コアレスロールの着脱装置
【課題】紙管などの芯を用いずにインクリボンの連続体を巻き取って中空の巻回物(コアレスロール)を形成し、また逆に芯の無い中空の巻回物を回転軸に保持して、連続体に巻き戻すのに用いるコアレスロールの着脱装置の提供。
【解決手段】回転ディスク18の円周上に正八角形をなすよう8個の取付穴を形成し、この取付穴には芯のないリボン2の中空部に内接する位置決めピン13とサポートピン23とを取り付ける。巻回物の装着時には、前記位置決めピン13およびサポートピン23のうち、少なくともサポートピン23を軸方向中間部分が互いに離間するように径方向外向きに湾曲させてロールを中空部の内側から保持する拡径保持手段19とを備える
【解決手段】回転ディスク18の円周上に正八角形をなすよう8個の取付穴を形成し、この取付穴には芯のないリボン2の中空部に内接する位置決めピン13とサポートピン23とを取り付ける。巻回物の装着時には、前記位置決めピン13およびサポートピン23のうち、少なくともサポートピン23を軸方向中間部分が互いに離間するように径方向外向きに湾曲させてロールを中空部の内側から保持する拡径保持手段19とを備える
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リボン、フィルム、紙など、幅と長さのある帯状の連続体を巻き取って芯の無い中空の巻回物(コアレスロール)を形成したり、逆に芯の無い中空の巻回物を回転軸に保持して、連続体に巻き戻すのに用いて好適なコアレスロールの着脱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコア付きロールの着脱装置として、図19に熱転写式のラベルプリンタを示す。
【0003】
プリンタ1には、熱転写インクリボン(以下、「リボン」という)2を装着する供給軸3と、該供給軸3に装着されたリボン2を巻き取る巻き取り軸4とが設けられている。
【0004】
図20は、供給軸3又は巻き取り軸4の構成を示す斜視図である。
供給軸3(巻き取り軸4)は図示の如く、回転軸5と、回転軸5に嵌装された円筒状のリボンボス6と、リボンボス6を所定トルクで回転させるためのクラッチ部7とからなり、リボン2が巻回された紙管又は転写済みのリボン2を巻き取る紙管等の管体8がリボンボス6の外側に嵌装され、リボンボス6の外周面に設けられている板バネ9によってリボンボス6に一体的に固定される構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、従来技術では、以下の問題があった。
【0006】
まず、使用済みのリボンはポリエステルなどのベースフィルムと紙とに分別すればリサイクルが可能であるが、従来は使用済みリボンを巻き取るのに空の紙管が必要であり、巻き取った後の紙管はシュレッダー処理に適さず、紙くずが混入してしまうためゴミとなってしまうという問題があった。
【0007】
また、リボンが巻回された紙管をリボンボスに装着するのに、紙管の内壁に板バネが作用するため、相当の力が必要となり、外周のリボンにシワが生じてしまうという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開平6−36853号公報
【0009】
ここで、ロールの巻きが崩れないことを前提に、軸に引っ掛けたり差し込んだり、あるいは凹部に収容するなどして回転を許容できさえすれば、一見コアレスロールの着脱装置となるようにも考えられる。
【0010】
しかしながら、印字用紙にはそうしたコアレス用紙が存在するが、インクリボンの着脱装置として使用するのには、回転の振れ(回転中心の偏りや巻回物の変形)のないように回転軸にしっかりと固定する必要がある。その理由はリボンロールの回転の振れが脈動(周期的な変動)となってリボン送り量に現れ、印字結果にムラが生じたり用紙に皺を発生させたりすることが考えられるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記従来の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は紙管などの芯を用いることなく、帯状の連続体を巻き取って中空の巻回物(コアレスロール)を形成したり、逆に芯の無い中空の巻回物を回転軸に保持して、連続体に巻き戻すのに用いて好適なコアレスロールの着脱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、第一の発明に係るコアレスロールの着脱装置は、中空部を備える芯無しの巻回物を回転軸に着脱する為の装置であって、前記中空部に内接する正多角形の各頂点に配設される位置決めピンと、該各隣接する位置決めピンを結ぶ線分の垂直二等分線上に配設されるサポートピンと、前記各位置決めピン同士が互いに平行となるように支持する回転ディスクおよびクランプ部材と、巻回物の装着時には、前記位置決めピンおよびサポートピンのうち、少なくともサポートピンを軸方向中間部分が互いに離間するように径方向外向きに湾曲させてロールを中空部の内側から保持する拡径保持手段とからなる。
【0013】
上記構成によれば、位置決めピンの抜き差しによらず、即ち組立と分解操作によらずにロール物の着脱を行うことができ、操作が簡単になるので、プリンタ等の装置に組み込む場合に好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、位置決めピンの抜き差しによらず、組立と分解操作によらず簡単な操作でロール物の着脱を行うことができるので、プリンタ等の装置に組み込むのに適している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べるコアレスロールの着脱装置は、従来技術(図20)のリボンボス6および板ばね9に代わるものであって、回転軸5およびクラッチ部7は、図示はしないが回転ディスク側に適宜設けるものとする。また、既述したのと同一の構成要素には同一符号を付し、以後の説明は省略するものとする。
【0016】
[第一の実施の形態]
図1ないし図3において、10はコアレスロールの着脱装置、11は回転ディスク、12はクランプ部材、13は位置決めピン、14はサポートピンである。
【0017】
回転ディスク11には円周上に正八角形をなすように8個の取付穴が形成され、この取付穴には芯のないリボン2の中空部に内接する位置決めピン13とサポートピン14とが取り付けられるようになっている。また、位置決めピン13とサポートピン14の取付穴は、共に回転中心を同一とする正方形をなし、互いに45度ずれて形成されている。
【0018】
位置決めピン13はサポートピン14よりも堅固に形成され、図2に示す如く、サポートピン14よりも先に回転ディスク11に取り付けられる。ここで、位置決めピン13はねじ止めなどであらかじめ回転ディスク11と一体化しておくものでもよい。また、サポートピン14はバネ性のある弾力性に富んだ材料で形成されている。
【0019】
前記各位置決めピン13同士が互いに平行となるように回転ディスク11に取り付けられ、コアレスリボン2を位置決めピン13上に挿入したのちに、図3に示す如く、サポートピン14を取付穴に差し込む。クランプ部材12は前記回転ディスク11とほぼ同一形状をなし、同様の取付穴を備えている。そして、各取付穴に位置決めピン13およびサポートピン14をこれらが互いに平行となるように差し込むことにより、コアレスリボンの着脱装置10が完成する。
【0020】
上記着脱装置10は、例えば従来の図19の供給軸3として使用することができる。
【0021】
なお、コアレスリボン2を装着せずに当該着脱装置10を組み立て、リボンの巻取軸4として使用することもでき、この場合は図3の矢印と逆方向に着脱装置10を分解し、巻き取った使用済みのリボン2を取り出すようにする。また、上記位置決めピン13とサポートピン14は共に弾力性に富む材料から形成してもよい。
【0022】
[第二の実施の形態]
図4ないし図6に示す形態は、第一の実施の形態の変形例であり、クランプ部材12に代えて、クランプ部材15のサポートピン14を装着する取付穴15Aに、コアレスリボン2を着脱する際にサポートピン14の着脱を容易とする放射状の切れ目を形成したことを特徴とする。
サポートピン14の着脱は、コアレスリボン2の中空部から行うことになり、この中空穴からサポートピン14を出し入れするのに、リボンの中心寄りから斜め方向に着脱できるため、組み立ておよび分解操作が容易となる。
なお、この放射状の切れ目は回転ディスク11側に形成してもよいし、回転ディスクとクランプ部材の双方に形成してもよい。
【0023】
[第三の実施の形態]
図7ないし図9に示す形態は、第一の実施の形態の他の変形例であり、全体を弾力性材料から形成したサポートピン14に代えて、両端にばね部を設けて中間部分に弾力性を持たせたサポートピン16を用いたことを特徴とする。
なお、クランプ部材12に代えて上記形態で述べたクランプ部材15を用いてもよい。
【0024】
[第四の実施の形態]
図10ないし図12に示す形態は、請求項4に係る発明の具体例である。なお、図を見やすくするために、4本の位置決めピン(13、不図示)および2本のサポートピン23を取り外した状態を示している。
【0025】
着脱装置17において、18は回転ディスクであり、上述した回転ディスク11とほぼ同様に形成されるものの、図11,図12に示す如く、中央に接続突起40が設けられている。そして、固定ピン13(不図示)が装着される取付穴13Aが4個形成され、残り4個の取付穴には後述のサポートピン23が取り付けられている。
19は、サポートピン23を軸方向中間部分が互いに離間するように径方向外向きに湾曲させ、図12の如くコアレスロールを中空部の内側から保持する拡径保持手段である。該拡径保持手段19は、操作軸20、三角板24、円錐体25、ばね26より構成される。
【0026】
操作軸20は、一端側先端部が中空になり、前記回転ディスクの接続突起40に摺動自在に取り付けられている。また、該操作軸20の他端側には、傘の留め具とほぼ同様のストッパ20A(図12参照)が設けられている。
【0027】
22はクランプ部材であり、位置決めピン(不図示)13によって固定支持されている。そして、該クランプ部材22の中央には総通穴が形成され、前記操作軸20が摺動自在に取り付けられている。
【0028】
サポートピン23は、上述のサポートピン14とほぼ同様、弾力性に富む材料から形成され、軸方向中間部に三角板24が取り付けられている。そして、該サポートピン23の一端側は回転ディスク18に固定され、他端側はクランプ部材22の取付穴に摺動可能に挿通されている。
【0029】
25は操作軸20の軸方向中間部に挿通して固定された円錐体であり、その外周側面が前記三角板24の傾斜面と平行に対向している。そして、操作軸20を図中右側に引っ張り操作すると、各三角板24を径方向外向きに押し広め、サポートピン23を図12の如く膨らませるように弾性変形させるものである。
【0030】
ばね26は引っ張りばねとして作用するものであり、操作軸20のストッパ20Aを解除すると、操作軸20を図中左側へ引き戻す役割を果たすものである。
【0031】
なお、上記の例では固定ピン13をすべてサポートピン23と置き換えることも可能である。この場合、サポートピン13の他端側はクランプ部材22の取付穴に固定してもよいし、終章可能に挿通するのでもよい、
また、後述する第六の形態の如く、サポートピンが弾性変形するのでなく、折れ曲がり変形するように変形してもよい。
【0032】
[第五の実施の形態]
図13ないし図15は前記第四の実施の形態の変形例である。本形態では、拡径保持手段としてカムレバー30を設け、操作を簡易にしたことと、回転ディスクの接続突起31にねじを形成して操作軸の長さ調整を可能にしたことを特徴とする。なお、本形態ではサポートピン23(三角板24)および円錐体25の取り付け方向およびばね26の取り付け位置が前記の例とは異なっており、ばね26は引っ張りばねではなく、押圧ばねとして作用する。また、操作軸を27と28に分割してアキシャル継手で連結し、カムレバー30を操作した際の径方向の変位を吸収できるようにした。29はカムレバー30を保持するカム受け板である。
【0033】
[第六の実施の形態]
図16ないし図18は前記第四の実施の形態の他の変形例である。本形態では、拡径保持手段のサポートピン33を弾力性材料から一体形成するのに代えて折れ曲がり可能なリンクを設けたことを特徴とするものであり、その動作は大略前記第五の形態と同様である。
【0034】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係るリボン着脱装置の概観を示す斜視図
【図2】図1のリボン着脱装置の組立手順を示す説明図
【図3】図2に続くリボン着脱装置の組立手順説明図
【図4】本発明の第二の実施の形態に係るリボン着脱装置の概観を示す斜視図
【図5】図4のリボン着脱装置の組立手順を示す説明図
【図6】図5に続くリボン着脱装置の組立手順説明図
【図7】本発明の第三の実施の形態に係るリボン着脱装置の概観を示す斜視図
【図8】図7のリボン着脱装置の組立手順を示す説明図
【図9】図8に続くリボン着脱装置の組立手順説明図
【図10】本発明の第四の実施の形態に係るリボン着脱装置の概観を示す斜視図
【図11】図10のリボン着脱装置の縦断面図
【図12】図11と直交方向の縦断面図
【図13】本発明の第五の実施の形態に係るリボン着脱装置の構成を示す分解斜視図
【図14】図13のリボン着脱装置の動作を説明するための縦断面図
【図15】図13のリボン着脱装置の動作を説明するための図14と直行方向の縦断面図
【図16】本発明の第六の実施の形態に係るリボン着脱装置の構成を示す分解斜視図
【図17】図16のリボン着脱装置の動作を説明するための縦断面図
【図18】図16のリボン着脱装置の動作を説明するための図17と直行方向の縦断面図
【図19】従来のラベルプリンタを示す概観図
【図20】従来のコア付リボンの着脱装置を示す斜視図
【符号の説明】
【0036】
10,17,21,32…コアレスロールの着脱装置、11,18…回転ディスク、12,15,22…クランプ部材、13…位置決めピン、14,23,33…サポートピン、19…拡径保持手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、リボン、フィルム、紙など、幅と長さのある帯状の連続体を巻き取って芯の無い中空の巻回物(コアレスロール)を形成したり、逆に芯の無い中空の巻回物を回転軸に保持して、連続体に巻き戻すのに用いて好適なコアレスロールの着脱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコア付きロールの着脱装置として、図19に熱転写式のラベルプリンタを示す。
【0003】
プリンタ1には、熱転写インクリボン(以下、「リボン」という)2を装着する供給軸3と、該供給軸3に装着されたリボン2を巻き取る巻き取り軸4とが設けられている。
【0004】
図20は、供給軸3又は巻き取り軸4の構成を示す斜視図である。
供給軸3(巻き取り軸4)は図示の如く、回転軸5と、回転軸5に嵌装された円筒状のリボンボス6と、リボンボス6を所定トルクで回転させるためのクラッチ部7とからなり、リボン2が巻回された紙管又は転写済みのリボン2を巻き取る紙管等の管体8がリボンボス6の外側に嵌装され、リボンボス6の外周面に設けられている板バネ9によってリボンボス6に一体的に固定される構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、従来技術では、以下の問題があった。
【0006】
まず、使用済みのリボンはポリエステルなどのベースフィルムと紙とに分別すればリサイクルが可能であるが、従来は使用済みリボンを巻き取るのに空の紙管が必要であり、巻き取った後の紙管はシュレッダー処理に適さず、紙くずが混入してしまうためゴミとなってしまうという問題があった。
【0007】
また、リボンが巻回された紙管をリボンボスに装着するのに、紙管の内壁に板バネが作用するため、相当の力が必要となり、外周のリボンにシワが生じてしまうという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開平6−36853号公報
【0009】
ここで、ロールの巻きが崩れないことを前提に、軸に引っ掛けたり差し込んだり、あるいは凹部に収容するなどして回転を許容できさえすれば、一見コアレスロールの着脱装置となるようにも考えられる。
【0010】
しかしながら、印字用紙にはそうしたコアレス用紙が存在するが、インクリボンの着脱装置として使用するのには、回転の振れ(回転中心の偏りや巻回物の変形)のないように回転軸にしっかりと固定する必要がある。その理由はリボンロールの回転の振れが脈動(周期的な変動)となってリボン送り量に現れ、印字結果にムラが生じたり用紙に皺を発生させたりすることが考えられるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記従来の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は紙管などの芯を用いることなく、帯状の連続体を巻き取って中空の巻回物(コアレスロール)を形成したり、逆に芯の無い中空の巻回物を回転軸に保持して、連続体に巻き戻すのに用いて好適なコアレスロールの着脱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、第一の発明に係るコアレスロールの着脱装置は、中空部を備える芯無しの巻回物を回転軸に着脱する為の装置であって、前記中空部に内接する正多角形の各頂点に配設される位置決めピンと、該各隣接する位置決めピンを結ぶ線分の垂直二等分線上に配設されるサポートピンと、前記各位置決めピン同士が互いに平行となるように支持する回転ディスクおよびクランプ部材と、巻回物の装着時には、前記位置決めピンおよびサポートピンのうち、少なくともサポートピンを軸方向中間部分が互いに離間するように径方向外向きに湾曲させてロールを中空部の内側から保持する拡径保持手段とからなる。
【0013】
上記構成によれば、位置決めピンの抜き差しによらず、即ち組立と分解操作によらずにロール物の着脱を行うことができ、操作が簡単になるので、プリンタ等の装置に組み込む場合に好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、位置決めピンの抜き差しによらず、組立と分解操作によらず簡単な操作でロール物の着脱を行うことができるので、プリンタ等の装置に組み込むのに適している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べるコアレスロールの着脱装置は、従来技術(図20)のリボンボス6および板ばね9に代わるものであって、回転軸5およびクラッチ部7は、図示はしないが回転ディスク側に適宜設けるものとする。また、既述したのと同一の構成要素には同一符号を付し、以後の説明は省略するものとする。
【0016】
[第一の実施の形態]
図1ないし図3において、10はコアレスロールの着脱装置、11は回転ディスク、12はクランプ部材、13は位置決めピン、14はサポートピンである。
【0017】
回転ディスク11には円周上に正八角形をなすように8個の取付穴が形成され、この取付穴には芯のないリボン2の中空部に内接する位置決めピン13とサポートピン14とが取り付けられるようになっている。また、位置決めピン13とサポートピン14の取付穴は、共に回転中心を同一とする正方形をなし、互いに45度ずれて形成されている。
【0018】
位置決めピン13はサポートピン14よりも堅固に形成され、図2に示す如く、サポートピン14よりも先に回転ディスク11に取り付けられる。ここで、位置決めピン13はねじ止めなどであらかじめ回転ディスク11と一体化しておくものでもよい。また、サポートピン14はバネ性のある弾力性に富んだ材料で形成されている。
【0019】
前記各位置決めピン13同士が互いに平行となるように回転ディスク11に取り付けられ、コアレスリボン2を位置決めピン13上に挿入したのちに、図3に示す如く、サポートピン14を取付穴に差し込む。クランプ部材12は前記回転ディスク11とほぼ同一形状をなし、同様の取付穴を備えている。そして、各取付穴に位置決めピン13およびサポートピン14をこれらが互いに平行となるように差し込むことにより、コアレスリボンの着脱装置10が完成する。
【0020】
上記着脱装置10は、例えば従来の図19の供給軸3として使用することができる。
【0021】
なお、コアレスリボン2を装着せずに当該着脱装置10を組み立て、リボンの巻取軸4として使用することもでき、この場合は図3の矢印と逆方向に着脱装置10を分解し、巻き取った使用済みのリボン2を取り出すようにする。また、上記位置決めピン13とサポートピン14は共に弾力性に富む材料から形成してもよい。
【0022】
[第二の実施の形態]
図4ないし図6に示す形態は、第一の実施の形態の変形例であり、クランプ部材12に代えて、クランプ部材15のサポートピン14を装着する取付穴15Aに、コアレスリボン2を着脱する際にサポートピン14の着脱を容易とする放射状の切れ目を形成したことを特徴とする。
サポートピン14の着脱は、コアレスリボン2の中空部から行うことになり、この中空穴からサポートピン14を出し入れするのに、リボンの中心寄りから斜め方向に着脱できるため、組み立ておよび分解操作が容易となる。
なお、この放射状の切れ目は回転ディスク11側に形成してもよいし、回転ディスクとクランプ部材の双方に形成してもよい。
【0023】
[第三の実施の形態]
図7ないし図9に示す形態は、第一の実施の形態の他の変形例であり、全体を弾力性材料から形成したサポートピン14に代えて、両端にばね部を設けて中間部分に弾力性を持たせたサポートピン16を用いたことを特徴とする。
なお、クランプ部材12に代えて上記形態で述べたクランプ部材15を用いてもよい。
【0024】
[第四の実施の形態]
図10ないし図12に示す形態は、請求項4に係る発明の具体例である。なお、図を見やすくするために、4本の位置決めピン(13、不図示)および2本のサポートピン23を取り外した状態を示している。
【0025】
着脱装置17において、18は回転ディスクであり、上述した回転ディスク11とほぼ同様に形成されるものの、図11,図12に示す如く、中央に接続突起40が設けられている。そして、固定ピン13(不図示)が装着される取付穴13Aが4個形成され、残り4個の取付穴には後述のサポートピン23が取り付けられている。
19は、サポートピン23を軸方向中間部分が互いに離間するように径方向外向きに湾曲させ、図12の如くコアレスロールを中空部の内側から保持する拡径保持手段である。該拡径保持手段19は、操作軸20、三角板24、円錐体25、ばね26より構成される。
【0026】
操作軸20は、一端側先端部が中空になり、前記回転ディスクの接続突起40に摺動自在に取り付けられている。また、該操作軸20の他端側には、傘の留め具とほぼ同様のストッパ20A(図12参照)が設けられている。
【0027】
22はクランプ部材であり、位置決めピン(不図示)13によって固定支持されている。そして、該クランプ部材22の中央には総通穴が形成され、前記操作軸20が摺動自在に取り付けられている。
【0028】
サポートピン23は、上述のサポートピン14とほぼ同様、弾力性に富む材料から形成され、軸方向中間部に三角板24が取り付けられている。そして、該サポートピン23の一端側は回転ディスク18に固定され、他端側はクランプ部材22の取付穴に摺動可能に挿通されている。
【0029】
25は操作軸20の軸方向中間部に挿通して固定された円錐体であり、その外周側面が前記三角板24の傾斜面と平行に対向している。そして、操作軸20を図中右側に引っ張り操作すると、各三角板24を径方向外向きに押し広め、サポートピン23を図12の如く膨らませるように弾性変形させるものである。
【0030】
ばね26は引っ張りばねとして作用するものであり、操作軸20のストッパ20Aを解除すると、操作軸20を図中左側へ引き戻す役割を果たすものである。
【0031】
なお、上記の例では固定ピン13をすべてサポートピン23と置き換えることも可能である。この場合、サポートピン13の他端側はクランプ部材22の取付穴に固定してもよいし、終章可能に挿通するのでもよい、
また、後述する第六の形態の如く、サポートピンが弾性変形するのでなく、折れ曲がり変形するように変形してもよい。
【0032】
[第五の実施の形態]
図13ないし図15は前記第四の実施の形態の変形例である。本形態では、拡径保持手段としてカムレバー30を設け、操作を簡易にしたことと、回転ディスクの接続突起31にねじを形成して操作軸の長さ調整を可能にしたことを特徴とする。なお、本形態ではサポートピン23(三角板24)および円錐体25の取り付け方向およびばね26の取り付け位置が前記の例とは異なっており、ばね26は引っ張りばねではなく、押圧ばねとして作用する。また、操作軸を27と28に分割してアキシャル継手で連結し、カムレバー30を操作した際の径方向の変位を吸収できるようにした。29はカムレバー30を保持するカム受け板である。
【0033】
[第六の実施の形態]
図16ないし図18は前記第四の実施の形態の他の変形例である。本形態では、拡径保持手段のサポートピン33を弾力性材料から一体形成するのに代えて折れ曲がり可能なリンクを設けたことを特徴とするものであり、その動作は大略前記第五の形態と同様である。
【0034】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係るリボン着脱装置の概観を示す斜視図
【図2】図1のリボン着脱装置の組立手順を示す説明図
【図3】図2に続くリボン着脱装置の組立手順説明図
【図4】本発明の第二の実施の形態に係るリボン着脱装置の概観を示す斜視図
【図5】図4のリボン着脱装置の組立手順を示す説明図
【図6】図5に続くリボン着脱装置の組立手順説明図
【図7】本発明の第三の実施の形態に係るリボン着脱装置の概観を示す斜視図
【図8】図7のリボン着脱装置の組立手順を示す説明図
【図9】図8に続くリボン着脱装置の組立手順説明図
【図10】本発明の第四の実施の形態に係るリボン着脱装置の概観を示す斜視図
【図11】図10のリボン着脱装置の縦断面図
【図12】図11と直交方向の縦断面図
【図13】本発明の第五の実施の形態に係るリボン着脱装置の構成を示す分解斜視図
【図14】図13のリボン着脱装置の動作を説明するための縦断面図
【図15】図13のリボン着脱装置の動作を説明するための図14と直行方向の縦断面図
【図16】本発明の第六の実施の形態に係るリボン着脱装置の構成を示す分解斜視図
【図17】図16のリボン着脱装置の動作を説明するための縦断面図
【図18】図16のリボン着脱装置の動作を説明するための図17と直行方向の縦断面図
【図19】従来のラベルプリンタを示す概観図
【図20】従来のコア付リボンの着脱装置を示す斜視図
【符号の説明】
【0036】
10,17,21,32…コアレスロールの着脱装置、11,18…回転ディスク、12,15,22…クランプ部材、13…位置決めピン、14,23,33…サポートピン、19…拡径保持手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空部を備える芯無しの巻回物を回転軸に着脱する為の装置であって、前記中空部に内接する正多角形の各頂点に配設される位置決めピンと、該各隣接する位置決めピンを結ぶ線分の垂直二等分線上に配設されるサポートピンと、前記各位置決めピン同士が互いに平行となるように支持する回転ディスクおよびクランプ部材と、巻回物の装着時には、前記位置決めピンおよびサポートピンのうち、少なくともサポートピンを軸方向中間部分が互いに離間するように径方向外向きに湾曲させてロールを中空部の内側から保持する拡径保持手段とからなるコアレスロールの着脱装置。
【請求項1】
中空部を備える芯無しの巻回物を回転軸に着脱する為の装置であって、前記中空部に内接する正多角形の各頂点に配設される位置決めピンと、該各隣接する位置決めピンを結ぶ線分の垂直二等分線上に配設されるサポートピンと、前記各位置決めピン同士が互いに平行となるように支持する回転ディスクおよびクランプ部材と、巻回物の装着時には、前記位置決めピンおよびサポートピンのうち、少なくともサポートピンを軸方向中間部分が互いに離間するように径方向外向きに湾曲させてロールを中空部の内側から保持する拡径保持手段とからなるコアレスロールの着脱装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−76928(P2012−76928A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247896(P2011−247896)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【分割の表示】特願2006−352890(P2006−352890)の分割
【原出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000130581)サトーホールディングス株式会社 (1,153)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【分割の表示】特願2006−352890(P2006−352890)の分割
【原出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000130581)サトーホールディングス株式会社 (1,153)
【Fターム(参考)】
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