)および技種別(能力種別)を有する。基準点、追加基準点、ボーナス点、技配置パターンおよび技種別は、じゃんけん種別ごとに設定されるデータ項目である。
【0022】
カードIDには、プレイヤのカードを一意に特定するための情報が格納される。持ち点には、カードゲームの開始時にキャラクタに割り当てられる点数が格納される。じゃんけん種別には、例えば、グー、チョキ、パーのように、じゃんけんの種別を識別するための情報が格納される。
【0023】
基準点には、対戦相手のキャラクタに攻撃を加えたときに当該キャラクタに与えるダメージの基準となる点数が格納される。追加基準点には、カードが後述する追加カードとして用いられた場合に、上記基準点に加算される点数が格納される。
【0024】
ボーナス点には、特定の条件を満たしたときに基準点に加算される点数が格納される。特定の条件としては、例えば、プレイヤが、後述する複数のスロットの中からボーナス点が付与されるスロットを選択した場合が該当する。
【0025】
技配置パターンには、技配置パターンを識別するパターンIDが格納される。技配置パターンとは、複数あるスロットのうち、当該技配置パターンに対応するカードの技種別が設定されるスロットである技設定スロット(能力設定スロット)の位置と、当該技設定スロット以外のスロットである基準スロットの位置とを、パターン化して表したものである。技配置パターンを表すものとして、例えば、図3に示すような六角形の各辺にマークを埋め込むためのスロットを設けたスロット群を採用することができる。この場合には、例えば、マークが埋め込まれていない空のスロットを基準スロットとし、マークが埋め込まれたスロットを技設定スロットとすることができる。そして、このスロット群によって、基準スロットと技設定スロットとの配置関係をパターン化して表すことになる。図3を参照して具体的に説明する。
【0026】
図3(a)に示す技配置パターンでは、基準スロットが空のスロットs2〜s6で表わされ、技設定スロットがマークの埋め込まれたスロットs1で表わされている。図3(b)に示す技配置パターンでは、基準スロットが空のスロットs1、s2、s4、s5で表わされ、技設定スロットがマークの埋め込まれたスロットs3、s6で表わされている。なお、技設定スロットが、上述したボーナス点が付与されるスロットとなる。
【0027】
ここで、技配置パターンは、パターンIDに対応付けられてパターンデータベースに登録される。図4を参照してパターンデータベースについて説明する。パターンデータベースは、データ項目として、例えば、パターンID、技配置パターンを有する。技配置パターンには、6つのスロットs1〜s6のうち、どのスロットが技設定スロットであるかを示す情報が格納される。具体的には、図4に示す各スロットのうち、“1”が格納されているスロットが技設定スロットとなる。例えば、パターンID“0”に対応する技配置パターンは、スロットs1が技設定スロットであり、スロットs2〜s6が基準スロットであることを示す。
【0028】
技配置パターンを取得するためには、カードDBに格納されているパターンIDを用いて、このパターンIDに対応する技配置パターンをパターンデータベースから取得することになる。なお、技配置パターン自体を、カードDBの技配置パターンに直接格納することとしてもよい。
【0029】
図2に示す技種別には、対戦相手のキャラクタに攻撃を加える際に用いられる技の内容を識別するための情報(例えば、技ID、技名称等)が格納されている。
【0030】
図2に示すように、各カードには、グー、チョキ、パーという3種類のじゃんけん種別が割り当てられており、このじゃんけん種別ごとに、基準点、ボーナス点、技配置パターンおよび技種別を含む基本情報と、追加基準点、ボーナス点、技配置パターンおよび技種別を含む追加情報とが設定されている。ここで、基本情報とは、ゲームを開始する際に最初に読取部20に挿入されるカードから読み込まれる情報をいう。また、追加情報とは、基本情報が読み込まれてからゲームが終了するまでの間に読取部20に挿入されるカードであって、基本情報が取得されたカードとは異なる追加カードから読み込まれる情報をいう。
【0031】
図1に示すカード情報読込部11は、読取部20に挿入されたカードから当該カードに記録されているカードIDを読み込む。ここで、読取部20としては、例えば、カードに組み込まれたバーコードを読み取るバーコードリーダや、磁気カードに記録されたデータを読み取る磁気カードリーダ、ICカードに格納されたデータを読み込むICカードリーダ等の読取装置が該当する。
【0032】
基本情報取得部12は、カード情報読込部11によって読み込まれたカードIDを用いて、このカードIDに対応付けられてカードDB51に記憶されている持ち点、基準点、ボーナス点、技配置パターンおよび技種別を含む基本情報を取得する。なお、基本情報取得部12は、必ずしもこれら全ての情報を取得する必要はなく、少なくとも技配置パターンおよび技種別を含む基本情報を取得すればよい。この場合に、その他の情報となる持ち点、基準点、ボーナス点等は、予め定められた固定の値を用いることとしてもよい。
【0033】
スロット設定部13は、基本情報取得部12によって取得された基本情報を用いて、じゃんけん種別ごとに設けられたスロット群に含まれるスロットごとの技種別および得点を設定する。以下に具体的に説明する。
【0034】
スロット設定部13は、まず、全てのスロットに対して基本情報に含まれる技種別を設定する。そして、基準スロットの得点として基本情報に含まれる基準点を設定し、技設定スロットの得点として基本情報に含まれる基準点にボーナス点を加算した点を設定する。これにより、技設定スロットの得点を基準スロットの得点よりも高くすることができるため、スロットごとの得点に変化を持たせることができる。
【0035】
図2および図3を参照して、具体的に説明する。ここでは、カードIDが“001”であり、じゃんけん種別が“グー”であるスロット群の設定を行う場合について説明する。また、パターンIDが“1”となる技配置パターンとして、図3(a)に示す技配置パターンを用いて説明する。なお、じゃんけん種別が“チョキ”や“パー”であるスロット群の設定についても、じゃんけん種別が“グー”であるスロット群の設定と同様に行うことができる。
【0036】
まず、スロット設定部13は、全てのスロットs1〜s6に対して技種別“A”を設定する。そして、スロット設定部13は、基準スロットs2〜s6の得点として基準点“40”を設定するとともに、技設定スロットs1の得点として基準点“40”にボーナス点“10”を加算した“50”を設定する。
【0037】
これにより、全てのスロットs1〜s6の技種別には“A”が設定され、基準スロットs2〜s6の得点には“40”が設定され、技設定スロットs1の得点には、“50”が設定される。
【0038】
図1に示す追加カード情報読込部14は、基本情報が取得されたカードとは異なる追加カードが読取部20に挿入された場合に、この追加カードに記憶されているカードIDを読み込む。
【0039】
追加情報取得部15は、予め設定された所定の読取タイミングで追加カード情報読込部14によって読み込まれたカードIDを用いて、このカードIDに対応付けられてカードDB51に記憶されている追加基準点、ボーナス点、技配置パターンおよび技種別を含む追加情報を取得する。なお、所定の読取タイミングは、基本情報を取得した後から、後述するじゃんけん種別をプレイヤに選択させるまでの間、および、後述するじゃんけんゲームでプレイヤが勝利してキャラクタ同士の対戦が終了した後からじゃんけん種別をプレイヤに選択させるまでの間にそれぞれ設けることができる。また、追加情報取得部15は、必ずしもこれら全ての情報を取得する必要はなく、少なくとも技配置パターンおよび技種別を含む追加情報を取得すればよい。この場合に、その他の情報となる追加基準点、ボーナス点等は、予め定められた固定の値を用いることとしてもよい。
【0040】
スロット設定更新部16は、追加情報取得部15によって取得された追加情報を用いて、スロット設定部13によって設定されたスロットごとの技種別および得点を更新する。以下に具体的に説明する。
【0041】
スロット設定更新部16は、追加情報の技配置パターンに含まれる技設定スロットに追加情報の技種別を設定する。このとき、追加情報の技配置パターンに含まれる技設定スロットの位置が、既に設定済みの他の技配置パターンに含まれる技設定スロットの位置と重複する場合には、追加情報の技種別を設定しない。つまり、既に設定済みの技配置パターンに含まれる技設定スロットには、既に設定されている技種別がそのまま保持されることになる。これにより、多数の追加のカードが読み込まれた場合であっても、既に設定されている技種別をそのまま保持させることが可能となる。なお、重複する技設定スロットに追加情報の技種別を設定して更新することとしてもよい。
【0042】
また、スロット設定更新部16は、基準スロットに設定されている得点に追加情報の追加基準点を加算して基準スロットの得点を更新するとともに、追加基準点が加算された後の基準スロットの得点に追加情報のボーナス点を加算して追加情報の技配置パターンに含まれる技設定スロットの得点を更新する。これにより、スロットごとの得点にバリエーションを持たせることができる。
【0043】
図2および図3を参照して、具体的に説明する。ここでは、上述したスロット設定部13の説明において用いた具体例の状態を前提にして、その後、追加で読み込まれたカードIDが“002”であり、じゃんけん種別が“グー”であるスロット群の設定更新を行う場合について説明する。また、パターンIDが“28”となる技配置パターンとして、図3(b)に示す技配置パターンを用いて説明する。なお、じゃんけん種別が“チョキ”や“パー”であるスロット群の設定更新についても、じゃんけん種別が“グー”であるスロット群の設定更新と同様に行うことができる。
【0044】
まず、スロット設定更新部16は、追加情報の技配置パターン(図3(b))に含まれる技設定スロットs3、s6に技種別“D”を設定する。そして、スロット設定更新部16は、基準スロットs2、s4、s5に設定されている得点“40”に追加情報の追加基準点“5”を加算して基準スロットの得点を“45”に更新するとともに、追加基準点が加算された後の基準スロットの得点“45”に追加情報のボーナス点“15”を加算して追加情報の技配置パターンに含まれる技設定スロットs3、s6の得点を“60”に更新する。また、基本情報の技配置パターン(図3(a))に含まれる技設定スロットs1に設定されている得点“50”に追加情報の追加基準点“5”を加算して技設定スロットs1の得点を“55”に更新する。なお、スロット設定更新部16によって更新された後は、図3(c)に示すようなパターンが仮想的に形成されることになる。
【0045】
これにより、パターンIDが“1”および“28”の技配置パターンにおいて、ともに基準スロットとして設定されているスロットs2、s4、s5の技種別は“A”となり、得点は“45”となる。また、パターンIDが“1”の技配置パターンにおいて技設定スロットとして設定されているスロットs1の技種別は“A”となり、得点は“55”となる。さらに、パターンIDが“28”の技配置パターンにおいて技設定スロットとして設定されているスロットs3、s6の技種別は“D”となり、得点は“60”となる。
【0046】
図1に示すゲーム実行部17は、スロット選択部18によって一のスロットが選択された場合に、選択部30によって選択されたじゃんけんの種別を用いて、プレイヤと対戦相手との間でじゃんけんゲーム(勝敗決定ゲーム)を実行させる。
【0047】
ここで、選択部30には、じゃんけん種別をプレイヤに選択させるための選択ボタンが設けられている。この選択ボタンは、じゃんけん種別ごとに設けられている。すなわち、グーを選択するための選択ボタンと、チョキを選択するための選択ボタンと、パーを選択するための選択ボタンとが設けられている。また、表示部40には、図5に示すような三つのスロット群sG,sC,sPが表示されており、各スロット群sG,sC,sPはじゃんけん種別のグー、チョキ、パーにそれぞれ対応している。プレイヤがいずれかの選択ボタンを押下すると、この選択ボタンに対応するスロット群が選択されるとともに、プレイヤによって選択されるじゃんけん種別が決定する。このように、選択部30は、複数あるじゃんけん種別の中からプレイヤが所望するじゃんけん種別を選択させる入力装置として機能する。
【0048】
また、スロット群sG,sC,sPは、各スロット群の外周端部分に設けられた6つのスロットを利用して、ルーレットとしての機能を有する。スロット選択部18は、プレイヤに選択ボタンを選択させる際に、スロット群に含まれる複数のスロットのうちの一のスロットを他のスロットと区別させて表示し、当該表示対象となる一のスロットを時間経過に応じて順次変更させていくことでルーレットを回転させる。そして、スロット選択部18は、プレイヤがいずれか一の選択ボタンを押下すると、押下時に他のスロットと区別して表示されている一のスロットを選択することでルーレットの回転を止める。
【0049】
ゲーム実行部17は、じゃんけんゲームの勝ち方のキャラクタが、じゃんけんゲームの負け方のキャラクタに対して攻撃を加えるように制御するとともに、この攻撃によって負け方のキャラクタに与えられたダメージとして、負け方の持ち点から所定の得点を減算する。プレイヤがじゃんけんゲームに勝利した場合を例にして、以下に具体的に説明する。
【0050】
ゲーム実行部17は、スロット選択部18によって選択された一のスロットに対応して設定されている技種別に基づいて、対戦相手のキャラクタに攻撃を加えるとともに、この攻撃によって対戦相手のキャラクタに与えられたダメージとして、スロット選択部18によって選択された一のスロットに対応して設定されている得点を対戦相手の持ち点から減算する。これにより、選択された一のスロットに設定されている得点に応じて対戦相手のキャラクタにダメージを与えることができるため、攻撃のたびに異なるダメージを与えることも可能となり、プレイヤの満悦度を高めることができる。
【0051】
図3(c)を参照してさらに具体的に説明する。ここで、この図3(c)に示すパターンの各スロットに設定されている技種別および得点は、上述したスロット設定更新部16の説明において用いた具体例の技種別および得点と同一の技種別および得点が設定されているものとする。
【0052】
例えば、スロット選択部18によって選択された一のスロットがスロットs1である場合には、技種別“A”に対応する攻撃が加えられ、対戦相手の持ち点から“55”が差し引かれる。また、スロット選択部18によって選択された一のスロットがスロットs2、s4、s5である場合には、技種別“A”に対応する攻撃が加えられ、対戦相手の持ち点から“45”が差し引かれる。さらに、スロット選択部18によって選択された一のスロットがスロットs3、s6である場合には、技種別“D”に対応する攻撃が加えられ、対戦相手の持ち点から“60”が差し引かれる。
【0053】
ゲーム実行部17は、減算後の負け方の持ち点が0点以下である場合には、現在の対戦において、じゃんけんの勝ち方のキャラクが勝利したと判定し、次の対戦に移行させる。つまり、現在の対戦回数が1回戦であれば2回戦に移行させ、現在の対戦回数が2回戦であれば3回戦に移行させる。ゲーム実行部17は、現在の対戦回数が所定の上限対戦回数である場合には、カードゲームを終了させる。
【0054】
ゲーム実行部17は、対戦相手のキャラクタに攻撃を加える場合に、スロット選択部18によって選択された一のスロットを基準スロットに変更させる。これにより、追加カード情報読込部14によって追加のカードが読み込まれた場合に、基準スロットに変更された後のスロットに対して新たな技種別を設定させることが可能となる。この基準スロットへの変更のタイミングは、追加カードの読み込みに伴って実行される設定更新処理が終了してから次回の追加カードの読み込みに伴う設定更新処理が開始される前までであればいつでもよい。
【0055】
なお、ゲーム実行部17によって減算された持ち点が0点以下である場合に、追加のカードを読取部20に挿入するように促すためのメッセージをディスプレイに表示させるメッセージ部をさらに備えることとしてもよい。これにより、プレイヤに対して追加のカードを挿入するように喚起することができるため、技のバリエーションをより確実に増加させることができる。
【0056】
また、メッセージを表示させる条件は、持ち点が0点以下であることには限定されず、所定の得点以下であればよい。また、メッセージをディスプレイに表示させることには限定されない。例えば、音声によるメッセージをスピーカから出力させる等のように、プレイヤに対して追加のカードを挿入するように促すための何らかのメッセージを出力させることができればよい。
【0057】
次に、図6を参照して、本実施形態におけるカードゲーム装置1で実行されるカードゲーム処理の処理手順について説明する。
【0058】
最初に、カードゲーム装置1のカード情報読込部11は、読取部20に挿入されたカードから当該カードに記録されているカードIDを読み込む(ステップS101)。
【0059】
続いて、基本情報取得部12は、カード情報読込部11によって読み込まれたカードIDを用いて、このカードIDに対応付けられてカードDB51に記憶されている持ち点、基準点、ボーナス点、技配置パターンおよび技種別を含む基本情報を取得する(ステップS102)。
【0060】
続いて、スロット設定部13は、基本情報取得部12によって取得された基本情報を用いて、スロットごとの技種別および得点を設定する(ステップS103)。
【0061】
続いて、追加カード情報読込部14は、上記ステップS101で読み込まれたカードとは異なる追加カードが読取部20に挿入された場合に、この追加カードに記憶されているカードIDを読み込む(ステップS104)。
【0062】
続いて、追加情報取得部15は、追加カード情報読込部14によって読み込まれたカードIDを用いて、このカードIDに対応付けられてカードDB51に記憶されている追加基準点、ボーナス点、技配置パターンおよび技種別を含む追加情報を取得する(ステップS105)。
【0063】
続いて、スロット設定更新部16は、追加情報取得部15によって取得された追加情報を用いて、スロット設定部13によって設定されたスロットごとの技種別および得点を更新する(ステップS106)。これにより、例えば、図7に示すゲーム画面が表示される。図7は、追加情報によって増大したじゃんけん種別ごとに得られる点数の変化を、矢印を用いてプレイヤに示すためのゲーム画面である。このようなゲーム画面を表示させることにより、プレイヤは自分のキャラクタがパワーアップしたことを認識することができる。
【0064】
続いて、プレイヤがじゃんけん種別を選択する際に表示されるゲーム画面(図8参照)が表示される。そして、プレイヤがいずれかの選択ボタンを押下して、じゃんけん種別が確定し、スロット選択部18によるスロットの選択が確定した場合(ステップS107;YES)に、ゲーム実行部17は、選択されたじゃんけんの種別を用いて、プレイヤと対戦相手との間でじゃんけんゲームを実行させる(ステップS108)。
【0065】
続いて、ゲーム実行部17は、じゃんけんゲームの勝ち方のキャラクタがじゃんけんゲームの負け方のキャラクタに対して攻撃を加えるように制御する(ステップS109)。ここで、プレイヤが勝利した場合には、上記ステップS107で選択されたスロットに対応して設定されている技種別に基づいて、じゃんけんの負け方である対戦相手のキャラクタに対して、技種別に対応する技を用いて攻撃を加えることになる。
【0066】
ゲーム実行部17は、攻撃によってキャラクタに与えられたダメージとして、上記ステップS107で選択されたスロットに対応して設定されている得点を、じゃんけんの負け方の持ち点から差し引くことで負け方の持ち点を算出する(ステップS110)。
【0067】
ゲーム実行部17は、上記ステップS110で算出した負け方の持ち点が0点以下であるか否かを判定する(ステップS111)。この判定がNOである場合(ステップS111;NO)に、処理を上述したステップS107に移行させる。
【0068】
一方、ステップS111の判定において、負け方の持ち点が0点以下であると判定された場合(ステップS111;YES)に、ゲーム実行部17は、現在の対戦回数が、所定の上限対戦回数であるか否かを判定する(ステップS112)。この判定がYESである場合に、カードゲーム処理を終了させる。
【0069】
一方、ステップS112の判定において、現在の対戦回数が、所定の上限対戦回数未満であると判定された場合(ステップS112;NO)に、ゲーム実行部17は、対戦回数を更新し(ステップS113)、次回戦の対戦を実行するために、処理を上述したステップS104に移行させる。
【0070】
上述してきたように、本実施形態のカードゲーム装置1によれば、キャラクタの技を特定するための技種別をスロットごとに設定させることができるため、一のスロット群に対して複数の技種別を設定させることができる。これにより、プレイヤのキャラクタに複数の技を付与した状態で対戦相手のキャラクタと対戦させることができる。すなわち、一の行動選択肢を選択したプレイヤは、じゃんけんゲームに勝利した場合に、行動選択肢を選択したときに選択されたスロットに応じた技を用いて対戦相手のキャラクタに対して攻撃を加えさせることができるため、行動選択肢を選択するたびに前回の対戦内容とは異なる内容で対戦相手のキャラクタと対戦させることが可能となる。すなわち、ゲームの進行内容に、より多様性を持たせることができる。これにより、キャラクタから繰り出される攻撃の内容でプレイヤを満悦させることが可能となる。
【0071】
具体的には、選択されたスロットが基本情報の技種別が設定されたスロットである場合には、基本情報の技種別に対応する技を用いて対戦相手のキャラクタに攻撃を加えさせることができ、選択されたスロットが追加情報の技種別が設定されたスロットである場合には、追加情報の技種別に対応する技を用いて対戦相手のキャラクタに攻撃を加えさせることができる。
【0072】
また、ゲーム開始時や対戦回数更新後に設けられた読取タイミングごとに異なる追加カードを読み込ませることで、その時点に設定されている技に加えて、追加情報に含まれる技をさらに追加して設定させることができる。すなわち、異なる追加カードを繰り返し読み込ませていくことで、キャラクタの技を追加させていくことができるため、キャラクタを強化させていくことが可能となる。
【0073】
なお、上述した第1実施形態では、カードを読み込んだときにスロットごとの技種別および得点を設定・更新させているが、技種別および得点を設定・更新させるタイミングはこれに限定されない。例えば、じゃんけんゲームを実行してじゃんけんによる勝負が決定した後に、技種別および得点を設定・更新させることとしてもよい。
【0074】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図9は、第2実施形態におけるカードゲーム装置1sの機能構成を示す図である。第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、第2実施形態では、第1実施形態におけるスロット設定部13の代わりに基本情報設定部13sが設けられている点と、記憶部50に格納されるデータベースがカードDB51sと追加DB52になる点である。また、これらの変更に伴い第1実施形態の基本情報取得部12、追加情報取得部15およびスロット設定更新部16の機能の一部が変更されている。それ以外の構成は、第1実施形態における各構成と同様であるため、各構成要素には同一の符合を付しその説明は省略すると共に、以下においては、主に第1実施形態との相違点について説明する。
【0075】
図10に示すカードDB51sは、データ項目として、例えば、カードID、持ち点、じゃんけん種別、基準点、技配置パターンおよび技種別を有する。基準点、技配置パターンおよび技種別は、じゃんけん種別ごとに設定されるデータ項目である。図11に示す追加点DB52は、データ項目として、例えば、持ち点、追加基準点およびボーナス点を有する。各データベースの各データ項目は、上述した第1実施形態におけるカードDB51の各データ項目と同様のデータ項目であるため、その説明については省略する。
【0076】
第2実施形態におけるカードDB51sおよび追加点DB52のデータ構成が、第1実施形態におけるカードDB51のデータ構成と異なる点は、以下の二点である。一点目は、技配置パターンおよび技種別が、全てのじゃんけん種別ごとに設けられるのではなく、基準点が最も高いじゃんけん種別にのみ設けられている点である。この場合に、基準点が低いじゃんけん種別に対応する技種別には、予めカードゲーム装置側でじゃんけん種別ごとに初期設定されている技種別が設定されることを示す情報(図10では“ノーマル”)が格納される。
【0077】
二点目は、追加基準点およびボーナス点が、じゃんけん種別ごとに設けられるのではなく、持ち点群ごとに設けられている点である。また、追加基準点を複数の段階(図11では2段階)にわけて設けることとしてもよい。この場合に、例えば、高い方の追加基準点を、攻撃力の高い技に対して追加する得点とし、低い方の追加基準点を、通常の攻撃力の技に対して追加する得点とすることができる。
【0078】
基本情報取得部12sは、カード情報読込部11によって読み込まれたカードIDを用いて、このカードIDに対応付けられてカードDB51sに記憶されている持ち点および基準点を含む基本情報を取得する。なお、第2実施形態におけるカード情報読込部11は、ゲーム開始後の最初の読取タイミングに読取部20に挿入されたカードからカードIDを読み込む点で第1実施形態におけるカード情報読込部11とは異なる。
【0079】
基本情報設定部13sは、基本情報取得部12sによって取得された基本情報を記憶部50のメモリ上に設けられた一時記憶領域に設定する。
【0080】
追加情報取得部15sは、予め設定された所定の読取タイミングで追加カード情報読込部14によって読み込まれたカードIDを用いて、このカードIDに対応付けられてカードDB51sに記憶されている技配置パターンおよび技種別を取得する。なお、第2実施形態における追加カード情報読込部14は、ゲーム開始後の最初の読取タイミングよりも後の読取タイミングにおいて読取部20に挿入されたカードからカードIDを読み込む点で第1実施形態における追加カード情報読込部14とは異なる。
【0081】
また、追加情報取得部15sは、現時点における持ち点を用いて、この持ち点に対応付けて追加点DB52に記憶されている追加基準点およびボーナス点を取得する。追加情報取得部15sによって取得された技配置パターン、技種別、追加基準点およびボーナス点が追加情報となる。
【0082】
スロット設定更新部16sは、追加情報取得部15sによって取得された追加情報を用いて、じゃんけん種別ごとに設けられたスロット群に含まれるスロットごとの技種別および得点を設定するとともに、既にスロットごとの技種別および得点が設定されている場合にはその設定を更新する。以下に具体的に説明する。
【0083】
スロット設定更新部16sは、スロットごとの技種別および得点を設定する場合に、まず、追加情報の技配置パターンに含まれる技設定スロットに追加情報の技種別を設定する。そして、基準スロットの得点として基本情報に含まれる基準点を設定し、技設定スロットの得点として基本情報に含まれる基準点に追加情報のボーナス点を加算した点を設定する。
【0084】
スロット設定更新部16sは、既に設定されているスロットごとの技種別および得点を更新する場合に、まず、追加情報の技配置パターンに含まれる技設定スロットに追加情報の技種別を設定する。そして、追加情報の技配置パターンに含まれる技設定スロット以外のスロットに設定されている得点に追加情報の追加基準点を加算するとともに、追加情報の技配置パターンに含まれる技設定スロットに設定されている得点に追加情報の追加基準点およびボーナス点を加算することで、各スロットの得点を更新する。
【0085】
次に、図12を参照して、第2実施形態におけるカードゲーム装置1sで実行されるカードゲーム処理の処理手順について説明する。なお、図12に示すステップS207〜S213の各処理は、第1実施形態において詳述したステップS107〜S113の各処理(図6参照)と、それぞれ同様の処理であるため、第1実施形態とは異なるステップS201〜S206の処理について説明する。
【0086】
最初に、カードゲーム装置1sのカード情報読込部11は、読取部20に挿入されたカードから当該カードに記録されているカードIDを読み込む(ステップS201)。
【0087】
続いて、基本情報取得部12sは、ゲーム開始時の最初の読取タイミングにカード情報読込部11によって読み込まれたカードIDを用いて、このカードIDに対応付けられてカードDB51sに記憶されている持ち点および基準点を含む基本情報を取得する(ステップS202)。
【0088】
続いて、基本情報設定部13sは、基本情報取得部12sによって取得された基本情報をメモリ上の一時記憶領域に設定する(ステップS203)。
【0089】
続いて、追加カード情報読込部14は、最初の読取タイミングよりも後の所定の読取タイミングに追加カードが読取部20に挿入された場合に、この追加カードに記憶されているカードIDを読み込む(ステップS204)。
【0090】
続いて、追加情報取得部15sは、追加カード情報読込部14によって読み込まれたカードIDを用いて、このカードIDに対応付けられてカードDB51sに記憶されている技配置パターンおよび技種別を取得するとともに、現時点の持ち点を用いて、この持ち点に対応付けて追加点DB52に記憶されている追加基準点およびボーナス点を取得することで追加情報を取得する(ステップS205)。
【0091】
続いて、スロット設定更新部16sは、追加情報取得部15sによって取得された追加情報を用いて、じゃんけん種別ごとに設けられたスロット群に含まれるスロットごとの技種別および得点を設定または更新する(ステップS206)。
【0092】
上述してきたように、本実施形態のカードゲーム装置1sによれば、キャラクタの技を特定するための技種別をスロットごとに設定させることができるため、一のスロット群に対して複数の技種別を設定させることができる。これにより、プレイヤのキャラクタに複数の技を付与した状態で対戦相手のキャラクタと対戦させることができる。すなわち、一の行動選択肢を選択したプレイヤは、じゃんけんゲームに勝利した場合に、行動選択肢を選択したときに選択されたスロットに応じた技を用いて対戦相手のキャラクタに対して攻撃を加えさせることができるため、行動選択肢を選択するたびに前回の対戦内容とは異なる内容で対戦相手のキャラクタと対戦させることが可能となる。すなわち、ゲームの進行内容に、より多様性を持たせることができる。これにより、キャラクタから繰り出される攻撃の内容でプレイヤを満悦させることが可能となる。
【0093】
また、ゲーム開始時や対戦回数更新後に設けられた読取タイミングごとに追加カードを読み込ませることで、その時点に設定されている技に加えて、追加情報に含まれる技をさらに追加して設定させることができる。すなわち、追加カードを繰り返し読み込ませていくことで、キャラクタの技を追加させていくことができるため、キャラクタを強化させていくことが可能となる。
【0094】
なお、上述した各実施形態では、基本情報や追加情報を取得する際に、読取部にカードを挿入させているが、基本情報や追加情報を取得するための媒体は、カードに限定されない。例えば、フィギュアやICチップ内蔵メダル等の各種の入力媒体を用いることとしてもよい。
【0095】
また、上述した各実施形態では、プレイヤと対戦相手との間でじゃんけんゲームを実行させているが、実行する対戦ゲームはじゃんけんゲームに限定されない。プレイヤと対戦相手との間で勝敗を決定することができるゲームであればよい。すなわち、上述した実施形態におけるじゃんけん種別は、勝敗決定ゲームに対するプレイヤの行動を示すための複数の行動選択肢であればよく、じゃんけんゲームは、行動選択肢を用いた勝敗決定ゲームであればよい。
【0096】
また、上述した各実施形態では、キャラクタ同士を対戦させる際のキャラクタの攻撃内容である技をスロットごとに設定しているが、スロットごとに設定する内容は、対戦相手のキャラクタに加える攻撃に関するものには限定されない。例えば、対戦相手のキャラクタに攻撃されて失われた体力を回復させるための回復量に関するものであってもよいし、対戦相手のキャラクタから攻撃を受ける確率を減少させるための被攻撃率に関するものであってもよい。すなわち、上述した実施形態における技種別は、じゃんけんゲームで勝った場合に発揮されるキャラクタの能力(例えば、技等の攻撃力や、回復量等の体力、被攻撃率等の防御力など)を示す能力種別であればよく、技配置パターンは、キャラクタに付与される能力の内容をスロットに配置するためのパターンを示す能力内容配置パターンであればよい。
【0097】
また、上述した各実施形態では、カードにカードIDを記録し、このカードIDに対応する基本情報や追加情報をカードDBから取得しているが、基本情報や追加情報を取得する方法は、これに限定されない。例えば、カード自体に、基本情報や追加情報を記録し、カードから基本情報や追加情報を取得することとしてもよい。また、基本情報や追加情報をカードとカードDBとに適宜分散させて記録し、カードおよびカードDBから基本情報や追加情報を取得することとしてもよい。
【0098】
ここで、基本情報や追加情報の一部をカードに記録することとした場合に、そのカードに記録されるデータの構成例を図13に示す。同図は、基本情報や追加情報の一部を13桁のバーコードに格納した状態を示したものである。すなわち、この場合には、カードに13桁のバーコードが組み込まれ、このバーコードに各種の情報が格納されていることになる。データ項目としては、例えば、固定内容の“M”、ゲームのバージョンごとに設定されるバージョンコード、六角形の技配置パターン(36種類)、技種別(36段階または8段階)、防御力(36段階)、体力(36段階)、パーの攻撃力(36段階)、チョキの攻撃力(36段階)、グーの攻撃力(36段階)、キャラクタ情報(1296種類または1024種類)、ハッシュ暗号キー(0〜Z)を設けることができる。
【0099】
また、上述した各実施形態では、キャラクタを用いてゲームを進行させているが、必ずしもキャラクタを用いる必要はなく、プレイヤと対戦相手との間で勝敗を決定するゲームを進行させ、プレイヤが勝利した場合に、プレイヤが選択したスロットに設定されている何らかの効果をプレイヤに付与したうえで、ゲームを進行させていくことができればよい。
【0100】
また、図1および図9に示した実施形態におけるカードゲーム装置1,1sの機能構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができる。例えば、カードゲーム装置の制御部10の機能をソフトウェアとして実装し、これをコンピュータで実行することにより、カードゲーム装置と同等の機能を実現することもできる。以下に、制御部10の機能をソフトウェアとして実装したカードゲームプログラム152を実行するコンピュータの一例を示す。
【0101】
図14は、カードゲームプログラムを実行するコンピュータの機能構成を示す図である。このコンピュータ100は、各種演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)110と、カード等の入力媒体からデータ等を読み取る読取装置120と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置130と、各種情報を表示するディスプレイ140と、各種データおよびプログラムを格納するハードディスク装置150と、各種情報を一時記憶するRAM(Random Access Memory)160とがバス170を介して構成される。
【0102】
ハードディスク装置170には、図1および図9に示した制御部10と同様の機能を実現するためのカードゲームプログラム152と、図1および図9に示した記憶部50に記憶される各種データに対応するカードゲーム用データ151とが記憶される。なお、カードゲーム用データ151を、適宜分散させ、ネットワークを介して接続された他のコンピュータに記憶させることとしてもよい。
【0103】
このようなコンピュータ100において、CPU110がカードゲームプログラム152をハードディスク装置150から読み出してRAM160上に展開することで、カードゲームプログラム152がカードゲームプロセス161として機能する。カードゲームプロセス161は、カードゲーム用データ151から読み出したデータ等をRAM160上に展開し、この展開したデータ等に基づいて各種データ処理を実行する。
【0104】
なお、カードゲームプログラム152は、必ずしもハードディスク装置150に格納されている必要はなく、CD−ROM等の記憶媒体に記憶されていてもよい。この場合には、記憶媒体に記憶されているカードゲームプログラム152を、コンピュータ100が読み出して実行することになる。また、公衆回線、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等を介してコンピュータ100に接続される他のコンピュータ等にカードゲームプログラム152を記憶させておき、コンピュータ100がこのカードゲームプログラム152を読み出して実行することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】第1実施形態におけるカードゲーム装置の機能構成を示す図である。
【図2】第1実施形態におけるカードDBのデータ構成を示す図である。
【図3】技配置パターンを説明するための図である。
【図4】パターンデータベースのデータ構成を示す図である。
【図5】じゃんけん種別に対応させた三つのスロット群を説明するための図である。
【図6】第1実施形態におけるカードゲーム装置で実行されるカードゲーム処理の処理手順について説明するためのフローチャートである。
【図7】ゲーム画面を例示するための図である。
【図8】ゲーム画面を例示するための図である。
【図9】ゲーム画面を例示するための図である。
【図10】第2実施形態におけるカードDBのデータ構成を示す図である。
【図11】第2実施形態における追加点DBのデータ構成を示す図である。
【図12】第2実施形態におけるカードゲーム装置で実行されるカードゲーム処理の処理手順について説明するためのフローチャートである。
【図13】カードに記録されるデータの構成例を示す図である。
【図14】カードゲームプログラムを実行するコンピュータの機能構成を示す図である。
【符号の説明】
【0106】
1,1s…カードゲーム装置、10…制御部、11…カード情報読込部、12,12s…基本情報取得部、13…スロット設定部、13s…基本情報設定部、14…追加カード情報読込部、15,15s…追加情報取得部、16,16s…スロット設定更新部、17…ゲーム実行部、18…スロット選択部、20…読取部、30…選択部、40…表示部、50…記憶部、51,51s…カードデータベース、52…追加点データベース、100…コンピュータ、110…CPU、120…読取装置、30…入力装置、140…ディスプレイ、150…ハードディスク装置、151…カードゲーム用データ、152…カードゲームプログラム、161…カードゲームプロセス、170…バス、170…ハードディスク装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤが所望する一の行動選択肢を複数の行動選択肢から選択させる行動選択肢選択手段と、
前記一の行動選択肢を選択させるときに、前記複数の行動選択肢に対応させてそれぞれ設けられたスロット群に含まれる複数のスロットのうちの一のスロットを他のスロットと区別させて表示し、当該表示対象となる前記一のスロットを時間経過に応じて順次変更させ、前記一の行動選択肢が選択されたときに前記表示対象として表示されている前記一のスロットを選択するスロット選択手段と、
前記行動選択肢を用いてプレイヤと対戦相手との間で行う勝敗決定ゲームで勝利したときに付与される効果を前記スロットごとに設定する設定手段と、
前記スロット選択手段によって前記一のスロットが選択された場合に、前記行動選択肢選択手段によって選択された前記一の行動選択肢を用いて、前記勝敗決定ゲームを実行させ、当該勝敗決定ゲームでプレイヤが勝利した場合に、前記スロット選択手段によって選択された一のスロットに対応して設定されている前記効果をプレイヤに付与してゲームを進行させるゲーム実行手段と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記ゲーム装置は、プレイヤのキャラクタと対戦相手のキャラクタとを仮想空間で対戦させるゲーム装置であって、
入力媒体が予め設定された所定の読取タイミングで読取装置に読取入力された場合に、当該入力媒体を特定するための入力媒体特定情報を用いて、前記行動選択肢に対応する行動の結果によって発揮され得るキャラクタの能力を特定するための能力種別、および当該能力の内容を前記スロットに配置するためのパターンを示す能力内容配置パターンを取得する取得手段をさらに備え、
前記設定手段は、前記取得手段によって取得された前記能力種別および前記能力内容配置パターンを用いて、前記スロットごとの前記能力種別を前記効果として設定し、
前記ゲーム実行手段は、前記勝敗決定ゲームでプレイヤが勝利した場合に、前記スロット選択手段によって選択された前記一のスロットに対応して設定されている前記能力種別に応じた能力をプレイヤのキャラクタに付与したうえで、プレイヤのキャラクタと対戦相手のキャラクタとを対戦させることを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記能力内容配置パターンには、前記能力種別を設定するためのスロットである能力設定スロットの位置を示す情報が含まれ、
前記設定手段は、前記取得手段によって取得された前記能力内容配置パターンに含まれる前記能力設定スロットに前記取得手段によって取得された前記能力種別を設定することを特徴とする請求項2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記取得手段は、ゲーム開始後の最初の前記読取タイミングに読取入力された入力媒体に対応する前記入力媒体特定情報を用いて、基準点を取得し、前記最初の前記読取タイミングよりも後の前記読取タイミングに読取入力された入力媒体に対応する前記入力媒体特定情報を用いて、前記能力種別、前記能力内容配置パターン、追加基準点およびボーナス点を取得することを特徴とする請求項3記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記設定手段は、全てのスロットに対応する得点として前記基準点を設定するとともに、前記取得手段によって取得された前記能力内容配置パターンに含まれる前記能力設定スロット以外のスロットに設定されている得点に前記追加基準点を加算し、当該能力内容配置パターンに含まれる前記能力設定スロットに設定されている得点に前記追加基準点および前記ボーナス点を加算することで各スロットの得点を更新することを特徴とする請求項4記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記取得手段は、ゲーム開始後の最初の前記読取タイミングに読取入力された入力媒体に対応する前記入力媒体特定情報を用いて、ゲーム開始時の持ち点をさらに取得し、
前記ゲーム実行手段は、前記キャラクタ同士の対戦によって対戦相手のキャラクタに与えられたダメージとして、前記スロット選択手段によって選択された一のスロットに対応して設定されている得点を対戦相手の持ち点から減算することを特徴とする請求項5記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記ゲーム実行手段によって減算された対戦相手の持ち点が所定の得点以下である場合に、入力媒体を前記読取装置に読取入力させるようにプレイヤに促すためのメッセージを出力させるメッセージ手段をさらに備えることを特徴とする請求項6記載のゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−183634(P2009−183634A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29462(P2008−29462)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】