説明

コイン精米機の糠袋管理装置

【課題】 コイン精米機における糠袋は、精米機を利用する精米利用者の目に届かない場所(精米操作室の奥側に仕切りられた機械室)に設置されていて、精米機を管理する管理者のみが監視可能の形態にある。管理者が機械室に入って糠袋の状態を確認しなくても、操作室に居ながら糠袋の状態を把握できることを課題とする。
【解決手段】 精米操作室1に設ける操作盤2に液晶表示のモータ表示器3を設けて、精米運転の進行に応じた糠袋4の糠収容量を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コイン精米機の精米処理によって発生する糠を袋詰処理するときの糠袋の袋詰状態を管理する糠袋管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
糠袋をスプリング力で吊下げの糠袋保持器に保持させて、このスプリング抗にして下降させることにより糠袋の重量を計測して、この袋詰状態を検出する技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11ー104505号公報(第1頁、図1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コイン精米機における糠袋は、精米機を利用する精米利用者の目に届かない場所(精米操作室の奥側に仕切りられた機械室)に設置されていて、精米機を管理する管理者のみが監視可能の形態にある。
【0005】
本発明は、管理者が、操作室に居ても糠袋の状態を把握できることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、精米操作室1に設ける操作盤2に液晶表示のモータ表示器3を設けて、精米運転の進行に応じた糠袋4の糠収容量を表示することを特徴とするコイン精米機の糠袋管理装置の構成とする。
【0007】
コイン精米機は、精米を受けるための玄米袋を操作室1に持込んで、玄米供給ホッパに供給して、操作盤2のコインメックに所定量の精米料金を投入することによって、精米装置が所定時間にわたり駆動されて精米作用が行われる。そして、この精米作用によって生じた糠がこの機械室内に設置される糠袋4に搬送収容される。このような精米作用によって収容される糠袋4の糠量は、ロードセル等の重量センサによる直接の計量検出により、又は、精米装置の運転時間の累積時間や、前記操作盤2のコインメックに投入する精米料金の累積等により糠発生量を換算しながら間接的に袋詰量を計測することによって、精米コントローラのメモリーに自動的に記憶させる。ここで、メンテナンス等の必要に応じて管理者が前記操作盤2のモニタ操作によって、モニタ表示器3の表示画面6に糠袋4の現在の糠収容量を液晶表示させることができて、管理者が操作室1において糠袋4の状態を認識、乃至予測することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記糠袋4の糠収容量は、コインメック5に対するコインの投入料金に応じて換算表示するように構成する。
前記のように精米料金のコインメック5への投入によって、精米作用が行われると共に、この精米により発生する糠が糠袋4に収容される。従って、この精米料金の累積額に比例して発生する糠量が糠袋4に収容されているため、この精米料金量(額)をコインメック5を経るモニタ表示器3の表示が面6に液晶表示させることによって、糠袋4の糠収容量や、収容状況を知ることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記糠袋4を空の袋4に交換したとき、この糠収容量を表示するモニタ表示器3の表示画面6を押すことによって空表示とする。
前記のように、精米装置の運転によって発生した糠は、機械室の糠袋4に収容されるため、操作盤2の操作によってこの糠袋4内の糠収容状態をモニタ表示器3の表示画面6に液晶表示させて知ることができるが、この検出操作の後に、糠袋4を空の袋4に取替えたときは、この表示が面6の液晶表示部分を手で押すことによって、この袋4が現在空袋の状態にあることを表示するものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明は、機械室内に設置する糠袋4の糠収容量を、精米操作室1の操作盤2のモニタ表示器3に液晶表示して簡単な操作で、明確に確認することができ、糠袋4交換の見通しを行い易くする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記のような糠袋4の糠収容量状況をコインメック5の精米料金額によって換算して知ることができるため、糠重量を直接計測する糠重量センサ等煩雑な構成機構を設ける必要がなく、簡単で安価な構成とすることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記糠袋4を空の袋4と交換したときは、この糠袋4の糠収容状態を液晶表示するモニタ表示器3の表示画面6を押すことによって、初期化して空表示となるため、構成、及び操作共に簡単、容易である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】コイン精米機の精米操作室の正面図。
【図2】その平面配置図。
【図3】その精米工程を示すブロック側面図。
【図4】その精米作用を示すフローチャート。
【図5】表示画面の表示例を示す正面図。
【図6】表示画面の表示例を示す正面図。
【図7】表示画面の表示例を示す正面図。
【図8】表示画面の表示例を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面に基づいて、コイン精米機は、小形のハウス7内に仕切壁8を形成して、前側の操作室1と奥側の機械室9とを仕切構成する。この操作室1側には、ドア10を開閉して精米利用者が出入りでき、機械室9には、玄米供給ホッパ11や、石抜装置12、精米装置13、白米取出ホッパ14、糠処理装置15、及びこれらの間を搬送する搬送装置である搬送ラセン16、昇降機17、18、及びサイクロン19、ラセン20等を配置して、精米処理する形態としている。この精米装置13で精米された白米は、仕切壁8際に配置の白米ホッパ21に取出して、白米袋22で収容する構成とし、この精米行程で発生する糠は、サイクロン19の吸引で搬送して、ラセン20で搬送しながら、この排出口23、24の下側にのぞませる糠袋4に供給して充填させる糠処理装置15の形態としている。
【0015】
前記玄米供給ホッパ11の位置する仕切壁8部には玄米投入口25を開口し、この玄米投入口25の下側に玄米袋を支持する支持台26を設ける。又、玄米供給ホッパ11の底部には、モータ27によって駆動される搬送ラセン(玄米繰出用のロータリバルブ)16を有し、このホッパ11に収容する玄米の有無を検出する玄米センサ28を設けている。石抜装置12は、揺動選別盤を有して、前記昇降機17から搬送される玄米を受けて揺動選別して砂礫や、わら屑等を選別除去する。この石抜された玄米を昇降機18によって精米装置13へ供給して精米する。
【0016】
この精米装置13で精米された白米は、白米ホッパ21へ取出されて、操作室1から挿填される白米袋22に取出収容される。又、この精米装置13で除糠された糠は、サイクロン19によって搬送されて、この精米装置13の奥側の機械室9内に配置のラセン20を搬送されて、この排出口23、24から各糠袋4に排出充填される。ラセン20を搬送される糠は手前の排出口23から排出されて、この排出口23にのぞむ糠袋4へ供給される。この排出口23の糠袋4が一杯になると、ラセン20によって搬送される糠は、次の排出口24にのぞむ糠袋4にわたり順次排出供給される。
【0017】
前記仕切壁8の左右幅方向の中央部に操作盤2を設け、この操作盤2の上部には、操作手順を説明する説明パネル29を配し、この下段部に液晶表示のタッチパネルからなるモニタ表示器3の表示画面6を配し、更にこの下段部に精米駆動するための所定量のコインを投入するコインメック5や、コイン返却口30等を設ける。この精米運転の操作は、前記コインメック5に所定のコインを供給することによって、表示画面の6の操作が可能となるため、この表示画面6の手による押操作によって精米制御が駆動される。
【0018】
ここにおいて、このコイン精米機の糠袋管理装置は、精米操作室1に設ける操作盤2に液晶表示のモータ表示器3を設けて、精米運転の進行に応じた糠袋4の糠収容量を表示するように構成する。
【0019】
利用者は、精米を受けるための玄米袋を操作室1に持込んで、玄米供給ホッパに供給して、操作盤2のコインメックに所定量の精米料金を投入することによって、精米装置が所定時間にわたり駆動されて精米作用が行われる。そして、この精米作用によって生じた糠がこの機械室内に設置される糠袋4に搬送収容される。このような精米作用によって収容される糠袋4の糠量は、ロードセル等の重量センサによる直接の計量検出により、又は、精米装置の運転時間の累積時間や、前記操作盤2のコインメックに投入する精米料金の累積等により糠発生量を換算しながら間接的に袋詰量を計測することによって、精米コントローラのメモリーに自動的に記憶させる。ここで、メンテナンス等の必要に応じて管理者が前記操作盤2のモニタ操作によって、モニタ表示器3の表示画面6に糠袋4の現在の糠収容量を液晶表示させることができて、管理者が操作室1において糠袋4の状態を認識、乃至予測することができる。
【0020】
又、前記糠袋4の糠収容量は、コインメック5に対するコインの投入料金に応じて換算表示するように構成する。
前記のように精米料金のコインメック5への投入によって、精米作用が行われると共に、この精米により発生する糠が糠袋4に収容される。従って、この精米料金の累積額に比例して発生する糠量が糠袋4に収容されているため、この精米料金量(額)をコインメック5を経るモニタ表示器3の表示が面6に液晶表示させることによって、糠袋4の糠収容量や、収容状況を知ることができる。
【0021】
更には、前記糠袋4を空の袋4に交換したとき、この糠収容量を表示するモニタ表示器3の表示画面6を押すことによって空表示とする。
前記のように、精米装置の運転によって発生した糠は、機械室の糠袋4に収容されるため、操作盤2の操作によってこの糠袋4内の糠収容状態をモニタ表示器3の表示画面6に液晶表示させて知ることができるが、この検出操作の後に、糠袋4を空の袋4に取替えたときは、この表示が面6の液晶表示部分を手で押すことによって、この袋4が現在空袋の状態にあることを表示するものである。
【0022】
このコイン精米機は、図4のフローチャートの「スタートモード」のように、前記コインメック5にコインを投入し、玄米供給ホッパ11に所定量の玄米を供給して、モニタ表示器3の表示画面6に液晶表示される精白度を選択して押すことによって、精米機各部が自動的に駆動制御されて精米作用が行われる。
【0023】
前記表示画面6は、コインメック5に所定料金のコインを投入することによって精白度の選択画面Aが表示されるため、この表示指示に従って、例えば、「無洗米」A1の選択個所を押すと、「精米スタート」A2の操作位置が表示される。従って、この「精米スタート」A2の位置を押すことによって、精米装置13や、石抜装置12、及び各搬送経路の搬送機構等が駆動されて、玄米供給ホッパ11からの供給玄米が搬送されて、精米装置13による精米作用が行われる。このとき、この精米スタート後に精白度を変更するときは、「精白度変更」A3を押して訂正操作することができる。そして、精米作用が行われると、「精米中」A4の表示が出る。
【0024】
前記モニタ表示器3は、表示画面6に表示される「スタートモード」を、図6のような「メンテナンスモード」に切換えて液晶表示させることができる。この切換操作は、例えば、「選択表示」A5位置を押して切換えることができる。この操作によって、「メンテナンス画面」A6が表示されて、「積算時間情報」B、「糠袋貯留情報」C、及び「コインメック情報」D等が表示されるから、このうちのいずれか一つの、例えば、「糠袋貯留情報」Cを押せば、糠袋毎の貯留状況を表示するグラフ、乃至積重チャートC1、C2が液晶表示される。精米機を管理する管理者は、この表示画面6の積重チャートC1、C2を見て、袋替操作の有、無や、時期等を判断することができる。
【0025】
前記糠袋4の糠量を状況を表わすための精米時間を積算する「積算時間情報」Bや、「糠袋貯留情報」C、又は投入コイン積算料金を計測する「コインメック情報」D等は、同時に入力するように構成するもよいが、いずれか単一情報のみ入力する形態とするもよい。
【0026】
前記モニタ表示器3において、糠袋4の収容量を前記コインメック情報Cに基づいて積重チャートC1、C2として液晶表示する形態においては、この表示画面6に、例えば、10kg毎の積重形態にグラフィック表示して、規定満杯量の3/4の貯留量に達した時点で、管理者に警報を表示するように構成することができる。又、全ての糠袋4が満杯になると、利用者に警報を表示する構成とすることもできる。更には、メンテナンスによって糠袋4を空袋に交換した後に、液晶表示の「メンテナンス画面」A6を長押し(例えば、1sec)することによって、前記積重チャートC1、C2の表示部を空表示状態とするように構成することができる。
【0027】
次に、主として図7、図8に基づいて、モニタ表示器3を有するコイン精米機において、本機の故障中には、表示画面6にQRコード31を表示して、携帯電話器32でこのQRコード31を読み取れば、管理者情報、又は、最寄り位置のコイン精米機設置付近等の「地図」A7、その他の情報等を紹介できる形態としている。利用者の対応便宜サービスを図ることができる。
【符号の説明】
【0028】
1 操作室
2 操作盤
3 モニタ表示器
4 糠袋
5 コインメック
6 表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
精米操作室(1)に設ける操作盤(2)に液晶表示のモータ表示器(3)を設けて、精米運転の進行に応じた糠袋(4)の糠収容量を表示することを特徴とするコイン精米機の糠袋管理装置。
【請求項2】
前記糠袋(4)の糠収容量は、コインメック(5)に対するコインの投入料金に応じて換算表示することを特徴とする請求項1に記載のコイン精米機の糠袋管理装置。
【請求項3】
前記糠袋(4)を空の袋(4)に交換したとき、この糠収容量を表示するモニタ表示器(3)の表示画面(6)を押すことによって空表示とすることを特徴とする請求項1、又は2に記載のコイン精米機の糠袋管理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−218264(P2011−218264A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87898(P2010−87898)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】