説明

コネクタ、容器及び流体調製装置

【課題】連結手順、容器の製造工程及び流体調製装置の相手のコネクタ部分のすすぎ(洗浄)及び殺菌の間、取扱いを相当簡単にする、容器用のコネクタ、対応する容器、対応する相手のコネクタを備えた流体調製装置を提供する。
【解決手段】本発明は、容器を、流体を調製するための流体調製装置と連結するためのコネクターの分野に関し、特に透析装置向けの、そのような容器及び流体調製装置に関する。本発明は、コンテナの第1の流体ライン及び第2の流体ラインを、流体調製装置の第3の流体ライン及び第4の流体ラインと、第1の流体ライン及び第2の流体ラインで終わる2つのオリフィスの1つをそれぞれ有する2つの等しく側方に間隔を隔てた取付け手段(2、4)で連結するためのコネクタ(1)を提供する。本発明は又、対応するコンテナ及び流体調製装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を、流体を調製するための流体調製装置と連結するためのコネクターの分野に関する。本発明は又、特に透析装置向けの、そのような容器及び流体調製装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日常的な治療に使用されるほとんどの血液透析装置は、装置に収容された流体調製部によって、それら自身で、所要の透析流体を調製し、流体調製部で水と十分な濃縮物との混合が起こる。これらの濃縮物は、一般的には、液体形態で分配され、キャニスターに充填されている。流体濃縮物で満たされたそのようなキャニスターの取扱い及び運搬は、様々な問題を提起する。特別のそしてむしろ立体的なコネクタが、装置が所要の濃縮物を吸引することができるように、透析装置については、そのようなキャニスターを連結するのに必要である。キャニスターの交換の間、流体をこぼすかもしれない。キャニスターが連結されていない時間の間、コネクタを収容し或いはすすぐための特別なチャンバーが、必要とされる。重量に関係する限り、重量は主として、製造者から患者へ送出される水だけである。さらに、空のキャニスターは、或るブロッキング特性及び安定特性を有する特別な材料だけが使用されるべきであるから、環境問題を表す。
【0003】
例えばクリニックで、設置された配管ネットワークによって、集中調製ユニットから様々な治療現場まで濃縮物を提供することも知られている。これは、これらのクリニックの治療現場での作業負担を簡単化するが、そのような配管ネットワークは、設置及び保守の両面で高価であり、より融通のきく状態には適用できないことは明白である。
【0004】
透析流体の少なくとも或る成分に、重炭酸塩のような粉体又は粒状固体濃縮物を使用することも知られている。米国特許第5,540,265号は、濃縮物を収容し且つ栓要素を有するバッグを備えたそのようなシステムを開示する。透析装置には補足的な栓要素があり、それによって、第1の流路及び第2の流路とバッグの内部との流体連結がこの栓要素によって行われる。水が第1の流路によってバッグの中へ導入される。希釈され、かくして調製された重炭酸塩流体は、第2の流路によって抜き出される。
【0005】
栓要素は、2つの流路のための同軸設計を有する。従って、透析装置の補足的な栓要素は、透析装置のこの部分の日常的なすすぎ(洗浄)及び殺菌を可能にする精巧な解決策を必要とする精巧な設計を有する。さらに、バッグの栓要素が円形の設計を有すると、そのようなバッグの製造工程は、栓要素が通常、バッグの側壁の補足的な孔内に溶接されるので、特別な工程をもたらす。それ故、頂部からのみバッグを評価するもっと簡単な技術は適用できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、連結手順、容器の製造工程及び流体調製装置の相手のコネクタ部分のすすぎ(洗浄)及び殺菌の間、取扱いを相当簡単にする、透析装置のような流体調製装置の相手のコネクタに連結されるべき容器用のコネクタを提供することにある。
本発明の目的は又、対応する容器を提供することにある。さらに、本発明の目的は、対応する相手のコネクタを備えた流体調製装置を提供することにある。
これらの本発明の目的は、独立請求項1、8及び14によって請求された主題によって解決される。本発明の様々な実施形態は、独立請求項の主題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の概念は、流体調製装置の2つの流体ラインに連結されるべき2つの流体ラインのための両流体ラインコネクタ部分を有する取付け手段を、各々、2つのコネクタ部分の各々のオリフィスを有する2つの側方に間隔を隔てた取付け手段に分離することによって、取扱い工程及び製造工程を著しく簡単にするコネクタシステムを組立てることが可能であるという観測に基づかれる。本発明の概念の助けにより、流体調製装置に連結され、吊り下げ態様で取付けられる容器を設計することが特に可能であり、コネクタ部分は、取付けられたコンテナの最適な安定性を実現するために、容器の最上個所でフック状態様に同時に使用されている。
本発明のこれらの利点及び他の利点は、添付図面の助けによって例示として説明する実施形態からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】舟形断面を有する本発明によるコネクタの実施形態の斜視図である。
【図2】図1に示すコネクタの第1の断面図である。
【図3】図2のA−A線に沿った第2の断面図である。
【図4】図1乃至図3に示すコネクタを使用する本発明による容器の実施形態と、容器を取付けるのに適している、本発明による流体調製装置の実施形態の一部を示し、その部分の蓋が第1の位置にある図である。
【図5】容器を取付けた、図4と同じ構成を示す図である。
【図6】容器を取付けた、流体調製装置の部分の第1の断面図を示し、蓋が第2の位置にある図である。
【図7】容器を取付けていない、流体調製装置の部分の第2の断面図を示し、蓋が第3の位置にある図である。
【図8】使用前の単一のフラップ状シールを備えた容器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に、本発明によるコネクタの実施形態を斜視図で示す。コネクタ1は、2つの棒状の平行に間隔を隔てた取付け手段2、4を有する。このような取付け手段は、軸線方向の挿入によって、相手の取付け手段に容易に取付けられる。取付け手段2、4の内部は中空であり、かくして、第1のオリフィス3及び第2のオリフィス5を構成する。
コネクタ1は、広い中間部分6及びこの広い中間部分6の両側の2つの翼状突出部7、8を有する舟形断面を有する。舟形断面は、可撓性バッグを製造する技術で知られているように、可撓性管状バッグのような容器の収容部分とコネクタとの接合を相当に簡単化する。従って、溶接の目的のために、コネクタ1の下端部16にリップ構造19が設けられるのが良い。
【0010】
舟形断面の中間部分6は、上端17から下端16まで延びる第5のオリフィス11を示す。オリフィス11は、製造工程の際コネクタに接合されるべき収容部分に物質を予備充填するのに使用される。
取付け手段2、4は、突出部28、29によって、全て平行である取付け手段2、4の軸線、かくしてオリフィス3、5及び11の軸線と垂直である方向に翼状突出部7、8から突出する。図1に示す実施形態では、突出部28、29は、翼状突出部7、8の一方の側に対して接線方向にある。
さらに、ハンドル12の第1の端部13は第1の取付け手段2に接合され、ハンドル12の第2の端部14は第2の取付け手段4に接合されている。ハンドル12の使用を容易にするために、端部13、14は可撓性フィルムジョイントを有するのが良い。
【0011】
コネクタ1は又、第2の取付け手段4とコネクタ1の中間部分6とを接合する棚部15を備えている。この棚部15は、以下に概説するように、相手のコネクタ部位でコネクタの正しい取付けを確認するための検出器手段用の相手部品として役立つ。
図2には、中間部分6及び翼状突出部7、8をそれらの中間に沿って切り取った、コネクタ1の断面図が示され、この図は、図1でみて後側からみた図である。コネクタ1は、下端16から上端17まで延びている。中間部分には、コネクタの下端16に接合されるべき収容部分の容易な予備充填を可能にするための連続的なオリフィス11が見られる。
【0012】
第1の翼状突出部7には又、連続的な第3のオリフィス9があり、第2の翼状突出部8には又、連続的な第4のオリフィス10がある。第3のオリフィス9及び第4のオリフィス10はそれらの延長部に沿って容器1の下端16から上端17まで変化する断面を有するが、これは、流体連通がそれらの延長部に沿って確立される事実に影響を与えない。第3のオリフィス9は、第1の分配チャンバー20まで延び、第4のオリフィス10は、第2の分配チャンバ21まで延びる。
図1で分かるように、分配チャンバ20、21は、それぞれ、スロット22及び23によって第1のオリフィス3及び第2のオリフィス5と流体連通する。コネクタ1を、以下に説明する相手の取付け手段に取付けることによって、流体連通が、第1のオリフィス3から第3のオリフィス9まで確立され、それ故に第1の流体ラインを構成し、また、第2のオリフィス5から第4のオリフィス10まで確立されて第2の流体ラインを構成する。
【0013】
図3は、図2に示すようにA−A線に沿うさらなる断面図を示す。この図では、2つの取付け手段2、4の突出部28、29、かくして、コネクタ1の翼状突出部7、8及び中間部分6の垂直な延長部に直角な方向の第1のオリフィス3及び第2のオリフィス5がより明瞭に示されている。
本発明による容器の実施形態では、図1乃至図3に示すコネクタ1は、コネクタ部分、即ち容器の収容部分に接合されるべき下端16を表している。この目的のため、上端17は、可撓性シート18によって、溶接又は同様の既知の接合技術によって、周縁部26に沿ってシールされ、それは又、第5のオリフィス11を囲み、かくしてこれをシールしている。コネクタの設計により、第1の流体ライン及び第2の流体ラインのための流路は、このシールによって塞がれないことに気付く価値がある。
【0014】
容器の実施形態を図4に示す。容器30の収容部分31は、下端32がシールされ、且つ、上端33が溶接又は同様の技術により漏れ止め方法でコネクタ1の下端16に接合されている管状バッグで作られている。図4に示す実施形態では、さらに、容器30に、最終使用のために溶解されるべき物質の粉末濃縮物34が予備充填されている。物質は、他の状態で提供されても良く、即ち固体でも流体でも良く、特定な目的のために何でも有用である。
使用前に無菌状態を維持するために、オリフィス3、5の下端24、25は、容器30の内部が外部に対して完全にシールされるように、適当な方法でシールされるのが良い。例示として、オリフィス3、5の両方をシールしている単一のフラップ状シール27を図8に示す。シール27は、使用前に、使用者によって図8に示すようにシールを剥がすことによって取り除かれる。
【0015】
さらに、バッグに流入及び又は流出する通過流体を濾過するために、及び又は、流体ラインを収容部分31内の特定部位まで延長させるために、第1の流体ライン及び又は第2の流体ラインに配置される図示しないチューブ及び又はフィルターが、容器30に設けられるのが良い。溶解されるべき物質の飽和溶液を引き出すことが望まれるならば、収容部分31の上端33の近くで、水のようなフラッシング用それ故溶解用流体を導入し、収容部分30の下端32の近くで、飽和溶液を引き出すことが有用であることが分かるかもしれない。
【0016】
図4では、コネクタ1かくして容器30に取付けるための相手の第1の取付け手段53及び第2の取付け手段54を有する、本発明による流体調製装置のための実施形態の部品50が示されている。これらの相手の第1の取付け手段及び第2の取付け手段は、第1の挿入チャンバー53及び第2の挿入チャンバー54によって形成され、第1の棒状取付け手段2及び第2の棒状取付け手段4をこれらのチャンバーの中へ挿入することによって取付けることができるような補足的な断面を有する。どんな断面も使用しても良いが、本実施形態に示すように円形断面が、向上したすすぎ(洗浄)特性及び殺菌特性のために有利である。
【0017】
第1の挿入チャンバー53は、第3の流体ライン51、即ちフラッシング流体ラインと流体連通し、この流体ラインは、フラッシング流体の送出のためのフラッシング流体源(図示せず)に連結される。このフラッシング流体は、予備充填された物質及びフラッシング流体から調製された流体を準備するために、コンテナ30の使用中要求され、フラッシング流体は、ほとんどの場合単に水である。対応的に、第2の挿入チャンバー54が、第4の流体ライン52、即ち調製流体ラインと流体連通し、この流体ラインは、調製された流体が要求される場所に調製された流体を送出することを可能にする。これは、依然として、流体調製装置内にあっても良いし、或いは、他のどこかへの送出に適当な流出口の手段にあっても良い。
【0018】
流体調製装置の部品50は又、検出手段58を有し、検出手段は、この実施形態では、機械的マイクロスイッチである。容器30、かくしてコネクタ1を取付ける際、棚部15がスイッチ58を押し、流体調製装置の図示しない電気評価回路によって、流体調製装置に、コネクタ1の正しい取付けを確認させる。この評価回路により、そのような確認がなされるまで、任意のアクチュエーターに、第1の挿入チャンバー53内へのフラッシング流体の流れを止めさせることが可能である。
流体調製装置の部品50はさらに、蓋59を有する。蓋59は、図4に示す第1の開放位置から、以下に説明する第3の閉鎖した、好ましい係止位置まで、ジョイント65の周りに回転できる。第1の位置と第3の位置の間で、蓋59は、又以下で説明するように、容器30を取付ける第2の位置で止められ、好ましくは係止できる。蓋59は、蓋59が第3の位置にあるとき、第1の挿入チャンバー53及び第2の挿入チャンバー54をそれぞれ閉じるのに適した第1の閉鎖部分60及び第2の閉鎖部分61を有する。
【0019】
図5に、コネクタ1かくして容器30を流体調製装置の部品50に取付けた図4と同じ図を示す。第1の取付け手段2及び第2の取付け手段4は、第1の挿入チャンバー53及び第2の挿入チャンバー54に挿入される。さらに、部品50には、第2の位置か第3の位置のいずれかにおける蓋59の存在を検出する2つの近接検出部63、64がある。これらの近接センサーは、蓋59の或る部分の接近位置を知らせる「ホール」センサのような非機械的センサであるのが良い。これらのセンサーも、蓋59の可動な相手部品(図示せず)によって動作させられる機械的スイッチ手段を有し、作動時に、可動な相手部品が蓋59を第2の位置又は第3の位置に係止するのに役立つ。
【0020】
図6は、図5に示す構成の第1の断面図を示し、蓋59が、第2の位置にあり、閉鎖部分60、61でコネクタ1上に押しつけることによってコネクタ1をその取付け位置に止める、この断面図は、図5の左から右の向きに見て、フラッシング流体ライン51及び第1の挿入チャンバー53に沿って取られている。調製流体ライン52及び第2の挿入チャンバー54は、対称的な設計を有する。
第1の挿入チャンバー53内には、第1の挿入チャンバー53内にフラッシング流体ライン51を終える第1の雄コネクタ要素55がある。第1の雄コネクタ要素55は、任意の適当な材料、例えばゴムで作られた可撓性シール及び補正用要素57で、部品50のハウジングに接合される。シール及び補正用要素57により、コネクタ1の関係する相手部品に存在する公差を補正するために、第1の雄コネクタ要素55のハウジングに対する移動を可能にする。
【0021】
図6に示した構成では、第1のオリフィス3、それゆえコネクタ1の第1の流体ライン、及び、容器30が、今、フラッシング流体ライン51と流体連通している。オリフィス3は、第1の取付け手段2の下方の周縁の第1のシールリップ66によって制限されている。シールリップ66は、射出成形によって容易に作られる。リップ66は、第1の雄コネクタ要素55との漏れ止め連結を保証し、リップ66が第1の雄コネクタ要素をその外周縁で取り囲む。
第1の取付け手段2は、第1の取付け手段2の第1の段状突出部69が流体調製装置の部品50のハウジングに触れるまで、第1の挿入チャンバー53内に挿入される。
第1の挿入チャンバー53から第5の流体ライン62が分岐している。コネクタ1が取付けられるとき、この第5の流体ライン62は、第1のシールリップ66によってシールされ、即ち、連結された第1の流体ライン及びフラッシング流体ライン51である第3の流体ラインに流体連通しない。
【0022】
第2の流体ライン及び第4の流体ラインの連結のために、対応する要素、即ち、第2の雄コネクタ、第2のシール及び補正用要素、第2のシールリップ、第2のステップ状突出部及び分岐した第6の流体ラインがある。
第5の流体ライン及び第6の流体ラインの目的は、図7から明らかになる。図7は、流体調製装置の部品50の第2の断面を示す。図7は、コネクタ1が取付けられておらず、また、蓋59が第3の閉鎖位置にある事実によって図6とは異なる。第1の挿入チャンバー53は、今、蓋59の一部である第1の閉鎖部分60によって閉じられている。閉鎖部分は、第1の閉鎖部分60の外周のシール手段67によってシールされており、シール手段は、ここでは、Oリングガスケットによって成し遂げられる。第1の閉鎖部分60の内側には、第1の雄コネクタ要素55の外径より大きな直径を有する第1の開口部68がある。
【0023】
この形態で、流体調製装置の部品50の流体ラインを、水又は殺菌流体のようなどんな流体ででも、容易にすすぐことができる。第2の閉鎖部分61が同様な方法で第2の挿入チャンバー54をシールしているので、リンス流体は、第3の流体ライン即ちフラッシング流体ライン51によって提供される。次いで、フラッシング流体は、第1の挿入チャンバー53に入り、第5のライン62を経てチャンバー53を出る。この実施形態では、第5のラインと第6のラインが接合されている(図示せず)。それ故、リンス流体は、第6の流体ラインによって第2の挿入チャンバー54に入り、第4の流体ライン即ち調製流体ライン52を経てチャンバー54を出る。この形態によって、相手のコネクタ領域で流体調製装置の全ての関連部分の容易且つ効果的なすすぎ及び又は殺菌が成し遂げられる。ガスケット67より上方にあるどんな部分にもすすぎ流体が達しないが、これらの部分は、コネクタ1が連結されると、流体通路の部分ではなくなる。
【0024】
コネクタ1又は容器30は、それぞれ、使い捨て目的で使い捨て物品として設計されるのが良い。それ故、それらの殺菌のための特別な溶液を見つける必要はない。この場合、シールリップ66のような敏感な部品は、いかなる特別の部品又は高価な保守作業をもたらすことなく、或る使用から他の使用で自動的に交換される。
検出手段63、64は、第2の位置及び第3の位置で蓋59を感知する。流体調製装置の電気評価回路は、殺菌又はオンライン流体調製のような流体調製装置の特別のモードの間蓋59の期待される位置を確認するために、これらの検出手段によって提供される信号を監視する。
【0025】
コネクタ1の舟形断面は、好ましい実施形態を表すことに気付く価値がある。特許請求の範囲によって示される本発明の概念を依然として満たすコネクタの他の形状によっても、使用中、コネクタシステムの容易な取扱いを可能にするだろう。図4乃至図7から明らかであるように、コネクタのこの部分の形状は、それら自身で連結ステップにほとんどいかなる影響も与えない。
それ故、本発明は、特別なコネクタを有する容器からなる流体調製装置及び流体調製装置のための容易な取扱い及び信頼できるコンポーネントを提供する。容器は、物質で予備充填されるのが良いが、又、使用中満たされ及び又は空にされる、初期に空の容器を使用する適用も可能である。容器は、どんな種類の剛性のものでも可撓性のものでも良い。しかしながら、可撓性バッグは、好ましい実施形態を表す。
【0026】
本発明によるシステムの構成要素は、取扱いが滅菌状態に特に敏感である医療分野で特に有用である。同時に、本発明は、関心の少なくない安価な解決法を提供する。本発明は、流体調製装置が透析装置の部分である透析の分野に特に有用であることが分かった。調製された流体は、重炭酸塩のような完全透析流体の一部のみ又は完全透析流体を表わす。それは、血液透析又は腹膜透析のようなどんな種類の透析にも適用される。
【符号の説明】
【0027】
1 コネクタ
2 第1の取付け手段
3 第1のオリフィス
4 第2の取付け手段
5 第2のオリフィス
6 中間部分
7 翼状突出部
8 翼状突出部
9 第3のオリフィス
10 第4のオリフィス
11 第5のオリフィス
12 ハンドル
15 棚部
30 コンテナ
31 収容部分
50 流体調製装置の部品
51 フラッシング流体ライン
52 調製流体ライン
53 第1の挿入チャンバー
54 第2の挿入チャンバー
55 第1の雄コネクタ要素
59 蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の流体ラインを第3の流体ラインに連結するための第1のオリフィスを提供する第1のコネクタ部分と、
第2の流体ラインを第4の流体ラインに連結するための第2のオリフィスを提供する第2のコネクタ部分と、
第1のコネクタ部分及び第2のコネクタ部分と相手のコネクタの相手の部分との連結を可能にする取付け手段と、
を有する、流体ラインを連結するためのコネクタにおいて、
取付け手段は、相手のコネクタの2つの等しく側方に間隔を隔てた相手の取付け手段との連結を可能にする2つの側方に間隔を隔てた取付け手段を有し、
2つの取付け手段の各々は2つのオリフィスの1つを有することを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
コネクタは、広い中間部分及びその広い中間部分の両側の2つの翼状突出部を有する舟形断面を有し、2つの取付け手段の各々は、2つの翼状突出部の一方から突出する、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
2つの取付け手段は、取付け手段の軸線に垂直である方向に突出する、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
第1の翼状突出部に第3のオリフィスがあり、第2の翼状部分に第4のオリフィスがある、請求項2又は3に記載のコネクタ。
【請求項5】
中間部分に第5のオリフィスがある、請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
コネクタは、さらに、2つの端部を有するハンドル手段を有し、2つの端部の各々は取付け手段の一方に接合されている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項7】
コネクタは、さらに、中間部分と一方の取付け手段とを接合する棚部を有する、請求項3乃至6のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項8】
収容部分と、連結部分と、を有する容器において、
連結部分は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のコネクタを有する、容器。
【請求項9】
収容部分はバッグからなる、請求項8記載の容器。
【請求項10】
バッグは、一端がシールされ、他端がコネクタによって閉じられた管状バッグのタイプのものである、請求項9に記載の容器。
【請求項11】
容器は、乾燥又は流体媒質で満たされる、請求項8乃至10のいずれか1項に記載の容器。
【請求項12】
乾燥又は流体媒質は、特に濃縮物として、透析流体の成分である、請求項11に記載の容器。
【請求項13】
コネクタの下端は、収容部分によって大気に対しシールされ、コネクタの上端は、シールによって大気に対しシールされ、第1のオリフィス及び第2のオリフィスは、別のシールによって大気に対しシールされる、請求項8乃至12のいずれか1項に記載の容器。
【請求項14】
フラッシング流体ラインに連結されたフラッシング流体のための源と、
調製されるべき流体のための調製流体ラインと、
フラッシング流体ライン及び調製流体ラインが容器の内部と流体連通するように、容器を取付け且つ連結するのに適した取付けコネクタ部分と、を有する流体調製装置において、
容器は、請求項8乃至13のいずれか1項に記載の容器であり、
取付けコネクタ部分は、第1の相手の取付け手段及び第2の相手の取付け手段を有し、
フラッシング流体ラインは第3の流体ラインであり、
調製流体ラインは第4の流体ラインである、流体調製装置。
【請求項15】
第1の相手の取付け手段及び第2の相手の取付け手段は第1の挿入チャンバー及び第2の挿入チャンバーであり、容器の第1の取付け手段及び第2の取付け手段が連結のために第1の挿入チャンバー及び第2の挿入チャンバー内に挿入可能であり、第1の挿入チャンバー及び第2の挿入チャンバーは、フラッシング流体ラインで終わる第1の雄コネクタ要素及び、調製流体ラインで終わる第2の雄コネクタ要素を有する、請求項14に記載の流体調製装置。
【請求項16】
シール及び補正用要素は、第1の雄コネクタ要素及び第2の雄コネクタ要素の移動をシールし且つ補正するために、第1の挿入チャンバー及び第2の挿入チャンバーの各々に挿入される、請求項15に記載の流体調製装置。
【請求項17】
第1の挿入チャンバー及び第2の挿入チャンバーは、平行な向きを有する、請求項14乃至16のいずれか1項に記載の流体調製装置。
【請求項18】
流体調製装置は、コネクタの存在を検出するための検出手段をさらに有する、請求項14乃至17のいずれか1項に記載の流体調製装置。
【請求項19】
取付けコネクタ部分を覆うための蓋をさらに有する、請求項14乃至18のいずれか1項に記載の流体調製装置。
【請求項20】
蓋は、第1の挿入チャンバーを閉じるための第1の閉鎖部分及び第2の挿入チャンバーを閉じるための第2の閉鎖部分を有する、請求項15乃至19のいずれか1項に記載の流体調製装置。
【請求項21】
さらに、第1の閉鎖部分が第1の挿入チャンバーを閉じるとき、第1の挿入チャンバーと流体連通する第5の流体ライン、かくしてフラッシング流体ラインを有し、第2の閉鎖部分が第2の挿入チャンバーを閉じるとき、調製流体ラインと流体連通する第6の流体ラインを有する、請求項20に記載の流体調製装置。
【請求項22】
第5の流体ラインと第6の流体ラインは接合されている、請求項21に記載の流体調製装置。
【請求項23】
蓋は、コネクタの取付け及び又は取外しを可能にする第1の位置と、取付けられたコネクタが蓋によって適所に保たれる第2の位置と、第1の挿入チャンバー及び第2の挿入チャンバーが閉じられ且つコネクタが取付けられていない第3の位置との間で移動可能である、請求項19乃至22のいずれか1項に記載の流体調製装置。
【請求項24】
さらに、蓋の3つの位置の一つ、いくつか又は全部を検出するための蓋位置検出手段を有する、請求項23に記載の流体調製装置。
【請求項25】
流体調製装置は透析流体調製装置の一部であり、調製された流体は透析流体又は透析流体の一部である、請求項14乃至24のいずれか1項に記載の流体調製装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−178566(P2009−178566A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−114752(P2009−114752)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【分割の表示】特願2003−64581(P2003−64581)の分割
【原出願日】平成15年3月11日(2003.3.11)
【出願人】(597075904)フレゼニウス メディカル ケア ドイッチェランド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (55)
【Fターム(参考)】