説明

コアドリル装置の自動送り装置及びその制御方法

【課題】本発明は、切断対象物中に鉄筋が含まれる場合には自動的にコントロールモーターを停止し、穿孔作業を終了するコアドリル装置の自動送り装置、及びその制御方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、コアビットを回転駆動させるメインモーターの駆動電流又は駆動電圧の変化に応じて、コアビットを切断対象物へ移動させるコントロールモーターの動作電流又は動作電圧を調整することにより、コアビットの送り速度を制御するコアドリル装置の自動送り装置において、前記コントロールモーターの動作時の動作電流又は動作電圧を検出すると共に、前記動作電流又は動作電圧が、前記コントロールモーターについて予め設定された基準電流値又は基準電圧値に対し、30〜70%に減少した場合、前記コントロールモーターを停止させる停止手段を備えることを特徴とするコアドリル装置の自動送り装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート構造物、石材、岩盤、鉄鋼構造物等の切断対象物の穿孔に使用するコアドリル装置に用いられる自動送り装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動送り装置は、コンクリート構造物の補修工事や改修工事等に使用されるコアドリル装置において、コアビットの送り速度の制御に用いられている。コアドリル装置は、切断対象物であるコンクリート等に、鉄筋や硬い石等が含まれている場合、そのまま穿孔を続けようとすると、コアビットを駆動するメインモーターの負荷が増大してしまうという問題を有していた。メインモーターの負荷が増大すると、メインモーターの駆動電流が増大し、穿孔作業が進行し難いものとなったり、コアビットが損傷してしまう場合があった。
【0003】
このような事情から、特許文献1には、穿孔作業中、メインモーターの負荷が増大した場合に、コントロールモーターの動作電流又は動作電圧を調整し、コアドリルの送り速度を制御し、メインモーターの負荷増大を抑制する自動送り装置が開示されている。
【特許文献1】特開2001−129708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のように、自動送り装置としては、コンクリート中に鉄筋等が含まれる場合にも、コアビットを損傷することなく穿孔し続けることを目的とするものが大半であった。しかし、コンクリート構造物等の穿孔作業において、コンクリート中の鉄筋を破壊してしまうことは、構造物全体の強度低下を招く場合があり、耐震強度等にも影響を及ぼす可能性が高い。このため、近年では、切断対象物中に鉄筋が含まれることを感知した場合には、速やかに穿孔作業を停止することが好ましいという考えが生じるようになった。
【0005】
しかし、切断対象物中に鉄筋が含まれるか否かは、穿孔時の感触やメインモーターの負荷測定値に基づき、作業者の感覚によって判断されることがほとんどであった。このため、鉄筋が含まれるか否かの判断には、作業者の熟練を要していた。また、作業者の判断から穿孔停止までにタイムラグが生じるため、穿孔を停止したときには、既にある程度鉄筋が切削されてしまっている場合が多かった。このように、従来は、安定して鉄筋の切削を防止することが困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、作業者の感覚によらず、切断対象物中に鉄筋が含まれるか否かを判断し、鉄筋が含まれる場合には自動的にコントロールモーターを停止し、穿孔作業を終了するコアドリル装置の自動送り装置、及びその制御方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明者等は、鋭意検討を行った結果、以下に示す本発明に想到した。
【0008】
本発明は、コアビットを回転駆動させるメインモーターの駆動電流又は駆動電圧の変化に応じて、コアビットを切断対象物へ移動させるコントロールモーターの動作電流(I)又は動作電圧(V)を調整することにより、コアビットの送り速度を制御するコアドリル装置の自動送り装置において、前記コントロールモーターの動作時の動作電流(I)又は動作電圧(V)を検出すると共に、前記動作電流(I)又は動作電圧(V)が、前記コントロールモーターについて予め設定された基準電流値(Ic0)又は基準電圧値(Vc0)に対し、30〜70%に減少した場合、前記コントロールモーターを停止させる停止手段を備えることを特徴とするコアドリル装置の自動送り装置に関する。
【0009】
本発明の自動送り装置は、コントロールモーターの動作時の動作電流(I)又は動作電圧(V)が判定基準以下となった場合、切断対象物に鉄筋が含まれると判断し、コントロールモーターを自動的に停止することを特徴としている。作業者の熟練度に頼ることなく鉄筋の有無を判断し、自動的に穿孔を停止するため、コンクリート中の鉄筋の切削を正確に防止できる。
【0010】
そして、本発明者等は、コントロールモーターの動作電流(I)又は動作電圧(V)が、基準電流値(Ic0)又は基準電圧値(Vc0)に対し、30〜70%に減少した場合にコントロールモーターを自動停止すると、切断対象物に鉄筋が含まれているか否かの判断が有効に行われることを見出した。判定基準は、基準電流値(Ic0)又は基準電圧値(Vc0)の30〜70%の範囲内であれば、任意に設定できるため、穿孔作業毎に、切断対象物中に含まれる硬度の高い石材等の有無や、コンクリートの強度等を考慮して、設定することが好ましい。具体的には、切断対象物に硬い石材等が含まれる場合には、判定基準を下げることにより、硬い石材等を感知しても穿孔を続行するものとし、さらに硬度の高い鉄筋を感知した場合には自動停止するように設定できる。また、穿孔対象であるコンクリートの強度が高い場合は、コンクリートと鉄筋との硬度差が少なくなるため、判定基準を上げることが好ましい。その他、一般的な場合は、基準電流値(Ic0)又は基準電圧値(Vc0)の50%を判定基準とすることが好ましい。尚、判定基準としては、動作電流(I)が基準電流値(Ic0)に対し30〜70%に減少した場合、又は動作電圧(V)が基準電圧値(Vc0)に対し30〜70%に減少した場合の、いずれを採用してもよい。
【0011】
コントロールモーターの基準電流値(Ic0)又は基準電圧値(Vc0)は、各穿孔作業毎に、コントロールモーターの動作電流(I)及び動作電圧(V)が安定している状態における実測値によって定めることが好ましい。コントロールモーターの動作電流又は動作電圧は、駆動用モーターの容量やコアビットの径、切れ具合、コンクリートの材質等の状態により変化するためである。
【0012】
自動送り装置の停止手段は、有効とするか無効とするかの選択手段を有することが好ましい。作業現場によっては、鉄筋等が含まれる場合にも、穿孔を続行することが必要な場合があるためである。
【0013】
また、本発明のコアドリル装置の自動送り装置は、メインモーターの基準電流値(Im0)又は基準電圧値(Vm0)を設定する手段、前記基準電流値(Im0)と駆動時のメインモーターの駆動電流(I)との偏差、又は、前記基準電圧値(Vm0)と駆動電圧(V)との偏差のいずれかを判定する手段、判定された前記偏差に基づき、コントロールモーターの動作電流(I)又は動作電圧(V)を増減させる調整手段、を含むことが好ましい。
【0014】
メインモーターの基準電流値(Im0)と駆動電流(I)との偏差、又は、前記基準電圧値(Vm0)と駆動電圧(V)との偏差に基づきコントロールモーターの動作電流(I)又は動作電圧(V)を増減させることにより、自動的にコアビットの送り速度を制御し、メインモーターの負荷を低減できる。
【0015】
本発明の自動送り装置によるコアビット送り速度の制御について、詳細に説明する。まず、メインモーターの負荷を検出するため、メインモーターの基準電流値(Im0)又は基準電圧値(Vm0)を設定する。メインモーターの駆動開始後、切断対象物に鉄筋等の硬度の高いものが含まれていると、メインモーターの負荷が増大し、駆動電流(I)の増大と、それに伴う駆動電圧(V)の低下により、上記した偏差が増大する。一方、鉄筋等の切削が終了すると、メインモーターの負荷が減少し、駆動電流(I)の低下と、それに伴う駆動電圧(V)の回復により、偏差が減少する。
【0016】
本発明の自動送り装置は、上記した偏差を判定し、その偏差に基づきコントロールモーターの動作電流(I)又は動作電圧(V)を増減させて、自動的にコアビットの送り速度を制御するものである。具体的には、メインモーターの負荷が増大し、偏差が増大した場合、偏差信号をコントロールモーターに送信し、偏差信号に従いコントロールモーターの動作電流(I)又は動作電圧(V)を減少させて、コアビットの送り速度を遅延させる。一方、メインモーターの負荷が減少した場合は、逆にコントロールモーターの動作電流(I)又は動作電圧(V)を増加させ、コアビットの送り速度を速めるように制御するものである。
【0017】
以上において説明した本発明の自動送り装置は、コントロールモーターの基準電流値(Ic0)又は基準電圧値(Vc0)を設定し、前記基準電流値(Ic0)とコントロールモーターの動作時の動作電流(I)との比較、又は、前記基準電圧値(Vc0)とコントロールモーターの動作時の動作電圧(V)との比較を行い、前記動作電流(I)又は動作電圧(V)が、前記基準電流値(Ic0)又は基準電圧値(Vc0)に対し、30〜70%に減少した場合、コントロールモーターを停止する方法により制御できる。
【0018】
本発明の制御方法は、コントロールモーターの基準電流値(Ic0)と動作時の動作電流(I)、又はコントロールモーターの基準電圧値(Vc0)と動作時の動作電圧(V)の比較を行い、切断対象物に鉄筋が含まれる場合の判定基準を満たす場合には、コントロールモーターを停止する停止信号を出力するものである。
【発明の効果】
【0019】
以上で説明したように、本発明の自動送り装置及び制御方法によれば、切断対象物に鉄筋が含まれる場合、作業者の熟練を要することなく、自動的に穿孔を停止し、鉄筋の切削を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明における最良の実施形態について説明する。
【0021】
図1に示すコアドリル装置の自動送り装置101について説明する。自動送り装置101は、自動停止機能表示ランプ102、入力ボタン103、自動停止切替えボタン104を備えるものであり、送り速度を制御するためのコントロールモーター105が近接して設けられる。自動停止機能表示ランプ102は、例えば、基準電圧値の設定中は点滅し、穿孔作業中、自動停止の条件を満たすか否かを判断している間は点灯するというように機能させることができる。このため、穿孔作業者は、このランプ102を自動停止機能が正常に稼動しているかどうかの目安とすることができる。
【0022】
入力ボタン103は、自動停止機能を作動させるための判定基準値を任意に入力可能とするものである。例えば、入力ボタン103により、判定基準値を50%と設定すると、穿孔作業中のコントロールモーターの動作電圧(V)が、基準電圧値(Vc0)の50%以下となったときに、自動停止機能が作動する。このように、判定基準値は、作業者の判断により任意の値を入力できる。
【0023】
自動停止切替えボタン104は、自動停止機能を有効とするか無効とするかの切替えを行うものである。このボタン104により、穿孔作業の目的に合わせて、あらかじめ自動停止機能を作動させるかどうかを選択できる。
【0024】
そして、自動送り装置101は、コアドリル装置100において図2に示すように配置される。コアドリル装置100は、メインモーター106とコアビット107を備えており、メインモーター106は支持台座108の支柱を上下動するスライドブロックに取り付けられる。スライドブロックは、ピニオンギア(図示せず)により支柱のラックギアとかみ合うようになっている。そして、自動送り装置101は、コントロールモーター105の駆動軸を介して、スライドブロックのピニオンギアに取り付けることにより、ラックアンドピニオン構造を構成する。このような構造により、コントロールモーター105の動作に合わせて、メインモーター106とコアビット107とが同時に上下動するものとなる。
【0025】
次に、本発明の自動送り装置によるコアビット送り速度の制御について説明する。図3に示す駆動負荷レベル検出手段では、計器用変流器(CT)を用いてメインモーターの電流値を測定し、交流電圧として出力する負荷検出手段1、交流電圧を直流電圧に変換する整流平滑回路2、電圧値を所定の電圧レベルに変換するレベル変換回路3を経て変換後の電圧に対応する駆動電流(I)を、負荷状況判定手段7に出力した。基準負荷レベル設定手段では、作業者が調節スイッチ4により設定した基準電流値(Im0)を、基準負荷出力手段5によって負荷状況判定手段7に出力した。尚、基準電流値(Im0)の設定状態は、基準負荷表示6により確認できる。
【0026】
負荷状況判定手段7では、駆動電流(I)と基準電流値(Im0)とを比較し、偏差の状態によりメインモーターの負荷状態を判定した。偏差が、あらかじめ設定した閾値以上となった場合、偏差過大と判定し、後述する偏差増幅手段を経て、三角波発生回路10に偏差過大との信号を出力した。尚、本実施形態では、上記した閾値は1アンペア相当分の偏差電圧とした。
【0027】
三角波発生回路10に出力された偏差信号は、パルス幅変調回路11によってパルス信号に変換した。その後、コントロールモーター制御手段12では、伝達されたパルス信号に従ってコントロールモーターの動作電圧(V)を増減させることにより、コアビットの送り速度を制御した。偏差信号をパルス信号に変換することにより、きわめて高い精度でコントロールモーターの制御が可能となり、メインモーターの負荷を低減できる。
【0028】
ここで、図4に従い、負荷状況判定手段7を経た偏差信号を、三角波発生回路10に出力する流れについて詳細に説明する。負荷状況判定手段7において、メインモーターの駆動電流(I)と基準電流値(Im0)との偏差が過大であると判定されると、偏差過大検出手段7aから、偏差過大調整回路8aに偏差信号が出力される。偏差過大調整回路8aでは、偏差を修正するための偏差信号を急速に増幅し、偏差増幅回路9に出力する。偏差増幅回路9では、比例増幅器9a及び積分増幅器9bにて偏差信号を増幅し、さらに増幅出力調整器9cを経て、偏差過大調整回路8aから出力された信号を、コントロールモーターの制御に適切な信号へと調整した。また、本実施形態では、自動増幅率調整回路8c設け、コントロールモーターが高速駆動しているか、低速駆動しているかに従い増幅率を調整し、偏差信号をコントロールモーターの制御に適切な信号強度に調整して増幅出力調整器9cにフィードバックした。
【0029】
さらに、負荷状況判定手段7では、過大負荷検出手段7aに加え、ハンチング状態を判定できるハンチング検出手段7bを備えることが好ましい。ハンチング現象が生じてしまうと、コアビットの送り速度を安定して維持しにくくなるためである。本実施形態におけるハンチング判定手段は、駆動電流(I)と基準電流値(Im0)との偏差を経時的に測定し、5秒間で、偏差の最大値と最小値との差が0.7アンペア相当分の電圧値を超えた場合をハンチングと判断するものとした。
【0030】
ハンチング状態と判定された場合、ハンチング検出手段7bよりハンチング調整回路8bに信号を出力し、上記した偏差過大信号と同様に偏差増幅回路9にハンチング信号を出力して、ハンチングの振れ幅が収束するようにコントロールモーターを制御した。具体的には、コアビットの送り速度を遅くするように制御してもよく、メインモーターの低速駆動時には徐々にコアビットの送り速度を緩め、高速駆動時には徐々に送り速度を早めるよう制御しても良い。
【0031】
そして、本発明の自動送り装置は、以上で説明したように、メインモーターの負荷に従いコントロールモーターを制御するとともに、制御されたコントロールモーターの動作電圧が判定基準以下となった場合、コントロールモーターを自動停止する制御手段を備えている。すなわち、図3に示すように、基準電圧検出手段13よりコントロールモーターの基準電圧値(Vc0)を、動作電圧検出手段14より動作電圧(V)を、それぞれ自動停止判定手段15に送信し、動作電圧(V)が基準電圧値(Vc0)の30〜70%に減少した場合、モーター停止制御手段16に停止信号を送信し、コントロールモーターを自動停止するように制御した。
【0032】
コントロールモーターを自動停止する制御方法について、図5のフローに従い詳細に説明する。穿孔作業開始後、メインモーターの駆動電流(I)及びコントロールモーターの動作電圧(V)を測定し(ステップS1、S2)、この測定値が安定している場合には、コントロールモーターの基準電圧値(Vc0)を設定した(ステップS5)。メインモーターに負荷がかかっていない状況で、基準電圧値(Vc0)を設定するためである。このとき既に、メインモーターの駆動電流(I)又はコントロールモーターの動作電圧(V)が安定していない場合には、20秒経過を測定し(ステップS3)、その後も安定しなければ自動停止の判定ができないことを示す信号を送信した(ステップS4)。一方、20秒経過中(ステップS3)に安定した場合には、再度、駆動電流(I)及び動作電圧(V)の安定を確認した(ステップS1、S2)。
【0033】
基準電圧値(Vc0)を設定した後、0.1秒ごとにコントロールモーターの動作電圧(V)を測定した(ステップS6)。そして、測定毎に、動作電圧(V)と判定基準値との比較を行い(ステップS7)、動作電圧(V)が判定基準値よりも大きい場合は穿孔を続行し、測定値が判定基準値以下となった場合、コントロールモーターを停止する信号を送信し(ステップS8)、次いでメインモーターにも停止信号を送信して(ステップ9)、穿孔作業を停止した。
【実施例】
【0034】
本実施例では、以上で説明したコアドリル装置の自動送り装置を用いて、コンクリート構造物の穿孔作業を行った。図1に示す自動停止切替えボタン104により、自動送り装置の自動停止機能を有効な状態として穿孔作業を開始した。また、入力ボタン103により、判定値を50%と入力して穿孔作業を行った。
【0035】
穿孔作業を開始後、自動停止機能表示ランプ102が、早い点滅表示となった。これは、上述した制御方法に従い、コントロールモーターの基準電圧値が設定中であることを示すものである。その後、自動停止機能表示ランプ102が点灯表示となった。この表示は、コントロールモーターの基準電圧値が設定され、自動停止機能が有効に作動していることを示すものである。このとき、3秒毎にコントロールモーターの動作電圧が測定され、測定毎に自動停止のための判定基準を満たすか否かが判断された。そして、自動停止機能表示ランプ102が点滅表示となり、コントロールモーターが自動停止した後、メインモーターが停止した。この点滅表示は、コントロールモーターの動作電圧が自動停止の判断基準を満たしたことを示すものである。作業終了後、切断対象物を確認したところ、鉄筋の切削を防止できたことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】自動送り装置の概略斜視図
【図2】コアドリル装置の概略斜視図
【図3】自動送り装置の基本制御フロー図
【図4】偏差増幅手段の制御フロー図
【図5】自動停止制御の基本フロー図
【符号の説明】
【0037】
100 コアドリル
101 自動送り装置
102 自動停止機能表示ランプ
103 入力ボタン
104 自動停止切替えボタン
105 コントロールモーター
106 メインモーター
107 コアビット
108 支持台座

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアビットを回転駆動させるメインモーターの駆動電流又は駆動電圧の変化に応じて、コアビットを切断対象物へ移動させるコントロールモーターの動作電流(I)又は動作電圧(V)を調整することにより、コアビットの送り速度を制御するコアドリル装置の自動送り装置において、
前記コントロールモーターの動作時の動作電流(I)又は動作電圧(V)を検出すると共に、前記動作電流(I)又は動作電圧(V)が、前記コントロールモーターについて予め設定された基準電流値(Ic0)又は基準電圧値(Vc0)に対し、30〜70%に減少した場合、前記コントロールモーターを停止させる停止手段を備えることを特徴とするコアドリル装置の自動送り装置。
【請求項2】
メインモーターについての基準電流値(Im0)又は基準電圧値(Vm0)を設定する手段、
前記基準電流値(Im0)と駆動時のメインモーターの駆動電流(I)との偏差、又は、前記基準電圧値(Vm0)と駆動電圧(V)との偏差のいずれかを判定する手段、
判定された前記偏差に基づき、コントロールモーターの動作電流(I)又は動作電圧(V)を増減させる調整手段、を含む請求項1記載のコアドリル装置の自動送り装置。
【請求項3】
コントロールモーターの停止手段を、有効とするか無効とするかの選択手段を有する請求項1又は請求項2に記載のコアドリル装置の自動送り装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のコアドリル装置の自動送り装置を制御するための方法であって、
コントロールモーターの基準電流値(Ic0)又は基準電圧値(Vc0)を設定し、
前記基準電流値(Ic0)とコントロールモーターの動作時の動作電流(I)との比較、又は、前記基準電圧値(Vc0)とコントロールモーターの動作時の動作電圧(V)との比較を行い、
前記動作電流(I)又は動作電圧(V)が、前記基準電流値(Ic0)又は基準電圧値(Vc0)に対し、30〜70%に減少した場合、コントロールモーターを停止するコアドリル装置の自動送り装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−233765(P2009−233765A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−79777(P2008−79777)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(593110580)株式会社シブヤ (18)
【Fターム(参考)】