説明

ゲーム装置

【課題】
本発明は、敵キャラクタとの戦闘をより戦略的に行うことが可能で、優れた趣向性を有しつつ、レベル上げを行わなくても、強敵との戦闘に勝利することも可能な、より戦略性に富んだゲームを楽しむことができるゲーム装置及びゲームプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】
敵キャラクタによるプレイヤキャラクタに対しての攻撃が開始される(ステップS11)と、隙発生フラグを設定するための計時が開始される。プレイヤキャラクタからの敵キャラクタへの攻撃操作を受け付け(ステップS12)、該攻撃が敵キャラクタへ命中すると(ステップS13)、その敵キャラクタについて、隙発生フラグ43が設定されているか否かが判定される(ステップS14)。隙発生フラグ43が設定されている場合(ステップS14にてYES)は、特殊効果55が発生する(ステップS15)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤキャラクタに敵キャラクタとの仮想戦闘を行わせることでゲームを進行させるゲーム装置、ゲームプログラム及びゲーム進行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プレイヤによって操作が可能なプレイヤキャラクタに、敵キャラクタとの仮想の戦闘を行わせることでゲームを進行させるアクションゲームや格闘ゲームが楽しまれている。このアクションゲームや格闘ゲームでは、例えば、武器や素手を用いた通常の攻撃と、通常の攻撃よりも強力な攻撃力を有する、或いは、何らかの特殊効果が発生する特殊な攻撃を組み合わせることで、戦略的に仮想戦闘を進めることが行われている。さらに、戦略性に富んだアクションゲームを提供するために、プレイヤキャラクタによる攻撃を敵キャラクタが受けた際に、敵キャラクタの体力値が所定の範囲内であるか否かを判定し、所定の範囲内であるときに、攻撃によるダメージの大きさにかかわらず、敵キャラクタの体力値を「0」とするゲームプログラムが開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、近年、RPG(ロール・プレイング・ゲーム)にアクションゲームの要素を加えたアクションRPGが多くのプレイヤに楽しまれている。このアクションRPGでは、通常のアクションゲームと同様、プレイヤキャラクタを操作することで、仮想世界におけるプレイヤキャラクタの位置を移動させたり、また、剣や斧といった武器・素手による打撃攻撃、又は、炎や雷の効果を有する魔法攻撃などを駆使しながら、敵キャラクタとの仮想戦闘を行うものである。プレイヤキャラクタが敵キャラクタとの仮想戦闘に勝利すると、プレイヤキャラクタは経験値やアイテムを獲得し、獲得した経験値に応じてプレイヤキャラクタが成長していく。
【0004】
このようなアクションRPGでは、プレイヤキャラクタよりも、攻撃力・防御力又は体力値などの面において、圧倒的に高いステータスを有するボスキャラクタなどの強敵と戦闘を行う場合は、何度も攻撃を行わなければ敵キャラクタを倒すことはできない。そのため、このような強い敵キャラクタと戦闘を行いたいと考える場合は、これらよりも弱い敵キャラクタとの戦闘を何度も繰り返し行い、プレイヤキャラクタ自身のレベルを向上させてからでないと、ボスキャラクタなどの強敵に勝利することが困難であった。そのため、これら強敵よりも弱い敵キャラクタとの戦闘を繰り返す、いわゆる「レベル上げ」が必要となって、ゲームの進行が単調になり、面白みが削がれてしまうような場合があった。また、仮に、レベルを上げずに戦闘をする場合であっても、攻撃ボタンをひたすら連打するといった戦闘になりがちで、戦闘も単調なものとなりがちであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−54171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、特許文献1に開示されたゲームプログラムでは、敵キャラクタと戦闘を行って敵キャラクタの体力値が、所定の体力値の範囲になるようにしたうえで攻撃を実行すると、その敵キャラクタの体力値がゼロとなり、戦略的に敵キャラクタとの戦闘を行うことができる。しかし、この敵キャラクタの体力値を所定の範囲にするためには、プレイヤキャラクタと敵キャラクタの強さがある程度近い状態で戦闘を行う必要があった。プレイヤキャラクタと敵キャラクタの強さに大きな差がある場合は、敵キャラクタの体力値を所定の範囲まで下げることが至難の業であった。そのため、特許文献1のゲームプログラムであっても、プレイヤキャラクタは、比較的弱い敵キャラクタとの戦闘を繰り返し、レベル上げを繰り返す必要があった。
【0007】
本発明は、敵キャラクタとの戦闘をより戦略的に行うことが可能で、優れた趣向性を有しつつ、レベル上げを行わなくても、強敵との戦闘に勝利することも可能な、より戦略性に富んだゲームを楽しむことができるゲーム装置及びゲームプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、プレイヤキャラクタに敵キャラクタとの仮想戦闘を行わせることでゲームを進行させるゲーム装置であって、プレイヤキャラクタ又は敵キャラクタによる所定のアクションの実行に応じて、計時を開始する計時手段と、プレイヤキャラクタに敵キャラクタへの攻撃を実行させる攻撃実行手段と、攻撃実行手段により実行されたプレイヤキャラクタからの攻撃を敵キャラクタが受けた場合であって、敵キャラクタが攻撃を受けた時が計時の開始から所定の時間外であるときは、該攻撃の効果として所定の効果を発生させる攻撃効果発生手段と、攻撃実行手段により実行されたプレイヤキャラクタからの攻撃を敵キャラクタが受けた場合であって、敵キャラクタが攻撃を受けた時が計時の開始から所定の時間内であるときは、該攻撃の効果として該所定の効果とは異なる特殊効果を発生させる特殊効果発生手段とを備えたゲーム装置に関する。
【0009】
例えば、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの戦闘において、敵キャラクタが攻撃などの所定のアクションをとったような場合に、ほんの短い時間だけ、敵キャラクタが無防備な体勢や状態となり、隙(スキ)が発生するといったシチュエーションを想定したような場合に、本発明を適用することが可能である。
【0010】
ここで、敵キャラクタが無防備な体勢や状態であるような時間が、前記所定の時間に相当するものである。この所定の時間内に、プレイヤキャラクタから敵キャラクタが攻撃を受けたような場合は、所定の時間外に攻撃を受けたときとは、異なる特殊効果を発生させることが可能である。つまり、敵キャラクタの隙をついて攻撃を行うことで、通常よりも有利に戦闘を進めることが可能となる。敵の隙をついて戦闘をより有利に進めるという手法は、格闘技や実際の戦闘においても行われていることであり、本発明を適用することで、より現実の世界にそくした、アクションゲームや格闘ゲームを行うことが可能である。また、プレイヤは敵キャラクタのアクションをよく観察しながら、最適なタイミングで攻撃を繰り出し、敵キャラクタにその攻撃を命中させる必要があるため、より戦略的にゲームを楽しむことが可能となる。
【0011】
また、敵キャラクタに隙を発生させる条件としては、敵キャラクタが所定の攻撃を行ったような場合だけでなく、プレイヤキャラクタが敵キャラクタに所定の攻撃を行うことで隙が発生したり、又は、プレイヤキャラクタのアクションにより敵キャラクタが驚かされるなどにより隙が発生する場合もある。このように、プレイヤキャラクタは自らの行動により、敵キャラクタに隙をつくることも可能であり、より戦略的にゲームを楽しむことができる。
【0012】
本発明では、さらに、ゲームの進行に応じて変化する敵キャラクタの体力値を記憶する体力値記憶手段とを備え、特殊効果発生手段は、体力値記憶手段に記憶された敵キャラクタの体力値をゼロに変化させることが好ましい。
【0013】
アクションゲームや格闘ゲームでは、敵キャラクタに対して複数回の攻撃を命中させなければ、この敵キャラクタを倒せない場合もある。通常は、キャラクタ毎に、そのキャラクタが有する体力の値(体力値)が定められており、プレイヤキャラクタの攻撃が成功するごとに、この体力値が減っていく。そして、この体力値がゼロの状態になることで、敵キャラクタが戦闘不能状態となり、プレイヤキャラクタは戦闘に勝利したことになる。
【0014】
本発明では、敵キャラクタが無防備な体勢や状態となり、隙が発生している間に、敵キャラクタへ攻撃を命中させることで、敵キャラクタの残りの体力値の多い少ないにかかわらず、一気に体力値をゼロにすることが可能である。現実の世界でも、ボクシングなどの格闘技では、一瞬の隙の間にパンチを命中させることで、一撃で相手を倒してしまうこともあり、本発明により、よりリアルな戦略性に富んだアクションゲームや格闘ゲームを楽しむことが可能となる。
【0015】
このように、一撃で敵キャラクタを倒すことができるようにすることで、敵キャラクタのレベルがプレイヤキャラクタと比べて高い場合であっても、一瞬の隙をついて、わずかな時間の間に戦闘に勝利することも可能であり、プレイヤの実力しだいで、「レベル上げ」をしなくても、強敵に勝利することも可能となる。
【0016】
本発明では、さらに、ゲームの進行に応じて変化する敵キャラクタの体力値を記憶する体力値記憶手段とを備え、攻撃効果発生手段は、所定の条件にしたがって、体力値記憶手段により記憶された体力値を減算させ、特殊効果発生手段は、該所定の条件とは異なる条件にしたがって、体力値記憶手段により記憶された体力値を減算させることが好ましい。
【0017】
例えば、敵キャラクタが無防備な体勢や状態となり、隙が発生している間に、敵キャラクタへ攻撃を命中させることで、通常よりも大きなダメージを敵キャラクタに与えることも可能である。隙ができた敵キャラクタを攻撃することで、一撃で倒さないまでも、大きなダメージを与えることで、その後の戦闘をかなり有利に進めることが可能であり、より戦略性に富んだゲームを楽しむことができる。
【0018】
本発明では、前記所定のアクションが、敵キャラクタによるプレイヤキャラクタへの攻撃であって、ゲーム装置は、さらに、プレイヤキャラクタが該攻撃を回避したか否かを判定する回避判定手段とを備え、計時手段は、さらに回避判定手段によりプレイヤキャラクタが該攻撃を回避したと判定されたことを条件として計時を開始することが好ましい。
【0019】
このように、敵キャラクタがプレイヤキャラクタへ攻撃をしかけ、プレイヤキャラクタがこれを回避して、攻撃が空振りに終わったことを条件に、隙が発生し、計時が開始されるようにすることも可能である。これは、いわゆるカウンター攻撃を想定したものであり、プレイヤキャラクタが敵キャラクタの攻撃を回避して有効な攻撃を繰り出せる体勢が整っているからこそ、無防備な敵キャラクタに対する攻撃が強力なものとなる。
【0020】
本発明では、さらに、敵キャラクタにより実行可能な複数のアクションについて、各アクションと前記所定の時間との対応関係を記憶する第一対応関係記憶手段とを備え、攻撃効果発生手段は、敵キャラクタが攻撃を受けた時における、計時の開始からの経過時間が、第一対応関係記憶手段に記憶された対応関係において前記所定のアクションに対応する所定の時間外であるときは、該攻撃の効果として所定の効果を発生させるものであり、特殊効果発生手段は、敵キャラクタが攻撃を受けた時における、計時の開始からの経過時間が、第一対応関係記憶手段に記憶された対応関係において前記所定のアクションに対応する所定の時間内であるときは、該攻撃の効果として特殊効果を発生させるものであることが好ましい。
【0021】
敵キャラクタが所定のアクションをとることによって、敵キャラクタに隙が発生し、そこに攻撃を命中させることで特殊な効果を得ることができるものであるが、敵キャラクタがどのようなアクションをとったかによって、隙が発生する時間を変化させることが可能である。例えば、敵キャラクタの攻撃が剣を突くような動作であるか、剣を上から振り下ろして斬りつけるものであるかによっても、無防備でいる時間は当然変わってくるため、よりリアルで、且つ、戦略性に富んだゲームを楽しめることができる。
【0022】
本発明では、さらに、敵キャラクタにより実行可能な複数のアクションについて、各アクションと特殊効果との対応関係を記憶する第二対応関係記憶手段とを備え、特殊効果発生手段は、第二対応関係記憶手段に記憶された対応関係をもとに、敵キャラクタによる前記所定のアクションに対応する特殊効果を特定し、該特殊効果を発生させるものであることが好ましい。
【0023】
本発明は、敵キャラクタが所定のアクションをとることによって、敵キャラクタに隙が発生し、そこに攻撃を命中させることで特殊な効果を得ることができるものであるが、敵キャラクタがどのようなアクションをとったかによって、発生する特殊効果を変化させることが可能である。例えば、敵キャラクタが、ボクシングのジャブのようなコンパクトな動きでパンチを繰り出したような場合は、生じる隙も小さいため、プレイヤキャラクタによる攻撃が命中したとしても、そのダメージは致命傷とならないようにすることが可能であり、逆に、ボクシングのストレートやアッパーのような大きな動きでパンチを繰り出したような場合は、生じる隙も大きくなるため、プレイヤキャラクタの攻撃により一撃で倒されたり、致命傷となる大きなダメージを受けるようにすることができる。
【0024】
本発明では、特殊効果発生手段により発生する特殊効果は、再度、計時手段による計時を開始するものであることが好ましい。
【0025】
プレイヤキャラクタ又は敵キャラクタの何らかのアクションによって、敵キャラクタに隙が発生している時にプレイヤキャラクタが敵キャラクタに攻撃をすると、特殊効果が発生する。この特殊効果として、敵キャラクタに通常より大きなダメージを与えたりするだけでなく、敵キャラクタが体勢を崩して無防備になるといったことを想定して、さらに計時手段による計時を開始して、隙を発生させてもよい。このようにすることで、連続して特殊効果を発生させるように、戦略的に戦闘を進めることも可能である。
【0026】
本発明では、さらに、計時手段による計時の開始から前記所定の時間内である時に、プレイヤキャラクタによる敵キャラクタへの攻撃により特殊効果の発生が可能であることを示す特殊効果可能性表示を表示画面に表示する特殊効果可能性表示手段とを備えることが好ましい。
【0027】
敵キャラクタに隙が発生している時にプレイヤキャラクタが敵キャラクタに攻撃をすると、特殊効果が発生するが、この隙が発生していることを示す、隙マークを表示することによって、プレイヤが隙の発生を認識することが可能となる。
【0028】
本発明では、さらに、プレイヤキャラクタによる攻撃の照準を敵キャラクタに設定する攻撃照準設定手段とを備え、特殊効果可能性表示手段は、攻撃照準設定手段により設定された攻撃の照準の対象となる敵キャラクタについて、特殊効果可能性表示を表示することが好ましい。
【0029】
プレイヤキャラクタが、攻撃の照準としてロックオンした敵キャラクタについてのみ、隙マークを表示することが可能となる。
【0030】
本発明は、プレイヤキャラクタに敵キャラクタとの仮想戦闘を行わせて進行するゲームを、コンピュータ装置に実行させるゲームプログラムであって、コンピュータ装置を、プレイヤキャラクタ又は敵キャラクタによる所定のアクションの実行に応じて、計時を開始する計時手段と、プレイヤキャラクタに敵キャラクタへの攻撃を実行させる攻撃実行手段と、攻撃実行手段により実行されたプレイヤキャラクタからの攻撃を敵キャラクタが受けた場合であって、敵キャラクタが攻撃を受けた時が計時の開始から所定の時間外であるときは、該攻撃の効果として所定の効果を発生させる攻撃効果発生手段と、攻撃実行手段により実行されたプレイヤキャラクタからの攻撃を敵キャラクタが受けた場合であって、敵キャラクタが攻撃を受けた時が計時の開始から所定の時間内であるときは、該攻撃の効果として該所定の効果とは異なる特殊効果を発生させる特殊効果発生手段として機能させるゲームプログラムに関する。
【0031】
本発明は、プレイヤキャラクタに敵キャラクタとの仮想戦闘を行わせて進行するゲームを、コンピュータ装置に実行させるゲーム進行方法であって、コンピュータ装置に、プレイヤキャラクタ又は敵キャラクタによる所定のアクションの実行に応じて、計時を開始する計時ステップと、プレイヤキャラクタに敵キャラクタへの攻撃を実行させる攻撃実行ステップと、攻撃実行ステップにより実行されたプレイヤキャラクタからの攻撃を敵キャラクタが受けた場合であって、敵キャラクタが攻撃を受けた時が計時の開始から所定の時間外であるときは、該攻撃の効果として所定の効果を発生させる攻撃効果発生ステップと、攻撃実行ステップにより実行されたプレイヤキャラクタからの攻撃を敵キャラクタが受けた場合であって、敵キャラクタが攻撃を受けた時が計時の開始から所定の時間内であるときは、該攻撃の効果として該所定の効果とは異なる特殊効果を発生させる特殊効果発生ステップとを実行させるゲーム進行方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態にかかるゲーム装置の構成を表すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかるゲーム装置の入力部を表す図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかるキャラクタ管理テーブルの一例を表す図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかるアクションテーブルの一例を表す図である。
【図5】本発明の実施の形態における隙発生処理のフローチャートの一例を表す図である。
【図6】本発明の実施の形態における攻撃効果発生処理のフローチャートの一例を表す図である。
【図7】本発明の実施の形態における攻撃効果発生処理のフローチャートの一例を表す図である。
【図8】本発明の実施の形態における敵キャラクタのアクションと隙発生時間の対応関係を表す図である。
【図9】本発明の実施の形態にかかる表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態では、本発明の文字入力装置をゲーム装置に適用した場合について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる文字入力装置(ゲーム装置)の構成を示すブロック図である。ゲーム装置は、装置本体1を中心に構成される。装置本体1は、制御部11、RAM(Random Access Memory)12、ハードディスク・ドライブ(HDD)13、サウンド処理部14、グラフィック処理部15、DVD/CD−ROMドライブ16、通信インターフェイス17、及びインターフェイス部18からなり、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0034】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)から構成され、HDD13や記録媒体25に格納されたプログラムを実行し、装置本体1の制御を行なう。また、制御部11は内部タイマを備えている。RAM12は制御部11のワークエリアである。HDD13は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。
【0035】
DVD/CD−ROMドライブ16は、DVD−ROMやCD−ROMなどのゲームプログラムが格納された記録媒体25を装着することが可能である。ビデオゲーム装置でゲームを行なうためのプログラム及びデータは記録媒体25に記憶されており、DVD/CD−ROMドライブ16によりプログラム及びデータが読み出されて、RAM12にロードされる。
【0036】
制御部11は、進行中のゲームに必要なデータをRAM12から読み出して処理を行なう。ゲームの進行状況に応じて必要なデータが記録媒体25からRAM12にロードされる。制御部11は、RAM12にロードされたプログラム及びデータを処理し、サウンド出力の指示をサウンド処理部14に出力し、描画命令をグラフィック処理部15に出力する。サウンド処理部14は、スピーカーであるサウンド出力装置22に接続されている。制御部11がサウンド出力の指示をサウンド処理部14に出力すると、サウンド処理部14はサウンド出力装置22にサウンド信号を出力する。
【0037】
グラフィック処理部15は、表示画面24を有する表示装置23に接続されている。制御部11から描画命令が出力されると、グラフィック処理部15は、フレームメモリ(フレームバッファ)19に画像を展開し、表示装置23の表示画面24上に画像を表示するビデオ信号を出力する。グラフィック処理部15から出力されるビデオ信号に含まれる画像の1フレーム時間は、例えば30分の1秒である。グラフィック処理部15は、フレーム単位(すなわち、30分の1秒単位)で1枚の画像の描画を実行する。
【0038】
インターフェイス部18には、入力部(コントローラ)21とメモリーカードスロット20とが接続されている。入力部21は方向キー及び複数の操作ボタンを備え、これらの操作により文字入力がなされる。プレイヤによる入力部21からの入力情報はRAM12に格納され、制御部11は入力情報をもとに各種の演算処理を実行する。
【0039】
通信インターフェイス17は無線又は有線により通信ネットワーク27に接続されている。また、通信インターフェイス17は、アンテナ26を有する通信ユニットを介して、他のゲーム装置と無線により通信を行なうことが可能である。
【0040】
図2は本発明の実施形態にかかる入力部21の一例を示す図である。入力部本体30の正面左側には十字キー31が、右側にはボタン群32が設けられている。十字キー31には、上方キー31a、右方キー31b、下方キー31cおよび左方キー31dが含まれ、ボタン群32には、Aボタン32a、Bボタン32b、Yボタン32cおよびXボタン32dが含まれる。また、入力部21の中央部には、セレクトボタン36やスタートボタン37が設けられている。さらに、入力部21の側部にもLボタン34やRボタン35などの複数のボタンが設けられている。また、十字キー31の右下側及びボタン群32の左下側にはジョイスティック33a、33bが設けられている。
【0041】
これらの各ボタンに対して押圧力が加えられると、対応するスイッチがオンとなる。このスイッチのオン/オフに応じた検出信号が入力部21において生成される。また、ジョイスティック33の傾倒方位に対応した検出信号が入力部21において生成される。入力部21において生成されたスイッチ系統の検出信号がインターフェイス部18に供給され、どのボタンがオンされたかを示す検出情報となる。また、ジョイスティック33の場合は、ジョイスティック系統の検出信号がジョイスティック33の状態を示す検出情報となる。このようにして、入力部21に対してなされたプレイヤによる操作指示が装置本体1に供給される。
【0042】
例えば、ボタン群32を押圧することで、素手や武器による打撃攻撃や、攻撃魔法若しくは回復魔法又はアイテムの使用などの様々なアクションを、プレイヤキャラクタに実行させることが可能である。また、十字キー31を押圧したり、ジョイスティック33を傾斜させることで、プレイヤキャラクタを移動させたり、仮想空間内の仮想カメラの位置を変更することが可能である。
【0043】
ところで、本発明は、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとで仮想戦闘を行わせるゲームに関するものであって、プレイヤキャラクタ又は敵キャラクタの所定のアクションの実行により、敵キャラクタに隙が発生し、隙が発生している間にプレイヤキャラクタが敵キャラクタを攻撃することで、戦闘を有利に進めるための特殊な効果が得られるものである。ここで、プレイヤキャラクタとは、プレイヤが入力部21へ入力することで操作が可能なキャラクタだけでなく、プレイヤが操作するキャラクタの味方として行動するキャラクタであり、且つ、プレイヤが行動の方針を設定することで、あとはAIにより制御されるようなノンプレイヤキャラクタも含む概念である。一方、敵キャラクタとは、AIにより制御され、且つ、プレイヤキャラクタの敵として行動するキャラクタだけでなく、複数人で通信によりゲームをプレイするような場合では、プレイヤとは異なる他のプレイヤが操作するキャラクタも含む概念である。
【0044】
図3は、本発明の実施形態にかかる敵キャラクタ管理テーブルを表す図である。敵キャラクタ管理テーブル40には、名称41、種類42、残存体力値43、攻撃力44、防御力45及び隙発生フラグ46が設定されている。敵キャラクタ管理テーブル40は、フィールドマップ上に登場している、全ての敵キャラクタを管理するものであり、RAM12に設定されている。また、種類42〜隙発生フラグ46は、名称41と関連付けて記憶される。
【0045】
名称41は、敵キャラクタ毎に設定されるものであり、種類42は、「兵士」、「ドラゴン」、「暗黒騎士」といったように、敵キャラクタの種類を特定するものである。表示データや攻撃力・防御力などのステータス、可能なアクションなどは、敵キャラクタの種類42毎に決められている。残存体力値43は、敵キャラクタに残されている体力値であり、この値がゼロとなると、その敵キャラクタは戦闘不能となる。戦闘不能となった敵キャラクタについては、表示画面24には表示されなくなる。
【0046】
攻撃力44は、敵キャラクタが有する攻撃の強さを表すものであり、この値が大きいほど、敵キャラクタの攻撃を受けたプレイヤキャクタのダメージは大きくなる。一方、防御力45は、敵キャラクタが有する防御能力の高さを表すものであり、この値が大きいほど、プレイヤキャラクタからの攻撃を受けたとしても、敵キャラクタのダメージ(体力値が減少する値)は小さくなる。敵キャラクタに隙が発生した状態でなければ、通常、プレイヤキャラクタの攻撃力と敵キャラクタの防御力の値をもとに、敵キャラクタのダメージの大きさは決定される。
【0047】
隙発生フラグ46は、プレイヤキャラクタ又は敵キャラクタが攻撃などの所定のアクションをとることによって、敵キャラクタに隙が発生する隙発生状態となっている場合に設定されるものである。後述する隙発生時間内であれば隙発生フラグ46は設定され、時間が経過し隙発生時間外となれば隙発生フラグ46の設定は解除される。この隙発生フラグ46が設定されている時に、プレイヤキャラクタによる敵キャラクタの攻撃が命中すると、攻撃を受けた敵キャラクタの残存体力値がゼロとなったり、或いは、プレイヤキャラクタの攻撃力と敵キャラクタの防御力の値をもとに決定される、通常のダメージよりも大きなダメージを受けるなどの特殊効果が発生する。
【0048】
図4は、本発明の実施の形態にかかるアクションテーブルの一例を表す図である。アクションテーブル50は、敵キャラクタによるアクションと、隙発生時間・特殊効果の関係を定義するもので、RAM12に設定される。アクションテーブル50には、種類51、アクション52、アクション効果53、隙発生時間54及び特殊効果55が記憶されている。
【0049】
種類51は、敵キャラクタ管理テーブル40の種類42と同じ敵キャラクタの種類を表すものである。敵キャラクタは複数の攻撃パターンをもっており種類51毎に複数の攻撃に関するアクション52が予め記憶されている。また、該アクション52と関連付けて、アクションの効果53、隙発生時間54及び特殊効果55が記憶されている。
【0050】
アクション52としては、剣、斧などの装備アイテムや素手による打撃系の攻撃の他、攻撃魔法や回復魔法などの魔法の使用も含まれる。また、打撃系の攻撃であっても、剣や槍を突く動作をする「突き」、剣を斬りつける動作をする「斬り」などの攻撃の種類によって、異なる隙発生時間54や特殊効果55を設定することも可能である。魔法の使用であっても、魔法の種類によって、その魔法を詠唱する時間や詠唱時の動作も異なるため、異なる隙発生時間54や特殊効果55を設定することも可能である。また、アクション52は、攻撃や魔法の使用だけに限らず、アイテムの使用であってもよい。その他、アクション52としては、高い所から飛び降りて地面に着地するような場合も隙が発生するため、「飛び降り」といった動作、隙発生時間を発生させることも可能である。
【0051】
アクション効果53は、敵キャラクタによるアクション52が成功したとき、つまり敵キャラクタによる攻撃がプレイヤキャラクタに命中したときの効果を表すものである。アクション効果53は、通常の打撃によるダメージのみの場合もあれば、麻痺や石化など、プレイヤキャラクタの状態に異常を発生させる場合もある。
【0052】
また、隙発生時間54は、敵キャラクタのアクション52の開始時又は終了時を0とした場合に、隙が発生する時間帯(タイミング)を表示するもので、通常、所定の幅を有している。隙発生時間54が、例えば「0.5〜0.75秒」、「1.2秒〜2秒」と記憶されているような場合は、敵キャラクタのアクション52の開始から0.5〜0.75秒及び1.2秒〜2秒の間に隙が発生し、敵キャラクタ管理テーブル40の隙発生フラグ46が設定される。また、アクション52によっては、隙発生時間54は設定せずに、全く隙が発生しないようにすることも可能である。
【0053】
隙発生時間54は、アクション52の開始後、途中又は終了後など、複数の時間帯に分かれて設定されていても良い。したがって、敵キャラクタによる攻撃が終了した直後だけではなく、攻撃動作の開始直後や開始途中でも、隙は発生しうる。例えば、敵キャラクタが両手で剣を持ったまま、頭上へ振りかぶり、剣を真下へ振り下ろすような場合は、剣を頭上へ振りかぶった時と、剣を振り下ろし終わった時に隙が発生することになる。また、敵キャラクタが攻撃魔法を駆使してプレイヤキャラクタを攻撃しようとする場合は、魔法を詠唱して時と、魔法を放ち終わった時に隙が発生する。現実世界では、威力の大きい攻撃の方が隙も発生しやすい傾向にあるため、アクション効果53の威力が大きいものほど、隙発生時間54が長くなるように、また、特殊効果も効果の大きいものに設定することが可能である。
【0054】
特殊効果55は、隙発生時間54にプレイヤキャラクタが、隙の発生している敵キャラクタに攻撃を命中させた場合に発生する効果が予め記憶されている。例えば、敵キャラクタの体力値をゼロにして、一撃で倒すことを可能としたり、隙発生時間54外に行われる通常の攻撃よりも2倍又は3倍といった大きなダメージを敵キャラクタに与えたり、或いは、敵キャラクタに大きなダメージを与えるだけでなく、敵キャラクタの体勢を崩したり、動きを麻痺させるなどして、再度、敵キャラクタに隙を発生させるといったことも可能である。このような場合、敵キャラクタについては、体勢を崩したり、麻痺して動けないというようなアニメーションが表示画面上に表示されることになる。この他、特殊効果55としては、敵キャラクタを睡眠状態にしたり、毒化状態にしたり、或いは、敵キャラクタの攻撃力・防御力・素早さを下げるなど、敵キャラクタのステータスに何らかの異常を発生させるものであってもよい。また、アクションRPGなどのゲームにおいて、ゲームのストーリーの進行に重要な役割を果たす、ボスキャラクタなどとの戦闘については、戦闘の初期の段階において、一撃で倒せてしまうと、かえって面白みが半減してしまうこともある。そのため、例えば、特殊効果55の内容が、ボスキャラクタの残存体力値43に応じて変化するような構成としてもよい。例えば、戦闘の初期の段階では、特殊効果55が発生したとしても、比較的大きなダメージが与えられるだけとし、残存体力値43が一定値以下となった場合に、特殊効果55の内容が変化し、プレイヤキャラクタが同じ攻撃をしたとしても、このボスキャラクタを一撃で倒すことができる。
【0055】
特殊効果55は、敵キャラクタのアクション52に応じて、その発生する効果は異なるものであるが、敵キャラクタのアクション52だけでなく、プレイヤキャラクタの攻撃方法に応じて、発生する効果に変化をもせることも可能である。例えば、隙発生時間54内にプレイヤキャラクタが敵キャラクタに対して、打撃による攻撃を命中させた場合は、敵キャラクタが一撃で倒させるが、魔法による攻撃を命中させた場合は、敵キャラクタに大きなダメージを与えることも可能である。
【0056】
次に、本発明の実施の形態にかかる隙発生処理について、説明する。図5は、本発明の実施の形態にかかる隙発生処理のフローチャートを表す図である。まず、敵キャラクタによるアクション(例えば、プレイヤキャラクタに対しての攻撃動作)の開始と共に、計時が開始される(ステップS1)。計時が開始された時からの経過時間が、アクションテーブル50で記憶された隙発生時間54に該当する場合は、敵キャラクタ管理テーブル40の隙発生フラグ46が設定される(ステップS2)。
【0057】
隙発生フラグ46が設定された後であっても、計時が開始された時からの経過時間が、アクションテーブル50で記憶された隙発生時間54に該当しなくなった場合は、敵キャラクタ管理テーブル40の隙発生フラグ46は解除される(ステップS3)。
【0058】
ステップS3により隙発生フラグ46が解除されると、計時が終了されるか否かが判定される(ステップS4)。ステップS3により隙発生フラグ46の設定が解除されたとしても、1つのアクション52について複数の隙発生時間54が設けられているような場合は、そのアクション52に対応する、最後の隙発生時間54が終了するまで、計時が継続される。そのアクション52に関する最後の隙発生時間54が終了して隙発生フラグ46の設定が解除された場合は(ステップS4においてYES)、計時が終了して(ステップS5)、一連の処理が終了する。一方、計時が継続される場合(ステップS4においてNO)は、時間が経過することで、再度、隙発生フラグ46が設定される(ステップS2)。
【0059】
次に、本発明の実施の形態にかかる攻撃効果発生処理について、説明する。図6は、本発明の実施の形態にかかる攻撃効果発生処理のフローチャートの一例を表す図である。
【0060】
まず、敵キャラクタによるアクション(例えば、プレイヤキャラクタに対しての攻撃)が開始される(ステップS11)。例えば、敵キャラクタには、両手に握った剣を頭上に振りかぶり、剣をプレイヤキャラクタに向けて振り下ろすといった動作が付与されており、表示画面24にて、敵キャラクタの動作を確認することができる。また、ステップS11による敵キャラクタの攻撃のアクションが開始されると同時に、ステップS1にて計時が開始され、ステップS1〜S4までの一連の隙発生処理が実行される。
【0061】
次に、プレイヤによる入力部21への操作により、プレイヤキャラクタからの敵キャラクタへの攻撃操作を受け付ける(ステップS12)。攻撃操作を受け付けて、プレイヤキャラクタの攻撃が敵キャラクタへ命中すると(ステップS13)、攻撃が命中した敵キャラクタについて、敵キャラクタ管理テーブル40を参照して、隙発生フラグ43が設定されているか否かが判定される(ステップS14)。なお、ステップS13におけるプレイヤキャラクタの攻撃が敵キャラクタへ命中したか否かの判定については、衝突判定処理により実行される。
【0062】
攻撃を受けた敵キャラクタに隙発生フラグ43が設定されている場合(ステップS14にてYES)は、アクションテーブル50をもとに、特殊効果55が発生する(ステップS15)。一方、敵キャラクタに隙発生フラグ43が設定されていない場合(ステップS14にてNO)は、通常の攻撃の効果が発生する(ステップS16)。ステップS15及びステップS16の時点で、敵キャラクタの残存体力値43が「0」となっていれば、戦闘は終了するが、残存体力値43が「0」となっていなければ、戦闘は継続し、ステップS11〜S16までの処理が継続して行われる。
【0063】
図6に示す攻撃効果発生処理では、敵キャラクタが攻撃を行うことで、隙発生処理が開始し、敵キャラクタに隙が発生するような構成としたが、敵キャラクタが行った攻撃をプレイヤキャラクタが回避することで、始めて、隙発生時間が開始されるような構成とすることも可能である。図7は、このような場合における、攻撃効果発生処理のフローチャートの一例を表す図である。
【0064】
まず、敵キャラクタによるプレイヤキャラクタに対しての攻撃動作が開始される(ステップS21)。例えば、敵キャラクタには、両手に握った剣を頭上に振りかぶり、剣をプレイヤキャラクタに向けて振り下ろすといった動作が付与されている。この動作が終了した時点で敵キャラクタのプレイヤキャラクタへの攻撃が命中していた場合は(ステップS22にてNO)、プレイヤキャラクタはダメージを受けて、一連の処理は終了する。なお、攻撃が命中したか否かの判定は、衝突判定処理により行われる。
【0065】
一方、プレイヤキャラクタの位置を移動させて敵キャラクタの攻撃を回避した場合、或いは、プレイヤキャラクタが防御姿勢をとることで、敵キャラクタの攻撃を防いだりした場合(ステップS22にてYES)は、敵キャラクタに隙が発生すると共に、計時が開始される(ステップS23)。このとき、表示画面24上の敵キャラクタの表示データの上に重ねるようにして、隙マークが表示される。
【0066】
次に、プレイヤによる入力部21への操作により、プレイヤキャラクタからの敵キャラクタへの攻撃操作を受け付ける(ステップS24)。攻撃操作を受け付けて、プレイヤキャラクタの攻撃が敵キャラクタへ命中すると(ステップS25)、攻撃が命中した敵キャラクタについて、敵キャラクタ管理テーブル40を参照して、隙発生フラグ43が設定されているか否かが判定される(ステップS26)。
【0067】
攻撃を受けた敵キャラクタに隙発生フラグ43が設定されている場合(ステップS26にてYES)は、アクションテーブル50をもとに、特殊効果55が発生する(ステップS27)。一方、敵キャラクタに隙発生フラグ43が設定されていない場合(ステップS26にてNO)は、通常の攻撃の効果が発生する(ステップS28)。ステップS27及びステップS28の時点で、敵キャラクタの残存体力値43が「0」となっていれば、戦闘は終了するが、残存体力値43が「0」となっていなければ、戦闘は継続し、ステップS21〜S28までの処理が継続して行われる。
【0068】
なお、ステップ22では、敵キャラクタによる攻撃動作が終了した時点でプレイヤキャラクタへの攻撃が命中しているか否かをもとに、プレイヤキャラクタが攻撃を回避したかどうかを判定したが、敵キャラクタによる攻撃動作の開始から所定の時間(例えば、数秒)を経過しても、プレイヤキャラクタが攻撃を受けていなければ、ステップS22にて敵キャラクタへの攻撃が回避されたと判定してもよい。
【0069】
図8は、本発明の実施の形態における、敵キャラクタのアクションと隙発生時間の対応関係を表す図である。図8において、敵キャラクタ61の下方に表示されている矢印は、時間の経過を表すもので、右方向へ進むほど、時間が経過していることを表す。図8(a)では、敵キャラクタ61aは剣を前方に突き出す「突き」という動作を行う。この場合、敵キャラクタ61aが剣を突き出す動作の開始と同時に、計時が開始される。剣を前方に突き出す間は、敵キャラクタ61aに隙が発生することはない。敵キャラクタ61aが完全に剣を前に突き出すと隙が発生する。そして、敵キャラクタ61aがもとの直立状態に戻ると、発生していた隙が解除される。この場合、隙発生時間54は時間t〜tの間で設定されており、この間、表示画面24では、敵キャラクタ61aの表示データの上に重なるように、隙が発生していることを表示する隙発生マークが表示される。
【0070】
一方、図8(b)では、敵キャラクタ61bは剣を頭上から振り下ろして斬りつける「斬り」という動作を行う。この場合、敵キャラクタ61bが剣を頭上に振りかぶる動作の開始と同時に、計時が開始される。剣を頭上に振りかぶる動作を開始すると同時に、敵キャラクタ61bには隙が発生するが、敵キャラクタ61bが剣を最も高い位置まで振り上げると、発生していた隙は解除される。そして、敵キャラクタ61bが振り上げた剣を下まで振りおろすと、再度、隙が発生するが、敵キャラクタ61bがもとの直立状態に戻ると、発生していた隙が解除される。この場合、隙発生時間54は時間t〜t及び時間t〜tの間で設定されており、この間、表示画面24では、敵キャラクタ61bの表示データの上に重なるように、隙が発生していることを表示する隙発生マークが表示される。
【0071】
このように、図8(b)では、時間t〜t及び時間t〜tといった複数の時間帯での隙発生時間54が存在するが、例えば、時間t〜t及び時間t〜tでは、発生する隙の大きさが異なる、即ち、発生する特殊効果が異なるといった構成とすることも可能である。つまり、時間t〜tの間にプレイヤキャラクタの攻撃が命中したような場合は、敵キャラクタの体力値をゼロとし、一撃で倒すことができるものとし、時間t〜tの間にプレイヤキャラクタの攻撃が命中したような場合は、敵キャラクタに通常よりも大きなダメージを与えることができる程度とすることも可能である。後述するように、隙マークは、そのマークが発生している時に発生しうる特殊効果の内容に応じて、色や形を変えることができるが、この場合、時間t〜tと時間t〜tで異なる色や形を有する隙マークが表示されることになる。
【0072】
さらには、同じ連続した1つの時間帯であっても、途中で、プレイヤキャラクタの攻撃が命中することによって発生する特殊効果が変化するようにすることも可能である。例えば、図8(b)のように、時間t〜tとの間の時間t〜t12と時間t12〜tの2つの時間帯を設け、これら2つの時間帯で発生する隙の大きさが異なる、即ち、発生する特殊効果が異なるといった構成とすることも可能である。つまり、敵キャラクタのアクションの途中までは発生する隙も大きいため、プレイヤキャラクタの攻撃が命中すると一撃で倒すことができるが、その後は、敵キャラクタの隙は比較的小さく、プレイヤキャラクタの攻撃が命中しても一撃で倒すことはできず、比較的大きなダメージを与えるにとどまる。この場合、敵キャラクタの表示データの上に重ねて表示される隙マークは、途中で色や形が変化する。
【0073】
図9は、本発明の実施の形態にかかる表示画面の一例である。プレイヤは入力部21を操作することで、複数の敵キャラクタ61の中から、攻撃の対象としてロックオンをする(照準を合わせる)敵キャラクタ61一体を選択することができる。図9(a)の状態では、まだ、隙は発生していない。プレイヤキャラクタ60が敵キャラクタ61をロックオンすると、プレイヤキャラクタ60は敵キャラクタ61を攻撃することが可能となる。敵キャラクタ61が攻撃を行うと、図9(b)のように、所定のタイミングで敵キャラクタ61に隙が発生し、隙マーク62(図9(b)では、三角形の点線で表示したが、形状等は特にこれに限定されない)が表示される。この隙マーク62は、プレイヤキャラクタがロックオンをした敵キャラクタ61のみに表示される。
【0074】
この隙マーク62は、プレイヤキャラクタが隙マーク62の発生時に攻撃を行った際における特殊効果に応じて、色を変化させたり、形を変えることも可能である。プレイヤは、この隙マーク62の色や形を見て、特殊効果の内容を知ることができ、場合によっては、隙マーク62が発生していても敢えて、そのタイミングでは敵キャラクタ61に攻撃をしなかったり、戦略的な判断が可能となる。例えば、特殊攻撃が敵キャラクタ61を一撃で倒すものである場合は、隙マーク62を赤色で表示し、特殊攻撃が大ダメージを与えるものである場合は、隙マーク62を黄色で表示することが可能である。
【0075】
上の実施の形態では、主に据え置き型のゲーム装置や携帯型のゲーム装置にて1人でゲームをプレイするような場合に、本発明を適用することについて述べたが、複数のゲーム装置と接続されたサーバ装置にて実行されるオンラインゲームにおいて、本発明を適用することも可能である。この場合、ゲーム装置にてプレイヤの入力部の操作に応じて入力される入力操作は、サーバ装置に送信され、複数のゲーム装置からの入力操作をもとに、ゲームプログラムを実行してゲームの進行が制御される。また、複数の携帯型のゲーム装置にて、サーバ装置を介さずに、無線により通信接続し、ゲームを進行させるような場合にも、本発明を適用することが可能である。
【0076】
このように、複数のプレイヤのそれぞれが所有するゲーム装置を操作して、同時にゲームを進行させるような場合は、AIにて制御されるノンプレイヤキャラクタだけでなく、プレイヤキャラクタが他のプレイヤキャラクタからの攻撃で、一撃で倒されたり、又は大ダメージを受けるなど、特殊効果が発生するように設定することも可能である。
【0077】
例えば、プレイヤキャラクタAとプレイヤキャラクタBが対戦を行うような場合、プレイヤキャラクタAが攻撃のアクションを実行すると、プレイヤキャラクタAには隙が発生する。この場合、プレイヤキャラクタBを操作するゲーム装置の表示画面には、隙が発生してから所定の時間が経過するまで、プレイヤキャラクタAが一撃で倒せる状態にあることを表示する隙マークが表示される。プレイヤキャラクタAに隙マークが表示されているタイミングでプレイヤキャラクタBの攻撃がプレイヤキャラクタAに命中すると、プレイヤキャラクタAの体力値の残余の大小、プレイヤキャラクタAの防御力、及び、プレイヤキャラクタBの攻撃力に関わらず、プレイヤキャラクタAの残存体力値は「0」となり、プレイヤキャラクタAは戦闘不能状態となる。
【0078】
上の実施の形態では、敵キャラクタが攻撃などの動作を開始することで所定のタイミングで隙が発生したり、或いは、プレイヤキャラクタが敵キャラクタの攻撃を回避することで隙が発生するような構成としたが、その他の隙を発生させる方法として、以下のような、プレイヤキャラクタの行動により、意図的に敵キャラクタに隙を発生させる方法を採用することも可能である。
【0079】
敵キャラクタに隙を発生させる方法としては、敵キャラクタがプレイヤキャラクタに攻撃をしかけ、プレイヤキャラクタがこの攻撃を回避したときに、プレイヤキャラクタが敵キャラクタに攻撃を命中させることで、隙を発生させてもよい。また、プレイヤキャラクタと他のキャラクタ(プレイヤキャラクタ及びノンプレイヤキャラクタを含む)による連携技や連続技を用いて、或いは、プレイヤキャラクタが経験を積むことで獲得した特殊能力を用いて、隙が発生するような構成とすることも可能である。この場合、連携技や特殊能力により、敵キャラクタの攻撃を跳ね返すことなどを条件としてもよい。
【0080】
上の実施の形態では、主に、本発明をアクションRPGを含むアクションゲームや格闘ゲームに適用することについて述べたが、本発明は、特にこれらのジャンルのゲームに制限されるものではなく、シューティングやレースゲームなどの他のジャンルのゲームにも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 装置本体
11 制御部
12 RAM
13 HDD
14 サウンド処理部
15 グラフィック処理部
16 DVD/CD−ROMドライブ
17 通信インターフェイス
18 インターフェイス部
19 フレームメモリ
20 メモリーカードスロット
21 入力部
22 サウンド出力装置
23 表示装置
24 表示画面
25 記録媒体
26 アンテナ
27 通信ネットワーク
28 メモリーカード
40 敵キャラクタ管理テーブル
50 アクションテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤキャラクタに敵キャラクタとの仮想戦闘を行わせることでゲームを進行させるゲーム装置であって、
プレイヤキャラクタ又は敵キャラクタによる所定のアクションの実行に応じて、計時を開始する計時手段と、
プレイヤキャラクタに敵キャラクタへの攻撃を実行させる攻撃実行手段と、
攻撃実行手段により実行されたプレイヤキャラクタからの攻撃を敵キャラクタが受けた場合であって、敵キャラクタが攻撃を受けた時が計時の開始から所定の時間外であるときは、該攻撃の効果として所定の効果を発生させる攻撃効果発生手段と、
攻撃実行手段により実行されたプレイヤキャラクタからの攻撃を敵キャラクタが受けた場合であって、敵キャラクタが攻撃を受けた時が計時の開始から所定の時間内であるときは、該攻撃の効果として該所定の効果とは異なる特殊効果を発生させる特殊効果発生手段と
を備えたゲーム装置。
【請求項2】
さらに、ゲームの進行に応じて変化する敵キャラクタの体力値を記憶する体力値記憶手段とを備え、
特殊効果発生手段が、体力値記憶手段に記憶された敵キャラクタの体力値をゼロに変化させることを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
さらに、ゲームの進行に応じて変化する敵キャラクタの体力値を記憶する体力値記憶手段とを備え、
攻撃効果発生手段が、所定の条件にしたがって、体力値記憶手段により記憶された体力値を減算させ、
特殊効果発生手段が、該所定の条件とは異なる条件にしたがって、体力値記憶手段により記憶された体力値を減算させること
を特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記所定のアクションが、敵キャラクタによるプレイヤキャラクタへの攻撃であって、
ゲーム装置が、さらに、プレイヤキャラクタが該攻撃を回避したか否かを判定する回避判定手段とを備え、
計時手段が、さらに回避判定手段によりプレイヤキャラクタが該攻撃を回避したと判定されたことを条件として計時を開始すること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項5】
さらに、敵キャラクタにより実行可能な複数のアクションについて、各アクションと前記所定の時間との対応関係を記憶する第一対応関係記憶手段とを備え、
攻撃効果発生手段が、
敵キャラクタが攻撃を受けた時における、計時の開始からの経過時間が、第一対応関係記憶手段に記憶された対応関係において前記所定のアクションに対応する所定の時間外であるときは、該攻撃の効果として所定の効果を発生させるものであり、
特殊効果発生手段が、
敵キャラクタが攻撃を受けた時における、計時の開始からの経過時間が、第一対応関係記憶手段に記憶された対応関係において前記所定のアクションに対応する所定の時間内であるときは、該攻撃の効果として特殊効果を発生させるものであること
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
さらに、敵キャラクタにより実行可能な複数のアクションについて、各アクションと特殊効果との対応関係を記憶する第二対応関係記憶手段とを備え、
特殊効果発生手段が、第二対応関係記憶手段に記憶された対応関係をもとに、敵キャラクタによる前記所定のアクションに対応する特殊効果を特定し、該特殊効果を発生させるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項7】
さらに、計時手段による計時の開始から前記所定の時間内である時に、プレイヤキャラクタによる敵キャラクタへの攻撃により特殊効果の発生が可能であることを示す特殊効果可能性表示を表示画面に表示する特殊効果可能性表示手段とを備える請求項1〜6のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項8】
さらに、プレイヤキャラクタによる攻撃の照準を敵キャラクタに設定する攻撃照準設定手段とを備え、
特殊効果可能性表示手段が、攻撃照準設定手段により設定された攻撃の照準の対象となる敵キャラクタについて、特殊効果可能性表示を表示することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項9】
特殊効果発生手段により発生する特殊効果が、再度、計時手段による計時を開始するものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項10】
プレイヤキャラクタに敵キャラクタとの仮想戦闘を行わせて進行するゲームを、コンピュータ装置に実行させるゲームプログラムであって、
コンピュータ装置を、
プレイヤキャラクタ又は敵キャラクタによる所定のアクションの実行に応じて、計時を開始する計時手段と、
プレイヤキャラクタに敵キャラクタへの攻撃を実行させる攻撃実行手段と、
攻撃実行手段により実行されたプレイヤキャラクタからの攻撃を敵キャラクタが受けた場合であって、敵キャラクタが攻撃を受けた時が計時の開始から所定の時間外であるときは、該攻撃の効果として所定の効果を発生させる攻撃効果発生手段と、
攻撃実行手段により実行されたプレイヤキャラクタからの攻撃を敵キャラクタが受けた場合であって、敵キャラクタが攻撃を受けた時が計時の開始から所定の時間内であるときは、該攻撃の効果として該所定の効果とは異なる特殊効果を発生させる特殊効果発生手段
として機能させるゲームプログラム。
【請求項11】
プレイヤキャラクタに敵キャラクタとの仮想戦闘を行わせて進行するゲームを、コンピュータ装置に実行させるゲーム進行方法であって、
コンピュータ装置に、
プレイヤキャラクタ又は敵キャラクタによる所定のアクションの実行に応じて、計時を開始する計時ステップと、
プレイヤキャラクタに敵キャラクタへの攻撃を実行させる攻撃実行ステップと、
攻撃実行ステップにより実行されたプレイヤキャラクタからの攻撃を敵キャラクタが受けた場合であって、敵キャラクタが攻撃を受けた時が計時の開始から所定の時間外であるときは、該攻撃の効果として所定の効果を発生させる攻撃効果発生ステップと、
攻撃実行ステップにより実行されたプレイヤキャラクタからの攻撃を敵キャラクタが受けた場合であって、敵キャラクタが攻撃を受けた時が計時の開始から所定の時間内であるときは、該攻撃の効果として該所定の効果とは異なる特殊効果を発生させる特殊効果発生ステップと
を実行させるゲーム進行方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−90850(P2013−90850A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235470(P2011−235470)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(308033283)株式会社スクウェア・エニックス (173)
【Fターム(参考)】